「もしも父親がAV男優だったら……」子どもへのカミングアウト、どうする?

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「週刊ポスト」2月28日号 中吊広告より
今週の注目記事 第1位 「4月『沖縄安保闘争』で血の惨事が起きる!」(「週刊ポスト」2月28日号) 第2位 「お父さんがAV男優でごめんな」(「週刊ポスト」2月28日号) 第3位 「恋するカトパン ダルビッシュとの極秘デート撮った!」(「週刊文春」2月20日号) 第4位 「首都圏極寒サバイバル!『ホームレス』はどうやって生き残った?」(「週刊新潮」2月20日号) 第5位 「袋叩きの『佐村河内守』はそんなに悪いか!」(「週刊新潮」2月20日号) 第6位 「ジョージ・ソロスが『日本売り』これから何が起きるのか」(「週刊現代」3月1日号)  私は、週刊誌は意見がブレてもいいと思う。空気感が変わったことをいち早く知らせる役割が週刊誌にはあり、そうしたことへ敏感にアンテナを張っていなければ週刊誌の存在理由がなくなってしまうからだ。  今週の週刊現代のトップタイトルを見て、この間は株が上がると大騒ぎしていたのに、今度はそれに冷や水をぶっかける記事とは“節操”がないが、それも週刊誌だと読んでみた。だが、内容はどっちつかずで、欲求不満のたまる記事であった。そのために第6位。  現代によれば、スイスのダボスで開かれた世界経済フォーラムで、世界一の投資家・ソロスと安倍晋三首相が会談したのは現地時間の1月22日の午後であるという。マーケットにソロスの「日本売り」のウワサが駆け巡ったのは、会談後まもなくのことだった。  翌23日、東京株式市場は朝方こそ買いが入り日経平均株価は上げ基調で始まったが、午後に入ると海外勢とみられる売りが加速し、3日ぶりの反落となった。  さらに24日に入ると、市場が開くや怒涛の売りが殺到。東京株式市場では、ほぼ全面安の展開となり、フタを開ければ東証一部の9割以上の銘柄が値下がりして、日経平均はほぼ1カ月ぶりの安値に落ちたのだ。  その背景には、日本株買い・円売りをしてきたヘッジファンドを中心とする海外勢力が、安倍・ソロス会談を機にまったく逆の取引を加速させていることがあるという。  現代は、今年1月2日、チェコ共和国のプラハに本拠地を置くNPO「プロジェクト・シンジケート」のウェブサイトにソロスの寄稿文が掲載されたと報じている。そこにはこうある。 「(黒田東彦総裁率いる日本銀行が昨年から始めた)大規模な量的緩和、リスクのある実験。成長が加速すれば金利が上昇し、債務支払いのコストが維持できないものになる。しかし、安倍首相は日本を緩やかな死に処すより、そのリスクを取ることを選んだ。人々の熱狂的な支持から判断すれば、普通の日本人も同じように考えているのだろう」 「この文面を読めば、ソロスは積極的に日本株を支持していないと読めます」とマーケット・アナリストの豊島逸夫氏が解説している。  いよいよソロスが日本株を手放して、株安へと雪崩を打つのかと思うと、どうもそうではないらしい。  日銀総裁の黒田氏に「秘策」があるというのである。金融対策として早ければ4月にも、日本株を毎年5兆円買い入れると宣言する可能性があるそうだ。  そうして現代は「市場と国家の闘いが、いま幕を開けたのだ」というのだが、どっちに軍配が上がるのか、現代はどう見ているのか、今回の記事の中できちんと結論を出してほしいと思うのは、私だけではないはずだ。  文春がスクープした佐村河内守氏のゴーストライター問題は、まだまだ収まる気配を見せない。  佐村河内氏が自筆の謝罪文を発表したが、その中で聴覚障害2級の障害者手帳を取得したのは事実だが、3年ほど前から「耳元で、はっきり、ゆっくりしゃべってもらうと、こもってゆがむ感じはありますが言葉が聞き取れる時もある」と書いたことで、やはり全聾というのも「ウソ」だったのではないかと疑惑も拡がっている。  それがために、佐村河内氏の依頼した弁護士が辞めてしまうという事態にもなっている。  そこで、文春ではなく新潮お得意の「人の行く裏に道あり」路線の記事を紹介しよう。これが5位。  新潮は「佐村河内氏の仮面を剥いだ週刊文春の記事が、雑誌ジャーナリズムの王道を行く見事なスクープだったこと間違いない」と持ち上げながら、こう書いている。 「今回の騒動も、政治家や芸能人の本をゴーストライターが執筆することと、『構図』としては何ら変わるところがない」  昔から芸術の世界では「代作」が行われてきたのだと、作曲家の青島広志氏がこう語る。 「例えば、ドイツの作曲家メンデルスゾーンの曲の一部は、ファニーという名の彼の姉が書いたものだと言われています。マーラーという有名な作曲家も、奥さんのアルマに多くの曲を書かせていたと言われている。で、奥さんが自分の名も楽譜に載せて欲しいとお願いしたら、“誰が代表するかが重要なのであって、誰が書いたのかは重要ではない”と言ったという逸話も残っています」  また、美術評論家の藤田一人氏は、画の世界でもこうだと話している。 「近世は画家が描きたいものを決めるのではなく、金持ちのパトロンからの注文にいかに応えるかが肝でした。この時代は主張や構想や制作過程が評価対象になるわけではないので、工房制作が多かったのです。“自分で作らず弟子に作らせている”との批判が出始めるのは、画家の感性を重視する近代以降です。近代に入ると、モネ、ルノワール、ピカソなどが登場し、自らの感情や思想を表現するのが芸術、と言われるようになった。そのため、制作過程に他人が介在していることが分かると、観る人は“オリジナルではない”と嫌気がするのです」  佐村河内氏の場合、音符すら書けなかったというのだから、メンデルスゾーンやマーラーと比較するのはどうかと思うが、藤田氏のこういう見方は的を射ているのではないか。 「彼の場合、全聾という苦難などの“物語”を含めて人は魅了されていったわけで、共同制作では受け入れられないという頭が最初からあったはず。で、自分の中で全てを完結させるために、頭を壁に打ちつけ、深夜の公園で長時間苦悩する、といった過剰演出に走ったのでしょう」  新潮は結びで「自分がその曲を良いと思えば、作者が誰であろうと関係ないのだ」と書いている。その通りではあるが、私には別の違和感がある。  この報道が出てから、各メディアは私たちも騙されていたと大騒ぎになった。もちろん、“全聾の作曲家”だと偽っていた佐村河内氏に非はあるが、それを増幅して感動物語に仕立て上げ、視聴率を稼ぎ、本やCDを売りまくった側にほとんど反省もないのはおかしいではないか。  それとも、我々はあいつに騙された被害者だとでも言うつもりなのか。中でも、メディアはペテンの片棒を担いだ立派な加害者である。  文春は、佐村河内氏の虚像を拡大した『魂の旋律~音を失った作曲家』(NHKスペシャル)を制作したNHK側にも取材を申し込んでいると書いているが、調査中だとして答えないという。  メディアは何度も過ちを犯すものだ。だから自分たちが間違ったとわかったときは、視聴者や読者、CDを買った人たちに謝るのがスジではないか。佐村河内氏に損害賠償を求める声が出版社やレコード会社にあるというが、それこそ自分たちの見る目のなさを公表する「恥の上塗り」である。やめたほうがいい。  先々週(2月8日)に続き東京は先週も金曜日から雪が降り、記録的な大雪になった。私は長いこと東京に住んでいるがこんなことは記憶にない。  これは先々週の雪の日の話だが、新潮でホームレスたちが大雪の夜を無事に過ごせたのだろうかという記事をやっている。こういう目線が新潮の持ち味である。  都内には1,000人以上のホームレスがいるというが、新宿の60代のホームレスはこう話している。 「普段は、西口の地下広場で寝泊まりしているけど、あそこは午後11時から午前4時までしか、いちゃいけないことになっている。通勤客に迷惑が掛かるからね。実は、西口近くにある都庁の第二庁舎1階は広いスペースがあって、雨の日や雪の日は我々に開放されている。あそこなら屋根もあるし、風は入って来るが、雪はしのげる」  ここは基本的に歩道扱いで、広さは4,000平方メートルほどあるという。都庁の総務局庁内管理課の担当者は、普段は困るが、雪や雨が降ったときは目をつむっているという。  石原慎太郎都政がホームレスに冷たかったので心配したが、こういうお目こぼしはあっていい。  しかし、こうした緊急避難場所を知っているのはベテランホームレスだけで、ネットカフェにいたがカネが尽きて、西口広場に入り込んだが下に敷く段ボールもなく、壁にもたれたまま夜を明かした者もいる。  山谷公園脇の橋のたもとで、風に吹かれて寒くて仕方なく、ラジオを聞きながら、本当は付けてはいけないガスコンロに時々火を付けながら、一睡もできなかったホームレスもいた。  意外にもスカイツリーのお膝元、鐘ヶ淵駅から10分ほどの所にある隅田川の遊歩道には“裕福”なホームレスが多く、ブルーシートで覆われ木材で作られた2~3畳ほどもある“豪邸”が10戸ほどあるという。  空き缶を拾って売ったりしたカネで自家発電機を持っていて、ストーブもテレビもあるというのだ。  私も家を追い出されたら、まずは隅田川へ行ってみようか。  今週の3位は週刊文春がスクープした、フジテレビのエース女子アナ“カトパン”こと加藤綾子アナ(28)とダルビッシュ有(27)の「極秘デート」だ。  スポニチが2月11日の新聞で報じていたが、これは、文春がダル側に「写真を掲載する」と伝えたため、慌てたダル側が近しい記者に漏らして“衝撃”を弱めようとしたのだと、文春は書いているが、その通りであろう。  2人が行った店に居合わせた客が、ダルは日本酒を飲みながら2人で蟹料理を食べていたと、こう話している。 「2人が割烹に入ってきたのは、まだ客もまばらな午後7時頃。ダルはサングラスをかけていましたが、あの2メートル近い長身ですからすぐに分かりましたよ。加藤アナは白いセーターにベージュのスカートのコンサバ系。派手さはないが、モデルのようにスタイルがよく、お似合いのカップルでした。ダルは店の常連らしく、従業員に『いつもの場所に』と声をかけると、慣れた様子で彼女を奥の席にエスコートしていました」  ネット上では、この蟹料理で有名なミシュラン一つ星の店は「ととや魚新」ではないかと書かれている。私も何度か行ったことのある店だが、おいしい魚料理を食べさせるところである。  2人の事情を知る関係者はこう語る。 「加藤はダルを『人見知りするけど、かわいいいところがある』とベタ惚れでした。先輩の高島彩(34)には盛んに恋愛相談を持ちかけ、煮え切らない態度の彼に『もっとハッキリしてほしい』と苛立ちを隠せずにいました」  ダルといえば女性関係も派手で、元プロゴルファーの古閑美保、AV女優の明日花キララ、横山美雪、声優の平野綾、モデルのMALIAなどと浮き名を流してきた。  中でも古閑とは結婚するのではないかと報じられたが、文春によると、最近終わったという。  先の店で、カトパンが「空けておいて」としきりに言っていた1月31日、文春は再び加藤を追いかけたが、振り切られてしまったようだ。  モノクログラビアに写っている2人の写真を眺めると、なぜフライデーが撮れなかったのだろうと、古巣の編集部の“不振”が思われてならない。それとも古閑“本命”説にこだわりすぎて、こちらが疎かになってしまったのだろうか。  今週の第2位は、週刊ポストの「お父さんがAV男優でごめんな」。自分がAV男優、妻がAV女優だったという夫婦は多いようだが、子どもが生まれ年頃になったとき、子どもにそのことをどう話すのかはなかなか難しいことであろう。  こうした発想から記事を作るポスト編集部に、敬意を表したい。  AV監督で奥さんも美熟女AV女優の元祖で、今は官能小説を書いているという溜池ゴロー監督は、10歳になる息子からこういう質問を受けた。 「父さんの仕事はなに?」  さらに息子は続けた。 「それから、AVってなに?」  とうとうこの日が来たかと、溜池監督は感慨無量だったそうだ。  息子の素朴で無邪気な問いかけに、溜池監督は表情をあらためてこう答えた。 「お父さんの仕事はAV監督だ。ただし、AVってのは、まだお前は観ちゃいけない。18歳になるまで待たなきゃいけないんだ」 「エッチなやつ?」  溜池監督は「そうだ」とうなずく。  溜池監督は息子にこう誓った。 「お前が14歳になったら、父さんの仕事のことだけじゃなく、お母さんのこともすべて話す。だから、お前もそれまでは、AVのことを調べたりするな。いいか、男同士の約束だぞ」  佐川銀次さん(48歳)は、巨根AV男優として知られている。彼は、しみじみとこう話す。 「AV男優というのは、社会の底辺の仕事だと思います。私は、虚栄や驕りを全て吐き出すつもりでこの世界に飛び込んだんですが、やはり女房や子どもには、正面きって告白できないでいます。まだまだ、修行が足りませんね」  その気持ちわかるなぁ。ベテランAVライターは、世間のAVに対する蔑視や偏見がまだまだ横たわっていると語っている。 「あるベテラン男優は、娘さんが結婚する際に、『親子の縁を切ってくれ』と言われたそうです」  別の男優の高校生の娘も、父の職業を知ってグレ始め、ここ数年は音信不通だそうだ。 「男優や女優のお子さんが学校でいじめられるパターンは結構多い。中には、子どもが自殺未遂したケースまであります」(AVライター)  田淵正浩さん(46歳)も、キャリア25年のベテランAV男優。そのうち、娘から自分の仕事について聞かれる日が来るだろうと思っているという。 「その時、娘から不潔とか、許せないとなじられたら、僕は素直に『ごめんね』と謝ります。弁解なんかしないし、仕事の内容も説明しない。ひたすら謝り続けるつもりでいます」  坊主頭にギョロリとした目が印象的なピエール剣さん(46歳)は、こう声を大にした。 「一番大事なのは、僕たち夫婦が、子どもたちを無条件に、とことん愛してあげることです。もし、子どもたちがいじめられたら、僕とカミさんで、最後まで子どもたちを守り抜きます」  その心意気や良し。AVだって立派な仕事、胸を張ればいいというのは無責任な第三者の言うことだ。子どもが父親の仕事のことでいじめられないか、つらい思いをしていないか、親としては幼い子どもの寝顔を見ながらあれこれ悩むのであろう。  田淵さんの、ひたすら謝り続けるという気持ち、わかるな。  今週の第1位はポストの衝撃シミュレーション。沖縄で安保反対闘争が起きるというのである。  これは絵空事ではない。沖縄の日本政府や沖縄以外に住む日本人たちへの恨みは爆発寸前である。内地に住む日本人と同等の権利を持てるという謳い文句で「本土復帰」を果たしたはずなのに、米軍基地は固定化され、本土の“身代わり”にされたままの沖縄の人たちの中に、日本からの独立を真剣に考える者も多くいる。  安倍首相の進める積極的平和主義は、沖縄にさらなる犠牲を強いるものだから、こうした闘争が過激化する要素は十分にある。  沖縄情勢分析を担当する警備・公安関係者が、今そこにある危機を語る。 「昨年から左翼の活動家や基地反対の市民グループが続々と沖縄に入っている。その中には、かつての安保闘争で活動したメンバーも含まれている。名護市長選の前に住民票を同市に移転した基地反対派の新市民だけでもざっと2000人、住居を移していない活動家を加えるとその倍以上にのぼると見られている。基地反対は各セクトが大同団結できるテーマであり、連中は沖縄県民の7割が米軍基地の県内移設に反対していることから、地元の市民を巻き込んで数万人規模の大々的な反対運動を組織しようと動いている。しかも、それと対立する右翼勢力まで乗り込んできた。政府の埋め立て事業が本格化すれば、本土からの活動家や市民ら反対派と、右翼勢力との衝突も予想される」  私は、この見方には与しない。自民党からカネをもらって動くエセ右翼は別にして、真の右翼勢力なら、左翼勢力とはわからないが沖縄人民とは連帯して国と闘うはずである。  返還後、沖縄を“棄民化”してきたヤマトンチュ(大和人)は、沖縄の人たちに謝り、真の本土並みに戻すことを誓わなければ本当の“戦後”は終わらないのだ。  闘争が起こる時期は4月だという。下旬にはオバマ大統領の来日が予定されているからだ。 「そのさなかに米軍基地をめぐって官邸が恐れているような流血の惨事が発生すれば、安倍首相は首脳会談で『日米安保体制の強化』を演出するどころではなくなる。そのとき、事態を重く見た“安倍嫌い”のオバマ大統領が来日中止を判断する可能性は決して小さくない。それは安倍首相にとってまさに祖父が辿った同じ道ではないか」(ポスト)  沖縄にこれ以上米軍基地を押し付けておいていいのか? 安倍首相がこれからも日米安保体制を続けるというのなら、東京や大阪、名古屋に基地を移すべきであろう。  舛添要一都知事は、電力の大消費地である東京に原発を誘致し、東京の米軍基地をもっと拡げ、沖縄の負担を軽減すると宣言したらどうか。そうなったら東京にいたくないという人や企業は、東京から出て行けばいい。快適さだけを享受して嫌なものは遠ざける大都市など滅びてしまえ。東京都民の一人として、私は心底そう思って、怒っている。 (文=元木昌彦)

「感動秘話には裏がある?」“偽ベートーヴェン”騒動に見る、文春のスクープ力

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「週刊文春」2月13日号 中吊広告より
今週のグランプリ 「全聾の作曲家佐村河内守はペテン師だった」(「週刊文春」2月13日号) 注目記事 第2位 「船橋市の高額納税者に出世した『ふなっしー』の確定申告」(「週刊新潮」2月13日号) 第3位 「浅田真央はキム・ヨナに勝てない」(「週刊現代」2月22日号) 第4位 「四代目が決まった! 安倍晋三の『養子縁組』」(「週刊ポスト」2月21日号) 第5位 「JOC副会長・田中英寿日大理事長と広域暴力団トップとの写真流失で、東京オリンピックは大丈夫?」(「週刊文春」2月13日号)  都知事選挙は、事前の予想通り舛添要一氏の圧勝に終わった。細川護煕氏の苦戦は予想されたが、宇都宮健児氏にも及ばない3位とは、残念な結果だった。  大雪のため投票率が大幅に下がったことも、組織票がアテにできない細川氏には痛かったが、一番の要因は「細川氏の影の薄さ」であった。  中野駅前で細川夫人と瀬戸内寂聴さんの細川応援演説を聴いた際、一枚のパンフレットをもらった。そこには細川氏と小泉純一郎氏の2人が並んで写っているのだが、細川氏のほうは顔が墨で塗りつぶされ、小泉氏だけがくっきり写っていた。  このパンフレットが象徴するように、細川氏は小泉氏の影武者で、彼には「原発をゼロにしなければいけない」という必死さが感じられず、原発を争点にすることができなかった。  だが、同じように原発再稼働反対の宇都宮氏と合わせれば舛添氏と匹敵する票数になるのだから、これで東京都民が「再稼働を容認」したと安倍政権が捉えるのは間違いである。  さて、今週はソチ五輪が開幕し、関連の記事が多く見られる。  まずは、文春のJOC(日本オリンピック委員会)副会長・田中英寿日大理事長が広域暴力団トップと親しいと報じているモノクログラビア。  一枚の写真がある。真っ青なスーツに派手なネクタイ姿でポーズをとる田中氏(左)と並んで写っているのは、山口組に次ぎ国内第2位の組員数を抱える指定暴力団住吉会を率いる福田晴瞭会長(右)であるという。  その事情を知る関係者は、こう語っている。 「この写真は、98年9月、ホテルニューオータニで開かれたパーティーの席で撮られたものです。その年は、福田氏が住吉会会長に就任し、祝う会が数多く開かれましたが、その一つです。主催者は迷惑がかかると思い声をかけなかったが、田中さんは顔を出した。会費は一人5万円で、引き出物も用意していましたが、田中さんが来たため、引き出物が足りなかったとか」  05年8月、当時、日大理事長だった森田賢治氏は、常務理事だった田中氏をめぐる「暴力団との密接交際」疑惑を究明するため、特別調査委員会を設置した。委員会がまとめた中間報告書は、田中氏の暴力団との交際を認めたという。  田中氏側は「古すぎてまったく覚えがない」と答えているが、公の立場にいる以上、国民への説明責任はあるはずである。  次は、少し気の早いポストの「安倍首相の後継問題」である。  岸信介、安倍晋太郎、安倍晋三と3代続いてきた安倍家だが、安倍晋三氏と昭恵夫人には子どもがいないため、安倍家のドンである故・晋太郎夫人の洋子さんは、4代目をどうするか考えていたらしい。だが、このほど後継者を“指名”したというのである。 「洋子さんが指さしたのはリビングのテーブルの上に飾られていた一枚の写真。安倍家と森永製菓のオーナーの松崎家(昭恵夫人の実家)、そしてウシオ電機オーナーの牛尾家(長男・寛信氏の夫人の実家)との一族集合写真を大きく引き延ばしたもので、昨年の夏前に撮影されたものだという。 そこで洋子さんが指さしたのは、寛信氏の長男、つまり首相の甥である孫・寛人氏の精悍な姿だった。『跡を継がせる』とは、首相の祖父の寛氏(代議士)──晋太郎氏と続く安倍家の政治的血脈を引き継ぐ『4代目』が決まったことを意味する」(ポスト)  次世代のプリンスは、いかなる人物なのか? 現在23歳。昨年、慶應義塾大学法学部を卒業し、現在は同大学ロースクールの1年生。小学生時代、父の寛信氏(当時は三菱商事勤務)の転勤で、ロンドンで生活したことから語学が堪能である。一方で高校(学習院高等科)、大学とアーチェリー部に所属したスポーツマンだという。  まだ首相在任中なのに後継を決めようとしているのは、安倍家には小泉純一郎親子への対抗意識があるからだと指摘するのは自民党ベテラン議員だ。 「官邸は小泉元首相の叛乱に加えて、息子の進次郎氏にも舛添氏への応援要請を拒絶され、小泉親子に煮え湯を飲まされたという思いが強い。しかも、進次郎氏は党内の多くが、『将来の総理・総裁』と期待するホープであり、党青年部の若手議員たちから厚い信頼を得ている。 首相にすれば、いくら都知事選で小泉元首相に勝ったといっても、いずれ自分に弓を引いた進次郎の時代が来るという焦りがある。ゴットマザーの洋子さんにも、後継者がいないままでは安倍家は小泉家に勝てないという複雑な思いがあるようだ」  また、山口県には林芳正・農水相というライバルがいることも後継を早く決めようという“動機”になっていると、政治ジャーナリストの野上忠興氏が解説している。 「林氏は参院から衆院への鞍替えを希望しており、地元では『安倍の次は林』という待望論が強いのは事実。安倍家が地盤を守るためには、新星のような後継者を出さなければならないという事情もあるのではないか」  現代でも、巻頭特集「安倍晋三が悩んでいる!『嫁姑大戦争』」の中でも、安倍の支援者がこう言っている。 「彼女(洋子=筆者注)も高齢だし、先行きを心配している。ごく最近、彼(寛信氏の長男)を後継に決めるよう、晋三さんに言ったとも聞きます」  安倍対小泉の因縁の対決は寛人対進次郎に受け継がれるのか? 私的にはどっちでもいいけどね。  ソチ五輪のハイライトは、浅田真央とキム・ヨナの氷上対決である。19日、20日に行われるフィギュアスケートの決勝は、ソチを最後に引退を表明している浅田にとって、キム・ヨナとの最終決戦になる。  前回のバンクーバー五輪ではヨナが金、浅田が銀。  この2人、生まれたのもスケートを始めたのも同じ年で、ジュニア時代から数えて2人の通算成績は15戦して、浅田はヨナに6勝9敗と大きく負け越している。  スポーツライターの野口美恵氏は、ヨナのすごさをこう語る。 「ヨナは音楽の曲想をとらえるのがうまい。単に音とタイミングが合うのではなく、メロディーだったり、ベース音だったり、楽曲全体が醸し出すニュアンスを演技に反映させることができる」  安藤美姫と高橋大輔をコーチしたニコライ・モロゾフ氏もやはり、そこがヨナのストロングポイントだという。 「フィギュアスケートは、他のスポーツと違って、観客を魅了しなければならない。そのためには女性としてのmaturity(成熟度)とか魅力が非常に重要になる。ヨナは女性としての魅力を最大限に出している。真央はどんなにきれいに滑っても、子供が滑っているように見えてしまう」  しかし、浅田も秘策を練っていたようだ。トリプルアクセルを1回減らしたというのである。 「昨年末の全日本選手権後、浅田は一度も練習を公開しなかった。よほどトリプルアクセルの精度が悪いのか、と現場で噂になっていた矢先の発表でした。今季、ここまでトリプルアクセルは一度も成功していません。勝てるスケートに徹するのは嫌だが、このままではヨナに勝てないのも事実。おそらく佐藤信夫コーチとぎりぎりまで話し合いを重ねた上で、金メダルを獲るために、『究極の選択』をしたのでしょう」(スポーツライター藤本大和氏)  だが、連盟関係者は、金はなかなか難しいと話す。 「トリプルアクセルを成功させ、かつフリーの後半に2つ入れた連続ジャンプをノーミスでクリアすることが絶対条件。その上でヨナがミスをすれば、初めて金メダルが見えてくる」  どちらにしても「その瞬間」を見てみたいものである。  今週の第2位は、新潮らしい記事。  通常、ゆるキャラは確定申告なんかしない。彦根市の“ひこにゃん”や、熊本県の“くまモン”などはいずれも公認キャラで、活動は自治体の広報の一環だ。一方、莫大な利益を生むミッキーマウスやキティーちゃんは企業活動の一部だからである。  ところが、ふなっしーは千葉県・船橋市の非公認キャラ。すなわち個人が勝手にやってるもので、中の人は1人しかいないから税金がかかるというのだ。  ブレイク前から親交のあった某ゆるキャラ仲間は、ふなっしーの生い立ちをこう明かす。「震災で彼の店も収入がガタ落ちし、通販を始めるべく、パソコン教室に通い始めた。そこで、“船橋をPRするサイトを作る”という課題が出て、彼が思いつきで作ったのが“ふなっしー”なのです」  昨年末のNHK紅白歌合戦にも登場するなど人気は右肩上がりで、お菓子や玩具など関連グッズもめじろ押しとなっているから、一体いくら稼いでいるのだろうかと、これまたお節介を焼く。  経済アナリストの森永卓郎氏が、こう算盤を弾く。 「イベントは、新商品発表など非公開分も含めて年間300本。これが1本30万円として9,000万円。テレビ等出演料が4,000万円。グッズのロイヤリティなどで1,000万円。それにCDやDVDなどの印税を加えると、安く見積もっても1億5,000万円近くになります」  気になる確定申告だが、実はふなっしー、税金対策のためか、ちゃっかり法人化していたというのだ。ふなっしーの中の人は、この法人から役員報酬を得る形になっているらしい。  だが、税理士の話によると「いずれにせよ、半分程度は税金で持っていかれます」というのだ。  経費はほとんどなさそうだが、ゆるキャラ同士の懇親会は交際費として認められるそうだ。ゆるキャラも当たればでかいのだニャン。  私事で恐縮だが、大雪が降った土曜日(2月8日)の夕方、川崎駅近くにある「ミューザ川崎シンフォニーホール」で開かれた「東京海上フィルハーモニックオーケストラ第21回定期演奏会」へ行ってきた。  ベートーヴェンの交響曲第9番、いわゆる「第九」といわれるものだ。残念ながら2,000人が入る会場は、交通事情悪化のため半分ぐらいの入りだったが、100名近いフルオーケストラと300名近い男女の合唱は、神々しいまでに荘厳で迫力に満ちたものだった。  ドイツが東西に別れていた1956年から64年の間に開かれた五輪に合同選手団を派遣した際、国歌の代わりとして、この第四楽章「歓喜の歌」が歌われたそうである。  恥ずかしいが、この年になるまで「第九」を生で聴く機会がなかった。  ベートーヴェンが初めてこの曲を演奏し、終わったとき、全ての聴衆の目には涙が光り、嵐のような歓呼は永遠に止むことがないように思われたという。外が吹雪のせいもあったかもしれないが、同じような“感動”をこの日私も味わった。「ブラボー」の声があちこちから上がり、拍手は鳴りやまなかった。  その楽聖・ベートーヴェンに比して「現代のベートーヴェン」とTIME誌に言わせしめた日本人作曲家が、実はペテン師だったという文春の記事は衝撃的であった。これが久々のグランプリだ!  作曲家・佐村河内守氏(さむらごうちまもる・50)のゴーストライターを務めていた新垣隆氏(43)が、こう告白している。 「私は18年間、佐村河内守のゴーストライターをしてきました。最初は、ごく軽い気持ちで引き受けていましたが、彼がどんどん有名になっていくにつれ、いつかこの関係が世間にばれてしまうのではないかと、不安を抱き続けてきました。私は何度も彼に、『もう止めよう』と言ってきました。ですが、彼は『曲を作り続けてほしい』と執拗に懇願し続け、私が何と言おうと納得しませんでした。昨年暮れには、私が曲を作らなければ、妻と一緒に自殺するというメールまで来ました。早くこの事実を公表しなければ、取り返しのつかないことになるのではないか。私は信頼できる方々に相談し、何らかの形で真実を公表しなければならない責務があるのではないかと思い始めたのです」  この“事件”、新聞やスポーツ紙、ワイドショーでは数日前から騒ぎになっていたが、時間的にいえば、文春が取材し、その新聞広告を手に入れた新聞社がその事実を知り、新聞社名では出しにくいので共同通信に情報を渡し、共同が書いたということになるのではないか。  佐村氏は広島生まれの被爆2世で、全聾の作曲家として一躍有名になった。  2011年に発表した80分を超える「交響曲第一番 HIROSHIMA」(演奏、東京交響楽団/日本コロンビア)は、クラシック界では異例の約18万枚のセールスを記録したという。  また、昨年3月31日に放送された『NHKスペシャル』の「魂の旋律~音を失った作曲家」では、東日本大震災の被災地の石巻、女川を訪ねながら創作する過程が紹介され、それが元で生まれた「鎮魂のソナタ」(演奏ソン・ヨルム/同)は、番組の反響もあって10万枚の売り上げを記録しているそうだ。  この番組は私も見たが、佐村河内の名前を知らなかった私も、内容に感動して、すぐにAmazonでCDを買って聴いてみた。さほど交響曲には感動しなかったが、被曝2世、全聾者という彼の人生が音楽の隠し味になって、聴く者を感動へと誘っていたことは間違いない。  ソチ五輪の男子フィギュアのショートプログラムで、高橋大輔選手が彼の作曲した「バイオリンのためのソナチネ」で滑ることも話題になっていた。  そこに18年間もの間、佐村河内氏のゴーストライターをやっていたという桐朋学園大学音楽学部作曲専攻で講師を務める新垣氏が、「懺悔実名告白」をしたのだ。  2人が出会ったのは、1996年の夏のことだという。年上の佐村河内氏は、新垣氏にこう切り出した。 「このテープには、とある映画音楽用の短いテーマ曲が入っている。これをあなたにオーケストラ用の楽曲として仕上げてほしい。私は楽譜に強くないので」  新垣氏はこの申し出をあっさり受け入れた。佐村河内氏が提示した報酬は数万円。それが、いびつな二人三脚の始まりとなったと文春は報じている。  新垣氏がこう話す。 「クラシック界では、大家の下でアシスタントが譜面を書いたりオーケストラのパート譜を書いたりすることはままあることです。ところが、その後わかったのですが、佐村河内は楽譜に弱いのではなく、楽譜が全く書けない。正式なクラシックの勉強をした形跡もない。ピアノだって、私たちの常識では『弾けない』レベルです」  新垣氏はお金とか名声がほしくて引き受けたのではなく、自分が作曲した音楽を多くの人に聴いてもらえることがうれしかったからだと動機を語っている。  新垣氏は自分たちを「天才的な大馬鹿コンビ」と自嘲していたというが、まさに奇跡の出会いだったようだ。  楽譜の書けない佐村河内氏は、細かい「構成図」を書いて新垣氏に渡したという。文春によればこうだ。 「『中世宗教音楽的な抽象美の追求』『上昇してゆく音楽』『不協和音と機能調整の音楽的調和』『4つの主題、祈り、啓示、受難、混沌』等々、佐村河内は、ひたすら言葉と図で一時間を超える作品の曲想(コンセプト)を書いている。このコンセプトに沿って新垣は、一音一音メロディーを紡ぎだし、オーケストラ用のパート譜を書き起こしていく。つまり、佐村河内はセルフプロデュースと楽曲のコンセプトワーク(ゼロを一にする能力)に長け、新垣は、それを実際の楽曲に展開する力(一を百にする能力)に長けている」  だが、「新潮45」(13年11月号)に載った音楽家・野口剛夫氏による論考『「全聾の天才作曲家」佐村河内守は本物か』を読んで、新垣氏は不安を持った。  野口氏はこう綴っている。 「時にはバッハ風、ときにはマーラー風の美しい響きの瞬間も随所にあるが、それらは刹那的な感動の域を超えることがない(中略)、『交響曲』の最後で(中略)ほとんどマーラーの交響曲(第3番の終楽章?)の焼き直しのような響き」  講談社から出した自伝『交響曲第一番』の中の記述などもウソが多く、新垣氏はここで打ち切ろうというアドバイスをしたが、佐村河内氏は受け入れなかった。  思いあぐねた新垣氏は、自分の教え子でもあり佐村河内氏が曲を献呈していた義手のヴァイオリニストの少女の家族の前で、これまでの真相を話し、謝罪したというのである。  こうして綻びは大きくなり、砂上の楼閣は崩れ始めた。  驚くことに「全聾」というのもウソだと、新垣氏は言っているのだ。 「実際、打ち合わせをしても、最初は手話や読唇術を使ったふりをしていても、熱がこもってくると、普通の会話になる。彼自身も全聾のふりをするのに、ずっと苦労したんだと思います。最近では、自宅で私と会う時は最初から普通の会話です」  米誌がつけた“現代のベートーベン”という言葉に踊らされ、日本人の多くが騙されていた感動物語は、思ってもみないエンディングを迎えてしまった。  しかし、これだから人生は面白のだ。昔、ロサンゼルスで妻を何者かに撃たれ、悲劇のヒーローになった三浦和義氏に「保険金詐欺の噂がある」と文春が連載し、大騒ぎになったことがあった。  感動秘話の裏にある、どす黒い真実を暴き出すのも週刊誌の役割である。そういう意味でも、日本中を驚かせた文春は見事である。  なぜ、文春にばかりスキャンダル情報が集まるのだろうか? ここでも何度か書いているが、AKB48のスキャンダルをはじめ、タブーに怖じ気づかず数々のスクープをものにしてきた文春だから、ネタを持っていけばやってくれるという「安心感」がネタ元にあるからだろう。  ほかの週刊誌では、「面白い話ですが、うちではコンプライアンスがうるさくて」とか、「あのプロダクションとはケンカできないので」とかいった「言い訳」で断ることが多いが、文春にはそうした断る理由が他誌よりはるかに少ないのだ。  この騒動が起きたとき、ネタ元は文春だとぴーんと来た。文春恐るべしである。 (文=元木昌彦)

「感動秘話には裏がある?」“偽ベートーヴェン”騒動に見る、文春のスクープ力

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「週刊文春」2月13日号 中吊広告より
今週のグランプリ 「全聾の作曲家佐村河内守はペテン師だった」(「週刊文春」2月13日号) 注目記事 第2位 「船橋市の高額納税者に出世した『ふなっしー』の確定申告」(「週刊新潮」2月13日号) 第3位 「浅田真央はキム・ヨナに勝てない」(「週刊現代」2月22日号) 第4位 「四代目が決まった! 安倍晋三の『養子縁組』」(「週刊ポスト」2月21日号) 第5位 「JOC副会長・田中英寿日大理事長と広域暴力団トップとの写真流失で、東京オリンピックは大丈夫?」(「週刊文春」2月13日号)  都知事選挙は、事前の予想通り舛添要一氏の圧勝に終わった。細川護煕氏の苦戦は予想されたが、宇都宮健児氏にも及ばない3位とは、残念な結果だった。  大雪のため投票率が大幅に下がったことも、組織票がアテにできない細川氏には痛かったが、一番の要因は「細川氏の影の薄さ」であった。  中野駅前で細川夫人と瀬戸内寂聴さんの細川応援演説を聴いた際、一枚のパンフレットをもらった。そこには細川氏と小泉純一郎氏の2人が並んで写っているのだが、細川氏のほうは顔が墨で塗りつぶされ、小泉氏だけがくっきり写っていた。  このパンフレットが象徴するように、細川氏は小泉氏の影武者で、彼には「原発をゼロにしなければいけない」という必死さが感じられず、原発を争点にすることができなかった。  だが、同じように原発再稼働反対の宇都宮氏と合わせれば舛添氏と匹敵する票数になるのだから、これで東京都民が「再稼働を容認」したと安倍政権が捉えるのは間違いである。  さて、今週はソチ五輪が開幕し、関連の記事が多く見られる。  まずは、文春のJOC(日本オリンピック委員会)副会長・田中英寿日大理事長が広域暴力団トップと親しいと報じているモノクログラビア。  一枚の写真がある。真っ青なスーツに派手なネクタイ姿でポーズをとる田中氏(左)と並んで写っているのは、山口組に次ぎ国内第2位の組員数を抱える指定暴力団住吉会を率いる福田晴瞭会長(右)であるという。  その事情を知る関係者は、こう語っている。 「この写真は、98年9月、ホテルニューオータニで開かれたパーティーの席で撮られたものです。その年は、福田氏が住吉会会長に就任し、祝う会が数多く開かれましたが、その一つです。主催者は迷惑がかかると思い声をかけなかったが、田中さんは顔を出した。会費は一人5万円で、引き出物も用意していましたが、田中さんが来たため、引き出物が足りなかったとか」  05年8月、当時、日大理事長だった森田賢治氏は、常務理事だった田中氏をめぐる「暴力団との密接交際」疑惑を究明するため、特別調査委員会を設置した。委員会がまとめた中間報告書は、田中氏の暴力団との交際を認めたという。  田中氏側は「古すぎてまったく覚えがない」と答えているが、公の立場にいる以上、国民への説明責任はあるはずである。  次は、少し気の早いポストの「安倍首相の後継問題」である。  岸信介、安倍晋太郎、安倍晋三と3代続いてきた安倍家だが、安倍晋三氏と昭恵夫人には子どもがいないため、安倍家のドンである故・晋太郎夫人の洋子さんは、4代目をどうするか考えていたらしい。だが、このほど後継者を“指名”したというのである。 「洋子さんが指さしたのはリビングのテーブルの上に飾られていた一枚の写真。安倍家と森永製菓のオーナーの松崎家(昭恵夫人の実家)、そしてウシオ電機オーナーの牛尾家(長男・寛信氏の夫人の実家)との一族集合写真を大きく引き延ばしたもので、昨年の夏前に撮影されたものだという。 そこで洋子さんが指さしたのは、寛信氏の長男、つまり首相の甥である孫・寛人氏の精悍な姿だった。『跡を継がせる』とは、首相の祖父の寛氏(代議士)──晋太郎氏と続く安倍家の政治的血脈を引き継ぐ『4代目』が決まったことを意味する」(ポスト)  次世代のプリンスは、いかなる人物なのか? 現在23歳。昨年、慶應義塾大学法学部を卒業し、現在は同大学ロースクールの1年生。小学生時代、父の寛信氏(当時は三菱商事勤務)の転勤で、ロンドンで生活したことから語学が堪能である。一方で高校(学習院高等科)、大学とアーチェリー部に所属したスポーツマンだという。  まだ首相在任中なのに後継を決めようとしているのは、安倍家には小泉純一郎親子への対抗意識があるからだと指摘するのは自民党ベテラン議員だ。 「官邸は小泉元首相の叛乱に加えて、息子の進次郎氏にも舛添氏への応援要請を拒絶され、小泉親子に煮え湯を飲まされたという思いが強い。しかも、進次郎氏は党内の多くが、『将来の総理・総裁』と期待するホープであり、党青年部の若手議員たちから厚い信頼を得ている。 首相にすれば、いくら都知事選で小泉元首相に勝ったといっても、いずれ自分に弓を引いた進次郎の時代が来るという焦りがある。ゴットマザーの洋子さんにも、後継者がいないままでは安倍家は小泉家に勝てないという複雑な思いがあるようだ」  また、山口県には林芳正・農水相というライバルがいることも後継を早く決めようという“動機”になっていると、政治ジャーナリストの野上忠興氏が解説している。 「林氏は参院から衆院への鞍替えを希望しており、地元では『安倍の次は林』という待望論が強いのは事実。安倍家が地盤を守るためには、新星のような後継者を出さなければならないという事情もあるのではないか」  現代でも、巻頭特集「安倍晋三が悩んでいる!『嫁姑大戦争』」の中でも、安倍の支援者がこう言っている。 「彼女(洋子=筆者注)も高齢だし、先行きを心配している。ごく最近、彼(寛信氏の長男)を後継に決めるよう、晋三さんに言ったとも聞きます」  安倍対小泉の因縁の対決は寛人対進次郎に受け継がれるのか? 私的にはどっちでもいいけどね。  ソチ五輪のハイライトは、浅田真央とキム・ヨナの氷上対決である。19日、20日に行われるフィギュアスケートの決勝は、ソチを最後に引退を表明している浅田にとって、キム・ヨナとの最終決戦になる。  前回のバンクーバー五輪ではヨナが金、浅田が銀。  この2人、生まれたのもスケートを始めたのも同じ年で、ジュニア時代から数えて2人の通算成績は15戦して、浅田はヨナに6勝9敗と大きく負け越している。  スポーツライターの野口美恵氏は、ヨナのすごさをこう語る。 「ヨナは音楽の曲想をとらえるのがうまい。単に音とタイミングが合うのではなく、メロディーだったり、ベース音だったり、楽曲全体が醸し出すニュアンスを演技に反映させることができる」  安藤美姫と高橋大輔をコーチしたニコライ・モロゾフ氏もやはり、そこがヨナのストロングポイントだという。 「フィギュアスケートは、他のスポーツと違って、観客を魅了しなければならない。そのためには女性としてのmaturity(成熟度)とか魅力が非常に重要になる。ヨナは女性としての魅力を最大限に出している。真央はどんなにきれいに滑っても、子供が滑っているように見えてしまう」  しかし、浅田も秘策を練っていたようだ。トリプルアクセルを1回減らしたというのである。 「昨年末の全日本選手権後、浅田は一度も練習を公開しなかった。よほどトリプルアクセルの精度が悪いのか、と現場で噂になっていた矢先の発表でした。今季、ここまでトリプルアクセルは一度も成功していません。勝てるスケートに徹するのは嫌だが、このままではヨナに勝てないのも事実。おそらく佐藤信夫コーチとぎりぎりまで話し合いを重ねた上で、金メダルを獲るために、『究極の選択』をしたのでしょう」(スポーツライター藤本大和氏)  だが、連盟関係者は、金はなかなか難しいと話す。 「トリプルアクセルを成功させ、かつフリーの後半に2つ入れた連続ジャンプをノーミスでクリアすることが絶対条件。その上でヨナがミスをすれば、初めて金メダルが見えてくる」  どちらにしても「その瞬間」を見てみたいものである。  今週の第2位は、新潮らしい記事。  通常、ゆるキャラは確定申告なんかしない。彦根市の“ひこにゃん”や、熊本県の“くまモン”などはいずれも公認キャラで、活動は自治体の広報の一環だ。一方、莫大な利益を生むミッキーマウスやキティーちゃんは企業活動の一部だからである。  ところが、ふなっしーは千葉県・船橋市の非公認キャラ。すなわち個人が勝手にやってるもので、中の人は1人しかいないから税金がかかるというのだ。  ブレイク前から親交のあった某ゆるキャラ仲間は、ふなっしーの生い立ちをこう明かす。「震災で彼の店も収入がガタ落ちし、通販を始めるべく、パソコン教室に通い始めた。そこで、“船橋をPRするサイトを作る”という課題が出て、彼が思いつきで作ったのが“ふなっしー”なのです」  昨年末のNHK紅白歌合戦にも登場するなど人気は右肩上がりで、お菓子や玩具など関連グッズもめじろ押しとなっているから、一体いくら稼いでいるのだろうかと、これまたお節介を焼く。  経済アナリストの森永卓郎氏が、こう算盤を弾く。 「イベントは、新商品発表など非公開分も含めて年間300本。これが1本30万円として9,000万円。テレビ等出演料が4,000万円。グッズのロイヤリティなどで1,000万円。それにCDやDVDなどの印税を加えると、安く見積もっても1億5,000万円近くになります」  気になる確定申告だが、実はふなっしー、税金対策のためか、ちゃっかり法人化していたというのだ。ふなっしーの中の人は、この法人から役員報酬を得る形になっているらしい。  だが、税理士の話によると「いずれにせよ、半分程度は税金で持っていかれます」というのだ。  経費はほとんどなさそうだが、ゆるキャラ同士の懇親会は交際費として認められるそうだ。ゆるキャラも当たればでかいのだニャン。  私事で恐縮だが、大雪が降った土曜日(2月8日)の夕方、川崎駅近くにある「ミューザ川崎シンフォニーホール」で開かれた「東京海上フィルハーモニックオーケストラ第21回定期演奏会」へ行ってきた。  ベートーヴェンの交響曲第9番、いわゆる「第九」といわれるものだ。残念ながら2,000人が入る会場は、交通事情悪化のため半分ぐらいの入りだったが、100名近いフルオーケストラと300名近い男女の合唱は、神々しいまでに荘厳で迫力に満ちたものだった。  ドイツが東西に別れていた1956年から64年の間に開かれた五輪に合同選手団を派遣した際、国歌の代わりとして、この第四楽章「歓喜の歌」が歌われたそうである。  恥ずかしいが、この年になるまで「第九」を生で聴く機会がなかった。  ベートーヴェンが初めてこの曲を演奏し、終わったとき、全ての聴衆の目には涙が光り、嵐のような歓呼は永遠に止むことがないように思われたという。外が吹雪のせいもあったかもしれないが、同じような“感動”をこの日私も味わった。「ブラボー」の声があちこちから上がり、拍手は鳴りやまなかった。  その楽聖・ベートーヴェンに比して「現代のベートーヴェン」とTIME誌に言わせしめた日本人作曲家が、実はペテン師だったという文春の記事は衝撃的であった。これが久々のグランプリだ!  作曲家・佐村河内守氏(さむらごうちまもる・50)のゴーストライターを務めていた新垣隆氏(43)が、こう告白している。 「私は18年間、佐村河内守のゴーストライターをしてきました。最初は、ごく軽い気持ちで引き受けていましたが、彼がどんどん有名になっていくにつれ、いつかこの関係が世間にばれてしまうのではないかと、不安を抱き続けてきました。私は何度も彼に、『もう止めよう』と言ってきました。ですが、彼は『曲を作り続けてほしい』と執拗に懇願し続け、私が何と言おうと納得しませんでした。昨年暮れには、私が曲を作らなければ、妻と一緒に自殺するというメールまで来ました。早くこの事実を公表しなければ、取り返しのつかないことになるのではないか。私は信頼できる方々に相談し、何らかの形で真実を公表しなければならない責務があるのではないかと思い始めたのです」  この“事件”、新聞やスポーツ紙、ワイドショーでは数日前から騒ぎになっていたが、時間的にいえば、文春が取材し、その新聞広告を手に入れた新聞社がその事実を知り、新聞社名では出しにくいので共同通信に情報を渡し、共同が書いたということになるのではないか。  佐村氏は広島生まれの被爆2世で、全聾の作曲家として一躍有名になった。  2011年に発表した80分を超える「交響曲第一番 HIROSHIMA」(演奏、東京交響楽団/日本コロンビア)は、クラシック界では異例の約18万枚のセールスを記録したという。  また、昨年3月31日に放送された『NHKスペシャル』の「魂の旋律~音を失った作曲家」では、東日本大震災の被災地の石巻、女川を訪ねながら創作する過程が紹介され、それが元で生まれた「鎮魂のソナタ」(演奏ソン・ヨルム/同)は、番組の反響もあって10万枚の売り上げを記録しているそうだ。  この番組は私も見たが、佐村河内の名前を知らなかった私も、内容に感動して、すぐにAmazonでCDを買って聴いてみた。さほど交響曲には感動しなかったが、被曝2世、全聾者という彼の人生が音楽の隠し味になって、聴く者を感動へと誘っていたことは間違いない。  ソチ五輪の男子フィギュアのショートプログラムで、高橋大輔選手が彼の作曲した「バイオリンのためのソナチネ」で滑ることも話題になっていた。  そこに18年間もの間、佐村河内氏のゴーストライターをやっていたという桐朋学園大学音楽学部作曲専攻で講師を務める新垣氏が、「懺悔実名告白」をしたのだ。  2人が出会ったのは、1996年の夏のことだという。年上の佐村河内氏は、新垣氏にこう切り出した。 「このテープには、とある映画音楽用の短いテーマ曲が入っている。これをあなたにオーケストラ用の楽曲として仕上げてほしい。私は楽譜に強くないので」  新垣氏はこの申し出をあっさり受け入れた。佐村河内氏が提示した報酬は数万円。それが、いびつな二人三脚の始まりとなったと文春は報じている。  新垣氏がこう話す。 「クラシック界では、大家の下でアシスタントが譜面を書いたりオーケストラのパート譜を書いたりすることはままあることです。ところが、その後わかったのですが、佐村河内は楽譜に弱いのではなく、楽譜が全く書けない。正式なクラシックの勉強をした形跡もない。ピアノだって、私たちの常識では『弾けない』レベルです」  新垣氏はお金とか名声がほしくて引き受けたのではなく、自分が作曲した音楽を多くの人に聴いてもらえることがうれしかったからだと動機を語っている。  新垣氏は自分たちを「天才的な大馬鹿コンビ」と自嘲していたというが、まさに奇跡の出会いだったようだ。  楽譜の書けない佐村河内氏は、細かい「構成図」を書いて新垣氏に渡したという。文春によればこうだ。 「『中世宗教音楽的な抽象美の追求』『上昇してゆく音楽』『不協和音と機能調整の音楽的調和』『4つの主題、祈り、啓示、受難、混沌』等々、佐村河内は、ひたすら言葉と図で一時間を超える作品の曲想(コンセプト)を書いている。このコンセプトに沿って新垣は、一音一音メロディーを紡ぎだし、オーケストラ用のパート譜を書き起こしていく。つまり、佐村河内はセルフプロデュースと楽曲のコンセプトワーク(ゼロを一にする能力)に長け、新垣は、それを実際の楽曲に展開する力(一を百にする能力)に長けている」  だが、「新潮45」(13年11月号)に載った音楽家・野口剛夫氏による論考『「全聾の天才作曲家」佐村河内守は本物か』を読んで、新垣氏は不安を持った。  野口氏はこう綴っている。 「時にはバッハ風、ときにはマーラー風の美しい響きの瞬間も随所にあるが、それらは刹那的な感動の域を超えることがない(中略)、『交響曲』の最後で(中略)ほとんどマーラーの交響曲(第3番の終楽章?)の焼き直しのような響き」  講談社から出した自伝『交響曲第一番』の中の記述などもウソが多く、新垣氏はここで打ち切ろうというアドバイスをしたが、佐村河内氏は受け入れなかった。  思いあぐねた新垣氏は、自分の教え子でもあり佐村河内氏が曲を献呈していた義手のヴァイオリニストの少女の家族の前で、これまでの真相を話し、謝罪したというのである。  こうして綻びは大きくなり、砂上の楼閣は崩れ始めた。  驚くことに「全聾」というのもウソだと、新垣氏は言っているのだ。 「実際、打ち合わせをしても、最初は手話や読唇術を使ったふりをしていても、熱がこもってくると、普通の会話になる。彼自身も全聾のふりをするのに、ずっと苦労したんだと思います。最近では、自宅で私と会う時は最初から普通の会話です」  米誌がつけた“現代のベートーベン”という言葉に踊らされ、日本人の多くが騙されていた感動物語は、思ってもみないエンディングを迎えてしまった。  しかし、これだから人生は面白のだ。昔、ロサンゼルスで妻を何者かに撃たれ、悲劇のヒーローになった三浦和義氏に「保険金詐欺の噂がある」と文春が連載し、大騒ぎになったことがあった。  感動秘話の裏にある、どす黒い真実を暴き出すのも週刊誌の役割である。そういう意味でも、日本中を驚かせた文春は見事である。  なぜ、文春にばかりスキャンダル情報が集まるのだろうか? ここでも何度か書いているが、AKB48のスキャンダルをはじめ、タブーに怖じ気づかず数々のスクープをものにしてきた文春だから、ネタを持っていけばやってくれるという「安心感」がネタ元にあるからだろう。  ほかの週刊誌では、「面白い話ですが、うちではコンプライアンスがうるさくて」とか、「あのプロダクションとはケンカできないので」とかいった「言い訳」で断ることが多いが、文春にはそうした断る理由が他誌よりはるかに少ないのだ。  この騒動が起きたとき、ネタ元は文春だとぴーんと来た。文春恐るべしである。 (文=元木昌彦)

NHK新会長 前代未聞の大放言で危惧される、“言論機関”NHKの行く末――

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「週刊新潮」2月6日号 中吊広告より
今週の注目記事 第1位 「舌禍は時間の問題!『籾井勝人』NHK新会長の履歴書」(「週刊新潮」2月6日号) 第2位 「くすぶる非正規の恨み」(「AERA」2月10日号) 第3位 「ビビりまくりの安倍に小泉が仕掛ける『2月8日』の最終爆弾!」(「週刊現代」2月15日号) 第4位 「専門家が警告 糖質制限ダイエットで『寝たきり』が続出」(「週刊現代」2月15日号) 第5位 「デヴィ夫人に殴られた女性は後藤田代議士の“不倫相手”だった」(「週刊文春」2月6日号)  このところ何度か書いているが、フライデーに元気がない。今週号も「滝川クリステルと小澤征悦 老舗そば屋で『大人の恋』」というのは多少引きはあるが、右の大特集が「アベノミクス最後の砦『株価と景気』崩れ始めた」では買う気にならない。  読者は、一般週刊誌と同じものをフライデーで読みたいと思うだろうか? 写真週刊誌は「写真」で勝負しなくてはならないはずである。「アベノミクスに翳り」でも「特定秘密保護法反対」でもいいが、できる限り驚きのある一枚写真で見せてほしいものである。  写真で勝負する雑誌が、時代に遅れをとっていることも心配だ。このところ、法廷内の写真や動画までがYouTubeに上がっているという。  私が編集長の頃、開かれた法廷にすべきだという大義名分で、オウム事件の麻原彰晃被告(当時)の法廷内写真を撮ろうと何度か試みたことがある。結局、たいした写真は撮れなかったが、当時、携帯電話の機能がもっとよくなっていたら、法廷内からの生中継なども携帯を通してやれたはずである。  すでにそうしたことを“素人”さんたちにやられてしまっているのに、フライデーが何もしないのでは、写真誌の存在理由を問われかねない。一層の奮起を望みたい。  まずは、デヴィ夫人の一見バカバカしい騒動が暴き出した、テレビ現場の「ヤラセ」を報じた文春の記事。  デヴィ夫人には、二度ばかり会ったことがある。週刊現代編集長時代だからだいぶ前になるが、彼女が定宿にしていたホテルの部屋だったと記憶している。  会った印象は、“気の強い女性だな”という、ごく当たり前のものだった。無理もない。インドネシアの利権をもらおうと画策した政商たちのために、スカルノ大統領に“貢ぎ物”として差し出され、第三夫人にまでのし上がった「戦後の裏面史」を生きてきた人なのだから、生半可な女性ではない。  スカルノ亡き後、インドネシアを離れ日本に舞い戻ってきた彼女の心中は、いかばかりであろう? だが、そうした怒りや哀しみを押し隠し、テレビのバラエティで“悪役”を演じ、怒りをぶちまけているのは、自分を“売った”祖国への恨みを晴らしているのではないか?  彼女の出ているテレビを見ながら、そんなことを考えることがある。  その彼女が、またワイドショーをにぎわしている。番組出演中に出ていた素人の女性に、平手打ちを喰らわせたというのだ。文春を見てみよう。  事件の舞台となったのは、バラエティ特番『奥様はモンスター2』(TBS系/1月15日午後7時放送)だった。 「収録は一月九日、世田谷のレモンスタジオで行われました。司会はお笑い芸人ブラックマヨネーズの二人、ひな壇にはデヴィ夫人、西川史子、奈美悦子、吉本芸人トリオのパンサーらが並びました」(番組関係者)  この番組にモンスター妻役として出演したのは、現役クラブホステスのA子さん(33)だった。 「彼女の設定は女王様。主夫の旦那はナンバーワンホステスの妻にかいがいしくマッサージをして癒やし、妻がお茶と言えば深夜でもコンビニに走る。しかし、いくら尽くせど妻が浮気する……という再現VTRが流れた後で夫が現れました。いかにも尻に敷かれそうな気弱な男性です」(同)  ふてぶてしく座るA子さんは、ディレクターの指示通りに、デヴィ夫人に絡み始めた。「私もホステスやってますが、デヴィ夫人も、赤坂の『コパカバーナ』にお勤めでしたね。どうやってインドネシア大統領夫人という玉の輿に乗れたんですかぁ?」  小バカにした言い方で挑発するA子さん。すると、デヴィ夫人の顔はみるみるこわばったという。 「その瞬間、デヴィ夫人は席を立ちツカツカとA子さんに歩み寄り、黙って右手を上げ、A子さんの顔めがけて振り下ろしたのである。右、左、右と三発、さらに四発目の拳を振り上げた時、飛び出してきたスタッフたちに羽交い締めにされた」(文春)  デヴィ夫人はそのまま帰ってしまったが、その後、A子さんは成城署に被害届を出し、大騒ぎになったのだ。  デヴィ夫人が暴力を振るったのは大人げないが、このA子さんも相当したたかな女性であることが判明する。  フライデー(11年6月17日号)に、自民党のイケメン政治家・後藤田正純代議士(44)の不倫が報じられたが、その相手がAさんだったのだ。  御曹司政治家を手玉にとったというのである。  担当刑事が示談を勧めたが、交渉は難航した。デヴィ夫人の知人はこう憤る。 「A子は示談金をふっかけ、なんと1億要求してきた。結局、両者は示談金200万円で和解した」  しかし、ことはそれだけでは収まらないと文春は追及している。  そもそもこの番組は、ヤラセだった可能性が極めて高いというのだ。 「確かに二人は一時期恋人同士で、同居していました。しかし、番組が二人に出演依頼した当時、すでに別れていました」(A子さんの周辺人物)  番組は「完全実話」と銘打って放送されているから、これが事実ならば「ヤラセ」である。  さらに、こんな証言もあるという。 「実はA子さんに支払われた示談金200万円の一部は、TBS側が負担しているのです。収録現場は制作会社に任せきりで、局側の担当者が不在だった。それが露見したら、もっと大きな問題になる。他局の芸能ニュースではこのネタで持ち切りなのに、TBSでは完全無視なのはそのためです」(TBS関係者)  実話だと思って見ている視聴者をバカにした話ではないかと怒ってみても、テレビでは日常的に行われているのだから、腹を立てるだけバカバカしい。デヴィ夫人の暴力沙汰が起きなければ、こうした内情が知られることはなかったのだから、バカバカしい騒動も怪我の功名か。  お次は、最近ブームといわれる「糖質ダイエット」への疑問を呈した現代の記事。ポストでも同じようなものをやっているが、やや“肯定的”なので、現代のほうを取り上げた。  このダイエットのやり方はシンプルで、ご飯やパン、イモ、果物などの炭水化物に含まれる糖質の摂取量を一日130グラム以下に抑えるというものだ。  炭水化物を極力減らせば、おかずはなんでも好きなだけ食べていい。もともとは、糖尿病や重度の肥満患者に対する食事療法として考案されたものだそうだ。私の友人の中にもやっているのがいるが、安全なのだろうか?  糖質制限ダイエットは危険だと、糖尿病の世界的権威、関西電力病院院長の清野裕医師がこう解説する。 「人間には一日170gの糖が必要とされています。そのうちの120~130gは脳で消費され、30gは全身に酸素などを運ぶ赤血球のエネルギー源として消費されます。糖質は、生命を維持するために欠かせない栄養素なのです。糖質を制限してしまうと、代わりにタンパク質を構成しているアミノ酸を、肝臓が糖に作り変えるというシステムが働き始めます。タンパク質を糖に変えられるなら、肉を食べれば問題ないのではないかと思う方もいるでしょう。しかし、人体の維持に必要なエネルギーをタンパク質や脂質でまかなおうと思ったら、毎日大量の肉を食べなければなりません。数kgもの肉を毎日食べ続けることは現実的に不可能です。糖エネルギーが不足すると、それを補うために、体は自分の筋肉を分解してアミノ酸に変えていきます。結果、筋肉量がどんどん減っていってしまうのです」  このダイエットをやっていた70歳の男性が、ある日、尻もちをついて尾てい骨の骨を折ってしまった。調べたら、骨密度がたった1年半で10%も落ちていたことがわかったという。  現代によれば、寝たきりの原因ナンバー1の脳卒中も、糖質制限ダイエットと深い関わりがあるということが、最新の医療調査で明らかになったという。某医師が、こう話している。 「一般的に、糖質制限をするとカロリーを補うために脂質やタンパク質を大量に摂るようになります。すると、血管に悪玉コレステロールが溜まっていく。その結果、血管が痛んだり老化が進んだりして、脳梗塞や心筋梗塞を起こす可能性がどんどん高まっていくんです」  過度の制限をするのではなく、こうしたらいいと、食物学学術博士の佐藤秀美氏が言う。「高齢でも、体型がどうしても気になる、という人はたくさんいると思います。そういった人は、甘い菓子などの炭水化物の間食をやめるだけで、大きな効果が得られるはずです。(中略)高齢者は糖質制限をすれば、内臓組織の原料となるタンパク質が不足し、体はどんどん老化します」  ポストは、北里大学北里研究所病院糖尿病センターの研究チームが日本人の糖尿病患者24人を対象に食事療法の比較研究を行い、「日本人にも糖質制限食は有効だ」とした論文が今年1月、医学誌に掲載されたと報じている。  しかしポストも、タンパク質過剰摂取による腎臓悪化や成人病リスクが高まるという批判があると警告している。  国立国際医療研究センター病院の糖尿病研究連携部は、昨年1月に糖尿病でない人の糖質制限食に関する海外の複数の論文を分析し、対象者約27万人の死亡率は糖質制限していない人の1.31倍という分析結果を発表したと書いている。  糖質制限ダイエットは効果が大きい分、極端な制限は体の負担も重い“両刃の剣”という指摘もあるというのである。  それでも、あなたは「炭水化物」をやめますか?  第3位は、今週日曜日(2月9日)に投開票の都知事選挙の話題。多くの新聞の調査では舛添要一氏が細川護煕氏を引き離して有利な戦いをしていると出ているが、現代は、細川側はまだギブアップはしていない、大勢逆転の「秘策」があると報じている。  では、勝負の行方を決定付ける驚くべきシナリオとは何か? 細川陣営の選対幹部がこう明かしている。 「小泉さんと細川さんの脱原発活動はこの都知事選で終わらず、これから予定されている知事選や地方選でも脱原発候補を擁立し、全国を応援演説で回るつもりです。だったら、都知事選の選挙期間中に新党の発足を発表してしまえばいい。舛添氏不支持を表明した小泉進次郎さんが新党の党首に就任。投票日直前に細川氏の隣で演説をすれば、インパクトは絶大です」  さらに、こう続ける。 「そのまま進次郎さんが都の副知事に、脱原発を具体的に進める『エネルギー戦略会議』の議長には小泉純一郎さんが就任。東京五輪・パラリンピックに向けた2期目の選挙で細川さんが都知事の椅子を進次郎さんに禅譲すれば、全世界に向けて若きリーダーの姿を発信できる。これが今、われわれが思い描いている最高のシナリオです」  進次郎氏は、東京五輪開催時でもまだ39歳。そこから中央政界に戻ったとしても、「小泉新党」を後ろ盾に総理の目は十分にある。その頃には、自然エネルギーを根幹とした「原発ゼロ社会」が実現しているに違いない、と現代は書いている。  さらに政治ジャーナリストの鈴木哲夫氏は、宇都宮健児氏が納得すれば、脱原発で候補者を一本化するウルトラCもありえるという。舛添氏と細川氏の一騎打ちの構図になれば都民の関心も盛り上がり、細川氏の逆転勝利の可能性は高まるというのである。  私はまんざらありえないことではないと、読んでいて思った。脱原発新党を旗揚げし「ストップ・the・安倍」を掲げれば、もはや都知事選ではなく国政選挙並みのインパクトを与えるはずだ。  もはや細川はお飾りで、小泉対安倍の戦争になっているのだから、進次郎を巻き込んで一大決戦をしてもらいたいものだ。そうすればアベノミクスで呆けている東京都民も目を覚ますと思うが、果たしてそうなるのだろうか? 期待薄だが、小泉ならやるかもしれないという期待感があることは間違いない。  マルハニチロの冷凍食品に農薬「マラチオン」を混入させた容疑で阿部利樹容疑者(49)が逮捕されたが、その容貌や奇矯な日常が関心を集めている。  文春によると、阿部容疑者は妻と長男の3人で群馬県大泉町で暮らしているが、自宅周辺ではちょっとした有名人だったらしい。  改造したビッグスクーターに乗り、大音量の仮面ライダーの歌をかけて走り回っていたという。  そのほかの趣味は、アニメのコスプレとカブトムシの養殖だった。高校卒業後は自動車部品を扱う会社や新聞配達などを転々とし、8年前からアクリフーズ群馬工場で冷凍食品の製造に関わることになったという。  同社の従業員の話では「愛想がよくて、たまにほかの製造ラインに現れては、冷凍する前の揚げたてのコロッケを、よく“つまみ食い”していました」というから、根暗なタイプではなかったようだ。  文春のモノクログラビアに、逮捕時の写真が出ている。醜悪な中年オヤジそのもので、いかにも悪いことをやりそうな悪相だが、動機はなんなのだろう?  AERAは「非正規の恨み」だと報じている。これが今週の第2位。  2年ほど前、アクリフーズ群馬工場の事務棟2階で給与制度の変更に伴う説明会が開かれたという。  白い作業着を着た工場の契約社員約100人が、スーツを着たアクリフーズ本社の人事担当者2人と向き合うような形で座った。  人事担当者は「努力して評価を高めていただければ、時給が上がるため、当面は年収に大きな変化はない」といい、新制度では「頑張った人が報われるんです」と繰り返したそうだ。だが、契約社員にとって、その実態は違うものだった。  この集会に参加していた契約社員はこう言う。 「ウソばっかりですよ。私も時給は上がりましたが、年収ベースでは約20万円下がった。60万円下がった同僚もいます」  会社側の説明によれば、阿部容疑者は勤務態度に問題はなく、時給は契約社員のうち、真ん中だったという。  だが、2012年4月から賃金体系が「年功制」から「能力型」へと変更されたため、阿部容疑者の年収は約200万円に下がったという。  前出の契約社員は、阿部容疑者がロッカールームで「こんな会社もうやめる」「こんなクソ会社どうなってもいい」と、たびたび不平不満を口にしているのを耳にしたという。  さらに元同僚は、阿部容疑者に同情を感じるとまで言っている。 「会社の幹部が記者会見で『従業員からの不満はなかった』と話すのを聞いた時は、怒りが込み上げてきた。表向きは会社が被害者なのだろうが、待遇を考えると、引き起こした原因は会社にもあるのでは、と思わざるを得ない。他の人が事件を起こしていたかもしれない」  首都圏青年ユニオン事務局次長の神部紅さんによれば、ここ数年、アクリフーズのような新評価制度の導入に伴って給与が大幅に下がったという相談が増えているという。 「露骨に下げると反発を招くので、方便として評価制度を装っていますが、企業側は最初から人件費削減の目的で導入しているのです」  したがって「今も現場に不平不満の種は残り続けている。セキュリティー強化が根本的な解決になるのだろうか」と、AERAは疑問を呈している。  こうした視点の記事が、週刊誌にはもっとあってほしい。阿部容疑者が犯した罪は断罪するとしても、その背景にある非正規雇用者の待遇や収入の問題を改善しなくては、こうした事件がこれからも起きることは間違いないのだから。  アベノミクスなどは、一部の大企業と富裕層のものでしかない。非正規雇用の割合は2012年に35.2%と過去最高になったとAERAが書いている。大企業優遇、軍備増強を推し進める安倍首相の暴走を止めるために、週刊誌はもっと批判してもいいはずだ。  NHKの新会長になった籾井勝人氏(70)の就任会見での“放言”が国際問題になっているが、これも安倍首相の人事介入に端を発しているのだ。新潮の特集が一番読み応えがあった。これが今週の第1位。  おさらいしておくと、戦時の従軍慰安婦について問われた新会長は、こう話したのである。 「戦争をしているどの国でもあったでしょ。独仏にありませんでしたか。そんなことはない。じゃあ、なぜオランダに、今ごろまだ飾り窓があるんですか。僕が一番不満なのは、韓国が今やっていること。日本だけが強制連行したみたいなこと言っているからややこしい。『カネ寄越せ、補償しろ』と言っている。全て、日韓条約で解決しているのに、なぜ蒸し返されるのか」(新潮より)  このほかにも、問題発言はまだある。 「尖閣諸島・竹島などの領土問題で、一部経費を国が負担する海外向け放送による政府見解の発信強化に意欲を見せ『政府が右ということを左というわけにはいかない』と述べた」(1月28日付朝日新聞より)  この御仁、三井物産で鉄鋼一筋でやってきて、役員、米国法人の社長、02年には専務に昇格し、一時は次期社長かといわれたことがあったという。  だが、籾井氏が通っていた銀座のオーナーママによると、物産の社長になれないとわかったとき、会社のデスクをひっくり返して暴れたという。  そのバーでも酔って暴れて出入り禁止になったというから、粗暴の人のようである。  子会社の社長になっても実績を残せず、終わったと思われていたのが、今回の抜擢人事で有頂天になり、 「俺が会長として、放送をひいてはメディアを変えてやる」(NHK幹部) と意気込んでいたようだが、ハナからつまずいてしまった。  メディアの長たる者が、権力者に阿(おもね)って韓国批判をしたついでにヨーロッパの国名を挙げて中傷するなどは、前代未聞である。メディアのイロハもわからず、権力のポチになり下がった人間にNHKを委ねていいはずはない。  三井物産は過去にも元会長の池田芳蔵氏がNHK会長になったが、わずか9カ月で辞任に追い込まれたことがある。今回はいつまで持つのだろう?  今ひとつ、気になることがある。NHKの会長人事は12人の経営委員会で決定される。昨年12月に安倍首相は、そこへ自分と親しい4人の経営委員を送り込み、籾井氏が選ばれたのだが、そのひとりである作家の百田尚樹氏が、この件についてこうツイートしたといわれる。 <毎日新聞では、籾井氏の発言に対し、「経営委員側からは『外交問題に発展しかねない。選んだ側の責任も問われる』と失望の声がもれた」とあるが、少なくとも経営委員である私は何も言っていないぞ。誰が失望したんや!名前書けや>  また、百田氏は都知事選に関して、こうもツイートしているそうだ。 <私は関西在住だが、舛添にも細川にも、東京都の知事にはなってほしくないと思っている。もし私が東京都民だったなら、田母神俊雄氏に投票する>  誰を支持するのも勝手だが、こういう考えの人間たちが大メディアであるNHKを支配しているのかと思うと、情けなくなる。  このままではNHKは言論機関ではなくなってしまう。そうした危機感が内部から出てこなければいけないはずであるが、今のところ聞こえてこない。 (文=元木昌彦)

東電解体、キャロライン駐日大使……細川・小泉陣営、都知事選大逆転のシナリオとは?

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「週刊ポスト」2月7日号 中吊広告より
今週の注目記事 第1位 「選挙の魔術師・小泉純一郎が仕掛ける『大逆転の秘策』」(「週刊ポスト」2月7日号) 「衝撃の生データ 舛添が圧倒的勝利 これでいいのか!?」(「週刊現代」2月8日号) 「ニュースがやらない『都知事選』重大ニュース」(「週刊新潮」1月30日号) 「小泉進次郎は純一郎の操り人形か」(「週刊文春」1月30日号) 第2位 「芦田愛菜養護施設ドラマ放送中止騒動のウラ事情」(「週刊文春」1月30日号) 第3位 「バレンティン妻『私はあの男に殺される!』」(「週刊文春」1月30日号) 第4位 「ワタミ宅配弁当『イモ虫混入』報告書すっぱ抜き!」(「週刊文春」1月30日号) 第5位 「5000人超大アンケートでわかったセックス県民性2014最新版」(「週刊ポスト」2月7日号)  今週も注目記事の中心は都知事選だが、それを分析する前に、いくつか紹介しよう。  まずは、ポストの軟らかい記事。一般社団法人日本家族計画協会・家族計画研究センター所長の北村邦夫医師がコンドームメーカー・ジェクスの協力のもと「ジャパン・セックス・サーベイ2014」を実施したそうだ。  なかなか興味深いものがある。  10代での初体験率は1位が青森県、2位高知県、3位新潟県で最下位は山形県になっている。  正常位を最も好む割合は1位が北海道、2位が沖縄県、3位は徳島県で最下位は岡山県だ。  挿入時間が3分以内、いわゆる早漏県は1位が宮城県、2位が群馬県、3位が沖縄県で、最下位は千葉県。千葉県が遅漏県ナンバー1ということか。  オーガズムを感じたことのない女性が多いのは、1位が富山県、2位が意外にも東京都、3位が鹿児島県で、最下位は徳島県だという。  性感染症予防にコンドームを使用するのは1位が福島県、2位が東京都、3位が神奈川県で最下位は北海道となっている。  続いては、文春の記事が連続3本。  渡辺美樹参議院議員はワタミグループの創業者で、資産190億円ともいわれているそうだ。  そのワタミグループでトップの経常利益を叩き出す弁当宅配事業に、トラブルが頻発していると文春が書いている。ワタミの宅配弁当を製造する「ワタミ手づくりマーチャンダイジング」の社員がこう語っている。 「お客様から『お弁当の中に3cmほどのイモ虫が混入していた』というクレームが寄せられ、今回の異物混入が発覚しました」  文春が手に入れた「異物鑑定報告書」と題された内部文書には、この芋虫はカブラヤガの幼虫だったと記述されているという。  さらに、弁当を配達する「ワタミタクショク」の営業所長A氏は、 「ビニール片、木片、虫などが混入しているというお客様からのクレームは日常茶飯事です。過去には、輪ゴム、十円玉が混入していたなどのクレームもありました」  また昨年、社内で問題になったのは、賞味期限切れの弁当の誤配だという。関西の営業所などで複数発生し、社内メールでも再発防止のために注意が呼びかけられたそうだ。  これら一連の問題に対して、ワタミは文春に次のように回答している。 「当該工場でご指摘の異物混入が発生したこと、また昨年、前日分の弁当を誤って配送したことは事実です。(中略)全ての案件について原因を解明し再発防止策を講じております」  こうした宅配弁当を食べるのは、一人住まいの高齢者が多いはずだ。くれぐれも細心の注意を払ってもらいたいものである。  文春は前号に続いてジャーナリストの三山喬氏が、本塁打王・バレンティンの妻のインタビューをしている。  彼はインタビューの最中、バレンティンが自宅に乱入し、カルラ夫人と口論になり、彼女の腕を無理やりつかんで寝室に連れ込み、阿鼻叫喚の惨劇が続いたのを目撃していた。  さまざまな文書や携帯の画像記録などを提示しながらの夫人の訴えには、それなりの説得力が感じられたそうだ。しかし、いくつかの疑問も残った。  そこで三山氏はバレンティンの故郷キュラソーへ裏付け取材に行く予定でいたというのだが、そのことを夫人に明かすと、彼女は頑強に抵抗したというのである。  不審に思った彼は、ベネズエラの北約60キロ、人口約15万人の島、オランダ領キュラソーへ赴く。  この島では、本塁打記録を樹立したバレンティンを島ぐるみの歓迎パレードで迎えたり、市街地にバレンティン通りができたりと、熱狂的なブームに沸いていたという。  それだけに、バレンティン逮捕のニュースは、島に特大の衝撃をもたらしたそうである。  バレンティンの実母アストリッドさんや姉夫婦に話を聞くと、夫人とはまったく違う話が飛び出した。 「ココ(バレンティンの愛称)の性格の二面性を言うなら、彼女の人格のほうがもっとメチャクチャ。おっとりした性格のココをこんなに怒らせたのは、彼女のしつこい嫌がらせが原因だったに違いない」  さらに、こうも言ったそうだ。 「カルラがココの女遊びについて『女たちはみんなあなたのカネが目当てなのに』と咎めたことがあったの。そしたら、息子はこう言い返したのよ。『お前だってそうだろう』って」  どちらの言い分が正しいかわからないが、結局はカネをめぐっての醜い争いのようである。私のような持たざる者には、こうした揉めごとが起きる心配はないが、ヤンキースに行く田中将大は莫大な金額を手にするようだが、そっちのほうは大丈夫だろうか。いらぬお世話だが。  地元の裁判所からの決定が出て、バレンティン選手の出国が認められたそうだが、今回の汚名を晴らすには、昨季以上の活躍が求められよう。ムリだろうが。  さて、1月23日の「asahi.com」にこんな記事が載った。 「日本テレビ系ドラマ『明日、ママがいない』(水曜午後10時)のスポンサー、JX日鉱日石エネルギー(ブランド名エネオス)とキユーピーは、22日に放送された第2話で、CMの提供をしなかった。放送前、JX日鉱日石は『視聴者からのご意見をふまえ、CMの放送は控えさせていただきます』とコメント。キユーピーも前日、提供社名を外すことを協議しているとしていた。(中略)  芦田愛菜(9)主演同作は児童養護施設が舞台。これまで施設関係者を傷つける恐れがあるなどとして、『こうのとりのゆりかご』(赤ちゃんポスト)を設置する熊本市の慈恵病院のほか全国児童養護施設協議会、全国里親会が放送中止や表現の改善を求めている。慈恵病院は22日、放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送人権委員会に審議を求める申立書を送付した。またこの日、熊本市の幸山政史市長は会見で『過激な描写や演出、現実離れした表現が多く誤解を与えかねない。局は、施設当事者の声を真摯(しんし)に受け止めてほしい』と述べ、改善を求めた」  文春は、今号でいち早くこの問題を取り上げている。  今月15日にスタートしたこのドラマは、脚本家の野島伸司氏が脚本監修を務めている。  児童養護施設を舞台に、第1話では、鈍器で恋人を殴る傷害事件を起こした母親に見捨てられ、グループホームにやってきた少女が、施設でリーダー的存在の「ポスト」(芦田)に出会う。  赤ちゃんポストに預けられ、親を知らないまま育っているためについたあだ名だという。そして、新参者に付けられたあだ名は「ドンキ(鈍器)」だった。  その施設で“魔王”と呼ばれる冷酷非情な施設長から、朝ごはんの食卓を囲む子どもたちには、 「お前たちはペットショップの犬と同じだ」 「犬だってお手ぐらいはできる。わかったら泣け。泣いたヤツから食っていい」 などと罵倒される。  こうした扇情的な描写が功を奏したのか、初回視聴率は14%という好成績だったという。  この番組放映後、日本で唯一「赤ちゃんポスト」を運営する熊本の慈恵病院が物言いをつけたのだ。  同病院は「施設の子どもへの偏見を生む」として、日本テレビに放送中止や関係者の謝罪などを文書で求め、BPOへ申し立てをしたのである。  また文春によれば、日テレ関係者は養護施設について取材し、専門家の監修も受けていると言っているようだが、実際にこのドラマの「児童養護施設監修」を請け負った元養護施設長の岡本忠之氏は異を唱える。 「1話と2話の台本を読み、施設の実態とあまりにもかけ離れていることは、日テレにも伝えました。特にドラマに出てくる施設長について、『あんなふうな言動をしていたら、厚生労働省のほうから即刻注意されますよ』とアドバイスしました」  専門家からダメ出しがあったにもかかわらず、日テレの制作サイドは特に方針を変えることはなかったということのようだ。  さらに、日テレの局関係者は「結局、良くも悪くも話題作になった。視聴率を考えればガッツポーズです」と話している。  野島氏は『高校教師』や『人間・失格』『聖者の行進』(すべてTBS系)などで、タブーをテレビドラマに持ち込むことで知られている。『聖者の行進』の第4話には、知的障害者へのリンチ場面があり、こんなセリフがあったという。 「お前らは猿だ! 見せ物小屋の猿なんだよ!」  だが、ドラマの最後まで見なければ、脚本家が何を言おうとしているのかわからないのだから、日テレはCMが入らなくても続けるべきである。  やたらコンプライアンスなどが騒がれだし、少し過激な状況や表現を使うことを自粛したり、スポンサーが圧力をかけてくる状況を、私は苦々しく思っている。  少し前に『若者たち』という映画を再び見直した。両親のいない貧しい3人兄弟と長女の物語で、初めはTBSの連続ドラマであった。  60年代、安保闘争や学生運動が世の中を騒がし、まだ高度成長の波が届いていない貧困地域に暮らす若者たちには、頑固な長兄(田中邦衛)との壮絶なケンカが絶えない。  このドラマでは原爆後遺症で悩む青年や、在日朝鮮人の差別問題、学生運動とは何かなどがリアルに語られる。こうした社会性の強い番組が、テレビでもできた時代があったのである。  いたずらに過激な設定と言葉を並べ立て、話題にして視聴率を稼ぐだけなら、そんな番組は即刻中止すべきだ。日テレと脚本家は、なぜ今このドラマをやらなくてはならないのかを視聴者にわかってもらう努力をしなくてはいけない。  BPOが丸ごと正義であるはずはない。堂々と自らの正しさを、BPO委員たちの前で主張したらいい。そうしたことをおざなりにしてきたから、テレビは力を失い、視聴者は離れていったのだから。  さて、都知事選も中盤に差し掛かっているが、自公に連合の支持まで取り付けた舛添要一候補の優勢は揺るがないようである。  脱原発を争点にしない戦略はここまでは功を奏しているが、新潮は舛添候補の「原発好き」は持ち馬の馬名からもわかると報じている。 「舛添さんの本音は、原発の再稼働です。(中略)舛添さんは、脱原発の有権者を刺激したくなかったから曖昧なことを言っただけに過ぎません。なにせ、一億円以上稼いだ馬の名前がアトミックサンダー(原子の稲妻)ですからね。そもそも彼は参院議員時代から親原発で、新聞に原発の必要性を説いた文章を寄せたこともあるほどです」  このコメントは、自民党関係者のものである。  私は知らなかったが、舛添氏は大変な競馬好きで、これまでに所有した競走馬は個人、共同、一口馬主を含めると少なくとも25頭にもなるという。そのうちの一頭が大化けしたそうだ。競馬記者がこう振り返る。 「東京の大井競馬場は、地方競馬では最大規模を誇ります。その最大のレースは東京ダービー。舛添さんの持ち馬が1997年、98年と2年連続で勝利したのです」  さらに、このアトミックサンダーは戸塚記念などでも勝利し、生涯成績は16戦8勝で、獲得賞金の総額は1億1,006万5,000円に上ったという。  「女性はともかく、馬を見る目は確かです」と、その競馬記者も太鼓判を押している。  確かに舛添氏は「東電全原発停止でどうなる電力危機」と題した文章を、2003年4月26日付の産経新聞に寄せている。 「京都議定書で掲げられた地球温暖化ガス6%の削減目標に到達するのは容易ではない。もはや、石油や石炭を多用するわけにはいかないのである。この点でもクリーンな原発の重要性を正当に位置づけるべきである」  文春は、福祉政策を前面に掲げる舛添氏の「反福祉的私生活」を、こう批判している。  1月14日の都知事選出馬会見で舛添氏は「私の政治の原点は母親の介護です」と言い放ったが、身内が反論しているというのである。舛添氏の姪がこう語る。 「祖母の介護のことをまた持ち出していましたが、事情を知る者にとっては本当に頭にきます。近所でも叔父の本当の姿を知っている人たちは、誰も良くは言わないし、私もとても応援する気にはなりません」  舛添氏は1998年に『母に襁褓(むつき)をあてるとき──介護 闘いの日々』(中央公論社)を出版した。認知症が進む母・ユキノさんを介護した体験と、介護をめぐって長姉夫妻と対立し、絶縁にまで至った経緯を赤裸々に描き、長姉のことを過剰なまでに罵った。  だがその後、長姉が文春の取材に答えて「要一が本で書いている内容は、全部反対の話だ」と反論し、近所に話を聞いてみたが、長姉の話を裏付けたようである。 「生活保護を受けていた姉の扶養を断る一方で、舛添氏は愛人の子供の教育費の減額を求めて調停を申し立てたこともある。安倍首相に都知事選の応援を求められた元妻の片山さつき氏から『障害を持つ婚外子に対する慰謝料や扶養が不十分だ。解決されていない』とダメ出しされたのも、宜(うべ)なるかな」(文春)  一方の細川護煕候補だが、心配されていた通りの優柔不断ぶりと小泉純一郎氏の陰に隠れてしまっている存在感の薄さが、支持を拡大させていないようである。  だが、細川支持を前面に出しているポストに続いて現代も「舛添が圧倒的勝利 これでいいのか」と、有権者に迫っている。  では、劣勢を挽回するうまい手はあるのか?  現代で、細川陣営の選対関係者が選挙戦術をこう明かしている。 「選挙期間中は小泉さんと2人でガンガンと街頭演説をします。さらに、投票直前の2月に入ったら、都内某所を借り切って数万人規模の集会も行う予定です。これだけ大きなイベントをすればメディアも取り上げざるを得ないでしょう」  では、自民党側は楽勝だと思っているのかというと、そうでもないようである。自民党幹部が戦々恐々としながら、こう語る。 「小泉さんは、国民世論が何を求めているのか、それを察知する能力が異様に高い。今回も脱原発を、都民や有権者が思わず食いつくような政策につなげて押し出してくるかもしれない。たとえば景気対策の一環として、『脱原発減税』などを掲げてくるかも。再生可能エネルギーを活用する企業や個人は、大幅な税の軽減措置が得られるとか。あるいは、都が東京電力の大株主であることを利用し、『東電を世界最大の自然エネルギー企業に生まれ変わらせる』とか言われても困る。東電については、破綻だとか税金泥棒だとか、とかくマイナスイメージが付きまとっていますが、そうやって超ポジティブな方向性を打ち出されると、東電解体を恐れているメガバンクや霞が関などが、『それはいい』と言って寝返ってしまうかもしれない」  現代は「脱原発は日本経済を破壊するのではない。この国を再生し、新たな発展を歩むための政策なのだ──。小泉氏が何度も語ってきたこの概念が、あと2週間でどこまで浸透するかが勝負の分かれ目となる。そして、それは十分に可能だろう」と書く。  細川氏が勝つには、政治ジャーナリスト鈴木哲夫氏が言うように「投票率が70パーセント近くになると、浮動票が流れ込み、細川氏が勝つ可能性が出てきます」ということだろう。  ポストは、選挙の魔術師・小泉氏には「大逆転勝利」への秘策があるとする。細川候補に成り代わって、大メディアが書き立てる原発ゼロ潰しに反論し、細川候補が首相辞任に追い込まれた佐川急便からの1億円借り入れ問題とNTT株取引疑惑についても「説明責任」を果たしている。  細川陣営にとっては、ポスト様々であろう。  現代同様、大逆転のシナリオがあるという。そのひとつが「原発即ゼロ」に対する抵抗勢力・東京電力の解体であるという。 「千葉にメガソーラー発電所、東京臨海部に画期的に低コストのガス火力発電所建設を打ち出す。もともと東京都には自前の発電所建設構想があったが、日本のメーカーは東電の支配下にあるから、高い見積もりになっている。そこで、海外メーカーからの機材調達でコストを大幅に引き下げ、東電支配を打破すれば、原発ゼロでも電力コストを下げることができることを、具体的な数字を交えて示す。そのうえで都民に高い電気代を払わせている元凶の東電は分割・解体すべきだと掲げる」 と、細川選対関係者が話している。  次なる秘策は、キャロライン駐日大使を使うことだという。ほとんど知られていないが、細川氏とケネディー家は、知的障害者の競技大会「スペシャルオリンピック(SP)夏季世界大会」を通じて、深いつながりを持っているというのである。  このSPの創設者はジョン・F・ケネディ大統領の妹のユーニス・ケネディーで、ケネディ家が全面的にバックアップしてきた。現在はキャロライン氏の従兄弟、ティモシー・シュライバー氏が国際本部会長を務めているそうだ。  一方、SP日本の創立者で、現在、名誉会長を務めているのが細川氏の夫人、佳代子さんなのである。  投開票日の1週間前の週末、キャロライン大使が「日本のSP夏季大会の招致を応援したい」と表明し、佳代子夫人と行動を共にするようなことがあれば、細川氏の強力な援護射撃になることは間違いないというのだ。  また、森喜朗元総理が「五輪のためにはもっと電気が必要だ。今から(原発)ゼロなら、五輪を返上するしかなくなる」と発言したが、これは「ウソ」だと反駁する。  なぜなら、オリンピック招致委員会は昨年1月にIOC(国際オリンピック委員会)に提出した「立候補ファイル」の中で、原発停止中の2012年7~8月の電力ピーク時にも東京電力には708万kwの予備電力があったことを詳しく説明し、〈2020年東京大会で発生する追加需要に対して、既に十分に対応可能な状況にある〉と、原発なしでも電力は十分足りることを報告していたからだ。  そのほかにも「原発ゼロなら毎年3兆円国富が流出する」、「原発ゼロなら電気代は3倍になる」などもウソだと反論している。  細川首相が辞任を決断したNTT株4億2000万円取引の真相についても詳しく記述し、細川氏を首相退陣に追い込んだ村上正邦氏(元自民党参院議員会長)に、佐川急便問題はでっち上げだったと言わせている。 「検察が押収していた佐川の貸付記録には、借りっぱなしになっている自民党の大物たちの名前が連なっていて、だからこそ、検察も資料が出せなかったんだ。(中略)追及する自民党側は佐川から金をもらったままだったんだから、無茶苦茶な話だよ」  週刊朝日では、こんな情報も載っている。  安倍晋三首相夫人の昭恵さんが、細川陣営のブレーンの1人である元経産官僚の古賀茂明氏と首相公邸で「密会」していたのだ。  しかも、昭恵夫人はFacebookに古賀氏と面会した時の写真を掲載して、さらに衝撃が広がったという。 「昭恵さんといえば、昨年は『脱原発』の主張を繰り返す『家庭内野党』として、注目を集めた人物である。古賀氏を直撃すると、『公邸で会ったのは事実だが、中身は話せません』とやけに口が重い」(朝日)  細川陣営の関係者は「細川支援を打診したのでしょう」と言っているが、そうだとしたら話は面白くなるが、可能性は低いだろう。  また、細川陣営のブレーンの1人は、こんなことを言っている。 「実は小泉、細川両氏は、細川氏が都知事を1期4年務めた後、進次郎氏に禅譲する案を持っている」  こうした「秘策」が本当に公表された場合、劣勢の細川氏の追い風になるのだろうか。  1月27日付の朝日新聞は、都知事選の動向をこう報じている。 「朝日新聞社が25、26両日に実施した東京都知事選の情勢調査で、舛添要一氏(65)が細川護熙氏(76)ら他の候補をリードしていた。自民党の支援で手堅く支持を広げる舛添氏に対し、細川氏の陣営では争点を『脱原発』に絞ることを見直す動きが出ている」  私は、見直す必要はないと考える。東京は、あれだけの大惨事を起こし、いまだに自分の住んでいた町や村に帰れない人が大量にいるのに、原発事故を「他人事」としか考えない人間たちの集団なのだろうか。  東京という一地方が国の原発政策に口を出すのはおかしいという声があるが、そんなことはない。  東京都の予算は特別会計等を含めると約13兆円もあり、黒字で、国からの地方交付税を受けていないから、国も東京都の意向は無視できないのだ。  もちろん福祉政策は大事だが、東京五輪がなぜ争点になるのか。五輪開催は決まったのだから、なるべくカネをかけず、細川・小泉陣営のいうとおり再生可能エネルギーを使う努力をして、世界初の「クリーン・オリンピック」を実現すれば、世界中から称賛されること間違いない。  原発がなければ日本経済が発展しないならば、そんな経済は原発事故が再び起こる前に破綻してしまえばいいのだ。  脱原発を高らかに宣言する絶好の機会を、都民はなぜ自ら示そうとしないのか、私には理解できない。  安倍首相よ、仮に舛添氏が勝ったとしても、脱原発を主張する細川氏と宇都宮健児氏の得票数を足して1票でも舛添氏を上回ったら、都民の“意思”は脱原発なのだから、再稼働は中止すべきだと思うが、いかがだろうか。  消費税値上げや円安、物価上昇で、国民の生活が苦しくなることは目に見えている。しかし、国政選挙は当分行われないから、民意を問う機会は都知事選を逃せばなかなか来ないのだ。  東京都民が、国や官僚たちの言いなりになるほどバカではないことを、都知事選で示そうではないか。 (文=元木昌彦)

「渡辺謙ネタはいまだにタブー」『ごちそうさん』絶好調の杏が抱える父との確執

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「週刊文春」1月23日号 中吊広告より
今週の注目記事 第1位 「細川担いで安倍潰し“原発ゼロ愉快犯”小泉の野望と勝算」(「週刊文春」1月23日号) 「『通俗陶芸家・脱原発元総理』連合対『絶倫政治学者』」(「週刊新潮」1月23日号) 第2位 「杏はそれでも父・渡辺謙を許さない!」(「週刊文春」1月23日号) 第3位 「バレンティン“妻への暴行・逮捕”私は見た!」(「週刊文春」1月23日号) 第4位 「安倍首相を悩ませる前門の小泉後門の持病」(「週刊ポスト」1月31日号) 第5位 「DNA鑑定したら『4人に1人は夫の子じゃない』って本当!?」(「週刊ポスト」1月31日号) 第6位 「児童買春で捕まった『読売記者』の家庭」(「週刊新潮」1月23日号) 第7位 「50歳童貞教授からの批判『高齢者のSEXは無謀だ』本誌からの3つの反論」1月31日号)  辺野古移設に反対する稲嶺進氏が、名護市長選で圧勝して再選を果たした。特定秘密保護法に対する批判も収まらず、40以上の地方議会が「撤廃や凍結」を求める意見書を可決し、慎重な運用や反対を表明した地方議会は合計で68議会に上る。  これで都知事選で細川護煕氏が当選すれば、4月の消費税アップを前にして早くも安倍政権の基盤が揺らぐことになるのは間違いない。  それについては後ほど触れることにして、まずはポストの軟らかい記事を紹介しよう。  文春が先週号に掲載した現代、ポストの「老人セックス特集」への批判だが、これにポストが反駁している。これが今週の第7位。  この論客は気鋭の思想家・仲正昌樹氏(金沢大学法学類教授)なる人物だが、文中で50歳近くにして童貞だとカミングアウトもしているのだ。  これに対して、ポスト側は素早く反応した。 「賛否両論の本誌『死ぬほどセックス』特集だが、『週刊文春』1月16日号『誰が読むの? 『現代』『ポスト』の老人セックス特集』という記事にはたじろいだ」  と、相当ショックだったことを隠さない。  その気鋭の思想家・仲正氏と全面対決したというが、内容的には仲正氏のご意見拝聴で終始している。仲正氏の言い分はこうである。 「『ポスト』のような社会派の雑誌が毎号、高齢者にセックスを勧めることに何か社会的意義があるのでしょうか。高齢者がセックスすることや性について語ることがタブーになっているなら、それを打ち破る意味がありますが、その種のタブーがあるとは思えない。つまり、すでにしている人は勝手にしているわけで、ことさら取り上げる意味がどこにあるのか。風俗雑誌ではない『ポスト』が高齢者の声を取り上げるなら、別のアプローチがあるはずです。たとえば、老人ストーカーや高齢者のエイズ問題を取り上げ、その中で高齢者特有の恋愛心理や性の技術を取り上げるならまだわかる。しかし、そうした記事はお飾り程度で、実際にはただセックスを煽っているだけに見えます」  そう、ポストや現代は、ただセックス煽っているだけなのだ。だが、それのどこがいけないのか筆者にはわからない。  ポストは、セックスを体験しないと一人前じゃないという考え方もありますが、と50歳童貞の仲正氏に聞いている。 「そういう社会的プレッシャーを乗り切れば、しなくてもいいという人はいると思います。実際、50歳までセックスの経験がない人って、よく聞きますよ。50歳の男性のうち間違いなく数パーセントはいる。若い人の場合、実際の性欲以上に、そういう社会的プレッシャーに動かされ、セックスするのだと思います。特に、女性経験を武勇伝的に語りたがる安保世代や全共闘世代にはその傾向が強かった。ただ、彼らが社会の一線から退き、社会的プレッシャーが弱まっているからこそ、若い人の草食化が進んでいるのだと思います。高齢者のセックス特集には、そういう世代の最後の悪あがきという側面もあるのでは?」  最後に仲正氏は一生童貞を続けるのか、という不躾な問いには、 「相手によります。セックスを排除しているわけではないので。ただ、そうなる確率は低いと思います。(中略)それに、もしそうなっても考えは変わりません。セックスは絶対不可欠ではないって」  仲正氏には失礼だが、こうしたちょっと風変わりな人に、セックスこそ最高の人生の楽しみなどと説いても馬の耳に念仏だろう。  だが、こうした意見に「たじろぐ」なら、後ろめたさがあるのだから、やめたほうがいいかもしれない。「たかがセックス、されどセックス」と割り切らなければ、読者もついてこないと思う。  お次は、新潮の読売新聞記者のスキャンダル記事。1月9日付の読売新聞朝刊・社会面に「本紙記者を逮捕 児童買春の疑い」という記事が載った。  新潮によれば、逮捕されたのは、西部本社経済部のT記者(本文では実名)、44歳である。  同紙の社会部記者によれば、 「昨年夏、都内の繁華街を援助交際目的でふらついていた16歳の女子高生が警視庁の少年センターの職員に補導された。彼女の携帯電話などを調べるうちv、インターネットの掲示板でTと接触していたことが判明。女子高生に3万5000円を渡し、わいせつな行為をしたそうです」  新潮は、読売新聞が書かなかったことがあるという。それは彼の父親についてだ。 「彼の場合、何と言っても父親が大物の元大蔵官僚ですからね。経済記者であれば知らない者はいません。その上、実兄も現役のキャリア官僚と聞いている。ですから、今回の突然の逮捕劇に、社内でTさんを知る人はみんなビックリしています」(読売幹部)  父親(76)は東大法学部卒業後、1961年にトップの成績で大蔵省に入り、事務次官候補と言われた。理財局長、銀行局長などを経て、95年、国税庁長官を最後に退官している。  T記者は三男で、大学卒業後、読売に入したのは95年。新人時代は新潟支局で過ごし、01年に東京本社の経済部へ異動。05年からは中国総局に勤務して再び経済部に戻ってきた。  だが、このT記者、女性関係は派手だったようである。 「新潟支局時代に同僚記者と結婚した。お相手の女性は帰国子女で、英語も堪能だった」と、先の読売幹部が語っている。しかし、T記者は経済担当の北京特派員として赴任。時を同じくして、妻も海外支局の勤務になると、 「T君は中国語ができないので、特派員として仕事を始める前、現地の女性に中国語を習っていた。ところが、その女性とデキてしまい、子どもまで作ってしまった。結局、奥さんとは離婚し、その中国人と一緒になったのです」(同)  だが、最近はその中国人妻との仲も悪くなって、別居していたそうだ。「女子高生とホテルに行ったのも、寂しさを目紛らわすためだったのかもしれません」と、大蔵省OBが語っている。  こうしたマスコミ人間たちの転落の記事を読むと、腹立たしいよりも、もの悲しさを感じてならない。外には天下国家を声高に言い立てたりしているが、内心は小心翼々、女子高生にカネを払って押し倒すことでしか鬱憤を晴らすことができないとは、何をかいわんやである。  お次は、DNA鑑定したら4人中1人は夫の子じゃないという“衝撃”の結果があるというポストの記事。  数々の離婚相談を受けてきた行政書士の露木幸彦氏によればこうだ。 「最近、DNA鑑定を希望する男性が増えています。実際に疑惑を持っている人が鑑定に踏み切るという前提はありますが、ほとんどの場合、鑑定の結果は黒。つまり、夫は子の父親ではありませんでした」  この火付け役の「婦人公論」編集長の三木哲男氏は、高名な産婦人科医から聞いた話だとこう話す。 「読者アンケートでは60.5%の妻が『浮気したことがある』と答えました。このうち『罪悪感がない』と答えた妻は70%を超えました。浮気した夫の80%が罪悪感を感じたとの回答と比べると正反対の結果です。妻側はほとんど後ろめたさを感じていない。妻からすると、夫の浮気は汚らわしいけど、自分のはやむにやまれぬ純愛であり、悲劇のヒロインのような感覚でいるようです」  ちなみに、「浮気をされたことありますか?」の問いに、「ある」と答えた妻が46.3%なのに対し、夫はわずか5.5%。ほとんどの夫は妻の浮気に気づいていないそうだ。  夫としては、余程疑わしければDNA鑑定するが、多くの場合は何も知らずに、別の男の子どもを自分の子として懸命に育てているという現実があるそうだ。知らぬは夫ばかりなり。大沢樹生と喜多嶋舞のDNA鑑定騒動は余波を生んで、まだまだ拡がりそうである。  都知事選よりも気になる安倍首相の健康問題を報じたポストの記事が第4位。  ポストによれば、安倍首相の国会審議に対応する時間を減らしてくれという「国会改革」が自民党から提案されているが、これは自民党国対幹部の説明によると、安倍首相の健康問題についての深刻さを表しているのだという。 「総理の国会出席日数を減らせというのは官邸からの強い要請だ。総理は最近、トイレに行く回数が増えているらしい。外遊同行筋などの情報では、総理に返り咲いた頃は数時間に1回だったが、このところ1時間ごとに行くときもあると聞いている。だから長時間の国会審議で首相席に座り続けることを非常に嫌がっている。その点、1時間の党首討論なら毎月やっても問題ない」  難病指定されている潰瘍性大腸炎という持病を抱える安倍首相にとって「トイレの回数」は健康のバロメーターである。  安倍首相自身が、退陣後に文芸春秋(08年2月号)に寄せた手記でこう書いている。「腸壁が刺激されるたび、三十分に一度くらいの頻度で便意をもよおします。夜もベッドとトイレの往復で、到底熟睡などできません」  小泉氏が講演で原発ゼロを打ち上げた昨年11月に、官邸関係者の一部で「ケネディ駐日大使の表敬訪問すっぽかし」と呼ばれる出来事が起きたという。  ケネディ大使の表敬訪問があるのに出席せず、その間、空白の1時間5分があるというのである。「極秘に都内の病院で診察を受けたようだ」という情報が飛び交ったというが、真偽のほどはわからない。  だが、首相ウォッチャーの大腸専門医は、匿名を条件に安倍首相の健康管理にこう疑問を呈している。 「潰瘍性大腸炎を悪化させる要因は3つある。1つはストレスで、2つ目は家庭環境、3つ目が酒だ。総理大臣という職務は健康な人でも大変な重圧だろうが、難病を患う安倍さんは、よほど節制しないとストレスが健康な人の何倍も心身をむしばむことになる。安倍さんが会合でビールやワインを何杯も飲むと聞くと、心配になります。 そもそもアルコールは潰瘍性大腸炎の画期的な特効薬といわれるが、完治させる薬ではない。また、手記によれば安倍さんの患部は大腸の中でも肛門近くと見られ、薬が届きにくい可能性もある。ストレスが溜まって炎症が起き、時々ステロイドを服用して症状を押さえているのかもしれない」  大きなストレスを抱え、家庭内野党を声高にいう昭恵夫人がおり、それらを忘れるために酒を飲むのは悪循環である。今年は安倍首相にとって本当の試練の年になる。くれぐれも身体にはご注意を。  王貞治のホームラン記録をあっさり塗り替えたヤクルトのウラディミール・バレンティン外野手(29)が、離婚協議中の妻への暴行、監禁の疑いで米フロリダ州マイアミの自宅で1月12日に逮捕されたというニュースには驚いた。  文春ではモノクログラビアで、その事件の時、夫人の取材のために自宅を訪れていて、犯行から逮捕までの一部始終を目撃したジャーナリスト・三山喬氏がレポートしている。 「夫人によれば、夫婦仲は一年ほど前から深刻な危機に陥っていたようである。バレンティンは奔放な女性関係を隠そうともせず、『こんなに楽しくやってるぜ』という愛人との写真の数々をメールで送付。夫人が『娘のことをほったらかしてどうする気?』と詰問すると、『娘なんか、お前のケツの穴に突っ込んでおけ』などと罵倒したり、ピストルの写真とともに『撃ち殺してやる』というメッセージや、不倫相手の局部の写真まで送りつけてきた。その一方で本塁打記録を塗り替える二日前には、夫人に突然、『裸の写真を送れ』と言ってきたことも。 罵詈雑言を繰り出すバレンティンに対し、現地の裁判所は『妻の許可なく自宅に入ってはならない』という命令を下していた」  バレンティンは保釈された翌日の16日に会見を開き、「今の状況は恥ずかしい。自分の失敗。家族やチーム、日本のファンに謝りたい。できれば日本で野球をするチャンスを与えて欲しい」と話したという。 「会見に同席した担当弁護士は詳細の説明は避けたが、『法に触れることはしていない』と主張した。24日に裁判所が米国からの出国を認めるかどうかの判断を下す予定で、認められれば、来日して2月1日に始まるヤクルトの春季キャンプに合流することが可能となる」(17日付朝日新聞より)  だが、そうスンナリいくのだろうか。三山氏はこう書いている 「夫人は『彼の二面性を知ってほしい』と私に語っていたが、確かに家族の前での凶暴さと、警察官の前での従順ぶりにはギャップを感じた。連行されていく際、夫人が『(本塁打の)タイトルがあの男を狂わせたのよ』と語っていたのが印象的だった」  野球ファンの夢を壊した「落ちた偶像」が日本で再び輝くことはないのではないか。たとえ今シーズン日本でプレーできたとしても、相手投手たちは、こんなヤツに打たしてたまるかと本気で向かってくるはずだ。  野球もそうだと思うが、格闘技は相手を本気にしたらダメである。王はホームランを打っても決して相手投手を小馬鹿にしたり挑発することはしなかったから、相手投手も“敵意”を抱かなかった。だから長い間、ホームランを打ち続けることができたのだ。  さて、NHK朝の連続ドラマ『ごちそうさん』が好調なようだ。主役を務める渡辺謙の娘・杏の魅力によるものらしいが、実生活は父と娘の深刻な葛藤が続いていると文春が報じている。これが今週の第2位。  1月7日のNHK大阪放送局で『ごちそうさん』の収録が再開された。だが、この日の撮影現場では杏(27)と東出昌大(25)の熱愛の話題で持ち切りだったそうだ。 「6日発売の『女性セブン』に、2人が正月2日に埼玉県にある東出の実家から出てくる写真が掲載されたのです。2人は東出の運転する車で近所のホームセンターやコンビニで買い物していた。正月を相手の実家で過ごすのだから、“家族公認”の付き合いなのでしょう」(女性誌デスク)  だが、杏の現実の家族のほうは、ドラマのような展開を迎えてはいないという。今もなお、家族のもとを去った父・渡辺謙(54)との確執が続いているというのだ。  87年、渡辺はNHKの大河ドラマ『独眼竜政宗』の主役に異例の大抜擢され、これを契機に一気にスターへと駆け上がる。しかし、その矢先の98年に急性骨髄性白血病を発症して長く厳しい闘病生活に入る。一度は復帰するも94年に再発。芸能ジャーナリストがこう話している。 「当時、渡辺の仕事は激減し、幼子二人を抱えた一家の生活は困窮しました。夫の献身的な看病を続ける一方で、藁にもすがる思いの由美子さんは95年頃に、歌舞伎俳優板東三津五郎の紹介で、巨漢の怪僧で『釈尊会』会長の小野兼弘(故人)に出会う。(中略)由美子さんは渡辺の療養に関する相談に乗ってもらっていたところ、病気は完治したため、次第に帰依していった。夫妻で宗教行事に参加、渡辺は小野からもらった護符を身に付け、法水を飲むなどしていたといいます」  しかし、渡辺の病と怪僧との出会いは、その後の家族に暗い影を落としていった。  01年、渡辺の自宅が税金滞納で差し押さえられていると報じられた。原因は由美子さんが作った巨額の借金だった。 「由美子さんは子供たちの学校の保護者にまでカネを無心し、借金を膨らませていったのです。渡辺は借金の理由を問いただし続けたが、由美子さんは一切語ることはなかった」(先の芸能ジャーナリスト)  翌年3月には夫妻の別居が発覚。そして7月に渡辺は離婚の成立と子供の親権を求めて由美子さんを東京地裁に提訴したのだ。  公判で、由美子さんの借金のほとんどが釈尊会と小野に送金されていた事実が発覚する。  当時、長男の大は文春で「息子から父・渡辺謙へ せめて学費を払って」(04年1月1・8号)と題する手記を書いている。その中で、こう打ち明けている。 「妹は急に高校中退してしまいました。借金を返せない要因に学費がある。それなのにのうのうと学校に行っていたら失礼だ、というのが杏の意見でした。そしてまた妹は、『男はやはり大学へ行って卒業するべきだ』と、僕には『辞めるな』と言いました」  家族が崩壊していく中でも杏は一貫して母親の由美子さんに寄り添い続けたという。  そして、両親の離婚訴訟の最中に、杏は芸名を本名の渡辺杏から杏と改めた。芸能関係者は「渡辺謙の娘だと思われたくないという杏の明確な意思表示だ」と語る。  離婚訴訟の結審からたった9カ月後に渡辺が再婚する。相手は芥川賞作家・辻仁成の元妻で女優の南果歩(49)である。 「杏は相当ショックだったようです。『結局、お母さんと離婚した原因はあの人なのか。お父さんを取られた』というところでしょう。また、渡辺は会見で杏へエールを送ったりしているのですが、杏はいまだに公の場で父親についての発言はしない。杏に会見で父親に関する質問をするのは現在もタブーなんです」(芸能ジャーナリストの二田一比古氏)  私は『ごちそうさん』を見ていないが、杏の意志の強そうなところは顔にも出ている。こうしたつらい経験が、彼女を大女優にするのかもしれない。  今週の第1位はやはり都知事選挙関連記事。この選挙は大都市東京の今後を占うというだけではなく、安倍首相の政権運営や彼の考える「原発推進」「戦争の出来る普通の国」に対して「NO」を突き付けるか否かの大戦になるのである。  したがって細川氏とそれを担ぐ小泉氏が圧勝すると見る向きと、いやそうではないという派に分かれるのは当然である。  今週は、ポストのように圧勝派ではないが、やや細川氏寄りの文春と、そんなことはない派の新潮を取り上げた。  文春によると、細川・小泉連合の原発政策についてのブレーンは元経済産業省の古賀茂明氏だそうだ。  古賀氏は1月9日付のTwitterrでこう書いている。 「『脱原発』が都知事選のテーマになって来ました。でも、脱原発だけでは争点としては不十分。『原発ゼロ』でもまだ不十分。『原発即ゼロ』かどうかが本当の争点です。今既に原発ゼロ状態。即ゼロでなければ、再稼働を認めることになります」  その古賀氏を中心に細川陣営では、こんな公約が検討されていると陣営関係者が明かしている。 「安倍政権が進める国土強靭化による土建国家とは一線を画す、環境重視で反原発の五輪を細川陣営は目論んでいます。例えば、原発による電力を一切使わず、自然エネルギーをふんだんに使った五輪を謳ったらどうなりますか。仮に細川氏が都知事に当選し、世界各国を五輪関連で行脚する際に、原発ゼロの自然エネルギー五輪を説けば、反対する国などないでしょう。そうなれば、安倍政権は原発再稼働、原発海外輸出の路線から、大きな転換を余儀なくされるのではないですか」  文春によれば、すでに選挙スタッフやボランティアのジャンパーなどに使われるテーマカラーも「グリーン」に決定しているという。  何やら早くも細川氏の一人勝ちのようだが、そうではないと真っ向から反対するのは新潮で、対抗馬の舛添要一氏も含めて、どっちも大俗物だと批判している。  当然ながら東京には大きな問題が山積していて、脱原発だけを争点にするのはおかしいという声がある。  新潮で政治評論家の浅川博忠氏がこう指摘する。 「都は少子高齢化対策など喫緊の課題として、『介護施設の整備拡充』『託児所の増設など待機児童問題の改善』の他、『直下型地震への防災対策』『物価の安定や食品の安全など都民生活の防衛』という4本の柱を抱えている。本来ならこうした都民に直結するテーマが争点にならなければならないのに、小泉人気をバックに脱原発のワンイシューを訴える細川さんは的外れと言わざるを得ない」  これはその通りで、細川陣営でも「脱原発」以外の政策は出さないということはなかろう。  新潮の批判は、陶芸家としても名高い細川氏の「芸術家としての力量」まで批判している。  美術評論家の藤田一人氏は、彼は基本的にアマチュアで、陶芸家が持つスタイルを持っていないと語る。だが、値札のほうはトップクラスのようである。  細川氏が庵を結ぶ湯河原にある某博物館の売店では「信楽茶碗75万円」の値札が付いているというし、個展を開くとすぐに完売してしまうそうだ。  最近は襖絵に凝っているようで、このほうも相当な評価を受けていると文春では報じている。正伝永源院(京都市)の襖絵がそれだという。  同院の真神仁宏住職がこう言っている。 「京都の春夏秋冬を描いていただきました。昨年末に完成した『冬』は、建仁寺や清水寺が雲間から顔をのぞかせている雪景色で、それは精緻なものです。『誰かに描かしてるんちゃうか』と冗談半分に思っていたんですが、サイズが足りない部分を私らの前でササっとうまいこと描いていましたわ(笑)。暮れにお会いした時は『次の作品は三年ぐらいかかる』と言ってはりました」  次の作品とは1300年の歴史を誇る奈良・薬師寺の襖絵のことだそうだ。これで素人というのは無理があるのではないだろうか。  だが、当然ながら細川氏といえども叩けば埃のでない身体ではない。  やはり出てくるのは、総理在任中に出てきた世にいう「佐川急便1億円借り入れ問題」である。新潮によればその実態は猪瀬直樹前都知事と全く同じか、むしろ金額は2倍でより悪質だったのだと指摘している。 「発行人の名前も印もない手書きの領収書。この紙切れ1枚で当時、細川氏は事態収拾を図ろうとした。(中略)徳洲会からの5000万円裏金疑惑に揺れた猪瀬前知事が、不自然極まりない借用書で事実を覆い隠そうとした構図とキレイに重なる」(新潮)  そのとき追及の急先鋒となった深谷隆司元通産相がこう語っている。 「我々は闇献金疑惑として追及しましたが、彼は82年に借りたお金で、すでに返済したと主張した。熊本市の細川邸の山門や土塀の修繕費として2300万円、元麻布のマンション購入に7700万円を使ったと説明しました。しかしマンションは借入前の購入で、細川邸の修繕は、1~2年後。この点を衝くと、彼の答弁は二転三転した。そのうち、佐川から貰った領収書の一部の控えが本社に残っていたと言い出した。それで示したのが、問題の領収書でした。ご覧の通り、インチキな代物です。しかも1000万円分しかないという。お粗末ぶりは猪瀬さんと一緒でした」  それで嫌気がさしたか、すぐに総理の座を放り出してしまったのである。在任わずか9カ月。こうしたところは気になるところではある。  細川氏の資産は5~6億円あるといわれるそうだが、すぐに動かせるまとまった現金がないと、彼の知人もいっている。今回の選挙資金はどうするのだろう。  新潮はまた、かつて“細川の女”と噂された博多屈指のクラブの元ママに「殿のせいで1億円も損したわ」といわせている。  新潮の追及は細川氏を応援する小泉氏にも向けられる。  小泉氏の脱原発理論の中でよく使われる「原発は核廃棄物最終処分場建設の目処が立たないトイレなきマンション」という考えは明確に不勉強だと批判している。  東工大の澤田哲生助教曰く、「原発を即ゼロにするにしても、既にある使用済み核燃料を処分しないといけないことに変わりはありません」。そもそも“糞”は既に存在していて、その“トイレ”は着々と整備されつつあるというのである。  この点はぜひ選挙の中で論戦を戦わせてほしいものだ。  さらに小泉氏の「エロエロ」話にまで新潮は“八つ当たり”する。昨年の12月17日、小泉氏は東京赤坂の日本料理店「佐藤」にいたという。ここは自民党のお歴々が愛用するところで、安倍晋三総理や森喜朗元総理らも参集していた。  これは小泉氏も所属していた清和会(町村派)出身の叙勲受賞者を祝う会だった。そこにいた清和会幹部がこう明かす。 「小泉さんはいつもの調子で下ネタを繰り出した。“俺の男は炉心溶融している”“信なくば立たずと言うが、漢字が違う。芯なくば勃たずだ。だから、脱原発なんだよ”と。要は自分の男性機能はもはや喪失しているというわけですが、それを原発に擬えるなんて、小泉さんにとって脱原発はその程度のことなんじゃないですか」  いわれている細川圧勝に対しても異を唱える。舛添要一元厚労相を支える政府自民党は強気だというのだ。官邸関係者がこう打ち明ける。 「1月の第2週、ある報道機関が都民数百人を対象に世論調査を行い、それが菅(義偉)官房長官の手に渡っているからです。彼は官邸のスタッフに向かって、“細川恐るるに足らず”だとほくそ笑んでいました」  この世論調査には、こんな数字が記されていたという。舛添38パーセント、細川16パーセント。  さらに、先の浅川氏は「東京には約70万の創価学会票があると言われていて、自民党とともに舛添氏に回る学会分の票差は埋め難い。舛添280万票対細川210万票が妥当。(中略)昨年の参院選における両党の都内得票率等を加味すると、340万票対150万票の大差で舛添氏が勝つ可能性もある」  だがポストは自民党幹部らが大手紙ベテラン政治部記者とともに情勢分析をした数字があると報じている。それによれば、投票率55%という前提で、舛添氏は自公の基礎票の目一杯で約230万票、細川氏は250万票前後になるという結果が出たという。  しかも投票率55%というのは少なく見積もった数字であり、それより高くなれば無党派層の票が入り込み、細川氏にさらに有利になるというのである。  私は今回の都知事選だけは「脱原発か否か」の“国民投票”でいいと思っている。3・11以降、国政選挙で原発問題はまともに論議されてこなかった。  それをいいことに安倍首相は原発再稼働を宣言し、加害者の東電が原発太りしそうな現状に、みな怒りをもっているのだ。  そんなことを許してはなるまい。福島第一原発事故から3年を迎えるとき、初めて国民の審判が下るのだ。もちろん原発はいらないが圧倒的多数であること間違いない。 (文=元木昌彦)

「都知事選圧勝は間違いなし?」安倍内閣を足元から揺るがす、細川・小泉“脱原発”連合の猛威

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「週刊ポスト」1月24日
今週の注目記事 第1位 「細川・小泉連合なら都知事選『圧勝』」「舛添要一の凄すぎる『女』と『カネ』」(「週刊ポスト」1月24日号) 第2位 「安倍晋三はアメリカに潰される!」(「週刊ポスト」1月24日号) 第3位 「喜多嶋舞『息子は会見を見て号泣…もうこれ以上彼の心を傷つけないで!』」(「女性自身」1月28日号) 「大沢樹生VS.喜多嶋舞“毒親対決”悪いのはどっちだ?」(「週刊文春」1月16日号) 第4位 「日本が誇る『性の偉人』たち」(「週刊現代」1月25・2月1日号) 今週のおかしな記事 「誰が読むの? 『現代』『ポスト』の老人セックス特集」(「週刊文春」1月16日号)  昨日(1月13日)、韓国のMBCというメディアが取材に来た。1時間半ばかりカメラの前で、日本の週刊誌はなぜ反韓・嫌韓を煽るのかについてインタビューされた。私は、以下のように答えた。  週刊誌は時代の空気をすくい取るメディアだから、日本人の根底にある韓国への差別意識が竹島問題で高まり、安倍晋三首相の登場と歴史認識発言や靖国参拝で拍車がかかってきている、そうした空気を、週刊誌が表していることは間違いない。  反韓という空気を週刊誌が増幅していることは認めるが、それは日本人全体の考えではないし、週刊誌の編集長たちもそれに同調しているのではなく、「売らんがため」にやっているのだから、安倍首相が退陣したりして潮目が変われば元に戻るはずだ。  1月12日付の朝日新聞に「韓国の国民の約6割が日本との関係改善に朴槿恵(パク・クネ)大統領が積極的に取り組むべきだと考え、約半分が安倍晋三首相との首脳会談も開くべきだと望んでいる」という記事が出たが、日本人の多くもそう考えている。週刊誌も、そうした日韓の対話が進む方向へ後押しするような記事を心がけるべきであろう。  今週の現代の巻頭に「嫌中・嫌韓・反日 何でそんなにムキになるの?」という記事が出ている。内容はともかく、お互いの国が節度と寛容の心を持って共存することを考えるべきである。  今週の1番手は、文春のちょっと妙な記事。現代、ポストの「老人セックス特集」への批判だが、気鋭の思想家・仲正昌樹氏(金沢大学法学類教授)なる人物が、こう批判しているのだ。 「(ポストの12月13日号で=筆者注)『長寿社会の現在、性生活の充実はそのまま人生の満足度につながる』と、正論らしい主張を展開している。 一見もっともらしいが、この場合の『性生活の充実』とは、AV男優並みのテクニックを持ち、若い相手と週に何度もセックスすることなのか? また、性生活が彼らの考えている意味で“充実”してることが、人生の満足度に直結するのか? 仕事も勉強もせずにセックスし続ける若者の生活は充実しているのか? 本気でセックス漬けの老後をサポートしたいのであれば、余計な理屈など言わずにエログロ雑誌になりきるべきではないか?」  こうボルテージを上げているのだが、その後に続く彼の言い分は、なんとも「?」である。 「現在50歳の私は、そろそろ両誌の特集の想定読者ゾーンに入ってるはずだが、これまでの人生で、異性であれ同性であれ性的関係を持ったことがない。別に性的不能と言うわけではない。いろんな仕事が入ってきて、かなり忙しいので、セックスの相手も機会もなくても、さほど孤独を感じていない」  忙しさに取り紛れて、50近くまで女性との性的関係が一度もなかった? こんな風変わりな御仁に批判されても、現代、ポストの編集長は戸惑うばかりではないかね。  現代の「日本が誇る性の偉人たち」は、死ぬまでセックスの変形バリエーションだが、私はこういううんちくものが好きである。  作家の中村彰彦氏、歴史学者の氏家幹人氏、風俗史家の井上章一氏が、歴史上の人物たちの「性豪ぶり」を語っている。坊さんもスケベだったと、井上氏がこう語る。 「井上 浄土真宗を広めた僧侶・蓮如上人は生涯で27人の子どもをつくり、最後の子は84歳でできたとされます。しかし、それよりもすごいのは、蓮如と同じく室町時代に生きた一休宗純。 中村 トンチの坊主として知られるあの一休さんね。 井上 臨済宗大徳寺の住持になって、伽藍の再建に尽力したほどの高僧でしたが、77歳にしてアラサーの森女(しんじょ)という女性を見初めて、セックスに耽りました。  美人の淫水を吸う(吸美人淫水)、美人の陰部は水仙の花の香りがする(美人陰有水仙花香)といった美しい漢詩で、クンニリングスを愛し、丁寧に施す様子を書き残しています」  また、江戸時代の将軍たちも、好き者が多いという。 「井上 徳川家康は最晩年まで勃起の持続に神経を使って『死ぬまでセックス』していました。朝鮮ニンジンなどの薬草をお抱えの医師団に調合させ、66歳で子どもをつくっています。(中略)徳川家5代将軍・綱吉というのも困った人で、やたらと家臣の妻を欲しがった。家臣も相手が将軍では断ることができません。彼は、牧野成貞という家臣の妻を見初めて、すぐに城中に召し出させたと思ったら、その後、彼の娘も見初めて呼び寄せた。つまり、綱吉は『親子どんぶり』を嗜んだわけです」  俳人・一茶のセックス好きも、つとに有名だ。 「井上 小林一茶は52歳になってから28歳の女性と結婚しました。毎日のように日記を書いていて、それぞれの最後に『夜三交』とか『五交』と記すのですが、これ、セックスの回数です。連日3回もセックスする生活だったので、結婚後わずか9年でなくなった奥さんの死因を、セックスに疲れたことによる衰弱死だとする研究もあるくらいですよ」  政治家にも“性事好き”は多かった。 「中村 よく知られた話ですが、鳩山一郎の盟友だった三木武吉という政治家は、選挙中の立会演説で、対立候補から『妾を4人ももっていて不徳である』と責められた。そしたら『4人あると申されましたが、事実は5人であります。5を4と数えるのは恥とすべきであります』と反論して、聴衆の拍手喝采を浴びたんですよね──」  民主党委員長の春日一幸にも、似た話があったし、田中角栄が何人も愛人をもっていたのは有名な話だ。昔は「英雄色を好む」という言葉で政治家の女性問題はうやむやになってしまうことが多かったが、女性が強くなった現代ではそうはいかない。  せいぜい、カミさんを愛でるしかないようだ。  前回、元光GENJIのメンバーとして一世を風靡した俳優・歌手の大沢樹生(44)が、喜多嶋舞(41)との間にできた息子(16)のDNA鑑定をし、「父子確率は0%」だという結果が出たという週刊誌の報道を紹介した。  新潮は、その息子の父親は俳優の奥田瑛二か石田純一ではないかと報じたが、この騒動は年があらたまってますます泥沼化してきて、女性週刊誌が双方の言い分を載せ「代理戦争」になってきている。  喜多嶋サイドが1月6日発売の女性自身で反撃に出た。二人の息子・文也くん(仮名)が喜多嶋の父・修氏とともに取材に応じて「DNA鑑定の本当の結果を僕は見た。99.9%、僕はパパの子どもです」と、息子が都内の自宅で大沢の留守中に見た鑑定結果には、DNAが一致していたと証言したのだ。  文春は、この息子の証言に疑問を投げかける。 「家裁にも提出されている鑑定証を証言で否定するという内容だけに、説得力に欠けますね」(芸能記者)  文春では2012年10月4日号で、文也くんが大沢や喜多嶋から受けたすさまじい虐待の実態を伝えている。当時、文也くんは幼少期に受けた喜多嶋による肉体的、精神的な虐待の数々や、小学校高学年から始まった大沢による壮絶な暴力を赤裸々に語っている。  今回、文春の取材に対して文也くんはこう答える。 「取材を受けたのは、おじいちゃんに言われたからです。記者の人には鑑定結果の書類を見たことを伝えましたが、僕は英語が出来ないので、理解出来たのはローマ字で書かれたパパと僕の名前、それから99.9%という数字だけです。でも、僕にはそれで親子だと信じるのに十分だったんです」  さらに文也くんは、ため息混じりにこう続ける。 「二人とも好きにすればって感じです。僕からすればくだらないことです。なんでこんなことで大騒ぎするのか。僕の実の父だって言われる人の名前も出ているみたいだけど、馬鹿馬鹿しいよ。奥田さんだって急にそんなこといわれてもね……。僕は今でもパパの子だと信じています。顔つきとか仕草とか似てるんですよ」  そして今週の女性自身では、大沢の元妻・喜多嶋舞自らがこう反論している。  騒動の始まりは、昨年4月に届けられた大沢の弁護士からの書類だったという。そこで、07年に再婚した彼女の夫が代わりに弁護士に話を聞きに行った。 「そこで『DNA鑑定の結果、Aと大沢さんは親子関係にない』と伝えられて。おまけに、『実の父親は奥田瑛二さん』とまで決めつけられていたんです。もう、『何を言ってんの? 本当にありえない!』と驚きました。無関係な実名まであがって、ご迷惑をおかけしてしまって……。根も葉もないようなことを、いきなり弁護士さんから言われて、『いったいなんなの、この話は?』と、ただただ驚きました」  喜多嶋によれば、生まれてくる子どもに障害があることが妊娠発覚後にすぐにわかっていたという。当時、医師からも「まだ若いんですから、今回は……」と言われたこともあったと語っている。そして、こう続ける。 「断言します。Aの父親は大沢さんです。ですから、大沢さんが言っているようなことはありえない、あちらにもお話ししています。息子はいま、アメリカで心機一転頑張っているところなんです。独り立ちできるようになったころに、Aが望むなら再鑑定をすればいい。ただ、いまはそっとしておいてあげたい。もうこれ以上、息子の心を傷つけたくはありませんから……」  小倉智昭の『とくダネ!』(フジテレビ系)では喜多嶋の父親・修氏が取材に答えて、Aは鑑定証を見ている、親子の可能性は99.9パーセントであると言っている。  どちらが「ウソ」を言っているのか? まだまだこの騒動、続きそうである。  安倍首相の靖国参拝は、中国、韓国からの反発は織り込み済みだったが、盟友・アメリカからの強い批判は想定外だったはずである。  ポストは、オバマ・アメリカに安倍首相は潰されると書いている。これが今週の第2位。  知日派の米国シンクタンクの安全保障専門家が、安倍首相はアメリカを甘く見ていると本質を見誤ると、こう指摘している。 「安倍首相は、憲法改正や集団的自衛権は日米同盟を強化するもので、米国は歓迎するはずだと考えている。しかし、米国の反応はそう単純ではない。オバマ政権は、安倍首相の目的は、第二次大戦後の世界秩序を定めたサンフランシスコ条約そのものを否定して、日本が独自の軍備増強に走るためではないかという疑いを強く抱いている。いまは中国に対抗するという口実だが、いずれ、反米ナショナリズムに向かうという危惧だ。だから、小泉首相の靖国参拝には何も言わなかったのに、安倍首相の参拝には敏感に反応した。安倍が憲法解釈の変更などと同時に河野談話の見直しにまで踏み込むようなら、オバマ政権内の安倍警戒論が強まり、本気で“安倍NO”を突き付ける可能性がある」  またポストは、安倍首相に命取りになるのはアメリカだけではなく、天皇陛下もだと書いている。  80歳になった天皇が昨年12月23日の誕生日会見で、歴史認識についてこう踏み込んだ発言をしたことが、安倍首相のつまずきになると見ているのだ。 「戦後、連合国軍の占領下にあった日本は、平和と民主主義を守るべき大切なものとして、日本国憲法を作り、様々な改革を行って、今日の日本を築きました。戦争で荒廃した国土を立て直し、かつ、改善していくために当時の我が国の人々の払った努力に対し、深い感謝の気持ちを抱いています。また、当時の知日派の米国人の協力も忘れてはならないことと思います」  安倍首相の「戦後レジームからの脱却」に、真っ向から異を唱える発言である。景気が少しよくなってきただけで浮かれていた安倍首相にとって、背筋が寒くなる内憂外患であろう。  その上、都知事選出馬を表明した細川護煕元総理が当選すれば、安倍内閣は足元からも崩れると、ポストが報じている。これが今週の第1位。  先週、細川氏が都知事選出馬を考えているとスクープしたポストは、小泉純一郎元総理と脱原発連合を組むから「圧勝」すると書いている。自民党都連幹部も、それを裏付ける発言をしている。 「都知事選で細川、小泉コンビが街頭演説に立てば、舛添はおろか、誰を立てても勝ち目はない。その勢いの前には、安倍首相が舛添の応援に立っても霞んでしまう。首相は小泉さんと比較されるのが恐くて演説に立てなくなるのではないか。かつて小泉さんが自民党総裁選で田中真紀子の応援を得て旋風を起こしたような状況が再現されかねない。“風”が吹けば、猪瀬前都知事をはるかに凌ぐ500万、いや600万票を獲得するかもしれない」  自民党さえ「細川圧勝」と見ているわけだが、細川都知事になると安倍政権のダメージはただならないというのである。  まず、東京都は東京電力の大株主であり、都知事は同社の経営に大きな発言力を持つ。安倍政権は東電柏崎刈谷原発の再稼働を推進しているが、「原発ゼロ」の細川都知事が誕生すれば、小泉氏とともに真っ先に再稼働反対を突きつけて安倍政権と全面対決になるはずだ。  それだけではない。東京五輪の利権の構図も根底から覆るという。安倍政権は都知事不在のうちに五輪の大会組織委員会会長に森喜朗元首相を内定させたが、会長人事には開催都市のトップである都知事の同意が必要となるのだ。「NO」を突き付けられる可能性もあるというのである。  また、安倍政権が五輪に合わせて解禁しようとしている「お台場カジノ構想」についても「東京にカジノはいらない」と拒否する可能性があると、細川氏を古くから知る大臣経験者が語っている。  今度の都知事選挙は大都市東京の今後を占うというだけではなく、安倍首相の政権運営や彼の考える「原発推進」「戦争のできる普通の国」に対して「NO」を突き付けるか否かの国民投票と化すのである。  こうなると、タレント候補の東国原英夫前宮崎県知事などの出る幕はないだろう。私が細川氏の参謀だったら、反原発で競合する宇都宮健児氏とも話し合って、宇都宮氏に出馬断念してもらうよう説得するのだが。  過去には、出馬したが選挙中に話し合いで断念したケースはある。  こうなると自民・公明が推す舛添要一氏との一騎打ちの様相だが、ポストは舛添要一氏にはものすごい女性とカネの問題があると、報じている。  何しろ結婚3回、離婚2回、子ども2人に愛人の子3人、現在「隠し子、養育費裁判」係争中であるというのだから。  しかも彼の艶福家人生が災いして、舛添氏は現在、裁判を抱えているという。元愛人A子さんとの間にできた子どもの「養育費(扶助料)の減額」を求めて舛添氏が争っているのだ。  婚外子にあたるA子さんの子どもに対する月22万円の教育費の減額を求め、舛添氏は12年4月に、家裁に調停を申し立てたのである。理由は子どもが自立しており、自分の年収も激減しているというものであったが、二つとも納得しがたいとA子さん側が反発しているのだ。  A子さんの子どもは現在25歳だが、幼少時より重度の障害を抱え、今も週に5日、病院に通う日々を送っており、自立などとても不可能な状態であること。  また、舛添氏が国会議員ではなくなり、歳費の1800万円が「現在の収入は月10万円しかない」と主張していることにも疑義ありというのだ。  ポストによれば、あれだけのメディア露出があるのに月10万というのはおかしい。しかも舛添氏は相当な資産家で、東京・世田谷には3億円で取得した自宅があり、ほかにもファミリー企業「舛添政治経済研究所」名義で、神奈川・湯河原町と福岡・北九州市に別荘などを所有している。湯河原の別荘は敷地面積950平方メートル、総床面積270平方メートル超の、檜を使ったぜいたくな2階建て豪邸だという。  私は舛添氏を、東大の助教授時代から知っている。当時は才能も髪もフサフサとある、魅力的な人物であった。  東大を飛び出し、政治学者から政治家になってから少しずつ変わってきたが、凡百の政治屋に比べれば、女性問題を除けば首都・東京を託すに足る人物だとは思う。  だが、残念ながら自民党的体質が染みつき、脱原発や憲法改悪反対へ舵を切れない。舛添氏が自民・公明の推薦を蹴飛ばし、脱原発、憲法擁護を旗印に戦ったら、この戦、どちらが勝つかわからないが、そうはできまい。  今回の都知事選は、国政選挙を凌ぐ注目選挙になることは間違いない。 (文=元木昌彦) ●もとき・まさひこ 1945年11月生まれ。早稲田大学商学部卒業後、講談社入社。90年より「FRIDAY」編集長、92年から97年まで「週刊現代」編集長。99年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長を経て、06年講談社退社。07年2月から08年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(2006年8月28日創刊)で、編集長、代表取締役社長を務める。現「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催、編集プロデュースの他に、上智大学、法政大学、大正大学、明治学院大学などで教鞭を執る。 

大沢樹生・喜多嶋舞元夫妻の長男騒動「99.9%僕はパパの子ども」発言で広がる波紋 

motoki0105.jpg 今週の注目記事 第1位「元妻喜多嶋舞 周辺に大物俳優で『そして誰が父になる?』」 (「週刊新潮」1月2・9日号) 第2位「安倍政権NSC初代局長 許されざる『特定秘密』」 (「週刊文春」1月2・9日号) 第3位「小泉がまた動いた! 都知事選には『あの人』を担ぐ」 (「週刊ポスト」1月17日号) 第4位「『中国猛毒偽装食品』いま最も注意すべき30品目摘発リスト」 (「週刊文春」1月2・9日号) 第5位「米倉涼子が毎週泊める日本一の幸せ男 何者だ?」 (「フライデー」1月10・17日号) 第6位「『みのもんた』に骨董通りで土下座したテレビ局員」 (「週刊新潮」1月2・9日号) 番外「現代・ポストの袋とじ対決!勝者はどっちだ」  明けましておめでとうございます。早速、私事で恐縮ですが、今年はよい年になるかもしれない。といっても競馬の話だが。1月5日に行われた「中山金杯」「京都金杯」に連勝したのだ。私の半世紀近い競馬歴でも初めてのことである。  この両方のレースは年初のレースでハンデ戦とあって、難解この上ない。それを馬単(1着2着を当てる)で、ズバリ当てたのである。必勝法をお教えしよう。  ハンデ戦というのは、建前上ではハンデキャッパーがゴール前、馬が横一線になるようにハンデをつけることになっている。ならば馬の優劣はどこに出てくるのか。  馬が同じ力ならば、違うのは騎手の力量である。そこで「中山金杯」は、ベリー騎乗のオーシャンブルーから手広く流す。「京都金杯」は、ルメール騎乗のエキストラエンドからの流し。  オーシャンブルー(5番人気)が見事1着で、2着に8番人気のカルドブレッサが追い込んで馬単1万4,390円と好配当。  エキストラエンドは6番人気ながらルメールの見事な騎乗で楽勝し、2着に1番人気のオースミナインが来ても馬単5,820円とまずまず。  騎手の藤田伸二が『騎手の一分』(現代新書)で、外国騎手がやたらありがたがられるが日本の騎手と遜色ないと書いているが、残念ながら私は相当の技術的な差がまだまだあると考えている。それを証明して見せてくれたのが金杯であった。  本題について語る前に、1月4日に買った現代とポストの話をしたい。新聞広告を見ていたら、現代400円に対してポストは420円とあったので、早々とポストは値上げしたのかと思い、中野駅の売店で両誌を買うと840円を請求された。  あれ? と思い現代を見ると、ポストと同じ特別定価420円と表紙に書いてある。オフィスで新聞広告をもう一度確認すると、現代は本体400円の横に税込み420円と小さく書いてあるではないか。  現代のほうは外税的な書き方だが、これで400円の5%の20円が消費税分だから、4月の消費税アップ分を先取りし定価420円を固定化するつもりなのだろうか。これで週刊誌の売り上げがさらに落ち込まないか心配である。  さて現代、ポストは新年号付録のつもりなのだろう、袋とじでお得感を出そうとしのぎを削っている。  ポストはW袋とじで「永久保存版 美熟女専科1万円写真集 創業25年富士出版 ベストセレクション 豪華ミニ写真集」と「それだけでアナタのSEXライフは10倍の快楽を得られます! 完全保存版 女性ためだけの『秘密のフェラチオ講座』」  現代も袋とじで「こんなことしてお嫁に行けるの? やばいSEX」というのをやっていている。  「富士出版 ベストセレクション」は小雑誌になっていて、素人だそうだが、中年女性のあられもない姿がなかなかのわいせつ感を醸し出している。  もう一方は、ポストお得意の「最新最強のアダルトグッズ」の紹介があり、現代もカリスマAV女優が舌技を教えているページがある。  この袋とじ対決、お得感とわいせつ感でポストが現代を上回っている!  ここで提案。われわれが少年時代は「少年倶楽部」などの新年号8大付録に心を躍らせたものだった。付録に関する規制が緩和され、今の女性誌にはトートバッグやマフラーや傘までが付録につく。  週刊誌も新年号ぐらいは袋とじだけではなく、「サライ」のように万年筆や手帖、またはポーチなどを付録につけたらどうだろう。そうすれば部数は伸びるし、話題にもなるから損はしないと思うのだが、いかがだろうか。  さて、まずは第5位から。新潮のみのもんたのグラビア。  12月20日の21時過ぎ。港区南青山の骨董通りに面した高級割烹店から、ご機嫌な表情で出きたみのもんた(69)に対して、スーツ姿の男性が突如、冷たいアスファルトに膝をついて平伏したというのだ。  新潮によればこの人物、TBSの社員だという。その晩、みのが食事していた相手は「TBS前報道局長の取締役と報道局畑の局員たち」だった。  TBSにとって、朝を支え続けてくれたみのは「功労者」だという。それを降板させるということで、報道局員たちには負い目がある。そこで先の土下座になったというのだが、これではみのとTBSの上下関係はいつまでたっても変わらないようである。  久しぶりにフライデーを取り上げよう。平均視聴率23パーセントと大ヒットしたドラマ『ドクターX』(テレビ朝日系)の主役で、いま乗りに乗っている米倉涼子(38)が「結婚間近」だという張り込みネタだ。  12月上旬の夕方、真っ赤な「フォード・マスタング・コンバーチブル」に乗った米倉は、所属事務所での打ち合わせ終えると、南青山の交差点へと向かった。歩道には、ビジネスバックを持った長身の男性が待っていたという。  途中、明治屋などで買い物をした後、2人は米倉の自宅マンションへ入ると、そのまま一夜を明かしたそうだ。  気になる彼氏だが、彼の友人によるとこうだ。 「リクルートの元社員で、12年8月に独立したフリーの編集者です。現在は『ホットペッパー』などの情報誌を手がけています。  同じ8月に『女性セブン』にも二人の密会を報じられましたが、それ以降、本格的に付き合うようになったようです。年齢は30代半ばで米倉さんより年下ですが、入社5年目で『ホットペッパー』の編集長に抜擢されたほど優秀な人ですよ。雰囲気は、俳優の堺雅人さんに似ています」  米倉には『ドクターX』終了後、大きなスケジュールは入っていないという。フライデーは新春早々にも、サプライズ発表があるかもしれないと書いている。  この果報者め! 編集者って意外にモテるんだね。そういえば昔、週刊現代の副編集長が関根恵子と付き合っていて、彼女が編集部に夜食を届けに来たことがあった。  フライデーにいた編集者は、若い頃の藤原紀香とベットインしたことがあると自慢していたな。  幻冬舎の見城徹社長は若い頃、某女優と付き合っていると週刊誌のネタになったことがある。私にはそうした浮いたウワサが何一つなかったが、今からではもう遅い。  私は、文春が続けている中国の食品バッシングは好きではない。この欄でもほとんど取り上げていないが、今週の「中国猛毒偽装食品」は読んでいて反吐が出そうなぐらいひどい。  これが事実だとしたら、マルハニチロホールディングスの子会社「アクリフーズ」の群馬工場で製造された冷凍食品から農薬マラチオンが検出された問題など、許せる気がするほどである。  これを読んだら、中国からの輸入食品は食べられないと思う。紹介してみよう。  文春は、山東省最大の魚工場である栄成市石島の水産加工工場へ行った。日本向けにイカのリングや白身魚のフライなどを年間5,000トン出荷しているというこの工場では「さらに不衛生な環境下で産地偽装が行われていた」というのである。 「工場内は薄暗く、長靴や手袋をしている従業員もいたが、農作業のような軍手姿。それも洗っていないらしく、真っ黒だ。素手で作業してる者も大勢いた。汚れたバットに入ったイカは常温で放置され、だいぶ傷んでいることがひと目でわかる。イカは添加物の水溶液に漬けられてからカットされるという。鼻を突く刺激臭を発するその液体は『酸化防止剤』という。  液体の臭いを確かめてみようと指を入れようとしたら、いきなり社長の怒声が飛んできた。 『危ない! 絶対に口に入れるなよ!』  そんな危険な溶液にイカを漬けるのかと背筋が凍りつく。社長によれば、イカをその溶液に浸すと膨れるため見栄えがよくなり、高く売れるという。 『でも自分で食べるなら、もちろん形が悪くても添加物なしのほうを選ぶね』  社長は卑屈に笑った。(中略)  私たちの『不衛生だ』という指摘に社長はカチンときたらしく、『ウチはマシなほう。百%日本向けに作っている工場で、もっと汚いところがある』と言い、近所の工場へ案内された。  そこは魚のフライ工場だった。遠くまで強烈な魚の腐臭が漂い、工場内は大量のハエが飛び交っていた。床には腐敗した魚の臓物が散乱していたが、作業員たちは魚が落ちても洗いもせず、そのままトレイに戻して捌いていた。滅菌室も消毒液もない。  この魚のフライは、日本の大手スーパーで売られるという。中国の大手企業に納入して、そこから日本に輸出しているそうだ。(中略) 『衛生管理が徹底してるのは、中国でも10~15%ぐらい。八割は零細工場で加工したものを大企業が買い付け、そこの商品と偽装して日本に輸出しているのです』(中国の大手食品加工会社社長)」  この記事を読んでも中国から輸入された食品を食べられる人は、よほど肝の据わった人か、食になんの関心もない人であろう。  大手メディアは多くの中国の食品加工工場を取材して、ここに書かれていることが一部の工場だけの話なのか、広く中国全土で行われていることなのかを取材して、報告してほしいものである。  安倍首相は景気が上向き加減なのをいいことに、圧倒的な数を頼んで「国家安全保障会議(日本版NSC)」創設関連法や特定秘密保護法も成立させ、共謀罪まで視野に入れている。  韓国軍へ1万発の銃弾を無償譲渡して、武器輸出解禁へと踏み出した。今年の通常国会では、本丸である国家安全保障基本法案が提出される見込みだ。  一気に「戦争のできる普通の国」へ持っていこうとしている先には、中国と一戦交えようという腹があるのではないか。気弱で女々しい男が被った狼の仮面が剥がれるのは、いつになるのだろう。  我が世の春と思われていた猪瀬直樹都知事が、徳洲会からの5,000万円借り入れで辞任に追い込まれるとは思わなかったが、政治の世界は一寸先は闇である。  その躓きにつながるかもしれない記事が文春に載っている。安倍首相がご執心の日本版NSC初代局長谷内(やち)正太郎氏の「許されざる『特定秘密』」がそれである。 「NSC設立の狙いは、他国の情報機関との機密情報の共有により、日本の情報収集・分析能力を高めること。ありていに言えば、アメリカの機密情報をもらうための受け皿です」(政治部記者)  だが、アメリカも眉をひそめる友人が、谷内氏にはいるというのである。  「寛総会」という会が谷内氏にあるという。この会には朝日新聞の木村伊量社長など錚々たる顔ぶれが並んでいるが、パチンコ・パチスロメーカー「セガサミー」の里見治会長も名前を連ねている。  セガサミーは、今年法整備が進むと見られる国内カジノの参入を目指しているといわれる。  谷内氏はセガサミーの顧問を務めているが、顧問契約はセガサミーと株式会社谷内事務所との間で結ばれているそうだ。  そして、寛総会の事務局長として会を取り仕切っているのが、Kという人物だという。では、K氏とはどういう人物なのか。  今から約17年前、住宅金融会社(住専)がバブル崩壊で巨額の不良債権を抱え、社会問題化していたとき、「K氏も、住専四社から約六百億円の融資を受けた大阪の不動産会社社長としてバッシング報道の渦中にいたのだ」という。  不動産関係者がこう語る。 「あの頃大阪で成功した地上げ屋であれば、少なからず山口組系宅見組との接点を持っているはずですが、K氏の会社も例外ではありませんでした。頼み事をするには、組長の趣味だったフランスのエミール・ガレの高級美術品を持参するのが常識とされていたことから、贈り物探しに奔走していました。先頃韓国で仮釈放された許永中元受刑者が『韓国青年会議所を作ろう』とK氏に持ちかけてきたり、許氏と昵懇の実業家が度々会社を訪ねてくることがありました」  バブル崩壊まで突き進んだK氏の不動産会社、ピーク時で都銀や住専からの借金が総額約1,500億円まで膨らんでいたという。K氏はその後、自宅を差し押さえられたものの、一定の不良債権を処理した後、夜逃げ同然で、大阪から忽然と姿を消したそうだ。  そのK氏が谷内氏と結びついたのだ。  日中間に人脈を張り巡らせるK氏にこんな話があるという。公安関係者が絶対匿名を条件にこう明かしている。 「彼は、少なくとも一九六九年から一九八〇年までは韓国大統領直属の情報機関、KCIAのエージェントだったことが確認されている。 KCIAのエージェントは最盛期で八千人超いたと言われ、統一協会系の国際勝共連合などが隠れ蓑として使われていた。Kは活動資金が民団から出ている民団系のエージェントだ。北朝鮮情報の収集を担当し、日本国内では韓国大統領の一等書記官の指揮下にあった」  こうした背景が事実だとしたら、K氏と親しい谷内氏の初代NSC局長就任というのに疑問符がつかないのだろうか。  K氏は文春の取材に対して、KCIAのエージェントについてだけ「事実無根」だと伝えてきたという。  だが、官邸関係者がこう懸念している。 「実は、谷内氏はワシントンの大使館勤務の経験はあっても見るべき米国ルートがない。谷内氏の“人脈”をアメリカが把握すれば、機密情報を渡してくれるのか疑問です。これでは、何のために特定秘密保護法を無理押ししたのか……」  カジノ利権に関わる人物や韓国とのパイプが強い人物との交流に対して、谷内氏は釈明をすべきであろう。それとも自ら「特定秘密」に指定して蓋をしてしまうのであろうか。  お次は2月9日に投開票が決まった都知事選のお話。どうやらここへきて、候補者が絞られてきたようである。出る出ると大騒ぎの東国原英夫元宮崎県知事。自民党と公明が仕方なく推薦しそうな舛添要一元厚労大臣。宇都宮健児日弁連前会長。そして、ただ参加するだけの田母神俊雄元航空幕僚長。  新潮は、下馬評に挙がっている小池百合子元防衛大臣や橋本聖子参院議員、丸川珠代参院議員は出馬なしと読んで、東国原氏に勝てる候補となると舛添氏しかいなくなり、「消去法で200万票を貰う『舛添都知事』でいいのか?」と問うている。  そこでポストは、小泉純一郎元総理が動くと読む。これが第3位。  小泉元総理が都知事選に担ぐのは、やはり元総理の細川護煕氏だというのである。  細川氏は昨年10月に小泉氏と会談した後、脱原発を主張し、「幕末も薩長土肥が攘夷で一致した」(朝日新聞のインタビュー)と国民運動の必要性を唱えるようになったという。事実とすれば、小泉氏は都知事選に脱原発独自候補擁立を視野に入れて動いているということになると、ポストは書いている。  ポストはさらに、今年は1月19日投開票の沖縄名護市長選、2月9日に東京都知事選と続き、4月27日には徳洲会事件で失職が確実とみられている徳田毅代議士(自民党離党)の衆議院鹿児島2区補欠選挙が行われる。  この選挙は4月1日から消費税が8パーセントに引き上げられた直後のため、その影響が直撃するといわれているから、自民党は苦戦必至である。  その上ポストは6月の日本経団連総会で財界トップが交代するが、そこで脱原発派の会長が選ばれる可能性もあるというのである。  したがって東京都知事選は脱原発選挙になり、そこで勝った都知事が国に脱原発を迫るという筋書きである。面白い想定だが、細川氏や小泉氏自ら出馬しなくては、絵に描いた餅でしかない。果たしてそうなりますかな。  元光GENJIのメンバーとして一世を風靡した俳優・歌手の大沢樹生(44)が、喜多嶋舞(41)との間にできた息子(16)のDNA鑑定をし、「父子確率は0%」だという結果が出たという週刊女性の報道は、世の夫婦に衝撃を与えた。  大沢と喜多嶋は1996年にできちゃった婚している。だが9年後に離婚し、大沢は15歳年下の元モデルと再婚したが子どもはいないようだ。  息子の親権は大沢が持ち大切に育ててきたが、彼はずっと、この子は俺の子ではないのではないかという疑いを持っていたというのである。それは“ある夜の出来事”があったからだと、週刊新潮が報じている。これが今週の第1位。  2人をよく知る関係者がこう語った 「喜多嶋さんと結婚して3年ほど経った頃のこと。深夜、仕事を終えた彼女がひどく泥酔して帰宅したことがあったそうです。大沢さんが介抱していると、彼女は泣きじゃくりながら、こう話し出したのです。“奥田瑛二さんがね、『君が産んだ子は、俺の子じゃないのか』と言うの”と」  意を決してDNA鑑定をし、親子ではないとわかって大沢は7月に「親子関係の不存在」の確認を求める調停を東京家裁に申し立てている。  大沢は息子が自分の子でないとわかっても愛情に変化はないと、メディアの取材に答えている。  では、この子の本当の「父親」は誰なのか。喜多嶋は沈黙したままなので新潮は父親探しを買って出る。  名前が出た俳優・奥田瑛二(63)はどうなのか。奥田のマネジャーが、事実無根、どうして喜多嶋が自分の名前を出したのか見当がつかないと、奥田は当惑していると答えている。  先の関係者が、大沢の弁護士が「奥田さんの子どもですか」と聞いたところ、喜多嶋は「付き合っていた時期が(妊娠した時期と)違います」と答え、そのまま俯いてしまったという。  新潮はそこで、あの男に注目する。「不倫は文化」という迷言を吐いた石田純一(59)だ。  大沢と喜多嶋が結婚した96年当時、「この年の2月に、石田がホスト役を務めていた日テレのトーク番組に喜多嶋がゲスト出演したことがキッカケで、2人の交際が始まりました」と女性誌記者が語っている。  では、石田は何と答えるのか。当然ながら「喜多嶋さんと交際していた事実をまったくありません」と否定している。  しかし、96年4月に2人が南青山のサパークラブでデートする姿がメディアに報じられている。当時取材に当たった芸能記者が、こう話す。 「深夜、この店で石田と喜多嶋が頬寄せ合って、楽しそうに酒を飲んでる姿が頻繁に目撃されていた」  子どもが生まれた時期から計算すると、喜多嶋が大沢以外の男性と関係を結んだのは96年3月頃となり、石田との交際はまさにこの時期と重なると、新潮は書いている。  さてこの騒動、どういう結末を迎えるのだろうか。 (文=元木昌彦)

2013年【週刊誌スクープ大賞】BEST10はこれだ!

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 2013年は政治とメディアの年だった。特定秘密保護法の成立や猪瀬直樹都知事の辞任、年末には安倍晋三首相の靖国参拝で、中国・韓国ばかりではなくアメリカにまで批判されてしまった。  こうした権力をチェックするべきメディア側にも不祥事が続発してしまった。これで権力の監視はできるのか。不安を残したまま新しい年を迎える。  去年今年貫く棒の如きもの。2013年に起きた事件や提起された問題は、忘れることなく引き続き考えていかなくてはならない。  そのためにもこれらのスクープ記事を読み返してほしい。 第10位「今度は『共謀罪』まで言い出した 安倍総理、気分はもう戦争」 (「週刊現代」12月28日号/12月16日掲載)  編集長が交替して、かなり安倍政権への批判を強めようとしている現代だが、今週も巻頭で「安倍総理、気分はもう戦争」と小気味いい。これを今週の第1位に推す。  鈴木崇之編集長は「音羽の杜から」でこう書いている。 「いま自分たちも猛烈な砂嵐の中にあって、いつの間にかとんでもない事態になっているんじゃないか。特定秘密保護法に続き、共謀罪創設なんて話も聞こえてくる昨今。日本が戦争への道を進み、恐竜たちのように滅びるのは真っ平御免です」  現代によれば、EU(欧州連合)28カ国の在日本大使館の政治担当参事官が毎月1回集まり、世界情勢について意見交換する昼食会を開いているそうである。  その会合に先日、米国の政治参事官が呼ばれた。目的は安倍晋三総理がいま、何を考えてるのかを聞き出すためだったという。欧州の大使館関係者がこう語る。 「そこで米国の参事官が、安倍総理が中国と戦争するつもりではないかとの危惧を示したから会議が騒然としました。会合では今夏の麻生太郎財務相のナチス発言に触れて、いまの安倍政権の特定秘密保護法案への強硬姿勢も、まるでナチスと同じ手口ではないかという声も上がりました。要するに、いま欧米先進国の間では、安倍政権が戦争に突き進むのではないかとの不安が渦巻いてる。それほどまでに、日本は世界から『気分はもう戦争』という危険状態にあると見られているのです」  さらに驚いたのは、12月11日に「政府は共謀罪の新設検討」と朝日、日経新聞などが報じたことだ。共謀罪というのは殺人など重大犯罪の実行行為がなくても、謀議に加わっただけで処罰の対象とされるもので、現代の「治安維持法」として批判されてきたのだ。その悪法が、ここへきて急浮上してきた。 「安倍政権は11月末に『国家安全保障会議(日本版NSC)』創設関連法も成立させている。NSCは総理大臣、官房長官、外相、防衛相をメンバーとする『4者会合』を中核とし、外交・安全保障政策の司令塔となる組織。巨大な権限を持つことから、『戦争司令部』になりうると批判されているものだ。こうした既成事実を列挙すれば、確かに安倍政権は『戦時モード』へ突き進んでいるようにしか映らない」(現代)  現役米大使館幹部もこう話す。 「誤解されていますが、米国は秘密保護法に反対の立場です。東アジア情勢が安倍政権下で悪化する中で、なぜ戦時下の言論統制を連想させるような法案をあえて可決しようとするのかと、頭を抱えているほどです。オバマ大統領は、キャロライン・ケネディ駐日大使を通じて、安倍総理に『靖国だけには参拝するな』『これ以上中国を刺激して尖閣問題が再燃したら、米国は日本を助けない』とのメッセージも届けています。しかし安倍政権の動きを見ていると、忠告が全く響いていないように見える」  さらに現代は、安倍政権はこれに飽きたらず、戦時モードの強化へと突き進もうとしていると追及する。  NSC、秘密保護法はまだ序の口で、来年の通常国会では、本丸である国家安全保障基本法案が提出される見込みだというのである。 「昨年7月に自民党がまとめた法案の概要を見ると、戦争ができる国への一歩を大きく踏み出そうとしているのがよくわかります。例えば第3条では教育、科学技術など各内政分野は、国防を優先しろとの旨が書かれている。さらに第4条では『国民の責務』として『安全保障の確保に寄与』とある。早い話が国民も国防に協力しろという、国家総動員法まがいの内容です。さらに第10条では集団的自衛権を認め、第12条では武器輸出を解禁しようとしています」(弁護士の伊藤真氏)  国家安全保障基本法案がどれほど危険なものか。ビジネス情報誌「エルネオス」(13年10月号)で東京新聞編集委員の半田滋氏と対談したとき、半田さんはこう言っている。 「国家安全保障基本法案というのは去年の7月、自民党が野党だったときに総務会で決定しました。概略しか自民党はつくってませんけど、その中で自衛隊というものを法的に位置づけると言っていて、その中身を読んでいくと憲法とほとんど変わらないような規定なんです。たとえば『国民の責務』という項目があって『国民は、国の安全保障施策に協力し、我が国の安全保障の確保に寄与し、もって平和で安定した国際社会の実現に努めるものとする』と書いてある。  自民党の憲法草案にも似たような文章があって、要するに国防の義務を国民に負わせていくというような趣旨で、憲法九条の二項に『陸海空戦力をこれは保持しない』と書いてあるけれども、この中では『陸上・海上・航空自衛隊を保有する』と書いてあります。戦力という書き方じゃなくて自衛隊と明記した上で保有するとあって、国連には個別的・集団的の区分けがないところをうまく利用して、集団的自衛権の行使をやると書いている。  重要なのは、この法案は憲法よりは下だけれど国家安全保障の全体像を描いた上位法です。この法律だけでは漠然としてるので、下位法として集団自衛事態法をつくる。また自衛隊法を変えて集団自衛出動的任務規定を盛り込むということが書いてあります。それと国連の安保理制裁決議で武力行使が行われる場合には参加できるという項目もあるし、驚くべきことに武器の輸出ができるという規定まであります。  私がこの本(『集団的自衛権のトリックと安倍改憲』(高文研)=筆者注)を書いたときは、自民党の幹部の方が、これは議員立法でやりますと明言していたんです。三権分立ですから立法府としてこの法律をつくります。行政府、内閣はこの法律に従って自衛隊の活動を規定してくださいと要求していく。それによって自ずと自衛隊の海外における集団的自衛権の行使や武力行使ができるようにすると言っていた。  ところが今はシナリオがちょっと変わってきていて、安倍さんは内閣立法でやると言い出している。つまり安全保障は国の責任でやるべきだから閣法提出にすべきだ。それが内閣法制局長官の交代につながっているんです。つまり閣法で出すということは、内閣法制局で今の憲法解釈と齟齬がないか吟味してもらわなければいけません。これは合憲ですよと言ってもらわなければいけないわけで、イエスと言える法制局長官に差し替えて、万全の態勢で出していくという手続きが必要だと変わってきているんです」  内閣法制局長官を替え、体制は着々と整いつつある。これを阻止するには、民意の結集が必要である。  幸い、特定秘密保護法を無理やり通した後の世論調査では、NHKやJNNが10ポイントも下がって50%になり、共同通信などは47.6%にまで落ち込んでいる。  国民の怒りをくみ取り、安倍首相がしようとしている「戦争のできる普通の国」をやめさせるために週刊誌は何ができるのかを、真剣に考え誌面化しなくてはいけないこと、言うまでもない。 第9位「現役100人ヤクザ世論調査」 (「週刊ポスト」1月1・10日号/12月24日掲載)  ポストがヤクザ100人に世論調査をしたという。  対象は山口組、住吉会、稲川会といった広域団体をはじめ、全国の指定暴力団に限定してあるという。  役職の内訳は一次団体のトップである代紋頭1名、一次団体幹部6名、二次団体幹部67名、一般組員が26名。  まず「景気は回復していると思いますか?」という問いに、「いいえ」が94%。暴力団側の言い分はこうだ。 「今のヤクザの景気は飛行機の尾翼だ。上がるのは最後で落ちるときは最初」(56歳、東京)  「安倍政権を支持しますか?」では、「いいえ」が81%にもなる。その理由を聞いてみると、 「目が死んでる。線が細すぎる。死ぬ気でやってるとは思えない。本気で喧嘩ができるようにも見えない」(66歳、中国)  意外にも「自宅は持ち家ですか? 賃貸ですか?」には、持ち家が73%もいる。  「月々の飲食費はいくらですか?」には、0~5万円が41%、5万~10万円が25%、それ以上使うヤクザが34%もいる。  「去年と比較して年収は上がりましたか?」には、「いいえ」が96%と、ほぼ全員が暴力団排除法などの影響を受けて収入は下がっているようである。  「結婚していますか?」という問いには、「はい」が56%もいる。「生まれ変わってもヤクザなりますか?」というのには、なんと「はい」が60%もいるのだ。しかも、若いヤクザに多いというのである。 「俺はヤクザという生き方が好きなんで、何度でもヤクザをやる」(25歳、中部)  「はい」と答えた暴力団員の9割は20代の若手組員だったそうだ。「NO」と即答したのはすべて年配の経験豊富な上層部だったという。  こんな面白い世論調査は、週刊誌にしかできない。  第8位「『ユニクロ』『ワタミ』はなぜ新入社員が次々やめるのか」 (「週刊現代」4月13日号/4月2日掲載) 「ワタミ」には失礼だが、論じる価値はあまりないと思うが、天下の「ユニクロ」が“ブラック企業”のようなところがあるというのは興味津々である。  冒頭、現代はショッキングな数字を示す。09年に「ユニクロ」に入社した新卒新入社員の「3年内離職率」が、なんと53%にもなるというのである。しかも、ここ数年間も50%前後で推移しているというのだ。  11年に入社して昨年退社したA君が、こう語る。 「採用活動自体は、エントリーシート、筆記試験、面接数回、という他の企業と変わらないものでした。ただ、内定後からとたんに厳しくなった。まず研修。僕のときは、夏休みにホテルに2~3日軟禁状態にされ、23カ条に及ぶ長い社訓を丸暗記させられました。  最後の日にテストをするんですが、一字一句間違えてはいけない。かなりの数の内定者が合格できず、居残りで勉強させられた。営業部長クラスの社員が指導に当たっていたんですが、『ふざけてんのか』『やめたい奴は今のうちに言っておけ』と常にプレッシャーをかけられていましたね」  入社してからが、さらにきつかったという。店長になるための昇進試験を受けさせられるのだが、そのために、会社が作っているマニュアルを覚える。門外不出のため、店を閉めてから勉強を始めるから深夜に及ぶこともある。  A君は見事一発で店長試験に受かり、わずか半年で店長になる。しかし、試験に受かっていない年上の部下と、スーパーバイザーと呼ばれる上司との板挟み、売上げ目標の達成が至上命令で、半年ぐらいで「うつ病」と診断され、結局退職する。  仕事量は多く、新入社員は残業代が出るが、店長は管理職扱いだから、朝から夜中まで働いても残業代は出ない。  しかも、幹部社員全員の口調が柳井正社長にソックリで、恐ろしくなったと、元社員のB子さんが話している。  こうした個人企業は得てして宗教団体のように、一人のカリスマの下にひれ伏してしまうようになりがちだ。それ自体が悪いとは言わないが、今どきの新入社員はそうしたものに馴染めずに辞めていくのだろう。  学生側の甘えの体質にも問題はある。だが、早すぎる管理職登用は、安く社員をこき使おうという会社の意志だと思われても仕方あるまい。日本有数のグローバル企業のお寒い内情は、柳井社長が率先して反省し、変えていくしかないはずである。  「ユニクロ」は週刊誌にとって大事なクライアントではないのかもしれないが、天下の「ユニクロ」に噛みついた現代の心意気やよしである。 第7位「『大手マスコミ』の人事部長が就活女子学生をホテルに連れ込んでいた!」 (「週刊文春」5月23日号/5月21日掲載)  グランプリが出るのは久しぶりである。だがこの記事、興味を持って読み始めたが、どうもよくわからない。  昨年暮れ、有名大学に通うA子さんは、企業説明会で共同通信総務局兼人事部長だった52歳の今藤悟氏と知り合い、作文の添削をしてあげると呼び出された。  夕食をともにし、その後、酒を飲んだのだろう。終電がなくなり、タクシー代もなかった彼女は、男が「ホテルを取ってあげる」という言葉を信じて(?)、ホテルの部屋に入ったところで、関係を迫られたというのである。  ここにはどこまでコトが進んだのかは書いていないが、彼女は男の卑劣な行為が許せない、訴えたいと思い、男と会って話したが平行線に終わり、彼女は文春に持ち込んだのであろう。  その後、今藤は上司にこのことを告白し、部署から姿を消してしまうのである。  本人も会社側も、彼女との件を知った上での処分なのかと思うと、文春のインタビューに共同通信の三土正司総務局総務は、その件は承知していないと答えている。  それに「単なるウワサでいちいち調査します?」とまで言ってのけているのである。  今藤のほうは「合意の上」とでも上司を言いくるめているのであろうか。文春は実名まで出して書いているのだから、相当な裏付けがあるはずである。  それにしては大通信社の対応がはっきりしないのはなぜなのか。こうしたウワサが出ること自体、メディアにとって由々しきことなのだから、はっきり調査をして事実関係を調べるべきであろう。  こう思っていたら、今日(5月21日)のasahi.comにこの記事が出た。 「共同通信社は20日、就職活動中の女子学生に不適切な行為を行ったとして、今藤悟・前人事部長を懲戒解雇とし、監督責任がある石川聡社長を報酬減額とするなど計6人の処分を決め、発表した。  同社によると、前人事部長は同部長だった昨年12月、就職活動中の女子学生と個別に接触し、作文指導したのをはじめ、不適切な行為をしたという。社長らその他の役職員は、前人事部長への管理監督責任が問われた。前人事部長については、週刊文春5月23日号が「企業説明会で知り合った女子学生を呼び出し、ホテルに連れ込んだ」などと報道。共同通信社は「『不適切な行為』の詳細は説明できない」としている。(中略)  <共同通信社の伊藤修一専務理事の話> 今回の事案を極めて重く受け止めており、二度とこのようなことを起こさないよう職員の規律維持に全力を挙げ信頼回復に努めます。これまで公表してこなかったのは当該学生の就職活動に影響がないよう配慮したためです」  明らかに伊藤専務理事は虚偽の発言をしている。文春が報道しなければ、ウヤムヤにすまそうと思っていたに違いない。三上総務は「ウワサだ」と断言しているのだ。  比較的良心的だといわれる共同通信でさえ、この体たらく。メディアの信用はどこまで落ちれば底を打つのか。暗澹たる気持ちになる。 第6位「週刊朝日新編集長が“セクハラ常習”で更迭」 (「週刊文春」10月17日号/10月15日掲載)  週刊朝日にまたまた不祥事が起こり、編集長が更迭されてしまったというのだ。それも文春が取材してから、慌てて処分を発表したのだから、朝日新聞のコンプライアンスはどうなっているのかと心配になる。  朝日は佐野眞一氏の「ハシシタ」で橋下徹大阪市長から猛烈な抗議を受け、当時の編集長が更迭され、朝日新聞出版社長が辞める大騒動になってしまった。  その立て直しを図るべく小境郁也氏が編集長になったが、その小境編集長が「セクハラ常習者」だったというのだから、お粗末すぎて開いた口が塞がらない。  朝日新聞出版関係者がこう話している。 「いまは朝日新聞社と朝日新聞出版に分社化されていますが、08年までは同じ会社だった。社員の行き来がある2つの会社のなかの何人かの女性が、小堺氏と関係を持っていたというのです。小境氏には妻子がいますが、長く別居していて現在は一人暮らし。ある女性記者と不倫関係にあったのは社内では有名だし、過去にも別の女性問題が取り沙汰されたこともありました」  別の朝日新聞出版関係者もこう語る。 「気に入っている女性がいると、『○○と飲んでるからおいでよ』と動誘いだし、女性が来ると同席していた人を帰らせて2人っきりになるのが常套パターン。酔った勢いで抱きついたり、いきなり胸を揉んだり無理やりチューしたり。テーブルの下で強引にスカート内に手を入れ、太ももの奥を触りまくることもありました」  今回はセクハラを受けていた女性が周囲の女性に相談し、これまで関係があった女性の名前などを書いた連判状のようなものを作り、朝日新聞本社に報告したという。  だが、文春の取材に対して朝日新聞側は「現在、事実関係を調査中」と悠長なことを言っていたのだが、文春が発売される前日に「週刊朝日編集長を懲戒解雇 重大な就業規則違反」と紙面で発表したのである。 「朝日新聞出版は、同社が発行する週刊朝日の小境郁也編集長(53)=朝日新聞社から出向=に重大な就業規則違反があったとして編集長を解任し、朝日新聞社は8日付で小境編集長を懲戒解雇処分にした。併せて朝日新聞出版は上司の監督責任を問い、9日付で青木康晋(やすゆき)社長を役員報酬減額、尾木和晴雑誌本部長を減給処分とする」  後任の編集長には、朝日新聞東京本社写真部の長友佐波子(ながとも・さはこ)フィーチャー写真担当部長が9日付で就いたという。女性ならセクハラはないだろうという朝日新聞らしい姑息な考えのように思えるのだが。  その長友新編集長は、今週号の挨拶でこう書いている。 「前編集長は重大な就業規則違反があり、8日付で懲戒解雇処分となりました。昨年、小誌は橋下大阪市長の差別記事を掲載した反省から『家庭で安心して読めるニュース週刊誌』を目指してスタートしたばかりでした。1年にも満たない時期での不祥事に読者の皆様の期待と信頼を再度裏切ることになりました。深くお詫びします。(中略)たいへん厳しい状況ではありますが、1922年発刊、92年目を迎えた週刊朝日が社会から信頼される雑誌となるために、編集部一同、初心に帰って努力していきたいと思います」  先週オフィスへ来た、AERAで働いたことのある人間がこう言っていた。 「小境編集長は以前から女性関係に問題のあることで有名でした。あんな人を橋下の不祥事のあった後に据えるのは問題だと言われていた。今度の長友編集長にも、そうした噂があると聞いています。なぜ朝日はそうした人を据えるのか。人材がいないのでしょうね」  次に何か起こせば確実に休刊となる。長友編集長には相当な覚悟で臨んでもらいたいものだ。それと、もっと面白い読みでのある雑誌にしてほしいと、お願いをしておく。  なんとか創刊100周年までは頑張れ! 第5位「不倫露見で私生活が『死のロード』『阪神和田監督』と『モノマネ女王』修羅7年の記録」 (「週刊新潮」7月11日号/7月8日掲載)  2012年は巨人の原監督に女性スキャンダルが出て大騒ぎになったが、今週は阪神を率いる和田豊監督(50)の女性スキャンダルを新潮がすっぱ抜いた。この記事に久しぶりのグランプリを贈りたい。私がアンチ阪神だからというわけではありませんぞ。念のため。 「和田さんは元々、松田聖子さんの大ファン。それで、聖子さんのモノマネもしている私のファンになったそうです。初めて会ったのは、03年の冬。(中略)それからしばらくの間は友人としての関係が続きました。(中略)  初めて肉体関係を持ったのは05年の10月。この年、阪神はリーグ優勝し、日本シリーズの相手はロッテだった。で、日本シリーズの4戦目、この日負けたら終わり、という試合を甲子園まで見に行ったのです。結局、試合には負けてしまい、その日は和田さんの友人たちも一緒に居酒屋で残念会になった。(中略)  その後、和田さんがホテルまでタクシーで送ってくれ、一緒に部屋に入り、キスをしてベッドに倒れこんで……。避妊はしなかった。和田さんと付き合い始めてから、私はピルを飲むようになりました。  同じ年の12月、ハワイの優勝旅行があったのですが、和田さんから頼まれて同行しました」  こう語っているのは松田聖子などのモノマネで知られるタレントの星奈々さん(40)。星さんは93年にテレビのモノマネ番組に出演して芸能界デビュー。以降、フジテレビの『ものまね王座決定戦』の常連となり、2000年までに優勝3回。幅広いレパートリーを誇る「女王」としてモノマネ界に一時代を築いた。  男と女の関係になったのは和田氏が42歳、星さんが32歳のときになる。和田氏はその当時、阪神の一軍の打撃コーチだったそうだ。  しかし、甘い交際は長くは続かなかった。06年1月に、和田氏の奥さんから「もうやめていただけますか?」というメールが来るのだ。  自宅のパソコンにあった2人のやり取りを、すべて見られてしまったのである。  それからの和田家の惨状は凄かったようだ。奥さんのほうは一度は離婚も考えたようだが、子どもがいるため踏みとどまった。  その後も和田氏のほうが煮え切らずズルズルと関係を続けていくが、07年の末に、あることがきっかけで2人の仲は決裂してしまう。  彼女はそのことでうつ病になり、声が出なくなる。歌が歌えないので仕事も来なくなり、借金をするまでになってしまったという。  和田氏は新潮の取材に、俯いたまま何も答えなかったが、弁護士からの回答文で、彼女との関係を認め、深く反省しているとしている。彼女は、和田氏が無言だったということに憤り、こう語る。 「しかし、彼はまたしても逃げた。私から逃げ、取材からも逃げた。曖昧な態度に終始して逃げ続けたことが今のこの事態を招いたという事実。彼は未だにそれが理解できていないのでしょうか」  阪神ファンの反応はどうなのか。甲子園で和田監督へのヤジは飛ぶのだろうか。 第4位「三鷹ストーカー殺人事件」 (「週刊文春」10月24日号/10月21日掲載)  東京・三鷹市でタレントの卵、鈴木沙彩さん(18)が池永チャールストーマス容疑者(21)に殺された事件は、週刊誌の格好のネタだと思うのだが、新潮にしては珍しくワイドの一本でしかやっていない。  現代、ポストも続報はなし。文春だけが5ページ割いて追っているが、捜査担当者から聞き出したに違いないと思わせるほど、かなり詳しい内容である。事件取材はこうでなくちゃいけないと思わせてくれた文春が今週の第1位だ!  事件が起きたのは10月8日16時50分頃、三鷹市の閑静な住宅街に住む私立高校3年の鈴木さんは、自宅内にいるところを、かつての交際相手だった池永容疑者に襲われた。  池永容疑者は昼ごろ、鍵のかかっていなかった2階の窓から鈴木さん宅に侵入、潜んでいた。  文春は犯行までの経過をこう書いている。 「十月八日──。犯行直前、池永は沙彩さんの自宅内にいた。隣家の室外機を伝って無施錠だった二階窓から侵入し、一階にある沙彩さんの部屋のクローゼットの中で身を潜めていたのだ。  その暗闇の中からスマートフォンを操作し、A君(池永の友人=筆者注)らに無料通話アプリ『LINE』を通じて、次々と唐突な文言を送り始める。 〈ふんぎりつかんからかなりストーカーじみたことをしてる〉(中略)  その後も、立て続けに池永からのメッセージがA君のスマホに表示される。 〈元カノの家の押し入れにて〉 〈誰がいるかわからないんだ〉 〈普通にでようども鉢合わせしたら終わってしまう〉(中略)  十四時三十分。池永からのメッセージは次の一言で途切れた。 〈詰みだわ〉  約二時間後、沙彩さんが学校から帰宅。前述の通り、沙彩さんはこの日の朝、両親と三鷹警察署を訪れ、池永によるストーカー被害を相談したばかりで、彼女が三鷹署員から帰宅確認の連絡を受け取ったのが十六時五十一分。約二分後に通話が終わると、クローゼットを飛び出した池永は、刃体約十三センチのペティナイフを手に、制服姿の沙彩さんを強襲したのだった。  池永は凶行後に再び親友たちと連絡を取った。今度は直接、A君の携帯電話が鳴る。電話口の向こうでは息切れが聞こえ、走りながら通話している気配があったという」  池永容疑者は京都出身で、フィリピン人の母親と日本人の父親をもつハーフ。日本国籍を持っている。  身長は約180センチと大柄で、高校時代は柔道部に所属していた。沙彩さんは刃物で首や腹など4、5か所を刺され、首の動脈が斬られたことが致命傷になった。使用された凶器は、9月末に現場からほど近い吉祥寺の雑貨チェーン店「ロフト」で購入したペティナイフだった。  逮捕された池永容疑者は取り調べに対し「交際をめぐり恨んでいた。殺すつもりで刺した」と供述しているという。  文春によれば、出会いは2011年の秋だったという。京都在住の池永は立命館大学の学生だと偽り、フェイスブックで沙彩さんと知り合った。遠距離恋愛の始まりだった。  だが、池永容疑者は沙彩さん以外の女性にも「卑劣な腹いせ行為」をしていたというのである。  被害者は兵庫県在住のB子さん(24)。B子さん本人とその家族から事情を聞いた人物がこう打ち明けている。 「一昨年の秋頃、出会い系のチャットで知り合ったのが池永でした。ハーフで英語が得意だといい、モデルのようなイケてる写真を送ってきたそうです。会うようになって何度か体を重ねたが、行為中に携帯で動画を撮られた自覚があったとのことでした。  その後、池永が持ち歩いていたノートパソコンを覗く機会があり、B子さんはその中に大量の女性の裸の画像を保存したファイルを見つけてしまった。池永本人らしき男が映りこんでいるものもある。B子さんは池永に不信感を抱き、もう会わないと切り出した。それが昨年の二月のことだったそうです」  しばらくして、B子さんのもとに池永から“恨みのメール”が送られてきた。 「そこにはURLが貼られていて、リンク先に以前撮られた動画がアップされていた。女性は友人男性に相談し、池永に削除するようかなり強い口調で電話をしてもらった。池永はその際はあっさり謝罪して引き下がっている。今回の事件後、B子さんの家族に警視庁から電話があり、事情を聞かれたそうです」  リベンジポルノといわれる嫌がらせを沙彩さんのときだけではなく、常習だった可能性があるようだ。  沙彩さんと池永の交際は1年弱。彼女から別れを切り出したが、池永のほうは未練たっぷりで、よりを戻したいと訴えていた。  今年6月、沙彩さんの父親が池永に、娘に連絡をしないでくれと通告している。  そして両親と一緒に三鷹署に相談に行った日に、彼女は刺殺されてしまったのである。  京都市右京区のマンションで、池永とは年の離れた妹と暮らす母親にもインタビューしている。 「妹もいるのになんでこんなことを……。この妹が十年してどう思うか。ショック。アホ。息子でも許せない。息子はサアヤがオンリーワンで、初めての彼女だったのに」  と絶句したという。この母と娘のこれからが心配である。  桶川女子大生殺人事件でストーカー法がつくられたが、その後もストーカー殺人は後を絶たない。法を生かす警察側の積極的な運用が必要な時期である。 第3位「安倍総理夫人が夫への『違和感』を告白」 (「週刊現代」12月21日号/12月9日掲載)  今週の第1位は、現代の安倍首相夫人・昭恵さんインタビューである。インタビュアーはジャーナリストの松田賢弥氏。  松田氏はもともと現代に籍を置いて仕事をしていたが、ここ数年は現代を離れ、文春の仕事が多かった。そのエース記者が古巣へ戻って、先日は菅義偉官房長官インタビューをやっていたが、これはどうということはなかった。  だが、今週号の安倍夫人インタビューは面白い。これが今週の第1位。  このインタビューの面白さは、インタビュアーの突っ込みのよさもあるが、ひとえに昭恵夫人の率直な受け答えにある。これほど現役総理夫人が“ホンネ”で語ったことはほとんどなかった。いくつか紹介しよう。  まずは、希代の悪法「特定秘密保護法」を強引に通したことについてどう思うかと聞かれ、こう答える。 「最近、皆さんにそのことを聞かれます。たしかに大きな時代の流れとしては、情報の開示は進めたほうがいいと思うんですね。主人は時代に逆行してるように見えるかもしれない。けれども、国民をだまして戦争しようとか、そういうことではないと信じている。日本という国がきちんと独立していく過程で必要な法案であり、いま通さなくてはいけない理由が、何かあるんだと私は理解しています」  この「いま通さなくてはいけない理由」こそが問題なのだと、私もあちこちでいっているが、彼女もそう感じていることが読みとれる。  石破茂自民党幹事長がデモとテロはあまり変わらないと言ったが、どう思うかと聞かれ、「デモができるということは健全な社会である証拠ですから、それをテロと言うことはちょっと許されないと思います。私には原発反対デモをしている知人もいますし」  亭主の政敵への“批判”もちゃんとするところがいいね。  彼女は反原発派で知られるが、亭主との違いを聞かれてはっきりとこう答えている。 「はい。もし、もう一度事故が起きれば、日本は終わってしまうと思うんです。以前、福島第一原発の20km圏内にも行きましたが、これだけの広範囲に未だに誰一人入ることができないという状況は、やはり普通ではないと感じました。(中略)子どもを持つお母さんたちは不安とストレスを抱え、風評被害は収まらず、除染も進まない。そんな状況で『原発は安全でしかも安い』と言われても。何か起きてしまえば莫大なお金がかかるわけですから、安いとは考えられません」  しかし、亭主は海外に原発を輸出するセールスマンになっているではないか。 「国内の事故が収束していないのに、外国に原発を売るというのは、私個人としてはなかなか心苦しいところがあります。(中略) 主人は『中国製の原発の方が危険なんだから、日本製を買ってもらったほうがいい』と言っています。実際、そうなのかもしれません。でも理想としては、日本が原発に代わる技術を開発して、それを売り込むのが筋なんじゃないか、と思います。なかなか簡単ではないでしょうけれど」  中国の原発なんか買う国があるわけないじゃないか。パチパチパチである。彼女は韓流ファンとしても知られるが、やはり相当プレッシャーがあるらしい。 「この前、日韓交流のイベントに行ったと(Facebookに=筆者注)書き込んだら、炎上するほど批判が寄せられたりして、大変な部分もあります。(中略)私は以前からずっと、日韓関係をよくしたいと考えていましたから、韓国の方々が喜んでくださるならそれでいいかな、と個人的には思います。でも、最近は非常に(日本国民からの批判が)厳しいですね…… 韓国のことについて発言すると」  これを読んでいて、私にはあるアイディアが浮かんだ。  きっかけは、『現代中国悪女列伝』(文春新書)というすこぶる面白い本を書いた、福島香織さんと会ったことだった。  この本には「金欲と情欲にまみれた中国を、ウラで動かす美女たち」という帯が着けられている。薄熙来の妻の谷開来や、温家宝の妻の張培莉などの「悪妻」と並んで、習近平の奥さんの彭麗媛夫人の「あげまん」ぶりが書かれているが、彼女は美人で中国を代表する歌手でありながら、現役将校でもある。彼女のおかげで習が人民解放軍に影響力を持てるといわれているほどだが、彭夫人は親日家でもあるといわれている。  実際、彼女は日本で公演を行い、皇太子ともパイプを持っている超大物だが、彼女と安倍昭恵首相夫人を会わせて「日中の女性問題を考える」というイベントでもしたら、深刻さを増す日中関係がほぐれるきっかけになるのではないか。ついでにミシェル・オバマ大統領夫人も加えたら最高だろう。  外交下手の習近平と安倍首相に任せていたら、両国関係は進まない。男がダメなら女の知恵を借りて、どうにもならないものを動かしてみたらいいのではないか。このインタビューを読みながら、そんな“夢”を描いてみた。 第2位「『みのもんた』の背中が育てた『超バカ息子』全行状」 (「週刊新潮」9月26日号/9月24日掲載) 「みのもんた『成金コネ一家』の崩壊」 (「週刊文春」9月26日号/9月24日掲載)  文春と新潮がみのもんたの次男逮捕の特集を組んでいるが、タイトルは新潮に軍配をあげるが、内容は文春に分あり。両誌を今週の第1位にした。  文春では社会部記者が、次男逮捕の経緯をこのように述べている。 「事件発生は逮捕の約1ヶ月前、8月13日の午前1時過ぎ。新橋の路上で泥酔していた40代男性に警官が声をかけたところ、近くにいた不審な男が逃げるように走り去った。男性はバッグを盗まれており、直後に任意で事情を聞かれたのが雄斗容疑者。  その日のうちに帰されたが、のちの捜査でコンビニの防犯カメラに、男性のカードでATMから現金を引き出そうとする容疑者の姿が写っていたことが判明した。映像が決め手となり、逮捕につながったのです」  みのもんたの次男で日本テレビ勤務の御法川(みのりかわ)雄斗(31)が窃盗未遂容疑で警視庁に逮捕されたのは9月11日であった。  新潮は、みのが2007年に上梓した『義理と人情』(幻冬舎)という新書の中で、いじめ問題に触れてこう書いているとしている。 「教育委員会がどうの、校長はどうの、教師がどうのと言う前に、子供をきちんと躾けることを問うべきだと思います」  次男も慶應幼稚舎から慶應大学で、相当なやんちゃなこともしたそうだ。日テレもコネ入社だといわれているそうである。しかも親の七光りがあると勘違いしていたのか、態度も悪かったと新潮で日テレ局員がこう話す。 「髪は長めで、ところどころ金色に染まっている部分があり、チャラいと思いましたが、それ以上に、他の新入社員とは態度が違った。普通は何でもがんばりますという態度で仕事に取り組むものですが、彼は“おはようございます”とか基本的なあいさつもできず、一切質問もしてこない。仏頂面で、真剣に仕事をしないので、こちらも何ひとつアドバイスをしなかった。どこの部署に行っても使いづらいだろうな、と思いましたね」  やはり、しつけが悪かったのか。だが、こうなった責任はみのを甘やかしたテレビ局にもありそうだ。  キー局関係者が、銀座のバーでのテレビ局トップの行状をこう言っている。 「みのさんに酒を勧められれば、局の上層部でも断れない。某局のトップなんか、べろべろに酔わされて、店の床柱を抱きかかえてミンミン鳴く“蝉の芸”をやらされたそうです」  TBSでは「毎朝9時になると、生放送を終えたみのを、幹部やスタッフが一列に並び、最敬礼で見送るという光景が繰り返されてきた」(文春)というのである。  白い巨塔の大名行列のようだ。これでつけ上がらないほうがおかしいのかもしれない。  文春によれば、「みのは『せがれとはしばらく会う機会がなかった』と話したが、これは真っ赤な嘘だ」と追及している。 「事件から10日後の8月23日、みのと雄斗は東京・銀座の超高級クラブ『B』で豪遊していたのだ。  居合わせた目撃者が言う。 『Bはみのが行きつけのクラブで、以前から次男やTBSにいる長男をよく連れてきていました。その日はみのの誕生日の翌日で、次男と、もう一人連れの男性がいた。いつものようにグラスにクラッシュアイスを敷き詰め、バランタインの30年ものをなみなみ注いだ“みのスペシャル”を一気飲み。次男も同じものを飲んでいた」  30を過ぎた息子が逮捕されようが、本来なら親とは関係ない。だが、テレビの司会者で、社会的な発言をしてきた人間が、自分の息子が警察に呼ばれたというのを知っていて、銀座で一緒にバカ騒ぎでは、親の責任はどうなるといわれても仕方あるまい。  看板番組『朝ズバッ!』(TBS系)を降ろそうという動きもあるようだが、そうなれば年間5億円といわれるギャラが吹っ飛ぶ。みの人生最大のピンチのようである。  この事件でも、いつも通り「親の責任論」がやかしい。現代がそれについて特集を組んでいるが、評論家の呉智英氏のコメントが一番面白かったので紹介しておこう。 「日本では家族主義、親族主義が強いため、『食卓のない家』(円地文子作=筆者注)で描かれたような議論は昔からありました。今回のみの氏とその息子の一件に関して言えば、みの氏が成人した子供の責任を負う必要はないと考えるなら、徹底して突っ張るべきだと思います。報道番組だろうと、バラエティ番組だろうと出演自粛などしなければいいのです。  みの氏が、『社会人として息子を罰すべきは、きちんと罰してください。私を罰すると言われても、私には責任がない』と断言したら、インパクトはあるでしょうね。それがプラスになるか、マイナスになるか。私は信念を持って毅然と言い切れば、最終的にはみの氏にとってもプラスになると考えます」  この意見を、みのもんたはどう聞くのだろうか。 第1位「シャブ&飛鳥の衝撃」 (「週刊文春」8月8日号/8月6日掲載) 文春の「シャブ&飛鳥」はタイトルもさることながら、内容的にも衝撃度は高レベルである。  人気デュオ「CHAGE and ASKA」のASKAが、クスリ漬けだというのだ。  ASKAが覚せい剤を吸引しているビデオが「一部の暴力団関係者など、闇ルートに流出している」(文春)そうで、以下はその映像の描写である。 「映像はシンプルな部屋を映し出す。あまり物を置いておらず、掃除が行き届いている清潔そうな室内には、中央に三人掛けの大きなソファが置いてある。その真ん中にゆったりと腰掛けるのは大物人気デュオ『CHAGE and ASKA』(以下、チャゲアス)のASKA(飛鳥涼、本名=宮崎重明、55)だ。(中略)  ASKAはテレビで見るようなシャープな輪郭ではなく、顔が病的にむくんでいる。そんなASKAに何者か分からない男が、『はい、これ』と言って、小さなビニール袋に入った何かをテーブル越しに手渡す。少し前かがみになって受け取るASKA。白い結晶のようなものが光っている。ASKAは慣れた手つきでビニール袋を指でなぞるように確認し、かたわらにある透明なガラスのパイプを取り出した。  その動きに淀みはないが、終始無言でピリピリとした緊張感が漂っている。ビニール袋から白い結晶のようなものをパイプに入れたASKAは、軽くパイプを口にくわえた。その後、右手でライターを取り、おもむろにパイプを下から火であぶると、結晶が気化した白い煙を深く吸い込んだのだった。  一服するとASKAはソファーの背もたれに深く体を預け、足を大きく開いて座りなおした。その姿勢のまま目を閉じ、まるで霊的な気体を吐くように口をゆるませ、恍惚の表情を浮かべた」 「CHAGE and ASKA」は大学在学中に結成され、ヤマハ・ポプコンで入賞した「ひとり咲き」でデビュー。91年に「SAY YES」が300万枚の大ヒット、93年には「YHA YHA YHA」がダブルミリオンを記録している。  しかし、デビュー30周年の2009年1月に「無期限活動休止」を発表し、事実上解散していたが、今年1月、唐突に復活を宣言してファンを喜ばせた。だが6月になって、ASKAの事務所の公式ホームページで、ASKAの体調が悪いため延期すると発表していた。  ASKAのクスリ疑惑は、知る人ぞ知るだったようだ。  そのきっかけは、札幌に拠点を置く山口組系暴力団の山本(仮名)だというである。山本とASKAは中学時代の同級生だった。ASKAと親しい芸能関係者がこう語る。  「ASKAは山本にクスリの手配を依頼し、山本は頼まれたブツを持ってわざわざ北海道から東京に来ていました。またASKAは6年前に札幌円山公園近くのタワーマンションを購入し隠れ家にしていて、山本は頻繁にそこを訪れているのです」  ASKAはコカインやマリファナも好きで、くだんの山本によると、シャブをひと月に30グラムも使用しているという。麻薬Gメンによれば、ヘビー麻薬常習者でもひと月4~5グラム程度だというから、相当な末期麻薬中毒者であろう。  だが、その山本ともカネのことで揉め、件のビデオはその山本が隠し撮りしたというのだ。  ASKAの体を心配したCHAGEがライブの延期を言い出し、ASKAが殴りつけたという情報もある。確かに、文春のインタビューに答えるASKAの言葉は支離滅裂で、聞き取りにくい。だがクスリで揉めていることには、こう答えている。 「──山口組系暴力団員からクスリのことでゆすられていると聞いていますが。 『(少し間があり)……そうそう、それはね「お金を貸してくれ」って言われたの。それで、俺は嫌だって言ったらね。「嫌だ」って。そうそうそうそう、それで揉めただけでぇ』」  以前から言われていることだが、芸能界の麻薬汚染は相当に拡がっているのは間違いない。警察は動くのか?  ASKAの所属事務所は1日、公式サイトでこう否定した。 「報道内容は事実に反しており、大変遺憾です。弊社としてはこれらの報道に対し、厳重に抗議します」  しかし「厳重抗議」ではなく、事実でないなら告訴すべきであろう。ASKAの音楽生命が絶たれるかどうかの瀬戸際である。この事務所の対応からも、この問題の深刻さがうかがえる。 (文=元木昌彦) ●もとき・まさひこ 1945年11月生まれ。早稲田大学商学部卒業後、講談社入社。90年より「FRIDAY」編集長、92年から97年まで「週刊現代」編集長。99年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長を経て、06年講談社退社。07年2月から08年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(2006年8月28日創刊)で、編集長、代表取締役社長を務める。現「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催、編集プロデュースの他に、上智大学、法政大学、大正大学、明治学院大学などで教鞭を執る。

「“生まれ変わってもヤクザになる”は過半数!」ヤクザ100人に聞きました

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「週刊現代」1月4・11日号
今週の注目記事 第1位「『餃子の王将』創業家の『カネとオンナ』問題」 (「週刊現代」1月4・11日号) 第2位「NHK新会長・籾井勝人氏が語る『偏向報道』と『九州人脈』」 (「週刊文春」12月26日号) 第3位「現役100人ヤクザ世論調査」 (「週刊ポスト」1月1・10日号) 第4位「佐野眞一特別寄稿『猪瀬直樹君への手紙』」 (「週刊ポスト」1月1・10日号) 第5位「ビートたけしの『妄想AVネーミング大賞』」 (「週刊ポスト」1月1・10日号)  「有馬記念」のオルフェーブルの勝ち方は見事だった。調教は動かず、パドックでもおとなしすぎて心配されたが、走ってみれば8馬身差の圧勝だった。これでディープインパクトと並んだといってもいいだろう。  あとは、オルフェの仔どもたちがディープを超えられるかが次の勝負になる。3年後、オルフェとディープの仔がダービーで競う姿を想像すると、今からワクワクする。  ワクワクではなく腹が立ってしょうがないのは、安倍晋三首相だ。早速できたばかりの「国家安全保障会議(NSC)」で武器輸出三原則をいとも簡単に打ち壊し、南スーダンにいる国連部隊に「銃弾1万発」を提供することを決定してしまったのである。安倍首相は、この大量の銃弾がどれだけの人命を奪うかに思いを馳せることはないのだろう。この御仁、早く戦争がしたくて仕方ないとしか思えない。来年早々には集団的自衛権を容認させ、アメリカから手を貸せといわれればイランでもシリアへでも兵を差し向け、自分は安全な塹壕に隠れていて、自衛隊員に「天皇のために死んでこい」といえる男なのだろう。この男の“きな臭さ”は本物である。  今週は、そんな憂さを忘れさせてくれるものを選んでみた。ここには載せなかったが、週刊女性が報じた、俳優・大沢樹生が元妻で女優の喜多嶋舞との間に産まれた16歳の長男のDNA鑑定をしたところ、父子確率0%という結果が出たという記事はショッキングである。  DNA鑑定した経緯は省くが、ということは、この長男は結婚1年ぐらいして産まれているから、喜多嶋が他の男と不倫して作った子どもで、それを知らずに大沢は育てていたということになる。  この報道をワイドショーで女房と一緒に見ていた亭主たちは、多くが女房の顔を思わず見たに違いない。喜多嶋のコメントが聞きたいものである。  さて、手元にポストの綴じ込み付録「日本一美しい春画絵巻」という小雑誌がある。冒頭の月岡雪鼎の「幻の肉筆絵巻」は色遣いも美しく、男が自分自身をオンナのアソコに挿入しようとしている瞬間が鮮やかに描かれている。  またポストには「2014年版『性生活の知恵』」という特集もある。この元本である謝国権著『性生活の知恵』(池田書店)が出たのは1960年。たちまち大ベストセラーになった。  私は高校生だった。この本を買って授業中にクラスで回覧し、女生徒たちのひんしゅくを買ったことをよく覚えている。  いま見ればピノキオみたいな人形が足を開いたり、上向きになったりしているだけだが、こういうものでも興奮した時代であった。それが今はヘア・ヌードはもちろん春画に外性器である。だが、忘れないでほしい。こうした時代が到来したのはそう遠い昔ではないということを。  私が週刊現代で「ヘア・ヌード」という言葉を作った1990年代の初めは、ヘア・ヌードグラビアを載せる一般週刊誌など、一冊もなかったのである。  ヘア・ヌードという言葉が人口に膾炙し、それにつれてヘアの露出も増えていったが、警視庁の人間からは「取り締まるとすれば、現代かポストだ」と言われ続けていた。  刑法175条のわいせつの基準は、何一つ変わっていない。取り締まる側の胸三寸でいつでも二昔前に戻るのである。  わいせつ表現の自由の闘いは、出版の歴史でもある。私が入社した頃も、ずいぶん日が経ってからも、自分がやっている雑誌に春画を載せられる日が来るなどと思ったことはなかった。  わいせつ表現の自由は報道の自由のように、お上から与えられたものではない。私の先輩たちが闘い勝ち取ったものである。そんなことを春画を眺めながら考えた。  このところ文春、新潮の木曜発売組に精彩がない。月曜発売の現代、ポスト、特に今週はポストに面白いものが多い。  まずはビートたけしの「21世紀毒談」スペシャル版「妄想AVネーミング大賞」からいこう。  まずは今年の流行語からお題を頂戴して、「絶世の美女・滝川クリ●リスさんがあの手この手を使って男性委員を口説き落とす『クリちゃんのお・も・て・な・し』」 「現代文のスペシャリストが言葉攻めで女をとろけさせる『イクなら今でしょ』」 「視聴率40%超えの『半勃ち直樹』の『パイ返し』」  NHK朝ドラからは「ナマちゃん」が登場。「作品のクライマックスでは挿入歌の『潮吹きのメモリー』が流れる」  自転車のサドルばかりを200個盗んで捕まったという変態事件から、エロのトレンドはどんどん細分化して行かなきゃダメなんだよといいながら『サドルを舐めたい』をノミネート。  時事ネタからは『イノセクンの5000マンお借りします』。「人妻を一晩お借りして5000人斬りを達成する実録ドキュメント」。「後で不貞を追及されると、“奥さんを貸してくれるなんて親切な人だと思った”という名ゼリフを吐く」  宮崎駿監督最後の長編作品『風立ちぬ』はシンプルに『カリ勃ちぬ』。アニメで大ヒットした「進撃の巨人」からは『進撃の巨チン』。放送中止になった問題番組からは『ソコ×勃て』。  結局、たけし審査委員長の「第一回妄想AVネーミング大賞受賞作」は『サドルを舐めたい』に決定!  こうした“毒”のあるものをやらせると、たけしはうまい。  お次もポスト。ノンフィクション作家・佐野眞一氏の「猪瀬直樹君への手紙」である。  佐野氏は約1年前、週刊朝日に書いた橋下徹大阪市長批判で轟々たる非難を浴び、連載を1回で中止した。またポストに連載した創価学会論「化城の人」に他人からの盗用疑惑があると指摘され、訴えられて現在訴訟中である。  佐野氏が批判されていたとき、猪瀬氏も批判の列に加わっていた。佐野氏と猪瀬氏は20代の頃から仕事を一緒にしてきた古い仲間である。  世の批判を受けていた頃、佐野氏は「私はいわば生ける屍も同然だった」と書いている。  だが氏は、その時の復讐を猪瀬氏にしたいためにこの一文を書いたのではないと断っている。そして、こう記している。 「『いくら身から出たサビとはいえ、ここまでマスコミの晒し者になってしまった猪瀬が気の毒だなあ』という正直な思いだった。そういう気持ちになれたのは、私が大きな失意を体験し、立ち上がったばかりだったからかもしれない。猪瀬の徳洲会問題と私が休筆を余儀なくされた問題は、もちろんまったく次元の異なる問題である。だが、私から言わせれば、一年を経ずして起きた二つの出来事に、猪瀬と私の間の巡り合わせを感じざるをえなかった。先輩たちが孜々(しし)営々として築き上げたノンフィクションの信用を裏切ったという点では、猪瀬問題も私の問題も変わらないではないか。ノンフィクションに関わる後輩たちにそう思われるのが、私には一年前の古傷に塩をもみこまれるようで、一番つらい」  猪瀬氏の都知事辞任はやむを得ないものの、この事件の本質は別のところにあると、こう続ける。 「徳洲会事件の背後には、猪瀬の後ろに隠れて甘い汁を吸った“巨悪”がいることは、ほぼ間違いない。それを放っておいて、猪瀬という批判しやすい“小物”ばかりを攻撃するマスコミは、どう考えても健全とはいえない。それは一時代前の“トップ屋”と同じやっつけ仕事の匂いがする。私がこの事件は同世代として悲しいと言ったのは、そういう意味である。(中略) 心ある都民は猪瀬の弁明にもならない弁明にみな呆れ返っている。釈明をすればするほど、猪瀬はもう晩節を汚すだけである」  1年ばかりの間にノンフィクション界の大物2人に、あってはならないスキャンダルが持ち上がった。  ただでさえ取材費が嵩み売れないノンフィクションに、出版社は手を出そうとしなくなっている。そうした中で、ノンフィクションの信用までも失墜させた2人の責任は重大である。  彼らは次なる作品で自らの汚名を晴らすとともに、ノンフィクションの真価を見せなくてはならない。  この“猪瀬事件”関連でいえば、現代は猪瀬辞任の陰にもっと大きな疑惑があると書いている。 「東電病院疑惑は、あくまで猪瀬氏と徳洲会の問題。実はその背後には、もっと巨大な構図の、まさに隠された疑惑があると指摘するのは、自民党閣僚経験者の1人だ。『それは、このところ急速に実現の機運が高まっている『カジノ』利権に関する問題だ。  猪瀬氏はもともと強力なカジノ推進派で、これまでも国内にカジノを設置すべきだと繰り返し発言し、安倍政権にも積極的に働きかけてきた。猪瀬氏とカジノ関連会社との付き合いは、かなり深いというのが当局の見解。しかしこの“カジノサークル”の本丸は、猪瀬直氏ではない。政権与党である自民党の問題だ』」  東京・お台場などを候補地に、国内初のカジノを設置する法案は、安倍首相や細田博之幹事長代行ら自民党幹部の肝煎りで推し進められ、次期通常国会での成立が期待されているという。現代によれば、 「仮に都議会で百条委員会が開催されたら、猪瀬氏はその周辺を洗いざらい調査され、偽証や証言拒否も不可能になる。そうなれば、徳洲会問題だけでなく、このカジノ利権の疑惑追及にも、一気に火がつく可能性があった。そんなことになれば、猪瀬氏1人のクビでは足りないだろう」 というのである。興味深い指摘である。  週刊朝日はポスト猪瀬は百花繚乱で、都知事選は女の戦いになると書いている。  朝日によれば、自民党で最初に取り沙汰された候補は、橋本聖子参議院議員だったという。冬季、夏季計7回の五輪出場を誇り、2014年2月のソチ冬季五輪の日本選手団団長にも決まっているから、東京五輪の顔としても最適だというのだ。それ以外でも、小池百合子元総務会長も虎視眈々と狙っている。  東国原英夫元宮崎県知事も出る模様だが、こんな秘策があるのではないかと、自民党関係者が語る。 「橋下市長が都知事選に出馬し、空いた大阪市長の椅子に東国原氏が座る、との合意がすでにあるというウワサが流れています。落ち目の2人が一度、立場をリセットしようというものです。そんなに簡単に行くとは思いませんが」  ふざけるなであるが、本命不在であることは事実である。  3位もポストの記事。ヤクザ100人に世論調査をしたという。  対象は山口組、住吉会、稲川会といった広域団体をはじめ、全国の指定暴力団に限定してあるという。  役職の内訳は一次団体のトップである代紋頭1名、一次団体幹部6名、二次団体幹部67名、一般組員が26名。  まず「景気は回復していると思いますか?」という問いに、「いいえ」が94%。暴力団側の言い分はこうだ。 「今のヤクザの景気は飛行機の尾翼だ。上がるのは最後で落ちるときは最初」(56歳、東京)  「安倍政権を支持しますか?」では、「いいえ」が81%にもなる。その理由を聞いてみると、 「目が死んでる。線が細すぎる。死ぬ気でやってるとは思えない。本気で喧嘩ができるようにも見えない」(66歳、中国)  意外にも「自宅は持ち家ですか? 賃貸ですか?」には、持ち家が73%もいる。  「月々の飲食費はいくらですか?」には、0~5万円が41%、5万~10万円が25%、それ以上使うヤクザが34%もいる。  「去年と比較して年収は上がりましたか?」には、「いいえ」が96%と、ほぼ全員が暴力団排除法などの影響を受けて収入は下がっているようである。  「結婚していますか?」という問いには、「はい」が56%もいる。「生まれ変わってもヤクザなりますか?」というのには、なんと「はい」が60%もいるのだ。しかも、若いヤクザに多いというのである。 「俺はヤクザという生き方が好きなんで、何度でもヤクザをやる」(25歳、中部)  「はい」と答えた暴力団員の9割は20代の若手組員だったそうだ。「NO」と即答したのはすべて年配の経験豊富な上層部だったという。  こんな面白い世論調査は、週刊誌にしかできない。  第2位は文春の記事。安倍首相がゴリ押しし、意のままに動く人間に交代させようと画策していたNHKの新会長が決まった。  やはり下馬評通り、日本ユニシス前社長の籾井勝人氏(70)である。文春はその籾井氏に、決定直前にインタビューしている。そこで氏は、こう語った。 「それはNHKに限らず、テレビの報道は皆おかしいですよ。例えば、『反対!』っていう人たちばかり映して、『住民が反対している』と。じゃ何人がデモに来ていたかというのを言わない。僕は言うべきだと思っている。賛成と反対があるならイーブンにやりなさい。安倍さんが言っているのはそういうことですよ。何も、左がかってるから右にしろと言ってるわけではないと僕は理解しています。中国が安倍さんのことを右傾化していると言っていたけど、何を言っているのかと。それで言うと中国なんかはもっと右じゃないか。それのことを日本のメディアはもっと考えてもらわないと困る」  やれやれである。時の政権にとって都合のいい「中立公正報道」がNHKに蔓延していくのだろう。先の特定秘密保護法のときもNHKは、この法案がどれほど危険なものかを論評せず「客観報道」に終始した。これからはもっと「安倍さまのためのNHK」になること間違いない。  さて、今週の第1位は、現代の取材ものだ。もう現代はカネがかかる事件取材はやらないのかと思っていたが、編集長交代で取り組む姿勢を見せている。拍手したい。  餃子の王将の社長・大東隆行氏(享年72歳)が早朝、何者かに「22口径ベレッタ」で射殺された事件は、いまだ手がかりがつかめないようである。  大東社長は人望もあり、酒も飲まず、人に恨みを買うような人柄ではないといわれている。  そこで現代は、創業家に注目し取材を進めていくうちに「カネとオンナ」問題があることを突き止めたという。創業者の加藤朝雄氏が京都で小さな中華料理店を始めたのが1967年。大東氏は創業者の義弟で、店を手伝い始めた。順調に成長してきた王将だったが、93年に朝雄氏が68歳で急死した後からおかしくなるという。  1年間のサラリーマン社長時代をはさみ、94年6月に長男の潔氏が社長に就任した。  同社の元幹部がこう明かす。 「バブルの末期、カネの流れが不透明な不動産投資や融資が増えたんです。先代(朝雄氏)から付き合いのある京都の不動産会社Kを通してのものでした。なかでも問題になったのは、99年に大阪国税局に申告漏れを指摘された、いわゆる『戎橋事件』でした」  89年2月に大阪市中央区の王将戎橋店の調理場で火災が起こり、店が入るビルの上の階に住んでいた、ビル所有者の夫婦が焼死する事件が起きてしまった。 「この夫婦の遺族と損害賠償で揉め、先代の指示もあって、そのトラブル処理をKに依頼した。そのためにKに支払った謝礼は1億円。Kは乱脈融資で大問題になった住専(住宅金融専門会社)からも100億円以上引っ張っていた、問題の多い会社でした。社長が潔さんに代替わりしてからの97年、王将は結局、戎橋のビルと土地を8億5800万円で買い取ることになります。その時に、Kに支払った解決金1億円を、不動産取得の経費として計上した。国税はこれに目をつけたんです」(元幹部)  さらに、元幹部が続ける。 「戎橋の土地取得と相前後して、王将は福岡のゴルフ場運営会社に約90億円もの多額の貸し付けをしている。そして、このゴルフ場運営会社と、不動産会社の社長は同一人物だったのです。バブル期によくあった構図ですよ。何かをキッカケに企業が怪しい勢力に取り込まれ、際限なくカネを引っ張られるという。王将の場合、これらはすべて創業家とKのつながりで行われていた。こうした状況に義憤を燃やしたのが、当時副社長の大東さんを筆頭とする古参幹部たちだったのです」  限界だと判断した幹部社員たちは、件の90億円融資を世間に公表し、その経営責任を取らせる形で、00年4月に潔社長を退任に追い込んだというのだ。  そのことと今回の事件が関係しているのかどうかは、現代も追及できてはいない。  さらに王将創業家にはこんな問題も起きていた。  ウクライナ出身の加藤カチェリーナさん(30)が潔氏の長男・貴司氏と結婚したのは03年のことだった。  ところが、この結婚は悲劇に終わる。子どもを連れて逃げるようにウクライナに帰ったカチェリーナさんを、貴司氏が追ってきた。そして「3人で暖かいところに行こう」と妻子をエジプト旅行に誘い出し、そこで、息子と共に忽然と姿を消してしまったというのだ。  以後、2人は杳として行方知れずだというのである。カチェリーナさんはもう6年近く、息子に会っていないと嘆く。  急速に成長した餃子チェーンの内情は、どうもスッキリ味というわけにはいかないようである。 (文=元木昌彦)