生涯賃金で約3億の差を生むのに、就活塾ビジネスはなぜ大きくならない?

 サイゾーのニュースサイト「Business Journal」の中から、ユーザーの反響の大きかった記事をピックアップしてお届けします。 ■「Business Journal」人気記事(一部抜粋) 矢口真里不倫報道に、西川史子「結構前から噂で聞いていた。もともと夫婦関係破綻」 “加害者”家族の現実 失われる日常、自殺、退職、執拗な脅迫…広く親戚にまで影響 スマホを捨てられますか? なんとなく世間に流されている「無難な人」になっていないか!? ■特にオススメ記事はこちら! 生涯賃金で約3億の差を生むのに、就活塾ビジネスはなぜ大きくならない? - Business Journal(5月25日)
「Thinkstock」より
 数多くの大企業のコンサルティングを手掛ける一方、どんなに複雑で難しいビジネス課題も、メカニズムを分解し単純化して説明できる特殊能力を生かして、「日経トレンディネット」の連載など、幅広いメディアで活動する鈴木貴博氏。そんな鈴木氏が、話題のニュースやトレンドなどの“仕組み”を、わかりやすく解説します。  もし若者をターゲットに予備校と就活塾のどちらかを新規ビジネスとして始めるならば、どちらがビジネスとして有望だろうか? 既存の強い競争相手がウヨウヨしている予備校市場に今から参入するよりも、まだ戦う相手が少ない就活塾を新規に開業したほうが、新規ビジネスが成功する可能性は高いのでは?  普通はそう考えるところだが、実は就活塾という領域はなかなか事業化が難しい。私の本業は新規事業立ち上げのコンサルティングである。そしてこの就活塾というアイデアは、新規事業アイデアとしては、非常に多くの起業家が挑戦しようとしている分野でもある。  一見、ビジネスチャンスが大きそうなこの領域がなぜ難しいのか? この謎を、今回のコラムのテーマとして取り上げてみたい。  なぜ就活塾を起業するのが難しいのか? 先に答えを言ってしまうと、この領域はベンチャー起業家よりも、大資本に向いた領域なのだ。もしくは起業家であれば就活の当事者ではなくその親からカリスマ的に信頼されるような大物である必要がある。30歳前後の若手起業家にはとりつきにくい。理由はカスタマーの意識を変える大規模なカスタマー教育投資が必要だから。  その前振りを申し上げた上で、就活塾というビジネスチャンスについて、一緒に考えていくことにしたい。  一昔前に受験戦争という言葉があった。(選挙から派生した俗説だが)「四当五落」といって4時間しか寝ずに勉強した者が受験に合格し、5時間寝た者は試験に落ちるなどという話がまことしやかに流布されたのはこの時期である。  筆者は「受験は効率」だと合理的に考えて大学受験を乗り切ったくちだが、それでも人生であれだけの時間を勉強に費やしたのは、大学受験の時をおいてほかにはなかったと思う。  ところが当時の受験戦争は、大学に入学すればそれでおしまい。4年間無事に単位をとって就活に臨めば、それなりの就職先が待っているという、今から考えると非常にぬるい時代。それが受験戦争が存在した時代であった。  今はというと、これは皆さん実感値としてご存じの通り、就活戦争の時代である。それもバブル後の就職氷河期よりもさらに厳しい就職活動が、大学生を待ち受ける時代である。 ●大切なのに、就活は“子任せ”のワケ  ここで一見不思議なことは、中高受験や大学受験にあれほどの投資をする親が、大切な息子や娘の就活に関しては子任せという状況が、受験戦争が戦争というほどではなくなった今でもまだ続いていることである。  時代が変わったのだから、本当ならば自分の子がどこの大学に入るかではなく、どのような仕事を手にするかのほうが、子の将来のキャリアを考えると重要事項である。  さらに就活は教えることも、サポートすることもどちらも可能であると同時に、どちらも大切だ。例えば就活に成功するか失敗するかの境目は、実は行動量で差が出る。そして要求される行動量が生半可ではないから、多くの学生が途中で心が折れてしまう。伴走することで行動量が十分なレベルから減らないようにモニターしつつ、心が折れないようにケアもする。就活塾がそのような役割を果たしてくれるのであれば、その存在には意味があるはずだ。  しかし実際の世の中では、そうなってはいない。それはなぜだろうか?  簡単に言えば2つの認識が予備校市場に比べて就活塾市場を小さくとどめてしまう。ひとつは、20歳を過ぎたらもう子供ではなく大人だと親が認識してしまうこと。もうひとつは、現代の就活がここまで厳しいということを、子が就活をするようになって初めて親も実感すること。後者は就職氷河期を体験した世代が就活生の親になるまでは、口で言ってもなかなか直りそうにはない。  しかし、この親の意識を変えない限り、就活塾の市場規模は大きくならない。違う言い方をすると、就活をする本人の財布からお金を集めようとするビジネスモデルでは、就活塾市場は大きくはならない。  ここには市場創造のパラドックスが存在する。 ●生涯賃金で1〜3億の差?  ちなみに就活に成功するかどうかで、どれくらいの収入差が出るかご存じだろうか?  生涯賃金についての研究によれば、一流企業で経験を積んでキャリアアップをしていく社会人人生を送る者の生涯賃金は、3~5億円という金額レベルになる。これに対して、大卒時の就活で労働生産性の低い業界やいわゆるブラック企業に就職した場合は、正社員になったとしても生涯給与は2億円前後である。  アメリカでは大学院に行くかどうかで、生涯給与に1億円程度の差が出てくるそうだ。大学院に行く若者は、そのために1000万円にもなる授業料を数年間かけてため、そのなけなしのお金を投資して大学院に行くことを経済合理的に判断する。  ところが日本の場合、最終学歴が大学院かどうかではなく、最初の就活がどこに決まるかで生涯給与が決まる要素が大きい。とすれば、将来のための十分な投資資金は、まだ自分では準備はできていないステージにいるのが標準的な就活生ということになる。  最終的な成果が1億円単位で違ってくるならば、大学受験の予備校と同レベル、例えば100万円を投資程度の投資は絶対にしたほうがいい。アメリカ人が大学院で自己投資するよりも、はるかに投資は少ない。ところが本人にはそれを支払う資金がなく、親にはそれを支払ったほうが絶対によいという情報が足りない。  だから経済合理的には成立する(もっと言えば投資したほうがいい)就活塾に、十分な投資資金が回ってこない。  結局のところ、就活塾を成立させるには、親の財布から受講料を獲得する有効な方法を見つけ出さなければ、その市場は大きくはならない。  そのためには、親の常識を変えるために、マスメディアを活用した大規模なマーケティング施策が必要だ。ないしは、この世代の親(50代のバブル経験世代が中心)が納得するほどのカリスマが市場創造に乗り出すか、そのどちらかが必要だろう。  受験戦争の終結を宣言するとともに、就活戦争の実態を大いに知らしめ、そこで子たちが勝ち抜くために必要なものを理解させる。その下地ができて初めて、就活塾市場は市場として形成される準備ができるのである。 (文=鈴木貴博/百年コンサルティング代表取締役) ■おすすめ記事 矢口真里不倫報道に、西川史子「結構前から噂で聞いていた。もともと夫婦関係破綻」 “加害者”家族の現実 失われる日常、自殺、退職、執拗な脅迫…広く親戚にまで影響 スマホを捨てられますか? なんとなく世間に流されている「無難な人」になっていないか!? 変われない人の共通点とは?決断力より重要な「否定力」「根拠なき自信」 ヴィトンら海外ブランド大幅値上げは横暴?円安が理由はオカシイ!百貨店も驚き

10年後、税理士や事務、営業などはなくなる? デジタル失業の時代が到来

 サイゾーのニュースサイト「Business Journal」の中から、ユーザーの反響の大きかった記事をピックアップしてお届けします。 ■「Business Journal」人気記事(一部抜粋) 最近の生命保険は、顧客無視で商品ゴリ押し? 急増する乗り合い代理店に気をつけろ! 死と隣り合わせ!補修必要な高速道路10万件…国土強靭化計画でも間に合わない? 女子高生が鶏を育てて解体して食べる 「命の授業」は残酷か? ■特にオススメ記事はこちら! 10年後税理士や事務、営業などはなくなる デジタル失業の時代が到来 - Business Journal(3月4日)
「Thinkstock」より
 毎日の仕事に忙殺されて雑誌を読む間もないビジネスマン必読! 2大週刊経済誌「週刊東洋経済」(東洋経済新報社)と「週刊ダイヤモンド」(ダイヤモンド社)の中から、今回は「週刊東洋経済」の特集をピックアップし、最新の経済動向を紹介します。 「週刊東洋経済 2013/3/2号」の特集は『2030年 あなたの仕事がなくなる』。コンピュータ技術の加速度的な向上が人間にしか出来ない仕事を大きく侵食し始めたーー。米国の経済学者らが書いた『機械との競争』(エリック・ブリニョルフソン、アンドリュー・マカフィー共著/日経BP)が、米国で論争の的になっている。  リーマン・ショック後、世界的な経済危機は脱しても一向に失われた雇用が回復しない状況は、経済学者の頭を悩ませてきた。その答えは、技術の進歩が速すぎるためにコンピュータとの競争に人間が負け始めていることこそ、雇用が回復しない真の原因ではないかという、雇用喪失説の立場をとる。  コンピュータ技術やロボットの飛躍的な発展は、雇用の二極化をもたらすようになる。今までにない新しいビジネスを創ったり、感動的な音楽や文学を生み出すような直感的で創造的な仕事の領域と、高度な問題解決能力をも必要とする看護師や美容師、配管工といった反復作業ではない肉体労働はコンピュータやロボットには苦手な領域だ。  雇用はこれらの高所得を得られる創造的な職場と低賃金の肉体労働に二極化され、それ以外の中間層の仕事は急速にコンピュータに置きかえられる。それが、現在の総雇用減少の一因になっているというのだ。つまりデジタル失業の時代だ。  日本でも2005年の国勢調査「日本の人口」をもとにした『2000→2005年の職業別就業者数の増減ランキング』によれば、ソフトウエアやネットの普及の影響により、会計事務員はその1割(実数ベースで31万人)と高い就業者減少比率が見られた。商品販売外交員、事務用機器操作員なども高い就業者減少比率だ。 『機械との競争』の共著者の1人、アンドリュー・マカフィー(MITスローンスクール リサーチサイエンティスト)がインタビューに答えている。  IT革命の影響で恩恵を受けているのは高度スキルの人材だ。コンピュータ科学者やデータ科学者、プログラマーなどのハイテク分野の仕事で、アマゾンやアップル、フェイスブック、グーグルの社員は学歴もスキルも非常に高い。  一方で、コンピュータのおかげで文書事務が減ったことが一因で、事務や秘書、営業といったホワイトカラーの仕事が減っている。また、計算ソフトのおかげで、ソフト開発会社は儲かるが、会計士、税理士の需要はこの数年で8万人も減っている。  これまでは「テクノロジーは起業と雇用を生む」と考えられてきたが、テクノロジーは起業を生み出すものの、雇用は生み出さないどころか、奪おうとしてしまうのだ。  労働者が機械との競争に勝つためには、「コンピュータが得意としない学問を勉強することだ。コンピュータは創造性やイノベーションには長けていない。少ない人手で済む生産的な経済の到来に備え、社会や政府も、教育や政策を今から検討すべきだ。未来は刻々と近づいている。しかも非常に速いペースで」とアドバイスする。  一方で、新しい「仕事」はどういったものがあるか? 『part2 新しい「仕事」はどこにある?』で業界別に20年後に輝く職種を紹介している。転職支援サイト運営者によればキーワードは3つ。『IT、グローバル、環境などの社会問題』だ。  まずは、IT。インターネットにより個人の行動履歴が把握しやすくなったことで、統計学的な手法を用いて高度なデータ解析でヒット作品を予測する「データサイエンティスト」、SNSを通じて人材に直接接触する「ダイレクト・リクルーター」などだ。  次にグローバル化。2012年はサービス業の海外進出が本格化し始める転換点となった時代なのだ。  そして、環境などの社会問題。金儲けより人助け、従来とは一線を画した発想で会社を起こす「社会起業家」が増えているという。またペット向けのアロマセラピーを行なう「ペットセラビスト」や「シニア起業支援」といった日本の社会を反映したビジネスはまだまだ伸びていきそうだ。 ●デジタル失業の時代におけるビジネスのスタンダードとは?  今回の特集のなかで、今後の議論で押さえておきたい二つの考え方が出ていたので紹介したい。対談『「ワークシフト」をめぐり大激論 日本でも中間層の仕事は消え去るのか』では、グローバル化を前提に未来の働き方を説いた『ワークシフト』(プレジデント社刊)の著者リンダ・グラットン(ロンドンビジネススクール教授)と、日本人はローカルな特殊性を武器にすべきと説いた『10年後に食える仕事、食えない仕事』(東洋経済新報社刊)の著者・渡邉正裕氏という話題になったビジネス書の著者2人が日本の現状と将来をどう考えるかの激論を交わしている。  グラットン教授は「日本は先進国の中で最も同質化した国で、ユニークで興味深いが世界の人材市場は完全にグローバル化している。そういう状況は日本にも必ず影響する」として、その国にポジティブな影響をもたらす多国籍企業が、このままの日本では育たないリスクがあると指摘する。グローバル化の競争に備えた人材を、という立場だ。  一方の渡邉氏は「日本は同質化のなかでこれまで成長してきたので、この先20年もおそらく変わりにくい。一部の優秀な人以外の普通の中間層は、負けるためにわざわざ外に出て行かなくていい。閉鎖的で巨大な国内市場で戦えばいい。グローバル化すればするほど逆にグローバル化していない部分の価値も高まるはずだ」という反グローバル化のスタンスだ。  さらに渡邉氏は「たとえば、日本は失業率も欧米より低いし、犯罪も少なく安全です。そういう意味で、移民を受け入れないという方針を私は評価しています」とグローバル化と移民政策をめぐって対立の構図となっている。  途中、グラットン教授からは「何かすでに敗北をしてしまったような言い方ですね」と指摘されるほど渡邉氏の主張は、内にこもりがちな現代の若者の主張そのものだ。ただし、内にこもっていても、テクノロジーは職を奪い、さらに人口減少社会の日本は市場が縮小するために、若者たちの競争が激化するのは目に見えているのではないか? という疑問が出てくる。つまり、反グローバル化を選んでも激しい競争が待っている、また、現に起きているのではないか? という疑問だ。  渡邉氏もその直後の記事「ガラパゴス的雇用が、生きる道」で「国内市場が縮小し国内で職を得られなくなる」おそれを指摘している。その対策としては、「国内で資金が回るよう経済を盛り上げなければいけない」「必要なのは、一にも二にも競争政策だ」「政府は規制産業の既得権者たちとの戦いに勝てるかにかかっている」という論を展開する。政策となると規制改革論者の主張となるのだが、それをいうのならば、より強い同質性を構築されているのが政府と規制産業の既得権者との関係で、この部分の改革が同質性の強い日本ではできないから、この20年、不景気で国内がどうしようもなくなっているのではないか(規制改革は常に米国からの外圧・グローバル化でしか動かないのでないか)? という大きな疑問が出てくる。  大きな政策の話になるとどうも頼りなくなるのが渡邉氏のなどの内向き世代の議論なのだろうか? (文=松井克明/CFP) ■おすすめ記事 最近の生命保険は、顧客無視で商品ゴリ押し? 急増する乗り合い代理店に気をつけろ! 死と隣り合わせ!補修必要な高速道路10万件…国土強靭化計画でも間に合わない? 女子高生が鶏を育てて解体して食べる 「命の授業」は残酷か? 4つの性格別「悩みの解決法」 この言葉が出ると注意 仕事の進捗が遅れる“NGワード”