居酒屋「和民」などを展開する飲食チェーン・ワタミの創業者で、参議院議員でもある渡邉美樹氏が「日経ビジネス」(日経BP社)に登場。2008年に起きた女性従業員の過労死自殺に関し自身の考えを伝えた。この事件は裁判に発展し大きな注目を集めたが、昨年12月、従業員遺族との「和解」で一応の幕を閉じた。しかし、渡邉氏はこの取材で、いまだこの裁判に納得していないかのような発言を繰り返し、ネットユーザーから非難を浴びている。 渡邉氏は「これ以上裁判を続けても、話し合いの妥協点が見つけられないという思いに至り、もう終わりにしようと和解を決断した次第」と発言。まるで「本当は納得してないけど、時間の無駄だから和解した」と語っているかのよう。これに対しネットユーザーは「サイコパス」「詭弁論者」といっせいにバッシング。人が1人亡くなっている事実を考えれば、この反応も当然か。 さらに渡邉氏は「残業の考え方など法的な面ではしっかり話し合うべきだと考えていました」と語り、この事件のせいで「『ブラック企業』というレッテルが貼られました。非常に残念なことです。その評価は、ネット社会においてあっという間に広がりました」と続けた。「自殺のせいでワタミのイメージが悪化した」と、自身にではなく事件に責任を求めているかのような発言までするのだからもう目も当てられない。いまだに何の責任も感じていないかのような言葉の数々に呆れるばかりだ。 「渡邉氏はよく『いずれ誤解が解ける』という趣旨の発言をよく語っていますが、こうして表舞台に出て『自分は、会社は悪くない』とでも言いたげな発言をすることで、ますます状況が悪化することが理解できないのかと……。実際に法定限度を超えた労働時間を社員に課していた事実もありますしね。今や自分自身が『風評被害』の原因になっているのが事実。大人しく隠れている方がまだプラスだと思いますよ。出たがりなんでしょうね」(記者) 昨年12月段階で43カ月連続で国内外食事業が売上減のワタミ。介護事業の売却など事業はどんどん縮小している中、渡邉氏も焦った上での話題づくりのつもりなのだろうか。だとしたら、完全に裏目に出ているのが現状である。 「社員を馬車馬のようにこき使ってもマイナスなのだとすれば、それは利益を生み出すシステムの問題。サービスなど競争の激しい飲食業界で、ワタミが後手に回ったという点が、今日の赤字を生んだ最大の要因なのは間違いないでしょう。今やもっと安く、手軽で、味もそこそこな居酒屋はたくさんあるし、お酒好きの人々にとってワタミに行くメリットがなくなったことが大きいでしょうね」(同) 渡邉氏は取材の最後に「風評も一気にはなくならないでしょうが、いずれ事実が風評を変えていくと信じています」と発言。まずは自身をメディアから遠ざけるのが復活の第一歩なのでは……。きみはなぜ働くか。(日本経済新聞出版社)
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“トンデモ創業者”ワタミ・渡邊美樹氏 居酒屋事業ピンチで振り返る、著名作家ドン引きの「ブラック理念」
2015年3月期に128億円の最終損失を計上し、前年の49億円の赤字から損失額が拡大している、居酒屋「和民」などを展開するワタミ。数年前まで「居酒屋チェーンの象徴」として君臨した大企業が今、大きな危機にあえいでいる。 創業者である渡邉美樹氏が一代で築いた外食チェーンであるワタミは、顧客至上主義の方針で高収益を上げ、世間から注目を浴びる。だがその一方で、社員に過酷な労働を課し、待遇も悪く、果ては過労自殺者も出るなど、同社の名前とともに叫ばれ始めた「ブラック企業」の代名詞として、多くの議論を生んだ。 無論、価格や味、サービスなど競争の激しい飲食業界で、ワタミが後手に回ったという点が、今日の赤字を生んだ最大の要因なのは間違いない。今やもっと安く、手軽で、味もそこそこな居酒屋はたくさんあるし、お酒好きの人々にとってワタミに行くメリットがなくなったことが大きい。だが、ワタミがここまで落ちぶれてしまったのは、その“イメージ”の悪さも一つの要因である。その最たるものが、創業者で、現在は参議院議員でもある渡邉美樹氏の存在そのものではないだろうか。 「一代でワタミを大きくした渡邊氏の才覚自体は、褒め称えるべきところもあるでしょう。介護や教育など、積極的に他事業に参入する姿を参考にした経営者もいたかもしれません。ただ、全くの門外漢ながら神奈川県の教育委員会委員を務めた点には違和感がありましたし、『地球上で一番たくさんのありがとうを集めるグループになろう』という企業スローガンも、見方によってはどこかの宗教団体のよう。若者には具体性もなく『夢を持て』と連呼し、そのくせ自社社員には『365日24時間死ぬまで働け』『会議をしているとき、今すぐここから飛び降りろ!と平気でよく言う』など、夢という言葉とはかけ離れた考えを堂々と披露しました。その結果が社員の過労自殺騒動ですから、冗談にもなりません。極め付きは都知事選出馬、参院選出馬。『日本全体ブラックを企業にするつもりか』と大いに批判されました。一連の言動を経て、ワタミ系列の店舗で飲食をすること自体『シャクにさわる』と思う人は、決して少なくないでしょうね」(記者) 渡邊氏の発言はこれだけに止まらない。2013年に放送された『カンブリア宮殿』(テレビ東京系)で、作家の村上龍氏と繰り広げた「『無理』は嘘吐き」の会話は、渡邊氏の根本的な思想を端的に示している。 渡邊氏は番組内で、「『それは無理です』って最近の若い人達は言いますけど、たとえ無理なことだろうと、鼻血を出そうがブッ倒れようが、無理やりにでも一週間やらせれば、それは無理じゃなくなるんです」と発言。村上氏は「順序としては『無理だから→途中で止めてしまう』んですよね?」と戸惑いながら返すと「止めさせないんです」と渡邊氏は返す。村上氏が「いや、一週間やったんじゃなく、やらせたって事でしょ。鼻血が出ても倒れても」と質問しても「実際に一週間もやったのだから。『無理』という言葉は嘘だった」と全く引かない。村上氏は最終的に「それこそ僕は無理だなあ」と苦笑する他なかったようだ。 このやり取りは、インターネットを中心に広く拡散され、多くの人々が戦慄した。ワタミが赤字を出してから回復の見込みがないのは、度重なるトンデモ発言を受け、多くの人がソッポを向いた結果といえる。 「近年は外食産業自体の生き残り競争が本当に激しい。その中でチェーンとなれば“企業”のため、どうしても社員の労働時間や環境が重要視され、コンプライアンスも厳しい目で見られる。個人経営であれば経営者の時間などの裁量の幅が広いので、今後はこちらが有利になるのでは。渡邊氏は結局、売上を上げるために『過剰労働』という答えしか導き出せなかった。現在は政治家として経営の一線は退いているようですが、身を退いてすぐに経営が傾いたのを見ても、やはり後進を育てられない“ワンマン”だったということでしょう」(同) 経営不振脱却のため、今後はインバウンド(訪日外国人)消費獲得に力を注ぐというワタミだが、インバウンドというのも随分と前から叫ばれているため、後手後手に回っているようにしか感じられない。きみはなぜ働くか。―渡邉美樹が贈る88の言葉(日本経済新聞社)
ブラック企業大賞で露呈、恐ろしい過労死の実態〜ワタミ、東急ハンズ、人気アパレル…
サイゾーのニュースサイト「Business Journal」の中から、ユーザーの反響の大きかった記事をピックアップしてお届けします。
労働問題に取り組む弁護士や大学教授、労働組合(労組)関係者らが主催し、日本におけるブラック企業の“頂点”を決める「ブラック企業大賞 2013」。昨年に続いて第2回の開催となった同賞の授賞式が8月11日に開催され、ワタミフードサービスが大賞と一般投票賞を受賞した。 主催者発表によれば、投票総数はウェブ投票と会場投票を会わせて3万501票。ワタミフードサービスがこのうちの72%を占める2万1921票を獲得した。同社代表者は授賞式に姿を見せず、賞状とトロフィー、副賞の労働六法は、主催者の一人が“代理”で受け取った。 <受賞結果> 大賞:ワタミフードサービス 特別賞:東北大学 業界賞:クロスカンパニー(アパレル) 教育的指導賞:ベネッセコーポレーション 一般投票賞:ワタミフードサービス つづきを読む「ブラック企業大賞2013」授賞式の模様
ブラック企業大賞2013が発表、大賞:ワタミ、特別賞:東北大学、ベネッセも受賞
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労働法やその他法令に抵触、もしくは抵触の可能性が高いグレーゾーンの条件での労働を従業員へ強いる、いわゆる“ブラック企業”。その中でも特に“ブラック色”が強い疑いのある企業を選定する「ブラック企業大賞 2013」の受賞式が、8月11日14時~東京都千代田区の在日本韓国YMCAで開催された。この賞は、ブラック企業を生み出す背景や社会構造の問題を広く伝え、誰もが安心して働ける環境づくりを目指す「ブラック企業大賞企画委員会」が、昨年から開催しているもので、第1回目となった昨年は東京電力が大賞、ワタミが市民賞、ウェザーニューズが特別賞をそれぞれ受賞した。 2回目となる今年は、6月17日にノミネート企業としてワタミフードサービス、ベネッセコーポレーション、東急ハンズなどの一般企業のほか、国立大学法人である東北大学なども含む計8社が発表され、3万票以上を集めた一般の人々からのウェブ投票などの結果を踏まえ今回、受賞企業が選定された。 受賞結果は以下のとおり。 つづきを読む「ブラック企業大賞 HP」より
ワタミ、庄や…過労死ラインを超える長時間残業、なぜ“合法的に”横行するのか?
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世の中には「ブラック企業ランキング」「不人気企業ランキング」といったものが存在する。しかし、ブラック企業アナリストの新田龍氏によれば、「ブラック企業」に該当しない企業が含まれていることがあるという。内情は優良企業でさえあるのだが、その企業が属する業界や、一部の個別企業によるダーティなイメージが投影されている可能性があるためだ。新田氏がそのような企業を取り上げ、「何がブラック企業イメージの原因か」「実際はどうなのか」について、多角的に分析していく。 とあるジャーナリストの、次の一言が印象に残っている。 「日本の社会は、どこで線を引くかという議論は好きだけど、実際に線を引く人(決断する人)はいない」 まさにその通りであり、昨今盛況を呈しているブラック企業の議論にも当てはまるポイントだ。例えば4月上旬、「日経ビジネスオンライン」(日経BP社)上で立て続けにユニクロを展開するファーストリテイリングの柳井正社長、ワタミの桑原豊社長が登場し、自社がブラックだと言われていることへの反論を述べていた。それに対し、労働問題の論者からも賛否両論の意見が噴出していた。 その論調はおおむね、次のように分けられる。 <賛成派> 厳しい労働環境であろうが、合意の上で入社した分には問題ない。それくらい高いハードルを要求して仕事をさせているからこそ、成果も挙げられるのだ。 つづきを読むワタミ本社(「Wikipedia」より/Rsa)
渡邊ワタミ元会長、参院選投票日直前に全社員へ選挙協力要請?自民党内からも異論噴出
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渡邊ワタミ元会長、参院選投票日直前に全社員へ選挙協力要請?自民党内からも異論噴出 - Business Journal(7月24日)
7月24日発売の「週刊文春」(文藝春秋/8月1日号)と「週刊新潮」(新潮社/同)がそろって、7月21日に投開票された参議院議員選挙で苦戦を強いられたワタミ前会長の渡邉美樹氏の選挙戦について報じている。 今回の参院選は、昨年12月の衆院選での圧勝劇や、株価上昇なども招いたアベノミクスの勢いそのままに自民党が現行制度で過去最多の65議席を獲得した。しかし、総務省によると投票率は選挙区選、比例選ともに52.61%と、過去3番目の低さだったという。そんな中、当落をめぐって注目されていたのが、一部で“ミスターブラック”との異名をとる渡邉氏である。 これまで渡邊氏が会長を務めていたワタミをめぐっては、文春が批判キャンペーンを組むなど、そのブラック度について世間を賑わせていた。文春の6月13日号では、ワタミ全社員に渡される「理念集」の中で「365日24時間働け」などと書かれていることや、かつて渡邊氏が勤務中の休憩時間について「12時間のうち、飯を食える店長は2流だと思っている」などと発言したことなどを報じている。また、6月20日号ではワタミのグループ会社「ワタミの介護」が運営する施設で事件や事故が続出していること、さらに6月27日号では渡邊氏が理事長を務める郁文館夢学園の「ブラックすぎる学校経営」と、3週連続でワタミ批判を展開した。 こうした逆風が吹き荒れる中、渡邊氏は今年5月31日自民党本部で会見を開き、参院選に自民党公認で出馬することを表明。さらに同日、自身のホームページ上で「『ブラック企業』と呼ばれることについて」(http://www.watanabemiki.net/journal/post-475.html)と題し、ワタミの離職率、年収、時間外労働、メンタルヘルス不調のために欠勤・休業している社員の割合を厚労省が発表している宿泊・飲食サービス業の数値と比較し、「一部の情報だけを持って、一方的にワタミグループをブラック企業と呼ぶことは、到底、受け入れられません」と反論した。 これに対し、ワタミの社員だった娘が過労のため自殺し、労災認定された両親が、渡邊氏の立候補取り消しを求め自民党本部を訪れたり、同党の平沢勝栄衆議院議員が6月28日深夜に放送された『朝まで生テレビ!』(テレビ朝日系)で、渡邊氏の公認をめぐって「(公認)をやめたほうがいいということですね」という質問に「ということですね」「私個人の考えですけど、ぜひそういう形に持ってきたいな、と」と発言するなどの一幕もあった。 こうした自民党内でのゴタゴタについて、本日発売の新潮では自民党のベテラン代議士が「渡邊さんの擁立は、自民党の参院に相談なしで決められた。そのため、参院の幹部は、カンカンに怒っていますよ」と語ったという。また安倍総理を支え評価の高い菅義偉官房長官が渡邊氏を選挙に引っ張り出したことで、菅氏の失点になるかもしれないともいう。 また、同じく本日発売の文春の記事によると、世間のブラック企業批判で当選が危ういと思ったのか、「17日の朝、渡邊氏からワタミの全従業員に『元会長の緊急メッセージ』というビデオレターが、社内メールで配信」されたという。ビデオレターでは、渡邊氏が「携帯電話全部にね、ちょっと『ねーねー頼むよ』という形で話をしてくれたら嬉しいなと思います」と、社員に選挙協力を要請したとも受け取れる内容だったという。 こうしたワタミ社員の協力があったかどうかはわからないが、結局、渡邊氏は自民党が獲得した比例18議席の16位で当選した。 なんとか当選した渡邊氏が「私は1年生。『1年生は何でもやります』というのが私の会社でも正しい回答だ」と語ると、ネット上では「じゃあ、24時間365日働け」「これは過労死するまで働くってことだよな」「とりあえずブラック企業根絶をやってもらおうか」など厳しい言葉が飛んだと、7月23日配信の日刊ゲンダイ記事(http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130723-00000011-nkgendai-ent)が報じている。 参議院議員になった渡邊氏が、ワタミで行ったような徹底した人件費削減で国会議員の定数も減らしてくれるのか。はたまた、理事長を務める郁文館夢学園で教師の携帯電話番号を生徒に教え「365日24時間電話していい」という斬新な方式を国会議員と有権者にも適用し、国会議員全員の携帯電話番号を有権者に教えるのか。さらに、国会の場でブラック企業批判に今後どう答えるのか。さまざまな意味でその言動と手腕に注目が集まる。 (文=本多カツヒロ) ■おすすめ記事 セブン、独り勝ちの秘密と懸念材料とは?カギはPB、銀行、カフェ… 日本国債暴落で大儲け狙う世界の投資家たち…アベノミクスで高まる、財政破綻懸念の声 減速する中国経済が抱える3つの爆弾 当局は報道規制、アベノミクスの懸念材料に… 防衛大卒、なぜ大手企業採用担当者たちから大人気? 自衛官任官拒否への賛否両論 AKB篠田激白、卒業直前の心境と「潰すつもり」スピーチの真相、卒業に福岡選んだ理由DVD『社長 渡邉美樹』(ポニーキャニオン)
ワタミ過労死元社員遺族の渡邉元会長公認撤回要求、自民党は門前払い…党内で異論噴出
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ワタミ過労死元社員遺族の渡邉元会長公認撤回要求、自民党は門前払い…党内で異論噴出 - Business Journal(7月22日)
自民党の公認を得て、昨日7月21日投開票の参議院議員選挙で当選したワタミ株式会社元会長の渡邉美樹氏。しかし、立候補を発表した5月以降、ネットを中心に渡邉氏に対する反発の声が噴出。6月28日には、渡邉氏の公認撤回を求めるデモ活動が、永田町の自民党前で実施された。 このデモに参加したのが、ワタミによって過労死に追い込まれた同社元社員・森美菜さんの両親である森豪さんと祐子さん夫妻。渡邉氏の公認取り消しを求めた要望書を自民党の国会議員に直接手渡そうと試みた。 ワタミがブラック企業と呼ばれる原因となった、2008年の社員過労死事件。被害者となった森美菜さんは、入社2カ月で月間140時間以上の残業や強制的なボランティアなどで過労状態に陥り、同年6月、自宅近くのマンションから飛び降り自殺を図った。しかし、遺族に対して同社側からの明確な謝罪の言葉はなく、渡邉氏はTwitter上で「労務管理できていなかったとの認識は、ありません」とコメント。被害者遺族からの面会要求にも答えないまま現在に至っている。 森夫妻がタクシーで到着すると、彼らを自民党敷地内に通すまいと、施設管理の責任者を名乗る男性をはじめ、警察官らが道をふさぎ、集まったマスコミ陣とともにもみ合いの状態に。「選挙の責任者を呼んでください」と言う遺族側に対し、自民党側からの「できません」という押し問答が続き、豪さんは一時相手の胸ぐらをつかむまでに感情を高ぶらせた。 このデモに当たって、森夫妻は石破茂幹事長へ提出するための要望書を用意してきた。「自民党は、若者を死ぬまで働かせ、殺す社会をつくりたいのですか? お答えください」と題されたこの要望書の中で森夫妻は、次のように抗議し、自民党に対して「渡邉氏の公認撤回」「ブラック企業対策、過労死防止対策への取り組み」を要求している。 「法律違反を重ねて利益追求をした経営者に、若者を死ぬまで働かせ、使い捨てにして利益をあげた経営者に、国会議員になる資格があるのでしょうか?」 「自民党は、渡邉会長がやった経営のように、法律を無視し、若者を死ぬまで働かせ、使い捨てにし、過労死に追いつめる社会をつくるつもりなのでしょうか」 「娘は雨の中で死んでいったんです。せめて、こんな外じゃなくて、(建物の)中で受け止めてくれませんか?」 と、声を詰まらせながら語った豪さんの言葉が届いたのか、交渉の末、森夫妻と代理人のみが、自民党敷地内に入ることが許された。しかし、国会議員などのしかるべき立場の人間との面会はかなわず、引き続き施設の管理担当者と話し合った上、10分ほどで退出。門の中には入れたものの、その実態は「門前払い」と表現して差し支えない。 遺族側は、自民党に対し事前に面会を求める連絡をしながらも、「連絡する」と言われたきり、返答はなかった。遺族らの行動が強行軍であったことは否めないものの、はたして過労死被害者遺族に対して自民党の採った一連の対応は適切なものといえるだろうか? 「ワタミ本社に行った時となんら変わりなく、落胆しています」と祐子さんは肩を落とした。 その後、民主党を訪れ、細野豪志幹事長との会談を行った森夫妻。細野氏を前に「ひとりひとりの命を大切にする社会、過労死のない社会の実現に向けて、尽力されますように、ここに要望いたします」と締めくくられる要望書を読み上げた。わずか20分あまりの会談だったものの、遺族の言葉に細野氏は耳を傾け「社会に対する問題提起として受け止めたいと思います」と要望書を受け取った。 もちろん、民主党がこの会談に応じた背景には「自民党とは異なり、労働問題に力を入れる」というイメージアップにつなぐ思惑も含まれているだろう。渡邉氏が出馬した11年の東京都知事選挙で、都議会民主党は渡邉氏を支援した。美菜さんの死が正式に過労死と認定されたのは選挙後の12年。都知事選当時は過労死と認定されていなかったとはいえ、過去の事実について細野氏からのコメントはなかった。 渡邉氏公認については、6月29日放送の『朝まで生テレビ!』(テレビ朝日系)に出演した自民党・平沢勝栄議員は、「個人的な意見」と前置きしながらも「公認をやめさせたい」と発言。安倍首相直々に立候補の要請を受けた渡邉氏だが、党内でもその擁立に対しての意見は割れていたようだ。党内の意見が割れたまま、渡邉氏の当選が確定した。 (文=萩原雄太) ■おすすめ記事 映画館の強すぎる冷房、言えば下げてくれる?設定基準は?TOHOシネさんに聞いてみた “非”国営NHKの受信料は完全に合憲でも、なぜ強制徴収は国民の理解を得られない? AKB篠田激白、卒業直前の心境と「潰すつもり」スピーチの真相、卒業に福岡選んだ理由 ドコモ、ツートップ戦略不発で高まるiPhone販売観測…崩れるメーカーとの信頼関係 電車の冷房、車両や日により違うのはなぜ?どうやって調整?東急電鉄さんに聞いてみた自民党本部前でのデモの様子
「周囲から同情の目で見られるようになった」ワタミの“ブラック報道”で、現場社員が嘆きの声
いまや“ブラック企業”の名前が定着してしまった飲食チェーンの「ワタミ」。ネット上では悪評が次から次へと噴出し、作家や弁護士、大学教授が主催する「ブラック企業大賞2012」では、あの東京電力を抑え1位を獲得するほどだ。 とりわけ、ワタミバッシングの急先鋒といえば「週刊文春」(文藝春秋)。6月13日号では「自民党参院候補 ワタミ渡邉美樹会長は“Mr.ブラック企業”これだけの根拠」と題し、同社のブラック度を追及。記事によれば、ワタミグループでは全社員に「理念集」という冊子が渡され、その中には「365日24時間働け」「できないと言わない」などの言葉が掲載され、勤務時間については「『成し遂げる』ことが『仕事の終わり』であり『所定時間働く』ことが『仕事の終わり』ではない」と記されているという。 同誌では元社員の「勤務時間は夕方から明け方まで12時間以上なのに、休憩は取れても30分」という証言も掲載している。 これに、渡邉氏は6月6日のTwitterで「本日の一部週刊誌記事は、明確に事実と異なる点があり弁護士を通じて対応いたします。尚、今後も事実に基づかない記事掲載等には、毅然とした対応をして参る所存です」と提訴も辞さない姿勢を見せているが、世間の持つブラックイメージは簡単に消えるものではないだろう。 事実、ワタミバッシング後の会社環境について、30代の現役社員は次のように話す。 「現場のアルバイトなんかは『また書かれてるよ~』と自虐的に話していますが、上層部はピリピリムード。報道をきっかけに、退職者も増えています」 都内の和民で働く30代男性も嘆く。 「お客さんから『おまえも大変だな。こんな会社に勤めてて』や『早く辞めたほうがいいぞ~』と小バカにされたように言われます。怒りを通り越して、情けなくなってきますよ。妻子がいるので、簡単に辞めることもできないし。かと思えば、親族や友人から『おまえ、大丈夫か』と心配されるし……。肉体面より精神的にきついです」 参院選への影響を気にしてか、6月末に同社の会長職を辞任した渡邉氏だが、週刊誌に反論する前に、現場の声に耳を傾けてはどうか。『きみはなぜ働くか。』(日本経済新聞出版社)
どこか宗教じみたワタミの渡邉美樹氏背後に女性占い師!?
――ただ今無料キャンペーン中の「サイゾーpremium」から、本日公開の最新号をいち早くお届け!!
■月刊サイゾー8月号トップニュース
『どこか宗教じみたワタミの渡邉美樹氏背後に女性占い師!?』(2013年8月号「NEWS SOURCE」より)
雑誌「サイゾー」のほぼ全記事が、
月額525円で読み放題!ただ今無料キャンペーン中! (バックナンバー含む)
■ワタミ女性社員過労死問題 2008年に、居酒屋「和民」の女性従業員が入社2カ月後に自殺。この従業員は、7日間連続の深夜勤務を含む長時間労働など過酷な労働環境に置かれていたことが明らかに。これを踏まえ、裁判所は12年2月に女性の死亡に労災適用を認定した。同社元会長の渡邉氏は、SNSで謝罪の言葉を述べたが、遺族との話し合いには応じていない。 ブラック系企業とそしりを受けながらも7月21日に投開票が行われる参議院選挙に、自民党から公認を受けて出馬を表明したワタミの元会長・渡邉美樹氏。 出馬表明をした同氏は、ブラック企業報道に対して「間違ったこと」と否定し、「『正義は勝つ』と思っています。心は揺れていません」と選挙に向けて強気の姿勢をアピールしている。 だが28日には、同社に勤めていた娘が過労死した遺族が公認撤回を要請するため、自民党本部に乗り込み、『朝まで生テレビ!』(テレビ朝日)では、同党の平沢勝栄衆議院議員が渡邉氏公認の是非について「やめたほうがいいと思う」と発言するなど、党内でも揉めに揉めていたことがわかる。(写真/江森 康之)
「実際、アベノミクスでインフレを目指す自民党が、デフレの中で成長してきたワタミと組んでは、政策的に矛盾しているといった印象を支持者に与えてしまうこともあり、党内でも反対意見はあった。ただし、今回公認を取り付けるに当たっては渡邉氏側からなんらかの見返りがあったという話もあり、これが本当なら党執行部としては公認を取り消すワケにはいかないだろう」(自民党関係者) そして、参院選公示日の7月4日、晴れて渡邉氏は自民党公認候補として出馬が認められた。 本稿執筆時は投票前ゆえ結果は定かではないが、そんな彼が、信奉するという女性占い師の存在が漏れ伝わってきた。 「その人物は、もともと平沼赳夫衆議院議員が信奉していた占い師。渡邉氏は、平沼氏とともに『たちあがれ日本』の代表を務めていた与謝野馨氏から紹介を受けたという。その人物が、彼の政界とのパイプを担っており、自身も相当ご執心なようです」(同) この占い師の影響は強く、渡邉氏は彼女の広報役としても動いているようだ。 確かに、そのブラックな実態と反して、あまりにキレイ事な「地球上で一番たくさんの ありがとう を集める」などのワタミの社是にも、どこか宗教めいたものが感じられる。果たして、占い師はどんな選挙結果を予言しているのだろうか? (編集部) 【ただ今絶賛無料キャンペーン中の「サイゾーpremium」では他にも最新号の記事を続々配信中!】 ・【山本譲二】が語るタブーな演歌!『“パンティー頬ずりしてる”吉幾三が貫いた東北訛り』 ・【石橋杏奈】「ひいき球団とのゲーム差は要チェックです」清純女優はガチ野球ファン! ・【岸明日香】昭和の歌が好きなんです。ワタミ経営の老人ホーム「ワタミの介護」にも随所に“祈り”が。
■「サイゾーpremium」とは?
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ワタミ“ブラック”批判を洞察する…「社会貢献もどき」に走る人たちが学ぶべきこと
サイゾーのニュースサイト「Business Journal」の中から、ユーザーの反響の大きかった記事をピックアップしてお届けします。
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森下悠里整形告白に、岡村隆史「顔見た時から怖いと思ってた。注射でもあかんと思う」
特定大学へ1000億ばらまきに異論噴出…大学迷走の背景に潜む、旧態依然な経営の実態
カジノ合法化、参院選後に加速の観測強まる…幅広い業態で経済波及効果の期待高まる
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ワタミ“ブラック”批判を洞察する…「社会貢献もどき」に走る人たちが学ぶべきこと - Business Journal(7月12日)
今回は「ブラック・ユーモア」を一つ。 「ソーシャル・ビジネス」の拡充を提唱する渡邉美樹氏が創業したワタミのグループ企業であるワタミフードサービスが、去る6月27日、「第2回ブラック企業大賞2013」で1位を受賞した。選ばれた理由は次のサイトに記載の通り。 http://blackcorpaward.blogspot.jp/ それにしても、渡邉氏が参議院選挙立候補を前にワタミの経営から一切手を引いたのは意味深である。 ●ソーシャル・ビジネスに自己実現を夢見る若者たち まさに、この笑えぬ笑い話は、現代の世相を反映している。 社会貢献を最大目的とする「ソーシャル・ビジネス」は、近年、若者たちに大変注目されている。資質があるかないかは別として、若者たちは「社会貢献」という言葉や概念が非常に好きである。「経済成長」を実感したことがない彼らは、「人生の最大目的は金儲けではなく社会に貢献することだ」「社会に良いことをしている人として認めてもらいたい」という思いが強い。前者が社会心理学者のアブラハム・マズローがいう自己実現欲求であり、後者が承認欲求に当たる。 そもそも、会社をつくるだけでなく、着実に成長させた、起業家ならぬ「企業家」と呼ばれる人たちは、事業を成功させることで自己実現したのだが、「ソーシャル・ビジネス」という言葉が好きな人は、社会に貢献するという行動自体で自己実現を感じているようだ。 このようなニーズをとらえてか、東京には社会起業大学なるものまでが存在する。「理事長」「学長」を名乗る人が表立って活動し、ホームページなどでは「社会起業家を育成するビジネススクール」を標榜している。 大学関係者だけでなく、社会人対象の大学院に少しでも関心のある人であれば、「ビジネススクール」と聞けば、「経営(学)大学院」を運営している「大学院大学」だと思うだろう。近年、大学院設立の規制が緩和され、株式会社型の大学院も誕生した。社会起業大学は、文部科学省が認可した大学や専門学校でないどころか、株式会社大学院でもない。実質的には、人材紹介ベンチャーのリソウル株式会社が運営しているセミナー事業である。 したがって、社会起業大学では「大学卒」や「大学院卒」の学位は取得できない。それにも関わらず、入学金や授業料は私立大学並みである。「大学」という名前がついているので、勘違いして入学してしまった人がいるのではないかと心配になるが、中を覗いてみると、本当に社会に役立ちたいという純粋な心を持つ若者たちがまじめに勉強している。 同大学は、2010年から「ソーシャルビジネスグランプリ」なる大々的なビジネスプラン発表イベントを東京都内の会場で年2回実施。今夏も「ソーシャルビジネスグランプリ2013夏」が8月4日に開催される。創業3年以上、同3年未満、社内起業などを対象に3部門の賞を決定し、審査員と一般観覧者が各部門の大賞を決定するイベントである。エン・ジャパン株式会社が特別協賛しており、最大1000万円の出資交渉権を提供している。 アカデミズムの世界では、「大学を名乗りソーシャル・ビジネス・ブームに便乗し、著名人を担ぎ出して、知名度を高めようとしている胡散臭い存在」と見ている向きも少なくない。「文部科学省も気にしている」といった声も聞く。筆者は同大学の学長に、このような見方があると指摘したことがあったが、まったく気にしていないようであり、「大学」という名称を使い続ける考えだ。 ただ、「著名人を担ぎ出している」と思われる時、気をつけなくてはならないのは、その著名人がどのようなブランドかという点である。 なんと、同大学は渡邉氏を招き「これからのソーシャル・ビジネスを語ろう!渡邉美樹 夢寺子屋 in社会起業大学」なる講演を依頼した。それだけではなく、ビジネスプランを提示した起業家の卵へのアドバイス役も頼んでいる。その様子が、夜の報道番組『ワールドビジネスサテライト』(テレビ東京系)で放送された。渡邉氏の指導を受けていた受講生は、教祖様の声をいただいたかの如く真剣そのものであった。渡邉氏の隣には社会起業大学の学長が座っていた。 この番組が放送された頃は、渡邉氏がテレビにもよく顔を出し「ベンチャーの旗手」「一代で外食チェーンを築き上げたやり手」というイメージが持続していた頃である。同大学もメディアでよく取り上げられる渡邉氏の、このイメージを活用しようとしていたのではないだろうか。 しかし、「事業を通して社会に貢献しよう」と訴えていた教祖様が、今や「ブラック企業」の権化として吊るし上げられているのだから皮肉な話だ。 ●素顔の渡邉氏は 筆者は渡邉氏にインタビューしたことがある。渡邉氏をモデルにした小説『青年社長』(角川文庫)を書いた作家・高杉良氏からも長時間、渡邉氏について話を聞いた。実は、この小説を書くに当たり、高杉氏は渡邉氏から日記を入手した。それだけに、渡邊氏の心の奥深くまで入り込めたのだろう。高杉氏の話を聞いた後に渡邉氏に会った。インタビューといっても、渡邉氏はほぼ一方的に話していた。その姿に触れ、「並外れた頑張り屋」であり、企業家に必須とされる「アニマル・スピリット」が溢れる人物であると痛感したものだ。 「外食チェーンステーキハンバーグ&サラダバー けん」などを運営するエムグラントフードサービス社長、井戸実氏 がツイッターで、ワタミへの“ブラック批判”に怒りをぶちまけ、話題になっている。 アニマル・スピリットを体現した人ゆえのアニマル・スピリット応援歌を送ったのだろう。同じ外食チェーンの大先輩であるだけに、筆が走ったのかもしれない。 筆者は、これまで対話してきた多くの著名な創業者から、同じような「溢れんばかりの情熱」を感じた。そのような情熱は「自分の理解」と「他者(従業員など)の理解」が一致したとき良い効果を発揮する。しかし、「私がやってこられたから、君にもできるはずだ」と考えたとき、実力、価値観の違う人は拒絶反応を起こす。本当の名経営者は、この点をよく理解し、行動していた。 筆者も、大学生を教えていると「この国はどうなっていくのだろうか」と心配になることが少なくない。今こそ、日本人は金太郎さんではないが「優しくて力持ち」にならなくてはならない。優しくはなってきているが、力に欠けているような気がしてならない。現在の渡邉氏には数々の問題点はあるが、氏の強調している「必死に働け論」が理解できないわけではない。そう言うと、ブラック企業を擁護しているように聞こえるかもしれないが、決してそうではない。より深く考えたい人、時間のある人には、以下の論を読んでもらいたい。 ●これからの日本に求められる人材と教育 2010年、日本はGDP(国内総生産)で中国に抜かれ世界3位になったが、いよいよ「本当に幸せな国」を目指す時代を迎えたのではないだろうか。それを実現できる企業こそ、真に価値ある組織といえよう。 「武士は食わねど高楊枝」の精神だけでは、日本、いや、世界を動かすような「愛ある経営」の実践は不可能だ。愛の実践には、しっかりとした志、計画性、そして行動力が求められる。その意味で、「社会貢献」という偽善とも思える甘い囁きで、若者を空虚な夢物語に巻き込もうとする現代的風潮は、罪深い行為といえよう。 ホスピタリティ教育の観点からも、大学(中学校・高校)では、社会貢献は絵空事ではないことを学生たちに知らしめるべきである。自らの食いぶちを見つけることもせず、「ボランティアもどき」に走る人間を大量生産する「夢物語教育」よりも、現実の厳しさを教える実学教育こそ、ホスピタリティ実践の基礎を築くのではないだろうか。これこそ「愛の鞭」と呼べよう。 「愛」という言葉からは、静的なニュアンスを感じるかもしれないが、前述の事例からも明らかなように、愛をベースにしたホスピタリティの実践には動的な「アニマル・スピリット」が必須である。だからこそ、今の日本人には「アベノミクスなどに頼らない」というほどの心意気が求められる。 戦後、焦土と化した日本から、ソニーや本田技研工業(ホンダ)といった「焼け跡派ベンチャー」が急成長しグローバル企業になった現実は、アメリカの経営学者の目には「経営史の奇跡」と映った。それがきっかけとなり、「日本的経営」の研究が始まる。米経営学者ジェイムズ・アベグレンはその成果をまとめ『日本の経営』(日本経済新聞社)として上梓した。 東日本大震災で見せた日本人の「絆」は外国の人びとに感動を与えた。それは、日本人として嬉しいことだが、お褒めの言葉に甘んじていていいのだろうか。「第二の敗戦」と言われた東日本大震災。「これで日本人も変わる」と期待した識者も少なくなかった。確かに、エネルギー問題を深刻に再考するなど、変わった部分もあるが、「創造」の意識が高まり、行動に移したとはいえない。相変わらず、諸先輩がつくった遺産にぶら下がり食っていこうとする意識に、大きな変化は見られない。そのシステムが錆びつき、「食いぶち」が少なくなってきているという厳しい現実を前にしても、誰かがなんとかしてくれると思っている節がある。今こそ、「焼け跡派ベンチャー」だけでなく、戦前に丁稚奉公から身を起こした大企業の創業者に学ぶべきではないか。 「草食系」という言葉がすっかり定着してしまったが、現在、求められているのは、決して「言われたことだけを的確にこなせるだけの人」ではない。新事業を創造できる「創職系」である。それは単に「起業家」だけを意味しているのではない。サラリーマンであっても社内に新事業を起こせる「社内企業家」、それをきっかけにグループ企業の社長に転じる人、小商いからスタートする「商売人」、さらには、就職活動に取り組もうとしている(取り組んでいる)大学生でも、「入社したら、私はこんな事業を始めたい」と自ら編み出した斬新なビジネスプランを、面接時に堂々とプレゼンできる人などを指している。 「草食系」をもじった「創職系」は駄洒落のようだが、是非とも、この言葉と概念を世の中に定着させたいものだ。筆者が考案したこの言葉が定着したときこそ、「日本人は変わった」と外国から再び注目されるようになるのではないか。ただし、利潤・時価総額の最大化のみを狙った人員削減、過度(無駄)な労働強化、部下を教育する余裕すら失う成果主義、低賃金雇用を狙った植民地型グローバル経営などに走ってはならない。一人ひとりの価値観、信念、自我を尊重しない環境では、創造性、相互信頼、共愛の関係は生まれない。「愛」を忘れた「創職系」が台頭すれば、再び「エコノミック・アニマル」の再来と揶揄されることだろう。日本企業が新事業を創造し「愛」を最大目的とする経営を展開すれば、「新日本的経営」として、外国から再び注目されるだけでなく、既存の「日本的経営」とは違った視点から尊敬の眼差しで見られるようになるだろう。 かつての大阪商人を表す言葉として「浪速のど根性」が使われた。非常に古典的な概念だが、今の日本人には何よりも「根性」が必要だ。実は「根性」にも愛が求められる。大学生と接している私は、頼りない若者を見ていると渡邉氏の言わんとするところが分からないわけではない。だが、単純な「根性論」が通じないという世論・現実も計算に入れ、発言・行動しないと、バッシングの嵐が吹き荒れる。 「ソーシャル・ビジネス」と「ブラック企業」という相反する概念が、同時に流行する今の世の中で、より深く考えれば「ベストな解」が求められそうだ。私は現在、それを研究しているところだ。 (文=長田貴仁/経営学者・ジャーナリスト) ■おすすめ記事 森下悠里整形告白に、岡村隆史「顔見た時から怖いと思ってた。注射でもあかんと思う」 特定大学へ1000億ばらまきに異論噴出…大学迷走の背景に潜む、旧態依然な経営の実態 カジノ合法化、参院選後に加速の観測強まる…幅広い業態で経済波及効果の期待高まる スマホの動画SNS、新サービス続出で広がりの予感…TwitterやFBに投稿も 広がる便利なスマホのワイヤレス充電、先行ドコモに強敵出現?早くも競争激化の予感DVD『社長 渡邉美樹』(ポニーキャニオン)








