「東映さんとしては、もしこの映画がヒットしたら、もう一度『Vシネマ』路線を復活させたいようですよ。そういう意味では、社運を賭けた作品といってもいいかもしれませんね」(映画関係者) “Vシネマの帝王”哀川翔が、劇場公開を前提としないビデオ専用レーベルとして一部の映画ファンから熱狂的な支持を集めてきた、東映ビデオ株式会社の「Vシネマ」誕生25周年記念作品『25 NIJYU-GO』に主演する。 「哀川さんは、この作品の撮影のために体を相当鍛えて、撮影期間中はバラエティをはじめ、ほかの仕事はほとんど入れなかったようです。それくらい、この作品に懸けていたようです」(芸能事務所関係者) 哀川にとって111本目の主演作となる本作は、今年11月1日に劇場公開されることも決定している。 「撮影中も哀川さんは『Vシネマがなかったら、今何やってたかわかんない。今の日本映画界を支えているのはVシネだ』と、力説していました。久々のVシネマの撮影で興奮していたそうです」(映画関係者) 実際、東映もここ最近の邦画のコケッぷりから、この作品に懸ける思いは相当強いという。 「やはり、東宝さんや松竹さんと比べて、最近のうちのヒット作と呼べる作品は『相棒』くらい。それも、期待外れに終わってしまいましたからね。話題になった『魔女の宅急便』や『偉大なる、しゅららぼん』も、興収的には惨敗でした。低予算でできるVシネに懸ける思いは強いですよ」(東映関係者) 果たして、東映を救う作品となるか――。『組織暴力 流血の抗争』(TOEI COMPANY,LTD.)
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大コケ続きの東映、劇場版『相棒3』“大宣伝命令”にキャストが困惑中
もはや国民的ドラマとなった『相棒』の3本目となる映画『相棒 -劇場版III- 巨大密室!特命係 絶海の孤島へ』が、26日から全国公開される。 「東映としては、なんとしてでもこの映画にヒットしてもらわないと困るようです。この春に公開した『偉大なる、しゅららぼん』と『サクラサク』が、どちらも大コケしてしまったんです。『偉大なる~』はスターダスト肝煎りの映画で、同事務所の岡田将生クン、濱田岳クンのW主演で、主題歌も同事務所のももクロでした。脇も深田恭子さんや貫地谷しほりさんなど豪華キャストだったのですが、フタを開けてみたら、お客さんがまったく入らなかったんです。『サクラ~』は、もともとそんなに期待された作品ではなく、年配の方向けの作品ということで、担当者が平日の昼間にいろいろな映画館に様子を見に行ったところ、どこもガラガラだったようです。『全然、桜咲いてないよ!』って、困惑していたとか」(映画関係者) ほかにも、剛力彩芽が映画初主演した『LDK』や、いろいろな意味で話題になった実写版『魔女の宅急便』も、思ったより客足は伸びていないという。 「それで焦った東映の上層部が、テレビ朝日にこれまでの映画作品の2倍以上の宣伝をお願いしたそうです。正直、放っておいても客は入ると思うのですが、1円でも多く回収したいというのが本音だそうで、主演の水谷豊さんや成宮寛貴さんだけでなく、脇役の人も総動員で宣伝活動をするそうです。なので、出番の少ない俳優の事務所の人は困惑していましたよ。『え、うちまで地方に番宣に行くんですか!?』って、何度も担当者に聞いたそうです」(芸能事務所関係者) 興行収入の目標は50億円と、かなり高めに設定されているが、果たして結果やいかに――。映画『相棒 -劇場版III- 巨大密室!特命係 絶海の孤島へ』より
まさにテレ朝さまさま……東映社長「『相棒』が終わったら、東映は潰れちゃう!」
人気刑事ドラマの劇場版最新作『相棒 劇場版III 巨大密室!特命係 絶海の孤島へ』の4月26日公開に先立ち、NTTドコモが提供する定額制動画配信サービス「dビデオ powered by BeeTV」で、スペシャルドラマ『相棒 劇場版III 序章』が3月29日から配信されることが決まった。 「こういった“スピンオフ”作品が作られるのは最近では主流になってきましたが、東映はホントに『相棒』におんぶに抱っこなんだなって印象ですね」(映画関係者) 先日行われた『相棒 season12』の打ち上げの席でも、東映の社長は「テレビ朝日あっての、東映です! 『相棒』あっての東映です! 『相棒』が終わったら、東映は潰れちゃいますよ!」と、笑いを交えながら挨拶していたという。 「確かに昨年の興収を見ても、10億円を超えた作品のうち、東映で実写だったのは、前作の映画『相棒シリーズ X DAY』だけでしたからね。あとはすべてアニメですから、今回の社長の発言というのは、まんざら冗談でもなさそうですよ」(芸能事務所関係者) 興行収入の上位作品はほとんどが東宝の作品で、東映にかつての輝きはない。 「だからこそ、『相棒』シリーズでなんとか東映復活をと、もくろんでいるみたいです。社長としては、テレ朝に『相棒』の再放送を午前中もやらないかって持ちかけているそうですよ」(東映関係者) まさに東映にとってテレ朝は、無二の“相棒”だというわけだ。『相棒 劇場版III 巨大密室!特命係 絶海の孤島へ』公式サイトより
「もう『相棒』の右京しかできない!?」水谷豊主演映画『HOME 愛しの座敷わらし』が大赤字

映画『HOME 愛しの座敷わらし』公式サイトより
「東映としては、この惨敗は織り込み済みですよ。彼には、『相棒』で稼いでもらっていますからね。この映画も、彼の“ガス抜き”ができたと思えば安いものですよ」(映画関係者)
水谷豊が29年ぶりの単独映画主演を果たした『HOME 愛しの座敷わらし』が大赤字に終わったという。
「もともとこの映画は、ホームドラマの製作が念願だった水谷さんが自ら映画化を熱望して、東映をはじめ、キャスティングに関してもいろいろなところに働きかけたそうです。もちろん、東映としては断れるはずもなく、映画の製作が決定しました」(同)
原作の評価も高く、映画通の間では作品の評判も良かったというのだが、なぜ、興行収入に結びつかなかったのか。
「それには2つ理由があります。一つは、阿部寛さん主演の『テルマエ・ロマエ』が爆発的なヒットを飛ばしたこと。公開時期が同じだっただけに、ほとんどのお客さんはあちらに流れていきました。2つ目は、やはり『相棒』のイメージが強すぎるということでしょう。あのクールなイメージがあるのに、家族の絆を描く作品は、どちらかというと対極的ですからね。水谷さん自身も、『あれも僕、これも僕』と認識していますけどね。映画関係者の間では、“右京”色の強い水谷さんのキャスティングは難しい、というのが統一見解ですよ。事実上、“右京しかできない”状態です」(広告代理店関係者)
夏からは、“本業”の『相棒』シリーズの撮影が始まるという水谷。東映としては一安心?
「もう『相棒』の右京しかできない!?」水谷豊主演映画『HOME 愛しの座敷わらし』が大赤字

映画『HOME 愛しの座敷わらし』公式サイトより
「東映としては、この惨敗は織り込み済みですよ。彼には、『相棒』で稼いでもらっていますからね。この映画も、彼の“ガス抜き”ができたと思えば安いものですよ」(映画関係者)
水谷豊が29年ぶりの単独映画主演を果たした『HOME 愛しの座敷わらし』が大赤字に終わったという。
「もともとこの映画は、ホームドラマの製作が念願だった水谷さんが自ら映画化を熱望して、東映をはじめ、キャスティングに関してもいろいろなところに働きかけたそうです。もちろん、東映としては断れるはずもなく、映画の製作が決定しました」(同)
原作の評価も高く、映画通の間では作品の評判も良かったというのだが、なぜ、興行収入に結びつかなかったのか。
「それには2つ理由があります。一つは、阿部寛さん主演の『テルマエ・ロマエ』が爆発的なヒットを飛ばしたこと。公開時期が同じだっただけに、ほとんどのお客さんはあちらに流れていきました。2つ目は、やはり『相棒』のイメージが強すぎるということでしょう。あのクールなイメージがあるのに、家族の絆を描く作品は、どちらかというと対極的ですからね。水谷さん自身も、『あれも僕、これも僕』と認識していますけどね。映画関係者の間では、“右京”色の強い水谷さんのキャスティングは難しい、というのが統一見解ですよ。事実上、“右京しかできない”状態です」(広告代理店関係者)
夏からは、“本業”の『相棒』シリーズの撮影が始まるという水谷。東映としては一安心?
豪華スタッフ陣が本気でおふざけ!? 話題沸騰中『非公認戦隊アキバレンジャー』

『非公認戦隊アキバレンジャー』公式サイトより
「ヒドい」「バカだ」「病気だ」「痛い」「ズルい」「卑怯だ」……などなど、およそ正義の味方とは思えない賛辞の言葉が与えられている特撮ヒーロー作品が、今エッジな特撮ファンの間で話題となっている。
その名は『非公認戦隊アキバレンジャー』(TOKYO MX)。
本作は36年という長大な歴史を持つ「スーパー戦隊シリーズ」初となる、「非公認」扱いの特撮ヒーロー作品なのだ。
主人公は、スーパー戦隊に憧れるイタい29歳・赤木信夫(和田正人)ことアキバレッド。総合格闘技をたしなむツンデレ少女・青柳美月(日南響子)ことアキバブルー。ボーイズラブとスーパー戦隊を愛するコスプレ少女(本当は20代のOL)・萌黄ゆめりあ(荻野可鈴)ことアキバイエローの3人。彼ら『アキバレンジャー』は、自らの活躍を東映に認められて日曜朝に放送してもらうために、秋葉原を狙う悪の組織・秋葉原のオタク文化を否定する悪の組織・邪団法人ステマ乙と戦うのだ。
「痛さは強さ! 非公認戦隊アキバレンジャー!」

(C)東映AG・東映
を合言葉に、萌えフィギュアや痛車を駆使して戦う3人だが、敵対する悪の組織もアキバレンジャーの変身アイテム「MMZ-01(モエモエズキューーン)」によって妄想が増幅して生み出された、いわば「非実在」な存在。まさに「見えない敵」と日夜戦い続ける3人の「痛い」姿は、いい年して特撮ヒーローが大好きな大きなお友達に、大きな共感をもって受け入れられている。
そんな本作だが、その誕生の裏には2011年から2012年にかけて放送されたスーパー戦隊シリーズ35周年記念作品『海賊戦隊ゴーカイジャー』(テレビ朝日系)の存在があったそうだ。
「企画の発端はまさに『ゴーカイジャー』であり、『ゴーカイジャー』なくして『アキバレンジャー』はありません。スーパー戦隊シリーズは“シリーズ”と冠しつつも、単年度の作品としてその年にその作品を見てくれる子どもたちに重点を置いた、独立した世界観で作られてきました。そんな中で『ゴーカイジャー』は初めて単年度作品を過去のシリーズと絡めて語る作品でした。ただ、そこで登場する先輩戦隊は、あくまで『ゴーカイジャー』たちの魅力を高めるサポート要素の一つとして配置され、見てほしいのは当年の戦隊(=ゴーカイジャーの6人)の活躍であるというスタンスは崩していません。
一方で『ゴーカイジャー』という作品は、過去の戦隊を知るたくさんの年長のファンの目を再び戦隊シリーズへ向ける強い副作用を発揮し、彼らの応援はこちらの予想を大きく上回る熱さを感じさせてくれました。“『ゴーカイジャー』で『シリーズ全体への愛』を注いでくれた年長のファンの応援を、一年で終わりにしてしまうべきではない”。これこそがアキバレンジャー発想の原点です」
そう語るのは、東映の日笠淳プロデューサーだ。
彼は「年長のスーパー戦隊シリーズファンに絞った商品が成立する手応えを得た」という営業上の理由も包み隠さず語る一方で、「かつて送り出した作品を今も愛してくれるファンに喜んでもらいたい」というクリエイター集団としてのモチベーションの高さが『アキバレンジャー』の原動力だと語る。

(C)東映AG・東映<
そんなファンの愛にあふれた後押しと、ちょっぴりビターな大人の理由から誕生した『アキバレンジャー』だが、その制作体制は本家シリーズと比べても遜色のないガチな布陣となっている。
80年代から特撮ヒーロー作品に携わり、ゼロ年代のスーパー戦隊を数多く手掛けた敏腕プロデューサーである日笠氏をはじめ、シリーズの顔となる第1話の監督を多く手掛けてきたシリーズ立ち上げの達人である田崎竜太監督。スーパー戦隊シリーズには欠かせない名物脚本家・荒川稔久など、特撮ファンなら見逃せない大ベテランスタッフの名がズラリと並ぶ。
しかし、日笠プロデューサーは今や世界に名だたるサブカルチャーの街・秋葉原を舞台に『アキバレンジャー』を描くことに対し、当初は自信が持てずにいたそうだ。
「メインのスタッフは、サブカルチャーの街になってからの秋葉原に通うという経験はほとんどない年寄りだらけなので(笑)、秋葉原の“雰囲気や空気感のリアルさ”を再現できるか自信は持てずにいました。それでもリアルな“アキバ”の雰囲気が出ていると思ってもらえるとすれば、一番大きいのは、もっと若い世代のマニア属性を持つスタッフたちの的確な知識や助言や取材の成果でしょうね。また、それを取捨しまとめる年寄りクリエイターたちが隠し持つふた昔前のオタク魂、オタクセンス的なものが、若い世代のオタクとも共通する部分を持っているということでもあると思います」
つまり、『アキバレンジャー』は単なるネタ作品というわけではなく、特撮オタクたちの世代を超えた制作体制から生まれた「愛の結晶」なのだ。イイハナシダナー。
そんな本作は、パロディ要素やメタ表現が多く取り入れられ、「スーパー戦隊」の存在を信じている子どもたちの夢を壊しかねない内容となっているため、「良い子は見ちゃダメだぞっ!」というキャッチコピーが掲げられている。
そんな「いい大人」のためのヒーロー『アキバレンジャー』が、晴れて公認戦隊となり日曜朝のスーパーヒーロータイムや劇場作品といった陽の当たる場所で活躍する日は訪れるのだろうか。
「我々作り手は、登場人物の“公認になりたい”という希望を、全力で叩き潰すことに日夜努力しております(笑)。“良い子は見ない”ということがある程度保障される環境の中でしか、共演はあり得ません。アキバレンジャーをゲストに呼ぼうなんて言い出す公認戦隊は、スーパー戦隊の風上にも置けないと思います!」
と日笠プロデューサーは冗談めかしつつ語る。
どうやら『アキバレンジャー』最大の敵は「大人の事情」という、やはり見えない敵になりそうである。
しかし逆境にある時こそ輝くのがヒーローである。
非公認という地位に甘んじることなく、公認されることを目指して戦い続ける彼らが晴れてメジャーな世界に立つ日が来るまで、我々特撮ファンもともに応援し続けようではないか。
ただし、良い子には見せちゃダメだぞ!
(取材・文=有田シュン)
豪華スタッフ陣が本気でおふざけ!? 話題沸騰中『非公認戦隊アキバレンジャー』

『非公認戦隊アキバレンジャー』公式サイトより
「ヒドい」「バカだ」「病気だ」「痛い」「ズルい」「卑怯だ」……などなど、およそ正義の味方とは思えない賛辞の言葉が与えられている特撮ヒーロー作品が、今エッジな特撮ファンの間で話題となっている。
その名は『非公認戦隊アキバレンジャー』(TOKYO MX)。
本作は36年という長大な歴史を持つ「スーパー戦隊シリーズ」初となる、「非公認」扱いの特撮ヒーロー作品なのだ。
主人公は、スーパー戦隊に憧れるイタい29歳・赤木信夫(和田正人)ことアキバレッド。総合格闘技をたしなむツンデレ少女・青柳美月(日南響子)ことアキバブルー。ボーイズラブとスーパー戦隊を愛するコスプレ少女(本当は20代のOL)・萌黄ゆめりあ(荻野可鈴)ことアキバイエローの3人。彼ら『アキバレンジャー』は、自らの活躍を東映に認められて日曜朝に放送してもらうために、秋葉原を狙う悪の組織・秋葉原のオタク文化を否定する悪の組織・邪団法人ステマ乙と戦うのだ。
「痛さは強さ! 非公認戦隊アキバレンジャー!」

(C)東映AG・東映
を合言葉に、萌えフィギュアや痛車を駆使して戦う3人だが、敵対する悪の組織もアキバレンジャーの変身アイテム「MMZ-01(モエモエズキューーン)」によって妄想が増幅して生み出された、いわば「非実在」な存在。まさに「見えない敵」と日夜戦い続ける3人の「痛い」姿は、いい年して特撮ヒーローが大好きな大きなお友達に、大きな共感をもって受け入れられている。
そんな本作だが、その誕生の裏には2011年から2012年にかけて放送されたスーパー戦隊シリーズ35周年記念作品『海賊戦隊ゴーカイジャー』(テレビ朝日系)の存在があったそうだ。
「企画の発端はまさに『ゴーカイジャー』であり、『ゴーカイジャー』なくして『アキバレンジャー』はありません。スーパー戦隊シリーズは“シリーズ”と冠しつつも、単年度の作品としてその年にその作品を見てくれる子どもたちに重点を置いた、独立した世界観で作られてきました。そんな中で『ゴーカイジャー』は初めて単年度作品を過去のシリーズと絡めて語る作品でした。ただ、そこで登場する先輩戦隊は、あくまで『ゴーカイジャー』たちの魅力を高めるサポート要素の一つとして配置され、見てほしいのは当年の戦隊(=ゴーカイジャーの6人)の活躍であるというスタンスは崩していません。
一方で『ゴーカイジャー』という作品は、過去の戦隊を知るたくさんの年長のファンの目を再び戦隊シリーズへ向ける強い副作用を発揮し、彼らの応援はこちらの予想を大きく上回る熱さを感じさせてくれました。“『ゴーカイジャー』で『シリーズ全体への愛』を注いでくれた年長のファンの応援を、一年で終わりにしてしまうべきではない”。これこそがアキバレンジャー発想の原点です」
そう語るのは、東映の日笠淳プロデューサーだ。
彼は「年長のスーパー戦隊シリーズファンに絞った商品が成立する手応えを得た」という営業上の理由も包み隠さず語る一方で、「かつて送り出した作品を今も愛してくれるファンに喜んでもらいたい」というクリエイター集団としてのモチベーションの高さが『アキバレンジャー』の原動力だと語る。

(C)東映AG・東映<
そんなファンの愛にあふれた後押しと、ちょっぴりビターな大人の理由から誕生した『アキバレンジャー』だが、その制作体制は本家シリーズと比べても遜色のないガチな布陣となっている。
80年代から特撮ヒーロー作品に携わり、ゼロ年代のスーパー戦隊を数多く手掛けた敏腕プロデューサーである日笠氏をはじめ、シリーズの顔となる第1話の監督を多く手掛けてきたシリーズ立ち上げの達人である田崎竜太監督。スーパー戦隊シリーズには欠かせない名物脚本家・荒川稔久など、特撮ファンなら見逃せない大ベテランスタッフの名がズラリと並ぶ。
しかし、日笠プロデューサーは今や世界に名だたるサブカルチャーの街・秋葉原を舞台に『アキバレンジャー』を描くことに対し、当初は自信が持てずにいたそうだ。
「メインのスタッフは、サブカルチャーの街になってからの秋葉原に通うという経験はほとんどない年寄りだらけなので(笑)、秋葉原の“雰囲気や空気感のリアルさ”を再現できるか自信は持てずにいました。それでもリアルな“アキバ”の雰囲気が出ていると思ってもらえるとすれば、一番大きいのは、もっと若い世代のマニア属性を持つスタッフたちの的確な知識や助言や取材の成果でしょうね。また、それを取捨しまとめる年寄りクリエイターたちが隠し持つふた昔前のオタク魂、オタクセンス的なものが、若い世代のオタクとも共通する部分を持っているということでもあると思います」
つまり、『アキバレンジャー』は単なるネタ作品というわけではなく、特撮オタクたちの世代を超えた制作体制から生まれた「愛の結晶」なのだ。イイハナシダナー。
そんな本作は、パロディ要素やメタ表現が多く取り入れられ、「スーパー戦隊」の存在を信じている子どもたちの夢を壊しかねない内容となっているため、「良い子は見ちゃダメだぞっ!」というキャッチコピーが掲げられている。
そんな「いい大人」のためのヒーロー『アキバレンジャー』が、晴れて公認戦隊となり日曜朝のスーパーヒーロータイムや劇場作品といった陽の当たる場所で活躍する日は訪れるのだろうか。
「我々作り手は、登場人物の“公認になりたい”という希望を、全力で叩き潰すことに日夜努力しております(笑)。“良い子は見ない”ということがある程度保障される環境の中でしか、共演はあり得ません。アキバレンジャーをゲストに呼ぼうなんて言い出す公認戦隊は、スーパー戦隊の風上にも置けないと思います!」
と日笠プロデューサーは冗談めかしつつ語る。
どうやら『アキバレンジャー』最大の敵は「大人の事情」という、やはり見えない敵になりそうである。
しかし逆境にある時こそ輝くのがヒーローである。
非公認という地位に甘んじることなく、公認されることを目指して戦い続ける彼らが晴れてメジャーな世界に立つ日が来るまで、我々特撮ファンもともに応援し続けようではないか。
ただし、良い子には見せちゃダメだぞ!
(取材・文=有田シュン)


