
「週刊新潮」7月19日号 中吊り広告より
グランプリ
「『女子高生』オジサン化で『B層』の社会学 適菜収」(「週刊新潮」7月19日号)
第2位
「日経新聞喜多恒雄社長と美人デスクのただならぬ関係」(「週刊文春」7月19日号)
第3位
「幸福の科学 大川隆法『性の儀式』一番弟子が懺悔告発!」(「週刊文春」7月19日号)
次点
「荒川河川敷で『ひとりじゃないの』を1人で歌った『天地真理』」(「週刊新潮」7月19日号)
注目の蜷川実花監督、沢尻エリカ主演の『ヘルタースケルター』が封切られた。
初日には雲隠れしていた沢尻が出てくるとあって、取材陣の数はすごかったようだが、始まる前から沢尻が所属する「エイベックス」から“お達し”があったのだろう、肝心の「大麻中毒」についてはどこの社も聞いていないようだ。
芸能記者が情けなく、プロダクションの飼い犬なのはよく知っているが、一人ぐらい勇気のあるレポーターはいなかったのだろうか。
スポーツニッポンは7月15日付で、こう書いた。
「今、手に入れたいものを聞かれ『透明人間になりたい。見えないくらいに』と答えた沢尻。本紙の取材では、現在決まっている仕事は『ゼロ』。CM契約も1本もなくなった。しかし、この日だけの印象で言えば、やっぱり沢尻は“イイ女”。ゼロからどう立ち上がっていくのか、楽しみだ」
イイ女なのはわかっている。沢尻がブスだったら、こんな騒ぎにはならない。不思議なのはいくつかの新聞を拾い読みしても、映画についての評価は出ていないようだ。沢尻効果で蜷川監督はあちこち引っ張りだこだったが、映画が評価されてなんぼの世界だ。
お騒がせ女を起用した蜷川の意図はまんまと当たったが、監督としての評価は上がるのだろうか。
週刊文春が報じた「大麻中毒」報道は、蜷川、沢尻側の知恵者が仕掛けたのではないか。そう勘ぐりたくもなる。スキャンダルを振りまくことでしか存在感をアピールできない女優は、今度はどんなスキャンダルで驚かせてくれるのだろうか。そこにしか、沢尻の存在価値はないのだから。
さて、新潮のワイド特集「我が人生『運命の一日』」に、久しぶりに天地真理が載っている。
白雪姫も60歳になった。横浜市内の家賃7万円のシニアマンションで一人暮らし。天地がこう語る。
「気分が悪くなったら、ボタンを押せば救急車が来るんですよ。だからここでね、余生をゆっくり過ごそうと思って……。1日500円でお弁当もつくのよ。お肉とか、お魚とか。夕方の4時半になると、フロントへ取りに行くの」
「ひとりじゃないの」「水色の恋」「ちいさな恋」で一世を風靡し、紅白歌合戦にも出場した。
34歳の時に実業家の男性と結婚して長女が生まれたが、離婚した。長女が天地の近くに住んでファンクラブの管理を行い、家賃や生活費はファンクラブの会費で賄っているという。だが、そんなにたくさんのファンがいるとは思えない。
彼女の近影が全盛期の頃の写真の下に小さくあるが、過酷だった人生が刻まれた顔である。
日本中のアイドルになった彼女に、元トルコ(今のソープランド)嬢ではなかったかというスキャンダルが出たことがある。
真偽のほどはわからないが、彼女にはほかのアイドルにはない親しみやすさがあった。なぜか彼女の歌はゲイたちに好まれ、新宿二丁目のクラブ「白い部屋」やゲイバーで「彼女」たちが手をつないで「ひとりじゃないって、素敵なことよ~」と絶唱していたことを思い出す。
新宿でお袋さんとおにぎり屋を開いたこともあったな~。
デビュー5年後に体調を崩し、徐々に芸能界からフェードアウトしてしまった。足立区に住んでいたときはアパートの壁が薄かったため、河川敷で歌っていたという。
彼女は今でもレッスンを欠かさない。アカペラで1時間半かけて、誰もいない自分の部屋で歌うそうだ。
記者にも「水色の恋」を披露してくれたそうだが、前歯が一部欠けているので時折息が抜けてしまうが、よく通る声は昔と変わらなかったという。これが惜しくも次点。
週刊文春が今週も頑張っている。「幸福の科学」大川隆法総裁の一番弟子といわれていたが、今年除名されてしまった種村修(56)が実名で告発している。これが今週の3位。
総裁に宛てた手紙にある、種村が相談を受けた元女性秘書の告白内容がすごい!
全裸になった大川総裁の足の間に、やはり全裸の彼女が正座して座り、ある行為に及ぶ。そして、こう書いている。
「総裁先生と最後まで愛し合う行為が終了したあと、総裁先生が彼女に向かって合掌して、感謝の気持ちを表現してくださるお姿を見て(省略)非常な罪悪感がこみ上げてきたそうです」
彼がこの手紙を書いたのは、「これまで総裁先生のセクハラによって信仰が傷つき、今もなお普通の生活ができないまでの心身の苦痛に陥っておられる女性が何名もいるという事実を知り、看過できない気持ちになったからです」という理由からだという。
私がフライデー編集長のとき、幸福の科学との間で大きな「もめ事」があった。
大川総裁が商社勤めをしていた時代について触れたある記事が、信者たちの怒りを買った。
講談社の社屋の1階を多くの信者たちが占拠し、編集長や社長に会わせろと要求し、それが通らないと、今度は電話とFAX攻撃に出た。
すさまじい量のFAXが流され、社業が丸二日ストップした。
毎日のように直木賞作家の景山民夫や歌手の小川知子たちが社の前をデモをして、「フライデーを潰せ」「社長は退陣せよ」とシュプレヒコールを繰り返し、ワイドショーは連日その模様を流した。
「幸福の科学」設立当初は、ゆるやかな宗教サークルのようなものだったが、数が集まってくると、ほかの新興宗教と同じように、信者に多額のお布施を教団に納めさせ、総裁の書いた本を大量に買わせることをやり出した。
一時は仲睦まじく見えた大川夫妻だったが、きょう子夫人から教団と大川総裁に対して損害賠償を求める訴訟を起こされている。
そして、今回の元一番弟子の告発である。もちろん、幸福の科学側は「事実無根」と否定しているが、末期症状を呈してきたこの教団のスキャンダルはどこまで拡がるのだろうか。
今週の文春の「スクープ撮!」は日経新聞の喜多恒雄社長(65)に刃を向けた。この記事が2位。
5月28日(月)、午前10時。新宿にある高級マンションから喜多社長が姿を現し、ハイヤーに乗り込む。
そのわずか10分後に、薄いグレーのスーツ姿の女性が現れる。
この女性は日経新聞経済部デスク(50)。彼女はニューヨーク総局の現地採用で、当時の上司が喜多だったという。
二人の姿はグラビアでも拝める。
喜多社長の会社登記簿上の住所は妻が住む鎌倉市だが、週の大半はこのマンションに住んでいるという。
女性デスクも自宅は文京区だが、喜多の住むマンションに足繁く通っているそうである。
取材班が確認しただけでも5月30日、6月3日、24日にこのマンションに泊まっているというのだ。かなり長期にわたって喜多社長の動向を張っていたことがわかる。
取材班は喜多社長にインタビューしているが、彼女が泊まったことも、情実人事をしたこともないと否定し、「だから取材不足なんだよ、君は」と真っ赤な顔で怒鳴って出て行ってしまったそうである。
社長と部下との「ただならぬ関係」といえばよくある話しだが、これが言論機関の長であり、しかも日経は文春の広告を「記事は事実に反する」と掲載拒否したというのだから、穏やかではない。さらに日経は文春側を名誉毀損で提訴するそうである。
記事を読む限り、文春も不倫関係にあるとは断定していない。だが、長たるもの部下のデスクとの特殊な関係が社内でウワサされるのは、不徳の致すところであろう。
この情報は間違いなく、社内から漏れたに違いない。訴えれば社内のゴタゴタを法廷で晒すことになりはしないだろうか。
ネット論壇誌「現代ビジネス」で元日経記者坪田知己がこう書いている。
「この問題で、恥ずかしくてならないのは、広告拒否と『本社、文藝春秋を提訴へ』という記事の掲載だ。この問題は、喜多恒雄社長の個人の素行に対する問題が主軸である。『情実人事』は組織の問題だが、素行に問題がなければ、情実人事は話題にはされないだろう。『喜多氏、文藝春秋を提訴へ』が正しい見出しであって、日経本社が一方に加担してはならない。社員や役員の不祥事が起これば、上司に呼び出され、処分が検討される。ところが、『上司がいない』社長は、会社を盾にして闘おうとする。著しい公私混同だ。なぜ、新聞社が社長という個人の盾になるのか……それが問題だ」
それにしても読売といい日経といい、大メディアのトップの良識がこれほど問われているときはないだろう。そういう意味でも、メディアの危機は深刻である。
ところで、今週の新潮には特集よりも特別読物に面白いものが多い。
惜しくも次点にはならなかったが、タイのチェンマイに高齢の日本人が多く住み、孤独死するケースが増えているという特別読物を興味深く読んだ。
もともとタイ北部の古都チェンマイは、日本人の年金生活者の長期滞在先として人気があるところだ。ロングステイ先としてはマレーシアに次いで2位で、ハワイやオーストラリアを凌いでいる。
家賃は、中クラスのコンドミニアムで日本円で約1万8,000円ほど。タイ風焼きそば「パッタイ」が100円前後、夕食を少し豪華にしても1,000円から1,500円ほどだというから、月5万円程度で暮らせるようだ。
ところが、過去4年間で年間15~20人程度だった日本人死者の数が今年は、6月までで14人になったというのだ。
3年チェンマイで暮らしていた63歳の男性が孤独死した。現地在住15年になる85歳の老人は「理想は西行のように野垂れ死に」と笑う。部屋をサイケデリックに飾っていたホモセクシュアルの71歳の男性は、死後しばらく経って発見された。蓄えがないため、脳梗塞で倒れても満足な治療を受けられずに亡くなった72歳の老人。
チェンマイの日本人関係者がこう語る。
「今後、チェンマイで日本人の孤独死が急増していくことは間違いありません。そのとき迷惑するのは周囲の人たちです。海外で暮らすなら、最後のことまで考えてもらいたい」
年金生活者のパラダイスだったチェンマイにも、超高齢社会の問題が集約された「プチ日本」が築かれつつあるようだと、筆者のジャーナリスト出井康博は結んでいる。
グランプリに推した「『女子高生』オジサン化で『B層』の社会学」はタイトルこそ悪例の見本みたいだが、筆者の適菜収(てきな おさむ)の文章はすこぶる切れ味がいい。
彼は30代後半で、フリードリヒ・ニーチェを解説する著作を発表している若い哲学者らしいが、私は知らなかった。だが、一読して面白い論客が出てきたと感じる。
B層とは、平成17年の郵政選挙の際、内閣府から依頼された広告会社が作った概念で「マスメディアに踊らされやすい知的弱者」を指す。
適菜は、渋谷で出会った「早く風呂に入って寝てぇ!」「肉が食べたい」「腰が痛い」と話しているオッサンみたいな女子高生3人の話から入る。頭はハゲかかっているのに、とにかく若く見られたくてしょうがない、気分が子どものままの大人が増えていて、しかも、それが非難されるのではなく、尊重されるような世の中になっていると“嘆く”。
そうした意味で、民主党は女子高生ようなオッサンだらけだとして、こう批判する。
「鳩山由紀夫の頭の中は、かつてのコギャルやチーマーとそれほど変わらないのではないか。(中略)鳩山はオモチャを与えられた幼児のように、わが国を振り回し、最後には放り投げた」「菅直人は、自著で独裁と反文明主義を賛美する狂人だった。自衛隊の指揮監督権を自分が持っていることも知らず、元財務大臣なのに高校生レベルの経済知識もなかった」「小沢一郎は原発事故後、秘書と真っ先に逃亡しようとしていたという。議論が苦手で癇癪を起こしたら作ったものを壊すだけ。『50歳を超えても30代に見える生き方』というアンチエイジングの本が売れているが、彼らは60歳を超えても10代に見える生き方を貫いている」
言葉が幼くなって、自分の立場をわきまえない大人の代表として、橋下徹大阪市長を評したのが、以下の箇所である。
「橋下はタレント時代に『能や狂言が好きな人は変質者』と発言している。府知事時代には文楽を見て『2度目は行かない』と述べた。文楽協会や大阪フィルハーモニー協会への補助金カット、市音楽団の廃止、中之島図書館の廃止を目指す彼は、どこに文化的な価値を見いだしているのだろうか? 橋下の好きな音楽はORANGE RANGEの『花』である。感動した小説は『いま、会いにゆきます』。好きな食べ物はラーメン。応援しているスポーツ選手は亀田興毅。一体どこの田舎の中学生か。(中略)彼の幼児性は、国家社会主義ドイツ労働党(ナチス)のアドルフ・ヒトラーと酷似している。(中略)わかりやすい正義を唱えて、『大衆の共通の敵』を作り上げ、排外主義を扇動する。市職員の『思想調査』を行い、内部告発や密告を奨励する。そして、『僕が直接選挙で選ばれているので最後は僕が民意だ』と民意による独裁を正当化する。(中略)毎日新聞の全国世論調査(6月)によると、次期衆院選比例の投票先に橋下が率いる『大阪維新の会』を選んだ人が28パーセントに上ったという。候補者が一人も決まっていないのに、全政党の中でダントツの1位。大人は総じてバカになったのである」
橋下の文化に対する幼児性を痛烈に批判したのは、赤川次郎である。
朝日新聞6月29日付の読書欄に投稿した赤川は「橋下氏、価値観押しつけるな」と題して、「大阪の橋下徹市長は大阪府立和泉高校の管理職をなぜ処分しないのだろう? 教師の口元チェックをしながら、姿勢正しく心をこめて『君が代』を歌えたはずがないのだから」と書き出し、こう続けている。
「それにしても生徒のためのものであるはずの卒業式で、管理職が教師の口元を監視する。何と醜悪な光景だろう! 橋下氏は独裁も必要と言っているそうだが、なるほど『密告の奨励』独裁政治につきものである。
府知事時代、橋下氏は初めて文楽を見て、こんなもの二度と見ないと言い放ち、補助金を削減した。曰く『落語は補助金なしでやっている』。舞台に座布団一枚あればいい落語と、装置をくみ、大勢の熟練の技を必要とする文楽を一緒くたにする非常識。客の数だけ比べるのはベートーヴェンとAKB48を同列にするのと同じだ。
文楽は大阪が世界に誇る日本の文化である。理解力不足を棚に上げ、自分の価値観を押し付けるのは、「力強い指導力」などとは全く別物である。
過去に学ぶ謙虚さを持ち合わせない人間に未来を託するのは、地図もガイドもなく初めての山に登るのと同じ。一つ違うのは、遭難するとき、ほかのすべての人々を道連れにするということである」
哲学者らしく随所に哲人の言葉を挿入しながら、意外にもオッサン女子高生たちに期待を寄せる。
「女子高生のオッサン化は、キャピキャピと浮かれ続ける醜悪な大人たちに愛想をつかしたからではないか。社会の幼児化に本能的な警戒心を抱いているからではないか。2012年版『子ども・若者白書』の原案によると、15~29歳の若者の8割以上が、わが国の将来について不安をもっているという。真っ当な現状認識だと思う。日本の将来を救うのは、むしろ現実から目を背けない女子高生たちもしれない」
この見方に私は多少違和感があるが、最後に引用しているスペインの哲学者オルテガ・イ・ガセトの言葉はいい。
「過去は、われわれが何をしなければならないかは教えないが、われわれが何を避けねばならないかは教えてくれるのである」
増税で入ってくるカネを公共事業に注ぎ込もうと企む政治家や、原発を再稼働させようと目論む電力会社、そして多くの日本人は、過去から何も学ぼうとしない。日本人はどこまでバカになるのだろう。
(文=元木昌彦)
「29週刊誌スクープ大賞」カテゴリーアーカイブ
絶頂の瞬間を激写!! オヤジにはたまらない“袋とじ”2連発

「週刊新潮」7月12日号 中吊り広告より
グランプリ
「生活保護の『元夫』に脅される家元『勅使河原茜』」(「週刊新潮」7月12日号)
第2位
「袋とじ ついにとらえた絶頂の瞬間」(「週刊現代」7月21・28日号)
第3位
「袋とじ 謎の美女YURI」(「週刊ポスト」7月20・27日号)
今週は現代とポストが合併号で420円。どちらも「お得感」を出そうとして苦心しているのがわかるが、イマイチ記事に見るべきものがない。
現代は「実名大公開!日本の大金持ち1000人」という大企画の前編がトップ。取材に手間暇かけたのはわかるが、東日本でいえば、毎度おなじみの顔ぶれがずらりと並ぶ。
1位はソフトバンク創業者の孫正義で約93億9,600万円。2位がユニクロ創業者の柳井正で約51億円。3位はパチンコメーカーのユニバーサルエンターテインメント創業者の岡田和夫で約36億円。
8位にもパチンコ・パチスロなどの遊技機大手セガサミー創業者の里見治が約23億6,000万円。パチンコ機製造大手SANKYOの創業者毒島邦雄が約21億円で11位に入っているから、不況になってもパチンコは強いことを立証している。
私の好きな競馬界からは、ディープインパクトなど良血な種牡馬を多数繋養する「社台スタリオンステーション」を持つ社台ファーム代表の吉田照哉が12位で約20億円、同じ代表の吉田勝己が約15億円で17位に入っている。
各県ごとに1位から20位まで実名で公表してあって、それなりに楽しいのだが、こちとら由緒正しい貧乏人には無縁の話である。
ポストは「橋下徹『愛人と隠し子』怪情報」のタイトルに惹かれて読んだが、案の定、怪情報のところで止まっている。
ポストによればこの数週間、このスキャンダルが流されていて、発信元は自民党で政権トップまで務めた長老だというから、森喜朗元総理あたりだろうか。内容はこうだ。
「大阪・北新地の名門クラブに勤めていた元ホステスとの間に隠し子がいる」
週刊誌お決まりの表現「事実だとすれば」大変だと、週刊誌の記者たちがウワサになった北新地の高級クラブに押しかけ、ホステスたちに聞いて回って「騒動」になったというのである。
もちろん、橋下市長側は「根も葉もない」と一笑に付す。いまや日本一顔の売れている橋下市長が女性と連れだって歩くだけで目立つのだから、愛人でもいれば隠しておけるはずもないだろう。
昔、自民党の金権腐敗を批判して飛び出し、新党をつくってブームを起こした若きリーダーがいた。
彼から直接聞いた話だが、オヤジの代から受け継いだ競走馬を新党の代表になるにあたって、みんな売り払ったという。私が、それほどまでしなくてもというと、「リーダーたる者、身辺はきれいにしておかなくてはいけないのです」と答えた。
あとで彼の側近から聞いた話だが、そのときいた彼女とも手を切ったという。
仮に、橋下市長にかつて彼女がいたとしても、政治に出るときには身辺を「始末」をしたであろう。そういう意味で小沢一郎は、自分のスキャンダルを書くのは現代と松田賢弥記者しかいないと、油断していたのだろう。
まさか、自分の妻がスキャンダルを暴露するなどとは夢にも思っていなかったに違いない。
イマイチといえば、フライデーの蒼井優の熱愛報道もやや迫力に欠けた。
彼氏だった大森南朋に電撃結婚されてしまった蒼井優(26)が、舞台や映画を中心に活躍する俳優・鈴木浩介(37)と「新しい恋」を始めたそうである。
6月中旬の某夜。東京・世田谷の庶民的な焼き肉屋に2人の姿があった。正確には蒼井のマネジャーも同席していたようだが、これはカモフラージュであろう。
蒼井が歩く横を鈴木が足早に通り過ぎて行く姿がバッチリ映っているが、持っている上着で顔を隠している。この女なんか知りませんよというフリなのだろうが、見え見えなのがおかしい。
2人のきっかけは、昨年12月の舞台『その妹』だった。
「この作品は武者小路実篤の名作で、ヒロイン役の蒼井はいつにも増して気合いが入っていました。でも、一部の評論家からは彼女の演技について厳しい意見もあったそうなんです。基本的に気が強い蒼井ですが、演技に関しては人一倍ストイックな分、批判に落ち込んでしまった。そんな時に彼女を励ましたのが、鈴木だったんです」(演劇関係者)
CMを多く抱えている蒼井は熱愛を報じられることには徹底的に注意しているようで、都心から少し離れた鈴木のマンションで会っているそうである。
今週号の文春恒例「好きな女優・嫌いな女優」で、好きなほうでは綾瀬はるかが1位で2位が吉永小百合で、蒼井は7位である。
嫌いなほうは、当然ながら沢尻エリカがダントツで、2位が泉ピン子だった。
この記事、順位を付ければ4位というところか。
さて、今週の現代、ポストのみどころはズバリ袋とじにある。まずはポストだが、謎の美女YURIを前と後ろのW袋とじにしてきた。
この欄でも以前から触れているが、このYURI、なんともいえない雰囲気をもった女性である。
かなり前から後半の見開きグラビアを使って、何気ない日常の清楚な姿と、彼女の裏の姿をなんの説明もなく載せていたが、これがじわじわ評判になったのだろう。
グラビアの中にこんな言葉が小さく書かれている。
「YURIって、誰? 日本人? ネットで調べたけどわからん。何か、異様にエロい……。あんまり脱がさないでください」
そう、やや愁いに満ちた表情と整った顔立ち、清楚な服装。
そんな彼女が部屋でオナニーをしている。納屋のようなところで下半身を露わにしているのも、オナニーの後か。あまり男の影を感じさせない女だ。
最後のページの、グラスを持ってかすかに微笑んでいる彼女を見ていると、日本ではなく中国か、東南アジア系かもしれないなと思えてくる。
グラビアアイドル界に久々に現れた大型グラドルであることは間違いない。ポストはいい女を見つけたものだ。
ポストの袋とじが3位で現代が2位なのは、「過激」さにおいて現代が優ったからである。
オーガズムを迎えると女性の体はどのような変化が現れるのか、その瞬間を撮影したとある。よくある手法ではあるが、今回は目を見張るほど過激である。
見開きに女性が2人。水沢真樹と当真ゆきとある。2人がマスターベーションを始め、だんだん絶頂を迎えていく。時間の経過とともに、閉じていた足が開き、最後は大きく開いて絶頂を迎える。
それを下半身のほうから撮っている。すごい! ヘアはもちろん、ヘアに隠れている秘所へ指を当てているところまで写っているのだ。もちろん秘所そのものは写っていないが、私のようなヘア・ヌードの元祖から見ても、なかなか刺激が強い。
次のページでは、別の女性2人が絶頂を迎えた瞬間が載っている。最後のページは、女性を絶頂に導くのは「性感脳」を開くことだとアダム徳永が話しているが、これはどうでもいい。
たしかに、こうしたものはネットの動画サイトに行けば無料で見られるが、雑誌でやるのはなかなか勇気がいることであろう。この二つの袋とじは必見である。
フライデーも現代にならって、袋とじで「『無毛』という新常識」をやっている。最初の見開きの「“世界初の無毛ドル”スペシャル撮り下ろし」がなかなかいい。輝真モアという25歳の娘だが、かわいらしくてそそる娘である。
お笑いタレントの河本準一の母親が生活保護を受給していた問題は大きな波紋を広げた。だが、そのため本当に生活に困窮している人が生活保護を申請しづらくなったり、生活保護で暮らしているために、世間から白い目で見られることが多くなっているようである。困ったものだ。
週刊朝日が片山さつき参議院議員と「ネットと愛国 在特会の『闇』を追いかけて」(講談社)を書いたジャーナリスト安田浩一との対談を載せているが、意見が対立してこれがなかなかおもしろい。
その中で安田は不正受給者の数をこう話している。
「実際は2010年度の不正受給額は約129億円と全体の0.38%に過ぎません。特殊な例を一般化して制度を厳格化してしまうと、受給すべき立場の人が受給できなくなったり、制度の枠からはみ出したりする人が、今よりさらに増えてしまうと思うんです」
木を見て森を見ずというのが今の生活保護不正受給問題だと思う。だが、それにしてもひどすぎるぜ~と思わせるのが週刊新潮の記事である。
草月流といえば、池坊、小原流と並ぶ生け花の三大流派の一つで、創設は一番新しいが、個性を尊重した自由な表現が多くの支持を受けている。
その4代目家元勅使河原茜の元夫というのが生活保護を受給しているが、その手口が度を過ぎていると書いている。
茜が夫になる風間義彦(仮名)と出会ったのは1985年頃。幼稚園教諭をやめた茜が草月で仕事を始め、遊びに行ったディスコで知り合った。カフェバーでバーテンをやっていたそうだが、インテリアに興味があると学校に通い始め、茜と同棲を始める。
2人は88年頃に結婚するが、風間の乱暴な言動に、父親の勅使河原宏は快く思っていなかったという。
そして一度離婚するが、風間にぞっこんの茜は再び結婚して、風間に金を自由に使わせていたが、2001年に再び離婚するのだから、男女の仲は一寸先は闇だ。
その後の風間は白金のマンションに住んで、知人からモノや金をだまし取ったりして暮らしていたようだが、なぜか生活保護受給者なのである。
白金のマンションは家賃11万円超だが、虚偽の家賃を記した賃貸契約書を偽造して生活保護を申請していた。偽造された契約書に記された家賃は5万3,700円。都内に住む単身生活保護受給者が受け取る住宅扶助の上限だという。
知人によれば、実家がある長野県の山林も所有しているが、2010年に養子縁組でもしたのか別姓で登記し直し、その後、風間姓に戻って生活保護の受給申請したという。
土地などの資産を持っていると、生活保護は受給できないそうである。
件の知人によれば、昨年7月に風間は勅使河原茜に屋敷の設計料だか何かの名目で金を請求したそうだ。その後、ある程度の金が勅使河原家から振り込まれたそうだが、その口座は風間の父親のものだった。風間は知人に「生活保護受給者の口座に記録が残るとまずい」と言ったそうだ。
新潮は風間が住む港区の区役所に、不正受給の件を聞いている。だが、
「縁もゆかりもない地域の土地を取得していたり、養子縁組で姓を変えて相続していたりすると、申告がないかぎりわからないですね。賃貸契約書を偽造して生活保護を受給しても、臨時の振込があっても、調査のしようがない」
と、お手上げ状態である。
こうした悪知恵を使って不正受給している輩をこそどんどん摘発するべきであろう。
生活保護は申請すれば受け付けなくてはいけないはずである。したがって、役所の窓口はできるだけ申請させないように、受給者の数を増やさないようにしている。
だから、札幌の老姉妹が孤立死したように、気の弱い、またはプライドの高い人は申請することを躊躇してしまって、こうした悲劇が繰り返される。
窓口は広くして申請をしやすくし、不正受給している人間の摘発は厳しくやることが、最後のセイフティーネットとしての生活保護のあり方ではなかろうか。
不正受給問題を昔から取り上げている新潮ならではのこの記事が、今週のグランプリ!
(文=元木昌彦)

撮影/佃太平
1945年11月生まれ。早稲田大学商学部卒業後、講談社入社。90年より「FRIDAY」編集長、92年から97年まで「週刊現代」編集長。99年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長を経て、06年講談社退社。07年2月から08年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(2006年8月28日創刊)で、編集長、代表取締役社長を務める。現「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催、編集プロデュースの他に、上智大学、法政大学、大正大学、明治学院大学などで教鞭を執る。 【著書】 編著「編集者の学校」(編著/講談社/01年)、「日本のルールはすべて編集の現場に詰まっていた」(夏目書房/03年)、「週刊誌編集長」(展望社/06年)、「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社/08年)、「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス/08年)、「競馬必勝放浪記」(祥伝社/09年)、「新版・編集者の学校」(講談社/09年)「週刊誌は死なず」(朝日新聞社/09年)ほか
絶頂の瞬間を激写!! オヤジにはたまらない“袋とじ”2連発

「週刊新潮」7月12日号 中吊り広告より
グランプリ
「生活保護の『元夫』に脅される家元『勅使河原茜』」(「週刊新潮」7月12日号)
第2位
「袋とじ ついにとらえた絶頂の瞬間」(「週刊現代」7月21・28日号)
第3位
「袋とじ 謎の美女YURI」(「週刊ポスト」7月20・27日号)
今週は現代とポストが合併号で420円。どちらも「お得感」を出そうとして苦心しているのがわかるが、イマイチ記事に見るべきものがない。
現代は「実名大公開!日本の大金持ち1000人」という大企画の前編がトップ。取材に手間暇かけたのはわかるが、東日本でいえば、毎度おなじみの顔ぶれがずらりと並ぶ。
1位はソフトバンク創業者の孫正義で約93億9,600万円。2位がユニクロ創業者の柳井正で約51億円。3位はパチンコメーカーのユニバーサルエンターテインメント創業者の岡田和夫で約36億円。
8位にもパチンコ・パチスロなどの遊技機大手セガサミー創業者の里見治が約23億6,000万円。パチンコ機製造大手SANKYOの創業者毒島邦雄が約21億円で11位に入っているから、不況になってもパチンコは強いことを立証している。
私の好きな競馬界からは、ディープインパクトなど良血な種牡馬を多数繋養する「社台スタリオンステーション」を持つ社台ファーム代表の吉田照哉が12位で約20億円、同じ代表の吉田勝己が約15億円で17位に入っている。
各県ごとに1位から20位まで実名で公表してあって、それなりに楽しいのだが、こちとら由緒正しい貧乏人には無縁の話である。
ポストは「橋下徹『愛人と隠し子』怪情報」のタイトルに惹かれて読んだが、案の定、怪情報のところで止まっている。
ポストによればこの数週間、このスキャンダルが流されていて、発信元は自民党で政権トップまで務めた長老だというから、森喜朗元総理あたりだろうか。内容はこうだ。
「大阪・北新地の名門クラブに勤めていた元ホステスとの間に隠し子がいる」
週刊誌お決まりの表現「事実だとすれば」大変だと、週刊誌の記者たちがウワサになった北新地の高級クラブに押しかけ、ホステスたちに聞いて回って「騒動」になったというのである。
もちろん、橋下市長側は「根も葉もない」と一笑に付す。いまや日本一顔の売れている橋下市長が女性と連れだって歩くだけで目立つのだから、愛人でもいれば隠しておけるはずもないだろう。
昔、自民党の金権腐敗を批判して飛び出し、新党をつくってブームを起こした若きリーダーがいた。
彼から直接聞いた話だが、オヤジの代から受け継いだ競走馬を新党の代表になるにあたって、みんな売り払ったという。私が、それほどまでしなくてもというと、「リーダーたる者、身辺はきれいにしておかなくてはいけないのです」と答えた。
あとで彼の側近から聞いた話だが、そのときいた彼女とも手を切ったという。
仮に、橋下市長にかつて彼女がいたとしても、政治に出るときには身辺を「始末」をしたであろう。そういう意味で小沢一郎は、自分のスキャンダルを書くのは現代と松田賢弥記者しかいないと、油断していたのだろう。
まさか、自分の妻がスキャンダルを暴露するなどとは夢にも思っていなかったに違いない。
イマイチといえば、フライデーの蒼井優の熱愛報道もやや迫力に欠けた。
彼氏だった大森南朋に電撃結婚されてしまった蒼井優(26)が、舞台や映画を中心に活躍する俳優・鈴木浩介(37)と「新しい恋」を始めたそうである。
6月中旬の某夜。東京・世田谷の庶民的な焼き肉屋に2人の姿があった。正確には蒼井のマネジャーも同席していたようだが、これはカモフラージュであろう。
蒼井が歩く横を鈴木が足早に通り過ぎて行く姿がバッチリ映っているが、持っている上着で顔を隠している。この女なんか知りませんよというフリなのだろうが、見え見えなのがおかしい。
2人のきっかけは、昨年12月の舞台『その妹』だった。
「この作品は武者小路実篤の名作で、ヒロイン役の蒼井はいつにも増して気合いが入っていました。でも、一部の評論家からは彼女の演技について厳しい意見もあったそうなんです。基本的に気が強い蒼井ですが、演技に関しては人一倍ストイックな分、批判に落ち込んでしまった。そんな時に彼女を励ましたのが、鈴木だったんです」(演劇関係者)
CMを多く抱えている蒼井は熱愛を報じられることには徹底的に注意しているようで、都心から少し離れた鈴木のマンションで会っているそうである。
今週号の文春恒例「好きな女優・嫌いな女優」で、好きなほうでは綾瀬はるかが1位で2位が吉永小百合で、蒼井は7位である。
嫌いなほうは、当然ながら沢尻エリカがダントツで、2位が泉ピン子だった。
この記事、順位を付ければ4位というところか。
さて、今週の現代、ポストのみどころはズバリ袋とじにある。まずはポストだが、謎の美女YURIを前と後ろのW袋とじにしてきた。
この欄でも以前から触れているが、このYURI、なんともいえない雰囲気をもった女性である。
かなり前から後半の見開きグラビアを使って、何気ない日常の清楚な姿と、彼女の裏の姿をなんの説明もなく載せていたが、これがじわじわ評判になったのだろう。
グラビアの中にこんな言葉が小さく書かれている。
「YURIって、誰? 日本人? ネットで調べたけどわからん。何か、異様にエロい……。あんまり脱がさないでください」
そう、やや愁いに満ちた表情と整った顔立ち、清楚な服装。
そんな彼女が部屋でオナニーをしている。納屋のようなところで下半身を露わにしているのも、オナニーの後か。あまり男の影を感じさせない女だ。
最後のページの、グラスを持ってかすかに微笑んでいる彼女を見ていると、日本ではなく中国か、東南アジア系かもしれないなと思えてくる。
グラビアアイドル界に久々に現れた大型グラドルであることは間違いない。ポストはいい女を見つけたものだ。
ポストの袋とじが3位で現代が2位なのは、「過激」さにおいて現代が優ったからである。
オーガズムを迎えると女性の体はどのような変化が現れるのか、その瞬間を撮影したとある。よくある手法ではあるが、今回は目を見張るほど過激である。
見開きに女性が2人。水沢真樹と当真ゆきとある。2人がマスターベーションを始め、だんだん絶頂を迎えていく。時間の経過とともに、閉じていた足が開き、最後は大きく開いて絶頂を迎える。
それを下半身のほうから撮っている。すごい! ヘアはもちろん、ヘアに隠れている秘所へ指を当てているところまで写っているのだ。もちろん秘所そのものは写っていないが、私のようなヘア・ヌードの元祖から見ても、なかなか刺激が強い。
次のページでは、別の女性2人が絶頂を迎えた瞬間が載っている。最後のページは、女性を絶頂に導くのは「性感脳」を開くことだとアダム徳永が話しているが、これはどうでもいい。
たしかに、こうしたものはネットの動画サイトに行けば無料で見られるが、雑誌でやるのはなかなか勇気がいることであろう。この二つの袋とじは必見である。
フライデーも現代にならって、袋とじで「『無毛』という新常識」をやっている。最初の見開きの「“世界初の無毛ドル”スペシャル撮り下ろし」がなかなかいい。輝真モアという25歳の娘だが、かわいらしくてそそる娘である。
お笑いタレントの河本準一の母親が生活保護を受給していた問題は大きな波紋を広げた。だが、そのため本当に生活に困窮している人が生活保護を申請しづらくなったり、生活保護で暮らしているために、世間から白い目で見られることが多くなっているようである。困ったものだ。
週刊朝日が片山さつき参議院議員と「ネットと愛国 在特会の『闇』を追いかけて」(講談社)を書いたジャーナリスト安田浩一との対談を載せているが、意見が対立してこれがなかなかおもしろい。
その中で安田は不正受給者の数をこう話している。
「実際は2010年度の不正受給額は約129億円と全体の0.38%に過ぎません。特殊な例を一般化して制度を厳格化してしまうと、受給すべき立場の人が受給できなくなったり、制度の枠からはみ出したりする人が、今よりさらに増えてしまうと思うんです」
木を見て森を見ずというのが今の生活保護不正受給問題だと思う。だが、それにしてもひどすぎるぜ~と思わせるのが週刊新潮の記事である。
草月流といえば、池坊、小原流と並ぶ生け花の三大流派の一つで、創設は一番新しいが、個性を尊重した自由な表現が多くの支持を受けている。
その4代目家元勅使河原茜の元夫というのが生活保護を受給しているが、その手口が度を過ぎていると書いている。
茜が夫になる風間義彦(仮名)と出会ったのは1985年頃。幼稚園教諭をやめた茜が草月で仕事を始め、遊びに行ったディスコで知り合った。カフェバーでバーテンをやっていたそうだが、インテリアに興味があると学校に通い始め、茜と同棲を始める。
2人は88年頃に結婚するが、風間の乱暴な言動に、父親の勅使河原宏は快く思っていなかったという。
そして一度離婚するが、風間にぞっこんの茜は再び結婚して、風間に金を自由に使わせていたが、2001年に再び離婚するのだから、男女の仲は一寸先は闇だ。
その後の風間は白金のマンションに住んで、知人からモノや金をだまし取ったりして暮らしていたようだが、なぜか生活保護受給者なのである。
白金のマンションは家賃11万円超だが、虚偽の家賃を記した賃貸契約書を偽造して生活保護を申請していた。偽造された契約書に記された家賃は5万3,700円。都内に住む単身生活保護受給者が受け取る住宅扶助の上限だという。
知人によれば、実家がある長野県の山林も所有しているが、2010年に養子縁組でもしたのか別姓で登記し直し、その後、風間姓に戻って生活保護の受給申請したという。
土地などの資産を持っていると、生活保護は受給できないそうである。
件の知人によれば、昨年7月に風間は勅使河原茜に屋敷の設計料だか何かの名目で金を請求したそうだ。その後、ある程度の金が勅使河原家から振り込まれたそうだが、その口座は風間の父親のものだった。風間は知人に「生活保護受給者の口座に記録が残るとまずい」と言ったそうだ。
新潮は風間が住む港区の区役所に、不正受給の件を聞いている。だが、
「縁もゆかりもない地域の土地を取得していたり、養子縁組で姓を変えて相続していたりすると、申告がないかぎりわからないですね。賃貸契約書を偽造して生活保護を受給しても、臨時の振込があっても、調査のしようがない」
と、お手上げ状態である。
こうした悪知恵を使って不正受給している輩をこそどんどん摘発するべきであろう。
生活保護は申請すれば受け付けなくてはいけないはずである。したがって、役所の窓口はできるだけ申請させないように、受給者の数を増やさないようにしている。
だから、札幌の老姉妹が孤立死したように、気の弱い、またはプライドの高い人は申請することを躊躇してしまって、こうした悲劇が繰り返される。
窓口は広くして申請をしやすくし、不正受給している人間の摘発は厳しくやることが、最後のセイフティーネットとしての生活保護のあり方ではなかろうか。
不正受給問題を昔から取り上げている新潮ならではのこの記事が、今週のグランプリ!
(文=元木昌彦)

撮影/佃太平
1945年11月生まれ。早稲田大学商学部卒業後、講談社入社。90年より「FRIDAY」編集長、92年から97年まで「週刊現代」編集長。99年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長を経て、06年講談社退社。07年2月から08年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(2006年8月28日創刊)で、編集長、代表取締役社長を務める。現「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催、編集プロデュースの他に、上智大学、法政大学、大正大学、明治学院大学などで教鞭を執る。 【著書】 編著「編集者の学校」(編著/講談社/01年)、「日本のルールはすべて編集の現場に詰まっていた」(夏目書房/03年)、「週刊誌編集長」(展望社/06年)、「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社/08年)、「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス/08年)、「競馬必勝放浪記」(祥伝社/09年)、「新版・編集者の学校」(講談社/09年)「週刊誌は死なず」(朝日新聞社/09年)ほか
小沢一郎に続く‟怒れる妻”スクープ! 元国税庁長官に脱法重婚&脱税疑惑

「週刊朝日」7月13日号
グランプリ
「正妻が告発! 元国税庁長官に脱税疑惑『脱法重婚』で妻2人」(「週刊朝日」7月13日号)
第2位
「原一億円恐喝事件で『中畑清DeNA監督が元暴力団員を仲介した』」(「週刊文春」7月5日号)
第3位
「有名80社『夏のボーナス』実はこれだけもらってました」(「週刊ポスト」7月13日号)
このところ、興味深いといっては失礼だが、事件や報道が多い。
「芸能プロダクション「イエローキャブ」社長の帯刀(おびなた)孝則さん(58)が28日午後、事務所内で首をつっているのを社員が見つけた」(asahi.comより)
動機は、経営状態の悪化を苦にしてのものだったといわれているが、一時は隆盛を誇ったプロダクションだけに、感慨深いものがある。
6月29日の夜、反原発を旗印に数万人が首相官邸を取り囲んだが、そのデモの直前、こういう報道が流れた。
「大麻樹脂と乾燥大麻を自宅に隠し持っていたとして、近畿厚生局麻薬取締部神戸分室が兵庫県西宮市苦楽園一番町のヨガ講師、山本利華容疑者(48)を大麻取締法違反(所持)容疑で現行犯逮捕していたことがわかった。捜査関係者が明らかにした。山本容疑者は脱原発運動で知られる俳優の山本太郎さん(37)の姉で、容疑を認めているという。(中略)『脱原発運動や更年期障害で疲れ、気分を和らげるために使った』と供述しているという」(asahi.comより)
「わかった」とあるから、逮捕されたのは少し前なのだろう。山本太郎はこの日のデモの主役の一人である。意図的なデモ潰しのための、警察側の情報リークではないのか。
同じ日の朝日新聞朝刊が、社会面トップで「インターネット掲示板『2ちゃんねる』が覚醒剤の購入をあおる書き込みを放置したとされる事件で、掲示板の運営会社とされるシンガポールの会社が、2ちゃんねるとは無関係のペーパー会社だったことが、同社関係者への取材でわかった」と報じた。
警視庁は、麻薬特例法違反(あおり、唆し)幇助(ほうじょ)の容疑で、2ちゃんねるの国内の関係先を家宅捜索していた。だが創設者で元管理人の西村博之は2009年1月に同社をシンガポールにある「パケット・モンスター」社に譲渡したと発表して、2ちゃんねるとは無関係だと言っていたが、そのいい分が崩れたことになる。
この情報源も警察筋だろうが、西村の最大の危機であることは間違いない。
さて、今週の第3位はポストの「夏のボーナス」の記事。
経団連がまとめた東証1部上場企業の今期の妥結状況を見ると、平均給与額は77万2,000円あまりで、前年より率で3.54%、金額で2万8,380円の減と、3年ぶりのマイナスになった。
東京電力は、当然ながら昨夏の組合平均40万1,000円がこの夏は支給なし。昨夏より19万1,000円ダウンしたのはソニー。
自動車では、日産自動車、マツダ、ホンダが昨夏よりダウン。中でもマツダは他社に比べて海外生産比率が低く、円高の影響をもろに受けてしまった。
積水ハウスは大震災や電力供給不安による特需を追い風にして14万3,900円のアップ。
テレビでは視聴率で低迷するフジテレビだが、ボーナスは気前がよく昨夏より1.8%アップの約140万円。
金融界も景気がよく、三菱東京UFJ銀行は40代前半の支店課長クラスで前年比5%アップの230万円前後。三井住友銀行も40代前半の支店課長クラスで約220万円だそうである。
もっと驚くのは商社で、三菱商事は30代前半で約350万円、40代課長で約480万円。
この中で、おやっと思わされるのはJALとANAのボーナスの差である。
JALが約67万、ANAが約39万円。JALは大規模なリストラで業績が回復したためだというが、投入された膨大な公的資金はまだ返していないし、税金さえ払っていないのだ。
株券を紙切れにして多くの株主に迷惑をかけたのに、近々上場する話まである。浮かれるのが、ちと早過ぎはしないか。儲けたカネは運賃を安くしてお客に還元する、という姿勢を見せるべきではないか。ANAの人間たちは怒りをもって見ているに違いない。
今週の2位は、原巨人軍監督の1億円恐喝事件を追い続ける文春の第2弾である。
「実は原の恐喝の前に、HとKは中畑に相談しとるで。中畑はKのことを“おやっさん”と慕っていたから、Kが恐喝の仲介を頼んだんや。そしたら中畑は『野球選手は二千万円か三千万円しか持っていませんよ』と言いながら、原の携帯番号を教えてくれたそうや。ワシが09年の時に新宿にある中畑の事務所『ドリームきよし』に電話を入れて、恐喝のことを聞いたら、担当者が『その件はKさんに一切お任せしています』と言うとったで。つまり認めたっちゅことや」
原辰徳巨人軍監督が、元暴力団員Kと現役暴力団員Hに1億円を払っていたという先週の文春のスクープは、原監督もその事実を認めてコメントを発表。読売巨人軍も払った相手は「反社会勢力に属する者ではない」としながらも認めたことで、大新聞やテレビまでが大きく報じた。
今週は、2009年4月に、恐喝したHの兄貴分を名乗る元暴力団組長・山本正志(仮名)が、巨人軍の球団事務所と原に脅迫行為を続けて逮捕されたが、その山本にインタビューして、上記のような発言を引き出している。
スキャンダルは今期から「横浜DeNAベイスターズ」を率いている元絶好調男・中畑清監督にも飛び火し、球界全体を巻き込む大騒動となってきた。
しかも、事情を知る関係者の話としてこう書いている。
「中畑は原の携帯番号を教えただけではなく、実際に原と面談したと聞いています。K側は06年8月末に巨人の遠征先の熊本のホテルで、原に一億円を要求しましたが、それ以前に原監督と中畑監督の間でやりとりがあったようです。週刊文春の記事の金銭要求の場面で、K側の人物が指を一本突き出し、原が『一千万円ですか』と聞き、K側が『桁が一つ違う』と答えていますが、あのやり取りは実は原と中畑の間で交わされたものだったそうです」
これが事実とすれば、爽やかな人柄で人気のある中畑の致命傷になる。
文春によれば、中畑とKの出会いは今から約20年前だという。中畑が現役を引退して新宿で焼き肉店をやっていたときに知り合い、のちにKの息子が中畑と同じ駒澤大学に入り、親しくなっていった。
中畑は記者の問いかけに、Kは知っているし、彼がやっている旅館に行ったことは認めたが、事件については「まったく分からない話だ。もう勘弁してくれ」というだけだった。
6月20日に静岡県伊東市にあるゴルフコースで、Kが経営する旅館の7周年記念ゴルフコンペが開かれた。
演歌歌手の山川豊、鳥羽一郎、山本譲二なども顔を揃え、会場に届けられた花輪の中には中畑清のものもあった。
警察当局は「被害届さえ出れば捜査に乗り出したい」と言っているそうだ。文春はこう結んでいる。
「真実解明のため、巨人側は公訴時効を迎えていない06年の恐喝事件の被害届を警察当局に提出すべきではないか」
Kが元暴力団であることは、6月21日付の朝日新聞のインタビューで本人も認めている。しかし、金を払った相手が暴力団であった場合、野球協約180条に違反し、原の野球人生は断たれてしまうため、巨人側は反社会的勢力の人間だと認めるわけにもいかず、被害届を出すこともできないのではないかと文春は推測する。
また、先週の文春が発売される3日前に、読売巨人軍が文春の広告差し止めの仮処分を東京地裁に申し立てていたことを明らかにしている。
結局、19日になって読売側が申し立てを取り下げたが、こうした言論機関の「言論圧殺行為」に対して、田島泰彦上智大学教授はこう批判している。
「言論機関が事前の差し止めを法的に求めた、という事例を私は聞いたことがありません。これは言論機関の自殺行為です。今回は広告に関する差し止めですが、広告に掲載される見出しの表現も言論と一体のもの。雑誌と広告を分けて考えること自体、無理がある」
読売新聞には、原発を日本に持ち込んだ正力松太郎、白紙でも新聞を売ってみせると豪語した務台光雄という超ワンマンがいた。
務台が選んだ後継者・渡邉恒雄も二人を忠実に見習い、自分に逆らう人間を排除してナベツネ王国を築き上げたが、もはや瓦解寸前、いや、崩壊していると見るべきだろう。
私は昔、務台が会長のとき、もはや老害になってしまった務台はやめるべきだという記事を月刊現代でやって、読売社内が大騒ぎになったことがある。
これと同じことを、今の渡邊主筆にも言いたい。
週刊朝日で、今回の原スキャンダルのネタ元ではないかと疑われている清武英利元巨人軍GMが、鳥越俊太郎との対談の中で、こう語っている。
「今、読売社内では、多様性は認められず、渡邊社論のみです。やっぱり表現の自由って言論機関としてはいちばん大事なことじゃないですか。権力の監視というのも、とっても大事なこと。ところが権力の監視どころか、読売自体が権力になってしまっている」
今週のグランプリは久々に朝日がやってくれたスクープに贈りたい。
脱税疑惑を指摘されているのは大武健一郎(65)。財務省主税局と国税庁で一貫して税制改革に携わり、「税と社会保障の一体改革」と「国民総背番号制」を唱え、今の消費増税案の礎を築き上げ、国税庁長官にまで上り詰めた御仁で、告発したのはその妻・満里子(61)である。
大武は05年7月に国税庁長官を退官し、数々の天下りを経て、メディアにも出ている財務省の大物OB。
満里子はこう訴える。
「夫は退官後も公人です。公人の妻として、税金を払ってくださっている国民の皆さまに今、真実を知って頂くのは、私に与えられた責務だと思いました。手帳、通帳、確定申告などを調べた結果、官僚時代に給与外所得(講演料、原稿料等)を数百万円も過少申告し、“脱税”していました。さらに職権を乱用し、先輩である歴代の財務事務次官、国税長官の方々の年収を調べたり、愛人にせがまれるまま人事情報を漏洩したりし、公僕にあるまじき行為をしていたのです」
妻が言うには、大武は結婚以来、預金通帳や給料明細を一切見せず、収入の一部を現金で手渡してきたという。
長女が20歳になり、区役所から国民年金を納付するよう連絡が来たとき、大武は繰り返しこう言ったという。
「国民年金なんか払うな。将来は破綻してもらえないから損をする。俺は厚生省で年金のスペシャリストだったんだぞ」
この発言だけで罪万死に値する。
妻が退職後に公務員住宅を出て住む家を探そうとしたところ、預金が財形貯蓄の500万円しかなかったことがわかり、それを問い詰めると、彼女に馬乗りになり首を絞めたという。
そして07年1月以降は、1度も帰宅しなくなってしまった。
09年9月に満里子が大武の部屋を片付けているとき、12冊の黒い手帳を見つけた。そこには講演料、勉強会謝礼など給与外所得と思われる記述があった。
それによると、92年から94年の3年間だけで1,000万円近くの“脱税”をしていた疑いが濃厚だという。
藤井裕久、安倍晋三、松本龍などの政治家からの金額も書いてあり、朝日が取材してみると、松本議員は事務所を通して「大武氏へ10万円を現金で払ったのは事実です。(中略)勉強会のお車代だと思います」とコメントした。
ほかにも、主税局の有力な天下り先である税理士団体から「副収入」を得たかのような記述が並んでいた。
お定まりのように、この金を大武はA女という51歳の彼女に使っていたのだ。妻がこう語る。
「手帳を解読した結果、A女と夫との交際は86年以降、1,700回以上も記され、A女に対し、11年間で計3,800万円以上の飲食費、宿泊代などの出費があったと記されていました。(中略)夫の使途不明金の多くが彼女へ流れていたのです」
大武は家を出てからA女と暮らしているのかと、妻は思っていたが、自分の父親が住んでいた実家で別の女性と暮らしていることがわかったという。
それも07年4月には彼女を父親の養女にして、1年半後に父親が死ぬと実家を相続させていたのだ。
妻はこれを「脱法的な重婚」だと難じている。離婚が成立していないために考え出したやり方なのだろう。自宅を訪ねた記者にその女性は「妻です」と言い切ったそうだ。
直撃した朝日に対して、大武は弁護士と現役国税職員を引き連れて取材に応じた。
講演料などの雑所得と確定申告された額が数百万も違うが、脱税ではないのかと問う記者にこう答える。
「僕は現役中はビタ一文、謝礼はもらっていない。でも、講演料がいくらか主催者に聞き、将来、講演で自活するための参考資料として手帳に書いた。すべて僕の妄想だ」
車代だとお金をわたしたことを認めた国会議員がいたと話すと、同席した国税職員が身を硬くしたそうだ。
泣く子も黙る国税庁長官の実態が分かって、すこぶる面白い記事である。
小沢一郎の妻・和子の「離縁状」といい、今回のケースといい、げに恐ろしきは妻である。小沢も言ってはならないひと言「お前とはいつでも別れられるが、あいつ(長年付き合ってきた愛人=筆者注)とは別れられない」と言ったばかりに、人間としてだけではなく政治家としても「失格」であることを暴露されてしまった。
おのおのがた、くれぐれも気をつけよう「暗い夜道と妻の口」である。
(文=元木昌彦)

撮影/佃太平
1945年11月生まれ。早稲田大学商学部卒業後、講談社入社。90年より「FRIDAY」編集長、92年から97年まで「週刊現代」編集長。99年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長を経て、06年講談社退社。07年2月から08年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(2006年8月28日創刊)で、編集長、代表取締役社長を務める。現「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催、編集プロデュースの他に、上智大学、法政大学、大正大学、明治学院大学などで教鞭を執る。 【著書】 編著「編集者の学校」(編著/講談社/01年)、「日本のルールはすべて編集の現場に詰まっていた」(夏目書房/03年)、「週刊誌編集長」(展望社/06年)、「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社/08年)、「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス/08年)、「競馬必勝放浪記」(祥伝社/09年)、「新版・編集者の学校」(講談社/09年)「週刊誌は死なず」(朝日新聞社/09年)ほか
ジャイアンツ原監督とナベツネ・清武を巡る泥仕合「巨人軍は球界の紳士たれ」の空しさ
グランプリ 「巨人原監督が元暴力団員に一億円払っていた!」(「週刊文春」6月28日号) 第2位 「総力取材 薬物汚染地図」(「週刊現代」7月7日号) 第3位 「ブータン 幸せの裏側」(「AERA」7月2日号) 次点 「西久保愼一スカイマーク社長『顧客の苦情を受け付けない経営哲学』」(「週刊現代」7月7日号) AKB48人気が過熱する中、AKB48がらみの事件が6月25日付の朝日新聞夕刊に載った。 AKB48の握手券を売るといって女子高校生から3万6,000円詐取した容疑で16歳の少年が逮捕。4月にAKB48の握手会の会場でメンバーの写真約500枚を奪った事件で、ファンの少年ら2人が新たに逮捕された。 握手するのも、総選挙に投票するのも金、金、金というAKB48商法が、こうした犯罪を招く一因になっていることは間違いないのではないか。 もっと奇っ怪な事件が同じ夕刊に載っていた。 「東京都杉並区のライブハウスで、芸術家の男性が手術で切り取った自分の性器を調理し客に食べさせるイベントが開かれた問題で、杉並区が25日、この男性らを警視庁にわいせつ物公然陳列などの容疑で告発することが、捜査関係者らへの取材でわかった。捜査関係者などによると、イベントは5月13日夜に開催。入場料は4,000~4,500円で、インターネットを通じて71人の客が集まった。舞台上で男性が調理した性器が提供され、希望者5人が別料金2万円を支払い試食し、食べ残しを3,000円の料金で持ち帰った客も数人いたという」 当夜の客たちにぜひ週刊誌が直撃インタビューしてほしいものである。 ところで、今年はLCC(格安航空会社)元年といってもいいだろう。今年3月にANA系列で関西空港を拠点とするピーチ・アビエーションが就航し、7月にJAL系列のジェットスター・ジャパン、8月からANA系列のエアアジア・ジャパンが就航する。 エアアジアは成田と新千歳、福岡、沖縄便が8月から、10月から韓国・釜山、仁川便が飛び始める。一番安い成田-新千歳が4,580円で、予約が埋まってくるに従って上がって行くシステムである。 LCCというと座席が狭い、サービスが悪い、何だかんだと別料金を取られて、結局大手航空会社とたいして変わらないのではないか、というイメージが流布されているようだ。 5月末には国内のこの業界のパイオニアであるスカイマークが利用者に配った「サービス・コンセプト」が大きな論議を呼んだ。「機内での苦情は一切受け付けません」などとあり、批判が噴出したため、スカイマークはあわてて引っ込めた。 不満のあるお客は消費生活センターに連絡しろと書いて、東京都の消費生活総合センターからも撤回を指示されてしまった。 そのスカイマークの西久保社長が現代で、「批判されてもあえて言い続ける」と自分流の経営哲学について語っている。これが今週の次点。 「われわれは、JALやANAといった大手と運賃競争をするために世に出てきたベンチャーです。最大のサービスは運賃の安さ。客室乗務員が愛想笑いを浮かべながら提供する表面的なサービスより、運賃で勝負しようというスタンスで経営をしてきました。第一、われわれはサービス業者ではなく輸送業者です。『運賃以外のサービス』と言ってもおのずと限度があります。平たく言えば、新幹線に乗車したときに受けるサービスをイメージしてもらえたらなと思うんです」 しつこくクレームをする客には、他の客に迷惑になるし運行にも影響するから、「だからそういうときには当然、かなり強い口調で『出て行ってください』と言います」と言い切る。 飛行機を降りた後でもクレームを続ける客がいると、係員がその客に占有されてしまうし、次のフライトまでの時間が他社に比べて15分ほど短いから、ヘビークレームに対応する余裕がないのだとも話している。 コストもサービスも切り詰め、安いのだから文句をいうなというコンセプトが、他国ならいざ知らず、日本の乗客に受け入れられるのだろうか。 ちなみに今年8月から運行を始めるANA系列のエアアジア・ジャパン岩片和行社長は、ビジネス情報誌「エルネオス」の私のインタビューでこう答えている。 「われわれはまったく逆のことを考えていて、余計な人手が必要になったりコストがかかったりということでない限りは、精一杯お客様に楽しんでいただくのがわれわれの基本ですから、乗って楽しい、おもしろい、思い出に残る、いっしょに元気になれる、そういうサービスができないかなと考えています。もちろん第一義的にわれわれがやらなければならないのは、コストを下げて安い値段で提供して利益を出すことです。だけど安いだけでは消費者は関心をもってくれません。コストをかけずにどうやって付加価値を高めるか、会社としての企業価値は尽きるところ人だと思います。私たちは折り返し時間も限られていて機内も広いわけではないし、お客様にも協力していただかなければならないこともたくさんあります。だから大手と同じようにできることもあればできないこともある。だけどもそれと無駄なサービスはしなくてもいいという発想を持つのはまったく違います。われわれは機内でどうやってお客様に楽しんでいただこうかということに知恵を絞る。エアアジアって他とは違うんだという印象を持って帰っていただいて、初めてリピーターが得られるんです」 この言葉を西久保社長はどう聞くのか。 第3位は少し趣を変えて、世界一幸福度が高い国ブータンのルポルタージュである。 私はこういう記事が好きだ。AERAの記者が20日間ブータンにいて取材をしたという。 人口70万人。大家族で、みんなで助け合う生活をし、来世でも人間に生まれ変わるために日々お祈りするブータンを、日本人の多くは古き良き伝統が残った国と評価するが、この国も消費経済の波が押し寄せ、貧富の格差は広がり、インターネットの普及により、他国の生活にあこがれる若者たちが増えているというのだ。 ブータンの首都ティンプーは住宅建設ラッシュと急増したクルマによる渋滞でのどかなイメージがないと記者は書いている。 しかもクルマも住宅もローンで買うから、政府はこの4月に新規ローンの凍結を命じた。 「ブータンでは貨幣経済が一気に浸透してしまったので、人々がお金についての知識をまだ十分に身につけていないのです。また、ブータン人は来世を信じ死を身近に感じるからこそ今を明るく楽しむという姿勢がある。そのためローンを気軽に借りることにつながってしまったのではないでしょうか」(現地に住む高橋孝郎) 核家族を好む世代も増え、プライバシーを保ちたいために親とは一緒に住まない若い世代も増えているようだ。都市の人口の増加、都市と農村の貧富の格差。 医療費は無償だが、ティンプーの国立総合病院では毎朝7時頃から200人もの列ができ、それがいやならお金を払えと、待ち時間のない窓口が病院内にできたそうだ。高額なプライベートクリニックも近く市内にできるそうだが、この開設には元政府高官が関わっているという。 王立ブータン研究所が10年に実施した国民の意識調査によると「幸せ」と定義された人は41%しかいなかったという。以前の国勢調査とは調査方法が違うので単純比較はできないが、やはり10年の調査で87.8%が「この数年で大多数のブータン人が、物質的な豊かさに関心を持つようになった」そうである。 またブータンには全国で180人余りの医師がいるそうだが、小児科医は7人だけで、機器も不足していると指摘するのは国立総合病院に勤務する西澤和子だ。 ブータンは貿易のほとんどをインドに頼っているため、貿易赤字が拡大してインドルピーが足りなくなりインフレが始まっている。 ブータンも市場経済と無縁ということはなく、その波の中でブータンの国民総幸福量(GNH)がどうなっていくのか、心配ではある。 月曜日(6月25日)の7時のNHKニュースでも取り上げていたが、脱法ドラッグの問題が深刻である。 現代が薬物汚染地図なる大特集を組んでいるが、時宜を得た企画で2位に選んだ。 なかでも2章目の「売人と警察の戦い」と3章の「クスリにはまっているこれがサイン」が興味深い。 新橋駅前のSL広場を抜けた雑居ビルの一室に「“ハーブ”“お香”“アクセサリー”の店」という看板がかけられた3坪ほどの店がある。 ショーケースには3センチ×4センチほどの小袋が何種類も並び、価格は3グラムで4,000円。従業員が勧めるのはハーブという、一見タバコの葉のような香草に薬物を付着させた「合法ドラッグ」で、ナチュラル系は大麻、ケミカル系は覚せい剤やコカインに似た効果があるという。 この脱法ドラッグが大流行し、使用者が引き起こす事件も急増している。 5月11日には東京・渋谷区で脱法ドラッグを使って錯乱状態になった男が路上で女性に飛びかかり、搬送先の病院で5日後に死亡。 5月25日には、大阪市内のアーケードなどで、クルマで6件の当て逃げひき逃げを起こした男の尿から脱法ドラッグが検出された。 警視庁関係者によると、1月1日から5月31日までで脱法ドラッグの使用が原因で85件、110人の110番要請があったという。 脱法ドラッグとは、植物片に合成カンナビノイドなどの化学物質を付着させたドラッグで、紙タバコのようにして吸うが、なかには大麻の50倍も効くものもあるというのだ。 国立精神・神経医療研究センター依存性薬物研究室の船田正彦室長はこういう。 「現在、合成カンナビノイドは100種類以上ありますが、体内から検出されにくいものが多く、中毒を起こしても、医療機関が必ずしも適切に対応できないケースが想定でき、生命の危険性も非常に高い」 脱法ハーブは元々「大麻を愛するサーファーたちの愛用品だった」。ショップの経営者の多くが元サーファーで、なかには年間約40億円稼ぐ者もいるという。 法改正が遅々として進まないなか、日本は脱法ハーブ天国になりつつあると現代は嘆いている。 夜回り先生の水谷修も、中高生の間でドラッグが流行ってきていると肌で感じていると話している。 「いまのこどもたちの5割は、違法薬物について身近で見聞きしている。そのうちの25%、4人に1人が誘われています。(中略)合法ドラッグというネーミングのため、違法ドラッグに比べれば効果が弱く安全だと考えてしまうのです。優秀な学校に通う高校生たちも、進路に関する悩みや受験勉強の憂さ晴らしに、『ちょっと試してみようかな』という軽い気持ちで手を出してしまう」 わが子が薬物をやっているかどうかを見極めるには、どんなサインに注意したらいいのか。 臭いがあるので、必ずお香を焚いて臭いをごまかそうとする。灰皿に粘性の強い真っ黒な灰が入っていればタバコではなく吸引系の草。 覚せい剤系のドラッグを使うと毒物を体外に出そうとして体が猛烈に水分を欲しがるから、部屋にペットボトルがズラーッと並んでいる、寝汗でシーツがビショビショになっていたら要注意だそうである。 先の水谷は、ドラッグでこどもの脳がどれほど壊れているかわからないから、自分のこどもがドラッグをやっていたとわかったら、各都道府県にある精神保健福祉センターの窓口で相談しろという。 「脳も神経も一旦、壊れてしまえば、再生不可能。壊れた状態で、その後の人生を生き続けなければならないんです」(水谷) こういうときこそ政治の出番なのだが、政治家も消費税増税問題によって、脳が壊れかかっているから期待しても無理だろうな。 さて、文春がまたまたやってくれた。 今週は原辰徳巨人軍監督が元暴力団員に1億円払っていたという、これまた仰天スキャンダルで文句なしのグランプリ。文春は2週連続で完売したそうで、これは10数年ぶりだという。目出度いことである。 まず、事件の経緯から見ていこう。 きっかけは一本の電話だった。09年4月に巨人軍の球団事務所に山本正志(仮名)と名乗る男から電話が入り、山本は電話を受けた球団職員に「原監督に渡っている、ある女性の日記を返してほしい。(中略)返してくれないなら、騒ぎを大きくする」と通告した。 この電話に続く8カ月にも及ぶ脅迫事件が、封印されていた原監督の醜聞、暴力団関係者による1億円恐喝事件の存在を浮かびあがらせたのだ。 それは約24年も前のこと。 当時のジャイアンツは王貞治監督が率いていた。中畑清や篠塚利夫、吉村禎章らが活躍し、中でも“若大将”の愛称で親しまれていた4番バッター原辰徳が人気の中心だった。 新人王、3年目にはMVPに選ばれるなどスター街道を驀進し、86年には5歳年上の明子夫人と結婚、88年には長男も誕生している。 そんな幸せな生活の一方で、別の女性との間に重大な問題を抱えていたのである。 兵庫県芦屋市に巨人が甲子園で試合を行う際、定宿にしている「T」というホテルがある。繁忙期には“野球バイト”といわれる若いアルバイトが選手の食事や宿泊のサポート役を担う。 原はそのうちの一人の女性と深い関係になったが、その女性が深く傷つくトラブルが生じたというのだ。 このトラブルが何かは読んでもわからないが、問題解決のために原が費用を用立て、その後も交際は続いたようだ。 しかし、その女性にだんだん変化が出始めた。 「野球バイトのない時に大阪の北新地でホステスをするようになり、その後はホストクラブにハマって借金を作り、カード支払いの請求で首が回らなくなってしまったと聞いていました」(「T」の元スタッフ) そして95年の阪神淡路大震災と前後する形で、彼女は忽然と姿を消してしまうのだ。 しかし、それでは終わらなかった。彼女はトラブルのことや、そのときの気持ちの揺れを克明に日記に書いていた。 原との交際に思い悩んだ彼女が、原のチームメイトだった岡崎郁や緒方耕一(現野球解説者)らに相談を持ちかけていた様子も綴られていたという。 悩んだ末に彼女は失踪してしまうのだが、その日記は家に残され、同居していた同僚の女性から暴力団関係者へと渡ってしまったと、事情を知る人間が語っている。 それが先の山本で、当時は山口組の西日本の有力団体S会の直参組長だった。 しかし、なぜかその日記は山本の舎弟のHの手に渡る。Hは北海道出身で息子が現役のプロ野球選手だったKという元暴力団に話を持ちかける。 女性が失踪して10年以上の時が過ぎ、原は2度目の巨人軍監督になっていた。 原の携帯に電話が入ったのは06年8月。あんたのスキャンダルを握っているから至急会いたいというものだった。 巨人が遠征している熊本のホテルにKとHは行き、原に日記のコピーを示しながらこういったという。 「原さんが野球界から居なくなったら大変なことになる。表に出ないように私が解決するので、私に任せなさい。それには金がいる」 金額を尋ねる原にK側は指を一本突き立てた。「1千万ですか?」と原が聞くと「ケタが一つ違う」といったという。 原はこの年は複数年契約の1年目で、早々と優勝争いから脱落していたため、この醜聞が表に出れば致命傷になると考え、警察にも相談せず、金をかき集めて理不尽な要求に応えてしまったのだそうである。 K側はカネと引換に日記をシュレッダーにかけ、領収書を切った。 だが、これで一件落着とはいかなかった。 今度は、Hの兄貴分だった山本が原を脅し始めたのである。 ここまで読んできて、おやと思う。日記は処分されたようだし、Hというのは交通事故で死んでいるそうだ。なのに山本は日記を返せと球団事務所に執拗に電話をしてきたり、原の自宅へ押しかけて行ったそうだが、何が目的だったのだろう。ただ日記を取り戻したかっただけではあるまい。まだ原から搾り取れると思ったのだろうか。 球団側はこのとき初めて原に聞き取り調査を行い、ことの経緯を知るのである。 山本は当座、威嚇するような言葉は吐くが、金銭要求はしなかった。だが、09年12月1日、球団事務所近くの路上でガスボンベとガソリン缶を持って「ここで腹を切ってやる」と叫び、爆発物を起爆する行為を繰り返したため、威力業務妨害の現行犯で逮捕された。 公判では原の名前はもちろんのこと、原の醜聞や恐喝事件にも一切触れられず、保護観察付きの有罪判決を受けた。 不可思議な事件だ。巨人軍側は、Kは元暴力団だが20年以上前に足を洗っているし、Hは原に水産会社の名刺を出していたから、原の頭の中には暴力団と関係があるという考えはまったくなかったとしている。 06年に脅されて金を払ったとき、相手が暴力団という認識がなかったというのは信じられないが、それよりも、文春が書いているように、この恐喝事件は公訴時効の7年をまだ超えていないのに、球団は被害届を出さないというのは不思議である。 まだ失踪した女がらみで表に出せない何かがあるのではないか、と勘繰りたくもなる。 原監督の動きは素早かった。文春が発売される前日、以下のコメントを発表したのだ。 <ファンの皆様へ 1988年ごろ、私はある女性と関係を持ちました。女性とはまもなく連絡をたちましたが、それから約18年後、監督に復帰して1年目の2006年8月、プロ野球と関係ある人物から電話があり、『あなたの女性問題に関する日記がある。公になれば球界は大変なことになる。表に出ないよう私に任せてほしい』と言われました。 ゆすられていると思い、不安を感じた一方、私を助けてくれるのだとも解釈し、要求された現金を渡しました。悩んで悩んで悩み抜いての苦渋の選択でした。私の個人マネジャーとは『これで終わりにならない時には球団に相談し、警察に届け出よう』と話し合いました。 その後、動きはありませんでしたが、2009年、別の男から球団に電話があり、「女性問題のことを書いた日記が監督の手に渡ったはずだ。それを返してほしい」ということでした。私は球団にすべてを打ち明けました。妻にもすぐに告白しました。一番傷つけてしまうのは妻だと思ったからでした。(中略) 私個人の不徳の致すところであり、浅はかなことをしたと思っています。たくさんの選手を指導するプロ野球の監督という立場にある人間として、深く反省しています。ファンの皆様、大変申し訳ありませんでした。 読売巨人軍原辰徳> また、この情報を漏らしたのは清武英利巨人軍前球団代表だと、原は「清武さんへ」と題したメッセージも配布したのだ。 たしかに時期的にも、清武巨人軍前球団代表が原から相談を受けたであろうことは想像に難くない。だが、ここで清武へのメッセージを出したのは、原はナベツネと清武戦争の被害者だという世論の同情を引くアリバイづくりで、誰かに入れ智恵されたのではないか。 巨人軍は金を払った相手は暴力団ではないという理由で文春側に対し名誉毀損賠償請求訴訟を起こすそうだが、原が事実関係を認めているのだから、やめたほうがいいと思う。 この記事が出て以来、原はいつ巨人をやめるのかと喧しい。「巨人は球界の紳士たれ」という巨人軍のモットーにふさわしくないというのだろうが、ファンはとっくにそんなことは忘却の彼方だ。どうせ今年いっぱいなのだろうから、頑張ってもらったらいいと、私は思うのだが。 (文=元木昌彦)「週刊文春」6月28日号 中吊り広告より

撮影/佃太平
1945年11月生まれ。早稲田大学商学部卒業後、講談社入社。90年より「FRIDAY」編集長、92年から97年まで「週刊現代」編集長。99年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長を経て、06年講談社退社。07年2月から08年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(2006年8月28日創刊)で、編集長、代表取締役社長を務める。現「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催、編集プロデュースの他に、上智大学、法政大学、大正大学、明治学院大学などで教鞭を執る。 【著書】 編著「編集者の学校」(編著/講談社/01年)、「日本のルールはすべて編集の現場に詰まっていた」(夏目書房/03年)、「週刊誌編集長」(展望社/06年)、「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社/08年)、「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス/08年)、「競馬必勝放浪記」(祥伝社/09年)、「新版・編集者の学校」(講談社/09年)「週刊誌は死なず」(朝日新聞社/09年)ほか
10年に一度の超ド級スクープ!? 小沢一郎、妻からの‟離縁状”で政治家生命終了?

「週刊文春」6月21日号 中吊り広告より
グランプリ
「引退勧告スクープ 小沢一郎 妻からの『離縁状』 松田賢弥+本誌取材班」(「週刊文春」6月21日号)
第2位
「『菊地直子』求愛男が『高橋克也』をゆすっていた!」(「週刊新潮」6月21日号)
第3位
「元カレが告白 AKB48指原莉乃は超肉食系でした」(「週刊文春」6月21日号)
次点
「『ドラッグは用意できる』と沢尻エリカに迫ったエイベックス松浦勝人社長」(「週刊
文春」6月21日号)
次点
「小沢ガールズナンバーワン美女『田中美絵子』代議士 接吻の流儀」(「週刊新潮」6月21日号)
今週はグランプリに輝いたスクープの存在が大きすぎて、ほかが霞んでしまった感がある。さらに見ていただければわかるように、月曜発売の週刊誌は一冊も入っていない。このところ文春の独走態勢が続いている。現代、ポスト、朝日、AERA、サンデー毎日の奮起を促したい。
次点に入ったのは、小沢ガールズナンバーワン美女といわれる田中美絵子代議士(36)が夜のJR大崎駅の構内を、男の右腕に腕を絡めて歩き出し、しばらく行くと足を止めた彼女が、目を開いたまま唇を突き出す男の顔に唇を寄せて重なり合った瞬間をバッチリスクープ撮している記事だ。
この男は、妻子ある国交省中部地方整備局副局長のキャリア官僚(55歳)である。
この記事は、モノクログラビアと活版でやっているが、2人のキスシーンを見た知り合いの中年女性は、「ワー汚い! なんでこんなところでやるの。いい年をして恥ずかしくないのかしら」とのたまった。
その後、2人は駅とつながっている連絡通路を歩いて、シティホテルへ向かって、一夜を共にしたという。
彼女は「社会保障と税の一体改革」特別委員会の委員を務めているそうだが、これではそちらのほうには集中できそうもないね。
同じく次点は、沢尻エリカの大麻疑惑を追い続ける文春の記事。今回は追及の矛先を大手プロダクション「エイベックス」の松浦勝人社長に向ける。
沢尻の夫・高城剛が、エリカに松浦がこう話したとしているからである。
「エイベックスが芸能界に復帰させてやるから、とりあえず高城と離婚しろ」「ドラッグならいつでも用意できる」「俺のオンナになれ」
彼女になるのは嫌だとエリカがいうと、「B子(実際には有名歌手の実名)が芸能界で生き残れているのは、俺のオンナになったから。お前も生き残りたかったら、俺のオンナになれ」と言われたそうだ。
もしこの発言が本当だとしたら、
「上場企業のトップとして大問題でしょう。交際を迫る発言もさることながら薬物の問題は論外です。重大な背任と言わざるを得ず、株主にとっても到底許されることではありません」(郷原信郎関西大学特任教授)
週刊朝日によれば、
「エイベックスは6月24日に開かれる株主総会を気にしているようです。メディアからの取材なら『事実無根です』と広報担当者が答えればいいけど、株主総会では社長自ら説明せざるをえない。それまでは高城氏の挑発にのって騒ぎを大きくしたくないというのが本音なんです」(芸能関係者)
映画の公開も迫っているし、この騒動、どのように決着するのか目が離せない。
さて、AKB48の「総選挙」というバカ騒ぎは無事終わったが、そこで4位に入った「ヘタレさしこ」といわれる指原莉乃(19)の元カレが、彼女は「超肉食系」だったと文春に告白している。これが3位。
出会いは秋葉原のAKB劇場。イベントや握手会に通い、ファンレターを出しているうちに指原の友人と名乗る子からメールが届く。ところがこれは本人だったようだ。
デートは原則、彼女の自宅で、指原の母親がいない時間帯。「エッチまで4ヵ月かかった」と話している。彼の携帯には、指原の胸元や胸のアップ写真などが残されている。
しかし、会いたいときに会えない、付き合っていることを友達にもいえないためにストレスがたまり、彼のほうから別れを切り出したという。
指原からはメールで「諦めたくない」「エッチだってしたのにふざけんなよ!」といってきたそうだ。
これは09年の秋、約3年近く前のことであるから彼女はまだ16である。
これって問題あるよなと思っていたら、AKB48のプロデューサー秋元康が早速動いた。指原を、姉妹グループで福岡を拠点とするHKT48にすっ飛ばしてしまったのである。総選挙で4位に入った人気者を外すという荒療治をした背景には、文春が書いているように、こんなことは日常茶飯事なのだろう。
「今でこそ国民的アイドルですが、当時は“地下アイドル”に毛が生えた程度。いくら恋愛禁止を掲げても、プロ意識の薄い、若いメンバーは同世代のイケメンのファンと随分つながっていた」(元AKB48スタッフ)
どこにでもいるフツーの女の子たちには、イケメンファンがアイドルに見えるのではないのだろうか。こうしたグループは、内部から崩壊していくこと必定である。
オウムの高橋克也が逮捕されたが、彼の所持品から松本智津夫(麻原彰晃)死刑囚の写真やその著作、説法を録音した携帯型プレーヤーが見つかったことで、まだ麻原のマインドコントロール下にあるのではないかと報道されている。
高橋は菊地直子と10年近く逃亡生活を続け、その後菊地は知り合った高橋寛人と同棲するのだが、新潮が気になる情報を高橋の実兄から聞き出している。この記事が第2位。
前号で菊地直子情報を警察に届けたのは、同棲していた高橋寛人の親族だったと書いていたが、警視庁関係者がこう話している。
「情報提供したのは、寛人の兄でした。兄は金銭的に困っており、しばらく会っていなかった寛人と去年頃からまた顔を合わせるようになっていた。寛人と菊地が暮らしていた相模原市のバラック小屋にも行ったことがあり、その際に寛人から“彼女はオウムの菊地”と打ち明けられていた」
またこうも言っている。
「それで3日朝に警視庁を訪れて情報提供したわけですが、その際、寛人の兄はこうも言っていた。“寛人は、あの高橋克也とトラブルになっている”と」
菊地と高橋克也とは長い間行動を共にしてきた。菊地の正体を知った寛人は、克也のアパートに現金1,700万円ほどあることを菊地から聞き出し、部屋に侵入して半分ほど盗んだという。
その後も「お前は逃亡犯だろ、金を出せ」と、ゆすっていたようだ。寛人にも菊地を匿っている負い目があり、3者の関係はギリギリのところで均衡が保たれていたが、それを瓦解させたのが寛人の兄だったというのである。
こうした仲間割れが起きるのは、いずれの場合も金がらみである。
今週のグランプリは10年に一度といっていい超ド級のスクープである。小沢一郎という大政治家の妻が昨年11月頃、ごく親しい後援会の人間に自筆で書いた「小沢との離縁状」を文春が入手して全文掲載したのだ。
なにはともあれ、この衝撃の手紙を読んでもらいたい。
「(中略)長年お世話になった方々のご不幸を知り、何もできない自分を情けなく思っております。このような未曾有の大災害にあって本来、政治家が真っ先に立ち上がらなければならない筈ですが、実は小沢は放射能が怖くて秘書と一緒に逃げ出しました。岩手で長年お世話になった方々が一番苦しいときに見捨てて逃げ出した小沢を見て、岩手や日本のためになる人間ではないとわかり離婚いたしました。(中略)八年前小沢の隠し子の存在が明らかになりました。●●●●●といい、もう二十才をすぎました。三年つき合った女性との間の子で、その人が結婚するから引きとれといわれたそうです。それで結婚前からつき合っていた●●●●という女性に一生毎月金銭を払う約束で養子にさせたということです。小沢が言うには、この●●●●という人と結婚するつもりだったが水商売の女は選挙に向かないと反対され、誰でもいいから金のある女と結婚することにしたところが、たまたま田中角栄先生が紹介したから私と結婚したというのです。そして『どうせ、お前も地位が欲しかっただけだろう』と言い、謝るどころか『お前に選挙を手伝ってもらった覚えはない。何もしていないのにうぬぼれるな』と言われました。あげく『あいつ(●●●●)とは別れられないが、お前となら別れられるからいつでも離婚してやる』とまで言われました。
この言葉で、三十年間皆様に支えられ頑張ってきたという自負心が粉々になり、一時は自殺まで考えました。息子たちに支えられ何とか現在までやってきましたが、いまでも、悔しさと空しさに心が乱れることがあります。(中略)
(昨年の=筆者注)三月十六日の朝、北上出身の第一秘書の川辺が私の所へ来て、『内々の放射能の情報を得たので、先生の命令で秘書達を逃がしました。私の家族も既に大阪に逃がしました』と胸をはって言うのです。あげく、『先生も逃げますので、奥さんも息子さん達もどこか逃げる所を考えてください』と言うのです。
福島ですら原発周辺のみの避難勧告しか出ていないのに、政治家が東京から真っ先に逃げるというのです。私は仰天して『国会議員が真っ先に逃げてどうするの! なんですぐ岩手に帰らないのか! 内々の情報があるのならなぜ国民に知らせないのか』と聞きました。
川辺が言うには、岩手に行かないのは知事から来るなと言われたからで、国民に知らせないのは大混乱を起こすからだというのです。
国民の生命を守る筈の国会議員が国民を見捨てて放射能怖さに逃げるというのです。(中略)川辺はあわてて男達は逃げませんと言いつくろい、小沢に報告に行きました。
小沢は『じゃあしょうがない。食糧の備蓄はあるから、塩を買い占めるように』と言って買いに行かせました。その後は家に鍵をかけて閉じこもり全く外へ出なくなりました。復興法案の審議にも出ていません。
(中略)岩手に行こうと誘われても党員資格停止処分を理由に断っていたこともわかりました。知事に止められたのではなく放射能が怖くて行かなかったのです。
(中略)本当に情けなく強い怒りを感じておりました。実は小沢は、数年前から京都から出馬したいと言い出しており後援会会長にまで相談していました。
もう岩手のことは頭になかったのでしょう。(中略)
かつてない国難の中で放射能が怖いと逃げたあげく、お世話になった方々のご不幸を悼む気も、郷土の復興を手助けする気もなく、自分の保身の為に国政を動かそうとするこんな男を国政に送る手伝いをしてきたことを深く恥じています。(中略)せめて離婚の慰謝料を受けとったら岩手に義捐金として送るつもりです。(中略)
小澤和子」
ここでも何度か書いているが、私とこれをスクープした松田賢弥記者が小沢一郎をやろうと思いたったのは、小沢が自民党最年少の幹事長になった頃だったから、今から20数年前になる。
田中角栄の庇護を受けて伸びてきた若き実力者に注目し、小沢を中心に据えて永田町を見ていこうというものだった。
私は小沢の憲法観や「普通の国」という“危険”な考え方には批判的だったが、彼が今後どう動いていくのかには興味があった。
私たちの予想通り、小沢は権力者への階(きざはし)を順調に上っていった。途中、心臓病で倒れたり、自民党を離党し新党をつくったが、常に権力の中心にいた。
私が週刊現代編集長時代は、毎週のように松田記者の手による小沢批判が誌面に載った。金脈研究はもちろんのこと、紀尾井町の料亭「満ん賀ん」の女将とのラブロマンスから、彼女が引き取った「隠し子」のことまで書いた。
正直、なかにはなかなか書きにくいこともあったし、十分に裏の取れないこともあった。それは小沢が若いタレントに産ませたという子どものことだった。彼女の素性はわかったが、なぜ、何年か経って「満ん賀ん」の女将だった小沢の愛人が、その子を引き取ったのだろうか。
詰め切れなかった「謎」の部分もすべて、今回の妻・和子の手紙に書いてあるではないか。
妻に、男としてはもちろんだが、政治家としてここまで完膚無きまでに批判された代議士は聞いたことがない。「あいつ(●●●●)とは別れられないが、お前となら別れられるからいつでも離婚してやる」という小沢の心ないひと言が、彼女をしてここまで書く決意をさせたのだろう。馬鹿な男だ。
小沢一郎という政治家の終焉である。妻から捨てられ、地元から見捨てられた政治家は生きてはいけない。消費税増税反対に最後の力を振り絞るのだろうが、もはや小沢の帰るところはない。
私が現役を離れたため、たった一人で小沢をここまで追い込んだ松田記者の執念の取材は、お見事というしかない。
それにしても、新聞もテレビも、これについてほとんど報じていないのはなぜなのだ。これはAKB48のアイドルが男と一泊したという程度のスキャンダルではない。
田中角栄と金庫番といわれた愛人・佐藤昭子とのスキャンダルが文藝春秋に載ったときも、新聞、テレビは触れなかった。
今の政治を動かしている一方の旗頭の正真正銘の大醜聞である。それも彼の妻が、な批判が巻き起こることを覚悟して書いたものを取り上げないメディアには、存在価値などないと言っていい。
週刊現代で立花隆は言っている。
「ここまで小沢の本性が明らかになった以上、今後は小沢抜きの政局しか考えられない。彼を庇い続けてきた輿石(東)幹事長としても、さすがに庇いきれないだろう。(中略)小沢抜きの政局のなかで、野田総理が代表選も凌いで来年夏の衆参W選挙まで引っ張る公算が強くなった」
どちらにしても、小沢一郎よさらばである。
(文=元木昌彦)
「東電OL殺人事件」再審決定 信頼感を失った司法の世界に風穴が開く?

「週刊朝日」6月22日号
グランプリ
「東電OL殺人事件再審決定 佐野眞一『司法も警察も恥を知れ』」(「週刊朝日」6月22日号)
第2位
「『世界恐慌』を乗り越えるための全情報 あなたの預金が溶けてなくなる」(「週刊現代」6月23日号)
第3位
「『菊地直子』を通り過ぎた4人の男」(「週刊新潮」6月14日号)
次点
「オモロすぎるばい!福岡県警」(「週刊ポスト」6月22日号)
今週は4本を選んでみた。次点の記事は2ページだが、私はこういう記事が好きだ。
福岡県警のHPが“充実”しているという。HPには「手りゅう弾に注意!」と題したページがある。殺傷能力が異なる4種類の手榴弾が写真付きで紹介され、「絶対に踏んだり、触ったり、蹴飛ばしたりしない」と書かれている。
そんなことするもんかと思うが、そうではない。この県は発砲件数、指定暴力団数共に全国1位で、昨年1月以降4件もの手榴弾使用事件が起きているのだ。
しかも実名で手榴弾があることを通報すると、押収されて被疑者も検挙されれば10万円の報奨金が出るという。
2年前には全国で初めて「みかじめ通報ダイヤル」を設置して、暴力団からみかじめ料や用心棒代、ショバ代などを要求されたらここへ電話をかけてくれれば助けますよとした。その他にも暴力団から因縁を付けられたら「暴力追放ダイヤル」、暴力団による企業へのゆすり・恐喝を取り締まる「企業たかり遮断FAX」、組員を検挙した際に流す「暴力団員検挙速報」など、至れり尽くせりである。
また、暴力団の本当のおっかない姿を描いたビデオ『許されざる者』を自主制作していて、レンタルビデオ店に行けば無料で借りることができる。
こうしたやり方に「暴力団取締の負担を市民に押し付けているのではないか」という批判もあるようだが、“日本で一番物騒な県”の汚名を晴らすためには致し方ないのではないかと思うのだが。
菊地直子逮捕を各週刊誌が挙って取り上げているが、週刊新潮、週刊文春がいち早く書いてしまったため、月曜発売の週刊誌はやり方を工夫してきた。
「高額懸賞金付き『凶悪逃亡犯」」(週刊ポスト)、「高橋克也『隠遁生活』と『最終攻防』菊地直子 男にハマった『信仰』と『逃亡生活』」(週刊朝日)、「菊地直子と高橋克也 6000日のオウム逃亡ノート」(週刊現代)。だが、残念ながら両誌を抜く内容はなかった。
新潮、文春ともに菊地直子(40)が逮捕されるまでの17年間の逃亡生活や、犯人隠匿容疑で逮捕された高橋寛人(41)容疑者との同棲生活などについて触れ、菊地が書いたというノートにある、彼女と関係のあった男たちとの「性欲」についての記述を取り上げている。
だが内容は、「逃げるためには性欲を利用してもいいんだという考えに走ることになり」、「私の中に、性欲と同時に、性欲に対する恐怖があった」という記述があるだけである。
新潮は「焼酎『吉四六』緑茶割りが定番だった」など、二人がよく行った居酒屋でのディテールも書き込んである。
新潮は「情報提供者は『同居男親族』で彼も通報を知っていた」と、菊地の逮捕につながった警察への情報提供者は「同居男の親族」だと見出しで打っている。文春も書いてはいるが、この記事、新潮に軍配をあげたい。
新潮によれば、菊地逮捕からさかのぼること約12時間前、同居していた高橋が、なぜか元妻に電話をかけて会っている頃、高橋の親族(文春によれば高橋の兄)が桜田門の警視庁まで出向いて情報提供したというのである。
特別手配の菊地には公的懸賞金が800万円、警察OB組織が用意する200万円と合わせて1,000万円の賞金が情報提供者に出る。
ポストによれば、国内で最初に懸賞金をかけて情報を集めた事件は、23年前の坂本堤弁護士一家殺害事件だそうだ。この時は全国の弁護士有志が支援団体を結成して、総額2,000万円で情報提供を呼びかけた。
この事件がオウム真理教による犯行だとわかったのは情報提供者からではなく、オウム内部の人間が現代に「告白」したからだった。だが、今回の菊地や高橋克也の情報提供は、懸賞金がかかってから急増したそうである。
現代は、菊地と同居していた高橋の親族が通報し、高橋もそれを知っていたとしている。その理由は純愛である。
「寛人は逮捕後、『彼女に罪を償わせ、結婚したい』と供述しているという」(現代)
高橋克也も最近の顔が公開されたから、逮捕されるのは時間の問題のようだが、彼が捕まってもオウムの深い闇の全貌は見えてはこないだろう。
現代が藤田康雄編集長に替わった。週刊誌は編集長が替わると内容まで変わってくるが、今の橋下徹大阪市長礼賛の編集方針が変わるのか変わらないのか、注目である。
先週の現代でノーベル経済学受賞者ポール・クルーグマンがこう言っていた。
「ギリシャがユーロを離脱すると、まずスペインとイタリアで銀行から大量の預金流失が起こることになる。いわゆる取り付け騒ぎというやつだ。(中略)おそらく預金の引き出しと海外への移転の額を合わせて、1000億ユーロ(10兆円)単位になるだろう。そうなれば巨大銀行崩壊の危険性が高まってくる。もちろんスペインやイタリアの巨大銀行が倒れれば、それは『第二のリーマンショック』級のものになる」
ギリシャがユーロを離脱するかどうかはまだハッキリしないが、一足早くスペイン政府が大量の不良債権を抱える銀行の救済のために、欧州連合(EU)に金融支援を要請する意向を示し、ユーロ圏各国が10兆円規模の金融支援を行うことを決めた。
この程度の支援でスペインの金融危機が回避できるのかは不透明だが、現代はこのままいくと日本国債の暴落が始まり超インフレが来ると警鐘を鳴らしている。この記事が第2位。
一橋大学小黒一正准教授が、こう話す。
「危機の引き金になるのは日本国債の暴落だ。いまはギリシャ、スペインなど国債危機が過熱しているので、“安全資産”として日本国債が買われているが、逆にこれが問題を深刻にしている。世界最悪レベルの財政赤字を抱える日本国債が“安全”ということ自体がおかしいわけで、日本国債のバブルが目下膨らんでいるといえるからだ。しかし、安全神話はいつ崩壊してもおかしくない」
そのXデーはすぐ起きるかもしれないという。明治大学加藤久和教授は、6月の国会会期末に起こる可能性まであるという。
「実は日本は消費税率が10%になっても安定しない。25%まで上げる必要があるという人もいるし、海外の投資家たちは『少なくとも日本は20%まで上げる余地がある』と考えている。逆に言えば、この余地・余力がなくなったと判断された時点で、一気に国債が売り浴びせられる可能性が高い。国会会期末を迎え、『日本は政治的に消費税が上げられない』と見なされれば、その瞬間に、日本売りが始まるかもしれない」
しかし、「デフレ下で消費税を上げると、景気がさらに悪化して、モノが売れなくなり、企業業績は一層落ち込む。税収も減るのでさらに増税しなければいけなくなり、それで再びモノが売れなくなり……という悪循環に陥る。(中略)疲弊した企業も個人も日本国債を買い支えることができなくなり、日本銀行が約1000兆円の国債を引き受けざるをえなくなる。その瞬間、カネの価値は一気に暴落し、超インフレが起こるのです」(経済評論家・森永卓郎)という見方も説得力がある。
現代は、極端な例だが、スタバのカフェモカが1杯3万8,000円になることもありうるとシュミレーションしている。
だが、そのことへの対策が、変動金利で住宅ローンを組んでいる人は固定金利に切り替える、デフレで落ち込んだ不動産などのモノを仕込んでおけば、インフレになれば価値が上がる程度のことでは、ものの役には立つまい。年金暮らしの私など、1週間も生きてはいられないはずである。
クルーグマンはこういっているではないか。この危機を乗り越えるためには、ユーロ諸国、アメリカ、日本などが一斉に大恐慌並みの大胆で積極的な財政・金融政策をとればいいと。
世界中の先進国が頭を抱えている国債、借金問題などそれほど恐くないとも言っている。
「経済が成長すればそれは返すことができる。イギリスがかつて成長を謳歌していた時代にも、同国は大量の借金を抱えていたという事実をどうして誰も語ろうとしないのか。そうした意味でも、成長のための政策がいま求められているのだ」(クルーグマン)
政治に求められているのは、消費税を上げることではなく、どうしたら経済を成長させることができるかであろう。週刊誌はやたら危機を煽るだけではなく、そのために何をしなければいけないのかも提示することが求められるはずである。
さて今週のグランプリは、1997年に起きた「東電OL殺人事件」で逮捕されたネパール人ゴビンダ・プラサド・マイナリ元被告が、一審で無罪だったにもかかわらず、二審で有罪になり2003年に無期懲役が確定したが、これを「冤罪」だとして取材を続けてきたノンフィクション・ライター佐野眞一の怒りの手記である。
ゴビンダは無罪を訴え続け、再審請求してきたが、8年経ってようやく東京高裁が再審を決定した。
佐野は、この背景には最新のDNA鑑定、足利事件の菅谷利和の無罪、大阪地検特捜部などの信じられない不祥事の連続が「逆バネ」になって再審への道が開かれたと書く。
佐野は、ゴビンダが犯人ではないと確信を持つようになった理由をあげている。ゴビンダが働いていた千葉幕張のインド料理店から渋谷まで、同じJRにストップウオッチを持って乗り込んでみたところ、警察が発表した殺害時刻には殺害現場には着けないことがわかった。
ゴビンダの故郷のネパールへ行き、彼と同じ渋谷の円山町アパートで暮らしていた同室者に話を聞いたところ、一人はゴビンダのアリバイを証言し、一人は警察によって殴る蹴るの暴行を受け、就職の斡旋まで受けてゴビンダを犯人に導く証言したことを告白した。
「一審無罪だったゴビンダは、憲法違反の疑いが濃厚な再拘留決定を受けた上、控訴審の東京高裁で逆転有罪無期懲役の不当判決を言い渡された。そのとき、ゴビンダが日本語で『神様、やってない』『神様、助けてください』と訴えた悲痛な叫び声は、いまでも私の耳にこびりついて離れない」(佐野)
この判決を言い渡した高木俊夫裁判長は、狭山事件の第二次再審請求を棄却し、足利事件の控訴審を棄却した「札付き裁判官」であること、ゴビンダが欧米や韓国、中国の人間ではなくネパールという最貧国からの出稼ぎ労働者であったから、その背景にレイシズム(民族差別感)があると書いている。
再審開始の決め手になったのは昨年7月、殺害現場から発見された陰毛と被害者の体内に残されていた精液が、最新のDNA鑑定によって、ゴビンダ以外の第三者のDNAと判明したことである。
「東京高裁がここまで踏み込んだ決定を下した背景に、完全に信頼感を失った司法に対する強い危機感があることを感じた。これは希望を失った司法の世界に大きな風穴を開ける画期的な決定だったと率直に評価したい」(佐野)
横浜刑務所から釈放されたゴビンダ元被告に対して、東京入国管理局横浜支局は強制退去の命令を出した。これによって臨時旅券などの発行手続きが進めば、ゴビンダ元被告は数日中に母国ネパールに向けて出国できることになる。
新聞、テレビも、東京電力の力に怯えたのか、この事件についてはほとんど報じてこなかった。事件当初は「東電OL」だったものを、東電側にクレームをつけられて「電力会社OL」と言い換えてしまった。
「東電OL」にこだわり、事件の真相を地を這うような取材で掘り起こし、ゴビンダの無罪を訴え続けた佐野のノンフィクション魂が、再審開始の大きな力になったことは間違いない。ノンフィクションの持つ力を見せてもらった。
(文=元木昌彦)

撮影/佃太平
1945年11月生まれ。早稲田大学商学部卒業後、講談社入社。90年より「FRIDAY」編集長、92年から97年まで「週刊現代」編集長。99年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長を経て、06年講談社退社。07年2月から08年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(2006年8月28日創刊)で、編集長、代表取締役社長を務める。現「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催、編集プロデュースの他に、上智大学、法政大学、大正大学、明治学院大学などで教鞭を執る。 【著書】 編著「編集者の学校」(編著/講談社/01年)、「日本のルールはすべて編集の現場に詰まっていた」(夏目書房/03年)、「週刊誌編集長」(展望社/06年)、「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社/08年)、「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス/08年)、「競馬必勝放浪記」(祥伝社/09年)、「新版・編集者の学校」(講談社/09年)「週刊誌は死なず」(朝日新聞社/09年)ほか
「東電OL殺人事件」再審決定 信頼感を失った司法の世界に風穴が開く?

「週刊朝日」6月22日号
グランプリ
「東電OL殺人事件再審決定 佐野眞一『司法も警察も恥を知れ』」(「週刊朝日」6月22日号)
第2位
「『世界恐慌』を乗り越えるための全情報 あなたの預金が溶けてなくなる」(「週刊現代」6月23日号)
第3位
「『菊地直子』を通り過ぎた4人の男」(「週刊新潮」6月14日号)
次点
「オモロすぎるばい!福岡県警」(「週刊ポスト」6月22日号)
今週は4本を選んでみた。次点の記事は2ページだが、私はこういう記事が好きだ。
福岡県警のHPが“充実”しているという。HPには「手りゅう弾に注意!」と題したページがある。殺傷能力が異なる4種類の手榴弾が写真付きで紹介され、「絶対に踏んだり、触ったり、蹴飛ばしたりしない」と書かれている。
そんなことするもんかと思うが、そうではない。この県は発砲件数、指定暴力団数共に全国1位で、昨年1月以降4件もの手榴弾使用事件が起きているのだ。
しかも実名で手榴弾があることを通報すると、押収されて被疑者も検挙されれば10万円の報奨金が出るという。
2年前には全国で初めて「みかじめ通報ダイヤル」を設置して、暴力団からみかじめ料や用心棒代、ショバ代などを要求されたらここへ電話をかけてくれれば助けますよとした。その他にも暴力団から因縁を付けられたら「暴力追放ダイヤル」、暴力団による企業へのゆすり・恐喝を取り締まる「企業たかり遮断FAX」、組員を検挙した際に流す「暴力団員検挙速報」など、至れり尽くせりである。
また、暴力団の本当のおっかない姿を描いたビデオ『許されざる者』を自主制作していて、レンタルビデオ店に行けば無料で借りることができる。
こうしたやり方に「暴力団取締の負担を市民に押し付けているのではないか」という批判もあるようだが、“日本で一番物騒な県”の汚名を晴らすためには致し方ないのではないかと思うのだが。
菊地直子逮捕を各週刊誌が挙って取り上げているが、週刊新潮、週刊文春がいち早く書いてしまったため、月曜発売の週刊誌はやり方を工夫してきた。
「高額懸賞金付き『凶悪逃亡犯」」(週刊ポスト)、「高橋克也『隠遁生活』と『最終攻防』菊地直子 男にハマった『信仰』と『逃亡生活』」(週刊朝日)、「菊地直子と高橋克也 6000日のオウム逃亡ノート」(週刊現代)。だが、残念ながら両誌を抜く内容はなかった。
新潮、文春ともに菊地直子(40)が逮捕されるまでの17年間の逃亡生活や、犯人隠匿容疑で逮捕された高橋寛人(41)容疑者との同棲生活などについて触れ、菊地が書いたというノートにある、彼女と関係のあった男たちとの「性欲」についての記述を取り上げている。
だが内容は、「逃げるためには性欲を利用してもいいんだという考えに走ることになり」、「私の中に、性欲と同時に、性欲に対する恐怖があった」という記述があるだけである。
新潮は「焼酎『吉四六』緑茶割りが定番だった」など、二人がよく行った居酒屋でのディテールも書き込んである。
新潮は「情報提供者は『同居男親族』で彼も通報を知っていた」と、菊地の逮捕につながった警察への情報提供者は「同居男の親族」だと見出しで打っている。文春も書いてはいるが、この記事、新潮に軍配をあげたい。
新潮によれば、菊地逮捕からさかのぼること約12時間前、同居していた高橋が、なぜか元妻に電話をかけて会っている頃、高橋の親族(文春によれば高橋の兄)が桜田門の警視庁まで出向いて情報提供したというのである。
特別手配の菊地には公的懸賞金が800万円、警察OB組織が用意する200万円と合わせて1,000万円の賞金が情報提供者に出る。
ポストによれば、国内で最初に懸賞金をかけて情報を集めた事件は、23年前の坂本堤弁護士一家殺害事件だそうだ。この時は全国の弁護士有志が支援団体を結成して、総額2,000万円で情報提供を呼びかけた。
この事件がオウム真理教による犯行だとわかったのは情報提供者からではなく、オウム内部の人間が現代に「告白」したからだった。だが、今回の菊地や高橋克也の情報提供は、懸賞金がかかってから急増したそうである。
現代は、菊地と同居していた高橋の親族が通報し、高橋もそれを知っていたとしている。その理由は純愛である。
「寛人は逮捕後、『彼女に罪を償わせ、結婚したい』と供述しているという」(現代)
高橋克也も最近の顔が公開されたから、逮捕されるのは時間の問題のようだが、彼が捕まってもオウムの深い闇の全貌は見えてはこないだろう。
現代が藤田康雄編集長に替わった。週刊誌は編集長が替わると内容まで変わってくるが、今の橋下徹大阪市長礼賛の編集方針が変わるのか変わらないのか、注目である。
先週の現代でノーベル経済学受賞者ポール・クルーグマンがこう言っていた。
「ギリシャがユーロを離脱すると、まずスペインとイタリアで銀行から大量の預金流失が起こることになる。いわゆる取り付け騒ぎというやつだ。(中略)おそらく預金の引き出しと海外への移転の額を合わせて、1000億ユーロ(10兆円)単位になるだろう。そうなれば巨大銀行崩壊の危険性が高まってくる。もちろんスペインやイタリアの巨大銀行が倒れれば、それは『第二のリーマンショック』級のものになる」
ギリシャがユーロを離脱するかどうかはまだハッキリしないが、一足早くスペイン政府が大量の不良債権を抱える銀行の救済のために、欧州連合(EU)に金融支援を要請する意向を示し、ユーロ圏各国が10兆円規模の金融支援を行うことを決めた。
この程度の支援でスペインの金融危機が回避できるのかは不透明だが、現代はこのままいくと日本国債の暴落が始まり超インフレが来ると警鐘を鳴らしている。この記事が第2位。
一橋大学小黒一正准教授が、こう話す。
「危機の引き金になるのは日本国債の暴落だ。いまはギリシャ、スペインなど国債危機が過熱しているので、“安全資産”として日本国債が買われているが、逆にこれが問題を深刻にしている。世界最悪レベルの財政赤字を抱える日本国債が“安全”ということ自体がおかしいわけで、日本国債のバブルが目下膨らんでいるといえるからだ。しかし、安全神話はいつ崩壊してもおかしくない」
そのXデーはすぐ起きるかもしれないという。明治大学加藤久和教授は、6月の国会会期末に起こる可能性まであるという。
「実は日本は消費税率が10%になっても安定しない。25%まで上げる必要があるという人もいるし、海外の投資家たちは『少なくとも日本は20%まで上げる余地がある』と考えている。逆に言えば、この余地・余力がなくなったと判断された時点で、一気に国債が売り浴びせられる可能性が高い。国会会期末を迎え、『日本は政治的に消費税が上げられない』と見なされれば、その瞬間に、日本売りが始まるかもしれない」
しかし、「デフレ下で消費税を上げると、景気がさらに悪化して、モノが売れなくなり、企業業績は一層落ち込む。税収も減るのでさらに増税しなければいけなくなり、それで再びモノが売れなくなり……という悪循環に陥る。(中略)疲弊した企業も個人も日本国債を買い支えることができなくなり、日本銀行が約1000兆円の国債を引き受けざるをえなくなる。その瞬間、カネの価値は一気に暴落し、超インフレが起こるのです」(経済評論家・森永卓郎)という見方も説得力がある。
現代は、極端な例だが、スタバのカフェモカが1杯3万8,000円になることもありうるとシュミレーションしている。
だが、そのことへの対策が、変動金利で住宅ローンを組んでいる人は固定金利に切り替える、デフレで落ち込んだ不動産などのモノを仕込んでおけば、インフレになれば価値が上がる程度のことでは、ものの役には立つまい。年金暮らしの私など、1週間も生きてはいられないはずである。
クルーグマンはこういっているではないか。この危機を乗り越えるためには、ユーロ諸国、アメリカ、日本などが一斉に大恐慌並みの大胆で積極的な財政・金融政策をとればいいと。
世界中の先進国が頭を抱えている国債、借金問題などそれほど恐くないとも言っている。
「経済が成長すればそれは返すことができる。イギリスがかつて成長を謳歌していた時代にも、同国は大量の借金を抱えていたという事実をどうして誰も語ろうとしないのか。そうした意味でも、成長のための政策がいま求められているのだ」(クルーグマン)
政治に求められているのは、消費税を上げることではなく、どうしたら経済を成長させることができるかであろう。週刊誌はやたら危機を煽るだけではなく、そのために何をしなければいけないのかも提示することが求められるはずである。
さて今週のグランプリは、1997年に起きた「東電OL殺人事件」で逮捕されたネパール人ゴビンダ・プラサド・マイナリ元被告が、一審で無罪だったにもかかわらず、二審で有罪になり2003年に無期懲役が確定したが、これを「冤罪」だとして取材を続けてきたノンフィクション・ライター佐野眞一の怒りの手記である。
ゴビンダは無罪を訴え続け、再審請求してきたが、8年経ってようやく東京高裁が再審を決定した。
佐野は、この背景には最新のDNA鑑定、足利事件の菅谷利和の無罪、大阪地検特捜部などの信じられない不祥事の連続が「逆バネ」になって再審への道が開かれたと書く。
佐野は、ゴビンダが犯人ではないと確信を持つようになった理由をあげている。ゴビンダが働いていた千葉幕張のインド料理店から渋谷まで、同じJRにストップウオッチを持って乗り込んでみたところ、警察が発表した殺害時刻には殺害現場には着けないことがわかった。
ゴビンダの故郷のネパールへ行き、彼と同じ渋谷の円山町アパートで暮らしていた同室者に話を聞いたところ、一人はゴビンダのアリバイを証言し、一人は警察によって殴る蹴るの暴行を受け、就職の斡旋まで受けてゴビンダを犯人に導く証言したことを告白した。
「一審無罪だったゴビンダは、憲法違反の疑いが濃厚な再拘留決定を受けた上、控訴審の東京高裁で逆転有罪無期懲役の不当判決を言い渡された。そのとき、ゴビンダが日本語で『神様、やってない』『神様、助けてください』と訴えた悲痛な叫び声は、いまでも私の耳にこびりついて離れない」(佐野)
この判決を言い渡した高木俊夫裁判長は、狭山事件の第二次再審請求を棄却し、足利事件の控訴審を棄却した「札付き裁判官」であること、ゴビンダが欧米や韓国、中国の人間ではなくネパールという最貧国からの出稼ぎ労働者であったから、その背景にレイシズム(民族差別感)があると書いている。
再審開始の決め手になったのは昨年7月、殺害現場から発見された陰毛と被害者の体内に残されていた精液が、最新のDNA鑑定によって、ゴビンダ以外の第三者のDNAと判明したことである。
「東京高裁がここまで踏み込んだ決定を下した背景に、完全に信頼感を失った司法に対する強い危機感があることを感じた。これは希望を失った司法の世界に大きな風穴を開ける画期的な決定だったと率直に評価したい」(佐野)
横浜刑務所から釈放されたゴビンダ元被告に対して、東京入国管理局横浜支局は強制退去の命令を出した。これによって臨時旅券などの発行手続きが進めば、ゴビンダ元被告は数日中に母国ネパールに向けて出国できることになる。
新聞、テレビも、東京電力の力に怯えたのか、この事件についてはほとんど報じてこなかった。事件当初は「東電OL」だったものを、東電側にクレームをつけられて「電力会社OL」と言い換えてしまった。
「東電OL」にこだわり、事件の真相を地を這うような取材で掘り起こし、ゴビンダの無罪を訴え続けた佐野のノンフィクション魂が、再審開始の大きな力になったことは間違いない。ノンフィクションの持つ力を見せてもらった。
(文=元木昌彦)
(文=元木昌彦)

撮影/佃太平
1945年11月生まれ。早稲田大学商学部卒業後、講談社入社。90年より「FRIDAY」編集長、92年から97年まで「週刊現代」編集長。99年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長を経て、06年講談社退社。07年2月から08年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(2006年8月28日創刊)で、編集長、代表取締役社長を務める。現「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催、編集プロデュースの他に、上智大学、法政大学、大正大学、明治学院大学などで教鞭を執る。 【著書】 編著「編集者の学校」(編著/講談社/01年)、「日本のルールはすべて編集の現場に詰まっていた」(夏目書房/03年)、「週刊誌編集長」(展望社/06年)、「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社/08年)、「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス/08年)、「競馬必勝放浪記」(祥伝社/09年)、「新版・編集者の学校」(講談社/09年)「週刊誌は死なず」(朝日新聞社/09年)ほか
離婚騒動の真相はこれだった!? 高城剛が明かした“エリカ大麻中毒” の内幕

「週刊現代」6月16日号 中吊り広告より
グランプリ
「ポール・クルーグマン『預金流失、そして恐慌が始まる』」(「週刊現代」6月16日号)
第2位
「沢尻エリカの夫・高城剛氏を直撃!『大麻』『不倫』『離婚』初めて語られる全真相」(「週刊文春」6月7日号)
第3位
「鈴木亜美『高岡蒼佑と衝撃の連泊愛!』」(「フライデー」6月15日号)
佳作
「袋とじ 特撮連写 女子なぜ濡れるのか」(「週刊現代」6月16日号)
毎日新聞が6月4日の朝刊で、解散総選挙になれば橋下徹大阪市長率いる「大阪維新の会」が民主党や自民党を圧倒すると報じている。
世論調査で次期衆院選比例代表の投票先を聞いた結果、民主党は14%、自民党16%に対して、維新の会は28%もあるのだそうだ。「維新が政党不信の受け皿として、近畿だけでなく、全国レベルで浸透している現状が浮き彫りになった」と毎日は書いている。
えらいこっちゃ。これでは、臆病な野田佳彦首相は解散に踏み切れないだろうな。自民党との「野合」がダメな場合は、野垂れ死にするしかないようだ。
順位発表。まずは佳作から。久しぶりに現代が過激なグラビアを組んでくれた。女性二人にオナニーをしてもらって、そのときに出た「愛液」をスポイトでとり、プレパラートに垂らして観察する。
「愛液は酸性です。ちなみに、同世代の女性では処女のほうが酸性度が高く、経験豊富な女性ほど低下し、膣内はアルカリ性に近づく」(セクソロジー渡仲三)
すごいのは「究極の神秘 潮吹きを科学」しているページ。オナニーをしている二人の女性の足の間から、オシッコのようなものが飛び出している。電気マッサージやバイブレーターを使って、数分で「斜め45度に放射状に飛び散った」というのだ。
ひと昔前まではこの手の企画がよくあったが、最近では珍しい迫力満点の袋とじである。決して人前で見てはいけませんぞ!
3位はフライデーの「スクープ撮」。妻・宮崎あおいに愛想を尽かされてしまった高岡蒼佑が、こちらも最近イケメン実業家と別れた歌手の鈴木亜美と「連泊愛」しているというのだ。
扉ページの二人の飾り気のない部屋着姿が微笑ましい。
某夜、0時を過ぎた六本木で亜美を降ろした高岡は、近くのパーキングで待っていたが、そのうちダッシュボードに足を乗せて熟睡してしまう。
クラブの仕事を終えて戻ってきた亜美が、窓ガラスをコンコン。飛び起きる高岡の姿に亜美がクスクス笑っている。その後、二人は都内の高台にある高岡の瀟洒なマンションへ消える。
毎夜、亜美のアッシーとなっている高岡は、役者仲間にいわせると一途に尽くすタイプの男だそうである。
深夜、マンションに帰り、オートロックを解除するや、亜美の手が高岡の腰に伸び、抱き合っている姿からは「熱愛」の二文字が浮かんでくる。
宮崎あおいよりもお似合いのカップルだと思うよ。
巻頭にある木村拓哉と女房・工藤静香の「LOVE・サーフ」の写真もいい。
5月24日、千葉の九十九里浜。オレンジのボードで波に乗るキムタクが格好いい。工藤も2児の母とは思えないスタイルで、なかなかのサーファーぶりである。
第2位は、先週に続いて沢尻エリカの「大麻中毒」を追った文春の記事。今週は夫の高城剛を直撃インタビューして、すごい証言を引き出している。
「エリカは、離婚騒動がはじまる前に、エイベックスの松浦勝人社長に会ったと言いました。松浦社長は彼女に『スターダストから、大麻の件を聞いている。ドラッグ検査の際のやりとりの録音も持っている』と話したということです。そして、『高城と離婚することがエイベックスとの契約の条件』とし、『俺が離婚させてやる。マスコミはどうにでもなる』と話したというのです。弱みを握られたエリカは、『エイベックスに行くしかない』と話していました」
彼女の前の所属事務所・スターダストは、俳優の押尾学や酒井法子が覚せい剤取締法違反で逮捕、検挙されたため、09年9月に事務所を挙げて所属タレントの薬物検査を実施。そこで沢尻が大麻常習者だとわかり、契約解除したというのだ。その通知書を文春は手に入れたが、そこには、
「平成21年9月10日に本人の同意のもと薬物検査をしたところ大麻について陽性反応が示され、本人は大麻使用の事実を認めた上で、今後大麻の使用を止めることはできない旨を表明したことなどが、専属契約の第9条に該当することによるものです」
と書かれていた。高城はこうも語っている。
「当時、僕はスターダストの事務所に呼び出され、取締役F氏とマネージャーのK氏から、この件について直接聞きました。書類は間違いない」
そこで高城は滞在していたロンドンで、彼女を現地の代替治療施設に通わせ、その治療がうまくゆき、彼女が立ち直ったように見えたので結婚したのだそうだ。
その後、エリカからの一方的な離婚表明などがあったが、エリカの弁護士からの仲介もあり、二人で身を隠すためにスペインに向かったという。
バルセロナでは部屋に閉じこもっていることが多かったが、エリカは彼の地の自称「大麻インストラクター」のセルジオと知り合い、再び薬物にはまっていった。
セルジオはエリカと寝るとき、エクスタシーという合成麻薬の一種も使ったと証言している。これを高城にぶつけると、エリカ本人から聞いたと裏付けている。そして、
「僕はエリカに何度も(薬物から)立ち直るよう説得してきました。ところが、そのたびに彼女の周囲にいる仕事関係者や友人は『エリカらしいから大丈夫』『そのままでいい』などとそそのかし、彼女の更生を阻んだのです」
そして最後には、高城に「ファック!」と叫び、壁にコーヒーカップを投げつけて帰国してしまったのだ。
さらに文春は「TBSは薬物を認識していた」としている。
エリカは09年にスターダストをクビになり、ヒロイン役に内定していた映画『SPACE BATTLESHIP ヤマト』を降板させられるのだが、その制作委員会にTBSも名を連ねていた。
高城は、当時の制作委員会の人間から、TBSにも薬物検査の結果が伝えられていると、ハッキリ聞いているそうである。
「なぜ、ヤマトでエリカを降ろしたTBSが、エリカを再びドラマ(『悪女について』=筆者注)に起用するのか。薬物問題はどうパスしたのか。理解できません。エイベックス、スターダスト、TBSなどのメディア、そして取り巻きのクリエイターたち……。エリカの薬物を認識する人は複数います。それを見て見ぬ振りを決め込み、握り潰し、夫を黙らせようとする。そして、エリカの弱みを握り、裸にして、カネにしようというのが、このたびの離婚騒動に隠された真相なのです」(高城)
大手芸能プロやTBSを巻き込んだ大スキャンダルだが、エイベックスやスターダストの力に恐れをなしたか、このことは一部の夕刊紙を除いて、ほとんどの新聞、テレビが取り上げることはなかった。
文春は厚労省の現役麻薬Gメンに「重大な関心をもっている」と語らせている。星薬科大学の鈴木勉教授は、
「よく、『大麻はタバコより害がない』という声を聞きますが、大麻の“精神的な依存性”はタバコのニコチンよりかなり強い。大麻は『ゲートウェイ・ドラッグ』とも呼ばれ、合成麻薬など他の薬物に繋がる可能性が非常に高く、幻覚が見える・眠気に襲われるなどの作用があります」
大麻所持の公訴期間は5年だから、エリカの時効は成立していない。映画封切りに向け、どういう展開を見せるのだろうか。
今週のグランプリは鈴木章一編集長がつくる最後の号への餞(はなむけ)ではないが、現代のノーベル経済学賞受賞者ポール・クルーグマンのインタビューにあげたい。
クルーグマンはギリシャの財政再建計画は現実的に実行不可能だと言っている。
「現実が私の言っていたようになってきている。もはやギリシャにはユーロを離脱し、そこから改めてやり直す以外に道は残っていない」
ギリシャがユーロを離脱するのは、6月中に50%の確率であるという。どちらにしても90%の確率で、ギリシャはユーロを離脱すると予測するのだ。
しかしその影響は「計り知れない。対応を誤れば、ユーロ圏で大パニックが起こることになる」という。
「ギリシャがユーロを離脱すると、まずスペインとイタリアで銀行から大量の預金流失が起こることになる。いわゆる取り付け騒ぎというやつだ。(中略)おそらく預金の引き出しと海外への移転の額を合わせて、1000億ユーロ(10兆円)単位になるだろう。そうなれば巨大銀行崩壊の危険性が高まってくる。もちろんスペインやイタリアの巨大銀行が倒れれば、それは『第二のリーマンショック』級のものになる」
それを避けるためにECB(欧州中央銀行)が乗り出し、スペインやイタリアにカネを貸し付けることになるだろうが、もしECBが動かなかったとき、またそれだけ大量のカネを供給できなかった場合は「預金封鎖」になるという。
このような事態はポルトガルでも起こり、そうした国々は次々にユーロを離脱してドミノ倒しのようにユーロ離れが起こる。
さらにクルーグマンは、ユーロというプロジェクトが失敗すればどんなひどいことが起きても不思議ではないと、こう話す。
「戦争が起こる可能性? ヨーロッパではすでに過激派政党がどんどん力を持ってきている。アドルフ・ヒットラーが戻ってくることはないだろうが、過激派がさらに増加することは間違いない。ハンガリーではそういう状態にある」
しかし、アメリカは日本経済と似たような状態だし、ユーロ諸国も同じ。中国も成長のスピードが落ちていて、労働者の賃金も上がっていることから、成長の速度はさらに落ちるという。
日本経済はというと、政策当局はこの15年間アグレッシブな政策をとることを拒否してきたし、それは今も変わっていない。
日本銀行は今年に入ってやっとインフレ目標を1%としたが、本来なら3%、4%にしなければならないはずだとして、クルーグマンは「もう日銀に期待するのはやめた」とまで言い切っている。
「野田首相も現在5%の消費税を2年後に8%、3年半後に10%まで上げようとしているが、いかにもタイミングが悪すぎる。いずれ消費税を上げなければいけないことにはなるだろうが、それはいまではない。この時期に消費税を上げたら、もっと消費が落ち込み、経済が悪化することは目に見えている。日本の政策当局はいつも、これといった大胆な政策を打たないできた。だからこそ、他国でショックが起きたときにはかなりきつく影響が波及してしまう」
クルーグマンはこの危機を乗り越えるために、ユーロ諸国、アメリカ、日本などが一斉に大恐慌並みの大胆で積極的な財政・金融政策をとればいいと説く。
さらに世界中の先進国が頭を抱えている国債、借金問題などそれほど怖くないともいう。
「経済が成長すればそれは返すことができる。イギリスがかつて成長を謳歌していた時代にも、同国は大量の借金を抱えていたという事実をどうして誰も語ろうとしないのか。そうした意味でも、成長のための政策がいま求められているのだ」
この記事を、野田首相に読ませてやりたいものである。
(文=元木昌彦)

撮影/佃太平
1945年11月生まれ。早稲田大学商学部卒業後、講談社入社。90年より「FRIDAY」編集長、92年から97年まで「週刊現代」編集長。99年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長を経て、06年講談社退社。07年2月から08年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(2006年8月28日創刊)で、編集長、代表取締役社長を務める。現「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催、編集プロデュースの他に、上智大学、法政大学、大正大学、明治学院大学などで教鞭を執る。 【著書】 編著「編集者の学校」(編著/講談社/01年)、「日本のルールはすべて編集の現場に詰まっていた」(夏目書房/03年)、「週刊誌編集長」(展望社/06年)、「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社/08年)、「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス/08年)、「競馬必勝放浪記」(祥伝社/09年)、「新版・編集者の学校」(講談社/09年)「週刊誌は死なず」(朝日新聞社/09年)ほか
離婚騒動の真相はこれだった!? 高城剛が明かした“エリカ大麻中毒” の内幕

「週刊現代」6月16日号 中吊り広告より
グランプリ
「ポール・クルーグマン『預金流失、そして恐慌が始まる』」(「週刊現代」6月16日号)
第2位
「沢尻エリカの夫・高城剛氏を直撃!『大麻』『不倫』『離婚』初めて語られる全真相」(「週刊文春」6月7日号)
第3位
「鈴木亜美『高岡蒼佑と衝撃の連泊愛!』」(「フライデー」6月15日号)
佳作
「袋とじ 特撮連写 女子なぜ濡れるのか」(「週刊現代」6月16日号)
毎日新聞が6月4日の朝刊で、解散総選挙になれば橋下徹大阪市長率いる「大阪維新の会」が民主党や自民党を圧倒すると報じている。
世論調査で次期衆院選比例代表の投票先を聞いた結果、民主党は14%、自民党16%に対して、維新の会は28%もあるのだそうだ。「維新が政党不信の受け皿として、近畿だけでなく、全国レベルで浸透している現状が浮き彫りになった」と毎日は書いている。
えらいこっちゃ。これでは、臆病な野田佳彦首相は解散に踏み切れないだろうな。自民党との「野合」がダメな場合は、野垂れ死にするしかないようだ。
順位発表。まずは佳作から。久しぶりに現代が過激なグラビアを組んでくれた。女性二人にオナニーをしてもらって、そのときに出た「愛液」をスポイトでとり、プレパラートに垂らして観察する。
「愛液は酸性です。ちなみに、同世代の女性では処女のほうが酸性度が高く、経験豊富な女性ほど低下し、膣内はアルカリ性に近づく」(セクソロジー渡仲三)
すごいのは「究極の神秘 潮吹きを科学」しているページ。オナニーをしている二人の女性の足の間から、オシッコのようなものが飛び出している。電気マッサージやバイブレーターを使って、数分で「斜め45度に放射状に飛び散った」というのだ。
ひと昔前まではこの手の企画がよくあったが、最近では珍しい迫力満点の袋とじである。決して人前で見てはいけませんぞ!
3位はフライデーの「スクープ撮」。妻・宮崎あおいに愛想を尽かされてしまった高岡蒼佑が、こちらも最近イケメン実業家と別れた歌手の鈴木亜美と「連泊愛」しているというのだ。
扉ページの二人の飾り気のない部屋着姿が微笑ましい。
某夜、0時を過ぎた六本木で亜美を降ろした高岡は、近くのパーキングで待っていたが、そのうちダッシュボードに足を乗せて熟睡してしまう。
クラブの仕事を終えて戻ってきた亜美が、窓ガラスをコンコン。飛び起きる高岡の姿に亜美がクスクス笑っている。その後、二人は都内の高台にある高岡の瀟洒なマンションへ消える。
毎夜、亜美のアッシーとなっている高岡は、役者仲間にいわせると一途に尽くすタイプの男だそうである。
深夜、マンションに帰り、オートロックを解除するや、亜美の手が高岡の腰に伸び、抱き合っている姿からは「熱愛」の二文字が浮かんでくる。
宮崎あおいよりもお似合いのカップルだと思うよ。
巻頭にある木村拓哉と女房・工藤静香の「LOVE・サーフ」の写真もいい。
5月24日、千葉の九十九里浜。オレンジのボードで波に乗るキムタクが格好いい。工藤も2児の母とは思えないスタイルで、なかなかのサーファーぶりである。
第2位は、先週に続いて沢尻エリカの「大麻中毒」を追った文春の記事。今週は夫の高城剛を直撃インタビューして、すごい証言を引き出している。
「エリカは、離婚騒動がはじまる前に、エイベックスの松浦勝人社長に会ったと言いました。松浦社長は彼女に『スターダストから、大麻の件を聞いている。ドラッグ検査の際のやりとりの録音も持っている』と話したということです。そして、『高城と離婚することがエイベックスとの契約の条件』とし、『俺が離婚させてやる。マスコミはどうにでもなる』と話したというのです。弱みを握られたエリカは、『エイベックスに行くしかない』と話していました」
彼女の前の所属事務所・スターダストは、俳優の押尾学や酒井法子が覚せい剤取締法違反で逮捕、検挙されたため、09年9月に事務所を挙げて所属タレントの薬物検査を実施。そこで沢尻が大麻常習者だとわかり、契約解除したというのだ。その通知書を文春は手に入れたが、そこには、
「平成21年9月10日に本人の同意のもと薬物検査をしたところ大麻について陽性反応が示され、本人は大麻使用の事実を認めた上で、今後大麻の使用を止めることはできない旨を表明したことなどが、専属契約の第9条に該当することによるものです」
と書かれていた。高城はこうも語っている。
「当時、僕はスターダストの事務所に呼び出され、取締役F氏とマネージャーのK氏から、この件について直接聞きました。書類は間違いない」
そこで高城は滞在していたロンドンで、彼女を現地の代替治療施設に通わせ、その治療がうまくゆき、彼女が立ち直ったように見えたので結婚したのだそうだ。
その後、エリカからの一方的な離婚表明などがあったが、エリカの弁護士からの仲介もあり、二人で身を隠すためにスペインに向かったという。
バルセロナでは部屋に閉じこもっていることが多かったが、エリカは彼の地の自称「大麻インストラクター」のセルジオと知り合い、再び薬物にはまっていった。
セルジオはエリカと寝るとき、エクスタシーという合成麻薬の一種も使ったと証言している。これを高城にぶつけると、エリカ本人から聞いたと裏付けている。そして、
「僕はエリカに何度も(薬物から)立ち直るよう説得してきました。ところが、そのたびに彼女の周囲にいる仕事関係者や友人は『エリカらしいから大丈夫』『そのままでいい』などとそそのかし、彼女の更生を阻んだのです」
そして最後には、高城に「ファック!」と叫び、壁にコーヒーカップを投げつけて帰国してしまったのだ。
さらに文春は「TBSは薬物を認識していた」としている。
エリカは09年にスターダストをクビになり、ヒロイン役に内定していた映画『SPACE BATTLESHIP ヤマト』を降板させられるのだが、その制作委員会にTBSも名を連ねていた。
高城は、当時の制作委員会の人間から、TBSにも薬物検査の結果が伝えられていると、ハッキリ聞いているそうである。
「なぜ、ヤマトでエリカを降ろしたTBSが、エリカを再びドラマ(『悪女について』=筆者注)に起用するのか。薬物問題はどうパスしたのか。理解できません。エイベックス、スターダスト、TBSなどのメディア、そして取り巻きのクリエイターたち……。エリカの薬物を認識する人は複数います。それを見て見ぬ振りを決め込み、握り潰し、夫を黙らせようとする。そして、エリカの弱みを握り、裸にして、カネにしようというのが、このたびの離婚騒動に隠された真相なのです」(高城)
大手芸能プロやTBSを巻き込んだ大スキャンダルだが、エイベックスやスターダストの力に恐れをなしたか、このことは一部の夕刊紙を除いて、ほとんどの新聞、テレビが取り上げることはなかった。
文春は厚労省の現役麻薬Gメンに「重大な関心をもっている」と語らせている。星薬科大学の鈴木勉教授は、
「よく、『大麻はタバコより害がない』という声を聞きますが、大麻の“精神的な依存性”はタバコのニコチンよりかなり強い。大麻は『ゲートウェイ・ドラッグ』とも呼ばれ、合成麻薬など他の薬物に繋がる可能性が非常に高く、幻覚が見える・眠気に襲われるなどの作用があります」
大麻所持の公訴期間は5年だから、エリカの時効は成立していない。映画封切りに向け、どういう展開を見せるのだろうか。
今週のグランプリは鈴木章一編集長がつくる最後の号への餞(はなむけ)ではないが、現代のノーベル経済学賞受賞者ポール・クルーグマンのインタビューにあげたい。
クルーグマンはギリシャの財政再建計画は現実的に実行不可能だと言っている。
「現実が私の言っていたようになってきている。もはやギリシャにはユーロを離脱し、そこから改めてやり直す以外に道は残っていない」
ギリシャがユーロを離脱するのは、6月中に50%の確率であるという。どちらにしても90%の確率で、ギリシャはユーロを離脱すると予測するのだ。
しかしその影響は「計り知れない。対応を誤れば、ユーロ圏で大パニックが起こることになる」という。
「ギリシャがユーロを離脱すると、まずスペインとイタリアで銀行から大量の預金流失が起こることになる。いわゆる取り付け騒ぎというやつだ。(中略)おそらく預金の引き出しと海外への移転の額を合わせて、1000億ユーロ(10兆円)単位になるだろう。そうなれば巨大銀行崩壊の危険性が高まってくる。もちろんスペインやイタリアの巨大銀行が倒れれば、それは『第二のリーマンショック』級のものになる」
それを避けるためにECB(欧州中央銀行)が乗り出し、スペインやイタリアにカネを貸し付けることになるだろうが、もしECBが動かなかったとき、またそれだけ大量のカネを供給できなかった場合は「預金封鎖」になるという。
このような事態はポルトガルでも起こり、そうした国々は次々にユーロを離脱してドミノ倒しのようにユーロ離れが起こる。
さらにクルーグマンは、ユーロというプロジェクトが失敗すればどんなひどいことが起きても不思議ではないと、こう話す。
「戦争が起こる可能性? ヨーロッパではすでに過激派政党がどんどん力を持ってきている。アドルフ・ヒットラーが戻ってくることはないだろうが、過激派がさらに増加することは間違いない。ハンガリーではそういう状態にある」
しかし、アメリカは日本経済と似たような状態だし、ユーロ諸国も同じ。中国も成長のスピードが落ちていて、労働者の賃金も上がっていることから、成長の速度はさらに落ちるという。
日本経済はというと、政策当局はこの15年間アグレッシブな政策をとることを拒否してきたし、それは今も変わっていない。
日本銀行は今年に入ってやっとインフレ目標を1%としたが、本来なら3%、4%にしなければならないはずだとして、クルーグマンは「もう日銀に期待するのはやめた」とまで言い切っている。
「野田首相も現在5%の消費税を2年後に8%、3年半後に10%まで上げようとしているが、いかにもタイミングが悪すぎる。いずれ消費税を上げなければいけないことにはなるだろうが、それはいまではない。この時期に消費税を上げたら、もっと消費が落ち込み、経済が悪化することは目に見えている。日本の政策当局はいつも、これといった大胆な政策を打たないできた。だからこそ、他国でショックが起きたときにはかなりきつく影響が波及してしまう」
クルーグマンはこの危機を乗り越えるために、ユーロ諸国、アメリカ、日本などが一斉に大恐慌並みの大胆で積極的な財政・金融政策をとればいいと説く。
さらに世界中の先進国が頭を抱えている国債、借金問題などそれほど怖くないともいう。
「経済が成長すればそれは返すことができる。イギリスがかつて成長を謳歌していた時代にも、同国は大量の借金を抱えていたという事実をどうして誰も語ろうとしないのか。そうした意味でも、成長のための政策がいま求められているのだ」
この記事を、野田首相に読ませてやりたいものである。
(文=元木昌彦)

撮影/佃太平
1945年11月生まれ。早稲田大学商学部卒業後、講談社入社。90年より「FRIDAY」編集長、92年から97年まで「週刊現代」編集長。99年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長を経て、06年講談社退社。07年2月から08年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(2006年8月28日創刊)で、編集長、代表取締役社長を務める。現「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催、編集プロデュースの他に、上智大学、法政大学、大正大学、明治学院大学などで教鞭を執る。 【著書】 編著「編集者の学校」(編著/講談社/01年)、「日本のルールはすべて編集の現場に詰まっていた」(夏目書房/03年)、「週刊誌編集長」(展望社/06年)、「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社/08年)、「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス/08年)、「競馬必勝放浪記」(祥伝社/09年)、「新版・編集者の学校」(講談社/09年)「週刊誌は死なず」(朝日新聞社/09年)ほか
