タレントの峰竜太の5億円豪邸が、社会現象化しているスマホ向けゲームアプリ『ポケモンGO』の「ポケストップ」に指定されていることがわかった。 「ポケストップ」とは、駅の入り口や、石碑、案内看板などの特徴的な箇所が指定されており、プレイヤーが近づくことで、ゲームを有利に進めるためのアイテムを手に入れられるほか、この周辺にモンスターを呼び寄せることも可能。そのため、プレイヤーが周囲に集まる光景が街中でよく見られる。 24日に生放送されたバラエティ番組『アッコにおまかせ!』(TBS系)では、同番組のレギュラー出演者である峰の自宅が、「Portal House(堂々とした入り口の家)」という名の「ポケストップ」になっていることを紹介。峰本人は知らなかった様子で、「えー!」「大変だ。(プレイヤーが)来ちゃうわ」と焦っていたが、これに和田アキ子が、「峰くんのとこ大丈夫。警備員いるんだもん」と返していた。 ネット上では、「自宅は、まずいだろ」「峰ん家が、プレイヤーの集合場所になりそう」「友だちの豪邸もポケストップになってた」「楳図かずおの家もなってそう」などの声が上がっている。 「峰の自宅は、『洋館に住んでみたい』という妻・海老名美どりの希望に沿い、5億円をかけて建てられたものだといいますが、洋館というよりは、近未来的で奇抜な外観。中はエレベーター付きで、プールやトレーニングルームも完備。屋上一面が芝生で、完成時には、マスコミがこぞって取り上げ、『ポケストップ』にならずとも見物人がかなり集まりました」(芸能ライター) 『ポケモンGO』の「ポケストップ」には、2年ほど前にリリースされた『Ingress』というゲームに個人から提供された写真を使用。『Ingress』にも『ポケストップ』に似た「ポータル」という拠点があり、この2つは同じデータベースを使用しているため、位置が一致している。すなわち、峰の自宅は、『Ingress』のエージェントが「ポータル」に指定したものということになる。 現在、新しい「ポケストップ」の個人による申請は受け付けていないが、峰のように自宅付近が指定され困っている人や、危険な場所にある「ポケストップ」を発見した際などには、ナイアンティック社のサイト上にある申請フォーム(こちら)から削除申請が可能。しかし、フォームの場所がわかりにくい上、デフォルトが英語表記であるためか、あまり知られていないようだ。 峰の場合は、自宅がすでに観光地化しているだけに、人が集まることに関しては特段気にしていないかもしれない。しかし、同ゲームにはプレイ中の“歩きスマホ”をはじめ、問題点が多いことは間違いなさそうだ。
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まずマリオを出せ!? 任天堂・スマホ事業の動きにガッカリ多数も、「マリオカート」と「ポケモン」が……
日本ゲーム業界の「ガリバー」である任天堂が、インターネット企業であるDeNAと業務・資本提携を発表してから、はや半年以上が過ぎている。10月末には任天堂が年内リリースを予定していた初のスマートデバイス向けアプリ『Miitomo(ミートモ)』の発表を来年に延期したと発表し、株価が一時急落していたが……。 そもそもこの『Miitomo』は、社長の君島達己氏がいうには「ネタふりコミュニケーション」だそう。友だちの知らなかった意外な一面や、思いがけない共通点を発見できるアプリということだが、ネット上や期待していたファンの間では「マリオじゃないのか」「ゲームなのかこれは」「アメーバピグの真似事」など散々な意見ばかりが目立つ。リリース延期と合わせ、多くの人が失望を感じたということだろう。 『スーパーマリオブラザーズ』や『ゼルダの伝説』などのような、任天堂が誇るゲーム界の「最強コンテンツ」に多くの人が期待するのは当然のこと。任天堂の動きを“温存”と見る向きもあるが、不満が出るのも仕方なしか。 「『マリオ』がどうというより、ゲーム会社として『Miitomo』のようなコミュニケーションツールよりではなく、純粋なゲームを出すべきだったとは思いますね。『マリオカート』などヒット間違いなしのコンテンツがあるのに出さないのは、自社製品である『NX』『Wii U』などハード機の売上への影響を懸念して、出せないのか……何にせよ、釈然としませんね」(ゲーム記者) そもそも、任天堂はゲーム機とそれに付随するゲームソフトで確固たる地位を築いた企業だが、端的にいえばそれは開発してリリースしたらそれで“終了”ということ。一方、DeNAの主戦場であるスマホゲームは、課金率や売上に応じてスピーディに改良を重ねる必要があるという点で大きく異なる。任天堂としても今はスマホゲーム市場の“常識”をインプットしているころなのかもしれないが、一朝一夕で体制を整えることは難しいに違いない。 「DeNAとしては任天堂の、それこそマリオやゼルダなど圧倒的な知的財産を利用するという点で大きなメリットがあります。最低でも数本、任天堂がこれまで出したゲームのスマホ版をリリースさせることは間違いないでしょうね。ある程度のヒットは問題なく見込めますから」 スマホゲームの帝王である『パズドラ』のガンホーや『モンスターストライク』でV字回復を果たしたmixiも、任天堂という究極のネームバリューは当然無視できないはずだ。 ただ、どうもスマホゲームに挑戦する任天堂の姿からは、不安が消えない。 来年、株式会社ポケモンよりリリースされる、現実の街を舞台に歩き回って「ポケモン」をプレーできる、スマートフォン向けゲーム「ポケモンGO」にも任天堂が開発に参加しているが、腕時計サイズの端末を開発して「歩きスマホ」防止をアピールしているものの、それだけでトラブルを軽減できるのかと疑問の声も多い。さらに、『ニンテンドーDS』や『Wii』を生み出した天才・岩田聡社長が今年3月に没し、その後継となった三和銀行(現三菱東京UFJ銀行)出身であり、ゲーム業界としては“門外漢”の現・君島社長の手腕にも、心配な声が多いのが現状だ。 過去のヒット作を流用するだけでも、一定の結果を出せるのが想像に容易い任天堂のスマホゲーム。どうせなら、「これぞ任天堂」というゲームを開発して、DeNAとともに業界をひっくり返すところが見たい。任天堂公式サイト
競争激化するソーシャルゲーム業界の舞台裏〜失速するグリー、独自路線で参入の任天堂…
サイゾーのニュースサイト「Business Journal」の中から、ユーザーの反響の大きかった記事をピックアップしてお届けします。
「週刊ダイヤモンド」(ダイヤモンド社/7月27日号)は、『主役交代 ゲームウォーズ』という特集を組んでいる。 「ゲーム業界における『ゲームのルール』が変わりつつある。クラウドをはじめとするネットワーク環境の整備、スマートフォンやタブレットといった情報端末の技術革新と急速な普及、ソーシャルメディアの浸透によるコミュニケーションの変化と、遊びの概念の広がり……。あらゆる要素が一気に押し寄せているためだ。この波に乗って成長を遂げる新興勢力と、任天堂、ソニー・コンピュータエンタテインメントといった老舗企業の間で、熾烈な戦いが繰り広げられている」ゲーム業界に迫った特集だ。 火付け役は、ガンホー・オンライン・エンターテイメント(ガンホー)のスマートフォン(スマホ)向けゲームアプリ「パズル&ドラゴンズ(パズドラ)」だ。ガンホーは、2013年度第1四半期の売上高が前年同期比800%超、営業利益7000%超と、驚異的な飛躍を遂げ、新興企業向け株式流通市場JASDAQにおける同社の株価は上昇し、5月14日に年初来高値の163万3000円をつけた。 つづきを読むパズル&ドラゴンズ(「ガンホー・オンライン・エンターテイメント HP」より)
任天堂Wii U低迷の理由はユーザの無理解?SNSにユーザ奪われる王者の誤解
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任天堂Wii U低迷の理由はユーザの無理解?SNSにユーザ奪われる王者の誤解 - Business Journal(2月10日)
任天堂が昨年12月8日、満を持して発売した新型テレビゲーム機「Wii U(ウィー・ユー)」の売れ行きが、たった3週間で失速。おまけに主力の携帯型ゲーム機「ニンテンドー3DS」も振るわず、同社は1月30日、13年3月期連結決算の業績予想を下方修正し、営業損益が当初予想の200億円の黒字から200億円の赤字(前期は373億円の赤字)になると発表した。営業赤字は2期連続。 大阪市内で記者会見した岩田聡社長は、「有力ソフトの投入、携帯型ゲーム機とテレビゲーム機の開発部門統合による開発効率向上などにより、14年3月期は1000億円以上の営業黒字を目指す」と強調した。 だが、エースの3DSも期待のルーキー・Wii Uも販売不振は深刻。Wii Uに至っては、岩田社長が「年明け以降、勢いがない」と、思わず漏らすありさま。ゲームアナリストは「それで1000億円以上の営業黒字なんて、寝言としか思えない」と苦虫を噛み潰している。 「背水の陣」「V字回復の切り札」として投入したWii Uが、「新発売のゲーム機を求めて開店前から行列」と報じられ、任天堂社内がWii U人気に酔ったのは、たった3週間だった。 ゲーム産業リサーチのメディアクリエイトによると、最初の3週間はWii(旧型機)発売時と並ぶ勢いだったが、4週目に早くも息切れし、5週目はWiiと22万台以上の差が開いた。Wiiは6週目以降も上昇を続けたが、Wii Uは6週目から下降したという。 ゲーム関係者は「3週間のWii U人気は任天堂ファンと初物好きユーザによるもの。それでさばけたのが50万台強で、その後が続かなかった。つまり、一般のゲームユーザには、ほとんど魅力もインパクトもなかった証し」と話している。 ●売れないのは、革新性を理解できないユーザのせい? ところが、岩田社長の認識は違うようだ。 昨年12月5日、発売前の説明会で岩田社長は「新たな娯楽体験を提供できる革新的なテレビゲーム機。お客様に必ず満足していただけるはず」と、胸を張った。 Wii Uは、06年に発売して大ヒットしたWiiの後継機。タッチパネル式のモニタをコントローラに装備したのが特徴で、テレビに接続しなくても単独で遊べるのがミソ。インターネットに接続してゲームの攻略法や質問をサイトに投稿できるSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)機能「ミーバース」も初搭載、これまで弱いとされていた交流機能も強化した。 それが先月30日の記者会見では「Wii Uは既存のゲーム機に比べ、革新的な面白さが伝わりにくい」と、販売不振の要因を釈明した。見方によれば、Wii Uは「進歩的すぎた欠陥品」だったと自ら認めたことになる。 それはさておき、岩田社長は、自信作の想定外の不振は「Wii Uの革新的な面白さがユーザに伝わっていない」のが要因と考え、PR不足に苛立ちを募らせているようだ。 岩田社長は先月中旬、日本経済新聞の取材に対して、次のように答えている(以下、要点のみ)。 ・人は革新性に後から気づくものだ。携帯型ゲーム機で初めて2画面を装備したニンテンドーDSも、最初の評価は散々だった。DSは勝ち目がないと誰もが思った。だがDS Lite(DSの上位機)によって、そうした評価が覆った。すべて後から「ああ、そうだったのか」と、わかってもらえるものだ。 ・私は、家庭の中でのテレビゲーム機の在り方を変えようとWiiを開発した。このWiiを、もっと高い次元で充実させたのがWii Uだ。 ・Wiiのチャレンジは「リビングルームへ、もう一度家族全員が集まって遊ぼう」という「お茶の間復権」だった。リビングルームで家族の交流を促す「ソーシャルゲーム機」がWiiの目的だった。これに見事成功した。 ・ところが、ゲームでテレビを占有することに不満を抱える家族もいる。ゲームをしない人にとって、ゲームをする人はテレビの邪魔だから。ならば、家族がテレビを見たい時は、リビングに残ったままゲームの続きをコントローラ画面で楽しめるようにすれば、この不満を解決できる。それがWii Uのコンセプトだ。 ・テレビとコントローラ画面。2つの目をユーザに提供することで、まったく新しいゲームを体験できる。それがWii Uの革新性だ。 岩田社長はWii Uに込めた「こうしたコンセプトと革新性を、ユーザが理解できていない。だから売れない」と、思っているようだ。 これに対して、ゲームアナリストは「革新性を理解できないユーザが悪いと言わんばかりの自己陶酔的な販売不振要因分析であり、過去の成功体験にも依り過ぎている。視野狭窄に陥った岩田さんには、ゲーム市場の潮流が見えていないようだ」と批判している。 ●SNSゲームの台頭 任天堂は、テレビゲーム機という盤石のプラットホーム戦略でゲーム市場のイノベーションを先導してきたが、市場環境の変化が盤石だったはずのプラットホーム戦略をガラパゴス化させ、同社のビジネスモデルを環境変化に追随できなくさせているようだ。 ゲームの市場環境は、この5年間で激変した。テレビゲーム機は1983年の「ファミコン」登場以来、一定のパターンで成長してきた。ゲーム各社は5〜6年に1度の頻度で新型モデルを投入し、ユーザの支持を得られたベンダが高いシェアを獲得できた。 だがそれは04年までの市場環境だった。それ以降、Wii(任天堂)、プレイステーション3(ソニー・コンピュータエンタテインメント)、Xbox360(マイクロソフト)が3つ巴のシェア争いを展開している間に、市場環境が激変した。 変化の引き金になったのが、SNSのおまけのようなかたちで始まった、ソーシャルゲームの台頭とスマホの普及だった。 これらはハードを問わない汎用的なプラットホームであるため、ゲーム以外にも多様なアプリやサービスを利用できる。しかもゲームユーザにすれば、どこでも、いつでもスマホで安くゲームができる時代になったわけだ。テレビのある場所でしか遊べない不便さから解放されたといえる。 ●クローズドに固執する任天堂 一方、任天堂はクローズドなプラットホーム戦略に固執してきた。04年まではそれが同社の強みだったが、ここ数年では弱みに変化した。同社はそれに気が付かなかった。 ハードとソフトの両方を社内で磨き上げ、巧みにすり合わせた高品質のゲームを、時間をかけて完成させる。それがブランドへの信頼性を高めると同時に、他社が容易に参入できないプラットホームの城壁になっていた。ソフトも高値で飛ぶように売れた。 SNSは、その対極的なオープン型プラットホームといえる。誰でも容易に参入でき、極めて安い値段でゲームが楽しめる。当初は「安かろう、悪かろう」のソフトが氾濫していたが、技術の進化と競争の中で低品質のソフトは淘汰され、今までの常識にとらわれない斬新なソフトも生まれている。おのずとヒット作も続出している。 ゲーム業界では、プラットホームは量を絞ってピンポイント的に「質を維持する」よりも、品質にばらつきがあっても「量を抱える」ほうが、ユーザの多様なニーズに応えられるとの考え方にシフトしてきている。 こんな時代になってくると、任天堂のゲームソフトは、ガラパゴス島のソフト以外の何物でもない。 任天堂ファンを自認するハイテクニュースサイト「エンガゼット」のティム・スティーブンス編集長が、「マリオ以外に野心的なソフトがなく、取り残された気分だ」と嘆くのもうなずける。 ●ゲームのサービス化 任天堂の戦略的な誤りが、もう1つある。それは、ゲームソフトを単品売りするだけで、「サービス化」していないことだ。 ゲームソフトに限らず一般消費者向けの情報商材は、その商材データを継続的に利用し、さらにデータを加工して他の商材に再利用できる仕組みが必要だ。ところが任天堂はそうしていない。ゲームソフトは「再利用する経営資源」ではなく、「一回出荷したらそれでおしまいの、売り切りの消費財」としか考えていないからだといわれている。 同社が歯牙にもかけなかったサービス化を行っているのが、SNSやスマホのベンダだ。 例えば、健康関連ではスマホを使って運動データをネット上で管理する「RunKeeper」、NHKの健康番組『ためしてガッテン』が提供している体重を管理する「ガッテンダイエットクラブ」などがある。これはほんの一例。無料や安い料金で利用できるさまざまなサービスが、SNSやスマホでは続々と誕生している。 一度はDSで『脳トレ』『えいご漬け』など生活密着型サービスのブームを起こし、ゲームの新しいユーザ層を開拓した任天堂だが、今は任天堂のユーザがSNSやスマホの草刈り場になりつつある。 70〜80年代に中小企業のIT化を先導したオフコンは、90年代に入ると、専用機であるがゆえに汎用機のパソコンに駆逐された。この状況が、現在のゲーム市場で進行中といえる。 一般ユーザが、利便性の高い汎用プラットホームを安価に入手できるようになった現在、「ゲーム」という特定機能のプラットホームしか持たないベンダは、どう見ても競争上有利な立場にあるとはいえない。 ゲームアナリストは「任天堂は、もはやゲーム業界を代表するベンダではなくなりつつある。それどころか、今後はニッチなゲームニーズを満たすためのベンダに転落する可能性すらある」と懸念している。 それでも岩田社長は「業績不振は一過性のもの。専用機だから、SNSやスマホにない高品質でスマートで、家族で楽しめる健全なゲームを提供できる。これをお客様が理解するようになったら業績は上向く」と、クローズドなプラットホーム戦略の優位性を強調している。 (文=福井晋/フリーライター) ■おすすめ記事 ぱみゅぱみゅイッキ飲みPV騒動、芸人に忍び寄る自主規制が殺すものとは? 西川史子、ピース綾部から口説かれていたと番組内で告白する芹那に苦言 1万円じゃない?ドコモの“ややこしい”1万円タブレットは、結局買いか? アマゾン、課税&送料有料化開始とライバル・ヨドバシ浮上で迎える転換点 27人が明かすロンドン五輪競泳日本代表の裏側「任天堂 HP」より
ゲームの神様・横井軍平「枯れた技術の水平思考」が意味する、本当の“ものづくり”とは

『ものづくりのイノベーション
「枯れた技術の水平思考」とは何か?』
(P-Vine-Books)
コンシューマゲームファンにとってのXデーが近づきつつある。
その日は12月8日。世界に名をはせる任天堂が放つ、最新ゲームハード「Wii U」の日本国内発売日である(海外では先駆けて11月に発売される)。ゲーム市場全体の冷え込み、相対的に市場規模を拡大し続けるソーシャルゲームの台頭など、さまざまなニュースが関係者やゲームファンに届けられる中、果たして任天堂はどのようなゲームライフを我々に提示してくれるのだろうか。
そのように世界中が注目する今だからこそ、任天堂の次の一手に期待を寄せつつ『ものづくりのイノベーション「枯れた技術の水平思考」とは何か?』(P-Vine-Books)を読んでみてはいかがだろうか。
本書は大ヒット玩具「ウルトラハンド」に始まり、「ゲーム&ウオッチ」「ファミコン」「ゲームボーイ」といった任天堂のヒット商品を次々と考案しながらも、1997年に不慮の交通事故で他界したクリエイター・横井軍平氏がよく口にしていた発想方法「枯れた技術の水平思考」を、彼自身の言葉から読み解く発言集である。ゲームファンのみならず、技術分野・開発分野に携わる人ならこの言葉を、一度でも聞いたことがあるだろう。
「枯れた技術」=「すでに広く使用されてメリット・デメリットが明らかになっている技術」でコストを減らし、「水平思考」=「現在利用されているジャンルから離れ、まったく別のものに置き換えて使うことにより新しいものを生み出す、というこの考え方は、今や任天堂という大企業の根幹をなす思想となっている。
それを裏付けるように、家庭用ゲームが高度化・複雑化する中、任天堂はひと世代前のコンシューマゲーム機「ゲームキューブ」のアーキテクチャを応用しながらも、「家族で遊べるゲーム機」というコンシューマゲーム機の根本に立ち返った思想で設計された「Wii」や、タッチパネルという直感的な操作で老若男女問わず楽しめる「ニンテンドーDS」などを次々とヒットさせたことを記憶している読者も多いだろう(ただ、その後、ファミリー層が「ゲームファン」として定着したかどうかは別の話)。
世界一のゲームメーカー・任天堂に、今もなお多大な影響を残す横井軍平という人物が、いったいどのようなことを考え、ゲームという「ものづくり」に向き合ってきたかがうかがえる本書だが、
「本当の先端技術を使ったら売れるものはできません。娯楽の世界ではそんな高い商品は誰も買ってくれないのです」
「テレビのような受動的な機器には、そもそも立体の必要がないんじゃないですか。能動的に関わる世界ではじめて、立体であることが意味を持つんです」
など、ゲームファンのみならず、すべての「ものづくり」に携わる人々にとって多くの示唆を含んだ発言も多数収録されている点にも注目したい。
そして本書最大のポイントは、稀代の失敗ゲーム機として今もなおゲームマニアの間で語りぐさとなっている「バーチャルボーイ」の狙いについての、横井氏の発言がまとめられている点である。
かつては新機種が出るたびに、新たなエンタテインメント性を提案してきたゲーム機だが、ゲームのアイデアや内容ではなく性能勝負となってきた94~95年当時、彼が感じた閉塞感と新たな娯楽を提案せねばならないという危機感もまた、現在のコンシューマゲーム業界を先取ったものだといえる。
ゲーム機の性能競争が進むことでライトユーザーが振り落とされ、やがてゲームはマニアのものとなって先細っていく……。そんなゲーム業界の趨勢に危険性を感じた横井氏が、新たなゲームの価値観を提唱すべく誕生したのが「バーチャルボーイ」だったのだ。
バーチャルボーイを評価できなかったゲームファンに見る目がなかった、と断罪するつもりは毛頭、ない。だが、あの時……いや今も、我々はあまりにも表層的にしかゲーム、ひいては「ものづくり」というものを捉えていなかったのではないだろうか。
「ものづくり」という行為に対して物の見方をあらためて問い直し、日本が「ものづくり大国」として復権するためのヒントがちりばめられている現代のバイブル。それが本書なのだ。



