今週の注目記事 第1位 「古舘伊知郎「報ステ」10年を独占告白「『裏』を語る勇気がないんです」(「AERA」7/14号) 第2位 「『長生きしたけりゃふくらはぎをもみなさい』はインチキ本だ!」(「週刊文春」7/10号) 第3位 「大多数はピンとこない『不思議な好景気』が始まった」(「週刊新潮」7/10号) 第4位 「NHKも参戦してキャンペーン『アルコール依存症』脅しの裏事情」(「週刊ポスト」7/18号) 第5位 「奇跡の無修正動画 あの懐かしの女優たちが丸見えだ!」(「週刊現代」7/19号) 第6位 「福岡筑後殺人 夫が全面自供 美人妻は行方不明の義弟と甥を粉砕機でバラバラにして川に流した!」(「週刊文春」7/10号) まずはAERAの巻頭言、内田樹氏の言葉から始めよう。 「2014年7月1日は、日本が戦後69年間掲げてきた平和主義を捨てて、戦争への道を歩み始めた歴史的日付として記憶されることになるだろう」 安倍首相は閣議後の記者会見で「海外派兵は一般に許されないとの原則はまったく変わらない。日本が戦争に巻き込まれる恐れは一層なくなる」と述べたが、「一般」とか「一層」という表現に疑義を呈し、こう結ぶ。 「首相がこのような言葉遣いしかできない理由は二つしかない。知性があまりに不調なせいで論理的であることができないのか、国民にもわかるように政策決定の理由を告げると支持率が低下することを知っているか、いずれかである。いずれにしてもこのような総理大臣を持ったことは、日本国民の歴史的不幸だったと言う他ない」 安倍政権は史上最悪のタカ派政権だと思うが、この風潮に悪のりする輩が増えてきているのも困ったものである。 さいたま県大宮区三橋公民館が、集団的自衛権行使容認へ反対する市民の俳句を「公民館だより」へ掲載することを拒否していたと、朝日新聞が報じていた。 少し前になるが、私も名前を連ねている「マスコミ九条の会」(呼びかけ人・桂敬一)の集団的自衛権容認反対シンポジウムを明治大学で予定していたのだが、桂氏からこんな連絡が来た。 「先にみなさまにご案内いたしました6月19日夜の当会集会の会場は、千代田区駿河台の明治大学リバティタワー内教室でしたが、大学側の突然の通告により、使用不可となりましたため、急遽会場を変更することにいたしました」 明治大学、お前もか。こうした言論封殺の傾向は、ますます大きくなるのだろう。 都議会でセクハラ野次を浴びせられた塩村文夏(あやか)都議(35)へのバッシングに週刊誌がことのほか熱心であるが、都議にしては美形だからだけではないのではないか。 週刊新潮はグラビアアイドル出身の過去の暴露から始まって、彼女のTwitterで「加藤茶、仲本工事の年の差婚を気持ち悪い」と批判したなどの過去の発言、トヨタの御曹司と付き合っていたのに都議に当選した途端別れて多額の手切れ金をせしめたことを並べ立てている。 これでは、都議会でセクハラ野次を飛ばしたトンデモ都議たちと変わるところがないと思うが、今の一連の嫌な流れと無関係ではないのだろう。 週刊現代は中国、韓国、北朝鮮の「おかしな隣人たちよ、君たちは大丈夫か」という特集を組んでいるが、北朝鮮はともかくとして、中国や韓国にものを言える立場に日本があるとは思えない。 兵庫県議会の野々村竜太郎県議(47)が政務活動費をめぐる問題で追及され、釈明記者会見で理由もなく号泣したみっともないシーンはYouTubeで世界中に流れ、ひんしゅくを買っている。このほうが、よほど「おかしい」ではないか。 憲法改正をしないで戦争のできる国に変えてしまった安倍首相も、相当「おかしい」。週刊誌の視点は、そちらに向けられるべきである。 さて、第6位から。福岡県筑後市で起きたリサイクルショップを経営していた中尾伸也と妻の知佐が元従業員を殺害した容疑で逮捕されたが、この事件の闇は相当深そうである。 この事件では、元従業員2人(日高崇さんと小島雄二さん・こちらは仮名)が行方不明になっているが、警察は知佐の妹の夫と長男も行方がわからず、この2人も中尾夫妻に殺されたとみられているようである。 文春で捜査幹部が、妹の夫は暴行を加えられた末に衰弱死し、その約1カ月後に長男も虐待された末に衰弱死したとみていると話している。 この事件の主犯は、妻の知佐容疑者だという見方が強い。彼女はいまだに自供していないようだが、夫の伸也容疑者は遺体の処理をこう供述しているという。 「日高さんと小島さんについて、伸也は実家の庭に遺体を埋め、一年以上経ってから掘り返して、骨をガーデンシュレッダーという粉砕機で砕いて川に捨てたと供述しています」(捜査関係者) 妹の夫と長男の遺体も、同じ方法で処理したそうだ。事実だとしたら、鬼畜にも劣る悪魔の所業というしかない。 このところ「死ぬほどSEX」のハウツー特集はやりようがなくなったのであろう。週刊現代は、インターネットでAVが見られるサイトの紹介に熱心だ。 今週は松坂季実子、小林ひとみ、村上麗奈、桜樹ルイ、樹まり子など、往年のAV全盛時代を彩った女優たちの無料映像が見られるサイトを丁寧に紹介している。 「最も頼りになるのは、国内のアダルト動画共有サイト最大手の『FC2動画アダルト』だ。まずは、ヤフーやグーグルといった検索サイトで『FC2動画アダルト』と検索する。そうすると、検索結果のトップに同サイトが現れるので、それをクリックしよう。サイトにたどり着いたら、次に検索ボックスに『松坂季実子』と入力。右横のルーペのマークをクリックすると、彼女の名前を冠した動画が35件ヒットした。その中から『全員』というマークの付けられた画像のタイトルをクリックすれば、動画が始まる」(現代) 正統派美人として圧倒的な支持を集めたのは、今も「レジェンド」として語り継がれる元祖AV女優、小林ひとみだという。その彼女の動画も『FC2動画アダルト』で検索すると、81件の動画がヒットするそうだ。 しかもその中には、流出ものとみられる無修正動画も散見されるという。 だが、非会員は一日の視聴回数に制限がある。さらに動画を見るためには会員登録が必要だが、これは無料なので安心してほしいと現代は言っている。 クレジットカード番号の入力も一切必要ないし、無料会員になれば一日15回も動画を閲覧することができるようになる。 さらに往年のAV女優を見るならば、実はもっといいサイトあるという「xHamster」(エックスハムスター)というサイトだが、ここは日本語はなく、アルファベットで検索する。 さらに現代は「このような動画が見放題なのだが、読者からの問い合わせで多かったのは、『そもそも無修正動画を見るのは違法ではないのか』という懸念だった。結論から言うと、動画を見て楽しむだけなら、違法ではない。無修正動画をアップロードする側は『わいせつ物頒布等の罪』や著作権法違反の疑いがあるが、個人的に閲覧する側は絶対に罪には問われない」と教えてくれている。 今晩は贔屓だった桜樹ルイのビデオでも見て、うっとうしい梅雨空を忘れましょうか。 私は中学生の頃から酒を飲み始めたから、由緒正しいアルコール依存症であるが、週刊ポストはこのところアルコール依存症キャンペーンが目立つのは、またぞろ製薬会社が薬を売らんがためではないかと指摘している。これが今週の4位。 民法もそうだが、NHKもことのほか熱心だという。6月18日の夜、NHKが「依存症ナイト」とでも呼ぶべき番組ラインナップを組んだことが話題になったそうだ。 「7時の『ニュース7』で依存症取り上げると、7時30分の『クローズアップ現代』では、『あなたの飲酒 大丈夫?』と題した特集を放送。そして視聴者に“復習”を促すかのように9時の『ニュースウオッチ9』でも依存症の話題を扱った。『クロ現』では、『飲酒関連で死亡する人は年間3万5000人に上る一方で、その大半が依存症であることに気づいていない』と指摘し、依存症に苦しむ患者の日々をレポート。その後の『ニュースウオッチ9』では『患者数の推計が109万人となり、初めて100万人を超えた』『過去10年間で女性患者が2倍近い14万人に急増した』という厚労省調査を報じた」(ポスト) ポストによれば、昨年3月、国内で30年ぶりとなるアルコール依存症治療薬「レグテクト」が認可され、5月から発売が始まったことと関係があると指摘する。 今年に入ると、5月に日本精神神経学会が「アルコール依存症」の名称を「アルコール使用障害」に変更することを発表。 6月には、多量飲酒や飲酒運転の予防対策を国や自治体の責務とする「アルコール健康障害対策基本法」が施行されたそうだ。ちっとも知らなかった。成立は昨年12月だそうだ。 薬ができれば患者が増える。それにメディアが知らず知らずに荷担したのでは、薬漬けの人たちが増え、医療費を圧迫していく。 この記事の中に、新久里浜式アルコール症スクリーニングテストというのが載っている。 男性版ではこういう質問。「食事は一日3回、ほぼ規則的にとっている」「酒を飲まないと寝付けないことが多い」「酒をやめる必要性を感じたことがある」「酒を飲まなければいい人だとよく言われる」「飲まないほうがよい生活を送れそうだと思う」などがある。10問のうち4つ以上当てはまれば、めでたくアルコール依存症の疑いありだという。 自慢じゃないが、私は満点だった。だけど、薬を飲もうとは思わない。それなら酒を飲んだほうがいい。 新潮が今が好景気だという風潮に素朴な疑問を投げかけている。街を歩いてみると、夜タクシーを捕まえようと思ってもなかなか捕まらないし、老舗ギャラリーでは1点数千万円もする絵をポンと買う客がいる。 銀座の高級寿司屋「久兵衛」には日に300人以上が詰めかけるし、銀座はどんどん新しいクラブがオープンしているそうだ。都内の高級ホテルは稼働率が9割もあり、千代田区の超高級マンションの4億4980万円の部屋があっという間に売れたそうだ。 6月18日にカナダの金融機関などが発表した「ワールド・ウエルス・レポート2014」によると、金融資産100万ドル以上持つ日本人は前年より43万人も増えて233万人に達した。 私のような貧乏人は「ほんとかいな?」と思ってしまうのだが、新潮はこの謎をこう解き明かしてくれている。 「たとえば、総務省が6月27日に発表した5月の『家計調査』によると、一世帯あたりの消費支出は27万1411円。前年同月比と比べると8%も減っているのだ。上場企業の給料が増え、インフレ政策を断行したはずなのに、日本全体では使える金がなぜか細っている」(新潮) 経済アナリストの森永卓郎氏が、種明かしをしている。 「確かに昨年は倒産が減りましたが、一人一人の給料は増えてはいないということです。アベノミクスの恩恵を受けたのは、円安で儲かった大企業と持ち株が上がった富裕層だけ。両方ともカネが余っているから高級品が売れる。都心の不動産も2億円、3億円といったものは即完売ですが、3000万~5000万円といったサラリーマン向けの物件は売れ残ったままです。社会は二極化が進み、庶民は相変わらずデフレ生活です」 厚生労働省は先頃、5月の有効求人倍率が1.09倍になったと発表したが、私が見ても「おかしい」と思わざるをえなかった。 内訳は土木作業員の求人倍率が5倍超なのに、事務系正社員は0.6倍前後なのだ。ゼネコンにジャブジャブカネをつぎ込んでいるから、そっちのほうの求人が多いのは当たり前だ。貧乏人はますます貧乏に、富める者はますます富んでいくアベノミクスなど止めてしまえ。そう叫びたくもなる。 『長生きしたけりゃふくらはぎをもみなさい』(アスコム)が、95万部も売れているという。 実を言うと、私も買ってみようかなと思い始めていたのである。これほど売れているのだから「何か」あるのだろうと、Amazonで中古本を取り寄せてみようと考えていた矢先、週刊文春が「この本はインチキ本だ!」「詐欺商法だ」と決めつける記事が出たのである。愛知みずほ大学特任教授の佐藤祐造氏がこう語る。 「ふくらはぎをもめば、少しは血流が良くなると思います。しかし、そういうことなら足裏をもんでもいいし、太もものほうがさらに効果があるでしょう。筋肉部分が大きいですから。もっと言うのならウォーキングをしたほうが効果はある。大股で腕を振って歩いたほうが、よほど健康になります」 この本、ふくらはぎをもむだけで「高血圧から糖尿病、がんにまで効果があるというのだが、この本が売れるきっかけになったのは『中居正広の金曜日のスマたち』(TBS系)で3度にわたり特集されたことからだという。3回目には高血圧に悩む芸能人やお笑い芸人が著者の指導を受けて「食事制限なし」で1カ月続け、正常値になったと手放しでほめたから、売れ行きに拍車が掛かった。 だが、医者たちは医学的になんら根拠がないインチキ本だと、一刀両断なのだ。ふくらはぎが知らせる不調のシグナルとして、〈熱くてかたい→高血圧〉〈冷たくてやわらかい→糖尿病〉と分類しているが、おない内科クリニックの小内亨院長は「こじつけだ」とにべもない。 「冷たくてやわらかいのは、結果であって原因ではありません。それはここに書かれているすべての病気に言えますね。結果を治しても原因は治りません」 肺がんで背中が痛いのにマッサージを受けるようなものだろう。 この本を書いたのは2人。監修者として鬼木豊氏。著者として槙孝子氏。ともに、お茶の水にある治療院「心身健康堂」の理事長と院長。 さらに、同じ内容の本が、4年前にもアスコムから出ているというのだ。タイトルは『たちまちからだが温まる ふくらはぎ健康法』。文春によれば本文2カ所の文言が変わっているだけでほかはそっくり同じなのに、奥付には「大幅な加筆訂正により、改題したもの」と書かれている。 出版倫理など持ち出さなくとも、こりゃあ少しおかしくないか。そう思った文春が版元のアスコムに取材を申し込んだが「担当者が終日外出している」と逃げ続けているそうだ。 それなら本人に直撃しかあるまい。鬼木氏を静岡の伊東市で見つけて「疑問」をぶつける。 鬼木さんは医者ではないですね、という質問に、 「そう、だからワタクシは病気を研究しているんじゃなくて、生き方や人生を研究しているんだよ」 生き方や人生を研究するとがんや糖尿病が治るのか、という至極真っ当な疑問には、 「(激昂して)それは違うよ! それはさ、冷え性を良くすると全部、万病に良くなるんだよ」 冷えを改善すればすべて良くなるのか? 「そいうこと。それが東洋の、西洋のルーツです。そこは勉強しなさい!」 こうした本を、ありがたがって90万人以上が買って読んだというのが信じられない。ベストセラーに良書なし。次から次へと出てくるダイエット本や簡単に健康になる本が常にベストセラー上位に顔を出すのは、苦労しないで痩せたい、痛い思いをしないで健康でありたいと願う、ヤワな日本人が増えたためであろう。 集団的自衛権を容認すれば日本の安全が保てる、と妄信している安倍首相にどこか似ている気がする。「長生きしたけりゃ、こんなインチキな本にダマされてはいけない」。文春のいう通りなのであろう。買わなくてよかった。 古舘伊知郎という男が、以前は嫌いだった。軽薄が洋服を着て歩いている男。そうとしか思っていなかった。だが『報道ステーション』(テレビ朝日系)をやり出してから、見方が変わった。こいつなかなかいいじゃないか。そう思うようになったのだ。 福島第一原発の放射能汚染問題を積極的に取り上げ、集団的自衛権容認に反対する言動は、テレビという大きな制約のある中では頑張っているほうである。 田原総一朗氏が、年のせいか政権にすり寄っているように見えるのとは違う。この10年の間に勉強し努力をしてきたのだと、密かに評価している。 その古館氏が、10年ぶりに吉田豪氏のインタビューに答えた。奥歯にものが挟まったような言い方は釈然としないが、これが彼の限界という意味でも読んでみていい。これが今週の第1位。 タイトルに「裏を語る勇気がないんです」とある。「もうとにかく口にさるぐつわした状態で10年経ったわけです」と、彼が置かれた状況をこう自嘲している。 彼は今年で60歳になる。したがって「しゃべり手人生はどこまで続くだろうかとかいろいろ思うと、余計に悔いを残したくないし、やりたいことをちょっとやらせてくれっていうのが、正直なところですよね」と本音を少し漏らしている。 「ニュースも表しか伝えないところがありますからね。伝えられないけど、言外にある裏側、バックステージみたいなことも、スタッフに嫌な顔をされてもちょこっとは言いたくて。ただ場外乱闘までいってない、エプロンサイドぐらいで」 『報道ステーション』をやる前から久米宏のことは意識していたそうだから、久米に挨拶に行ったことがあるという。 「そのときに久米さんの楽屋にあいさつに行ったら、そんなに親しいわけじゃないんですけど、『いや、古館君。毎日毎日、月~金の報道番組をやるっていうのは、もう強烈なサバイバルなんだよ』って言ったの。僕はピンときてないんです、自分はやったことないから。やるつもりもなかったし、そのとき。だけど、ものすごい印象に残ってるんですよ」 サバイバルとはどういう意味なのだろうか。久米も自民党から目の敵にされ、隙あらば引きずり下ろしてやろうという内外に敵がいたことを指しているのか。 「『報道ステーション』をやってて、自分の感ずるところ、思うところをなかなか言えない。表の報道をしてて、裏の背景をあんまり言えない。これはさっきからずっと嘆いてますけど事実です。だけど逆から見ると、言えないのは僕に勇気がないからなんですよ。番組が今日で終わっちゃうとか、これを言ったらおしまいだなとか思ってるだけで。基本的にホントのことを言うと、世の中、糾弾されるじゃないですか」 糾弾されても言ってくれよと思うのは、テレビを見ている人間の勝手な思い込みなのだろう。 「自分はもうこれだけやらせてもらっているから、べつに明日降ろされても幸せなしゃべり手人生だったと思えますからね。世の中ってうそ八百で成り立ってるし、ホントのところは新聞も雑誌もテレビも伝えないし、たまに言外に漂わせたり、におわせたり、スクープで追及したりってことはあっても、ほとんどがお約束で成り立ってるわけですね。プロレスですよ、世の中。完全にプロレスです」 芸能人や小粒な政治家のスキャンダルはときどき週刊誌をにぎわすが、大物権力者の致命的なスキャンダルはこのところ出てこない。 今こそ「安倍晋三研究」が必要だと思うのだが、核心に迫ったレポートやノンフィクションは残念ながら出ていない。 テレビの限界を知っているから、そこを壊すことなくちょこっと権力批判を織り込む古館の“頑張り”が目立つのだろうが、隔靴掻痒の感は否めない。 「でも、無理して10年やってきましたから、もうちょっと頑張りたいんですよね(笑)」 古館が「これでテレビとおさらば」と決意する日は、いつかは来る。そのときは思う存分、胸の内をぶちまけ、テレビ批判をしてもらいたいものである。 (文=元木昌彦)「AERA」7/14号 中吊広告より
「29週刊誌スクープ大賞」カテゴリーアーカイブ
“免除のススメ”で納付率が39.9%→60.9%に大幅アップ! 国民年金のカラクリ
今週の注目記事 第1位「劇団四季が悲鳴を上げた『浅利慶太』37億円バラ撒きの欲求」(「週刊新潮」7/3号) 第2位「女優・吉沢京子『中村勘三郎さんに愛された日々』」(「週刊現代」7/12号) 第3位「年金『納付率をごまかせ』厚労省内部指示文書をスクープ」(「週刊ポスト」7/11号) 第4位「不倫メール350通と愛人宅での寝そべりショーツ写真を公開する」(「週刊ポスト」7/11号) 第5位「『私の性器が作品』とM字開脚した白人女性アーティストの『芸術論』」(『週刊ポスト』7/11号) 第6位 「実は女の敵だった『美人都議』白いスネの傷」(「週刊新潮」7/3号) 「涙のヒロイン塩村文夏『華麗なる履歴書』」(「週刊文春」7/3号) 「真夏のセクハラオヤジ狂騒曲」(「週刊ポスト」7/3号) このところ、「予想通り」に事が進んでしまうことが続いている。ひとつはサッカーW杯の日本代表の“惨敗”である。敗因はいろいろ言われているが、ひとことで言えば、世界で戦う実力がなかったということである。 もうひとつは、公明党の集団的自衛権容認である。安倍首相側のどうにでも解釈できる「変更」をよしとして山口代表は受け入れ、明日(7月1日)にも安倍は閣議決定をするそうである。結局、与党にいるうま味を捨てられず、だだをこねてみただけだったのだ。民主党はまったく存在感を示せず、共産党は手も足も出なかった。 オール与党の大政翼賛会政治に媚びる多くの大マスコミは国民の知る権利に答えないから、国民は真の危うさになかなか気付かない。こうしたときにこそ、週刊誌を含めた雑誌の力が必要なのだが、どうもそれすら危ういように思えてならない。 なぜなら、東京都議会での塩村文夏都議(35)問題にその“兆候”を見ることができるからだ。塩村議員が妊娠中や育児中の女性のサポートを積極的に進めるべきだという質問中に、「早く結婚したほうがいいんじゃないか!」という下劣なヤジを飛ばした鈴木章浩都議(51)について、新潮、文春、ポストなどが扱っている。 このヤジのほかにも「産めないのか」「お前が結婚しろ!」などというヤジもあったそうだが、こちらは今のところ特定できていないようだ。 鈴木議員はメディアの取材に対して最初は否定していたが、事態を重く見た自民党の石破茂幹事長が「名乗り出させろ」と強硬姿勢を見せ、鈴木議員が塩村議員に謝罪することになった。この鈴木議員の政策が「女性が働きやすい社会の実現」だというのだから呆れる。上昇志向が強く、支持者に支払わせて銀座の高級クラブを豪遊しているなどと文春が書いている。 ゆくゆくは大田区長や国政へという野心を持っているそうだが、今回のことで女性票を逃がしてしまったから夢は潰えた。 ここまで各誌の論調はいい。だが、3誌とも“被害者”である塩村議員の過去の“華麗な履歴”まで暴露し、揶揄しているのはいかがなものか。 「たけしの『熱湯コマーシャル』で写真集PR」「『恋から』秘話『別れた男から1500万円』にさんまも絶句」「維新塾からみんなのアイドルに 『朝日記者』大企業御曹司にも大モテ」「『許可なしポスター』地元でヒンシュク 『家賃未払い』で訴えられた!」(すべて文春) ポストはモノクログラビアでアイドル時代の写真を並べ「こちらも何かと話題が尽きない」と書いている。たかが週刊誌ではあるが、これでは塩村議員は二重のセクハラを受けたことになるではないか。 ここで追及すべきは、鈴木議員一人に詰め腹を切らせ、一件落着としたい自民党側のやり方である。この程度で“落着”では、これからも心ないヤジは飛ぶだろうし、根本的な問題解決にはならない。市民団体が「このまま幕引きは許さない」としてネットで署名を集めているが、もしかすると全国的な運動に広がっていくかもしれない。ことは都議会レベルの問題ではない。国会の聞くに堪えない下品なヤジはハマコー(浜田幸一元議員)がいなくなっても続いている。これを機に、下品なヤジを飛ばした議員は辞職させるぐらいのことを率先してやるべきで、それを後押しするのが週刊誌の役目であるはずだ。そう思うゆえに、最下位にランクした。 5位はポストの記事。フランス・パリにあるオルセー美術館といえば世界的な名画が展示されていることで有名だが、5月29日にハプニングが起きたという。 観る者に「アートとは何か」を問いかける挑戦的な名作『世界の起源』(19世紀フランスの写実主義の巨匠ギュスターブ・クールベ)が展示されている。 この作品には豊かな陰毛に覆われた女性の陰部が描かれており、1866年の発表当時からヌード芸術表現の議論を巻き起こし、その論争は150年近くたった今でも続いているそうだ。 この歴史的作品が掲げられた場所で、金色のドレスを着た黒髪の白人女性が両足を大きくM字に広げ、座り込んだというのだ。ドレスの下に下着は着けていない。股間には黒々としたヘアが見え、女性器も露出していた。 そこにいた多くの観客たちは驚きの声を上げ、絶句した。その間わずか数分だったが、美術館の警備員が駆けつけ彼女を観客の目から隠し、その後警察が彼女を拘束したという。 この女性は、ルクセンブルク出身の30歳。彼女はこの行動について「8年前から考えてきたアートだ」と説明したという。 彼女はフランス紙「フィガロ」でこう語っている。 「私にとって、あの振る舞いの中には善も悪も暴力的なものもありませんでした。ポーズをとることで、私自身がひとつの舞台の観客になったのです。そして突然、私の中で何かが動き出した。これは決して売名行為ではない。私はアーティストとしての仕事を止めるつもりはありません。また再開します」 彼女は処罰を受けることなく釈放されたという。なかなか粋な計らいではないか。 お次もポストの記事。夏の甲子園の地方予選が各地で続々と開幕している。その最中、大会を主催する高野連(日本高等学校野球連盟)の理事が、職務時間中の不貞行為を告発されたというのである。なにしろ勤務時間中に絵文字満載のハレンチメールを不倫相手に送信し、昼間から彼女の家を訪れていたというのだ。 その御仁は佃省三氏(55)。妻と2人の子どもを持つ佃氏は、春夏の甲子園大会を主催する高野連の理事で、九州地区・鹿児島県高野連理事長という要職にある人物。県立高校で保険体育を教える現役教師でもあるそうだ。ポストが入手した不倫相手のAさんへのメールは350通あまり。時期は、11年8月から14年5月までの間に送信されたもの。 Aさんは6月23日、鹿児島県の教育委員会へ佃氏に対する「懲戒解雇処分申出書」を提出し、そこには約350通のメールが添付されている。懲戒解雇処分に相当する理由としては、地方公務員法、第30条、第33条、第35条を逸脱し、地方公務員としてあるまじき不適切所為に抵触するものということのようだ。 告発したAさんは、ポストの取材にこう答えている。 「初めて会ったのは09年でした。お付き合いが始まったのは11年1月です。それからというもの、日曜日は毎週のように私の自宅に泊まっていましたし、平日でも昼間にメールか電話が来て、一緒にお昼を食べてお酒を飲んでいました。そうしたことが週に何度もありました。夕方まで私の家にいて、それから学校に戻ることもあったようですが……。今考えれば、私の家をラブホテル代わりに使っていたということでしょう。お金はかからないし、ご飯は作ってくれるし、お風呂も一緒に入るし、その後は体まで……」 Aさんが告発を決意したのは、佃氏による暴力だとポストは書いている。では、佃氏はどう答えるのか。彼は「彼女はクレーマーなんですよ」と、むしろ自分のほうが被害者だというような言い方をしたが、事実を示していくと、しどろもどろになりながらもこう言い放つ。 「彼女は証拠を出しているというかもしれないが、私にも潔白を示す証拠がありますよ。こんなの誹謗中傷ですから」 佃氏が理事を務める高野連は、 「佃氏への告発があったとの報告は受けていないのでコメントできないが、事実であれば高野連としても調査し、問題があるなら球児の不祥事と同様に何らかの対処をする必要がある」 と回答した。彼女が撮ったのであろう佃氏の恥ずかしい写真が何枚か載っている。これを見ると、佃氏は言い逃れできないと思うのだが。 お次もポストの年金批判。ポストは先週号で、厚生労働省が発表した国民年金納付率「60.9%」はおかしいと報じた。「本当の納付率」は39.9%と4割以下に落ち込んでいるのだが、そう見せるカラクリは、保険料納付の免除者(384万人)や学生などの猶予者(222万人)を増やして、分母(納付すべき人)から除外することで見かけの納付率を上げるというものだというのである。 その証拠に、こういう実例を挙げる。都内に住む30代の男性Aさんの自宅に、突然女性が訪ねてきた。 「年金のことでお話ししたいことがあるのですが」 自営業のAさんは現在のマンションに越してきてから2年弱、仕事が忙しくなったこともあって国民年金の保険料を支払っていなかったので、そのことだろうとピンときたという。 すると60歳前後の女性は、 「未納分の平成24年分と25年分について、保険料免除の申請ができるんです。こちらの書類にサインしてください」 と言うのだ。「このやりとりこそ、厚生労働省の『納付率粉飾』を象徴する出来事なのだ」とポストは言う。免除者増やしは国策で、Aさんを訪問した女性は、その役割の一端を担っているのだ。玄関先で女性から渡されたのは「国民年金保険料免除・納付猶予申請書」というA4判2枚つづりでカーボンコピーになっている。 「未納分を支払ってください」という言葉はなく、「初めから免除できます」というやりとりだった。Aさんは支払う意思や余裕があるかどうかすら聞かれていないのだ。これでは、単に払うのを忘れていただけで収めたいと思っている人も免除申請してしまうし、これと同様の未納者訪問が全国で繰り広げられていると、ポストは追及する。 この「免除のススメ」を行っているのは年金事務所の職員ではない。09年からこうした事業は民間事業者に委託されているのだ。保険料収納という事業内容から見れば、未納者に支払いを督促するのが仕事だと誰もが思うだろうが、それが違うという。 元年金事務所幹部は、こう証言している。 「上からは、とにかく納付率を上げろとハッパをかけられている。よほどのバカでなければ、そのためには支払いを求めるより免除者を増やすほうが早いとわかります。訪問前に一応、支払ってほしいという督促状は送っているが、現場では『免除というお得な制度がありますよ』と勧めているのが現実です」 厚労省が納付率を発表した資料の中で、自営業者などの国民年金加入者(第1号被保険者)約1805万人のうち全額免除・猶予などを受けている人は606万人と、前年より19万人増えたことを明らかにした。それとは別に259万人の未納者がいて、納付者はわずか940万人となっている。納付者は前年より41万人減少し、納付総額も単純計算で200億円以上減っている。払う人が減り納められた保険料も減ってる現場を見て、『年金財政は改善に向かっている』という政府の発表、そしてそれをそのまま報じる新聞やテレビの言葉を正しいと感じる国民はまずいないはずだ」(ポスト) ポストのこうした指摘に、怒りを覚えない国民はいないだろう。 「免除者が増えれば、当然ながら年金財政も空洞化が進む。日本の年金制度は現在の高齢者を現役世代が支える仕組み(賦課方式)だから、免除推進はわざわざその支え手を減らす取り組みといえる。厚労省がやってることは、年金財政と国民の老後の両方を崩壊させる天下の愚策なのだ」(同) なぜこうしたことを、新聞やテレビは詳しく報じないのだろう。官界・財界御用達は日経新聞だけではない、ということなのだろう。 現代で女優・吉沢京子が、中村勘三郎との恋を語っている。これが第2位。 吉沢京子といえば1969年の「柔道一直線」(TBS)で桜木健一のガールフレンド役で出演し、その可憐な容姿で人気が出た女優である。1年半前に亡くなった歌舞伎界の名優・中村勘三郎との出会いは、71年4月に公開された映画『幻の殺意』の撮影現場だった。勘三郎はその頃は中村勘九郎と名乗り、16歳。彼女は1つ年上だった。2人の付き合いは、約6年間続いたそうである。 親しく話すようになったある日、勘三郎から「僕と付き合ってください」と交際を申し込まれたそうである。彼女も「はい」と頷いた。会う場所はお互いの自宅。勘三郎の小日向(東京・文京区)の家にはよく行ったそうである。 ファーストキスは彼女が18歳で彼が17歳の時。2人で神宮外苑の銀杏並木を散歩していたところ、彼からキスの許可を求められたという。 「吉沢さん、明日、してもいいですか?」 約束通り翌日、彼が彼女のおでこに口づけをしたそうだ。 勘三郎から「一緒になろうね」と、プロポーズめいた言葉をもらったこともあるそうだ。彼女もそのつもりで、勘三郎の両親、彼女の親も公認の仲だったから、「俗にいう許婚のようなものだったのかもしれません」と話している。 「そして、私にとって初めての男性経験も彼だったのです」 「勘三郎に女性の影がなかったといえば嘘になります」 芸者や舞妓、女優などの存在が見え隠れしていたという。 「それでも彼が芸を磨くためなら、少々のことは仕方がないと自分に言い聞かせていました」 だが、とうとう不安は現実になった。 彼女がいつものように中村家に行くと、彼と一緒に美しい女性が待っていた。先輩女優の太地喜和子だった。 「11歳年上の大先輩。映画『新座頭市物語・折れた杖』で共演させていただいた、尊敬する人でした。『なぜ、太地さんがここに……』と不思議に思いましたが、太地さんは私を見るや、ただ頭を下げながら、こう言ったのです。『彼のことが本気で好きなっちゃったの。だから、申し訳ないけれど、別れてもらえないでしょうか』(中略)太地さんの言葉は勘三郎さんの意思でもあることはわかりましたから、涙が溢れて止まりませんでした。(中略)彼は言いました。『吉沢さん、ごめん。2年間、待ってくれないか』2年後には太地さんと別れて、また交際を始めようという意味だったのだと思います。でも、私は『2年も待たないわよ!』と答えました。私も勘三郎さんとの別れを決心したのです」 勘三郎は太地と2年後に別れ、7代目中村芝翫の次女・好江と結婚した。その後、彼女も映画会社の社員と結婚した。長男も生まれたのだが、家庭環境の違いで合わず、6年後、子どもを連れて家を出た。 離婚から間もない頃、勘三郎と会う機会があったという。 「やはり踊りの会で、私は子供と一緒。すると彼は無言のまま、子供を引き寄せ、ギュッと力強く抱きしめたのです。長い間、抱擁していました。彼の目には光るものがありました。それを見た瞬間、私の彼へのわだかまりはすっかり氷解したのかもしれません」 彼女にとっても、勘三郎との思い出は忘れ難いのであろう。それにしても、勘三郎という男を亡くしたのは惜しい。 今週の第1位は、日本最大の劇団「劇団四季」のトップである浅利慶太さんにまつわる話。氏ではなくさんと書く理由は、後ほど説明させていただく。 「今年は劇団創立60周年。僕も81歳になった。医師からも、無理をしないでほしいと言われている。今日は、僕が劇団トップとしてする、最後の話になると思う」 『オペラ座の怪人』『キャッツ』『ライオンキング』など数々のミュージカルをヒットさせてきた劇団四季の浅利さんが6月16日、劇団員を前に突然の引退宣言をしたと、週刊新潮が報じている。年齢からいっても引き時ではあるのかもしれないが、創立60周年は去年のことだし、次に引用するように、浅利さんの言動がどこか変だというのだ。 「みなさんに大幅なボーナスをあげたいんだ。財源は37億4000万円。(中略)11年以上の在籍者を年次ごとに6段階に分けて、37億円を払いたい。振り込みは7月14日の劇団創立記念日」 大盤振る舞いではあるが、払う額に大きな“格差”があるというのである。 「役員でも1000万円程度しかもらえないのに、浅利先生の奥さんで専属女優である野村玲子さんは、1億以上も貰えるというのですから」(劇団の中堅技術スタッフ) 慶応大学時代からの友人である、音楽評論家の安倍寧さん(81)がこう話す。 「彼は、軽度のアルツハイマー型認知症。正確に言えば、認知障害です」 安倍さんが不安を感じたのは、6~7年前のことだという。 「舞台の初日、浅利がロビーに立ち、観客を出迎えて挨拶するのが『四季』の慣習になっています。それが、その場で僕を見つけると、“前に紹介してもらった3軒のレストランは美味しかった。早く4軒目を教えてくれよ”とか、“今日は1人かい。奥さんは一緒じゃないの?”と、同じことばかり繰り返して聞いてくるのです。それでおかしいなと思い始めました」 安倍さんと浅利さんは同じ人間ドックを利用しているため、浅利さんが専門医から認知障害だと診断された事実を知ったという。浅利さんの症状は軽度だが、新しい記憶の積み重ねが困難で、固有名詞を思い出すことが難しいそうだ。 そこで安倍さんは浅利さんの妻・野村玲子さんに相談した後、親友に“引退勧告”をする決意を固めた。2人が対峙したのは3月20日、浜松町にある四季東京事務所の浅利さんの執務室。 「最初は、浅利も“ありがとう”と言ってくれましたが、認知障害と診断した医師を“あの医者はヤブだから信用できない”と言い出す始末でした。そこで私は、“じゃあ、何でアリセプトという薬を飲んでいるのか”と聞き返しました」 アリセプトは、国内で広く使われている認知症改善薬だという。 「彼は“誰が君に教えたんだ”と犯人探しのようなことばかり言っていた。私が“そんなことは問題じゃない”と言うと、最後に彼は“言いたければ、言って構わない”と捨て台詞を残したのです」 新潮が浅利さん本人に尋ねると、こう答えたという。 「(認知障害は)そんなことはまったくない。告げ口した悪いヤツがいるとわかっています。(功労金の支払いは)いや、あの今年で61周年……。まあ、それで僕は引きますので……。週刊新潮が出たら、僕はきっとクビになると思います」 6月26日付の朝日新聞が、浅利さんが四季株式会社の社長を退任したと報じている。 ここで私事で恐縮だが、浅利さんと私について触れさせていただきたい。私が最初に浅利さんと会ったのは30代の始め。彼を通じて、新自由クラブ(当時)の河野洋平さんや安倍寧さんたちと知り合う。 当時大人気だった越路吹雪のリサイタルにも何度かお邪魔した。だが、越路さんが亡くなりドル箱を失った四季は、参宮橋にあった四季の事務所や稽古場をあざみ野へ移さざるをえなくなり、長年の友人である安倍さんの顧問料も支払えなくなる。困った浅利さんから、私にその旨を安倍さんに伝えてほしいと言われ、安倍さんに会いに行くが、承服しかねた安倍さんとの仲がギクシャクした時期があった。 四季が大きく飛躍するきっかけは、都庁近くの空き地を借りてテント小屋を作り『キャッツ』を始めたことである。作品の素晴らしさはもちろんだが、期間を区切ってのテント小屋公演という発想がユニークで、『キャッツ』は爆発的な人気を呼んだ。 浅利さんに劇団員の女性と見合いをさせられたことも、懐かしい思い出である。一番忘れられないのは、私がジャニーズ事務所のスキャンダルを週刊現代で記事にして大騒ぎになり、会社は事態を収拾するために私を婦人誌へ飛ばしたときのことだ。会社のやり方が頭にきた私は、銀座のバーで浅利さんと会って辞める覚悟を話し、浅利さんのところで秘書として雇ってくれないかと頼んだ。 しばらく私の目をじっと見つめ、浅利さんはこう言った。 「君の気持ちはわかった。だが、婦人誌へ行ったばかりでは、そこの仕事が好きになるかどうかわからない。1年だけ我慢してみないか。1年経って君が辞めたいというなら僕が責任を持って面倒を見よう」 このひとことがなかったら、私は会社を辞めていたと思う。合わないと思っていた婦人誌は、やってみると意外に面白かった。そして2年後に月刊現代へ移った。 こういう言い方は失礼になるかもしれないが、私がこれまで会った中で浅利さんほど優れた人はいないと思っている。超ワンマンだし、人間的に批判されるところがないわけではないが、演出家としてはもちろんだが、人心収攬術、弁舌のさわやかさと説得力、経営者としても秀でている。だが、そうした人にも、年齢による“老い”は確実に来る。 しばらく前にこう言われた。 「元木くん、60代と70代は全然違うよ。君ももうすぐ70になる。気をつけなさい」 そして70代と80代も違うのだろう。この特集を読んでいて寂しさがこみ上げてきた。 (文=元木昌彦)「週刊新潮」7/3号 中吊広告
第二の尼崎連続不審死事件か――謎を呼ぶ、筑後市連続失踪事件
今週の注目記事 第1位 「サラリーマン『残業代ゼロ』でも『役人だけは例外』の大謀略」 「主婦の年金を廃止するならサラリーマンの保険料を下げるのが筋だ」 「『女性は働け』の大号令で『麻生』と『パソナ』が大儲け」(「週刊ポスト」7/4号) 第2位 「筑後連続変死・失踪事件『大便のあとはシャワー!』厳命した『女王様妻と奴隷夫』の転落」(「週刊ポスト」7/4号) 第3位 「自衛隊は北朝鮮、そして中国と戦う」(「週刊現代」7/5号) 第4位 「入来祐作 用具係の日々に『この惑星には裏方の喜びもある』」(「週刊新潮」6/26号) 第5位 「ウソつきノバルティス社に協力した『疑惑の医師』を直撃!」(「週刊現代」7/5号) 第6位 「前田敦子『結婚宣言』も…尾上松也“裏切りの車中キス”」(「週刊文春」6/26号) 週末に中国・北京で遊んできた。雨、それも豪雨が多い季節だが幸い遭遇せず、PM2.5などどこにあるのかというような美しい青空が広がっていた。 前回訪れたのは2011年3月。11日の東日本大震災は、中国外務省の高官と会う直前にiPadで知った。慌ててホテルへ戻り、テレビに映し出される津波の映像を震えながら見ていたことを思い出す。 今回はたいした用事もなく、北京市内をバスと地下鉄を使って気ままに歩いて回った。街を歩いていてもレストランで食事をしても、反日ムードなど感じたことはない。バスや地下鉄に乗れば、座っている若者が席を譲ってくれる。聞けば、中国では若者が乗り物に乗るとき、まず年寄りがいないかを見回し、いないことを確認してから座るのだという。儒教の教えが行き届いているようだが、譲られるほうは何か気恥ずかしいものである。 なぜ私に声がかかるのかと車内を見回すと、意外にも年寄りの姿をあまり見かけないのだ。バスと地下鉄は日本のSuikaのようなプリペイドカードでタッチすればいい。バスはひと乗りが0.4元(約6~7円)だからとてつもなく安いのだが、週末だから、年寄りの姿が少なかったのであろうか。 地下鉄も、ホームには開閉式のドアがついていて安全に配慮されているし、ゴミもなく清潔である。駅のトイレも、以前とは比べものにならないくらいキレイなのは北京五輪のおかげであろう。 だが気になったのは、テロを怖れてのことだろうが、警戒が半端ではない。地下鉄に乗るのにも手荷物を検査されるし、天安門広場へ行ったときにも手荷物検査があり、そこここに「公安」たちが目を光らせている。 そのためか広場にいる人数は意外に少なく、広い広場がなおさら広く感じられた。1989年、天安門事件が起きる前日に、私はここにいた。夏を思わせるうだるような暑い日で、そこここでキャンデー売りの自転車に人が群がっていた。 だが、日本で伝えられているような緊張感はそれほど感じられず、このまま睨み合いが続くのだろうと思って、夕方そこを離れ帰国した。 間違いなく、中国政府の強硬派たちが怯えて軍を出動させ、若者たちを戦車で蹴散らすよう命令を出したのである。 今の北京を見ていると、習近平たち現政権が少数民族のゲリラ・テロを怖れていることがよくわかる。9.11以降、アメリカはイスラム過激派のテロに怯え、アメリカ人たちは海外に出ることをしなくなり、孤立主義を深めていった。 中国は虚勢を張ってはいるが、内心の動揺は町中に監視カメラと公安警察をあふれさせたことで見て取れる。 そんなことを考えながらブラブラ歩いたが、どうしても紹興酒を飲みたくなって「咸享酒店」(北京市朝陽区北三環東路19号)へ行った。ここは、週刊現代の友人に教えてもらった店である。 「紹興咸亨酒店」は中国浙江省紹興市にあり、文豪・魯迅の叔父が1894年に開業した造り酒屋と居酒屋がある。魯迅は毎晩、そこで紹興酒をどんぶりで飲んでいたという。 そこの支店かどうかはわからないが、店は本店とは違った豪壮な造りのレストランである。紹興酒の種類はさすがに多く、10年ものを頼んだがとろけるようなトロリとした味わいが絶品である。料理も酒に合うものがそろっており、値段もリーズナブル。紹興酒3本、料理をたらふく食って4人で約1万2,000円ほど。北京ではなかなか飲めない紹興酒が飲める貴重な名店である。 さて、サッカーW杯の1次リーグ突破が危うくなった日本代表だが、敗退が決定的になれば、お決まりの「戦犯」探しが始まるのであろう。現代は早くも「弱すぎた!1次リーグ敗退」とタイトルを打ち、「本田も、香川も、長友も、こんなものだったのか」と戦犯候補を挙げているが、新潮が予想していたように、当たる相手はみな格上なのだから、ハナから突破することは難しかったはずだ。実力通りの結果ではないかと、私は思うのだが。 さて、今週の第6位。文春お得意のネタ、元AKB48のセンターを務めた前田敦子(22)についての記事。 6月6日の夜、前田が青山で舞台を鑑賞した後、女優の高畑充希や俳優・池松壮亮、柄本時生らと居酒屋でダベっているのを、文春の記者が聞き耳を立てていたそうな。 すると、前田と交際していたが、破局したのではと報じられた歌舞伎界のニュープリンス・尾上松也(29)とのことをこう話していたというのだ。 「柄本『いま上手くいっているってこと?』 前田『うん、上手くいってるよ』 柄本『……そこまで言ったんなら絶対結婚しろよ、オマエ』 前田『うん、でも全然できるわ-。なんかすっごく好き』」 こう書き写していると自分がアホに思えてくるが、もう少しガマンしよう。恋多き女が結婚を考えているというのだから男冥利に尽きると思うが、そうではないようだ。 前田が結婚願望を口にした6日後の渋谷、深夜2時。男は噂の尾上で、連れの女性は40がらみの美人だというから、ずいぶん年が離れている。 2人はタクシーに乗り込み、女性の自宅に着く直前、尾上が彼女に熱いキスをしたというのだ(証拠写真がグラビアにあり)。 尾上は「裏切りの車チュー」をした後、その足で向かったのは前田の住むマンションだという。 この年上女性は、その筋では有名なラジオプロデューサーだそうだ。今が一番楽しい時期であろう尾上が、本気で前田と結婚する気になるのだろうか。 この話題は、19日朝のフジテレビ『とくダネ!』でもやっていた。前田がAKB48にいたら、秋元康の「威光」を怖れて扱わなかったと思うが、そこを離れたただのタレントには配慮する必要がないのだろう。 お次は第5位。製薬会社ノバルティスファーマ(以下、ノバ社)が血圧を下げる薬「バルサルタン(商品名・ディオバン)に脳卒中や狭心症などのリスクを下げる効果があるとして、2000年から大々的に販売してきたが、その効能は医学的には存在せず、実験データに不正があったことが判明し、厚労省が調査を続けてきた。 そしてついに6月11日、データ改ざんの実行犯として、同社元社員の白橋伸雄容疑者(63歳)が逮捕された。 だが、白橋一人でできるわけはない。京都府立医科大学で大規模な臨床試験を行っていた医師・松原弘明氏(57歳)と白橋容疑者が、二人三脚でやったのではないかといわれている。 だが、ディオバンが問題になりなり始めた昨年2月末、松原医師の姿は京都府立医大病院から忽然と消えてしまったのだ。 それを現代が追跡し、捕まえて直撃している。 彼は奄美大島の名瀬徳洲会病院にいた。病床数255床と島内有数の大規模病院である。 彼は質問に「もう疲れた。(白橋)一人でやったと思う」と、言を左右にして自分の責任は認めないが、東京地検から聴取を受けていることは認めている。 ノバ社は、ディオバンの効能を国際的な医学雑誌に発表した京都府立医大には3億8,170万円、東京慈恵会医大には1億8,770万円、5大学合わせてばらまいた総額は11億円を超えるという。 しかも、それらのカネの「実態は製薬企業が大学の先生に支払う『接待費』なんです」(大学病院に勤務する医師)。巨額な接待費を支払っても、ノバ社はディオバンで1兆2,000億円売り上げているから、大儲けである。 だが、高い降圧剤を処方されたために、数千億円の医療費がそのために支払われているという。 現代が言うように「製薬業界の不透明な手口を解明するためにも、まずはディオバンをめぐるノバ社と大学病院の責任を明らかにすることが求められる」はずである。 さて、かつてドラフトで1位指名された元巨人軍の投手・入来祐作(41)の缶コーヒーのCMが話題である。 96年に入団し01年には13勝を挙げている。その彼が日ハム、アメリカマイナーリーグ、横浜と渡り歩いて、現役を引退したのは08年だったと新潮が報じている。 横浜ベイスターズの打撃投手を務め、09年からは用具係をやっているというのには驚いた。てっきり、CM撮りのための役作りだと思っていたからだ。 CMの話があったのは、今春だそうだ。こんな経験は2度とできないだろうと引き受けたという。入来が今の仕事をこう語る。 「僕が管理しているのは、監督やコーチのノックバット、ヘルメット、選手が練習で使うボールなど諸々の備品です。1日におよそ900個から1000個のボールを扱い、使える物と使えないものを選別していくのも僕の仕事です。球団の予算の範囲内でそれらの管理をします。例えば、選手のユニホームが破れた時、補修するのか新調するのかを判断するのは僕です」 選手が球場に入る前に入り、全員帰った後に球場を出るから拘束時間は12時間ぐらいになる。だが、それを苦に思ったことはないという。 球場にいて選手を間近で見られる子どもみたいな気持ちだと話す。現役時代の自分は、今の彼の中にはないそうだ。現役時代の最高年俸は02年の9,000万円。 「給料の額面を見て、野球選手じゃなくなるということはこういうことなんだと自分で評価しています。男は、働けないことが一番辛いと思います」 ファンの喝采を浴びる日もあれば、屈辱で眠れぬ夜もあっただろう。だが野球が好きだから、どんなことをしてでも野球と関わっていたいのだ。 入来の最盛期を知っている巨人ファンとして、彼にはこう言ってあげたい。素晴らしきかな、野球バカ人生。 現代が安倍首相の「戦争のできる国」への変更は、自衛隊が血を流すことだと批判しているが、タイトルを含めて、なぜもっとハッキリ「安倍首相は自衛隊に死んでくれと言わないのか」とうたわなかったのか。 失礼だが、少し腰が引けた内容である。例えば「'93年の『核危機』の際、密かにアメリカ政府は『第二次朝鮮戦争』が仮に勃発した場合の試算を行っている。当時国防長官だったウィリアム・J・ペリー氏がのちに明かした内容は、次のようなものだった。『朝鮮半島で戦争が勃発すれば、最初の90日間で米軍兵士の死傷者が5万2000人、韓国軍の死傷者が49万人に上る。市民にも大量の死者が出る』」 集団的自衛権が容認されれば、自衛隊を含めた日本人の死者はどれぐらいになるのかを知りたいものだ。 「イラクやシリア、ウクライナ、南スーダン、リビア、ナイジェリアといった、現在紛争が起きている場所にはそれぞれ500~1000人規模の派兵を求められる可能性があります。当然、死傷者が出ることにもなるでしょう」(軍事ジャーナリストの黒井文太郎氏) 死傷者が出ることになるのではなく、確実に死者が出るのだ。 「しかし、これから支払うことになる代償は決して小さくない」 「威勢がいいだけの安倍総理の言葉を無邪気に礼賛する若者たちは、本当にその覚悟があるのだろうか」 「おそらく安倍総理には、自分がそんな『暴力の連鎖』に足を踏み入れているという自覚はない」 代償は大きく暴力の連鎖は、アメリカや中国のようにテロに怯えて警察監視国家へとまっしぐらに突き進むはずである。 6月16日付の朝日新聞で、旧知の「月刊日本」主幹・南丘喜八郎氏がこう発言している。 彼は純粋右翼といっていい思想の持ち主である。私とは考え方が異なることが多いが、これは「正論」である。 「今日、集団的自衛権の議論で気になるのは『人を殺す』という認識の欠如だ。『戦争に巻き込まれる』『日本人が殺される』と受け身の発想ばかり。いざ戦闘になったら敵、人を殺すことが第一の任務になることを忘れてはならない。(中略)殺された側にも恨みが残る。恨みは連鎖する。それが戦争だ。指導者はその重みに耐え、決断し、背負っていく。最高指揮官たる安倍(晋三)首相に、その覚悟はあるのか。あると言うのなら、起こりうる現実を率直に伝え、『それでも日本には役割がある、耐えてくれ』と国民に訴えるべきだ」 朝日新聞の「朝日川柳」にこういうのがあったと、わざわざ新潮が紹介している。 「『安倍総理バンザイ』と散る自衛隊」 集団的自衛権について、自衛隊員の本音を聞きたいものだ。 安全性が担保されていない原発を世界に売り込み、武器輸出三原則を見直して兵器に転用されることが明白なものまで輸出できるようにし、憲法9条をないがしろにして戦争のできる国にしようと形振り構わず突き進む安倍首相の姿は、戦前の戦争を指導した人間たちの怨霊が乗り移っているのではないかと、夏も近いというのに寒気がするほどである。 福岡県・筑後市で起きた連続変死・失踪事件はその事件の異様さもさることながら、美人妻がなぜこのような事件を引き起こしたのかに関心が集まっている。 この事件はいち早くポストが「筑後連続失踪事件 福岡県警が半年間マークする『美形夫婦』謎の履歴書」(5月2日号)と題して報じていたもの。 妻の中尾知佐容疑者(45)は、瀬戸内海に浮かぶ人口3,000人ほどの離島で、9人の兄弟姉妹の長女として生まれた。 貧しい中、8人の弟や妹の面倒を見ていた彼女だが、高校を卒業すると島から離れていった。夫は伸也容疑者(47)。筑後市でリサイクルショップを経営する夫婦が福岡県警に逮捕されたのは、6月16日のことだ。 逮捕容疑は知人のキャッシュカードを使って現金を不正に引き出した窃盗容疑だが、その逮捕は夫婦周辺で起きていた連続失踪騒動を解明するための「別件逮捕」であった。 リサイクルショップの元従業員・日高崇さん(当時22)の骨の一部が、伸也容疑者の実家の庭から発見された。伸也容疑者は「妻に言われて暴行して埋めた」と供述しているという。捜査関係者は、彼女こそ事件のキーマンと見ているようだ。 夫婦はリサイクルショップを開くと、複数の従業員を住み込みで働かせた。暴力も常態化し、実態は軟禁に近かった。それだけではなく、従業員に借金を強要してカネを上納させたり、従業員の親に「息子が仕事でミスをして損害を与えた」などと言いがかりをつけ、数百万円を支払わせたことも判明しているという。 亡くなった日高さんの両親も息子と音信不通になった後、店の売上金を盗まれたと夫婦に詰め寄られ、300万円以上を支払っていた。 知佐容疑者が伸也容疑者と出会ったのは、彼女が働いていた福岡・中洲のクラブだったとか、筑後市にあるスナックだったなどとさまざまな証言があるようだ。 「シンちゃん(伸也容疑者)はチーちゃんに絶対に逆らえんと。チーちゃんって口は立つし頭がキレるけん、男相手でも平気で口喧嘩し、相手に逃げ道を与えずトコトン追い込む。ある時、シンちゃんが『(知佐は)怒ると手も出るし、足も出るとよ』と話しとった。喧嘩になるとシーちゃんから殴られたり蹴られたりしとったみたい。そやけんシンちゃんはいつもチーちゃんの顔色を窺っとるようなところがあった」(知佐容疑者のママ友) ポストは、そのやり方は尼崎連続不審死事件の角田美代子ファミリーを彷彿とさせると書いている。警察当局が注目しているのは、日高さんだけではない。 「日高さん、Kさん、そして知佐容疑者の妹の夫Hさんとその子供。伸也容疑者が『庭に埋めた』と供述した複数の遺体はこの4人とみられている。我々が最も注目しているのは、Hさんとその息子だ」 知佐容疑者は夫は違って、事件の話になると「何も知りません」と否認を貫いているという。尼崎の事件のように主犯は女性のようだが、なかなか手強そうである。 以前からポストの安倍首相批判、官僚批判は鋭く、見るべきものが多いが、今週は3本もあるのでまとめて今週の第1位だ! 初めは、安倍首相と財界が狙っている、サラリーマンの残業代をゼロにしろという策略について。 「安倍政権が、ついに本性を露にして国民生活に牙をむいた。サラリーマンの残業代をゼロにする『ホワイトカラーエグゼンプション』の導入を打ち出したことは、すでに大きな反発と波紋を呼んでいる。6月11日の甘利明・経済産業相、田村憲久・厚生労働相、菅義偉・官房長官の3大臣会合で『年収1000万円超』の準管理職のサラリーマンに残業代ゼロを適用することを合意し、6月末に発表する『新成長戦略』に盛り込む方針だ」(ポスト) ポストによれば、今回は「年収1000万円は労働者の(上位)3~4%に入るような明確に高い賃金」(甘利大臣)という言い方で、国民に「そんなに年収のある人ならいいか」と思わせようとしているそうだ。しかし、政府や経団連の当面の狙いはそこではなく、「年収600万円台後半」のサラリーマンへ拡大しようとしているというのだ。 さらに政府と財界の最終目標は、残業代ゼロの制度を「年収400万円以下」の社員にまで拡大することだという。 「特に許しがたいのは、民間サラリーマンにリスクを押しつけようとしている役人たちは、このホワイトカラーエグゼンプションが実施されても痛くも痒くもないことだ。元財務官僚の高橋洋一・嘉悦大学教授が語る。 『霞ヶ関の行政職の官僚は全員、労働時間規制の対象外で、いわばすでにホワイトカラーエグゼンプションが適用されているようなものだが、残業代は出ます。しかも、超過勤務手当の予算総額は決まっているから、個々の職員が実際に残業した時間ではなく、忙しい部署の職員には多く、そうでない部署には少なく配分される。私が忙しい部署にいたとき、1人だけ仕事を早く処理して先に帰宅しても残業代がついていました』 残業しなくとも残業代がもらえるとしたら特権というより“公金横領”だろう」(同) 支給される残業代は、国家公務員全体で昨年度の約1,428億円から今年度は約1,539億円へと、予算8%増の大盤振る舞いがなされているのだ。 サラリーマンには厳しい条件を平気で押しつけ、自分たちはのうのうと残業代ももらい天下りのし放題では、天が許さない。 さらに見逃してならないのは、「主婦年金廃止」の動きであるとポストは書いている。主婦は「第3号被保険者」として保険料を負担しなくても、将来、年金を受け取れる仕組みになっている。その「第3号」制度を廃止して、主婦にも月額約1万5,000円の保険料を負担させようという計画があるのだ。 「その中ではパート勤務の妻を厚生年金に加入させるよう制度変更(16年10月施行)して、約1000万人いる第3号被保険者を減らすことがハッキリと図で記されている。その先に狙われているのが『主婦年金』(第3号制度)廃止』なのだ。 年金官僚たちはこれまで『主婦は保険料を払わずに年金をもらえる。不公平だ』という説明を繰り返してきた。その真に受けた大新聞やテレビも『主婦はズルイ』と煽った。11年には、当時の小宮山洋子・厚労相が『(第3号制度は)本当におかしな仕組みだ』と語ったこともある。 本当におかしいのは、そういってきた者たちのほうだ。『不公平論』は真っ赤なウソなのである。年金博士としてお馴染みの社会保険労務士・北村庄吾氏が解説する。 『第3号制度が導入されたのは1986年です。当時財政の再計算が行われ、将来の給与が増える分、サラリーマンが加入する厚生年金の保険料率は10.6%から12.4%(労使合計)へ引き上げられた経緯があります』 つまり、主婦の保険料は夫の負担をアップさせることで補ったのだ。(中略) 『もし第3号制度を廃止するというなら、その分サラリーマンの保険料を下げるのが筋です』(北村氏)」 ポストは、年金の納付率もインチキがあると批判する。 「5月下旬、新聞各紙は『国民年金の納付率、4年ぶりに60%台に』と報じた。厚労省が発表している納付率は10年度に60%を割り込み、12年度は『59.0%』、それが13年度に回復したというのだ。手元に、一般には公表されていないA4版1枚の厚労省資料がある。そこに記された実際の納付率は60%どころか『39.9%』(12年度)となっている」 妻にも年金を払わせるという策略の裏には、彼女たちを社会に出させて少子化による若年労働者不足に苦しむ経済界が労働力として安く使おうというもくろみがあるというのである。 「安倍政権は『女性が輝く日本』を成長戦略の柱に据え、2020年までに企業の役員や管理職など社会の指導的立場で活躍する女性の割合を30%にするという目標を掲げた。しかし、そんなきれいごとを額面通りに受け取る者はいない。企業が欲しがっているのは管理職でも役員でもなく、明らかに目先の安価な労働力だからである」 今まで主婦をやっていた女性のうち、社会に出て主要な地位に就ける人などごくごくわずかでしかないこと、誰にだってわかる。安倍首相の二枚舌ならぬ三枚、四枚舌は、企業側の思うがままに言っているだけなのだ。 さらにポストは、300万人といわれるそうした主婦たちを職業訓練し、派遣するビジネスがこれから大儲けになる。そこに、安倍首相と親しい人材派遣業の大手「パソナ」と、麻生太郎副総理兼財務相のファミリー企業の1社「アソウ・ヒューマニーセンター」がおいしい汁を吸っていると追及する。経済ジャーナリストの萩原博子氏の批判は的を射ている。 「安倍政権の成長戦略はみんな個別企業の利益に直結しています。法人税引き下げやホワイトカラーエグゼンプションは経団連の大企業の利益に沿った政策であり、今年解禁された薬のネット販売は総理のプレーンである楽天の三木谷さんのビジネスでしょう。この事業も主婦の再就職を応援するといえば聞こえはいいが、税金を使ってブレーンの竹中さんの企業や麻生グループの商売に使われている。それは安倍さんの政策を決めているのが諮問機関の経営者やブレーンたちで、国民のためではなく、彼らの利権づくりのための政策でしかないからです。こんな発想で女性の社会進出といわれても、最後に割を食うのは女性や働く人たちです」 安倍政権はこの国の形を変えてしまうだけでなく、そこに住む人間たちに一部の大企業や政治家、官僚たちの意のままに動くことを強要する政権である。とすれば、“史上最悪”の首相と言っても言い過ぎではないはずだ。 かつて現代、ポストは「サラリーマンのための週刊誌」を売り物にしてきたが、今こそサラリーマンや高齢者の真の味方であってほしいと、切に思う。そうすれば、必ず部数もついてくる。 (文=元木昌彦)「週刊ポスト」7/4号 中吊広告より
フジテレビ化は凋落への第一歩? 女帝・木村優子排除で日テレに黄色信号
今週の注目記事 第1位 「ダウンタウン浜田雅功 29歳Fカップグラドルと裏切りの3年不倫」(「フライデー」6/27号) 第2位 「『フェラAV』出演の美女アナが出演番組を降板させられた」(「週刊ポスト」6/27号) 第3位 「吉高由里子『元カレを引き戻す』下ネタ力」(「週刊ポスト」6/27号) 第4位 「長生きしたけりゃメタボが一番!」(「週刊文春」6/19号) 第5位 「日テレ『女子アナ大異変』女帝・木村優子にマウンティングするのは誰だ」(「週刊ポスト」6/27号) 第6位 「銀座『名門すし戦争』次郎vs.久兵衛 場外乱闘の勝者」(「週刊現代」6/28号) 第7位 「『ザックジャパン』亀裂の底に『本田』妻が『大久保』母を無視事件」(「週刊新潮」6/19号) 第8位 「プーチンの娘は日本が大好き!」(「週刊文春」6/19号) 第9位 「天使の谷間 篠原涼子」(「週刊現代」6/28号) ブラジルW杯が始まって一番喜んでいるのが安倍首相であろう。何しろ、ビデオリサーチ社が16日に発表したコートジボワール戦の瞬間最高視聴率は50.8%。各局合計の番組平均視聴率の占拠率は、後半に75.2%に達したそうだ。 憲法9条をなし崩しにし、これからの日本を戦争のできる国に作り上げようとする安倍首相のなりふり構わないやり方に、建前上は平和の党をうたう公明党がもろくも崩れ、今国会開期中にも閣議決定が強行されようという「非常時」に、日本人はサッカーにうつつを抜かしているのだから。 石破茂幹事長は、どこぞの講演で「日本の民主主義は、そんなにやわではない」と語ったという。腹の黒い政治家がよく使う言葉だが、彼もそんなことを信じてはいまい。 日本に民主主義が本当に根付き、その根幹である憲法を大事にしてきたら、今のようなひどいことにはなっていない。 日本には「ひ弱な民主主義」しかないのだ。60年安保のとき国会を取り巻く反対運動の人の波に怯えながら、当時の岸信介首相は「それでも後楽園は野球を見る人でいっぱいだ」とうそぶいた。 歴史は繰り返す。安倍首相と側近たちが仕組んだのであろう。W杯開催中に強行してしまえば、それほどの騒ぎにはならないはずだ。日本人は忘れっぽい。W杯で日本が敗退すると同時に、集団的自衛権の容認を閣議決定したこともすぐに忘れる。 奴らのもくろみは見事に当たっている。腹が立つから、今週は政治記事などに見向きもせず、軟派記事だけに絞って取り上げてみた。後世、国を戦争に巻き込む方針の大変更が一権力者の手によって行われようとしているときに、日本人はこんなものを読んでいたのかと批判され、バカにされることになるだろう。 まずは、結婚してから一段ときれいになった女優・篠原涼子のCMが話題だそうだ。下着メーカー「トリンプ」だから胸元を大胆に見せ、なかなかセクシーである。週刊ポストも同じものを載せているのだが、モノクロ写真。やはり、週刊現代のカラーのほうが見応えがある。 お次も文春のグラビア。プーチンロシア大統領の次女(27)が極秘来日していた姿が掲載されている。本国でも娘のことはトップシークレットだというから、“大スクープ”なのかもしれない。 威風堂々とした姿は父親似だ。来日の目的は某大学で「アクロバットロックンロール」を披露するためで、そこの挨拶の冒頭を日本語でしたという。あとはショッピングなどを楽しんだらしいが、父親同様、日本びいきなのは確かなようである。 さて、サッカーのW杯ブラジル大会が始まったが、先週、新潮が予想したように、初戦を見る限り1次リーグ突破できるかどうか危ういようだ。 初戦のコートジボワール戦について、文春が「10倍楽しむ方法」の中で、相手は4年前のアフリカW杯直前の親善試合で、エースFWのドログバを闘莉王が接触プレーで右腕骨折させたことを相当恨んでいると書いているが、後半でドログバが入ってきてから明らかにチームの雰囲気が変わった。恨み晴らさでおくべきかと一丸となって攻められ、あっという間に逆転されてしまった。 さらに新潮は、内部にも火種を抱えていると報じている。これが7位。 その火種とは、サプライズ選出された大久保嘉人(32)と本田圭佑(27)との確執だというのだ。 唯我独尊の本田には長友佑都ぐらいしか仲がいいのはいないといわれるが、元セレッソ大阪組は香川真司、清武弘嗣、柿谷曜一朗、山口蛍などがいて、大久保を尊敬しているという。 その上、ザック監督でさえ、最近の本田の不振を見て、ドリブルで突破力のある大久保を「もう一つの切り札」にしていると、全国紙のデスク氏が話している。 おまけに、大久保の母親・千里さんまでが、南ア大会のときの食事の席で本田家はほかの家族とは別に自分たちだけで並んで食べていて、ドリンクバーで一緒になった本田の妻に「おはようございます」と声をかけたら「無視されたんですよ」と不満を漏らしているのである。 自分の息子かわいさからとはいっても、こんな時期にチームメイトに対して批判めいたことを言うのはいかがなものかと思うが、日本代表が一枚岩でないことは確かなようである。1次リーグ突破ができなかったら「悪いのはみんな本田」という声が上がるかもしれない。どちらにしても、このブラジル大会は“孤高のストライカー”本田の出来いかんにかかっていることだけは間違いない。 さて、現代がオバマ大統領が来日したとき「すきやばし次郎」で寿司を食べる直前、「銀座 久兵衛」の寿司の出前を取っていたという“衝撃的”なウワサが、政界のみならずグルメ界をも震撼させていると報じている。 どうでもいいことだが、そう言っては週刊誌は成り立たぬ。針小棒大こそ週刊誌の神髄である。 「すきやばし次郎」でオバマ大統領は寿司を残したことから、そうした話が出てくるのだろう。安倍総理は12カン食べたが、オバマ大統領は8カンで止めた。いや、10カンは食べたらしいと数については諸説あるようだが、2人とも、全部で20カン前後の「おまかせ」を完食しなかったのは確かだという。 また「銀座 久兵衛」の今田洋輔社長が、雑誌「プレジデント」6月30日号のインタビューでウワサを認め、関係者を驚かせた。 「(オバマ大統領側が、安倍総理との会食前に)寿司の出前を頼まれたのは事実です」 「注文された寿司を食べられたのであれば、半分残されるのはしょうがないかもしれません」 こう話している。この2店は銀座というより日本を代表する寿司屋だから、自分のところに来てくれなかったのが気に障ったのだろうか。 だが、この2店のやり方は相当違っている。次郎のほうはほとんど次郎さんが一人で握っているのだが、久兵衛のほうは、160名余りの社員を抱え、就職支援サイトで新卒者を募るなど、寿司屋というよりは企業としての色合いを強めている。 私はどちらも知っているが、久兵衛はもはや値段は高いが大勢入れ込む大型寿司店で、お上りさんの観光名所のような雰囲気は好きになれない。 だが、ここでもグルメ専門誌記者が言っているが、「次郎」が実態以上に神格化されているところがあるのも事実であろう。 「海外の人にはよく『ジローに行ってみたいんだけど、おいしいんですか』と聞かれますが、『おいしいけど、あなたが行ってもあまり楽しめないと思うよ』と答えています」(グルメ専門誌記者) 寿司屋の楽しみはまずつまみを食べながら酒を飲み、いい加減のいいところで寿司をつまむ。だが、昔からの寿司屋のやり方を通す浅草の「弁天山美家古寿司」もそうだが、いきなり寿司が出てくるから食べざるを得ないし、食べてからでは酒を飲んでもうまくはない。 この確執の裏には政治的な意味合いがあると、ジャーナリストの須田慎一郎氏が解説する。 「安倍総理は『久兵衛』も加盟する『全すし連(全国すし商生活衛生同業組合連合会)』の名誉顧問を務めています。総理が外遊などで積極的に寿司を売り込もうとするのも、そこで『久兵衛』が選ばれるのも、『全すし連』からの働きかけがあるためでしょう。今回の騒動は、オバマ大統領側の要望で会食には『次郎』を選んだが、『久兵衛』の顔も立てるために日本側が出前を用意した、というのが真相ではないかと考えています」 なんのことはない、本当は「久兵衛」を選びたかったのに、オバマ大統領に「次郎」と言われてしまったため、仕方なく「久兵衛」からも出前を取って格好を付けたかった安倍さんの「思惑」から生まれた、ばかばかしいお話だったというわけである。お粗末様でした。 ポストは、日テレの女帝・木村優子(53)がその座を追われたと報じている。最近のテレビドラマで「マウンティング女子」という言葉がはやっているのだそうだ。自分が格上だとライバルを威嚇することの意で、日テレでもそうした事態が起こっているという。 日テレは現在絶好調で、3月末に発表された昨年度視聴率では全日・ゴールデンでトップとなり、それ以降も快走を続けている。今年はテレ朝を大きく離すはずで、視聴率4冠奪還も夢ではないと日テレ関係者が語っている。 だが、さらに弾みを付けるためにアナウンス部の部長として絶大な権力を持ち、女帝、氷の女王とまで呼ばれていた木村優子が切られ、突如として子会社に出向となったという。 それには、水卜(みうら)麻美アナ(27)の存在があるというのだ。彼女は、昨年「オリコン」が実施した「好きな女性アナウンサーランキング」で1位に輝いた、日テレの看板アナである。 なぜまだ若い水トのために、木村部長が追いやられなければいけないのか? 日テレの情報番組スタッフがこう語る。 「木村さんは、女子アナのプライベートを売り物にするような演出や編集が嫌いなんです。“女子アナはタレントじゃない!”“もうこの番組には出さないよ!”と制作スタッフを叱る姿も珍しくない。アナウンス室に女子アナの出演をお願いする案件があると胃が痛くなるというスタッフもいます。“またキム子(木村アナのこと)のところに行かなきゃいけない……”っていえば、“頑張ってね!”と声をかけられるほど。今回の人事は、“女子アナのタレント化”を危惧する木村さんの考えが、局の方針とぶつかり合った結果ではないか」 日テレでは人気女子アナの退社が続いている。夏目三久アナ(29、11年退社)、西尾由佳理アナ(36、11年退社)、山本舞衣子アナ(36、11年退社)、宮崎宣子アナ(34、12年退社)などだ。 「日テレの給与体系が変わって3割減ともいわれる給与カットがあったことも大きいが、木村さんの厳しさも理由のひとつだと局内ではいわれています」(情報番組スタッフ) 木村アナは花形の女子アナから自分で選んで報道部に移り、現場で苦労してきた女性である。昨今のチャラチャラしてニュースひとつ読めない女子アナに、頭にきていることは想像に難くない。 そうした真っ当な意見を排除してフジテレビのようなバラエティに女子アナを重用していけば、いずれ年を取って使えなくなるか、稼げるうちにフリーになってしまうかどちらかになる。日テレのフジテレビ化は、凋落への第一歩ではないのだろうか。 ところで、文春が「長生きしたけりゃメタボが一番」だという特集を組んでいる。これを主張しているのは「日本ローカーボ食研究会理事長」で、クリニック医院長の灰本元氏。 ちなみに日本肥満学会が2000年に決めた判定基準では、統計上最も病気にかかりにくいBMI(ボディマス指数)は22を標準、25以上を肥満と定めている。 だが最近では、欧米でも標準22神話が崩れつつあり、BMIは27.5が最も長生きすると出ているというのである。 なぜ、やせているよりメタボのほうが死亡リスクが低いのか? 灰本氏は、日本人の死因の1位はがん、2位が肺炎だから、脂肪を蓄えなくてはいけないと主張する。 やせると、急激にこれらの肺疾患で死亡するリスクが高くなるのだという。 「たとえば、重症の肺炎にかかれば、二週間も人工呼吸器をつけて、点滴と水だけで生き延びられるだけの体力が必要になる。ガンにかかった場合も同様です。胃ガンの手術を受けると体重が約十キロ減る。大腸ガンだと四~五キロの減ですみますが、大手術になる膵臓ガンでは二十キロ近くも減ってしまう。さらにこの体重が落ちた状態で、抗ガン剤を使って闘わなくてはいけません。ガンで生き残るためには、BMI二四以上はほしいですね」 ちなみに私のBMIは22.3。もう少し太ってもいいということかもしれないが、酒が好きで血糖値が高いから、このぐらいでいい。 最近はメタボだ血圧が高い、尿酸値がどうだといい過ぎる。個人差があるのだから、そうした数値に一喜一憂しているほうが余程身体に悪かろうと思うのだが。 ところで、NHK朝ドラ『花子とアン』で人気上昇中の吉高由里子にスキャンダルだとポストが報じている。 相手は人気ロックバンドRADWIMPSのギター&ボーカル・野田洋次郎(28)だそうだ。スクープしたのは女性セブン(6月12日号)。それによると、5月中旬の深夜1時過ぎ、吉高は合鍵を使って男のマンションへ。そして翌朝9時過ぎに仕事場へと向かったという。実は、この男は以前付き合っていたことがあり、「出戻り恋人」なのだという。 だが、今回はその話ではない。吉高の魅力が発揮されるのは酒の席。東京中目黒界隈で飲んでいる姿がたびたび目撃されているが、一緒に飲んだ芸人の1人がこう証言している。 「お酒の入った吉高さんはサイコーです。エロい、かわいい、男前。“おい、脱げ!!”とオヤジノリで場を盛り上げたかと思うと、意味ありげに、いや、本当は意味なんてないんでしょうけど、フフッと笑ってジーッと目をあわせてくる。なんだか誘われている気になる……」 女子力ならぬ「下ネタ力」も抜群で、撮影現場や女子会でも下ネタを連発するそうだ。 以前、フルヌードを披露して話題を呼んだ映画『蛇にピアス』について、福山雅治が「よかったよ……おっぱいが」と言うと、吉高はすかさず「よく言われるんですよ~」と切り返したこともあるそうだ。 私も『蛇にピアス』は見たが、映画の出来はどうということはないが、吉高の脱ぎっぷりと肌のきれいなのには目を見張ったものである。 NHKドラマとは違う、男に狂った女の役で、またその肌を十分に見せてほしいものである。 さて、またもやネットに流失したAV映像で「悲劇」が生まれたというポストの記事。これが今週の第2位。 アダルトビデオでフェラチオを披露していたとして、女子アナが追放されたというのである。ポストによれば、一見勃起したペニスを模した赤い飴。 「濡れた“亀頭”を甘噛みし、裏筋をゆっくり舐め上げる。実際にこういうことをしたのはいつが最後かと聞かれると『半年前、かな』とカミングアウト。そのときを思い出しながらと指示されると、また唇で飴を迎えに行き、見る者の股間を熱くする見事なフェラテクニックをカメラの前で延々と披露するのだ」 この絶妙な舌技を披露した女性が、テレビ愛知の現役女子アナではないかという疑惑が生じたというのだ。 このAVをネットで見た人たちが、ホクロの位置や歯並び、声などから勝手に「本人認定」すると、ネット上で騒動になり、YouTubeではその冒頭の動画が4万回以上再生されたという。 このアナが問題のAVに出演していたとすれば、名門国立大学在学中の20歳の頃とみられるそうだ。 アナは、大学卒業後の2012年に別の地方局にアナウンサーとして入社し、その後、13年10月にテレビ愛知に転じた。今年に入ってからは日曜朝の情報番組にレギュラー出演出するほか、ローカルニュースを読むこともあったという。正社員ではなく、契約社員。 将来を嘱望されていたのに、この騒動で事態は急変してしまった。担当番組の放送は中止になり、局HPのアナウンサー紹介欄からはこのアナの写真が削除され、彼女のブログも消されてしまったようだ。 ポストは「女子アナの世界は競争が激しく、一芸がないと生き残れない世界。彼女の処分は不明だが、この逆境をバネに新境地を切り開いてほしい。本誌は●●アナの復帰と活躍を期待しています」と結んでいるが、白々しい気がするのは私だけだろうか。 フライデーお得意の張り込みネタが今週は冴えている。1本は不惑の星・浅野忠信が現在独身をいいことに、18歳年下のエキゾ美女と半同棲しているというもの。2人が並んで歩いているところが写っているが、やはり決まっている。 彼女、ファッション誌のモデルでGoogleのCMやDJとしても活躍中の中田クルミ(22)というのだそうだ。あまりに堂々と歩いているので、もしやこれから公開される映画『私の男』の話題作りではないかと疑ってみたくなるほどだ。 もう一本は、ダウンタウンの浜田雅功(51)が家には帰らず、29歳のグラビアアイドル・吉川(きつかわ)麻衣子(29)と不倫しているというお話。これが今週の第1位だ! 吉川が出入りしているのは、浜田の個人事務所になっている目黒区内の超高級デザイナーズマンション。今から4年前に放映されたドラマで共演したのがきっかけだという。 浜田は相方の松本人志とは違い、スキャンダルとは無縁だったそうだ。意外に恐妻家なのだという。 これがバレたら大変だろうが、フライデーはそんなことにはお構いなしにカミさんを直撃してしまうのだ。 「事務所で吉川さんという女性と暮らしていることは知っていますか?」 だが、子どもをもうけ、結婚生活25年になるという妻の小川菜摘(51)は泰然自若、動じない。 夫婦仲は冷めてませんか? なおも追いすがるフライデーに、 「とてもうまくいっています。離婚とかもないです。たとえそう(不倫)だとしても家庭を壊すような人ではない」 女と遊ぶのは芸の肥やしと取り合わないが、最後にこう漏らしている。 「彼と話をしなければいけないし、それはこれから考えます」 いや~怖いな、このひと言。浜ちゃんますます家に帰れなくなる。それにしても目黒のマンションといい、本宅の成城にある豪邸といい、すごい家である。お笑い芸人の中でもトップクラスなんだろうけど、こんなに儲かるものなんだとため息が出る。 6月14日、浜田雅功が直筆署名入りのファクスを通じてコメントを発表した。 「発売中の週刊誌の件では大変お騒がせし、誠に申し訳ございません。特に家族には大変つらく、恥ずかしい思いをさせてしまいました。家族で話し合い、一家の主として、夫として、親として、心から謝罪いたしました。常日ごろ、妻は『芸人はモテなくなったら、終わり。家族に迷惑をかけない遊びは大いに結構』と言ってくれていましたが、その言葉以上に羽を伸ばし過ぎ、その羽は家族にへし折られました。家族に、このような思いをさせまいと猛省しております」 妻は強し。文面を読む限り、相当厳しく怒られたんやな、浜ちゃんは。 (文=元木昌彦)「フライデー」6/27号
朝日新聞「吉田調書」をめぐる報道から考える、大メディアの影響力
今週の注目記事 第1位 「朝日新聞の『吉田調書』スクープは従軍慰安婦虚報と同じだ」(「週刊ポスト」6/20号) 第2位 「『スマホ1日1時間以上』で子供の成績が下がる!」(「週刊文春」6/12号) 第3位 「W杯目前に緊急手術発覚!本田圭佑 本誌が報じていた『深刻な病名』」(「週刊文春」6/12号) 「実は『1次リーグで敗退濃厚』のブルーな現実」(「週刊新潮」6/12号) 第4位 「“便乗値上げ”摘発リストを公開する」(「週刊ポスト」6/20号) 第5位 「山岸舞彩“本命アスリート”『深夜キス&抱擁1時間』撮った!」(「週刊文春」6/12号) 第6位 「北朝鮮拉致再調査 安倍側近が漏らした『帰国候補者』の名前」(「週刊文春」6/12号) 「日本政府が『横田めぐみさん』生存を絶対確信する証拠」(「週刊新潮」6/12号) まず、今週の週刊現代と週刊ポストを見比べ、違いについて書いてみたい。現代の巻頭特集は「『人口4300万人』ああニッポン30年後の現実」、ポストは「朝日新聞『吉田調書』スクープは従軍慰安婦虚報と同じだ」。私はポストの記事を1位にあげたが、それは大メディアの報道の怖さを検証した重要性を勘案した結果である。 現代のほうも大テーマではあるが、今この時期にやらなければならないことかどうか疑問が残る。現代はそのほかに、日産ゴーンの年棒10億円に疑義を呈し、霞ヶ関の7月人事の動向や映画『アナと雪の女王』がなぜ空前の大ヒットしたのか、出生前診断で間違えた医者の責任をどう考えるかなどが載っている。 ポストは“便乗値上げ”摘発リストを公開したり、森永卓郎氏他に「認知症予備軍テスト」を受けさせてみたり、定年男たちに「オレたちを無職と呼ぶな!」と怒らせたりしている。 ジェネリックバイアグラを使って「仁王立ち!」はご愛敬で、W杯のSEX得点王は誰かはひねりすぎの企画ではあるが、読者の身近な関心や疑問、怒りに答えるのが週刊誌の大きな役割だとすれば、ポストのほうに軍配を上げないわけにはいかない。 だが週刊誌、それも出版社系週刊誌で、安倍首相が「集団的自衛権の閣議決定を今国会中にやってしまう」という暴挙を批判、反対する記事がほとんどないのは残念だ。日本が大きく間違った方向へ舵を切ろうというのに、週刊誌がいま、無気力であっていいはずはない。 さて、安倍首相は「北朝鮮政府との間で、拉致被害者を含むすべての行方不明者の全面的な再調査で合意した」と発表し、経済制裁の一部解除に踏み切ったが、焦点は横田めぐみさんが帰ってくるかであろう。 週刊文春では、めぐみさんが帰ってくる可能性があると報じている。 元警察最高幹部によれば、そもそも北朝鮮の言う再調査など必要ないという。 「北朝鮮では外国人、中でも日本人は、保衛部が所在を完全に把握している。あとは交渉に応じて『誰をどの順番で出すか』だけの話です。おそらく、一度に複数の被害者は帰さず、『小出し』にしてくるでしょう」 しかし、北朝鮮側がすでに死亡していると言っていためぐみさんが帰ってくれば、日朝関係が激変する可能性もある。安倍総理の側近は、期待感を露わにしてこう語っている。 「じつは官邸は、横田さんの件で『ある感触』を得ています。モンゴルでウンギョンさんに会わせたのも、そのシグナルのひとつと見ています。めぐみさんを帰すことで、北が一気に日本との距離を縮めてくる可能性も否定はできません」 週刊新潮に至っては「再調査で4人帰る」とし、日本政府はめぐみさんの生存を「絶対確信している」と報じている。 当初、北朝鮮は彼女について、うつ病で精神が不安定になり、93年3月、病院で自殺したと説明していた。もっとも、死亡証明として提出してきた証拠は嘘にまみれていたが、拉致問題に取り組んだ実績のある閣僚経験者はこう力説する。 「少なくとも2012年の段階では、外務省も拉致問題対策本部も、めぐみさんは生存していると確信していました。というのも、日本政府は、拉致問題の全容を把握する極めて有力な大物幹部を情報源に持っていた。その大物高官が、“生きているのは間違いない”と断言していたからです」 だが、帰せないのだという。 「めぐみさんを含め、向こう側が死亡認定した拉致被害者を返還できないのは、国家機密に関わる情報を知る“大事な人”だからです。とりわけ、めぐみさんは、“ロイヤル・ファミリー”の中枢部分すら垣間見てしまっている。(中略)彼女は94年からの2年間、金正日の次男・正哲、そして当時10歳で、今や権力を継承した三男・正恩の日本語家庭教師を務めていた」(「救う会」の西岡力会長)からだというのだ。 にわかには信じがたい「めぐみさん帰還説」だが、北朝鮮側が日本に歩み寄ってカネをせしめ取ろうというのだから“可能性”はあるような気もする。 だが、安倍首相は焦って前のめりになる前に、曽我ひとみさんの夫ジェンキンスさんの「忠告」にも耳を傾けたほうがいい。 「北が日本との交渉に応じるのは、日本から何がもらえるかを見通しているからだ。(中略)安倍総理に電話して、“北朝鮮はいつもお前を利用しているぞ!”と警告したい。私は北に39年もいたんだ、北のやり方は知っている。安倍総理には、こう言いたい。“北朝鮮が結果を持ってくるまで、何一つあげるんじゃない”と。北は受け取れるものを先に受け取って、最後にこう言うだろう。“拉致被害者は見つかりませんでした”と」 次は、文春の張り込みネタ。人気女子アナ(なんだそうだ)・山岸舞彩が男と車内で接吻をしていたというのだ。 「五月二十二日午前〇時四十分。『NEWS ZERO』の放送後、日本テレビを後にした山岸舞彩(27)。その夜、彼女は自宅には直帰せず、送迎車は近所のファミレスの駐車場に滑り込んだのだった。クルマを降りた山岸は、しばらく送迎車を見送ると、店の入り口ではなく、駐車場内の一台のクルマに向かって歩いていく。(中略)エンジンを切った車内で待っていたのは、小誌記者も見覚えのないイケメン男性だ。(中略)山岸がシートを倒すと、男性は一気に彼女の肩に手を回した。じゃれ合う二人の距離がどんどん近づき、遂には“ZERO”に──。深夜一時十分、二分間もの熱烈なキスを交わした二人。その後も、互いの首や背中に手を回し、絡みつくような熱い抱擁が始まった。途中で身体が離れそうになるが、今度は山岸の方から口付ける」(文春) 文春の取材によると、彼はアイスホッケー選手の菊池秀治(27)。身長174センチ、体重84キロで、ポジションはディフェンスだそうだ。がっちりした分厚い胸板と、丸太のような太ももが特徴のアイスホッケー界のスター選手。 2人とも東京生まれの東京育ち。2人の接点は6年前にさかのぼり、山岸が08年にゼビオグループのCMに出演し、10年1月には同社提供のスポーツ番組で菊池と共演したことからだという。 菊池の知人がこう話す。 「秀治は今年の初めまで、同じ大学出身の元フィギュアスケーターと交際していました。でも、確かに山岸さんは顔も体も彼のタイプ。彼は特にお尻フェチなんですよ(笑)」 文春が山岸に直撃して、「菊池さんとお付き合いをされているんですね」と聞くと、こう答えている 「ああ、その件はまだ何もお答えすることができないので……。ここまで来ていただいて申し訳ないんですけど、ちょっとお答えすることができないんです」 肉食系と言われる彼女らしくない戸惑った受け答えだが、恋をすると女は弱くなるのか? ところで読者諸兄は、このところ物価がどんどん高くなっていると思わないだろうか。消費税分が値上がりしたのは仕方ないとしても、「便乗値上げ」が過ぎると思うのだが。そうした怒りを、ポストが代弁してくれている。これが今週の第4位。 「消費増税を機に、あらゆる商品の“便乗値上げ”が広がっている。今年4月の消費者物価の上昇率は3.2%(前年同月比)に達した。『税率が3%も引き上げられたのだから仕方ないか』そう考えるのは間違いだ。消費税には非課税品目があるため、税率のアップがそのまま物価上昇率になるわけではない。日銀は消費増税の物価上昇率の影響を1.7%と試算している。差の『1.5%』、つまり物価上昇の半分近くは増税のタイミングに合わせて商品価格そのものが値上げされたといっていい」(ポスト) 私も一番怒っているのは、スーパーでも「外税」がまかり通っていることである。 「4月の増税実施当初、消費者がうっかり勘違いさせられたのが値札の『内税』から『外税』表示の変更だった。スーパーに行くと、それまで『105円』(税込)と表示されていた商品に同じ値段の値札が付いている。『価格据え置きなんだ』なと思って買ったら、精算のときレジで『113円です』と言われる。よく見ると、レジの脇に、〈当店の価格は全て税抜き表示となっています。レジ精算時に別途消費税相当額を申し受けます〉(中略)政府が今回の消費増税にあたって、企業や商店が価格転嫁をしやすいように、従来は禁止されていた『外税』表示を期限付きで認める措置を決めたからだ」(同) こうした姑息な手を使うのは許せん。その上、公共料金の値上げがラッシュだ。 「自治体では、札幌市が4月から小学校の給食費を月額250円(6.8%)上げたのをはじめ、練馬区や文京区も値上げ。JRや東京メトロ、都営地下鉄も初乗り料金を10円値上げした(ICカードを使用しない場合)。いずれも消費増税分以上だ」 ICカードを使用しないでJRやバスに乗ると、3%ではなく5%の値上げになる。これを便乗値上げと言わなくてなんと言う。 初診料(窓口負担は3割)は、4月の診療報酬改定で2,700円から2,820円に引き上げられた。4.4%もの大幅値上げになる。 日本大学、早稲田大学、明治大学など私大の授業料も上がり、この7月からは国と民間損保が共同で運営する地震保険の保険料は最大で30%も上がるそうだ。 まだまだある。光熱費である。すでに東京電力の料金は、原発が一基もない沖縄電力を上回っている。このペースでは、中部電力や関西電力などの料金も沖縄を超えるのは時間の問題で、最初から原発がなかった沖縄が全国で最も電気代が安いということになりかねないのである。都市ガス各社の料金も、7月は3月から比べると376円アップ(東京ガス)になる。 安倍内閣や財務省、大企業の「詐欺」のような手口に対して怒らない“羊のような日本人”を叱咤するのは週刊誌しかない。ポスト頑張れ! さて、いよいよサッカーW杯が始まる。強化試合のコスタリカ戦、ザンビア戦に逆転勝ちして意気上がる日本代表だが、文春に気になる記事がある。 6月2日発売の日刊スポーツが、サッカー日本代表の本田圭祐(27)が手術をしていたと報じたが、文春によれば、以前同誌が報じたバセドウ病の手術だというのだ。 帝京大学医学部名誉教授の高見博氏は、こう言っている。 「この手術痕であれば、バセドウ病と考えて間違いないでしょう。傷が正中にあるので、腫瘍とかそういう類ではありません。(中略)バセドウ病になると、本来は激しい運動は控えないといけない。(中略)本田選手の様なアスリートの場合は運動を前提にしている。メルカゾールなどの抗甲状腺剤を服用してプレーしていたのでしょうが、本当に大変だったと思います」 チームの大黒柱だけに、気になる情報ではある。 新潮も、メディアの前評判はいいが「実は1次リーグで敗退濃厚」だと、お祭り騒ぎに冷水を浴びせている。 「5月8日に発表された最新のFIFAランキングによれば、日本は47位。これに対し、1次リーグ対戦相手の3カ国はそれぞれ、コートジボワール21位、ギリシャ10位、コロンビア5位と、すべて“格上”だ。それどころか出場32カ国中、日本は豪州、韓国、カメルーンに次いで4番目に低い序列にあるのだ」(新潮) スポーツ誌サッカー担当記者が、こう解説する。 「FIFAランキングの算出法は99年、それまでの試合を重ねると順位が上がっていくシステムが改正され、06年には地域間の不公平も是正されたことで、より実力に近い順位が出されるようになりました。“3連勝で1位通過”といった報道もありますが、普通に考えれば3連敗しても不思議ではなく、日本が1次リーグを突破するだけでも驚きといえるのです」 そう甘くはないことは、確かであろう。 さて、スマホはすっかり生活必需品になったが、道路や駅でスマホを見ながらノロノロ歩く若い連中を見ると腹が立つのは私だけだろうか。 私は、早稲田大学の学生が多く降りる駅からオフィスに通うから痛感するのだが、電車を降りてから改札を出るまでの間もスマホの画面を見ながらフラフラ歩く学生たちに、毎朝イライラさせられている。 文春にスマホを1日1時間以上見ている子どもは成績が下がるという特集があるが、私に言わせれば当たり前である。だが読んでみると、ちょっと視点が違うようだ。 山梨県の公立中学校の教師が、こう語っている。 「保護者から『スマホやめろと言ってもやめない。どうすればいいのか』という相談を受けることは珍しくありません。子供のスマホに頭を悩ませている保護者は本当に多い。使用時間の聞き取り調査を行っていますが、一日七時間以上と答える生徒が全学年にいました。私が調べたところ、スマホを一日二~三時間使う生徒の試験の点数は、平均的に八点ほど下がる傾向にありました」 これは当然であろう。「脳トレ」の監修を手がけた川島隆太教授らの調査結果によると、 「これまで、成績が悪い生徒は『スマホを長時間いじっていて勉強の時間がないから』と考えられてきました。ところがまったく違う結果が見えてきたのです。つまり、家でちゃんと勉強している生徒でも、スマホを使う時間が長ければ、家で勉強しない生徒よりも学力が下がっている傾向が統計的に表れたのです」 平日に2時間以上家庭で勉強している層のグラフで比べると、スマホの利用時間が1時間未満の生徒の平均点が75点に対し、4時間以上利用する生徒の平均点は57.7点と、17.3点の開きが出たそうだ。 勉強時間が30分未満の層では、スマホの利用時間が1時間未満の場合が63.1点、スマホを4時間以上利用する生徒は47.8点と、15.3点の差がついたという。 つまり、2時間以上勉強してもスマホを4時間以上使っていると、勉強は30分未満だがスマホの利用時間が1時間未満の生徒の方が平均点が高いという結果が出たのだ。 この調査は、仙台市の私立中学生約2万4000人に対して行われた「仙台市標準学力検査」と「仙台市生活・学習状況調査」を元に分析されたそうだ。 川島教授はその理由をこう語る 「テレビを見たりテレビゲームをしている時、脳の中の前頭前野という部分は安静時以上に血流が下がり、働きが低下することが分かっています。また、ゲームで長時間遊んだ後の三十分から一時間ほどは前頭前野が麻痺したような状態となり、機能がなかなか回復しません。この状態で本を読んでも理解力が低下するというデータもあります。また、テレビの長時間視聴を三年続けた五~十八歳の子の脳をMRIで解析すると、前頭前野の思考や言語を司る部分の発達が、長時間視聴していない子に比べ、悪くなる傾向はこれまでの研究で確認できています。つまり、スマホを長時間利用することは、ゲームで遊んだりテレビを長時間視聴した後の脳と同じような状態になって、学習の効果が失われるのではないかと考えられます。前頭前野の具体的な働きは、記憶する、学習する、行動を抑制する、将来の予測をする、コミニケーションを円滑にするなど、人間ならではの心の働きを司どっています。(中略)ですからスマホの長時間利用が脳に与える影響は、これまでの脳の研究データが示すストーリー上にあると考えても外れていないと思うのです」 さらに川島教授は続ける。 「グラフを見ると分かりますが、スマホの利用時間が一時間未満と答えているグループの平均点は、スマホをまったく利用しないグループよりも点数が高い。恐らく、気分転換や息抜きの道具としてスマホを上手に使うことができれば、良い作用をもたらしているのではないかと考えられます。(中略)スマホを使いすぎると子供の脳にどのような影響があるのか。私はこの研究にあまり時間をかけてはいられないと考えています。いま、電車の中では大人もみなスマホをいじっています。窓の外で桜が咲いていることにも気づいていないのでは、と思うほど画面しか見ていません。(中略)大人のこうした様子を見て子供もどんどんスマホ依存に陥っていくのです。今回の結果は、スマホの長時間利用の規制を真剣に考える時期にきていることを示唆しているのではないでしょうか」 昔テレビは人間を「総白痴化する」と言った評論家がいたが、スマホは確実に「亡国のオモチャ」かもしれない。 少なくとも、子どもには制限時間を過ぎたら使えなくする。学校や駅等の公共機関では電波を遮断する。クルマの運転中も同じ。そうした規制を早くするべきだと、私も考える。 今週の第1位はポストの朝日新聞批判。朝日新聞がスクープした福島第一原発事故の対応に当たって獅子奮迅の活躍をした吉田昌郎所長の「調書」だが、この報道の仕方が「従軍慰安婦虚報と同じだ」と、ノンフィクション作家の門田隆将氏が書いている。 このタイトル通りだと私は思わないが、確かに週刊誌的な行き過ぎた表現があるようだ。 5月20日付朝日新聞で、木村英昭記者はこう書いている。 「東日本大震災4日後の11年3月15日朝、第一原発にいた所員の9割にあたる約650人が吉田氏の待機命令に違反し、10キロ南の福島第二原発へ撤退していた。その後、放射線量は急上昇しており、事故対応が不十分になった可能性がある。東電はこの命令違反による現場離脱を3年以上伏せてきた」 これを読んで私も、なんだ韓国のセウォル号と同じじゃないかという感想を持った。このスクープを受けて、外国紙は「福島原発の作業員は危機のさなかに逃げ去った」(英・BBC)などと報じた。韓国のエコノミックレビューもこう書いた。 「福島原発事故は“日本版セウォル号”だった! 職員90%が無断脱出…初期対応できず」 しかし門田氏は、「肝心の当の朝日新聞の記事には、調書の中で『自分の命令』に違反して『職員の9割』が『福島第二原発に逃げた』という吉田氏の発言は、どこにも存在しない」と言っているのだ。 もう一度吉田調書を読み直すと、吉田所長は確かに福島第二(2F)へ行けとは言っていない。「線量の低いようなところに1回退避して、次の指示を待てと言ったつもりなんですが」とある。だが、その後、みんなが2Fに行ったことを知って吉田所長はこう述べているのだ。 「確かに考えてみれば、みんな全面マスクしているわけです。それで何時間も退避していて、死んでしまうよねとなって、よく考えれば2Fに行った方がはるかに正しいと思ったわけです」 門田氏は「朝日新聞にかかれば、これが『命令違反による退避』ということになるのである。その根拠の薄弱さと歪みについては、もはや言うべき言葉がない」と憤っている。 確かに、命令とは違った行動を東電職員たちが取ったことは間違いないが、吉田所長も「伝言ゲーム」のように、伝言を受けた人間が「運転手に、福島第二に行けという指示をしたんです」と話している。 吉田氏は生前、門田氏のインタビューに「あのままいけば事故の規模はチェルノブイリの10倍になっていただろう」と語ったという。それほど絶望的な状況で、吉田氏は一緒に死んでくれる人間について考えていたという。吉田氏は門田氏にこう話した。 「それは誰に“一緒に死んでもらおうか”ということになりますわね。こいつも一緒に死んでもらうことになる、こいつも、こいつもって、顔が浮かんできましたね」 その結果、残ったのが外紙が報じた「フクシマ・フィフティ(実際の数は69人だった)」だったという。しかし、朝日の報道によれば、「吉田自身も含め69人が福島第一原発にとどまったのは、所員らが所長の命令に反して福島第二原発に行ってしまった結果に過ぎない」ということになるではないかと、門田氏は批判する。 「東電が憎ければ、現場で命をかけて闘った人たちも朝日は『憎くてたまらない』のだろう」(門田氏) 門田氏の取材に対して、朝日新聞広報部はこう答えている。 「吉田氏が“第二原発への撤退”ではなく、“高線量の場所から一時退避し、すぐに現場に戻れる第一原発構内での待機”を命令したことは記事で示した通りです」 だが、それに加えて「事実と異なる記事を掲載して、当社の名誉・信用を傷つけた場合、断固たる措置をとらざるを得ないことを申し添えます」とあるのは、門田氏ならずともいただけない。 韓国のセウォル号事故が世界中から非難を受けているときに、福島第一原発事故当時も、所長の命令を聞かず「現場を逃げ出したのが9割もいた」と読者に思い込ませる記事の書き方は、「東電お前もか」と思わせるほうへ“誘導”した記事だと指摘されても致し方ないかもしれない。 大混乱した現場で、吉田氏自身も事故処理をどうしていいかわからなかった状態で命令がうまく伝わらなかったのだ。しかも、結果的には吉田氏も「正しい判断だった」と認めている。平時のときなら「吉田氏の待機命令に違反」という書き方はあり得るかもしれないが、この場合は当てはまらないのではないか。 新聞の影響力はまだまだ強い。福島第一原発事故当時、東電の職員は9割が所長の言ことを聞かず逃げ出したというフレーズが一人歩きしてしまうことの“怖さ”を、朝日新聞はどう考えているのだろうか。 (文=元木昌彦)「週刊ポスト」6/20号 中吊広告より
4兆円の血税が注がれた“国営企業”東京電力会長が、送迎車付でゴルフ三昧!?
今週の注目記事 ・「安倍電撃訪朝で『拉致被害者3人連れて帰る』」(「週刊ポスト」6/13号) ・「税金4兆円投入の東電數土文夫会長が運転手つき高級送迎車で連日ゴルフ豪遊!」(「フライデー」6/13号) ・「『がん保険』がんになってもカネは出ない」(「週刊現代」6/14号) ・「『すき家・鍋の乱』を“対岸の火事”で済ませられるか」(「週刊ポスト」6/13号) ・「AKB握手会大流血 ノコギリ男凶行を許した『運営責任』」(「週刊文春」6/5号) ・「元気な『100歳』1万人のビッグデータ分析」(「週刊新潮」6/5号) 日曜日(6月1日)の「ダービー」は、横山典弘騎乗のワンアンドオンリーがイスラボニータに競り勝ち、蛯名正義の悲願を打ち砕いた。レース終了後、蛯名が悔しそうに語っていたが、これは枠の有利不利が出ただけで、7枠13番からあそこまで粘ったイスラは力負けではない。 私が期待したトーセンスターダムは直線で内ラチに激突し、故障。もう一頭のレッドリヴェールも、減り続けている体重が戻らず、惨敗してしまった。 ふて寝して、早朝の男子ゴルフツアー『メモリアル・トーナメント』(NHK・BS)を見た。松山英樹はトップタイだったが次第にスコアを落とし、最終ホールでホールアウトしていたケビン・ナ(米)に1打差付けられていた。 難しいパー4だが、それでも松山は2打目をピンそばにつけて見事なバーディでプレーオフに持ち込み、ツアー初優勝した。それもバッバ・ワトソンやアダム・スコットら強豪を退けての快挙である。ようやく日本のゴルフ界から世界に通用するプレーヤーが現れたことを祝したい。 今週の週刊誌は、おおむね低調である。特に、文春と新潮にこれといった特集がないのが残念だ。そこで今週は、順位をつけないことにする。 ポストは「死ぬまでSEX」大特集の第2弾。現代も負けじと「史上初! 超過激ぶち抜き大特集 この進化するヴァギナを見よ」と12ページ。 ポストは「江戸の性の指南書」や「大正女性の性生活報告書」、「パイパンやあげまん、数の子天井などの言葉のルーツはどこからか」など、性のうんちく集のような趣。 現代は、日本女性のヴァギナがどう変わってきたのかを微に入り細をうがち書いているが、“もよおす”度は低い。読み終えていつも感じるのだが、毎号毎号この企画を担当する編集者には「ごくろうさん」と声をかけてやりたくなる。 新潮は、元気な100歳1万人のビッグデータを分析して「長寿の秘訣」がわかったと特集している。 まず、食卓には必ず肉と卵と牛乳を置くべし。睡眠時間は9時間以上とれ、年取ったから眠れないはウソだという。私の睡眠時間はだいたい6時間。もう少し寝なきゃダメか。 体型はやせ型が○。糖尿病は×。私は太っているほうではないが、血糖値が高いからダメだな。運動面ではゴルフ、登山は×で、全身運動の水泳は◯。私は泳げないから×だ。 酒とギャンブルと老いらくの恋は○。ギャンブルは毎週競馬をやっているから○だが、最近とんと恋には縁がないな。それに、酒は一合までとは殺生な。 長生きする職業は、農業林業は×。会社員は○。教員は◎。高学歴は○。ホワイトカラーも◯。 さて、AKB48のメンバーが握手会で男に切りつけられた事件は、AKBブームの終焉を感じさせた。文春によれば事件はこうだ。 5月25日午後4時55分、岩手県滝沢市の岩手産業文化センターで行われていたAKB握手会の6番レーンで悲劇は起きた。 黒の上下ウインドブレーカーを着た梅田悟容疑者(24・無職)は、テントに入るなり、手提げバックから刃渡り20センチの折りたたみ式のノコギリを取り出すと、先頭にいたAKB48の人気メンバー・川栄李奈 (19)と入山杏奈(18)、止めに入ったアルバイトの男性スタッフを切りつけたそうだ。 川栄、入山は右手の指を骨折、入山は頭部にも深い傷を負い、搬送された病院で3時間もの手術を受けたという。AKBの担当記者がこう話す。 「運営側は、事件当初から穏便に済ませようと画策していました。事件が起きるなり、『センセーショナルな表現はやめてほしい』と各マスコミに通達したり、『我々はテロには屈しない』と訳のわからないことを言い出して翌日以降のイベントを強行しようとする動きもありました」 このAKB運営側の人間は、年端もいかぬ少女たちが切りつけられ大ケガを負ったというのに、金づるである翌日の「握手会」を強行しようとしていたとは、人間としていかがなものか。 文春によれば、AKBにとって握手会は生命線だという。ファンが特典である握手券を求めてCDを大量購入することで、AKBはミリオンヒットを連発してきたからだ。 「握手会自体は大赤字です。一億円近い持ち出し金で会場を借りることもザラ。シングルを出す度に協力させられるレコード会社はヒーヒー言ってます」 事件当日は、握手会に参加した約5000人のファンに対し、運営側は100人の警備体制を敷いていたことを強調しているが、穴はあったそうだ。 「地方の握手会では、スタッフの多くが、現地で時給八百円前後で雇われるアルバイト。未経験者も多いので監視体制はザルです。かつて悪さをしてAKB公演を出禁になったファンも簡単に入れてしまう。会場には金属探知機や持ち物検査もなく、手の平チェックのみ。これはかつてメンバーに体液を付着させて握手した輩がいたからです。“ハガシ”と呼ばれるスタッフもいるのですが、これは握手の制限時間を守らないファンをメンバーから“剥がす”ため。要するに運営が一番気にしているのは時間通りに握手会が終わることなんです」(元スタッフ) 文春の言うとおり「どんな事情があるにせよ、梅田容疑者の強行は許されることではない。だが、異性に対する想像をたくましくする青少年たちを相手にした、『握手会』というビジネスモデル自体が、日常的に少女たちを危険に晒してきたのも否めない事実である」。こうしたあくどい商法を「新しいビジネスモデル」などと持ち上げ、秋元康をはじめとするAKBを“売り物”にしてきた連中に媚びへつらってきたメディアも同罪である。 新潮では、AKBに詳しいライターがこう語っている。 「メンバーは作り笑顔で握手を続け、時に罵倒されるうちに“私、何やってんだろう”と思ってしまい、中には精神的に病んでしまった子もいます。今回の事件をきっかけに拒否反応を示すメンバーがさらに増え、握手会自体がなくなる可能性もあると思います」 握手会はもちろん、バカ騒ぎする「総選挙」も止めたほうがいい。無知で純情な若い男たちだって、自分たちがいいように操られ、カネをむしり取られていることに気付き始めているはずだ。 ところで、現代のカラーグラビア「読者が選ぶ『AKB 55』グラビア総選挙」に1位になった指原莉乃のセクシーな下着姿が特写されている。テーマは「昭和の団地妻」。なるほど、なかなか魅力的な体だが、顔や雰囲気はどこの田舎町にもいそうな平凡な娘っ子である。彼女が本番の「総選挙」でもトップ間違いなしというのが、私には解せない。 お次は「ゼンショーホールディングス(HD)」が運営する牛丼チェーン最大手の「すき家」で、アルバイトたちによる反乱が広がっている。 ポストによれば、今年3月ごろから「パワーアップ工事中」という張り紙が都内を中心に「すき家」の店舗で目につくようになったという。繁華街の中心にもあり、そのほとんどは事実上休業しているのだそうだ。 原因は、バイトが一斉に離職してしまったために生じた人員不足からで、その引き金を引いたのは、「すき家」が2月からライバルの「吉野家」に続いて発売した「牛すき鍋定食」だった。 元アルバイトの学生が、こう憤りを込めて語っている。 「すべてはワンオペが原因です。あんなメニューが出たら、1人じゃ絶対に店を回せない。それでも、当初は皆ガマンして何とか頑張っていたが、そのうちに耐えられなくなり辞めてしまった」 ほかの牛丼チェーンでは、1店舗につき社員を含む2名以上の店員を配置しているのが一般的だが、「すき家」ではアルバイト1人だけで店舗を仕切る「ワンオペレーション」という運営システムが導入されているそうだ。 確かに時々近くの「すき家」へ行くが、込んでいるときでもほとんど1人で回している。 さらに、ワンオペは防犯上の問題もはらむという。「すき家」では2010年ごろから強盗事件が多発し、11年に発生した被害は未遂も含めると78件で、牛丼チェーン総被害総数のうち9割近くを占めたという。 アルバイト活用コンサルタントの植竹剛氏がこう話す。 「過重労働が問題視され始めた30年前は、まだ泣き寝入りするか、仲間意識も強いので何とかみんなで労働環境を改善しようという職場が多かった。それが今では“安い給料でこき使いやがって。困らせてやろう”という報復型に変質しつつある。1人ではできなくても、ネットのSNS (ソーシャル・ネットワーキング・サービス)の普及で仲間を募ることができるようになり、連帯感が生まれた」 こうした問題は「すき家」のような牛丼チェーンだけではなく、コンビニや居酒屋チェーンでも抱えている。今は少しぐらい時給を上げてもアルバイトが集まらないために「ワタミ」なども頭を抱えているそうである。 そのうち人間は誰も居ずに、自動販売機でメニューを選び、窓口の差し込み口に券を入れるとロボットの手が出てきて「はい、お待ち~」と自動音声とともに牛丼や酒のつまみが出てくるシステムになるのだろう。味気ないがね~。 私も以前からがん保険に入っているが、こうした保険会社がいざという時、本当にカネを払ってくれるのだろうかという心配はしている。 なんだかんだと難癖をつけて払わないのは、マイケル・ムーア監督の映画『シッコ』を見て知っているだけに不安だが、現代がこの問題を追及している。 「東京都在住の68歳の男性は、こう憤る。昨年、健康診断で体調に異常が見つかり、内視鏡手術で切除した。医師からは、『早期の大腸がんです』と告げられた。男性は、45歳からがん保険に入っていた。会社の上司が肺がんを患い、長期入院の末、退職せざるを得なくなったことがきっかけだ。加入したのは、がんと診断されたら一時金として200万円、入院1日につき1万円がもらえる保険。月に8000円弱の出費となったが、『収入がなくなり、治療費で貯金が取り崩されることを考えれば必要経費。安心をカネで買ったようなもの』だった。 それから23年。ついに『その日』が訪れた――と思ったら、自分のがんは『対象外』と冷たく見放されたのである。がんを患ったという事実に加え、保険金が支払われないという二重の衝撃に、当初、絶望するしかなかったという。 『保険会社に抗議の電話をすると「お客様のがんは、ごく早期のがんで、ご加入のがん保険では対象外となります』と取り付く島もない。約款にはきちんと書いてあるというのです。でも、そんなこと加入当初に説明された覚えはありません』」(現代) 私を含めて多くの人たちが不安に思っていることが、この男性の身に降りかかったのである。といって、今さら約款を読み直すほどの気力もない。どうすりゃいいのか。 がんの保険金が出ないケースは、大きく次の5つに分けられるという。 (1)保険金が支払われない種類のがんがある。(2)加入後、すぐにがんになったらアウト。(3)入院しないと保険金が出ない。(4)病歴告知をミスすると保険金が出ない。(5)再発したらアウト。 それでも、2人に1人ががんで死ぬといわれるのだから、万が一のための保険として、がん保険に入っておきたいと思う人も多いはずだ。だが、これが大いなる間違いだと現代は言うのだ。 「国立がん研究センターが出しているがん罹患リスクを年代別に見てみると、例えば50歳の男性が10年後までにがんにかかる確率は5%。60歳の男性でも、10年後までにがんになる確率は15%。つまり、現役世代だと、がん保険は90%ほどの確率で出番がないと思われます」(一般社団法人バトン「保険相談室」代表理事・後田亨氏) では、高齢者はがんになる確率が高いから入っていたほうがいいのだろうか? ファイナンシャルプランナーの内藤真弓氏はこうアドバイスする。 「60歳以上の人が新たにがん保険に入る必要はないと思います。高齢者の場合、体に負担のかかる治療はできなくなる可能性もありますし、70歳以降は医療費負担も下がります。預貯金が少ない場合は、定期付き終身保険を解約して、返戻金を受け取り、それを治療費に充ててもいい。つまり、高齢者はがんになる確率が高まるけれど、がん保険の必要性は低くなっているわけです」 すぐ解約しようか。ここまでかけてきたんだから、今さらな~。保険というのは、“騙される”リスクも背負い込むということなのだろうか。読んだらますます不安になってきた。 さて、久しぶりにフライデーが軽いスマッシュヒットを飛ばした。東電の數土(すど)文夫会長が、運転手付き高級送迎車で連日ゴルフ豪遊しているというのだ。 5月17日土曜日、安倍首相が福島の飯坂町、桑折町など、いまも原発事故の風評被害に苦しむ福島の各地を視察に訪れた、まさにその時、「ナイショーッ」というかけ声が千葉市若葉区の京葉カントリー倶楽部に響き渡ったそうである。そこには、東電・數土会長(73)の姿があった。 數土会長は白いポロシャツにベージュのズボンといういでたちで、朝7時半に到着。知人とプレーを楽しんだという。自宅から車で30分とかからないほどの距離だが、自家用車を使わず運転手付きの車で行き来し、ゴルフバックも運転手が運んでいた。 それもこの日だけではなく、今年4月に東京電力会長就任後、毎週末にはゴルフ場で豪遊している姿が目撃されているのである。 しかも數土氏の会長就任については、東電社内にも懐疑的な声があったそうだ。 「數土さんは、4月の会長就任後一度しか福島に行っていない。会長専用の高級車を乗り回し、出所しても夕方に退社して『オレの夜の行動は詮索するな』と宣言したという話も聞く。社内では、數土氏の発案で、5月23日を期限に1000人以上の希望退職を募っていました。しかしその当人がプライベートはやりたい放題というのでは納得は得られない」(東電社員) 運転手付き高級送迎車での數土氏のゴルフ場通いは、フライデーが目撃しただけでも、5月17日のほか4月27日、5月18日の計3回あるという。 「數土氏は、平日の5月2日にも北海道でゴルフを楽しんでいます。前日の5月1日に札幌入りし、北大の同窓生らとパーティーを開き、3日に帰京という2泊3日の日程でした」(同) この數土会長が乗り回す高級車や運転手の費用、ゴルフ代は誰が負担しているのだろうか。 東電広報部は「數土会長はプライベートでゴルフを行っております。当社はその費用を負担しておらず、社用車を使用した事実もありません」と答えている。 「それではプライベートを含めた數土氏の多額の車代を、どの企業・団体が払っているのか。原子力損害賠償支援機構を通じて4兆円以上もの国費を受け取る『国営企業』の会長として問題はないのか。さらに、福島には一度しか足を運ばず、運転手つき高級送迎車でゴルフに明け暮れるのは、東電のトップとしてふさわしい行動なのか。きわめて疑問だ」(フライデー) 至極もっともな考え方である。それも、數土会長がゴルフで遊んだ4月27日の夜、東京・八王子・日野・町田などの30万戸で大規模な停電が発生し、東電は対策に追われたのだ。 こんな会長がいると、東電への風当たりはますます強くなるに違いない。 今週の最後は、ポストの「安倍訪朝」の可能性について報じた記事。 「スウェーデンのストックホルムで5月26日から開催されていた日朝局長級協議終了後の29日、安倍首相は『北朝鮮政府との間で、拉致被害者を含むすべての行方不明者の全面的な再調査で合意した』と発表し、経済制裁の一部解除に踏み切った。官邸にとっては、今回の再調査合意も、今年の3月から動き出した『首相の電撃訪朝シナリオ』の一幕に過ぎない。実は、安倍首相はすでに3月末、政府専用機を運用する航空自衛隊に対して、『北朝鮮のフライト準備』を指示していた」(ポスト) 今回、北朝鮮サイドから「調査の落とし所として生存者リストを提出する」という確約が取れたので、制裁解除まで踏み切ったのだと外務省筋が語っている。 さらに、外務省筋は「北朝鮮はこれまで名前が挙がったことのない人物を含め、3人ほどリストに挙げてくるという感触を得ている」と明かす。 たった3人と思うが、それは置いておいても、北朝鮮が歩み寄ってきたのは相当困っているに違いない。 中国が親中国派の張成沢を金正恩が粛正したことに怒り、北朝鮮への物流をストップしたことで、平壌でもストリートチルドレンが出ているといわれる。 北朝鮮は、庇護者だった中国と事実上の冷戦状態にあり、韓国との関係も最悪。アメリカとは、核開発をめぐる6カ国協議再開のめども立っていない。 それを見た安倍政権は今、アメとムチを使い分けて北朝鮮に決断を迫っているというのである。 アメは、北朝鮮がこだわる朝鮮総連本部ビルの保全だ。政府とつながりのある民間企業に意を含めてビルを買わせておき、将来は北朝鮮大使館として使わせてやってもいいというサインだと公安筋が語っている。 一方のムチは、この5月に入って神奈川県警、京都府警などが総連関連企業に一斉に不正輸出の容疑で強制捜査をかけたことだそうだ。 それに、安倍首相のほうにも事情があるという。経済面ではアベノミクスが息切れの上に、消費税増税不況が忍び寄り、外交では米中韓との関係悪化を乗り切る道筋が見えていないからだ。 安倍側近議員がこう語る。 「日朝国交正常化は総理の看板の『戦後レジームからの脱却』の大きな一歩になる。オバマ大統領はこれまでに北の核開発問題解決に何の成果も上げていないから、総理が道筋をつけることができれば、それこそ大嫌いなオバマ大統領の鼻を明かすことができる。そのためにはなんとしても訪朝したいと並々ならぬ意欲を燃やしている」 安倍首相は、よほどオバマ大統領が嫌いのようだ。オバマ大統領を見返したい安倍首相と、中国の習近平主席に一矢報いたい金正恩だから。話が合うというわけだ。 ともに3代目の「お坊ちゃん政治家」でもある。安倍首相は最近、周囲に「俺はオバマより、金正恩のほうが気が合う」とこぼしているが、まんざらジョークでもないのだろうとポストは書いている。 しかし、安倍訪朝が実現したとしても、それが本当の外交的評価につながるかは別問題だと、「コリアレポート」の辺真一氏がこう指摘する。 「現実問題として、被害者が本当に死亡していたとしても、遺族や国民が納得するような解決は非常に難しい」 功を焦る安倍首相が、金正恩の術中にはまるのではないか。したたかさでは、年は若いが、金正恩のほうが上だと思われる。この時期を選んで北朝鮮の国家安全保衛部Xが安倍首相に接触してきたことを考えても、そう思わざるを得ないのだが。「週刊ポスト」6/13号 中吊広告より
ASKA逮捕で清原和博が「精神的に不安定な状態」に!? 文春がつかんだ2人の意外な接点
今週の注目記事 グランプリ 「ASKA逮捕!」(「週刊文春」5/29号) 「家族に密告された『ASKA』禁断の乱用履歴」(「週刊新潮」5/29号) 第2位 「安倍総理の剣が峰『集団的自衛権』の七不思議」(「週刊新潮」5/29号) 第3位 「昭恵夫人がぶちまけた『仮面の夫』安倍晋三の正体」(「週刊現代」6/7号) 第4位 「『真犯人』片山祐輔が収監直前に本誌に語ったこと」(「週刊現代」6/7号) 第5位 「あえて言おう 原辰徳監督を更迭せよ」(「週刊ポスト」6/6号) 第6位 「『女優SEX』100大遺産」(「週刊アサヒ芸能」5/29号) 番外 「『美味しんぼ』雁屋哲は日本が大嫌い」(「週刊文春」5/29号) ハープスターが「オークス」で敗れたこともショックだが、AKB48の川栄李奈ら3人が岩手県滝沢市で行われた「握手会」で24歳の男に「のこぎりで切られた」事件は、予想されていたことではあるが、関係者へ与えたショックは大きなものがあるはずだ。 これからは、「握手会」と称してファンからカネを取るやり方は自粛するしかないだろう。疑似恋愛を売り物にして若い男を夢中にさせれば、自分がこれだけ恋い焦がれているのにつれないじゃないかと逆恨みする者が出てくるのは当然であろう(この犯人がそうだったかは知らないが)。 このような非道を働く男のほうに非があるのは当然だが、いたいけない女の子たちを「売り物」にしてカネを稼ぐあくどいやり方も批判されてしかるべきである。 さて、週刊誌評へ入る前にこれだけは言っておきたい。今月の「サイゾー」6月号の陰謀論特集は、すこぶる面白い。新聞やテレビなどでは絶対知ることができない、マル秘ネタが満載なのだ。 中でも「芸能界のドンに“刃”を向け逮捕された暴力団組長 命を懸けた反撃宣言!」がすごい。 政治結社「大日本新政會」の総裁である笠岡和雄氏(70歳)は、神戸を拠点とする非指定暴力団「二代目松浦組」の組長でもある。 笠岡氏は、かつては芸能界のドンとして業界内に隠然たる影響力を持つ、バーニングプロダクションの周防郁雄社長(73歳)の用心棒を2001年から10年近く勤めていた人だ。周防氏に関係する「表には出せない仕事」に深く関わっていたという。だが、その関係は、両者で手がけた新規事業めぐる金銭トラブルが発端で破綻する。笠岡氏いわく「周防が一方的に、億単位の金銭返済の約束を反故にした」からだという。 それ以降、笠岡氏は新政會のホームページで周防氏糾弾を開始。さらに新政會は、昨年夏から街宣車を繰り出し、バーニングプロ事務所やその関連会社、同プロとの関係が密接なテレビ局などに抗議活動を始めたそうだ。 だが、今年の4月1日、笠岡氏は突如、警視庁町田署に逮捕されてしまうのだ。逮捕容疑は詐欺罪。11年2月、東京都港区内のマンションを賃貸契約する際、笠岡氏は自身が暴力団であることを隠していたというものだ。 しかし笠岡氏は、同月21日、処分保留で釈放される。詐欺容疑は無実と判断されたのだ。 笠岡氏は、今回の逮捕は周防が仕掛けたものだと語っている。 「周防はこれまで、オレとの問題を収束させるために、7人もの暴力団員を仕向けてきた。中にはチャカ(拳銃)を忍ばせてきた者もいるし、指定暴力団のトップにまで相談しにいっていることが耳に入ってきている。周防が裏で動いていたという証拠の音声も揃っている。(中略)つまり、暴力団排除条例に抵触する違法行為をしているわけだ。脱税行為を裏付ける証拠もある。今回、ガサに入った捜査官にも言ったよ。『周防を挙げるための証拠も揃ってるから、持ってけ』と。そうしたら、『自分たちの仕事ではない』と見て見ぬふりだ。(中略)オレは徹底的に追及し続ける」 誰も触れない芸能界のドン・周防氏対笠岡氏の「死闘」は、ほかのメディアでは絶対読めない記事である。できたら、もっとページを取って詳細に伝えてほしいものである。 前回も触れたが、雁屋哲氏が連載している「ビックコミックスピリッツ」(小学館)の『美味しんぼ』問題が、大きな波紋を呼んでいる。 「連載開始から三十一年。単行本は現在百十巻まで発行され、累計部数は一億三千万部超。日本にグルメマンガブームを誕生させ」(週刊文春)た『美味しんぼ』だが、昨年1月から「福島の真実」の不定期連載を始めた。 雁屋氏自身、2011年から13年にかけて自ら精力的に福島県を取材して、放射能汚染に立ち向かうボランティアを称えたり、福島の農産物でも安全でおいしいものがあることを伝えたりする内容で、それまでは批判の的になるような描写は見当たらなかった。 「そうした回に登場する、福島県内の農家や漁業関係者、飲食店や大学関係者らに話を聞くと、大多数は『非常に熱心で、丁寧な取材だった』と好意的で、七十二歳の雁屋氏が、浜通りから中通り、会津地方から福島第一原発内部に至るまで自らの足で歩き、取材をひとつずつ積み重ねていった様子がよくわかった」(同) 問題が生じたのは、今年4月末に発売になった第22回、第23回での描写だった。議論を呼んだ点は2つある。 1つは、主人公らが福島取材の後で鼻血を出したり、疲労感を訴える。それについて、井戸川克隆前双葉町長らが実名で登場し、「被爆したから」「福島はもう住めない」などと言うシーンだ。 もう1つは、大阪で受け入れたガレキを処理する焼却所付近の住民1,000人に聞いたところ、約800人に健康被害があったと説明されるシーンだ。こうした描写が風評被害を助長すると、各方面から猛批判されたのだ。 双葉町は、原因不明の鼻血などの症状を町役場に訴える町民が大勢いるという事実はない、厳重に抗議すると発表した。 今回の問題では、安倍政権の政治家からの発言も目立った。安倍晋三首相は「根拠のない風評を払拭していく」、石原伸晃環境大臣も「(鼻血の)描写は何を意図しているのか全く理解できない」、下村博文文科大臣も「福島県民にとってひどい迷惑だ」などと語っている。原発再稼働を推進する安倍政権幹部が、ここぞとばかり批判しているのだ。 2点目に対しては、ガレキ受け入れに反対する会が行ったアンケート調査で、投稿された1,000件近くのうちに健康被害を訴える声が約800人分あったということだから、「正確さに欠ける表現だった」と小学館広報室が認めている。 だが、なんの根拠からなのか、鼻血が出た人間など福島にはいないと否定したり、それと放射能の因果関係はないと断言する人間を取り上げる週刊誌や新聞があるのには首をかしげざるを得ない。 今大事なのは神奈川新聞が書いているように、「政治、行政がすべきは不安の声を封じるのではなく、誠実に不安と向き合い、放射能の問題に対峙することだ」。原発事故当時の東京電力や政府の対応のまずさで、多くの住民に大量被曝をさせたり、その後も、文科省を中心に線量隠しを行ったりすることが、住民をはじめとする多くの国民の不信感を募らせ、かえって風評被害を大きくさせてしまっていることに、政治家たちはお詫びし猛省するべきである。 『美味しんぼ』の「福島の真実」編に登場する、福島県飯舘村から北海道に移住して畜産業を営む菅野義樹氏は、文春でこう語っている。 「福島には複雑な問題が多々あるのに、今回、鼻血の描写に議論が矮小化されるとしたら残念です。メディアと政府は単純な批判をするだけでなく、何が問題なのかを深掘りして問題提起や細かなフォローアップに繋げるべきです」 福島第一原発事故の真相の解明は、まだ始まったばかりである。そのことを、日本人みなが忘れてはいけない。 今週の6位は、アサ芸の軟派特集。映画の濡れ場シーンのどれが官能的かを採点して100位まで掲載しているのだが、ベスト10まで紹介してみよう。 第1位、松坂慶子『家宅の人』(86年) 見た記憶はあるが、それほど印象に残っていない。見直してみるか。 第2位、黒木瞳『失楽園』(97年) これはよかった。 第3位、小柳ルミ子『白蛇抄』(83年) これで小柳は日本アカデミー賞最優秀主演女優賞に輝いた。 第4位、原田美枝子『青春の殺人者』(76年) 長谷川和彦監督で水谷豊と原田が主演。どんなんだったかな? 第5位、真木よう子『ベロニカは死ぬことにした』(05年) 題名に惹かれて見たが、真木の存在感は目立っていたような気がする。この女優はこれから楽しみだ。 第6位、五月みどり『丑三つの村』(83) 日本で初めて「熟女」を名乗ったのが五月だそうな。未見だがさぞ色っぽかっただろうな。 第7位、由美かおる『同棲時代』(73年) 彼女のヌードは完璧だったな。 第8位、石田えり『遠雷』(81年) 石田が農村女のたくましさをうまく表現していた。立松和平の上質な原作もよかった。 第9位、吉高由里子『蛇にピアス』(08年) NHK朝ドラ『花とアン』の主役がフルヌードに挑戦した映画だと! 早速借りて見よう。 第10位、関根恵子『TATOO(刺青)あり』(82年) これは未見だが、関根のヌードは絶品だね。 巨人軍がシーズン前の予想に反してあえいでいる。ポストがその元凶は原監督にあり、彼を更迭せよと言っている。私は親子二代の由緒正しい巨人ファンであるが、去年の後半あたりから原監督の采配が目に見える形で落ちてきていることには同感だ。 巨人OBで辛口評論家の広岡達郎氏の言やよしである。 「不調の原因は打順ですよ。監督はきちっとしたオーダーを組んでいないから、歯車が噛み合わない。それが各所に悪影響を与えている。特に、阿部に4番を任せるなら任せるで、どっしり構えればいいんだ。ましてや阿部を下位に追いやって、急に連れてきた外国人選手(セペダ)をいきなり4番に据えるなど、愚行もいいところですよ」 そもそも原監督は、自身がその重責を担ってきたにもかかわらず、巨人の4番という意味を理解していないと広岡氏は語っている。 「巨人の4番は、成績が出なければシーズン中でも多摩川(二軍)で打ち込んだものです。4番が打てないのなら7番に下げるのではなく、ジャイアンツ球場で打たせればいい。そこで打ち込んで本来の仕事ができるように調整させる。できなくなればクビですよ。昔からそうやって強い巨人を守ってきたんです」 野球を新聞の拡材としか考えてこなかった読売新聞の上層部は、勝てる監督より少しアホでも人気のある監督を据えてきた。原の次には采配力は未知数の松井秀喜を監督にするようだが、彼にはもっと監督としての勉強を積ませてからにしたほうがいいと、私は思うのだが。 もしかすると「冤罪」ではないかという説もあった「PC遠隔操作事件」だが、一旦釈放された片山祐輔被告が仕組んだ「真犯人メール」で、あえなく“ご用”になってしまった。 週刊現代は「片山冤罪説」を何度となく取り上げたが、今週号で逮捕直前の片山にインタビューをして、そのことについても触れている。 週刊ポストは現代の報道の仕方に批判的だが、私は、いくらかでも冤罪の可能性があるのなら、そのことについて報道することはなんら批判されることではないと考える。これが今週の第5位。 片山被告は、最初の逮捕当時の心境をこう説明している。 「猫が発見された後、江ノ島には防犯カメラがいっぱいあると報道されたんです。(猫に首輪をつけた)ベンチのすぐそばにも防犯カメラがあった、とも。僕としては『やばい、やばい、やばい』という気持ちになって、言い訳をいっぱい考えました。このときからです、自分のパソコンも遠隔操作をされているというストーリを考えたのは。警察が1月半ばくらいには事情聴取に来るだろうな、と思っていました。そこで、自分が遠隔操作されている前提での想定問答集をつくった。これがあったから、その後、ずっと佐藤先生(博史弁護士=筆者注)たちを騙すことができたんです」 片山被告は13年2月10日に逮捕されて以降、一貫して無罪を主張し、自分もパソコンを遠隔操作された被害者だと訴え続けた。警察・検察が決定的な物証を示さないこともあって、佐藤氏をはじめとする弁護団は片山被告の言い分に合理性を認め、冤罪の疑いがあると主張してきた。なぜ、片山被告は弁護団を完全に騙すことができたのか。 「僕自身がサイコパスなんだと思います。平然とウソをつける異常者……。ただ、警察に逮捕されてからのウソは、楽しいというよりも、自分の命を守るためだったので必死でした」 なぜ被告は釈放後、自ら墓穴を掘るような幼稚な工作を行ったのか? 彼が現代に語ったところによると、「母親の存在」だったという。 「判決で有罪になっても、別に真犯人がいるかのようなメールを送る仕掛けを仕込んでおくことは、ほぼ確実にやろうと思っていたんです。なぜメールを判決前に出したかというと……。母から(保釈後に)こう言われたことがあります。『他の人は気付かなくても、あんたがウソをつくときのクセは昔からわかっている』と。母は僕が無実だと、信じてくれていたわけではないんです。だからこそ信じてもらうために、別に真犯人がいるということにしたかった……」 いくら弁護士やメディアを騙しても、母親の目は騙せなかったのだ。その母親になんとか信じてもらおうと工作したことが、命取りになった。 今度は逮捕される。死んでしまおうと思ったができなかった。その間、母親とも話していなかったようだ。逮捕前、母親とようやく話し、その後でこう語っている。 「全部受け入れるから、待っているからって。そう言ってもらえたことだけが救いです。でも、母は僕がウソをついていることはわかっていたみたいです。ぶっちゃけ、犯人だと思っていたと言っていた。いつかこうなると思っていた、と」 片山被告は現代の記者に、誤認逮捕された被害者への真摯な謝罪を口にすることも、犯行を心から悔いている様子も見せることがなかったという。 「本誌はこれまで、無実を主張する片山被告と弁護団の証言、さらに独自取材によって、片山被告には冤罪の可能性があると複数回にわたって報道してきた。この事件では、被告以前に4名の冤罪被害者が出ており、捜査当局は公権力を乱用し、暴走している怖れがあったからだ。片山被告の逮捕で、当局が誤認逮捕を繰り返し起こしている事実が消えるわけではない。(中略)今も泣いている人々がいる。冤罪の可能性を指摘することはメディアとして当然の役割であり、これからも続けていく」(現代) ポストでは元検察官で弁護士の郷原信郎氏が、こう危惧している。 「“真犯人”からのメールを捏造するという片山被告のケースはあまりにも特殊。今後、警察はこの事件を前例として『やはり被告人を保釈すると、どんなことをするかわからない。ずっと拘留しておくべきだ』と言い出すなら、それはあまりにも乱暴な飛躍です。検察改革がやっと周知されてきたところだけに、こういう事件によって改革が逆行しないことを切に願います」 さらにポストは「この『ネコ男事件報道』の失敗は、週刊現代のみならず、本誌を含めたメディアが共有すべき教訓である」。失敗とは私は考えないが、いい教訓であることは間違いない。 3位は、安倍首相夫妻の「仮面夫婦」ぶりを報じた現代の記事。 「それは野党の追及や国民からの猛批判だけではありません。問題は、安倍総理の家庭にある。ファーストレディの昭恵さんの奔放ぶりに、ほとほと手を焼いているのです。政治の世界ならば、総理が戦う方法はいくらでもある。ですが、昭恵さんには安倍総理も正直、お手上げです。外での苦労をまるで癒すことができない『家庭内野党』との諍いが、総理の気力と体力を奪いかねない事態になっている」(自民党幹部の一人) 安倍総理自身、妻との関係について周囲にこう愚痴を漏らしているそうだ。 「うちは仮面夫婦だから。今の(総理という)立場では、それでも良い夫婦を演じなければならない。休みには手を繋いで買い物に行かなければならないし、外遊する時には、手を繋いで専用機のタラップを上がらなければいけない。普段、外食が多いのは、昭恵が料理をまったく作れないからなんだよ。彼女がうちで料理をしたのは、僕が退院した後に、お粥を作った時くらいかな」 昭恵夫人の反原発発言や護憲発言は、亭主のタカ派イメージを少しでも薄めるためのカモフラージュだと、私は思っている。だが、そうとばかりは言えないと、自民党幹部代議士がこう話す。 「5月の連休中の欧州訪問で、安倍総理と昭恵さんは別行動が多かった。昭恵さんは脱原発の聖地と言われるドイツのフェルトハイム村を訪れ、自然エネルギー施設などを見学しましたが、夫婦の間で『外国に来てまで脱原発運動をする気か』と揉めたそうです。最近の昭恵さんは、総理が何かを止めようとしてもまるで意に介さない。官邸や関係者、みんな頭を抱えているんですよ」 ここまで安倍夫妻の考えがすれ違ってしまったのは、やはり子どもができなかったことが大きいという。 「ぐでんぐでんに酔っ払った昭恵さんが、そのことについて泣きながら話している姿を、彼女の友人知人たちが何度も目撃しています。安倍総理にはその負い目があるため、昭恵さんがどんなに自分勝手に振る舞おうと、強く出られないという事情があるんです」(自民党関係者) 小沢一郎夫婦は愛人と隠し子の問題が夫婦の亀裂を深めていき、ついには離婚してしまった。安倍さん夫婦も、ここに書かれているようなことが事実なら、そのうち離婚の危機を迎えるのかもしれない。 ポストは安倍首相のゴルフ好きを皮肉っている。第二次政権誕生以来17カ月でラウンド数は21回になるそうだ。安倍首相のハンデは20だそうだから、1ラウンドを90前後で回る腕なのだろう。 ゴルフ好きで知られた大英帝国の宰相、ロイド・ジョージはこんなゴルフの格言を残している。 「ハンデ30の人は、ゴルフをおろそかにする。ハンデ20の人は、家庭をおろそかにする。ハンデ10の人は、仕事をおろそかにする。ハンデ5以下の人は、すべてをおろそかにする」 安倍首相のハンデが20で、昭恵夫人が家庭内野党となっている関係を見ると、家庭をおろそかにしているという格言は的中しているように見える。これ以上ゴルフに精を出してハンデ10になれば仕事をおろそかにするかもしれないが、そのほうが国民は安心していられるかもしれない。 さて、集団的自衛権の容認に向けて安倍首相が動き出したが、容認賛成派ではあろうが新潮に興味深い特集が載っている。「安倍総理剣が峰『集団的自衛権』の七不思議」がそれだ。これが第2位。 集団的自衛権が容認されれば、一番影響を受けるのは自衛隊である。その自衛隊に動揺が走っているというのだ。防衛省関係者がこう嘆息する。 「ネットの掲示板には“戦争好きなアメリカのために犬死にしたくない”、“えらい迷惑、人生が狂う”といった、明らかに自衛官からの書き込みが目立ちます。一方、東日本大震災での自衛官の働きに感動した20代の隊員にも不安が残る。今回の議論で、自衛隊の活動が感謝されるものばかりでないと改めて思い知らされたでしょうからね」 それに、もし戦闘で死んだとしても、命の値段が安くなってしまうのだ。イラクに派遣されたときは非戦闘地域ということで、PKO保険やその他団体保険を合わせると3億円になったという。 しかし、民間保険会社では戦争や紛争での死亡には保険が適用されないため、1億円程度になってしまうそうだ。1億円でもいい、俺は祖国のために死ぬという若者がどれだけいると、安倍首相は考えているのだろう。 集団的自衛権を容認したとして、日本が直面している危機の中で、最も可能性のあるのは北朝鮮と韓国の有事であろう。 そのとき自衛隊は、ソウル市民や韓国にいる多くの日本人を助けるために朝鮮半島へ行けるのだろうか。そのためには「日本と韓国が軍事同盟を結ぶ必要がある」とm日本大学法学部の百地章教授は言う。 しかもそのためには、解釈改憲ではなく憲法改正がどうしても必要になるのである。このように、現在議論されている限定容認ではその詳細に大きな隔たりがあると、新潮は言っている。 新潮の真意は、だから小手先ではなく憲法改正せよということなのだろうが、それほどの覚悟が安倍首相にあるとは、私にはとても思えない。公明党が集団的自衛権容認はできないと突っ張れば、安倍首相は踏ん切れないとチョッピリ安心しているのだが、甘いかな。 人気デュオ「CHAGE and ASKA」のASKA(本名・宮崎重明)の逮捕は、文春(8月8日号)がスクープした「シャブ&飛鳥の衝撃」が発端である。 各誌この“大事件”を後追いしているが、文春のスクープの前には顔色なしである。しかし、さすが新潮と言うべきか、こんなコメントが載っている。 「もう捕まえてください……。 『警視庁組織犯罪対策5課』捜査員の間を、その言葉が駆け巡っていた。 行動確認を続けていた彼らは、ASKAが覚せい剤を日常的に使用しているという確証を得て、洋子さん(ASKAの妻=筆者注)に接触。そして、そのやりとりの中で飛び出したのが、先に記した台詞なのだ。 さる捜査関係者は、 『ASKAが栩内(とちない=筆者注)の部屋を訪れる日の特定、自宅に覚せい剤やMDMAがあるという具体的な証言。これらについては、内部からの情報が不可欠だった』 と、逮捕には洋子さんの協力があったことを匂わせる。 『人の出入りは普段あまりない』(近所の住民)という目黒区のASKA邸だが、逮捕前日は打って変わって、 『関係者が続々訪れ、深夜まで部屋の明かりが消えることがなかった。翌朝のASKA逮捕を前提に、その後について、“作戦会議”をしていたようです』(芸能関係者)」 5月17日、午前7時30分。東京港区南青山の高級マンションからASKAが出てきたところを逮捕された。しかも、冒頭に引用した新潮によれば、ASKAの年上の妻が、もうこれ以上堪えられないから捕まえてくれと、捜査員に漏らしたというのである。 「警視庁がASKA容疑者の尿を検査した結果、覚せい剤と合成麻薬MDMAの陽性反応が出たことがわかった。自宅からは覚せい剤やMDMAとみられる違法薬物が押収されており、同庁は使用の疑いでも調べる」(朝日新聞5月18日付より) 文春によると、捜査員はASKAが週末に栩内香澄美(37)の自宅に通ってシャブをやり、朝帰りするというパターンを把握していた。 女の自宅から出たゴミの中からも、薬物反応が出ているという。そのブツとはティッシュペーパーで、ASKAと栩内の性行為で使用されたため精液が付着していたという。 ASKA逮捕で俄然クローズアップされた栩内という女性だが、一体どんな女性なのだろうか。彼女は逮捕当時、パソナグループの中のメンタルヘルスケアを業務とする「セーフティネット」の社員だった。 彼女の友人によれば、青森生まれで、上京後はカメラマンのアシスタント、ネイリストなど職を転々とし、20代前半に教育関連会社に勤めた後、人材派遣の大手・パソナグループ経営コンサルティング会社「I」に就職。以来、パソナグループの会社を渡り歩いて、現在に至っているという。 彼女が以前在籍していたパソナグループの元同僚は、「パソナグループ代表南部(靖之、62)さんの“お気に入り”として有名」だったと文春に話している。 同誌で、以前彼女と一緒に働いていた女性はこう語る。 「栩内さんは、異例の厚遇をされていました。今住んでいる南青山のマンションは家賃二十万円超とも言われますが、会社が借り上げてくれたものです。立場は“秘書”ということになっていました。タイムカードは押さなくていいし、幽霊社員のようなもの。よく見ると持ち物はブランド品ばかりでしたし、グループ内の別会社からお手当てが出てるのではないかと言われてました」 南部代表は元麻布に、政財界のVIPを接待するための迎賓館「仁風林(にんぷうりん)」を持っているそうだ。そこで頻繁にパーティーを催し、政界や芸能人なども多く訪れていたという。 ASKAは南部代表のお抱えアーティストで、「仁風林」のパーティで2人は知り合ったといわれる。 私の友人に覚せい剤に詳しいのがいる。ASKA逮捕の話から、覚せい剤をやってセックスするとき、女性がシャブをやる必要はなく、女のアノ部分にシャブを塗ってやれば女は最高のエクスタシーを味わうことができるという。 そうすれば、女のほうは常習にならずに済む。酒井法子が再び覚せい剤に手を出さないで頑張っていられるのは、そういった方法でセックスを楽しんでいたため中毒にならなかったのではないかと、友人は推測していた。栩内容疑者はどうなのだろう。 新潮によると、今はインターネットを使って覚せい剤が簡単に手に入るという。現役密売人がこう話す。 「ネット上には、覚せい剤を売っている店の名前が一覧になっているサイトある。“○ネコ☆ヤマト”“安心堂”といった店名をクリックするとすぐに店のホームページが表示され、そこに書いてある“商品一覧”という部分を押せば、いきなり“氷0・25グラム=10000(1P)”などと隠語で表示される。意味は覚せい剤1パッケージ0・25グラム1万円。どの店もホームページの中に、注文用のメールアドレスを載せていてメールで注文できる。受取方法は、手渡しがほとんどですが、郵送対応している店もある。覚せい剤は隠語で“エンピツ”とか“アイス”と呼ぶこともある。“エンピツ”は注射器本体のことで、単位は“本”。“アイス”はあぶり用の結晶で、単位は“グラム”」 気になるのは有罪になった場合のASKAの刑期だが、新潮で若狭勝弁護士がこう言う。 「覚せい剤の初犯の場合、懲役1年6カ月、執行猶予3年がスタートです。今回はこれにMDMAが追加されて量刑が決まる。でも実刑はないと思いますよ」 これほど大量に、それも長期間の中毒者に執行猶予付きというのは、ちと甘すぎる気がしないでもないが。 同じように文春で覚せい剤疑惑を報じられた元プロ野球選手の清原和博は、文春によれば「精神的に不安定な状態」になっているという。 「ASKAの運転手だったIという人物が、その後、清原に運転手として雇われた」(清原の友人)というくらい、2人は結びつきが強く仲がいいそうだ。 以前ASKAは「パソナの紹介で俺は安倍(晋三)さんを知っているから大丈夫だと清原にうそぶいた」こともあったというが、逮捕されてしまった。同じように、文春に麻薬疑惑を書かれた清原は一体どうなるのだろうか? (文=元木昌彦)「週刊文春」中吊広告より
サッカー釜本邦茂氏が苦言「本田よ、“裸の王様”中田英寿になるな!」
今週の注目記事 第1位 「釜本邦茂『<裸の王様>本田圭佑なら日本は負ける』」(「週刊ポスト」5/30号) 第2位 「医療界の猛抗議、高圧力で『血圧147は健康値』が潰された!」 「うつ病患者数は10年で倍増、抗うつ薬市場は8倍、その裏側で何が起きていたか」(「週刊ポスト」5/30号) 第3位 「『LINEいじめで中1の娘は自殺した』母の慟哭」(「週刊文春」5/22号) 第4位 「『高すぎる食べ物』味覚探訪記」(「週刊新潮」5/22号) 第5位 「土俵外なら横綱より格上 遠藤バブルはいつまで続くのか?」(「週刊新潮」5/22号) 第6位 「これが世界のSEX産業だ!」(「週刊ポスト」5/30号) ワースト 第1位 「またも当たった!東大名誉教授驚異の『地震予測』はこうすれば読めます」(「週刊ポスト」5/30号) 第2位 「朴槿恵大統領が安倍首相に『二人の秘密』と泣いて口止めした“親日”素顔」(「週刊文春」5/22号) ついに、と言うべきであろう。人気デュオ「CHAGE and ASKA」のASKA(本名 宮崎重明・56)が、覚せい剤所持容疑で逮捕された。 「警視庁がASKA容疑者の尿を検査した結果、覚せい剤と合成麻薬MDMAの陽性反応が出たことがわかった。自宅からは覚せい剤やMDMAとみられる違法薬物が押収されており、同庁は使用の疑いでも調べる。ASKA容疑者と知人の会社員栩内(とちない)香澄美容疑者(37)は4月6日と12日ごろ、東京都港区南青山3丁目の栩内容疑者の自宅マンションで覚せい剤を所持していたとして、覚せい剤取締法違反の疑いで逮捕された」(朝日新聞5月18日付より) ASKAの覚せい剤疑惑は、文春(8月8日号)が「シャブ&飛鳥の衝撃」と報じていた。そのとき私は「文春の『シャブ&飛鳥』はタイトルもさることながら、内容的にも衝撃度は高レベルである」と書いた。しかし、その後、ASKAが同誌のインタビューで「覚せい剤なんかやっていない」と否定したこともあって、このままうやむやになるのかと心配していたが、慎重に内偵をしていたのだろう。 ASKAは警察官に「覚せい剤を所持しているね」と聞かれ「SAY YES」とは答えなかったようだが、文春によればASKAは「相当な末期麻薬中毒者」だという。これからが大変だろう。 大物逮捕で、芸能界の覚せい剤汚染が一気に明るみに出るかもしれない。 佐村河内守スキャンダルも見事だったが、文春の情報力と取材力には感服する。 昨年後半(7~12月)のABCによる雑誌の販売部数が公表されたが、文春が週刊誌部門で堂々第1位なのも当然である。 文春46万8,910部、現代が36万6,829部、新潮が35万454部、ポストが31万9,528部、FRIDAYが15万1,723部、週刊朝日が11万2,600部、今回からABCに入ったFLASHが11万354部となっている。 この中で、前年同期比100%を超えたものはポストだけで100.43%。現代は86.33%、FRIDAYは91.58%、朝日は86.56%である。現代と朝日の落ち込みが目立つ。 その好調なポストだが、飯田昌宏編集長が6月で替わるという話がある。これまでのポストとは違う路線を作ってきた名編集長だけに、ここで替わるのは惜しい気がする。 さて、今週は大きなスクープ記事は皆無。みんな小粒だが、少しはピリリとする記事を取り上げてみた。 その前に、これはいかがかなと思う記事を2本。 朴槿恵韓国大統領批判を強めている文春だが、その朴大統領が本当は安倍晋三首相とは親しく、よく話をしているという記事である。 しかも、それを自国民に知られたくなくて、安倍首相に泣いて口止めしたというのだ。韓国政府関係者がこう明かしている。 「じつは昨年十月にバリ島で行われたAPEC関連会議で、朴大統領と安倍首相は、親しく話しています。夕食会のテーブルが隣同士だったのですが、会場に日本の『上を向いて歩こう』が流れると、朴大統領から『これは日本の有名な曲ですね』と微笑んで話しかけた。それに対して安倍首相も『私も韓国の曲を知っていますよ。江南スタイルという曲が流行っていますね』と乗馬ダンスの真似をしながら答えたのです。他にも安倍首相は、『韓国料理は好きでよく食べます』『韓国ドラマも妻が好きで見ています』などと大変和やかに話していました」 文春も「にわかには信じがたい親日ぶり」だと驚いている。だが、安倍首相の側近も、これを裏付けるコメントをしている。 「APECだけでなく、昨年九月のニューヨークでの国連総会でも二人は話をしています。総理は『朴大統領は反日じゃない。二人で話す時は、まったく頑なな態度ではない』と言っています。ただ、朴大統領は会話の最後になると、目に涙を浮かべながら『こうして親しく話したことは二人だけの秘密にしてください』と口止めするそうです」 夕食の席で歌の話や食べ物の話をしたからといって、親密さを裏付けることにはなるまい。隣同士になれば、それぐらいの話をしないほうがおかしい。 その程度の話を、自国民に知られたらいけないと泣いて朴大統領が安倍首相に頼むなんて、あり得ない話だと、私は思う。おそらく、情報源は安倍首相の周辺だろう。朴大統領よりうちの親父のほうが上なんだよという“情報”を流して、朴大統領の悔しがる顔でも見たいのだろうか。 次は今週頑張っているポストだが、先週大々的にやって“当たった”から今週もやっている東大名誉教授の地震予測記事は、この人が関わっているメールマガジンのパブ記事のようで気に入らない。 ポストは村井俊治東京大学名誉教授が顧問になっているJESEA(地震科学探査機構)で出しているメルマガで、4月9日、16日、23日と3回にわたって首都圏で地震が発生する可能性について言及していたと前号で書いた。 その上「首都圏直撃地震からわずか8日後の5月13日午後8時35分、再び首都圏を地震が襲った。埼玉県南部や神奈川県東部で震度4を記録。東京都でも震度3を記録した」が、それもメルマガで「可能性を予測」していたから、編集部宛に問い合わせが殺到したという。 そこで、月額216円のメルマガを購読する手続きを写真入りで紹介しているのだが、ここまでやる必要があるのだろうかと、疑問に思う。 まあついでだから、警戒が必要な地域に言及している村井教授の言葉を引用してみよう。 「2月7センチにも及ぶ地表の上下動が観測されていた高山を中心に、ゴールデンウィーク頃から地震が増えている岐阜県周辺は引き続き注意が必要です。(中略)現時点で注意が必要なのは、北海道の函館の周辺です。今、全国的に基準点の短期の動きはほとんど目立たないのですが、今週届いた記録では函館にだけ動きが確認されました。函館だけではなく道南の広い地域で警戒が必要です」 また、津軽海峡を隔てた青森でも注意が必要だと村井氏は語っている。注意するに越したことはないが。 今週の7位は、ポストお得意のSEXグッズ記事。今週は世界最先端のラブグッズを生産する、スウェーデンにあるLELO(レロ)を取り上げている。 従業員は500人。ミロスラブ・スラビッチCEOが哲学と戦略を語っている。 「製品の見た目とクオリティーが同じであることが重要です。いくら見た目がよくても中身がない製品はたくさんありますから。デザインとクオリティにおいてLELOより優れている企業はありません。その証拠に、新製品をリリースすると、必ず1週間以内に爆発的に売れます」 過去に一番売れた製品は、LUNA BEADSだそうだ。 「球体を膣の中に入れる製品です。女性に快感をもたらすだけではなく、出産で緩んだ膣の筋肉を鍛えることもできます。世界中で売れた、LELO最大のヒット商品です。最近では、女性がオーラルセックスの快感を得られるORAが売れています。発売2週間で35万人がネットでこの製品の動画を再生しました」 そして、快感は基本的人権だと宣う。 「ネガティブな潮流は変わりつつあります。快感を求めることは人間の基本的人権です。これまでラブグッズを使ったこともなかった人が、抵抗なく使える製品を今後も作り続けます」 それにしても魅力的な形をしたラブグッズばかりだ。これなら使ってみたくなる気持ちもわかるが、そうなると男はグッズの添え物になるのか? 大リーグに行った田中将大やダルビッシュ有が大活躍しているが、忘れられた大相撲にも久しぶりの人気者が登場した。遠藤である。 新潮は「夏場所初日が『満員札止め』になるのは、“若貴時代”以来17年ぶりだという。人気の理由は、“13年ぶりの3横綱”もあるだろうが、やはりこのイケメン力士の“初髷”見たさだろう」と書いている。 日本相撲協会関係者が、初日の取り組みに懸けられた懸賞は鶴竜らを凌ぐ14本と、過去最多だった先場所の145本を上回る勢いだと話している。 チケットも近年にない売れ行きで、場所前に初日、7日、8日、14日、千秋楽の前売りが完売になったそうだ。 「“遠藤バブルに乗れ”とばかりに、協会も必死です。両国国技館には“お姫様抱っこ”の撮影ができる写真パネルが設置され、グッズも旧来の“ザンバラ髪”バージョンと新“髷”バージョンの2パターンが売られる特別待遇。売れ行きは、さすがに大横綱白鵬には及ばないまでも、鶴竜、日馬富士を大きく引き離す“超横綱級”です」(同) その上、「髷騒動」まで勃発していたという。 初めてテレビで髷を公開したのは5月1日のTBS『NEWS23』だったが、その前の4月上旬には永谷園のCM撮影で髷を結っていたのだという。 だが、4月24日の番付発表では「まだ結えない」とウソをついたというのだが、大騒ぎするほどのことではない。 遠藤のすごいところは、これだけ騒がれても相撲ではきっちり結果を残していることである。4日目の鶴竜戦では金星を上げた。ようやく角界にもスター誕生のようである。めでたいめでたい。 新潮が、総予算50万円で「高すぎる食べ物」を食べ歩いた味覚探訪記をやっている。これが今週の4位。世の中には高い食べ物があるものだと驚く。ここに出ているものを挙げてみよう。 まずは石川県白山市鶴来地区。安土桃山時代から続く老舗「菊姫酒蔵」には一升瓶で5万円の日本酒「菊理媛」がある。 北九州市小倉南区湯川にある「卵家」の1本1万800円のカステラ。 お次は、大阪北新地にあるイタリアン・レストラン「ノノピアーノ」の2斤で1万円の食パン。 京都の清水寺に近い石畳の坂道に沿って店を構える「総本家 ゆどうふ 奥丹清水」。1635年創業の老舗だが、その地下の豆腐工房で作られた豆腐が1丁7万円。 大阪府八尾市の住宅街にある喫茶店「ザ・ミュンヒ」のコーヒーは40ccで7万5,000円也。 名古屋市名東区にある「高針めんや」には1万円のラーメンがある。白髪ネギに金箔、キャビアが添えられ、伊勢エビやどでかいステーキがのっているそうだ。 東京・五反田駅から徒歩5分ほどのところにあるステーキ屋「カサローエモ」。ここには200グラム15万円のステーキがある。 ジャニーズのタレントがよく来るとネットにはあった。とても15万円のステーキは食べられないので、昼に確か4,000円くらいだったと思うが、ハンバーグステーキを食べに行ったことが一度だけある。普通の喫茶店のような店の入り口に「ステーキ15万円」となにげなく書いてあるのだ。最初に見たとき、間違いだろうと何度も見直した。 おいしかったことはおいしかったが、神田神保町の「キッチン南海」で食べるハンバーグのほうが、なんぼか私にはうまい。 カネを捨てたくてたまらない人間が行けばいいのだ。食べ物は、身の丈に合ったリーズナブルな値段の店がいい。そう思うのは、「京味」や「あら皮」へ行けなくなったひがみもあるかもしれない。だが今の私には、場末の居酒屋の隅で冷や奴を肴に「黒霧島」の水割りを呑んでいるほうが居心地がいい。 文春は「LINEのいじめ」で自殺者が増えているという記事をやっている。これが3位。 文春によれば「LINEとは、二〇一一年六月にLINE株式会社(当時は、NHN japan株式会社)が提供を始めた無料のネットサービスである。国内利用者は五千万人を超え、米国、韓国、スペインにも利用者が拡大し、今年四月に世界での利用者は四億人を突破。その企業価値を一兆円と見積もる報道もある」そうだ。 「今年四月、総務省情報通信政策研究所が発表した『平成二十五年度、情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査』によると、十代のLINE使用率は七〇・五%に達する。SNSの利用率はメールのほぼ倍にあたり、コミュニケーション手段はメールからSNSに完全に移行したことがわかる。また三月に情報セキュリティー会社のデジタルアーツが発表した調査によると、スマホや携帯の一日の使用時間は中学生は男女とも一・八時間、高校生は男子が四・三時間、女子高生は六・四時間という結果になった。なかには十二時間以上の利用も一割を超え、ほとんどが『YouTube』のような動画視聴やLINEなどSNSの利用者だと考えられている」(文春) しかし、それにつれてLINEを使ったいじめやトラブルも頻発するようになっているそうだ。 LINEで知り合った自衛隊員が、女子高生に裸の写真を送らせて、児童買春ポルノ禁止法違反容疑で逮捕された。 広島県でLINEでのやりとりに腹を立てた16歳の少女が、友人の16歳女子生徒を殺害。慶応大学の男子学生が交際相手にLINEで「お願いだから死んでくれ」と繰り返し送信。女性が飛び降り自殺し、大学生は自殺教唆容疑で逮捕された。 文春は奈良県橿原市の中学1年生A子さんが昨年3月28日、市内のマンションから飛び降り自殺をしたが、これも原因はLINEを使ったクラスメートのいじめだったと報じている。 その中学生の母親はこう語っている。 「昔のいじめは学校の中で終わっていたと思うんです。それが今はLINEで家の中まで追いかけてくる。自分の悪口を言われていないかと、あの子はずっと不安でしょうがなかったんやないかと思ってます」 文春も「LINEのいじめがなくならないのは、いじめている加害者の認識が薄いからだ。手軽に文字で『死ね』と言っただけでしかない。しかし送られた方は、複数の人間から毎日届くメッセージに追い詰められていく。普通のいじめなら学校に行かなければ遮断できるが、LINEは家の中まで、夜中でも追いかけてくる」と、LINEいじめの深刻さを衝いている。 駅でも歩道でも、スマホを見ながらふらふら歩いている中学生や高校生を見ると、後ろからどついてやりたくなる。こんなにいい季候なのに、花も空も眺めずちっぽけな世界だけで毎日を過ごしていていいのか。スマホを捨てよ! 美しい日本の姿を目に焼き付けろと言いたいね。 いい加減食傷気味だが、日本人間ドック学会と健康保険組合連合会が4月初旬に発表した「新たな検診の基本検査の基準範囲」がまだ話題のようだ。 最初にこの問題を取り上げたのはポストだが、今週も、この新基準値を医学界や製薬業界が潰しにかかっていると批判している。これが2位。 結論としては、この中で泉孝英・京都大学名誉教授が言っているように、「基準値を厳しくすることで病気は“作られる”。年齢や性別による違いすら加味しない現行の基準に、科学的根拠はあるのか。本来はそこが問われるべき」なのだ。 しかし、長年基準値を厳しくすることで稼いできた医療の世界の住人たちが、それを許しはしなかった。 その結果が、いまや39兆円(11年度)にも上る医療費の増大である。その恩恵に与したのが臨床系の専門学会の医師や製薬会社だが、反対に煽りを食ったのが、今回人間ドック学会とともに調査を行った健保連(健康保険組合連合会)だった。サラリーマンが加入する健康保険組合の全国組織である。 「健康基準については、我々としては常々なんでどんどん厳しくなるのかと感じていた。しかも、各学会の出してくる基準がどれだけ妥当なものなのかが判然としない。そこで本部は人間ドック学会と一緒に研究をした」(健保連の地方連合会職員) 今回、人間ドック学会と健保連は発表に先立ち、昨年末の時点で一度各専門学会にパブリックコメントを求めている。 事前に各学会に対して根回しまでした上で発表した数字だったのだが、インパクトが強すぎたため各学会から猛烈な抗議を受けることになってしまったのだ。 ポストは「この国の医療を管轄する厚労省自体が、医師と製薬会社の癒着構造の一員と化している」と批判している。 さらにポストは、新薬が出ることで患者が増える実態をうつ病で検証している。患者数は10年で倍増、抗うつ薬市場は8倍になったが、その裏側で何が起きていたのか? 99年に画期的な抗うつ薬が“上陸”したために、うつ病が大発生したという。 「SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)。99年に初めて日本で認可されたこの薬は、セロトニンの血中濃度を高めることによって、うつ症状を軽減させようというものだ」そうだ。現在、4種類のSSRI系の薬が認可されている。 「これらSSRIの登場によって、日本のうつ病を巡る環境は一変した」と、フジ虎ノ門健康増進センター長の斉尾武郎氏が言う。 「従来型の抗うつ薬は薬価(薬の価格)が安かった。だから、製薬会社にしてみれば“売ってもあまり儲からない”ということで、精神科医を営業の対象にはしていなかった。それが、従来の抗うつ薬に比べて3~5倍も値段が高いSSRIが認可されると、抗うつ薬市場は一気に製薬業界にとって“オイシイ”マーケットになって、精神科医は大のお得意様になった」 確かにうつ病患者は10年前の2倍でしかないのに、薬市場の売り上げは8倍強になっているのだ。基準値を厳しくしたり、高い薬をつくることで医療業界はボロ儲けできるのだ。こんなことを許しといていいはずはない。そのためには病気にさせられないよう、一人一人が知識を持つしかないのだが、言うは安く行うは難しである。 今週の1位は、ポストの釜本邦茂氏のインタビュー。サッカーのブラジルW杯はもうすぐ開幕だが、ファンに冷水を浴びせる「<裸の王様>本田圭佑なら日本は負ける」発言の真意はどこに。 日本代表の最多得点記録保持者であり元日本サッカー協会副会長の釜本氏は、サッカーW杯で勝つためにはどうするかを提言している。 「ザッケローニ監督は温情主義で選んだのだと思う。W杯予選を一緒に戦ってきたメンバーが多く含まれているのがその証拠だ。しかし内田篤人、吉田麻也、長谷部誠はいずれもケガでここ最近、ほとんど試合に出ていない。こうした故障明けメンバーが、ぶっつけ本番のW杯で本当に仕事ができるのか。(中略)世界的にはまだまだ力の劣る日本が、強い相手から勝ち点を奪うには、しっかり守ってカウンターで得点を狙う堅守速攻の道しかない。だが、DF陣が明らかに手薄である。(中略)そのためFW1トップの動きがさらに重要になってくる。問題はこのFW1に、誰を据えるか。私はあえて、本田圭佑を推したいと思う。(中略) 本田の持つ最大の長所は、『外国人DFに当り負けしないボールキープ力』『体勢を崩しても枠内にシュートを打てる技術』だ。本田を起点にして相手を牽制しつつ2列目の岡崎や柿谷、そして香川といった選手が、相手DFの裏側に出て『3番目の動き』をすれば、日本の攻撃に幅も生まれだろう。ただ本田には注文がある。もっと謙虚にならなければならない。自分のスタイルを前面に出すのはいいが、それは周囲の者が理解してこそだ。それに私は、他の選手たちにも責任があると思う。チームが本田の言い分を素直に受け入れすぎているように見えるのだ。本田に対して『それは違う』と反論する者が、現在の代表にはいないのではないか。彼は紛れもない日本の中心選手だ。しかしだからこそ、彼を『裸の王様』にするようなことがあっては、日本は崩壊してしまう。それは中田英寿の時に、痛いほど経験したはずだ」 ブラジルで待つのは敵のチームばかりではない。「工期の遅れ」「反W杯への高まり」など、多くの難問が待ち構えている。ベスト8まで行くのは至難だろうが、楽しい試合を期待したい。 (文=元木昌彦)「週刊ポスト」5/30号 中吊広告より
東京直撃地震を的中させた、東大名誉教授が明言「今後注意すべきは岐阜県」
今週の注目記事 第1位 「91歳の認知症夫が電車にはねられ、85歳の妻に賠償命令 実名と素顔を公開 この裁判官はおかしい」(「週刊現代」5/24号) 第2位 「スクープ! 人間ドック学会理事長がついに告白『高血圧なんて、本当は気にしなくていい』」(「週刊現代」5/24号) 第3位 「自民党元幹事長古賀誠インタビュー『右傾化速すぎ、危険な暴走だ』」(「週刊朝日」5/23号) 第4位 「消費増税の冷たい春に役人&議員だけが『賃上げ』に沸いている」(「週刊ポスト」5/23号) 第5位 「独占告白 杉良太郎『密室わいせつ演技指導』の口止め生録音テープ」(「週刊ポスト」5/23号) 第6位 「なぜ異端の東大名誉教授だけが東京直撃地震を予測できたのか」(「週刊ポスト」5/23号) 第7位 「札幌連続ボンベ爆発事件 北海道警『誤認逮捕』疑惑」(「週刊朝日」5/23号) 悔しい! 日曜日の競馬の話である。1番人気だが、1600メートルまでなら今一番強いと思うミッキーアイル(浜中騎乗)から馬単で7点流したが、17番人気のタガノブルグが2着に突っ込んできて馬券はただの紙屑になってしまった。 土曜日の京都新聞杯をハギノハイブリッドで的中させていたので、余勢を駆って一儲けと考えたのだが、競馬は一寸先は闇である。 一寸先は闇ということでいえば、北海道警が逮捕した「札幌連続ボンベ爆発事件」も闇が深そうである。 週刊朝日がこの事件を取り上げている。 「札幌市北区の商業施設や警察関連施設でカセットコンロ用ガスボンベによる爆発が相次いだ事件で、北海道警が道警官舎への爆発物破裂容疑で逮捕した無職・名須川早苗容疑者(51)の勾留理由開示の法廷が5月9日、札幌簡裁で開かれた。名須川容疑者の主張が始まると、その“爆弾発言”に法廷は凍りついた。『取り調べを受けていました』」(朝日) 札幌北署の駐車場で爆発が起きたのが、1月27日朝だった。名須川容疑者は別の窃盗事件の事情聴取のため、同署の取調室にいたと明かしたのだ。 「4月までの5件の爆発事件は同一犯としていた道警の主張が大きく揺らいだ瞬間だった」(同) 報じられているように、北海道内では名須川容疑者が逮捕されてからも、5月4日朝に道警の駐在所、6日には大型書店でガスボンベの爆発事件が発生している。 道警はこれについては模倣犯によるものと説明しているが、疑問は残る。名須川容疑者が語った1月27日の矛盾については、「取り調べを受けていたのは事実だが、5件が同一という見方は変わらない」としているが、こういう声もあると朝日は書いている。 「道警内からは、『もっと慎重にやればよかった。泥船だ』という声も漏れ聞こえる。拘留期限も迫っている。追いつめられた道警に、次なる一手があるのだろうか」 実に週刊誌的な事件だと思うが、取り上げている媒体は少ない。 さて、ゴールデンウィーク最中の5月5日朝5時18分。ゴルフに行こうと目が覚めたときドーンと下から突き上げられ、それからかなりの横揺れが続いた。 ついに首都直下型地震が来たかと思ったが、幸いなことにそこまでではなく、部屋のものも壊れはしなかった。 テレビをつけると首都圏を襲ったのはマグニチュード6.0で、千代田区では震度5弱を記録した。私の住んでいる中野区は震度4だった。だが東京・神奈川などで17人が負傷し、JRや私鉄などの交通網は終日混乱を来たした。 地震警報は震源が深すぎて鳴らなかった。地震調査研究関連の予算は年間100億円単位で投じられているというのに、いつまでたってもこれといった成果は上がっていない。 そんな中、地震研究の中枢からは大きく距離を置いているが、昨年からズバズバと地震予測を的中させている人物がいると、ポストが巻頭で報じている。これが第6位。 東京大学名誉教授で、1992~96年まで国際写真測量・リモートセンシング学会会長を務めた「測量学の世界的権威」である村井俊治氏だそうだ。 村井氏が顧問を務める民間会社JESEA(地震科学探査機構)が週一回配信する「週刊MEGA地震予測」で、4月9日号から3週にわたって、首都圏での地震発生の可能性を示していたというのである。 村井氏の手法は測量技術の応用だという。国土地理院は95年の阪神・淡路大震災を機に、各地のGPSデータを測定する「電子基準点」を全国約1,300カ所に配備しているという。これを使うそうだ。 「これほどのGPS網が張り巡らされている国は、世界でも日本だけです。このデータが02年から利用できるようになった。我々が00~07年に起きたマグニチュード6以上の地震162件全てのGPSデーターの追跡調査を行ったところ、地震の前に何らかの前兆現象が見られることに気がついたのです」(村井氏) こうした分析に基づいて、昨年4月、淡路島で震度6弱の地震が発生したときも、その直後の4月17日に起こった三宅島地震(震度5強)も、東日本大震災の前にもその前兆をつかんでいたそうだ。 「しかしパニックになることを恐れて注意喚起ができなかった。その結果、1万8000人もの人々が亡くなられたのです。これは学者としての恥です。ですから名誉を失っても、恥をかいても、今後は自分の理論において異常なら異常と公表する、と決断した」(同) そこで気になるのは、今後注意すべき地域はどこかということだろう。 村井氏が指摘したのは、ゴールデンウィーク中に群発地震が起きていた岐阜県だという。 「春先から飛騨・高山中心に20カ所くらいの電子基準点で大幅な上下動が観測されている。もっとも大きく動いているのは高山です」 当たってほしくはないが、気をつけるのに越したことはないはずである。 第5位は、ポストにしては珍しい芸能スキャンダルが入った。書き出しはこうである。 「身長178センチ、体重80キロ近い筋骨隆々の男は、両股を開いて座卓に腰かけ、目の前に正座させた若い女性を見下ろしている──69歳の男は芸能界有数の実力者、女は22歳の新人女優。おまけに彼女の顔色は真っ青だ。急性貧血でフラつく彼女を見下ろして男はこう命じた。 『もっと、こっちへ来い』 彼女は、少しだけ距離を詰める。 『もっと、もっとだ』 彼女は、おずおずと距離を詰める。顔の正面に、オレンジ色のジャージに包まれた男の股間が近づく。男は、彼女を強引に引き寄せると、閉じた唇に自らの唇を押し当てた。驚く彼女の頭を両手で押さえ、今度は閉じられた彼女の唇と上下の歯の間に、むりやり舌を差し入れディープキスを繰り返す。自らの左頬を、彼女の顔にピタリと付け、普段は聞かせない低く甘い声で、ささやく。 『好きって言ってみろ……。大丈夫。俺が守ってやる。俺だけを好きになって、俺の言うことだけを聞いていればいいんだ……』 彼女は硬直した」 杉良太郎は1944年、神戸生まれ。65年に歌手デビューし、NHKの時代劇『文五捕物絵図』の主役で人気を得た。その後、テレビ朝日の『遠山の金さん』で正義の味方として不動の人気者になり、その後、自ら座頭として数多くの舞台演劇を行い、来年で芸能活動50周年を迎える。 最近では社会活動でも広く世間に知られ、今年2月、安倍首相から感謝状を贈られている。長年、刑務所の慰問活動や、ベトナムの子どもたちに金銭的援助を行い、里親にもなっている。これまで、芸能界一の正義漢と目されてきたそうだ。 それだけに、彼女が受けたショックは大きかったという。先のことがあってから3日後の2月28日、彼女は杉に電話をしている。杉のマネジャーからかけるように言われたからだ。 彼女は自分の身を守るため、そのときの会話を録音した。その時間は約20分にもおよんだという。その中でこんな件がある。 「杉 言っとくんだけど、人には絶対言っちゃいけないんだよ。マネージャーに言ったりしてないの? おまえ」 ポストの電話取材に、杉は「演技指導」だと淡々と答えたという。男女の機微を知らない彼女の指導に、熱が入りすぎたというのだろうか。これからは、塾生たちみんなが見ている前で演技は教えたほうがいい。 安倍首相はゴールデンウィーク中に欧州歴訪をして大いに楽しんだらしいが、出発する前、代々木公園で開かれた連合主催の中央メーデー(4月26日)に出席し、こう豪語した。 「今、確実にデフレから脱却しつつある」 この発言に会場から「給料は上がってないぞ」というヤジも飛んだそうだが、安倍首相には現実が見えていないとポストが批判している。これが第4位。 「この4月から、国民への大増税とは逆に、国家公務員と国会議員の“賃上げラッシュ”が始まった。国家公務員の給料は平均8%引き上げられ、行政職平均のモデルケースでは月額約2万9000円、ボーナスを含めた年収では約51万円のアップだ。国会議員の歳費(給料)はもっと増え、5月分から月額約26万円アップ、年間421万円もの引き上げになる。 こうした大盤振る舞いは、『震災復興のために国民と痛みを分かち合う』と2012年から2年間の時限立法で実施されていた議員と公務員の給料削減を安倍政権が打ち切ったからだ」(ポスト) しかし、震災復興は道半ばなのに早すぎる、という批判があるのは当然である。ポストはこう追及する。 「政府は東日本大震災の被害総額を16兆9000億円と試算し、5年間で19兆円の震災復興予算を組んで復興を終わらせる計画を立てていた。ところが、復興は遅々として進んでいない。にもかかわらず、19兆円のカネは2年あまりで底を尽き、安倍政権は新たに6兆円の国民負担を積み増しした。原因はシロアリ官僚たちが被災地とは関係ない天下り先の補助金や庁舎の補修、無駄な公共事業などの官僚利権を太らせるために復興予算を流用したからである。流用額は判明しただけでも2兆円を超える。ならば、そのカネは国家公務員の給料カットの継続で穴埋めすべきではないか。8%賃下げで捻出できる財源は年間およそ2700億円。彼らが流用した2兆円を穴埋めさせるために、あと7~8年、給与カットを続けるのが理の当然だろう」 民間サラリーマンは、大メディアが自動車など大手輸出企業のベースアップをあれほど煽ったのに、連合の集計(4月23日時点)では、春闘でベアが実施されたのは8752組合のうち、わずか5分の1(1818組合)に過ぎなかったのだ。 「アベノミクスによる本当の賃上げランキングは、1位が年収421万円増の国会議員、そして347万円アップの幹部外交官、さらに平均51万円アップの国家公務員で、民間サラリーマンは彼らの給料アップ分を消費増税で負担させられるだけなのである」(同) まったく、ポストの言う通りである。 お次も、安倍首相批判の朝日の記事。2012年11月に政界を引退し、現在は派閥「宏池会」(岸田派)の名誉会長である自民党元幹事長古賀誠氏に「安倍首相の右傾化が速すぎる、危険な暴走だ」と言わせている。 「日本を取り巻く安全保障の環境が変わってきた、だから自衛隊の位置づけや憲法についての議論が起きてくることは否定しません。しかし戦後69年、あの荒廃から今日の繁栄がある根底に現行憲法があったということは紛れもない事実です。とりわけ憲法9条について私は『世界遺産』だと思っています。大切にしたいし、大切にしなければならない。歴代の政権も集団的自衛権については『憲法9条が許容する必要最小限の武力行使の枠を超えるもので行使しない』ことを長年積み上げてきました。それは非常に重たいものです。今は状況が変わって見直すというのであれば、定められた国会の手続きに従って憲法9条を改正してから、集団的自衛権の議論に入るのが本筋ではないか。政治は王道を歩むべきです。憲法解釈の変更というのは不十分な手続きだし、国民にとっても不幸なことだと思います」 古賀氏は2歳だった1942年(昭和17)年に父親が出征し、4歳の時にフィリピンのレイテ島で戦死した。焼け野原で苦しい生活を強いられた経験をした世代として、「平和ほど尊いものありません。憲法9条は絶対です。これらのことを次の世代に伝えていく責任があると思っています」と話している。 だが、安倍首相のチェックをするべき自民党が首相にへつらい、何も言わない。そんな自民党の中で野田聖子総務会長(53)が5月8日、国会内で記者団に「党内は必ずしも(集団的自衛権の行使容認に)一直線に行こうという人だけではない」と発言したのだ。 また、同日発売の月刊誌「世界」6月号のインタビューにも答えて「軍事的な役割を果たすことと引き換えに何がもたらされるのか、首相はもっと提示すべきだ」と注文をつけたのだ。それに対して、古賀氏はこう語っている。 「野田聖子は大したもんだよ。個人の意見というのではなく、総務会長という立場で総理にきちんと意見を言ったんですよ。党内ではなかなか言葉を発信できないけれども、みんなが何をいちばん心配してるのか──。彼女はそれを把握して総理にしっかり伝えたんです。上から言われたことを何でも『はい、はい』って言う人は、逆に頼りにならないじゃない。信用できないですよ。その点、野田さんは立派だと思います」 長老の野中広務氏や、かつてタカ派といわれた中曽根康弘氏も、安倍首相の右傾化には危惧しているという。もはやイエスマンばかりになった腑抜けた自民党の現職よりも、こうした長老たちに「安倍首相の暴走」を止めてもらうしかないのかもしれない。 日本人間ドック学会と健康保険組合連合会が、4月初旬に発表した「新たな検診の基本検査の基準範囲」が大きな話題になっている。 この欄でも書いたが、そこに記されていた健康の基準値が現行の値とは大きく異なっていたためである。例えば高血圧の場合、従来の正常の上限値である129よりも大幅に緩い、147という新基準値が示されたのだ。 この問題はいち早く週刊ポストが取り上げたが、売れ行きがよかったらしく、各誌相次いでこの問題を載せている。週刊誌の読者層が健康に気を遣う団塊世代が多いことがわかるが、今週の現代は渦中の人間ドック学会理事長・奈良昌治氏(83)の直撃に成功している。これが今週の第2位。 奈良氏によれば「高血圧なんて、本当は気にしなくていい」んだそうだ。 「今回発表したのは500万人以上という膨大なデータに基づく数値ですから、精度には自信があります。しかし、すぐに基準値を緩めるというふうに誤解されてしまったことについては、説明不足であり、われわれの発表の仕方がよくなかった。反省しています」 奈良氏は、発表してから問い合わせが殺到し、日本高血圧学会や日本動脈硬化学会をはじめ、各専門学会からさまざまな「ご意見」をいただいたという。そこで、 「『今すぐ基準値を変えるべきだ』と言うつもりはありません。これから5~10年かけて、追跡調査を積み重ねていく予定です」 と、釈明している。基準値を緩められては患者を増産できない医療界、製薬会社、学会側からの相当な反発があったことがうかがえる。 「ここ数十年で、高血圧や高コレステロール、高血糖などの診断基準がどんどん厳しくなっているのは事実です。多少大げさに脅かしたほうが効果がありますし、日本など先進国では、コンビニやスーパーが普及して食べ物が簡単に手に入るようになり、肥満の人が増えている現状があります。ですから、現在の学会の基準が必ずしも厳し過ぎるとは思っていません。ただし、例えば血圧が130を超えたらすぐに『おクスリを飲みましょう』と言う医者は、いい医者とは思えませんね」 と、ジャブを放つのを忘れてはいない。血圧が高いからといってすぐにクスリを飲ませる風潮に憂慮し、その人間の体調や置かれた環境を考え、様子を見たほうがいいこともあるからだ。 昔は、場合によっては乳糖などでできた「偽薬」を出すこともあったという。病は気から、特に血圧は“気分”で上がったり下がったりするからだ。 「確かに以前は、高血圧は怖かったですよ。われわれが医者になった60年前は、日本人には脳出血が非常に多かった。ところが、今では栄養状態がよくなって血管が丈夫になり、血圧が上がってもそう簡単に血管は破れなくなった。むしろ血圧が下がったときのほうが危ないこともあるのです。(中略)特に人間は脳が心臓よりも高いので、脳に血液がいかなくなると深刻ですよ。駆け出しの医者が『血圧が高い、大変だ』ということでおじいさんにたくさん降圧剤を出すでしょう。すると脳に血がまわらず、あっという間にボケてしまう」 発表したこの基準値がすぐにこれまでのものと置き換わるのではなく、「ゆくゆくは、それぞれの学会と数値をすり合わせる必要も出てくるでしょう」という程度なのだそうである。 そんなことをされてはたまらないという“勢力”には、逆らえないということであろう。 ポストはその辺を見越して「『健康基準値』を操るだけで年間1兆円ボロ儲け 高血圧マフィアの『裁かれざる罪』」という特集の中で、カナダ人ジャーナリストのアラン・カッセルズ氏に「基準値変更の陰に大きな利権構造が存在する」と言わせている。 「アメリカでも最近まで、高血圧の基準値はどんどん引き下げられてきました。それにつれて、膨大な数の健康な人たちが病人の範疇に引き入れられることになった。たとえば、アメリカでは当初、正常な血圧の範囲は『上が140未満、下が90未満』とされました。その時点で約6500万人の“高血圧症患者”が出現することになった。さらに03年、『上が120未満、下が80未満』というガイドラインが策定されました。すると、一夜にしてさらに3000万人もの人たちが病気と判定された。“病人”が増えて得をする人たちは誰か。それは、患者たちを診察して処置を施す医師たちと、薬を売りつける製薬会社です。彼らは利益を生むための手段として、血圧の基準値を厳しくすることを利用してきた。まさに、『高血圧マフィア』と呼ぶにふさわしい利権構造です」 医療費を減らしたい厚労省の役人と、患者をつくりジャブジャブクスリ漬けにしたい医者と製薬業界のせめぎ合いは、新基準を「棚上げ」にすることで話がついたということなのだろう。 私のような血圧&血糖値の高い患者は、何も変わることなくクスリを飲み続けるしかないようである。 さて今週の第1位は、読者の素朴な怒りを代弁する重要な役割を果たした現代の記事である。 91歳の認知症の夫が電車にはねられ、85歳の妻に賠償命令が出た名古屋高裁の判決を取り上げ、現代は、この裁判官はおかしいと怒り、地裁、高裁の裁判官の実名と素顔を公開している。 事故が起きたのは、07年12月7日の夕方。愛知県大府市に住むAさんは00年から認知症の症状が出始め、この頃には要介護4と認定されるほど症状は進んでいた。 自分の名前も年齢もわからず、自宅がどこなのかも認識できない。昼夜を問わず「生まれ育った場所に帰りたい」と家を出てしまう。 それでも家族はAさんを必死に介護した。長男は月に数日、週末を利用して横浜から大府にやってきた。長男の嫁は単身、大府に転居し、義母と一緒に介護に当たったという。 それでも悲劇は起こった。妻がウトウトした隙にAさんは家を出てJR東海の線路に入り込み、快速列車にはねられてしまった。2万7000人の足に影響を与えたという。 だがJR東海関係者は、交通機関はこうした場合、機械的に遺族に損害賠償請求をするが、 「株主の手前、形式的に請求はしますが、本気で損害金を回収しようと思っていないケースも多い」 という。ところが今回、長門栄吉名古屋高裁裁判長は、妻に360万円の支払いを求めたのだ。 長門裁判長は、判決文の中でこう言っている。 「配偶者の一方が徘徊などにより自傷又は他害のおそれを来すようになったりした場合には、他方配偶者は、それが自らの生活の一部であるかのように、見守りや介護等を行う身上監護の義務があるというべきである」 私も、この判決を聞いたとき、それはないだろうと叫んだ。 だが、昨年8月の名古屋地裁の判決はもっとひどかったのだ。上田哲裁判長は、別居の長男にも720万円の賠償命令を下し、妻にも注意義務を怠ったと同額の支払いを命じたのである。 これからますます増える老老介護だが、こんな判決が出るのでは、認知症になった伴侶を殺して自分も死ぬしかないと思う老人が増えるはずだ。 25年前から認知症患者のケアをしている精神科医の和田秀樹氏も、こう憤る。 「地裁はAさんの4人の子供のうち、最も介護に腐心した長男の責任だけを認定しました。これでは、怖くて誰も親の面倒をみられなくなってしまう。正直者がバカを見ることになるからです。二審は妻の責任だけを認めましたが、老老介護の立場になったら、認知症になった連れ合いを捨てるか、心中してしまえと言わんばかり。家族の不安をひどく煽っています」 世間知のない裁判官ほど始末の悪い人間はいない。自分が老いていくことを考えたことはないのか。こういう裁判こそ、裁判員裁判でやるべきであろう。 (文=元木昌彦)「週刊現代」5/24号
イメージダウン必至! “演歌界のプリンス”氷川きよし、げに恐ろしき裏の顔
今週の注目記事 グランプリ 「氷川きよしの『ホモセクハラ』『暴力』『創価学会強要』地獄」(「週刊文春」5/8・15号) 第2位 「安倍政権“第3の矢”頼みは原発と武器」(「週刊朝日」5/9・16号) 第3位 「ノーベル賞『山中教授』が隠していた『小保方的』実験ノート」(「週刊新潮」5/8・15号) 第4位 「シブがき隊『ふっくん』と別居したつちやかおりのW不倫」(「週刊新潮」5/8・15号) 第5位 「近藤誠『降圧剤で殺されないための5つの心得』(「週刊文春」5/08・15号) 第6位 「本誌既報通り渡辺善美やっぱり“みんなのイメルダ”と離婚していた」(「週刊文春」5/08・15号) 作家の渡辺淳一さんが亡くなった。享年80歳。自宅で療養中だと聞いていたが、残念である。銀座のバー、料亭遊び、ゴルフなどを一緒にやり、大人の遊び方を教えてもらった。 男女の究極の愛の形を描いた『失楽園』『愛の流刑地』など数多くのベストセラーを出し、随筆『鈍感力』もよく売れた。中国でも、日本の作家の中では村上春樹と並ぶベストセラー作家だった。 私は先の2作よりも、初期の作品『死化粧』『無影燈』や、高校生の頃の恋人の死について書いた『阿寒に果つ』のほうが好きである。 女を愛し、銀座を愛した。バイアグラが出たばかりの頃、私に熱心に効用と使い方について話してくれたのも懐かしい思い出である。 近年は、老いて性愛ができなくなった男の“女の愛し方”をテーマにした小説を書いていた。私にも、セックスをしなくても抱き合って寝てやれば女は喜ぶんだから、心配しなくていいんだと“慰め”てくれた。 ゴルフが終わってクラブハウスで話し込んでいるところへ川島なお美が駆けつけたことなど、懐かしい思い出である。渡辺さん、ありがとうございました。 渡辺さんからの連想ではないが、週刊ポストが「POCKET TENGA」を1万人にプレゼントしている。 「あなたはまだ素手でやっているのですか 新製品レポート これは第2次快感革命だ!!」(ポスト) マスターベーション用グッズを提案し続けるあのTENGAが、5月1日に発売した新製品だそうである。 「驚くのはその大きさと薄さ。わずか長さ135ミリ×幅80ミリ×薄さ8ミリというから、商品の見た目はポケットティッシュとほぼ同じ。名前どおりズボンのポケットに放り込める手軽なサイズとなっている。おまけに価格は、たったの198円(税別)。コーヒー1杯より安い値段で、極上の快感が手に入ってしまう」(同) オナニー界のウォークマンといわれるのだそうだ、笑える! 「しかもポケット・テンガは『捨てやすさ』も実現している。オナニーを楽しんだ後、ポケット・テンガ本体を包んでいた透明シートに挟んで外袋に戻し、外袋に貼ってある丸型シールで再び封をしてゴミ箱へ。手も汚れず、衛生的でとても簡単だ。(中略)画期的な薄さと安さを備えたこのポケット・テンガで“第2次オナニー革命”が始まるといっても、決して大袈裟ではないだろう」(同) これからはオナニーも暗い布団の中から、明るい空の下でとなるのか。女房に振り向いてもらえない中高年や彼女のいない青少年諸君! これを持って近くの土手に行って寝そべり、青い空を見て「青姦」ムードを楽しみながらオナニーしようではないか。寂しいけどね~。 さて、渡辺喜美氏の大金借入問題は、彼の政治生命を絶ちかねないものだが、みんなの党がそれについて4月24日に結果報告書を発表した中で、文春が以前報じた通り、渡辺氏と妻のまゆみさんが離婚していたという事実まで明らかになった。これが今週の6位。 文春によれば、平成24年12月5日に離婚届が渋谷区役所に提出されたとのことである。 党の調査が、2人の離婚の経緯にまで踏み込んでいるのはなぜか。政治部記者がこう解説している。 「吉田会長から借りたカネの流れに関わるからです。渡辺氏は八億円のうち五億円をまゆみ氏の個人口座に三回に分けて移しているのですが、そのうち二回は十二年十二月三日に二億円、翌年一月九日に一億円といずれも離婚とほぼ同じ時期に入金している。吉田会長からのカネがまゆみ氏への慰謝料に使われたのではないかという疑惑が出ているのです」 選挙のためと言って借りたカネが女房への慰謝料だったとしたら、政治家としても人間としても失格である。 前に書いたように、日本人間ドック学会と健康保険組合連合会(健保連)が立ち上げた共同研究事業で、約150万人に及ぶ人間ドック検診受診者の血液検査データを使って導き出した「新基準」が話題を呼んでいる。 中でも高血圧は、従来が上は130以下だったのが、147以上と大幅に“緩和”されたのだ。つまり、本来健康な人が誤った基準によって長らく病人と判定されてきたことになる。そのため、すさまじい反響があったという。 そこで文春は、長年「医療の常識を疑え」と患者に対する啓蒙を続けている医師の近藤誠氏(近藤誠がん研究所・セカンドオピニオン外来主宰)に、こう語らせている。これが5位。 「これまで、高血圧患者は実際よりはるかに多く“作られて”来ました。例えば二〇〇〇年以前の高血圧の危機基準値では、『上(収縮期血圧)は一六〇以下、下(拡張期血圧)は九五以上』だったのに、日本高血圧学会はこの基準値を『上は一三〇以下、下は八五以上』に引き下げた。これにより、二〇〇〇年以降は『上が一三〇以上で一六〇未満』の人たちが高血圧患者にされ、新たに薬を飲むことになったのです。もちろん、上の血圧が二〇〇に近いような人は血圧の低い人に比べれば確かに様々なリスクが高い。心筋梗塞や脳卒中、脳神経障害などを発症しやすいと言えます。頭痛やめまい、意識障害などの自覚症状がある場合は、速やかに治療を開始するべきでしょう。ただ、自覚症状もないのに『高血圧なので治療しましょう』と言われて薬を飲まされる人があまりにも多い。しかし、血圧を薬で一三〇まで下げるとむしろ、脳卒中などのリスクが高まるんです」 近藤氏の主張が今回の新基準で裏付けられたのではあるが、近藤氏は「本来こんな基準範囲など意識する必要はない」として、無駄な高血圧治療を受けずに済むために知っておくべきことを5つ上げている。 (1)高血圧のほうが長生きできることを知る。 「血圧の高い高齢者の方が低血圧の人より体が強く、元気なんです。寿命も長くなるはずです」(近藤氏)。実際、高血圧=長生きを示すデータもあるという。 (2)副作用の怖さを知っておく (3)血圧を下げても病気発症リスクは変わらない (4)「上が百四十七までOK」も疑え (5)検診に行かないこと そして、近藤氏はこう指摘する。 「患者や家族自身も、もっと勉強して賢くなる必要があるのかもしれません。ドクターが何を操作し、どんな指標を意図的に使い、何を“語らないのか”を知ることです。そして自覚症状がない人はあらゆる検査や人間ドックを受けないこと。これまでの基準はもちろん、新基準範囲も自分で疑って欲しい。正しい知識は受け身では得られないはずです」 私も血糖値が高いが、今度の新基準で安心して食べたり飲んだりすると……、ああ怖~ッ。健康こそ自己責任である。わかっちゃいるんだがね~。 今週の第4位。新潮のモノクログラビア「ふたりの三軒茶屋」の写真がとてもいい。 一組のカップルが、寄り添い手をつないでコインパーキングに向かっていく。女性は元シブがき隊“ふっくん”布川敏和の奥様で、元人気アイドルのつちやかおりである。 彼女は15歳の時にドラマ『3年B組金八先生』(TBS系)でデビューし、歌手としても活躍。高校時代から交際していた布川と27歳で結婚したのを機に、芸能界から引退した。 ところが芸能担当記者によれば、今から2年前、ファッション雑誌でセミヌードを披露して20年ぶりに芸能界に復帰したが、さほど話題にはならなかった。その後、バラエティ番組などで、布川の女癖や度重なる離婚危機を暴露して注目されたそうである。 昨年8月には女性誌で「離婚したければ、どうぞ。もう愛はない」と発言した。そうして、好みのタイプは「安心感がある人」と語っていた。 つちやの知人によれば、最近、布川夫妻は別居し、つちやは都内の一戸建てを借りて次女と暮らしているそうだ。そうして、港区にある某割烹の店主に入れ上げていると評判で、周囲は心配しているという。 そのウワサの店主との手つなぎ写真を撮られたのだ。つちやは文春のインタビューに答え、軽率だったと言っているが、不倫は否定した。だが、その後、つちやは会見で不倫中であることを認めた。離婚は致し方ないようだ。 同じ新潮で「これは小保方晴子博士の呪いなのか」と問いかけている。小保方博士の不正を認定した理研の調査委員会の石井俊輔委員長が、自らの論文で「画像データの切り貼りが露見」して委員長を辞任したが、今度はiPS細胞の開発でノーベル医学生理学賞を受賞し、金字塔を打ち立てた、京都大学の山中伸弥教授(51)の論文にまで「データ捏造疑惑」が浮上したのである。これが3位。 新潮によれば、疑義が生じている論文とは、山中教授が奈良先端科学技術大学院大学の助教授時代の2000年に、ドイツにある欧州分子生物学機構の学術誌「THE EMBOJOURNAL」に掲載されたもので、ES細胞の分化の過程で、生物の発生の初期段階に必要とされる「NATI」という遺伝子がどのように働き、影響を及ぼすかを調べた実験の成果をまとめた論文だという。 iPS細胞に関するものではないが、山中教授自身「ES細胞の研究を始めるきっかけになった、思い出の深い論文」と話しており、その後のiPS細胞の研究にもつながっていく重要なものだったそうである。 「この論文をめぐり、一部研究者などの間で疑惑が指摘されていたのは2点。1つ目は、実験で使うES細胞の遺伝子を解析した電気泳動の画像について、隣り合う2つのバンドの画像の類似性が極めて高いという点だ。2つ目は、各実験で得られた数値を統計処理して平均値を棒グラフ化する際に、示さなければいけない標準偏差(誤差)を表す『エラーバー』についての疑義。普通なら実験によって明白な差が生じるのに、不自然なほど長さがほぼ均一になっているという点である」(新潮) 私はこうした分野についての知識がまったくないので、これ以上は触れない。 細胞生物学に詳しい医学博士の丸山篤史氏は「真偽をはっきりさせるには、元のデータを開示して、説明するしかない」という。 小保方博士と同列の問題ではなく、山中教授が生データを示せば済むことだというのが、専門家たちの意見だった。むろん、山中教授は生データをしっかり管理しているはずとの前提だったのだが……。 こうした疑問について新潮が確かめるべく、4月28日、メールやFAXで山中教授を直撃した。そうしたところ、即日、山中教授が緊急記者会見を行ったのだ。 そこでは研究不正は全否定したが、驚くなかれ、疑惑を持たれた当の画像や生データが実験ノートなどに記録されていなかったというのだ。これでは、小保方博士同様、厳密には反証できないことになるではないかと、新潮は追及する。 しかも4月4日、医療研究の関連法案を審議する国会に参考人として山中教授が出席し、こう答弁しているのである。 「実験ノートの記録は研究不正を防ぐいい方法です。ノートを出さない人は、“不正をしているとみなす”と明言しています。書いていても、ちょっとしか書いていない人や、汚い人は、指導している」 そこで、新潮は山中教授に単独インタビューした。 「──実験データが一つもないとなると、実験自体が行われていないと思われても仕方がないのではないか。 『そう言われても仕方がない。性悪説に立脚すれば、そうなるが、そんなことをやる動機や必要がない』 ──しかし、研究者の姿勢としては問題では? 『問題があるのは、間違いありません。科学誌のエディターの判断もあるが、これがないと根本的に論文が成り立たないと認定されるなら、それこそ撤回もあり得るかもしれない』 (中略) 今や再生医療で世界のトップを走る山中教授ですら、過去に杜撰なデータ管理を行っていたのである。生命科学の世界では、ある程度、似たようなことが常態化しているのではないかと疑いたくもなろう」 近畿大学医学部病理学教室の榎木英介氏もこう指摘する。 「生データがない点で、小保方さんと山中先生の騒動は地続きの問題だと思います。これを機に膿を出し切る必要があるのではないでしょうか」 小保方騒動の余波はまだ続きそうである。 第2位は週刊朝日から、安倍首相の世界への原発売り込みと武器輸出問題についての記事。 朝日は、安倍政権は4月11日、原発を「重要なベースロード電源」と位置づけたエネルギー基本計画を閣議決定し、18日にはトルコの原発輸出を可能にする両国間の原子力協定が国会で承認され、首相肝いりの「トップセールス」が着々と実現へコマを進めていると報じる。 また、トルコのシノップの原発建設予定地の地質などの現地調査は、敦賀原発(福井県敦賀市)などを運営する日本原子力発電(日本原電)が昨年7月、11億2,000万円で受注したが、これにはカラクリがあるという。入札に参加したのは1社だけだったが、海外での原発立地の調査に実績がある国内企業は、2011年からベトナムで調査を行った日本原電だけなのだ。つまりハナから決まっていたのである。 さらに4月末には原発事故後、大手銀行、生保など金融機関が打ち切っていた東京電力への「無担保融資」約650億円が新たに再開されることも決まった。 「政府系の日本政策投資銀行が九州電力へ1千億円、北海道電力へ500億円を支援する方針も固まっています。政投銀がこの2件に融資するのは、早期の再稼働を見越しているのでしょう」(エネルギー業界関係者) 原発再稼働へ向けた“ばらまき”は、着々と行われているのだ。 朝日によれば「昨年から今年初めにかけて安倍首相が行った6回の外遊に、最大で118社、383人もの企業や団体が同行しているのだ。企業構成を見ると、原発、軍事などを扱う重工業系、商社系、電気系など30社以上がズラリと並ぶ」という。 軍事産業が首相について回ったのは、今年4月1日、武器輸出三原則を撤廃して、新たに「防衛装備移転三原則」を閣議決定したことで、輸出禁止国に該当しないなど一定の条件を満たせば原則として輸出が認められることになったから、商機ととらえているのであろう。 元経産官僚の古賀茂明氏がこう語る。 「金融緩和、財政出動に続くアベノミクスの第3の矢である成長戦略は、昨年6月の発表後に株価が暴落するなど失敗続き。円安で伸びるはずだった輸出も、家電などに国際競争力がなくなっていて期待はずれだった。政府もメーカーも、ここにきて原発と武器の輸出に頼ろうとしている。このままでは、日本は『死の商人』になってしまいます。(中略) 安倍首相の目的は、日本がかつての『列強』のように、軍事力をベースに世界に影響力を持つ国になることです。原発や武器輸出、集団的自衛権の解釈改憲、米軍との情報共有を念頭に置いた特定秘密保護法の制定など、一つひとつの動きはバラバラに見えますが、実はそうした大きな構想のもとに、日本をつくり変えようとしているのです」 なんでもかんでも、自分にペコペコしてハイハイと言うことを訊く閣僚たちの閣議決定で決めてしまう安倍首相のやり方は、到底許すわけにはいかない。 早ければ今月中にも閣議決定するといわれている集団的自衛権容認は、国論を二分する重要な問題である。本来、解散して国民に信を問うべきなのに、安倍首相は圧倒的多数を頼りにゴリ押しする腹なのだが、絶対許してはいけない。朝日新聞や東京新聞だけではなく、週刊現代や週刊朝日も巻頭で反対の声を上げようではないか。 さて、今週のグランプリは文春の氷川きよしの記事に捧げる。氷川がホモではないかということは、かつてフライデーが報じたことがあるが、今度は文春が、氷川のマネジャーだった人物に決定的な「証言」をさせている。 このマネジャーは後藤光雄氏(仮名・20代)で、昨年10月に氷川の所属する長良プロに入り、今年1月に氷川の担当になったという。彼がこう話している。 「氷川さんは自宅では女性物のTシャツにピンクのショートパンツという格好。女性用のパンティも何十枚もあり、基礎化粧品はシャネルで揃えている。私は隅々まで掃除するのが仕事ですから、そういうものも目に入る。どういう生活をしているのかと、不安に思いましたが、氷川さんは意に介していないようでした。それどころか、街中を走っている時、ガチムチ系の外国人や体育会系の男性を見かけると、車のパワーウインドウを目の高さまで下ろして、『イケメーン?』とはしゃいだりして、じっと観察していた。そういう話題の後は、『あんた、本当にノンケなの?』などと訊かれ、ストレートの私はかなり面食らいました。(中略) ある日、車内で二人きりになったとき、後部座席から身を乗り出した氷川さんが、『ねぇ、サオ(陰茎)が大きいほうがいいよねぇ』と耳元で囁くのです。『外人のって大きいよねぇ』と。正直、気持ちが悪かった。どう答えていいか分かりませんでした」 実は、4月29日付の東京スポーツが「氷川きよし恐喝被害」という見出しで、事務所が元従業員から数億円を揺すられて困っているという「一方的にも見える内容を報じた」(文春)のだ。だが事実は違うというのである。 文春、は後藤氏に接触して先のような談話をものにした。事実関係は、後藤氏は氷川によるセクハラ、暴力によってストレスがたまり、4月20日をもって職場を離れたのだ。だが現在も不眠状態が続き、都内の病院の精神科でうつ状態と診断され、服薬などの治療を続けているそうである。 「就任初日のことです。車の中で、『オトコに興味あるの?』と……。社内で噂は耳にしていましたが、本当にドキッとしました」(後藤氏) “口撃”もたびたびされたという。 「二月中旬頃には、毎日のように『死ね!』とか『この障害者』とか、罵倒されるようになったのです。氷川さんは、実はかなり口が悪く、ファンの女性のことも『ババア』と呼んでいる。あまりにえげつない“裏の顔”でした」(同) もう一つ後藤氏を追い詰めたのは、創価学会への執拗な勧誘だったそうだ。公言こそしていないが、氷川が学会員だというのは有名な話だという。13年の元日には、機関紙「聖教新聞」の一面を飾っている。 文春によれば、氷川が暴力を振るうようになった背景には、彼の才能を見出した恩師である長良プロの先代会長長良じゅん氏が一昨年他界したことがあるそうだ。 そして、4月3日の夜、氷川一行が岡山全日空ホテルにチェックインした直後に事件が起きた。 「宿泊するスイートルームのある十四階でエレベーターが停まり、私は氷川さんが降りるのを待つため、エレベーターの『開』ボタンを押そうとしたのです。すると突然、後から頭を殴られた。激痛が走りました。(中略)さらに、『そんなことはどうでもいいんだよ、おめえよぉ!』と叫びながら手にしていたペットボトルを投げつけてきた」 後藤氏は会社に窮状を伝えるための証拠にするため、暴行の様子を録音するようになっていた。文春が確認したが、このときの音声は「まさに“地獄のイジメ現場”そのものだ」ったという。 この日、後藤氏は退職を決意した。 しかし、彼が部長に送った当てつけのメールは“恐喝”と間違われかねないものだった。 「とにかく永川さんに謝罪してもらいたいという一心で、『もう絶対許せませんので、1.2億ぐらいほしいぐらいです』などという突拍子も無いメールを送ってしまったのです」 文春も「確かに後藤氏が会社に送ったメールは、恐喝と間違われかねない軽率な内容だった」と書いている。「しかし、氷川のハラスメントの事実が帳消しになるものでは決してない」(文春) 演歌を再興させた“星の王子さま”氷川きよしは、後藤氏が言っているような“暴君”なのか。芸能界ではありがちな話ではあるが、これまでの演歌歌手にはなかった清々しさを売り物にしてきた彼には、致命傷になりかねないスキャンダルではある。 (文=元木昌彦)「週刊文春」5/8・15号 中吊広告より









