『3年A組』菅田将暉と片寄涼太が殴り合い! 「明日と戦え。抗え!」のメッセージの裏に、迫る死期?

 1月27日に放送された、『3年A組―今から皆さんは、人質です―』(日本テレビ系)の第4話。

 今回の柊一颯(ひいらぎ・いぶき/菅田将暉)による“魂の授業”の目的は、里見海斗(鈴木仁)に景山澪奈(上白石萌歌)の動画を盗撮させた犯人の特定である。すると、甲斐隼人(片寄涼太)があっさりと手を挙げ、里見への指示を認めた。しかし、誰が動画を加工したのかは不明のまま。その正体を甲斐が明らかにしなければ、今日の授業は終わらない。

 甲斐が澪奈の動画を欲していたのには理由がある。母子家庭の甲斐は、母親が不慮の事故に遭い、代わりに家族を支えなければならなくなった。プロダンサーの夢をあきらめ、働いて家計を支える日々だ。そんな時、半グレ集団「べルムズ」リーダーの喜志正臣(栄信)から「景山澪奈が二度と泳げなくなるネタが欲しい」と言われ、報酬20万円と引き換えに里見に撮らせた動画を提供していたのだ。

 家庭の事情も含め、甲斐が隠していた背景に驚くクラスメイトたち。一方、柊は甲斐の秘密を知っていた様子である。甲斐だけではない。里見、茅野さくら(永野芽郁)、宇佐美香帆(川栄李奈)など、今までフィーチャーされた者の秘密も知っていた。つまり、柊が生徒を人質に取った目的は“黒幕”の特定ではないということになる。

 柊の目的は、すでに第1話で発表済み。泣きながら生徒全員を怒鳴った初日の熱弁に込められている。

「自分が助かれば、他人がどうなっても構わない。イカれてるね~。どうしてそんな、貧しい考えが生まれるのか。モラルの欠如、アイデンティティの拡散。要は、中身が空っぽなんだよ!」

「過去の自分が、今の自分を作る! だから、過去から逃げてるお前も、お前も、お前も、極めて幼稚なガキのまま成長が止まってるってわけだ。そんな奴らが、一体何から卒業するっていうんだよ!」

「なぜ、景山澪奈は死ななければならなかったのか? これから、彼女の生きざまを通して、お前らの考えがいかにもろく、弱いものなのか、思い知らせてやる」

「変わるんだ。悪にまみれたナイフで、汚れなき弱者を傷付けないように、変わるんだよ! ……変わってくれ」

 不幸な境遇から抜け出すため、澪奈が犠牲になることも厭わなかった甲斐。「自分が助かれば、他人がどうなっても構わない」という意識を持っていたからだ。澪奈に行っていた仕打ちを隠し、開き直っていた香帆。まさに、過去から逃げていた。澪奈が自殺に至った理由をたどることで、汚れなき弱者を傷付けていた事実と向き合う生徒たち。柊による“魂の授業”は、生徒が変わることこそが目的である。

■柊の体調と授業内容にも関係が?

 薬を常用し、体調の悪さをうかがわせる柊。第4話のエンディングではついに耐え切れず、教壇で倒れてしまった。

 柊の体調の悪さを鑑みると、彼を異常な授業に踏み切らせた理由が見えてくる。「もう、遅せえんだよ……」とプロダンサーになる夢をあきらめる甲斐に、柊はこう言った。

「甘えてんじゃねえぞ。お前は景山の人生を狂わせた1人なんだ。遅いなんて言わせない。景山のためにも真実を明かして、明日と戦え。抗え! もがいてつかめ! 生きてるお前には、それができるんだよ」

 命を落とした澪奈だけではない。柊の死期が近づいていると仮定すれば、「生きてるお前にはそれができる」の檄が、より深く響いてくる。

 第3話で柊は里見に「明日を生きる活力」を説いた。そして今回は、こんなメッセージを甲斐に送っている。

「明日と戦え。抗え! もがいてつかめ! 生きてるお前には、それができるんだよ」

「変わるなら今だ! お前のその手で道を切り開け」

 病を抱えているからこそ、生きていることの重要性を訴え続ける。柊の体調の悪さと“魂の授業”の内容には、関連性がある気がする。

■「ブッキー」ではなく「先生」と呼ぶようになった生徒たち

 このドラマは、先の展開を予想することが不可能。伏線が張り巡らされる割に、いきなり半グレ集団が登場するなど、伏線と関係ない事柄が話の主軸になったりするからだ。(第1話で椎名桔平扮する郡司真人が逃げる喜志をKOするという伏線はあったが)

 ただ、柊の真のターゲットが学校の外にいることは明らか。警視庁理事官・五十嵐徹(大友康平)との連携が、別の巨大な存在との対峙を連想させるのだ。

 今まで、生徒を“恐怖”で支配していた柊。しかし、第4話エンディングで生徒たちは柊の元に駆け寄っている。信頼関係ができつつある。「柊と人質」から「教師と生徒」という関係性へ次第に形を変え、予想もつかない存在との対峙へと話は進んでいく。そんな気がしてならない。

 当初、A組の生徒は柊のことを「ブッキー」と呼んでいたが、今では多くの者が彼を「先生」と呼んでいる。ザ・クロマニヨンズの曲が楽しさを喚起するスタッフロールとドラマの内容にギャップを感じていたのに、その違和感もだんだんと薄れてきた。“魂の授業”によって、3年A組が確実に変わりつつある。

(文=寺西ジャジューカ)

 

 

『3年A組』「種明かし→新たな伏線」で視聴者をロックオンも、いまだ明かされぬ菅田将暉の”真の目的”

 1月20日に放送された『3年A組―今から皆さんは、人質です―』(日本テレビ系)の第3話。

 このドラマには、犯人探し→説教→改心という流れがひとつのフォーマットとしてある。今回の柊一颯(菅田将暉)の授業の内容は、景山澪奈(上白石萌歌)を陥れたフェイク動画を撮影した生徒は誰なのか? というもの。結果、犯人は澪奈にフラれたことを根に持つ里見海斗(鈴木仁)だと判明した。

 澪奈を独占できないことを逆恨みしてフェイク動画を拡散した宇佐美香帆(川栄李奈)といい、生徒たちの攻撃の動機が一様にショボすぎる。こんなことが原因でひとつの命が失われたのかと思うと、ゾッとする。里見なんて、告ってフラれただけである。

 気になることがある。澪奈が、あまりにも多くの人から恨まれすぎではないだろうか? 敵が多すぎるのだ。さすがにこの毎日は、生きているのがつらくなるかもしれない。毎回、彼女の生活の中で起こっていた災難が明かされるのだから。

 そう、犯人は1人ではない。犯人かと思ったら、その背後に黒幕がいて、その黒幕を別の黒幕が操っていて……と、まるで数珠つなぎである。つまり、数人の生徒が別々の事情を抱え、それが偶然的に連鎖して関わった結果、澪奈は自殺してしまった。

 柊が3年A組に強いた軟禁生活には、生徒に贖罪の意識を持たせる目的がある。同調の空気を作っていたクラス全体が対象だし、特定すべき犯人も1人ではない。やはり、10日間が必要だった。

 今回は、郡司真人刑事(椎名桔平)が犯人の特定を外したため、柊の宣言通り5人の生徒が犠牲になった。自ら名乗り出た里見以外で柊が指名したのは、瀬尾雄大(望月歩)、堀部瑠奈(森七菜)、西崎颯真(今井悠貴)、結城美咲(箭内夢菜)の4人。なぜ、このメンツが選ばれたのだろう?

 多くの視聴者の予想通り、柊は生徒を殺していなかった。恐らく、澪奈の自殺と関連性の薄い生徒を教室から間引いている。無関係な生徒を除外し、引き続き教育を行うべき生徒は教室に残しておく。前回のレビューで言った通り、このドラマは熱血教師の物語である。

■柊の目的は、A組への“命懸けの授業”だけではない?

 このドラマに、予想外の展開はあまり起きない。柊に殺されたと思った生徒たちが生きていたのも、予想通りだった。この事実を、3話にしてあっさりネタバレさせる今作。こんなことに重きを置くドラマではないのだ。だから、生徒存命の事実を長く引っ張って隠さなかった。

 ひとつの伏線はわかりやすいが種明かしが早く、次から次に謎の事実が登場する展開の速さ。今後、もっと核心に迫る予想外の展開が待ち受けているに違いない。

 では、現時点でどんな謎、伏線が残されているかを振り返りたい。

 第3話で登場したのは、郡司の前職が教師だったという過去だ。柊は郡司のことをよく知っている。

「ある日、1人の生徒が集団暴行を受けて亡くなった。男は教え子を救えなかった自分を責めたが、その怒りと悲しみを犯罪そのものに向けた。弱者を傷つける犯罪を横行しない世の中にする! そして男は、刑事になった。その男は自分が味わった負の感情を跳ね返して、明日を生きる活力に変えたんだ!」

 その後、監視カメラを通じて郡司と会話した柊は、笑みを浮かべて「やっぱり有能な刑事さんだ」とつぶやいた。

 郡司の記憶にはないが、2人の間には関係性がある。そして、柊は郡司に悪感情を抱いていない。そんなことが柊の様子からうかがい知れる。

 そして、もうひとつ。第3話の終盤で、柊がかつて交際していた相良文香(土村芳)の父・孝彦(矢島健一)のスマホが一瞬、映し出された。何者かとのチャット画面で、孝彦のアカウント名は「とある魁皇生」になっていた。ということは、孝彦が3年A組の教室にいるテイの内通者ということ!? 郡司とやりとりしていたのも孝彦だし、悪く言っていたはずの柊とも通じているということか……。

 郡司や孝彦を巻き込んでいるならば、澪奈が自殺に至った原因をあぶり出し、命懸けの授業を行うことのみが柊の目的ではないということになる。彼の目的はA組の外部とも関連する問題だ。次回予告で、文香が「私のためにこんなことをしているならやめて」と必死に諭していたのも気になる。

 柊が3年A組を人質に取った目的は何か? それが、このドラマを読み解く焦点。

「すべてを打ち明けよう」

 第4話の予告を観ると、柊は生徒たちに口を開く模様。ここで、柊の真の目的が明かされる。

(文=寺西ジャジューカ)

『3年A組』第3話も2ケタ獲得! 好調の菅田将暉“引っ張りだこ”のワケとは?

「今出演しているNHKの朝ドラ『まんぷく』での弁護士役も好評ですし、1月クールからは主演ドラマも始まりましたし、この夏には映画の主演の大作もありますからね。彼のスケジュールを押さえるのは相当大変みたいですよ」(テレビ局関係者)

 1月からスタートしたドラマ『3年A組 -今から皆さんは、人質です-』(日本テレビ系)で主演を務めている菅田将暉。視聴率も初回から第3話まで2ケタをキープしている。

「最近では俳優としてだけでなく歌手としても活躍してマルチな才能を見せていますが、本業の俳優業では、さまざまな役柄を感覚的に演じることから、いろんなタイプの監督から引っ張りだこです。単館系の映画から大衆系の映画まで幅広く演じられるのは、若手では彼くらいじゃないでしょうか」(映画関係者)

 この夏に映画化される『アルキメデスの大戦』も、漫画原作だが、話の展開としては地味なものだという。

「主人公が数学者ということもあって、会話の端々に数字が出てくるので、地味な話といえば地味な話なんです。それを菅田さんの演技力と山崎貴監督の演出力でカバーできるかどうか。脚本は非常に面白いと評判なので、東宝としては興収20億円から30億円を狙っているようです。また、原作自体はまだ続いているので数字が良かったら当然、続編の話も出ます。東宝も『ALWAYS 三丁目の夕日』のようにシリーズ化も視野に入れているようですよ。この作品が当たれば『あゝ、荒野』(2017)のときのように、映画賞を総ナメする可能性もありそうです」(芸能事務所関係者)

 今年も賞レースは、菅田将暉を中心に回りそうだ。

菅田将暉の“共演者キラー”ぶりに芸能界は戦々恐々! 次は永野芽郁が狙われる!?

 ドラマ終了後、ホットなニュースが飛び込んでくるのだろうか。

 1月13日放送の菅田将暉主演のドラマ『3年A組-今から皆さんは、人質です-』(日本テレビ系)第2話の平均視聴率が10.6%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録し、初回10.2%から上昇した。

 菅田はゴールデン・プライム帯の民放連ドラ初単独主演。自殺した女子生徒の死の真相を暴くため、生徒29人を人質にとる異色の教師役を演じている。菅田に監禁される生徒役のヒロインは永野芽郁。2017年公開の映画『帝一の國』では恋人役を演じているとあって、息もピッタリな様子だ。

「現在、母親と2人暮らしをしているという永野は、男性との浮いた話がひとつもなく、ファンからは“処女説”もささやかれる清純派。そんな彼女を、とある芸人が狙っているとのウワサが持ち上がったことで、警戒した所属事務所はマネジャーを増員して彼女をガードしていると聞きます」(テレビ関係者)

 心配なのは芸人だけではない。菅田といえば、名うての“共演者キラー”として知られ、流した浮名は枚挙に暇がないほど。

「昨年2月にお泊まりデートがスクープされた菜々緒とは、9月頃に破局しているようです。他にも本田翼、小松菜奈、門脇麦、二階堂ふみなど、共演した女優とは、ことごとく熱愛に発展している。永野とは映画で共演していますが、菅田はある程度のレベルに達した女優でないと手を出さないのが特徴。その後、永野はNHK朝ドラ『半分、青い。』の主演で知名度は全国区となりましたから、菅田の毒牙にかからなないかと、ファンも心配しているようです」(芸能記者)

 永野の所属事務所は、さらにガードを固めたほうがよさそうだ。

『3年A組』は菅田将暉による“現代の金八先生”なのか?

 1月13日に放送された『3年A組―今から皆さんは、人質です―』(日本テレビ系)の第2話。

 3年A組の担任教師・柊一颯(菅田将暉)が生徒たちを人質に取って立てこもってから一夜明け、警察は柊の身辺調査を始める。その中で、かつて交際していた元高校教師・相良文香(土村芳)に暴力を振るっていたという証言が、文香の父・孝彦(矢島健一)から引き出された。

 正直、この証言は信用できない。柊は、文香と居酒屋らしき場所でデートしたときの動画を頻繁に見ている。この中で彼女は「私たち教師って、生徒に何をしてあげられるんだろう? 結局は、ぶつかり合うしかないんだろうね。教師と教師としてじゃなく、人と人っていうか。体と体を使って言葉を交わすっていうか」と、ビールを飲みながら悩みを吐露している。どうしても、柊にDVを受けている者の姿には見えないのだ。

 毎回、1人の生徒にフォーカスし、今までの過ちをあぶり出すのがこのドラマのフォーマット。第2話は宇佐美香帆(川栄李奈)だった。

 爆弾等を用いた柊の手法は過激だが、その目的はピュアに道徳指導だ。香帆に向けた“説教”の内容は「お前に足りなかったのは想像力だ。お前には痛みを想像できなかった」。あまりにもな正論である。なんのひねりもない。ありきたりと言ってもいい。異常なのは状況だけである。

 初回の段階では「柊はサイコパス?」という予測も立てられたが、今回ではっきりと違うことがわかった。「3年A組」というタイトルからもわかるように、このドラマは熱血教師の物語である。文香の言う通りに、体と体を使って言葉を交わすのが柊のやり方。でも、坂本金八のように黒板に人の字を書いて人間を説いたり、腐ったみかんの方程式に異を唱えているだけじゃ、現代の生徒には響かない。過激な手法をとるのは、そのせいだ。死ぬことも逮捕されることも厭わず、今の時代に即した熱血授業を柊は行っている。

 だから、第1話で柊に刺殺された(ことになっている)生徒・中尾蓮(三船海斗)も、実は生きているはずだ。“生きるための授業”を行うのが柊なのだから。何より、柊は警察に30人分のおにぎりを持ってくるよう要求している。自殺した景山澪奈(上白石萌歌)の分を引くと、A組の人数は29人。柊を足して30人だ。中尾の分もしっかり勘定に入っている。

■なぜ、柊は澪奈の自殺を止めなかった?

 香帆が行ったいじめは、現代的なものだった。

 澪奈を自慢できる“ブランド”として見る気持ちが、香帆の中には確かにあった。しかし、それだけじゃない。純粋に友達としても大好きだった。なのに「やっぱり、全国レベルって偉大だわ~」と悪気なく余計なことを言ってしまい、澪奈から距離を取られるようになる。

 こうして、香帆による愛憎の復讐劇が始まる。スクールカーストやマウンティングを存分に駆使し、SNSも最大限に活用。香帆は男になりすまし、澪奈に行った嫌がらせをSNSでイチイチ報告。決め手は、捏造動画のアップだ。こうして、澪奈のドーピング疑惑は拡散した。

 筆者の学生時代にSNSがなくて、本当に良かったと思う。もし学校で嫌なことがあったら、SNS追撃のせいで心の休まる瞬間はないだろう。家に帰ったとしても、気が抜けない。地獄が延々続くような気持ちになるのではないか?

 香帆のいじめは、現代の一側面を切り取っている。でも、ドラマでは、極端にそっちに寄りすぎないでほしいのだ。現代の若者をステレオタイプで捉え、想像力に欠けた欠陥のある人間として描きすぎないでほしいのだ。そこは冷静になり、公平で深みのある描写を望みたい。

 最後に一つだけ、どうしても解せないことがある。澪奈からいじめの悩みや自殺願望を聞いていた柊は、どうして彼女を止めることができなかったのか? 止められないにしても、自殺願望を沈静化させようとした痕跡さえない。香帆に「今まで何もしてくれなかったくせに!」と責められていたが、そう言いたくなる生徒の気持ちもわかるのだ。

 なぜ、彼は唐突に金八ばりの熱血教師になったのか。3年A組のクラス以上に、柊の中に潜む闇が気になる第2話だった。

(文=寺西ジャジューカ)

菅田将暉主演『3年A組』初回は謎だらけ……エンドロールがあぶり出すクラスの闇

 1月6日、『3年A組―今から皆さんは、人質です―』(日本テレビ系)がスタートした。タイトル自体は金八先生を意識したものと容易に察することができるが、内容はあまりにも違った。

 菅田将暉扮する3年A組の担任教師・柊一颯(ひいらぎいぶき)が生徒たちへ宣言した「今から皆さんには人質になってもらいます」というセリフから映画『バトル・ロワイアル』をイメージしがちだが、それも違う。映画『悪の教典』に近いものを感じるが、まだ結論付けたくない。ショッキングなシーンが連続した初回だったが、実のところ、まだ伏線が提示されるばかりの段階である。

■初日でクラス全員を敵に回してしまったさくら

 半年前、A組の生徒である景山澪奈(上白石萌歌)が自殺した。

「なぜ、景山澪奈は死んでしまったか。その理由を夜の8時までに導き出せたら、みんなをここから解放してあげよう。不正解の場合、誰か1人死んでもらう」(柊)

 ちなみに、この宣言が行われたのは朝の9時だ。『3年A組』は、サスペンスや残酷ショーといった類いのドラマではない。ちゃんと、柊は11時間ものシンキングタイムを与えている。彼の狙いは、生徒に考えさせること。やはり、授業を行おうとしているのだ。

 本作は各話ごとに「Day-1」「Day-2」とナンバリングされており、どうやら1話ごとに1日ずつ進んでいくようだ。1日目でフォーカスされたのは、茅野さくら(永野芽郁)と宇佐美香帆(川栄李奈)の2人だった。

 水泳の全国大会で優勝した経験を持つ澪奈に憧れを抱いていたさくら。澪奈とさくらは友達になった。それ以前、澪奈は香帆と仲が良かったが、澪奈はさくらを優先するようになる。香帆から声を掛けられても「先約あるから」とその誘いを振り、見せつけるようにさくらと一緒に下校する澪奈。2人の後ろ姿を見る香帆が嫉妬に燃えている。かわいさ余って憎さ百倍。のちにA組で澪奈へのいじめが勃発するが、その中心人物は香帆だった。

 香帆の澪奈への執着は、1日目の様子のそこかしこに表れていた。クラスメイトから「よく(澪奈と)一緒に帰ってたじゃん」と聞かれると、いじめの首謀者にもかかわらず「この中じゃ一番仲良かったかな」と返し、他の生徒が「景山さんと友達だったのは茅野ちゃんでしょ?」と発言すると、なぜか香帆が「別にさくらだってそこまで仲良かったわけじゃないよ」とシャットアウト。さくらがいじめに遭っていた澪奈への態度を悔やむと「自分が一番の親友みたいに語っちゃってさあ! そういうの、マジでむかつくんだけど」と激高する香帆。

 香帆とさくらは危うい関係性だ。「私のほうが澪奈と仲良かった!」という嫉妬の感情を香帆はさくらに抱いている。

 生前の澪奈にはドーピングのうわさが立てられていた。自殺を選んだ彼女に対し、「卑怯な真似してまで1位になろうとしたあいつにムカついたから、しゃべりたくなかっただけ」「薬使うような奴と仲良くなれねえよな」とクラス中が罵詈雑言をやめない。「あんな奴、死んで当然だったんだよ」と暴言を吐く甲斐隼人(片寄涼太)に、とうとう我慢ならなくなったさくらは、「ふざけんじゃねえ!」と膝蹴りを入れた。

 香帆も甲斐もスクールカーストのトップで、さくらは下位だ。さくらは2人を敵に回し、初日からいきなり「さくらvs他のクラスメイト」という状況に陥った。これから10日間、教室に閉じ込められて共同生活を強いられる3年A組。明日からのさくらを思うと、地獄の日々が容易に想像できてしまい、つらいのだが。

■エンドロールがあぶり出すA組の闇

 A組の面々が、とにかくクズすぎる。誰か1人が死ぬというのに、澪奈の自殺の原因について真面目に考えない。「水泳絡みが自殺の原因」と浅い答えで結論付け、答えに窮す回答者のさくらに「さっきの言えばいいんじゃない」「あれでいいと思うけど」と圧をかける無責任さ。「あれでいい」レベルの答えじゃダメなのに、当事者意識がまるでない。

 さらに、「死んで当然だった」と吐き捨てる冷たさ。澪奈の自殺原因を言い当てられなかったさくらを指さし「茅野を殺れよ。答えを外したのはこいつなんだから!」と主張する身勝手さ。

 柊は、涙を流して生徒たちを怒鳴った。

「自分が助かれば、他人がどうなっても構わない。イカれてるね~。どうしてそんな、貧しい考えが生まれるのか。モラルの欠如、アイデンティティの拡散。要は、中身が空っぽなんだよ!」

「お前たちは、さっきの茅野を見ても何も思わなかったのか? 景山の死から目を背けていた自分を奮い立たせて、向き合おうとした茅野を見ても……何も思わなかったのか!? 過去の自分が、今の自分を作る! だから、過去から逃げてるお前も、お前も、お前も、極めて幼稚なガキのまま成長が止まってるってわけだ。そんな奴らが、一体何から卒業するって言うんだよ!」

「なぜ、景山澪奈は死ななければならなかったのか? これから、彼女の生きざまを通して、お前らの考えがいかに脆く、弱いものなのか、思い知らせてやる」

「変わるんだ。悪にまみれたナイフで、汚れなき弱者を傷付けないように、変わるんだよ! ……変わってくれ」

 先がまったく読めないこのドラマだが、人質にとってまで柊が生徒に教えたいことは、間違いなくこの熱弁に凝縮されている。

 柊は宣言通りに1人の生徒を刺殺したが、これだって怪しい。自殺の原因を考えさせ、生まれ変わるよう説く彼が人を殺めるとは思えない。柊は美術教師だ。殺したように見せかけるのはお手の物。血糊メイクだって簡単に施せるだろう。じゃないと、彼の理念に反するではないか。

 初回、筆者の印象に最も強く残ったのは、エンディングのスタッフロールだった。クロマニヨンズのアップテンポな曲をバックに映し出されるのは、仲良さげな学校生活を送るA組の写真。「澪奈は死んで当然」「茅野を殺れよ」と平気で口にするほどの薄っぺらい関係性なのに、外ヅラはこんなにも楽しそう。闇を隠し、表面上は明るく振る舞う日常を見事に切り取っている。

 でも、本当のA組はこんなんじゃない。だから、現実とのギャップにゾッとするのだ。この闇をあぶり出し、変わるよう促すのが柊の目的であり願いである。

(文=寺西ジャジューカ)

永野芽郁、朝ドラ後初の連ドラは日テレ“死に枠”……この判断は吉と出るか凶と出るか?

 全話平均21.1%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)をマークするなど、大ヒットとなった、NHK連続ドラマ小説『半分、青い。』でヒロインを務めた永野芽郁が、来年1月期の日本テレビ系日曜ドラマ『3年A組-今から皆さんは、人質です-』でヒロインに起用されることがわかった。

 同ドラマの主演は菅田将暉が務める。菅田は深夜ドラマ『民王』『dele』(共にテレビ朝日系)でダブル主演したことはあるが、プライム帯の連ドラでは初の単独主演となる。

 朝ドラでヒロインを務めた後、どう売り出していくかは所属事務所の判断となる。永野と同じスターダストプロモーション所属で、『わろてんか』(昨年後期)でヒロインに抜擢された葵わかなの場合は典型的な“失敗例”といえそう。

 葵は朝ドラ終了後、ブランクを置かずに、TBS系『ブラックペアン』(嵐・二宮和也主演)でヒロインに起用され、看護師役を演じたが、今ひとつ存在感を示すことができなかった。同じ看護師の通称ねこちゃん役で出演した趣里の方が、葵よりはるかにインパクトを残したものだ。

 その後、葵は8月に公開された映画『青夏 きみに恋した30日』(佐野勇斗とのダブル主演)で主演したが、壮絶な大爆死に終わり、その業界評は早くも大暴落。最近ではCMで見かけることはあっても、テレビに出演する機会がほとんどなくなった。この事態に、事務所としては、今後、葵をどう売っていけばいいのか頭を悩ませているようだ。

『べっぴんさん』(16年後期)でヒロインを務めた芳根京子も、朝ドラ直後に、TBS系『小さな巨人』(長谷川博己主演)でヒロインに起用されたが、その後、伸び悩んだ感が否めない。

 そこで、永野の場合はどうなるのだろうか? 永野が出演する日テレの日曜ドラマは“死に枠”と称されるほど、視聴率が振るわない枠だ。今期の賀来賢人主演『今日から俺は!!』こそ、第5話までの平均が9.2%と健闘しているが、7月期のNEWS・加藤シゲアキ主演『ゼロ 一獲千金ゲーム』が全話平均6.6%に沈むなど、6~7%台が“定位置”になっている。

「せっかく朝ドラでブレークしたのに、その次の出演ドラマが振るわなければ、評価を落としてしまいかねません。その意味で、わざわざ“死に枠”を選択した、永野の事務所の判断には疑問符もつきます。ましてや、日テレはほかの民放局より、ドラマの出演料が安いので、ドラマが振るわなければ、踏んだり蹴ったりになります。逆に言えば、この難しい枠で、評価をさらに上げられれば、してやったりとなりますが……」(スポーツ紙記者)

 ポイントになりそうなのは、コンビを組むのが、“演技派”として定評がある菅田だという点だろう。『3年A組』は卒業まで残り10日となった高校が舞台。教師・柊一颯(菅田)が「最後の授業」で、29人の生徒を人質に取り、数カ月前に自殺した1人の生徒の死の真相に、10日間向き合う日々を描いた作品だ。永野は、人質に取られる1人の女子高生・茅野さくら役を演じる。

「朝ドラ終了から1クール空いてますので、視聴者が『永野が出るドラマなら見たい』と思わせる動機付けにはなります。永野は菅田と同様、演技派ですので、脚本次第ではありますが、クオリティーの高い作品になる可能性も十分。従って、視聴率が1ケタ台に終わっても評価は下がらないかもしれません。もし2ケタに乗せようものなら、永野の評価は一気に跳ね上がるでしょう」(テレビ誌関係者)

 視聴率のみならず、作品の完成度も問われそうな『3年A組』。あえて、“死に枠”への出演を決めた永野の事務所の判断は、果たして、吉と出るか凶と出るか?
(文=田中七男)