「まだ口に出していない秘密があるはず……」“闇の帝王”許永中出所で、政・財界人が震え上がる!?

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「週刊文春」10月10日号 中吊広告より
今週の注目記事 第1位「久子さまと安倍首相 天皇が案じる『際どい決断』」 (「週刊文春」10月10日号) 第2位「“闇の帝王”許永中の独占肉声『日本で話をつけなあかん奴ら』がいる」 (「週刊ポスト」10月18日号) 第3位「11歳年下『内縁“夫”』とセレブ生活でも『三原じゅん子参議院議員』の身内が生活保護」 (「週刊新潮」10月10日号) 第4位「最後までペンを離さなかった山崎豊子さん」 (「週刊新潮」10月10日号) 第5位「JR北海道 社員の8割以上が『革マル系労組』所属」 (「週刊文春」10月10日号) 第6位「『年金詐欺10万人訴訟』を本誌は全面的に支持します」 (「週刊ポスト」10月18日号) 第7位「世界的科学者が目撃した『原発汚染水の海域』と『放射能汚染の実態』」 (「週刊現代」10月19日号) 第8位「徳洲会マネー100億円を貪る『わるいやつら』」 (「週刊文春」10月10日号)  ガッカリである。フランスで行われた「凱旋門賞」のことだ。今度こそ日本の悲願を叶えてくれると思っていたオルフェーブルが、まさか大差の2着。キズナも4着に沈んだ。優勝したトレヴとの差は5馬身。決定的な差である。ゴール前、追い詰めるのではなく、差が開いてしまったのだから、トレヴの強さがわかろうというものだ。レース後、池江調教師が語ったように、凱旋門の扉は再び固く閉じてしまった。  「凱旋門賞」はハンデ戦に近い。オルフェが59.5キロ、勝ったトレヴは3歳牝馬だから54.5キロ。ハンデ差は実に5キロもある。しかもトレヴは4連勝中の3歳最強牝馬である。ハンデ1キロで1馬身の差が出るといわれる。5キロ差だから5馬身。オルフェとトレヴが同斤量だったら並んでいたと考えるのは、負け犬の遠吠えか。  しかし、ここ10年で見てみても、勝馬は3歳馬が圧倒的で、2007年に4歳牡馬のディラントーマス(59.5キロ)、2012年にオルフェを破った4歳牝馬ソレミア(58キロ)がいるだけである。競走馬にとって59.5キロを背負って走ることなどまれだ。伝統あるレースだが、この斤量を改正しないと、古馬が優勝するチャンスは極めて少ないと言わざるを得ない。  来年からは、オークスを勝った3歳牝馬を送り込むという案はどうだろう。ジェンティルドンナ、ウオッカ、ブエナビスタのクラスが出たらいい勝負になるはずだと思うのだが。  さあ、今週も質より量でいこう。まずは文春が先週の新潮とは違う視点で「徳洲会」を扱った記事。  先週新潮が、徳田毅自民党代議士(42)の選挙違反を捜査するために、東京地検特捜部が動き、100カ所近い捜索を始めたことを報じたと書いた。  その徳田氏の父親・虎雄氏(75)は巨大医療グループ「徳洲会」を一代で築き上げた人物だが、その大組織が大揺れに揺れている。  虎雄氏は十数年前にALS(筋萎縮性側索硬化症)を発症し、眼だけしか動かせないが、その眼でプラスチックの文字盤を追い、意志を伝えている。  だが、その虎雄氏に取って代わろうという人物がいて、それとの間で内紛が起きていいると文春が報じている。  興味深いのは、内紛の中心人物は、虎雄氏の金庫番として長年支えた能宗克行氏(今年2月に解雇されている)と、新潮社の「週刊新潮」「フォーカス」の記者で、「徳洲新聞」の編集発行を請け負っていた久恒信夫氏だということだ。 「徳洲会の全てを知り尽くした能宗氏は解雇無効処分を求めて提訴するとともに、マスコミ対策に長けた久恒氏と親しい産経新聞の検察担当記者を通じて、徳洲会の内部資料をごっそり特捜部に持ち込んだのです。創価学会にせよ共産党にせよ、組織ぐるみ選挙は統制が取れているため、選挙違反の決定的な資料はそう簡単には出てこない。ところが徳洲会の場合、金庫番が体ごと飛び込んできた。検察にとってこれほど美味しい話はない。その“ご褒美”で産経は本件の特ダネを報じたのです」(社会部司法担当デスク)  文春は「100億円を貪る『わるいやつら』」とタイトルを打っているが、どっちもどっちではないのか。なるほど先週の新潮の記事が詳しかったのは、元記者からのタレコミのようだ。  今週の新潮は、この件に関してはコラムで小さく扱っただけ。そして最後にこう結ぶ。「大山鳴動してネズミが何匹ひっかかるやら?」。大山鳴動させたのは、新潮ではないのか。  この事件、スジが悪そうだから、政界を巻き込んだ贈収賄事件などにはならないかもしれない。  お次は、現代の原発汚染水の問題を扱った記事。  世界最大規模の独立系研究所である米国ウッズホール海洋研究所のケン・ベッセラー博士は福島近海の汚染状況について、こう語っている。 「私たちのチームはこれまで4度来日、原発から1kmの所まで近付いて海水などの調査をしていますが、汚染水は漏れ続けています。いくら海水で薄まっても、魚がいる場所としては、福島の沿岸は最悪の場所です。残念ながらいくつかのシーフードについては食べられるレベルではありません」  当然ながら、「汚染水はコントロールされている」と主張している安倍首相の発言には批判的である。 「海洋汚染はコントロールされているという安倍首相の発言は理解できません。私から見れば、全くコントロールされているようには見えない。海洋汚染自体は、人体のリスクという観点から言えば、水泳しても大丈夫でしょう。しかし、魚介類の汚染は、魚にガイガーカウンターを当てるだけで検知できるほど高いレベルです。これは、食べても安全とはとても言えないと考えています」  重要なことは、国際グループによる調査態勢を構築することだとベッセラー博士は言うが、海外に原発を売り込もうと躍起になっている安倍首相がやるはずはない。  現代は、このところ脱原発などと言い出している小泉純一郎元首相の講演会の全文を公開している。  私は、自己顕示欲の強いこの人の発言は、裏に何か意図があると思っているので信用してはいないが、一部だけ紹介しておこう。 「日本国民は、一つの大きな目標、これがいいなというモデルがあれば、実に積極的に官民一体となって協力する特質を持っていると思います。敗戦後も、日本人が掲げた大きな目標──二度と戦争をしないこと、長生きの国にすること、その二つをともに達成した。『原発をゼロにする』という方針を政府・自民党が打ち出せば、循環型社会を作る夢に向かって国民は結束できるんです。そうすれば世界が日本を手本にする。ピンチをチャンスに変える方針を決めるのが、政治の仕事なんです!」  みなさんはどう読むだろうか。  ポストは「10万人以上の年金受給者が国に年金減額の取り消しを求める行政不服審査請求申し立てに動き出した」ことに対して、全面的に支援すると打ち出した。  消費税を上げなくてはならないのは「高齢者が年金をもらいすぎているからだ」と批判して、現役世代の不満を高齢者に向けさせようとしているが、それは違うと、年金博士として知られる社会保険労務士の北村庄吾氏が指摘している。 「団塊世代は年金に関して“勝ち逃げ世代”といわれるが、そうではない。年金制度はすでに破綻しているのに、なんとか年金を支払うことができるのは、高度成長期からバブル期にかけて団塊世代が中心になって貯めた積立金があるからなのです」  団塊世代は、現役の時は必要以上に保険料を払い、受給額は前の世代より大きく減らされているのだ。それが、これからは年金カットに加えて消費税増税、物価上昇という三重苦に見舞われるのである。 「家計調査(2012年平均)によると、世帯主が70歳以上の2人以上世帯はすでに昨年の時点で毎月の家計は赤字だ。具体的に見ると、収入は年金が19万5299円、その他の収入を合わせた月収22万2964円に対して、食費、光熱費、住居費、交通通信費などを合わせた支出合計は26万863円で、赤字の3万7899円は貯蓄の取り崩しなどでやりくりしていることが浮かび上がる。消費税が10%に上る2年後にはどうなるか。まず特例水準解消で年金が2.5%(4882円)カットされ、月収は21万8082円に減る。一方の消費支出は、政府目標の2%物価上昇が実現し、さらに政府の方針通り消費税分が価格に転嫁されると計算した。これに電気・ガス代の値上げ、年金から天引きされる介護保険や健康保険税の値上げを合わせると、支出合計は28万4537円に達する。新たに3万円近く負担が増え、1か月の赤字は6万6455円に膨れ上がる」(ポスト)  現在30代、40代の諸君は他人事のように思っているかもしれないが、すぐその時は来てしまう。この国の社会保障制度を政府や役人に任せておいたら、70過ぎたやつは姥捨山へ行けとなるに違いない。  列車火災に脱線事故、267カ所にも及ぶレール異常の放置と不祥事が頻発するJR北海道に何が起きているのか。  文春、新潮がともにやっているが、文春はその背景には「革マル系労組」があるというのだ。こちらを今週の第5位。  JR北海道の現役中堅社員が、こう話す。 「JR北海道の異常な企業体質が生まれた背景の一つに労使関係がある。一例を挙げれば、安全に関わることでも、労組の合意なしには義務化できなかったアル検(アルコール検査)問題があります。2008年、会社はアルコール検知器を導入し、全乗務員(運転士・車掌)に乗務前に各自で検査するよう呼びかけた。ところが組合は『アル検は強制ではない』として組織的に検査を拒否。09年には国交省の立ち入り検査で、札幌車掌所の十二人の車掌が導入時から一貫してアル検を拒否していることが発覚しました。そして、その全員が北鉄労の組合員でした」  北鉄労(北海道旅客鉄道労働組合)は、全社員約7000人のうち管理職を除く84%が加入するJR北海道の第一組合である。  11年の5月には、こんなことが起きているという。 「JR北海道は石勝線で特急列車が脱線した後、火災が発生、乗客39人が病院に搬送される事故を起こしている。その後も、居眠り運転など不祥事が相次ぎ、国交省から事業改善命令を受けたにもかかわらず、アル検は拒否されていたのだ。そして事故の4カ月後には、中島尚俊社長が『「お客様の安全を最優先にする」ということを常に考える社員になっていただきたい』と遺書を残して自殺する」  確かに北鉄労が所属するJR総連は、国会での警察庁警備局長答弁や政府答弁書などで、極左暴力集団である革マル派との関係が指摘されている。  だが、これだけがJR北海道に不祥事が頻発する理由のすべてではなかろう。赤字体質からの脱却など、やるべきことは山ほどあるはずである。北海道に住む人たちが安心して乗ることができる鉄道にするために、労使双方が徹底的に話し合うべきである。 「女性の読者の方から、なぜもっと、ベン・ケーシーのように正義感に満ちた医者を書かないのかと詰問された。(中略)しかし、権力と名声に包まれた財前教授のような医者の心の中にある醜い欲望や冷酷さは、小説という形の中でしか強烈に描き出せない。それで私の心の中にある主人公は、里見助教授でありながら、あえて財前五郎を強烈に描いたのですと、その女性読者に答えたことがある」(『山崎豊子 自作を語る2大阪づくし 私の産声』、小社刊)  これは週刊新潮にある「『白い巨塔』を書き終えて」という中の一文である。作家・山崎豊子さんが亡くなった。享年88歳。『華麗なる一族』『沈まぬ太陽』など、今でいうノンフィクション・ノベルの大家である。  徹底的に取材をして、それをもとに書き上げるテーマは戦争、医療、新聞と幅広く深かった。 「私は取材魔といわれるくらい好きなんですね、資料読んで、問題点つかまえて聞いて、取材して歩くことが。また、取材している間にいろんなことが生まれてくるんです」  一冊書き上げるのに、300人以上の人を取材したという。  日系二世の悲劇を書いた『二つの祖国』についてこう語っている。 「結局、『二つの祖国』という小説は4つから成っているのです。強制収容所、太平洋戦争、広島の原爆、そして東京裁判です。この4つを上手く、ドラマチックにつなげられた場合にのみ、この小説は成功するのであって、収容所だけ、広島の原爆だけ、東京裁判だけでは幾多の名著が出ている。4つを一つのモチーフのもとに大きな環としてつなげられるか、つなげられないかが、小説の勝負どころだったんです」(『作家の使命 私の戦後』)  現在新潮に連載中の『約束の海』は第1部、20回分は書き終わっているが、その後はない。『暖簾』『ぼんち』に始まる山崎作品の新潮文庫の総計は、2000万部を超えるという。司馬遼太郎を失い、唯一人残った国民作家をまた失ってしまった。  次は第3位。新潮が今年5月、韓国クラブママの生活保護不正受給が発覚した際「絶対に許せない!」と叫んだ三原じゅん子自民党参議院議員(49)の身内に、生活保護受給者がいると報じている。  身内というのは、三原議員の公設秘書を務めていた山口智之氏(38)である。二人は事実上の夫婦であることがフライデーの報道でも明らかになっていると、新潮は書いている。  新潮も二人が仲睦まじく暮らしているところを、何度も目撃しているのだ。  しかも国会議員秘書給与法では、配偶者を公設秘書にすることを禁じている。事実婚だからとそのままにしてきたのを、三原議員はこの8月、当選以来3年間公設秘書として仕えてきた山口氏を私設秘書に切り替えた。さすがに政治家として道理が通らないことを自覚したのではなかったかと、新潮は追及している。  しかし、もっと深い事情があると、山口氏の実家のある神戸在住の知人がこう語る。 「実は地元にいる彼の妹さんが困窮状態にあり、この数年、生活保護受けとるんですわ。これが表に出たらまずいと思って、山口さんを切ったと聞きました。(中略)それに三原さんだって、実際にはカミさんのようなもんやし、議員という立場上も、彼に支援を促すのが筋とちゃいますか。彼女は昨年4月、神戸の中華屋で行われた山口さんの実家の法事に出席し、婚約者と紹介されてたんだから。山口家とは、もう身内の関係なんですよ」  民法には「直系血族及び兄弟姉妹は、互いに扶養する義務がある」(第877条1項)とある。 「三原議員と山口氏が事実上、収入を一つにする世帯である事は明白ではないか」(新潮)  神戸市の生活保護の担当者も「うちは内縁関係も親族とみなします」と話している。  生活保護の不正受給を追及してきた三原議員はどう答えるのか。彼女の事務所が新潮編集部に、概ねこういう回答を寄せたという。 「山口秘書とは内縁関係にはありません。彼の妹の生活保護受給については、他人のプライバシーに関することなので、お答えい確かねます。議員はこの件を知りませんでした」  今月開かれる国会では、生活保護法の改正案が提出される予定で、そこには扶養義務者への支援要請の強化が盛り込まれるという。元女優の三原議員、どんな名演技でこの危機を乗り切るのか、見物である。  闇の帝王、裏社会の代理人、浪速の怪人などと、数々の異名を欲しいままにした許永中氏(66)が9月末、13年あまりの服役を経て出所した。  ポストは韓国のソウル市内にある「南部矯導所」を出所した直後を写真に撮り、肉声を伝えている。彼の出所で震え上がる政・財界人も多いのではないか。  許氏は大阪・北区中津に生まれた在日韓国人。彼は、1980年代前半のバブルの勃興期から絶頂期、そして崩壊を経て99年に身柄を拘束されるまで、裏社会との太いパイプを背景に政財界に深く食い込んだ。  政治家でいえば竹下登元首相、財界人でいえば太田清蔵・東邦生命元社長など各界の一流の人物たちとの人脈を築いた。  大阪の中堅商社・イトマンから3000億円に上る巨額資金を闇に流出させ、およそ360億円の損害を与えた特別背任の罪に問われ、逮捕された。  いまひとつは石油商社・石橋産業から手形180億円を騙し取ったとする事件の詐欺容疑で逮捕されているが、この事件には不可解なものがある。事件に関わった当事者の一人がこう話している。 「当時、石橋産業側は傘下の建設会社を同業他社と合併させるという許氏の事業プランに合意して協定書まで交わし、許氏に180億円の手形を出した。また、許氏には当時、銀行から同額の融資が見込めたので、返済能力もあった。騙す方も騙される方も、その意図がなかったのだから、詐欺罪が成立するのは不可能だ。では、なぜ事件になったのか。それは許氏のビジネスパートナーで、裏社会の大物の代理人として動いていたヤメ検弁護士の田中森一氏を検挙することが、当時の検察にとって至上命題だったからだ。だから、わざわざ田中氏が関与した無理筋の手形詐欺事件にした。言うなれば、許氏は巻き添えを喰った形だ」  許氏は日本のバブル前後の政治、経済を実際に裏で動かしてきた当事者である。あの政治家、あの大企業、あの事件の裏側で本当は何があったのか――それを身近に知る重要な「歴史の証言者」だから、当時の捜査関係者がこう言っている。 「イトマン事件で逮捕、保釈された後も竹下元首相が許氏と会っていたのは、取り調べで竹下氏に関することは一切、しゃべらなかったからだといわれた。まだ、知っていても口に出していない秘密があるはずだ」  ついに大物仕事師がシャバに戻った。まだ66歳である。最後の大仕事で、世間をアッといわせる時が来るかもしれないと、ポストは結んでいる。  許氏が真実を語るとすれば、ぜひ聞きたいものである。  週刊文春が、東京五輪招致や主権回復の日など、安倍首相の“皇室利用”が過ぎるのではないかという特集を組んでいる。これが今週の第1位。  06年に富田朝彦元宮内庁長官(故人)の手帳や日記の存在をスクープし、新聞協会賞を受賞した日本経済新聞の井上亮編集委員がこう解説している。 「今回の久子さまのIOC総会参加は、皇室を長年取材してきたベテランの記者は皆おかしいと思っています。憲法四条に『天皇は、国政に関する機能を有しない』と定められていますが、これは天皇陛下だけでなく他の皇族にも適用されます。そもそも、戦後皇室の象徴天皇制は『公平』を一番大切な不文律としてきました。国論が分かれるようなことや、利害関係が分かれるようなことには関与しないことを旨としてきたのです。宮家とはいえ久子さまがあの場に出られるなら、今度は皇太子殿下も、となりかねません。今回の一件を天皇陛下は相当憂慮されているのは間違いありません」  9月2日の記者会見で風岡典之宮内庁長官が、IOC総会での久子さまの出席を『苦渋の決断として、受け入れた』と語ったのは、天皇陛下のお気持ちを代弁したものだと宮内庁担当記者も語っている。  それに対して、菅義偉官房長官は「違和感を覚える」と批判した。だが井上氏は今年4月28日の主権回復式典でも一悶着あったという。 「主権回復式典に陛下の出席を促したのも、安倍政権の露骨な政治利用でした。(その日に主権回復をしていない)沖縄で反対運動があるのに、天皇陛下を引っ張り出してしまった。今回の久子さまの一件もそうですが、安倍政権の皇室利用の仕方は、行き過ぎではないかと思います」  こうした批判があるにもかかわらず、安倍首相は宮内庁“改革”も企んでいると、安倍首相に近い関係者はこんな秘話を明かしている。 「実は、第一次安倍政権の時に当時の羽毛田宮内庁長官を更迭しようと考えたことがありましたが、実現しませんでした。宮内庁ではまずナンバーツーの次長がブラックボックスの中で選ばれ、次長経験者が長官に上がるのが不文律になっている。今回、日銀総裁や内閣法制局長官の人事で霞ヶ関の不文律をぶっ壊した安倍首相にとっても、宮内庁だけは簡単に手が出せないのです。それでも、安倍首相はTPPや集団的自衛権などの懸案を処理した後、宮内庁の問題にも手をつけていこうと考えているのです」  今上陛下は即位後朝見の儀で「日本国憲法を守り、これに従って責務を果たす」と述べている。従って、その憲法を改正しようともくろんでいる安倍首相には批判的だと思うのだが、安倍首相は気が付いていないようである。 (文=元木昌彦) (文=元木昌彦) ●もとき・まさひこ 1945年11月生まれ。早稲田大学商学部卒業後、講談社入社。90年より「FRIDAY」編集長、92年から97年まで「週刊現代」編集長。99年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長を経て、06年講談社退社。07年2月から08年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(2006年8月28日創刊)で、編集長、代表取締役社長を務める。現「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催、編集プロデュースの他に、上智大学、法政大学、大正大学、明治学院大学などで教鞭を執る。 

週刊誌の「死ぬまでSEX」特集に黄色信号か? 高齢者のHIV患者が激増中

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「AERA」10月7日号 中吊広告より
今週の注目記事 第1位「『死ぬまでSEX』の危険」 (「AERA」10月7日号) 第2位「東京地検がメスを入れた『徳洲会』の巨大がん病巣」 (「週刊新潮」10月3日号) 第3位「【引退勧告スクープ】〈島田紳助と同罪〉みのもんた 黒すぎる過去」 (「週刊文春」10月3日号) 第4位「『消費税+法人減税=国民の収入アップ』→そんなの大嘘です!!」 (「週刊ポスト」10月11日号) 第5位「日本一幸せなVERY妻」 (「AERA」10月7日号) 第6位「マエケンが投げて『広島が日本一』という夢を見ようじゃないか」 (「週刊現代」10月12日号)  山崎豊子さんが亡くなった。享年88歳。『白い巨塔』や『大地の子』など、ノンフィクション・ノベルの金字塔を数々生み出した作家である。  妥協を許さない徹底した取材に、担当編集者は悲鳴を上げることたびたびだった。現在、新潮で『約束の海』を連載中で、20回分の原稿は上がっているというが、完結しないのが残念である。  さて、今週は意外と言っては失礼だが、AERAが健闘している。文春の「〈怒りの告発〉官邸ブレーンのセレブ教授は教え子を妊娠・堕胎させた」「『秘密保全法ハンタイ!』芸能界のドンも頭を抱える藤原紀香の“左傾化”」「ロンブー淳“できすぎた嫁”〈元カレが暴露〉『オレが浮気したら包丁で…』」なども候補には挙げていたのだが、今ひとつピントこなかったため落とした。まずは現代の記事からいこう。  球団史上初となるCS(クライマックスシリーズ)進出を決めた広島カープ。全国のカープファンが待ち望んだ、29年ぶりの日本一の気分が高まっているようだ。  私は親父から二代続く「由緒正しい巨人ファン」だが、このところシーズン中は野球を見る気がしない。  それはCSができたため、シーズン途中からは真剣味が薄れてしまうからだ。だが、CSと日本シリーズは毎年ほとんどの試合を見ている。今年はパリーグの楽天と広島がCSでどう戦うか、見物である。  下馬評では、広島と14勝7敗と有利な成績を残している巨人だが、阪神とのファーストステージで勝ち上がってきたら、広島にも勝機があるという見方もあるようだ。  広島の元エース・大野豊氏は、こう見ている。 「14敗のうち1点差負けが7試合、2点差が2試合と、9敗が僅差なんです。シーズン序盤はリリーフ陣が安定しなかったために負けがつきましたが、マエケン、バリントン、野村祐輔、大竹寛の先発4本柱は、巨人打線相手に決して負けていない」  広島のエースというより、いまや球界を代表する大投手になった前田健太は、巨人戦には4戦投げて3勝0敗、防御率0.96という素晴らしい成績。当然、マエケンをいつどう使うかが勝負の鍵になる。  広島OBたちは、巨人との決戦ではマエケンを第2戦の登板にするという読みが多いようだ。それは、阪神とのファーストステージの第一戦に先発すると、決戦の初戦登板では中3日になってしまうからだ。  中には、マエケンをリリーフでフル回転させてはどうかという、“奇策”を推す評論家もいる。  どちらにしても日本野球最大のイベントであるCSと日本シリーズは、電子レンジでチンした冷凍枝豆を肴にビールでテレビ観戦といきましょう。サッカーなんぞより、なんぼか面白いぜ!  みなさんは「VERY」という雑誌を知っているだろうか? 光文社から出ている30代のセレブ主婦向けの雑誌である。  AERAによれば、雑誌が売れない中でVERYの勢いが止まらないそうである。いったん落ちた部数を2007年からじわじわ回復させ、いまや35万部超。ブランド広告の出稿量も膨大で、500ページ超、重さ2キロ近い号もあるそうだ。次号11月号は、VERY史上最高の37万部を刷るという。  こうした雑誌の売りは、「読モ」といわれる読者モデルの存在。VERYの専属モデル、滝沢眞規子さん(35)は渋谷区内の豪邸に住み、夫はアパレル会社経営、3人の子どもと暮らすセレブである。  家族で街を歩いているときにVERY編集部にスカウトされ、09年に読者モデルとして誌面に登場して以来、私服の問い合わせ率はナンバーワンだそうだ。  彼女のほぼ毎日更新するブログには、夕食の献立や家族旅行の様子が綴られ、定番の「今日のコーディネート」は、トップス:ドルチェ&ガッパーナ、スカート:ザラ、パンプス:ジミーチュウ、バッグ:フェンディ(私のほとんど知らないブランドばかりであるが)だそうである。  専属主婦から人気モデルへ、シンデレラの階段を駆け上がり、いまや主婦のカリスマだという。  VERYが提唱するのは「母でも妻でもない自分に戻る瞬間、シンデレラタイム」を持とうということだそうである。子どもを幼稚園に送った後、戻るまでの間、自分の好きな洋服に身を包み、趣味の時間を持つ。  編集部が調べた「VERY妻」の世帯年収は821万円。バッグに出してもいい金額は7万5,069円だという。家事や育児に協力的な夫を「イケダン」と命名したのもVERYだそうだ。 「VERYには、女性誌ではお約束の占いページもなければ、韓流スターやアイドルも登場しない。妄想とは無縁だ」(AERA)  華やかなファッションだけではなく、原発などのシリアスな記事も入っているという。VERYをネット上で論評している西森路代さんによると、この雑誌の魅力はこうだ。 「読者は『自分たちで主婦を肯定しちゃおうよ』というVERYのコンセプトに乗ると同時に、突っ込めるメタ視点も持っているから、面白がれる。憧れのA面とリアルなB面、両面を持つ雑誌は他にありません」  こうした雑誌コンセプトは「with」「FRaU」(ともに講談社)にもあったと思うが、これらの雑誌がふるわず、VERYが読まれているのはなぜか? 女性雑誌の編集者は、こぞってこの雑誌を研究しているのだろうな。  私には現代の「こんなに恐ろしい定年ビンボー」のほうが切実で、読み応えがあったが、やはり「売れる雑誌には理由がある」のだから、売れない売れないと嘆くより、売れる雑誌を生み出す努力をしなくては、編集者としての存在意義はないはずだ。  安倍首相が消費税8%に舵を切る。だが、間違いなく増税は景気も個人消費も凍えさせると、私は考える。  そんな私の考えを代弁してくれるのがポストの記事。これが今週の第4位。  安倍首相の言葉を式にすると、〈消費税増税+法人税減税=国民の収入アップ〉という不思議な等式になると、ポストはかみつく。 「法人税減税で給料上がるというのは真っ赤なウソだ。実は、日本の全法人約260万社のうち、75%の約195万社は赤字で法人税を払っていない。それらの企業は減税が実施されても収益は変わらないから、減税で給料上げることなどできない。仮に、残り25%の企業が減税分で賃上げをしたとしても、『国民全体の収入アップ』になる道理がないではないか。(中略) 厚生労働省の毎月勤労統計調査によると、今年7月の全産業平均の月給は前年比で約1700円の減少。14か月の連続のマイナスである」  誰もがおかしいと思う「5兆円規模の景気対策で増税分を国民に還元する」という理屈にも、こう批判する。 「安倍内閣は今年1月にアベノミクスの第一弾として13兆円の景気対策を打ち出したが、潤っているのはゼネコンだけで、国民の賃金アップにはつながっていない。今回の5兆円景気対策も同じで国民の収入が増えるわけではありません。それなのに増税分を国民に還元するなんてよくいえるものです。 3%のうち2%分を還元する気があるなら、最初から1%増税にすればいいでしょう。小学生でもわかるようなまやかしをいっているのです」(埼玉学園大学経済経営学部教授・相沢幸悦氏)  いくらウソをついても国民はバカだから何も言わないし、マスコミは物を言えないように飼育してある――安倍首相の腹の中は、こうなのではないか。こういうときこそ、週刊誌の出番だと思うのだが。  さて、その週刊誌では、みのもんた追及がますます過熱してきている。  文春は、みのもんたが文化放送『みのもんたのウィークエンドをつかまえろ』(9月21日放送)で、こう話したと書いている。 「南無妙法蓮華経、南無妙法蓮華経。暑さ寒さも彼岸まで。昨日、お墓参りをしてご先祖様に近況報告してまいりました。『大変、世間をお騒がせして申し訳ございません』とね。とはいえ、私は騒がしたつもりはまったくないんです。私は別に何をやったわけでもないもんですからね。お前の周りでそんなことが起きたから、お前はどうするんだと言われてもねえ。いろんな人がいろんなことをおっしゃってる。でも、皆さんにひと言いいたいのはね、あくまでもこれは他人のことですから。もしご自分が私の立場になったら、どうなのかなあ。そういうことを考えてからお喋りになった方がいいよ、と」  自宅前で謝罪したときとは、かなり変わってきているようだ。  新潮では、上智大学文学部の田島泰彦教授がこう断じている。 「みのは社会的問題を取り扱う番組に中心的立場で出演し、様々な事件や出来事を追及してきたのだから、自分の身内の問題についても説明責任がある。30歳を過ぎて独立しているのだから云々は、一般人の話。彼の立場なら、安全な場所にいるときは好き放題言って、自分の身に危険がおよぶと逃げるなど、許されるはずもありません」  みのの次男・御法川雄斗容疑者は窃盗容疑をいまだ否認し続けているが、警視庁は10月1日、彼を窃盗容疑で再逮捕した  人間、落ち目になりたくないものだと思うのは、案の定、みのも過去の古傷を暴かれているからだ。文春によれば、こうである。  島田紳助が暴力団との黒い交際で引退した頃、TBSに対し、ある人物から重要告発があったというのである。 「告発の内容は、みのが過去に右翼団体とトラブルになり、暴力団関係者が解決に動いたというものでした。03年頃、右翼の街宣活動の標的とされ、困り果てていたみのが、相談を持ちかけたのが、バーニングプロダクションの周防郁雄社長だった。その周防氏が、神戸に拠点をおく暴力団『松浦組』の民族派団体『大日本新政會』に救済を求め、話し合いの末に解決に至ったというのです。これが事実であれば、みのは周防氏を介して暴力団関係者にトラブル解決を依頼したことになる。TBSにとっては看過できない問題のはずでした」(事情を知る関係者)  だが、この告発をTBSは黙殺したという。  周防氏が解決を依頼したのは、当時親しかった「大日本新政會」総裁の笠岡和雄氏である。当時、周防氏が所有する麻布のビルに東京事務所を構えていた笠岡氏は、周防氏の依頼を受けてたびたびトラブルの解決を請け負っていたという。  みのが右翼の攻撃対象となったのは、みのの父親が創設した水道メーター会社「ニッコク」が関わった談合事件だった。東京都への水道メーター納入業者を決める一般入札で談合を行ったとして、03年7月に「ニッコク」に東京地検特捜部の家宅捜索が入り、同月15日には公正取引委員会から排除勧告を受けている。  各テレビ局が無視を決め込んだこの談合事件に目をつけたのは、任侠系の政治団体だった。街宣車が港区にある「ニッコク」本社で激しい抗議活動をしたが、ある日ピタッと止まった。  笠岡氏がこう話している。 「厳しい抗議文が連日ファクスなどでもニッコクに送られていたようです。談合が明らかになった以上、テレビはやめろ、許さないと。周防氏がその抗議文を私のところに持ってきて、『なんとか、みのさんを助けてくれませんか』と。そういうことでした。私が解決に動いたことは、もちろんみのさんも知っているはずです」  これでは島田紳助の件と瓜二つではないかと、文春は難じている。 「紳助が闇社会との黒い交際を始めたのも、過去の番組での発言を咎められ、右翼団体の抗議を受け、その解決を頼むために渡辺二郎氏の仲介で山口組の幹部と知り合ったことからだった。みのも同じく、結果的に暴力団に仲介を頼んだことになる。まさしく紳助と“同罪”なのである」  みのは、散々悪口を書いた週刊誌に「100倍返し」してやると息巻いているようだが、これ以上旧悪を暴露されないように気をつけたほうがいい。  五輪招致、見せかけだけだが景気回復で、安倍首相は上機嫌のようだが、ここへ来て、安倍内閣にとって由々しき事態が起きている。  それは、徳田毅自民党代議士(42)の選挙違反を捜査するために、東京地検特捜部が動き、100カ所近い捜索を始めたからだ。  徳田氏の父親・虎雄氏(75)は、巨大医療グループ「徳洲会」を一代で築き上げた人物だが、この人のカネまみれ選挙は有名だった。その息子も父親ほどではないようだが、自由に使えるカネと人を注ぎ込んで政界に足場を築こうとしてきた人物である。  昨年12月の政治資金パーティには安倍首相も駆けつけ、「自民党のホープ」と持ち上げている。  この事件をきっかけに、政界のどこまで捜査の手が及ぶのか。安倍政権を揺るがす事件に発展するかもしれないのだ。  新潮によれば、昨年12月の総選挙で毅氏の選挙区である鹿児島2区に借り出された徳洲会の職員は、最低でも370人に上るという。徳洲会関係者によれば、こうである。 「傘下の病院から掻き集められた職員には、ビラ撒きや戸別訪問などが割り当てられました。しかも、公示後は欠勤扱いとして、引かれた給与分をボーナスに上乗せし、3000円の日当まで支給していたのです」  毅議員は絶体絶命のようだが、総帥の虎雄氏は徹底抗戦すると言っているそうだ。  十数年前にALS(筋萎縮性側索硬化症)を発症し、眼だけしか動かせないが、その眼でプラスチックの文字盤を追い、意志を伝えている。  この人が繰り広げた鹿児島県徳之島でのすさまじい選挙戦は、今も語り草である。古参幹部がこう振り返る。 「当時は理事長(虎雄氏)が直接、地元に現ナマを運んでいました。ひとつの紙袋に1億円を詰め込んでね。空港の手荷物検査でX線にかけると、見たこともないような大量の札束が透けて見えるので、係員は驚きのあまり言葉が出ない」  地元入りした虎雄氏は選挙スタッフに、あの町に1,000万、こちらにも1,000万と、札束を手渡しながら指示を飛ばしたという。 「86年の選挙で徳田陣営は20億円落としたと聞いている。この選挙では徳田派24人が選挙違反で逮捕された」(鹿児島県警関係者)  選挙違反は徳田家のお家芸のようだ。全国に67の総合病院など約350もの関連施設を持つ徳洲会は、日本最大の医療法人グループである。そこから徳田ファミリーが吸い上げるカネもものすごい。  「カブトク」という会社がある。千代田区にある株式会社「徳洲会」のことだ。虎雄氏が全株を持ち、社長は長女の越澤徳美氏(49)。取締役にも次女のスターン美千代氏(46)をはじめ、虎雄氏の子どもが並ぶファミリー企業である。徳洲会の関係者が、こう語る。 「全国各地の徳洲会病院が薬や医療機器を調達する際、本部の指示でこの会社を間に挟むことが義務付けられる。その結果、カブトクには常に5~30%の仲介手数料が入ることになるのです。もちろん病院は直接業者から仕入れたほうが安く済むのですが、本部の意向に逆らえるハズもない。確かに医療法人には株式会社が必要なケースもありますが、このトンネル会社は、年間800億もの売り上げを誇り、ファミリーは多額の役員報酬を得てきました」  栄華を誇った徳田ファミリーも、落日の時を迎えるのか。東京地検が意気込んでいるのは、捜索で虎雄氏のパソコンが手に入ったことだという。ある地検関係者によれば、『〇〇に○千万円運べ』といった具体的な指令が、パソコンには保存されているという。 「特捜部の最終目標は、徳洲会から永田町の有力議員へ渡ったカネの流れを解明し、犯罪に問えるものがあれば、バッジ(議員)の身柄を取ること。今回の捜査は、地元の警察がやるような単なる選挙違反事件とはワケが違う。だからこそ、史上空前規模で捜査を行っている。そして、この前段階として、毅議員のほか、選挙の陣頭指揮を執った次女、選挙資金の供給源となった会社の代表取締役である長女の逮捕まで視野に入れています」(社会部キャップ)  今回の捜査は、威信の低下した特捜部の起死回生をかけるものになるというのである。  元特捜検事の郷原信郎氏も、こう言う。 「公職選法違反から入って、巨額の政治資金規制法違反や脱税などの罪状で、政界にどれだけ切れ込めるか、捜査を見守りたい」  成り行き次第では、安倍政権の致命傷になるかもしれない。  ポストは今週も「死ぬほどSEX 60歳から『現役復帰』のススメ」という特集を組んでいるが、思わぬところから矢が飛んできた。  AERAの記事を読んで青くなる中高年もいるのではないか。これが今週の第1位。AREAはこう書き出す。 「エイズが若者の問題だったのは、もはや昔の話らしい。厚生労働省の『エイズ動向委員会』は8月30日、今年4~6月に新たに報告されたエイズ発症患者は146人で、過去最多だったと発表した。そのうち50歳以上が58人と全体の4割近くを占めた。ここ数年、中高年の患者が急激に増えているという」  AERAは、最近の週刊誌は「死ぬまでセックス」「60歳からのセックス」(「現代」)、「死ぬほどSEX」(「ポスト」)など、不倫のススメから女性を喜ばせるマッサージ術、アダルトDVDの紹介まで、これでもか! という勢いで高齢者の性を特集していることが“影響”しているのではないかと問いかける。なぜなら、 「一方、今年の厚生労働白書『若者の意識を探る』によれば、18~39歳の未婚者を対象にした調査で、『異性の交際相手も友人もいない』と答えた男性は60.2%、女性は51.6%に上った。今なお盛んな中高年に比べ、若者は明らかに元気がない。どうやら性も高齢化が進んでいるようなのだ」  なぜ今、高齢者が性に貪欲なのか。  セックスセラピストで産婦人科医の早乙女智子さんは、「高齢者の性が注目を集め始めたというより、もともとセックスに積極的だった世代が高齢になってもアクティブなまま、ということでしょう」とそっけないが、その通りであろう。  トルコ(今のソープランド)やピンクサロンへ行くのが「男の遊び」だと、稼いだカネをせっせと注ぎ込んできた世代である。その上、今はインポになればED薬もある。「死ぬまでセックス」と考える高齢者人口は、間違いなく増えてきている。  だが、週刊誌で風俗情報が売り物にならなくなったのは「エイズ」の蔓延であった。 「日本で2012年に新たに報告されたHIV感染者の内訳をみると、男性954人に対し、女性は48人と、圧倒的に男性が多い。同性との性交渉で感染したケースは724人、異性間では180人。つまり、男性同性愛者が最も多い。だが、40代以上に限ってみると、男性の4割近くが異性とのセックスで感染している」(AERA)  国立病院機構大阪医療センターの白阪琢磨HIV/AIDS先端医療開発センター長は、中高年で発症者が急増する原因をこう指摘する。 「各地域の保健所では匿名で検査を受けられるにもかかわらず、実際に受けている人の多くが若者なんです。いくら啓発キャンペーンを行っても、エイズ発症が心配な、もっとも届いてほしい中高年層は当事者意識が薄く、危機感を抱いていない」  国を挙げてHIV対策に取り組む米国では、今年4月、どんな疾患であっても、15~65歳で病院に来た患者は全員HIV検査を行うよう、政府の予防医学作業部会が勧告を出したそうだ。 「発症前であれば、1日1~3錠の投薬治療で、血液中のウィルスを検出限界以下のレベルにまで抑えることができる」(同)という。  HIV感染者の数は発表数字の何倍かになるであろう。死ぬまでSEX、70、80でも頑張れ! と煽り続けている週刊誌にとって、高齢者のHIV患者激増の記事はショックではないか。これから現代、ポストがどうするのか、注目したい。 (文=元木昌彦) ●もとき・まさひこ 1945年11月生まれ。早稲田大学商学部卒業後、講談社入社。90年より「FRIDAY」編集長、92年から97年まで「週刊現代」編集長。99年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長を経て、06年講談社退社。07年2月から08年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(2006年8月28日創刊)で、編集長、代表取締役社長を務める。現「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催、編集プロデュースの他に、上智大学、法政大学、大正大学、明治学院大学などで教鞭を執る。 

“奇跡の38歳”丸岡いずみが、うつ地獄を激白 「コイのように口をパクパクと……」

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「週刊新潮」9月26日号 中吊広告より
今週の注目記事 第1位 「『みのもんた』の背中が育てた『超バカ息子』全行状」(「週刊新潮」9月26日号) 「みのもんた『成金コネ一家』の崩壊」(「週刊文春」9月26日号) 第2位 「本当に消費税上げて大丈夫なのか!?『値上げ地獄』の秋がやってきた!」(「週刊ポスト」10月4日号) 第3位 「光GENJI山本淳一“結婚詐欺”人生 二股ヒモ生活の果てに温泉街のバーテンダー」(「週刊文春」9月26日号) 第4位「“奇跡の38歳”突如降板から2年 元日テレ 丸岡いずみ 衝撃告白 『うつ地獄』からこうして脱出した!」(「週刊文春」9月26日号) 第5位 「『原発汚染水』これが真相だ」(「週刊現代」10月5日号) 第6位 「私は見た! 中央大学『不正入試事件』」(「週刊現代」10月5日号) 第7位 「元『AKB48』逢坂はるな ついにAVデビュー!」(「週刊現代」10月5日号)  今週は質より量でいく。まずは軟派記事からだが、ポストは「動く女性器『診察』『触診』『性教育』『オーガズム指導』『整形手術』すべて無修正」と「楽して快感『ラブグッズ』性愛術」。動く女性器とは、YouTubeにアップされている動画の中に、性教育や手術のために、そのものズバリが映っているものがあるという紹介記事。  もう一本は大人のオモチャの紹介。失礼ながら、知恵はあまり使っていない企画である。  現代は東京・神楽坂の「風俗資料館」にある「淫靡と背徳のエロス」を紹介している。今ごろ淫靡などという字が読めるのかと心配になるが、たしかにこの字でなくては、この陳列物の“匂い”は表現できないかもしれない。  その中では、私は不案内だが、逢坂はるな(元は違う名前で出ていたそうだが)という元AKB48のメンバーで、09年に卒業してDVDなどで活動している彼女(20)のまだ初々しいヘア・ヌードが袋とじになっている現代をお薦めしたい。  どうしてどうして意外に豊かな胸と見事なヘアを堂々と見せている見開きなど、なかなかの迫力である。  お次はやや地味な大学だが、今でも法科は司法試験合格率の高さを誇る中央大学のもめ事を扱った現代の記事。 「わが母校中央大学は、いま混乱の真っただ中にあります。不正入試事件で『裏口入学』の口利きをした前理事長が、学内の要職に居座り続け、再び権力を振るおうと画策している」  昨年発覚した、同大学の附属校である横浜山手中学の不正入試事件。前理事長・久野修慈氏が動かした巨額のカネを巡って、学内の混乱が明るみに出ようとしているそうだ。  久野氏は、親しい知人から孫が横浜山手中学を受験するので入れてほしいと頼まれ、便宜を図ったというのである。  この受験生、一度は合格になり入学金の払い込みも済ませたが、入学式まであと1カ月となった3月8日、合格が取り消し処分となったのだ。有力OBがこう話す。 「横浜山手中学の副理事長から、不正入試のことが当時の中大総長・福原紀彦氏に伝わったといわれています。これで福原氏が事件の追及に乗り出した」  しかし、事件の全容解明のために大学が設置を決めた第三者委員会による調査は、いささか奇妙な展開を見せたという。  調査報告書には、久野氏ではなく、福原総長に厳しい言葉が並んだ。さらに福原氏が事件の処断に動いたことについて、総長は、本件不正入試情報を入手してから、この情報を自己のグループで独占し、大学全体の問題として取り扱っておらず、職務権限がないのに本件合格の取り消しを事実上示し、実行させたもので、軽率のそしりを免れないというのである。  結局、第三者委員会による報告を受け、福原氏は総長辞任に追い込まれてしまう。  象牙の塔のゴタゴタは、どこまで行っても藪の中である。しかし、この騒動が明るみに出て文科省が「内紛」と見なせば、年間約30億円の補助金が打ち切られるそうだ。どういう決着が図られるのだろうか?  現代は、日本経済にも2020年の五輪にも大きな影響を与える、原発汚染水問題の現実を伝えている。これが今週の5位。  安倍首相は五輪のプレゼンテーションでも福島第一原発の視察でも「汚染水は湾内でブロックされている」と主張しているが、原子力研究者のマイケル・シュナイダー氏は、こうした考えを一蹴した。 「福島原発に隣接する湾内にある海水の半分が、毎日外洋に流出しています。これは日本の海洋学者も、東電も認めている事実。つまり、事故発生後から今まで、いったいどれだけ放射性物質が太平洋に流出したか、見当がつかないのです」  政府はタンクを密閉性の高い溶接式に切り替え、故障している除染装置を再稼働させようとしているが、京都大学原子炉実験所助教の小出裕章氏はその効果を疑問視している。 「地上タンクから漏れたとされる300トンの汚染水には、1リットル当たり8000万ベクレルのベータ線放出核種があると発表されました。その正体を私はストロンチウム90だとみています。このストロンチウム90を、規制値以下の濃度にするには30ベクレル、つまり、約300万分の1にしなくてはならない。それを汚染の激しい現場で達成することはとても難しいと思います」  さらに、欧州放射線リスク委員会のクリス・バズビー博士は恐ろしいシナリオを現代に示したという。 「タンクの周囲から17万ベクレルという超高濃度汚染水が検出されていますが、これは明らかにおかしい。タンク内の汚染水の濃度が急に上昇するはずがないからです。推測するに事故後の水素爆発で飛び散った燃料棒の1部が土中にあり、地下水を汚染してるのではないでしょうか。これは、言ってみれば土中に原子炉があるような状態です」  現代は「事故から2年半がたったが、福島原発事故は収束するどころか、汚染水まみれになり、事態は悪化の一途を辿っている。しかも、このような状態を廃炉まで何十年も続けていかなければいけないのだ」と書いているが、このままいけば五輪開催にも影響するはずである。とても五輪景気などに浮かれている場合ではない。  さらに、京都大学原子炉実験所の今中哲二助教が言うように、「耐震補強だといって支柱を入れたりしていますが、そもそも建屋自体がひどく損傷してるので根本的な対策は難しい。4号機のプールには大量の使用済み核燃料が入っているので、地震によってプールが崩壊したり、水がなくなったりしたら大変な事態になる」のである。  文春は元日テレの看板キャスターだったが3年前の夏、突然テレビから姿を消した丸岡いずみの「うつ病」告白を掲載しているが、読ませる。  彼女、キャスターの仕事と過酷な取材が重なりストレスが溜まっていたため、東日本大震災後にうつ病を発症してしまうのだ。  日本テレビの報道番組『news every.』のキャスターだった彼女は、2011年8月29日、本番が終了した後、上司に「私、もうダメです。徳島に帰らせてください」と訴え、故郷へ帰ってしまった。  その後のうつとの闘いは壮絶である。 「家の中でも一ヵ所にとどまることなく、常にウロウロと動き回るようになりました。しかし、頭は鉛のようなものが詰め込まれたようになり、手足は重い鎖を繋げられたように思いどおりに動かなくなっていました。階段は這って昇るようになり、お化粧はもちろん、お風呂に入る機会も少なくなりました。動物なら『お腹が空いた』『眠い』という欲があるのに、そのどちらもなかった。『過覚醒』という症状で、鳥のさえずりさえも不快な雑音に感じてしまう。きれいな風景写真を見ても何も感じず、読書好きだったのに本を読む気にもなれない。ただ息をしているだけで、『やりたい』と思うことが何ひとつない。それは真っ暗闇にいるのと同じことでした」  そして、もっと危険な状態になってしまう。 「11月終わりの頃でした。居間で横になっていて、突然、呼吸ができなくなったのです。エサを求めるコイのように、ただ口をパクパクと動かす姿を見た父は、私を精神科に運び込みました」  薬も満足に飲んでいなかった彼女は、与えられた薬がよく効いたという。 「薬を飲み続けて二週間で、劇的な変化が訪れました。『……お腹が空いた』お腹が鳴り始めたことに気がついたのです」  ここで何度か書いているが、今の女子アナは給料はそれほどでもないのに、仕事は増え、フジテレビのように“できる女子アナ”はどんどん辞めて結婚したり、フリーになっている。  症状がよくなり結婚もしたという彼女の話は、女子アナたちにもいい助言になるはずだ。  同じ文春に、元光GENJIの山本淳一(41)が「二股ヒモ生活の果てに温泉街のバーテンダー」という記事がある。これが今週の3位。 「アイドル全盛の80年代の中でも、ジャニーズ事務所が送り出した光GENJIは伝説の存在だ。ローラースケートを履いて歌い踊った7人組は社会現象となり、88年のオリコンチャートでシングル年間ベスト3を独占するなど数々の記録を打ち立てた。だが、光GENJIが95年に解散した後は、愛嬌のある笑顔で人気を集めた山本も仕事が激減」(文春)  女優と結婚したものの破局し、事務所も離れ、目立った活動もしなくなっていく。  そして、お決まりの女性とのトラブル。  語るのは、山本と今年6月まで交際を続けたという都内在住の郁子さん(仮名・38)である。 「4年にわたって交際し、3年間は一緒に暮らしていました。私と前夫との間の子供の父兄参観や運動会にも参加するなど、完全に夫のような振る舞いでした。その一方で別の女性にも結婚をほのめかし、お金を引き出していた。そうやって嘘を重ねて、私にバレると逃げてしまった」  別の彼女から郁子さんに電話がかかり、彼女は4年も付き合ってお金も注ぎ込み、夫と離婚もしたと話したというのである。  だがその後、彼女のほうは山本と四国・松山で一緒に暮らしているそうだ。  8月末に、文春の記者が松山の道後温泉を訪ねた。 「薄暗い小路に立つバーに、ガラスドアを拭く男性の姿があった。赤いTシャツにスニーカー、髪はサイドを刈り込んで顎ヒゲを生やす今時のスタイル。20代の若者にしか見えないが、それが現在の山本の姿だった」(同)  郁子さんはこう語る。 「結局、光GENJIの威光で女性を頼るしかない人なんです」  事務所にこき使われ、一世を風靡しても次のアイドルが出てくればお払い箱。芸能界で生き残るのは極々わずかだ。もの悲しい話である。  先の逢坂はるなには失礼だが、AKB48の娘たちの中で芸能界に残れるのが何人いるだろう。後はひっそりと引退するか、体を使って(春をひさぐという意味ではないが)稼ぐしかないのだ。  現代はアベノミクスを礼賛し、株が上がる上がると囃し立てたのに、暴落するとアベノミクスは終わった、もう株には手を出すなという特集をした。  だが、2020年の東京五輪が決定すると今週は「日本経済『黄金の7年』が始まる」という特集を組んでいる。いくら何でも変わり身が早すぎるのではと思わざるをえないが、こう書いている。 「一部のマーケット関係者の間では、人気ドラマ『半沢直樹』の名セリフをもじって『倍返し相場』が来ると語られる。五輪決定で沸き上がるマーケットが、昨年来のアベノミクス相場でつけた年初来高値1万5942円の『倍』、つまり3万円オーバーに向かって急上昇していくシナリオだ。武者リサーチの武者陵司代表がこう指摘する。『日本の資産時価総額(土地+株式)は、89年から11年の間に1600兆円も失われました。22年間に亘って資産価値が下落を続ける現象は世界に例がなく、この過度な土地と株の価格下落を引き起こしたのは、過度の悲観論、諦観論=アニマルスピリットの喪失でした。東京五輪はこうした悲観、諦観を一掃し、正当な株価と地価の実現をもたらすでしょう。その経済効果は計り知れません。2020年の日本経済が1990年の高度成長のピークを越えていくとすれば、日経平均は過去最高の4万円が視野に入ってくるでしょう』」  さらに、この7年の間には、アベノミクスでもいまだに達成できていない賃金の上昇がやってくるというのである。  SMBC日興証券の渡辺浩志エコノミストが、こう解説している。 「五輪開催で、15万人の雇用創出が見込まれています。現在は約300万人の失業者がいて、失業率は3.8パーセント。15万人の雇用が創出されると、失業率は約0.25%改善される計算です。これは数値としては大きくはありませんが、失業率の下限が3.5パーセントと言われている点にポイントがあります。失業率が下限に近づくと、労働マーケットは人手不足の状態になり、おのずと賃金が上がっていく。来年、賃金は1%程度伸びると考えていいと思います」  それでも、ちょっぴり不安材料も書いてはいる。 「夢の祭典が終わってしまえば、熱気も冷め、需要も落ち込み、『五輪ショック』が起きるのではと危惧する向きもあるだろう。実はその危険性は否定できない」  だが、そんなことは付け足しに過ぎない。証券アナリストの植木靖男氏にこうまで言わせているのだ。 「2020年から日本ではバブルが始まる。そうなれば、日経平均株価が10万円を目指す上昇基調が、おそらく2024年ごろまで続くでしょう」  なんと今度は10万円だ。現代は、日本経済はこれからとてつもない変動迎え、その幕開けの瞬間に、われわれは立ち会っているのであると結んでいるが、とても素面では読めない。  対照的に週刊ポストは、今年の秋に値上げ地獄がやってくると書いているが、こちらのほうが実感があるので2位に推す。  パン、牛乳、ハム・ソーセージからチーズ、冷凍食品など主要食品が10~11月に軒並み値上がりする。日本酒やワインも大手メーカーが横並びで1000品目以上の値上げ方針を打ち出し、ごま油などは今年2度目の値上げをするという。食品インフレだけではない。 「国民生活を背後から脅かすのが公共料金、年金・医療、教育費などの負担増だろう。厚生年金保険料は9月から年間約9千円引き上げられ、年金受給額は今後3年間で『6万8700円』減らされる。高齢者(70~74歳)の医療費窓口負担は来年4月から2倍になる」(ポスト)  経済ジャーナリストの荻原博子氏が、こう指摘する。 「庶民の家計は食料品だけで食費が1割近くアップ、電気・ガス・水道の光熱費も1割アップ、その他にも教育費が上がり、マイカーを持っている世帯は自賠責保険も上がります。政府の試算にはこれらが含まれていません。それを合わせると消費増税後に年収300万円世帯は年間40~60万円、500万円世帯なら年間60~70万円という、年収の2割近くに相当する負担増を迫られることになるはずです。住宅ローンなどが払えなくなる世帯が増えることも考えられます」  ポストのほうは、こう結んでいる。 「厚生労働省の毎月勤労統計によると、全産業平均の今年7月のボーナスは前年比でわずか2108円増えただけだった。しかも、定期給与は740円下がっているから、差し引きで手取り増は1368円にしかならない。それなのに物価上昇と増税などで2割近くも新たな負担が増えれば、よほど余裕のあるサラリーマンでない限り家計がパンクしてしまうのは火を見るより明らかだろう。『値上げ天国』は間違いなく、庶民に地獄をもたらす」  読者諸兄はポスト、現代、どちらの見通しを正しいと思うだろうか。  文春と新潮がみのもんたの次男逮捕の特集を組んでいるが、タイトルは新潮に軍配をあげるが、内容は文春に分あり。両誌を今週の第1位にした。  文春では社会部記者が、次男逮捕の経緯をこのように述べている。 「事件発生は逮捕の約1ヶ月前、8月13日の午前1時過ぎ。新橋の路上で泥酔していた40代男性に警官が声をかけたところ、近くにいた不審な男が逃げるように走り去った。男性はバッグを盗まれており、直後に任意で事情を聞かれたのが雄斗容疑者。  その日のうちに帰されたが、のちの捜査でコンビニの防犯カメラに、男性のカードでATMから現金を引き出そうとする容疑者の姿が写っていたことが判明した。映像が決め手となり、逮捕につながったのです」  みのもんたの次男で日本テレビ勤務の御法川(みのりかわ)雄斗(31)が窃盗未遂容疑で警視庁に逮捕されたのは9月11日であった。  新潮は、みのが2007年に上梓した『義理と人情』(幻冬舎)という新書の中で、いじめ問題に触れてこう書いているとしている。 「教育委員会がどうの、校長はどうの、教師がどうのと言う前に、子供をきちんと躾けることを問うべきだと思います」  次男も慶應幼稚舎から慶應大学で、相当なやんちゃなこともしたそうだ。日テレもコネ入社だといわれているそうである。しかも親の七光りがあると勘違いしていたのか、態度も悪かったと新潮で日テレ局員がこう話す。 「髪は長めで、ところどころ金色に染まっている部分があり、チャラいと思いましたが、それ以上に、他の新入社員とは態度が違った。普通は何でもがんばりますという態度で仕事に取り組むものですが、彼は“おはようございます”とか基本的なあいさつもできず、一切質問もしてこない。仏頂面で、真剣に仕事をしないので、こちらも何ひとつアドバイスをしなかった。どこの部署に行っても使いづらいだろうな、と思いましたね」  やはり、しつけが悪かったのか。だが、こうなった責任はみのを甘やかしたテレビ局にもありそうだ。  キー局関係者が、銀座のバーでのテレビ局トップの行状をこう言っている。 「みのさんに酒を勧められれば、局の上層部でも断れない。某局のトップなんか、べろべろに酔わされて、店の床柱を抱きかかえてミンミン鳴く“蝉の芸”をやらされたそうです」  TBSでは「毎朝9時になると、生放送を終えたみのを、幹部やスタッフが一列に並び、最敬礼で見送るという光景が繰り返されてきた」(文春)というのである。  白い巨塔の大名行列のようだ。これでつけ上がらないほうがおかしいのかもしれない。  文春によれば、「みのは『せがれとはしばらく会う機会がなかった』と話したが、これは真っ赤な嘘だ」と追及している。 「事件から10日後の8月23日、みのと雄斗は東京・銀座の超高級クラブ『B』で豪遊していたのだ。  居合わせた目撃者が言う。 『Bはみのが行きつけのクラブで、以前から次男やTBSにいる長男をよく連れてきていました。その日はみのの誕生日の翌日で、次男と、もう一人連れの男性がいた。いつものようにグラスにクラッシュアイスを敷き詰め、バランタインの30年ものをなみなみ注いだ“みのスペシャル”を一気飲み。次男も同じものを飲んでいた」  30を過ぎた息子が逮捕されようが、本来なら親とは関係ない。だが、テレビの司会者で、社会的な発言をしてきた人間が、自分の息子が警察に呼ばれたというのを知っていて、銀座で一緒にバカ騒ぎでは、親の責任はどうなるといわれても仕方あるまい。  看板番組『朝ズバッ!』(TBS系)を降ろそうという動きもあるようだが、そうなれば年間5億円といわれるギャラが吹っ飛ぶ。みの人生最大のピンチのようである。  この事件でも、いつも通り「親の責任論」がやかしい。現代がそれについて特集を組んでいるが、評論家の呉智英氏のコメントが一番面白かったので紹介しておこう。 「日本では家族主義、親族主義が強いため、『食卓のない家』(円地文子作=筆者注)で描かれたような議論は昔からありました。今回のみの氏とその息子の一件に関して言えば、みの氏が成人した子供の責任を負う必要はないと考えるなら、徹底して突っ張るべきだと思います。報道番組だろうと、バラエティ番組だろうと出演自粛などしなければいいのです。  みの氏が、『社会人として息子を罰すべきは、きちんと罰してください。私を罰すると言われても、私には責任がない』と断言したら、インパクトはあるでしょうね。それがプラスになるか、マイナスになるか。私は信念を持って毅然と言い切れば、最終的にはみの氏にとってもプラスになると考えます」  この意見を、みのもんたはどう聞くのだろうか。 (文=元木昌彦) ●もとき・まさひこ 1945年11月生まれ。早稲田大学商学部卒業後、講談社入社。90年より「FRIDAY」編集長、92年から97年まで「週刊現代」編集長。99年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長を経て、06年講談社退社。07年2月から08年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(2006年8月28日創刊)で、編集長、代表取締役社長を務める。現「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催、編集プロデュースの他に、上智大学、法政大学、大正大学、明治学院大学などで教鞭を執る。 

南雲式ダイエット、脱シャンプー、炭水化物制限……その健康法、本当に信じられますか?

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「週刊新潮」9月19日号 中吊広告より
今週の注目記事1位 「逆転勝利『東京五輪』の非公式情報」 (「週刊新潮」9月19日号) 同2位「半沢直樹はどこにいる? 頼れる銀行 頼れない銀行」 (「週刊ダイヤモンド」(9月21日号) 同3位「大銀行に血祭りにされる『優良中小企業』破綻の修羅場」 (「週刊新潮」9月19日号) 同4位「『医学博士』が提唱する奇抜で突飛な『健康法』は信じられるか?」 (「週刊新潮」9月19日号)  今週は現代、ポストが合併号だったこともあり、文春が精彩を欠いていたため新潮の圧勝となった。文春には、東京五輪決定のような一斉イベントのとき、やや精彩を欠くところがある。切り口の差が出るのだが、その点、新潮は強い。  その前に、みのもんたの話をしよう。  父親になることは難しくないが、父親であることは極めて難しい。そんな言葉があった気がするが、司会者みのもんた(69)はこのことを身にしみて感じていることだろう。  みのの次男で日本テレビ勤務の御法川(みのりかわ)雄斗(31)が窃盗未遂容疑で警視庁に逮捕されたのは、9月11日であった。  フライデーの「みのもんた『日テレ社員次男』逮捕の深層」(9月27日号)で、民放テレビ局記者がこう語っている。 「8月13日に新橋の路上で泥酔していた40代会社員のカバンを盗み、入っていたキャッシュカードを使って、近くのコンビニでカネを下ろそうとしたんです。結局、暗証番号がわからなくて、未遂に終わりましたが(笑)。警視庁もみのさんの息子ということで慎重に任意で事情聴取をしていましたが、ATMの防犯カメラに写っていたことが決め手となって逮捕となりました」  雄斗容疑者は慶應義塾大学を卒業後、2006年に日本テレビに入社、営業部に勤務し、11年には結婚するなど順調な人生を送っていたという。  みのと親しい民法テレビ局社員の話として、長男は同じ慶応を出てTBSにいる、まじめでバラエティ担当のプロデューサーとして評判がいいようだが、次男のほうは昔からやんちゃで、附属高校時代は万引き事件のリーダー的存在。停学処分を受けたことがあるという。  みのは「忙しくて甘やかしすぎた」と漏らしていたというが、そんな次男が日本テレビに入れたのも「みののコネ」だといわれているそうである。  不可解なのは自分の職場近くで盗みをはたらき、しかも盗んだクレジットカードを近くのコンビニで暗証番号も知らずに下ろそうとしたことである。  事実だとすれば、出来心にしてもお粗末すぎる。それほどカネに困っていたのか。泥酔しての犯行ではないようだから、覚せい剤か何か“クスリ”の影響があったのかもしれない。  みのは、家の前に集まった報道陣に長い沈黙で答えた。そしてこう言ったという。 「花も花なれ 人も人なれ」  これは細川ガラシャの辞世の句。明智光秀の娘で、関ヶ原の戦いの際、石田三成から人質として大坂城に入ることを強要されたが承知せず、自害して細川家の面目を保ったといわれている。 「散りぬべき 時知りてこそ 世の中の 花も花なれ 人も人なれ」  花も人も、散り時を心得てこそ美しいという意である。妻にも死なれ、子どもにも裏切られた彼の「引退宣言」なのだろうか。  今、ちまたには奇妙奇天烈な健康法を記した本が数多ある。新潮はそうしたものが信じられるのかと、大いなる疑問を持った特集を組んだ。その結果やいかに。  「クリニック宇津木流」の宇津木龍一院長が書いた『シャンプーをやめると、髪が増える』(角川書店)はどうか。「おおもりクリニック」の大森喜太郎院長は、シャンプーが発明される前の江戸時代にハゲはいなかったのか? と疑問を呈し、シャンプーで傷むほど人間の頭皮はヤワじゃないとバッサリ。  だが、確か作家の五木寛之さんは、自分は髪をめったに洗わないから、この年でもふさふさの髪をしているのだと、あちこちで書いているが、これはどうなるのか?  お次は一世を風靡した南雲式ダイエットはどうか。「ナグモクリニック」総院長の南雲吉則氏は、ダイエットするために「一日一食」を実行。当然ながら、体重はみるみるうちに減ったという。  愛知学院大の佐藤祐造客員教授は、数回に分けて食べるよりも一気にどか食いすると太りやすい。また1日1回の食事だと極端に血糖値が上がるため、インスリンの分泌量が増え、動脈硬化が進む恐れがあると、これもバッサリ。  では『油を断てばアトピーはここまで治る』(三笠書房)を出した下関市立市民病院小児科顧問の永田良隆医師についてはどうか。永田医師によると「肉、卵、牛乳、植物油といった高脂肪、高タンパクの食物を避け、白米、麦ごはん、魚介類、大豆製品、緑黄色野菜、根菜類、海草類、芋類などをとり、短期的にステロイド剤を併用すれば、アトピーを治せる」という。  これに対して「中山皮膚科クリニック院長」中山秀夫氏は、アトピー皮膚炎の重症患者を調べたところ、87%がダニに反応する抗体ができていて、正確なダニ対策で88%の人が治った。だから、食事療法は根本的な解決策ではないと反論している。  へー、ダニ対策をすればアトピーは治るのか? だからフトン掃除機のようなものが売れているのかと、なんとなく納得。  寄生虫の研究で有名な藤田紘一郎東京医科歯科大学名誉教授が著した『50歳からは「炭水化物」をやめなさい。』(大和書房)はどうか。  藤田名誉教授によると、炭水化物を摂らなければボケもしないというのだが、東京都健康長寿医療センター研究所の新開省二研究部長は、5年、10年にわたって影響を調べていないので、一般的に効果があるかどうかの根拠に欠けていると反論。炭水化物を摂らないのは栄養バランスがよくないので奨められないとしている。  この中で比較的高評価と思えるのが『病気にならない! たまねぎ氷健康法』(アスコム)だ。これは料理研究家・管理栄養士の村上祥子氏が著したものだが、たまねぎは血流をよくするので、一日50グラムを食べれば効果的だとし、たまねぎをピューレ状にして製氷皿で凍らせて食せば、血糖値は下がるし足のむくみなども解消されるという。  反論もあるが、それは一日に食べる量が少なすぎるというものだから、もっと食べればいいのだろう。強壮効果もあるというからやってみたいが、胸焼けがしそうだ。  ザッと見てくると、バランスのいい食事を摂り、身のまわりを清潔にしておくことが、健康でいるために必要なことだということはわかる。  私のように毎晩暴飲ばかりしているのは、緩慢な自殺だということもわかってはいるが、それでもやめられないのが人生ではある。  TBSの『半沢直樹』が依然絶好調である。「やられたら倍返し」という決めぜりふが小気味いいが、裏返せば、庶民の銀行に対する恨み辛みが根強くあるからに違いない。  しかし東京編になってから、「ご都合主義」が目立つ。貸出先の同族経営ホテルの窮地を救うために獅子奮迅の働きをするのはいいのだが、絶体絶命のピンチから脱出する設定が「そんなのあり?」と、思う場面が多すぎる。  たとえば金融庁の検査で、知られてはならない書類を自行の機械室に隠していたが、知られてしまい絶体絶命になる。だが、金融庁・黒崎が開けた箱にはイベントで使う衣装が入っているだけ。呆然とする黒崎。  半沢がこのことを見越して、積んである箱はおとりで、本物は部屋の隅にあったという仕掛けだが、誰も気づかないはずのところだと半沢が豪語していたのだから、ここまでやるだろうかと納得できなかった。  それ以外でも、半沢の親友が出向先で暴いた常務の迂回資金の証拠書類を、その常務の甘言で、表沙汰にしないことに同意してしまうシーンにも納得がいかない(もしかすると、次回では翻すのかもしれないが)。  原作者の池井戸潤氏は、週刊ダイヤモンドのインタビューでこう答えている。 「あれはマンガですよ。サラリーマンチャンバラ劇。そもそもリアルな銀行員には興味がありません。僕が描いているのは銀行を舞台にしたエンターテインメントです。リアリティを追求してるといっても、それは金融システムや銀行員の生態にリアリティを求めているわけではなく、人間ドラマとしてのリアリティーでしかない。小説には完全なファンタジーからノンフィクションに近いリアルなものまでありますが、半沢シリーズは真ん中よりもファンタジー寄りかもしれない」  確かにテレビドラマにリアリティを求めるのはちょっと違うのかもしれないが、それだけ見ている側に半沢のいる銀行という組織への反発が強いということであろう。  銀行に半沢なんか一人もいないと新潮が、銀行の血も情けもない非情ぶりを特集している。これが今週の第3位。  中でも、大阪の「第一メリヤス」という中小企業への仕打ちは、ドラマにしたくなるほどひどい。 「いつまで不況業種の最たる仕事をやっているのか。りそな銀行は今後一切、1円たりとも融資しない」  りそなの支店長は、声を荒げたという。  大阪枚方市にある「第一メリヤス」は年商1億7,000万円の老舗アパレル会社。同社に大和銀行(現・りそな銀行)の地元支店長からマンション建設の話が持ち込まれたのは99年のことだったという。  同社には枚方市のJR津田駅前に3,700坪の所有地があった。うち約500坪を使って6階建ての賃貸マンションを建設し、運営しろというのだ。建設には5億から6億円が必要なので、社長は断り続けたが、支店長がしつこく勧誘し、融資の大半を住宅金融公庫から35年ローンでつけるというので、呑んでしまったと、当時の社長の実弟・小久保貴光氏が話す。  それから2年半は何事もなく過ぎたが、その間に大和がりそな銀行になり、03年5月には一時国有化された。そして新支店長が来てこう言い放ったという。 「繊維に未来はない。これを機に本業を廃業しろ。軟着陸のための資金は協力する。たかがメリヤス屋の分際でマンションを建てること自体が分不相応なんだ」  当時の社長は、この言葉に大変なショックを受けたそうである。小久保氏はこう語る。 「“なぜですか。今まで、りそなさんに迷惑をかけたことは一度もない”と狼狽する兄に対し、支店長はさらに追い討ちをかけました。“今後、取引は停止。うちは貴社の債権を整理会社に移管する”と。兄が必死で“そんな無茶な”とすがると、彼は“貴社は『破綻懸念先』だから、こうせざるを得ない”と言った。  ここで初めて、うちが破綻懸念先に分類されてることを知った。支店長は廃業資金を貸す気などなく、廃業させた上で、マンションを売却するしかないように仕向け、融資資金の期限前返済を迫ったのです。卑劣で狡猾な貸し剥がしです」  結局、マンションを売却したが2,000万円を超える残債が残った。兄はその後、胃がんが見つかり、翌年に脳内出血で倒れ、「あれは銀行のあるべき姿ではない」と怨みながら60歳で亡くなったという。  岡山県にある「林原」が一昨年2月に会社更生法を申請して倒産したケースも取り上げられている。  「林原」は「夢の糖質」といわれたトレハロースの量産に成功し、抗がん剤のインターフェロンなどの生産も行い、年間600億円を売上げていたから、同社の破綻は大きな衝撃であった。  経済誌記者は、銀行のやり方に疑問を呈している。 「林原では、資産売却や会社そのものが700億もの金額で売れたこともあり、弁済率が93%という過去に例を見ない驚異的なものになった。同時期に潰れた武富士などわずか3.3%ですよ。そういう会社を大騒ぎして血祭りに上げ、潰す必要が本当にあったのか、疑問でなりません」  半沢直樹にこんな言葉が出てくる。「銀行は、晴れた日には傘を差し出し、雨の日には傘を取り上げる」。こんな銀行ならいらないと思うのは、私だけではないはずだ。だから『半沢直樹』が多くの人に見られるのだ。  お次の第2位もダイヤモンドの銀行の話。  ダイヤモンドは、頼れる銀行はどこなのかを金融業を除く上場企業3,359社を対象にアンケート調査を行い、362社から回答を得たという。 「付き合いたい銀行」としてトップに立ったのは、103社から支持を得た三菱東京UFJ銀行。 「『国内最大規模の銀行で、安定した融資力や、多岐にわたるニーズへの対応力がある』(不動産)、『これから事業をグローバルに展開、強化していく上で、海外全般にネットワークがある』(製造業)と、国内トップバンクとしての安定感、そして、充実した海外網が評価された格好だ。票数でも他の銀行を圧倒した。みずほ銀行が66社で続いた。『昔に比べて対応が軟化した。目先の小さな利益は追わず、ある程度のリスクを取り、大胆に行動するようになった』(製造業)など、最近の変化を前向きに評価する声があった。  一方、『付き合いたくない銀行』のワースト1位に選ばれたのは、三井住友銀行だった。『組織的な営業力は特筆すべきものがあるが、時に顧客のニーズからかけ離れた、銀行都合の営業活動をしてくる』(製造業)、『全般的に住友カラーが前面に出て、よきにつけあしきにつけ、銀行というよりは“商売”の感覚を強く感じる』(建設)などの意見が出た」(ダイヤモンド)  その他にも三井住友には「行員の態度が横柄」(小売業)、「経営が悪化した際の金融支援に消極的になった」(製造業)などの声があるそうである。  出世や給与面の考察もあるが、興味深いのは「金融女子が語る」というコラム。 「C子さん(メガ総合職)の証言 お金に細かい人が多いですね。1000円とか、そのくらいごちそうになっただけでも、『あのときおごってやった。お前には目をかけてやってる』って言われ続けたりするんです。  D子さんの証言(メガ総合職) 男尊女卑の傾向はあるよ。だって銀行ってそういうとこ。  B子さんの証言(メガ一般職) 不倫? 普通にあるよ。支店だと2年くらいで転勤になるじゃん? だからかえって後腐れなく遊べるって考える人もいるみたいで。堅いっていわれる銀行も、普通の企業と変わらないんだなって洗礼を受けたよ」  現場の銀行員たちはどういう思いで半沢を見ているのだろうか。半沢のようなサラリーマンはどこの企業にだっていない。だからファンタジーなのだ。  今週は東京五輪についての特集ばかりで、私のように関心のない人間には読むところがなくて困るのだが、そうは言っても挙げざるを得まい。  文春は「新聞・テレビが報じない東京五輪10大ドラマ」というタイトル。読めないことはないが、私には新潮のほうが読み応えがあったので、こちらを今週の第1位に推す。  9月7日(日本時間8日)、2020年五輪開催国に東京が決まってしまった。マドリード、イスタンブールとの争いだったが、第1回目の投票でマドリードが落ち、イスタンブールと東京の決選投票の結果、東京が60票を獲得して36票のイスタンブールに圧勝したのである。  新潮で元JOCの国際業務部参事の春日良一氏が、IOC(国際オリンピック委員会)総会での最終決戦の日本票をこのように分析している。 「60票の内訳を推測すると、ポイントとなるのは最終決戦で中国が東京を後押ししたということ。現在、日中関係は良くないですけれど、ピンポン外交などスポーツ界の交流は長いのです。となれば、中国が経済援助で影響力を持つアフリカも連動し、最大12票が獲得できた。さらにヨーロッパ44票のうち、半数以上は東京支持に回って、アラブ票を握るクウェートのアマハド王子も味方についたと見られる。この3つが勝因です」  今回の3都市にはそれぞれ重大なマイナス点があった。マドリードは経済問題、イスタンブールは政情不安、東京には福島第一原発事故による放射能汚染水漏れ。中でもIOC総会の直前に発覚した汚染水漏れは、世界中のメディアが大きく報じ、最終プレゼンテーションでも委員から質問が出たほどで、直前予想ではマドリード優勢かと思われていただけに、東京決定に会場内はどよめいた。  一部に政治利用ではないかという批判もあった高円宮妃久子さんの“奇跡のスピーチ”(文春)や、流ちょうなフランス語で聴衆を沸かせた滝川クリステル、練習の成果が出た安倍首相のパフォーマンス英語などが評価されたが、猪瀬都知事のスピーチは“絶望的英語”(新潮)と酷評された。  他に楽しいことがないのか、テレビのワイドショーは連日祝賀ムードだが、諸手を挙げてバンザイ三唱できるのだろうか。  難問の第1は、安倍首相がプレゼンテーションで「国が責任を持ってやるから大丈夫」と宣言した汚染水漏れだ。  先週のニューズウィーク日本版は、国がこれから作ると言っている、地盤を凍らせて地下水や汚染物質の侵入、または侵出を遮断する「凍土壁造成計画」に大きな難題があると報じていた。  凍土壁造成技術に詳しいアークティック・ファウンデーションズ社のエド・ヤーマク社長が、こう言っている。 「ヤーマクによると、放射性物質を封じ込めるために行われたオークリッジの工事で最も苦労したのは、作業員の安全確保と汚染拡大の防止だった。汚染された土壌に雨水が浸透するのを防ぐため、現場にはアスファルトが敷設されたが、作業員はそこから一歩も出てはならなかった。(中略)周辺の木々は放射能に汚染された水を吸っていたから、落ち葉も汚染されている。ヤーマクは毎朝リーフブロワー(落ち葉を吹き飛ばす機械)を持っていき、現場や機械から落ち葉を取り除かねばならなかった。凍結管を打ち込む穴を掘るときは、掘り出した土をそのまま密封容器に入れ、密閉された区域に運び込まなければならない。ドリルの排気もフィルターでろ過する必要があった。『技術的には福島(での凍土壁造成)はそんなに大変じゃない』とヤーマクは言う。『大変なのはそれを安全にやり遂げることだ』」  東京電力の相沢善吾副社長が9月11日の記者会見で「事故を起こした福島第一原発について『まだ野戦病院のような状態が続いている』と述べた」とasahi.comが報じている。  安倍晋三首相が『状況はコントロールされており、東京にダメージは与えない』と、IOC総会で演説したことについて相沢副社長は、「『安倍総理がどういうご趣旨で発言されたかを国に確認したところ、外洋に影響がないのでそう話したと。さらにコントロールしていきたい』と述べた。首相と現場との認識の違いが、垣間見える」とも報じている。  汚染水問題は、一朝一夕に解決するはずはないのだ。  五輪招致が決まったことで、ほとんどのメディアが「これで消費税増税は決まり」だと書いているが、景気回復はうまくいくのだろうか。  7年は長い。その間に天災が襲わないとも限らない。東海大地震がいつ起きても不思議ではないといわれ、富士山の噴火も懸念されている。決まったはいいが、無事に迎えられるかどうかわからないと、主催者なら心配になるのではと思うのだが、猪瀬都知事は脳天気なのか、お台場をカジノにして稼ごうとしていると新潮が書いている。  カジノに詳しい、大阪商業大学アミューズメント産業研究所の藤本光太郎研究員がこう話す。 「お台場カジノの経済効果は、3兆円といわれる東京五輪の比ではありません。20兆円産業のパチンコを粗利に換算すると約3兆円。カジノは売上げ(客の負け分)イコール粗利となり、お台場の試算は年間1兆円ですが、建設や雇用など波及効果を含めれば、さらに膨大な額が見込めます」  ちなみに、世界第一位のマカオは年3兆8,000億円の売り上げ(粗利)だという。  これには法改正が不可欠。だが、早ければ2年ほどでできるというが、五輪便乗の誹りは免れまい。  新潮では「それでも『オリンピックは不要』という勇気ある論客」という1章を設け、評論家の大宅昌子氏がこう言っている。 「どうせやるなら、せめて景観を美しくするようなオリンピックであってほしいと願います。でも無理でしょうね……。前回の五輪は17、18歳の若いお嬢さんが綺麗に着飾った状態だった。でも、今の日本は80のおばあちゃん。厚化粧したって、ちっとも色っぽくないでしょうから」  私がその時まだ生きていたら、五輪開催中は海外へ逃れて、自然の豊かなホテルでテレビ観戦しようと決めている。  蛇足。ダイヤモンドはドコモがiPhoneを取り扱うことを決めたが、それはドコモの「戦略矛盾」で、これがドコモの首を締めかねないと指摘している。 「今ドコモは、インターネット通販の『dマーケット』や動画配信サービス『dビデオ』といったサービス提供に力を入れており、購入時からすぐに使えるような端末仕様やセット契約を結んでいる。2015年度までに、こうした新規領域で1兆円の売上高を目指し、企業買収を続けている。これまでiPhoneを導入しなかったのは通信回線の提供だけをする『土管化』を避ける狙いもあった。(中略)当然、ドコモはIDを付与してアプリ等でサービスを使えるように進めているはずだが、わざわざドコモのサービスが選ばれるかといえば疑問符がつく。スマホ初心者向けとなるiPhoneの投入は、ドコモに戦略見直しを迫る“劇薬”となるかもしれない」  顧客流出が止まらないドコモの苦肉の策が、吉と出るか凶と出るのか。予断は許さないようである。 (文=元木昌彦)

「一人はモー娘。一人は宝塚女優……」“女を運んだ”当事者が明かすバーニング肉弾接待の実情

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「週刊文春」9月12日号
今週の注目記事 第1位「中途半端すぎるオバマの選択」 (「ニューズウィーク日本版」9月10日号) 同第2位「NHKが頭を抱える『八重の桜』プロデューサー モー娘。肉弾接待騒動」 (「週刊文春」9月12日号) 同第3位「知らないのは日本人だけ 世界から見たニッポン」 (「週刊現代」9月21・28日号) 同第4位「ジェームズ・ワトソンが登場!『老化を防ぐ方法』教えます」 (「週刊現代」9月21・28日号) 同第5位「参院選投票日に誕生した『山本太郎参院議員』の隠し子」 (「週刊新潮」9月12日号) 今週のワースト記事「藤圭子『転落死写真』撮影者の目撃談」 (「フライデー」9月20日号)  日曜日(9月8日)は、私にとっていいことが何もなかった。  朝3時起きして見た2020年五輪招致国に、まさかの東京が選ばれてしまった。予想外の安倍首相の英語スピーチのうまさに感心はしたが、汚染水漏洩問題について「抜本解決に向けたプログラムを私が責任をもって決定し、すでに着手している」と発言したのは納得がいかない。  これまで東電任せで国が十分に関与してこなかったからこそ、このような事態になってしまったのだ。五輪目当てで慌てて「責任を持ってやります」といわれても、日本国民はだまされない。  私が五輪招致に反対してきたのは、五輪のためにゼネコンが東京中を掘り返し、今以上の殺伐とした街になることを嫌うからである。  昭和39年の東京五輪は、敗戦から立ち上がった日本を世界の人たちに見てもらいたいという熱い想いがあった。  新幹線に象徴されるようなインフラ整備への期待もあった。そして何よりもベトナム戦争の「特需」があり、高度成長路線を進み始め、明日は今日よりよくなるという夢が持てた時代だった。  その夢をもう一度と考える政治屋たちが五輪招致に躍起になったのだろうが、ソウルも北京も、五輪がきっかけで経済成長率が伸びたという話は聞かない。  日本が20年のオリンピックを経済成長のきっかけにするには、第2のベトナム戦争が必要になる。それがシリア戦争になるのかもしれないが、集団的自衛権を容認する国になってしまえば、日本も戦争に参加しなくてはならなくなるのである。  ベトナム戦争のように「遠い戦争は買い」などといっていられなくなるのだ。  東京五輪決定でガックリして、競馬も惨敗。夕刻からは友人で名編集者だった中川六平氏の通夜に行ってきた。享年53歳。数々の名著を世に送り出し、無類の酒好きだった六ちゃんの通夜には、昔のべ平連仲間が大勢来ていた。  飾られた写真を見ても涙は出なかったが、心から寂しいと思った。  フライデーが「藤圭子の自殺直後の写真」と大きなタイトルを打った記事を読んでみた。  マンションの前の道路に人影のようなものは映っているが、モザイク処理されているのでよくわからない。遺体を運んだ後の血糊のようにも見える。飛び降りた死体を前にしているにもかかわらず、歩道にいる男たちが慌てていないのも「直後」とは思えないが、これ以上の詮索はやめにしておこう。何も無惨な写真をそのまま掲載しろというわけではないが、写真を使うのであればもっと編集上の工夫がほしかった。そこで今週のワーストにした。  フライデーも今や400円である。新潮370円、文春380円に比べると割高感は大きい。値段に見合う内容の充実がないと、読者は離れていく。もっと危機感を持つべきであろう。  アサヒ芸能には、新宿2丁目の「ウリ専バー」に昔、藤がよく来ていたという話が出ている。気に入った男を連れ出しても性的な興味はなく、話し相手をしてもらうためだったという。  事実だとすれば、腹を割って話せる身内も友達もいなかったのだろう。藤圭子の救いようのない寂しさが伝わって来る。  注目記事には載せなかったが、現代とポストの軟派記事のエスカレートが激しい。といってもタイトルの上だけだが、現代は袋とじ特別付録が「女性外性器のしくみ」。最新技術を駆使して「見えないところまで見える」というのだが、そのものズバリが出ているわけではない。  ポストはオナニーグッズ「TENGA」の代理店になったのではないかと思えるほどに、TENGAの発売する大人のオモチャ(ラブグッズというんだそうだ)の紹介と、他のグッズの製品紹介を小雑誌にして、W袋とじとしてやっている。  そのうちポストで大人のオモチャの通信販売でも始めるのだろうか。私見だが、現代・ポストどちらでもいいが、大人のオモチャやアダルトビデオなど中高年のためのセックスグッズを売る通信販売を本格的に始めたらいいと思う。  現代はうまいものの通販はすでにやっているが、それよりなんぼか儲かると思うけどな。早いもん勝ちやで。  ポストに「謎の美女YURI」のグラビアがあり、写真集が遂に発売と書いている。  先日、飯田昌宏編集長から写真集を送っていただいた。『YURI愛のアルバム』(小学館)というタイトルで1,300円。こうしてまとめてみると一層彼女の魅力が伝わってくる。私のようなYURIフアンには堪らない一冊である。  週刊新潮はよほど山本太郎(38)参議院議員が嫌いと見える。今週も彼の隠し子が参院選投票日に誕生していたと報じている。これが第5位。  8月24日に妻と離婚し、それを隠して参議院選を戦ったことは以前報じたが、参院選投票日に付き合っていた女性、下村恵子さん(仮名・39)に子供が生まれていたというのである。  新潮によれば、女優の満島ひかりに似た美人。東日本大震災後の反原発運動を通じて知り合い、深い仲になっていったようだ。  事情を知る関係者はこう語っている。 「子供を欲しがったのは、太郎のほうだったと言います。恵子さんも子供をつくれる年齢を考えてそれを了承し、“子供をつくろう”と2人で決めて行為に及んだ。そうしたらすぐに妊娠した、ということのようです。  その後、太郎の母親が“私も同居することが結婚の条件”と言い出したのです。恵子さんがそれに難色を示すと、マザコンの太郎は“お袋に認めてもらわないと結婚はできない”と言う。恵子さんは“2人で子供つくるって決めて妊娠したのに責任を取ってくれないなんて”と泣いて訴えたそうです。(中略)  太郎と恵子さんと赤ちゃんで、大阪にいる太郎の母親に会いに行ったという。そこで恵子さんは母親から“太郎の財産目当てなのか”などとヒドイことを散々言われたそうです」  この取材の時点ではまだ子供を認知していなかったそうだが、取材をしている間に「東スポ」が「スクープ公開 山本太郎議員 隠し子」という記事を掲載し、それで発売前に認知したそうである。  妻と離婚したのだからさっさと結婚すればいいのに、逃げ隠れするからこうして書かれるのだ。反原発を訴えるときのように堂々とナゼできないのだろう。このままでは在任中顰蹙を買い続けた横峰さくらプロの親父のようになってしまいかねないと、心配になるが。  お次は現代の「世界の知性に聞く」第3回。今回は分子生物学者の第一人者ワトソン氏で、ノーベル生理学・医学賞を受賞している。  タイトルにあるような「老化防止」について詳しく話しているわけではないが、所々に注目すべきところがあるので紹介しよう。脳についてどれぐらいわかっているのかという質問に対して、こう話している。 「いま、脳の老化について唯一の糸口となっているのは、『運動する人はしない人に比べて認知症を発症する人が若干少ない』ということです。運動をする人はまた、がんを発症する割合も約30%少なく、ある種の糖尿病になる可能性も少ないことがわかってきています。(中略)  また、糖尿病の治療薬はアルツハイマー病の発症を遅延するという研究報告もあるため、うまくいけば脳の機能を高い状態に維持するための、最初の薬になるかもしれません」  がん克服についてはこう述べている。 「がんについてはもうすぐ対処法が見つかるかもしれません。がんは細胞の突然変異により起こされますが、科学はやっと細胞を理解するところまで来ています。たとえば、がん細胞を飢えさせる方法があります。つまり、糖分を控えること。がん細胞は正常の細胞より、より多くの糖分を必要とします。こうしたがんの基本は分かってきています」  脳をいつまでも活性化させておくために必要なことを話しているが、ここが私には一番興味深かった。 「大事なのは、自分にとって何が重要かを判断することです。例えば85歳の人にとって重要なことは何でしょうか? それは脳を生き続けさせることかもしれません。あるいは歴史が好きな人や、経済学者になりたい人にとっては何が重要か。そして、自分にとって重要なことを判断したら、過去から最良のものを学び、打ち込み、思考することです。  そしてその際、何が必要かと言えば、人はもっと『なぜなのか?』という疑問にフォーカスすべきなのです。  私の野心は科学的偉業を成し遂げて有名な科学者なることでした。アインシュタインを除けば、今、私はダーウィン以降では最も有名な科学者でしょう。しかし、有名になったからといってそのことを気にかけてはいません。いまも、科学的問題をいかに解決するかを考え続けながら生きているのです」  脳を老化させないためには常に「?」を持ち、考え続けること。あたりまえだが、たしかにその通りであろう。  3位には現代の巻頭特集。五輪は日本に決まった! と、いち早く報じていた現代だが、東京五輪決定前に作られたからか、意外に日本や安倍政権に辛口の論調である。  たとえば福島第一原発の汚染水漏れ事故に対してはこうである。 「安倍首相は、9月4日から9日までの2泊6日の外遊中、『福島問題は7年後の2020年にはまったく問題ない』と強調した。だが世界は誰も、安倍首相のことを信じていない」  日中、日韓についてもこう書いている。 「アメリカの東アジア研究の権威であるハーバード大学のエズラ・ヴォーゲル名誉教授がアドバイスする。 『日本はとにかく、東アジアを不安定にさせないことを心がけるべきです。尖閣諸島の問題が「蟻の一穴」となり、日中戦争に発展することだってないとは言えない。東アジアの安定は、日本の国益にも直結するのです』  安倍政権の面々は、周辺諸国の挑発的な言動は控え、無用な争いを起こさないようにすべきだろう」  安倍首相がオバマのシリア攻撃を支持したことについても、こう批判している。 「ドイツの中央銀行にあたるドイツ連銀は、こうした事態を見越してか、8月に出した月例報告で、アベノミクスを酷評した。 <アベノミクスによる景気の押し上げは、『藁についた火』のようなもので、一時的な効果で終わるだろう。具体的には、2013年のGDPは1.25%増加するだろうが、’14年には効果は大幅に縮小し、’15年には逆に景気のマイナス要因となると見込まれる>  たしかに、今後のシリア情勢は、アベノミクス全体を狂わせていくリスクを秘めている。オイル価格の上昇と消費税増税のダブルパンチになれば、消費は低迷し、スタグフレーション(インフレ下の不況)という最悪の事態が現実化する可能性もあるからだ」  論調はやや弱いが、雑誌のもつ重要な役割「反権力」に少し目覚めてきたかなと思わせる記事である。  第2位は天下のNHKの花形プロデューサーに噴出したスキャンダルを取り上げた文春の記事。まずはこういう内容である。 《『八重の桜』で注目を浴びているNプロデューサー。いまでこそエグゼクティブプロデューサーと持ち上げられているが、いまだにバーニング周防郁雄(社長*編集部注)との関係を切ることができないでいるため、本人も困っていると関係者に話していると言う。  NがまだNHKエンタープライズ時代から仕事も遊びも周防に抱きかかえられ育ってきたからだ。特に関西に仕事で来た折には必ず、京都に足を運んで御茶屋『H』で我々と一緒に羽目を外したものだ。  特に記憶に残っているのは、女性関係。私もテレビで見たことのあるモーニング娘の二人が途中で参加してきたのだ。周防から言われたので、小遣いを数十万づつ渡してやると喜んでいた。後に周防とNが宿泊している京都ブライトンホテルに送ってやったのだが、『周防さんもNさんも変な趣味があるのでいやなんです』と二人が酔った勢いでしゃべりながら周防とNの部屋に消えていった。  先日、当時の立て替えた御茶屋の支払い代金をNHK・Nプロデューサー宛に請求したがなんの返答もないので、少額訴訟でもしようかと思っている!》(原文ママ。イニシャル表記はホームページでは実名)  これは「大日本新政會」というホームページにある文章である。  この會は神戸に本拠を置く暴力団「松浦組」系の民族派団体で、上の文章を書いているのは、バーニングの周防氏と、かつて“兄弟分”のような付き合いをしていた大日本新政會の笠岡和雄総裁だという。  千葉の産業廃棄物処理場建設で両者の間に金銭トラブルが起こり、2年前に2人の仲は決裂したそうである。  ここに出ているN氏はNHKの花形プロデューサー(56)で、大河ドラマ『天地人』で平均20パーセントを超える高視聴率を叩き出したドラマ制作のエキスパート。放送中の『八重の桜』の制作統括でもあり、全国各地の講演にもひっぱりだこの、NHKの顔だという。  そんな売れっ子プロデューサーの醜聞だが、芸能界のドンと暴力団がらみでは、NHKとしても弱っているのではないか。  NHKの制作担当者がこう話している。 「Nさんは“バーニングの人間”ですよ。周防さんに可愛がられ、便宜を図ってもらい出世したというのが局内の定説です。ドラマ制作にはジャニーズ派とバーニング派という派閥があって、バーニング派の首領が彼なんです。温厚な人柄ですが、外見とは裏腹にエリート意識が強く、したたかな人物です」  文春は京都へ飛び、事情を知っている人間を当たっていく。そして「ついに小誌は事件の“当事者”に辿り着いたのである」 「女を運んだのは私です」と語るのは、松浦組とも周防氏とも近い関係者。 「実はあの夜、周防は祇園のお茶屋『T』に、ひそかに二人の女性タレントを待機させていました。周防がNを接待した『H』の宴会が終わった後に、周防からホテルに連れて来てくれないかと連絡があり、人目につかないよう気をつかって二人をホテルまで運んだんです」  この御仁、2人の女性芸能人の実名を出しながら、「一人はモー娘。のメンバー、一人は宝塚出身の女優だった。二人は笠岡氏のポケットマネーを受け取った」と説明し、こう続ける。 「女たちは意外にもサバサバした様子でした。二人のうちハキハキした女の子は周防、もうひとりの無口な方がNの担当ということでした」  事実だとすれば、芸能界のドンだけあって豪勢な“接待”である。私も現役時代は何度か周防氏と食事はしたが、こんなことはまったくなかった。やはりNHKだからだろうか。  ちなみにNHK朝の人気ドラマ『あまちゃん』の主人公・能年玲奈や小泉今日子、小池徹平らがバーニング系俳優というのは業界では知らぬ者のない事実だと、文春は書いている。これも接待の賜物か?  N氏は周防氏と密接な関係かという取材に対して、こう答えている。 「そんなことはないですけど、密接って、何をもってそう言うのか……あのお、周防さんの接待は受けてません」  周防氏のほうも否定しているが、一方の笠岡氏は取材に対し、こういっている。 「あそこに書いたのは本当の話です。私はホテルの部屋の前で、周防の紹介でNと名刺交換をした。お茶屋代は私が払いました。秘密は墓場まで持ってくつもりやったんやけど、周防とのことやら、いろいろと許せないことがあってね」  NHK側はN氏の事情聴取をしたそうだが、ホームページの書き込みには抗議などしていないという。ここまで具体的に書かれた以上、視聴者に対してNHK側は何らかの説明をすべきであろう。  今週の1位は、G20でロシア、中国と意見が真っ二つに分かれたシリア攻撃を巡るオバマ大統領への批判記事。  シリア政府が反体制派を化学兵器で殺戮したというのが攻撃する根拠だが、アメリカ国内では議論百出で、オバマへの批判も強まっているとニューズウィーク日本版が報じているのである。 「米政府は先週末、シリアのバシャル・アサド政権による化学兵器の使用で1400人以上が死亡したと発表。バラク・オバマ米大統領は限定的な武力行使を検討していると述べた。  シリア内戦は、アメリカの国益と複雑に絡み合っている。その複雑さ故に、米政府が実現すべき国益上の目標も、そのための戦略も多数ある。  それだけにシリアへの軍事介入については、積極論にも慎重論にもなるほどと思える部分がある。だが残念ながら、オバマは不可解で最悪のアプローチを選択したようだ。  オバマ政権はシリアへの介入に慎重な立場を繰り返し表明してきた。だが同時に、アサド大統領の排除を強く主張し、化学兵器の使用は『越えてはならない一線』だと政権側に警告する一方、反体制派への小規模な軍事支援を行ってきた」  だが、このやり方は最悪の選択だという。 「中途半端な対応を重ねるうちに、目標を達成できないまま泥沼にはまる──ベトナムの二の舞だ。何もしないか、それとも『限定的』ではない本格的な介入に踏み切るか。オバマはどちらかを選ばなくてはならない。  介入慎重論の根拠は、シリアはアメリカの国益にとって死活的に重要ではないというものだが、その背景には軍事介入がもたらす結果への懸念がある。  アサドは残忍な暴君だが、反体制派の内部ではイスラム過激派が勢力を増している。彼らが権力を握れば、イスラム教アラウィ派、同ドルーズ派、キリスト教徒といった少数派を虐殺しかねない。(中略)  大掛かりな介入に踏み切るか、まったく手を出さないかのどちらかであるべきだ。シリア内戦を終結させ、ましてやアメリカにとって好ましい結果をもたらすためには、地上軍の投入が不可避とまでは言わないまでも、現在オバマ政権が考えているよりはだいぶ大規模で長期の活動が必要になる。(中略)  唯一の誤った選択は、シリアにおけるアメリカの長期的な目標と戦略を考慮せずに、行動を決めることである。しかし不幸なことに、いまのアメリカはまさにそういう選択を行おうとしているように見える」  また「今の反体制派にはアサド政権という共通の敵がいる。だが体制崩壊後は全員が敵になる」とも書いている。  オバマはベトナム戦争の教訓から学ばず、再び、泥沼の戦争へと足を踏み入れようとしているようである。  このところ安倍首相に素っ気なかったオバマが、急に電話会談やG20で首脳会談をしたのも、同盟国のイギリスやドイツがシリア攻撃に参加せず、孤立感を深めているからだろう。  それに2月に会ったとき、安倍首相は「集団的自衛権を容認する」といってしまっているのだ。そうなればオバマは、自衛隊をシリアに派遣してくれと要請してくることは間違いない。  私も、そうはいっても集団的自衛権など、平和憲法がある限り容易いことではあるまいと高をくくっていた。  だが、先日、東京新聞論説兼編集委員の半田滋氏と対談したとき、驚く話を聞いた。安倍首相は集団的自衛権を行使できる「国家安全基本法」を、憲法改正なしに「議員立法」で成立させようと企んでいるというのである。議員立法で提出すれば、過半数の賛成で成立してしまう。  これは半田氏の書いた『集団的自衛権のトリックと安倍改憲』(高文研)に詳しいが、これをやられたら憲法九条は有名無実化し、戦争のできる国へとあっという間に大転換してしまうのだ。  半田氏がいうには、第二次大戦後のベトナムやアフガニスタン、イラクなどの紛争の大義名分は「集団的自衛権」の行使で、しかもそれを行使した国はどこも勝利していないという。  10月に安倍首相は消費税増税をどうするか決断する。それが終わったら、いよいよウルトラタカ派の本性を現し、自衛隊を国防軍に変容させるつもりではないか。  しかし大新聞も他のメディアも、これほどの重大問題に触れようとさえしないのは「メディアの劣化」ですまされることではあるまい。猛省を促したい。 (文=元木昌彦)

汚染水地獄に、首都直下型地震の可能性も……2020年五輪東京開催は茨の道

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「週刊文春」9月5日号 中吊広告より
今週の注目記事 1「『東京五輪』を脅かすフクシマ『ダダ漏れ汚染水地獄』」 (「サンデー毎日」9月15日号) 2「藤圭子自殺 実兄藤三郎独占告白『家族をバラバラにした宇多田照實を許さない』」 (「週刊文春」9月5日号) 3「ジャレド・ダイアモンド『なぜ人間は60歳になってもセックスがしたいのか』」 (「週刊現代」9月14日号) 4「『秋田書店』に何が起きている」 (「サンデー毎日」9月15日号) 今週のワースト記事 「あなたの会社にいる『中国スパイ』」 (「週刊現代」9月14日号)  NHKの朝ドラ『あまちゃん』がいよいよ3.11東日本大震災に入ってきた。宮藤官九郎がどういう描き方をするのか、ラストまで目が離せない。  TBSの『半沢直樹』も好調だ。9月2日のasahi.comがこう伝えている。 「1日に放送されたTBS系のドラマ『半沢直樹』の視聴率は、関東地区で30.0%、関西地区で31.2%、北部九州地区23.1%で、名古屋地区で29.2%だった」  劇画調、都合のいいストーリーの作り方に、面白いが違和感がある。このドラマが受けているのは、日頃からの銀行への鬱憤が背景にあることは間違いない。  アサヒ芸能(9月5日号)の「井筒監督の毒舌ストレート時評 アホか、お前ら!」を愛読しているが、今週の彼の言うとおりである。 「銀行というのは世界でいちばんの悪行や。どうして自分の貯金を下ろすだけで手数料を払わなあかんのか。ペテンもいいとこ。こちら金貸してやってるんやぞって。何が“お手数”じゃバカタレが。人様からむしり取った金を人に貸し付けて食ってけつかる集団や。ヤツらは元から悪知恵だけしか働かない。で、『半沢直樹』か。社会派でチョー面白い? 誰が言うとんねん。あのドラマのどの辺が社会をエグってるねん? どんなピンチになろうが毎回助かって、あぁよかった? ワルが土下座して善が勝つ? オマエら初めから全員ワルやないか! 何が『倍返し』や、子供にアホな言葉覚えさせるな!」  さて、今週は月曜日発売組の圧勝で、文春・新潮には精彩がなかった。  だが、ワーストも現代の記事。要は中国政府の指示で、日本の企業に入りこんだ中国人従業員が、その会社の企業秘密を盗み出しているから気をつけろというのであるが、一歩間違えれば、中国人差別につながりかねない“危ない”記事だと思う。  現代はこう書いている。 「法務省によれば、11年には5344人の中国人留学生が、留学終了後、本国へ帰らずに、日本企業に就職している。だがこうした優秀な中国人社員たちが、中国当局に、次々にピックアップされていっているのである。これまで発覚したケースから推定すると、最初はカネをチラつかせ、それでも動かないと、今度は法治国家では考えられない社会主義国家特有の脅しに出るというパターンだ。こうした硬軟両用の手法によって、中国人社員たちは、いとも簡単に『転ぶ』というわけだ」  スパイ活動をしている人間が皆無だとはいわないが、日本語を学び、日本人より優秀な多くの中国人が日本で一生懸命働いているのに、周囲にいるバカどもから「スパイ」呼ばわりされたらどう思うか。そういうことを考慮に入れたら、こういう記事は作れないと思うのだが。  秋田書店といえば、「少年チャンピオン」を出している老舗漫画出版社である。そこが「読者プレゼントの当選者を水増ししていた」ことが、元女性社員の告発によって明らかになった。  だが、会社側は、不正を止めるよう訴えていた社員を、逆に解雇してしまったのである。その上、「元社員は、あたかも社内の不正を指摘し、改善を訴えたために解雇されたなどと主張しておりますが、解雇の理由は、元社員が賞品をほしいままに不法に窃取したことによるものです。また、元社員は業務上ではなく、私傷病による休職です」と開き直っている。  こうした問題を出版社系週刊誌は、自分のところも脛に疵を持つからか扱わない。  毎日が短い記事だがこう書いている。 「この女性や女性が加入する労働組合『首都圏青年ユニオン』によれば、景品を盗んでいたどころか、不正をやめるように上司に訴えていたというのだ。上司は『この会社にいたかったら、文句を言わずに黙って仕事をしろ』と言い放ったという。  その後もパワハラは続き、睡眠障害などを発症した女性は11年9月から休職。懲戒解雇は休職中に行われた。同ユニオンの神戸紅事務局次長は『不正を強制されたのに、それに抗議した彼女に罪をなすりつけた。許されない』と憤る。(中略)  消費者庁の指摘に同社も不正を認めた期間に注目すると、女性が担当していた『ボニータ』では、11年2月号から12年5月号までとある。11年9月に彼女が休職した後も延々と複数媒体で不正が続いている。そのことへの説明はない。(中略)  消費者庁幹部は記者会見で『個人の不正ではない。会社が組織ぐるみで行ったもの』と明言した」  凋落の出版界に、さらに追い打ちをかけるような恥さらしな“事件”である。こんなことは日常茶飯事なのかもしれない。次に出てくるのはどこだろうかと、出版社の経営者たちは戦々恐々なのであろう。  今週も現代は「『昭和のSEX』全公開」、ポストは「60歳からの『アダルトビデオ』」をやっている。実用という点ではポストに軍配をあげるが、強く勧める気にはならない。  ポストはポスト「YURI」にしようというのだろうか、「台湾からやってきた謎の美女『U』」というカラーグラビアをやっている。確かにかわいいが、ただそれだけ。YURIを超える娘ではない。  読める軟派記事といっては失礼だろうか。現代で始まった「『世界の知性』に聞く」で『続・病原菌・鉄』の著者・ジャレド・ダイアモンドUCLA教授にセックスについて聞いているが、こちらのほうが面白いので紹介しよう。  日本で高齢者がセックスに積極的になっている(実態は現代とポストが煽っているだけではないか?)ことについて聞かれ、こう答えている。 「(中略)多くのアメリカ人高齢者はセックスに興味持っています。面白いのは、高齢者が伴侶を亡くした際、よく聞く再婚の理由が『セックスのため』というものです。50年前には、こんなことは恥ずかしくて口に出せなかった。『高齢者はセックスをしないものだ』『80歳でセックスなんて気持ち悪い』と考えていたんです。でも今はそうではありません」  興味深いのは、昔々、女性が排卵日を隠すというのは生物学的に意味があったというのである。 「われわれの祖先の猿人の女性たちは、排卵日を隠すことによって、多くの男性たちが持つ敵意を抑えることができるようになったのです。どういうことかと言うと、それまで男性は、周囲にいる自分の遺伝子を持っていない子供、つまりライバルの子を平気で殺していました。しかし女性が排卵日を隠せば、目の前の子は自分とセックスして生まれた子かもしれないので、男性側はその子供に危害を加えることができないのです。  そしてまた、人間の女性は、排卵日以外にも男性にセックスさせることによって、男性を自分のもとにとどめておくことができるようになったのです。人間の女性は、妊娠期や出産期、子育て期に男性に庇護してもらう必要があるからです」  父母がセックスして自分がこの世に生を受けた意味については、こう考えているという。 「人間の存在というのは、自然淘汰の法則の結果、あなたの父母が性欲を得てあなたに遺伝子を残した。生物学的進化論の結果として、あなたが存在しているということです。それは犬や猫がこの世に存在していることと同じです」  したがって人生の意味については、こう考えたらいいという。 「自分の有限の人生を、存分に楽しめばよいのです。伴侶や子供、友人など愛する周囲の人々に満足感を与え、未来の世界の人々の満足度を増やすように生きていけばいい。自分の生が遺伝子の引き継ぎでしかないと知ってこそ、人生の楽しみ愛する人の大切さが分かってきます。  生物学的進化の結果ということで言えばセックスも同じで、先ほど排卵日の隠蔽の話をしましたが、これによってヒトは一夫一妻制というスタイルに変わり、『受精』という呪縛を超えた、『楽しみのためのセックス』を手に入れました。(中略)  私たちは一夫一妻制という夫婦関係がどれほど安寧をもたらしてくれるのか、また、セックスがどんなに楽しいものかを知っているのです。そして私は、それはとても素晴らしいことだと思うのです」  世界の知性がセックスについて語ると、何やらありがたくなるから不思議である。このダイアモンド氏、37年生まれだから75歳ぐらい。まだセックスのほうも現役なのだろうか。  “怨歌歌手”藤圭子の死は週刊誌も挙って取り上げている。文春と現代が実兄の藤三郎氏のインタビューを掲載しているが、発売日の関係で文春のほうを注目記事にした。  三郎氏はこう語っている。 「22日の午前中に、ある方から『圭子ちゃんが飛び降りた!』という一報を聞きました。翌日、遺体が安置されている新宿署に駆けつけました。『実の兄です』と言ったら、警察は慇懃な感じで『証明書を見せろ』という。証明書を見せて、『遺体と面会したい』と言っても、のらりくらりと拒否をするのです。  そして『もし、娘の宇多田ヒカルさんが遺体を引き取れないということがあるなら、私が引き取りますと申し出たら、警察は『それは100%ありえません』と断言するのです。  おかしいのは遺体の身元引き受け人が宇多田(照實)君だということなんです。圭子は宇多田君とは離婚して籍が抜けているし、他人なのです。  せめて面会だけでもと思い、警察に電話番号を渡して、『宇多田君に電話をくれるように伝えてくれ』と言いました。しかし、連絡は一切ありません。彼には圭子を私に会わせるつもりがないのでしょう。  宇多田君はこれまでも圭子と家族を切り離し、会わせないようにしてきました。圭子が死んでもなお、同じことを続けるのかと絶望的な気持ちになりました」  離婚している元夫の宇多田照實氏が葬儀を取り仕切り、ほとんど人を寄せ付けないやり方に、藤の親族からも、後援者からも不満が出ているようである。  三郎氏は藤と宇多田の結婚生活をこう語る。 「圭子と宇多田君は、六、七回くらい離婚と再婚を繰り返していますよね。そのうち何回かは、宇多田君が勝手に籍を入れていたこともあった。圭子が宇多田君と上手くいかなくて、おふくろのところに逃げ帰ってきたことがあったんです。その後、圭子は体調を崩して入院した。そこに宇多田君が現れて、連れていこうとしたけど、離婚して身内じゃないんだからと追い返されたんです。そうしたら、今度は勝手に籍を入れた上で、『亭主だから』と圭子を病院から連れだしアメリカに帰ってしまったのです。二人は何回も離婚をするけど、すぐに宇多田君がお金に困り圭子のところに戻ってくる。それの繰り返しだった」  ヒットを次々に飛ばす藤は、安保闘争で挫折した若者たちの熱烈な支持を受け社会現象にまでなったが、デビューのときの“貧しい17歳の少女”というキャッチは、売り出すために作られたと、三郎氏は話している。 「赤貧の中で育った、みたいなことをデビューしてから言われていましたが、あの頃はみんな貧しかったのですからね。両親からは運動会の時にバナナを買ってもらったり、正月に新しい洋服を買ってもらったりしていました。同級生に比べて特に貧しかったということはないと思いますよ。赤貧、というのは芸能界で売り出すためのストーリーだったのでしょう。  彼女のキャッチフレーズは『演歌の星を背負った宿命の少女』。少女で18歳というのも何だかなということで、1つ年をごまかして17歳ということにしたんですね」  人気絶頂の19歳で歌手の前川清と結婚したが1年で破綻している。  79年、28歳のとき突然引退を発表してアメリカへ居を移し、82年に宇多田氏と結婚、83年に長女・光(宇多田ヒカル)を出産するのだ。  新潮(9月5日号)は前川との離婚の原因は性の不一致だったと、前川の告白を紹介している。 「『僕らには夫婦生活と呼べる期間があったのですかね。いや、なんというか……とにかく、セックスがなかったのですよ、ぼくらには、ホント。/初夜だけだった、といって間違いないところだなあ。一回だけですよ』(『週刊現代』72年8月31日号)」  推測するに、ヒカルが生まれた頃からヒカルが歌手デビューするまでの間が、藤の人生の中で一番平穏なときではなかっただろうか。  娘が莫大なカネをもたらし、それが三人の中を引き裂いていったようだ。  三郎氏は藤の金遣いの荒さについて、こういう見方をしている。 「圭子はもともと麻雀や競馬もしていましたが、お金には無頓着でした。カジノで五億円を散財するみたいな異常な使い方をしていると聞いたとき、圭子はお金に復讐をしているのではないかと感じました。人間を狂わせ、愛娘のヒカルを遠ざけてしまったもの。そのお金を無駄に使うことで、ヒカルちゃんを母親へと振り向かせたかった。そんな思いがあったのではないでしょうか」  娘・ヒカルも結婚・離婚を経験し、3年前に母親同様、突然無期限の音楽活動休止を宣言し、今は8歳年上の福田天人氏とロンドンに暮らしているという。 「二人が同棲を始めてからのことです。ある夜、突然、藤さんがいらっしゃったんだそうです」と語るのは福田氏の祖母である。  恋人の母親の急な来訪。当然、福田氏は驚いた。そんな彼の困惑をよそに、こう藤は告げたそうだ。 「娘を、よろしくお願いします」  これだけ言うと、藤は帰っていった。  藤圭子の家系は目が弱く、母親も盲目で長年付き人と生活を共にしていた。兄の三郎氏も加齢とともに視力が弱くなったといい、藤圭子も同様だった。宇多田ヒカルの『光』という名前は、圭子が娘の目にいつまでも光があるようにとの願いを込めて付けたものだという。  三郎氏の宇多田氏を恨む口調は弱まることがない。 「彼が苦しむ圭子の傍らに最後までいてくれた人間だったら私は何も言いません。でも離婚して、娘とも会えず、圭子は孤独と絶望の淵に追いやられていた。そして死んでもなお、彼女は孤独のままなのです。  宇多田君は藤圭子を四十年来応援してきた後援者の前で彼女のことを説明できるのか。天国のおふくろに顔向け出来るのでしょうか。そして、亡くなった圭子の顔をまともに見ることができたのでしょうか。彼には真実を話して欲しい。このままでは圭子は成仏できません──」  藤圭子が誰にも知られず西新宿で過ごしていた日々。ある知人は彼女のこんな言葉を聞いて、絶句したという。 「日本は自由に見えるけど、厚いガラスの壁に囲まれた国よ。寂しい。毎日が辛い。誰も話す人がいないの」  命までもと好いた男に捨てられても、京都から博多まで追っていく“バカな女”の怨み節は、他人から押し付けられた「借り着」だったのだろう。それを脱ぎ捨てたくてアメリカまで逃げていったのに、彼女が普通の女に戻ることは叶わなかった。  娘の歌手としての成功は、彼女の中にかつての“悪夢”を甦らせたのかもしれない。そんな自分と葛藤している間に夫と娘は離れていってしまった。  さすらい流れた果てに、彼女は新宿へ戻ってきて自死を選んだ。娘・ヒカルが藤の亡骸と対面したのは彼女の死から6日後である。ヒカルは自分のブログにこう書いた。 「彼女の最後の行為は、あまりに悲しく、後悔の念が募るばかりです」  “彼女”といういい方が二人の距離を表しているようで、哀れである。  9月7日(日本時間8日の朝)に2020年のオリンピック開催国が決まる。それを各誌取り上げているが、内容的には五十歩百歩である。  ポストによれば現在の「票読み」はこうなっているという。 「●東京…東アジア、オセアニアを中心とした約3割前後 ●マドリード…欧州と南米を中心とした約4割強 ●イスタンブール…北アフリカや中東などイスラム圏を中心に約2割強」  1回目の投票で過半数を取る国はないだろうから、東京としては2・3位連合を画策して、招致を決めたいと、猪瀬都知事ばかりでなく、安倍首相も精力的に動いているようだ。  だが「東京決定」に大きな壁になるのが福島第一原発の「汚染水地獄」だと、毎日が巻頭特集を組んでいる。これが今週の第1位。毎日はこう書いている。 「安倍首相自ら先頭に立つ五輪招致も、ここへきて『黄色信号』(超党派の五輪招致議連の自民党議員)が灯っている。その原因は、東京電力福島第一原発の放射能汚染水事故を巡るつたなさだ。原子力規制委員会は8月28日、汚染水の国際原子力事象評価尺度の暫定評価を『レベル3』(重大な異常事態)に引き上げた」  原発問題への関心は、海外で非常に高い。 「たとえば、米紙『ウォールストリート・ジャーナル』は『汚染水をコントロールできない』と痛烈に批判、英紙『インディペンデント』も『事故は収束できるのか』と疑問を呈した。また米CNNや英BBCなどの報道番組も専門家のインタビューなどをまじえ、『技術的、政治的に解決は困難』と報じている」(毎日)  外務省OBもこうも話している。 「海外の反応が高まり始めたのは、7月22日に東電が発表した“汚染水が海に流れた”という時点から。東日本大震災の瓦礫が太平洋を越えて米国にも流れ着いた。潮の流れや海産物には国境がない。そこへきてダダ漏れタンクの問題も発覚した。東電がやったこと、と釈明しても海外から見れば、すべて『日本政府の責任』になるのは当然です」  それなのに安倍首相には危機感がないと、政治ジャーナリストの角谷浩一氏は語っている。 「福島第1原発からの汚染水漏れが明らかになった8月20日、安倍首相は山梨県のゴルフ場で山本有二衆院予算委員長らとゴルフに興じていた。汚染水問題に危機感が足りないのではないか。10月の臨時国会は間違いなく“汚染水国会”になる」  その上、2020年に首都直下型地震が東京を襲う危険があると、ポストが書いている。  防災・危機管理ジャーナリストの渡辺実氏がこう話す。 「貞観地震の9年後に、関東大震災クラスの南関東地震が起きている。史実は、震災の9年後にあたる2020年に首都直下型の地震が起きる可能性を示しているのです」  放射能に大地震の危険のある都市に五輪をやらせるのか? 私は難しいと思う。  ポストは開催が決まっても、放射能問題に敏感な外国人選手の多くが来ないこともあり得るとしているが、汚染水問題が処理できなければ、そうした声も上がるはずである。  五輪招致国はもうすぐ決まるが、もし東京に決まったとしても“茨の道”はその後も続くことになる。五輪よりも被災地の復旧・復興、原発事故の収束をこそ急がなければならないこと、言うまでもないはずである。 (文=元木昌彦) ●もとき・まさひこ 1945年11月生まれ。早稲田大学商学部卒業後、講談社入社。90年より「FRIDAY」編集長、92年から97年まで「週刊現代」編集長。99年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長を経て、06年講談社退社。07年2月から08年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(2006年8月28日創刊)で、編集長、代表取締役社長を務める。現「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催、編集プロデュースの他に、上智大学、法政大学、大正大学、明治学院大学などで教鞭を執る。 

「フクイチ汚染水漏れ」を扱うのは週刊朝日のみ……週刊誌ジャ-ナリズムは崩壊寸前?

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「週刊朝日」9月6日号 中吊広告より
今週の注目記事 1「故・吉田元所長の“遺言”を無視した東電の大罪」(「週刊朝日」9月6日号) 2「エイベックス松浦勝人社長『女とクスリ』」(「週刊文春」8月29日号) 3「馬券裁判男が使った『馬王』データ大公開」(「週刊アサヒ芸能」8月29日号) 4「知られざるニッポンの《公的差別》一覧」(「週刊ポスト」9月6日号) 5「消費税はやっぱり上げない? 安倍総理が財務省幹部に『君たちは切腹しろ』」(「週刊文春」8月29日号) 6「藤圭子さん 壮絶死の真相」(「週刊朝日」9月6日号) 7「IOC委員98人の票読み! さあ困った! 五輪が東京にやってくる!」(「週刊新潮」8月29日号) 8「美しすぎる『ファーストレディ』のゴルフスイング」(「週刊新潮」8月29日号)  ルポライターの日名子暁さんが亡くなった。体調が悪いとは聞いていたが、早すぎる死だ。  今井照容責任編集の「文徒」(2013年8月26日)で今井氏がこう書いている。 「日名子暁、言うまでもなく週刊誌ジャーナリズムの黎明期を支えたトップ屋である。特に創刊直後の『週刊ポスト』には『週刊現代』から移籍して深く関わった。別冊宝島の黄金時代でも活躍した。そうえいば、大学を中退しマナセプロで坂本九のマネジャーをしていた時代もある。南米、ジャパゆき、パクリ屋、パチンコ、裏社会など。ひたすら権威や権力とは無関係な方向にフィールドを求めたのが矜持だった。  そんな日名子暁さんが亡くなった。もしかすると、ルポライターという言葉がこれから死語になるかもしれない」  今週のグラビアで一番“衝撃的”だったのは、安倍晋三首相・夫人“アッキー”こと昭恵さんの写真だ。新潮のモノクログラビアにドライバーをトップに構えた写真が載っているが、このフォームがスゴイ。  私のようなヘタなゴルファーから見ても、素晴らしいのがよくわかる。プロゴルファーの沼沢聖一氏がこう評している。 「上半身がしっかりと捩れているのは下半身が安定しているから。ボールを左目で見る顔の角度も完璧です。素人の女性でここまで美しいトップを取れる人はいませんよ。90点は上げても良いですね」  安倍首相は口だけではなく、ゴルフでも妻には勝てないようである。  先日は現代が2020年の五輪開催は東京に決まったという“スクープ”を特集したが、今週は新潮が、どうやら東京になりそうだと報じている。これが注目記事の7。  だが現代のようにバンザイではなく、「さあ困った!」と喜んではいない。  スポーツ紙の五輪担当記者が、こう票読みをする。 「イスタンブールは、評価委員会の評価報告書でもかなり厳しく書かれ、まだ“時期尚早”と読み取れる。何より、5月末から続いている反政府デモの影響が大きい。第1回の投票では、イスタンブールが最下位。東京とマドリードの決戦投票になるという見方が圧倒的に多いですね」 「ズバリ、東京はマドリードに6割の確率で勝てると見ています」と話すのは、五輪招致委員会の幹部。 「IOC委員が最も多いのは欧州で40名超。欧州諸国はマドリード支持が多いと思われがちですが、東京は欧州票をかなり固めています。まず、24年に五輪招致を目指しているフランス(3名)とイタリア(3名)は、確実に東京に投票してくれる。マドリードで五輪が開催されれば、次は同じヨーロッパの可能性は低くなる。敵の敵は味方の論理です」  だがアジア票の中国(3名)、韓国(2名)、北朝鮮(1名)は見込めないし、中国の影響の強いアフリカ票(12名)も期待できないから、まだまだ予断を許さないようである。  新潮の言うように「百害あって利は僅少」の五輪よりも、震災復興、景気回復を急がなくてはいけないはずである。私は今でもマドリードが有力だと思っているのだが。  次は、藤圭子(62)の飛び降り自殺についての記事。69年に「新宿の女」でデビューし、70年には「女のブルース」「圭子の夢は夜ひらく」が大ヒットした。作家の五木寛之氏が彼女の歌を評して、彼女の歌は「演歌」ではなく怨みの歌「怨歌」であるといったことで、70年安保で挫折し、先に希望の見えなかった私のような若者たちに熱狂的に迎えられた。  「15、16、17と、私の人生暗かった~」と歌う彼女の「夢は夜ひらく」は、まだ青線の名残のある新宿ゴールデン街によく似合った。  自殺のニュースが流れたのが先週木曜日だから、現代、ポストはギリギリ突っ込んだはずだが、現代はかなり突っ込んだ取材をしている。だが、時間的な余裕のあった週刊朝日のほうが読み応えがある。  目の不自由な母親の手を引きながら、浅草、錦糸町を流していた藤の子ども時代を、芸能レポーターの石川敏男氏はこう語っている。 「藤が『ジャムパンを食べたい』というのを映画で共演した女優が聞いて買ってあげたところ、藤は『子どものころ、ずっと食べたかったけれど、食べられなかった』と言って泣きだした。夜になると藤がその女優のホテルの部屋に『寂しいから一緒にいて』と訪ねてきて、一晩中、それまでの苦労話を語ったそうです」 「藤が世に出るきっかけになった「新宿の女」の作詞をした石坂まさを氏は著書で、藤が売れ出した直後、両親がカネを無心しに来た話を明かしている。藤は両親から逃れるように、人気絶頂の71年、歌手の前川清と結婚。これを境に、芸能生活が暗転していく。『夫婦仲はすぐ冷め、前川は家で水槽の鯉をじっと眺めているばかりで、藤はその横でよそを向いている、などと言われました』」  その前川とは1年で離婚。28歳で芸能界引退を表明し、渡米する。82年にアメリカで知り合った宇多田照實氏と結婚。ヒカルが生まれる。  ヒカルは15歳でデビューするといきなり800万枚を売上げ大スターになっていくが、夫や娘との距離は次第に離れていってしまったそうである。  そして06年3月、JFK空港で米司法省麻薬取締官が藤が持ち込もうとした現金約4900万円相当を差し押さえる。麻薬への関与はなかったという主張は認められ、カネは返却されたが「異常な金銭感覚が世に知られることになった」(同)  その後も離婚を繰り返し、実の母とも疎遠になり、娘とも離れて東京へ戻り、人知れず新宿のマンションで30代の男と暮らしていたという。  06年に藤自らが電話して出演したというテレビ朝日のインタビューで、藤はこう話している。 「私はもう藤圭子でもなんでもない。(藤圭子は)お金もうけのために、人からもらった歌を歌って、喜びも悲しみもわかちあって、10年で幕を閉じた」  元夫の照實氏はTwitterで、4月に自殺した牧伸二についてこうつぶやいている。「福島被災者慰問で彼(牧)は『やんなっちゃった』って50年も言ってると本当にやになっちゃった。藤圭子も言ってます。救いのない歌詞を長年歌っていると何だか人生救いが無くなるって」  彼女の人生が、彼女の歌っていた歌詞の通りでいいはずはない。だが、彼女の訃報を聞いて、彼女らしい人生の閉じ方をしたのかもしれないと、思ったのも事実である。  宇多田ヒカルが公式サイトで、こうコメントしている。 「彼女はとても長い間、精神の病に苦しめられていました」「母が長年の苦しみから解放されたことを願う」「彼女の最後の行為は、あまりに悲しく、後悔の念が募るばかりです」「悲しい記憶が多いのに、母を思う時心に浮かぶのは、笑っている彼女です。母の娘であることを誇りに思います」  藤が生きているとき聞かせてあげればよかったのにと、思わざるを得ない。  安倍首相が8月15日に靖国神社へ参拝しなかったことが、さまざまな臆測、批判を呼んでいるが、来年4月に8%にアップする消費税も、どうやら上げない方向に舵を切ったらしいというのが、週刊誌大方の見方のようである。  文春は11日間に及ぶ長い夏休みを取った安倍首相が、「消費税3%に懸念を表明している内閣官房参与の本田悦朗・静岡県立大教授とゴルフをしたり、慎重派の中川秀直元幹事長と食事をしたりするなど、(財務省の=筆者注)規定方針通りにはいかせないことを匂わせている」(政治部デスク)と報じている。  このところ読売新聞の渡邊恒雄主筆が、消費増税に反対の態度を取り始めていることに自信を深め、ブレーンの高橋洋一嘉悦大学教授も「凍結を判断すれば支持率が上がり、政治的にもスーパーパワーを持つことが出来る。悲願の憲法改正も近づくことになる」といっている。  スーパーパワーを持つかどうかはわからない。株は1万3,000円台をうろうろし、円高も思ったほど進まない。一方で輸入品の値段は上がり続け給与は上がらないのでは、増税凍結は当然の帰結であろう。  注目記事の4はポストの記事。来年度から70歳になる人の医療負担が2倍になったり、43歳以上の女性は「出産不適格」とみなされ、不妊治療の助成を制限する。1961年4月生まれ以降は、それ以前に生まれた人と比べると大幅に年金が減額されるなど「公的差別」が甚だしいと怒っている。  ポストの言い分はこうである。 「見落とせないのは、国家が『格差』をつくり出す背景に、国民の不安を分散させる『分断統治』の状態をつくり出す狙いがあることだ。  年金でいえば、政府があえて『得する世代』と『損する世代』という世代間格差を作ることで、すでに年金を受給している60歳以上の3000万人は、現役世代の負担がどんどん増えても“得させてもらっている”という負い目から政府を批判できない。健康保険料の地域格差も同じ構造だ。  そうやって社会保障制度に対する矛盾や不満から国民が結束することを防ぎ、真綿で首を絞めるように負担を増やしていく。『格差を是正するのは国民のため』といいながら、本当は官僚や政治家に都合のいいシステムを維持するために社会に官製差別がつくられ、上塗りされているのである。  たとえ国民はそれに気づいても、容易には変えることができない。  官僚が心血を注いで築いたこの差別のメカニズムこそ〈国民を不幸にする日本というシステム〉の根底にある病巣なのだ」  世代間格差などという、官僚や政治家たちの悪巧みに乗せられてはいけないこと、言うまでもない。  アサヒ芸能に、競馬ソフトを駆使して約5億7,000万円の払い戻しを受けていたことを「脱税」とされ、裁判を受けたA氏の馬券戦術のことが載っている。判決では外れ馬券も経費と認められ、脱税額は5,000万円に減額された。  競馬ファンには参考になるはずだ。 「被告人は回収率に影響を与え得るファクターについて、それが回収率と普遍的な傾向が認められるか否かを、予想ソフトの機能を用いて検証した。その結果、回収率との関係に明確・普遍的な傾向が見出せないファクターについては、ユーザー得点(独自の設定により導き出された出走馬の得点)に反映させなかった。前走着順、競走馬の血統、騎手、枠順、性別及び負担重量など、最終的に約40のファクターを採用した」(判決文より一部要約)  A氏は競馬のさまざまな予想ファクターの一つ一つを検証して、回収率を高めることができるデータに着目し、出走馬に独自の得点を定めていたというのだ。  A氏が使っていた競馬ソフトは、JRA-VAN(JRAの競馬予想サービス)のビッグデータを取り込める予想ソフト「馬王」である。それに「JRDB社」のデータも使用していたという。「JRDB社」の奥野憲一氏がこう話す。 「的中率軽視で回収率に注目した結果、約5レースに一回当たれば利益が得られるような馬券購入スタイルを構築したわけです」  さらに奥野氏は、こう続ける。 「A氏は持ち時計やコース実績など、数値化できる予想ファクターを吟味していたと思います。逆に、当日のパドックや返し馬といった、具体的な数値に置き換えられないファクターは無視していたようです。また、裁判でも明らかになっていたようですが、新馬戦や障害戦を買わなかったのは、実力判断におけるデータが不足していることと、落馬や気性的なトラブルによる不測の事態を懸念してのことでしょう。そのわりに1番人気の勝率が高いわけですから、理想的回収率の妨げになる。購入しなかったのは当然の策でしょうね」  競馬ライターの後藤豊氏も、こう言う。 「A氏の狙いはオッズ5~7番人気の馬だったようです。また、穴馬を見つけた場合、普通は総流しをかけたくなりますが、A氏は購入馬を予想ソフトで得点の高い5~6頭にしぼり、馬連や馬単など複数の買い方をしていたのです」  また、馬単で断然の人気馬を1着固定で流しても、馬連と配当は変わらず、妙味がない。逆に、人気馬の、いわゆる“ウラ目”買いは、馬連の3~4倍になることもよくあるから、妙味ありだという。  それでもA氏の07~09年の3年間の回収率は104%である。これほどの知識や実践力があっても、競馬で儲けるのは至難の技であると、アサ芸は結んでいる。  よくわかるな~、その気持ち。  芸能界のスキャンダルをやらせたら文春に敵うところはどこにもないだろう。その文春が今週は芸能界の雄・エイベックスの松浦勝人社長に噛みついている。 「EXILE、浜崎あゆみ、安室奈美恵、倖田來未ら多くの人気アーティストを抱えるエイベックス(エイベックス・グループ・ホールディングス株式会社を持ち株会社とするエイベックス・グループ。以下同)は、一九八八年に松浦氏らによって設立された。貸しレコード屋のアルバイトから始め、同社を東証1部上場の日本を代表するエンタテインメント企業に成長させた松浦氏は、若手起業家の鏡として経済誌にも取り上げられる。創業からちょうど四半世紀を超えた今、二〇十三年三月期決算では売上高一千三百八十七億円、営業利益は百四十億円、ともに過去最高を達成した。今では『夢を実現したカリスマ経営者』『クリエイティビティの天才』と称賛される」(文春)  そのカリスマが女性好きで、クスリにも手を出しているというのだ。松浦氏の自宅パーティによく出ていたという常連が、こう語っている。 「地下一階は完璧なダンスクラブになっていて、DJブースと大きなソファが四つ並んでいました。中央にミラーボールが煌めいていて、参加者や社員が踊り狂うんです。松浦さんはそこで酒を飲むと、エレベーターで2階に上がり、そこは八十インチ以上もあるテレビがあって、大音量で音楽を流していました。  中央に彼の特等席のソファ、右側に三つのベッドルームがありました。連れてきた女の子をそこに連れ込んで、セックスをする。で、ことが終わると、ニヤニヤしながら戻ってきて、大麻を吸うんです。それがパーティーのパターンでした」  松浦氏の友人もこう話す。 「長い間、大麻とコカインは常習していましたね。あとMDMA(合成麻薬)が好きで、懇意にしているヤクザにそういった薬物の調達を頼んでいました」  今をときめく芸能界のカリスマに薬物疑惑。だが以前にも、文春がやった沢尻エリカの薬物疑惑の際、彼女に松浦氏が「ドラッグならいつでも用意できる」という発言をしたと報じたが、エイベックス側は「事実無根」だと回答するだけで、名誉毀損で訴えたりはしていないようである。  今回の記事に対して、松浦氏はどういう反応をするのだろうか?  このところの週刊誌に抱いてる私の不満は、大事なことに目をつぶり、どうでもいいことばかりにページを割いていることだ。  たとえば、秘密保全法案がそれである。朝日新聞(8月24日付朝刊)でこう報じている。 「安倍政権は秋の臨時国会に提出する秘密保全法案で、国の機密情報を漏らした公務員らへの罰則を最長で懲役10年とする方針を固めた。対象となる情報は防衛や外交など安全保障に関する4分野で『特定秘密』と指定されたもの。同盟国の米国などと情報共有を進める必要があるため、漏洩(ろうえい)に対して厳罰化を図る」  告発サイト「ウィキリークス」に米外交公電などを流出させてスパイ罪などに問われたブラッドリー・マニング上等兵(25)に、禁錮35年の判決が言い渡されたが、アメリカ・オバマ大統領が、機密漏洩に対して厳罰化で臨んでいるのと同じ流れにある。  国家の秘密を漏洩した者は許さないという「脅し」をかけて、自分たちのやっている悪事を国民に知らせないという企みは、国民の知る権利に抵触し、憲法違反にもなるはずである。  こんな法律ができたら、メディアに情報を漏らす公務員はいなくなる。新聞はもっと反対キャンペーンをやらなくてはいけないのに、個人情報保護法の時と同じように、動きが鈍く、まるで当事者意識がない。週刊誌には残念ながらもっとない。  福島第一原発の汚染水たれ流しは由々しき事態であるが、ほとんどの週刊誌が触れようともしないのは、雑誌ジャ-ナリズムの死を予感させる。  特集で扱っているのは、朝日だけというていたらく。「冷やし中華大研究」(ポスト)に割く5分の1でもこの問題に触れるべきではないか。そこで今週は朝日を1位に推す。  フクイチ幹部が、吉田昌郎元所長(享年58)がこう語っていたと話す。 「吉田氏は病床でも汚染水の問題を気にしていて、『一歩間違えると取り返しのつかない惨事になる』『レベル3や4の事故が再び起きてもおかしくない』と語っていたんです」  その言葉通り、東電は8月21日までに汚染水が地下水を通じて海に漏れ出していたことをようやく発表し、漏れ出した放射性ストロンチウムが最大10兆ベクレル、セシウムは最大20兆ベクレルという天文学的な数値を公表したのである。  言うまでもなく、東電のずさんな汚染処理への対応とコストをケチったことが、これほどの深刻な事態を招いているのだ。  これから周囲の土地を凍らせて原子炉建屋への地下水の流入を防ぐ「凍土方式」の遮水壁を建設するというが、その効果は未知数だという。  京大原子炉実験所の小出裕章助教がこう語る。 「原子炉が冷えるまでには、あと何十年もかかる。遮水壁でせき止め続けると、行き場を失った地下水の水位が上昇し、周囲はいずれ汚染水の沼地になってしまう。貯水タンクを置く場所も早晩、足りなくなる。水での冷却を続ける限りトラブルは止まらず、いたちごっこになるでしょう」  いまだに有効な手を打てない東電と安倍政権には期待しても仕方ないが、吉田元所長のこんな予言が実際のものになるとしたら、福島周辺はもちろん、日本の周辺海域が放射能汚染水で死の海になってしまうかもしれないのだ。 「一つがダメになると、連鎖的に瓦解する。原発が次々と爆発したように……」  「福島第一原発の危機は終わっていない」「国民の知る権利を封じる秘密保全法案に反対」という特集が載る日を、心待ちにしているのだが。 (文=元木昌彦) ●もとき・まさひこ 1945年11月生まれ。早稲田大学商学部卒業後、講談社入社。90年より「FRIDAY」編集長、92年から97年まで「週刊現代」編集長。99年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長を経て、06年講談社退社。07年2月から08年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(2006年8月28日創刊)で、編集長、代表取締役社長を務める。現「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催、編集プロデュースの他に、上智大学、法政大学、大正大学、明治学院大学などで教鞭を執る。 

「第2の原子力ムラ」と化した製薬業界の闇と、寄生する“マスゴミ”の醜態

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「週刊ポスト」(小学館)
今週の注目記事1 「問題の薬品メーカーとベッタリだった日経の『言い訳』」(「週刊現代」8月31日号) 「東大教授が爆弾告発!『白い巨塔は第二の原子力ムラと化した』」(「週刊ポスト」8月30日号) 同2 「中国人社員に機密文書を盗まれた日本の有名企業30社」(「週刊現代」8月31日号) 同3 「中国・韓国は日本を千年恨み続ける」(「週刊ポスト」8月30日号) 同4 「amazonが日本の大新聞を買収する日」(「週刊ポスト」8月30日号) 同5 「ニッポン郷土大紛争『あの町だけは許せねェ!』」(「週刊ポスト」8月30日号) 同6 「死ぬことは怖くない 死後の世界は必ずあるから」(「週刊現代」8月31日号)  土曜日(8月17日)に発売された現代とポスト。現代は特大号ではないが特別定価で420円。ポストは400円。私が買った中野駅の「NEWDAYS」では現代がポストの倍積まれてあったが、20円の差は響かないのだろうか。  現代のW袋とじ。一方は「中島知子 衝撃のフルヌード」。これはフライデーの二番煎じ。  もう一つの「新企画 動くフルヌード 壇蜜の美乳を揉みまくる」は何が動くのかと思って開けたら、何のことはない。壇蜜主演の映画『甘い鞭』のURLがあって、そこへ飛べば週刊現代独占の動画が見られますという仕掛け。  だが、ポストの「武井咲 美しすぎる20歳」もどうということはない。  前半後半合わせて16ページのポストの大特集は「丸ごとエロ実話 投稿雑誌『性生活報告』の世界」。この雑誌、購読者は70歳以上という性生活報告雑誌で、発売元はサン出版。現在も部数1万部以上を誇る熟年投稿雑誌だという。  たしかに熟練の作家にはない生々しさはあるが、この猛暑の中では読む気が起こらない。  読む気が起こらないということでいえば、残念だが週刊朝日は丸ごと読む気が起こらない。この雑誌は読者のほうを向いて作っていないのではないか。そう思えてならないほど、今号は読むところがなかった。  さて、今週の注目記事の最初は“時期もの”で死後の世界を扱った特集からいこう。  人間死んだらどうなるのかは人類最大の疑問である。死後の世界は必ずあるというのは京都大学こころの未来研究センター教授のカール・ベッカー氏。 「文化に関係なく、あの世のイメージで最も多いものは、『花園』『庭園』『広い草原』、そして『トンネル』です。ただ、あの世とこの世の境が日本では三途の川ですが、砂漠地帯のアラビアなどでは臨死体験者の多くが『燃える砂漠』があったと証言しています。また、海に囲まれたポリネシアでは『荒れた海』が、切り立った崖が多いスコットランドでは『断崖絶壁』が、あの世との境界になっている。こうした現象を、バリア体験と呼んでいます」  ベッカー氏は51年、米国シカゴに生まれ、ハワイ大学で宗教哲学の博士号を取得後、大阪大学、筑波大学の教員などを歴任。92年に出版した『死の体験──臨死現象の探求』(法蔵館)は、作家の遠藤周作氏から「臨死体験について書かれた最高の一冊」と絶賛された。  こんな奇跡があったと現代が紹介している。 「当時15歳の少年・A君の事例だ。A君はある日、学校帰りにバスを降りたところで自動車にはねられ、頭蓋骨から脳の一部が飛び出すほどの重傷を負い、49日間も生死の境をさまよった。  だが50日目、奇跡が起きた。意識が戻ったのだ」  ベッカー氏が駆けつけ、A君から話を聞いた。 「私が会ったとき、A君は人工呼吸器も外れ、話ができる状態になっていました。彼いわく、意識を失ってる間に“暗いトンネル”を3回ほど通ると長い“川”に出て、船でその川を遡った、と。すると向こう岸に“花園”が見えたので、船を降りてそこで遊ぼうとした。ところが、知らないお爺さんが出てきて『お前はXか』と聞かれた」  Xというのはその少年の名前だ。話を続ける。 「話を聞いたA君のお母さんは、その容姿や動作、話し方が、自分の祖父に非常に似てることに驚き、A君に古い写真を見せました。A君はそれまで、曾祖父と会ったことも写真を見たこともなかったはずなのに、写真を見るや『この人だ』と言ったのです」  人は死を恐れる。だから死の直前、死の恐怖と苦痛を緩和するために、脳はその主に一種の“夢”を見せるのだという考え方もあるそうだ。  だが、死の淵から生還した多くの人たちがいっていることにも何らかの“真実”があるのではないだろうか。死ねば無である。そう考えている私でも、ちょっぴり死後の世界を信じたいと思っている。ベッカー氏はこういっている。 「先に亡くなった肉親らがお迎えに来るのだから死はまったく怖くない。それを知れば、残される人も『いずれ愛する人のところに行ける』と安心し、死に対する恐怖が減ります。肉体は死んでも、故人の意識は別の世界に行くのだという気持ちになれば、日本でしばしば起きる、遺族の後追い自殺などの悲劇もなくなるでしょう。病気と闘うのは良いが、死と闘おうとしても勝てません。少々の延命はできても決して死は直せないのだから」  この記事を取り上げようと思ったのは、私と一緒に仕事をしていた講談社の元『フライデー』編集長で現・編集総務局長の谷雅志さんが亡くなったからでもある。享年58歳。8月16日の通夜に行ってきたが、講談社関係者はもとより、彼の人脈の広さを示すように、門前仲町駅近くの富岡斎場は人であふれた。  現代の「音羽の杜から」で藤田康雄編集長はこう書いている。 「谷雅志さんが亡くなった。享年58歳。谷さんは新入社員時代の小誌デスク。一番印象に残っているのは、渡辺謙氏インタビュー。取材窓口の対応はけんもほろろ。谷さんに相談したら、2~3本電話をして、あっという間に取材のアポをとってくれた。その人脈は政界、財界、芸能界、至るところに張り巡らされて、色んな人を紹介してくれた。どうすれば谷さんのような編集者になれるのか、途方に暮れた新人時代を思い出す」  この歳になると、自分より若い人の死は応える。  ポストで小沢一郎氏のインタビューを多くしていた渡辺乾介氏も亡くなった。享年69歳。彼とは若い頃よく一緒に遊んだ。当時から政界通で、多くの人脈をもっていた。  宮崎吉政さんのところの秘書をやっていた今村富也さん、中曽根康弘総理の秘書だった築比地さんたちと一緒に、赤坂、銀座を飲み歩いたものだった。何をやっても面白い時代だった。  そういえば谷さんの通夜でフライデーの編集者からこういわれた。 「元木さんが以前、フライデーが休刊するかもしれないと書かれたので、社外から問い合わせが多く来て大変だったんですよ」  私の真意は、休刊しないよう頑張ってという励ましのつもりだったが、編集部には少し迷惑をかけたようである。ここでお詫びしておく。  ポストの「ニッポン郷土大紛争」が意外におもしろい。  NHKの大河ドラマ『八重の桜』は明治維新を「敗者」である会津藩の視点から描いたものだから、新政府軍の中核である長州藩が会津に対して行った仕打ちが残酷なものとして描かれている。だが約150年の時を経ても長州山口県と会津福島県の遺恨は、現在に至ってもまだ続いているのは有名である。  日本全国、そうした「郷土紛争」ともいうべき争いが各地であるというのだ。 「青森vs.八戸の津軽藩、南部藩の時代からの小競り合い」青森や弘前は津軽藩で八戸や下北半島は南部藩。八戸の人は戊辰戦争であっさり官軍に寝返った津軽藩は信用できないと考えているそうだ。 「山形vs.宮城の『牛肉醤油味』vs『豚肉味噌味』芋煮対決」。芋煮は牛で醤油味が基本。豚で味噌味というのは芋煮というより豚汁だ山形県人はいっている。 「浜松vs.宇都宮の『餃子の街』を賭けて激突」。浜松が06年に突然「餃子の消費量日本一」と名乗りを上げたのには驚いた。戦後引き上げてきた兵隊が中国で覚えてきた餃子を作って広まったという説があると、宇都宮の餃子日本一、こっちのほうがおいしいと譲らない。  他にも「山梨vs.新潟の信玄vs.謙信の『川中島の戦い』の恨みが今も」「大分vs.群馬の『おんせん県』の名称を巡って大バトル」「兵庫vs.大阪の阪神タイガースの“地元”を巡ってファンが大論争」「高崎vs.前橋の新幹線停車駅と県庁所在地はどっちが都会?」「山梨vs.静岡の世界遺産・富士山頂はどっちのもの!?」「彦根vs.薩摩の今も残る『桜田門外の変』の恨み」「兵庫vs.愛知の『赤穂浪士』と『吉良上野介』の怨念」などなど。  アマゾンのジェフ・ベゾス氏(49)が2億5,000万ドルでアメリカの名門新聞ワシントン・ポスト紙を買収したニュースは世界に衝撃を与えた。  その2日前にはボストン・グローブ紙が7,000万ドルで身売りすると発表していた。  ポストはアマゾンが日本の新聞の買収まで目論むのではないかと報じている。 「もはやジリ貧だった。アメリカの日刊紙発行部数は、80年代まで6200万部を保っていたが、ネット登場後に激減し11年には4442万部へ激減。ワシントン・ポストも最盛期の半分の40万部に落ち込んでいた。  皮肉にもそこに手をさしのべたのが、ネット企業の王者、アマゾンCEOのベゾス氏だっただけに買収劇は憶測を呼んだ」(ポスト)  今回はベゾス氏個人の買収だが、彼は何を考えて買収したのか。東洋経済オンライン編集長の佐々木紀彦氏はこう語る。 「アマゾンにとって、世界中の人々の購買データは最大の財産。新聞社を持てればアマゾンの持つ顧客データがさらに拡充される。読者がどんな記事を選び何に興味があるのかを把握すればe-コマース(電子商取引)は更に進化する」  顧客データだけではなく、アマゾンのコンテンツの充実を考えていると話すのは、在米ジャーナリスト北丸雄二氏だ。 「アマゾンキンドルに配信するコンテンツの1つ、キンドル・シングルズ(短編電子書籍)に力を入れている。これは新聞や雑誌の記事としては長く、かといって単行本としては短い、1万語~5万語未満の作品を、5ドル未満で販売するというもの。ベゾスはワシントン・ポストの記者にもシングルズで作品を発表させて、この流れを加速させたいのではないか」  米国の印税は25%未満だが、シングルズは70%にもなる。先の佐々木氏はこういう。 「すでにアマゾンの出版部門アマゾンパブリッシングには30人弱の編集者がいて、自前でコンテンツを配信できる態勢を整えている。小売業同様、メディアの“中抜き”を狙ってるのかもしれない」  振り返ってみれば、日本の新聞の部数減、電子版購読者の少なさは悲劇的でもある。  朝日新聞の公称部数は760万部。いずれ来る500万部時代を想定して地方支局縮小に向けて動いているという。  朝日は電子新聞を2年前から導入した。表向き10万突破といっているが、単独で電子版を購読しているのは1割に満たないようである。 「今年5月、アメリカのネット大手AOL傘下のハフィントン・ポスト・メディアグループと合弁会社を作り、ハフィントン・ポスト日本版を開始。ニュースやブログをベースに、ユーザーが意見を交換する参加型コミュニティという触れ込みだったが、期待を大きく裏切った。 『なかなかページビュー(PV)が上がらず早くもハフィントン・ポストへの出資は“大失敗”という声が上がっている』(ジャーナリストの山田順氏)  朝日は紙にかわる新たなプラットフォーム作りを模索するがいずれも失敗。もちろん厳しい状況にあるのは他社も同じだ」(ポスト)  それに比べてウォールストリート・ジャーナルは全購読者208万のうち約4割の89万人が電子版の読者。ニューヨーク・タイムズは190万人の購読者のうち110万人が電子版購読者。  いずれも購読料は月約20ドル(約2,000円)で、日本の半分。日本の新聞界はアメリカに比べて10年遅れているともいわれているそうである。 「いずれ新聞社がアマゾンのコンテンツサプライヤーに成り下がる可能性は否定できない。前出の朝日新聞関係者は呟く。 『発行部数を維持できなくなり、電子版も伸びない新聞社が、アマゾンに記事を配信する“下請け”と化す。これはアマゾンが直接、日本の新聞社を買収するよりも現実的かもしれない」(同)  さらに日本の新聞には弱点があり、さらに悪いシナリオが考えられるというのは北丸氏だ。 「日本語で作られる新聞は海外への訴求力に乏しい。日刊新聞法(51年に施行された法律。新聞社の株式譲渡に制限が加えられているため、買収されにくい=筆者注)に守られているため世の中の動きにも鈍感。欧米からも相手にされず気づいたら根元から腐って再起不能、といった事態にもなりかねない」  このままでは日本の新聞、出版に明日はなさそうである。  安倍晋三首相は8月15日に靖国に参拝するかどうかが注目されていたが、結局見送った。当然ながら「弱腰」だという批判が出ているが、ポストはこう難じている。これが注目記事の3番目。 「6年前の首相在任当時、靖国神社を参拝しなかったのは、『行かなかった』のではなく、険悪化していた日中関係を配慮すると、『したくても参拝できなかった』のだ。しかし、振り返ると、当時の私の判断は『痛恨の極みだ』。今回こそは、中国や韓国の反発を承知した上で、万難を排して参拝する」  安倍はこういう主旨のことをいっていたではないか。 「そう決意しながら、なお参拝を回避したのだから、今回の不参拝はできなかったのではなく、安倍首相が積極的に参拝しなかったといえるだろう」(ポスト)  その上、不参拝を中国側に連絡していたのだから二重の裏切りだと切り捨てる。それはこういうニュースを8月7日のTBSが報じていたからである。 「安倍政権内部では、安倍総理、麻生副総理、菅官房長官、岸田外務大臣の4人については、15日に参拝しないという方針を固めていたことが明らかになりました。(中略)政府関係者によりますと、安倍総理ら4人が参拝しないという方針は、複数のルートで非公式に中国側に伝えているということです」  こうした報道に対して、安倍首相は説明責任があるはずだが、夏休みをとってオバマ流にゴルフ三昧だという。  私は、参拝しなかったのは賢明な選択だと思うが、あれだけ靖国に参拝しなかったことを悔やんでいたのに行かなかったことは、安倍熱烈支持者にとっては「裏切られた」という思いがあるのであろう。結局、この人の“弱腰”“決断力の無さ”は生まれつきで、治る見込みはないようである。  次の注目記事は、現代の日本の大手企業内部文書が大量に中国人によって盗まれていると告発している記事。  以下は中国トヨタ社員の「月別査定基準」と題された資料である。 「出社後にオフィスで朝食を食べた社員は、0.5点減点。就業時間中に勝手に外出した社員は0.5点減点。遅刻早退は1回ごとに0.5点減点。就業時間中に私的な長話をしたり、私的なインターネットやゲーム、株式情報のチェックをした社員は1回発見されるたびに1点減点。オフィスで食べ物を口にしたり、退社時に消灯やパソコンの電源オフ、ロッキングを忘れた社員は、3点減点……」  中国には「百度(バイドウ)」という検索エンジンがあるが、その中のデータ共有サイト「百度文庫」に、膨大な日本企業の資料が流出しているのだという。  現代の取材に対してトヨタ自動車は「現在、事実関係を確認中で、今後は適正に対処します」(同社広報部)、ソニーは「サイト運営会社に対し、不適切なものについて削除を依頼しました。流出対策としては、社員教育を徹底させていきます」(同社広報センター)と答えている。  中国における知的財産権保護問題の第一人者・分部悠介弁護士によれば「私たちが調査した中では、全体の78%は従業員漏洩型」だそうだ。  中国人には自分の会社の文書を他へ渡すことなど、何の痛痒も感じないのだろう。  中国の日系企業9,000社を顧客とする会員制日本語ビジネス月刊誌『日商快訊』の発行人である深セン在住の加藤康夫氏は、日本人の危機管理が甘過ぎるとこう話す。 「例えば、わが社の会員データが入ったパソコンは、LANに繋いでおらず、インターネット回線すら繋いでいません。さらに厳重に施錠し、『このパソコンは厳重に保管されている』と記した顧問弁護士の証明書をパソコンの脇に貼っています。中国ではパソコン一台にしても、そのくらいの警戒心を払わなければ、容易に情報漏洩してしまうのです」  上海にある日系の人材派遣会社の幹部が退職し、その際3万人もの会員データをコピーして、このデータを持っていることを売りにして再就職活動をしていた。面接の時、日本人面接官が「違法入手ではないか」と指摘すると、私は誰もがコピーできるものを持ち出したに過ぎないので、違法行為ではないと答えたという。  広東省の複数の日系企業の顧問弁護士をしていた日本語の堪能な中国人が、仲間と密かに特許会社を設立。顧客の日系企業の先端技術を次々に入手し、中国で特許を取ったり中国の同業企業に売り歩いたりしていたそうだが、これなぞ立派な犯罪ではないか。  先の加藤氏がこうも話す。 「中国はカネがすべての社会なので、カネになるものなら基本的に何でも流出します。特に日系企業の最先端技術に関する機密は危険です。中国企業は、技術を開発する時間と労力を省略するため、日系企業の機密情報をカネで買おうとする傾向が顕著だからです」  自分の愛人だった中国人女性が会社の最高機密をもって退社し、機密を買い取らなければ「ある機関に持ち込む」と脅しをかけたケースもあったという。  ベテランの中国人弁護士はこう言う。 「上海一帯の公安にとって、日系企業の動向は、何よりも欲しい情報です。なぜなら、3,000人の工場を拡張するのか閉鎖するのかといった情報は、地元の雇用と税収、消費などに直結する重要問題だからです。そのため、日本人社長に愛人がいると分かると、その愛人をカネで釣って工作員に仕立てあげていく。これが最近のハニートラップのパターンです。愛人以外にも、ギャンブル好きだったり、借金を抱えているような日系企業の中国人幹部がいれば、公安はすかさず忍び寄ってきます」  中国でビジネスをするというのはつくづく難しいと思う。  今週の注目記事の1番目は、現代とポストがやっている「製薬業界」の闇の問題である。  スイス大手製薬会社ノバルティス(以下ノバ社)が、日本で販売する降圧剤バルサルタン(商品名ディオバン)の臨床試験を依頼した京都府立医科大学に寄付金を出し、同社の社員が身分を伏せて統計解析を担当していて、データの捏造や改ざんをしたのではないかと言われている。  このノバ社は病院だけではなく、メディアへもジャブジャブカネを流し、自分たちに都合のいい記事を書いてもらっていたのだと、現代は告発している。 「このバルサルタンが大問題を引き起こしている。効能の証明として09年に京都府立医科大学が発表した論文の、『血圧を下げる以外に、他の降圧剤より脳卒中を45%、狭心症を49%減らす効果がある』という研究データが、ノバ社の元社員によって不正に操作されていたのだ。  論文発表以来、その効能が関心を呼び、また日経メディカル誌上でのキャンペーンも奏功して、毎年1000億円以上を売り上げ、ノバ社のドル箱商品となったバルサルタン。しかし、その効能がとんだインチキだったと判明したのだから、医療界、さらに薬を服用していた患者に与える衝撃ははかり知れない。  東京慈恵会医大、滋賀医大、千葉大、名古屋大においても元社員の研究への関与の可能性が指摘されているノバ社。同社は現在、今月9日に始まった厚労省による検討委員会によって、一連の疑惑を追及されている。  だが、忘れられていることがある。この薬を専門誌上で宣伝しまくった、日経の責任である」(現代)  日経BP社が発行する医療専門誌「日経メディカル」は、バルサルタンを賛美した企画記事や関連記事、ノバ社からの広告で相当潤ったという。  現代の試算によれば、09年から現在までに、少なくとも1億円以上の金が「日経メディカル」に広告収入として入った計算になるという。  その上、厚労省が立ち上げた、ノバ社の疑惑を検証する検討委員会のメンバーに、当の日経BP社の社員である宮田満氏が含まれているというのだ。  宮田氏の選出によって委員会の信頼性を失うとするのは、同じく検討委員に選ばれたNPO法人臨床研究適正評価教育機構理事長の桑島巌氏である。  また日経BPの認識は甘過ぎると批判するのは弁護士で企業コンプライアンスの専門家・郷原信郎氏だ。 「今回の問題は、バルサルタンのプラスアルファの効能に関する研究データの不正操作にあった。そのため『誇大広告の禁止の規定』(薬事法)への抵触が考えられます。(中略)  いずれにせよ、刑事事件にまで発展する可能性がある悪質なものです。日経は、ノバ社との利害関係が疑われているという自覚を欠いていると言えるでしょう」  先日、慶應大学病院の近藤誠氏にビジネス情報誌『エルネオス』のインタビューで会ったが、その際もこの問題が出た。近藤氏はこう語っている。 「ノバルティスの問題で言うと、あれは試験に製薬会社の社員がかかわって統計解析までやっていたのに、そのことを公表してなかったことが問題だと、まずそこから始まりました。利益相反とは両方の代理人になるという意味なんだけど、一人の人間が製薬会社の代理人で論文を書く人でもあるというのは利益相反行為です。  多くのがんの論文を見ると利益相反だらけなんです。なにしろ製薬会社の社員が何人も堂々と著者の欄に名前を連ねている。本来、製薬会社の社員が統計解析にかかわってたら、それはおかしいと、その論文は排除されるべきなんだけれど、実際にはそういう論文が欧米の超一流雑誌に載ってしまう。だから次々に出てくる新薬というのは全然信用できないわけです」  製薬メーカーを頂点に、病院、医師、官僚、それにメディアまで絡め取られている構図は、原子力ムラと同じなのである。  ポストでは東京大学医科学研究所先端医療社会コミュニケーションシステム社会連携研究部門で、医療ガバナンスを研究している上昌広特任教授が、白い巨塔は「第二の原子力ムラと化した」と告発している。  薬価は政府が一律に決めて、製薬会社は自由な値引き競争ができない。そこで以前は、医者たちを飲ませ食わせする「接待合戦」が行われていたが、最近は製薬協(日本製薬工業協会)が定めたガイドラインができたため、おおっぴらな接待ができなくなった。そこで製薬会社が考えたのが「奨学寄付金」だという。 「奨学給付金とは、製薬会社から大学に研究費を提供できる制度で、バルサルタンの臨床研究も、ノバルティスファーマ社から提供された奨学寄付金が使われました。京都府立医大など5大学に対して支払われたのは計11億3290万円にものぼっています。  奨学寄付金は一見、研究支援のように聞こえますが、実態は製薬会社の営業経費です。大学担当の営業担当者が持っている予算で、自社製品の処方と引き換えに、“研究に使ってください”と医師に持ちかける。読売新聞の拡張員が巨人戦のチケットや洗剤を持っていくのと同じです」  また今回の事件の背景にはこういうことがあるという。 「バルサルタン事件に加担した教授たちは予算がなく、製薬会社の言いなりにならざるを得なくなった。その一方、東大や国立がん研究センターは予算があるから、まともに研究しない医師は余ったカネを不正に使う。予算配分や価格統制権を一部の官僚たちが握ってしまってることの弊害です。(中略)  いまこそ、医療業界の膿をすべて出すべきです。すべての問題を徹底調査し、もう一度医療への信頼を取り戻さなければなりません。  原子力ムラの経年劣化が、福島第一原発事故という悲劇を招いたといわれます。次々と発覚する医療問題は、官僚、大学、製薬会社がつくりだす『白い巨党ムラ』が崩壊を迎えつつある予兆なのかもしれません」  原発の次には医療という巨大なムラを解体し、利権をむさぼる輩たちを一掃しなければいけない。もちろんそこに寄生しているマスゴミも含めてである。 (文=元木昌彦) ●もとき・まさひこ 1945年11月生まれ。早稲田大学商学部卒業後、講談社入社。90年より「FRIDAY」編集長、92年から97年まで「週刊現代」編集長。99年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長を経て、06年講談社退社。07年2月から08年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(2006年8月28日創刊)で、編集長、代表取締役社長を務める。現「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催、編集プロデュースの他に、上智大学、法政大学、大正大学、明治学院大学などで教鞭を執る。 

ただのおバカじゃなかった! 楽天・マー君を支える、里田まいの良妻賢母っぷり

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「週刊新潮」8月15・22号 中吊広告
今週の注目記事 「反原発ヒーロー『山本太郎』に私は無理矢理乱暴された!」(「週刊新潮」8月15・22号) 「現役ヤクザが衝撃の告白!!『俺は飛鳥涼に3年間シャブを売った』」(「FLASH」8月20・27日号) 「田中将大15連勝を支えた 里田まい『あげまんレシピ』全公開」(「週刊文春」8月15・22号) 「AKBグループ宮澤佐江に熱愛発覚!」(「週刊文春」8月15・22号) 「裸の女王様 吉永小百合が葬り去った『多情交友』の履歴書!」(「週刊アサヒ芸能」8月15・22号)  8月8日に「J:COM」がやっている「J:テレスタイル」という昼の番組に出てきた。吉永小百合について語ってくれというのだから出ないわけにはいかない。 ゆりかもめで「テレコムセンター駅」まで行ったが、暑いこと。着くまでに命を消耗してしまった。  番組は、吉永小百合へのインタビューで、彼女自身がターニングポイントになったと思う映画を5本挙げて、それに私が感想を述べるというものだった。彼女が挙げたベスト5は、渡哲也と初めて共演した『愛と死の記録』。4位が吉永小百合が殺人犯になる女を演じ、セックスシーンもふんだんにある(本当は思わせぶりなだけだが)『天国の駅』。第3位は高倉健と初めて共演した『動乱』。2位はなかにし礼原作の『長崎ぶらぶら節』。1位はNHKのテレビドラマ『夢千代日記』だが、確かに映画よりもこっちのほうがずっといい。  私に不満だったのは、われわれ由緒正しいサユリストが選ぶであろう、彼女のベスト『泥だらけの純情』『キューポラのある街』『愛と死をみつめて』、それに寅さんの『男はつらいよ 柴又慕情』が一本も入っていないことだ。  チャンネル銀河というところで吉永小百合特集をやるので、それに沿った映画を選んだから仕方ないのだが、私には不満の残る作品ばかりである。  彼女の映画は大きく分けて、20代までとそれ以降とに分けられる。10代最後は『愛と死をつめて』だが、いい作品はこちらに多い。  20代以降は伴侶にも恵まれず(これはこちらの僻みだが)、作品にも恵まれていない。先日の『北のカナリアたち』など惨憺たる出来であった。もともと彼女は演技がうまいわけではない。20歳まではそれでも地がそのまま演技になっていて、それが素晴らしかったのだが、後年は吉永小百合そのままで出ている寅さんの第1作はいいが、その他で演技力を見せているのは『天国の駅』ぐらいのものだろう。  アサヒ芸能でお騒がせ作家・中平まみ(かつて彼女の父親が『泥だらけの純情』『光る海』など吉永の主演作を監督した中平康だったため、吉永小百合とは親しかった)が「近年の彼女は、平板でただおとなしく演じているだけで、ハットさせる魅力がない」と言っているが、この点に関しては彼女の言う通りである。  アサ芸のタイトルはおどろおどろしいが、中身はさして新しいことがあるわけではない。  かつて吉永とロマンスの相手として噂されたのは山本學、山本圭、浜田光夫、中尾彬、加藤剛、石坂浩二、渡哲也などがいるが、中平はこう言う。 「山本學・圭兄弟への思いは相当強かったでしょうね。新劇系の人には弱いから。加藤に対しては『なんて立派な顔の人だろうと思った』と言い、好きだという気持ちは伝わっていたものの、婚約者がいた加藤は困惑していた、と」  私が知る限り一番熱烈に愛し合ったのは渡であったが、両親の猛烈な反対に遭い、あきらめざるを得なかった。渡が結婚したときは三日三晩泣き明かした末に、ひとりでヨーロッパ傷心旅行に出ているという。  親への反発があったため、28歳の時、15歳も年上のテレビディレクターと結婚してしまうが、私が思うに、この結婚は小百合のイメージを損わなかったという意味では、よかったのではないか。  だが、結婚後の彼女の映画には見るべきものは少ない。  中平は吉永小百合に向けて、こんなメッセージを寄せている。 「『奥の院』にひっそり納まらず、貴女の本領であった天衣無縫、自由奔放とおきゃんな部分を取り戻し、本当の復活を!」  68歳の吉永小百合には、もはや失うものなどないはずである。自分をさらけ出し、これまで出し惜しみしてきた演技力を全開にした映画を見てみたいものである。彼女にはそれができるはずだ。サユリストからの切なる願いである。  文春一手販売のAKB48スキャンダルは、今週も好調である。「ゲンキング」の愛称で親しまれている宮澤佐江(22)。6月の総選挙では6万5,000票以上を集め、見事10位にランクインした。それまで上海のSNH48とAKBの兼任だったのを、自ら「SNH一本でいきたい」と発言したという。  現在AKBは全国ツアーの真っ最中だそうだが、札幌ドーム公演では空席も目立ち、さすがのAKBも国内での人気は頭打ちの感があると文春が書いている。  そこで運営側が期待を寄せているのが、中国市場。宮澤は期待の星なんだそうだ。  その宮澤に「熱愛発覚!」したのだから、運営側は頭が痛いことであろう。お相手は深澤辰哉(21)。通称“フッカ”といわれるジャニーズJr.の一員で、人気ユニット「Snow Man」のメンバーである。  交際は約1年になるという。 「交際は“ガチ”ですよ。佐江の通った高校には、一つ下にフッカと同じユニットの親友・渡辺翔太(20)がいました。彼は指原をはじめAKBメンバーと仲がよくて、佐江も彼から紹介されて、二人は繋がった。(中略)今じゃ、二人は金のペアリングをしたり、同じメーカーの銀のブレスレットを身に付けたり。内緒にしているつもりでも交際はすぐ身内に広まりました」(深澤の友人)  グラビアにも深澤が宮澤のマンションに出入りし、一夜を過ごしたのではないかと思われる二人の写真が掲載されている。  恋多きAKBメンバーにとって「恋愛禁止」などどこ吹く風のようである。  開幕から新記録となる16連勝(文春の記事作成時点では15連勝だった)と快進撃を続けている東北楽天ゴールデンイーグルス・田中将大投手の妻は、「あげまん」だという文春の記事。  イチローの奥さんが作るカレーは有名だが、元おバカタレントの里田まいは、田中のためにスポーツに役立つ食事学を学び、昨年春にはジュニア・アスリートフードマイスターの資格を修得しているという。  もともと里田は料理のイロハも知らなかったのに、勉強熱心で、今では腕前はプロ級だそうである。料理教室の関係者がこう話している。 「高タンパクで良質な筋肉を作る鶏肉のレパートリーが多く、鶏肉ハンバーグとチキンステーキはお店に出せるレベル。出し方にも気をつけているらしく、生野菜、スープ、主菜、炭水化物、という順に食べると体が効率よく栄養素を吸収するので、その順に、コース仕立てで出すこともあるようです。あとは、おニ人ともご飯が大好きなようで、土鍋で炊いたりして、かなりこだわっている感じです」  里田は3年前から佐渡島で「里田米」プロジェクトをスタートし、自ら田植えや稲刈りをしたものを「里田米」として販売しているそうだ。  5つ年上の姐さん女房が田中の力の原動力だとすれば、来季、大リーグに挑戦しても十分闘えるだろう。楽しみだ。  先週の文春の人気デュオ「CHAGE and ASKA」のASKAがクスリ漬けだという「シャブ&飛鳥」はタイトルもさることながら、内容的にも衝撃度はすごかった。  記事に対してASKAの所属事務所側は8月1日、公式サイトでこう発表した。 「報道内容は事実に反しており、大変遺憾です。弊社としてはこれらの報道に対し、厳重に抗議します」  「厳重抗議」ではなく、事実でないのなら文春を告訴すべきであろう。ASKAの音楽生命が絶たれるかどうかの瀬戸際である。8月5日時点では「抗議さえ来ていない」と今週の文春は書いている。  FLASHで現役ヤクザが衝撃の告白をしているが、こちらの内容もスゴイ!  告白しているのは文春の人間とは違う人物。そのA氏は、2008年7月に携帯電話を手に入れる。そこには覚せい剤を購入している「お客」の携帯番号が70~80人登録されていたという。「売(ばい)専用の携帯電話」だ。  手に入れてから数日後に「ASKA」と表示される番号から電話。「どれくらいいるのか?」と訊くと、「10個」だという。先方から「値段は70万円でいいか」と言ってきた。相場の倍ぐらいになる。  最初は代理の人間が取りに来た。わずか1週間後に同じ量。その後はASKA本人から電話がかかり、赤坂にある高級ホテルの部屋に直接届けにいったというのである。  その男はこう話す。 「注射器の目盛りは、クスリを0.1グラム入れると1のところになる。飛鳥は一度に2.5の目盛りまで入れて打つんだ。最初に注射器にクスリを入れて、そのあと注射針で水を吸い取って溶かす。1グラムを4回に分けてそれを一日で使っちゃう。普通はだいたい1日に0.3グラム程度。1日に1グラムは致死量だと言われているんだけどね」  売人でも驚く量を打っていたようだ。  今年の4月頃、これ以上やると逮捕されると、男のほうから取引を終わりにすると言ったという。  今回コンサートを中止した理由は「ASKAが一過性脳虚血症と診断された」ことだが、脳の専門医によると「覚せい剤の常用者は一般の人より脳梗塞やその前兆である一過性脳虚血症になりやすい」という。  ここまで追い込まれた飛鳥が、これからどうするのか。警察も動かないわけにはいかないのではないか。  反原発を訴えて参議院選挙で見事当選した山本太郎議員のスキャンダルを、新潮が巻頭でやっている。これが今週の1位。  その中で、ある芸能プロダクションの幹部がこう話す。 「山本太郎は16年前、僕の知り合いの子をレイプしたんです。当時彼女は17歳だった。今回、その子から“あんな男が政治家になるのは許せない”と連絡がありました。しかもあの時、山本はヤクザの組名を出し、スキャンダルを揉み消したのです」  レイプされたという彼女も、こう語っている。 「太郎さんが突然、“鬼ごっこしようよ。ペアに分かれてさ”と言い出しました。私たちは“こんな時間に鬼ごっこ?”と思ったんですけど……。すぐに彼の友達が智美ちゃんの腕を掴んで、“さあ、早く逃げよう”と強引に連れていっちゃったんです。  しばらくはニ人で話をしてたんですが、会話が途切れた瞬間、彼は後から両腕をガッと掴んできて。そのまま私の体を持ち上げて、自分の膝の上に向こう向きのまま、乗せたんです。もちろん私も必死で抵抗したんですが、とにかくすごい力で……」  この件に関して山本氏は否定しているが、若い頃のヤンチャぶりはこう語っている。 「22歳で俳優をやっていて、正直、モテなかったわけじゃないです。たしかにやんちゃはしていましたけど、これまでの人生の中で、嫌がる女性に乱暴した上で無理矢理、関係を結んだことは一度もなかったんです」  事実関係がよくわからないからなんともいえないが、16年も前の古傷を持ち出されてもなぁ~と、同情できるところもないではない。  しかし、次のことは「有権者をナメているのか」と怒りが沸いてくる話である。  山本氏は参院選挙中「僕は国家権力と戦っている。いつ狙われたり、足をすくわれるか分からない」「妻は、僕の母と一緒にフィリピンに行っています。選挙は僕の戦いだから、妻まで巻き込みたくないので」と言っていたのに、とうに離婚していたというのである。  妻とは昨年5月、当時19歳だったプロサーファーの朱璃さん。現在、彼女は大阪・北新地のキャバクラで働いているのだ。店のホステスがこう話す。 「彼女は、昨年10月頃から、新地のうちのキャバクラに勤めています。最初はこちらもビックリしましたよ。面接の際、スタッフが年齢確認のため、パスポートのコピーを確認しているから、朱璃さん本人に間違いない。彼女自ら店の幹部に“実は、私は山本太郎の妻でした。他人に知られると騒ぎになるから、それを隠してお仕事したいんですが、バレないでしょうか。今まで彼の大阪の実家で義母と暮らしていましたが、もう籍を抜いたので、そこを出ないといけません。お金がいるから、ここで働かせてください”と言っていたそうです」  「妻はフィリピンにいる」は真っ赤な嘘だったのだ。山本の母親との折り合いが悪かったようで、わずか数カ月で離婚に至ったようだ。芸能記者がこう言う。 「太郎のお母さんは気性が激しく、理解されにくいところがある。母親が同居する限り、彼が他の女性と普通の結婚生活を送れるわけはないと思っていました」  反原発の闘士に早くも土がついたようだ。 「今年7月の参院選(東京選挙区)で初当選した山本太郎参院議員(38)は6日記者会見し、『昨年8月に離婚していた』と明らかにした。山本議員は昨年12月の衆院選に東京8区から立候補(落選)した際に、取材に対し『母親と妻と3人暮らし』と回答していた。事実と異なる説明をしたことについて、『有権者や支持者に黙っていたことについて罪の意識を感じる。申し訳ありませんでした』と謝罪した」(8月7日付読売新聞)  ゴメンで済めば警察はいらない。有権者が候補者を選ぶときには、離婚情報も有力な判断基準になる。それを隠したままでは、有権者を欺いていたといわれても仕方あるまい。  この問題についてはフライデーもやっている。内容は新潮を超えるものではないが、離婚費用が弁護士を立てての協議離婚で、山本が払った慰謝料は200万円。それとは別に母親の乃布子(68)さんが100万円出しているそうだ。  新潮が書いた17歳の少女を無理矢理暴行したという件は否定しているが、こんな強がりを言っている。 「『行為は5分で終わった』と書いてありますが、ボクはそんなもんじゃない(苦笑)」  山本の“マザコン”が離婚の一因だといわれているがという質問に母親は否定し、山本とは友達や同志みたいな関係だと答えているが、山本は「否定しません」とはにかんだという。  山本の著書には「恥ずかしそうに乃布子さんにキスをしている写真もある」(フライデー)。それにしてもマザコンでスピード離婚とは……いやはやではある。 (文=元木昌彦) ●もとき・まさひこ 1945年11月生まれ。早稲田大学商学部卒業後、講談社入社。90年より「FRIDAY」編集長、92年から97年まで「週刊現代」編集長。99年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長を経て、06年講談社退社。07年2月から08年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(2006年8月28日創刊)で、編集長、代表取締役社長を務める。現「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催、編集プロデュースの他に、上智大学、法政大学、大正大学、明治学院大学などで教鞭を執る。 

TBS安住紳一郎アナに、初のセックススキャンダル「コンドームとキャベツ太郎と、美人OL」

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「週刊文春」8月8日号 中吊広告より
今週のグランプリ 「シャブ&飛鳥の衝撃」(「週刊文春」8月8日号) 今週の注目記事 「CM出演『一流女優たち』は白斑化粧品を使っていたのか?」(「週刊新潮」8月8日号) 「裏切りの総理官邸を『ヘイトスピーチ』が包囲する日」(「週刊ポスト」8月16・23日号) 「スクープ 大逆転!2020年オリンピック 東京に内定」(「週刊現代」8月17・24日号) 「安住紳一郎の元カノ告白『コンドームとキャベツ太郎の夜』」(「週刊ポスト」8月16・23日号) 「週刊現代VS.週刊ポスト『袋とじ対決』」  8月4日から5日にかけて福島県の川内村へ行ってきた。川内村は約4割が原発20キロ圏内で、避難指示解除準備区域、居住制限地域など複雑に分かれている。  村の復興対策課の井出寿一課長に、3.11当時の「何度も死を覚悟した」緊迫した状況の話から、帰村が認められた地域でも、まだ半数以上の人たちが戻ってこない現状まで、ユーモアも交えて話していただいた。遠藤雄幸村長とも、短時間ではあったが話をすることができた。除染作業は進んではいるが、まだ農業地域は0.2%程度で、村民が生活していくための企業誘致もいくつかは進んでいるが、雇用数でいったらまだわずかである。  帰りに富岡町から楢葉町を川内村の知人に案内してもらって回ったが、地震、津波、原発被害の三重苦に見舞われた町は、被害当時の爪痕を残したまま静まりかえっていた。  楢葉町だったと思うが、荒れ果てた海岸の壊れた堤防のすぐ後ろに、ポツンと一棟だけ残っている3階建ての白亜の豪邸がある。知人によれば、キムタクがサーフィンをやるために建てた家だそうである。震災前には、たびたびキムタクがサーフィンをやっている姿が目撃されたという。頑丈に造られたのであろう。ほかの家屋は流されたり潰されたりしたのに、その豪邸だけが、外見からは何事もなかったかのよう仁王立ちしている。だが、主のいないその豪邸は、津波の被害のすごさを後世に伝えるモニュメントのように思えた。  6日、広島市で平和記念式典が開かれたが、松井一實市長の平和宣言がなかなかよかった。核兵器を「非人道兵器の極みであり、『絶対悪』」とし廃絶を訴え、政府が進めているインドとの原子力協定交渉に懸念を表明したのである。  そのときの、安倍晋三首相の顔をしかめるような表情が見物であった。原爆で多くの住民が殺されたにもかかわらず、核の平和利用という偽りの美名によって多くの原発を作り続け、福島第一原発事故という最悪の結果を招いた。それなのに、また原発再稼働に踏み切ろうとしている安倍自民党政権への批判の声を、もっと強めていかなければいけない。「世界第3位の経済大国日本は、自らが作り上げた原発のために亡びた」と、世界の国の歴史教科書に書かれないためにも。  今週は現代とポストが合併号である。まずは、二誌の売り物である「袋とじ企画」の勝者を決定してみたい。  現代は「史上もっとも危険なグラビア 世界初 3Dプリンタで作った触れる外陰部」。ポストは「医学のための女性器写真」。ともに女性のアソコに絞った企画である。  あわよくば、袋とじを開ければアソコの実物写真が飛び出してくるのではないか。当然ながら、そういう期待は見事に裏切られる。  現代は3Dプリンタという、いま最も注目されているIT機器と女性器を結びつけたところに「苦心の跡」がうかがえる。  ポストのほうは、かつて8330もの女性器を写真に撮った「禁断の医学書」があったという前ぶりで、あたかもその医学書を掲載しているかのように書いているが、そのようなものを掲載できるわけはない。  多少苦心の跡がうかがえるということでいえば現代に分があるが、どっちもどっちもであろう。それよりも現代のカラーグラビア「最高のヌードコレクション」の関根恵子と鰐淵晴子がいい。何度も見た写真ではあるが、いま見ても色あせていない。  ポストの「秋吉久美子」もだいぶ古いものがあるが、こちらも見て損はない。  今週の注目記事の最初はポスト。TBSのエースアナウンサー・安住紳一郎氏(40)のセックススキャンダルである。  元カノが告白しているのだが、話しはやや古く、出会いが04年の秋で、4年ほど続き自然消滅したという。いくら当代人気の独身アナとはいえ、少し可哀想な気がするほど告白内容は赤裸々である。彼女は33歳の美人OLらしい。少し紹介してみよう。 「安住さんは警戒心が強い人なんですが、それはエッチの時も同じ。必ずコンドームを着け、行為が終わった後は精液の溜まったゴムをじっと眺めます。そしてゴムの口を縛ってブンブンと振り回すんです。何をしているかというと、ゴムに穴が空いていないかをチェックしているんです。(中略)  家でイチャイチャしていて、いざ、という雰囲気になった時、ゴムがないことに気づいたんです。わたしはこのままでもいいかなって思ったのですが、彼はサッと下着を穿いて、“コンビニまでダッシュするよ”と、家を飛び出していきました。(中略)それだけを買うのが恥ずかしいのでしょう。缶ビールや缶チューハイと一緒に大好物の『キャベツ太郎』というスナック菓子を買ってきていました。それを4、5袋も買い、一晩で食べきっていました」  安住アナの用心深さが、彼女選びにも発揮されていたらと思わざるを得ない。これから安住アナは「キャベツ太郎ちゃん」と呼ばれること必定であろう。  お次は現代の“大スクープ”。何しろ、2020年のオリンピックの開催地に東京が決まったというのだから。  このところの現代の“勇気”には、驚かざるを得ない。アベノミクスで株高・円安が始まった頃、いち早く株を買えと煽り、一時は日経平均株価が4万円もあるぞ! と大きくタイトルを付けて、ビックリさせられた。  直後に株の暴落が始まると、今度は一転して株を買うな、アベノミクスは危ないという記事を、読者への説明責任なしに始めたのには、こちらも拍子抜けした。  それから比べると、今回の記事はそれほどの大博打ではない。候補地はトルコのイスタンブールとスペインのマドリードと東京の3都市だけだからである。確率は3分の1。悪い賭ではないが、猪瀬直樹都知事がほかの候補地を“批判”する発言などもあり、東京の確率は少ないと思っている私のような者には意外な報道だ。  さすれば、よほどの根拠があるのかと読んでみたが、どうしてこれで東京に内定したといえるのか、という内容である。  要は、招致推進議員連盟の会長を務める麻生太郎副総理兼財務大臣が「確たる情報を得ているのでしょう」(現代)というだけなのだ。9月7日のIOC総会の投票で決定されるが、大勢は決したと、財務官僚たちが開催決定を前提に動き出しているというのである。  イスタンブールはトルコ情勢が不安定なため、私もどうかなと思っているが、マドリードがダメだという理由の中に「スペインでは7月24日に列車事故が起き、79名もの死者を出したばかり。(中略)オリンピックにおける大量の人員輸送を考えれば、鉄道の安全対策不備は大きなマイナス要因となった」(現代)というのは肯きがたい。  東京だって、福島第一原発事故の影響で放射能汚染の心配がある。外国から見れば、福島と東京は指呼の距離であるはずだ。  誌面の大半は、決まったとしたらどんなことが起きるのかということに割かれている。前提があやふやなので、これ以上読み進める気にならない。  東京の可能性はゼロではないと思うが、合併号の巻頭特集としてはいかがなものであろうか。現代OBとしては、当たることを祈ってはいるが。  ポストは、安倍首相がこれから行おうとしていることは、彼を支持してきた人たちへの裏切りになると難じている。  対中国姿勢について安倍首相は、「変節」してきているという。口では「尖閣問題で譲歩してまで、中国との首脳会談をやる必要はない」と言いながら、外遊先では「中国の首脳と親しく話し合える日を期待している」などと発言し、帰国すると事務方のトップである斎木昭隆・事務次官を訪中させるなど「明らかに日中首脳会談に前のめりになっている」(ポスト)というのだ。  またTPPでも、アメリカとの事前協議で、日本車にかける輸入関税(最高25%)の撤廃を最長10年猶予するという大幅譲歩をしてしまった。  保険業界は長年、自民党に多額の政治献金を行ってきたのに、参院選が終わるや、かんぽ生命がアメリカのアメリカンファミリー(アフラック)と業務提携して、郵便局の窓口で同社のがん保険を販売すると発表してしまったのである。  公明党に対する裏切りは社会保障制度改革だという。自民党は国民の負担を増やしながら福祉を切り捨てていく政策を実行しようとしているが、さらに、都市部の高齢者を地方に移す「現代の姥捨山」政策が官邸の産業競争力会議で議論されているというのだ。  ポストはこう結ぶ。 「国民はそう遠くない将来、この政権が“安倍バンザイ”と叫んでいた人々から突き上げを食う光景を目にするだろう」  そうなっても与党独裁、野党はないに等しい現状では、負け犬の遠吠えを吠え続けるしかないのかもしれない。  新潮は、カネボウの美白化粧品のCMに出ていた「一流女優たちは白斑化粧品」を使っていたのかという“皮肉”な特集をやっている。こういう目の付けどころがいい。  この化粧品のCMに出ていたのは、知花くらら(31)や深津絵里(40)、藤原紀香(42)、中谷美紀(37)などである。 「知花くららの事務所の担当者に聞くと、『知花がその化粧品を使用してるかどうかということや、契約の内容に関しては答えられません。知花の肌はいたって健康です』  深津絵里の事務所は、『契約に関することは一切答えられません。深津が使用していたかどうかもお話しできません。こちらから申し上げられるのは、確かに09年に深津が“ブランシール スペリア”のCMに出演していたということ、深津の肌には問題はないということ。事務所にクレームなどは入っていないということだけです』」  カネボウ化粧品の広報部は「契約期間の間、タレントが出演するブランドの商品を積極的に使用するよう最善の努力を行うようお願いしています」と答えているが、大金を払っていた女優たちが自社の製品を使っていないのでは、ガッカリしたことだろう。  某化粧品会社販売員も、こう語っている。 「彼女たちが普段はカネボウの化粧品を使ってないからでしょう。CMで紹介している商品を使っていないなんて、と一般の方は驚かれるかもしれませんが、これは化粧品業界では常識なのです。律儀にCMの商品を使っている女優さんのほうが稀だと思います」  カネボウ化粧品は、基礎化粧品の品質では世界ナンバーワンといわれ、社員たちもそれを誇りにしていたそうだ。その誇りが崩れてしまった今、再びカネボウ化粧品への信頼を築くのは容易ではあるまい。  今週は久しぶりにグランプリが出た。文春の「シャブ&飛鳥」はタイトルもさることながら、内容的にも衝撃度は高レベルである。  人気デュオ「CHAGE and ASKA」のASKAが、クスリ漬けだというのだ。  ASKAが覚せい剤を吸引しているビデオが「一部の暴力団関係者など、闇ルートに流出している」(文春)そうで、以下はその映像の描写である。 「映像はシンプルな部屋を映し出す。あまり物を置いておらず、掃除が行き届いている清潔そうな室内には、中央に三人掛けの大きなソファが置いてある。その真ん中にゆったりと腰掛けるのは大物人気デュオ『CHAGE and ASKA』(以下、チャゲアス)のASKA(飛鳥涼、本名=宮崎重明、55)だ。(中略)  ASKAはテレビで見るようなシャープな輪郭ではなく、顔が病的にむくんでいる。そんなASKAに何者か分からない男が、『はい、これ』と言って、小さなビニール袋に入った何かをテーブル越しに手渡す。少し前かがみになって受け取るASKA。白い結晶のようなものが光っている。ASKAは慣れた手つきでビニール袋を指でなぞるように確認し、かたわらにある透明なガラスのパイプを取り出した。  その動きに淀みはないが、終始無言でピリピリとした緊張感が漂っている。ビニール袋から白い結晶のようなものをパイプに入れたASKAは、軽くパイプを口にくわえた。その後、右手でライターを取り、おもむろにパイプを下から火であぶると、結晶が気化した白い煙を深く吸い込んだのだった。  一服するとASKAはソファーの背もたれに深く体を預け、足を大きく開いて座りなおした。その姿勢のまま目を閉じ、まるで霊的な気体を吐くように口をゆるませ、恍惚の表情を浮かべた」 「CHAGE and ASKA」は大学在学中に結成され、ヤマハ・ポプコンで入賞した「ひとり咲き」でデビュー。91年に「SAY YES」が300万枚の大ヒット、93年には「YHA YHA YHA」がダブルミリオンを記録している。  しかし、デビュー30周年の2009年1月に「無期限活動休止」を発表し、事実上解散していたが、今年1月、唐突に復活を宣言してファンを喜ばせた。だが6月になって、ASKAの事務所の公式ホームページで、ASKAの体調が悪いため延期すると発表していた。  ASKAのクスリ疑惑は、知る人ぞ知るだったようだ。  そのきっかけは、札幌に拠点を置く山口組系暴力団の山本(仮名)だというである。山本とASKAは中学時代の同級生だった。ASKAと親しい芸能関係者がこう語る。  「ASKAは山本にクスリの手配を依頼し、山本は頼まれたブツを持ってわざわざ北海道から東京に来ていました。またASKAは6年前に札幌円山公園近くのタワーマンションを購入し隠れ家にしていて、山本は頻繁にそこを訪れているのです」  ASKAはコカインやマリファナも好きで、くだんの山本によると、シャブをひと月に30グラムも使用しているという。麻薬Gメンによれば、ヘビー麻薬常習者でもひと月4~5グラム程度だというから、相当な末期麻薬中毒者であろう。  だが、その山本ともカネのことで揉め、件のビデオはその山本が隠し撮りしたというのだ。  ASKAの体を心配したCHAGEがライブの延期を言い出し、ASKAが殴りつけたという情報もある。確かに、文春のインタビューに答えるASKAの言葉は支離滅裂で、聞き取りにくい。だがクスリで揉めていることには、こう答えている。 「──山口組系暴力団員からクスリのことでゆすられていると聞いていますが。 『(少し間があり)……そうそう、それはね「お金を貸してくれ」って言われたの。それで、俺は嫌だって言ったらね。「嫌だ」って。そうそうそうそう、それで揉めただけでぇ』」  以前から言われていることだが、芸能界の麻薬汚染は相当に拡がっているのは間違いない。警察は動くのか?  ASKAの所属事務所は1日、公式サイトでこう否定した。 「報道内容は事実に反しており、大変遺憾です。弊社としてはこれらの報道に対し、厳重に抗議します」  しかし「厳重抗議」ではなく、事実でないなら告訴すべきであろう。ASKAの音楽生命が絶たれるかどうかの瀬戸際である。この事務所の対応からも、この問題の深刻さがうかがえる。 (文=元木昌彦) ●もとき・まさひこ 1945年11月生まれ。早稲田大学商学部卒業後、講談社入社。90年より「FRIDAY」編集長、92年から97年まで「週刊現代」編集長。99年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長を経て、06年講談社退社。07年2月から08年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(2006年8月28日創刊)で、編集長、代表取締役社長を務める。現「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催、編集プロデュースの他に、上智大学、法政大学、大正大学、明治学院大学などで教鞭を執る。