さっき『有吉反省会』に出てたゾンビ、アレ何なの!? 小明(あかり)直撃インタビュー!!

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『有吉反省会』(日本テレビ系)より
 「月刊サイゾー」連載『卑屈の国の格言』や、サイゾーテレビ『小明の副作用』などなど、サイゾーではお馴染みの小明ちゃん! サイゾーではよく見るけど、他にどんな仕事をしているのかは謎に満ちていた。そんな小明ちゃんが先日『有吉反省会』(日本テレビ系)に出演したらしいんですが、その姿が、ゾ……ゾンビ!? あまりに衝撃的だったので緊急インタビューを決行! ──すごいゾンビっぷりでしたね。 小明 見てくれたんですか? ありがとうございます~! ──一応アイドルですよね?普通の顔では出られなかったんですか?
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謎に包まれた私生活が赤裸々に!?
小明 初めは普通の顔で出る予定だったんですけど、スタッフの人に前日に「あ、ずっとゾンビで……」って言われて。 ──もう少し抵抗しましょうよ! 小明 すっぴん自信ないし……(ゾンビではないメイクの時は普通のメイクもすっぴんと呼んでいる)。 ──じゃあもうアイドルやめちゃえよ。 小明 嫌だよ!! フォトショップとか駆使して生き残ってやるよ!! (気まずい沈黙) 小明 それにしても、テレビっていろんな人が見てくれてるんですね~。 ──あ、反響はどうでしたか? 小明 昔の同級生とかから電話が…… ──あ~よかったですね~ 小明 いや、なかったんです。一件も。人気番組ですからね、誰かしらは見てたはずだと思うんです。名前も特徴的ですし、覚えている人もいたと思うんです。だから、たぶん、本当に記憶に残ってなくて見流した人と、私を覚えいていた上で、ゾンビになった私を見て、同級生同士で電話しながら「ギャハハ! あいつまじなにやってんの!」「マジ無理ー、あんなことよくできるよね、キモい」「つーかああいうキャラだっけ?」「覚えてねー」とか見下して笑いものにしてるんだろうなって思うとすごい、死ねとも思うし、死にたくとなりました。 ──学生時代、友達いたんですか? 小明 ……(無言でうつむく)。 ──それでも、ゾンビはやめられないんですか? 小明 ゾンビに罪はないし……(?)というか、ゾンビじゃなく地上波に出られない? 地上波対応無理だから、シャイだから、私。 ──そのメンタルでゾンビを続けるのはキツイんじゃ…… 小明 すっぴんでテレビに出るよりはぜんぜんマシですよ! ゾンビで「グロ」って書かれるのは誉め言葉だけど、フルメークで出て「グロ」って書かれてごらんよ。2年は家から出られないよ。 ──すっぴんグロいんですか?
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アラサートークに、はにかむ小明
小明 まぁ……老け顔のアラサーって感じ……道で薬中と間違われて職質くらうレベル……。 ──それは、けっこうですね。なんでアイドルになろうと思ったんですか。 小明 昔はかわいかったんだよ。 ──で、今回はグラビアを自分で撮ってきたそうじゃないですか。どういうつもりでそんな無茶を。 小明 来年でなぁ……もう29でなぁ……アイドルはじめてもう11年かぁと思ってなぁ……そろそろ重い腰を上げんとなぁという気持ちになって、スタジオ、カメラマン、メイク、スタイリスト、お友だち価格ではありますが、全部自腹で呼んだんです。 ──本気度が伝わってきます。
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本気度が伝わるグラビア
小明 最初は自費出版で写真集でもつくるか~と思ってたんですけど、収録で有吉さんに「胸を出しちゃえば」ってアドバイスをいただいたので、私はがっかりおっぱいだから尻でも出すか、と尻を強調してきたよ。ただね、尻も汚いの……。 ──あんた……いいとこないじゃないですか! 小明 (無視して)でも、久しぶりに本気のグラビアを撮ってみたのよ。私のグラビアアイドルとしての可能性はまだ無限に広がってるんじゃないかと思って。
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尻を強調した
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胸も少し
──でも、グラビアで売れなかったから事務所をやめたんですよね? 小明 うん、でももう熟れてきたから始めなきゃと思って。売れなかったけど、熟れてきたから(ドヤ)。 ──10年遅いよ! 撮影後、写真を見てみてどうでした? 小明 愕然としましたね。一流のスタッフを揃えたのにこれか、と。そういえばメイクさんもスタイリストさんもカメラマンも、なんどか「あれ~?」みたいに小首傾げてましたもん。撮ってる最中は「失礼な奴だな」と思ってましたけど、出来上がりをみると「あ~」って。納得ができた。 ──お気の毒さまです(スタッフが)。 小明 一流の人たちは、やっぱり余分なところにまったく肉とか乗ってないですからね。私の場合、ぶよんぶよん。ぽっちゃりで売るなら巨乳じゃなきゃいけないはずなのに、胸はないの。現役時代はまだ胸はあったし、もう少し細かったから、まぁ明らかに劣化してるよね。人に見せてないせいかなぁ。人に見せてない=清純って解釈されて許されないかなぁ。あ、「今! 劣化するアイドル!」ってキャッチはどう? ──いま会えるアイドル見たいに言わないでください。そんなに気にするならダイエットしようとは思わなかったんですか? 小明 しましたよー!! 食生活改善して運動もして、我ながらかなり引き締まったな、と思って撮影に挑んだら「あ、まだまだだった……!」って。己の体のだらしなさにびっくりしましたね。でも、ホラ、安達祐実さんのヌードも、垂れたお腹がエロかったりするし、そういう目で見てもらえればエロスなんじゃないかな(ニコッ)。 ──安達祐実さんは経産婦だからたるみがあるんですよ。あんたいつ産んだのよ。 小明 生産性のない人生でございます。
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生産性のない肢体
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サブカルっぽくキメた
──そのグラビア写真、これからどうすんの? 小明 どうしようかと思って、持ってきた。サイゾー本誌の表紙にしてくれていいですよ。 ──……(沈黙) 小明 じゃあ、中ページでもいいよ。 ──ちょっと、決定権がないんで……。もうページも埋まってますし……。 小明 じゃあ誰か原稿落とせ!! そしたらページあるだろ!!(迫真) ――年末進行中に何言ってるんですか!? 小明さんこそ早く原稿あげてください! 締め切り来週ですけど今どのくらいな…… 小明 アーーアーー(白目で耳を塞ぐ)。じゃあさ、とりあえず、ここに数枚載せてもらってさ、それでもまだグラビアはもっと激しいのが色々と残ってますんで、「うちに載せてやってもいいよ!」って出版業界の方、連絡ください☆ アイドルが直々に持って行きます☆ 撮り下ろしも大歓迎~! ――これで満足っすか。 小明 まぁまぁね。あとは、自分磨きをしながら連絡待ちですかね。連絡くるかなぁ。遅咲きで狂い咲きたいです……。 ──ところで。いつも家で何してるんですか? 自分磨き? 小明 家では忙しいんですよー。まずスマホでまとめサイトの巡回しなくちゃいけないし、自分探し(という名目の、ツイッター自分検索でファンや昔の同級生をストーキングして、脳内でオフ会や同窓会を開くなど、有意義な時間を過ごすこと)にも余念がないし、ネットストーキングで悪い気をため込んだ後はデトックスでお昼寝や半身浴もしなきゃいけないし…… ──ただゴロゴロして太っていくだけの人生……? 小明 言うなれば、ゴミだよね! ──自覚があるならなんとか改善できるんじゃないですかね。 小明 でも、私は、ゴミの中でも愛されるゴミになりたいから。 ――……わかりました。最後に一言意気込みを! 小明 ゾンビ・グラビアアイドルの小明です! これからグラビアに再チャレンジするから、お前ら全員私で勃起しろ!!! あと洋泉社から発売された『アイドル墜落日記』が、装いも新たにページも増量されて発売されるので、魔除けと思って4冊くらい買ってください☆ お仕事待ってます☆ 独身です☆ 戸籍も空いてます☆ よろしくお願いいたしまーす☆ ――ぜんぶ告知でしたね、どうもありがとうございました! (インタビュー取材・構成・文=小明/撮影=尾藤能暢・北村ヂン/ヘアメイク=梁取亜湖/スタイリスト=吉岡里沙) ●小明(あかり)アイドル・ライター 2002年に『ホットドック・プレス』の準グランプリを受賞し、華やかにグラビアデビューするも即低迷。事務所を退社し、雑誌でコラムを書いたり連載したり、ネットテレビに出たり、ゾンビになったりして細々活動していたところを『有吉反省会』に拾われる。これからの人生どうしたらいいのかわからない。 ○出演情報 サイゾーテレビ『小明の副作用』隔週木曜22時~23時生放送! 次回はクリスマスイブ、12月24日の22時からです! メルマガ会員の方にはそこそこ高額なプレゼント企画があるので見てね! その他、出演情報はブログ『小明の秘話』(http://yaplog.jp/benijake148/)や、ツイッター(https://twitter.com/akarusan)でチェック! ○連載情報 『月刊サイゾー』にて「卑屈の国の格言禄」連載中 『日刊サイゾー』にて宍戸留美さんと『声優 on FINDER!』連載中 『アームズマガジン』にて「小明の神聖キネマ帝國」連載中 『月刊少年シリウス』にて「小明のアイドル地獄変」連載中 ○著書 『アイドル墜落日記』が増量されて装いも新たに来月発売。アマゾンで予約開始!

「魅力度最下位だけど、住むにはいい場所!」ボクたちが“未開の地・グンマー”を愛するワケ

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(c)2013 SHINCHOSHA
 ここ数年、「未開の地・グンマー」などと呼ばれてやたらとネット上でバカにされ、ネタになっている群馬県。しかも2012年の「都道府県魅力度ランキング」では魅力度最下位、さらに化粧品メーカーのポーラが発表した「美肌県グランプリ」でも最下位になってしまったりと、踏んだり蹴ったりの状態なのだ。  しかし、今年の夏の甲子園では前橋育英高校が優勝。群馬のゆるキャラ「ぐんまちゃん」も「ゆるキャラグランプリ2013」で3位に入賞。サブカル方面でも『群馬のおきて~グンマーを楽しむための52のおきて』(アース・スターエンターテイメント)という本が出版されたり、新潮社のWebマンガサイト「くらげ バンチ」で掲載中の漫画『お前はまだグンマを知らない』が話題になったりと、意外なところで注目度が高まっていることも事実。  ……ということで、残念ながら「地味でビミョーな県」というポジションが定着しつつある群馬県をどーにかするために(?)、『群馬のおきて』の作者・北村ヂンと、『お前はまだグンマを知らない』の作者・井田ヒロトによるグンマーサミットを開催! どうしたら群馬県は魅力度あふれる県になれるんでしょうか!? ■外に出てみないとよさが分からない県 北村 群馬をネタにして本や漫画を描いている2人、という対談なんですが、井田さんとボクの群馬との関わり方って逆なんですよね。ボクは出身が群馬で現在は東京に住んでいるんですが、井田さんは外から群馬にやって来たんですよね。 井田 そうですね。神奈川生まれなんですけど、それから父親の仕事の都合で千葉に行ったり引っ越しをしまくっていて、最終的に中学に上がる時に群馬の高崎へやって来たという感じです。 北村 群馬には、引っ越してすぐに馴染めました? 井田 怖かったですね。それまで千葉県のすごい過疎地に住んでいたんで、高崎に来て「ウワッ都会!」って思いましたもん。 北村 都会!? 群馬が! 井田 引っ越してきたのが、高崎競馬場のすぐ近くだったもんで。 北村 ああ、今はなき高崎競馬場! ボクは逆に、子どもの頃から「こんな田舎イヤだー!」と思い続けていて、大学進学と同時に東京に逃げたタイプなんです。 井田 確かに、生まれてからずっと群馬にいて「群馬が好き」っていう人って少ないような気がします。一回外に出てみないとよさが分からないというか……。自分も、大人になってから群馬を出て、東京に一年住んでみたり、埼玉に一年住んでみたり、韓国に一年住んでみたり、フラフラしていた時期があったんですけど、「そろそろ腰を落ち着けて漫画を描こう」と思って群馬に帰ってきてから、「群馬いいところだな」って感じましたから。 北村 ボクも普段は仕事で日本全国を回って珍スポットや奇祭などを取材しているんですが、群馬に関しては「もう知ってるから」ということでわりとノーマークだったんですよ。でも、いろんな県を見てきて、あらためて群馬を振り返ってみたら一番変わってて面白い県だなって思いましたね。
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(c)2013 SHINCHOSHA
■「グンマー」ネタに怒ってる群馬県民はいない 北村 で、最近ネットでは「グンマー」なんて呼ばれてネタにされ、ある意味、認知度が高まっている群馬ですけど、あのネタに関してはどう思いますか? 井田 ちょっと前までは、そのポジションが埼玉県だったじゃないですか。「ダサイタマ」って呼ばれたり、「さいたまさいたま!」みたいなアスキーアートがはやったりして。アレがうらやましかったんですよ。全国の人たちと、自分の地元ネタで盛り上がれるっていうのが。 北村 あ、じゃあ「グンマー」とか言われだした時はうれしかった? 井田 そうですね。ただ、何がきっかけだったんだろうっていうのは、不思議でしたけど。 北村 2010年頃、2ちゃんに書き込まれた「顔の濃い群馬県民が職質された」というネタが最初らしいですけどね。「どこから来たの?」「……ぐんま」「ミャンマー?」「ぐんま」「グンマーね。ビザは持ってるの?」みたいな。 井田 天気予報の最高気温が、群馬だけなぜか誤植で56度とかになってる……みたいな画像も出回りましたよね。それから、明らかなアフリカの画像に「グンマー」って文字を入れるネタがはやりだしたんですかね? 北村 今、Googleの画像検索で、普通に漢字で「群馬」って検索しても、アフリカの画像ばっかり出てきますから(笑)。冷静に考えると結構ひどい画像ばっかなんですけど、「グンマー」ネタに対して怒ってる群馬県民って、全然いないと思いませんか? 井田 いないですね。やっぱり、もともと自分の地元に対してあんまり自信を持ってないから、ネタであっても、いじってもらえたらうれしいと思ってるんじゃないですかね。「こんなネタ、ひどい!」とか言ってる人って、たいがい県外の人ですもん。 北村 福岡県の人は、「修羅の国・福岡」ってネタにされて怒ってましたけどね。 井田 ええーっ、格好いいじゃないですか、修羅の国! 世紀末の世界で巨大な馬に乗って「ヒャッハー!」みたいな(笑)。まあ、福岡くらいメジャーな名物がいっぱいある県になると、地元に対するプライドも高いでしょうから、ネタにされると怒っちゃうんでしょうね。
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北村 群馬県は他県民に誇れるような名物、あんまりないですからねぇ……。ボクも東京の友達から「群馬に行くとしたら、どこがオススメ?」とか聞かれても「行かないほうがいいんじゃない?」とか答えちゃいますもん。 井田 ええーっ! 北村 群馬の観光地って、自動車持ってること前提な場所ばっかりだから、電車で旅行しに行く人にはオススメしづらいんですよ。 井田 あー、電車で旅行するのはムリですね。 北村 だから、テキトーに「温泉じゃない?」とか言っちゃうの。 井田 「群馬の観光地といったら温泉!」ってイメージは強いですけど、温泉なんて全国どこにでもありますからね……。個人的には「高崎白衣大観音」とか、陸軍火薬製造所跡地の「群馬の森」なんかをオススメしたいんですけど、やっぱり好き嫌いが分かれるスポットなんで……群馬って、誰にでも愛される土地ではないですね。
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■「実は群馬は軍事国家だった!」という妄想 北村 そんな、他県に向けて自慢するものが乏しい群馬県ですけど、2012年の「都道府県魅力度ランキング」で最下位になってしまいまして……。 井田 最下位は最下位で、おいしいと思いますけどね。 北村 そうなんですよ! ……ということで「魅力度最下位というのをネタにして笑っちゃおう」と思い、群馬の自虐ネタ&あるあるネタを集めた『群馬のおきて』という本を出版したんですが、井田さんが『お前はまだグンマを知らない』という漫画を描こうと思ったきっかけって、なんだったんですか? 井田 以前から漠然と「群馬の漫画を描きたいな……」とは思っていたんですよ。でも、ただ単に舞台が群馬という漫画を描いてもあんまり意味がないので「どういう形にするのがいいかな?」と保留していたんですが、「@バンチ」という雑誌で『誰かカフカを守って』という漫画を連載していた時に、おまけのページでコラムを書かせてもらえることになったんです。そこで『一分間だけ、群馬を語る。』という1ページ漫画を描くことにして、陸軍の航空機を開発していた「中島飛行機」だったり、「高崎白衣大観音」だったりを紹介していたんです。 北村 はー、その頃から群馬ネタを。 井田 で、それがエスカレートしてきて「群馬にコレとコレがあるってことは、裏にこんな陰謀があってもおかしくないんじゃないか……」みたいな陰謀論を交えた妄想を広げて、「実は群馬は軍事国家だった!」という妄想設定の『お前はまだグンマを知らない』というネット漫画を連載することになったんです。 北村 あ、今後そういう展開になる予定なんですか? 井田 今のところは、ネット上での「グンマー」ネタや、あるあるネタみたいなものを取り上げてますけど、それだけをやりたいワケじゃないんで、どんどん妄想の「グンマ」を広げていきたいですね。ネット上のネタだけを扱ってても、すぐにネタ切れちゃいますし。 北村 まあ、ネット上での「グンマー」って、だいたいアフリカのことですからね。 井田 わりとメチャクチャ描いてるのに、群馬の人たちがTwitterで「だいたい合ってる」って、つぶやいてるからうれしいです(笑)。 北村 合ってないですよ! 井田 一応、「ここからここまでは本当の情報で、ここからは井田の妄想ですよ」っていうのを、ちゃんと説明できるようにはしようと思っているんですけどね。たとえば、第4話で「グンマ大学の研究チームが2004年にまとめた研究結果によると、グンマ人の肉体のおおよそ0.0024%が焼きまんじゅうと同じ成分で構成されていたという」というネタが出てくるんですけど、そこには「上毛民報社『焼きまんじゅう文化史1』参照」というように『魁!!男塾』の「民明書房」みたいな出典が書いてあるんで、「ああ、これは妄想なんだな」って分かるという。 北村 逆に分かりづらいですよ! 子どもの頃は「民明書房」も本当にあるんじゃないかって思ってましたよ。 井田 ゴルフの起源が「呉 竜府(ご りゅうふ)」だなんて、ちょっと考えればウソだって分かるじゃないですか!(「ゴルフの起源は中国の呉竜府が考案した説が支配的である」という、代表的な「民明書房ネタ」。間違ってる! と出版社に抗議した人もいたとか) 北村 それも信じてたんですよ、子どもってバカだから! 井田 まあ、漫画に出てくるのはあくまで「グンマ」なんで……。こちらの脳内で妄想が広がった「グンマ」だということでご理解いただければ。たまに間違えて「群馬」って書いちゃうんですけどね。
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■住むのにはいい! ……観光はあきらめる 北村 一応、編集部からは「どうやったら群馬が盛り上がるか? みたいなことも話し合ってくれ」と言われているんですが……この県は、どうしたらいいんですかねぇ? 井田 来年、「富岡製糸場」が世界遺産に登録される可能性があるらしいんで、県としてはそれをイチオシにしてって考えているみたいですけど……。正直、富岡製糸場の地域は閑静なところなので、あそこに観光客が増えても群馬全体は潤わないと思うんですよね。 北村 また鉄道の便が悪いから、ピンポイントで富岡製糸場に行ったとしても、別の観光スポットにまでは寄ってくれそうにないですし。群馬って、全体的に交通機関のつくり方が間違ってますよね。そもそも高崎駅に新幹線が来てるのに、どうして県庁所在地である前橋駅に新幹線が通ってないんだと。 井田 おかげで前橋駅なんて、めったに行く機会がないですからね。 北村 駅前、県庁所在地だと思えないくらいに荒廃していますよ。2012年に「エキータ」という、「駅の北にあるから……」って最低なネーミングセンスの商業施設がオープンしたんですが、この間行ったら、そこの目玉だったハズの「味の駅」が早くも潰れてて、廃墟みたいになってましたから! 井田 いっそのこと、前橋市と高崎市が合併しちゃえばいいんですけどね。 北村 確かに、そうなったら人口70万人以上の北関東ナンバー1都市になれるんですけどね……でも、前橋と高崎って、メチャクチャ仲が悪いのでまずムリでしょうね。 井田 かつて両市の間で県庁の誘致合戦とかがあったとは聞いてますけど、ホントにそんなに確執があるんですか? 北村 ありますよ! ボクの通ってた前橋高校と高崎高校なんて、昔は利根川を挟んで石を投げ合ってたらしいですもん。 井田 そんな都市間抗争の代理戦争みたいなことを! 北村 で、「さすがに危ないから運動で決着をつけよう」ということで、毎年「定期戦」という対抗運動会をやるようになったんですが、前橋高校はクリーム色のジャージを着ているんで「豚ジャージ」、高崎高校は観音山にあるから「山猿」と、お互いを罵り合うという。 井田 それじゃあ合併は不可能ですね。……でもまあ、群馬って、台風も地震もめったに被害がないし、海なし県だから水害の心配もないし、住むのにはいい場所だと思いますよ。 北村 確かに。しかも前橋は、全都道府県庁所在地の中で一番地価が安いらしいですからね。関東なのに……。 井田 東京からも近いし、結構便利だぞ、みんな! 北村 じゃあ、観光で盛り上げるのはあきらめて、定住者を増やす作戦で……。まあ、アーティストやフリーランスの人なんかを誘致したら、地価や物価も安くて住みやすいし、新幹線なら東京にもすぐ出られるし、喜びそうですよね。 井田 浅間山の噴火だけが若干心配ですけど、家を建てるなら群馬一択でしょう! 北村 そういう意味では、「安中榛名」をオススメしたいですね。ムリヤリ新幹線駅を造ったものの、利用者がほとんどいなくて「秘境駅」なんて呼ばれているらしいんで、家賃や地価もメチャクチャ安いはずですよ。しかも、東京まで60分で行けますから! 井田 ああ、いいですねぇ。 北村 まあ、新幹線しか走ってない駅なんで、隣駅の高崎や軽井沢まで10分で行けるものの、運賃は2000円以上かかりますけど……。 ●『おまはまだグンマを知らない』は『くらげバンチ』(新潮社)にてほぼ週刊連載中!(毎週金曜日更新、完全無料) <http://www.kurage-bunch.com/

園子温、入江悠に続く“第三の男”鈴木太一監督、キンコメ今野が明かす性格破綻ぶりがすごすぎる!

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『くそガキの告白』の主演俳優・今野浩喜と鈴木太一監督が1時間にわたってトークセッション。映画の話題からどんどん脱線して、人気監督への妬みが爆発することに。
 1本の映画を完成させ、劇場公開を果たしたことで人生が大きく変わった男がいる。『くそガキの告白』(12)でデビューを飾った鈴木太一監督だ。低予算ながら映画製作への狂おしい情熱をブチまけた荒削りな内容が評判となり、「2012年ゆうばり国際ファンタスティック映画祭」で史上初となる4冠受賞、さらにテアトル新宿での公開初日は大入り満員でスタートした。『くそガキ』の評判は業界で広まり、鈴木太一監督は人気ドラマ『みんな!エスパーだよ!』(テレビ東京系)で園子温、入江悠に続く3番手のディレクターに抜擢されるに至った。一介のフリーターから大出世ではないか。『くそガキ』に主演したキングオブコメディの今野浩喜も俳優としての力量を認められ、テレビドラマや舞台に引っ張りだこ。映画を撮ったら人生変わった!? 『くそガキ』のDVDリリースにあたり、鈴木太一監督とキンコメ今野が『くそガキ』がもたらした現状を赤裸々に語った。 ──本日は鈴木太一監督とキンコメ今野さんに、“映画を撮ったら人生変わった!?”というテーマで語り合ってもらおうと思います。 鈴木 どこかで聞いたことのあるフレーズですね。映画を撮ったら人生変わったか? う~ん、何も変わってませんね。 今野 もう結論出しちゃうの(笑)。対談、1分足らずで終わっちゃったじゃないですか。 鈴木 あぁ、そうか。じゃあ、今日はじっくり語り合いましょう! 『くそガキ』が公開された2012年は、僕にとって最高の1年でしたね。「ゆうばり」で賞をもらって、テアトル新宿で劇場公開されて。僕の映画監督としてのピークだったと思うので、あとはもうそこから落ちていくだけです。 今野 なるべく、ゆるやかにね(笑)。でも太一さん、2013年は仕事がバンバン入ったんでしょ? 鈴木 2013年はね。忙しくて、バイトに行けなくなっちゃった。 ──バイト生活からの卒業。人生変わったと言っていいんじゃないですか? 鈴木 2013年は忙しかったけど、2014年の予定はまるで決まってない。『くそガキ』の劇場収益は僕がひとり占めできるものでもないし。バイトはせずに済んでいるけど、相変わらずギリギリの生活だよ。 今野 『くそガキ』を撮るために、親から借りた借金は返したんですか? 太一 母親から借りたお金は返したけど、ほかにも借金があって、まだ20万円くらい残ってる。だから、DVDが売れてくれないと困るんだよ。 ──今野さん、実績のない無名監督のデビュー作によく出演OKしましたねぇ。 今野 太一さんのこと知らないし、どういう映画なのか分からずに出演してしまったんです。事務所に「映画主演の話がきてるよ」と言われて、とりあえずどんな内容なのかプロットを送ってもらったんです。『ニコニコキングオブコメディ』の収録のときにプロット渡されて、読むのが面倒くさかったんで、番組の女性スタッフに「読んで感想聞かせて」って頼んだんです。そうしたら「今野さん、キスシーンがありますよ!」って。それが決め手でしたね(笑)。あと、もうひとつ理由を挙げるとすれば、自分のプロフィール欄に「主演男優賞受賞」って欲しかったんです。 ──なんと、賞狙いでの出演だった! 今野 えぇ、まぁ。主演男優賞をもらうには、まず映画に主演しなくちゃいけませんからね。
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『くそガキ』のラストシーンは撮影当日の朝、修正台本が渡された。「セリフが多くて、僕も田代さやかさんも大変だった。でも、太一さんが徹夜で粘って書き直してよかった。キスを振りに使った、斬新なコメディシーンに仕上がったと思います」と今野は振り返る。
──今野さんは『ちょんまげぷりん』(10)や『高校デビュー』(11)で脇役ながらイイ味を出していましたが、主演となると背負うものが違った? 今野 そうですね。『くそガキ』に主演するまでは、お笑い界の人間が映画の世界にゲスト出演しにいくって感じで、自分でも軽さを意識していたんです。でも、『くそガキ』では主演の重荷を一度背負ってみようかと。いや、しかし想像以上に大変な現場でした、『くそガキ』は。 ──太一監督は、撮影現場をまるで仕切らなかったそうですね。 鈴木 いやいや、俺に仕切らせたら大したもんですよ。俺が本気で現場を仕切ったら、大変なことになりますよ。 今野 それ長州力のマネですか? ちゃんと仕切ってから言ってくださいよ! 残念なことに、自分のことだけ考えていればいいっていう現場じゃなかったんです。こんな現場は他ではちょっとないですねぇ(苦笑)。 鈴木 今野さんが主演じゃなかったら『くそガキ』は完成してなかった。というか、映画そのものが存在してなかったと思う。 今野 とか言いながら、実は、僕は第一候補じゃなかったんですよね。知り合いの俳優にみんな断られたから、僕のところに持ってきたんでしょ? 鈴木 いやいや、最初はもっとこぢんまりとした自主映画のつもりで、知り合いの役者に声を掛けたんだけど、2人続けて断られてしまって。ほんと今野さんが演じてくれてよかった。誰も引き受けてくれなかった場合、フェイクドキュメンタリーとして、自分がカメラ持って出るつもりでしたから。 今野 じゃあ、自分で主人公を演じて、ヒロイン役の田代さやかさんにキスを迫るつもりだったの? 鈴木 いやいや、それは違う! 違う! フェイクドキュメンタリーとして考えていたときは、まだラストはキスシーンにしようとは考えてなかったから。自分が演じてのキスシーンは気持ち悪いですよ。キスシーンを思いついたんで、ちゃんとしたプロに演じてもらおうと考え直したんです。今野さんと田代さんに出てもらって、本当によかった。2人に出てもらったことで自主映画ではなく、外に開かれた映画になりましたからね。 ■園子温は憧れの存在、入江悠は嫉妬する存在 ──『みんな!エスパーだよ!』では、田代さんが第5話でゲスト出演していましたね。田代さんともう一度仕事をしようと太一監督から声を掛けたわけですか? 鈴木 『くそガキ』で熱演してくれた主演の2人には、どちらにも出てほしかった。今野さんにも、出てもらうつもりだったんです。第5話で、『みんな!エスパーだよ!』の舞台となっている愛知県豊橋市に高倉健級のスーパースターがやってきて、女子高生みんなでパンチラを見せるシーンがあったんですが、そのスーパースター役に今野さんを考えていたんです。でも台本が長くなってしまって、物語と関係ないシーンなのでカットせざるを得なかったんです。 今野 そんな無理やりなシーン、そりゃカットされるでしょ(笑)。 鈴木 う~ん、スーパースター役は誰かということは、台本では伏せてたんだけど。 ──そもそも『みんな!エスパーだよ!』に園子温、入江悠に続く“第三の男”として呼ばれた経緯を教えてくださいよ。 鈴木 第三の男……。まぁ、そうか。プロデューサーに以前、『くそガキ』がきっかけで携帯ドラマの仕事に呼んでいただいたんです。それが好評だったということなんですが、やっぱり1本、長編映画を撮っていることで映画監督という肩書ができたのは大きかったです。そうじゃなかったら、ただのフリーターでしたから。『みんな!エスパーだよ!』では、園監督にいろいろお世話になりました。ロケハンの際に一緒にお酒も飲めたし、第1話とかの撮影現場も見せてもらった。園さん、酒を飲んで暴れる人かと思っていたけど、すごく気を配る人だった。あれだけオリジナリティーのある脚本で常に挑戦していて、ヒットもする。今の日本の映画界にあって、園さんは特別な存在ですね。 今野 園監督が特別な存在なら、太一監督は特殊な存在(笑)。
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実家暮らしのフリーター生活が続いていた鈴木太一監督だが、『くそガキ』の劇場公開後、『みんな!エスパーだよ!』のディレクターに抜擢された。「ずっとバイトを休んでいたら、行けなくなってしまった(苦笑)。2014年は何とか新作を撮りたい」と語る。
──特別 vs.特殊。ある意味、いい勝負ですね。「俺も将来は女優を嫁にするぞ~!」とか野心に火が点いたりした? 鈴木 いや、園さんに対しては素直に「ご結婚、おめでとうございます!」と言えますけど、ほかの監督たちが女優と結婚したなんて話を聞くと、印象悪いですね。なんかスカした感じがするんですよね。監督は女優を狙っている、みたいな目で自分も見られているかと思うと、イヤになりますよ。 今野 自分だって女優と付き合うことがあるかも知れないんだから、あんまりほかの監督のことを口撃しないほうがいいんじゃない? 鈴木 いや、自分は絶対無理だから。でも、気になるじゃないですか。一体、どういうタイミングで女優と仲良くなったのかなぁとか……。 ──やっぱり気になるんですね(笑)。『SRサイタマノラッパー』(09)の入江悠監督も気になる存在? 鈴木 まぁ、言ってみれば僕がもっとも憧れる存在が園さんで、最も嫉妬する存在が入江悠ですね。映画監督として悶々としている自分の状況を、『SRサイタマノラッパー』という映画に全部込めて一気にブレークした。入江悠という存在にはやっぱり刺激を受けます。最近の日本映画界で自主映画から最も成功した男なので、自主映画出身の若手はみんな、心のどこかに「打倒! 入江悠」があると思いますよ。 今野 『SRサイタマノラッパー』の宣伝方法を、『くそガキ』はまんま真似しましたしね。『くそガキ』のちらし配りまで手伝ってくれたし。 鈴木 『SRサイタマノラッパー ロードサイドの逃亡者』(12)と『くそガキ』の公開時期が近かったんです。それで『SR』のボランティアスタッフだけでなく、主演のマイティー(奥野瑛太)も一緒に『くそガキ』のちらしを配ってくれた。そのときは、入江悠はいなかったけど。 ──年下の入江監督のことを、めちゃめちゃ意識してますね。 鈴木 彼はね、作品だけじゃなくて、普段からかっこいいんですよ。『みんな!エスパーだよ!』で入江組の撮影が終わり、続けて僕が撮影に入ったこともあって、若い俳優たちと一緒に飲む機会があったんですが、彼は若い俳優たちの分まで飲み代をサッと出すんですよ。それが、すごくかっこいいんですよ。こっちは財布にあんまりお金が入ってなくて……。「あっ、支払いは?」と聞いたら、「もう、入江さんが払ってくれましたよ」とか助監督に言われると、俺は一体どんな顔をすればいいんだと思ってしまうわけですよ。 今野 映画じゃなくて、いつの間にか飲み会の支払いが話題になってますよ(笑)。 ■ダメ監督が愛されるその理由とは……? ──今野さんは『くそガキ』に主演したことで、人生変わりましたか? 今野 『くそガキ』に主演した後、テレビドラマや舞台の仕事が確実に増えましたね。それで現場に行くと、『くそガキ』見たよって声を掛けられるんです。何気に太一監督がマメにプロモーション活動してきたのが、今になって効いてきてますね。映画をつくっている時間より、ちらし配っていた期間のほうが長かったですもんね。 鈴木 そうね。撮影は1週間だったけど、ちらしは劇場公開の1カ月前から配り続けてきたから。主要な新聞社には直接、売り込みに行ったし。まぁ、記事にしてくれなかった新聞社も多かったけど。 今野 田代さんの所属するホリプロに出演交渉しただけじゃなくて、AKB48の仲川遥香さんも太一監督が自分でキャスティングしたわけでしょ。素人の怖いもの知らずのパワーはすごい。 鈴木 仲川さんの事務所からは作品内容じゃなくて「お金は出るんですか?」と疑われてしまった。 今野 そりゃ、疑われますよ。それが普通のリアクションだと思いますよ。でも仲川さん、今はJKT48のセンターでしょ。『くそガキ』のDVD、ジャカルタに持っていけば売れますよ~。 鈴木 そうか、ジャカルタかぁ。インドネシアなら、まだ進出の余地がありそう。早く行ったもんがちだな。 今野 DVDのジャケットを作り替えて、仲川遥香主演作と称すればすっごい売れるんじゃないですか(笑)。 ──では最後に、DVDリリースされる『くそガキの告白』のPRで締めてください。 今野 DVDはまだ見てないんだけど、特典とかあるんですかね? 鈴木 今野さん、田代さん、撮影の福田陽平さん、俺の4人でやった裏話満載の副音声に、メイキング映像、ラストのキスシーンのロングバージョンが付いてくる。それに初回限定として、『くそガキの告白』という題名になる前の初稿段階のシナリオ『俺』が封入される。 今野 あぁ、最後に一方的にキスを迫るひどいエンディングのやつだ。 鈴木 うん、完成された最終形のシナリオは読む機会あると思うけど、いちばん最初の原型のものを見る機会はそうないんじゃないかな。 今野 こんなシナリオで見切り発車しても、どうにかなるもんだといういい見本でしょうね。ほんと、太一監督って、みんなに生きる勇気と希望を与えていると思いますよ~(笑)。 (取材・構成=長野辰次) 『くそガキの告白』
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(c)SUMIWOOD FILMS&Taichi Suzuki
園子温監督が「本気で嫉妬した!」と評した恋愛コメディ映画がついにDVD化。いつまでも映画が撮れずにいるダメ男・馬場大輔(今野浩喜)と売れない崖っぷち女優・桃子(田代さやか)との伝説のキスシーンが甦る! 監督・脚本/鈴木太一 撮影/福田陽平 主題歌/太陽族「YOU」 出演/今野浩喜、田代さやか、辻岡正人、今井りか、仲川遥香、高橋健一、石井トミコほか http://kuso-gaki.com ■ 12月3日よりDVDリリース。発売元:日活 販売元:ハピネット 価格:3990円 特典映像:メイキング映像「今野の告白」、キスシーンのロングバージョン、劇場予告編 初回限定封入特典:鈴木太一監督の初期脚本『俺』 ■NEWS! 2013年12月10日(火)、『くそガキの告白』DVDリリース記念イベント『キンコメ今野浩喜の誕生日会!~くそガキメンバーでハッピー・バースデイーを祝っちゃおう!~』が19時30分(開場18時30分)よりお台場・東京カルチャーカルチャーで開催。12月12日(木)に35歳の誕生日を迎えるキンコメ今野を『くそガキ』を見た人も見てない人も一緒になって祝おうというイベント。キンコメ今野、田代さやか、鈴木太一監督、太陽族の花男らが出演。料金:前売りチャージ券1800円 ●こんの・ひろき 1978年埼玉県生まれ。スクールJCA6期生の同期・高橋健一と「キングオブコメディ」を2000年に結成。M-1グランプリに2002年、2003年出場し、準決勝進出。2010年には「キングオブコント」で優勝。コントで培った演技力を活かし、俳優としても活躍中。『ちょんまげぷりん』(10)『高校デビュー』(11)などに出演。『くそガキの告白』(12)に初主演し、「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭」にて審査員特別賞、シネガーアワード、ベストアクター賞、ゆうばりファンタランド大賞人物部門の4冠をもたらした。 ●すずき・たいち 1976年東京都生まれ。早稲田大学第二文学部卒業後、ENBUゼミナールに入学し、篠原哲雄監督の講義を受講する。オリジナルビデオ『怪奇!アンビリーバブル』シリーズの演出・構成でキャリアを積み、『くそガキの告白』(12)で長編監督デビューを果たす。『くそガキ』は「ゆうばりファンタスティック国際映画祭」で史上初となる4冠を受賞。2013年は深夜ドラマ『みんな!エスパーだよ!』(テレビ東京系)の第4話、第5話の脚本&演出を担当した。

「大抵のテレビ番組が嫌い」テレビ東京“鬼才”ディレクターから見た“やらせ問題”とは

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 空撮映像で全国各地の風景や建物を紹介する『空から日本を見てみよう』、「童貞史」「スカートめくり史」といった一風変わった切り口で日本文化史を調査する『ジョージ・ポットマンの平成史』など、数々の話題作を世に送り出してきたテレビ東京の高橋弘樹ディレクター(プロデューサー)。  そんな彼が先日、著書『TVディレクターの演出術 物事の魅力を引き出す方法』(ちくま新書)を出版した。この本では、限られた予算で魅力的な番組を作るためのノウハウが紹介されている。相次ぐやらせ問題など、何かと目の敵にされやすいテレビ業界の片隅で、「若き奇才」は何を思うのか? ――著書を書く上で苦労したことや、気をつけたことはありますか? 高橋弘樹氏(以下、高橋) テレビって、映像じゃないですか。それを文章に表すのは、なかなか難しいなとは思いましたね。だから、そこは意識していろいろ工夫しました。 ――映像に関する話題は、具体例を挙げたりしてかなりわかりやすくなっていますね。 高橋 まあ、番組を作るときも同じですからね。視聴者にわかりやすく見てもらうようにするのが基本なので。そのクセは出ているかもしれないです。 ――この本の中で、「ディレクターが自分で台本やナレーションを書き、自分でカメラを回し、タレントはあまり使わない」という手法を「『手作り』で番組を作る」と表現していますね。手作りにこだわるのは、やはりテレビ東京がほかのキー局よりも、制作費が少ないためなんでしょうか? 高橋 それはありますね。有名なタレントはあまり使えないから、方法論を変えないといけないんですよ。だったら、ディレクターがガッツリ時間をかけて深く掘ることで戦おう、みたいな風潮は、テレビ東京の一部の勢力にはありますね。僕もそれを引き継いでいると思います。 ――ということは、この本に書かれている制作のノウハウの中には、先輩から受け継いだこともたくさんあるんでしょうか? 高橋 そうですね、先輩から引き継いだ教えを、自分なりにかみ砕いています。テレビ東京にも何班かあるんですけど、僕は『TVチャンピオン』をやっていた部署にいて。その血を色濃く引いているので、そこでの教えが詰まっている気はしますね。 ――この本では、インターネットで情報を調べるための検索術についても詳しく書かれているのが面白いと思いました。これは、ご自分で編み出した方法なんですか? 高橋 そうですね。結局、リサーチって、適当にやると非効率的じゃないですか。ネットでは効率よくサクサクと調べ尽くして、その次にやっと現場に行けるわけで。そのためにはやっぱり、網羅的にやるというのが重要だと思うんです。現場で何かを見つけても、それがネットにすでに出ていたら、その情報価値は下がるわけじゃないですか。網羅的に調べる必要性は、やりながらずっと感じてましたね。その上で、自分の中で体系化していった感じです。 ――著書の中で「僕は大抵のテレビ番組が嫌いです」と書かれていますが、入社する前からテレビは嫌いだったんですか? 高橋 好きな番組もありましたけど、いわゆるバラエティとかお笑い番組はあんまり見てなかったです。だったら本を読めばいいや、と思っていたので。今は必要に駆られて見ることはありますけど。 ――好きな本のジャンルは? 高橋 なんでも読みますけど、どちらかというと、フィクションよりはノンフィクションが多いですね。 ――好きな書き手は? 高橋 西村賢太さんは好きです。あの人が書いているのは、ノンフィクション寄りのフィクションですよね。ノンフィクション系の人では、上原善広さん、石井光太さん、佐藤優さんも好きです。社会でタブーとされているところや、あんまり人が光を当てないようなところを変な切り口で切っていったりする人は好きですね。それは『ジョージ・ポットマンの平成史』の作り方と、似てるかもしれないです。 ――テレビをほとんど見ないというのは、作り手としては珍しいですよね。 高橋 まあ、よくないとは思いますけどね。でも、普段テレビをつけてる人の割合(総世帯視聴率)は、ゴールデンタイムでも60%ぐらいじゃないですか。だとすると、テレビつけてない人が40%ぐらいいるわけだから、テレビを嫌いな人も結構いると思うんですよね。そこに向けて番組を作っていければいいのかなと思いますね。 ――「テレビ嫌いが見たいと思う番組を作る」というのが、高橋さんのモットーだそうですね。 高橋 そうそう、僕の中ではずっとそのコンセプトがあって、なるべくそういう方向に持っていこうとはしています。 ――最近のバラエティ番組はテロップやナレーションなどで説明過剰になってきていますが、高橋さんはあまりそういうのが好きではないそうですね。 高橋 あんまり好きじゃないですね。ボケました、ツッコみました、ワッハッハ、みたいなのが、ちょっとありきたりに見えるというか。全部説明しないで、違和感を出してシーンとさせるくらいのほうが好きは好きです。 ――見ている人に考えさせる演出、ということですね。 高橋 ちゃんと見てる人は、そういうところも楽しんでくれると思うんですよね。でも、これがなかなか難しくて。こういうのを総称して「センス芸」というんですが、「センス芸を発動させる番組は数字が取れない」という定説がありますね。やっぱりなるべくわかりやすく作って、笑いどころには笑いを足して、つっこんであげると。そういう王道の番組作りをするほうが、数字は取れるんですよ。だから、センス芸を発動させるのは悪だとされる雰囲気はありますけどね。 ――最近、『ほこ×たて』(フジテレビ系)でやらせが発覚して番組が打ち切りに追い込まれるという事件がありました。「やらせ」と「演出」の違いはなんだと思いますか? 高橋 「やらせ」の定義は、辞書的にいうと「制作者が出演者にお願いして何かをやってもらうこと」ですよね。でも、出演者に何かをお願いしてやってもらうことが、必ずしもやらせになるわけではないと思っています。  もちろん、存在しない事実をでっち上げるのはダメです。例えば、普段は行列ができないラーメン屋さんなのに行列があるように見せる、というのは絶対ダメですよね。でも、真実を伝えるという目的のために、ディレクターが努力することは必要だと思うんです。  例えば、この本でも書きましたけど、ペルーのスラム街を取材したときの話です。そこで周りの人たちに現金収入を得られるように頑張って編み物を教えているおばあさんがいて、みんなからすごく感謝されていたんですよね。その「感謝されている」ということは、真実なんですよ。でも、ディレクターは1年ずっとその人に張り付いてるわけにはいかないので、何もしなかったら1年に1回しかないような感動的なシーンを撮れないんです。  そこで、母の日にお祝いのイベントがあるというのを聞いて、「じゃあ感謝の手紙を書いてみたら?」と提案したんです。そしたら、その人が本当にいい手紙を書いてきたんですよね。その結果、普通にインタビューするだけじゃ、引き出せない感情とかが吐露されたんです。  僕は、それが真実だと思うんです。真実を伝えるためにディレクターがそういう環境に持っていく、ということは、どんどんやるべきだと思います。それをやらないなら、ディレクターなんて必要ないですよね。誰が撮っても同じになるわけですし。それは、演出だと僕は思います。 ――今のテレビを取り巻く状況をどう思いますか? 高橋 テレビ業界を目指す若い人が減ってるのは、事実ですよね。なんで減っちゃったかというと、インターネットとかいろいろな娯楽が出てきたから、相対的に減ったというのはあるかもしれないけど……。いまテレビにあんまり信憑性がないですよね。ネットのおかげで、テレビがウソついてたこともある、というのがどんどん露見してますから。 ――バレやすくなってるんですね。 高橋 それは真摯に受け止めなきゃいけないと思うんです。そういうことがあるから、テレビなんてうさん臭いし面白くない、とていう空気が世の中に蔓延しちゃってる感じはあるんですよね。ただ、そういうことをやっちゃうのは、本当にごくごく一部の、2~3%ぐらいの人なんですよ。僕が知ってるテレビのディレクターの97~98%ぐらいは、やっぱりかなり真摯に、真面目に番組を作ってますね。でも、そうじゃない2~3%の人の印象が強くて、テレビを志望してくれる人が減ってるのかなという気はしますね。  テレビの仕事は面白いです。自分が興味のあることを調べて、現場に行って取材して、それを視聴者の皆さんにお届けする。こんな楽しい仕事はないなって思うんですけど、ほんのちょっとのネガティブな情報のせいで、テレビ業界を目指す人が減るのはもったいないなあと思いますね。だからこの本を通じて、テレビ作りの楽しさを知ってほしいです。 (取材・文=ラリー遠田) ●たかはし・ひろき テレビ東京制作局プロデューサー・ディレクター。1981年東京都生まれ。早稲田大学政治経済学部卒。05年テレビ東京入社。『TVチャンピオン』『新説!?日本ミステリー』『決着!歴史ミステリー』『ザ・ドキュメンタリー』『空から日本を見てみよう』などのディレクターを経て、『ジョージ・ポットマンの平成史』のプロデューサー・演出を担当。現在『空から日本を見てみようPLUS』プロデュ―サー、『世界ナゼそこに?日本人』ディレクター。著書に『ジョージ・ポットマンの平成史』(伊藤正宏との共著、大和書房)がある。

「優待株投資は農業みたいなもん」“カリスマおじさん”桐谷さんに聞く、素晴らしき株主優待生活の世界

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撮影=後藤秀二
 関ジャニ∞の村上信五とマツコ・デラックスがMCを務める『月曜から夜ふかし』(日本テレビ系)で紹介された、現金をほとんど使わない株主優待生活という異色のライフスタイルが人気を集める、“株主優待のカリスマ”桐谷広人さん。25歳よりプロ棋士(七段)として活躍し、現役時代は“財テク棋士”としても知られていた人物で、現在は大量に保有している株主優待を使い切るため、自転車で日々奔走している。そんな桐谷さんが、このたび『桐谷さんの株主優待生活』(角川書店)なる単行本を上梓。株主優待生活とは一体どんなものなのか、本人を訪ねた。 ――今日も颯爽と自転車で登場ですね。テレビでは株主優待を使い切るため、毎日分刻みのスケジュールをこなしていると紹介されていましたが、本当にそんなに慌ただしい毎日を送っているんですか? 桐谷広人さん(以下、桐谷) 普段は8時に起きて9~15時まで株の取引をやって、終わったらもうグッタリ。そこから30分ほど仮眠を取って、16時からスポーツジムへ向かいます。平日の18時までしか利用できない会員なので(ジムの優待券を換金して、そのお金で近所の別のジムの会員になっている)、急がないと間に合わないんですよ、えぇ。雑誌などの取材もよく受けるんですが、その時間によっては10分くらい入浴だけして出ることもあります。でも、毎日行かないと、もったいないからね。 ――桐谷さんが急いでいる理由には、優待券を使って見られる映画のスケジュールによるところも大きいそうですが。 桐谷 多いときには1日3本、年間160本ほど見ます。ただ、そんな生活しているので、映画館に行って映画を見てると、ついつい寝ちゃうんですよね……。 ――本末転倒じゃないですか(笑)。さて、本題に入りますが、現在の保有銘柄数はどれくらいですか? 桐谷 だいたい600銘柄ですね。そのうち優待株(株主優待制度を実施している企業の株)は400銘柄くらいです。こんなに持っている人はあんまりいませんね、えぇ。株の投資というのは、銘柄が多くなると注意力が散漫になるということで、あまりよくないといわれているんですが、優待株は一単位持っていても数単位持っていても、同じ優待が来る場合が多いんです。だから優待株投資家は、“広く浅く持つ”というのがパターンなんですね、えぇ。 ――その優待株を持っていると、どんなサービスが受けられるんですか? 桐谷 配当のほか、優待券や優待品(現物)ですね。いろいろなジャンルがあって、商品券や飲食券、QUOカード、おこめ券、映画のチケット。また、冠婚葬祭のカタログギフトのように、カタログから好きなものを選ぶタイプもあります。日用品や食品、家電から衣服まで、なんでもあります。最近もらって気に入っているのは、リクライニング座椅子かなぁ。 ――本当にいろいろあるんですね。これだけあれば、お金を使わずに余裕で生活できそうですが、1カ月の生活費って、どれくらいなんですか? 桐谷 家賃が13万円、電気・ガス・水道・インターネット・新聞代などでだいたい2万ちょっと。それと交通費ですね。毎月、実家がある広島まで帰っているんで。それが夜行バスで1万5000円くらい。食費はまったくかからないです。というのは、お米もソーセージも缶詰も梅干しなんかも優待で送られてきますし、飲食店の優待券もありますから。まぁ、現金で払っている分も、配当金で賄えてしまいますね、えぇ。 ――株で生計を立てていると聞くと、すごくギャンブラーな感じがしますが……。 _MG_4741.jpg 桐谷 確かにデイトレード(一日のうちに売買を済ませて損益を確定させる取引のこと)はギャンブル的な要素がありますが、優待株投資は売り買いするのではなくて、株を持っていると配当が来て、優待券や優待品が定期的に来る。毎日チェックする必要はないですし、種をまいて作物を収穫する、農業のようなもんなんです、えぇ。今、1000万円を5年定期預金にすると、金利は年に4000円にしかならない。ところが、優待株投資をしていると、配当と優待で、金額に換算すると、だいたい年に60万円分くらいくるんですね。150倍も違う。私も以前はデイトレードをしてましたが、今は優待がメインです、えぇ。 ――そもそも、優待生活を始めたきっかけは? 桐谷 バブルのころまでは本当によかったんですが、それがはじけて急降下。それから山一証券が倒産して、リーマン・ショックで大損して、2億数千万くらい損失を出したんですね。しかも信用取引という、証券会社から1億も金を借りてやっちゃってたもんだから、もう大変。1日で2000万円くらい損失を出したこともあるんですね、えぇ。おまけに、将棋連盟理事選で会長側に投票するのを拒んだため、一切仕事をさせてもらえなくなり、無収入になっちゃったんです。それで困って夜も眠れなくなったり、ヘモグロビンA1c値もかなり上がっちゃって……。でも、まだ保有している株がいくつかあって、いろいろなモノが送られてくるので、それで生活できるんじゃないかと思ったのがきっかけですね、えぇ。 ――2億数千万円ですか!? そこから普通のお仕事に就こうとは思わなかったんですか? 桐谷 棋士は、将棋の巡回教室なんかやって1日8万円くらいもらえるんですが、私の場合はそれも止められちゃいましたし、額が額だけに、普通のバイトに行って1日1万円もらって働く気には、とてもならなかったんですよ。だったら、なんとか優待でお金使わずに生活して、頑張って復活するしかない。株で損した分は、株で取り戻すしかないと思ったんです。 ――根っからの勝負師なんですね。 桐谷 1年前にアベノミクスが起こって、昨年12月に信用取引の借金はなくなりました。もし、そのまま続けていたら大儲けしたんですがね……。以前「ダイヤモンドZAi」(ダイヤモンド社)のアベノミクス特集で、6ページほど、バレーボールの川合俊一さんが取り上げられていたんです。見出しに「アベノミクスで外車何台分か儲けさせてもらいました」って書いてあって、あとは豪快に売買した話。その次ページをめくると「早々に勝負を降りて儲け損ねた!」という見出しで、私のページが2ページありました……はい。その後、川合さんとお会いする機会があったんですが、川合さんはアベノミクスでは儲けたけど、その前は大損していたそうなんです。彼は帳面をつけていないから損したことは忘れていて、実はぜんぜん儲かっていないんですよね。だからまあ、トータルでは私より儲けていないなと思って、安心しました。川合さんは運動神経はいいけど、株式投資の腕はそれほどでもないよね。 _MG_4765.jpg ――(笑)。棋士時代は“コンピューター桐谷”と呼ばれていたそうですが、棋士としての経験は投資に生かされていますか? 桐谷 はい、やはり記憶力は大事ですね。私は毎日、克明に帳面をつけていましてね。株というのは、原則として儲けてから売らなくちゃいけない。ところが買値を忘れちゃうと、損したところで売っちゃったりするわけですよね。原則的に売った値段より高かったら、買い戻さない。買った値段より安かったら、売らない。ある程度、記憶力がよければ失敗しないんです。ただ記憶力が悪くても、会社とか株の資料をペラペラめくって調べればいんです。私も何度も大損しましたけど、その都度生き残っているのは、普段から質素な生活をして、儲かっても豪遊しない。ちゃんとためているので、やられたときでもなんとかカバーできるんです。 ――優待株、優待生活の魅力とはどんなところですか? 桐谷 そうですねぇ、優待で金券とか映画券をもらうと、今まで行ったことのないお店や場所に行って、おいしいものを食べたり、遊んだりできますし、自分の生活の幅が広がりますね、えぇ。毎日、楽しいですよ。 ――今回の本は、これまで株に興味のなかった比較的若い層に向けて作られたそうですが、ごくごく平凡なサラリーマンでも、桐谷さんのように優待生活を楽しめますか? 桐谷 3~4万円くらいで買える優待株で、配当やQUOカード、図書券といった優待と合わせて利回り5~10%になる銘柄は、実はけっこうあるんですよ。口座はネットで無料で開けますし、10万円以下なら手数料もほとんどかからない。買った株が値上がりすれば儲けだし、値上がりしなくても、いろいろ優待が来るんでね。面白かったら増やしていけばいいし、優待をやっている人のブログや、経済誌を参考にするといいんじゃないでしょうか。たまに潰れる株もありますが、それは交通事故みたいなもの。いくつか株を持っていれば、そちらでカバーできます。人生はやっぱり、いろいろありますからね。私なんて日本航空が潰れて、1000万円ほどが紙切れになったこともありましたから。それと比べたら、3~4万円なんてたいしたことないですよ! (取材・文=編集部) ●きりたに・ひろと 1949年生まれ、広島県出身。七段元プロ棋士、(故)升田幸三実力制第四代名人門下。現役時代より、財テク棋士として有名に。一時は株式600銘柄、時価3億円分を保有。サブプライム危機やリーマン・ショックで大損害を被るが、株を売買し続けることで復活。07年に引退後は、保有する400もの優待銘柄をやりくりし、現金をほとんど使わない株主優待生活を送っている。

結成4年で東京グローブ座を埋めたお笑いコンビ・ラブレターズが確かににおわせる「来てる感」の正体

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塚本直毅(左)、溜口佑太朗(右)
 11月27日、ラブレターズにとって初めてのDVD『ラブレターズ単独ライブ LOVE LETTERZ MADE 「YOU SPIN ME ROUND」&ベストネタセレクション』(コンテンツリーグ)がリリースされる。このDVDには、8月に東京グローブ座で行われた単独ライブ「YOU SPIN ME ROUND」に加えて、これまでのベストネタが収録されている。  「キングオブコント2011」では決勝に進み、東京グローブ座での単独公演は大盛況。新世代コント芸人として進化を続けるラブレターズの2人を直撃した。 ――東京グローブ座という大きな劇場で単独ライブを行ったきっかけは、なんだったんですか? 溜口 最初は、事務所の社長に言われたんです。それで、このタイミングでやらせてもらえるなら、やるしかないな、と。やっぱり僕らは「来てる感」をどんどん出さないといけないなと思っていて。ライブシーンで勝っていくのはもちろん大事なんですけど、自分たちからいろいろ仕掛けていって、“あっ、なんかこいつら勢いあるな”っていうのを見せないといけない。 ――確かに「来てる感」は大事ですよね。 溜口 周りにそういうふうに思わせることができたら、自分たちのやる気にもつながるし、頑張れる。そこを出したかったんで、グローブ座では絶対やりたいなと思いましたね。 ――でも、そんなに大きな箱で客席が埋まるかどうかという不安はありませんでしたか? 塚本 めちゃくちゃ怖かったですね。僕は消極的な部分もあるので、“えっ、そんなに入るかな?”って思ったんですけど、相方が「いや、そこはやったほうがいい」って。 溜口 僕も怖かったですけど、事務所が「やってみればいいじゃん」と言ってくれたので。たぶん、失敗しても失敗にならないような気がしたんですよね。たとえお客さんが入らなくても、ああ、こいつら無茶したな、っていう笑いにもなりますし。どっちにしても、面白くはなると思うんで。僕は、自分たちのハードルをどんどん上げたいんですよね。僕らは2人とも、プレッシャーがないとだらけちゃうんで。 ――私も伺いましたが、結果的には大盛況でしたね。 塚本 はい、ありがたいことに。まさか、ですよね。埋まるとは思ってなかったですから。 ――ライブの準備は大変でしたか? 塚本 そんな大きいところでやったこともなかったので、だいぶしんどかったですね。 溜口 本番の1週間前に事務所の人とかスタッフさんに通し(稽古)を見せるんですけど、そのとき本(台本)があまり上がっていない状態で。それを見せたら、いろいろなスタッフさんからバーッと意見を言われたんです。「演出が全然ダメだ」「今までの小さい小屋のスケールでやってるから面白くない」とか。社長からも「このままじゃ、絶対失敗する」って。 塚本 今までの単独ライブと違って、関わる大人が一気に増えたんですよ。 溜口 今までは3~4人くらいしかいなかったのに、今回はDVD収録もあったりして、裏方さんの人数も莫大に増えていて。次の日の稽古場で2人きりだったんですけど、塚本がパイプ椅子をぶん投げてキレてましたね。 塚本 そのときは「あの人たち、なんなんだよ!?」って思ってました。でも、僕、今まで椅子なんか投げたことないんで、緊張しちゃって……(笑)。上手に投げられてなかったでしょ? 溜口 ダサかったよ。 塚本 うまく投げられなかったんです。投げる瞬間の3秒くらい前から心臓もバクバクいってて、緊張しちゃって。 IMG_41249.jpg 溜口 それで2人で大げんかして。僕もどちらかというと社長側というか、そういう意見を持ってたんで。 塚本 それまでの単独をやるときには、結構僕らに委ねてくれてたんですよ。でも、1週間前になって、社長とかがバーッと意見してくれたときに、一気に相方がそちら側の意見に同調しだして。“お前までなんなんだよ!?”ってなった。あれはびっくりしたなあ。 ――溜口さんは、そのときはどういう心理だったんですか? 溜口 何よりも丸く収めて成功させたいっていうのはあったんですけど、でも、“今言わないとこのライブ自体がぐちゃぐちゃになるだろうなあ、って。僕もやっていて気持ち悪い部分があって、どこが面白いのかわからない状態だったので、ここで一度スッキリさせて2人の意見を言い合わないと、本番でただ恥かくだけだな、って思って。それで1回ケンカしてリセットさせたんです。 塚本 そこからの1週間はスムーズにいきました。 ――このライブでやったネタの中で、印象に残っているものはありますか? 塚本 そうですね、「My name is...」っていうキラキラネームのネタとか。キラキラネームって、今あふれてるじゃないですか。僕はバイトでお店の受付みたいなのをやってるんですけど、本当に全然わかんない名前の人が来るんですよ。それを見るたびに「なんなんだよ」って思うんですよね(笑)。「月」と書いて「ライト」と読む、みたいな。キャバクラ嬢とか、ホストの名前みたいなのが多いから。社会派コントを作りたかったんです。そういえば、今回は社会派のやつが多いですね。パンツのネタ(「秘密の青春~僕らのPNT大作戦~」)とか。 溜口 パンツ? 塚本 やっぱり男子はみんな、パンツが見たくてしょうがないでしょう。で、見られる方法を必死で探すじゃないですか。……あれ、これ僕だけなんですか? 溜口 いや、お前の趣味だよ。社会は関係ないよ(笑)。でも、パンツのネタは2人で作っていてすごい盛り上がったんです。学生時代、僕らはイケてなかったんですけど、イケてるやつらって、冗談で女子のパンツを見ようとできる人たちなんです。 塚本 あー、わかるわかる! 溜口 同じクラスの女の子が階段上ってるときに、イケてるやつってこうやって(かがんで)覗けるじゃないですか。それで女の子もそれを見て「ちょっと、やめてよ!」みたいな。僕らもそれをやりたかったんですよ。 ――同じことを自分たちがやったら、本気で引かれてしまうと。 塚本 そう、“何あいつ!?”みたいな感じになるので。 溜口 それで実際パンツを見てるわけだから、イケてるやつはいい思いしかしてないんですよ。その分、僕らは頭を使って、どうにかしてパンツを見ようと。そこは2人の意見が一致したよね。 ――お2人のイケてない学生時代の経験が、ネタに反映されてるんですね。そう言われてみると、ラブレターズは学生コントが割と多いですね。 塚本 そうですね、結構多いですね。学生時代より、コントで学ラン着てたほうが楽しいですからね。いつも高校当時の学ランを着てるんですけど、学ランも喜んでますよ。 ――お2人とも学生時代は、そんなにイケてなかったんですか? 塚本 高校はまだマシだったんですけど、中学がつらくて。そのために一生懸命勉強して、ヤンキーのいない高校に行ったんです。 溜口 僕らは、どっちかがイケてたらたぶん長続きしなかったでしょうね。 塚本 そうだね。イライラするだろうし。 IMG_14248.jpg ――そういうところで話が合うんですね。 溜口 ありますね。こういうやつ嫌いだよね、とか。 ――ラブレターズのネタの特徴を一言で表すとしたら、どういう感じになりますか? 塚本 どうなんだろう、えーっと……「ねじれた青春コント」ですかね。明るい青春ではないです。 ――ちょっと心の闇を感じさせるような。 溜口 共感してほしい部分があるんです。僕らはこんなやつなんで、どうか皆さん応援してください、って。笑わせたいっていうより、こういう人もいるよ、僕らを見てくれよ、っていう感覚のほうが強い。教室の隅っこで頑張ってるやつもいるんだよ、っていうのをアピールしたいためのコントなのかもしれないですね。 塚本 だからやっぱり、僕らを好きって言ってくれる人はどこかねじれてるんですよ。 溜口 ネタを書くとき、「ラブレターズっぽい」とか考える? 塚本 考えるよ、一応。行きすぎたら、ああ、やばいやばい、ってなるし。ネタを考えるときには、溜口佑太朗というフィルターを通してどれだけマイルドに届けられるかな、っていうのを考えるんですよ。たぶん、ほかの人がこのセリフを言ったら引くだろうな、っていうところを溜口さんがキャラとか演技で笑える感じにしてくれるんで。それに頼りつつ、自分の言いたいことを代わりに言ってもらおうと思ってるんですけど、たまに「あっ、これを言わせたら、いよいよ僕は人としてダメだな」っていうのがあって。たまにあるでしょ? 溜口 あるね。マジでやばいよ、って。このDVDに収録されているネタでいうと「あの娘ぼくが笑顔見せたらどんな顔するだろう」とかは、特にそうですよね。 ――そのネタは、台本を渡されて溜口さんがドン引きしたそうですね。 溜口 ドン引きしました。ああ、もう終わりだな、って。行くとこまで行ったな、っていうのがありますよね。僕のフィルターをどんなふうに見てるのかわかんないけど、僕もそんなに分厚くないですから。 ――まあ、でも、かなり分厚いほうだと思いますよ。何を言ってもちょっとかわいく見える、みたいなところがありますからね。 溜口 いやいや、そのフィルターも今はこしすぎてカスカスになってますよ(笑)。 ――でも、「あの娘ぼくが……」のネタは、キングオブコントの予選でも披露されていたし、そこでも爆発的にウケていたし、結果的にラブレターズの代表作みたいになってますよね。 塚本 そうですね。だからもう、味しめちゃいますよ。 溜口 こういうのでお客さんが笑うからダメですよね。そうすると、塚本がまたこういうのを書いちゃいますから。お客さんも笑わずに、これはダメなんだって思わせないと。ああ、やっぱポップじゃないとダメなんだ、っていう考えにしないと。 ――最後に、このDVDのおすすめポイントを教えていただけますか。 溜口 100%ラブレターズのDVDなので、これで面白くないって言われたらそれはもうしょうがないな、っていう感じです。ハマる人はかなりハマってくれるという自信はあります。面白いっていうか、こういう人たちもいるよ、って伝えたいですね。 塚本 親戚がみんなDVD買いたいって言ってくれてるんですけど、ちょっと怖いんですよね。僕のヤバいとこがバレちゃうよ、って(笑)。 (取材・文=お笑い評論家・ラリー遠田/撮影=名鹿祥史) ●ラブレターズ 塚本直毅と溜口佑太朗からなるお笑いコンビ。2009年結成。活動2年目の「キングオブコント2011」でファイナル進出、7位入賞。

格闘ゲーム世界一の男が見る世界の風景とは? ウメハラが『勝負論 ウメハラの流儀』に込めたメッセージ

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“世界で最も長く賞金を稼いでいるプロゲーマー”梅原大吾氏。
 16歳で格闘ゲーム『ヴァンパイアセイヴァー』全国チャンピオンとなり、17歳で格闘ゲーム『ストリートファイターZERO3』の日米大会「STREET FIGHTER ALPHA3 WORLD CHAMPIONSHIP」で優勝。若くして世界チャンピオンの座に就いて以降、数々の格闘ゲーム大会で好成績を残し「世界で最も長く賞金を稼いでいるプロゲーマー」としてギネスにも認定されている男・ウメハラこと梅原大吾。  2004年にアメリカで開催された対戦格闘ゲームの祭典・Evolution2004の『ストリートファイターIII 3rd STRIKE』部門で見せた、「背水の逆転劇」をはじめ、数々の名勝負を繰り広げてきた彼の「勝負哲学」をまとめた新著が『勝負論 ウメハラの流儀』(小学館新書)だ。ウメハラはいかにして「勝ち続ける自分」を作り上げていったのか? そして、一体何を考えながら日々の勝負に挑んでいるのか――? 世界最強の称号を持つ彼に、話を聞いた。 ■のびのびと生きるための「成長」 ──梅原さんの半生をまとめた前作『勝ち続ける意志力』に続く本作『勝負論 ウメハラの流儀』は、梅原さんがどういう意志を持って勝負に臨んでいるのかがうかがえる一冊になっていますね。 梅原大吾(以下、梅原) 前作は、自分が生きてきた道のりや考えていることを正直に書いてみようという内容でした。格闘ゲームファンにはそれなりに楽しんでもらえるとは予想していたんですけど、いざ出してみたら一般の人にも受け入れられたみたいで、小学館さんから「第2弾もいかがですか?」と提案されて今回の企画がスタートしました。自分としては、前作では言い足りなかった、勝負事というか、何かに取り組むときに何を大事にしているのかという部分を書いたつもりです。 ──本作を通して語られているのは、一つ一つの勝敗に一喜一憂するのではなく、長期的に見た時にいかに成長できるか、という点を重視するという梅原さんの思想です。梅原さんにとって成長することとは、どういう価値を持っていますか? 梅原 もともと自分は怠け者なんです。子どもの頃から楽しくないことはやりたくないし、嫌なことがあったら投げ出してしまう。学校の宿題はまともにやらないし、授業中も眠ければ寝るという不真面目な性格だったんですが、何かに取り組みたいというエネルギーは余っていて、ゲームだけはずっとやり続けていました。ただ当時は格闘ゲーム、というかゲームがどれだけうまかろうが認められないという時代だったので、10代で世界チャンピオンになった時も全然満たされることがなかったんです。その時に、ずっと勝ちたいと思って結果を出し続けてきたけれど、それだけでは自分が満たされることはないんだって気づいたんですよ。その後、プロ雀士を目指して麻雀の世界に入ったり、介護の仕事を始めたりするんですけど、結局自分がなぜゲームや麻雀を頑張るのかと考え直した時に、自分が少しずつよくなっていくからだと思うようになったんです。 ──自分の成長のために勝負し続けるわけですね。 梅原 そうですね。子どもの頃の自分にはコンプレックスがあって、人前に出たり、ゲーム仲間以外の前では自分の言いたいことが言えないというのが恥ずかしくて、“この気持ちを抱えているうちは、俺の人生はずっとこんな嫌な感じを抱えていかないといけないんだな”と漠然と感じていたんです。そんな気持ちを少しずつ和らげてくれたのが、「俺は成長している」という実感だったんです。そこで、自分が成長を実感できていれば、子どもの頃みたいに嫌な思いをせずに人生を送ることができると気づいたんです。だから、自分にとって成長とは誰かに見てもらうとか、それによってお金とか名誉を得るということではなく、のびのびと生きていくためのものですね。 ──今年で梅原さんは32歳で、自分も33歳ということでほぼ同世代なんですが、30歳過ぎになると社会的に中堅どころというポジションになりつつある年齢かと思います。そこで「まだ成長しきっていない」「完成していない」ということに焦りを覚える人も、少なくはないのではないかと思います。その点、梅原さんは自分が未完成で、成長しきっていないということに楽しみを見だしているように感じます。 梅原 成長というものに関して、他人の価値観はどうだっていいんです。自分がどれだけ成長して、どれだけ素晴らしいかなんて、時代や国、接している人によってその基準は変わってしまいます。自分にとって成長する目的は、負い目を感じないように生きていくことです。それを一番に考えると、人の目を気にしないというよりは、気にしていられないんですよね。他人の評価を基準にしてしまうと、目的を達成するのは無理だと思います。自分の内面から聞こえる「お前は成長してないんじゃないか」という声にはすごく敏感なんですけど、世間からくる圧力に関しては、ほとんど影響を受けないようにしています。 ──本書では、毎回の勝負が特別な舞台と思わないように意識したり、勝ってもその余韻に浸ったりしない、といったセルフコントロールを心がけていると書かれています。成長に対する意識も含めて、梅原さんは非常に自己を客観視されていますよね。その目線は、いつ頃から生まれたと思いますか? 梅原 子どもの頃から、けっこう普通にやっていました。12~13歳くらいからずっとゲームセンターにいたんですが、対戦ゲームとはいえそこに人間同士が関わっているので、反面教師になることや、勝者と敗者のデータやサンプルがいっぱいある場所なんですよね。自分は人間観察が好きだったので、どうすれば自分のモチベーションや強さを維持できるかというのはずっと考えていました。  そこで出した結論としては、一回一回の勝負で集中力を途切れさせないことが一番だということです。一回勝ったから休もう、となった時に、じゃあ次はいつから始めるのか、次に始める時は前と同じくらいやる気があるのかなど、いろいろな問題があることが分かったので、勝とうが負けようが一定のペースでやることを心がけて実践しています。 ──自己の成長を最大の目標にした時に、勝負の大小やイベントのステージ上かどうかはもはや関係なく、いずれも等しく一つの通過点でしかないということですね。 梅原 そういうことです。 ──もしかしたら梅原さんは、周りの人はおろか、自分すらも分析の対象なのかもしれませんね。 梅原 はい。昔からそうなんですけど、「この人はこの人だから」「これはこういうものだから」とは、あまり考えないんです。学校の先生とかがよく言う「これはこういうものとして覚えなさい」「偉い人が考えた法則だから覚えなさい」というのが大嫌いだったんです。人間に対しても同じで、「あの人はああいう人だから」っていうのが嫌で、あの人はなぜああいう人なのか、なぜ勝っているのか分析するのがすごい好きなんです。それで分析していくと、すべてが分かるわけではないけど、やっぱり「ここは間違いないな」とか「勝つ上で、ここは絶対に外せない」という法則みたいなものがいくつか見えてくるんです。だから、自分はそういう「ここは間違いない共通点ですよ」ということだけを言っているつもりなんですよね。 ■ウメハラのプレーが感動できる理由 ──梅原さんは、紆余曲折を経て、現在のプロゲーマーという仕事にたどり着きました。世界チャンピオンの地位まで上り詰めたゲーマーとしての地位を捨てて、ゼロの状態からプロ雀士を目指すべく麻雀の世界に入り、再びその道を捨てて社会人としての生き方を選んだ末に、あらためてプロゲーマーとしてゲームの世界に戻ってきました。この時の年齢が30歳前ということで、勇気をもらった同年代の人も多いのではないでしょうか。 梅原 そうですよね。いざ“この仕事をやる”と決めても、不安な気持ちが先に立って、なかなか別の世界に行くというのは難しいと思います。ただ、きっと自分は己の感情に敏感なんですよね。今、自分はすごく嫌な我慢をしてるんじゃないかとか、ここに希望を感じてないなとかね。でも、食べていかなきゃいけないという理由で、その感情に目をつぶってしまう人が多い中でも、自分にとってはこの我慢を続けるほうが不幸せなんです。世間から見たら生き方を間違っているとか、恥ずかしい選択をしているのでは、と頭をよぎるんですが、間違いなくこっちの生き方のほうが充実しているし、長い目で見れば自分にとっては楽しい人生になるに違いないと思ったら、行動しちゃうんです。でも、さすがにプロゲーマーになる時はちょっと考えました。ゲームは好きでずっとやってきたし、間違いなく自分にとって一番得意なことだけど、どう考えてもそれは仕事にはなり得ないだろうと一度は確信したから、ゲームをやめたんです。プロは存在し得ないと自分の中で何年か前に結論を出しているから、たぶん他の人よりもプロゲーマーという仕事に対して否定的な気持ちが強かったんです。でも10年だか20年だかたった時に、当時、自分しかできなかったはずのプロゲーマーという仕事をしていたらどうなっていたんだろうと後悔するのは嫌だなと思ったので、プロゲーマーになることを決意しました。 ──プロゲーマーの日常は、どんな毎日なんでしょうか? 梅原 人それぞれだと思います。プロといっても、それだけで食べているわけじゃない人もいますし。自分の場合は、ジムに行ったり、一日10時間くらいひたすらゲームの練習をしています。そのゲームに関しても、いろんなゲームをやるプロもいますが、自分は一つのゲームをやり込んで、見た人が驚くプレーをすることを一番に心がけています。 ──勝つことではなく、ギャラリーを驚かせたい? 梅原 もちろん、勝ち負けを度外視してプレーすることはないですよ。ただ、ゲームというのは人間が作るものなので、たまにすごく簡単に勝つことができるキャラクターや戦法が見つかる場合があるんです。でも、それが非常に効率的だからといって、そういう戦い方をして連勝したり大会で優勝したとしたら、見ている側としては「プロがやっても結局同じなんだ。だからこのゲームはつまらないから、やらなくていいよね」って結論になると思うんですよね。そうなると、ゲームがどんどん売れなくなって、周辺機器も売れなくなる。僕についてくれてるスポンサーってゲームの周辺機器を作ってる会社なので、そうなったら結局困るのは自分じゃないですか? だからもちろん全力で勝ちにいくんですけど、これはやっちゃいけないとか、このキャラを使っちゃいけないというルールは自分の中に明確に持っています。自分の中にそういった制限をつけながら、それでも勝つことをあきらめないでプレーしていると、自然と周りが驚くプレーになるんです。こんなキャラで勝てるんだっていうことがまず驚きだし、みんなが知らないような戦略を考え付いて実践できるからこそ、誰もが思いもよらなかった勝率を出せたりするわけです。だから自分が驚かせたい、というのはそういうことです。例えば、アマチュアの賞金稼ぎならみんながシラケちゃうプレーをするのも、百歩譲ってありだとは思うんですけど。ただ、それも長い目で見ると、自分自身にとってはマイナスだと思います。 ──プロだからこそ、誰もが気づかなかった価値を提示してみせると。 梅原 そうですね。こういうふうにやるともっと面白いよ、という勝負を見せていくということが大事なのかなって。やっぱり、当たり前の結論には誰も感動しないですからね。一番強いって思われているキャラで、一番強いと思われている戦法を使って勝っても、それはそうだよねとしか思われないですからね。 ──梅原さんの戦いぶりや試合を見ていると、しばしば昭和プロレスに通じるドラマ性を感じてしまうんですが、その理由は、梅原さんの勝負に向き合うその姿勢にあるのかもしれませんね。 梅原 ただ、それでも勝てなきゃ相手にされない世界なので、難しいことを要求される世界だと自分では思っています。なんでもありだとシラケちゃう。だから、何をやっても勝つっていう人の何倍も練習しないといけないんですよね。でもそれは企業にスポンサーについてもらってやらせていただいている以上、当然の義務だと思っています。 ──ゲームをやっていてうれしかったと感じるファンの感想とは、どんなものですか? 梅原 「こんなキャラでも頑張ればこう戦えるんだ。じゃあ俺も仕事を頑張ろう」とか「俺もあきらめかけていたことを一からやり直してみようかな」といった感想ですね。「そうそう! そういうメッセージを俺は伝えたいんだよ!」って。当たり前の結論に負けない姿を、ゲームを通して見せていきたいと思っているので。  うちの姉が、何かと要領のいい人だったんですよね。それを見た時に、要領の悪い自分が普通に生きてたら、こういう人には絶対に勝てないっていうのが子どもながら直感的に分かったんです。その後、ゲームなり麻雀で努力していくわけだけど、その間も子どもの頃に感じた「俺は要領が悪い」という意識がずっと残っているんです。格闘ゲームの世界チャンピオンになっても、要領の悪さは変わりません。だから、自分は要領が悪いってあきらめている人も、本当はあきらめる必要はないと思います。確かに生まれつき、要領の良し悪しの差はあるんだけど、自分のペースで頑張り続ければ「ここに関しては、あいつに負けねえ」っていうものが持てるということをみんなに知ってもらいたいです。みんなが努力しても、当然勝者と敗者が生まれます。じゃあ努力しても成果を出せなかった人は、次から努力しても無駄ということなのかというと、そうではないと思います。敗者に楽しむ権利はないとは思わないし、いつまでも負けっぱなしでもないと思います。 ──すごく勇気をもらえる力強い言葉です! 梅原 だから、この本は要領のいい人は読まなくてもいいかなと思います。あと、プロゲーマーを目指している人にも、特に言うことはありません(笑)。ただ、それ以外にこの本を読んでみようかなという人がいるんだったら、さっき言ったように、何事もあきらめる必要はないんだよ、ということを伝えたいです。自分のペースでいいから成長を実感できてれば、少しずつでも努力していくことが楽しくなってくるし、結果として自分に自信がついて、人付き合いも堂々とできるようになるので、いいことずくめだと思いますよ。 (取材・文=有田シュン)

自称“クズ”芸人コンビ・スパローズ新作DVDは「出しても売れませんよ」「断ったほうがいい」

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撮影=名鹿祥史
 自らを「クズ」と称する自虐ネタが業界内で評判を呼んでいるスパローズ。借金を重ねて地獄を見た、芸歴19年なのに売れていない、ネタ作りもサボりまくる……。ただクズに生きることを突き詰めた彼らは、漫才、コント、フリートーク、すべての分野でクズな笑いをもぎ取る「クズのスペシャリスト」となった。  そんな彼らが11月8日、初のDVD『ビジネスクズ』(三栄書房)をリリースした。自他ともに認める「キング・オブ・クズ芸人」の2人がクズの生き様を語る。 ――DVDが出るという話を初めて聞いたとき、どう思いましたか? 森田 「出しても売れませんよ」って、はっきり言いました。 大和 「いざ出して売れないとなると、僕らのことを応援してくれてる数少ないファンの人たちにも迷惑をかけることになるから、断ったほうがいい」って、マネジャーにも言ったんです。 森田 最初はスタッフの人にも「これはとりあえず出すだけで、売れるかどうかは関係ないから」って言われてきたんです。でも、発売1~2週間前あたりから急に、「○○枚は売ってもらわないと……」とか生々しい数字を突きつけられて(笑)。まあ、出していただけるのはありがたいので、どんな汚い手を使ってでも売っていこうとは思ってます。 ――このDVDには、今年5月に行われた単独ライブ『ビジネスクズ』が収録されていますね。このライブをやるにあたっては、初めからクズをテーマにしてネタを作るという気持ちがあったんでしょうか? 森田 いや、別にそういうつもりもなかったんですけどね。僕らが作ったネタを周りが見たら、クズに見えただけなんです。 大和 普通にやってるネタに「クズ」という言葉があとからついてきた感じなんで。 森田 ショックだったのは、前売チケットが即完(即日完売)で、追加公演までやったんですけど、4公演で当日キャンセルが70枚。お客さんのほうがクズだったっていう(笑)。 大和 まあ、これも僕らが、ローソンチケットに頼むお金をケチったせいなんですけどね。メール予約のみ、っていう人間を信じたやり方をしたんです。でも、大勢キャンセルが出たから、結局、手数料を払ってでもローソンチケットに頼んだほうがよかったんですよ。次からはローソンチケットを使います。 森田 お客さんが空席を見て「即完って、ウソだったんだ」って言いだしましたからね。 大和 やっぱり来なくてもいいから、お金だけは払ってもらわないと困るんで。そのためには、ローソンチケットは必要なんですよ。 森田 何回ローソンチケットって言うんだよ! ――いまや都内のお笑いライブシーンでは「クズといえばスパローズ」というイメージがありますが、お二人はもともと、ご自分たちがクズだとは思ってなかったそうですね。 森田 そうですね。もともと僕らは福岡でお笑いを始めたときに、芸人だったら借金しろ、酒飲め、ギャンブルしろっていう教えを受けて育ってきたので。それをそのまま続けていたら、東京に来てから周りの芸人に「それはおかしい」って言われて。福岡にいた頃は、僕らなんかよりもっとすごい先輩がいたので。車に住んでる40過ぎのおじさんとか。 大和 遅刻をごまかすために、車に飛び込んだことがある人とか。 IMG_0953.jpg 森田 “遅刻で怒られるぐらいなら、はねられたほうがいい”って(笑)。あと、ボートレース場に行って、お金がないからずっとボートのエンジン音だけ聞いてる人とか。そういう人たちの中で育ったんで、自分たちがクズだとは一切思ってなかったんですよ。でも、最近急に、周りからひどい、ひどいって言われ出して。 ――最近の若手芸人には、真面目な人が多そうですよね。 大和 お笑いの学校ができたからじゃないですか。みんな高校とか大学を卒業して、そこからまたお笑いの養成所に入るじゃないですか。だから、真面目な感じが多いですよね。 森田 僕らが芸人を始めた頃は、大卒もほとんどいなかったですからね。今はもうみんな大学行ってて、1年養成所行って、23歳ぐらいから始めるでしょう。人間ができあがってから、お笑いを始めてるんですよね。 大和 そういう人は、努力の仕方を知ってるんですよ。大学受験とかを乗り越えた人って、ネタ作るための頑張り方を知ってる。僕らは乗り越えられなかったから、寄り道しちゃうんです。その寄り道の部分がネタになってる。 森田 僕らの場合は「ラクしたいからお笑い始めた」みたいなところもありますからね。 大和 ラクしたくて始めたことで苦しめられてる。そこから生まれたクズなんです。 ――お二人がネタにしている「クズ」とは、わかりやすく言うと、どういうことなんでしょうか。 森田 僕が思うに、僕らのクズはファンタジーなんです。例えば、うちの大和さん、携帯電話の料金をどのぐらい滞納してたんでしたっけ? 大和 15年。 森田 たぶんこれが3年滞納だったら、「なにこの人、ひどい!」になるんだけど、15年って聞くと、お客さんの想像を超えてるから、ファンタジーになるんですよ。そんな世界があるんだ、っていう。 大和 想像できる範囲だと引かれちゃうんですよ。「あの人、友達に1万借りて返してないらしいよ」って言われたら「ひどいやつだな」ってなるけど。 森田 大和さん、バイト先の人にいくら借りてるんでしたっけ? 大和 45万。 森田 そうなると、もうファンタジーなんですよ。 大和 45万までどうやって借りたんだろう、っていうことがわからないから、もう笑っちゃってるんですよ。 森田 あと、ちょっと「すごい」になるんです。15年滞納とか45万借りてるとかになると、私には真似できない、すごい、っていう方向になってくるんで。 大和 自虐ネタも、コツは一緒なんですよね。「俺たち売れてませんから」とかちょっと言うより、売れなさすぎて吉本興業っていう大きな組織にまで文句を言うくらいめちゃくちゃだと、もう誰も怒らないんですよ。自虐もぶっとんだ感じにして、行き着くところまで行けば笑えるんだな、っていうのを学んだのかもしれないですね。 ――クズも自虐も、笑える・笑えないのラインがありますよね。 大和 あります。だから、クズなことを言うときも「みんなが引くんじゃないかな」って思わずに、もっと上を行ってしまえば笑いになるんですよ。もう意味がわかんないから。 ――最近、ウーマンラッシュアワーの村本さん、ドランクドラゴンの鈴木さんなど、クズキャラを売りにして活躍する芸人さんが増えていますね。この「クズブーム」の風潮については、どう思いますか? 大和 面白いと思います。それぞれ種類が違うんですよね。 森田 村本くんはファンに手を出すとか、女性関係のクズ。鈴木さんは本当に何もしない、やる気がないタイプ。 大和 僕らはお金がない、ネタ作りもあんまりしない……手持ちのクズのパターンは多いと思いますよ。女性関係でクズな部分もありますし。 森田 借金に関しては、これから出てくる若手には負けないと思います。今の時代はもう、大和さんほど借金できないんで。 ――法律が変わりましたからね。 森田 最後のサラブレッドだと思いますよ。 大和 たぶん、この感情をリアルに伝えられる人は、もう生まれないんじゃないかと思います。これだけ借りてる人は、犯罪やらかすぐらいの追い込まれ方しますから。 ――借金の額は、ピーク時にいくらぐらいだったんですか? IMG_0924.jpg 大和 消費者金融に借りたのは四百何十万で、あとは家賃を何カ月か滞納して、人からも借りていて……本当にやばいときはもう、総額を計算できないんですよ。2日に1回くらい返済日があって、15社にいくらずつ返す、っていうのを考えないといけないので。  でも、本当に追い込まれたら芸人辞めることも考えないといけないんですけど、僕はなんとか踏ん張ったんです。これ以上だと親に連絡が行くな、と。そこで初めて努力の大切さを知るんです。もう、この人には言いづらいけど言わなきゃいけない。言うためにはちゃんとした格好しないといけない、とか。ギリギリのところで今度はまともな人間に変わっていくんですよ。そこを乗り切るために努力しました。芸人続けるために、なんとか踏みとどまったんです。逃げることもできたんですけど、逃げたらお笑いができなくなるので。 ――最近は『カイジ』など、ギャンブルにのめり込んだりするクズの心理を描いたマンガも多いと思いますが、好きなマンガはありますか? 森田 僕が一番好きなのはやっぱり、福本伸行先生の『最強伝説 黒沢』ですね。あれの人間模様の描き方はすばらしいなと思って。工事現場で周りから好かれるためにアジフライを買ってきてこっそり弁当に入れるところとか、たまらないですよ。 大和 『カイジ』でいうとやっぱり、一番わかりやすいのは地下帝国のところなんですよね。節約するつもりだったのに、ビール1杯飲んだら崩れていくとか。 ――『闇金ウシジマくん』なんかはどうですか? 大和 『ウシジマくん』は、読み終わった後に暗い気持ちになるじゃないですか。ひどいマンガだな、って。で、そこでふと気付いたのが、あっ、2~3個は自分のほうがひどいのあるな、って。『ウシジマくん』のエピソードに勝ってるんですよ。 森田 たぶん普通の人は、『ウシジマくん』を非現実的なものとして見てるじゃないですか。でも、僕らにとっては現実なので。 ――リアルなものとして楽しめる、ということですか。 大和 いや、僕は楽しめなかったですね。すぐそこにある現実のような気がして、ただ重い気持ちになりました。マンガに出てくるめちゃくちゃひどい状況の人も、それにかするくらいの人には実際に会ってたりするんですよ。お金がなくて行った日払いのバイト先には、そういう人の予備軍がいっぱいいますから。あれはやっぱり楽しめない。僕にとっては、ファンタジーではないですね。 ――DVD『ビジネスクズ』はどういう人に、どういうふうに見てもらいたいですか? 森田 気楽な感じで、たれ流しで見てほしいですね。じっくり見なくていいと思います。ろくでもないやつらがなんかやってんな、っていう感じで。 大和 あと、自分は普通だと思ってる人とか。普通に学校入って普通に就職して、っていう人が見たら、ああ、こういう世界があるんだ、って新鮮に思えるかもしれないですね。 ――それとは逆に、クズな人にもおすすめですか? 大和 そうですね。『ウシジマくん』とかだと生々しくて引いちゃうかもしれないけど、これは笑いにしてるんで。本物のクズの人が見ても「浅いよ」とは絶対思われない自信があります。ちゃんと攻めてるのもありますから。クズな人から真面目な人まで楽しめると思います。 (取材・文=ラリー遠田) ●スパローズ 森田悟、大和一孝の2人から成るお笑いコンビ。共に福岡県出身。11~13年には3年連続で「THE MANZAI」認定漫才師に選ばれている。 オフィシャルブログ <http://ameblo.jp/asai-sparrows/> ●イベント情報 11月17日(日)DVD発売イベント開催! 詳細は以下のURLにて。 <https://ssl.bsfuji.tv/form/jj/form/sparrows_form.html>

「今こそ業界をバッサリ改革すべき」“黒のカリスマ”蝶野正洋が、プロレス界の暗部に斬り込む!

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撮影=尾藤能暢
“黒のカリスマ”こと、プロレスラー・蝶野正洋。武藤敬司、橋本真也とともに「闘魂三銃士」と呼ばれ、ベビーフェイス(善玉)から「狼軍団」でヒール(悪役)ターン、以降も「nWo ジャパン」、「TEAM2000」を結成し、一大ムーブメントを築いた男。常にプロレス界をリードし、その頂点を極めたカリスマは、業界全体が衰退している今、一体どんなことを考えているのだろうか。著書『プロレスに復活はあるのか』(青志社)で、これまでタブー扱いされていた現役レスラーによる業界への苦言を呈した彼の真意とは? ――まずは、本書『プロレスに復活はあるのか』を出版しようと思ったいきさつを教えてください。 蝶野正洋(以下、蝶野) 今年9月で50歳という節目を迎えたのが理由のひとつ。それまで新日本プロレス(1984~2010年まで所属)で選手兼フロントの立場でやってきて、デビューから10~15年で(自身やプロレス界の)状態がすごく上がっていたんですけど、20年目くらいから下降してきて。それを止められたし、業界全体をもっと上昇させられたはずだという思いがあったんです。 ――2000年頃までのプロレス人気をもっと維持、上昇させる手段はあったと? 蝶野 ええ。オレがこれまで蓄えた知識や経験を、プロレス業界全体で共有したほうがいいと思ったんですよ。プロレス団体は昔から分裂を繰り返してきて、新日本プロレスも、今自分がアドバイザーとして携わっている全日本プロレスも、経営陣がもともとプロレス業界じゃない人たちになっている。新日本にいたときも、ユークスさんが経営に入って、現場のことをゼロから教えなきゃいけない状況でした。これは残して、これは切り捨てるという判断は、業界外には分かりづらいし難しいんです。それなのに業界はそのままで進んでしまって、無駄な時間があったなと感じて。ほかの団体もそうですけど、他業種からオーナーが入って来たときに、同じことを繰り返さないように注意したいんです。そうすれば業界はもっとよくなるはずです。 ――著書の中では、業界に対して苦言を呈していますが、当の業界関係者からの反響はありましたか? 蝶野 業界に古くからいる人たちからは「本当にその通りです」ってことを言われてますよ(笑)。ただ、それがわかる人たちが、どんどん業界から排除されているのが現状なので、残る人たちにも最後の投げかけになるのかもしれないですね……。新日本プロレスも、上層部はほとんど変わっていますし。 ――そんな状況の中で、特に危惧している点はなんですか? 蝶野 業界の、悪い意味でのビジネステクニックがあって、過去を見渡してもそれがトラブルの原因になってることが多いんですよ。そこはやめていくべきだと思っています。 ――悪いビジネステクニックといいますと? 蝶野 例えば、チケット販売ですね。チケット=金券(カネ)ですから、そこはしっかり管理しなくちゃいけない。ところが、今でも営業の人間が自分たちで勝手にチケットを発行して、売掛を作っては回収できないってことが多いんですよ。自分で金券を発行しているようなものですから、そこは曖昧にしないで、バッサリ改革するべきです。それを続けていると変な欲がでてくるから、そんな材料なんか持たせないほうがいい。これから業界に入ってくる新しい人たちのためにもね。 ――それが、団体が分裂したり揉めたりする原因にもなっていると? 蝶野 新しく入ってくる営業の人が、そういうのを見るのは嫌気が差すと思うんです。それに、チケットのノルマを与えられて、どっかで行き詰まってしまったときに、自分で金券を作れるというのは、なんかの間違いのきっかけになっちゃうし、やる気や正義感のある若い人たちを変な方向に持っていっちゃう可能性も大きいですから。 B8411291.jpg ――蝶野さんの目にも余る悪習だったんですね。 蝶野 みんな、言われればわかるんですけどね。営業の人間が分裂を繰り返していくうちに、根本の原因を忘れて、人同士のケンカになっちゃって。何が最初のケンカのきっかけだったのかっていったら、カネなんですよ。本にもそのことを書いているので、業界の古い人たちからの反響がしっかり来るのではないかなという感じはしてますね。 ――ところで、新日本プロレスがブシロードの子会社になってから、集客数が2~3割伸びているそうですけど、蝶野さんはどう感じていますか? 蝶野 先日、久しぶりに新日本の会場に行ったんですけど、オレたちがいた頃に少しずつ近づいている気がしますね。プロモーターと話したんですけど、全盛期の3分の1、最近ようやく2分の1くらいの集客に戻ってきたように感じます。長州(力)さん、藤波(辰爾)さんの時代はテレビのプロレス、オレたちの世代は紙=週刊誌のプロレスで、今はSNSをはじめとするITの時代。その攻め方が世間とうまくマッチングすれば、全盛期の2~3倍の集客も可能だと思います。 ――そこまで集客を伸ばすために、今プロレス業界がするべきことはなんでしょうか? 蝶野 今、プロ野球全試合で、半年間で864試合(リーグ戦のみ)ありますよね。今のプロレス団体の規模でやったら、とてもそこまでの試合数はできない。それに、例えばゴールデンウィークなら、どの団体も東京、大阪、名古屋など人が多い都市で試合をやりたがるから、そこで客の奪い合いが起きるんです。日本全国どこへ行ってもゴールデンウィークなんだから、最低でも西と東、その中でもさらに3ブロックに分かれて、それぞれが興行をしなきゃいけないんですけど。それは、業界としてスケジュールを組まなきゃいけないし、そうすると団体数も多くなきゃいけない。そこが全然発展していないので、それができる興行体制、選手体制を作らなきゃいけないんですよ。 ――それを難しくしている要因は、どこにあるんでしょうか? 蝶野 「あの団体とは一緒にやりたくない」っていう上層部同士のぶつかり合いもありますし、会場の問題もそうですね。会場となるホールや体育館は1年前に押さえて、2~3月前までキャンセルを受け付けるんですよ。だけど、それが今では大きい会場でもイベントが少なくなってきて「半年前に確定の内金を入れてください」という状態。興行は変更になることも多いから、なおさら業界全体で年間スケジュールが立てづらいんです。でも、今の業界が衰退しているときこそ、お互いが歩み寄って全体の管理ができる時期だとは思っているんですけどね。 ――今の若い選手に対して思うところはありますか? 著書の中では「怒りが足りない」とおしゃってましたけど。 蝶野 今の選手もオレらの若い頃もそうでしたけど、キレイな試合を組み立てたい、競技を見せたいっていう意識が強いんですよね。先日、全日本の解説に行って、ドリー&テリー兄弟のザ・ファンクス対淵(正信)さんと西村(修)の試合を見たんですけど、最初はザ・ファンクスの二人とも自分のいいところを見せようとしていて。もういい年なんで、それでいいと思ったんですよね。ところが、淵さんのキックがドリーの口に入って出血した途端に、ドリーの戦い方が変わったんですよ。ドリーはもう72歳なのに、カーっとなっちゃって(笑)。 ――ドリーほどの技術と経験を持っている選手でもそうなってしまうのが、プロレスなんですね。 蝶野 もうジジイなのに(笑)。現役選手には勝てないけど、相手に立ち向かっていくあの気持ちはプロだと思いましたね。闘争心に火が付いたところで初めて戦いが始まるのがプロレスなんですよ。 B8411279.jpg ――近年、蝶野さんは試合への出場を控えめにしていますけど、その怒りやフラストレーションはどこで発散しているんでしょうか? 蝶野 今は若い選手の相談に乗ったり、攻防面でのアドバイスをしたり、選手を焚きつけることで発散してます。「ここはチャンスだぞ、やってしまえ!」と(笑)。 ――蝶野さんが若い頃も、そうやって焚きつけられてたんですか? 蝶野 オレは焚きつけられた選手を仕向けられるほうだった(笑)。三銃士は好き勝手にやってたから、上の人からしてみたら押さえつけるのが大変だったって。だからマサ(斉藤)さんなんかが、(ビッグバン)ベイダー、(クラッシャー・)バンバン(・ビガロ)、(スコット・)ノートンら外人選手をけしかけてたみたいで。相手に「マサが『あいつらは若いから何やってもいいぞ!』って言ってたぞ」って聞いて、「マサさんが!? なんだとコノヤロー!」って感じで、滅茶苦茶やられては、やり返して(笑)。 ――確かに、その当時は激しい試合が多かったですね! 蝶野 ノートンなんか腕力はあるけど経験がないから、まともにやったらプロレスにならない。それでマサさんが「おいノートン、お前は力が強いんだから腕力だけでぶん殴ってこい!」なんて焚きつけてさ。武藤さんなんて、それでケガしちゃって。 ――武藤選手とノートン選手の試合はすごい試合が多かったですが、マサさんが後ろで糸を引いていたんですね! その武藤選手とは最近、やりとりはあるんですか? 蝶野 最近はないですね。武藤さんが全日本を辞める騒動のちょっと前に、彼の右腕である内田(雅之)さんを通して、「現場ではここに気をつけないと、足元をすくわれるぞ」っていうアドバイスをしたりはしてたけど、結局、現場じゃなくて上層部と揉めちゃったから、そこはノータッチでした。 ――武藤選手は独自路線、自分の思った道を突っ走る人ですよね。 蝶野 それはそれでいいと思いますよ。武藤さんの全日本は、彼をトップにキレイな縦社会が形成されていて、とてもよくまとまっていましたし。ただ、縦社会になりすぎると、下の選手がいつまでも上に行けないんですよ。オレたち三銃士は自分たちの意見を出して、その上を倒していったんですけどね。今の若い奴らは、手を上げて物を言わない。アンダーテーブルで意見交換をし合って、ヘタしたらみんなで手を上げて意見を言うような感じ。それは時代の風潮なのかもしれないけど、オレは自分から手を上げて、前に進んで行きましたから。 ――蝶野さんは本当にいろんなことをしていますよね。プロレス以外でも露出が多いですし。それもプロレス人気復活のためにやっていることですか? 蝶野 いや、そこらへんが難しいところで。(月亭)邦正をビンタするのは、プロレスにつながってないような気がしてきて(苦笑)。プロレスを知っている人は「お、蝶野が出てる」って注目してくれるけど、若い人には違ったイメージが付いちゃったみたい。それはしょうがないですけどね(笑)。まぁ、プロレスラーとして見てくれる分にはいいかなと。 ――十分、プロレスラーの強さは伝わっていると思いますよ(笑)。最後に、本には書ききれなかったこと、あえて書かなかったことってありますか? 蝶野 それはプロレス界が次のステップに移行するための方法論です。各団体、関係者には提案していますけど、それはオレのライフワークとしてこれからやろうとしていることだから。ファンにはその活動に注目してほしいし、期待していてほしいですね。 (取材・文=高橋ダイスケ) ●ちょうの・まさひろ 1963年9月17日、アメリカ・シアトル生まれ。84年10月、新日本プロレスでデビュー。海外修行から帰国後、武藤敬司、故・橋本真也とともに「闘魂三銃士」を結成、一躍看板選手へと成長を遂げた。とりわけ96年以降、一大ムーブメントとなった「now」の総帥として絶大な存在感を発揮。その後、「TEAM 2000」を結成。10年2月に、デビュー以来26年所属していた新日本プロレスを離れ、現在フリーランスとして活動中。

「家族サービスは小倉競馬場だった」“テレビ界最後の大物キャスター”草野仁の知られざる亭主関白時代

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撮影=尾藤能暢
先日、著書『話す力』(小学館)を上梓したテレビキャスターの草野仁氏。近年は“肉体派キャスター”として、マッチョな伝説が注目を集めているが、本職はご存じの通り、元NHKの売れっ子キャスター。その経験を生かし、自分の思いを言葉にして伝える術や、よいスピーチのコツなどを、実際に自分が聞いて感心したエピソードや、タレント、芸能人たちの話術をもとに解説している。読みやすい文体に、分かりやすい例え話が多く、すぐに実践できそうな話し方のコツが綴られ、ビジネスマンも重宝しそうな一冊だ。そんな本書を書くこととなったいきさつや、亭主関白時代のちょっとヒドいエピソードとは……!? ――実際にお会いすると、体つきがたくましいですね! どんなトレーニングをしているんですか? 草野仁(以下、草野) いやいや、トレーニングというほどのものではないですが、ストレッチ、ダンベルを使った運動、エアロバイクなどは日課にしていますね。もうすぐ70歳になりますし、自分の思った通りに体が動くように、ある程度は鍛えたいと思ってはいますね。 ――そのお年で、その体つきはヤバいですよ! やっぱり、自分の体を眺めたり、露出したりするのは好きなんですか? 草野 はっはははははは(笑)。そこまでナルシストではないですよ! ――いろいろな番組で披露しているので、てっきりお好きなのかと思いました! いきなり脱線してすみません……。で、本題の『話す力』ですが、本書を執筆しようと思ったきっかけを教えてください。 草野 欧米人は話し上手で、日本人は口ベタという構図が常識になっていますよね。それはなぜなのかと自分なりに考えてみたのですが、欧米人というのは、昔から肌の色、髪の毛の色、目の色も違う人たちが集まって、ひとつの共同体を作っているじゃないですか。そこで、何か問題があって、話し合いをしなければいけないときに、自分の意見を分かりやすく、明快に伝えられないと、構成員としては認めてもらえないはず。だからこそ、彼らは自分の思いを言葉に託して、ちゃんと話すような習慣がついたのではないか。それが、ギリシア時代から続き、雄弁術や修辞学という学問も発達するようになったんだと思うんですね。 ――違う人種の人たちと意思疎通するには、言葉でしっかり伝える必要があった、と。 草野 ええ。日本人の場合は、封建社会が長く続いて、お上の意思が下々の人たちに自然に伝わる上意下達のシステムができていた。さらに江戸時代になると、儒教の精神が浸透してきて「男でペラペラしゃべる奴にロクなのはいない」とされ、不言実行がよしとされていましたから、あうんの呼吸で、息遣いで理解しようとする。歴史的に見て、日本人はしゃべって自分の考えを伝えるという経験を、ほとんど持っていません。 ――欧米では教育段階でしっかりカリキュラムを組んで、ディベートなども活発に行っているそうですね。 378A0190.jpg 草野 そうなんですよ。日本ではそのへんがまだまだで、圧倒的に彼我の差がある。「そこを埋めるためには、どうしたらいいだろうか? どうしたら我々の考えたことを、言葉に託して言えるようになるのか?」を考えていたら「そうだ、私自身が46年間放送の世界にいて培った、自分流の話し方や表現方法が使えるんじゃないか」と思ったのが、本書を書くきっかけになりました。 ――草野さん自身、欧米人と差を感じた経験は何かありますか? 草野 経験ではないのですが、我々アナウンサーは大卒で入社すると、話すことの修練をさせられるんです。それで、ある程度そのスキルがついたところで「○○の番組で読め」と言われてアナウンサーとしてデビューするわけですが、欧米のテレビでは「アナウンサー」という職種はないんですよ。つまり、ちゃんと教育を受けた人は誰でもしゃべれるという考え方で、最初からブロードキャスターとして採用されるんです。そして、ニュースをただ読むのではなく、いろいろな問題や事件を自分で取材して、自分の考えで報道できるようなシステムになっているんです。 ――そこまで、力量が認められているんですね。本書『話す力』は、さまざまな方のエピソードや、実際のスピーチなどを織り交ぜて、非常に読みやすく、分かりやすい内容でした。書くにあたって、気を配った点はなんですか? 草野 職業柄、いろいろな会場でスピーチを聞く機会が多いのですが、そこで実際に聞いて、すごいなぁ、いいなぁと感じたエピソードを紹介しようと思いました。プロゴルファー・石川遼選手が青木功選手へ贈った見事なスピーチ、映画監督の松山善三さんが結婚披露宴で述べた祝辞など、今でも一言一句思い出せるような印象深いエピソードを紹介しています。 ――また本の中で、雑談力をつける方法として、ニュースや新聞などをチェックして一般的な話題を取り入れる「横軸」と、この話題ならいくらでも話ができるという「縦軸」のジャンルを日頃から勉強するようにしましょうと書いてらっしゃいましたが、草野さんの「縦軸」ってなんですか? 草野 仕事としてスポーツ放送を担当していて、実況中継でいえばNHK時代に30競技くらい担当したので、スポーツに関してはお話しできると思います。あとは、映画、音楽……のジャンルは限られるけど、古いタイプのジャズは、ある程度はついていけますね。それと、競馬が大好きなので、それはまったく話が尽きないくらいです(笑)。 ――競馬といえば、本書でも触れてましたけど、家庭サービスで家族を競馬場に連れていったそうですね。 草野 ええ(笑)。家内に、何か家庭サービスをしろと言われましてね。最初は車で5分くらいの公園に連れていったんですよ。そしたら「あれは家庭サービスのうちに入らない」と言いだしましてね。“ああ、近いからダメだったんだ。じゃあ、今度はもう少し遠いところに行くか”と思いまして、当時は福岡にいたので、自宅から車で1時間のところにある小倉競馬場に、家内と家内のお母さん、息子2人を連れていったんですよ。 ――時間の問題じゃないでしょう(笑)。まして、その頃の小倉競馬場なんて、女子どもの行くところじゃなかったと思うんですが……。 草野 今でこそキレイになりましたが、当時はね……。そんな中で、日よけも何もないベンチに家族を放り出して、自分は一日中馬券を買っているという(笑)。 ――それは家庭サービスじゃないですよ。ずいぶん亭主関白だったそうですね。 B8411239.jpg 草野 福岡放送局の同僚の間では「いかに女房を粗末に扱っているか」を自慢し合っていましたからね。「このままではいけない!」と気づいたのが、なんと結婚17年目ですよ。NHK時代は「オレは働いているからいいんだ!」って威張ってるわりに稼ぎが少なくて。当時のNHKは本当に給料が安くて、民放の50~60%くらいだったと思います。 ――意外に安かったんですね……。 草野 ええ。それからフリーになって、朝の番組の担当をしたんですね。朝3時半くらいに起きて、準備をして、4時過ぎに家を出て、5時に局に入るという毎日を送っていました。そんなある日、朝起きてハッと気づいたんですよ。家内は僕より30分~1時間前に起きていて、冬は部屋を暖めたり、お茶を入れたりして、準備をしてくれているわけですよ。「そうか、敵も結構大変だな」と、その時初めて思いまして。 ――敵ですか(笑)。 草野 そこからは相手の立場を慮って、威張り散らさなくなりましたね。40歳くらいのことです。家内にしてみれば、そういう変化は喜ばしい、夫としてちゃんと更生の道を進んでいるそうです。ふっふふふふふふ(笑)。 ――人間は、いくつになっても更生できるということですね。お年でいえば、みのもんたさん、久米宏さん、松平定知さんは同い年なんですが、お互いを意識することはありますか? 草野 昭和19年生まれ組は、いまだにみんな頑張っていますよね。私の場合は、ほかの方がみんな大きい存在だったから、みのさんや久米さんを意識するようなことはなかったですね。ただ、久米さんが『ニュースステーション』(テレビ朝日系)でやっていた、最後に軽い皮肉を込めて言い抜けるテクニックとか、参考にしたりしていましたよ。 ――それが『世界ふしぎ発見!』(TBS系)で回答者をたぶらかす司会ぶりに生かされているんですね! 草野さん、最近は、真面目に見えて実はマッチョだったり、ちょっとダーティーだったりするところが注目されていますね。 草野 『草野☆キッド』(テレビ朝日系)で浅草キッドのお2人と共演してからですね。私のそういう部分を、見事に引き出してくれて。NHKにいたころはカッコつけてましたけど、そりゃ人間ですからバカバカしい部分もありますよ(笑)。 ――そういう部分も、草野さんが親しまれている大きな要因ですよね。 草野 ただ、家内にはなんと思われているか。これからも真面目に、夫として更生の道を歩んでいこうと思います(笑)。 (取材・文=高橋ダイスケ) ●くさの・ひとし 1944年満州生まれ、長崎育ち。テレビキャスター。東京大学卒業後、NHKに入社。主にスポーツ・キャスターとしてモントリオール五輪、レークプラシッド五輪の実況中継やロサンゼルス五輪のスタジオ総合司会を務める。85年NHKを退社し、フリーのテレビキャスターとなる。現在、『世界ふしぎ発見!』(TBS系)、『主治医が見つかる診療所』(テレビ東京系)などに出演中。