丼の上から逃げ出す!? 本当に生きてる『活いか踊り丼』

 北海道新幹線開業直前の2月末、はるばる雪の函館までやって来た。それは、「この一杯の丼を喰うためじゃ!」と言っても過言ではない。それなのに、ああ、それなのに……。  函館名物といえば、観光客のほぼ100%が立ち寄るJR函館駅のすぐ横にある朝市も、そのひとつ。そこで食べられる魚介類は、内地ではなかなか口にすることのできない新鮮さである。その朝市の中でも、ある衝撃的なシーンで有名なのが、この『活いか踊り丼』なのだ。  ムービーを見るとわかるように、すでに、まな板の上どころか、刺身にされて丼に盛られているにもかかわらず、箸を構えて今にも喰らわんとする人間に対し、めまぐるしく体色を変化させて威嚇するかのようなイカの生命力は、まさに感動のひと言だ。  そして、その感動のピークは、醤油を回しかけた瞬間に訪れた! 頭と足に醤油がかかった途端、イカは丼の上で足をジタバタさせて最後の抵抗を始めたのだ! イカでもやっぱり傷口に醤油は染みるのだろうか。
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ゲソの部分はお願いすると食べやすく小さく切ってくれる。それでもまだ動いていた。
 しかし、残念だったのは、この時期、足の短いヤリイカしかいないこと。足の長い真イカならば、醤油をかけた途端、起き上がって丼から逃げ出す、あの有名なシーンが見れたかも知れない。それを楽しみに来たのに……。  だが、半透明で新鮮なイカのコリコリした食感と甘さこそが活イカ丼の命。踊らなくても逃げ出さなくても、函館の味に変わりない。  美人店員さんによると、真イカの踊りが見たければ、旬の6月以降がおすすめということだ。その頃には新幹線も開通しているし……。  うもうございました。
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本当はこんな足の長いイカを期待していたのだが……。
函館 たびじ『活いか踊り丼』1890円 インパクト ☆☆☆!! 味     ☆☆☆ 店     ☆☆☆ (写真・文=よしよし)

イモねーちゃん、イモにーちゃん集まれ! ポテトに埋もれたコペルニクス的な1杯

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パッと見、丼の底まで永遠に続きそうなジャガバタ感だが、その下には……
 北関東のイモ好きが泣いて喜びそうな珍級グルメを発見した!!  どうよ、この丼いっぱいに広がるポテトの海。薄切り男爵イモのフライで、下に何が隠れているかわからない。バターが切ない程にいい風合いと風味を醸し出しているではないか。    このポテトフライの下には何があるのか? このまま丼の底までポテトが沈んでいるのかそれとも……。  ポテトをひとつ、ふたつ、食べ進めると、その下から現れたのは……手もみ風のちぢれた塩ラーメンなのでした。
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ポテトラーメンは塩ラーメンベースだが、好みに応じて味噌ラーメンなどにポテトのトッピングも可だ。
 ラーメンとポテト? 一見ミスマッチとも思える炭水化物同士のコラボだが、実食してみればかなり相性がよろしい。さらに、バターのコクと旨味がポテトとスープにとけ込んで、ポテトから麺への橋渡し(箸渡し?)の役目を担っているのだ。 「でも、ポテトのカリカリ部分は美味しそうだけど、スープに浸ってるところは……」  そう言うと思った。スープでホロホロになったポテトはまた違う食感と風味で、これまた最高のひとくちなのだ。  昨年、立ち喰いそばチェーンの『阪急そば若菜』や『名代 富士そば』でもポテトそばが販売されたが、ひょっとしたらこのポテトラーメンにインスパイアされたんじゃないのかと思えてしまうほど、完成された一杯なのだ。  イモねーちゃん、イモにーちゃんに関わらず、伊香保温泉やゴルフにお越しの際はぜひオススメしたい一品である。たいへんうもうございました。
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「旨いには訳がある」30年超の歴史が物語る一言だ。
渋川 はんぐりー『ポテトラーメン』730円 インパクト ☆☆☆ 味     ☆☆☆!! 店     ☆☆☆ (写真・文=よしよし)

見るからに餃子inギョーザ? ウルトラそのまんまな『でっかい親子餃子』

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メニューは全20種類。鶏天は全長20センチ、タワーバーガーは40センチもあるぞ。
 JR東京駅・八重洲口の地下街「グランルーフ」と「グランルーフ フロント」で、ウルトラなイベントが開催されているのを知っているか!? その名も『ウルトラメニュー大集合!!』だ。 『JR東日本 帰って来たぞ! 我らのウルトラマンスタンプラリー』イベントのひとつで、ウルトラマンにちなみ、ウルトラのっぽのハンバーガーや、ウルトラでっかいアナゴ天ぷら、ウルトラ辛い山わさび丼など、全20種類のウルトラメニューは、まさにこの珍級グルメのためにあるんじゃないかってくらい、珍なイベントなのだ。その中でも今回はもっともインパクトある、つまり“ウルトラ珍”なグルメを紹介しよう。
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遠目にはでっかい餃子にも見えるが……。
 この半円形の食べ物、パッと見、何に見える? 大きなプレートにサルサソースと一緒に乗っかっているのは、オムライスでもなければパイでもない。ふっくらしすぎたナンでもない。何が入っているのか切り開いて中身を覗いてみると……こんな感じ!
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 パイのような生地とチーズに包まれたなんか小さいものが並んでいる。そう、この中に入っているのは小ぶりな餃子なのだ!! 
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開いてみると中身はやっぱり餃子。チーズとトマトソースがイタリアンの風味を。
 本来はカルツォーネというイタリアのメニューで、ピザ生地でタマネギやアンチョビ、ソーセージなどとチーズを包んだサンドイッチ的な軽食らしい。ウエイトレスのお姉さんは、 「餃子っていうよりは、メキシカンな感じですよ」  って言うけど、サルサソースが付いてるからそうなんだろうね(笑)。  生地は、ピザと同じで柔らかサクサク。香りはやっぱり餃子だが、チーズとトマトソース、サルサソースで、中華、メキシカン、イタリアンのトリニティー(三位一体)っぷりがハンパない。ビールでもワインでもバッチリ。いわば、でっかいラビオリっていう感じだ。  乗り換えのついでだけじゃもったいない。わざわざ食べに行っても十分楽しめる珍メニューが揃っている『ウルトラメニュー大作戦』は、2月26日まで開催中だ。ウルトラ6兄弟オリジナルめんこ(数量限定)ももらえるよ。うもうございました。
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店頭はバー風だが、店内はシックな雰囲気のテーブル席もあるワインバーだ。
東京駅 ACORN『ウルトラギョーザのカルツォーネ』1200円 インパクト ☆☆☆ 味     ☆☆☆ 店     ☆☆☆ (写真・文=よしよし)

豚が行列を作るラーメン屋 店名も肉の名前だって!?

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本当にチャーシュー1本分が丸ごと乗っかった奇跡のラーメン。
彦摩呂「厚切りチャーシューのドミノ倒しか~い!!」 石ちゃん「吉田クーン! この店、肉も行列作ってるよ(笑)」 故・阿藤快「!!…なんだかなぁ~」  グルメリポーターならこう叫びそうなこの食べ物、間違いなくラーメンなんです。  普通のラーメンなら2枚乗ってるチャーシューが、これには、2の4の6の8の10……って、なんと13枚!! と言うか、ここまで分厚いともはや「枚」というよりは「塊」と数えた方がいいんじゃないかと思うようなロース肉一本分が、そっくりそのまま乗っかった、チャーシューメンの域を超えた「豚一本麺」なのだ。
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歯ごたえのある太麺とスープの相性もバッチリ。チャーシューに負けてない。
 店内には無料トッピングの写真と表が貼られ、にんにく増し、野菜増し、あぶら増しなどの説明があるとおり、二郎インスパイア系。チャーシューは、ホロホロよりは少し固めで、ちゃんとジューシーさを残してあってイイ感じ。  え? 写真を見るだけでも胸焼けしてくるって? そう思うだろうが、スープは意外に飲みやすくて、鶏白湯や濃厚豚スープがニガテな筆者でも、このラーメンは美味しく完食できた。  店が街道沿いにあるせいか、後から入って来た一見とおぼしき客も、物珍しさでこの豚一本ラーメンをオーダーしたようで、出てきたときは歓声を上げていたが、ペロッと完食していた。ラヲタも肉ヲタも珍ヲタも大満足の破天荒ラーメンに違いない。たぶん寺門ジモンなら、 「豚一本じゃなくて、次は豚一頭で行こうよ!」  そう言って引かれているに違いない。  うもうございました。
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店名は「公」だが、〈ハム〉にしか見えない。たぶん、狙ってる?
新馬場 らーめん公『らーめん中 豚一本』1300円 インパクト ☆☆☆!! 味     ☆☆☆ 店     ☆☆ (写真・文=よしよし)

おいしいと言わないのは器が小さいんじゃない、具がデカイんだ!『秋のメガ盛り丼祭』

 どんなにうっかりしていても、やっぱりやって来るのが食欲の“秋”。今年は松茸が豊作らしいけど、そんなことは関係ない。目の前に盛られた山盛りの食材を、腹一杯かき込めばそれで満足だ!  というわけで、今回は丼祭と題して珠玉のメガ盛り5連杯をお送りする。
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ごはんにはタレがかかっているが、肉には味があまりない。ま、ローストビーフってそんなものだろうが。
 まず1杯目は、高田馬場にある有名なメガ盛りローストビーフのお店。30分並んで食べたのがローストビーフ丼(大)だ。地層みたいに幾重にも重なったローストビーフはいかにも豪華だが、庶民舌の筆者には冷めた半生の肉の山が、それほどうまいとは感じられなかった。次回は二番人気という熱々のステーキ丼に期待したい。 高田馬場レッドロック『ローストビーフ丼(大)』1070円 インパクト ☆☆ 味     ☆☆ 店     ☆☆
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自慢のはずのごはんがべちゃべちゃなのが残念デシタ。
 2杯目は、秋葉原のメガ盛りの聖地。やたらと威勢のいいオッちゃんにちょっと引き気味の筆者。すると、「初めてでも怖がらなくて大丈夫」って童貞と風俗嬢か! 夜定食セットの中から選んだのは、人気1位というサービスセット定食だが、から揚げ、コロッケ、かき揚げ、大根の煮物、つみれボールなどなどが丸い桶に山盛りに詰め込まれて出てきた。「ご飯とみそ汁はうまいもん出さなきゃってのが先代からの教え」というオッちゃんだが、桶の下を覗いてもご飯がない! すると、「あ、ごめんごめん、メシ忘れてた」って……。夜はお酒も飲めるが、「ウチは酎ハイも焼酎9:1だから」って、酒も山盛りかよ! 秋葉原ごはん処あだち『夜定食サービスセット』1000円 インパクト ☆☆☆ 味     ☆ 店     ☆
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食べ終わったあとも口はギトギトではなく、そのまま風俗にも行けそうだった。
 3杯目を食べに行ったのは、横浜伊勢崎町。オトナの街・風俗街を通り抜けて、阪東橋商店街のアーケード入り口にその店はあった。以前見た写真のイメージだと、もう少し小さい店だと思ったが、意外に大きい。近くにある京急の駅の名前から拝借した名前だと思って『黄金丼』を頼んだら、女将さんは「オウゴン丼いっちょ」と言っていたのは残念だった。  しかし、味はピカイチ。17、18センチはある大きな海老2本に、ナス、ピーマン、ししとう、シイタケなど7種類8個の天ぷらは、いずれもサクサクでジューシー。甘しょっぱいタレもピッタリでした。  しかし、外に出てびっくり。記憶の中にあった小さな店は3軒となり! 同じ店だから、ま、いっか。 阪東橋天ぷら豊野『黄金丼』1200円 インパクト ☆☆☆ 味     ☆☆☆ 店     ☆☆
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普通の喫茶店かと思ったらさにあらず。
 もう腹一杯の4杯目。小岩で見つけたその喫茶店は、客のほとんどがマニア風だ。カツ丼を頼んだら、丼のフタが閉まらずに浮いた状態で出て来た。その中身がコレ。  しかし、残念ながら、このカツ丼も固くてしょっぱくて筆者の庶民舌にはあわなかった。近くに住む元キャバ嬢に聞くと、「アソコはチーズハンバーグかじゅーじゅー焼き定食の2択よ」と。次回はハンバーグに挑戦してみます。 小岩タクト『カツ丼』980円 インパクト ☆☆☆ 味     ☆ 店     ☆☆
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豆腐も大根もよく味がしみ込んでいて、非常にうまい。
 最後の5杯目に向ったのは、JR新橋駅の目の前にあるニュー新橋ビル。そのビルの駅とは反対側の1Fにあるのが、牛丼屋ではなく肉めし屋だ。この店の特徴が、なんと、焼き豆腐一丁が丼の上に乗っかってる『肉めし』なのだ。  しかし、その上をいく新商品ができた。検討に検討を重ねたであろうその名も『全部のせ肉めし』。写真のとおり、焼き豆腐一丁に大根の煮込み、ゆで卵、ハンペンなど、およそ丼のトッピングとは思えない具が大降りで乗っかってる。味は、昼めし時でもないのに待って食べる程ということは……。  今月も、うもうございました。 新橋岡むら屋『全部のせ肉めし』740円 インパクト ☆☆☆ 味     ☆☆☆!! 店     ☆☆ (写真・文=よしよし)

うなぎなのか、たいなのか!? 愛と情熱さえ感じる県民魂「うなぎたい焼き」

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たい焼き生地じゃなくてご飯、あんこじゃなくてかば焼を入れたうなぎたい焼き。ちゃんと山椒が付いてる。
 そもそも、「うなぎ」なのか「たい」なのか? 「うなぎたい焼き」と聞いて、すぐに正確なフォルムと調理法を想像できる人はいるだろうか? たい焼き生地の中にかば焼が入ってるのを思い浮かべた人、残念でした。正解は、もちろん上の画像だ↑  たい焼きの型に入れるのは、水で溶いた小麦粉じゃなくてご飯。その中に入れるのは、あんこじゃなくて鰻のかば焼なのだ。しかも、ご飯にはかば焼のタレをしみ込ませていて、さらに香ばしく焼き上げているもんだから、それだけでもめっちゃうまい! 山椒の粉をパラパラと振りかけ、ひとくちかじりつくと、甘くて辛くてしょっぱいタレご飯の風味が口いっぱいに広がり、そのあとにかば焼の香ばしさが追いかけてくる……。
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たっぷりしみ込んだタレで、ご飯だけでもイケる。
 どうよ、もうヨダレたまってきたんじゃない?  お店のお姉さんが言う通り、ワンハンドでうな丼食べながらぶらり三島散歩ができるというもの。  でも待てよ、これって、たい焼きじゃなくて、おにぎりでもイケるんじゃないの!? って思った人、また正解! 同店ではちゃんと「うなぎおむすび」も販売している(220円)。  うなぎの養殖で有名な浜名湖は、同じ静岡県内でも西の端なのに、東の端の三島でもうなぎが名物って、しぞーか県民はよほどうなぎ愛が大きいんでしょう。「うなぎパイ」よりもオトナなたい焼きデ・シ・タ。
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店は三嶋大社のすぐ目の前。
すみの坊三嶋大社前店「うなぎたい焼き」540円 インパクト ☆☆☆ 味     ☆☆☆ 店     ☆☆☆
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しぞーか県民のうなぎ愛はここまで! ちなみに味はフツーのコーラだった。
(写真・文=よしよし)

天から降って来たのか、はたまた古代からの贈り物か……豪快だけど痛快に食べられない『かき揚げタワー丼』

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いったいどうやって揚げたのか、不思議な巨大な物体が目の前に。
 パッと見、これ何に見える? ベニヤ板じゃないよ!!  引きの画像を見ても一瞬「?」と思うかもしれないけど、これ、かき揚げなんです! しかも、製法特許を所得した、すんごい「海鮮かき揚げ丼」なのだ!   三つ葉散らばる丼の上にそそり立つ円柱状のかき揚げは、まるで、パルテノン神殿を支える柱のようでもあり、ご飯にめり込むその重量感は、同じ方角を向いて鎮座するイースター島のモアイ像のようでもある。果たしてどんな食感と味なのか……。
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天から降って来た円柱が、丼メシに突き刺さったようにも見える。
 その風貌をひとしきり堪能したあと、醤油のだし汁をかけ、最初のひとくちを試みようとしたとき、ここで問題が発覚した。 「ドウヤッテ食ベレバイイデスカ?」  てっぺんから痛快丸かじりするには円柱が太すぎて、とうてい口におさまらないし、横にしたら丼からハミ出してしまう。   「ええい、ままよ」と、円柱てっぺんの角にかぶりつく。と、サックリサクサク、軽くて心地いい食感が軽快なメロディーとなって、エビ、イカ、小柱、野菜のカルテットを口中に奏でるのだ。 「うーん、こりゃイケる!」  かき揚げ、ご飯、かき揚げ、かき揚げ、ご飯、みそ汁……のリズムで食べ進めて行くが、円柱の半分を食べきる前に胃袋のキャパを超えてしまったのだ。めんぼくない……。  果たして、パルテノン神殿の柱を半分も残して撤退か、と思ったら、その様子を察した店員さんが、お持ち帰り用の容器を持って来てくれたのだった。これなら、帰ってから今度はかき揚げそばが楽しめる。ありがとーございますゥ。  沼津漁港に来たら、名物シラス丼もいいけど、海鮮かき揚げタワーが入る分も胃袋の容量残しておくべきだ、絶対! 魚河岸丸天「海鮮かき揚げ丼」1100円(かき揚げのみは900円) インパクト ☆☆☆!! 味     ☆☆☆ 店     ☆☆☆
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魚版「ムンクの叫び」みたいなのは、店の表に置かれていたカサゴのから揚げ。食感は絶品だ!
(写真・文=よしよし)

魂ゆさぶる絶妙のカリカリ加減と甘酸っぱさ 一球入魂みたいな『巨大肉団子』

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 この写真、なんだかわかる?  エアーズロックでなければ、猛暑で汗まみれの部長のズラでもない。引きの写真を見ると、そう、肉団子だ。でも、その縮尺具合が、なんかちょっとヘンじゃない? チャーハンが半チャーハンなんだろって?
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メニューにはミニチャーハンもあるが、これは普通盛り。
 答えはその逆! この肉団子、静岡県清水市にある中華料理屋「らいみん」の名物メニューで、1個約150gあるジャンボ肉団子なのだ!  普通の肉団子は1個40~50gくらいなので、これは3~4倍の大きさがある。でも、メニューには“ジャンボ”とか、“巨大”とか、“名物”なんて文字1個も書かれてないので、知らない人がフツーに頼んじゃったら、えらいことになる。  ちなみに、一人前は6個入りだけど、注文は2個から可能と優しい。
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ちょうどカウンターにあった野球の公式ボールと比較しても、ちょっと小さいだけって感じだ。
 そして、肝心のお味はというと、メガとか巨大グルメにありがちな、 「フツーの大きさならオイシイのにねー」  っていう残念なヤツではなく、これがホントに超うまい! 表面の揚げ具合といい、甘酢餡の絶妙加減といい、さすが「名物」だけのことはある。常連になると、肉団子1人前(6個)に、ご飯というお客さんもいるらしい。  しかし、残念なこともわかった。  実は、肉団子担当の女将の腰の具合が悪く、この肉団子が食べられるのも、今夏いっぱいだという。偶然とはいえ、いい時に食べられてしあわせでした。「らいみん」のジャンボ肉団子が食べたければ、夏休みの間だけだぞー!
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店の前には駐車場もあり。パンダの看板が目印っちゃあ、目印。ちなみに、暖簾が裏返しだった。
らいみん 押切店「肉団子」1個170円(注文は2個から) インパクト ☆☆☆ 味     ☆☆☆!! 店     ☆☆ (写真・文=よしよし)

ファストフードかスイーツか!? 博多っ子の小腹を満たすひょうきんなヤツ「むっちゃん万十」

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一見、ただのたい焼きの一種に見えるが、中身はたい焼き以上にファストフード感満載。
「博多に来たら、絶対コレ食べて!」  博多出張の際、福岡在住の知人に勧められたのは、ラーメンではなく、もつ鍋でもないコレだった!!   どうよ、ひょうきんな顔したかわいいヤツでしょ。これは、「むっちゃん万十」と呼ばれる博多名物の逸品だ。  「むっちゃん」という名前と、そのユニークな風貌から想像できるのは、有明海に生息するムツゴロウに似せて作った、たい焼き風の和菓子ってこと。当初、「むっちゃん饅頭」と思っていたら、「むっちゃん万十」が正解だった。  見た目がユニークなら中身もそうとう変わっていて、普通のたい焼きなら、つぶあん、抹茶餡、カスタードに生クリーム程度だが、むっちゃん万十のレパートリーは甘党にこだわらない。
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フツーにあんこやクリームもあるが、人気はやっぱりガッツリ系みたいだ。
 人気ナンバー1はハムエッグ。むっちゃんの中にハムとタマゴと千切りキャベツ、マヨネーズが入った朝食系だ。第2位は定番(?)のウインナーとキャベツ入りで、第3位の「ごろごろちゃん」は、大量のタコとキャベツが入ったたこ焼き風で、タコの食感がゴロゴロしているので、「ごろごろちゃん」らしい。  そして、ただいま絶賛売り出し中で、値段も破格の250円と高級な「とんとん」は、なんと豚の角煮入り! ホロホロに煮た角煮と千切りキャベツとマヨネーズが、角煮マン以上にめっちゃ合う! たい焼きよりもスマートなシェイプなので、頬張っても口の脇からはみ出さないのもいいじゃないか。
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「とんとん」の中身。写真ではわかりにくいが、千切りキャベツも入っている。
 その他にもハンバーグ入りなど、すでに和菓子の域からは完全に外れ、小腹を満たすファストフード的な位置づけになっている。実際、ハムエッグは、味も量も朝食代わりにピッタリだった。
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人気1位の「ハムエッグ」トローリ半熟タマゴとマヨネーズのハーモニーがむっちゃんの皮によく合う。
 ちなみに、福岡には「むっちゃん万十」の他に、「博多656ムツゴロウマンジュウ」というよく似た商品があるので、好きな方を探すのもいいかもね!  むっちゃん万十、うもうございました。
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「むっちゃん万十」呉服町店。たまたますぐ近くのホテルに宿泊していたので、遅い朝食に便利でした。
元祖むつごろうの「むっちゃん万十」130円~ インパクト ☆☆☆ 味     ☆☆☆!! 店     ☆☆ (写真・文=よしよし)

やかんにうどんを入れるのって、めんどくさがりなのか画期的なのか『博多ずぼらうどん』

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カウンターの上に釣る下げられたやかんの数は、普通のうどん屋にしては異様。その下には動物の形に結ばれたおしぼりが。
 休みの日、ひとりで家にいるとき、 「昼メシ、何にしよっかな~。インスタントラーメンでいっか」  って、丼も使わずに鍋からダイレクトで「ズズッ」といっちゃったこと、けっこうあるよね。そんなめんどくさがり屋(?)が考えたうどんを博多でみつけた。   「お待たせしましたー」  カウンター席に提供されたのは、ネギと鰹節の入った真っ黒くていかにも濃い目のつけ汁と、セットで頼んだかしわ飯とやかん。そう、どこにでもあるうどん屋の光景……ではない! なんでやかん!?   フタの付いてないやかんのその中をのぞくと、そこには釜揚げうどんが入っていたのだ。むさい独身男の日曜日の昼メシの光景に近いが、にしても、せめて鍋だろ!
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鍋ならまだしも、やかんからうどんが。その右側にあるのが、かしわ飯とつけ汁。
 しかしですよ、よーく考えてみれば、味噌煮込みうどんだって、煮込んだ鍋からダイレクトに食べるわけだし、そう考えると、この“やかんうどん”も、ありっちゃありかも。  これもめんどくさそうに、やかんのくちばしに突っ込んである箸を手に取り、やかんの中の茹で汁に浸っているうどんをつまみ上げると、麺はほんのり小麦色。胚芽のつぶつぶも練り込まれたオリジナルの麺を、真っ黒いつけ汁に浸け、おもむろに「ズズッ」とすすりあげる。と、 「ああ、子供のころって、こんな柔らかいうどんしかなかったよな~」  最近は歯ごたえある讃岐うどんが人気のせいか、やわらかい博多うどんの食感に懐かしささえ感じてしまう。それに、茹で汁をまとった釜揚げうどんには、濃いめのつけ汁がぴったりなのだ。  でもちょっと待てよ。つけ汁の、鼻から抜ける醤油の風味に混じって、舌に残るぬめり感と匂いに「?」感が。ひょっとして、関東のあの名産品? そう、まっ黒いつけ汁の底には納豆が! 九州でも納豆は普通に食べられているようだが、うどんのつけ汁に入れるとは意外や意外。
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関東ならわかるが、九州でも納豆のこんな食べ方があるのが意外。
 そして最後は、とうとう、やかんの本領発揮だ。器に残ったつけ汁に、やかんのくちばしからうどんの茹で汁をチョロチョロと注ぐと、納豆入りスープの完成。薄まったつけ汁は、かしわ飯にピッタリという、考え抜かれたアイディア商品だったのだ。ずぼらなんてとんでもない。これって、新しい博多うどんのあり方と言ってもいいんじゃない?  釜揚げずぼらうどん、うもうございました。
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博多あかちょこべ「釜揚げずぼらうどん」580円 インパクト ☆☆☆!! 味     ☆☆☆ 店     ☆☆ (写真・文=よしよし)