私、名もなき若手芸人、カカロニ菅谷が好きなラジオについて書かせていただくこの「ラジオ神回列伝」。今回は、ついに僕の一番好きな番組『くりぃむしちゅーのオールナイトニッポン』(ニッポン放送)について書かせていただきます。 『くりぃむしちゅーのANN』は、2005年7月から08年12月にかけてニッポン放送で放送されていた、カルト的人気を誇るラジオ界の伝説的番組です。 その人気は番組終了後もとどまることを知らず、いまだに一番好きなラジオ番組に同番組を挙げるファンが多く、当時リアルタイムでリスナーでなかった人でさえ、評判を耳にしてネット上でラジオ音源を探して第1回から聴くほどの人気ぶり。まさに、カリスマ的番組だったのです。 そんな番組が、昨年6月に約7年ぶりに復活し、同じく昨年12月には再度特番として生放送。多くのリスナーに7年前にタイムスリップしたかのような感動と笑いを与えてくれました。 そして、5月29日深夜25時から3度目の復活が決まり、今回はこの放送をより楽しむために、知っておくべき同番組の過去の神回を網羅していきます。 まずおすすめしたいのは、06年5月30日放送の「上田の記憶力チェック」の回、その翌週の6月6日放送の「済々黌高校(せいせいこうこうこう)ラグビー部祭り」の回。リスナーには言わずと知れた大人気回です。 同番組の魅力といえば、2人と同じ部活の友達になったかのような感覚になれるトークでしょう。コンビ仲のよさはもちろん、身内ネタの多さが部室のような雰囲気を作るのですが、この回を聴いておけば、かなり多くのネタをカバーできるはずです。 有田さんが上田さんの記憶力をチェックするという名目で、高校時代の友人や先生に関するクイズを出し、上田さんがそれに答え、そこから話が広がっていく「上田の記憶力チェック」の回。高校時代のエピソードは圧倒的なトーク技術も相まって、どれもバカバカしくて、楽しそうで、聴いているだけで2人と思い出を共有しているような錯覚を起こしてしまう、そんな放送です。 あまりの反響に、翌6月6日の放送はSPウィークであったにもかかわらず、放送予定を変更し、2人が通っていた熊本の済々黌高校での思い出話を「済々黌高校ラグビー部祭り」と題し放送時間丸々話したほど。こちらの回にグッときた人は、高校卒業後、下積み時代から若手時代のエピソードがたくさん語られる、06年7月4日の放送も聴いてみてください。 そして次の神回は迷いに迷いましたが、08年11月4日放送の「心に一杯のミルクティーを」の回をご紹介。 この神回は、あまりの身内ネタの多い放送を憂えた有田さんが、もっとリスナーと向き合った放送をしたいと言い出したことに端を発します。 というのも、とある13歳の女の子のリスナーから真面目な相談が届いたのです。もっとこういう質問に答える「心に一杯のミルクティーを くりぃむしちゅーCAFÉ」的な放送にしたいという有田さん。対する上田さんは、いまいち腑に落ちていない様子。するとリスナーから次々質問や悩み相談が届きます。しかし、その内容は「上田さんはイチゴが好きですか?」と、全く意に介さないもの。 吹き出してしまう上田さんに有田さんは、真剣に向き合ってくださいと注意します。渋々真面目に質問に答える上田さんですが、質問は次第に中身のないものに。採用されるリスナーのラジオネームも「おなろー」「チンカスばぁちゃん」果ては「あの子としてからチンコが痒い」と下品なものが並びます。それでも有田さんはあくまでリスナーの味方につき、悩み相談を続けます。 最終的に上田さんが振り回されてしまう、いつもの流れに。2時間の放送で、メールを採用するスタッフ陣、リスナー、そしてくりぃむしちゅーの2人が一体となって生放送とは思えないくらい、すべてが面白く転がった、まるで作品のような神回でした。 そんな数々の神回を生み出したくりぃむしちゅー。5月29日の生放送では重大発表があるそうなので、放送当時のリスナーも後追いのリスナーも、そうでない方もお聴き逃しなく! (文=菅谷直宏[カカロニ])ニッポン放送『くりぃむしちゅーのオールナイトニッポン』番組サイトより
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ラッパー、文化人にアイドル……! 土曜深夜のお楽しみ!「オールナイトニッポンR」の魅力を徹底解明!
私、ラジオ好き若手芸人のカカロニの菅谷が毎月書いているラジオ神回列伝も、早いもので8回目。この8カ月、売れる気配ゼロ。そんな僕ですが、とても興奮するラジオ番組が最近ありました。 3月25日深夜、養成所時代の同期で、現在はケイダッシュステージに所属するお笑いコンビ、フレンチぶるが「オールナイトニッポンR」(ニッポン放送)の枠で放送を担当したのです。 昨年の大晦日深夜に放送された『三四郎のオールナイトニッポン初笑いスペシャル』で、一番“ハネた”ご褒美として番組パーソナリティ権を担当したフレンチぶる。 『フレンチぶるのオールナイトニッポンR』は、2人が得意とするボーイズラブをテーマにしたコントを皮切りに、魅力が凝縮された放送でした。ツッコミの大西翔は全く緊張しなかったという強心臓ぶりを発揮し、加藤ミリヤファンを公言するボケの加瀬部駿介との軽快なトークを展開。リスナーをどんどん巻き込んで話がおかしな方向に展開していく様、また2人がリスナーと共にそれを楽しんでいる120分は、いつかレギュラー放送になる日を十分期待させるものでした。 というわけで、今回はオールナイトニッポン単発回「オールナイトニッポンR」枠の魅力について紹介させていただきます。同時間帯の裏番組であるTBSラジオ「JUNK」枠が同じパーソナリティの長寿番組で人気を得ているのに対し、この門戸の広さが魅力です。 番組宣伝の一環、お試し、ご褒美などさまざまな理由で、芸人、俳優、アーティスト、果てはテレビ東京プロデューサーの佐久間宣行さんまで、多くの方々が担当してきた実験的な番組枠。特に若手芸人に関しては、単発放送を経てレギュラーへ昇格するパターンがとても多く、それぞれが自分たちの色を120分で押し出します。また、先物買いをしたようなお得感のある放送と言えるかもしれません。 最近では、ラッパーのR-指定さんとDJ松永さんのユニット『Creepy NutsのオールナイトニッポンR』が反響を呼びました。日本屈指のラッパーでありながらイケイケのノリが苦手なR指定さんの口からは、ラッパーとは思えない発言が飛び出し、自ら童貞であることを公言するDJ松永さんは「あ、これ本当に童貞だな。そんでラジオばっか聴いてたんだろうな」とすぐわかるほどの口調、論調。全てに嚙みついていく様は、ラジオパーソナリティとして人気を誇る、南海キャンディーズの山里亮太さんや伊集院光さんのような“怖いもの知らず”感もあり、少し懐かしさすら感じる放送でした。 『フリースタイルダンジョン』(テレビ朝日系)で、その“ディスりっぷり”が注目されているラッパーという立場であるゆえに、自由度の高い放送でした。Creepy Nutsのキャラクターと実際のギャップのように、こんな人だったんだと発見があるのもポイント。よく知らないパーソナリティでも、一度聴いてみると好きになるかもしれませんね。 また、レギュラーパーソナリティのお休みなどで、たびたび放送される代打単発回。こちらもラジオリスナーとして語っておきたい神回があります。2006年1月にくりぃむしちゅーさんが一週休んだ代役として放送された単発回『レイザーラモンHGのオールナイトニッポン』です。 ハードゲイキャラで大ブレークのHGさんと、HGさんに便乗したパクリのキャラ、RG(リアルゲイ)で極稀にテレビに出ていたRGさんという関係性だった当時のレイザーラモンさん。 当然のようにHGさんが一人トークをしていると、RGさんが登場します。お約束の、RGさんがHGさんをパクっているやり取りを終えると、そこからは仲がよさそうに、学生時代や若手時代のエピソードトークが繰り広げられます。 当時“キャラもの”としてテレビに出ており、ラジオでなければ聴けることがなかったフリートークは、とても貴重でした。若手時代、偉い人に怒られた2人は、HGさんがそのとき食べていた鉄板焼き屋の鉄板に頭をつけて謝罪。学生プロレス仕込みのリアクションを見せると、偉い人をさらに怒らせてしまいます。そこで、「そういうことか!」と早合点したRGさんは、鉄板に乗っかり土下座をしたなど、強烈なエピソードトークが次々に飛び出しました。 どのエピソードも面白く、当時「一発屋と、その相方」という認識が強かったレイザーラモンの2人の本当の魅力と実力を知ることができる回でした。 芸人はもちろん、アイドル、文化人、作家、ラッパーなどと魅力的な人たちが彩る土曜の深夜。皆さんも神回の先物買いをしてみてはいかがでしょうか。 (文=菅谷直宏[カカロニ])ニッポン放送「オールナイトニッポンR」番組サイトより
ラッパー、文化人にアイドル……! 土曜深夜のお楽しみ!「オールナイトニッポンR」の魅力を徹底解明!
私、ラジオ好き若手芸人のカカロニの菅谷が毎月書いているラジオ神回列伝も、早いもので8回目。この8カ月、売れる気配ゼロ。そんな僕ですが、とても興奮するラジオ番組が最近ありました。 3月25日深夜、養成所時代の同期で、現在はケイダッシュステージに所属するお笑いコンビ、フレンチぶるが「オールナイトニッポンR」(ニッポン放送)の枠で放送を担当したのです。 昨年の大晦日深夜に放送された『三四郎のオールナイトニッポン初笑いスペシャル』で、一番“ハネた”ご褒美として番組パーソナリティ権を担当したフレンチぶる。 『フレンチぶるのオールナイトニッポンR』は、2人が得意とするボーイズラブをテーマにしたコントを皮切りに、魅力が凝縮された放送でした。ツッコミの大西翔は全く緊張しなかったという強心臓ぶりを発揮し、加藤ミリヤファンを公言するボケの加瀬部駿介との軽快なトークを展開。リスナーをどんどん巻き込んで話がおかしな方向に展開していく様、また2人がリスナーと共にそれを楽しんでいる120分は、いつかレギュラー放送になる日を十分期待させるものでした。 というわけで、今回はオールナイトニッポン単発回「オールナイトニッポンR」枠の魅力について紹介させていただきます。同時間帯の裏番組であるTBSラジオ「JUNK」枠が同じパーソナリティの長寿番組で人気を得ているのに対し、この門戸の広さが魅力です。 番組宣伝の一環、お試し、ご褒美などさまざまな理由で、芸人、俳優、アーティスト、果てはテレビ東京プロデューサーの佐久間宣行さんまで、多くの方々が担当してきた実験的な番組枠。特に若手芸人に関しては、単発放送を経てレギュラーへ昇格するパターンがとても多く、それぞれが自分たちの色を120分で押し出します。また、先物買いをしたようなお得感のある放送と言えるかもしれません。 最近では、ラッパーのR-指定さんとDJ松永さんのユニット『Creepy NutsのオールナイトニッポンR』が反響を呼びました。日本屈指のラッパーでありながらイケイケのノリが苦手なR指定さんの口からは、ラッパーとは思えない発言が飛び出し、自ら童貞であることを公言するDJ松永さんは「あ、これ本当に童貞だな。そんでラジオばっか聴いてたんだろうな」とすぐわかるほどの口調、論調。全てに嚙みついていく様は、ラジオパーソナリティとして人気を誇る、南海キャンディーズの山里亮太さんや伊集院光さんのような“怖いもの知らず”感もあり、少し懐かしさすら感じる放送でした。 『フリースタイルダンジョン』(テレビ朝日系)で、その“ディスりっぷり”が注目されているラッパーという立場であるゆえに、自由度の高い放送でした。Creepy Nutsのキャラクターと実際のギャップのように、こんな人だったんだと発見があるのもポイント。よく知らないパーソナリティでも、一度聴いてみると好きになるかもしれませんね。 また、レギュラーパーソナリティのお休みなどで、たびたび放送される代打単発回。こちらもラジオリスナーとして語っておきたい神回があります。2006年1月にくりぃむしちゅーさんが一週休んだ代役として放送された単発回『レイザーラモンHGのオールナイトニッポン』です。 ハードゲイキャラで大ブレークのHGさんと、HGさんに便乗したパクリのキャラ、RG(リアルゲイ)で極稀にテレビに出ていたRGさんという関係性だった当時のレイザーラモンさん。 当然のようにHGさんが一人トークをしていると、RGさんが登場します。お約束の、RGさんがHGさんをパクっているやり取りを終えると、そこからは仲がよさそうに、学生時代や若手時代のエピソードトークが繰り広げられます。 当時“キャラもの”としてテレビに出ており、ラジオでなければ聴けることがなかったフリートークは、とても貴重でした。若手時代、偉い人に怒られた2人は、HGさんがそのとき食べていた鉄板焼き屋の鉄板に頭をつけて謝罪。学生プロレス仕込みのリアクションを見せると、偉い人をさらに怒らせてしまいます。そこで、「そういうことか!」と早合点したRGさんは、鉄板に乗っかり土下座をしたなど、強烈なエピソードトークが次々に飛び出しました。 どのエピソードも面白く、当時「一発屋と、その相方」という認識が強かったレイザーラモンの2人の本当の魅力と実力を知ることができる回でした。 芸人はもちろん、アイドル、文化人、作家、ラッパーなどと魅力的な人たちが彩る土曜の深夜。皆さんも神回の先物買いをしてみてはいかがでしょうか。 (文=菅谷直宏[カカロニ])ニッポン放送「オールナイトニッポンR」番組サイトより
『くりぃむしちゅーのANN』復活、『ゆうゆうワイド』終了……2016年“神回”総決算! ラジオ業界激動の1年を振り返る
今年、ラジオ業界は激動の1年でした。お昼の帯番組『大沢悠里のゆうゆうワイド』(TBSラジオ)が30年の節目で終了し、後番組として『伊集院光とらじおと』(同)がスタートしました。また、radikoではタイムフリー放送が始まり、放送後1週間以内のラジオ番組であればいつでも放送を聞けるようになり、よりラジオが身近なものになりました。 毎回、ラジオ業界に燦然と輝く“神回”を紹介してきたこのコラムでは、そんな2016年に放送されたラジオ番組から厳選の“ベスト・オブ・神回”を3つ紹介させていただきます。 ■『ニューヨークのオールナイトニッポン0 WHY 悲しき女たちSP』(ニッポン放送、16年10月20日深夜) 偏見ネタや毒のあるネタで、屈指の実力を持つ若手芸人のニューヨークのおふたりが今年4月から放送している番組『ニューヨークのオールナイトニッポン0』(ニッポン放送)。芸風と同じように偏見ネタを募集するコーナーが多い中、セフレあるあるを募集するコーナー「加藤ミリヤか!」が思いがけない展開を見せます。 “セフレ=尻軽”という方程式をぬぐえない童貞丸出しの常連ハガキ職人たちが苦戦する中、「本当に誰かのセフレなんじゃないか!?」と思うくらい生々しい投稿が複数の女性リスナーから届き、屋敷さんが放送中に泣きそうになるほど盛り上がりをみせます。僕も聞きながら、体験したことのない「悲し笑い」というものがあるんだと知りました。 そして、現在セフレをしている女性をゲストに招き、恋のから騒ぎ方式で話を聞くことに。「私を好きじゃないところ以外全部好き」「駆け引きしたくて、次に電話が来たら一回無視してみようと思うけど、もう2度とかかってこないと思うと出ちゃう」など、その男性への愛ゆえの悲しいエピソードの数々は、深夜ラジオでは感じたことのないタイプの面白さ。 最後までセフレの本質を理解できない童貞リスナーを??りつける、ニューヨークさんのよさも存分に出ている神回でした。 ■『くりぃむしちゅーのオールナイトニッポン 第160回』(ニッポン放送、16年6月17日深夜) 05年から08年末まで全159回が放送され、深夜ラジオ界では伝説との呼び声高い『くりぃむしちゅーのオールナイトニッポン』が7年ぶりの復活です。 僕としても、この番組を聞いて芸人を志したので思い入れが深いのですが、芸人仲間にもヘビーリスナーが多く、今やニッポン放送に就職する学生の半数はくりぃむリスナーだそうで、その影響力は計り知れません。また、年の瀬の有楽町に200人を超える番組リスナーが集まった最終回は今でも語り草です。 そんな『くりぃむANN』復活回。有田さんが、あえて第160回としたように、タイムスリップしたかのような懐かしいノリやエピソードが次々と盛り込まれ、番組は進行していきます。当時のリスナーにしかわからないくだりがありつつも、初めて聞いた人も思わず笑ってしまうような放送で、上田さんのキレキレのツッコミも当時のまま。文句なしの神回でした。ニッポン放送『くりぃむしちゅーのオールナイトニッポン』番組サイトより
■『アルコ&ピースのオールナイトニッポン0(二期)最終回』(ニッポン放送、16年3月24日深夜) 13年の番組開始以降、リスナーを巻き込んだミニコントや、着地点の見えない企画を軸に置く番組構成でリスナーの心をつかみ、知名度はそこまで高くないにもかかわらず、今でも根強いファンを抱える同番組。 ニッポン放送社内にもファンがいるなど、関係者人気までも獲得。結果、終了の危機をオールナイト史上初のオールナイトニッポン0枠(ANN0枠)への降格という形で切り抜けました。しかし、そのANN0枠でも番組終了のときがやってきます。 最終回で放送された企画は、番組のキラーコンテンツ「アーティストの乱」。もはや何でもありの、リスナーが身内ノリで大暴れできる企画を選んだのです。初めて番組を聞くリスナーに対する酒井さんの「去れ!」の一言がアクセルになり、この番組らしいぶっ飛んだ最終回を聞かせてくれました。 そして、放送中ニッポン放送の前には300人もの番組リスナーが集結。『おぎやはぎのメガネびいき』(TBSラジオ)からレポーターが派遣されるほどの大盛り上がりは、先に触れたように同じくANNで番組を持っていたくりぃむしちゅーさん以来でした。最後は、リスナーによる「アルピー!」コールが有楽町の空に響き、幕を閉じました。 ちなみに、個人的な今年ナンバーワンの神メールは、『アルピーANN0』最終回に60歳男性「平林さん」の「体調がよくなく入院中に、たまたまこの番組の第1回の放送を聞き、笑い過ぎて苦しくなって緊急治療室に入ってしまい、3週放送が聞けませんでした。それからは毎週聞くようになりファンになり、そして番組終了が発表された翌日に退院できました」という投稿でした。不謹慎ながら爆笑してしまいました。心も温まる文句なしのナンバーワンメールです。 現在、ニューヨークさんは毎週木曜深夜27時から、『ニューヨークのオールナイトニッポン0』を引き続き担当中。アルコ&ピースさんは毎週火曜深夜24時から『アルコ&ピースのD.C.GARAGE』(TBSラジオ)で、深夜ラジオ界に返り咲きました。くりぃむしちゅーさんは、テレビを中心に多忙を極める中、熊本大地震で傷ついた地元熊本の復興支援の活動までしています。 では、2017年も神回が聞けると確信しつつ、何卒! 僕からは以上! 暖かくして寝ろよ! (文=菅谷直弘[カカロニ])ニッポン放送『アルコ&ピースのオールナイトニッポン0』番組サイトより
『くりぃむしちゅーのANN』復活、『ゆうゆうワイド』終了……2016年“神回”総決算! ラジオ業界激動の1年を振り返る
今年、ラジオ業界は激動の1年でした。お昼の帯番組『大沢悠里のゆうゆうワイド』(TBSラジオ)が30年の節目で終了し、後番組として『伊集院光とらじおと』(同)がスタートしました。また、radikoではタイムフリー放送が始まり、放送後1週間以内のラジオ番組であればいつでも放送を聞けるようになり、よりラジオが身近なものになりました。 毎回、ラジオ業界に燦然と輝く“神回”を紹介してきたこのコラムでは、そんな2016年に放送されたラジオ番組から厳選の“ベスト・オブ・神回”を3つ紹介させていただきます。 ■『ニューヨークのオールナイトニッポン0 WHY 悲しき女たちSP』(ニッポン放送、16年10月20日深夜) 偏見ネタや毒のあるネタで、屈指の実力を持つ若手芸人のニューヨークのおふたりが今年4月から放送している番組『ニューヨークのオールナイトニッポン0』(ニッポン放送)。芸風と同じように偏見ネタを募集するコーナーが多い中、セフレあるあるを募集するコーナー「加藤ミリヤか!」が思いがけない展開を見せます。 “セフレ=尻軽”という方程式をぬぐえない童貞丸出しの常連ハガキ職人たちが苦戦する中、「本当に誰かのセフレなんじゃないか!?」と思うくらい生々しい投稿が複数の女性リスナーから届き、屋敷さんが放送中に泣きそうになるほど盛り上がりをみせます。僕も聞きながら、体験したことのない「悲し笑い」というものがあるんだと知りました。 そして、現在セフレをしている女性をゲストに招き、恋のから騒ぎ方式で話を聞くことに。「私を好きじゃないところ以外全部好き」「駆け引きしたくて、次に電話が来たら一回無視してみようと思うけど、もう2度とかかってこないと思うと出ちゃう」など、その男性への愛ゆえの悲しいエピソードの数々は、深夜ラジオでは感じたことのないタイプの面白さ。 最後までセフレの本質を理解できない童貞リスナーを??りつける、ニューヨークさんのよさも存分に出ている神回でした。 ■『くりぃむしちゅーのオールナイトニッポン 第160回』(ニッポン放送、16年6月17日深夜) 05年から08年末まで全159回が放送され、深夜ラジオ界では伝説との呼び声高い『くりぃむしちゅーのオールナイトニッポン』が7年ぶりの復活です。 僕としても、この番組を聞いて芸人を志したので思い入れが深いのですが、芸人仲間にもヘビーリスナーが多く、今やニッポン放送に就職する学生の半数はくりぃむリスナーだそうで、その影響力は計り知れません。また、年の瀬の有楽町に200人を超える番組リスナーが集まった最終回は今でも語り草です。 そんな『くりぃむANN』復活回。有田さんが、あえて第160回としたように、タイムスリップしたかのような懐かしいノリやエピソードが次々と盛り込まれ、番組は進行していきます。当時のリスナーにしかわからないくだりがありつつも、初めて聞いた人も思わず笑ってしまうような放送で、上田さんのキレキレのツッコミも当時のまま。文句なしの神回でした。ニッポン放送『くりぃむしちゅーのオールナイトニッポン』番組サイトより
■『アルコ&ピースのオールナイトニッポン0(二期)最終回』(ニッポン放送、16年3月24日深夜) 13年の番組開始以降、リスナーを巻き込んだミニコントや、着地点の見えない企画を軸に置く番組構成でリスナーの心をつかみ、知名度はそこまで高くないにもかかわらず、今でも根強いファンを抱える同番組。 ニッポン放送社内にもファンがいるなど、関係者人気までも獲得。結果、終了の危機をオールナイト史上初のオールナイトニッポン0枠(ANN0枠)への降格という形で切り抜けました。しかし、そのANN0枠でも番組終了のときがやってきます。 最終回で放送された企画は、番組のキラーコンテンツ「アーティストの乱」。もはや何でもありの、リスナーが身内ノリで大暴れできる企画を選んだのです。初めて番組を聞くリスナーに対する酒井さんの「去れ!」の一言がアクセルになり、この番組らしいぶっ飛んだ最終回を聞かせてくれました。 そして、放送中ニッポン放送の前には300人もの番組リスナーが集結。『おぎやはぎのメガネびいき』(TBSラジオ)からレポーターが派遣されるほどの大盛り上がりは、先に触れたように同じくANNで番組を持っていたくりぃむしちゅーさん以来でした。最後は、リスナーによる「アルピー!」コールが有楽町の空に響き、幕を閉じました。 ちなみに、個人的な今年ナンバーワンの神メールは、『アルピーANN0』最終回に60歳男性「平林さん」の「体調がよくなく入院中に、たまたまこの番組の第1回の放送を聞き、笑い過ぎて苦しくなって緊急治療室に入ってしまい、3週放送が聞けませんでした。それからは毎週聞くようになりファンになり、そして番組終了が発表された翌日に退院できました」という投稿でした。不謹慎ながら爆笑してしまいました。心も温まる文句なしのナンバーワンメールです。 現在、ニューヨークさんは毎週木曜深夜27時から、『ニューヨークのオールナイトニッポン0』を引き続き担当中。アルコ&ピースさんは毎週火曜深夜24時から『アルコ&ピースのD.C.GARAGE』(TBSラジオ)で、深夜ラジオ界に返り咲きました。くりぃむしちゅーさんは、テレビを中心に多忙を極める中、熊本大地震で傷ついた地元熊本の復興支援の活動までしています。 では、2017年も神回が聞けると確信しつつ、何卒! 僕からは以上! 暖かくして寝ろよ! (文=菅谷直弘[カカロニ])ニッポン放送『アルコ&ピースのオールナイトニッポン0』番組サイトより
悪ノリがすぎる! アルコ&ピースのオールナイトニッポン、伝説の「アーティストの乱」ってナンだ!?
お初にお目にかかります。ラジオっ子の菅谷直弘といいます。普段は、カカロニというお笑いコンビで活動している世に大勢いる若手芸人の1人です。 このたび、日刊サイゾーにてラジオ番組で特に面白かった回、いわゆる神回について書かせていただくことになりました。 パーソナリティーを務める憧れの先輩に無礼にならないよう、また愛のない単なる書き起こしだなんて思われないよう尊敬とラジオ愛を総動員して書かせていただきます。 第1回は、僕がここ数年で最もドはまりしたラジオ番組『アルコ&ピースのオールナイトニッポンZERO』、13年7月25日放送の企画「夏歌アーティストの乱」について書きたいと思います。 『アルコ&ピースのオールナイトニッポン』は、お笑いコンビ・アルコ&ピース(酒井健太、平子祐希)がパーソナリティーを担当するラジオ番組で3度の特番放送ののち、2部の位置付けといえるZERO枠を経て、14年4月4日からオールナイトニッポン1部の枠に昇格。現在でもファンの多いカルト的人気を誇った伝説の番組です。 この番組の特徴は、放送開始からエンディングまでの時間すべて使って、リスナーを巻き込んだミニコントを展開していくことです。この説明だけではうまく伝わらないですかね? 本来こういった“番組独自のノリ”は、毎週放送しているうちに徐々に形成されていくもので、その流れが生まれた回を紹介すれば説明も簡単なのですが、特番時代からすでに「俺たちは中東から狙われている」とか言っていて、もう説明のしようがありません。聞いたことのない方は、基本度の過ぎた悪ノリが軸のラジオだと思ってください。 そんな番組に、この日、番組史上に残るキラーコンテンツが生まれました。それが「アーティストの乱」です。「春歌アーティストの乱」「夏歌アーティストの乱」など、年4回季節が変わるごとに、アーティスト同士による戦いが幕を開け、結果的に最終回でも放送された番組きっての悪ノリ企画です。 今回扱う「夏歌アーティストの乱」は、夏を彩る流行歌を歌うアーティストで誰がケンカ最強なのかを神奈川全域で戦をして決めている最中だから、リスナーから合戦の様子や途中経過を番組に送ってもらうという内容でした。 企画の説明をした平子さんに、酒井さんは「よくわかんないんですけど」と疑問を投げかけ、平子さんも「俺もよくわかんない」と言っていました。当時、熱心に放送を聞き続けていたきた僕ですら「全然、意味わからねぇ」と思ったほど。 酒井さんの言うところの「信長の野望みたいなこと?」っていうのが、一番わかりやすいんですかね? 誰もよくわかってないまま放送はスタートします。 こんな意味不明なテーマにもかかわらず、番組にはたくさんのメールが送られてきました。 ORENGE RANGEの屍の山に、湘南乃風・RED RICEが立っているという目撃情報をはじめ、HYがZeebraを倒したとか、湘南乃風・HAN-KUNがRIP SLYMEにやられた、はたまた、海老名からツイッターを駆使した情報操作で手を汚さず戦ういきものがかり、など。 番組が中盤に差し掛かると、湘南乃風がさらに大暴れ。Zeebraが倒されたことでエミネムがアメリカから来日するが、いきものがかりのサイバー攻撃で入国できないとか、いきものがかりがガラケーだったばかりに、携帯の料金が24億円請求されるなど、もはやカオスです。 このあたりで、アルコ&ピースの2人は我に返り「今日初めて聞いた人どう思うんだろ?」と憂えるのですが、そもそもこの番組が初めてのリスナーに優しかったことなど一切ないので、例外なくこの後も番組は暴走し続けます。 終盤になっても、血で血を洗う戦いは全く終わりに向かう兆しがなく、風呂敷だけが広がり続けていきます。 これちゃんとオチつくのか、と誰もが思った番組終了直前、法螺貝の音が鳴り響き、平子さんから「夏歌アーティスト最強が決定しました」との宣言がありました。 あるリスナーから送られてきたメール「今、森山直太朗が現れて、“夏の終わり”を宣言しました!」が紹介され、森山直太朗の「夏の終わり」が流れるという、鮮やかな着地を遂げるのです。 悪ノリし、筋を無視したメールをリスナーが送りまくった末、わけわからないところに着地をすることが多いこの番組において、指折りに気持ちのいい結末でした。 その後、オールナイトニッポンの枠の放送は15年3月に終了。15年4月からは、古巣のオールナイトニッポンZERO枠に戻り、今年3月に終了しました。最終回の放送内容は、もちろん「春歌アーティストの乱」。僕たち売れない芸人の間でも語り草になるほど、番組終了を惜しむ声がやみません。 さて、アルコ&ピースの2人は現在、テレビを中心に活躍しています。平子さんは、意識高い系のキャラでプチブレーク。ラジオで披露していた酒井さんのヤバさをテレビで見られるように願いつつ、そして、あの2人とまたいつか“悪ノリ”できることを信じて、何卒! (文=菅谷直弘[カカロニ])ニッポン放送『アルコ&ピースのオールナイトニッポンZERO』番組サイトより
悪ノリがすぎる! アルコ&ピースのオールナイトニッポン、伝説の「アーティストの乱」ってナンだ!?
お初にお目にかかります。ラジオっ子の菅谷直弘といいます。普段は、カカロニというお笑いコンビで活動している世に大勢いる若手芸人の1人です。 このたび、日刊サイゾーにてラジオ番組で特に面白かった回、いわゆる神回について書かせていただくことになりました。 パーソナリティーを務める憧れの先輩に無礼にならないよう、また愛のない単なる書き起こしだなんて思われないよう尊敬とラジオ愛を総動員して書かせていただきます。 第1回は、僕がここ数年で最もドはまりしたラジオ番組『アルコ&ピースのオールナイトニッポンZERO』、13年7月25日放送の企画「夏歌アーティストの乱」について書きたいと思います。 『アルコ&ピースのオールナイトニッポン』は、お笑いコンビ・アルコ&ピース(酒井健太、平子祐希)がパーソナリティーを担当するラジオ番組で3度の特番放送ののち、2部の位置付けといえるZERO枠を経て、14年4月4日からオールナイトニッポン1部の枠に昇格。現在でもファンの多いカルト的人気を誇った伝説の番組です。 この番組の特徴は、放送開始からエンディングまでの時間すべて使って、リスナーを巻き込んだミニコントを展開していくことです。この説明だけではうまく伝わらないですかね? 本来こういった“番組独自のノリ”は、毎週放送しているうちに徐々に形成されていくもので、その流れが生まれた回を紹介すれば説明も簡単なのですが、特番時代からすでに「俺たちは中東から狙われている」とか言っていて、もう説明のしようがありません。聞いたことのない方は、基本度の過ぎた悪ノリが軸のラジオだと思ってください。 そんな番組に、この日、番組史上に残るキラーコンテンツが生まれました。それが「アーティストの乱」です。「春歌アーティストの乱」「夏歌アーティストの乱」など、年4回季節が変わるごとに、アーティスト同士による戦いが幕を開け、結果的に最終回でも放送された番組きっての悪ノリ企画です。 今回扱う「夏歌アーティストの乱」は、夏を彩る流行歌を歌うアーティストで誰がケンカ最強なのかを神奈川全域で戦をして決めている最中だから、リスナーから合戦の様子や途中経過を番組に送ってもらうという内容でした。 企画の説明をした平子さんに、酒井さんは「よくわかんないんですけど」と疑問を投げかけ、平子さんも「俺もよくわかんない」と言っていました。当時、熱心に放送を聞き続けていたきた僕ですら「全然、意味わからねぇ」と思ったほど。 酒井さんの言うところの「信長の野望みたいなこと?」っていうのが、一番わかりやすいんですかね? 誰もよくわかってないまま放送はスタートします。 こんな意味不明なテーマにもかかわらず、番組にはたくさんのメールが送られてきました。 ORENGE RANGEの屍の山に、湘南乃風・RED RICEが立っているという目撃情報をはじめ、HYがZeebraを倒したとか、湘南乃風・HAN-KUNがRIP SLYMEにやられた、はたまた、海老名からツイッターを駆使した情報操作で手を汚さず戦ういきものがかり、など。 番組が中盤に差し掛かると、湘南乃風がさらに大暴れ。Zeebraが倒されたことでエミネムがアメリカから来日するが、いきものがかりのサイバー攻撃で入国できないとか、いきものがかりがガラケーだったばかりに、携帯の料金が24億円請求されるなど、もはやカオスです。 このあたりで、アルコ&ピースの2人は我に返り「今日初めて聞いた人どう思うんだろ?」と憂えるのですが、そもそもこの番組が初めてのリスナーに優しかったことなど一切ないので、例外なくこの後も番組は暴走し続けます。 終盤になっても、血で血を洗う戦いは全く終わりに向かう兆しがなく、風呂敷だけが広がり続けていきます。 これちゃんとオチつくのか、と誰もが思った番組終了直前、法螺貝の音が鳴り響き、平子さんから「夏歌アーティスト最強が決定しました」との宣言がありました。 あるリスナーから送られてきたメール「今、森山直太朗が現れて、“夏の終わり”を宣言しました!」が紹介され、森山直太朗の「夏の終わり」が流れるという、鮮やかな着地を遂げるのです。 悪ノリし、筋を無視したメールをリスナーが送りまくった末、わけわからないところに着地をすることが多いこの番組において、指折りに気持ちのいい結末でした。 その後、オールナイトニッポンの枠の放送は15年3月に終了。15年4月からは、古巣のオールナイトニッポンZERO枠に戻り、今年3月に終了しました。最終回の放送内容は、もちろん「春歌アーティストの乱」。僕たち売れない芸人の間でも語り草になるほど、番組終了を惜しむ声がやみません。 さて、アルコ&ピースの2人は現在、テレビを中心に活躍しています。平子さんは、意識高い系のキャラでプチブレーク。ラジオで披露していた酒井さんのヤバさをテレビで見られるように願いつつ、そして、あの2人とまたいつか“悪ノリ”できることを信じて、何卒! (文=菅谷直弘[カカロニ])ニッポン放送『アルコ&ピースのオールナイトニッポンZERO』番組サイトより
ニッポン放送が無名演歌歌手・山内惠介を「演歌界の貴公子」と“ゴリ押し”する裏事情
芸能取材歴30年以上、タブー知らずのベテランジャーナリストが、縦横無尽に話題の芸能トピックの「裏側」を語り尽くす! “演歌界の貴公子”山内惠介が初主演するニッポン放送開局60周年企画『山内惠介・THE歌謡ムービー 昭和歌謡危機一髪!』が、1月11日に公開された。全国順次ロードショー中だが、規模の割には客の入りも悪く、「この企画、無理があったのでは?」との声も聞こえてくる。 山内が“ぼくはエンカな高校生”というキャッチフレーズでデビューしたのは2001年だが、彼の名前を頻繁に耳にするようになったのは、ここ2~3年。ニッポン放送の朝番組『垣花正 あなたとハッピー』の中継コーナー「それゆけハッピー」に準レギュラーのように出演しだしてからだ。 以来、山内出演時には、必ずといっていいほど彼の曲をかけ、“ゴリ押し宣伝”がなされるようになった。テレビと同じく、ラジオも公共の電波を預かっている以上、一人の歌手の売り出しに露骨に協力することは、以前から疑問視されている。しかも、聴取者が聴きたい曲であるなら何度かけようが問題ないが、山内の曲はゴリ押ししてもヒットにはつながらず。それでも、ニッポン放送は彼をプッシュし続けている。 これは、“黒人初の演歌歌手”ジェロの時もそうだった。ジェロのバックには、芸能界の実力者である大手芸能プロ社長が付き、ニッポン放送で猛プッシュ。山内と同じように番組に出演させ、知名度を上げさせる一方、音楽出版権や営業権の一部をこの実力者が握り、ニッポン放送も恩恵にあずかれるような仕組みを作った。結果、ジェロは大成功。山内も同じような流れにいるようだが、ニッポン放送が開局60周年企画作品としてタイアップした映画の主演を演じても、さほど話題にもならず、ヒットも生まれないという厳しい現実がある。 そんな山内に対して、ある業界関係者からは「山内も所属事務所も礼儀知らずで、多くの関係者から反感を買っているから、イマイチ乗り切れないんですよ」という声が聞こえてきた。 山内の所属事務所は「涙そうそう」が大ヒットした夏川りみが以前、所属していた「三井エージェンシー」。この事務所は、夏川のポニーキャニオン時代のディレクターを務めたM氏が、夏川のために立ち上げた事務所といわれていた。だが、「涙そうそう」がヒットして、押しも押されもせぬスター歌手に成長した07年に、夏川は独立。その陰に男の存在がウワサされたが、夏川は“音楽性の違い”が理由であると否定した。 しかし、二人三脚で活動してきた2人の間に、他人には推し量れない何かがあったことは想像に難くない。その後、三井エージェンシーは業界団体である「日本音楽事業者協会」(音事協)に加盟。前述した実力者の庇護の下、山内の売り出しに積極的に乗り出した。結果、ニッポン放送の番組に頻繁に露出するようになったのだ。 音事協加盟の芸能プロマネジャーは「M氏は、音事協の活動には参加せずに、自分のところのタレントを、実力者と音事協の威光を借りて売り込んだりしている。それなのに、音事協の先輩には挨拶もしない。傲岸不遜な態度が反感を買っています」という。そのため、ニッポン放送以外の仕事の拡大に苦労しているようだ。 山内も、こんな不本意なウワサが出るようでは、スター歌手への道はまだまだ険しいだろう。 (文=本多圭)『山内惠介コンサート2013~歳は三十白皙美男~』(ビクターエンタテインメント)





