PC遠隔操作事件・片山容疑者に冤罪の可能性が浮上「真犯人は別にいる!?」

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「AERA」3月4日号 中吊り広告より
注目記事1位 「『真犯人は別』の根拠」(「AERA」3月4日号) 注目記事2位 「危ない輸入食品472品目一挙公開」(「週刊朝日」3月8日号) 注目記事3位 「郷ひろみ不倫発覚!」(「週刊文春」2月28日号) 注目記事4位 「フジ『温泉特番』出演者が“やらせ”告白」(「週刊文春」2月28日号) 注目記事5位 「今井メロ 至高のヌード!!」(「フライデー」3月8・15日号) 注目記事6位 「水素水論争に最終結論!誌上実験でわかった『本物』と『偽物』」(「週刊文春」2月28日号)  アカデミー賞が決まった。1979年に起きた、在テヘラン・アメリカ大使館占拠事件を題材とした映画『アルゴ』が、第85回アカデミー賞の最優秀作品賞を受賞した。この作品は、事実に基づいた緊迫感のある佳作ではあるが、人質救出のクライマックスがご都合主義(実際、いろいろな幸運が重なったのかもしれないが)に見えて、私は少し減点していたが、大方の予想通り受賞した。  今回、気になったのは、この映画以外に国際テロ組織アルカイダのオサマ・ビンラディン暗殺作戦『ゼロ・ダーク・サーティ』のように、アメリカの国威発揚映画が多く候補に挙がっていたことである。しかも、作品賞の発表をオバマ大統領のミシェル夫人がホワイトハウス(だろうと思うが)から発表した。  映画はその時代を映す鏡である。CIAなどの非合法な活動まで賞賛し、強いアメリカ、善きアメリカ(『リンカーン』等がそれに当たる)を再び、のようなアメリカの風潮に危険なものを感じるのは私だけだろうか?  今週もグランプリ対象作は見当たらない。そこで下手な鉄砲で、数を集めてみた。    まずは文春の記事。水素水というのは、日本医科大学大学院太田成男教授らが米国の医学雑誌「Nature Medicine」に発表して話題になったそうだ。美肌、メタボからセックスにまで効果のある「夢のアンチエイジング」なのだそうだ。 「とりわけ糖尿病予備軍とも言われる耐糖能異常では血糖値の改善が見られました。ガンの放射線治療の副作用である痛みの軽減や、関節リュウマチによる炎症の軽減についても、特筆すべき効果が報告されています」(シンポジウムに参加していた医療関係者)  私はこういう話を聞くと、ほんとなんかい? と疑ってしまう質だが、文春が昨年報じて大きな話題になったようだ。認知症や動脈硬化、肥満、認知症にも動物実験段階だが一定の効果があったといわれている。こうなれば、水素水でひと儲けと考える人間が出てきて不思議はない。  太田教授はこう話す。 「私たちが医学的利用を研究している水素は、水素ガスとして知られる分子状の水素(H2)です。空気中にも僅かですが存在しています。あくまで、この分子状水素が、体内の活性酸素、なかでも一番の悪玉活性酸素である『ヒドロキシルラジカル』に反応し、体内で化学変化を起こすことで水に変化するのです」  ところが、この分子状水素が入っていない水や、発生しないサプリが「水素商品」として販売されているというのだ。そこで文春は独自に検証して、本物と偽物の判定を試みた。記事中には市販されている水素水の「水素濃度」が一覧で出ている。中にはペットボトルなどに入っていて、ユーザーの手元に来るまでにほとんど水素が抜けてしまっているものもある。アルミ缶も注意したほうがいい。サプリも要注意だそうだ。    この中では3つの製品が水素の濃度が高かったと太鼓判を押されているが、1つだけ紹介してみよう。「水素たっぷりのおいしい水」(メロディアン)がそれだ。Amazonで調べてみたら、300ml×20本で5,350円と出ていた。これを高いと思うか、安いと思うか。もし、ここに書いてあるような効能があるとすれば安いのかもしれないが、効能のほどは私にはまったくわからない。  次はフライデーの袋とじ。トリノ五輪のスノボー代表だった今井メロ(25)の「至高のフルヌード」とある。週刊現代もグラビアではなく活版だが、「今井メロのオールヌード」と表紙の一番目立つところに置いているから、話題性はあるのだろう。    ヨーロッパ系の血が流れているという彼女は、日本人には珍しい濃い顔と、スノボで鍛えた迫力ある肢体がなかなかのものである。セクシーさはないが一見の価値はある。    4位は、文春のテレビ告発もの。私もたまたま見ていたのだが、2月5日に放送されたフジテレビ『全日本温泉宿アワード2013』という番組があった。これが「やらせ」だったと報じているのだ。    生放送で視聴者による電話投票でナンバー1の温泉宿を決定するというものだが、この制作過程で旅行評論家A氏は、制作会社から“やらせ”の依頼を受けたというのである。制作会社からお薦めの温泉宿を教えてほしいと言われ、3軒の宿を書いて返信したそうだ。何度かやり取りをした後に、「蟹御殿」というのを知っているか、というメールがきた。そこの紹介者になってほしいという内容だったので、行ったこともないし、聞いたこともないと返事をし、その話はなくなった。  しかし、番組の選考場面に出演したカメラマンの立木寛彦氏はこう話している。 「最後に、番組スタッフから台本を手渡され、この通り喋ってくれと言われた。その時、初めて自分が蟹御殿(佐賀県・太良獄温泉)の推薦者になっていたことを知ったのです。杉本(圭カメラマン=筆者注)さんは行ったことがあるとのことでしたが、私はありませんでした。ただ、風景の素晴らしい温泉だとネットなどで知っていたので台本通り話しました。正直、スタッフに騙されたという気持ちです」  蟹御殿は番組に登場することが決まっていて、推薦者を必死に捜していたのであろう。しかも、視聴者の推薦によって「日本一」を決めると謳っているのに、アナウンサーが「蟹御殿に決定しました!」と発表するだけで、獲得投票数も発表されず2位以下の順位の発表もなかった。  イカサマではないか、という声があがったのも無理からぬことであろう。この蟹御殿は、温泉が21度と低く、源泉掛け流しの湯と比べるといい湯だとは言えないと、温泉評論家の郡司勇が言っている。テレビの効果は絶大で、蟹御殿は2カ月先まで予約が一杯になっているそうだ。フジテレビ側は当然ながら“やらせ”を否定しているが、これだけ批判が出ているのだから、BPO(放送倫理・番組向上機構)で検証してもらったほうがいいのではないか。  BSにもよく見られるが、宿に便宜を図ってもらう番組作りが多すぎる気がする。忘れ去られていたタレントを使って、安く番組を作るテレビ東京的やり方が横行してはいないか。レストランやコンビニとの広告抱き合わせのような番組作りも目立つ。こんなことをやっていると、テレビ離れはますます進むはずだ。  3位は、これまた文春の郷ひろみのお騒がせスキャンダルである。 ひとみ(仮名)という、郷と不倫関係にあった女性の知人(こういう場合は、本人が語っていることが多い)がこう語っている。 「郷さんが泊まっていたのはとても広い部屋で、ツインルームだと思っていたら、扉の先に、さらにもう一つ大きなベッドルームがあった。  郷さんは、ガウンの下は素肌で、柄の入ったお洒落なボクサーパンツが印象的だったそうです。  郷さんが、ベッドにうつぶせになったから、ひとみが肩や腰をほぐしていると『気持ちいい~』って言うんだけど、マッサージは二、三分したらもう終わり。そのまま自然に寝かされて‥‥。二人ともシャワーを浴びていなかったから、彼女はエッ? と驚いたそうです。いつの間にかスルスルと服を脱がされ、キスされたと。  郷さんってテレビで見るとすごく若く見えるけど、キスのときに口を突き出すクセがあって、そのとき顔に皺が何本も現れるそうなんです。それに上半身は凄く鍛えているのに、下半身はあまり筋肉がついておらず、おじいちゃんのようだったと。(中略)    でも、加齢臭とかは全然ない。避妊はきっちりしていて、知らないうちにどこからか黒いコンドームを取り出して付けていたと言ってました」  それにしても、女性が好きな男である。98年に二谷友里恵と離婚発表したとき、郷が『ダディ』(幻冬舎)という本を出し、赤裸々な不倫告白をしたことが話題になった。「友里恵以外の数人の女性と、肉体関係を持ったのだ」と書いたが、友里恵から「『数人』の間に『十』も『百』も入っていない?」と皮肉られた。  私が週刊現代編集長時代、ヒット企画に「衝撃の告白」というシリーズがあった。本来は、それなりの女優やタレントが男とのベッドの上でのナニの話をするというものだが、そうした女優やタレントがそう多くいるわけではない。    そこで考えた編集部員は、六本木などのキャバクラへ出撃し、そこのかわいい女の子たちを手なずけ、もとい、取材先としてコネを付け、彼女たちが付き合った芸能人たちとの「寝物語」を聞いてまとめたのだが、これが大評判になった。    合計すれば100回以上もやったが、その中で3回ほど登場したのが郷ひろみだった。最多登場でトロフィーでもあげたいくらいだった。たしか自宅に連れて行って、妻・友里恵の寝室でコトをいたしたという女性の告白もあったように記憶している。    今回の浮気は時期がまずかった。二回り下の元OL利奈と、3度目の華燭の典を挙げたのが1月19日。主賓の挨拶では「アチチな家庭を築いてください!」という言葉もあったようだが、新婦との婚約中に今回の不倫が進んでいたのでは、アチチというのは新妻のほうであろう。  ひとみは「けっきょく、自分がやりたいときに呼ぶだけ。気が済んだらお茶も出さずにサヨナラです」と怒っているようだが、そんなのは当たり前であろう。読む限り、郷が愛情を持って彼女と付き合っていたとは思えない。そこが新妻には救いだろうが、この男の女好きは、もはや病だとあきらめるしかないのではないか。  2位には、朝日の危ない輸入食品総点検もの。  厚生労働省のまとめによると、2011年度に輸入食品の届け出件数は1991年度に比べると、約3倍の72万950件、総重量は1000万トン近くも増えている。中国からの冷凍ギョーザ中毒事件から5年が経ったが、日本の食品衛生法に違反した輸入品の数は減ってはいるものの、体に危ない食品は後を絶たないというのだ。  昨年6月には中国産蒲焼きから合成抗菌剤「マラカイトグリーン」が検出され、菓子類や油脂からは防腐剤「TBHQ(ブチルヒドロキノン)」、冷凍コハダや健康食品から発ガン性が疑われ、日本では約40年前に使用が禁止された人工甘味料「サイクラミン酸」が検出されている。  熱帯、亜熱帯で生息するカビ毒の一種「アフラトキシン」は、1960年にイギリスで10万羽以上の七面鳥が死んだが、米国産のトウモロコシなどから59件も見つかっている。東南アジアを中心に、養殖水産物から抗菌剤や抗酸化剤、抗生物質などが摘出される例が多いという。生食用と謳ってある韓国産のヒラメから、寄生虫「クドア・セプテンプンクタータ」が見つかった。  日本人の好きなチョコレートも、原料となるカカオ豆から「イミダクロプリド」などの基準値を超える殺虫剤がたびたび検出されている。  また、輸入される野菜サラダやレトルト食品に使われるカット野菜は、次亜塩素酸ナトリウムやお湯で丁寧に洗浄されているため、本来の栄養分が流出してしまっているから、栄養面でも気を遣ってほしいと、NPO法人「食品と暮らしの安全基金」の小岩順一が話している。  TPPが締結されれば、さらに大量の輸入食品が日本に入ってくるはずである。食品の安全という点でも、十分な議論が必要であろう。  今週の注目記事の1位は、パソコンの遠隔操作事件で威力業務妨害の疑いで逮捕された片山祐輔(30)容疑者が、真犯人ではない可能性があるというAERAの記事。  片山容疑者の弁護を務める佐藤博史氏は、足利事件で菅谷利和さんの弁護を担当し、冤罪を晴らした人物である。佐藤弁護士が、警察が決定的な証拠があるといっていた「決定的なる証拠」に疑問ありというのだ。  これは、1月3日に江ノ島で片山容疑者が映っていたという、防犯カメラの映像のことだ。当初、実際に片山容疑者がネコに首輪を付けている映像があると報じられたが、そうした決定的な場面を、警察は持っていないのではないかというのである。    もちろん、仮に映像があっても警察や検察がすぐに証拠を開示する必然性はないのだが、片山容疑者は江ノ島へ行き、ネコに触り、スマートフォンで写真を撮ったことは認めているのだが、肝心のネコに首輪を付けたかという質問には「つけてない」と答えているのだ。また、遠隔操作ウイルス「iesys.exe(アイシス・エグゼ)」に使われたプログラミング言語「C♯」を、片山容疑者は「自分は使えない」と話しているというのである。    これが本当なら、根底からこの捜査は崩れる。彼が勤務していたIT関連会社の社長は、片山が「C♯」を使ったことはあるが、ウイルスの設計コードをいじるほどのレベルではないのではないかと話している。    4人の冤罪者を出したこの事件。もし今度もまた犯人を間違えたなら、現代で魚住昭と青木理が対談しているように、「刑事も記者も全員クビです」な。 (文=元木昌彦)
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撮影/佃太平
●元木昌彦(もとき・まさひこ)
1945年11月生まれ。早稲田大学商学部卒業後、講談社入社。90年より「FRIDAY」編集長、92年から97年まで「週刊現代」編集長。99年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長を経て、06年講談社退社。07年2月から08年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(2006年8月28日創刊)で、編集長、代表取締役社長を務める。現「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催、編集プロデュースの他に、上智大学、法政大学、大正大学、明治学院大学などで教鞭を執る。 

「常軌を逸している」遠隔ウイルス片山容疑者の“逮捕”をテレビカメラ撮らせた警察の暴挙

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「週刊新潮」2013年2月21日号中吊り
注目記事1 「中国人9割は『日本と戦争』『東京空爆』」(「週刊新潮」2月21日号) 「中国からの『宣戦布告』」(「週刊文春」2月21日号) 「中国『宣戦布告なき開戦』の一部始終」(「週刊ポスト」3月1日号) 「『狙いは首都・東京』習近平の中国は本気だ」(「週刊現代」3月2日号) 注目記事2 「北朝鮮『国連脱退』へ」(「週刊現代」3月2日号) 注目記事3 「学習院中高出身のネコ男を新聞・テレビに『売った』警視庁」(「週刊現代」3月2日号) 注目記事4 「告発された『高知県警』組織的隠蔽工作」(「週刊新潮」2月21日号) 注目記事5 「本当は同僚も知らなかった 人気女子アナの年収」(「週刊ポスト」3月1日号)  まるで日中戦争が勃発したかのような週刊誌のタイトルが並んでいるが、それについては後で触れる。  性懲りもなくポストは小沢一郎をインタビューしているが、終わってしまった男の愚痴でしかないと思わざるをえない。  唯一読めたのは安倍晋三総理について触れたこの部分。 「──安倍(晋三首相)は、今は自信満々にアベノミクスと呼ばれる政策で予算をバラ撒いている。 小沢 安倍さんは総理大臣に2度なったんだから幸運といえば幸運だけれども、内外に問題を抱えて、非常にしんどい立場だと思います。よっぽど心してやらないと、そんな楽な政権運営にはならない気がします。  アベノミクスは本質的に、昔の自民党と同じやり方なんです。一つは最気が悪くなったから公共事業をやる。もう一つは、小泉・竹中路線も同じたったけれど経済全体のパイを大きくすれば国民の所得レベルも上がるという考え方です。けれども、『小泉改革』でわかったように、パイが大きくなっても、国民所得は下がる一方です。だから格差はどんどん拡大した。アベノミクスは、そうした二重の過ちを再び犯しているんじゃないかと思います。加えて、官僚支配の弊害がますます強く出てくるはずです。それがやっぱり大間題だと思います」  現代お得意の外性器シリーズ、今週は「『私の外性器を見てほしい』自画撮り公開する20代女子たち」。飽きずにやる根性がすごい!  ネットで「自画撮り女子」と検索すれば出てくるとあるので、やってみたらあるある。1日1万枚が投稿されるというのだ。  座談会に出席している26歳のリナが、自画撮りをする本音をこう語っている。 「いつまでも美しくいるために、私たちは大勢の人の目に、あえて裸や性器を晒すんです」  こちとらそうですかと頷くしかないね。  注目記事の最初はポストの「女子アナの年収」の記事。一部のスポーツ紙がフジテレビの人気女子アナ加藤綾子(27)について、こんなことを書いたという。 「入社5年目のカトパンが大出世して、6年目のショーパンの上司になるらしい」  フジの最年少の管理職になり、現在の年収1,700万円が一気に3,000万円になるというのだ。  だがこれがまったくのデタラメで、年収も1,000万円か1,200万円程度だと、フジの現役アナウンサーに語らせている。  それでもフジの給料はいいと思うが、端が羨むほどではないというのだ。  悲惨なのは日テレの女子アナで、看板アナの石田エレーヌ(30)でも約900万円程度ではないかと推定している。  TBSも低くて、人気ナンバーワンの田中みな実(26)や枡田絵理奈(27)でも年収900万円がやっとだそうだ。  NHKはどうかというと、2月12日に経営陣が抜本的な給与制度の改革案をぶちあげ、基本賃金の10%カットや各種手当の廃止、勤務地によって給与を引き下げるというのだ。  給与水準は民放の7~8割程度で、昨年の紅白歌合戦で司会を務め課長待遇の有働由美子アナ(43)で1,300万円程度ではないかという。  結婚式などの司会が副業としておいしかったのだが、フジテレビやテレ朝などは、副業がやりにくく、局として仕事を受けるので個人へのバックはないようだ。  それではみんながフリーになるのではと心配になるが、フリーで成功を収めるのもほんの一握りで、独立も茨の道なんだそうだ。女子アナもつらいのですな。  新潮と現代が警察批判をしている。まずは新潮の高知県警に組織ぐるみの隠蔽工作があったのではないかと告発している記事から。  軽犯罪法違反で起訴された小松満裕(63)被告の罪状は、加藤晃久(50)の悪口を大声で言ったためだというのだが、そんなことで起訴するのはおかしいと、元最高検検事の土本武司筑波大学名誉教授がいっている。  実は、その加藤なる人物は高知県警本部長で、小松被告は7年前に起きたある事件を告発していたのだ。  2006年3月3日、仁淀川町立仁淀中学校のスクールバスが駐車場から国道に出た際、右側から高知県警交通機動隊の白バイが衝突し、死亡した。白バイ隊員はそのとき時速60キロで走行しており、すべての過失は運転手にあると認定された。  しかし、バスの運転手は一貫してバスは停止していたと主張し、バスに乗っていた生徒や教師、バスのすぐ後ろにいた校長などもそう証言している。  さらに白バイの速度は60キロどころではなかったとも証言しているのだ。  だが高知地裁は現場検証の申請も最後まで無視し、最大の証拠として認定されたスリップ痕の写真についても、科学的な検証をまったく行わないまま判決を下し、確定してしまった。  バスの運転手は10年10月に高知地裁に再審請求し、弁護団は専門家に調べてもらってスリップ痕写真が捏造であったことを突き止めている。  小松被告は、この事件を高知県警によるでっち上げだと以前から告発していたので、取るに足らないことで起訴されてしまったというのである。  検察や警察がぐるになってかかれば無実の人間を有罪にすることなど容易いことは、これまでいくつも事例がある。  新潮は以前にもこの事件の判決を取りあげ「おかしい」と詳報している。  これからも再審請求の行方や小松被告の裁判など、目が離せない。  現代は「PCなりすまし事件」で逮捕された片山祐輔容疑者について、警察が事前に犯人情報をメディアにリークしたのはおかしいと難じている。  全国紙社会部記者がこう話す。 「逮捕2日前には捜査関係者が各メディアに容疑者の素性や住所などをリークしていました。逮捕前に捜査情報がここまで漏れてくることはありえませんから、極めて異例です。逮捕直前の未明に自宅前にメディアを集合させることなどは、常軌を逸していますよ。連行する際には、事前に『(容疑者の顔を)撮らせるから』と約束し、警視庁の広報官がカメラマンたちに『撮れたか?』と確認をしている始末です。これでは警察によるメディアのコントロールと言われても仕方ありません」  たしかに逮捕時の映像が撮られ、容疑者の顔を隠さず、カメラに撮らせていたのには違和感を感じたが、そういうことだったのか。  4名の冤罪被害者を生んだことで警察も焦っていたのだろうが、まだ真犯人と決まったわけでもないのに住所、氏名をリークし、顔を晒すのは明らかに行き過ぎである。  メディア側も多くの冤罪者を生んだことへの反省もなく、警察組織に取り込まれ、警察の広報機関と堕していることへの疑問もない。  事件へのもう一つの視点を指摘した、いい特集である。  ポストでカレル・ヴァン・ウォルフレン・アムステルダム大学名誉教授とマーティン・ファクラー・ニューヨーク・タイムズ東京支局長が安倍政権について対談しているが、そこでウォルフレン教授がこんなことをいっている。 「ウォルフレン 私はそのシステムを打破する鍵を握っているのは『市民とメディア』だと思います。これまで日本では、市民による真の大きな反メディア・キャンペーンは起きていませんね。  私は、日本の改革はそれによって起きるのではないかと期待しています。メディアは閉塞的な日本という現状を生み出すその片棒を担いでいないか? ただ習慣的に政治家を批判し、政局だけを報じていないか? 新聞は国民を導くガイド役を放棄しているのではないか? と具体的な例示を持ってキャンペーンする。そうしたことが起きれば、有能なジャーナリストも現われ、物事を変えていく力となりうる。メディアが変わらなければ、投票に行かなかったけれど改革を求めている人たちを動かすことはできません」  マスメディアが信用されない時代にこそ、小メディアが活躍できる余地があるのだ。がんばれ週刊誌。  注目記事の2位は現代の記事。かって日本が満州国承認を受けられなかったことで国際連盟を脱退し、これを機に戦争へと突き進んだ道を、北朝鮮も国連がイラン並みの非難決議を決めたら、同じ道を進むかもしれないというのだ。  この中で読み所は中国共産党幹部へのインタビューである。  1月22日に国連安保理で北朝鮮への5度目の非難決議を採択したが、そのとき中国は賛成に回った。  今度の核実験をどう見ているのかという問いに、こう答えている。 「習近平総書記の心情を察して言えば、『金正恩よ、もう許さないから覚悟せよ!』ということだ。  核実験をした前日夜に、北朝鮮から『明日、実行する』と、ぶっきらぼうな連絡が入った。『中国は強く反対する』と告げたところ、『今回は前日に連絡したのだから、わが国の誠意をありがたく思うべきだ』と言ってきた。こんな非礼な国が、どこにあるか?」  さらに習近平が金正恩に冷めている理由をこう述べている。 「考えてもみるがいい。わが国は北朝鮮に対して、食糧、重油、肥料を毎年大量に援助し続けている。それなのに、わが国が援助した食糧を朝鮮人民軍が喰い、わが国が援助した重油で朝鮮人民軍が核兵器を作っている。そしていくら警告しても、耳を貸そうともしない。こんな『流氓(リウマン)国家』(ヤクザ国家)を、なぜこれ以上支援し続けなくてはいけないのだ?」  今週の注目記事の1位には、あたかも日中が戦争を始めたのかと見紛うばかりのタイトルが踊る各誌の特集を選んだ。  安倍政権は大政翼賛政治だと批判しているはずのメディアが、こと中国や韓国のことになると無批判に相手国を非難し、中国撃つべしと挙って反中を掲げて思考停止してしまうのは、今に始まったことではないが、辟易する。  新潮の以下の発言が週刊誌全体の空気をよく表している。 「戦争が始まれば、東京を空爆することを考えなければならない」  これは羅援という人民解放軍少将の発言だという。驚くべき発言ではあるが、新潮は、中国人の9割が日本との戦争を望んでいるという驚くべきアンケートがあると書いている。  『環球時報』という人民日報系の新聞が「尖閣空域で巡視活動を行う中国機に対し、日本の戦闘機が射撃を行うと思うか」というアンケートを実施した。  3万人ほどが回答し、その9割近くが「日本は開戦への第一弾を発砲するだろう」と答えたというのである。  さらにメディアに解放軍の幹部たちが登場して「我々は瞬間的に日本の戦闘機F15を撃墜する力を持ち、開戦から30分で日本を制圧し、始末することができる」という過激な発言を繰り返しているというのだ。  先の羅援人民解放軍少将の発言もその一つだが、この人物は習近平の小さい頃からの友人で、「彼の発言は、習総書記の意向を汲んだものとの可能性が捨てきれない」(矢板明夫産経新聞中国総局特派員)という見方もあるようだ。  もし日中戦かわばどうなるかという特集も多い。大方の見方は日本有利と見ているが、中国が最終兵器を持ち出してきた場合は、すべてが水泡に帰す恐れもあると武貞秀士延世大学教授は新潮でこう語っている。 「中国の軍事力で危惧すべき点は、中国が東風21などの中距離弾道ミサイルを東京や大阪に向けて発射、それが着弾した場合、それらの都市は瞬時に焦土と化します」  ここまでいけば間違いなく第3時世界大戦の始まりだ。いくら中国内部に好戦的な空気が横溢しているからといって、ここまでやるとはとうてい思えない。  それよりも目下の最大の危機は北朝鮮である。日米関係も大事だが、北朝鮮を押さえつけるためにはどうしても中国の力が必要なのだ。  それなのに安倍総理は中国との関係改善の糸口さえ見つけられないでいるではないか。今メディアがやるべきは日中関係をさらに悪くする方向へ世論を煽ることではなく、安倍に「日中関係改善を最重要課題とせよ」と諭すことではないのか。  海上自衛隊の護衛艦「ゆうだち」がレーダー照射(ロックオン)されたのは1月30日である。  ロックオンはミサイルを撃ち込まれても不思議ではない危険な行為だそうで、文春で作家の麻生幾が、1月19日に尖閣諸島から北へ約百数十キロの海域で起きた、海上自衛隊の海上哨戒用ヘリコプター「SH-60K」に対する、中国のフリーゲート艦「ジャンカイ1級」からの射撃管制レーダー照射の模様を緊迫感のある文章で描いている。 「神経をかき乱す音が、海上哨戒用のヘリコプターSH-60Kの狭い機内に鳴り響いた。 “強烈に耳障りな音”を聴いた機長ほか三名の搭乗員たちは、その音が意味することをすぐに悟った。  SH-60Kをターゲットにして向かってくるミサイルが自ら放つ終末誘導レーダーか、軍艦が射撃を行うためのレーダーか、そのどちらかを探知したのだ。(中略) “強烈に耳障りな音”は止むことはなかった。しかも回避行動を取りながらその海域を離脱するSH-60Kの背後へも、フリーゲート艦は十分近くもしつこく照射し続けたのである。 “強烈に耳障りな音”を十分近くも聞き続けたヘリコプター搭乗員の精神状態はいかばかりであったか──『至急報』を受けた海上自衛隊幹部は、ゾッとする想いに襲われた」  週刊ポストは、こうしたレーダー照射などの危険な中国側の行為は頻発していたと報じている。  取材で明らかになったのは2010年4月8日に「中国艦艇の艦載ヘリが護衛艦『すずなみ』に接近飛行」。4月13日には「P-3C哨戒機が中国艦艇から速射砲の照準を向けられる」など、1月の2件を入れて8件あるという。  こうした人民解放軍の一触即発の危険な行為は、習近平総書記がまだ軍を完全に掌握できていないための「軍の暴走」だと捉える見方が多いようだが、いつ現場で小競り合いが起きないとも限らない。  日本人は後先を考えず短慮に物事を進める気質が強くある。そうした空気が大きくならないようにするのも報道する側の責任であるはずだ。中国側の好戦的な雰囲気より、日本の中の「中国撃つべし」とい雰囲気の広がりのほうが心配である。 (文=元木昌彦)
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撮影/佃太平
●元木昌彦(もとき・まさひこ)
1945年11月生まれ。早稲田大学商学部卒業後、講談社入社。90年より「FRIDAY」編集長、92年から97年まで「週刊現代」編集長。99年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長を経て、06年講談社退社。07年2月から08年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(2006年8月28日創刊)で、編集長、代表取締役社長を務める。現「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催、編集プロデュースの他に、上智大学、法政大学、大正大学、明治学院大学などで教鞭を執る。 【著書】 編著「編集者の学校」(編著/講談社/01年)、「日本のルールはすべて編集の現場に詰まっていた」(夏目書房/03年)、「週刊誌編集長」(展望社/06年)、「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社/08年)、「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス/08年)、「競馬必勝放浪記」(祥伝社/09年)、「新版・編集者の学校」(講談社/09年)「週刊誌は死なず」(朝日新聞社/09年)ほか 

内柴正人被告と同罪? 安倍内閣・徳田毅代議士“未成年女性”泥酔姦淫で訴えられていた!

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「週刊新潮」2月14日号 中吊り広告より
グランプリ 「『徳田毅代議士』が慰謝料1000万円の『未成年女性』泥酔姦淫」(「週刊新潮」2月14日号) 注目記事1 「ロックオン挑発にドタバタ安倍官邸の『勝算』」(「週刊朝日」2月22日号) 注目記事2 「AKB柏木由紀 Jリーガーとの『深夜合コン』撮った!」(「週刊文春」2月14日号) 注目記事3 「官邸VS.日銀の戦い 白川総裁『怒りの辞任』に官邸「逆ギレ」財務省は冷ややか」(「週刊朝日」2月22日号) 注目記事4 「『殺人スモッグ』PM2.5襲来!」(「週刊文春」2月14日号)  中国の大気汚染は「殺人スモッグ」といわれているそうだが、春節を迎えた中国・北京市内で鳴らされる爆竹が一層汚染を深刻にしていると、多くのテレビが報じている。  文春はそのすごさを、こう伝える。 「北京在住十二年になる、フリーランスライターの小林さゆり氏は、『北京はこの十二年間で最悪の空気』と語る。 『冬の暖房はクリーン化が進んだとはいえ、石炭や練炭を燃やすのも一因でしょう。今年の冬は特に、近隣工場からの排煙が増しているのか、部屋の中で過ごしていても、燻されたような匂いがして、常にけむい。窓を閉めてもダメで、部屋の中でもマスクを二重にしています。街中は、白い靄がかかっていて、まさに五里霧中。バス停でバスを待っていても、数十メートル先も見えず、路線バスの番号も分からない。交通事故も増えていて、先日も高速道路で何十台もの追突事故がありました。うっかりマスクを忘れて百メートル先の店に自転車で買い物に行っただけで気持ちが悪くなり、嫌な空気が肺の中に残る感じが半日、ずっと消えませんでした』  北京大学公共衛生学院などが中心となってPM2.5の健康被害に関する報告書を公表したのは、昨年12月のことだった。そのタイトルは「危険的呼吸」。報告雪にはこう書いてある。 <もし汚染水準が改善しなければ、四都市(北京、上海、広州、西安)でPM2.5が原因で早死にする人は年八千五百七十二人に達し、早死による経済損失は計六十八億元(約一千億円)に上る>  だがこれに対し、米・ハワイ大学の環境研究家・薫良傑氏は、 『これはまだ控えめな統計といえる。中国では一年間に、大気汚染により三十五万人以上が早死にしているといわれている』  と、21CN新聞のインタビュー(一月十七日)で答えている。  PM2.5は黄砂よりも微細な物質のため、気道上部や鼻だけではなく、肺や血管にまで入り込む。そのため、瑞息の悪化だけでなく、呼吸器疾患、脳卒中、心筋梗塞の死亡率も悪化させる」(文春)  大気汚染、砂漠化は北京だけの問題ではない。中国の大都市が抱える重大な健康被害問題は解決の方法があるのだろうか。  安倍晋三総理は、何もしないうちから株価が上がり円安が進行する「タナボタ」景気で浮かれているようだが、これは日銀の白川方明総裁を政治力でねじ伏せたことが発端である。  渋々2%の物価目標を飲んだ白川総裁だったが、2月5日、突然任期途中で辞任すると表明したから、官邸は「逆ギレ」していると朝日が書いている。  日銀内部では、こういう見方が広まっているという。 「『白川さんは怒っているはず。日銀も怒っていると言っていい。政治が職権を越えて他人の城に手を突っ込み、強引に横車を押したんですから。それでも公には口にしないところが、白川さんらしい』(日銀幹部)  途中辞任は怒りの表現、すなわち『無言の抵抗』だと受け取ったわけだ。中央銀行(日本では日銀)は政治から独立し、通貨や物価の安定を図る組織だ。そのトップが政権と対立し、任期をまっとうできないのは、金融界から見れば、かなりの異常事態なのだ」  朝日は、後任総裁は財務省OBの武藤敏郎・大和総研理事長か黒田東彦・アジア開発銀行総裁と見ているが、文春では岩田規久男学習院大教授(70)が最有力で、自身「日銀総裁の覚悟ある」と話している。以下は岩田教授の“覚悟”のほどである。 「今は経済戦争の最終決着の時なんです。  デフレ派に聞きたい。バブル以降のデフレで、財政は再建できたのですか? 景気は良くなったのですか? 株価は上がったのですか? 十五年間の壮大な『デフレ経済実験』の結果 はすでに明確に出ている。デフレでは、駄目なんです。  インフレ二%というと『ハイパーインフレが来る』『九百八十三兆円の財政赤字の利払いで日本は破綻する』と彼らは言う。では、どうしろと言うのか? これからの十五年も、またデフレの実験を続けるのですか?  インフレで経済を立て直せるかどうか、確かにこれはやってみないと分からない。ただ、やる前から『絶対成功する根拠を示せ』という議論は無理がある」  金融政策を実現するためには、日銀法の改正が必要だと続ける。 「先月の、日銀金融政策決定会合でも、二%のインフレ目標の責任が日銀に全てあるのか、政府も一翼を担うのか曖昧なままでした。ここを改善しなくては機動的な金融政策は不可能です。  日銀には『目的の設定権利はなく、手段選択の権利は持たせる』。そして目標に対する全ての責任を負わせることです。要するに、『言い訳を許さない』。  これまでの経済の低迷の原因はデフレにあり、デフレにした責任は日銀にある。日銀が全て悪いのかと聞かれれば、私は『その通り』と答えます」  この御仁が日銀総裁になったら、この発言との整合性はどう取るのだろうか。財務省OBか大学教授か、アベノミクス第一の試金石である。  今週、文春のターゲットになったのは、メンバー随一の清純派“ゆきりん”こと柏木由紀(21)。若きJリーガーたちとの、朝まで続いた合コンである。これが注目記事の2位。 「『彼女は「アイドルの中のアイドルを目指す」と公言する“処女キャラ”です。キャッチフレーズは「寝ても覚めてもゆきりんワールド! 夢中にさせちゃうぞ!」。握手会では目線を逸らさず、ファンの手を両手で包み込む“十秒握手”でファンの心を掴んできた』(AKB担当記者)」  総選挙では常に上位に食い込み、一昨年、昨年と3位だった。  合コンが行われたのは、皮肉にも柏木主役のドラマが放送された初日の深夜0時過ぎだった。  場所は目黒のダイニングバー「S」。文春が先週報じた峯岸らAKBメンバーが参加したパーティーが開かれたのと同じ店である。柏木を誘ったのは、やはり峯岸だという。 「柏木が仲が良いのは、峯岸や指原。峯岸は一期生。柏木にとっては年下でも先輩にあたるんです」とAKB担当記者が話している。  午前0時30分。柏木に遅れて峯岸、その後からカリスマAV女優の明日花キララ(24)も参戦した。今回のお相手はロンドン五輪にも選ばれたセレッソ大阪の扇原貴宏(21)と杉本健勇(20)ら。  峯岸が酔ってフラフラと引き上げたのが午前3時過ぎ。柏木と明日花は男性陣とカラオケルームへ入り、ご帰還は朝の7時過ぎ。  ちとハメを外しすぎではないかね。不祥事続きのAKBだが、元メンバーたちが「恋愛禁止条例」についてこう語っている。 「もともとあってないようなルールだし、バレたら終わり、バレなければOK。それだけですよ」  バレた峯岸や柏木は運が悪いということか。秋元さん、また坊主にしますか?  注目記事1位は、一つ間違えれば日中戦争勃発になりかねなかった、中国フリーゲート艦から照射された火器管制レーダー“事件”についての朝日の記事。  海上自衛隊の護衛艦「ゆうだち」がレーダー照射されたのは1月30日。安倍総理は毅然としながらも、中国側の挑発には乗らなかったことが評価されているが、舞台裏ではいろいろあったようだ。 「与党関係者によると、レーダー照射の詳細な情報が小野寺五典防衛相から安倍首相に伝えられたのは、5日の発表直前だったという。  報告が遅れた理由には、1月19日、海事のヘリ『SH60』が中国海軍の艦船からレーダー照射を受けたと疑われる事案を巡る“疑心暗鬼”があった。 『このとき防衛省の事務方が小野寺氏と外務省に報告しました。すると、小野寺氏が『これは大事なことだ。すぐ安倍首相に報告しよう。きちんと声をあげないとダメだ』などと言い出した。事務方は仰天し、 『疑いの段階で公表すれば日中関係が大変なことになる。ウラかとれるまで待ってください』と押しとどめました』(官邸関係者)(中略) 『大臣に綴告すると、また「公表する」と騒いで情報が漏れかねないと制服組が警戒した。防衛省は2010年の尖閣沖の漁船衝突事件などで民主党政権の対応に不信感があり、今でも政治家に情報を上げるのを極端に避ける傾向にありますから』(防衛省関係者)  ようやく報告が上がったのは5日の昼ごろだった。小野寺氏はすぐに官邸に乗り込んだというが、慌てていたため菅義偉官房長官や岸田文雄外相に根回しせずに、安倍首相に「中国の暴挙を国際社会に発表したい」と直談判したという。  本来は公表前に、外交ルートで中国側に正式に抗議をしなくてはいけないのに。  この件は、中国政府側は本当に知らなかったという見方があるが、習近平が総書記に就任以来、こうした軍部の“暴走”が続いているのは心配である。  現場の一指揮官の誤った判断が、戦争へとつながった歴史は枚挙にいとまがない。そんな悲劇を繰り返さないためにも、一日も早く日中首脳会談が行われることを望みたい。  今週のグランプリは、安倍内閣初のスキャンダルをものにした新潮の記事。  スキャンダルの主役・徳田毅代議士は41歳の若さで安倍内閣の国土交通大臣政務官に抜擢され、ゆくゆくは総理大臣候補かとごく一部ではウワサされていたようだ。彼は新潮に自身のスキャンダルが掲載されることを知り、自らから辞任を申し出て、アッサリ受理されてしまった。  徳田代議士がやったことは、泥酔状態の教え子に乱暴したとして準強姦の罪に問われた柔道金メダリスト・内柴正人被告と同じだと、新潮は難じている。事の経緯を新潮から引用してみよう。 「原告の女性が徳田代議士と知り合ったのは、事件が起こる前年の平成15年10月頃だった。当時、彼女と交際していた男性が徳田代議士と知り合いで、その紹介により、複数のメンバーで会食の機会を持ったのである。その後、徳田代議士から食事の誘いを受けたという。その結果、彼女に何が起きたのか。さらに訴状をひもとき、その顛末を見ていこう。 「<平成16年2月10日、原告は、〈中略)午後10時ころ、地下鉄赤坂見附駅の近くで被告と待ち合わせた。合流した後、被告は原告を和食屋に連れて行った。原告は飲食店の名前等は覚えていないが、忍者の扮装をした従業員が接客する飲食店であった。その店で、被告は原告に食事と酒を勧め、ビールの後に焼酎をボトルで注文し、いずれも原告と一緒に飲んだ。飲食中、被告は自分がいかに金をたくさん持っているかなどを得意になって語り、原告は、(中略)焼酎を多量に飲んでかなり酔った>  食事を終えた後、さらに、 <『今度は自分の知っているバーに行こう』と言ってカウンターバーのような店に原告を連れて行った。そのバーで、被告は原告に強引に酒を飲ませたため、既にかなり酔っぱらっていた原告は、完全に酩酊し、歩くのがやっとの状態になってしまった>  バーを出た後、彼女はフラフラの足で、徳田氏の後をついていく。やがて彼が入っていったのは、赤坂見附の交差点近くにある高級ホテル。しかし前後不覚に陥った女性はその建物をホテルと認識できず、もう一軒、飲食店をハシゴするものと思っていた」  そのホテルで、このようなことに及んだというのだ。 「<部屋はツインルームで、被告は、原告をベッドの1つに座らせ、原告の服を脱がせにかかった。原告は、泣きながら抵抗しようとしたが、酔いが回りすぎていてまともに抵抗することができず、泣きながら『やめてください』と何度も何度も言うだけであった。結局、被告は原告の着衣を脱がせ、自分も服を脱いで、原告の抵抗を抑圧して性行為に及んだ。原告は、そのまま意識を失ってしまった>  平成19年2月、東京地裁に提出された、一通の訴状にはこう記されているという。  登場する原告は、被害に遭った平成16年当時19歳の、事業家を目指す女性。 「被告と書かれた男性は当時32歳で、国会議員公設秘書であり、かつ医療法人グループの関連会社役員、後に国政に打って出て代議士となる徳田毅氏だ」(新潮)  昨年末に平成23年分の政治資金収支報告書が公表されたが、徳田議員は2億5285万円もの資金を集め、収人ランキング上位の常連である亀井静香や「日本維新の会」の平沼赳夫、さらに2年連続首位だった小沢一郎をも抑え、堂々のトップに輝いた。  彼は当選3回の駆け出し代議士だが、彼の実父は全国に280以上の医療施設を経営する医療法人徳洲会の徳田虎雄理事長(74)である。 「鹿児島県・徳之島出身の虎雄理事長は、今から30年ほど前、奄美群島区を含む旧鹿児島l区で自民党の保岡興治議員と、血で血を洗う壮絶な選挙戦を展開したことが語り草となっている」(新潮)  その被害女性は、当時交際していた男性に相談し、損害賠償の訴えを起こしたのである。慰謝料は当初500万円だったが、その後2000万円に増額された。  この一件を、彼はどのように決着させたのか。当時の事情を知る人物が、こう解説している。 「『毅さんが裁判所に提出した答弁書は、要するに、女性が未成年であるとは知らなかったこと、彼女にお酒を勧めた事実はなく、自分で進んで飲んでいたという内容です。男女関係を持ったことは認めましたが、あくまで合意の上だと……。つまりこの前の内柴被告と全く同様の主張ということ。しかし、最後は、事態を収拾しようとして、平成19年に和解。結局、女性とその彼氏だった男性にまで謝罪し、慰謝料として各500万円を支払ったのです』  2000万円の要求に対して計1000万の支払いならば、少なくとも多少の罪の自覚があったればこそに違いあるまい」  この件は徳田理事長にも伝わっているそうだが黙認したと、新潮は書いている。カネで解決したのに、今回政務官になったばかりに、女性と、彼女と交際していた男性の怒りに再び火を付けてしまったのだろうか。  安倍内閣はスキャンダルの宝庫かもしれない。これをきっかけに、これからも大臣、政務官たちのスキャンダルが続々出てきそうだ。 (文=元木昌彦)

あの重大事件の犯人たちは今……赤軍、オウム、林真須美ら死刑囚78人の肉筆

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「週刊文春」2月7日号 中吊り広告より
グランプリ 「桜宮高生徒・保護者が初告白『バスケ部と家庭の真実』」(「週刊文春」2月7日号) 第2位 「死刑囚78人の肉筆」(「週刊ポスト」2月15・22日号) 第3位 「AKB峯岸みなみEXILE弟分ダンサー宅にお泊まり愛!」(「週刊文春」2月7日号)  安倍バブルに、私はいまだに懐疑的である。まだ何もしていないのに期待感だけ膨らますのは、まさに危なっかしいバブル(泡)そのものであろう。  このままいけば宿敵・韓国を再び追い越せると囃し立てるのがいるが、韓国が優位に立っているのは円高だけではない。技術革新と斬新な物作りで日本のソニーやパナソニック、シャープを凌駕したからで、円安で多少競争力は増すだろうが、根本的なところで追いつかないと腰砕けになる。  週刊朝日までが「1カ月後に1割上がる株142銘柄」をやっている。専門家6人に予測させているが、そのうち4人が推しているのが「三菱商事」。2月1日の終値1,890円が1カ月後には1割上がって2,079円になるというのである。銘柄に驚きはない。  ギャンブルの世界の鉄則は「人の行く裏に道あり」である。ガチガチの1番人気でも、来ないことがままあるのだ。「当て事と畚褌は先から外れる」という言葉もある。  みんながいいと言い出したら、その株の妙味は薄れる。「三菱商事」は今から買っても仕方ないのではないか。  朝日には「実は日銀『やる気なし』」という特集もある。安倍に言われて嫌々やっているだけの面従腹背で、物価上昇は日銀の金融政策だけでは難しいとの考えが、日銀の内外にあるというのだ。  今週も「もう止まらない『安倍バブル』あっという間に株価1万2,000円」と、私には悪乗りとしか思えない週刊現代だが、ノーベル経済学者ポール・クルーグマンまで引っ張り出して「1ドル100円越え、アベよ、これでいいのだ」と赤塚不二夫みたいなことを言わせている。だが、クルーグマンもこう言っているのだ。 「残された問題は、今はまだ唱えられている段階の政策が実行された際に、十分強力であることを維持できているかどうかだ。いざ実行に移す際に見かけ倒しに終われば、人々の期待感は一気に消えてしまうだろう」  これから安倍総理の「本物の総理の器かどうか」が試されるのだ。浮かれるのはまだ早い。  今週の第3位は、AKB48スキャンダルがお家芸になった文春のスクープ撮。峯岸みなみ(20)の「お泊まり愛」撮った! だ。  峯岸のキャッチフレーズは「年中無休の反抗期!」だそうだ。  ギョロギョロした目が特徴で、“みぃちゃん”の愛称で知られる峯岸はAKB48の1期生。昨年の十代最後の総選挙では14位に順位を上げ、見事選抜メンバー入りした。 「最近ではダウンタウンの浜田雅功やタモリらお笑い界の大御所にも可愛がられ、多くのバラエティ番組に出演している。『オネエタレントに“ブス!”とイジられながら、いいポジションを勝ち取った。トークも上手い。今では指原にかわる、AKBのバラエティ担当です』(番組制作スタッフ)」  そんな彼女が1月17日深夜、密かに男の家に向かったところをキャッチした。文春によれば、 <相手の男性は白濱亜嵐(19)。人気グループEXILEの弟分、昨年メジャーデビューした「GENERATIONS」の人気メンバーだ。「まだまだ名前も知られていない白濱ですが、昨年はドラマ『GTO』や『ろくでなしBLUES』に出演。秋の深夜ドラマ『シュガーレス』では主役をつとめました」(芸能デスク)  亜嵐が住むマンションは小さなデザイナーズマンション。住人の部屋の入口はどれも目視が可能なつくりになっている。  その夜、黒い帽子に黒パンツ、コートをまとった峯岸が亜嵐の部屋にはいったのは○時九分、部屋の電気が消えたのは三時間後の深夜三時過ぎだった。  寒空のもと、二人が出てくるのを待ちつづけること四時間、最初に出てきたのは亜嵐。黒のニット帽にマスク姿、白黒のチェックのブルゾンを着て、何度も後ろを振り返り、駅方面へ歩いていく。地下鉄に乗り、赤坂のTBSへと向かっていった>  峯岸のほうは三十分後にタクシーを呼び、途中コンビニで朝食の椀物とダイエットコーラを買って自宅へ戻ったそうだ。  この記事が出てから大騒ぎになった。朝日新聞までがこう報じている。 「AKB48の峯岸みなみさん(20)が、動画サイト『ユーチューブ』に丸刈り姿で登場、涙の謝罪をした。一体何があったのか。『たくさんの皆様にご心配をおかけしまして、本当に申し訳ありません』。映像は1月31日午後、同サイトのAKB公式チャンネルで公開された。ロングヘアだった峯岸さんが丸刈り姿で冒頭に謝罪の言葉を述べ、約8秒間頭を下げた。『私がしてしまったことは軽率で自覚のない行動』『まだ……頭の中が真っ白で』と言葉をつなぐ。不ぞろいな額の生え際が生々しい。『いてもたってもいられず(略)誰にも相談せずに坊主にすることを自分で決めました』と、左目から涙がこぼれた。大粒の涙を流し、『AKBをやめたくない』と訴え3分49秒の動画は終わる」  秋元康の演出だろうが、いつまで「AKBは恋愛御法度」などとお題目を唱えているつもりだろう。健全な肉体をもった若い娘が異性と付き合うのはごく自然な行動。なまじ禁止するから、夜陰に乗じて不善を為すのだ。老婆心だが、もっとおおらかにしてやったほうが、彼女たちのためにもなるのではないだろうか。  ポストに載っている死刑囚たちの肉筆を見ている。几帳面な文字、細かい字でビッシリと書かれた文字、自分の思いを一筆書きのように一気に書いているものもある。  中には光市母子殺人事件の元少年のように内容を判読しがたいものもあるが、多くは率直に現在の心境や死刑制度に対する考え方を綴っている。  これは昨年9月から11月にかけて、福島瑞穂社民党党首が法務省に事前に断った上で、全死刑囚を対象にアンケートを実施し、133人のうち78人が回答を寄せたものからの抜粋である。  裁判で死刑が確定すると、拘置所での待遇は大きく変わる。塀の外との交流は遮断され、面会や手紙のやり取りは指定された親族などごく一部に限られてしまう。  以前は運動や集会などで死刑囚同士が顔を合わせる「集団処遇」があったが、今は生活の大半を独居房で過ごす。  福島党首は、外部との交流を極端に制限するのは、死刑に対する情報を閉ざすとともに、死刑囚の精神状態にも悪影響を及ぼしかねないと批判している。  オウム真理教の井上嘉浩死刑囚は「何という恐ろしいとりかえしのつかないことを、しかも救済すると信じてやってしまったのだと、たとえようのない苦悶の波におそわれます。(中略)犯した大罪をどれほど苦しみもだえても、苦しんでいるものまねにすぎないと思い知らされ、ただただとりとめなく悲しみがあふれます」と、悔恨の情がうかがえる文章を書いている。  連合赤軍事件の坂口弘死刑囚のように「過去の過ちを克服して社会に貢献せんとしている姿を伝えたい」と前向きな考えを書いている者もいる。  死刑執行の日に脅える者も多い。 「私のいる舎房は今の所は何も有りません。でも独房の鉄のとびらを急にあけたり、しめたります(ママ)ので、鉄のとびらですので大きな音がして、自分の番がきたと思って、脅えるので有ります」(江東恒・堺夫婦殺人事件)  世の中への怨みを綴る者もいる。 「まじめに働いて安心して生活できるなら犯罪なんて起こしたいとは思わないし……ましてや死にたいなんて考えて事件をなんていうことはありません」(松井喜代司・群馬、交際女性ら3人殺人)  自分に死刑判決を下した裁判官への批判を書いているのもいる。 「私を死刑にした裁判官がバスの中で19歳の大学生の女のパンツの中に手を入れ捕まっています。こんな奴らからしてもないことを信用されずに判決されたのかと思うと」(中原澄男・福岡・長崎、元組長ら殺人)  判決への部分的異議を含めて、78人中46人が再審請求中だという。週刊新潮の「『死刑囚』30人 それぞれの独居房」では、東京拘置所で数年間衛生夫として服役した30代の男性が、彼が見てきた死刑囚の姿を語っている。  その中に「再審請求中は死刑執行のないことは暗黙のルール」だという記述があるが、そういうことが再審請求の多さに関係があるのだろうか。  和歌山毒物カレー事件の林真須美死刑囚は、自分は無実だと訴え続けている。 「そんなこと考えたこともない。死刑確定者という法的身分ではあるが、自分では、死刑確定者有実(ママ)人殺し者だとは、全く思い考えたことはない」  中にはこんなのもある。 「世の中には悪い人がいっぱいいる。その一人を私が殺した」(川崎政則・香川祖母・孫姉妹殺人) 「人生は何事においても一発勝負だという事が今頃になってようやく気がつきました。これから残りの人生はオマケの人生として生きていこうと思います」(加賀山領治・大阪2人強盗殺人) 「自民の安倍総裁は改憲論者、この先、世の中どうなるのやら」(早川紀代秀・坂本弁護士一家殺人など)  わずかな楽しみを夢に求める者もいる。 「楽しみは夢の中で娘と逢って会話すること」(神宮雅晴・京都・大阪連続強盗殺人)  死刑制度についても聞いている。 「死刑は残虐な刑罰にはならないと云うのであれば、また8割の国民が制度存続を認めていると云うのであれば、刑を公開すれば良い」(小林正人・大阪・愛知・岐阜連続リンチ事件) 「死刑は都合の悪い者は殺してもいいという殺人を肯定する意識を国民に植え付け、殺人や暴力を助長する」(林泰男・地下鉄サリン事件など) 「死刑囚は被害者でもない刑務官によって殺されるのは頭に気(ママ)ます。被害者の立ち会いで執行ならかまいません」(西川正勝・女性4人殺人)  死後に臓器提供したいのに、そうできない現行制度を批判する者もいる。 「私は自分の臓器などを提供するドナー登録をしているのですが、現行の法律では死刑囚の臓器提供はできないようになっていますので、その点を変えていただけたら」(松田幸則・熊本男女強盗殺人)  ポストはこう結んでいる。 「国家の名の下に人の命を強制的に奪い去る死刑は最高度の権力行使である。だが、この国ではその実態が極度に隠されている。そして、死刑囚たちは単なる凶悪非道なモンスターではない。死刑制度を是とするにせよ、非とするにせよ、本特集のアンケートをじっくり読んで欲しい。議論はそこから始まる」  重い特集ではあるが、多くの人に読んでほしいものである。これが今週の第2位。  今週のグランプリは、文春の桜宮高校の体罰問題を追った巻頭特集。  これまで桜宮高校で起きた自殺問題は、体罰が原因と報じられてきた。橋下徹大阪市長もそう主張してきたが、文春は「日常的に体罰を行っていたというK顧問が処分されるのは当然」としながら、A君は他にも重大な悩みを抱えていたというのだ。  大阪市立桜宮高校で、自殺したA君と付き合いの深かった同級生がこう語っている。 「Aが亡くなったとき、実はバスケ部員たちは、『先生の体罰が原因じゃない』と言っていた。Aには他にもっと悩んでいることがあったから」  桜宮高校関係者はこの問題が起こった後、こんなことが起きていると嘆く。 「市長が『桜宮は腐っている』と煽るので、運動部と関係のない普通科の子までが桜宮というだけでバスに乗せてもらえなかったり、通学途中に罵声を浴びたりしておるんです。校舎の窓には投石され、自転車も嫌がらせでパンクさせられるといういわれのない差別がある現状を知ってほしい」  橋下市長はワイドショーなどに出て「この学校では暴行が常態化していて、それが原因で一人の生徒が自殺している。こんな学校をそのまま継続させるような価値判断はやっちゃいけない」という主張を繰り返しているが、どこまで桜宮高校の実情を知っているのか、これを読むと疑念が湧いてくる。  バスケット部のOBは、こんなことを語っている。 「A君のお母さんはバスケ経験者で、K先生の一種の信奉者でした。保護者の間で、K先生の指導法を一番と言っていいほど容認していました。他のお母さんが『一発でも、手を出したら体罰じゃないの』とK先生に抗議しようとしたとき、『桜宮のバスケ部に入ってきた以上、覚悟があるはずでしょう』『厳しい指導は承知で入部してきたんじゃないの』などと先頭に立って諌めたこともあります」  バスケット部の関係者もこう言う。 「先生は『勝利至上主義』みたいに言われていますが、実際は『たかがバスケ』という考えの人。『僕はバスケを教えたくて教師になったんじゃない。教師になりたいから教師になったんです』が口癖で、どちらかと言えば自主性を重んじるタイプの指導者です。試合ではベンチ入りメンバーも選手同士で決めさせたりするし、テスト前になると『勉強も頑張らなアカン』って言って、放課後の練習時間を割いて皆で勉強させられます」  きっかけは、昨年10月にA君がバスケット部のキャプテンに自ら立候補したときからだというのだ。  A君はレギュラーになるのには苦しい実力だったが、どうやらキャプテンになれば大学進学に有利になると考えていたようだと、先の同級生が話している。  しかし、キャプテンにはなってみたものの、なかなか部内でうまくいかないため、本人もキャプテンを辞めたいと考えていたようだ。  練習試合中にK先生から注意され、十数発のビンタを両頬に食らったA君は、その後、キャプテンを辞めたいとK先生に告げに行き、衝撃的な事実を告げられてしまう。 「その日、A君は初めて先生に『もう無理です。キャプテンを辞めたい』という旨を伝えた。K先生はA君に『じゃあBチーム行きやで』と、這い上がって来いという親心を込めて言ったんです。でも本人はBに落ちたらいやですよね。『じゃあやっぱりキャプテン続けます』って言った。先生が『お前、どうしてそこまでキャプテンにしがみつくねん?』って聞いたら、『大学進学のためです』と漏らした。先生が『そんなこと誰に言われたんや?』って聞いたらA君は無言だったみたいなんですけど、先生が『お母さんに言われたんか?』って聞いたら『そうです』と。それで先生は『キャプテンをやったからといって、大学には行けない』という現実の話をして、A君はそれにショックを受けたようなんです。桜宮から指定校推薦の枠は無い。でもA君はその時まで、バスケで進学できると信じて疑っていなかった。目標があったからこそ、嫌々ながらもキャプテンを必死にやっていたのに……」  A君が遺書を書き、自宅の寝室で首を吊ったのは、その日の深夜から翌日の未明にかけてと見られているようだ。  思春期の子どもは多感である。それを「体罰は反対」というだけで学校に介入し、問答無用で桜宮高校を解体しようというのはおかしいと、「桜宮を応援する会」の伊賀興一弁護士が語っている。 「生徒を主人公にして、職員と保護者が学校の問題点を忌憚なく言えるような場にしていかなければならないのです」  橋下市長は、主人公である生徒たちの声を真摯に聞くところから始めなくてはいけなかったはずだ。今からでも遅くない。生徒たちと車座になって、自分も受けてきたという体罰の思い出を話し、生徒の生の声を聞いてみたらいい。  そういえば、『スパルタ教育』(光文社)という本をベストセラーにし、生徒への体罰によって死者を出した戸塚ヨットスクール戸塚宏校長とも親交のあった石原慎太郎共同代表は、この問題でなぜ発言しないのだろう。  本の中の100か条に「子どもをなぐることを恐れるな」とあるはずだが、橋下市長と「いい体罰と悪い体罰」とでも名付けて公開論争をしたらいいのに。  蛇足だが、ポストの袋とじ大型ピンナップ「YURI 顔」がいいよ! (文=元木昌彦) ●もとき・まさひこ 1945年11月生まれ。早稲田大学商学部卒業後、講談社入社。90年より「FRIDAY」編集長、92年から97年まで「週刊現代」編集長。99年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長を経て、06年講談社退社。07年2月から08年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(2006年8月28日創刊)で、編集長、代表取締役社長を務める。現「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催、編集プロデュースの他に、上智大学、法政大学、大正大学、明治学院大学などで教鞭を執る。

みんなの党・渡辺喜美の愛人は、あの民放女性記者? “選挙中”極秘離婚の真相に迫る!

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「週刊文春」1月24日号 中吊り広告
グランプリ 「AKB大島優子 封印された『児童ポルノ』の過去」(「週刊文春」1月24日号) 佳作1 「渡辺喜美は選挙中に極秘離婚していた」(「週刊文春」1月24日号) 佳作2 「渡辺えりに“飼育”された27歳年下のイケメン俳優」(「週刊文春」1月24日号)  今週は文春が独占したが、他誌に見るべききものがなかっただけである。  週刊新潮は「男の顔は履歴書 女の顔は請求書」というワイドをぶっ通しでやっているが、話が細切れで読みごたえがない。  現代は相変わらず「安倍バブル 株も土地もこんなに上がるぞ!」と、はしゃいでいる。政権交代という4文字だけで民主党政権ができたばかりの頃、これで世の中があっという間にいい方向に変わると各週刊誌がはしゃいでいたのを思い出すね。  ニューズウイーク日本版(1月22日号)の「日本経済を救う? アベノミクス」でダニエル・グロス記者が「日本株『根拠なき熱狂』の根拠」で書いているように、今の株高、円安は理屈の通らない出来事なのだ。  週刊ポストも「利益を最大化するための安倍バブルの『売り時』」という特集をやっているが、現代ほどは浮かれていない。読み比べてみよう。まずは現代から。 「失われた20年と呼ばれる、長く続いたデフレ不況の間に、日本人が失った最も大きなものは『自信と誇り』だろう。  かつてジャパン・アズ・ナンバーワンと称された製造業が韓国や中国勢にボロボロにやられ、汗水流して働いてきたサラリーマンが会社からあっけなくリストラされる様を見て、多くの国民が気力を失った。  しかし、今、潮目は完全に変わった。  昨年末に政権交代で誕生した安倍政権が矢継ぎ早の経済政策を打ち出すと、つい先日まで8000円台に低迷していた株価が一気に1万円を突破、自動車・電機といった日本経済を牽引してきた製造業が息を吹き返し“反転攻勢”に打って出始めた。分厚く空を覆っていた閉塞感が消え、明るい光が日本経済全体に差してきたのだ。  慶応大学経済学部教授の塩澤修平氏が言う。 『ここへきて日本人が誇りと自信を取り戻し始めています。今回の政権交代でこうした心理的な側面が経済を好転させるのにいかに重要な意味を持つのか、改めて示された形です。様々な新しい経済政策が表明される度に、人々が期待感を膨らませている。さらに今後、人々の期待感が安心感に変わっていけば、それがいっそう経済の好転を後押ししていくでしょう』 『大幅な金融緩和をすればハイパーインフレの懸念が出てくる』などと、したり顔で説き始めている。それはまっとうな経済理論としては『正論』かもしれないが、そんな批判をいくら並べても経済がひとつも良くならないことを、日本人はこの20年で嫌と言うほど味わってきたのではないか。  早稲田大学政治経済学術院教授の若田部昌澄氏もこう言う。 『1930年代初頭の昭和恐慌から日本が脱却する過程で、大手メディアなどが唱えていた主流派の経済政策は不況を深化させるばかりだった。当時も政局が動き、新内閣が誕生して“奇策”といわれていた政策に舵を切ったことで初めて、デフレ不況から脱することができたのです。  いま日本経済は株価の上昇が人々の期待感を高め、これが投資行動を変え、さらに株高を演出している。今後、安倍首相自身が言う「インフレ目標2%を断固たる決意で確実に実行できる人」を日銀総裁に選ぶことができれば、期待感はさらに膨らみ、株高・円安がさらに加速、消費や生産、雇用の増加が始まるでしょう。そうなれば日本経済は10年以上に及んだデフレから脱却することができるのです』」  ポストはこうだ。 「安倍政権の新政策効果ではなく、突如出現したチャンスに乗り遅れたくないという人々の心理が、今の株高の真相ではないか。  そう分析し、アペノミクスを真っ向から否定するのは、同志社大学大学院ビジネス研究科教授の浜矩子氏だ。 『アベノミクスは、期待感を煽っているだけで、実際の景気回復には直結しないで終わると見ます。日本は、10年このかた、金融緩和をこれだけ繰り返しても、何らプラス効果は出ていません。それなのに、規模だけやたら大きくすればプラス効果が生じると考えているのは時代錯誤です。  安倍首相のアナウンスに踊って、今がチャンスだから株を買おうとか、リアクションが出ているだけ。雇用が増える、賃金が上がる、生活が楽になるといった本当の効果は望めません』  それどころか、円安誘導のゴリ押しを続ければ、企業の輸入コスト、ひいては生産コストが上がる。にもかかわらず激しい価格競争を続けようとすれば、輸入コストの上昇分は給料を抑えることで調整せざるを得なくなるという。 『さらにいえば、今の株高.円安で庶民は本当に儲けることができるのでしょうか。投資資金のない非正規雇用者などにはまったく関係のない話でしょう。それでも、安倍政権は7月の参院選までは、必死に株高・円安策を打ち続け、投資家もそう読んでいるため、そこまでは上昇相場は続きそうです。  そしてその時点で潤沢な投資資金を持つ海外投機筋や日本の富裕層が売り逃げて儲かるだけの結果になる可能性が高い。投資資金を持たない人々はインフレなのに給料が下がるという最悪の状況に追い込まれることさえ考えられます』  様々に評価が分かれる安倍バブル。その真贋を見極めることこそ、上昇相場の「売り時」を見抜く秘訣のようだ」  私には、浜教授の言うことのほうが正論だと思うのだが。  読み比べではなく見比べになるが、いまや“セクシーグラビア・アイドルナンバー1”といわれる壇蜜のグラビアを現代がやっていて、ポストは昨年人気を集めたのに突然消息不明になってしまった「YURI」の未公開カットを「音信不通」(タイトル付けがなかなかセンスがいい!)として特集している。  私の好みもあるのだろうが、「YURI」のほうが断然いい。品があってセクシー。ぜひ見比べていただきたい。  ポストにはこんな記事が載っている。 「広島県南西部に位置する人口25万人の静かな港町・呉市。温暖な気候に恵まれ、漁港に近いこともあって、エサを求める野良猫と住民が優しく触れ合う町に、今はピリピリとした緊張感が張りつめている」というのだ。それは、 「昨年10月22日午後4時頃、呉市役所に近い和庄公園を散歩していたお年寄りが、公園のど真ん中に何かが放置されていることに気づいた。近寄ってみるとネコの死骸であることがわかったが、それは明らかに異常な姿だった。 『頭と前足のみ、つまり上半身だけの死骸でした。公園の隅には、そのネコのものと思われる後ろ足があった。しかもこの公園ではその3日後にも、鋭利な刃物で切断されたネコの頭と内臓だけが放置されているのが見つかっている』(県警関係者) (中略)実は呉市では、昨年に入ってから猟奇的なネコの虐殺事件が相次いでいる。昨年3月、西惣付町で上半身だけの死骸が見つかったのが発端。その後も8月に1件、10月6件、11月2件、12月4件と続き、今年に人っても、1月8月に農家の畑で頭部だけの死骸が見つかるなど、計15件発生している。  呉署では、器物損壊と動物愛護法違反の疑いで捜査を始めた。 『いずれも鋭利な刃物で惨殺され、骨や内臓を抜き取ったり、胴体や頭部を切断するなど残虐な方法で殺されている。発見場所に血痕はなく、別の場所で殺されて現場に遺棄されたようです。公園や路上などわざと人目に付きやすい場所に置いているなど共通点が多く、同一犯の可能性が高いと考えています』(捜査幹部)」  動物虐待と凶悪事件は関連するといわれているようだから、心配である。  週刊朝日は、安倍総理とネトウヨ(ネット右翼)との強すぎる蜜月に対して「訣別せよ」と保守の論客たちが直言している。  ゴーマニズム宣言の小林よしのりは「もうネトウヨに媚びを売る必要はない」として、こう話している。 「安倍は野党時代に自分を癒やしてくれたネトウヨにもたれかかっているわけだ。一方、ネトウヨ側も『安倍に頼られている』ということで、自分に価値を見いだし、安倍にもたれかかっている。この両者の関係は、中国で起きた文化大革命の際の、毛沢東と『紅衛兵』の関係と似ていると思う。(中略)  だからこそ安倍は選挙前、『尖閣諸島に公務員を常駐させる』とか、『「竹島の日」式典を開催する』とか、あれだけ威勢のいい発言をしてネトウヨに媚びを売っていたが、首相になってからは、タカ派的な発言を控え、現実路線をとるようになった。(中略)  じゃあ仮に自民党が参院選挙に大勝したらどうなるか。(中略)恐らく何もできない。尖閣に公務員なんて無理だし、河野談話だって日米同盟を考えたら絶対に否定できない。靖国参拝は必ずどこかでやると思うけどね。となると、ネトウヨたちの不満は募るばかり。もしかしたら、自民党本部にデモをかけるかもしれない」  小林は安倍がダメなら、ネトウヨたちは橋下へ行くのではないかと読んでいる。ネトウヨの深情けほど怖いものはないということか。  まずは佳作2から。女優としても評価が高く、劇団を主宰し、時事問題にも積極的に発言する渡辺えり(58)のスキャンダルである。  彼女、渡辺えり子だったのを07年に改名したそうだ。97年に映画『Shall We ダンス?』で日本アカデミー賞最優秀助演女優賞を受賞し、今春からはNHKの朝ドラ『あまちゃん』にも出演が決まっている。  日本を代表する女優は、自分が主催する『劇団3○○(さんじゅうまる)』に所属する13歳年下の俳優・土屋良太と96年に結婚している。  どうやら、年下の男をかわいがるタイプのようだ。  その夫との仲も最近はうまくいっていないようだが、同じ劇団の若い男を長年愛人にしていたというのだ。  元劇団員が絶対匿名を条件にこう打ち明けているが、よほどこのオバサンが恐いのだろう。 「えり子さんは、Yくん(本文では実名=筆者注)という若い劇団員とずっと特別な関係にありました。Yくんを自分が買ったマンションに住まわせたり、他に引っ越すとその家賃を払って上げたり。運転手などの名目で給料を与えたりもしていました。他の劇団員でえり子さんの運転や荷物持ちをしたからといって、給料をもらった人はいません」  これでは、夫婦仲が悪くなるのは仕方あるまい。  名指しされた若手俳優は渡辺の27歳年下でほぼ無名だというが、11年に再演された『ゲゲゲのげ』では主役級の役を与えられた。  渡辺は自著で、高校の授業の作文にこう書いたと明かしている。 「上京したら美少年を押し入れの中に閉じこめて同棲し、炊事洗濯を皆やってもらって仕事に励みたい」  夢を実現させたということだろうか。  愛人といわれる俳優も、渡辺の夫は劇団の大先輩だし、ほかの劇団員から疑惑の目で見られることで精神的にバランスを崩したり、劇団を辞めようとして渡辺に止められたこともあったという。  Yの友人が彼のこんな言葉を聞いている。 「オレは籠の中の鳥だ」「(渡辺の)おもちゃだ」  しかし、11年に2人の関係に変化が生じた。Yに舞台で共演した若手女優の恋人ができたのだ。 「最終的には渋々2人の交際を認めたそうですが」(元劇団員)  Yは劇団を去り、渡辺も気力がなくなり劇団は昨年解散したという。  渡辺は文春の取材に対して、若手俳優との関係を否定し、ニュースキャスターをやっているから、彼女を番組から降ろしたい人間言いふらしているのではと、記者に話したそうだ。   まあ、昔の大女優には男を喰ってのし上がっていったのがいっぱいいたのだから、今回のスキャンダルは渡辺えりが大女優への道を確実に上っているということの証なのかもしれない。  佳作の2も文春。みんなの党・渡辺喜美代表のスキャンダル(?)。昨年暮れ、総選挙の公示された翌日に、まゆみ夫人と離婚していたというのだ。  夫人は結婚前は銀座の有名クラブのホステスをしていたそうで、渡辺の父・美智雄がなかなか結婚を許さなかったため、子どもまで作って既成事実を認めさせて結婚したという。  なかなか情熱的な2人だったが、みんなの党結成あたりから夫婦関係に変化が出てきた。もともと結党を迫ったのは妻のほうだったが、党運営にまで口を出すようになって、党本部の中でも夫婦喧嘩をするようになっていったという。  それから渡辺代表は自宅に帰ることが少なくなり、現在では、大半はホテル暮らしのようだ。  長きにわたって別居を続けてきたのに離婚を決意したのは、亭主の女性関係にあるのではないかと文春は書いている。  最近のTwitterでの夫人の発言に、その影が見えるというのだ。  ある政治部記者は、渡辺代表と特に親しいといわれるのは民放の女性記者ではないかと言っている。  この女性記者、昨年8月30日に「大誤報」を流し、ちょっとした騒動を起こしたそうである。みんなの党関係者がこう語る。 「その内容というのが、8月下旬、大阪市内のホテルで渡辺代表が橋下徹大阪市長や松井一郎大阪府知事と極秘会談した際の出席者の発言内容をスクープしたもの。昼のニュースでみずから国会前から中継でリポートし、橋下市長がこの会談の席で『自ら国政に進出する』『市長を辞職する時のセリフも考えた』と述べたなどというものだった。 『当時は橋下市長が衆議院選挙に立候補するかどうかが大きな関心を集めていましたから、マスコミ各社は慌ててウラ取りに動いたのですが、橋下市長は完全否定でした。ただ、そのときに各社の番記者の誰もが、この女性記者は渡辺代表からリークしてもらったんじゃないかと疑っていました』(中略) 奥さんもきっと同じ疑いをもったのではないかと思います」(文春)  夫人のTwitterでの書き込みには、このほかにも渡辺代表のことを指しているこんな言葉がある。 <教訓を得ないバカの一つ覚えみたいな繰り返しをするリーダーは即刻変えろ!経営能力のない失態を犯す経営者は直ぐ首!民間では当たり前!!!!!>  さて、渡辺代表はなんと答えるのか。 「──渡辺代表が昨年12月5日付でまゆみ氏と離婚したのは事実か。 <以前、夫婦喧嘩をした際に署名し妻に預けていたものを、選挙中に妻が勝手に提出したものです。現在は、妻の誤解を解いて元の状態に戻すべく協議中であり、決着がついておりません> ──離婚前から渡辺代表はご自宅には戻らず都内のホテルで生活していたというのは事実か。 <冷静に話し合いが進められるようにするため、距離をおいておりますが、連絡はとっております。夫婦喧嘩の際にこのような対応をすることは以前にもあったことです>」  確かに、国を治めるより女房を操縦するほうが難しいことはわかるが、これではリーダーの資格が問われても致し方あるまい。  今週のグランプリも、やはり文春の記事。  1月11日に講談社発行の漫画誌ヤングマガジンが急遽回収されることが発表された。  グラビアを飾ったAKB48のメンバー河西智美(21)の写真が不適切だとの指摘が出たためである。このグラビアは河西の写真集発売のためのパブだったが、「上半身裸の河西の背後から白人の男児が豊満な胸を手のひらで隠している。いわゆる“手ブラ”の状態である。河西自身はすでに成人しているものの、男児の存在が焦点となった」(文春)のだ。  講談社広報室はこう答えている。 「十二日発売予定だったヤングマガジンは、前日には全国の書店に配本を終えておりました。十一日に社内で見本誌が出回り、社会通念上不適当ではないかと問題になり、発売延期と回収を決めました。発覚が遅れた原因は、件のショットが社内でも隠し玉のように秘匿されていたためです」(文春)  児童ポルノをめぐる法制度に詳しい、甲南大学法科大学院の園田寿教授がこう解説している。 『あの写真は、間違いなく「二号ポルノ」とされる児童ポルノに該当します。児童ポルノ法には「児童が他人の性器等を触る行為」に関する規定があり、「性器等」には乳首も含まれます。児童の身体そのものを対象にしていなくても、そもそも子どもを性的表現の手段、道具として使うことが認められていません。  今回、講談社は発売を延期したために強制捜査されるような事態は考えにくいですが、児童ポルノ法には提供罪だけではなく、製造を罰する規定も設けられている。理論的には、構成要件を満たしています』  なお、『一号ポルノ』とは性行為やその類似行為、『三号ポルノ』とは衣服の一部または全部を着けない児童の写真・映像等を指す」(文春)  警視庁少年育成課は講談社の広報担当者から事情を聞き、写真が児童ポルノに当たるかどうかを調べているそうだ。  だがこの騒動、AKB48の名前を広く知らしめた大島優子にも飛び火したのである。 「『現在、AKBの頂点に立つ大島優子は、子役として芸能活動を行っていました。同時に“ジュニアアイドル”としての顔も持っていたのです』(AKBファン)  今回、小誌取材斑はAKB加入前の大島が出演したDVDを入手した。ジュニアアイドルとは聞き慣れない名称だが、好事家をタ―ゲットとした小中学生の少女たちのことを指す。  帯に、ファーストイメージビデオと書かれた『Growing up!』(心交社)には、当時12歳だった大島が登場する。  冒頭、白い砂浜と青い海をバックに少女が現れる。ロケ地は宮古島である。 『好きなことは寝ること。いっぱい寝てんだけどぜんぜん大きくならなくて困ってるんだ』と自己紹介する大島。そして、わずか四十五分間でビキニ、セーラー服、スクール水着、ブルマとまるで着せ替え人形のように目まぐるしく服装が変わる。  ビキニ姿で海岸の貝殻を拾うシーンでは、前屈みになったところをローアングルのカメラがなめるように胸元を狙う。体操服とブルマに着替えてからは、ロープを股にはさんで無邪気に笑っている」(文春)  業界関係者が、イメージビデオ制作現場の内幕を明かしている。 「裸も性行為もありませんが、実際には書店のエロコーナーに陳列されていることからもわかる通り、大人の性欲を満たすために作っています。白い水着の上にまとったセーラー服を脱がせる。白い水着は、明らかに下着を連想させているわけです」(文春)  こうした撮影は普通に行われていたと元AKB48のメンバーの一人は語っている。 「初期のAKBに加入した際、グラビア撮影などについて特に説明はありませんでした。水着も下着もなし崩し的にやっていたという感じ。篠山紀信さんや蜷川(実花=筆者注)さんみたいに有名な方が撮るときは『芸術だ』って説明されますし、『この人なら脱いでも仕方ないか』って思ってしまう。そうやってエロの対象として見られることに馴れていくのでは」  日本一厳しい児童ポルノ規制条例を作った京都府だったら、大島のイメージビデオを所持していただけで条例違反になりかねない。皆の衆、用心めされよ。 (文=元木昌彦) ●もとき・まさひこ
1945年11月生まれ。早稲田大学商学部卒業後、講談社入社。90年より「FRIDAY」編集長、92年から97年まで「週刊現代」編集長。99年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長を経て、06年講談社退社。07年2月から08年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(2006年8月28日創刊)で、編集長、代表取締役社長を務める。現「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催、編集プロデュースの他に、上智大学、法政大学、大正大学、明治学院大学などで教鞭を執る。

なぜ今頃? 富山資産家夫婦放火殺害犯「犯行声明文」をめぐる、県警と文春の不可解な対応

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「週刊ポスト」1月25日
グランプリ 「誰も知らなかった『憲法改正』の基礎知識」(「週刊ポスト」1月25日号) 第2位 「富山資産家夫婦放火殺害犯人の警察官は『犯行声明文』を週刊文春に送っていた!」(「週刊文春」1月17日号) 第3位 「再起した同郷の宰相へ 弱き者 汝の名は『安倍晋三』作家 田中慎弥」(「週刊新潮」1月17日号)  成人式(1月14日)が大荒れである。といっても天気のことだが、朝から東京は雪が舞っている。式場へ向かう女の子たちは、会場で着替えるのだろうか、大きな台車のついたバッグをゴロゴロ引きずって歩いている。  毎年、成人式の日の新聞には、サントリーが青年たちへの言葉を掲載している。  だいぶ前から作家の伊集院静が書いているが、今回は「二十歳の元気」と題して、このようなことを言っている。 「いま、日本は、不景気だとか、希望がないと言ってうつむく大人であふれている。このままじゃダメなんだ。君たちがうつむき加減のこの国を変えて欲しいんだ。二十歳じゃ何もできないって? そんなことはない。君にしかないものがある。それは二十歳の元気だ。(中略)失敗してもかまわない。笑われてもかまうことはない。(中略)私たちの先頭を走って欲しい。そうすればきっと何かが変わるはずだ」  正直、たいした内容ではない。昔は作家の山口瞳が書いていたが、そこには人生の先輩として、これだけは知っておいてほしいという「何か」が文中にはあった。これだけはわきまえておけ、という大事な処世術も書かれていた。たとえば「青年よ、思いきって行け」というのは、このようだ。 「この世で好ましいものの一つが『礼儀正しい青年』だ。反対に、猪口才(ちょこざい)な奴、青二才、嘴(くちばし)の黄色い奴、甘ったれは大嫌いだ。  『若者だから、このくらいは許されていい』なんて思っていたら大間違いだ。……こう書いてきて、僕なんか、顧みて忸怩(じくじ)たるものがある。  成人式を迎えた諸君! 今日から酒が飲める。  そこで、僕は、諸君に、『酒の上の失敗を怖れるな』と言いたい。  思い切って行け! ガンガン行け!  先輩は馬鹿じゃない。諸君の若さを理解してくれるはずである。  ただし、それは、その根底に、礼儀正しさと謙虚さがある限りにおいては、という話になる」  成人式を迎えた若者たちに与える言葉は、「期待しているよ」だけじゃダメなんだ。  さて、このところの週刊誌は、どこもかしこも「安倍バブル」大歓迎一色である。一番囃し立てているのは週刊現代で、今週も「安倍バブルでGO! 株価はどんどん上がるぞ 」とはしゃいでいる。  先週は「日経平均2万円もある」とぶち上げ、今週は「1ドル100円で大儲けする日本企業ベスト100」「この株で100万円儲けよう」と証券会社の回し者のような特集ばかりである。  文春も新潮も、同じようなものだ。 「『私は、ツナミのあった3・11以降、一貫して日本株を買っている。個別の銘柄には言及したくないが、最近もアベが総選挙で勝つことが確実な情勢になった時点で、日経インデックスを買い増した』  かつてジョージ・ソロスと共同でファンドを設立し、”伝説の投資家”と呼ばれるジム・ロジャーズ氏は、文春の取材にこう明言した。  ロジャーズ氏の目に曇りがなかったことは間違いない。安倍晋三氏が自民党総裁に選ばれた昨年九月二十六日に約八千九百円だった日経平均株価は、一月四日の大発会では約一万七百円をつけた。三カ月余りで二○%もの急上昇である。  ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメントのジム・オニール会長は、昨年の総選挙前に『ウィ・ウォント・アベ』と述べたが、まさにその通りの展開となっているのだ。  当面、株式市場の勢いは衰えなさそうだが、この活況はいつまで続くのか。  ロジャーズ氏はこう語る。 『今年の日経平均株価がどこまで上がるか、それはなんとも言えない。一年はとても長い期間だし、私は物事の推移を見守りながら投資の判断を下すからだ。よって、いまここで”予想“を伝えることにはあまり意味がない。一つだけ言えるのは、私はまだ保有している日本株を手放すつもりはないということだ。それが十年後になるのか、もっと早い時期になるのかはわからないが』  世界的な影響力をもつ経済紙フィナンシャル・タイムズは、安倍政権の経済政策を念頭に置き、日本経済を好意的に取り上げている。 『二○一三年の逆張り投資、日本株が一番人気』と題した記事ではこう書いた。 <ファンドマネジャーやストラテジストらが提案する、最も人気のある逆張り投資先の一つは、二十年余りずっと投資家を失望させてきた投資先だ。日本株である>(一二年十二月二十日付)  十二月二十八日には、 『「日本の経済政策、安倍政権は時計の針を戻すのか?『今回の成長戦略は九○年代のバラマキとは違う』」と題した記事も掲載している」(文春)  新潮は、こうだ。 「『今年はロケットスター卜を切りたい。日銀の金融政策が決定的に重要だ』  4日の年頭記者会見で、2%の物価目標ばかりか、為替についても、日銀に責任の自覚を迫った安倍首相。政権トップの声に、多くの機関投資家が「円売り・日本株買い」に全面シフトの様相だ。円安の恩恵を受ける輸出関連株をめぐっては、「今、買わないやつは愚か者」とまで言い切る専門家もいて……。  『辰巳天井』――これは投資家に伝わる格言である。確かに辰年は、日経平均株価の平均上昇率が十二支中、1位。巳年も前々回の89年には30%近くも上昇し、約3万9000円の史上最高値をつけた経緯がある。こうした投資家の願望通り、目下のところ、株価は右肩上がりの状態だ。 『この傾向が続けば、年内に為替は1ドル=95~100円まで円安が進み、平均株価は1万3000~1万3500円まで上がると予測できます』  大和総研チーフエコノミストの熊谷亮丸氏はこう語るが、さらなる円安を予測する専門家もいる。 『私は2007年当時の1ドル=120円まで、ほぼ一本調子で戻ると見ています』  と言うのは、蔦峰義清・第一生命経済研究所首席エコノミストだ。 『アベノミクスヘの期待以上にドル高要因も強まっているからです。アメリカは6年前に住宅バブルが崩壊しましたが、その借金の清算がようやく終わり、今年は痛手から脱却できそうなのです。米経済が回復すれば、為替も以前の状態に戻る。来年中には120円まで行くと思います』」(新潮)  慎重な週刊朝日でさえも「『バブル』かもしれないが、狙い目は、どんな銘柄だろうか」と株へ目がいっている。  だがおかしいのは、これほど「アベノミクス」を持ち上げている現代だが、コラムを読んでみると、安倍の経済対策に懐疑的な論調が多いのだ。 「安倍にだまされるな! 景気は絶対に良くならない」(大橋巨泉「今週の遺言」) 「アベノミクスが復興を遅らせる」(古賀茂明「官々愕々」) 「焦げつき額は80兆円! 株高円安のウラで進行する安倍ミニバブル崩壊の衝撃」(森功「ジャーナリズムの目」)  インフレターゲットや金融緩和など、まだ動き出してもいないうちから反応する株価や為替は、アベノミクスがうまくいかないと分かれば、あっという間に下がる(円は上がる)のは必定。  参議院選まで力ずくで景気がいいように見せかけたとしても、サラリーマンの給与に反映されるのはずっと後になる。参議院選挙後に経済対策が破綻すれば、給与は上がらず、物価や消費税アップで家計はさらに苦しくなる。  いまメディアに求められるのは、アベノミクスで自民党が何をしようとしているのか、成果が出る、または失敗する1~2年後までじっくり観察し検証することである。  さて、今週もイマイチの記事が多く見られた。  編集長が木所隆介に替わったフライデーの「猪瀬直樹東京都知事が『愛して脅した』美人マネージャー」にちょっぴり期待したが、美人マネが60代では読む気をそがれる。  約束した金額を払わなかったことからトラブルになったことがあるようだが、それもだいぶ前の話である。  都知事選挙に出るに当たって彼女から、猪瀬とのかつてのトラブルがメディアに出るかもしれないと伝えたところ、彼が「黙っていたほうが得だよ」と脅すようなことを言ったとある。  彼女は、猪瀬が権力を得たことで家族に何をするかわからないと怯えているようだが、そんな男のマネージャーになったのがそもそも不運である。  現代の「『痴漢報道』――JR西日本の重役はなぜ死ななければならなかったのか」は、かつて上前淳一郎が書いた『支店長はなぜ死んだか』(文藝春秋)を思わせるタイトルだが、内容は不十分なものだった。  確かに、取り調べをしただけで警察は記者発表し、それを自前で検証もせず実名と顔写真を報じたテレビなどは批判されてしかるべきである。このケースも、決め手は彼を痴漢だと訴えている17歳の女子高生の証言だけである。その声を聞いて電車から逃げ出したところを現行犯逮捕されている。  容疑を否認したまま2日ぶりに自宅に帰った重役は、テレビで自分の名前や顔が公開されたことで絶望したのであろう、公園の便所で首を吊って死を選んでしまった。  本人が死んでしまったことと女子高生の話を聞けないことで、難しい取材ではあるが、もう少し粘って取材を重ね、痴漢報道とはどうあるべきなのか、新聞やテレビも巻き込んでじっくり論じてほしかった。  私は、よほど悪質な痴漢行為や常習犯でない限り、刑が確定するまで実名報道は避けるべきだと思う。  作家・渡辺淳一が地方紙に連載していた小説が、その過激な描写に読者から批判が寄せられ、ほとんどの地方紙が止めてしまったというポストの記事を興味深く読んだが、それ以上の話には拡がっていない。  日経新聞などでは、その過激さゆえに部数が伸びたとまでいわれた渡辺文学だが、地方に密着している新聞では、一部にせよ批判の声があがると持ちこたえるのは無理なのであろう。  今週の3位は、安倍総理と同じ山口県生まれの芥川賞作家・田中慎弥が書いた安倍についての文章。これがとても面白い。  田中は、去年7月に下関で開かれたイベントで安倍に会った印象から書き起こしている。何を言っているのかさっぱり聞き取れない挨拶の後、関係者に案内された安倍が田中のところへ来る。そして、こう言った。 「田中さんの本は読んだんですが、難しくてよく分かりませんでした」  田中は、そのときの安倍の印象をこう書く。 「至近距離なのでさすがに声は聞き取れたものの、表情は愛想笑い程度のうつろなもので、これが本当にかつて首相であり、今後の返り咲きも噂されている政治家だろうかと思った(向こうは向こうで、こいつが本当に芥川賞作家か、と思っていたに違いないが)。  かなり無理しているのではないか、本人はほぼ治ったと言っているが、首相辞任の原因となった病気がまだ癒えてないのではないか、とも感じられた。  政治家っぽくない人、向いていない仕事を背負わされている人という印象だった」  山口県人は「自分の意見が一番正しいのだという我の強さ、強情さをもつ人が多い気はする」(田中)そうだが、県民性以上に安倍を強くあらねばならないと駆り立てているのは血筋だと見ている。 「安倍氏は明らかに、政治家としての自分を強く見せようとしている。強くあろうとしている。なぜか。安倍氏は弱い人間だからだ。強くあろうとするのは弱い証拠だ。だったら、あるがままに生きてゆけばいい。弱いことは、人間として決して悪いことではない。だがここで、血筋の問題が出てくる。  祖父と大叔父と実父が偉大な政治家であり、自分自身も同じ道に入った以上、自分は弱い人間なので先祖ほど大きなことは出来ません、とは口が裂けても言えない。  誰に対して言えないのか。先祖に対してか。国民に対して、あるいは中国や韓国に対してか。違う。自分自身に対してだ。くり返すが、強くないなら強くないままでいい。  首相になった安倍氏は、もはや弱い自分に戻ることは絶対に許されない。  一度失敗しているだけになおさらだ。だが、弱い者はどうあっても弱い。  だからこそ、よけいに強くあろうとする。敵の前でひるむことなく自分を強く見せる必要がある。(中略)  安倍氏が憲法改正や自衛隊の国防軍への移行、集団的自衛権などを主張し、『戦後レジームからの脱却』を掲げているのは、それらが自民党の本来進むべき道であり、特に自主憲法制定が結党以来の悲願でもあるが、そういう党の中にいる安倍氏が、偉大で強い家系に生まれた弱い人間だからだ」  田中は、そんな安倍総理は命を縮める危険な状態にあると危惧し、「その危うさを含めた過剰な強さが、私に『怖い』と感じさせる」というのである。  安倍総理の本質を突いていると思う。  女性セブンは安倍総理の妻・昭恵のインタビューをしている。昭恵が脱原発の集会に参加するなど、原発維持の夫と意見が対立していることを聴かれ、こう答えている。 「原発に関しては、これからもどんな天変地異があるかもわからない。何かあった時に、本当にパッとコントロールできるんだったらいいけれど、それができない限り、やっぱり私は反対なんですね」  彼女は、安倍の病気にはストレスが一番いけないと認めている。内憂外患の安倍総理には心休まる場所がなさそうである。  第2位は文春の気になる記事。  2010年4月に富山市で起きた老夫婦殺人放火事件で、富山県警警部補加野猛容疑者が逮捕されたが、彼が事件の2カ月後に文春に犯行を認める「手記」を書くという内容のCD-Rを送付し、高額で買わないかと持ち掛けていたというのである。  新聞各紙も報じているが、文春は誌面で全文を掲載している。  中には遺体の位置を記した略図があり、これを富山県警に見せれば、自分が犯人だと分かると書いている。  文春も当時、真贋を確かめるため富山県警に取材を行い、見取り図を見せたところ、県警の反応は「犯人、および警察、消防の一部関係者しか知りえないことが書いてある」というものだった。  だとしたら、文春はその時点でなぜ記事にしなかったのだろう。「鬼畜のような殺人放火犯から来た手紙 独占公開」とでもやりそうなものだが。  その後、犯人からの接触はなかった。県警からはCD-Rの任意提出を継続的に求められたが、拒否してきたという。情報源の秘匿。情報提供者からの信頼を失い、今後の取材活動に支障をきたすからだという理由だ。  だが、県警は事件が解決しないために焦ったのだろう、事件から2年以上がたった昨年8月に、任意ではなく差し押さえに踏み切った。  これほど遅かったのはなぜだろう。このCD-Rを送り付けたのが犯人に間違いないと思ったのなら、文春側となんらかの取引をしてでも手に入れなかったのか。もちろん、編集部側が拒否していたためだろうが、2年以上も時間がたってから差し押さえに踏み切るというのは、やり方はもちろんだが、県警のやる気を疑いたくなる。  しかも、専門家がCD-Rを分析したところ、データ上に「カノタケシ」という名前が残されていたというのである。  いろいろな報道によれば、加野と殺された夫婦とは親しかったそうである。  なのに、文春によれば「そこから県内外の多くの『カノタケシ』をリストアップし、一人ずつ検証する捜査が始まった」というのだから呆れる。  殺された夫婦の交友関係も調べていなかったのか。バカバカしくて涙が出てくる。  犯人は、罪もない夫婦を殺し金を奪った上に放火までした。その上、犯行をほのめかす手記を週刊誌に持ち掛け金を稼ごうとした卑劣犯である。CD-Rを渡さずとも捜査に協力して、もっと早く逮捕されるような方策を考えられなかったのだろうか。  取材源の秘匿はもちろん大事だ。だが、この加野のように、明らかに真犯人だと思われる人間の手記を載せるために編集部が金を払うことはないはずだ。話した後に自首するとか、事件が時効になっていれば別だろうが。  取材源の秘匿は絶対不可侵ではない。すでに名誉毀損裁判などでは、取材源の秘匿は多くの裁判官によってボロ雑巾の如く打ち捨てられているではないか。  富山県警のお粗末さがハッキリ分かる記事だが、取材源の秘匿というメディアにとって重大な問題を考えさせられる記事でもある。  今週のグランプリは、ポストの憲法改正についての記事。先週の「裏エンディングノート」もそうだったが、この特集もコロンブスの卵のような記事である。  こういうところへの目のつけ方がポストはとてもいい。  圧倒的な数の安倍自民党政権になり、安倍自身もライフワークと称している憲法改正が遠い先のことではなくなってきた。憲法改正の手続き法である国民投票法もできているから、参議院選挙でねじれが解消すれば、いち早く改正に動き出すという観測もあるが、事はそう簡単ではないとポストは窘めるのだ。  どちらかといえば、憲法改正派と見られているポストだが、こうしたものを巻頭にもってくる心意気を買ってグランプリ。  まず憲法改正のスタートは、衆議院議員100人、参議院議員50人以上の賛成で発議(提案)される。その際重要なのは「関連事項ごとに区分けして行う」ことだ。たとえば第1条の「天皇」に関する条文と、第9条の「戦争の放棄」に関する条文改正は別々に発議されるのである。  したがって、自民党が作っている改正草案をすべて実現しようとすると100以上の発議が必要になるというのだ。発議、本会議での趣旨説明の後に、衆参それぞれに設置された憲法審査会で議論される。ここを通過しても、憲法改正発議には議員定数の3分の2以上の賛成が必要。後院(発議したところとは別の院)でも同じ数が要る。両院議長から発議された改正案は、発議から60~180日以内に国民投票にかけられる。投票は有効投票の過半数で承認されるが、100以上に分かれた場合、区分ごとの投票箱が必要になり、投票を済ませるまでに数時間かかることもあり得るというのである。  このように、憲法改正までは「途方もなく長く、煩雑な道程」(ポスト)が待っているのだ。  さらにポストは「自民党改憲草案」には4つの重大問題があるとする。  まずは「『国防軍創設』(9条改正)に憲法改正は本当に必要か」と問う。9条改正論者の小林節慶応義塾大学法学部教授でさえ、自衛隊を国防軍に改称するだけなら憲法改正の必要はないといっている。 「憲法改正しなければできない国防軍の活動があるとすれば他国への侵略戦争だが、それは自民党の憲法改正案でも禁じている」(ポスト)のだから、9条改正の目的は集団的自衛の行使への道を拓くためだと見られる。だが、先の小林教授は、日米安保条約を結んでいるのだから、竹島、北方4島、尖閣諸島に急迫不正の侵害があった場合は、集団的自衛権を有しており、憲法改正は必要ないとしている。  2点目「なぜ『基本的人権の由来』(97条)を削除するのか」では、自民党は国家の権力を制限するためにできた立憲主義を覆し、統治者側の視点から国民の権利を制約する押し付け憲法を目指していると批判する。  第3点は「メディアを縛る『表現の自由』(21条)改正は大問題」だとする。  21条は言論表現の自由を定めたものだが、そこに自民党案はこういう文言を入れているのだ。 「前項の規定にかかわらず、公益及び公の秩序を害することを目的とした活動を行い、並びにそれを目的として結社することは、認められない」  公の秩序を害すると判断するのは権力側である。これでは権力監視なども「害する」と判断されてしまう可能性が高い。日本から言論表現の自由がなくなることを意味する。  第4は「中央集権の固定化をはかる『地方自治』(92条)改正」。橋下徹大阪市長が言っているような地方分権は退けられ、「地方自治を住民サービスの実施に限定したうえで、これまで憲法に位置づけられていなかった、国が税金を徴収して地方に分配する財政調整機能(地方交付税)を新条項として盛り込んだ。これでは、中央集権体制の固定化であり、、『財源は地方に渡さない』といっているのに等しい」(ポスト)  憲法改正といっても、自民党と維新やみんなの党の方向性は正反対だから、改憲政党の中でも大きな対立が起きるとポストは結んでいる。  こうした特集を巻頭に持ってきたポストに拍手を送りたい。 (文=元木昌彦)
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撮影/佃太平
●元木昌彦(もとき・まさひこ)
1945年11月生まれ。早稲田大学商学部卒業後、講談社入社。90年より「FRIDAY」編集長、92年から97年まで「週刊現代」編集長。99年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長を経て、06年講談社退社。07年2月から08年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(2006年8月28日創刊)で、編集長、代表取締役社長を務める。現「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催、編集プロデュースの他に、上智大学、法政大学、大正大学、明治学院大学などで教鞭を執る。

妻や子に見せてはいけない!? 自分の性生活を振り返る“裏エンディングノート”

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「週刊ポスト」1月18日号
企画賞 「ポスト版 エンディングノート」(「週刊ポスト」1月18日号) イマイチで賞 「維新は『犯罪』のデパートだ!」(「週刊文春」1月3・10日号) 「選挙違反だけじゃない橋下徹ベイビーズの呆れた『学歴詐称』」(「週刊新潮」1月3日・10日号) 読んでみてもいいで賞 「『安倍晋三』総理『独立自尊! 私は経済を立て直す!』対談櫻井よしこ」(「週刊文春」1月3・10日号) どっちつかずで賞 「全国民必読 2013年『ジェットコースター政権』の始まり、始まり」(「週刊現代」1月19日号) どこがいいので賞 「壇密」(「週刊現代」&「週刊ポスト」)  綾瀬はるかが好きなので、何十年かぶりにNHKの大河ドラマ『八重の桜』を見た。綾瀬は冒頭に出て、銃をぶっ放しながら「ならぬものはならぬものです」というセリフを言うだけで、八重の少女時代へ戻ってしまうから、はるかファンとしてはいささか物足りないが、子役の少女がとてもいい。  子役と動物に役者は勝てないとよくいわれる。その通りで、ほかの俳優たちを圧倒している。第1回だからか、時代背景の説明が多く物語の展開が遅いのが気になるが、もう少し見てみるしかないだろう。  山本八重が戦ったのは戊辰戦争(1868~1869年)である。明治政府を樹立した薩摩・長州藩を中核とした新政府軍と旧幕府勢力が戦った日本の内戦で、八重がいたのは敗れた会津藩。いまでも会津人の薩摩・長州人への怨念は消えていないといわれている。  頑固者「会津っぽ」を主人公にした大河ドラマが、彼らが嫌悪する長州人の末裔・安倍晋三が総理になった直後に始まったのは、NHKの先見の明か、歴史の皮肉か。  会津藩には藩士の子弟を教育する組織「什(じゅう)」があった。そこには什の掟というものがあり、それを基に会津若松市が「あいづっこ宣言」を策定しているが、その最後にも「ならぬことはならぬものです」という一節がある。  ダメなものはダメだという意であるが、宣言の三には「虚言を言ふ事はなりませぬ」とある。  安倍総理が公約を果たさず、元の自民党のように公共事業を垂れ流し、財界ベッタリの「強者強靱化」政策を進めるなら、会津っぽたちは黙ってはいまい。  このドラマが終わる頃まで安倍政権が持ちこたえているかどうかも注目である。  さて、週刊誌は今年どんな仰天スクープでわれわれ読者を楽しませてくれるのだろう。年末年始号を見る限り、残念ながらこれはというスクープにお目にかからなかった。  そこで、スクープ賞とは別に特別賞を設けてみた。まずは現代とポストで競っている、今人気のセクシークイーン「壇密」のグラビアだが、私には彼女の魅力がわからない。  確かにいやらしい表情と体を持った女性であることは認めるが、ふるいつきたくなるほどの美人ではないし、なぜ騒いでいるのか理解不能だ。  女性の好みは人それぞれだから、壇密ファンをどうこういうつもりはないが、私は以前ポストのグラビアを飾っていた「謎の美女YURI」のほうがなんぼかいいな。Come back YURI!!  現代の「安倍バブル」の記事もようわからん記事だったな。  1部から6部まであって、1部は経済のプロ50人が「安倍バブル」をどう見ているかアンケートした特集だが、サブに「わずか半年で天井越え! とにかく上がる上がる」とあるように、株を買え! の連呼だ。  ポストも同様に「まだまだ上がるぞ 日経平均1万3千円で儲ける安倍銘柄スクリーニング36」をやっているが、現代のほうは「日経平均2万円へ」だから、ケタが違う。  だが表をザッと見てみると、多くのプロが1万2,000~3,000円で、円高予想も90円台がほとんどである。2万円まで上がるなどと予想しているのは森永卓郎だけで、円が110円まで下がると予想しているのも3人だけだ。  これを読んでいると、バブルの頃の現代を思い出す。株を買わないのはバカだと言わんばかりの誌面作りが毎号続いた。  週刊朝日の連載「案ずるよりフジマキに聞け」で藤巻健史はこう書いている。 「バブルの経験からして、景気と『間違いなく関係ある』のは不動産と株の価格である。あの狂乱経済と言われたバブルは、不動産と株の高騰によってもたらされたもので、消費者物価指数は低位安定していた。上昇率はせいぜい1~2%である」  だが、日銀の澄田智元総裁が後に言っているように、地価と株価が急騰しているのに金融引き締めが遅れたのは「認識が不十分だった」ためで、安倍総理の言っているインフレターゲットは、「景気対策として景気と関連性の薄い消費者物価指数を念頭に置くのは、『そのときの反省が生かされていない』と言わざるを得ない」と批判している。  その上、日銀は政府の言いなりだと国民や外国人に思われてしまったら、単なる紙幣印刷所に成り下がり、ハイパーインフレへの道を突き進むとも警告している。  テレビのワイドショーでは、暮れから年明けにデパートなどの売り上げが伸びたと浮かれているが、まだ給料が1円でも上がったわけでもないし、景気がいいという実感など、ほとんどの国民は持っていないはずである。  もう二度とメディアに踊らされて、ぬか喜びするのはよそう。多くがそう思っているはずである。  だが現代は「日経平均2万円は決して絵空事ではない」と、「乗り遅れるな!『2万円相場』主役はこの株だ」と煽る煽る。「優良企業がバーゲンセール」「プラチナは3月まで値が上がる」。なんと金融円滑化法、いわゆるモラトリアム法で何とか生き残っている中小の貸金業が相当数倒産すると予想されるので「ケネディクス」や「レーサム」などの不良債権処理、不動産の流動化ビジネス関連株がいいとまで言うのだ。  中小企業が倒産することを“期待”しているのか?  現代は、この「安倍バブル」の賞味期限は参議院選挙のある7月までで、選挙目当てで自民党は株高を続けるだろうという読みがある。このバブル、あっという間に破裂する可能性が高いと警告もしているのだが、先の記事に比べると扱いは小さい。  日中関係にも言及しているが、ここは省く。最後に付け足しのように「アベ『格差社会』で若者と老人は路頭に迷う」と、安倍政権では、金持ちはより金持ちに、貧乏人はもっと貧乏になると書いている。  生活保護の制限、年金受給開始年齢の引き上げ、物価は上昇するが所得は上がらない社会を明るいとは言わない。  安倍バブルの提灯持ちはテレビや新聞に任せて、週刊誌は安倍政権を監視し、チェックする役割を担わなくては、圧倒的多数の自公のなすがままになる。一過性かもしれない円安、株高に浮かれている場合ではないと思うのだが。  そういう意味でも新潮の安倍インタビューは、内容はたいしたことはないが「読んでみてもいいで賞」。櫻井のインタビューを受けたのは総理になる前だが、こう発言している。 「経済においては、我々は金融政策と財政政策、それに成長戦略の3本柱で危機を突破していきたいと考えております。先の自公政権時代は、円高は是正できましたが、デフレからの脱却はあと一歩のところで果たせなかった。この反省の上に立って、経済政策におけるパワー不足を補うため、次元の違う政策を打ち出していこうとしています。とりわけ金融政策については、伝統的な手法にとらわれず、インフレ・ターゲットを設けて、大胆な金融緩和を行うという目標を掲げました。いろんな批判があるかもしれませんが、ご存じの通り、2%という目標を示しただけで、実際に為替は動き、株価も上昇しましたね。(中略)  一方では、仮に株価が上がったって、一部の金持ちの利益にしかならないじゃないかと批判する方もいる。しかし、これは間違いです。なにしろ年金の運用の一部は、株式市場で行っているのですから。したがって、株価を上げていくということはとても大切なんです。たとえば、先に私が政権を担わせていただいた2006年から翌年にかけては、日経平均が約1万4000円から約1万8000円にまで上がりました。これによって、3兆円の運用益が出たんです。つまり、経済成長を続け、確実に株価を上げていけば、年金などの財政的な基盤も強化されていくわけで、非常に重要な点だと考えております。我々はこの経済政策で断固としてデフレから脱却するんだ、円高是正を進めるんだという強い国家意思をマーケットに示していきたい。(中略)  先の安倍政権時代には、金融の量的緩和のおかげもあり、名目GDPが513兆円に増え、税収も51兆円まで数兆円増加した。しかし、そんな中、2006年の前半に日銀は金融の量的緩和をやめてしまったんです。デフレ・ギャップが埋まったという判断からです。しかし、その後、デフレ・スパイラルに陥り、日本経済は閉塞状況から抜け出せなくなった。もしあの時にインフレ・ターゲットを導入していれば、まだ物価上昇率が足らなかったわけですから、量的緩和は続けられていました。そうすれば、GDPは名目が実質を逆転し、デフレ不況からも脱却できていたのではないかと悔やまれてなりません。(中略)  前回の総理在任中に靖国を参拝できなかった事は痛恨の極みだと申し上げました。やはりお国のために一生懸命働き、尊い命を失った英霊たちに国のトップが崇敬の念を表明するのは当然のことで、どの国のリーダーもそうしています。(中略)  我々は民主党政権と違い、『二番』ではなく、『世界一』を目指しますから。あらゆる分野で世界一になることによって、日本を復活させます」  参議院選まで見かけの景気はよくして、参議院でねじれを解消できれば、8月15日には中国がどう言おうと靖国公式参拝を強行し、自衛隊を国防軍と変え、集団的自衛権を認め、憲法改正する腹づもりであろうことが透けて見える。  選挙が終わって、未来の党ほどではないが、すっかり影が薄くなった維新の党だが、落選した者も当選した者も、脛に傷を持つ者が多いようだと、文春と新潮が書いている。  維新は、比例で復活当選した上西小百合議員や桜内文城議員らの運動員が公職選挙法違反容疑で逮捕されたが、文春はさらに、維新のプリンスといわれる初当選した井上英孝議員に「暴行」されたという女性の話を取り上げている。  井上議員は大学時代にラグビーをやっていたようだが、呑むと女性にきついことを言ったり、叩いたりする「ドS」の癖があるというのだ。  それは、彼が市会議員だった6年前に起きた。酔っぱらった席で女性にからみ、彼女の首を絞めて吊り下げたというのだ。真偽のほどは定かではないが、これが事実だったら、とんでもない爆弾を抱えた議員を維新は据えたことになる。  新潮は初当選した西岡新代議士の経歴に学歴詐称があると指摘している。  選挙公報には「明治大学公共政策大学院中退」とあるが、地元政界関係者に言わせると、彼は高校で中退した中卒だというのだ。  中卒で議員というのは立派なような気もするが、詐称はよくない。  本人いわく、2012年の4月から11月まで「明大大学院のガバナンス研究科」に通っていたというのだが、新潮調べでは、ここは25歳以上で3年以上の職務経験さえあれば面接だけで入学できる、カルチャー教室のようなものだという。それで大学院中退はないだろう。  維新が選挙前のように輝いていた時期なら関心を持たれたかもしれない記事だが、今となってはイマイチだ。  最後に、売り物記事がないときは企画で勝負。一見なんでもない「特別付録」のエンディングノートだが、後半の「裏エンディングノート」には笑ってしまった。  表のノートには、病気の告知について「病名も余命も告知してほしい」か、そのどちらもしてほしくないか。延命治療はどうするのか、最後を迎える場所はどこがいいか。臓器提供や献体はどうするのか。  葬儀のときの形式や戒名、葬儀のときに流してほしい音楽、墓について。預貯金や保険、不動産、有価証券。大切な人へ残したいメッセージなどがある。  ガンなどのように、いくらか最後を迎えるまでに時間があればいいが、突然死の場合、後に残された者のことを思って、こうしたものを書いておく必要はあるだろう。私もそろそろ書いておこうと思っている。  だが、裏ノートはどう書こうかとしばし考え込んだ。表紙には「ここからは妻や子に見せてはいけない!」と書いてある。  記入してすぐ焼却するもよし、信頼できる人に託すもよし、日記に挟み込んでおくのもよしとある。  では、なぜこういうものを書くのだろう? 「体が健康なうちに、自分自身をより深く、見つめ直す」ためだという。  まず開くと、「春の歩み―私の女性遍歴」とある。童貞消失が何歳で、相手は誰で、場所はどこか。これは今でもハッキリ覚えているから書けるな。  思い出のsex欄には20人まで書き込める。名前、期間。思い出sexとあるのは、何をどう書けばいいのだろう。  次に、1番好きだった女、1番sexがよかった女、生涯で1番思い出に残っているsex、変態告白、あぶない思い出とある。  その次が興味深い。「墓場に持っていく話」とあり、隠し財産、隠し負債、犯罪、処分してほしいものリスト、妻子に内緒で自分のことを伝えてほしい人リスト、最後に言い残しておくことと続く。  最後のページに「この裏ノートを保管してほしい人の名」とあるが、これが一番難しい。  このほかにも、自分の人生の来し方を見つめるためにしておかなくてはいけないことは多くあるはずだ。年の始めに、そうしたことをゆっくり考えてみるのもいいかもしれない。この企画、天晴れ! (文=元木昌彦)
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撮影/佃太平
●元木昌彦(もとき・まさひこ)
1945年11月生まれ。早稲田大学商学部卒業後、講談社入社。90年より「FRIDAY」編集長、92年から97年まで「週刊現代」編集長。99年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長を経て、06年講談社退社。07年2月から08年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(2006年8月28日創刊)で、編集長、代表取締役社長を務める。現「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催、編集プロデュースの他に、上智大学、法政大学、大正大学、明治学院大学などで教鞭を執る。

『20センチ少年』『前戯なき戦い』『天空の塔ドピュタ』……たけしが選ぶ、AVネーミング大賞

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「週刊ポスト」1月1・11日号
佳作1 「人間を幸福にしない日本というシステム」(「週刊ポスト」1月1・11日号) 佳作2 「人生の9割は血液型で決まる」(「週刊ポスト」1月1・11日号) 佳作3 「神田うの『家庭崩壊』危機!」(「週刊文春」12月27日号) 佳作4 「ビートたけし 帰ってきた『AVネーミング大賞』歴代ナンバーワンを発表するっての!」(「週刊ポスト」1月1・11日号)  今週もグランプリの該当作はなしだが、そこそこの読み物は揃っている。  現代の安倍政権になると「あなたの預貯金、財産が『3分の1』になる」という特集は、選にはもれたが安倍晋三新政権に対する国民の不安をよく捉えている。  私のような年金生活者は、今のようなデフレが続いてくれたほうが暮らしやすい。それが安倍総理になると札をジャンジャン刷り、ゼネコンにばら撒くというのだから、物価は上がり消費税も上がり、ますます生活が苦しくなるのではないか。  円高になれば輸出産業は息を吹き返すというのだが、そううまくいくのだろうか。安倍インフレ政策が家計にどう響くのか。消費者物価指数が2~3%上昇するだけで、食料品やガソリンなどの生活必需品が10%も値上がりするというのは、クレディ・スイス証券チーフ・エコノミストの白川浩道だ。 「物価が上昇した分だけ賃金が上がれば、消費は落ちずにすむかもしれませんが、企業の業績がよくなったからといってすぐに給料が上がるわけではありません。そもそも円安になったからといって、すべての企業の業績がよくなるわけではない」  年金生活者は大変だ。物価上昇に応じて支給額は増えるとはいうものの、増額されるのは翌年以降になる。  株価はどうなるのか。輪転機でお札をどんどん刷れば「資産インフレ」が起こると、慶應義塾大学ビジネススクールの小幡績准教授は言う。  日本個人投資家協会副理事長の木村輝久は、民主党政権でもデフレ解消のためにいろいろ手を尽くしてきたのに、結果を出せなかった。安倍が日銀にプレッシャーをかけて金融緩和をさせカネをダブつかせても、使う人がいなければ景気は回らないと話す。  雇用は「円安になれば輸出産業に恩恵があると思われていますが、そうではない。海外でのドル建ての利益を円に替えると見かけ上は利益が増えるかもしれませんが、必ずしも雇用は増えません。そもそも日本の人件費は新興国の4~5倍も高いわけですから、円が120円になったとしても、新興国との価格競争で直ちに優位に立てるとは限らない」(小幡准教授)  格差の拡大も心配される。経済ジャーナリストの荻原博子は、小泉純一郎内閣から第一次安倍内閣の時を思い出せという。 「このとき、日本はいざなぎ景気を超える長期の景気回復を達成していました。実質経済成長率も年平均2%弱だったんです。しかし、そんなことは誰も覚えていません。ナゼかと言えば、この好景気の時期も含めて、労働者の賃金は下がり続けているからです。01~07年の間だけでも民間の給料は平均で年間17万円も減っています。だからデフレになったのです。(中略)次の安倍政権でも同じことが起きるのではないでしょうか」  もっと恐ろしいのはインフレを抑制することができず、際限なく物価の値上がりが続くハイパーインフレに陥ることだ。  みずほ証券チーフマーケットエコノミストの上野泰也がこう指摘する。 「安倍氏が金融緩和を続けるということは、日銀のバランスシートにリスク資産を取り込む度合いを増やすことになります。今の日銀への信認度は『プラスチックの棒』みたいなものです。ある程度までは力を入れても折れないが、一定以上の力がかかるとポキッと折れてしまいます。一度、日銀の信用が失われると、二度と元には戻らない。このことのほうが心配です」  そうなっても困らないように自分の資産は自分で守れと現代は書いているが、そんなことが各自できるのなら、もっと早くこのような景気の悪い時代から抜け出していたはずだ。  庶民の暮らしなど分かろうともしない安倍と麻生(太郎元総理)のお坊ちゃまコンビに任せておいたら、この国はさらに沈没すること間違いないようだ。  軟派記事が面白くない。ポストの袋とじ「春画の秘宝 発掘!葛飾北斎幻の桃色春画12枚」を開けて見たが、なんということはなかったな。  ちょっと気になったのは、週刊朝日の連載「ニッポンスッポンポン」。文筆家兼女性向けアダルトグッズショップを経営する、北原みのりのコラムである。  女性器整形を望む女性が増えているという。それも、最近は40代の既婚女性の整形も増えているし、介護職に就いている女性の整形が目立って高くなっているというのである。  北原の知り合いの女医はこう言っている。 「介護を通して、初めて他人の性器を見たという女性が多いです。セックスのためというより、将来、自分が介護された時のことを考えて整形するんですよ」  北原は15年以上前に、ニューヨークであるワークショップに参加した。そこでは数人の女性たちが女性器を見せ合い、女性器について語り合うワークショップだったそうだ。  佳作にあげたポストのビートたけし「新春スペシャル」が意外に面白い。  18禁のAVネーミング大賞を発表してきて今回で7回目だというが、なかなか笑えるタイトルがついている。  週刊誌などもそうだが、タイトルには制作者の汗と涙が染みついている。いくつか挙げみよう。映画からとったものが多い。  『20センチ少年』『前戯なき戦い』『天空の塔ドピュタ』『マゾの宅急便』『風の谷のナニシタ』『この女、淫乱につき』『亀頭市』『床ジョーズ』『家政婦の股』『世界の射精から』『女熱大陸』『限りなく透明に近いブルセラ』『1Q84(イクワヨ)』『シコシコジャパン』  こういうのは好きだね。ちなみに、たけしが大賞に選んだのは『あしたのニョー』だった。ジャン、ジャン!  佳作3は、タイトルに惹かれて読んだ文春「神田うの『家庭崩壊』の危機!」だが、ややタイトル倒れだったな。  神田うのはいまやママタレ界の女帝なんだそうだ。パンストやウェディングドレスのブランドを持つデザイナーでもある。  夫は年商1500億円を誇る、パチンコ関連企業「日拓」の経営者・西村拓郎。  この夫、女遊びが激しいらしい。彼と1年間愛人関係あった北川景子似の銀座ホステス・吉田愛(仮名)が激白している。  今回の読みどころは、西村が彼女に話したうのとの夫婦生活だ。 「私も興味があったんで『うのちゃんとはどうしてるの?』と聞くと、『夜の生活はないよ』と彼は言っていました。うのちゃんは彼のことを『パパ』と呼ぶみたいで、自分でデザインしたランジェリーを着て『パパ、しばらくしてないじゃん』、『パパってば』とベッドに入ってきて迫ってくるんだそうです。西村さんは『ウゼーんだよね』と言って嫌な顔をしていましたね」  彼の女性関係にうんざりしたうのが別居したりといろいろあったようだが、美川憲一に「子どもでも作りなさいよ」とアドバイスされ、それが実って女の子を出産した。  それからは夫も夜遊びをピタリとやめて、夫婦仲良く暮らしているというのだ。めでたしめでたしである。  佳作の2はお決まりの血液型についてのうんちく。血液型本はときどきベストセラーになるが、私は血液型で人の性格をできるというのは信じない。  なぜなら、私は会社に入るまで自分の血液型はB型だと信じていたのだ。ときどき雑誌の血液型性格診断などを見ては、B型は自分の性格や行動の仕方にいくらか似ていると思っていた。  それが会社の健康診断で、お前はA型人間だと知らされたのである。これまでB型人間として行動してきた自分はなんだったのか。戦争に負けてそれまでの価値観がひっくり返ってしまった日本人のようになってしまったのだ。  以来、血液型は信じていないから、そうした本も見ないのだが、今週のポストの「人生の9割は血液型で決まる」というタイトルに惹かれて読んでみた。  これを提唱しているのは、20数年間鍼灸や整体を通して人間の性格や行動を研究してきたという小萩喜一。  彼は血液型をこう説明する。 「太古の昔、人類はみんな狩猟採集生活を営むO型だったといわれています。その後、農耕生活が進むなかでA抗原を持つA型が生まれ、放牧生活のなかでB抗原を持つB型が生まれた。そしてA型とB型の交配が進んで、AとB両方の抗原を持つAB型が生まれました。O型は他の血液型のように抗原を持っていないため、形にとらわれず、無限の可能性を持っているのです」  これによれば、O型はすごいそうだ。競う相手やチャレンジする対象があったり、自分の力を注ぎ込める仕事があれば無類の強さを発揮するという。実業家、政治家、冒険家に向いているというのだ。  私のようなA型はこうだ。 「A型が几帳面なのは“散らかると面倒だから早めにきれいにする”という、その根には、無精さがあるからです。A型の人生は、ある意味この面倒くささとの戦いで、無精の自分を自覚した上でスムーズに行動を起こせる習慣にたどりつければ最強の人生を送れます」  B型に向いているのは音楽や芸術分野で、これはと思うものに出会ったら、そこに照準を合わせて一心不乱に取り組むと成功するそうだ。  AB型は研究員や哲学者に向いているそうで、「人を生かすことに力を注ごうと心が定まればAB型は無敵。人の悩み相談に徹すれば成功します」(小萩)  私のように「無精だけどマメ」な性格は、A型の典型らしい。気になる人は一読を。  佳作の1はポストの巻頭に載ったカレル・ヴァン・ウォルフレン・アムステルダム大学名誉教授の寄稿である。  ウォルフレンは今度の選挙をこう総括している。 「自民党勝利の前から、『政権交代』は起きていた――それが私の実感である。野田佳彦・首相時代に、すでに『官僚独裁主義』は完全復活を遂げていたからだ。彼は財務省の言いなりとなって消費増税を断行し、各省庁の希望通りに公共事業を復活し、民主党がマニフェストに掲げた『脱官僚』や『コンクリートから人へ』といった改革への期待を裏切った。  今回勝利した安倍自民党は、単にその流れを引き継いだに過ぎない。官僚にとっては、野田政権よりさらに扱いやすいだろう。(中略)  安倍氏は『日本は経済再生のためにお金を使うべきだ、公共投資が必要だ』と繰り返し説いている。だが、そのお金はどこに流れていこうとしているのか。国会議員たちが自分たちの選挙区向けに全く必要のない橋やトンネルにお金を注ぎ込む。これまで慣れ親しんだ『戦後復興プログラム』そのものではないか。  かくして、本気で改革の舵取りをしようとする政治家を押しのけて、自動操縦装置任せで目先の利益に左右される政治家が選ばれた。そして、『日本というシステム』の一翼を担ってきた自民党政権が復活したのだから、この選挙結果は確かに悲劇というほかない」  ウォルフレンは、こうした悲劇から脱却する鍵となるのは若者たちだと期待をする。  しかし、今の若者たちには政治に対する正しい情報がメディアから与えられておらず、官僚にとって都合のいい無関心な状態に置かれている。  そこから彼らが目覚め、新聞を疑い始めたときに本当の変化が起きる。その時期は決して遠い将来ではないと説いている。  若者たちが覚醒することはあるのだろうか。私はその考えにやや否定的だが、今度の選挙で、とんでもない選択を日本人はしてしまったという思いは同じである。 (文=元木昌彦)

マッチVS東山 森光子が残した、ジャニーズ後継者争いの新たな火種

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「週刊新潮」12月20日号 中吊り広告より
佳作1 「『中村勘三郎』最後の女は『石川さゆり』その前に『椎名林檎』」(「週刊新潮」12月20日号) 佳作2 「他人には言えない『大金持ちの相続』」(「週刊現代」12月22・29日号) 佳作3 「森光子『東山紀之』への遺言状」(「週刊文春」12月20日号) 特別企画 「選挙予想で一番当たったメディアはどこだ!」  「暗い日曜日」を口遊んでいる。1933年にハンガリーで生まれた歌で、シャンソンのダミアが唄って有名になり、日本では浅川マキの歌がよく知られている。  亡くなった恋人を想い嘆き、悲しみのあまり自殺を決意するという歌詞で、当時のハンガリーにはナチ・ドイツの侵攻が迫っていたため、真偽のほどは定かではないが、この曲を聴いた人が次々に自殺し、政府が放送禁止にしたといわれている。  昨夜(12月16日)の総選挙開票速報を見ていて、ふとこの歌を思い出したのだ。とんでもない選択を日本人はしてしまった、そう思わざるを得ない。  自公で325議席。それに日本維新の会の54議席を合わせれば圧倒的な数になり、その数はかつてないほどの力を安倍晋三総理に賦与することになるはずだ。  景気浮揚対策との名目で大企業やゼネコンへのカネのばら撒きが始まり、消費税は予定通り上がり、TPPに参加し、社会福祉や脱原発は等閑(なおざり)にされる。対米従属をさらに強め、自衛隊を国防軍にし、集団的自衛権行使を容認する国家安全保障基本法を制定し、そのすぐ先には安倍のライフワークである憲法改正がある。普通に戦争ができる国に変容させ、力を背景にして中国、韓国と渡り合えば、最悪の事態も起こりうる。  この予測が私の馬券予想と同じように外れてくれることを願うが、事はそう簡単にはいくまい。  参議院選挙が来年夏にあるから、それまで安倍は動かないと見る向きがあるようだが、どうだろうか。私は、彼が抱えている病が気がかりである。  どれほどの重さかわからないが、病を抱えた人間は物事を性急に行う傾向がある。私は小学校、高校で2度の肺結核にかり2年間を棒に振ったことがあるからよくわかるのだが、刹那主義に流れやすくなる。また病のために政権を投げ出さなくてはならなくなるという不安から、できるうちにやってしまおうという想いにとらわれ、後先考えずに突っ走ってしまうのではないか。  しかし、それを牽制する勢力は党内には見当たらないし、弱小政党に成り下がった民主党では、反対しても、安倍は歯牙にもかけないだろう。安倍、石原慎太郎、橋下徹という右派トライアングルへの対抗勢力は、ほとんどないに等しいのだ。  戦後初の大政翼賛政治が現実のものとなるのである。投票率が60%を下回り戦後最低だったが、投票に行かなかった10%が自民党以外に票を投じていれば、ここまでの自民党大勝はなかったはずだ。  この体制はおそらく任期一杯まで続くであろう。ねじれを解消するために参議院選挙と同日選挙という憶測も流れていたが、自公だけで参議院で法案を否決されても衆議院で再議決できる議席数があるから、今の議席を減らすような危険は冒すまい。  憲法改正には批判的な公明党が離れたとしても維新と手を組めば、改憲の是非を問う国民投票の発議を衆議院で可決することができる。  このように大きな危惧のある自民党大勝を、東京新聞だけが「維新含め改憲派3分の2」と大きく打ったが、ほかの新聞はただ伝えただけである。  ほとんどの週刊誌も、議席数がどうなるかに終始して、そうなればどういう恐ろしいことが起きるのかを伝えてはこなかった。メディアの怠慢ここに極まった。戦後レジームからの脱却を目指すという安倍だが、それは誤った戦争へ突き進んだ戦前への回帰にならないのか。  もうどうともなれ、という気持ちが強い。これからは土蔵の陰でひっそり猫でも抱いて生きていこう。  先週、ポストの週刊誌、夕刊紙、新聞の「予想獲得議席」一覧がわかりやすくていいと書いたが、そこに確定した議席数を入れ、どこが一番当たったかを見てみた。  結論から言うと、ズバリ賞は毎日新聞だった。なんといっても自民党の議席数を293(実際は294)と予測しているのだ。民主党も69(実際は57)と出している。公明党の31をズバリ当てたのはAERA。ここは日本未来の党の9も当てている。  維新は54だったが、これに一番近かったのが週刊朝日の52。みんなの党の18をズバリ当てたのは朝日新聞と夕刊フジ。やはり自民党を当てた毎日新聞が7党の議席数をズバリかほぼ近い数字で当てており、トップに輝いた。おめでとう! 朝比奈豊毎日新聞社長。  さて、今週は選挙疲れかめぼしい記事がなかったので、すべてを佳作とした。  その1番手は、先日亡くなった女優・森光子の後日談。  ジャニーズ事務所のジャニー喜多川社長、メリー喜多川副社長と森が仲がよかったことはよく知られている。  きっかけはジャニーの父親が興業の仕事をしていた頃、当時大阪で活動していた森を「踊りがいい」と評価し、大ファンになったからだという。特にメリーとは仲がよかったのに、森の死後に異変が起きた。森死亡の連絡が、メリーに届くのが遅れたのだ。  森の所属事務所の社長で甥でもある柳田敏朗社長が、体力の衰えていく森をほかの人間に会わせないようにしたことから、メリーも会いに行けず、最近疎遠になっていたことから起きたことのようである。  異変の2番目は、青山斎場で営まれた本葬で起きた。  ジャニーズ事務所を代表して弔辞を読み上げたのは、森とは46歳の年齢差があるにもかかわらず「恋人以上、夫婦未満」と公言していた東山紀之ではなく、近藤真彦だったのだ。  東山と森との“関係”は本当のところどうだったのだろうか? 森と同じマンションの住民の証言している。 「東山さんは、多いときは週に四回くらいの頻度で森さんの自宅へいらしてましたよ。自分の車で深夜にこっそりやってきて、泊まって朝帰っていくんです。そういうのを知っているから、このマンションの人は、『二人は男女の関係』と信じていましたし、『森さんが若くて肌つやがいいのは、そのせいだ』と言っていました」  では、なぜ東山から近藤にしたのか。森と親しかったテレビ関係者がこう語っている。 「森さんが生前にしたためた遺言状に『遺産の一部を東山紀之に譲る』と残したというのです。それを知ったメリーさんが、話が違うとさらに怒った。というのも、森さんが元気な頃、『私が死んだら、子供もいないし、財産の一部はジャニーズの若い子たちを育成するために使って欲しい』と言っていたそうなのです。メリーさんはその意見に賛同し、『ジャニーズ=森基金』という形で、将来的に運営していきたいという考えを持っていた。年収十億円といわれるメリーさんにとって、それは金銭の問題ではなくて、友情の証。なのでメリーさんからすれば、森さんに裏切られたという思いがあるのではないでしょうか」  この背景には、ジャニーズ帝国の跡目争いが絡んでいるそうだ。東山が最有力だったのだが、女優の木村佳乃と結婚し、最近は森とも距離を置くようになっていたようだ。近藤はジャニーズ事務所の“長男”的な存在で、東山を脅かしているそうである。  大女優死してジャニーズ事務所紛糾の火種を残す。遺言状は森から離れていった東山へ、彼女からの最後のラブレターだったのだろうか。  お次は、私のような由緒正しい貧乏人には関係ないと読まなかった週刊現代の「日本の金持ちシリーズ」だが、今回が「第13弾」になる。  読み始めたら止まらなくなった。面白い!   皆さんは、愛知県犬山市にある犬山城が個人の所有と知ってましたか?  室町末期に建造され、日本最古の天守閣を持つこの城は、成瀬家の持ち物だそうである。成瀬家は城だけではなく、古文書から工芸品や絵画など数百点も所有している。今は12代になるが、一族は代々莫大な相続税の支払いに追われてきたそうだ。当主の長女・成瀬淳子がこう話す。 「12代当主の父・正俊が、11代当主の祖父・正勝から相続を受けた際には、相続税が1億円ほどにのぼりました。10年の分割払いで、土地を売るなどしてやっとのことでこれを払い終えたのですが、その直後、今度は祖母が亡くなって、再び1億円の相続税の支払いを求められました。父は明るい性格の人間でしたが、このときばかりは『税務署は、同じ城に二度も税金を払わせるのか!』と文句を言っていました」  彼女が父親の相続準備に入る頃は、次の相続税を払うために城か文化財を手放すしかないため、個人の所有をあきらめて財団法人を設立し、そこへ移管して相続税から解放される道を選ばざるを得なかったというのだ。  日本では100人が死亡した場合、課税対象になるのはたったの4人だそうだ。よほどの資産家でなければ相続税を払わなくていいのだが、課税されると最高税率が50%にもなる。  昔はそれから逃れるために架空名義を作ったり金の延べ棒にして隠す者もいたが、国税当局の取り締まりが厳しくなったため、今では海外移住するのが一般的な「逃税」のやり方だそうだ。親子で海外に移住し、5年以上日本を離れていれば国内財産以外は贈与税の対象にならない。  相続税だけではなく、所得税や法人税も安いシンガポールやオーストラリアに移住した金持ちのケースが出てくる。日本有数の資産家、イエローハット創業者の鍵山秀三郎はこう憤っている。 「国に税を取られても、それが社会にどう生かされるかわからないことが増えています。だからみな、相続税を払いたくないと思ってしまう。(中略)そもそも個人が築いた資産は自分の子孫だけでなく、社会や後世のために使うべきだというのが私の考え方です。相続税を重税課することは一時的な財政再建には役立つかもしれませんが、人々の公共意識を壊すことにもなりかねない。私はそう危惧しています」  しかし、国税は容赦ない。徹底的に調べ上げ、来たときには逃れる術はないようだ。かつては資産隠しに使われたスイスやケイマン諸島なども、続々と日本との租税条約などの締結に踏み切っているそうだ。  相続税を払いたくない金持ちたちと、払わせようとする国税とのいたちごっこはまだまだ続くようである。  今週いちばん読ませたのは、新潮の歌舞伎俳優の18大目・中村勘三郎の記事。惜しくも若くして亡くなってしまったが、彼のモテぶりはすごい。  新潮によれば今年の5月29日の夜、とある銀座のバーで人目も憚らず女性に甘い声を投げかけていた。女性は今年の紅白のトリを務める、石川さゆり(54)だそうだ。 「ほの暗い店内に置かれた横長のソファーに、肩を寄せ合うようにして腰掛ける男女。男性はゴルフウェアにチノパンというラフな格好だが、女性は黒っぽいアルマーニのスーツに身を包み、シックな雰囲気を漂わせている。シャンパンのグラスを傾けながら、談笑する2人。他の客は目に入らないかのように、自分たちだけの世界を作っている。  笑みを湛えていた男性がやがて真顔になり、相手の目をじっと見つめて、こう囁いた。『俺たち、もっと早く出会っていれば、よかったね』」  この逢瀬があってから半年も経たない12月5日に、惜しまれながら勘三郎は57歳で不帰の人になってしまう。  勘三郎の女性遍歴のスタートは12歳年上の女優・太地喜和子だというのが定説になっているようだが、文春によれば、そうではなく、15歳の時に映画『幻の殺意』で共演した吉沢京子だとしている。  太地と別れて以後も、大竹しのぶ、牧瀬里穂、樋口可南子、米倉涼子など枚挙に暇がない。中でも、宮沢りえとの恋愛沙汰は今でも語りぐさである。当時、りえは角界のプリンス貴花田(現・貴乃花親方)と婚約するが、すぐに破局してしまう。  傷心のりえが相談相手になってもらっていたのが、勘三郎(当時は勘九郎)だった。だが、恋の糸がもつれてしまったのだろうか、りえは勘三郎が宿泊している同じ京都のホテルで自殺未遂を起こしてしまうのである。  新潮は石川さゆりだけではなく、シンガーソングライターの椎名林檎とも深く付き合っていたと書いている。 「勘三郎さん、私は、世界で一番幸せな女です」  こういうメールを椎名は勘三郎に宛てて送っている。勘三郎も嬉しそうにみんなに見せていたそうだ。 「勘三郎さんが“俺はこの子が大好きなんだ。もう離したくない”と言って抱きしめたのには驚きましたね」(勘三郎の知人)  記事中には、勘三郎と椎名が「恋人つなぎ」している写真も載っている。なぜそんなに彼がモテるのか? 某芸能デスクがこう解説している。 「子どものような純真な目で相手を見つめながら、相談に乗る。すごく聞き上手で、かつHトークもうまい。女性を飽きさせず、皆メロメロになってしまうんですね」  これではモテるのは当たり前か。  歌舞伎を愛し、女を愛し、酒を愛した勘三郎は、いまごろ親しかった天国の立川談志師匠に「やけに早かったな、ままいいか」と迎えられて、酒でも呑んでいるのだろうか。  今年も惜しい人が次々に亡くなってしまった。 (文=元木昌彦)

「週刊誌は売れてなんぼ」オリラジ“やらせ”熱愛報道を名物編集長が擁護!?

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「週刊文春」12月13日号 中吊り広告より
グランプリ 「田中みな実&オリラジ・藤森慎吾フライデー熱愛報道でもみ消した妊娠・堕胎・慰謝料350万円」(「週刊文春」12月13日号) 第2位 「『就職に本当に強い大学』教えます」(「週刊文春」12月13日号) 第3位 「読売新聞幹部が交際女性の目の前で『飛び込み自殺』するまで」(「週刊ポスト」12月21・28日号) 秀逸タイトル賞 「政権奪取へ“腹痛総裁”安倍晋三『トイレへダッシュ』」(「フライデー」12月21日号)  今週はタイトル(だけ!?)が面白かったフライデーに賞を進呈する。奪取とダッシュをかけたところがいい。こうすればもっと良くなったろうに。 「“腹痛総裁”安倍晋三 政権奪取よりもトイレへダッシュ!」  今週も選挙特集ばかりでいささか食傷気味だ。そんな向きが多いと思うので、ポストのブチ抜き全28ページ大特集でザッとおさらいをして次へいこう。  まずは定番の議席予測から。政治ジャーナリストの野上忠興と本誌取材班によれば、自民党圧勝で246議席、民主党103議席、未来22議席、維新48議席と読んでいる。  選挙区ごとの当落は省いて、週刊誌、夕刊紙、新聞の「予想獲得議席」一覧がわかりやすくていい。  自民党の獲得議席を一番少なく見ているのが週刊現代で174(小選挙区117+比例57)。一番多く見ているのは朝日新聞で272(213+59)。 民主党の獲得議席を一番少なく見ているのがやはり現代で19(1+18)、一番多いのがAERAで132(77+55)。維新の最小はAERAで39(25+14)、一番多いのが現代で183(112+71)。こんなに取れるわけはないだろうが。未来の最小はAERAで9(3+6)、最大は日刊ゲンダイの60(30+30)。ゲンダイは小沢一郎贔屓ということもあって多いのだろう。  下に結果という欄があるから、選挙結果を入れて、どこが近かったかを採点してみるがいい。  どこの調査結果を見ても自民党大勝である。これは政党が乱立したことで、自民党が漁夫の利を得るからだろう。全得票数の3割程度でも圧勝してしまうのだ。だが、あまり大勝させるとバツイチ安倍総理がどう迷走するかわからない。  ポストは政権交代で「業界地図」が激変すると書いている。公共事業をばら撒くといっているのだから、ゼネコンが大喜びするのは当然。  電力会社も同じで、東電・柏崎原発と関電・高浜原発は再稼働の準備を始めたとしている。通信分野では、自民党系のNTTが民主党系のソフトバンクから覇権を奪取するのではないかと見ている。航空業界では、民主党政権下で再建を成し遂げたJALには厳しく当たるのではないかと見る。  気になる安倍の経済政策だが、「アベノミックス」は株式のプロたちにどう見られているのか。意外といっては失礼になるが、「自公で過半数なら千円高も」あると、大方のプロは増減に幅はあるが、12月14日の終値から12月17日の終値までに上がると見ている。  また選挙後の安倍総理の「愛人」選びには、民主党ではなく維新と合流するケースもあるのではないかと読む。石原慎太郎や平沼赳夫は自民党と近いし、そのときは橋下徹大阪市長を外して、合流するのではないかというのである。  これは真実味がある。選挙中でも石原と橋下の言い分はかなり食い違っていたし、そこを他党に突かれていたから、分裂は必至であろう。  大方の選挙予測を見る限り、安倍自民党の選挙ポスターを文字っていえば「古い自民を取り戻す」だけの選挙でしかないようだ。バツイチ&腹痛総理では、難問山積の時代の舵取りをするのは荷が重いだろう。また来年夏の参議院選挙が天下分け目の合戦場になりそうである。  今週の3位には、ポストの読売新聞の記事。清武英利元読売巨人軍取締役球団代表が渡辺恒雄主筆に刃向かって叛乱を起こした「清武の乱」以来、文春で書かれた渡辺主筆の“不法”な運転免許の更新(読売側は否定)など、読売の不祥事が次々に出てきている。  この記事は内容的にはイマイチだが、気にはなる。  11月30日21時20分頃に読売新聞東北総局長のAが、仙台市の広瀬川の左岸高台にある西公園から川へ飛び込んだというのだ。  警察は自殺と見ているようだ。このA総局長は単身赴任だったが、東日本大震災報道の総指揮役で、読売も大きな期待をかけていたという。  彼は着実に仕事をこなすタイプで、それまでは浮いたウワサがなかったというのだが、2~3カ月ほど前から、20~30代の若い女性と半同棲しているというウワサが出ていた。その女性は仙台の繁華街の飲食店に勤務しているようで、Aとはそこで知り合ったそうである。だが、このところ激しい喧嘩をするようになり、近隣住人の証言では3日に1度は言い争う声が聞こえていたという。  その女性が一緒にいるとき、彼女の目の前で飛び込んだというのだ。  仙台は単身赴任の多い街で、こうした愛憎のもつれによる悲劇が起こることもあるようだ。大メディア人といえども人間であるから、年の差を超えた恋愛感情を持つことはあるだろう。しかし気になるのは、読売新聞という大新聞が大きく揺れている中で、こうしたことが起きたことである。  私の亡くなった父親が長年禄を食み、愛した読売が少しずつ土台から崩れつつあるのではないか。この記事を読んで、その感を強くした。  ところで歌舞伎界の至宝、中村勘三郎が亡くなり、ワイドショーはこぞって取りあげ、多くの特別番組が組まれた。  今日(12月10日)また、映画や舞台、放送と幅広く活躍し、味のあるのエッセイを書いた俳優の小沢昭一が亡くなってしまった。享年83歳。  TBSラジオの『小沢昭一の小沢昭一的こころ』は楽しみで、録音して聞いていた時期もあった。  小沢昭一の息子が講談社にいて、一緒に仕事をしていた時期もある。小沢一郎というがあの小沢一郎とは違って、人当たりのいい好青年だった。乙武洋匡の『五体不満足』という大ミリオンセラーを出した優秀な編集者である。  さて、2位には少し変わったものを取り上げてみた。文春の「就職に本当に強い大学教えます」という特集である。就活には間に合わないが、これから大学を選ぼうという受験生や親たちには必読だ。  千葉科学大は危機管理学部を持ち、卒業生の10%が消防官になっている。北海道の旭川大や苫小牧駒澤大は自衛官に強い。八王子にある日本文化大は卒業生の約4分の1が警察官になるそうだ。  今年7月に日経新聞が主要企業の人事トップに「人材育成の取り組みで注目する大学」を聞いたところ、1位に選ばれたのは国際教養大で2位は東京大学だったが、3位には立命館アジア太平洋大が入った。  不明を恥じるが、私は国際教養大は知らなかったし、立命館は知ってはいるがアジア太平洋大は知らなかった。偏差値は国際教養大が67.5で早稲田大の法学部並みだが、アジア太平洋大学は50.0とさほど高くはない。  だが、就職実績は東京海上日動火災、JR東海、電通、味の素、みずほFGと人気企業が並んでいる。  2校の共通点は地方にあることだ。国際教養大は秋田、アジア太平洋大は大分の山間部に設立された新興大学で、海外からの留学生が多く、英語の講義も充実していて積極的に学生の留学を推進している。  寮生活だから仲間との関係も密になり、英語が話せなくとも仲間同士が教え合ってマスターしていくそうだ。  国際教養大の一期生である水野勇気は大学を出て起業した。彼がこう話す。 「AIU(国際教養大のこと=筆者注)は今でこそ立派な図書館もありますが、基本的に山奥で何もない。三年間辺鄙なド田舎に来るのを選択している時点で、首都圏の学生とは違う。自分が何かに取り組まないと意味がない学校なんです。逆に言えば、そこが他の大学の学生とは違う魅力なのかもしれません」  だが、外国語が話せるというだけで、両校の人気は説明できないと、「大学通信」の安田賢治ゼネラルマネジャーはいう。 「長い寮生活では密な人間関係にもまれ、留学では世界各国さまざまなところに一人で向かう。こうした環境と経験が生きる力を育んでいる。評判でよく聞くのは、どちらの学生も誰とでも憶せず話せること。しかも英語に慣れているので、外国人が相手でも気後れせず議論もできる。そういう人としての強さが企業にとって魅力なのだと思います」  今はコミュニケーション能力を求める企業が多くなっているという。首都圏の大学に通い、希薄な人間関係の中で閉じこもりがちな学生では、これからの超グローバル化の時代を乗り切ることはできないということなのだろう。  今週のグランプリは文春のフライデー(11月16日号)のスクープに異議あり! とする記事に捧げる。  フライデーがTBSアナウンサーの田中みな実とお笑いコンビ「オリラジ」の藤森慎吾の熱愛を報じた。だが文春によれば、そのスクープは藤森がモデルの女性を妊娠させて慰謝料を払っていたスキャンダルを隠すために、吉本興業側がフライデーとバーターしたというのだ。  佐々木希似のモデル・中村さゆり(仮名・20代)が藤森との馴れ初めをこう話す。 「藤森さんと出会ったのは今年の六月、大阪の『X』というクラブに遊びに行った時のことです。一緒にいた友達がオリラジのファンで、彼を見つけたのです。(中略)  お酒に弱いみたいで、目が合った時にはすでにベロベロ。彼は私が気に入ったらしく、『乾杯しよっか』と声をかけてきました。彼のネタの『キミかわうぃ-ね!』とは言われなかったですね(笑)」  帰りに宿泊していたホテルの部屋番号と連絡先を彼女に渡していったが、その日は行かず、後日メールしたという。食事に誘われたのは、そのメールから1週間ぐらい経ってから。彼女が続ける。 「当時、すでにTBS田中みな実アナとの噂が出てましたが、藤森さんは『みな実とはいろいろ言われてるけど、何の関係もない。何もしてないし、付き合ってはいない』と言ってました。  そして、『明日もロケがあるんだ。もう帰らなきゃいけないけど俺一人で帰れる自信がないから、ホテルまで送ってよ』と私に言ってきたのです。確かに足元もおぼつかず、一人で帰れる状態ではなかった。しょうがないと思って部屋まで送ってあげたんです。私がバカでした。それが彼の手口だったんです」  ホテルの部屋に入ると藤森は豹変した。 「いきなり覆いかぶさってきたんです。私はそんなつもりはまったくなかったのですが、抵抗するのも疲れてしまい、セックスに応じてしまいました。彼はコンドームを持っていなかったので、仕方なく生でやりました。  挿入が始まってから『絶対、中には出さないでね』と注意したんです。でも、『出さないで』と言った時には、もう射精された後だったんです。本当にびっくりするほどあっという間にイってしまって……」  この日から約3カ月後に、彼女は体の異変に気づく。妊娠検査薬を買ってきて試すと陽性反応が出た。  そのことを藤森に伝えると「ごめんね」と謝った。結局、手術費込みで350万円を彼女に支払ったという。だがこれで一件落着とはいかなかった。 「実は私は先にフライデーの取材も受けていたのです。藤森さんからどんな扱いを受けるかわからなかったので、何らかの“証拠”を持っておきたい。それで編集部に連絡し、私と藤森さんの話し合いの現場写真を撮ってほしいと頼んだのです。  フライデーの記者さんは、『ぜひ記事にしたい』と意気込んで取材に来てくれました。藤森さんとの話し合いの際は、記者さんからICレコーダを借り、藤森さんとのやり取りを録音し、記者さんに返しました。また、カメラマンがホテルに張り込み、私と藤森さんの出入りを撮っています」  しかし、フライデーはこれを記事化せず、代わりに先の田中との熱愛写真が掲載されたのだ。  “売れっ子”藤森のスキャンダルが出ることを恐れた吉本興業が動き、フライデーとバーターしたと文春は書いている。  フライデー側は「載せる載せないは、こちらの自由だと思いますが」と回答しているから、彼女のいい分は事実のようだ。文春は「“やらせスクープ”を掲載したのであれば、同誌の信頼が揺らぐ」というが、この見方には少々異議がある。  雑誌は売れてなんぼの世界である。売れなければいくら格調高い記事を掲載しても、休刊していくことになりかねない。  フライデー編集長は、吉本興業がただ圧力をかけてくるだけだったならば突っぱねていたと私は思うし、そう思いたい。  だが、吉本側はおいしい対案を出してきた。それに彼女は一夜の代償として藤森から350万円を受け取っている。それを天秤にかけて編集長は判断を下したのだろうが、それを「けしからん」と一方的に責めることは、週刊誌の現場を知る私にはできない。  私のことでいえばフライデーの編集長時代、プロダクションの圧力で記事を取り止めたことなどないが、一度だけ某カメラマンの身内のスキャンダルを撮りながら、カメラマンに泣きつかれて言い分を聞いたことがある。  そのとき彼は、代案として、当時超売れっ子だった女優をフライデーに出すことを申し出てきた。 その女優は頑なにフライデーが撮影を申し込んでも拒否していた。私は、そちらのほうが販売的にもプラスになると考え承諾した。予想通り、その号の売れ行きは好調だった。  さらにいえば、こうした「情報」は必ずほかに流れるものである。フライデーがやらなければ文春、文春がやらなければ新潮がやったであろう。  スキャンダルを完全に封じ込めるのは、大手プロダクションがどんなに圧力をかけても無理である。現代のようにネットが発達した社会では、特にそうだろう。 (文=元木昌彦)