
ピアノのHAYATOさん(左)とカホンのHIROさん(右)に挟まれる小明
昨年の私の一番アイドルっぽい活動といえば、CD「君が笑う、それが僕のしあわせ」の発売です。なんてったってAKB48やSMAPの楽曲を手がけた樫原伸彦先生の作曲ですから、アイドルとして完全に箔がついたと言えましょう。今回はその樫原先生のツテをフルに活用して、インストゥルメンタルユニット→Pia-no-jaC←(ピアノジャック)さんに会わせていただきました! 樫原先生、ありがとう!!
HAYATO どうも、ピアノジャックのピアノです。
HIRO ピアノジャックのジャックです。
――ピアノ担当のHAYATOさんにカホン担当のHIROさん! 初めまして、小明です。以前、日刊サイゾーでAKB48の音大生の松井咲子さんがピアノジャックを好きだと語っていて(
記事参照)、それで日刊サイゾーに呼ばれたら、普通、AKBとの対談だと思いますよね。今回はなんだかすみません。
HIRO いやいや、そんなことは。
――えー、この度は、通算10枚目のアルバムということで……。
HIRO あ、プロモーションもしてくれるんですか?
――いえ、一応聞いてみただけです。ピアノジャックさんと私の共通点は、やっぱり樫原伸彦先生ですよね。ウィアー・ザ・樫原チルドレン、言わば腹違いの兄妹みたいなものだと思うんです。というわけで、私がサイゾーテレビでやっている番組『小明の副作用』のオープニングテーマを作ってもらえませんか?
HIRO う……それは、スタッフさんを通していただいて。
HAYATO ちょっと唐突すぎですよ! なんとなく想像はつきましたけども!
――では、樫原先生との出会いを聞いていいですか?
HIRO 早いな、切り替えが。
HAYATO うちの社長が、樫原先生に俺たちのライブを見てくれってお願いしてくれて。その時、いくら樫原先生に「音源送って」って言われても「ライブに来てください」って、ライブ日程しか送りつけなかったという。それでライブに来ていただいて、「おもしろい」と言っていただいて。元々、プレイヤーとしての師匠はいなかったんですけど、スタジオに入るたびに技法を教えてもらって、初めて俺の師匠ができたんです。
――なんだか美しいエピソードですね! 私も樫原先生の作曲でCDを出させていただいたんですけど……。
HAYATO それは、どんな流れで?
――飲みの席で、編集さんが「アイドルの曲作ってもらいたいんですよー」「へー、いいよー」みたいな。
HIRO・HAYATO マジすか!!!!
――マジすよ!!!! ものすごいラッキーだったんですよね。そのときからよくPJライブの話を聞ていましたよ。年間150~200本のライブをこなされるんですよね。今年のツアースケジュールも4月までみっちりで、しかも全国各地。これ……家、いります?
HIRO たまにバカらしくなるんですよね。1カ月に2日しか家にいない時もあって。
――もったいない! 2人で4畳半とか借りればいいんじゃないですか!
HIRO 最初はそうだったんですよ。お金もなかったし、4畳半で2万5,000円、1人1万2,500円みたいな。中野あたりにあるんです。
――そこ、もう空いてるなら私が住みたい……。
HIRO もともと大阪に住んでて、月に1回東京にライブしに来るみたいな感じやって、毎回、キーボードとカホンを持って行くのが大変なんで、倉庫代わりで借りておこうって。
――暮らせるぶん、トランクルームより安いですね!
HIRO 安いでしょ? お風呂はないですけど、寝られるし。けど、借りた瞬間にライブが増えて、ほぼ東京にいることが多くなって……。多分、事務所は、虎視眈々とそれを狙っていたんですよ。「借りたよー」って言った瞬間にガーって増えたんで……。
――結局、その4畳半にはどれぐらい住まれたんですか?
HIRO 2年ぐらいかな。
――けっこう住みましたね!
HIRO 契約するとき大変でしたよ。大家さんにも「4畳半に2人で住みます」なんて言えないじゃないですか? 友達みたいな感じで一緒に行ってコソコソ話しながら、やっと借りれた(笑)。
――2年暮らせば荷物もどんどん増えるし、スペース的に2人暮らしは可能なんですか?
HAYATO 2人、抱き合って寝てたよね(笑)。
――やだ、萌える……(赤面)。
HIRO あと、俺が片付けられないんで、それでケンカしたこともありましたね。最終的に子どもみたいに「この線からこっち入ってきたら全部燃やすからな!!」って……。あと、俺、神戸に住んでたときは、家がなくてライブハウスに住んでた。
――オペラ座の怪人みたいだけど、つまりホームレス!
HIRO ホームレスではないですよ! ちゃんと月3万ぐらいで借りてましたよ! もう閉めちゃってるライブハウスで、トイレもシャワーもなかったんで、トイレはコンビニのトイレ使ってたんです。それで3万は高いですけど、練習し放題なんですよ。
HAYATO そうそう。その時はもうピアノジャックを組んでいたんで、ライブ終わった後に、とりあえずそこで2人で朝まで泊まっていくみたいな。
――悲惨な貧乏生活も楽器があるとどことなく美しい話になるのが不思議です。じゃあ、まともな生活が送れるようになったのは最近ってことですか?
HIRO そうですね。トイレが増えて、シャワーが増えて、徐々に人の暮らしに近づいてきました(笑)。
――今はもう、麻布とかのコンクリート打ちの高そうなマンションにお住まいなんでしょ……。
HIRO 普通の1DKですよ! 昔はカホンが30個ぐらい家にあったので部屋一面カホンだったんですけど、最近かなりの量を倉庫に移動させて、それでもまだ一部屋楽器ですけど。
――でも、カホンって四角いから、うまくやれば……。
HIRO そう! 壁っぽくなるんですよね。テトリス的に積んでね。
HAYATO うちも1DKくらい。ツアーが始まるとまた帰れないけど、それはそれで、ツアー先のホテルが快適だったりしますし(笑)。
――あ、ツアーと言えば、ミュージシャンという職業はツアー先で現地妻が増えると聞きました! 主にネットの匿名掲示板でですけれど!
HIRO 現地妻(笑)! 全然増えないんですよ!! チャレンジはするんですけど、全部、流れていく感じです。わかります? 俺の風貌でカホンを叩いても、別に普通じゃないですか? でも、HAYATOの風貌でピアノ弾いてたら、そのギャップにやられるんですね。この際だから言いますけど、営業周りやお店周りを2人でやっていても、HAYATOだけ電話番号を渡されるんですよ!
HAYATO (笑)。
――えーと、ありますよね、そういうことって!
HIRO ないですよ! ライブ終わりに紙コップに水もらいにいったら、スタッフさんが「あれ? HAYATOさん、コップになんか書いてありますよ」って言うから見てみたら裏に名前と電話番号書いてあって! 俺のは何にも書いてないのに! 樫原先生に「HIRO、お前はそれでいいのかよ」って言われて急いで水を飲み干して、物欲しそうにうろうろしたりして……。
――ライブ中に1番しゃべっているのに……。でも、HIROさんはステキですよ!
HIRO ありがとうございます。
HAYATO 完全なフォローですね。
HIRO みんな、そうやってフォローはするんですけど、アプローチするのはこっち(HAYATO)なんですよね。わかっています。ありがとうございます。
――正直、女は基本的にピアニストに弱いと思います……! でも、私もだいたい友達がかわいいとか、姉がキレイだとかで、隣にいる人に注目が集まる方なんで、眼前の人間の熱視線が隣に集中する事はよくありますよ。けっこうしゃべってるのに、完全に私を見ていない状態。
HIRO 視線が隣にガーっていくの、わかりますよね。ツアー最後のHAYATOのMCで、今まで普通に聴いていた人が「ハー……(はぁと)」ってなったりしますもん。
HAYATO なっていないよ、そんなの。
HIRO 目がキラキラしてんなーオイ! って思うよ。
――HAYATOさんはMCでも真面目なこと話してキメるじゃないですか! いいとこ取りですよ! ずるい!
HAYATO それはそれでプレッシャーありますよ。絶対、滑られへんみたいな。だからHIROはいいなって思うよ。失敗して笑いを取れるっていう特権が。
HIRO 俺は、ピアノジャックの滑り担当だから。ピアノジャックは、それでいいんです……。

――逆に、どうやったらミュージシャンから番号を聞かれるんでしょう? ミュージシャンの方と仕事でお会いすることはあっても、番号聞かれることなんて、まったくないですよ。
HAYATO 自分から渡してみたらいいのに。袖とかに忍ばせて、「ありがとうございました~」って……。
HIRO 後ろから、ポケットに入れるとか。
――旅館で仲居さんにおひねりを渡す感じですね。そのアプローチは職権乱用で会える人に限定されますけれど、例えば普通にライブに通っていて、打ち上げにも呼ばれない普通のファンの場合はどういうアプローチが有効なんですか?
HIRO えー、ちょっと本気やないですか! やっぱり、プリクラとか自分の顔がわかるもんがあったほうがいいですね。
HAYATO うん。顔はわかったほうがいいよ。
――今のプリクラの修正機能は優秀なので、有効そうですね!
HIRO あー、1回ノリでHAYATOとスタッフと3人で撮ったんですけど、HAYATOがめっちゃかわいくなっちゃって。
HAYATO 目がめっちゃクリックリになったんですよ!
HIRO サングラスですら、クリックリになりましたからね。
HAYATO そうなるとプリクラは効果的じゃないかもね……。だからって写真も怖くなっちゃうからなー。
――難しいですねー。どういう感じの人と付き合うんですか? 事務所NGでしたら、伏せますけれど。
HIRO 伏せるも何も、いないですけれど(真顔)。
――ツアーが多いと家にも帰れないし、たまに帰っても疲れてるし、そんな時「ディズニーランド連れてけ」とか言われたりすると思うと……恋人を作るのも面倒になりそうですね。
HAYATO 我慢させてしまうよね。だから、ピアノジャックとしての自分しか知らない人より、音楽と関係ないところで知り合った人の方が、自分を知ってくれていて、楽なのかなって思います。
――なるほど! つまり、ファンだということを隠して知り合うっていうのが有効そうですね!
HAYATO そうかもね!
HIRO ガードは1枚なくなるかもね。でも、そういうアプローチをさりげなくできる人はいいんじゃないですか? 俺は番号渡されないですけど。
――根に持ってますねー!
HIRO あ! ありました! 俺もさりげなく渡されたことが! けど、そのままHAYATOと海に飛び込んじゃって、全部濡れて、もらった名前と番号が宝の地図みたいになったんですよ。
HAYATO 美人さんやったのにな……。
――ご縁がなかったということで……もう一度、2人で暮らせばいいじゃない! ちなみに、お2人はどういう流れでピアノジャックを結成されたんですか?
HAYATO 元々は、違うバンドでやってたんですけど、出会って、初めて音を合わせたら、めちゃくちゃ面白くなってしまって。目が合うだけでやりたいことがわかるし、こう、遊んでみても付いてくるし。初めは別のメンバーもいたんですけど……。
HIRO 他のメンバーそっちのけで楽しんでしまって、「いつまでたってもこのソロ終わらないな、もっとやれ! イエーイ!」っていうのをずっとやっていたら、2人になっていました。
――将来が不安になったことありませんか?
HIRO ありますよ。けど、今までCDを10枚出してきたので、それを上回るようにがんばる。昔の自分は超えていきたいと思います。
HAYATO デビューしたときよりも、作るたびにプレッシャーは高くなっていきます。でも、変わらないところは、楽しむところやと思っているので。まぁ、練習は辛いですけど(笑)。レコーディングとかも大変じゃないですか。歌録りとか、大変やったでしょ?

――私、独自の音程を持ってるタイプというか、世間ではそれを音痴と言うらしいんですけど、それで、1曲に13時間ぐらいかかったんですよ……。
HAYATO え!! 喉は大丈夫だったんですか!?
――休み休みやらせていただいて、途中で何度か樫原先生が寝落ちされてましたね。「あ、寝た! 休める!」と思いながら。ピアノジャックのレコーディングは楽しそうですよね!
HAYATO 道場に近いですよ。レコーディングという名の合宿。
HIRO 合宿というか、軟禁でしたよね。2日ぐらい、スタジオの壁しか見るものがなかった。
HAYATO 寝るときもピアノの下で。
HIRO ご飯を食べるときだけ、2階に行くことが許される。だんだん壁の木目が人の顔に見えてきて……。
――ストーカーに軟禁されている女みたいですね。法的手段に訴えたら勝てそう……。そんなご苦労を経てのライブ、ぜひ生で観てみたいです。けど、もうけっこうソールドアウト!
HIRO ぜひ! 関東近郊だと、千葉あたりは比較的観やすいかも。
――千葉いいですね! 千葉には実家がありしたよ! もう、ないんですけど……。
HAYATO えっ。
――気づいたら実家が売られちゃってたんですよ。なので、もう帰る場所がなくて。東京の中野でがんばってアイドルやってたんですけど、そこも都落ちして田舎に引っ越して……もうアイドルも11年めですよ。完全に限界がきています。でも、ここでピアノジャックに番組のオープニングを作ってもらえたら、きっとがんばれる……。
HAYATO リターンしてきたよ! さっきよりはちょっと自然にきましたね。同情を誘う感じで。
――そんな私にオープニングテーマを。
HIRO・HAYATO ……。
――(舌打ち)。じゃあ、ツアーがんばってください。また、家に帰れない日々が始まればいいんですよ。今日はありがとうございました。
HIRO・HAYATO 遊びにきてね!
日本ゴールドディスク大賞CLASSIC ALBUM OF THE YEARを受賞したミュージシャンに向かって、延々「ミュージシャンの本命彼女になるにはどうすればいいか」と聞き、「私のために曲を作れ」と主張しつづけたというのに→Pia-no-jaC←はずっと優しかった。というか心が広かった。「やっぱり何かを成し遂げている最中の男のオーラがありますね! 現在進行形で、INGって感じ!」と、この上なく頭の悪い賛辞を浴びせて解散した後、「あ、そこで番号を渡せばよかったんだ」と気づきました。本年こそは職権をフルに乱用し、あわよくばどこかに嫁ぎたい。
(取材・文=小明)

撮影/市村岬
●→Pia-no-jaC(ピアノジャック)
HAYATO(Piano)、HIRO(Cajon)の二人で構成されるインストゥルメンタルユニット。鍵盤と打楽器というシンプルな編成ながら多彩な音を生み出す。ロックでもジャズでもないその独自の音楽性が多方面から注目を受け、ディズニーやゲーム音楽とのコラボレーション、宝塚歌劇団、テレビ番組など、数多くの楽曲提供を行なっている。2012年7月にはヴァイオリニスト葉加瀬太郎氏とのコラボアルバム『BATTLE NOTES』発売。この作品が第27回日本ゴールドディスク大賞 2013 CLASSIC ALBUM OF THE YEARを受賞した。
2012年12月5日にはクラシックを大胆アレンジした『EAT A CLASSIC 4』発売。オリジナル曲とクラシックカバーをサーカスやミュージカルのように様々な演出を駆使して披露するライブパフォーマンスは国内外から絶大な支持を受けており、ライブには子どもから大人まで幅広い層が足を運んでいる。舞台と客席、会場が一体となるピースフルな光景がメディアで取り上げられること多数。9月には東京日比谷野音での全曲ライブを超満員で達成。この圧巻のライブは一度体験する価値あり!
●「→Pia-no-jaC← 5th Anniversary JACKPOT TOUR 2013」
2013年1月18日(金)神奈川県 横浜赤レンガ倉庫1号館ホール【完売】
2013年1月19日(土)埼玉県 HEAVEN'S ROCKさいたま新都心 VJ-3【完売】
2013年1月20日(日)茨城県 水戸ライトハウス【完売】
2013年1月25日(金)京都府 KYOTO MUSE【完売】
2013年1月26日(土)静岡県 Live House 浜松窓枠【残りわずか】
2013年1月27日(日)岐阜県 岐阜Club-G【完売】
2013年2月2日(土)千葉県 行徳文化ホールI& I【完売】
2013年2月3日(日)山梨県 甲府KAZOO HALL【残りわずか】
2013年2月9日(土)宮城県 仙台Rensa
2013年2月10日(日)山形県 ミュージック昭和Session
2013年2月11日(月・祝)秋田県 秋田Club SWINDLE
2013年2月15日(金)長野県 長野CLUB JUNK BOX
2013年2月16日(土)新潟県 新潟LOTS
2013年2月23日(土)香川県 高松オリーブホール
2013年2月24日(日)高知県 高知LIVE HALL CARAVAN SARY
2013年3月2日(土)北海道 Zepp Sapporo
2013年3月8日(金)和歌山県 和歌山OLDTIME
2013年3月9日(土)大阪府 Zepp Namba【残りわずか】
2013年3月10日(日)広島県 広島CLUB QUATTRO
2013年3月12日(火)滋賀県 滋賀U-STONE
2013年3月15日(金)奈良県 奈良NEVER LAND【残りわずか】
2013年3月16日(土)鳥取県 米子AZTiC laughs【残りわずか】
2013年3月17日(日)山口県 周南TIKI-TA
2013年3月20日(水・祝)大分県 大分DRUM Be-0【残りわずか】
2013年3月22日(金)熊本県 熊本DRUM Be-9
2013年3月23日(土)福岡県 Zepp Fukuoka
2013年3月24日(日)長崎県 長崎DRUM Be-7
2013年3月30日(土)愛知県 名古屋市公会堂 大ホール
2013年3月31日(日)石川県 金沢EIGHT HALL
2013年4月6日(土)東京都 渋谷公会堂【残りわずか】
料金:前売 5000円(一部会場でドリンク代必要)
チケット発売中