「ラッセンが好き~♪」でプチブレーク 孤高の四十路芸人を脱した永野が次に目指すは“21世紀の荒木師匠”!?

151112_cyzo_13.jpg
取材前日、安い酒に悪酔いしておでこを負傷したという永野氏。「もう体が高い酒に慣れてるから……」(撮影=五十川満)
 青いシャツにボブカット、狂気すらはらんだ笑顔で訴えるラッセン愛……。つい数年前までは知る人ぞ知る芸人だった永野が今、満を持してブレークの時を迎えている。今回「1,000枚予約達成したら」という条件付きで「完全に完璧な」(※永野談)DVDが発売されると聞き、急遽インタビューを敢行。アングラからの「裏切り者」「魂売りやがって」という声に、永野はどう答えるのか。そもそもDVDは、発売なるのか……? ――「完全で完璧な」DVD……中身が気になります。 永野 世の中には、変なネタを集めたDVDはいっぱいありますけど、DVD自体が変わっているっていうのは新たな試みだと思います。 ――DVD自体が変わっているとは? 永野 DVD自体がおかしいっていう作りです。どうしようかな、これも言っちゃおうかな……。いや、実はパクリなんですけどね。石井聰亙(現:石井岳龍)監督の『爆裂都市 BURST CITY』からパクッたんですけど。ここで初めてバラします。 ――パクり!? 永野 サイゾーさんならいつかバレると思うんで話しますと、陣内孝則さんとかが出てた『爆裂都市』のキャッチコピー<これは暴動の映画ではない、映画の暴動である>から、パクッたんですよ。<これは変なDVDではない、DVDが変である>。初告白しますけど、オリジナリティがまるでないんです、僕は。全部パクリなんすよ! ――永野さんはオリジナリティの塊だというのが、世間一般の認識だと思いますが。 永野 僕は今まで、ロフトプラスワンに集う、若い多感なサブカル好きな人たちをだましてきました。本当はなんにもなかったんですよ。だから40過ぎて、本当のことを言っていこうと思って。 ――だましているという感覚はあったんですか? 永野 そうですね。確かにこの20年間は、目が死んだ連中が支えてくれてたんですけどね。だけど、彼らはまったくお金を落とさないことに、あるとき気づいたんですよ。それで歌ネタにシフトチェンジして、最近ではお子さんやご年配の方までが覚えてくれるようになりました。しかし……その方たちは、DVDを買うという欲求がないのです。 ――DVDの予約状況は? 永野 今日の時点で、まだ500枚しかない。こういうの、発表と同時にガッと600枚ぐらいまでいくべきじゃないですか。そこから足踏みして、1,000枚達成……だと思うんですけど、僕の場合、ガッといって200枚。それからあの手この手で500枚売って、もう限界値まで来てるんじゃないですかね。ドーピング打ちすぎた馬みたいな。 ――いやいや、ここからですよ! 永野 だから今日は、今年に入ってからずっと背を向けてきたサブカル連中に、もう一度立ち上がってくれないかっていうお願いのインタビューなんです。 ――自分から裏切っておいて(笑)。
151112_cyzo_06.jpg
永野 黒いジャケット着て、ロフトの地下で「こんなことやっていいの?」ってネタをやってた人間が、もう整形手術したみたいに口角上げて、金稼いでるわけですよ。だから、サイゾーさんを通して彼らに「僕が一回君たちから離れたのは、大きくなって戻ってくるためだよ」って伝えたい。「ふざけんな! あんなセルアウトした人間が」って思ってるやつらに。 ――セルアウトですか。 永野 僕、40過ぎてからエミネムに出会って、ヒップホップの思想に入りまして。人生は「ゲット・ザ・マネー」だと知り、生き方を変えたんすよ。僕は74年生まれですが、若い頃、貧乏くさいパンクがはやってたんですよ。資本主義が敵、みたいな。でも、よかった。40過ぎてヒップホップに出会って、資本主義者になれたから。お金はまだついて来てないですけど、主義は資本主義です。資本主義者なのです。あ、ここ太字でお願いします。 ――黒人ラッパーが、キレイなチャンネーをでっかい車に乗せてる発想ですね。 永野 一方パンクロッカーって、痩せてて恐ろしいじゃないですか。ずっとパンクやってる人は50代でもガリガリで、周りもそういうのだらけだから、自分も病理に気づいてない。あんなのね、地方行ったらおばけですよ。人間太らないとだめです、男も女も。年取れば取るほどね。とまぁ、エミネムとの出会いが、僕をDVDリリースへと駆り立てたんですよ。 ――集大成としてのDVDなんですね。 永野 いろいろあっての集大成ですね。歌ネタばっかりのDVDではないです。かといって、昔の感じの尖ったものだけでもないです。その両方を足して、ダークな僕とポップな僕って、そんな単純な構図でもない。すごいです、これはもう。何が起こるかわからない。僕自身、わからない……。 ――11月28日には、DVD関連のイベントも開催されます。 永野 これはですね、料金はかからないんですけど、その代わりその場でDVD(4,000円)の予約をしてください、と。おのずと、DVDの予約につながるというシステムです。ゲット・ザ・マネーの発想です。「もうDVD予約したわよ!」という熱心なファンには「もう1枚買いなさい」って、そういうイベントなんですよ。パンクの発想とかないです。みんな楽しんでってくれよ! とか、そんなのもないです。「金を落とせ、4,000円」。落としていけ、この永野に。話がそれましたけど、来ていただいたお客様のために、新ネタを交えた単独ライブ形式でやろうと思っています。単独ライブって年に1回やるかやらないかぐらいですけど、なんと急遽やります。いまアメブロ(http://ameblo.jp/cawaiinecochan/)をやってるんですけど、世に出てから急にサイバーエージェントと手を組んで、“ザ・芸能人”みたいな(笑)。「永野と踊ろう!」っていう動画をアップしているんですけど、イベントに来てくださった方と、それを一緒に踊ろうと思っています。
151112_cyzo_04.jpg>
――ただの怪しいセミナーみたいな感じかと思ったら、めちゃくちゃ内容濃いですね。 永野 やりますよ。新ネタを交えた単独プラス、ふれあいの会もして。僕ね、営業とかで「わ! 永野さん来てくれた」って、そういうの大好きなんですよ。今までなかったことなので。ただ、これは声を大にして言いたいんですけど、東京のライブでは終わったら帰ってください! ライブの後に来られるの、すっごい嫌なんですよ。ライブのお客さんって、狭い感じというか、重い感じで近づいてくるから。イベントは100%全力でやりますから、終わったらすぐ帰れ!  ――(笑)。 永野 あと、これも言っておきたいんですけど、4,000円って、ちょっと高いと思うでしょ。お笑いのDVDっていま、ロープライス化してるから。でも2,000円だったら、2,000円の内容しか作れない。まあ、これも脱毛キャンペーンの車内広告からパクッたんですけど。<安い脱毛からは安い達成感しか得られない>って。でも、本当にそうだなあって。実際このDVD出したら、“今後ライブやる意味あんのか説”が急浮上してるんですよね。なぜなら、これは生でもない映像でもない、新しいDVDなんで。今後、生の意味が弱くなると思う。表現手段としてね。ヘタしたら、11月28日がラストライブになる可能性もある。 ――……そこまでご自身を追い詰めて、大丈夫ですか? 永野 中流家庭で育ったんですけど、思想はゲットー育ちなんで。お母さんが作ってくれた温かいご飯を食べて育ってきましたけど。実際アングラでやっていた時より、DVDの内容は尖ってます。卑猥なもの、ヤバいことこそ最先端の笑いだっていう時期はとっくに超えてる。 ――ヤバいことこそ最先端の笑いっていう風潮は、確かにありますね。 永野 それはもう時期です。思春期や反抗期と一緒で、いつまでもやってられるもんじゃない。若い頃はかっこいいと思うんですけどね、そういうの。でもね、僕は歌もののDVDを出すつもりはない。そういうことじゃないんです。昔より、めちゃくちゃやばいんですよ。 ――“お笑いわかってるやつは永野が好き”みたいな意見は、本人としてはどう感じていたんですか? 永野 正直、最初はうれしいじゃないですか。コアな感じって。お笑いを追求するみたいなの、はやってたし。でも、よく考えたら僕、別にお笑い命じゃなかったんですよ。持ち上げられて調子に乗った気持ちと、「あれ?」っていう気持ちと、両方ありましたね。 ――「カルト」の称号って、表に出さないための鎖みたいな意味もありますよね。 永野 バナナマンさんのラジオに呼んでいただいたときに、そういう話になったんですよ。昔は孤高の芸人とかカルト芸人とか言われて、でも本当の僕はテレビに出たかったって話をしたら、バナナマンさんが「すっごいわかる」って。自分たちも、もともとはテレビに出てやりたかったのに、いつのまにかストイックな単独をかけて、お笑いを追求するみたいな方向に行っちゃったんだけど、ある時「別にそうじゃなかったよね」って思い出したと。本当はテレビに出てわーってやりたかったのに、売れないもんだからひねくれちゃって、お笑いを求道する方向に行っちゃって、そこで評価されると抜け出せなくなる。 ――永野さんは、その紆余曲折に悲哀感がないのが素敵です。 永野 一番嫌いです、もう。悲哀とか最悪。テクノも通ってたんで、僕は。テクノに悲哀はないから。何度も言いますが、悲哀は最悪。芸人のいい話とか、あれが暗くさせるんですよ。お笑いを、日本を。そんなの独り言でいいのに、Twitterとかでわざわざ「あーもっと漫才うまくなりてえ」ってつぶやく芸人いるじゃないですか。知らねえよ、バカ! って。それにファンも「頑張ってください」とか「すごいストイックですね」とか、あぁ気持ち悪い。なんなのそれ? とか思っちゃって。もっと言うと最近、本当にそういう連中とは違う人種だなって。
151112_cyzo_10.jpg
――違う人種というのは? 永野 もし本当にうまくなりたいって思ってるとしたら、じゃあもう僕、君たちと友達じゃねえわっ。その人たちが「お笑い」なら、僕そもそもお笑いじゃないんじゃないかっていう境地に。単に腰振ってる、変な男でいいかなって。最近出てないですけど、荒木師匠っていたじゃないですか。僕は荒木師匠になりたいんです ――あぁ、荒木師匠! ジュリ扇お立ち台の! 永野 荒木師匠には、悲哀が一切ありません。ただそこにお立ち台があるから、踊る。「♪チャッチャッチャチャッチャ~フゥ!」って、聞くだけでブチアガる名曲とともに。やっぱり自分はあれをやるべきだと思って。 ――昨今の賞レースなどで、裏側を見せる演出も、無粋っちゃ無粋ですよね。 永野 そうなんですよ。いつのまにか、そんな流れになってしまった。最近J-POPも芸能人も、「君のそばにいるよ」ってものばっかりなんですよ。だからこそ、このDVDのテーマは「君のそばにいないよ」。荒木師匠はいなかったですもん。だけど、好きでしたもん。隣にいたら気持ち悪いですよ、荒木師匠が。プリンスもそうですよね。プリンスがそばいたら、嫌じゃないですか。プリンスはやっぱ、豪邸に住んでてほしい。もういいよ、身近とか親近感とか。  アングラで追求した“尖った芸を”って、それもいいんですけど、その尖った芸は人を不快にさせることも多い。深い意味で、荒木師匠は狂ってるじゃないですか。別に毒々しいことも言ってないけど、あんな死んだ目でひたすら踊るって狂ってるし、見ててブチアガる。お笑いは変な方向に行ったら意外とつまんないなっていうのは、勉強になりましたね。元気にはなんないなって。否定もしないですけど。   ――お笑いに関してやる方も見る方も、「真面目」すぎるのはわかる気がします。 永野 あと「あの人いい人だから応援しよ」とか、もういいですよ。うっとうしい。いい人だからなんなんだよ!? って。なんなんだよ、空気読めって。ホントよくないですよ。荒木師匠なんて、全然空気読んでないですから! そもそも空気読んでたら、すぐお立ち台から降りるわけですから。でも、偉大な人って、みんなそうって聞きますよ。ブルース・リーも。 ――空気を読むな、感じろ! と(笑)。 永野 この2人好きなんすよ。荒木師匠とブルース・リー。ブルース・リーも、全然空気読まなかったらしいですよ。ジャッキー・チェンも好きなんですけど、ジャッキー・チェンは読むんですよ。ブルース・リーは、イケイケのまま死にましたからね。調子こいたまま死にましたよね。 ――今は調子こいたら、今すぐ叩かれますし。 永野 すぐ叩かれるんですよ。一時期、総合格闘技がはやったじゃないですか。プロレスより、リアルなほうがいいって。でも、みんな飽きていった。やっぱり、本当とかリアルって、ある一定を超えたらつまらないと思うんですよね。ブルース・リーも、ヌンチャクの実用性考えたら、一発敵に「バシン」でいい。それをいちいち振り回し、しかも上半身脱ぐ。そういう無駄こそ、最高なんです。荒木師匠も、婚期に踊り狂ってたんですよ、あの人は。すごい覚悟ですよ。サイゾー読んでるアングラファンにも、目を覚ましてほしい。変な骨董品眺めて喜んでる場合じゃない。 ――と、変な骨董品だった永野さんが(笑)。 永野 とにかく11月28日、来たら目ぇ覚まさせますよ!! (取材・文=西澤千央) ●永野オリジナルDVD(発売未定)予約受付特設サイト <http://ps.ponycanyon.co.jp/nagano/> ●永野緊急単独ライブ特別編~会場で発売未定DVDを予約してくれる人限定ライブ~ 「すでに予約してるって人はどうすればいいかって?もう一枚予約するしかないっしょ~!!」 日時:11月28日(土)12:30開場 13:00開演 / 18:00開場 18:30開演 会場:ポニーキャニオン本社1Fイベントスペース <http://hp.ponycanyon.co.jp/event/content/1388/>

料理を作って妻の帰りを待つスタン・ハンセン かつての不沈艦のリタイア後の驚愕のライフスタイル

StanHansen_main
 至宝・ウエスタン・ラリアットを武器に、日本のマットを(ときどき客席も)縦横無尽に暴れまくった不沈艦ことスタン・ハンセン。特に今の30代後半以降のプロレスファンに強烈な印象を与えたハンセンも、2001年に現役を引退し、15年8月には66歳となった。そんな彼が11月に著書『日は、また昇る。』(徳間書店)を上梓。プロレスデビューから現役引退までの思い出と当時の心境、そして引退後の今の生活についても語った同書だが、その中には当時のファンからすれば思いもよらないことが書かれていた。どうやら、今は主夫として家族のために料理をし、妻の帰りを楽しみに待つという生活をしているらしい……。 ――本を読みました。引退後はずいぶん穏やかな生活を送っているようですね。まさか、あのハンセンがアップルパイを焼いて奥さんの帰りを待つような暮らしをしているなんて、思ってもみなかったです。 スタン・ハンセン(以下ハンセン) HAAH! ライフスタイルが変わったんだよ。リング上で見せてたキャラも自分の一部、もう一人の人格だ。でも引退して、それが変わったんだ。現役の頃だって、趣味のことや家族のこと、プロレス以外にもいろいろ考えていることがあったしね。プロレスは自分の仕事でもあり収入源でもあったけど、自分の人生はそれだけではないよ。自分はレスリングをすごく愛してたし、本気でやっていたことは間違いない。ものすごくハングリーで、トップに立ってやろうって、それを目標にして頑張ってきたし、トップに立てるなら手段を選ばずにやってきた。ただ引退して、自分のライフスタイルの中で、自分が興味を持っていたレスリング以外のものが前に出てくるから、当然変化が出る。いつまでも過去の栄光に浸ってられない。前を見て進むしかないからね。 ――その興味があることというのは? ハンセン 今はファミリーだね。子どももいるし、孫もいて、愛する妻もいる。家族で旅行に行ったり、出かけたり、毎日一緒に食事したり。ファミリーがメインになっているよ。 ――家族のために料理もよくするそうですけど、その愛する奥さんがあなたの料理で好きなのはなんですか? ハンセン スペシャルパスタディッシュだね! 週一で作っているパスタ料理があるんだ。ナスやマッシュルームを使ったパスタで、それが特にお気に入りだよ。 ――本でそのレシピも公開してくれればよかったのに。次の本はハンセンのレシピ集をぜひ。 ハンセン レシピの版権を登録できたらやろうかな(笑)。ただ、妻は料理のプロだけど、私はまだグリーンボーイだから。引退したら、またグリーンボーイになってしまったよ(笑)。 ――引退後に不幸になる選手が多い中、あなたはとても充実した暮らしを送っているようですね。 ハンセン その理由は神様が見てくれているのが一点(※ハンセンはクリスチャン)、最高のパートナーがいるのが一点。ほかにどんな悩みがあるっていうんだい? もちろん現役のときはレスリングが大事だったけど、引退した今は典型的なミドルクラスで、充実した日々を送っているよ。 ――今現役のプロレスラーが引退して、あなたのような暮らしを送るためにアドバイスするとすれば? ハンセン 残念ながらアドバイスはあげられない。ハンセンのやり方はハンセンに合ったやり方で、ほかの人に合うとは思えないからね。ただ、ひとつあるとすれば、ポジティブでいることだ。レスラーは蓄積したダメージが大きく、体中のあちこちが痛いのは当たり前。でも、体が痛いからといって、それをメインのポイントにすると幸せにはなれない。そりゃ何十年もやってるから体が痛いのは当然。大事なのはポジティブに考えることだ。
StanHansen_sub1
――まさに今、あなたがやってることですね。 ハンセン 自分のライフスタイルは自分が今まで作り上げてきたものだから、満足して受け入れるしかないんじゃないか。これはレスラーだけじゃなく、サラリーマンであろうが主婦であろうが一緒。ネガティブなことじゃなくて、新しく楽しいことを見つければいいと思うよ。 ――ときどきこうしてサイン会なんかをしていますけど、今後、日本でやりたいことはありますか? ハンセン 将来どうなるかはわからないけど、願わくばまた来たいね。日本には40年も来ているし、友達もいっぱいいて、食べ物も大好き。こういうふうに定期的に来たいとは思っているよ。 ――2年間、日本(神奈川県大和市)に住んでいたこともあるそうですね。地元の祭りで神輿まで担いでたとか。 ハンセン そうそう、ハッピを着て太鼓を叩いたりもしていたよ(笑)。今の時代だったらYouTubeにアップされていただろうね。あの時代だからできたことかもしれない。自分のプライべートまでは公開したくないからね。あのときは実にグレートタイムで、とてもエンジョイしていたよ。 ――周りも驚いたでしょう。 ハンセン いや、誰も気づいてないよ。ただのガイジンだったんじゃないかな。特別目立つようなことはしてないよ。見た目は多少違うかもしれないけど(笑)。 ――僕が子どもの頃から見ていたハンセンのイメージと違って、穏やかな人だということがよくわかりました。 ハンセン 現役の頃はプロレスラーで、リアルな人格で、正真正銘のひとつの人格だ。リングから降りたら、まるっきりあの人格はあり得ない。引退したら現役じゃないから、そうなるよ。 ――今もプロレスを見る機会は多いですか? ハンセン めちゃくちゃ見てるわけじゃないけど、私は日本のプロレスの歴史の一部だと思っているから、ときどきはチェックしてるよ。 ――引退後に本を出すプロレスラーの中には、今のプロレス界に対して、苦言や厳しいことを言うレスラーが多いけれど、あなたは違いますね。まったくなかった。 ハンセン 私が現役の頃はプロレスの黄金時代だと思っているし、あの時代で活躍できてたことも、とてもうれしく思っている。日本でもアメリカでも、今活躍している選手の中にはすごいタレントが多くいるのはわかっているし、それに対して悪口とか不安とか、ジェラシーとか、意味のない気持ちは持っていないよ。
StanHansen_sub2
――日本人プロレスラーは、プロレスを人生や生き様として語る人が多いが、あなたはビジネスとして捉えている。この違いをどう感じていますか? ハンセン プロレスが本当に人生のすべてと言えることはない。自分は初め、学校の先生として働いていて、食えてなくて苦労してた時代もあった。それで少しでも収入を増やすために始めたのがプロレスだから、それが自分のすべてとは言えないね。 ――ちなみに、前田日明氏から、あなたへのメッセージを預かってきているんです。「ハンセンと天龍(源一郎)の試合、あんなにタフな試合を見せられたのはあなたと天龍だけで、あんな試合はそれ以降、誰もやっていない」と。 ハンセン 天龍とはタフな試合はしていたし、前田にそういうことを言ってもらえるのは光栄だ! 前田は新弟子時代から知っているけど、そのときから「こいつは違うな、やってくれるな」と感じていたよ。 ――ファンの間では、若手時代の前田氏がセコンドにいるときに、ハンセンによく狙われてたっていうのが有名な話ですけど、本当に狙っていたんですか? ハンセン 前田はなんて言っているんだ? ファンがどう思うかじゃない、彼がどう思うかが大事だよ(笑)。 ――聞いておきますね(笑)。今日はありがとうございました! ハンセン こちらこそありがとう。インタビューを受けられてうれしいよ。  * * *  終始穏やかな雰囲気で進んだインタビュー。しかし、最後にカメラマンが「手をあごの前で組んでほしい」とリクエストしたところ、すかさず「NO!」という返事が。その際に見せた一瞬の鋭い眼光は、まさに現役時代の不沈艦のもので、スタッフ一同、一瞬ヒヤっとした。もちろん直後には柔和な表情になったが……。  ちなみに、インタビュアーの従兄が観戦時にハンセンにブルロープで背中を叩かれたことがあると伝えると「そのイトコはボーイか? だったら彼はそうなるべきだったんだよ」とコメントするも、最後は「彼に『ゴメンナサイ』と伝えてくれ(笑)」という気遣いも。やっぱり優しい人だった。 (取材・文=高橋ダイスケ/撮影=後藤秀二) ●スタン・ハンセン 1949年8月29日、アメリカ・テキサス州ノックスシティ出身。1973年にプロレスデビュー。1975年に全日本プロレスに参戦し、日本デビュー。1977年に新日本プロレスと契約、アントニオ猪木らと名勝負を繰り広げ、その後1981年に全日本プロレスへ。ブルーザー・ブロディとの「超獣コンビ」として人気を博し、シングルでもジャイアント馬場、ジャンボ鶴田、天龍源一郎、四天王(三沢光晴、川田利明、田上明、小橋建太)らと死闘を繰り広げる。2001年に現役引退。現在はアメリカ・コロラド州で暮らしている。

人気着エロアイドル・綾波ゆめ、AVデビューのいきさつを明かす!「むしろAVのほうが楽しい」って!?

ayanamiyume03
 身長150センチと小柄ながら、Gカップのミニマム巨乳アイドルとして人気だった綾波ゆめが先月「超美神綾波ゆめ 芸能人 AV Debut」で衝撃のAVデビューを果たした。今月9日には2作目となる「カワイイコスプレ綾波ゆめ」もリリース。チャイナドレス、メイド、ブルマ、バニー、OLなど7種類のコスプレに身を包んで、愛くるしい表情からは想像もつかないような大胆な絡みを披露してくれる。順調そうだった人気着エロアイドルがなぜAVに? 今回はそんな綾波ゆめを直撃。デビューの真相や今後の展望について語ってもらった。
ayanamiyume02
──衝撃のAVデビューから1カ月が過ぎました 綾波ゆめ(以下綾波) まだあんまり実感がわかないです。だってデビューの前からずっと撮られる仕事をしていたわけだし、始まったという感じじゃなくて、なんだが、いつもどおり淡々と仕事をこなしている感じ。でも、ちょっとまずいことも……。 ──まずいこと? 綾波 高校の恩師にデビュー作を見つかってしまったんです……。 ──えー!! 綾波 恩師というより、まあ、単純に仲が良かった先生という感じだったんですけど、なんか申し訳ないなって。見つかって恥ずかしいという気持ちより、そっちの気持ちのほうがすごく強くて……。 ──先生は何か言っていましたか? 綾波 「元気にしてそうだね」って……(一同爆笑) ──それで? 綾波 「おかげさまで元気にしております」って……。 ──地元でばれるほど売れてしまったということですよ。それにしても、そもそもまた、なんでAVに出ようと思ったんですか? 順調にアイドル活動をしていたわけだし、アイドルのままでもよかったのでは? 綾波 わたし、AVとグラビアアイドルの違いってあんまりわかっていなかったんです。どちらにしてもちょっとエッチな世界だし。そんなに変わりないんじゃないかって。 ──じゃあ、誘われてすんなりという感じだったんですか? 綾波 お話をもらったらなんでもやろうって決めていたんです。まあ、全く抵抗がなかったといえば嘘になるかもしれないですけど。どんどんお話が進んで……。でも、それで良かったっていえば良かったんですけど。
ayanamiyume06
──アイドルは水着どまりだけど、AVは全部脱いでしまわないといけないんですよ。 綾波 そんなに抵抗は感じなかったんです。やってみたら、むしろAVのほうが楽しいなって。ほら、グラビアって、ギリギリのところまで見えるか見えないかというところで、撮影していくじゃないですか。その点、AVは流れがあって、始まるとたた~ってやって、あ~って終わる感じ。こういうほうがいいかもって。 ──ポジティブですね。じゃあ、デビュー作の撮影は緊張も何もなくという感じだったんですか。 綾波 緊張とかなかったですね。前日も普通にぐっすり寝ましたし。反対に緊張感出してくれってお願いされたぐらいです(笑)。 ──いきなりテクニシャンなプロの男優さんとの絡みでびっくりしたりはしなかったですか? 綾波 初絡みのとき、男優さんのテクニックを目の当たりにして、やっぱりすごくうまいなって。わたし耳が性感帯なんですけど、はじめて3Pして、両耳を攻めてもらって、それがすごく気持ちよかったんです。 ──さっきスタッフさんに聞いたら、3Pの時、気持ちが良過ぎてすごい名言を吐いたんだとか 綾波 両耳を同時に舐められて、“耳が二つあるのは3Pのためなんだ!”って(笑)。 ──ポジティブ過ぎ! 綾波 あんな経験生まれて初めてでびっくりしたんです。わたし、乳首もそのためについているんだって思いましたよ。同時に舐められて。女性の体はどのパーツもみな3P用にできています(笑)2人分ちゃんとあるわけだから。
ayanamiyume01
──3Pってすごく慌しいって聞くんですけど。 綾波 慌しい感じは確かにありましたね。初めてで最初はどうしようって思ったけど、でも、意外と受動的でもなかったですよ。3Pの時わたし、頭の中で、両方の男優さんをどうにかして気持ちよくさせないといけない、萎えさせてはいけないって思いながら頑張ったんです。 ──すごいプロ意識ですね。 綾波 AVは最初の一本がとても大事って聞いていたから、新人だけど、きちんとぬけるものにしないといけないって思っていたんです。だから、撮影の直前にAVを借りて、フェラの勉強とかもしたんです。わたし、フェラには苦手意識があって、いろいろ研究しました。 ──フェラってすごく単純作業のようにも思うんですけど、やっぱりいろんなテクニックがあるわけですか? 綾波 単純作業じゃないですよ! 玉のもみかたとかスナップの利かせ方とか、口に含むときにも、ただ含むだけじゃなくて圧を抜くとか、舌でスクリューするとか……実はいろいろあるんです(笑)。あと、フェラには段階があって、そこもとても大切です。 ──段階? 綾波 あいさつ程度の玉なめに始まって、普通の気持ちいいフェラへとか。舌の使い方もいろいろあるんです。自分で言うのもなんですけど、撮影を通じてだんだんレベルアップできたと思いますよ。男優さんにも「フェラうまいね」って褒められたんです。フェラはずっと苦手科目だったんですけど、今は悪くないかなって。 ──研究の成果があったわけですね。 綾波 大事なのは一定のリズムです。あと、攻め方の引き出しの多さ。相手にも飽きさせないようにいろいろ考えてやるようになりました。
ayanamiyume04
──アイドルデビューが17歳の時。初体験もその頃なんですね。 綾波 はい。グラビアをやりだす少し前です。 ──相手はどういう人だったの? 綾波 同い年で同じバイト先の人でした。相手のおうちに誘われた時に、なんとなくやるんだろうなって。薄々わかっていたからその時もネットで調べて下準備のようなことをしました。今回、しなくてもどのみちするだろうから、やっぱり調べとこうって。 ──何を調べたんですか? 綾波 手順とかです。セックスの仕方とか、ヤフー知恵袋とかで調べると結構いっぱい出てくるんですよ。せっかくするんだから、普通じゃおもしろくないし、目も当てられないようなのも嫌だしって。 ──本当にポジティブですね。 綾波 お互い、顔を見合わせて、「今日するんだよね」みたいな感じでした。でも、実はわたし、処女を失ったのはその時が最初じゃないんです。実は中学一年生のときにうっかり指を入れて破いてしまっていたんです。その時は“処女”についての概念もあんまりはっきりしていなくて、最初は血が出て「あ、やばい生理だ」って(笑)。後々考えたら、あれが処女喪失だったんだなって。だから初体験の時も全然痛くなくて、濡れもいいし、なんだかハッピーセックスでしたよ。 ──彼とはその後は? 綾波 別れました。彼とは半年くらいでした。別れるかなというタイミングでちょうどグラビアをはじめたんです。 ──どんな男性が好きなんですか? 綾波 自分が両方の役割ができる相手がいいです。攻める、攻められる。両方楽しめる人が好き。理想的なのはお互いに攻め合うセックスなんです。性格的には『優しい人』って言うと、いっぱい種類があり過ぎてわかりにくいと思うんですけど、あえて言うと、わたしを否定しない人。言ったことに意見をかぶしてくるタイプじゃなくてきちんと受け入れてくれる人。あと、わたしの趣味を一緒に楽しんでくれる人が好きです。 ──綾波さんくらい可愛いと、誰でもどんな条件でも受け入れてしまうでしょう。 綾波 女優“綾波ゆめ”は受け入れてもらえるかもしれないですね。でも本当の私は難しいと思いますよ。だってわたし自身が男だったら自分みたいなタイプ、絶対嫌ですもん。 ──そんなことないですよ。 綾波 誰かの彼女になるということに関しては、わたし失格なんです。セフレだったらいいかもしれないけれど。要するにわたし、安らぎを与えるタイプじゃない気がするんです。でも、相手を楽しませることは得意だと思います。
ayanamiyume05
——性感帯はどこですか? 綾波 耳と首と背中です。さかなでる感じでされるとすぐ感じます。耳と首に関しては何をしても感じるという感じです。 ──趣味はアニメやコスプレだそうですが、2作目はまさにそんな趣味を生かしたコスプレものです。どのコスプレが一番楽しかったですか? 綾波 チャイナかな。わたしのなかではここ2年くらいずっとチャイナ服ブームなんです。とりあえず鉄板という感じがしています。また今回着たチャイナが可愛いんですよ。背中もぱっくり開いていて。 ──デビュー作ではフェラに力を入れたということですが、今作では何か力を入れて勉強したことってあるんですか? 綾波 一作目の時パイズリをはじめてやって本当、つたないというか。慣れないもんだからこれで男優さんいけるのかなって心配になったりしたんですけど、今回はパイズリをせめて少しはましなものにしたいなっていろいろ試行錯誤しました。 ──パイズリってやる側からすると、どういう部分が難しいんですか? 綾波 そもそも圧がかけにくいってところ。あと、よっぽど大きい子じゃないとすべては包めないんです。構造上、亀頭をうまく攻めれない。イカせようと思ったら半手こきみたいな感じになっちゃう。これは違うなって最初のときはもやもやしていました。 ──今作では結果、うまくいきましたか? 綾波 自分ではまだ満足できるレベルじゃないです。 ──2作リリースされましたが、今4作目まで撮り終えていると聞きました。今後はどんな作品に出てみたいと考えているんですか? 綾波 痴女ものをやってみたいです。 ──攻めるほうが楽しいということですか? 綾波 攻め合うのが好きです。 ──実際、自分の中に痴女な部分ってあるんですか? 綾波 ないかもしれないですね。今、できそうなのがそれかなっていうのもあります。 ──今撮り終えている作品というのはどんな作品なんですか? 綾波 風俗ものと潜入捜査官ものを撮りました。潜入捜査官ものでは暴れすぎて分娩台壊してしまいました。出来上がりが今から楽しみです。 ──4作でデビュー、コスプレ、風俗、潜入捜査官ものって……。清純ものから陵辱ものまで何でも体験したという感じですね。もう何も恐いものは何もないのでは。 綾波 駆け足過ぎて大丈夫かなって心配しています(笑)。 ──ハードなものもいいですが、もっと可愛い綾波さんも見てみたいです。 綾波 期待してください。これからいろいろやっていくと思います。頑張ってエッチのお勉強もします。DVDが出るたびに成長していくわたしを見てください (取材・文=名鹿祥史)

ドッペルゲンガー!? 神出鬼没のそっくり芸人・浅野智秋に聞く、売れない芸人が香川真司になるまで

IMG_8800_
 現在は、ドイツ・ブンデスリーガのボルシア・ドルトムントで活躍する香川真司。その彼のチームメイトが、あまりにもそっくりすぎて「真司のドッペルゲンガー」だと呼んだ、日本の芸人がいることをご存じだろうか?  スポーツ関連のイベントに飛び入りしたり、ユニフォームを着てスタジアムに現れるたびに、「香川がいた!」とTwitterで大騒ぎになるほど、一部でブレイク中だ。  しかも、香川選手本人に対面しているという、見上げたふてぶてしさ。一体どういうつもりだというのか!?  お笑いコンビどるとんず・浅野智秋に話を聞いた。 ■「似てないと思う部分が80%くらい」 ――じわじわと話題になっていますけど、そもそも香川真司選手のものまねを始めたきっかけは? 浅野智秋(以下、浅野) 12月にコンビを組んで、今の相方になってから香川ネタを入れていこうってなって。ネタでちょいちょい入れてたんですけど、今年の2月に『とんねるずのみなさんのおかげでした』(フジテレビ系)の「細かすぎて伝わらないものまね選手権」でテレビに出てから、ずっとやってるって感じですね。 ――コンビでやる前から、似てるって言われてたんですか? 浅野 周りにはもちろん言われてたんですけど、過去に組んでた相方があんまりサッカーに詳しくなかったり、僕が正統派をやりたかったんで、取り入れはしなかったですね。(お笑いライブの)エンディングとかで使うぐらいで。 ――自分で、そっくりだと思いますか? 浅野 似てないと思う部分が80%くらいあるんですけど、僕も23年間この顔でやってきたんで。急に言われても、「似てるのかな?」って思いますね。 ――いや、そっくりですよ! 一番最初に「似てる」って言われたのはいつですか? 浅野 5年前ですね。5年前のちょうど南アフリカのワールドカップが終わって、すぐに同級生から指さされて「香川だ! 香川だ!」って言われて、「え? 誰?」ってなって。あとで家で調べたら、なるほどと。 ――サッカーは全然詳しくないんですね。 浅野 それこそワールドカップで観るくらい。南アフリカ大会の時って、香川選手は代表には選ばれてたんですけど、控えメンバーで試合には出てないんですよ。なので、そのときは知らなかったんです。中学3年間は、ソフトテニスをやってました。 ――サッカーとは違いますね。路上で、間違えられたりしますか? 浅野 普段は本人がドイツにいるんで(笑)。代表戦で日本に戻ってきた時に僕ともう一人、橋本まさをさんっていう長友佑都(インテルナツィオナーレ・ミラノ)選手のものまねしている芸人がいるんですけど、一緒に並んで座ってたら、若い男の人が「香川選手ですよね?」って声かけてきたんですよ。ものまね芸人だと思って声を掛けてきたのかなって。一緒に写真撮ったんですけど、何も言わずに「ありがとうございました」って行っちゃった。ものまね芸人とわかっていたら「ものまねされてる方ですよね」とか「テレビ観ました」とか言うじゃないですか。でも、なかったんで間違えてるんじゃないかな。 ――本物だと思ってますよ、それ(笑)。今年6月に香川選手と対面されたそうですけど、本人はどんな反応でしたか? 浅野 僕のことを香川選手は知ってたんで。で、その時「あっ!」って。「すいません。ものまねさせてもらってます、浅野と申します」って言ったら、「今いくつ?」みたいな感じで言われて。「22歳です」って言ったら、「あっ! 年下なんや」って言ってくれて。まあ、会話的には、そこで終わっちゃったんですけど。 ――それはイベントに呼ばれたってことですか? 浅野 アディダスで香川選手だったり、槙野智章(浦和レッドダイヤモンズ)選手だったり、宇佐美貴史(ガンバ大阪)選手だったりを担当してた方とつながってたんで、「今度6月30日に、両国国技館でイベントあるから来なよ」って誘っていただいて行きました。
IMG_8784_
■「僕は、セレッソ時代の香川選手に似てるって、よく言われるんですよ」 ――香川選手が、浅野さんを知ったのっていつなんですか? 浅野 槙野選手の誕生日会に、松岡修造のものまね芸人のこにわさんが呼ばれて。それで、こにわさんが槙野選手に僕らの動画を見せたんですよ。そしたら、(槙野選手が)「これ本人に送っておくよ」って、香川選手に送ってくれて。 ――現在、全国各地で営業をしていますけど、印象に残ってる営業先ってどこですか? 浅野 セレッソ大阪さんは、1人で行ったんですけど面白かったです。セレッソ大阪のユニフォームを着て、スタジアムを練り歩くっていう。ファン感謝デーだったんですけど、写真撮ったり。僕は、セレッソ時代の香川選手に似てるって、よく言われるんですよ。今じゃなくて、まだあか抜けてない頃の香川選手。で、「真司くんだ!」って言ってくれたり。 ――ホームのファンになると“くん”付けなんですね。 浅野 はい。あとは“真ちゃん”だったり、そんな感じです。それと関西のノリですね、セレッソ特有の。まず、「選手に会いたい?」って言われて、「会いたいです!」って言ったら、選手の控室に連れて行ってくれて。で、「そこの席空いてるから座りなよ」って、香川選手として座って。選手みんな笑ってくれて、その後スタジアムに入場して選手がスピーチするんですけど、そこに紛れて一緒に登場して。スピーチを振られたんですけど、親指立てて(笑)。 ――急に名前が知られるようになって、困ったことやよかったことってありますか? 浅野 よかったなって思うのは、こうやって仕事が来るようになったことですかね。で、悪い面は顔が似ちゃってるんで、やっぱり普通のネタをやると、お客さんが入り込めない部分ができちゃいますね。正統派のコントや漫才をやっても、もう顔が香川……になってるんで。 ――そっくり以外で、強みってなんだと思います? 浅野 ……たぶん、ないんじゃないですかね(笑)。 ――あはは。普段は、どういうネタをやるんですか? 浅野 僕と相方が見た目普通なんで、友達同士の設定とか同級生の設定とか、そんな感じですね。正統派です。 ――今は、ご自身の目指す正統派から外れてますけど、それはいいんですか? 浅野 ここまできちゃったら、香川ネタを推して知名度を上げて。今もやってるんですけど、ライブで正統派のネタを試しつつ、香川ネタをメディアでやっていけたらいいなって思ってます。
IMG_8795_
■声も極めていきたい ――コンビとしてやる時は、香川を使ったネタが多いんですか? 浅野 多いですね、それはもう。コンビ始まってすぐに、「もう使おう」って。相方のほうがスポーツ詳しいんですよ。サッカーもめちゃくちゃ詳しいので、一発目に作ったのが香川ネタですね。 ――憧れの芸人さんは、ずばり誰ですか? 浅野 憧れてたのはブラックマヨネーズさんですね。どちらかといったら、吉田さん。吉田さんの面白い返しとかツッコミだったりとか。身近でいうと、こにわさんですね。こにわさんって松岡修造さんのものまねをしているだけあって、すっごい積極的なんですよ。自分で仕事を取ってきちゃったりとか。 ――芸人としての野望や展望を教えてください。 浅野 まだ賞とったりしたことないので、思ったことはないんですけど、テレビに出たりとか、コンビとして売れたいですね。相方も一緒だと思います。賞レースは応募しているんですけど、結果振るわずで。はい。 ――これからもっと香川選手のものまねを極めてくださいね。 浅野 そうですね、表情とか動きとか。あと、こにわさんに言われたのは、僕の声と香川選手の声が似てるから、極めたらいけるよってことを言っていただいたので、声も真似できたらいいなって思ってます。 ――香川選手さまさまですね(笑) 浅野 はい(笑)。 (取材・文=編集部) ●浅野智秋(あさの ちあき) 1992年静岡県生まれ。ワタナベコメディスクール卒業後、お笑いコンビ・どるとんずを結成。今年2月フジテレビ系『とんねるずのみなさんのおかげでした』の「細かすぎて伝わらないものまね選手権」に、香川真司そっくり芸人として出演し、ブレイク中。6月に、香川本人との対面を果たした。 浅野智秋Twitter https://twitter.com/mu_asano

ついに一本拳が世界に炸裂──! 地下格闘技出身・渋谷莉孔の才能が完全開花した!!

shiburiku102701
(c)2015 ONE Championship
 必殺技の“一本拳”が、ついに炸裂した!――地下格闘技出身の渋谷莉孔(30)が10月9日、マレーシア・クアラルンプールで行われたアジア最大の総合格闘技イベント『ONE Championship』に二度目の参戦。フィリピン人ストライカー、ユージーン・トケーロ(34)を圧倒し、念願の海外初勝利を掴んだ。日刊サイゾーでは、無傷で凱旋した渋谷を直撃取材するとともに、コーチの大沢ケンジ(38=和術彗舟會HEARTS代表)もゲストに招き、当日の戦いぶりや勝因を分析してもらった。前回の善戦と今回の勝利で国内外のトップファイターたちから一目置かれるようになり、ファン層も広がった渋谷。さらなるステップアップを目指すべく、年内に次戦を行い、ファン交流イベントも開催するという。地下から世界に殴り込みをかけた元アウトサイダーは、果たしてどこまで成り上がるのか? * * *  完勝だった。5分3ラウンド、ほぼすべての時間帯を寝技で支配し続けた渋谷が、3–0の判定でトケーロを下し、海外初勝利を挙げた。  帰国した渋谷を都内の飲食店に招き、インタビューを行った。減量の反動で食欲が増しているのか、はたまた元から大食いなのか、彼が迷わずオーダーしたのは「厚さ7センチ、重さ720グラム」のマグナム・ステーキ! これをひとりでたいらげながら、淡々とした口調で自身の試合を振り返る。そこに客観的な戦評も加えるべく、所属ジムの大沢代表にも同席してもらった。
shiburiku102702
――海外初勝利、おめでとうございます。スタンドのヒジ打ちを得意とするトケーロを警戒して、もっと様子見をするかと思いきや、しょっぱなから積極的に距離を詰めて行きましたね。 渋谷 もっと全体的に競ると思ったんですけど、1ラウンドの開始早々、相手からローキックを何発か入れられたときに、「コイツ、たいしたことねえな。行けるな」と思いました。蹴られてカッとなったわけじゃないけど、「ぶっ殺してやる」って感じで、絶対に打撃を当てる自信を持って前に出たら、案の定コンビネーションがヒットした。そのあとタックルしてからは、勝手に体が動いてくれました。 ――タックルした直後、頭部にヒジ打ちを何発か食らっていましたが。 渋谷 反則覚悟で後頭部を打って来るというのは想定済みだったから、別になんとも思わなかったです。痛くもなかったし。 ――大沢さんは、序盤の戦いをどう見ていましたか? 大沢 イメージ通りだな、と。そんなに寝技ができそうな相手じゃないから、打撃で勝負しながら組めたら組んで、寝技で仕留めようという作戦だった。最初に打撃をバチンバチンって当てたとき、相手が圧力で負けたというか、ひるんだ感じがあったから、「あ、行けるな」と。ひるんだところでタックルに行って寝技に持ち込む。ここまではもう、イメージ通り。ただ、そんなに上手く行くわけないとも思った。上手く行くわけない、行くわけない……と思っているうちに、試合が終わっちゃったんですけどね(笑)。
shiburiku102703
(c)2015 ONE Championship
――相手にほとんど何もさせなかったですね。 大沢 寝技って実力差があると、相手は何もできないんですよ。何もさせないだけの差があったんだな、と。 渋谷 相手が弱かったというより、自分のレベルが予想以上に上がっていた感じっすね。やりながら「あぁ俺、強くなってんなぁ」って思いました。 大沢 課題はフィニッシュだな。KOするか、キメるかしないと、勝っても観客の印象に残らない。 渋谷 そこが心残りですね。年に何回かしか出られない大舞台で、せっかく絵を描いたのに、最後、額に入れられなかった、みたいな。僕は試合をアートとしてとらえているんですよ。もっとヒザとかを真上から落としたほうが作品の完成度が上がって、もっと客席も沸いたのかな、という悔いはあります。 ――客席を沸かせるために、スタンドで打撃戦をすることは考えなかったですか? 渋谷 2ラウンドは打撃でやっちゃおうかと思っていたんですけど、意外なことに、相手のほうからタックルを仕掛けてきて、僕が倒されちゃった。それでムキになって、2ラウンドも3ラウンドも寝技で攻めたんですけど、仕留め切れなかったですね。 ――大沢さんにお聞きしますが、今回みたいな相手を完全に仕留めようと思ったら、どう戦えばよいのでしょう? 大沢 マット・ヒューズ・ポジション(横四方固めの体勢から自分の足と腕を使って相手の両腕を固定して)から、もっと激しくヒジやパウンドを落とし続ければ、TKOを取れたはず。 ――サイドポジションからヒジを顔面にグリグリ押しつけつつ、ヒザで側頭部を蹴る場面が続き、けっこう効いているようにも見えましたが。 渋谷 あれで終わるかな、と思ったんですが……。練習でヒザを使うと相手に大ケガをさせちゃうから、ヒザの使い方に関してはあまりシミュレーションできていなかったですね。 ――2ラウンドの終了間際にパウンドを数発、思い切り振り下ろす場面がありました。あそこは見ていて興奮しました。 渋谷 さぁこれから! ってときに、ちょうどゴングが鳴っちゃいましたけどね。 大沢 でも、判定とはいえ勝ったのはデカイよ。勝つと負けるとはでは大違いだから。どんなに善戦しても負けたら評価されないのが格闘技の世界だから。 渋谷 ですね。あと今回は、一本拳(別項参照)をきれいに決められたのがうれしかったです。最初に左フックを当ててトケーロを流血させましたけど、あれ、一本拳なんです。2戦目にして、ようやく必殺技が炸裂しました。 大沢 ようやく決まったな(笑)。
shiburiku102704
一本拳とは、中指もしくは人差し指だけを突き出して、そこにパワーを一点集中させる殴り方。自分がケガをするリスクもあるが、当たれば相手に与えるダメージも大きい。渋谷は今年3月の海外初進出のときから、この一本拳を必殺技として使うと予告していた。もちろんルール上、反則ではない。
shiburiku102705
(c)2015 ONE Championship
――クアラルンプールで戦うのは二度目でしたが、客席の反応はいかがでしたか? 渋谷 入場のときからヤバかったっす。ハンパじゃなかったっす。特に現地の中学生くらいの少年ファンがたくさんいて、ものすごい声援を送ってくれました。 ――前回のアドリアーノ・モラエス戦を見て、渋谷選手のファンになった少年が多いのかもしれませんね。ちなみに前回はメインイベントでしたが、今回は12試合中7試合目でした。現地での人気を考えると、もっと終盤の試合順でもよかったような気もしますけど。 大沢 格闘技の場合、人気だけじゃなく、結果も見られちゃうんですよ。前回は確かにいい試合だったけど、負けは負け。今回は勝ったけど、この1勝だけでは、そんなに扱いは変わらないんじゃないかな。次も勝って、本当にファンを引きつけたら、扱いも変わってくるはずです。 ――次戦の予定は? 渋谷 今年の12月にやることだけは決まりましたが、詳細はまだ言えません。 大沢 渋谷にはいずれ『ONE Championship』でベルトを取ってほしいですね。そうすればますます面白くなる。今年から大晦日の格闘技興業(RIZIN)も復活するし、日本の総合格闘技は再び盛り上がりつつあります。そんな中、正規の路線じゃないところから這い上がってきた渋谷みたいな存在は面白いし、テレビ的にも使いやすいし、活躍できる力もある。アウトサイダー(前田日明主催の不良の格闘技大会)出身で、地下格闘技の世界でも戦っていた渋谷は、最初こそ色眼鏡で見られがちだったけど、いまや国内外のトップファイターたちからも、うるさ型の格闘マスコミからも、その力量を認められつつありますからね。 ――大沢さんから見て、「格闘家・渋谷莉孔」の最も優れている点はどこでしょうか? 大沢 「気持ち」でしょうね。正直、日本じゃたいした戦績を挙げていないし、トップファイターと試合をやった経験もほとんどないんですよ。なのに、ああいう海外の大舞台で、ビビらず前に向かって行ける。こないだの対戦相手のトケーロは、打撃も強いし圧力もすごいという評判を関係者から聞いていたから、僕は試合前、「打撃勝負はキツイだろうから、組み技中心で考えたほうがいいんじゃないか?」と提案したんですけど、渋谷は「打撃でもしっかり勝負できるようにしておきたい」と言ったんです。で、実際、開始直後に打撃のコンビネーションで相手を飲み込んじゃった。その前のアドリアーノ・モラエスとのタイトル戦のときも、相手は格上なのに、打撃の真っ向勝負でひるませていたから、やっぱ、気持ちがつえーんだな、と。
shiburiku102706
(c)2015 ONE Championship
――気持ちの強さは、どこから来ていると思いますか? 大沢 不良魂じゃないですか? 格闘技って、ケンカが強い奴じゃないと最後の最後に勝ち切れないんですよ。ケンカって、諦めない奴が最終的に勝ちますから。……お前、ケンカ強かっただろ? 渋谷 (ステーキを口に運ぶ手を止めて)……あ、強かったです。でもぶっちゃけ言うと、アウトサイダーのときも地下格のときも、そんなに本番に強かったわけじゃないんですよ。どうやったら本気を出せるのか? ということを、1年半ぐらい前にいろいろ考え直した結果、本番に強くなったんです。 ――どうやったら本気を出せるんですか? 渋谷 これは悪口じゃないんですけど、いろんな人の試合を見ていて、「みんな練習では強いのに本番では弱いな」と思うことが多くて。バックステージではけっこう弱気っていうか、空元気な選手がすごく多いんですよね。9割ぐらいの選手がそう。 ――空元気とは? 渋谷 めっちゃノッてる風に見せているけど、たぶんノッてないんだろうな、みたいな。 大沢 ハッハッハ(笑)。弱気を隠すために強がったり、緊張を怒りに見せかけたりな。 渋谷 昔は自分も空元気野郎だったんですけど、最近は、特にこないだの試合なんかは、楽しい感情しかなくて。バックステージにいるときから、本当に楽しくて、ただのパーティー野郎だったんですよ。入場のときも観客の顔が全員見えて、コイツらの前でどう格好つけてやろうか、とか、そんなことしか考えていなかったんですよ。格好つければ結果的にいいポジション取りができるし、いいフォームでパンチやキックも打てるし、パフォーマンス全体がアップする。倒すとか倒されるとかを考えるよりは、格好つけることを第一に考えたほうがいいということに、あるとき気付いたんですよね。 ――かつて渋谷選手のセコンドを務め、先日「ROAD TO UFC JAPAN」を勝ち上がった石原夜叉坊選手に、考え方が近いですね。 渋谷 夜叉坊は「女子にモテるため」に全精力を注いで、結果を出していますよね。でも、客席が全員男だったらどうすんねん? と夜叉坊には問いたい(笑)。格闘技は男のファンも多いんで、自分の場合は「老若男女全員にどんだけ格好つけるか」ってことを考えます。そうすると蹴りとかパンチとかも、練習以上のものが出せるんです。練習したことを100パー出すっていうよりは、自分を1000パー、2000パー出す、っていう感覚。そんぐらい出るもんだと思っているんで。本番では。 大沢 その出し方を細かく教えるセミナーでも開くか(笑)。
shiburiku102707
――ところで、720グラムのステーキを完食しましたね。次戦は12月なのに、そんなに食べて大丈夫ですか? 渋谷 まだ軽い減量段階だから、大丈夫。それに、肉はタンパク質と水分だから、食べてもそんなに太らないんですよ。 ――渋谷選手はいつも、「試合前の数カ月間で約30キロ落とす」と言っていますが、そういう大幅かつ急激な減量って、格闘技の世界では当たり前なんですか? 大沢 渋谷の場合、やり方が普通じゃない。元がデブだから(笑)。 渋谷 もともと超デブで、中学で90キロあったんで。けっこう太りやすい体質なんです。 大沢 太りやすいんじゃなくて、食生活が悪いんだろ? 渋谷 悪いですね。詰められるだけ詰めちゃうし、食いながら寝るのも好きだし。 ――そういう人は、30キロ落とすのもラクなんですか? 渋谷 ラクではないです。でも、何度もやってコツを学んだし、慣れましたね。 大沢 そのへんのノウハウも、興味ある人が多そうだな。ファン交流イベント的なセミナーを開いたら、マジで面白いかもね。
shiburiku102708
 というわけで、以下のイベントを開催することが正式に決まったらしいので、最後に告知しておこう。 ★渋谷莉孔セミナー開催決定! 「不良のパンチは当たるんです。組みつく奴からの逃げ方を教えます!」 「試合もケンカもやることは一緒」という考えのもと、強いパンチの打ち方や、負けないメンタルの作り方、女性にもできる簡単護身術、減量やダイエットのコツなどを、渋谷莉孔がオリジナリティ溢れるロジックでわかりやすく指導。質疑応答コーナーや、記念撮影コーナーもあり。希望者は渋谷のパンチやキックを体感できるかも!? 日時/2015年12月12日(土曜日)19時00分〜20時30分 会場/和術慧舟會HEARTS http://www.hearts-mma.com/    東京都渋谷区代々木2-20-12呉羽小野木ビル1FA号    TEL:03-6383-4057 定員/先着20名。年齢・性別不問。格闘技未経験者も歓迎。    参加者はトレーニングウェアをご持参ください。 料金/前売り……4500円(振込先はメールにてご案内します)    当日券……5000円(前売りで定員に達した場合、当日券の販売は行いませんのでご注意ください) 応募/E-mail:contact@hearts-mma.com    メールの件名に「渋谷莉孔セミナー参加希望」と明記し、    本文欄に、氏名・年齢・住所・電話番号をご記入の上、    上記アドレスまでメールをお送りください。    折り返しのメールにて、振込先等をお伝えします。 (取材・文)岡林敬太

“Kawaii”カルチャーの先駆け・Julie Wataiの次なる野望は……?

watai102201
 2010年ごろから、自ら「クールジャパン」などと名乗り始めた日本の“kawaii”カルチャー世界進出の先駆けとなったJulie Wataiをご存じだろうか? 天野あいという名前で、グラドル活動もしていた彼女。06年に海外の出版社から写真集『SAMURAI GIRL』を発表すると、欧米で大ヒットした。女の子というコンテンツをポップに加工し見せていく―—“クールジャパン”の裏で、活動を続けてきた彼女が、次に見せるものとは? ──写真集『SAMURAI GIRL』の出版からすでに10年。あっという間に日本は、クールジャパンを売りに世界にアピールを続けています。Julieさんはその先駆けという感じですね。 Julie Watai(以降、julie) もともと創作活動をしていて、作品を色んな人に見せていました。ある時、海外から出張中のイタリアの編集者の方の目に止まって、今で言う “クールジャパン”なテイストの写真集はまだ無いから、作ったら面白そうだっていう風に言ってくださったんです。 ──グラビアアイドルが、オタク趣味を持っていて、それで出版……というような、感じではなかったんですね。 Julie 当時、海外で日本のポップカルチャーが受けているっていうのがまだ一般的ではなくて、2年くらいイタリアに住んで作ったんです。作品制作が終わって、またやることがなくなっちゃたんで、イベントコンパニオンの仕事をしたことから、うまい具合にレースクイーンの契約が決まって。  レースクイーンって、なんだかフィギュアみたいじゃないですか? すごく2.5次元の存在だなって思っていて、「売ってたら欲しい」みたいな(笑)。 ──なるほど。生身の人間をフィギュアのように見ていたから、『SAMURAI GIRL』や『ハードウェアガール』みたいな、無機質ながらポップな写真集ができたんですね。 Julie あとは、日本のアニメやマンガには戦闘美少女ってジャンルがあるじゃないですか。今は世界中にファンがいっぱいいるんですけど、それって日本独特の価値観だったらしいんですよ。「風の谷のナウシカ」とか正にそうだと思うんですけど、それがアメリカになるとアマゾネスになってくるわけで、筋肉隆々の強そうな姉ちゃんが戦うみたいな。 ──そうですね。つまり、マッチョな世界の中にマッチョな女性っていうフォーマットですよね、結局男化しちゃうというか。戦闘美少女っていうのは、見た目は弱々しいのに強いですよね。 Julie そう、フェミニンなのに強いみたいなところって、すごく日本独特の理想の女の子象らしくて、それをどうにか三次元でも表現したいなと思ったのが最初なんです。ちょうど子どもの頃からギークで、フォトショップも使えるようになったので。 ──それで、写真を加工しつつ、女の子と世界を2.5次元的に撮影したんですね。 Julie もともと作品づくりの資料として、コミケとかでコスプレの女の子を撮っていて。私が彼女たちに、一眼レフで綺麗に撮って写真を焼いてあげると、もうめっちゃ喜ばれて。やっぱり女の子は綺麗に撮られるのが好きなんですよね。
watai102202
──今は、気軽にネットに写真をアップしますし、その中でインスタグラムも人気です。 Julie 私もわりと自撮りしてネットにアップするんですけど、スマートフォンのインカメラで撮っても綺麗に撮れない事が多くて。それって光の量が足りないんですよね。例えば日差しが差してる時に、外で撮ると綺麗に撮れるんですけど、室内だと、明るくみえても写真で撮るとすごく顔が怖く写ったりしてしまう。カメラマンの方は撮影の時にすごく大きいストロボを使っているんですけど、あんな大きいライトを持ち歩いて自撮りするのもおかしいですし。 ──それで、スマフォで自撮りする用のライト「セルキラ」(http://kibi-dango.jp/info.php?type=items&id=I0000107&ui_medium=web&ui_source=jidori_c&ui_campaign=selkira)を作ったんですね。 Julie パッとバッグから出してサッとつけれる照明があればいいなと思ったんですね。それも、スポットライトだと光が直線的に当たるんで影が出やすいんでリングライトがいいんじゃないかなと思って。  開発はタスコという会社の方たちと共同でやらせていただいて。もともとは、タスコさんと、クラウドファンディング会社のきびだんごさんで、クラウドファンディングの案件を考えるニコ生の放送をやっていたんです。そこに出演させてもらって、その繋がりがあってこうやってセルキラが形になりました。今、絶賛支援者を募り中です。あとこれは、男性が女性にプレゼントするとたぶん受けます(笑)。アイドルへの差し入れとか。 ──ものづくりとそれを製品化することが、手近になった時代なんですね。 Julie そうですね、私がクラウドファンディングいいなって思ったのが、こういうのがあったらいいなとかっていう個人の妄想が形になりやすいじゃないですか。もちろん声を届けるために結構頑張らないといけないっていうのはあるんですけど、個人発信したものがみんなに受け入れられて大きいプロジェクトになっていくっていうのがすごいなって思いますす。このプロジェクトが成功することで、女性がものづくりをして世界に広めるきっかけになったらいいなって思いますね。
watai102203
Juliee Watai(ジュリ ワタイ) 大阪府生まれ。アイドルとして活動した後、単身イタリアに渡り、イタリアの美術書籍出版社DRAGO社からフォトグラファーとして「SAMURAI GIRL」(06年)を出版。NYのMOMAにも置かれるなど世界的に販売されている。 帰国後も、カラフルポップなCG加工が高評価を受け、フォトグラファーとしての活動をしながら、「天野あい」名義でタレントとしても活動を始める。音楽活動や DJ、iPhoneアプリの開発に携わるなど活動は多岐にわたる。アキバ系クリエイターとして オタク文化への功績は評価が高い。 ホームページ<http://julieewatai.jp> Twitter<https://twitter.com/julieewatai> 「セルキラ」クラウドファンディングページ<http://kibi-dango.jp/info.php?type=items&id=I0000107&ui_medium=web&ui_source=jidori_c&ui_campaign=selkira

“負け犬”の烙印を押された闘犬と少年の逆襲劇!! トルコ映画『シーヴァス』が放つワイルドな魅力

sivas1020
闘犬と少年との交流を描いた『シーヴァス 王子さまになりたかった少年と負け犬だった闘犬の物語』。傷が癒えた闘犬シーヴァスは強敵とのリベンジマッチに挑む。
 犬と犬が闘争本能をぶつけあう闘犬は、大昔から世界各地で行なわれてきた。戦前の日本でも熱狂的な盛り上がりを見せたが、戦後は東京都、神奈川県など闘犬を禁止する自治体は少なくない。さらに近年の動物愛護の風潮から、闘犬場を常設していた高知市の「土佐闘犬センター」は2014年に「とさいぬパーク」と改称している。一部の愛犬家を除いてその迫力に触れる機会が減った闘犬だが、トルコ映画『シーヴァス 王子さまになりたかった少年と負け犬だった闘犬の物語』はトルコ原産の大型犬カンガールドッグと孤独な少年との交流を描いた感動作。学校や家庭に自分の居場所を見つけられずにいる少年が、試合に負けて飼い主に見捨てられた闘犬の世話をすることに生き甲斐を見出していくという成長ストーリーとなっている。トルコの雄大な自然を背景に、人間と犬とのパートナーシップ、大人社会の入口に立った少年が人生を生きていく上での闘うことの意義について模索する姿が描かれている。東京ロケを予定している次回作の打ち合わせを兼ねて来日したトルコ映画界の俊英カアン・ミュジデジ監督に撮影内情を語ってもらった。 ――本作を観ながら、ハリウッド映画『ロッキー』(76)を思い浮かべました。『ロッキー』はボクシング映画ですが、うだつの上がらないボクサーのロッキーと恋人エイドリアンとが人生の再起を目指すラブストーリでもある。本作は“負け犬”の烙印を押された闘犬と少年との“ドッグファイト版ロッキー”だなと思いました。
main
トルコ出身のカアン・ミュジデジ監督。現在はドイツに移住し、ベルリンでカフェバーやコンセプトファッションストアの経営も手掛けている。
カアン・ミュジデジ(以下カアン) 『ロッキー』と並べてもらえて、とても光栄です。私も『ロッキー』は大好きな作品です。『シーヴァス』の犬の名前を決める際にロッキーにしようかと考えていたぐらいなんです(笑)。『ロッキー』の主人公ロッキー・バルボアのキャラクターにも動物的な暴力性があるし、子どものような無邪気な一面もある。その点でも、『ロッキー』と『シーヴァス』はとても似ていますね。もちろん、ハリウッド映画の『ロッキー』は成功の物語です。でも、『シーヴァス』は単純な成功の物語ではありません。『シーヴァス』は“勝つこと”への疑問を描いているんです。勝利とは何なんだ? 勝つことはいいことなのか? 負けた相手はどうなるんだ? 資本主義の世界では勝つことが最優先されているけれども、果たして勝つことがいちばん正しいことなのか。見終わった後で、みなさんに考えてもらいたい作品でもあるんです。 ――闘犬の面倒を看ることで成長していく少年が、大人社会の中で苦々しさも知ることになるという深みのある内容ですね。劇中で3度登場する闘犬シーンが大変な迫力ですが、どうやって撮影したんでしょうか? カアン 犬たちのキャスティングが非常に重要でした。どの闘犬にも、それぞれファイトスタイルがあるんです。分かりやすい試合で説明しましょう。怪我が治ったシーヴァスが、一度破れた村長の犬ボゾにリターンマッチを挑む試合がありますね。あのシーンを撮るために、シーヴァスは全力で相手に向かっていく攻撃的なファイトスタイルの犬を選びました。対するボゾはディフェンスが得意な犬にしました。そうすることで、離れた場所にいたシーヴァスが、ボゾに向かって一直線に走って激突するというファイトシーンを撮ることができたんです。カメラには映らないようにしていましたが、犬たちの口には紐をして噛み合わないようにしました。ですから、犬たちが撮影のために噛み合って実際に血を流すようなことはさせていません。音の効果も大きかったと思います。ファイトシーンの犬たちの唸り声は、いろんな闘犬たちが吠えている様子を録音し、そのときの音声を後から映像に加えたんです。そうすることでリアルに闘っているようなシーンができあがったんです。 ――犬たちは演技をしているのであって、実際には噛み付き合ってはいない? カアン この作品は暴力に対して疑問を投げ掛けているものなので、暴力シーンの撮影のために犬たちを暴力にさらすということはしていません。この映画はドキュメンタリータッチではありますが、ドキュメンタリーではないんです。 ――日本ではなかなか知ることができない、トルコの闘犬事情について教えてください。 カアン トルコでは闘犬が現在も存在しています。でも、それは違法なものです。どこでも大っぴらにやっているわけではないけれど、アンダーグランドな形で行なわれています。劇中で、少年アスランとシーヴァスが乗った車が検問で兵士に止められるシーンがありましたよね? 車には闘犬らしい大型犬が乗っている。本当はそのまま通しちゃいけないんですが、兵士は見逃しているんですね。違法行為に対して、目を瞑ることが当たり前になっている。国が違法行為を許しているというのをあのシーンは見せたかったのです。暴力や違法行為を認めている大人たちと、それを許している社会があるわけで、その様子を少年アスランは自分の目で見るわけです。 ――トルコの闘犬はアンダーグランドで行なわれているとのことですが、つまりお金が絡んでいるんですね。 カアン もちろんそうです。ギャンブルの対象になっています。トルコの闘犬には、違法的なことの全てあります。トルコにも、日本の映画によく出てくるような“ヤクザ”が存在するんです(笑)
sivas102002.jpg
トルコの田舎の生活をローアングルで捉えた『シーヴァス』。犬、もしくは少年の目線で、自然の世界で生きる厳しさ、人間の大人たちの身勝手さが描かれていく。
■犬との友情か、大人の仲間入りか? 少年は選択を迫られる ――少年アスランが自分の体より大きなシーヴァスを飼うことになるきっかけとして、クラスでいちばんかわいい女の子アイシェの気を惹きたいという思惑がある。子どもながら女の子にモテたいという心情は、トルコも日本も同じだなぁと共感しました(笑)。 カアン そうでしょう(笑)。東京の男性は、女性にモテるためにフェラーリやランボルギーニみたいな、すごくかっこいい車に乗るわけです。でも、少年アスランが暮らすトルコの田舎では、ランボルギーニやフェラーリの代わりがあの犬なんです。アスランは最初のうちは犬を女の子にモテるための道具として利用しようとしているんですが、犬と仲良くなっていくうちに、そういう目的からどんどん離れていくことになるんですね。純粋に犬との間に友情が芽生えていくんです。 ――学芸会で上演する『白雪姫』で、アスランは王子さまではなく7人の小人役に回されて拗ねるんですが、子どもの頃の自分もあの中にいたんだなと思いました。もちろん、小人役のひとりです(笑)。かわいい女の子を振り向かせたいというアスランの感情がリアルに描かれていましたが、監督自身の少年期が投影されているのではないですか? カアン (うなずきながら)映画とは自分自身を表現するものだと考えています。自分の感情や考え方が作品の中に込められるわけです。アスラン役を演じた少年ドアン・イムジとワークショップ中も撮影期間中も、常に側にいるようにしました。お兄さんのような存在で、付きっきりで細かく演技指導したんです。なのでカメラの前でドアンがやっていることは、すべて私自身でもあったと言えるし、主人公のアスランはドアンと私の考えが一体化した存在でもあったんです。『シーヴァス』は4週間で撮りきる予定でしたが、実際に撮り終わったのは8週間後でした。その分、ドアンとは打ち解けた関係となり、最初は犬のことを怖がっていた彼も犬の世話をずっと続けることですっかり犬と仲良しになったんです。 —インタビューの冒頭で“資本主義の世界で勝つことへの疑問”と言われましたが、人間と犬は資本主義や貨幣経済が発明されるずっと以前から友情を育くんできた仲でもある。カアン監督は人間と犬との関係性をどう考えています? カアン 人間と犬とを結んでいる友情は、何千年も大昔からあったものです。その友情はとても自然なものだと思います。友情の大切さを理解することは、そんなに難しいことではありません。アスランは11歳という思春期であり、子ども社会と大人社会の分岐点にいるわけです。そこでアスランは考えることになるんです。彼が友情を感じているシーヴァスのように自然の世界でありのままの姿で暮らすことがいいのか、闘犬を楽しんでいる人間社会の大人たちの一員になるのがいいのか。本当の理想の世界は一体どちらなのかをアスランは思い悩むわけです。言ってみれば、シーヴァスのように純粋な存在でいるべきか、それとも村長の息子をえこひいきする学校の教師や家で仕事をせずに遊んでいる兄のような大人になるのかの二者択一を迫られるわけです。
IMG_1335
少年時代についてとカアン監督に尋ねたところ、「アスランと同じように私も体が小さかった。女の子にモテようといろいろ頑張ったけど、失敗ばかりでした(笑)」。
――カアン監督の場合は、そのどちらの道も選ばなかった。狭い世界を飛び出して、カメラを手に世界そのものを描く側になったわけですね。 カアン それは面白い解釈ですね。もしかしたら、そうなのかもしれません(笑)。 ――次回作は東京を舞台にした『イグアナトーキョー』ということですが、カアン監督の目には今の日本社会はどのように映っているんでしょうか? カアン 日本は島国であることが大きな特徴です。それゆえに日本は独自性をキープしてきました。何百年、何千年前もの文化や思考性、感性を育んできわけです。独自の美学が発展した社会のように感じられますし、その社会から受ける印象を私はとても好ましく感じています。『イグアナトーキョー』も『シーヴァス』と同様に私自身を反映した作品になると思います。『シーヴァス』では自分の家族を内側から見つめました。『イグアナトーキョー』の場合は、小さな部屋の中に大きなイグアナがいます。イグアナの目で家族それぞれの姿や関係性を見つめることになります。 ――『シーヴァス』は犬の目でトルコの現状を描き、次回作はイグアナの視点で今の日本を見つめるわけですね。 カアン いえいえ、『シーヴァス』は犬の目からトルコ社会を描いたわけではありません。犬の目で見たのは、アスランたちが暮らすトルコの旧態依然とした男性社会のごく一部なんです。あくまでも少年と犬の目線から見える範囲内の社会を描いたんです。『イグアナトーキョー』の中で日本社会そのものを描くのなら、私は日本でもっと生活していなくてはいけません。私は日本社会に対してそんなに多くの知識は持ち合わせてないので、日本社会そのものを描くはできません。でも、一匹のイグアナの視線で、ひとつの家族を見つめることはできます。『シーヴァス』で自然界の中で暮らす一匹の犬と周囲の人間との関係性を描いたように、次回作『イグアナトーキョー』は作品の舞台としての東京を描くことができればなと考えているんです。日本のみなさん、また近いうちにお目にかかりましょう! (取材・構成=長野辰次、撮影=名鹿祥史) 『シーヴァス 王子さまになりたかった少年と負け犬だった闘犬の物語』 製作・監督・脚本/カアン・ミュジデジ 出演/ドアン・イスジ、ムッタリップ・ミュデジ、オカン・アヴジュ、パーヌ・フォトジャン、チャキル  配給/ヘブンキャンウエイト 10月24日(土)より渋谷ユーロスペースほか全国縦断ロードショー (c)COLOURED GIRAFFES  http://sivas.jp
IMG_1367.jpg
●カアン・ミュジデジ 1980年トルコ共和国の首都アンカラ生まれ。映画監督になるため、2003年にドイツへ移住。短編処女作『The Day of German Unity』(10)は複数のテレビ局で放送された。ニューヨーク・フィルム・アカデミーの卒業制作『Jerry』(11)はベルリン映画祭のタレント・キャンパスで上映されている。短編ドキュメンタリー『Fathers and Sons』(12)をベースに本作『シーヴァス』を劇映画として完成させた。実写とアニメを融合させた『イグアナトーキョー』を2016年に東京で撮影する予定。

「実はボクシング界のすごい人」具志堅用高に聞く、“あの伝説”の真相

_W8A0619-1.jpg
「チョッチュネ」でおなじみな、アフロの面白いおじさん・具志堅用高。  今はテレビでのタレント活動で目にする機会が多いが、元WBA世界ライトフライ級チャンピオンで、日本記録となる13回も王座を防衛。2015年には国際ボクシング殿堂入りを果たすなど、ボクシング界のすごい人なのだ。  そんな、元チャンピオンならではの含蓄ある名言から、テレビで見る天然キャラならではの面白エピソードなど、具志堅さんの名言&迷言を集めた書籍『具志堅良好!語録』(宝島社)が発売された。  なかなか常人には理解しがたい、具志堅さんならではのすごい伝説がいっぱい載っていて、ビックリさせられる一冊! ……ということで、具志堅さん自身にさまざまな伝説が本当なのか確認しつつ、「チャンピオンだったんだぞ!」というアピールをしてもらった。 ■入試で名前を書き忘れて、人生が決まった ――今の若い人たちの中には、具志堅さんがすごいボクサーだったということを知らない人もいるんじゃないかと思うので、そのあたりのことを中心に聞いていきたいんですが。 具志堅用高(以下、具志堅) そうなんだよねぇ~。テレビの、お笑いの人だとか思われてるから……。 ――子どもの頃はボクシングじゃなくて、野球に興味があったそうですね? 具志堅 小学生の頃、石垣島ってテレビはNHKしかなかったからね。プロ野球はNHKで流れてるからさぁ~。 ――サイン入りの野球ボールを手に入れて、そこに自分の名前を書いちゃったという伝説がありますけど、それはいつ頃の話ですか? 具志堅 それはいつだったかな……。そんなことあったかな……? ――えーっ、覚えてないんですか!? それじゃあ、当時好きだった選手は? 具志堅 やっぱり長嶋茂雄さんと王貞治さん。ジャイアンツが強かったからね。野球は(中学)2年までやってたよ。 ――じゃあ3年生の時は? 具志堅 卓球。 ――なんで急に卓球を!? 具志堅 野球は団体競技だから、レギュラーになれなくって。体が小さかったし、うまくなかったからさぁ~。ボール拾いとかばっかりさせられてたし。卓球は個人の競技だから、面白いなと思ったなぁ~。動きが。目で追うし。早いし。 ――早い? 具志堅 早く終わるでしょ? 卓球。 ――ああ、野球だったら1試合3時間くらいはかかりますからね。それから高校に進むわけですけど、入試で名前書き忘れたらしいですね。 具志堅 名前を書き忘れて、落とされちゃったの。そしたら中学の担任の先生が、那覇の興南高校を勧めてくれたんですよ。「島を出て勉強してこい!」と。 ――そこでボクシングと出会うわけですよね。 具志堅 最初は野球部に行ったんだけどね。 ――え、中2でやめたのに? 具志堅 んまあ、興南は野球で有名だったからね。行ってみたかったのよ、甲子園に。入れてもらえなかったけどね。「無理だからやめとけ」って。そこで人生が決まったね。最初の高校に受かって野球部に入れていたとしたら、ボクシングをやってなかったと思うよ。 ――それでは、ボクシングを始めたきっかけは? 具志堅 ボクシングって、それまで見たこともなかったけどね。クラスの人に誘われたのよ。「お前も来いよ、ボクシング部に」って。 ――球技とは全然違うスポーツですけど、殴り合うことに怖さはなかったですか? 具志堅 それはなかったのよ。誘われてついて行って、構えを教えてもらったら、先輩に褒められたんだなぁ~。 ――「お前、構えがいいな!」みたいな? 具志堅 そうそう、左利きだから、最初からサウスポーだったんですよ。右利きからわざわざサウスポーに変える人もいるんですよ、ボクサーは。格好良く見えるんだなぁ~。で、調べた。「サウスポー」って言われたけど、サウスポーの意味がわからなくて。 ――ウハハ! 褒められたけど、わかってなかった! 具志堅 その後、グローブをはめて、殴られたけどね。最初、痛かったね~。 ――痛いからやめようとは思わなかったんですか? 具志堅 我慢してたよ。負けず嫌いなところがあるから、とにかく続けてみようって。そしたら、試合にすぐ出された。 ――始めてどれくらいでですか? 具志堅 3カ月。まあ新人戦……1年生、2年生だけの試合だけど。無我夢中でガンガン攻めたら、行ったよ決勝戦まで。決勝は、同じ高校の2年生に負けましたよ。 ――同じ高校同士が決勝で当たるなんて、興南高校はボクシングが強かったんですね。 具志堅 あの頃は、沖縄全体でボクシングが盛り上がってたからなぁ~。沖縄の予選は全国大会並みなんだから。 ――その沖縄で、始めて3カ月でいきなり決勝戦に進んだっていうのはすごいですね。 具志堅 それで、2年生の時にまた(同じ先輩に)決勝で当たって勝っちゃってさぁ~。先輩は最後の試合で、勝ったらインターハイ行けたんだけど、僕が(インターハイに)行っちゃったのよ。高校2年の時に。それから2年続けて行ってね。 ■チャンピオンになればモテる! ……でも、遊ばなかった ――その頃には、プロボクサーになろうと思っていたんですか? 具志堅 いやいや、大学に行って五輪を目指そうと思ってたの。それで東京に行ったんだけど、空港で協栄ジムのマネジャーに捕まっちゃってね。 ――それで、無理やりプロに? 具志堅 空港からジムに連れてかれて、そのままプロ入り記者会見をさせられちゃったからね。まあ、それも運命だよね。 ――大学に進んでいたら、五輪に行けたと思いますか? 具志堅 いやいや無理だ。チャンスがあったとすれば、モントリオールかモスクワ五輪だったんだけど、モスクワはボイコットしたでしょ。結局、プロの道に進んで、モスクワ五輪の頃には、もう世界チャンピオンで10回くらい防衛してたんじゃないかな? ――一番脂が乗ってる時期に、モスクワ五輪だったんですね。 具志堅 ああいう、運命の……なんていうかな、どこへ行くかっていうので変わっちゃうんだろうなぁ、人生は。 ――プロボクサーになっても、最初は全然お金にならないらしいですね。 具志堅 そうそう、電車の定期券買って終わりだよ。プロっていっても、みんなバイトしてるからね。デビュー戦は、先輩のトランクス借りて試合したのかな、買えないから。 ――トランクスって、そんなに高いものなんですか? 具志堅 2万円ぐらいするんじゃない? 靴はもっとするよ。だから高校時代のを履いてたよ、シューズ。 ――全然お金にならない世界で、将来どうなるんだろうっていう不安はありませんでしたか? 具志堅 将来なんて、なんにも見えない見えない。負けたらすぐに島に帰って、漁師になろうと思ってたもん。でもアマチュア時代からずっと、何年も負けてなかったから。どんどん勝っていって、プロ7戦目で世界ランクを倒したんですよ。それで先が見えたんじゃないかな? バイトやってる最中に、世界タイトルマッチ決定の電話がかかってきたんですよね。 ――まだバイトをやってるような時期に、世界戦が! 試合中のことって、覚えてますか? 具志堅 覚えてる。あんなの二度とできないね。あの1試合だけです。挑戦者だからね、「こんなチャンスない」と思ってどんどん攻めまくったんですよ。一歩も引かないでね。だから勝てたんだし……攻めたってのがよかったね。 ――世界チャンピオンになって、夢がかなっちゃった後、ボクシングに取り組む気持ちって変わりましたか? 具志堅 ボクシングが好きになったのよ。練習も好きになったね。 ――チャンピオンになってから好きになった? 具志堅 だって練習ってキツいんですよ、サボりたいの。でも、世界チャンピオンになったら楽しいよ。モテるし、誘いも多いし、おいしいもの食べれるし。すごいなぁ~! ――そういう誘惑で、堕落していっちゃう人もいるんでしょうね。 具志堅 いや、ならないなぁ~。世界チャンピオンになったら、みんな気合入れてくると思うよ。ベルトなんか持って歩いている人もいるし、飲み屋に。それで、また頑張ろうと何倍も練習するし、練習も楽しい! 世界チャンピオンでい続けたいっていう目標があるからさぁ~。 ――ああ、チャンピオンを続けるということが目標になってくるわけですね。やっぱり、お金もガンガン入ってくるようになるんですか? 具志堅 ああ、そうですよ。世界チャンピオンになったら、お金の価値がまったくわからなくなったよ。すごいお金が、どんどん入ってくる! 5回ぐらい防衛したら……マンション買えるよ。とにかくボクシングってのは「勝てば金が入る」ってことを頭に入れてやればいいと思う。 ――勝てばお金も入るし、キャーキャー言われるし……。 具志堅 楽しかったなぁ~……。ディスコ行ってバーッと遊んで、バーッて戻って練習して。やっぱり、現役の世界チャンピオンってモテるよ! 相撲の横綱や、プロ野球選手もモテるね。だから、それを長く続けたいんですよ。そしたらもう、防衛記録がどんどん伸びていくわけですよね。 ――「モテたい」という一心で! でも、セックスすると調子が狂う、なんて言いますけど……。 具志堅 そりゃ、狂いますよ。女性は敵ですよ、試合前は。だから僕はモテたけど、遊ばなかった(笑)。 ――具体的に、どうおかしくなっちゃうんですか? 具志堅 だって疲れるでしょ。その力を、試合で出さなきゃいけないんですよ。プロスポーツの世界では、私生活が乱れて成績が落ちるって多いと思うよ。自分の経験から見たら。「この選手、強かったのに、なんで急に落ちたのかな?」って思ったら、たいてい、私生活のリズムが狂ってるんだよね。 ■ラスベガスで試合ができるような選手を育てたい ――結局、日本最多記録となる13回もタイトルを防衛したわけですが、途中でやめたいなんて思うことはなかったですか? 具志堅 チャンピオンのまま引退しようなんて思ったこともあるけど、やめられなかったね。だって、ジムのオーナーが、あちこちで契約交わしてるから。もう先々の試合まで決まっちゃってるもん。ジムのスタッフもいっぱいいるし、勝手にはできなかったね。最後のほうは体もつらかったよ、やっぱり。 ――14回目の防衛戦では、試合前にアイスクリームを食べられなかったから負けた、なんて伝説もありますけど。 具志堅 それね! 計量が終わったらいつもアイスクリームを食べてたんだけどさぁ~、その日は取り上げられちゃったんだよなぁ~。 ――それで、保ってきたリズムが崩れちゃったということですかね? 具志堅 うまくいかなかったなぁ~、あの試合は。途中でリズムが狂っちゃった。負ける相手じゃなかったんだけどさぁ~。 ――それで引退するわけですけど、それまでボクシング一筋だったのが、急にボクシングがなくなっちゃって、どうしようと思いましたか? 具志堅 とにかく第2の仕事をしなくちゃいけないからね。だからいろいろ飲食店もやったけど、長続きしなくって。その後にジムを始めたんですよ。それからテレビ番組に出て、片岡鶴太郎さんとの出会いがあった。そこからタレントもやってますよ。 ――鶴太郎さん、具志堅さんのモノマネをよくしてましたもんね。あのモノマネは、どう思ってましたか? 具志堅 最初は、いい気持ちしなかったよ。「そうっすね」とは言ってたけど、「チョッチュネ」なんて言ってないもん。まあそれがウケるんだから、いいだろうという感じで。今は、たまに自分でも「チョッチュネ」って言ったりするけど(笑)。 ――テレビの世界はどうですか? ボクシングとは、まったく違うと思いますけど。 具志堅 いやあ、やっぱりそれも一緒よ、ボクシングと。かみ合えば盛り上がるし、かみ合わなければ負けちゃう。若いタレントさんたちも、もっと人気が欲しいって、みんな一生懸命だもん。 ――今は、その芸能人的な活動とジムが活動の中心ってことですかね? 具志堅 そうそうそう。 ――ジムで注目している選手はいますか? 具志堅 うちに、比嘉大吾っていうユースの世界チャンピオンがいるんですよ。あと、世界を狙ってる江藤光喜っていう東洋チャンピオンもいる。年内に世界挑戦させたいなって思ってるんですよ! ――自分の若い時と比べて、今のボクサーたちはここが違うなっていう点はありますか? 具志堅 まるで変わってますよ。今の若い子たちのほうが賢いっていうか。ちゃんとバイトして、部屋の荷物もそろえて、彼女も作って……。 ――私生活もちゃんと楽しんで、ボクシングにも打ち込んでいるという感じですか? 具志堅 そうだと思いますよ。でも本当は、世界チャンピオンになってから彼女を作るのが一番だと思いますけどね。彼女ができると、楽なほうへ楽なほうへ行っちゃうんですよ。ボクシングをやれる時間なんて、そんなに長くないんだから。5~6年頑張れば、次の人生があるんだから。本気でやってる人は、そういう気持ちで練習に来てますよ。そういう選手には、チャンスを作ってあげたいよね。 ――そういう選手にチャンスを作ってあげて、世界チャンピオンを育てるというのが今の夢でしょうか? 具志堅 それもそうだし、いつかラスベガスで試合ができるような選手を育てたいよね。1試合で何十億円取れるような選手を。日本人ボクサーにも、そういう時代が来なくちゃいけないんですよ! (取材・文=北村ヂン) ●ぐしけん・ようこう 1955年6月26日生まれ。沖縄県石垣市出身。元プロボクサー。生来のサウスポー・ボクサーで、76年、デビューからわずか9戦目で、WBAジュニアフライ級のタイトルに挑戦。以後、81年まで13回防衛。14回目の防衛戦でペドロ・フローレスに敗れ、引退。現在は、白井・具志堅スポーツジムの会長として、若い世代の指導に当たっている。

お金しか愛せない!? “日本一美しい整形男子”アレンが語る、整形美学と、パトロンとの甘い生活

IMG_0621_.jpg
「フランス人形になりたい」と、美容整形を続ける“整形サイボーグ”ヴァニラの男版とも呼べる、アレン(22)という男性をご存じだろうか?  これまで3000万円以上をかけて200回以上整形を重ねてきたというアレンだが、9月に放送された『今夜くらべてみました』(日本テレビ系)できゃりーぱみゅぱみゅの「いま会いたい人」として紹介されるや否や、ネット上で大反響を呼んでいる。しかも、整形代を含め、生活費はすべて“パトロン”持ちだというから、開いた口がふさがらない。  「日本一美しい整形男子」をうたうアレンに聞く、整形美学と、パトロンとのセレブ生活の実態とは? ■17歳の時に出会った、最初のパトロンがきっかけで…… ――そもそもデビューのきっかけって、なんだったんですか? アレン TBSの『私の何がイケないの?』という番組に、自分で応募しました。そこで特集を組んでもらって、という感じです。デビューして、ちょうど1年くらいかな。 ――小中学校時代のイジメが原因で整形に走ったとのことですが、当時はやはり容姿についてイジメられたんですか? アレン 容姿もそうなんですけど、言動も含めて全体的にナヨナヨしていたので、標的にされてしまって……。 ――整形される前の写真がネット上に出回っていて、「イケメン」「整形前のほうが全然いい」なんて声もありますが。 アレン そうなんです! 僕、イケメンだったんですよ(笑)。ただ僕が求めているのは、人形的な美しさなので、前は野性的というか、人間っぽかったんです。「イケメン」と「美」は別物なので。自然な美というと、女優さんとか、たくさんいるじゃないですか。でも、僕はその中に埋もれたくない。彫刻みたいな、オブジェとして飾れるような美しさを求めているんです。 ――初めて整形手術されたのは、何歳の時に、どの部分ですか? アレン 17歳の時に、鼻ですね。プロテーゼっていうシリコン状のものを入れて、鼻を高くしながら細く見せるっていうのをやりました。手術直後は、痛い思いをしたので満足感もあったんですけど、目が慣れてくると「たったこれしか変わってないの?」って、不満に変わっちゃいましたね。劇的に変わると思ってたのが、なんか自然な感じに収まってしまって……。結局、4回ぐらいやり直しました ――4回! 17歳で、よくそんなお金ありましたね! アレン 整形するきっかけになったのは、パトロンさんとの出会いなんです。それ以前は上京して靴屋さんでバイトをしていて、整形どころか、家賃を支払うのに精いっぱいでした。 ――そのパトロンさんとは、どこで知り合ったんですか? アレン とあるパーティーで……。ウフフ。 ――ちなみにその方は、男性ですか? 女性ですか? アレン う~ん、それはナイショ! ――その方に、整形を勧められたんですか? アレン 洋服とか買ってもらうようになって、もっとキレイになりたいという気持ちがどんどん大きくなって、その先に整形があったというか。相談したら「キレイになれば?」って、お金を出してくれました。 ――いきなり、整形ですか!? その前に、エステとかなかったんですか? アレン う~ん、僕は最初から整形して、がっつり変えたいというタイプなんですよね。顔立ちが派手になっていくと、人から見られることも多くなるじゃないですか。それが、快感っていうか(笑)。
IMG_0591_.jpg
――アレンさんが街を歩いてたら、そりゃあ、みんな振り返りますよね。 アレン 「なんなんだ!? あの人」みたいな(笑)。それがいい意味でも悪い意味でも、うれしいんですよね。だって、人生って一度きりじゃないですか。その中で、注目される人って本当に一握り。ほとんどの人が、注目されずに終えていくじゃないですか。そう考えると、注目されたもん勝ちだなって。 ――整形のお話に戻りますが、一番お金がかかったのは、どの部分ですか? アレン リフトアップですかね。ゆるんで上げて、またゆるむんでまた上げて……。18の時から月1でやっているので、トータル2000万円は超えてるかな~。 ――2000万円! 一番痛かった部分は? アレン 全部痛いです(笑)。この痛みに慣れることはないですね。でも、痛みとお金って、美を手に入れるための代償だと思うんですよ。 ――全身いじってるんですか? アレン はい。顔はもちろん、体だってやってるし、パーツまで言われると、やってないところありますけどね。 ――ちなみに、下のほうは……? アレン やだ~、股間はやってないです! 知り合いの美容外科の先生が「絶対やらないほうがいい」って言うので。後遺症が、すごく出やすい部分なんですよ。僕、むかし美容外科で働いていたこともあって、その時に局部にシリコンボールを入れた50代くらいの人が「痛くて痛くてもう我慢できないから、取ってほしい!」って駆け込んできたこともありましたね。 ――整形に対して、何かこだわりはあるんですか? アレン 1回いじって満足できなかったら、またいじる! 満足できるまで、ずっとやり続けます。今も全部は満足できてないですね。これ、心の病だと思う(笑)。一瞬満足して、目が慣れちゃって、またやりたい! って。自分としては、生まれた時からこの顔のイメージですもん、目が慣れすぎて。また変化が欲しいって感じなんですよね。慣れちゃうんですよね、整形って。 ――ゴールはあるんですか? アレン ゴールを作らなきゃと思うんですけど、今のところないから、一生やることになるかなあ。強いて言うなら、彫刻みたいな感じですかね。ルーヴル美術館に飾られているような、本当に“彫刻”ですよね。努力とか嫌いだから、筋肉ムキムキっていうのはあんまり好きじゃない。普通に細くてキレイなのがいいです。 ■生活費は最低月300万円、パトロンは6年間で50~60人 ――パトロンとは、どんなお付き合いをしているんですか? 世間一般のイメージは、若い女の子が、肉体関係と引き換えに、金持ちのおじさんから金銭の対価を得る、みたいなのがあると思うんですが……。 アレン やだ~!(照) 肉体関係は……まったくないといったらあれなんですけど、基本的には一緒に買い物をしたり、お食事したり、パーティーに行ったりとか、そういう方が多いですかね。 ――言い方は悪いですが、パトロンにとってはアレンさんは、アクセサリーみたいな感覚なんでしょうか? アレン そうですね、それに近いと思います。僕にこれぐらいお金をかけられるっていうのが、パトロンさんにとってのステータスなんじゃないですかね。 ――これまで、何人くらいいらっしゃるんですか? アレン 17歳からだから、約6年で50~60人くらいですかね。1年半付き合う人もいれば、1日だけの関係の人もいるし、同時並行している場合もあるので。そう考えると、結構多いですね(笑)。一番長い人は、2年半くらいです。 ――男性もいたり、女性もいたり……? アレン ご想像にお任せします♪ ――年齢層は、どれくらいなんですか? アレン 若い人は20代後半からいます。上は40代前半ですかね。 ――ちなみに、今は? アレン 今は……できましたね、最近。知り合いの紹介で。
IMG_0628_.jpg
――基本的にはパトロンが家賃、生活費、洋服代、整形代など、すべて出してくれるんですよね? だいたい毎月、いくらくらいもらっているんですか? アレン 最低300万円はないと無理ですよね。でも使い切っちゃうので、「またちょーだい」って、おねだりします♪ 貯金はゼロです。というか、したことない(笑)。 ――パトロンに対して、恋愛感情ってあるんですか? アレン その人が好きっていうんじゃなくて、その人の持ってるお金が好き。お金がなくなったら、嫌いになっちゃいます。 ――……失礼しました。これまでに一番高い贈り物ってなんですか? アレン 絶滅危惧種の毛皮のストールで、2000万円ちょっとくらいかな。フェンディに行って、並んでるものをバーッと見て、レアですよって紹介されて「じゃあコレ♪」って(笑)。同じもののコートを、叶姉妹さんがテレビで着てましたね。それは2億8000万円くらい。 ――そのストールは、どこに巻いていくんですか? アレン ファミレスとか(笑)。普段着で使います。使うシーズンが限られてるので、あんまり使う機会がないんですよね。 ――モノ以外だと? アレン 今はもう別れちゃったんですけど、モナコに年に2回ぐらい行ってた時期がありましたね。すごい豪遊をしてたってわけじゃないんですけど……うん、いろいろさせてもらいましたね(笑)。ウフフ。でも、普段友達と遊ぶときは、結構普通ですよ。飲み行ったりクラブ行ったり、カラオケもよく行きます。お医者さんの息子だったり、あとは夜のお仕事をしていたり……基本、お金持ってる人たちが多いですね。 ――彼氏とか彼女はいるんですか? アレン ずっといないんです……。 ――ぶっちゃけ、ソッチ系なんですか? アレン ウフフ……ご想像にお任せします♪ どっちにしても、僕は美しいものじゃないとダメなので。そもそも、人には恋をしないんです。その人が持ってるお金に恋をすることはあるんですけど、人に恋をして「一緒にいたい」だとか「この人と結婚をしたい」とか, そういうのは一切ないんですよね。それが、自分にとってなんのメリットになるの? って。自分が一番好きなので、自分以上に好きになれる対象が見つからない。だから、人を好きになったことも、付き合ったこともない。人を好きになる感覚がわかんないから、よく「どっち?」って聞かれるけど、答えられないんですよね。 ――現在はテレビでのお仕事も増えてきているようですが、これからどんなことをしてみたいですか? アレン 今いただいているオファーって、整形の話や華やかな生活についての企画が多いんですけど、僕はどっちかっていうと文化人枠でいきたいんです。僕とかヴァニラちゃんより勝る整形とか美容の知識や経験を持ってる人って、まずいないと思うんですよ。お金もかけてるし、こだわってるし。やってないと、答えられないじゃないですか。実際、自分がやってこうなったから、これはお勧めしないとか。整形のリスクとかね。 ――やっぱり、リスクはあるんですね。 アレン ありますよ。レディエッセっていう、長期持続輪郭形成注入剤があるんですけど、顎に注射したら壊死しちゃったんですよ。じゅくじゅくに膿んじゃって、血とか粘液とかいっぱい出てきちゃって……。それで「怖いな」って思っていた矢先に、大手の美容外科さんで鼻に打った患者さんが、血管に詰まって失明しちゃう事故があって。でも、そういうのって表には出ないで、お金で解決しちゃうから怖いですよね。やっぱり、整形はリスクがありますよ。壊死した時、本当に困りましたもん。抗生物質を打って、1カ月ぐらいで完治したんですけど、マスクしないと出歩けないくらいになっちゃって。 ――それでも、整形するんですか? アレン 抗生物質で治ったから、まあいいかなみたいな(笑)。逆に人間の自己治癒力にびっくりして。「治るんだ」って。 ――最後に、整形とは無縁そうな日刊サイゾー読者に一言お願いします! アレン 整形って怖いとかネガティブな情報ばかり流れるんですが、全然そんなことなくて、僕やヴァニラちゃんみたいに、明るくなるツールとして利用できるものでもあるんです。だから、全然怖がる必要はないと思うんですよね。整形をお勧めするわけじゃないんですけど、必要以上に怖がらなくていいし、きっかけとして踏み出す分には全然ありだと思います。僕の場合、性格どころか、生活も何もかも変わったんで。毎日ハッピーです! (取材・文=編集部) ●アレンブログ <http://ameblo.jp/prince-allen/>

「クラスでのポジションは……空気」注目の中学生女優・蒼波純は、やっぱり不思議ちゃんだった!?

aonami01.jpg
撮影=尾藤能暢
 講談社主催の女性アイドルオーディション「ミスiD2014」でグランプリを獲得し、独特の存在感で注目を集め、『ワンダフルワールドエンド』での橋本愛とのダブル主演を皮切りに、『サムライフ』『世界の終わりのいずこねこ』と数々の映画に出演している中学生女優・蒼波純。  最新作である劇場版『女子の事件は大抵、トイレで起こるのだ。』では、トイレに閉じこもって延々と壁に絵を描いているという、不思議ちゃんすぎる女の子・大川たまこ役を演じている純ちゃんだが、本人は大川さん以上に不思議ちゃんでした。 ■おたくの子とは仲良くなれる ――ほぼトイレの中だけで進行するという変わった映画でしたが、撮影はどうでしたか? 蒼波純(以下、蒼波) まず、3月頃のまだ寒い季節だったのに、半袖だったのですごく寒かったです。あとは、セットのトイレで撮影していたんですけど、壁が外れたりして「うわっ!」ってなりました。 ――え、壊れたってことですか? 蒼波 いや、撮影の中で「バーン!」って開くドアとかがあって「ふあっ!」って思ったりしたんですけど……。 ――「ふあっ!」って、どういう意味ですか? 蒼波 すごいっていう意味です。リハーサルの時に開いて「ふお~!」って思ってたんですけど、撮影中は頑張って驚かないようにしました。……内心、すごい驚いてたんですけど。 ――1回見たら、もう驚かないでしょう! 蒼波 3回目くらいから、もう慣れました。 ――同年代くらいの女の子たちがいっぱいいる現場というのも、初めてですよね? 蒼波 女の子ばっかりの現場なので、女子校みたいなノリで騒がしかったです。でも楽しかったですよ、わーわーしていて。 ――その、わーわーしている輪には入れたんですか? 蒼波 ちょっと私……人見知りっぽいので、最初は話しかけるのが大変だったんですけど、あとから話せるようになりました。 ――誰と仲良くなれましたか? 蒼波 みさこさん(「神聖かまってちゃん」「バンドじゃないもん!」)とは、アニメの話で盛り上がったりとか……。 ――えっと、同年代の子では? 蒼波 ダンス好き4人組役の大山さん(吉崎莉愛)と、よく話をしてました。おたく系の話で……。莉愛ちゃんの自己紹介映像を見たら「趣味はおたくです」みたいなことを言っていて、「どんなおたくなんだろうな?」「どんなものが好きなんだろうな?」と興味があって、話しかけたら仲良くなれました、はい。アニメとかゲームとかが好きらしくて……。
jcwc_sub2.jpg
(c)2015女子トイレ清掃組合
――蒼波さんも、おたくなんですか? 蒼波 はい。乙女ゲームが好きで、アニメ化されたらそれも見るみたいな感じで。あとは、興味を持ったやつを見るみたいな……です。 ――好きな乙女ゲームは? 蒼波 『AMNESIA』(やたらとバッドエンドが多くて、すぐ死ぬことで有名)というゲームで……記憶喪失の女の子が主人公のゲームです。 ――そういう恋愛シチュエーションに憧れたり? 蒼波 しないです(笑)。自分があんな目に遭ったら、まず無理なので……。 ――でも、それをゲームで体験するのは面白いっていう? 蒼波 はい。 ――そういう意味では、演技で別の人物を演じるということにも通じるのかなと思うんですけど、今回の大川たまこ役は自分に似ていると思いますか? 全然違いますか? 蒼波 似ている部分もありますけど、似てない部分のほうが多いと思います。私も絵を描くのが好きなんですけど、大川さんみたいに壁に絵を描いたりとか、トイレに閉じこもったりとか、あそこまではできないなって感じです。……結構、迷惑なことをしてますよね(笑)。 ――大川さんはかなりの変わり者ですけど、蒼波さんの学校でのポジションはどんな感じなんですか? 蒼波 ポジションは……空気。大川さんは端っこにいても目立っちゃいますけど、私は空気。 ――空気! こんなにかわいい子がクラスにいたら、男子は気にしちゃいそうですけどね。 蒼波 空気っていうか……はい、空気なんです。でも、あの……嫌われてない自信はあって……空気なので。 ――いじめられもしなければ、クラスの中心にもいないポジションだと。 蒼波 はい。 ――やっぱり仕事を始めてからは、学校にあんまり行けていないんですか? 蒼波 うーん、でも結構行っていると思います。ただ、学期始めは行けなかったりするんですよ。仕事が入ってたりとかして。去年も……行けなかったんです。 ――ああ、スタートダッシュに失敗したって感じですかね? 蒼波 気づいたらクラスの中でグループができてるみたいな。「あれ、あたしがいない間に何があったんだろう?」って。
aonami02.jpg
■ゼリーの「たらみ」の社員になりたかった!? ――今は主に女優としてやっていますけど、もともとは声優になりたかったそうですね。 蒼波 はい。アニメが好きで、「この声は誰なんだろうな?」って、声優さんに興味を持ったっていうか。 ――好きな声優さんは? 蒼波 大塚明夫さんが好きです。あと、花澤香菜さんも好きです。 ――小5の時にオーディションを受けたということですが、それは自分から受けたんですか? 蒼波 お母さんが見つけてきてくれました。 ――お母さんが積極的なんですね。ミスiDも、お母さんから勧められたみたいですね。 蒼波 はい。お母さんがアイドル好きで、吉田豪さん(プロインタビュアー)……? っていう、アイドル評論家の方? ――えーっと……大きく間違ってはいないです。 蒼波 お母さんがその吉田豪さんのファンで、「吉田豪さんが選考委員にいるから応募しようよ!」「落ちてもいいから!」って。 ――蒼波さんとしては声優のほうに興味があったんだと思いますが、自分がアイドルをやることに関してはどう思っているんですか? 蒼波 アイドルって、歌ったり踊ったりするじゃないですか。それはできないなぁって……すごいなぁって。 ――声優のほかに、将来の夢ってあったんですか? 蒼波 うーん、特にないんですけど……。小学校の時の夢は、ゼリーの「たらみ」っていう会社の社員さんは失敗したゼリーを食べられるって聞いて、ゼリーの会社に入りたいっていうのがありました。あと、最近は「アニメイト」の店員さんにもなってみたいなぁって。 ――「アニメイト」は、余ったアニメグッズをもらえるわけじゃないですよ。 蒼波 でも、あそこで働いてみたいなぁって思っています。好きな物に囲まれて働きたいなって。
aonami03.jpg
■水野しずさんは……なんか愉快 ――こういう仕事をやるようになって、今まで会ったことのないような大人たちと接することも多いんじゃないかなって思うんですけど、一番びっくりした大人は? 蒼波 (熟考)……一番びっくりした大人ですか? なんだろう……。結構みんな個性的な人たちなので、「あ……あの人、すごいな」って……みんながみんな「ばあん!」って感じ。 ――例えばミスiD周りの人たちも、だいぶ濃い人たちがそろってますけども。 蒼波 今回の映画で絵を描いてくれている水野しずさんが……。私はミスiD2014のグランプリをいただいたんですけど、水野さんは2015のグランプリを取ってて、その関係で話したりとかしてたんですけど。すごい……なんというか面白い……。なんか愉快な……。 ――ああーっ(笑)。 蒼波 お披露目会の時に初めて会ったんですけど、なんだか知らない芸を……「エジプトのなんかのモノマネ」をしてて……。「はー……ああー……」みたいな感じで。それが一番「ばあん!」ってきました。こんな不思議な方なんだって。会ってみると「あ、ああ!」みたいな感じです。 ――お姉さんになってほしい? 蒼波 お姉さんというか、友達になってほしい。友達に欲しい感じの人ですね。 ――「こんな人になりたい」なんて、憧れた人とかはいますか? 蒼波 憧れの人ですか……。私、インタビューが苦手なんですけど……今も。橋本愛さんと共演させてもらった時に、一緒にインタビューを受けることが何回もあったんですが、その時すごいしゃべってくれて、私の分までフォローしてくれて、すごいなぁって。ちゃんとしゃべれる人間になりたいって思いました。 ――あ、インタビューの受け答えに憧れたと。橋本さんの演技はどうでした? 蒼波 すごい……素敵だと思います、はい。
aonami04.jpg
■人生で一番テンションが高いのは、ゲームをしている時 ――今回の映画に連動して、吉田凜音さんと「ずんね from JC-WC」というユニットをやることになりましたが、人前で歌うっていうのは演技とはまた違いますよね。 蒼波 はい。私はミスiDでTOKYO IDOL FESTIVALに出させてもらって歌ったんですけど、ミスiDって大人数じゃないですか……人が。でも、「ずんね」は2人だから目立っちゃうなって。 ――(笑)。そりゃ目立ちますよ、ステージに上がったら。 蒼波 ちゃんと歌わなきゃって。すごく緊張します。 ――みんなと一緒ならごまかせるけど……あんまり前に出て行きたくない。できればみんなに紛れていきたいって感じですか? 蒼波 はい……。 ――ダンスをやったことは? 蒼波 ないです。……っていうか、授業でしかないんで。ミスiDの時のダンスは腕を振るくらいしかなかったんで。 ――吉田さんとは、うまくやれていますか? 蒼波 はい。仲良いと思います。 ――なんの話をするんですか? 蒼波 凜音ちゃんは『女子トイレ』のときにラップやっていたんで、プロのラッパーなんだなって思っていたんですけど、「ラッパーじゃないよ」って言われて。歌うプロの人なんですね。 ――蒼波さんもプロですよ! 「ずんね」では、吉田さんに引っ張ってもらっている感じですか? 蒼波 はい。すごい歌がうまくて、それについていけるように頑張ろうと思います。 ――リコーダーは、2人ともヘタでしたけどね。 蒼波 いや、それは……。遅い曲ならまだ音が取れるんですけど、素早く動かさなくちゃいけなくて、すごい速くて「ピーポープーポー」って。あんなにヘタになっちゃったんですけど。
jcwc_sub5.jpg
(c)2015女子トイレ清掃組合
――素早く動くのは得意じゃない? 蒼波 苦手です。だから、速い動きを見ると「人間って、あんな速い動きできるんだなぁ!」って思います。 ――今回の映画でもみんなが踊ってる中、絵を描いているというシーンがありましたけど、「私も混ざりたい」とか思いませんでしたか? 蒼波 なかったです(笑)。これは踊れないなって……混ざりたくないなって。 ――それが、まさかの2人で踊ることに……。女優、歌とやってきていますが、今後やってみたいお仕事ってありますか? 蒼波 うーん、ホラー映画とか、あとはお化け屋敷のロケに行くとか。 ――怖い映画は大丈夫なんですか? 蒼波 人間の怖さはダメなんですけど、幽霊の怖さは別に現実ではないから大丈夫かな。 ――あとは、お化け屋敷に行かされるような仕事を。 蒼波 はい。反応はできないと思いますけど。「きゃーっ!」とかはできない。 ――テレビ的には困るでしょうね。テンション上がって大声出ちゃったりとかはないんですか? 蒼波 うーん……なんだろう。すごいものを見た時。あとは、好きなゲームの続編が決まった時なんかは、周りの人に「ちょっと聞いてっ!」ってなりますね。 ――最近は、なんの続編が出たんですか? 蒼波 『神々の悪戯(あそび)』っていうゲームの続編が決定して、しかも私の攻略したかったキャラクターが攻略できるって話を聞いて盛り上がりました……家族内で。 ――家族内で! ゲームをやってて声を上げてしまったりとかは? 蒼波 ありますね。やっぱり笑っちゃうんですよね……なんかもう。 ――え、乙女ゲームで? 蒼波 すごい……すごいんですよ。変なんですよ! それで、声上げて笑っちゃいますね。そしたら、もうベッド叩いて笑っちゃうんですよね。 ――本来は、うっとりするもんなんじゃ……。何を求めて乙女ゲームをしてるんですか? 蒼波 や、面白さを求めて。 ――ゲームをしている時が、人生で一番テンションが高い時? 蒼波 たぶんそうです(笑)。 ――それでは最後に、『女子の事件は大抵、トイレで起こるのだ。』の見どころを教えてください。 蒼波 序盤はギャグっぽいんですけど、あとからみんな協力してハッピーエンド? ……ハッピーエンドというか「めでたしめでたし」って感じなんですけど、ところどころ変なところ? ……ギャグ要素があって、面白いので見てほしいと思います。あと、大川さんはやっぱり変人なんですけど、自分をちゃんと持ってる人なので、そこはいいところなので見てほしいです。 (取材・文=北村ヂン) ●あおなみ・じゅん 2001年6月27日生まれ、宮城県出身。“講談社主催のオーデョション企画「ミスiD2014」でグランプリを受賞し、芸能界入り。『ワンダフルワールドエンド』で映画初出演。ほかに、『サムライフ』『世界の終わりのいずこねこ』がある。『女子の事件は、大抵、トイレで起こるのだ。』で共演した吉田凜音と期間限定のアイドルユニット「ずんね from JC-WC」を結成。「14才のおしえて」(作詞・作曲:大森靖子 編曲:サクライケンタ)でデビュー。 公式Twitter @junaonami ●『女子の事件は大抵、トイレで起こるのだ。』 10月17日(土)~新宿シネマカリテほか全国順次公開 <http://jc-wc.com/>