てれびのスキマが見た【NHK】と【テレビ東京】──テレビ局にとっての“らしさ”とは?

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 2012年6月から始まったこの連載「テレビ裏ガイド」。「面白いテレビ番組を真正面から面白いと紹介する」というコンセプトで毎月2~3本のペースで更新し続け、今回でなんと100回目を迎えます!  面白いテレビ番組だけを取り上げているので、よく直接お会いした人から訊かれることがあります。「ネタは尽きないですか?」と。けれど、3年あまり連載してきて、一度もネタで困ったことはありません。もちろん、自分の書き手としての能力的な問題で、この面白さをどう文章で伝えられるのかと、書くのに困ってしまうことは多々ありますが、取り上げる候補が何も思い浮かばないということはこれまで皆無でした。それだけ「テレビは今も面白い!」と、胸を張って言うことができます。  昨今はテレビがつまらなくなったなどといわれますが、僕の実感はまったく異なります。むしろ、2014年以降のテレビは、ここ十数年の間で最も面白いと言っても過言ではありません。  そこで、100回記念企画として、今回から3回に分けて、民放キー局5局とNHKの各局についての現状を私感たっぷりに語っていきたいと思います。 ***  現在最も元気なのは、NHKとテレビ東京だろう。ともにテレビ局としては、ある意味で異端だ。NHKは公共放送であり、スポンサーを獲得する必要がないため視聴率に縛られることはない。一方、テレビ東京は、キー局としては最後発であり、視聴率最下位は当たり前という状況だった。だから、最低限の視聴率獲得目標基準が各局よりもはるかに低いといわれている。過剰に視聴率にとらわれていない両局が好調なのは、皮肉な話であるのと同時に、そこに何かヒントが隠されているのではないか。  ここでキーワードになるのは、「らしさ」だ。いわゆる「NHKらしさ」「テレ東らしさ」である。例えば、テレ東の人気番組『Youは何しに日本へ?』。  この番組は、空港を訪れた外国人(=You)にタイトル通り「Youは何しに日本へ?」と尋ね、その答えが面白い人に密着するという番組である。低予算ゆえ、大物芸能人をそろえることができないという弱点を補うため、テレ東は「素人」参加番組を数多く手がけてきた。また、タイアップがつきやすいという理由もあってか、旅番組も多い。そんな得意分野を組み合わせた、実に「テレ東らしさ」全開の番組だ。この番組の成功で、『家、ついて行ってイイですか?』や『逆向き列車』など派生番組も生まれ、素人密着ドキュメントバラエティとでも呼べる新たなジャンルを確立したといえるだろう。  テレ東の現在の好調の理由を端的に言い表すならば、それは「できないことはやりません」精神だ。これは、同局の看板プロデューサーである佐久間宣行(『ゴッドタン』『ウレロ』シリーズなど)の著書のタイトルだが、できないことを無理にやっても仕方ない。逆に、できることとは何かを考え抜き、工夫して、できることを増やし、それを確実に実行していくということだ。テレ東の予算では、幅広い層が満足するような番組を作るのは難しいかもしれない。だったら、特定の層に向けて作る。そうすれば、視聴層がハッキリしているため、視聴率争いで負けていても、スポンサーはつきやすい。「固定客」ともいえる、熱烈なファンも生みやすいのだ。ド深夜番組のいち企画だった「キス我慢選手権」が2度も映画化された『ゴッドタン』は、その最たるものだろう。  NHKもまた、「NHKらしさ」が色濃く反映される局だ。だが、時にその「NHKらしさ」が足かせになってしまうこともあった。たとえば、昨年3月の中田宏衆院議員による「コント番組批判」だ。あるコント番組を名指しし、「ドタバタ暴れて人の頭を叩いて笑いを取るようなものではなく、地域性や日本の歴史文化をひもとき、若い人が関心を持てるような番組にしてほしい」などと、「NHKらしさ」を盾に批判したのだ。  これに笑いで対抗したのが、現在もシリーズを重ねている『LIFE!~人生に捧げるコント~』だ。座長である内村光良自らがNHKの古株ディレクター・三津谷寛治に扮し、「非常に低俗な雰囲気、これはまずいですね。NHKなんで」「NHKには『日本各地の地域性や、さまざまな歴史や文化をひもとくような番組』を放送する義務がある」「いくら怒ったからといって、人の頭をバコバコ叩くのはやめていただきたい。NHKなんで」などと、明らかに中田議員の発言を下敷きにした注文をしていくというコントを演じたのだ。  現在民放では、定期的に放送されるコント番組はほとんどなくなった。時間的、予算的コストに、視聴率が合わないからだ。しかし、NHKは違う。民放のように、毎分の視聴率にとらわれる必要はない。逆に、民放のように多くの芸人がひな壇に座るバラエティ番組や多くのタレントを使ったゲームのような企画は、NHKの雰囲気には合わない。だが、お笑いを“作品”のように作るコントなら、NHK的な価値観を保持しつつ、思いっきりふざけられるのだ。一見NHKらしくない『LIFE!』のようなコント番組こそ、実は「NHKらしい」お笑い番組の形なのだ。  一方、『ブラタモリ』は、一見して「NHKらしさ」全開の番組である。毎回テーマとなる土地をタモリが歩きながら、その地形などから歴史の痕跡を探るという極めてターゲットの狭い地味な教養番組。しかし、それを行うのがタモリだという一点で、一気にポップになっている。  『ブラタモリ』には、独特な演出が隠されている。それは、タモリのパートナーであるアナウンサーに「勉強するな」という指示がされているのだ。なぜなら、そのほうがタモリが自由にしゃべれるからだ。実際、『ブラタモリ』では、専門家が出す問題を即座にタモリが答え、アナウンサーがまったく理解できないまま置いてけぼりになっている場面がよく見られる。そんな時、タモリは生き生きと解説し始めるのだ。  進行を任されたアナウンサーが、事前の勉強をしない。それは、NHKの番組ではこれまで考えられなかったことだ。しかし、それがタモリの魅力を最大限生かすための演出なのだ。一見NHKらしい『ブラタモリ』は、実はNHKらしからぬ演出によって支えられているのだ。  テレ東は「テレ東らしさ」を追求することで、唯一無二の存在感を発揮している。『LIFE!』は「NHKらしさ」にとらわれなかったことが、結果的に「NHKらしさ」を生んだ。また『ブラタモリ』は「NHKらしい」番組を作っていく中で、「NHKらしさ」から脱却した演出で成功している。  「らしさ」は、決して自分たちを束縛するものではない。より自由になるための道具なのだ。 (文=てれびのスキマ <http://d.hatena.ne.jp/LittleBoy/>) 「テレビ裏ガイド」過去記事はこちらから

これはドキュメンタリーなのかドラマなのか? 『廃墟の休日』で交差する日常と非日常

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廃墟の休日:テレビ東京
 またテレビ東京で、変な番組が始まった。思わずそうつぶやいてしまうような、異色すぎる番組が『廃墟の休日』(テレビ東京系)だ。これは旅番組なのか、ドキュメンタリーなのか、それともドラマなのか。どんなジャンルと呼ぶべきか、さっぱりわからない。 「超帰りたいッス」 「廃墟を巡るんじゃなかったの? ジャングル探索じゃん」  そんなふうに愚痴りながら、生い茂る草むらをかき分け、山頂へ向かう2人。第1話から第3話の旅人はTEAM NACSの安田顕と、その友人でディレクター・ライターの野口照夫である。2人は、兵庫県の摩耶観光ホテルから長崎県の軍艦島といった有名な廃墟を巡り、最終目的地である中ノ島にたどり着いた。その山頂にある、公園跡を目指しているのだ。  『廃墟の休日』は、SNSで知り合った、廃墟に詳しい「ジョン・T」に誘われ、俳優とその友人のクリエイター2人が、指定の廃墟を訪れるという設定だ。そこで、即興の芝居を撮影するまでを描いている。  番組の公式ホームページによると、「廃墟を訪れる俳優らの素顔が見られる<ドキュメンタリー>と、彼らが道中や廃墟で 繰り広げる<エチュード(即興芝居)>という2つの要素から成る、ロードムービー的ドキュメンタリー×ドラマ」とある。ちなみに4話目以降は、田辺誠一とスミマサノリに交代し、アメリカの廃墟を訪れると発表されている。  第2話では、前述の通り、軍艦島(端島)を訪れている。廃墟ファンならずとも、有名な日本有数の廃墟。「これぞ、廃墟」と呼べるような島だ。その美しい光景に圧倒されながら、2人は“廃墟”とは何かと考えを巡らせていく。「廃墟と遺跡の差って、なんなのだろう?」と。  そんな中で、安田は「廃墟」の思い出を聞かれ、学校の旧校舎に入ったことがあると語り始める。 「女子トイレって、廃墟じゃなかったら入ったらいけないところですよね。廃墟ってことは誰もいないわけだから、女子トイレに入れる。だから僕は初めて旧校舎で、大手を振って女子トイレに入りました」  真面目な顔で、いかにもヤスケンなエピソードを披露するのだ。  もともと「ジョン・T」の指示は、“廃墟の王様”である軍艦島ではなく、その隣に浮かぶ中ノ島だった。「海が荒れていると上陸できない」ことから、2人はいったん軍艦島に上陸したのだ。中ノ島は、その軍艦島から船で5分程の無人島である。軍艦島があまりにも有名なため注目されないが、「忘れられた」という意味では、より廃墟度が高い。「また夕方に来るけんね」と船頭が言い残し去って行くと、安田は「夕方に来てね!」と念を押す不安げだ。それもそのはず、島はジャングルのように自然が生い茂った、文字通りの無人島なのだ。足元を動き回る数多くのフナムシなどの虫を目の当たりにして、安田はひとつの結論を下す。 「生活の名残を感じさせるのが廃墟。再生が始まって、虫とかいきものが住み始めるのが遺跡」 なのではないかと。  かつて、この島には火葬場と公園があったという。軍艦島の住民の憩いの場であり、死後、ここで火葬されていたのだ。 「なんで軍艦島に火葬場を作らなかったのだろう?」と野口が疑問を口にすると、安田は朽ち果てた火葬場の跡を眺めながら言った。 「軍艦島で生まれて亡くなった時に、ここで魂になった時、これ(この風景)を見せてあげたかったんじゃないか」  確かに、そんな想像力を喚起させるほど、中ノ島から見える軍艦島の姿は美しかった。朽ち果てた廃墟の姿は、あまりにも非日常だ。しかし、かつてそこにも、確かに日常があった。廃墟に残された断片から、その日常を想像することができる。  『廃墟の休日』は、廃墟をただ歩くドキュメンタリーと、廃墟を背景にエチュードを繰り広げるスケッチが交差する構成だ。それはまさに日常と非日常が交差し、ないまぜになっているかのようだ。この番組のジャンルが一体なんなのかが曖昧なように、非日常と日常の境目が曖昧になっていく。いわば、『廃墟の休日』は日常と非日常、フィクションとノンフィクションの境界を巡る旅なのだ。 「すげえ非日常だな……」  神秘的な廃墟の光景を眺めてそうつぶやいた安田は、わずかに沈黙した後、 「ブッ!」 と、豪快におならの音を廃墟に響かせた。 (文=てれびのスキマ <http://d.hatena.ne.jp/LittleBoy/>) 「テレビ裏ガイド」過去記事はこちらから

AV男優しみけんvs 絶対王者の熱きバトル!『BAZOOKA!!!』「地下クイズ王」という知的スポーツ

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しみけんTwitterより
「女性の恥骨の下にある、膣壁前方上部の小さな領域を『Gスポット』といいますが、この『G』の由来となった、女性器の研究で有名なドイツの産婦人科医は誰?」  これが、「地下クイズ王決定戦」記念すべき第一問目の問題である。ちなみに、正解は「エルスント・グレフェンベルク」。この問題に、初代王者となる渡辺徹(タレントの渡辺徹とは同姓同名の別人)は、当たり前のように正解した。  その後も、 「2012年、所得隠し問題によって出演番組を降板し、関係各方面に迷惑をかけている板東英二。さて、板東英二の個人事務所の名前は何?」(正解:オフィスメイ・ワーク) 「北海道万念寺に安置されている、髪が伸び続けているといわれているお菊人形。この『お菊』の本名は何?」(正解:鈴木菊子) 「ヤクザの隠語でリボルバー式拳銃のことを、その形が似ていることから、ある野菜の名前を使ってなんという?」(正解:レンコン) 「1989年東京・埼玉連続幼女誘拐殺人事件で世間を震撼させた宮崎勤が、犯行声明文で名乗った女性名は何?」(正解:今田勇子)  というような早押しクイズが、次々と出題されていく。  「地下クイズ王」とは、BSスカパー!の人気番組『BAZOOKA!!!』の名物企画である。その第1回が放送されたのは2013年2月26日。出題されるクイズのジャンルが「ゴシップ」「殺人鬼」「オカルト」「裏社会」「宗教」「セックス」という、地上波ではあり得ない狂った問題ばかり。これがクイズ好き、アングラ好きなどに話題を呼び、第2回(13年6月)、第3回(14年12月)と回を重ねていった。その3回の大会すべてで優勝したのが、前述の渡辺徹である。  史上最年少で『FNS1億2000万人のクイズ王決定戦』に出場したキャリアを持つ渡辺は、無尽蔵のアングラ知識で淡々とクイズに正答し続け、「地下クイズ王」の“絶対王者”の風格を漂わせている。  彼の最大のライバルが、AV男優・しみけんである。第2回大会から出場したしみけんの登場は衝撃的だった。オープニングクイズの7問中6問を、驚異的なスピードの早押しで正解。AV男優という肩書やそのキャラも相まって、「地下クイズ王」の新たなスターの誕生を確信させるに余りあるインパクトだった。序盤に大差をつけたしみけんが、そのまま優勝を奪うかと思われていたが、高得点になる後半の難問を次々と正解していったのは、やはり王者・渡辺。大逆転劇を演じたのだ。  そもそもしみけんは、少年時代から「クイズ」に魅了されていた。だからもちろん「AV男優」歴よりも、「クイズ」歴のほうがはるかに長い。クイズ研究会に所属していた学生時代には『おサイフいっぱいクイズ!QQQのQ』(TBS系)にも出演したこともあるという。  そんなしみけんへの出演オファーは、ある意味、極めて「地下クイズ王」らしい狂ったものだった。突然、知らない番号からかかってきた電話に出てみると、開口一番「GスポットのGはなんの略?」と問題が出題された。ワケがわからぬまま「グランフェンベルク」と答えると、「正解です! じゃあ、ご飯一緒に食べよう」。そこで、正式にオファーを受けたのだ。  続く第3回大会でも、渡辺vsしみけんの対決は続く。しみけんはオープニングクイズで一問も正解できず出鼻をくじかれたが、「薬物の10」の問題では「今年12月……」という出題の時点で早押しし「しぇしぇしぇのしぇー」を正答し、本来の調子を取り戻す。渡辺も、着実にポイントを重ねていく。この2人に、初出場で強烈なキャラクターを持つ女性・篠原かをりを加えた三つ巴のような展開。優勝決定は、最終問題までもつれ込む大接戦。そして最後に正解したのは、やはり“絶対王者”渡辺だった。泣き崩れるしみけん。その熱い姿に、「物語」は最高潮に盛り上がりを見せたのだ。  そしてついに7月6日、第4回「地下クイズ王」が放送時間を90分に拡大し放送された。出場者は3連覇中の王者・渡辺、そしてもちろん、しみけん。彼は、「3回もチャンスを与えられて優勝できなかったら、次はない」と不退転の覚悟で、3日間仕事を休んでまで挑む熱の入れよう。  さらに、伝説的クイズサークル「コンモリ」の代表・丸山洋平、前回大会でインパクトを残した篠原から「若手女性最強」と推薦を受け、「得意なジャンルはセックス」と言ってのける高野望、そしてこの企画への出演を熱望していた能町みね子が『BAZOOKA!!!』のレギュラー出演者による「BAZOOKA!!!オールスターズ」の助っ人として参戦。過去最強の布陣といっていいメンバーがそろったのだ。  問題はこれまで同様、「イスラム国の処刑動画に登場する黒マスクの男の通称『ジハーディ・ジョン』。この名前の由来となったミュージシャンは誰?」「女性の下着や水着が性器に食い込んだ『スジっている』状態を、英語で動物のひづめに喩えて『何・トゥ』という?」「幸福の科学の月刊機関紙で小学生がターゲットなのは『ヘルメス・エンゼルス』ですが、大学生をターゲットにしたものは何?」「北朝鮮の『喜び組』は活動内容から大きく3つに分かれます。では、性的なサービスをするのは『何組』?」などという、地上波では決して出題されない狂った問題が連発。それに加え、たとえば最後に例を挙げた問題には正答の後、「入団の時点で『処女』であることが条件とされている」などと補足解説までついてくる。  だが、「地下クイズ王」の魅力は、こうしたアングラ知識が入り乱れるところだけではない。なんといっても、クイズ番組として極めてまっとうだということだ。全編が「○○の10」「××の30」などとクイズのジャンルと難易度(ポイント)を選択し、出題されるというオーソドックスなシステム。通常、テレビ番組で行われるクイズ大会は、バラエティ的な面白さを担保するためにクイズ以外の要素が入ってしまう。だが、「地下クイズ王」はクイズ自体が「アングラ」という特殊要素を入れたことで逆に、純粋な「クイズ」だけの大会として成立させているのだ。  能町みね子は、「地下クイズ王」の魅力を問われこう答えている。 「こんなにアングラでこんなに暗~い感じでやってるのに、スポーツに見えてくる」  コンマ何秒の差でボタンを押し、超難問に頭の中の知識を総動員して答えを導き出す。“今度こそ”の執念で、汗が飛び散るような勢いで答えていく、しみけん。まさに「地下クイズ王」は、知的スポーツに呼ぶにふさわしい。そうして死力を尽くして答えた回答が「パイパン」だとか「エネマグラ」「ラブリンネイル」「スウィーツKURENAI」などというのだから、くだらなくて最高なのだ。優勝賞品は、シリコンボール注入権やらオリジナルタトゥー無料権。そんなもののために必死になるのは、狂っているのかもしれない。狂った問題で競う、狂った人たち。  「地下クイズ王」には、テレビが本来持っていた見世物小屋的な原風景が広がっている。 (文=てれびのスキマ <http://d.hatena.ne.jp/LittleBoy/>) 「テレビ裏ガイド」過去記事はこちらから

こんなの夜神月じゃない!? 窪田正孝がつくる『デスノート』の新世界

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『デスノート』日本テレビ
 こんなの夜神月じゃない!  7月5日から始まったドラマ『デスノート』(日本テレビ系)を見て、多くの原作ファンがそう思ったのではないだろうか? 原作の夜神月は、いわゆる“天才”。ズバ抜けた頭脳を持ち、容姿端麗でスポーツも万能。スペック的にいえば完璧な存在だった。それゆえ、歪んだ正義感と選民意識を持った、極端な負けず嫌いで、冷酷非道な性格として描かれていた。そんな少年漫画らしからぬ非・共感系の主人公である月と、名探偵Lという天才同士の高度な頭脳戦が、原作『デスノート』最大の魅力だった。その後制作されたアニメ版や実写映画版も、当然、この設定を踏襲したものだった。  だが、今回のドラマ版では、月は「平凡」な大学生の設定に変更されたのだ。しかも、オープニングでは、アイドルに対してペンライトを振っている。「平凡」よりも「オタク」寄りな青年なのだ。また、いよいよ拾った「デスノート」に英語で書かれているノートのルールも、辞書を引きながら読む。頭脳明晰とはほど遠い存在。いわゆる、「どこにでもいる」大学生として描かれているのだ。原作ファンから悲鳴が上がるのも無理からぬことだ。  しかし、ここで視聴をやめてしまうのはもったいない。なぜなら、その新しい月を演じているが窪田正孝だからだ。  念のため、いま一度『デスノート』のストーリーを確認しておこう。ある時、月は奇妙なノートを拾う。それこそが死神リュークが落とした「デスノート」だ。そのノートに相手の顔を思い浮かべながら名前を書くと、相手が死亡するという。最初は、そんなわけがないと思いながら名前を書いてみると、実際にその相手が死んだ。そして、目の前には死神リュークが現れる。そこから月は、犯罪者がいない理想の世界をつくるため、犯罪者を次々と「デスノート」で殺していくのだ。やがて月は世間から“新世界の神”「キラ」として英雄視されていくことになる。そんな月の殺人の証拠を暴き逮捕しようとするのが、天才名探偵「L」と、月の父親で刑事の夜神総一郎である。  天才同士の頭脳戦から、平凡な学生が「デスノート」を手にしたことにより権力に挑んでいくという設定に改変されたのは、ゴールデンタイムに放送されるテレビドラマとしては、仕方のないことだろう。最初からほとんど葛藤や罪の意識なしに、人を殺していく主人公は共感しにくい。なにより、アニメ版や実写映画版ですでにそれは描かれている。ならば、新しい、テレビドラマならではの『デスノート』をつくろう、ということだろう。  そんな新しい夜神月を演じるのに、窪田ほど打ってつけの俳優はいない。窪田は、深夜ドラマ『チェケラッチョ!! in TOKYO』(フジテレビ系)でいきなり主演として俳優デビュー。大きな注目を浴びたのは、その2年後の2008年に始まった『ケータイ捜査官7』(テレビ東京系)だろう。テレビ東京の大型特撮ドラマとして大々的に始まったこの作品で、窪田は主人公の少年・網島ケイタを好演する。「平凡」な少年がたくましく成長していく姿を非凡に演じ、総監督を務めたあの三池崇史からは「10年後に君を選んだ理由がわかる」と絶賛された。  その後も着実にキャリアを積み、大河ドラマ『平清盛』(NHK総合)の平重盛役や、朝ドラ『花子とアン』の朝市役などで鮮烈な印象を与え、ブレーク。最高の助演俳優としての地位を確立した。さらに『Nのために』や『アルジャーノンに花束を』(ともにTBS系)でも重要な役どころを演じ、主人公を食うような存在感を見せつけていた。  そして満を持して、『デスノート』の主人公を演じるのだ。三池の言う「10年後」を待たずして、大役をつかんだのだ。  正直言って、窪田なら、原作に近い「天才」夜神月も、完璧に演じてくれただろう。それどころか、ライバル「L」も窪田が演じれば、映画版で松山ケンイチが完璧に演じた「L」に勝るとも劣らないものになっていたのではないか。そんな想像を喚起してしまうほど、彼はどんな役も演じられる振り幅の広い俳優だ。  だが、窪田の最大の魅力は、なんといってもその繊細さ。繊細さゆえに、狂気をもはらんでしまう若者を演じさせたら、右に出るものはいない。透明感と底知れぬ闇を同時に表現できる、稀有な若手俳優なのだ。それはまさに、今回のドラマ版・夜神月像にぴったり合致する。  「デスノート」で人を殺し罪の意識に苛まれ悩み狂う姿、死神リュークに怯え慌てる姿、「L」の挑発に簡単に乗ってしまう浅はかな姿、そして「ノート」の力を得て“覚醒”し、歪んだ正義感を振りかざし始める狂気の姿……。『デスノート』という荒唐無稽な世界観の中で、そんな月をリアリティを持って演じられる俳優はなかなかいない。だから今回の新しい夜神月役は、窪田でなくてはならなかったのだ。  実際に窪田は、平凡な大学生が、「デスノート」を手にし、悩みながらも狂気の殺人者に変わっていく姿を見事な説得力で表現していた。最初から「天才」だった原作にはない、ドラマ版ならではの月の魅力がそこには確かにあった。人気漫画が原作のドラマ化だからといって、原作に忠実なだけが正義ではない。そこにいかに新たな魅力を加え、ドラマ化する意義を見いだせるかが重要なのだ。もちろん、この挑戦が成功するとは限らない。それは今後、いかに新たなキャラクター像と原作の魅力を融合させていくかが重要になっていくだろう。  ドラマ版『デスノート』で窪田は、“新世界”の夜神月をつくり出そうとしているのだ。 (文=てれびのスキマ <http://d.hatena.ne.jp/LittleBoy/>) 「テレビ裏ガイド」過去記事はこちらから

シングルマザー、占い師、女装家……テレ東『家、ついて行ってイイですか?』で描かれる人生劇場

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『家、ついて行ってイイですか?』|テレビ東京
「イエーーイ!」 「キャハハハ!」  終電が過ぎた深夜の街には、ハイテンションな酔っ払いたちがうごめいている。そんな人たちに「タクシー代をお支払いするんで、家について行ってイイですか?」と声をかけるのが、その名の通り『家、ついて行ってイイですか?』(テレビ東京系)だ。同局の『YOUは何しに日本へ?』の成功以降、急増した番組タイトルまんまの素人密着番組のひとつだが、その中にあっても、ひときわ完成度が高く、毎回興味深いのがこの番組だ。ちなみに演出を務めるのは、『空から日本を見てみよう』や『ジョージ・ポットマンの平成史』『吉木りさに怒られたい』など、次々に異色の番組を手がけている高橋弘樹である。  番組は2014年1月に1カ月の短期間レギュラーとして始まり、その後、不定期にゴールデンタイムや深夜と時間を変えながら特番が放送されている。密着したVTRを見守るのは、モニタリング力に定評があるビビる大木とおぎやはぎ・矢作兼。スタジオで、ではない。番組タイトルにちなんで、毎回街で声をかけて了承してもらった素人のお宅をスタジオに変えて収録しているのだ。徹底している。だから、毎回モニタリングのプロである芸人たちに混じって、家主であるただのおばあちゃんや女子大生などが、ワイプから感想を言い合っている。その光景は新鮮でシュールだ。  6月19日には、19時台の1時間特番として放送。六本木では、大きな帽子をかぶったエレガントな女性に遭遇。彼女について行ったら突然、般若心経を唱え始めるという展開。実は、彼女は占い師。しかも、彼女は世界中の男性たちと恋愛をしているというのだ。また、鶯谷から密着した男性の一人暮らしの自宅に行ってみると、なぜか女性物の下着が。なんと彼は、女装が趣味だったのだ。  面白おかしく紹介しようとすればいくらでも演出できそう“素材”を、ありのまま寄り添うように映していくのがこの番組の特徴だ。  今回の放送で特に印象的だったのは、田舎の漁村に暮らす77歳のおばあちゃんだ。今回から始まった新企画「移動スーパーで買ったものの代金をお支払いするので、家について行ってイイですか?」で出会った人だ。カメラで向けられると、彼女はとにかく明るい。自分が買ったものを説明しながら「アハハハ!」と豪快に笑う。周りの人からも「(静岡県)賀茂村のスターだよ」などと言われる、村の人気者のようだ。最初は「ヤダよ!」なんて断っていたが、すぐに「あんまり長いとダメよ」などと言いつつ、密着を承諾した。  聞けば、十数年前に夫をがんで亡くし、娘も嫁いだため一人暮らしだという。音楽好きの夫が生前に買ったピアノを練習するのが、今の生きがいだと笑う。カレンダーに書かれた「カメ」の文字は、スーパーの特売日という意味だとか、20年以上使っている扇風機だとか、もう使っていないマッサージチェアーだとか、“生活感”がにじみ出ているものをカメラは画面に収めていく。そのたびに、快活にそれらを説明していくおばあちゃん。その解説の至るとこに、亡き夫への愛情がにじみ出ている。  その夫の遺影の隣には、幼い子どもの遺影が並べられている。 「亡くなったんですよ、小学校1年生のときに。2階から落ちて。私の不注意で」  自宅の2階で遊んでいる最中、ほんの少し目を離した隙に、誤って窓から転落してしまったのだという。その時から、彼女は重い十字架を背負ってしまったのだ。 「あんないい子だったのにねぇって……。生きた心地しなかったです、私。お父さんにも申し訳なくてね。そういう思い出があって……」  普段の明るい振る舞いからは、とても想像のつかない人間ドラマ。その人生をのぞくようなVTRに、心の奥底をかきむしられる。  たとえば、6歳の子どもを亡くしたエピソードだけでは、こんなに心を揺さぶられないだろう。普段の明るく楽しい姿を最初に見ているから、その人の思わぬ人生にハッとする。  別の回では、シングルマザーのキャバクラ嬢にも密着していた。21歳で夜の仕事で家計をやりくりしつつ、子育てや家事に奮闘していた。スタッフが「周りで遊んでいる21歳の子たちがうらやましくならないですか?」と尋ねると、彼女は即答した。 、 「自慢したいくらい」  思えば、この番組はたいていの場合、酔っ払った姿からスタートする。いわば、その人が最もチャラい部分だ。「なんだ、こいつ。だらしない奴だな」と眉をひそめるような感覚から見始めるのだ。しかし、家について行ってみると、その人の悩みだとか、葛藤だとか、夢など真面目な核の部分が垣間見える。その振れ幅に、心が揺さぶられるのだ。そこにあるのは「共感」とはまた少し違う、言ってみれば「他者」の“発見”だ。いま目の前で「気に食わない奴」とか「ダメな奴」なんて思っている人にも、思いもよならない人生があったりする。そんな当たり前のことを、リアルに想像させてくれる番組なのだ。  ちなみに7月3日(金)にも、「美女たちの家SP」と題された特番がゴールデンで放送されるとのこと。ぜひご覧頂きたい。 (文=てれびのスキマ <http://d.hatena.ne.jp/LittleBoy/>) 「テレビ裏ガイド」過去記事はこちらから

マモー・ミモー復活!『LIFE!~人生に捧げるコント~』が起こした“奇跡”の意味

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NHK『LIFE!~人生に捧げるコント~』
「恐怖のズンドコ……」 「ちがーう!」  30代半ば以上の人たちにとって、懐かしさで震えるであろう光景が映し出された。90年代、フジテレビ系の『ウッチャンナンチャンのやるならやらねば!』で一世を風靡した人気コントキャラクター「マモー・ミモー」が、四半世紀の時を超え、“復活”したのだ。  それも局の垣根も越え、NHKの『LIFE!~人生に捧げるコント~』で、だ。同じ内村光良がメインを務める番組とはいえ、それは「奇跡」と呼ぶにふさわしい瞬間だった。  『LIFE!』は2012年にNHK BSプレミアムで放送され好評を博すと、その後、不定期ながら断続的に放送され、地上波進出。14年4月からはレギュラー放送された。そして15年4月からは「シーズン3」として再びレギュラー放送をしている。  この「シーズン3」は、これまでにも増して特に挑戦的だ。シーズンの初回となった4月9日は生放送。スタジオのトーク部分が生というのはよくあるが、なんとコント自体を生で演じたのだ。  そのコントとは、番組の人気コント「宇宙人総理」。いつもなら、国会の議会を舞台にしたワンシチュエーションコント。だからあまり動きがなく、確かに生のコントをするなら一番やりやすいだろう。そう思っていたが、番組はどこまでも挑戦的。普段と違い、総理官邸などを動き回るコントだったのだ。、  さらに今シーズンでは、この「宇宙人総理」と「解散総選挙」をめぐる連続ドラマ仕立てのコントとして、ほぼ毎回放送するという新たな試みにも挑戦している。そしてその「宇宙人総理」の中で、遊びまくっている。  たとえば、5月7日の朝ドラ『まれ』とのコラボでは、宇宙人総理の運転手役に『まれ』に出演中の田中泯を起用。硬派な世界的ダンサーである田中泯に、“宇宙人”の風貌をさせた。さらに翌週には、「政見放送」をパロディ。さすがNHK。本家「政見放送」とまったく同じセットで完璧にコピーしていた。  さらにさらにその翌週には、なんと田原総一朗をゲストに迎え、テレビ朝日の『朝まで生テレビ!』をパロディ。「問題の『コグレイズム』、よく分からない!」と、本家さながらの迫力で田原が宇宙人総理に迫り、一瞬テレ朝の深夜と錯覚するほどの完コピぶりだった。その翌週には、「選挙演説」を描いたオールロケコント。多数のエキストラもコントに参加した。そんなやりたい放題の果ての、マモー・ミモー復活だったのだ。  この復活劇は、まったくの偶然が生んだものだったと内村は証言している。『まれ』とのコラボコントでダブルのスーツを探していた衣装担当のスタッフが、衣装リース会社の倉庫で見覚えのあるスーツを発見した。 「あれ、もしかしてこれは!」  それこそが、まさにマモーの衣装だったのだ。25年の長い時を経て、めぐりめぐってマモーの衣装がNHKの手に渡ったのだ。  「私も震えました」と内村が言うように、それは「奇跡」としか呼びようのないものだった。そこから急遽、復活のプランが練られていったのだ。  マモー・ミモーは、90~93年に放送された『やるならやらねば』に登場した、内村とちはるが演じた悪役コントキャラ。世界征服を企むマモーと、その愛人ミモーという設定だ。主役であるはずの南原清隆演じる「ナン魔くん」をしのぐ人気で、「マモー・ミモー 野望のテーマ」でCDデビューまで果たした。さらに、千葉マリンスタジアムでイベントを開催すると、3,000人を超える観客が詰めかけた。 「マモー・ミモーでこんなに人を集められるんだと思った時、確かに(人生の)ピークを感じた」(吉田正樹『人生で大切なことは全部フジテレビで学んだ』収録の対談より) と、内村自身も振り返る人気ぶりだった。  だが、『やるならやらねば』は不幸な死亡事故が起き、志半ばで終了を余儀なくされる。それに呼応するように、一時ウッチャンナンチャンは低迷した。けれど、『ウッチャンナンチャンのウリナリ!』(日本テレビ系)で人気復活を果たすと、その勢いのまま、内村はコント番組『笑う犬の生活』(フジテレビ系)を立ち上げた。そのタイトルには『やるやら』の意思を継ぐように、「YARANEVA!!」という副題が添えられていた。  20代の終わり29歳の頃『やるやら』を失った内村は、やはり30代の終わり39歳で『笑う犬』シリーズも終了する。そして40代に突入した。 「40代でコントって難しい」「正直、テレビでコントをやることに、かなり臆病になってる」(「Quick Japan」Vol.63) と語っていた内村だが、40代の終わり48歳で、『LIFE!』を立ち上げたのだ。  コント番組全盛だった90年代前半に『やるやら』で天下を獲り、「コント冬の時代」といわれた90年代終盤に『笑う犬』でコント番組を復活させた。そしてコント番組不毛の時代ともいえる今、『LIFE!』で孤軍奮闘している。内村は、テレビの中でコントがどのような状況にあろうとも、一貫してコントに芸人人生を捧げてきたのだ。だからこそ、点と点が線でつながり、時と局を超えた「奇跡」が実現したのだ。「奇跡」は積み重ねられた長い軌跡があって初めて、真の意味で「奇跡」と呼べる。そして25年の時を経た内村とちはるが演じるマモー・ミモーは、その時間分、魅力を増しているように見えた。そこにただ「懐かしい」だけではない、“現役感”があったからだろう。内村が刻んできたコント人生の軌跡が詰まっていたのだ。  コントを撮り終えたちはるは、充実した表情で言った。 「人生楽しいですね!」  そして内村は汗をびっしょりかきながらも、やはり充実感いっぱいの笑顔で振り返った。 「楽しかった。幸せでした」  まさにそれは、「人生」という名のコントだった。 (文=てれびのスキマ <http://d.hatena.ne.jp/LittleBoy/>) 「テレビ裏ガイド」過去記事はこちらから

「すっとんきょうなことを言わなきゃダメ」『ワイドナショー』に見る、松本人志の時事大喜利

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『ワイドナショー』フジテレビ
「すんごいブスがいっぱい乗ってるでしょ、女性車両って?」 「(後輩におごった金額)計算したら、ホントに億超えてますよ」 「皮肉なことに、声を失うことで、彼(つんく)の言葉の重みっていうのは増すと思うのね」  『ワイドナショー』(フジテレビ系)での松本人志のコメントは毎回必ずといっていいほどネットニュースになり、世間を騒がしている。今週(6月7日)の放送でも、銀座クラブママと会社経営者の夫が7年間肉体関係を持っていたとして妻が訴えた裁判で、「不倫」ではなく「枕営業」という判決が出た事件に対し、「ほかにも同じような(性交渉する)人がいれば、売春婦みたいなもので、不倫とは違う」「ママとちょっと会って、ちょっと(性交渉を)しているのがそんなに腹立つ?」という発言や、今いくよ追悼に寄せた「最後に(今いくよ・くるよの漫才を)見られてよかった」という発言などがネットニュースに取り上げられていた。  もともと『ワイドナショー』は、2013年10月から深夜で放送されていたワイドショー形式のトークバラエティ。メーンコメンテーターに松本を据えたことで大きな話題となり、『笑っていいとも!増刊号』が放送されていた日曜午前枠に移動した。  『いいとも!』のグランドフィナーレで松本は、不仲説がウワサされていたとんねるずとの共演に「ネットが荒れる!」と繰り返していたが、くしくも『ワイドナショー』での発言で、繰り返しネットを荒らしている。  この番組最大の特長は「松本人志がいる」ということにほかならないが、松本以外のコメンテーターもほかの番組とは一味違う。たとえば、「準レギュラー」と呼ばれているSMAP中居正広、HKT48指原莉乃といったアイドルから、泉谷しげる、武田鉄矢らミュージシャンたち、長嶋一茂、乙武洋匡、そして若き社会学者・古市憲寿と多彩な顔ぶれだ。映画のプロモーション絡みとはいえ、ビートたけしが登場したこともある。  それはやはり、「松本人志がいる」からこそ集められたものだろう。「『うちの親戚の兄ちゃん面白いやろ!』って感覚」で松本が熱望した、みうらじゅんの起用は象徴的だ。そんな中から、古市 vs 長嶋一茂などという思わぬ名勝負が生まれてくるから面白い。それをさばく(フリして煽る)MC・東野幸治の手腕も見事だ。また「サッカー専門家」として登場している前園真聖が不祥事から“復活”を果たしたのも、松本の功績が大きい。  現在、『ワイドナショー』に限らず、「ワイドショー」形式の情報番組は数多く放送されている。『ワイドナショー』の裏でも、爆笑問題の『サンデー・ジャポン』(TBS系)に加え、4月からはヒロミがMCの『美女たちの日曜日』(テレビ朝日系)も始まった。平日には各局が競い合うように、生のワイドショーを放送している。それらのコメンテーターは、『白熱ライブ ビビット』(TBS系)には大久保佳代子、千原ジュニア、ヒロミ、オリエンタルラジオ中田敦彦。『直撃LIVEグッディ!』(フジテレビ系)にはマキタスポーツ、カンニング竹山、土田晃之、川島明らといったように、お笑い芸人が数多く起用されている。それはもちろん、親近感やトーク技術を見込まれてのものだろう。  だが、「芸人」としてコメンテーターをまっとうするのは、なかなか難しいものだ。深刻な話題でボケたりするのはもちろん、少し角度をつけたコメントをするだけで「不謹慎」などと言われてしまう。かといって、真面目なことばかり言っていれば、「芸人のくせに」などと揶揄されてしまう。いわば、芸人にとって「ワイドショー」は、初めから“負け戦”に挑むようなものだ。  そのことは、松本も『ワイドナショー』の中で語っている。「制限がある中で何を言っても当たり障りなくなっちゃうし、踏み越えちゃうと炎上しちゃう」「長い物に巻かれろ的なことを言おうとしたら、非常に簡単なんですけど、やっぱり波風立たせないといけない。でも、(波風)立たせた分、なんかきますよね」と。  それでも松本は、「すっとんきょうなこと」を言わなくちゃいけないという。お笑い芸人なのだから、違う角度でモノを見て、それが仮に「すっとんきょう」に見えたとしても、それを言わなければならないのだ。 「すっとんきょうなことを言うと、『すっとんきょうなことを言うな』って苦情がきたりするんですけど、その中に真理があったりするんで」  「この番組のコンセプトは理解してますよ。うまくいけば面白いだろうと。だけど、うまくいくということは俺はどんどん敵を増やしていく」と松本が番組開始当初に語っている通り、彼の主張をそのまま表明すると、それこそ「ネットが荒れる」。なぜなら今は、彼のような異端児にも視聴者は一般常識的な倫理観を求めるからだ。  松本はこれまで、“天才芸人”として世の中の「常識」を破ることに心血を注いできた。いわば「すっとんきょう」なことをするだけでよかった。しかし今は、一般常識のある社会人としての振る舞いを求める同調圧力という、相反するものとも同時に戦わなければならない。常識を破りつつ、非常識になってはいけない。それは極めて難しい大喜利だ。  今のテレビで、松本が“真剣”を振ることができるお笑い番組はなかなかないかもしれない。だから松本は『ワイドナショー』で、ニュースをお題に、研ぎ澄まされた大喜利力を武器に“常識”と戦っているのだ。 (文=てれびのスキマ <http://d.hatena.ne.jp/LittleBoy/>) 「テレビ裏ガイド」過去記事はこちらから

街ブラ番組『ウルトラ怪獣散歩』が起こす、怪獣×東京03という化学反応

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『ウルトラ怪獣散歩』(アプレックス)
「今回は北川町じゃなくて、鎌倉ですけど」  メフィラス星人、メトロン星人、ケムール人という3体の怪獣たちが、鎌倉の街をブラブラしている。しかし、このロケでメインとなるはずの重要文化財「鶴岡八幡宮」には入れない。  撮影交渉をしたスタッフによると、撮影NGの理由は「神社という神聖な場所に怪獣はそぐわない」というもの。  それを聞いたメトロン星人は「ぐうの音も出ない」と嘆き、ケムール人は「怪獣はしょせん、人間世界に入れてもらえない悲しい存在なんですから……」とつぶやいた。これは「空想特撮散歩シリーズ」と銘打たれた異色街ブラ番組『ウルトラ怪獣散歩』(CSフジテレビONE)である。もともと、2014年8月に特別番組として放送され、その後DVD化。今年5月22日からレギュラー化された。それに先立ち、5月20日深夜には地上波版が放送された。  昨年の特番では、メフィラス星人とザラブ星人、ダダが東京の下町、柴又を街ブラ。「頭が黒いから、直射日光大変なんですよ」グチるダダ。そのため、柴又の商店街で帽子を買うことに。そこで見つけたのは、白黒縞模様の帽子。体の模様とほとんど一緒で、ダダのために作られたんじゃないかという帽子だ。まるで帽子と一体化したかのようなダダの姿がなんともシュールで、おかしみがあった。  肝心の食レポでは、口元を隠す怪獣たち。地上波版ではその食レポ中、メトロン星人が言う。 「なんならアンヌ隊員も呼んだらどうだい?」 「いただきました!」 と興奮するメフィラス星人。もちろん『ウルトラセブン』第8話に登場するメトロン星人の名ゼリフだからだ。そこに、ケムール人は「アンヌ隊員のこと好きなんですか?」と茶々を入れる。否定するメトロン星人に、「顔赤くなってますよ」と指摘するケムール人。 「もともと赤いんだよ!」  怪獣たちの「声」を担当するのは東京03だ。高い演技力で、リアリティのある会話劇からなるコントを得意とする3人組。メフィラス星人は角田晃広、ザラブ星人やメトロン星人は飯塚悟志、ダダやケムール人は豊本明長が演じている。彼らが声を当てることで、怪獣たちは命を吹き込まれたようにイキイキと動き出す。東京03のコント同様、その会話にリアリティがあるからだ。もはや、それぞれの怪獣たちが、彼らが演じるキャラクターそのものの性格だったかのように見えてきてしまうのだ。  番組では、食レポで訪れたお店にちゃぶ台を用意して、メトロン星人に名場面を再現させたり、鎌倉の街のBGMに合うのは「サザン」か「TUBE」かで怪獣たちの間で論争が起こり、海岸で取っ組み合いのケンカ。夕暮れの「ウルトラファイト」状態になったりと、やりたい放題の遊びっぷり。  オープニング曲も「来たぞ われらの ウルトラマン♪」と歌う「ウルトラマンのテーマ」だし、サブタイトルも「メフィラス星人 メトロン星人 ケムール人登場」とおなじみの書体で書かれている。本家・円谷プロが関わっているだけあって、パロディもいちいち“本気”だ。『ウルトラ怪獣散歩』は、『ウルトラマン』のパロディと街ブラ番組のパロディが高次元で融合した番組なのだ。  街を楽しそうに歩く怪獣たちの姿は、一見シュールだ。だが、そこに東京03が演じる声が加わると、奇妙なリアリティが生み出される。一方、東京03は今でこそ徐々に活躍の場を広げているものの、ほんの少し前まで「テレビ向きでない」という烙印を押されていた。いまだに、テレビではその高い実力に見合うような活躍をしているとは言いがたい。その境遇は、「怪獣」だからという理由で撮影NGを食らい、「人間世界に入れてもらえない悲しい存在なんですから」と嘆く怪獣たちとどこか重なる。しかし、怪獣という、いわばポップなアイコンを通すと、その会話のやりとりの可笑しさが一気にテレビ的に映えていく。  怪獣×東京03という『ウルトラ怪獣散歩』の実験は、怪獣たちに新たなリアリティを、そして東京03にテレビ的なポップさを与える化学反応を起こしたのだ。 (文=てれびのスキマ <http://d.hatena.ne.jp/LittleBoy/>) 「テレビ裏ガイド」過去記事はこちらから

「恋愛は変態への第一歩」――“静かな変人”堺雅人『Dr.倫太郎』に流れるタモリイズム

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『Dr.倫太郎』日本テレビ
「僕は、理想の俳優がウォーズマンなんですよ」  主演する『Dr.倫太郎』の番宣を兼ねて出演した『おしゃれイズム』(ともに日本テレビ系)の中で、堺雅人は突拍子もないことを言いだした。「魚津万蔵(うおずまんぞう)」に改名したいとまで言うのだ。ウォーズマンは漫画『キン肉マン』に登場する、全身真っ黒なロボット超人。それを理想の俳優として挙げるのだから、変わった男である。  この番組ではほかにも、バイトを無断“出勤”してクビになったことがあるだとか、空間認識が苦手で「右・左」がとっさに分からないだとか、美術のヌードモデルをやったことがあるだとか、“変人”エピソードを連発。極めつきは「腹に一物ある男」を演じるための役作りで、「ホントに一物入れてみたらどうだろう」と考え、目黒寄生虫館を訪れ、サナダムシの卵を食べようとしたというのだ。もはや“変態的”だ。それを微笑みながら言うから怖い。  今でこそ、『リーガルハイ』(フジテレビ系)や『半沢直樹』(TBS系)などで、過剰でエキセントリックな演技をするイメージがついた堺だが、本来は真逆。「喜怒哀楽をすべて微笑みで表現する男」などとも評されるように、“静かな変人”を演じさせたら右に出る者はいない。そんな堺の本来の魅力を、最大限引き出そうとしているのが『Dr.倫太郎』だ。  ここで堺は、精神科医・日野倫太郎を演じている。このドラマに「協力」としてクレジットされている精神科医の和田秀樹氏が、「堺さんは声のトーン、しゃべり方、雰囲気ともに患者を落ち着かせる要素を兼ね備えている。精神科の名医像といっても過言ではありません」(日刊ゲンダイ)と絶賛するように、常に微笑みを浮かべ相手の話を聞き、静かなトーンで語りかけるその佇まいは、精神科医そのものだ。  第5話では、倫太郎の過去が明かされている。中学の時、母が自殺したというのだ。母はうつ病を患っていた。それに気付かなかった倫太郎は、お茶をいれて何かを話そうとした母を遮って、「頑張れ」と言って出かけてしまう。その日、母は走る電車に飛び込んでしまった。 「もしもあの時、僕が、母のいれたお茶を飲んでいたら」 「もしもあの時、僕が、母の話にちゃんと耳を傾けていたら」  今でも、それがいつも頭をよぎるという。だから、倫太郎はやってくる患者たちに「一緒にお茶を飲みませんか」と問いかけるのだ。  母の死で、自分は一生泣いたり笑ったりすることはないだろうと思っていた倫太郎を救ったのは、あるコメディアンだった。テレビから聞こえてくる彼の話があんまりおかしくて、笑ってしまったというのだ。  このドラマではほぼ毎回、「僕の大好きなコメディアンはこう言っています」と言って、そのコメディアンの名言が紹介される。 「嫉妬はいつも正義の服を着てやってくる」 「あまり聞いてはダメだ。聞くと人はしゃべらない」 「人生とは後悔するために過ごすものである」  これらはいずれも、堺の事務所の先輩でもあるタモリが言った(とされる)言葉だ。ちなみに、倫太郎が飼っている犬の名前は「ヤスケ」。これも、タモリが飼っていた犬の「横山弥助」から取ったものだろう。頑張りすぎてしまう人が陥りがちな精神疾患に対して、「やる気のある者は去れ」などに代表されるタモリの頑張りすぎないスタンスは、確かに有効かもしれない。  ドラマはゲストである患者の治療が軸に進むが、もう一つの軸となっているのが、新橋の売れっ子芸者・夢乃(蒼井優)だ。彼女は、ギャンブル好きのいわゆる「毒親」である母親(高畑淳子)につきまとわれ、金を無心され続けている。その母親からのなんらかの虐待が原因なのか、彼女は本名の「明良(あきら)」と芸者の「夢乃」の解離性同一障害、いわゆる多重人格に陥っている。明良は倫太郎に治療を望んでいるが、夢乃は拒否している。  そんな彼女に、倫太郎は惹かれていく。いや、恋愛感情ではないと倫太郎は強調する。「共感」しているのだと。彼に言わせると、相手がどう感じているかは二の次で、自分の感情が先行しているのが「恋愛」。顔と顔を合わせ、心を通い合わせるのが「共感」だという。「僕は彼女に心から共感し、診察したいんです。恋なんかしたら彼女を救えないじゃないですか」と。  第2話で引用されたタモリの名言は、「恋愛は変態への第一歩」だった。くしくも先日(5月17日)の『ヨルタモリ』(フジテレビ系)で、再びタモリ(扮する近藤さん)は「俺は、変態の第一歩は恋愛だと思ってますから」と語った。 「恋愛というのは、生殖行為に精神性が入ってくるわけでしょ。精神が入ってくると、変態の第一歩」  また別の回では、愛情は「執着」だとも語っている。 「キレイなものじゃないんだよ。いい時だけがキレイなの。悪くなったら、ものすごい汚いものになる」  これは「恋なんかしたら彼女を救えない」という倫太郎の言葉に重なる。『Dr.倫太郎』はいわば、タモリイズムそのものをドラマ化しようとした作品なのではないだろうか。その主人公を演じるのに、静かな変態である堺雅人ほどふさわしい俳優はいないのだ。 (文=てれびのスキマ <http://d.hatena.ne.jp/LittleBoy/>) 「テレビ裏ガイド」過去記事はこちらから

“元祖ゆるキャラ”『はに丸ジャーナル』の、ゆるくない問いかけ

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『はに丸ジャーナル』NHK
「有名になりたいから、NHKを利用するってことかな?」  はに丸が、埴輪をモチーフにした高槻市のゆるキャラ「はにたん」に対して容赦なく突っ込んだ。  これは『はに丸ジャーナル』(NHK総合)での一幕。25年ぶりに蘇った「はに丸」が、“ジャーナリスト”を務める番組だ。「はに丸」とはもちろん、NHK教育テレビ(現・Eテレ)で放送していた人気子ども番組『おーい!はに丸』のキャラクター。馬の埴輪をモチーフにした従者「ひんべえ」がパートナーである。  彼らが時を経て復活したのは、2013年に放送された『日テレ×NHK 60番勝負』(日本テレビ・NHK)が最初だった。この活躍が反響を呼び、14年にパイロット版『はに丸ジャーナル』を放送。Googleに潜入し、無邪気に「どうしてなまけてるの?」などと開発者に聞いたかと思えば、「本当の喜びは、苦労の中にあるものじゃないかな?」などと本質的なことを言ったりしていた。そして、今年5月5日から、“祝日限定”という変則的な形ではあるが、レギュラー番組となったのだ。番組は、はに丸が時事問題の現場を訪れレポートする「はにスクープ」と、はに丸が時の人にインタビューする「はにトーク」を軸に構成されている。  レギュラー化初回の「はにスクープ」のテーマは、“ゆるキャラ”。 「僕、ゆるくないですよ。なんですか、ゆるキャラって、失礼しちゃうなぁ」 「僕はゆるキャラじゃないよ!」 と頑なに自分は“ゆるキャラ”とは違うと主張するはに丸が、増えすぎたゆるキャラ問題に切り込んでいく。ある自治体では、告知活動をひとつのキャラに集中させるため、ほかのゆるキャラを「リストラ」したという。 「僕はさ、長いこと倉庫にいたので、そうやってリストラされちゃったりする、作る時だけ作っちゃって、『もういらない』って言われちゃうキャラクターの気持ちがよくわかるんだ」 と、その現状を憂うはに丸。 「NHKの偉い人たちに言いたいの。『視聴率が悪くても、僕とひんべえをリストラしないで下さい!』」と。  また、はに丸“ゆるキャラ”の名付け親である、みうらじゅんを直撃。はに丸とみうらの2ショットは、なんだか時空が歪んだような不思議な感じだ。  「はに丸くんは、しゃべっている時にバコバコ音がしていいですよね。そこが好きだった」とみうらが言うと、はに丸は「僕たち硬いの。だから、いろんなことができない」と返す。すると、みうらは「そこがやっぱり、ゆるキャラなんですよね」と言うのだ。これには「僕はゆるキャラじゃない」と頑なだったはに丸も絶句。そんなはに丸を見て、みうらは“ゆるキャラ”という名称の元は、はに丸を見たから生まれたという事実を明かすのだ。 「僕が三十何年前に初めてはに丸を見たときに、“ゆるいな”とすごく思ったんですよね。“単なるキャラクターとは呼べないな”とは、当時から意識はしていたんですけども、そこが元にあって、自分の中に“ゆるキャラ”という言葉が浮かんだ」と。  実ははに丸こそ、みうらにとって「元祖ゆるキャラ」というべき存在だったのだ。それでも「僕はゆるキャラじゃないからね!」と反論するはに丸に、みうらは言う。 「ゆるキャラかゆるキャラじゃないかは、僕が決めること」  そう、ゆるキャラとは本来、見る側が決めること。多くのゆるキャラたちが自発的に“ゆるキャラ”と名乗った時点で、本質からズレているのだ。さらに、ゲストの伊集院光の「ブームになっちゃったから、ゆるキャラがいっぱいできても、実はすごい税金が使われてたりする」という一言を契機に、問題の本質に迫っていく。実は、ゆるキャラの着ぐるみを作るだけで、1体平均59万円もの税金が投入されているという。もちろん、それが人気になり、経済効果を生めばいいが、そんなゆるキャラはほんの一握り。年に数日しか活動していないゆるキャラも少なくない。そんな話題に、はに丸は同じ着ぐるみキャラクターならではの視点で付け加える。 「維持管理っていうのも、結構かかるんだよ。使わなくなっても、維持費ってのがかかってるの」  はに丸はゆるい。そのゆるさが相手を無防備にさせる。そして毒を吐いても、無邪気に「はにゃ!」と言えば許される。その隙に、阿川佐和子には「(本が売れて)儲かった? ねえ儲かった?」と迫り、田原総一朗には「討論番組とかでさ、なんかさ、人の意見をすごい遮っちゃってるように見えるけど、あれはどうしてなの?」と切り込む。そんな答えにくい質問に対しても、はに丸のような子どもキャラが相手だと、彼らは一生懸命わかりやすいように答えようとしてくれる。そこで表れる戸惑いや苦心にこそ、真実が透けて見えるのだ。  はに丸は自分のゆるさを認めないという点において、極めて本質的で正統な“ゆるキャラ”である。そして『はに丸ジャーナル』はそんなゆるさを装うことで、さまざまな問題の核心に鋭く迫っていく。だとするなら、はに丸は決してゆるくない「ジャーナリスト」にほかならないのだ。 (文=てれびのスキマ <http://d.hatena.ne.jp/LittleBoy/>) 「テレビ裏ガイド」過去記事はこちらから