今どき、ネットを使うならスルースキルは必須。「スルーする」とは、他人からあおられたときに、反応しなかったり、気にしないこと。例えば、ネットに書いた自分の意見に対して、見知らぬ誰かから意味もなく「そんなわけねーじゃん、バカかよ」などと攻撃された場合。何も反論せず無視する、つまりスルーするのが正解だ。しかし、現実にはカッとなって反論してしまう人があまりにも多い。その反論にまたかみつかれ、泥沼化するのだ。 基本的に、反論していいことはない。こちらが正論であれ、向こうは極論を使ってあおってくる。もし、少しでも突っ込みどころがあろうものなら、鬼の首を取ったように攻撃してくる。誤字脱字だって見逃さない。しかも、こちらは本気で怒っているのに、向こうは鼻歌交じりに楽しみながら投稿している。どこまで行っても折れるようなことはないので、骨折り損のくたびれ儲けにしかならない。 匿名掲示板なら、口論してもイラつく以外に被害はないが、SNSでは実害が発生する。荒らしてくる相手と強い言葉でやり合っていると、友人はドン引きしてしまう。ビジネスに影響が出ることもあるだろう。速攻でブロックして、相手にしないのが一番だ。あまりにも誹謗中傷がひどいなら、運営に報告してもいい。一番重要なのは、心の底から相手にしないこと。無視したはいいが、傷ついたり我慢して、心が折れてしまっては元も子もない。完全にスルーすることが大切なのだ。 特にスルースキルを必要とされるのが、有名人や企業の経営者。不特定多数の人たち相手に情報を発信しているので、その分、絡まれることが多い。スルースキルがないと、悲惨なことになる。だが、特に飲食店のオーナーにはスルースキルが低い人が多いように見受けられる。客が内装や味にちょっと文句を言うと、エゴサーチをかけて攻撃するのだ。これは即2ちゃんねるに取り上げられ、炎上すること必至。永遠にネットに残るので、営業面で確実にマイナスになる。飲食店にとってマイナス評価はとても痛いところだが、反論したところでネガティブな意見が消えるわけではないので、やっぱりスルーしたほうがいいのだ。 悪意のあるユーザーから初めて攻撃を受けると、頭に血が上ってしまいがち。しかし、ネットを使うのであれば、ある程度は覚悟しておき、いざという時にスルースキルを発揮できるようにしていただきたい。 (文=柳谷智宣)イメージ画像
「35ネットの歩き方」カテゴリーアーカイブ
電話・メールNG、送料負担、ネットはYahoo!ID必須……Tカードの個人情報提供停止手続きに非難ごうごう
今年8月19日、カルチュア・コンビニエンス・クラブから、筆者宛に共通ポイントサービス「Tポイント」会員向けのメールが届いた。Tカードの利用規約が11月1日に改訂され、個人情報を第三者提供するという告知と、個人情報提供の停止方法の案内だった。早速、提供停止手続きをしたのだが、ちょっとびっくりすることが相次いだ。案の定、間を置かずにネットで大炎上することになった。 まず、個人情報を第三者に提供されたくない場合は、明示的に本人が手続きを行う必要があるという。何もしないユーザーの個人情報は、基本的に利用されてしまうのだ。しかも、電話や問い合わせフォームからは停止手続きができず、ウェブか郵送で行う必要がある。しかも! 郵送の場合は免許証コピーなどの本人確認書類が必要な上、簡易書留で送らなければならない。驚くべきことに、郵送料はユーザーの負担となる。 当然、コストがかからないウェブから手続しようと思ったら、なんとTポイントカードにひも付けられたYahoo!JAPAN IDが必要になる。今回は記事執筆のために仕方なくサインインしたが、Tポイントカードには免許証などで本人確認済みの純度の高い個人情報が含まれるので、ひも付けるYahoo!JAPAN IDはよく考慮したほうがいいだろう。 サインイン後、個人情報の提供を停止する作業を行う。提供先は81カ所だが、まとめてチェックを外せるので助かった。しかし、今後、個人情報の提供先が追加される場合、ユーザーは再度手続きをしなければならないようだ。つまり、定期的に情報をチェックする必要があるのだ。 個人情報を提供するメリットとしては、購買履歴などをもとに、品ぞろえや商品開発を充実させたり、利用状況に応じた特典の強化などが挙げられる。とはいえ、筆者は欲しい商品は自分で探して買うので、やっぱり個人情報が漏れないほうがありがたい。 ビジネスなのだから、個人情報の収益化は理解できる。しかし、今頃になって突然というのは困るし、いろいろな制限もなくしてほしい。同様に個人情報を扱う携帯電話会社などのように、電話でも提供停止手続きを受け付けるべきだし、郵送の場合は料金支払い済みの封筒を送ってくるべきだろう。ウェブ手続きも、Yahoo!JAPAN IDとのひも付けなしでできなければおかしい。 今回、提供停止手続きは行ったが、追加分も自分でチェックしろと言うなら、退会するしか選択肢がなくなりそうだ。 (文=柳谷智宣)実際に届いたメール
無修正エロ動画サイト「FC2」捜査に、いよいよ当局が本腰! 違法アップロードの小銭稼ぎにご用心
2014年6月、「FC2ライブ」でわいせつな行為を配信していたカップルの自宅に、警察が踏み込んだ。公然わいせつ容疑での現行犯逮捕なのだが、何も初めての公開というわけでもない。半年前から、性行為中の映像を配信していたのだ。その間の売り上げ、なんと4,000万円。彼らが利用していたのは、「FC2」という会社が運営するサービス。視聴者は課金することで閲覧でき、投稿者には動画の再生数に応じて金が支払われる仕組みだ。埼玉で逮捕された男は、1年半で1億円を稼ぎ出している。 FC2は1999年に設立されたサービスで、95%は日本国内で利用されている。しかし、本社はアメリカのラスベガスにあるため、海外のサービスという建前だったのだ。ご存じ、海外のエロサイトでは無修正は当たり前、著作権法違反の動画もなかなか取り締まれないという状況にあった。しかし、12年に民事訴訟法が改正され、日本に営業所を置いたり、日本において事業を行う場合、管轄が日本になるように変わったのだ。 そこで、9月30日に動画投稿サイト「FC2」に捜査のメスが入った。実質上の運営主体とみられる大阪のホームページ管理会社に、家宅捜索が入ったのだ。冒頭で紹介した件で、公然わいせつほう助と風営法違反の疑いというわけ。今後は、国内の法律から外れた動画は、どんどん取り締まられることだろう。 同時に、「FC2動画」という、YouTubeやニコニコ動画と同様な動画投稿サイトでも、逮捕者が相次いでいる。こちらはアダルトコンテンツもOKのために、さまざまなAV作品が違法アップロードされているのだ。これらの投稿者は戦々恐々としているだろう。9月には11都道府県で16人を一斉摘発、4人が逮捕されている。13年にも映画を違法アップロードした5名が有罪判決を受けているので、今回も似た結果になることだろう。 FC2が日本の事業として認められたことで、AVメーカーなどは訴訟の動きを起こしている。FC2に対しても訴訟を起こしているが、投稿者にも損害賠償を求めている。数百万円の請求が多いようだが、昨年ニコニコ動画に総合格闘技の映像を違法アップロードした男性には1,000万円の賠償命令が下されているので、妥当なところか。自社のコンテンツを違法にアップロードされたテレビ局なども、民事訴訟に積極的だ。 コンテンツをアップロードし、その再生回数やダウンロード回数に応じて報酬が出るウェブサービスは多い。しかし、小銭目当てで違法アップロードするのはリスクが高すぎる。逮捕されて実名が公表されたら、人生台なしだ。海外のサービスだから、という言い訳も利かなくなっている。もし投稿した記憶があるなら、一刻も早く削除、退会することをお勧めする。 とはいえ、この手のアクションは本人が忘れたころにやってくることが多いので、安心できない。ニュースを見て怖くなってアカウントごと削除しても、FC2が捜査機関に情報を開示すれば、身バレは必至。出勤前の時間に、警察がピンポーンとやってくるわけだ。穏やかに過ごしたいなら、くれぐれも違法アップロードには手を出さないようにしておこう。 (文=柳谷智宣)イメージ画像
Appleアンチの声に惑わされるな! iPhone 6は現状最高峰のスマホであることは間違いなし
9月19日に発売された、iPhone 6/6 Plus。売れ行きは過去最高で、最初の3日間で1,000万台を突破。すでに多数のユーザーが手にしていることだろう。筆者も6と6 Plusの両方を使っているが、どちらも不満なく活用できている。 しかし、Appleアンチも一定数存在し、iPhoneが売れれば売れるほど、難癖をつけたがる。一番多かったのは「iPhone 6 Plusが曲がる・折れる」というものだ。実際に何人ものユーザーが折れ曲がった写真や動画を投稿しており、海外ではAppleストアの店頭にあるiPhone 6 Plusを折り曲げるという、悪質ないたずらも発生している。 アメリカの非営利組織がテストしたところ、iPhone 5より強度は落ちていることは確かなようだが、とはいえ、iPhone 6以下の強度のスマホも存在する。そもそも堅牢スマホではないのだから、iPhoneを曲げようと思って故意に上に座れば、曲がってしまうかもしれない。しかし、それはグラスを床に落としたら割れたとか、車のドアをけって閉めたらへこんだ、というようなもの。普通に使えば問題ない。平均よりもだいぶ体重のある筆者だが、iPhoneは昔からズボンの後ろポケットに入れているが、問題が起きたことはない。iPhone 6も6 Plusも同様だ。 次に、「iPhone 6に髪の毛が挟まり、抜けてしまう」というもの。これは、“テストしたユーザーはハゲだったのでは”というツイートと共に広く拡散した。確かに、アルミボディとガラスの間にはごくわずかの隙間があり、シェーバーのようにこれでもかと髪の毛やひげをこすっていると、何回かに1回引っかかりを感じることがある。とはいえ、抜けるほどではないし、そもそも普段使いでひっかかることはない。実際に髪質が細い女性に試してもらったが、同意見だった。 一番厄介なのは、iPhone 6 Plusのサイズについて文句を言っているユーザー。ネットでは「大きすぎる」とか「片手で操作できない」といった文句がつらつらと見受けられる。確かに、割賦で購入し、使いにくいと感じるスマホを2年間利用するのは気が滅入るだろう。しかし、ディスプレイサイズはiPhone 6が4.7インチ、6 Plusが5.5インチと最初からわかっていたはず。ネットでは同寸のサイズをプリントできるデータが出回り、それでチェックしている人も多かったが、量販店に行けば5.4~5.6インチのライバル機種にも触れたはず。「車を買った後に車庫に入らなかった」と言う人はいないのに、スマホのサイズに難癖をつけるのはおかしい。 筆者も、確かにiPhone 6 Plusのサイズは、スマホとして使うには大きすぎると感じている。とはいえ、これは好みの問題。ファブレットを探している人にはベストな選択肢とも言える。iPadの購入を検討していたなら、買わずに済むかもしれない。一括支払いだと8~10万円もする製品なのだから、サイズは自己責任でチェックすべきだ。 iPhone 6は最高の端末に仕上がっている。カメラ機能はコンデジ顔負けだし、処理速度も向上している。iOS 8も何度かバージョンアップして、今は問題なく利用できる。サイズが気になるなら、店頭で実機を触ってみよう。ニーズに合うと思ったら、購入して問題なし。とはiいえ、iPhone 3Gや4などを使っているユーザーなら、安価なiPhone 5C/5Sという選択肢もあるだろう。高い買い物の前には、自分の目と耳で情報を収集し、判断を下していただきたい。 (文=柳谷智宣)左からiPhone 6 Plus、iPhone 6、iPhone 5
iOS 8アップデートは急ぐべからず!? アプリの誤動作相次ぐ
18日未明にiOS 8がリリースされた。筆者も早速、いくつかの端末をアップデートした。公開直後はサーバーが混雑していたが、同日昼には普通につながるようになり、すべての端末で問題なくアップデートできた。見た目はそれほど変わらないが、細かい部分がアップデートされており、使い勝手が向上している。早速、記事執筆のために使い倒しているのだが、iOS 8に対応していないアプリが誤動作するという報告が相次いでいる。 「Dropbox」は公式ブログで、「カメラアップロード」が誤動作する可能性があると発表。「LINE」はiOS 8にすると落ちるようになった。どちらも現在は最新バージョンにアップデートすると改善されるが、問題はまだ対応していないアプリが多数あること。ただこれは、iOSのアップデート時にはいつもあることなので待つしかない。 さらに、iOS 8ではクラウドサービス「iCloud」の上位サービス「iCloud Drive」を利用できるようになったのも、注意が必要だ。「iCloud Drive」はiCloudを「OneDrive」や「Dropbox」のように使える機能で、使い勝手は劇的に向上している。しかし、既存の「iCloud」と互換性がないので、移行してしまうと以前のiOS端末やYosemiteより前のMacからアクセスできなくなってしまうのだ。「iCloud」を利用するアプリもアップデートしないと、正常に動作しなくなる。「iCloud Drive」への移行はいつでもできるので、iOS 8にしたとしても、まずは保留にしておこう。 アプリ内課金を行うゲームも要注意。iOS 8ではファミリーシェアリングという機能で、家族で課金アイテムを共有したり、親に課金の許可を求めることができる。知らないうちに子どもが高額課金するようなトラブルを防止できるので歓迎なのだが、アプリ内課金が正常に動作しない可能性がある。それぞれのアプリがアップデートして、正式に対応するのを待とう。 今後、続々とアプリがアップデートされるので、頻繁に確認するか、自動アップデート機能をオンにしておこう。自動アップデートは、「設定」→「iTunes&App Store」から設定できる。パケット節約のために、Wi-Fi接続時だけアップデートしたいなら、同じ画面の「モバイルデータ通信」をオフにしておけばいい。 iOS 8は写真アプリやメッセージアプリ、Siriなどの標準アプリが強化されているが、一般的なユーザーは今すぐに必要というわけでもないだろう。仕事で使うのでなければ、もう少し待って、利用しているアプリが一通りアップデートされてから導入するとトラブルを避けられるのでお勧めだ。 (文=柳谷智宣)Apple
AppleのiCloudとGoogleのGmailアカウントの漏えいが発生! 個人情報保護は自己責任で
8月にAppleのiCloudがハッキングされ、ハリウッド女優のプライバシー写真が流出、9月にはGoogleのメールアドレスとパスワード約500万件が漏えいした。Googleアカウントの漏えいに関しては、2次被害まで出かねない状況だ。 iCloudのハッキングでは、若手女優の中でも注目を集めているジェニファー・ローレンスの過激なヌード写真が流出。アメリカ版2ちゃんねると言える掲示板サイト「4chan」に掲載され、情報サイトが引用して広まってしまった。それ以外にも、アリアナ・グランデやリアーナ、キルスティン・ダンストなども同様の被害に遭っている。Appleは公式声明として、iCloudのシステムには不具合はなく、メールアドレスとパスワード、セキュリティー質問が突き止められて不正アクセスされた、と公表している。つまり、なんらかの方法で本人のメールアドレスを手に入れ、パスワードを試したり、パスワードを忘れた時のセキュリティー質問にチャレンジ、突破したというわけだ。 被害者は写真をばらまいた人間はすべて訴えるとしており、FBIも捜査を開始。犯人は十分に罰せられるべきだが、本当に人に見られたくない写真であれば、対策が不十分すぎた。まず、クラウドストレージに自分や恋人のヌード写真を保存するなど、常識を逸脱している。この行為自体がありえない。慎重に、ひっそりと、USBメモリーに保存し、自分で管理すべきだ。クラウドも人が運用していることを忘れないように。また、パスワードやセキュリティー質問が、想定の範囲だったことも問題。以前、「『QWERTY』『1qaz2wsx』も要注意! 多発するSNSアカウントの乗っ取りを防ぐ方法」でも紹介したように、パスワードは強固な文字列にすべき。もし、簡単なパスワードや複数サービスで共通のパスワードを使っている人がいれば、週末にでもまとめて変更することを強くお勧めする。 とはいえ、Googleの漏えいのように、メールアドレスとパスワードがセットになって漏えいしてしまうとどうしようもない。そんな時にも被害に遭いたくないなら、「LINEなりすましの被害続出! SNS乗っ取りの対抗策」で紹介した、2段階認証をオンにしておくこと。今回の事件も、2段階認証を使っていれば、被害は発生しなかった。 Googleアカウントの漏えいに関しては、Gmailアドレスを登録させるウェブサービスから流出したデータとみられており、漏えい元はGoogleではない。また、ロシア語と英語、スペイン語圏のユーザーがターゲットになっており、日本のユーザーは心配ない。しかも、古いデータらしく、漏えいしたメールアドレスとパスワードでGoogleアカウントにサインインできるのは2%未満という。この2%も、2段階認証を利用していれば、不正アクセスされずに済む。 しかし、初めはGoogleからの漏えいのようにニュースに取り上げられ、同時に「Is my email leaked?」というサイトが紹介された。入力したメールアドレスが漏えいしているかどうかを確認してくれるサービスなのだが、今になってこのサイトが怪しい、という話も出てきた。日本はターゲットになっていないのに、わざわざ自分が使っているGmailアドレスを入力してしまった人も多いことだろう。心当たりがある人は、すぐにパスワードを変更し、できれば2段階認証を有効にしよう。 面倒くさい、とスルーするなら、自分にいくつか質問してほしい。過去の送受信メールがすべて公開されて大丈夫か? 恥ずかしいメールを送っていないか? DQNな行為を自慢してないか? 企業や同僚の悪口を言っていないか? Googleドライブに変な画像を保存していないか? Picasaにプライベートな写真を入れていないか? Google+に変なことを書かれたらヤバい? 一つでも心当たりがあるなら、スルーせずに対処しておこう。 (文=柳谷智宣)iCloud
これからはATMも選ぶ時代に? 剃刀のように薄いスキミング装置が登場
カード情報を盗み、口座から金を奪い取るスキミング犯罪の手口が巧妙化している。以前、このコラムで紹介した通り(記事参照)、国内にもその手の輩はいる。これまでは、既存のATM端末の上にカバーをかぶせるなどして情報を盗んでいたのだが、さらに手口は進化しているという。 8月上旬、南ヨーロッパのATMで新しいスキミング装置が見つかった。4枚の写真が公開されているが、この装置はコインよりも薄く、カードスロット内に設置されていたのだ。今回は、カードの磁気データとともに、お金を引き下ろすのに必要な暗証番号を撮影するためのカメラは発見されなかったという。 スキミング装置が進化すると、ユーザーが見破るのは難しくなってくる。これからの時代、身を守るには別の対策が必要になる。まずは、利用するATMを選ぶこと。公共施設など、人通りの多い場所にあるATMを利用するようにすればいいだろう。スキミング装置を設置する隙のあるような場所は避けるのだ。また、暗証番号を打ち込む際、片方の手で入力を隠すようにすることも効果的。どこにどんなカメラが隠されているかわからないので、探し出すよりも防御したほうが早い。また、さらにお勧めなのが、磁気だけでなくICチップを搭載したカードを利用すること。そうすれば、スキミングしただけでは不正利用できなくなる。 日本ではこの装置の被害は報告されていないので、それほど神経質になる必要はないが、海外旅行時は要注意。スキミングの被害額が一番大きいのがアメリカ、続いてタイ、インドネシア、ドミニカ共和国、カンボジア、ブラジルとなる。筆者が今年前半にタイに出張に行った時のこと。目を離した隙に、同行者が繁華街の小さな通りにあるATMでお金を引き下ろそうとしたのだ。最初は問題なく操作できていたのだが、お金が出る段階でエラーが出た。カードは返してもらえないし、ATMの担当者に連絡をしても、来るのは何時間後かわからないという。幸い、その場で国際電話をかけてカードを止めたため、被害はなかった。帰国後、このATMを運営する銀行とは連絡を取っていないので、スキミングかどうかははっきりしない。とはいえ、のんびり対処を待っていたら、その間に全額引き下ろされる可能性もある。海外旅行で怪しいと思ったら、すぐに口座を止めることをお勧めする。手間はかかるが、被害に遭うよりはマシだろう。 (文=柳谷智宣)「Krebs On Security」より
悪質なパクリサイトが急増中……あなたもやっていない? 嫌われる「バイラルメディア」のシェア
「バイラルメディア」が、いい意味でも悪い意味でも注目を集めている。バイラルメディア(Viralmedia)の、「Viral」は「ウイルス性の」という意味。「バイラルメディア」はその単語を含む造語で、ネット上で感染するように情報を広める、ウェブメディアを指している。「BuzzFeed」(http://www.buzzfeed.com/)が先駆者として有名だ。 当サイトのユーザーも、バイラルメディアの記事を何度か読んでいることだろう。面白い画像や動画を集めた内容で、SNSで急激に拡散しているためだ。お涙ちょうだいのストーリーもあれば、決定的瞬間とかユニークな広告とか動物ものなど、ジャンルはさまざま。共通しているのは、キャッチーな見出しでクリックさせようとしている点。一般的なブログを運営するのとは桁違いのページビューが集まるので、広告収入で荒稼ぎしているのだ。 新しい形で収益を上げるネットサービスが出てくるのは大歓迎だ。今の人たちはSNSで情報を扱うことが多いので、ターゲットになるのもうなずける。もちろん、オリジナルコンテンツを作成しているバイラルメディアなら、面白いし情報収集にも役立つ。問題は、記事のパクリが横行していることだ。日本では1年ほど前からはやり始めたのだが、今年に入ってまさにパンデミックのように乱立。そのほとんどが、海外サイトや2ちゃんねるからネタをパクッている。ひどいことに、ライバルの国内バイラルメディアからパクることも多い。きちんとした資本が入っている大手バイラルメディアでも、ほかのサイトから画像やコンテンツを盗作することもある。 バイラルメディアはネットで作り方を勉強すれば、誰でもすぐに始められる。とりあえず小遣い稼ぎになればいい、という人はモラルもへったくれもない。パクリにパクッてスパムページをダダ流れにする。少々手をかけて運用しているところでも、書き手をクラウドソーシングでかき集めている状態。1記事100円前後という超絶ブラックな案件も多く、ヘタをすると1件25円ということも。この手の低俗なバイラルメディアが乱立することで、「バイラルメディア=うざい」という認識が持たれ始めているのだ。 Facebookも今月25日に、悪質なバイラルメディアの排除に乗り出した。キャッチーな文句と画像でクリックさせようとする投稿のリーチ数を激減させるというものだ。リンクを開いた後に、どのくらいの時間でFacebookに戻ってくるのかを考慮するという。内容が薄い記事なら、短時間で戻ってくるというわけだ。これからは、クリックさせようと必死な投稿があったら、従来のように無視するのではなく、一瞬で閉じて反撃するという手もある。 「●●するための10のこと」いったリスト記事や衝撃的な画像や動画を見て反射的にシェアすると、友人にうざがられるということを覚えておいたほうがいい。見たことのないネタならともかく、数カ月~数年前にはやったネタをドヤ顔で共有していると、ちょっとイタイ。バイラルメディアそのものは、情報過多のこの時代に便利なサービスなのだが、パクリ業者を儲けさせることもない。記事をシェアするつもりなら、元ネタのバイラルメディアを利用しよう。くれぐれも、悪質なパクリサイトの釣り投稿に引っかからないようにしてほしい。 (文=柳谷智宣)イメージ画像
「QWERTY」「1qaz2wsx」も要注意! 多発するSNSアカウントの乗っ取りを防ぐ方法
LINEアカウントの不正乗っ取りが多発している。乗っ取られるとすぐに、友人全員にウェブマネーをコンビニで購入するよう依頼メッセージが送信される。日本語が変なため、引っかかる人は少ないと思われるが、いつもやりとりしている知人からのメッセージだとだまされる可能性もある。乗っ取られた人も、友人全員に迷惑をかけるので、ダメージが大きい。 だが、“こんなに簡単に不正アクセスされるなんて、LINEはけしからん!”と怒るのは筋違いだ。これはユーザー側に責任がある。LINEは「他端末ログイン許可」の設定をオンにしておけば、PCからでもアクセスできるようになる。その際、メールアドレスとパスワードでログインするのだが、このアカウント情報が重要。LINEからの情報漏えいは報告されていないため、ほかのウェブサービスから漏えいしたアカウント情報の一覧を利用していると考えられる。なぜ、ほかのウェブサービスのアカウント情報でログインできるのかというと、ユーザーがパスワードを使いまわしているため。犯人は、リストをもとにプログラムを走らせるだけで、ほとんど手間をかけずに犯行に及んでいるのだ。 今回は、日本語が不自由な上に、数万円のウェブマネーを購入させようとしたため被害はほとんど発生していない。しかし、アカウントの性別を判断した上、精巧な文章を使い、依頼する金額も5000円程度にすれば、実害が発生する可能性は高くなる。最初にスキルの低い犯行が行われたのは、不幸中の幸いだ。 裏で取引されているアカウントリストを一般人が入手するのは難しいが、SNSアカウントの乗っ取り自体はとても簡単だ。なぜなら多くの人が簡単なパスワードしか設定しない上、使いまわしているから。毎年、セキュリティ企業が危険なパスワード一覧を公表しているが、「password」や「12345678」「abc123」といった文字列が常に上位にランクインしている。知人なら、名前や生年月日、電話番号なども試せば、ヒットする可能性は高くなる。メールアドレスの全部もしくは一部をパスワードにしている人も多い。愛車やペットの名前なども有力候補だ。キーボード配列の左から「QWERTY」を使う人もいる。これはあまりに有名なので、上から下へ入力する「1qaz2wsx」も可能性あり。「baseball」や「football」といった趣味や、「sakura」「dragon」などの一般名詞もよく使われる。どれかに心当たりがあるなら、今すぐパスワードを変更したほうがいい。 パスワードを共有しているのに、別サービスで漏えいさせてしまうこともある。たとえば、サークルで利用するクラウドサービスのアカウントを取得し、パスワードをみんなに教えてしまう場合。クラウドそのものには共有したいデータしかないかもしれないが、そのパスワードでほかのSNSにログインされたらたまったものではない。ビジネスで共有しているPCや、暗号化機能を有効にしたZIPファイルのパスワードなども注意したい。 一番の防衛策は、強固なパスワードをサービスごとに使い分けること。本連載でも何度も触れているのだが、多くの人はいまだ簡単な文字列を使いまわしている。さらに自衛するなら、ウェブサービスのログインに使うメールアドレスは普段使っていないものにすればいい。LINEに限るが、「他端末ログイン許可」をオフにしておけば不正アクセスされなくなる。 SNSの運営側としては、不正アクセスか正規アクセスかをその場で判別する方法はない。とはいえ、同一IPから多数のアカウントへログインしようとしている場合、なんらかの処置を講じるようにすれば抑制効果は出るはず。まずは、大規模な不特定多数への攻撃を防止する策を講じてほしいところだ。LINE
SNS詐欺の被害が拡大中! オイシイ話はないと肝に銘じるべし
昔から詐欺師はいたが、現在、その主戦場はSNSになった。FacebookやLINEなどで、あの手この手を使った詐欺が跋扈しており、被害に遭うケースが報告されている。これらをケーススタディとして、読者は被害に遭わないように注意してほしい。自分は絶対に被害に遭わない、と思い込んでいる人こそ、さっくりだまされてしまうので注意が必要だ。今回は、Facebook広告について紹介しよう。 Facebookでは、画面のあちこちに広告が表示される。ユーザーの嗜好などを分析し、ターゲットを絞り込んでアプローチしてくる広告だ。企業からすれば効果を期待できるので、広く利用されている。しかし、しっかりと審査していないようで、怪しい業者による広告も多い。 よく見られるのが、サプリメントの広告。サンプル購入として、低価格で試すことができるというもので、価格は数百円とハードルが低い。しかし、細かい規約の中には目立たないように、一定期間後は定期購入に移行する、と書かれているのだ。そのため、2カ月後くらいに、数万円の請求書がカード会社から送られてくることになる。問題は、会社の登録が海外になっており、簡単には連絡がつかない点。ひどいときには、会社ごとなくなっていることもある。気がついたとき以降の引き落としは止められるが、最初の請求は泣き寝入りせざるを得ないことも。同じパターンで女性向けの美容品というケースもある。 また、本来であれば、Facebookの規約でNGのはずの、風俗サービスや偽ブランド品の広告も見かける。Facebook広告はユーザーが登録した嗜好に加え、投稿内容などさまざまなデータを分析し、ターゲットを決めている。年齢や性別、住所、趣味、交際状況、学歴など、登録している個人情報で絞り込むこともできる。そのため、悪意のある業者がカモを探す手段として活用されていることも。相手にされなくなった迷惑メールよりも、ずいぶん効率がいいのだ。 どの詐欺広告も、最初から大きな金額が発生するようなことは言わない。健康や美容、出会い、ブランド品といった興味をそそりそうな内容を、うまく打ち出してくる。「少額だから」と、個人情報やクレジットカード情報を登録してもらえれば、一丁上がり。スムーズに取れる金額をだまし取って、逃げるのだ。 今後は「Facebookの広告だから」「お試しのみだから」「後でキャンセルすればいい」、といった理由で気軽に購入するのは避けたほうがいい。大手サイトではないホームページで何かを購入するなら、業者の登録情報を確認したり、ネット上の評判をチェックすべき。詐欺業者の場合は、すぐに被害報告が見つけられるはずだ。そのサイトにしかないオイシイ話などないと思ったほうがいい。欲に目がくらむほど、詐欺の被害に遭いやすくなるのだ。 (文=柳谷智宣)イメージ画像








