「歩くコラ画像」筋肉アイドル・才木玲佳の、負けず嫌いすぎる日常とは?

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撮影= 長谷英史
『有吉反省会』(日本テレビ系)や、「週刊プレイボーイ」(集英社)のグラビアで話題の筋肉アイドル・才木玲佳を知っているだろうか?  武藤敬司が旗揚げしたプロレス団体・WRESTLE-1を応援する公式サポーターとして結成された「Cheer(ハートマーク)1」のメンバーで、ロリ系の笑顔がかわいいアイドルでありながら、信じられないほどムキムキな筋肉の持ち主。  その、顔と体のあまりのギャップに「歩くコラ画像」なんて呼ばれ、マニアックな男子たちの心をわしづかみにしているのだ。  さらに、筋肉を鍛えるだけでは飽き足らず、最近ではプロレスデビューまで果たしてしまったという彼女。  アイドルなのに、どうしてここまで筋肉を鍛えてしまったのか? 果たして、どこに向かっているのか……? れいたんこと才木玲佳を直撃した! ■アイドルなのに、筋肉ついちゃってヤバくな~い? ――今はこんな感じで“筋肉アイドル”なんて呼ばれていますけど、もともとは普通のアイドルだったんですよね? れいたん そうです。就職活動をしようかどうしようか迷っている時に「格闘技を応援する」という、Cheer(ハートマーク)1のコンセプトに惹かれてオーディションに応募して、普通にアイドルしてました。 ――応援するだけで、格闘技をやるアイドルではないですよね? れいたん ないですね(笑)。ほかのメンバーを見ていただければわかるように、普通のアイドルユニットなんで。私だけちょっと異常……みたいな(笑)。 ――普通のアイドルだったのが、なぜこうなっちゃったのかというのが問題なんですが……。 れいたん まずはダイエット目的で、K-1のジムに通い始めたんですよ。ボクササイズとかがはやっていたんで、ちょっと人と違うことをしたいなと思ってキックボクシングを。そしたら、性格的に負けず嫌いなので、試合にも出てみたいな~と思うようになって。 ――そこが唐突なんですよ! ダイエットするのと格闘技の試合に出るのって、全然違いますよね!? れいたん いやぁ~、実際にやってみて、ミットを強く殴ったり蹴ったりしてると、血が騒いでくるんですよ! それで、試合に出たいと思って本格的なウエイトトレーニングを始めたら、ドンドン(筋肉が)大きくなってきて。 ――ウエイトトレーニングを始める前に、事務所へ相談したりはしなかったんですか? れいたん しなかった、勝手にやった(笑)。 ――じゃあ、事務所やほかのメンバーからしたら、れいたんが急に筋肉質になったぞと。 れいたん おへそを出すような衣装も多いんで、みるみる腹筋が割れてきちゃって! 「アイドルなのに、こんなに筋肉ついちゃってヤバくな~い?」って思ってました(笑)。 ――その頃の宣材写真は、マネジャーさんが修整していたらしいですね。 れいたん 今では筋肉を容認されてますけど、当時はメッチャ細く修整されてたんですよ。私、知らなかったですもん、修整されてたの。「メッチャいい筋肉撮れた~!」とか思ってたら、それがなかったかのように修整されてたらしくって! ――そりゃ、事務所的にはそうしますよ。アイドルですもん。 れいたん まあ私自身も、こんなに筋肉アイドルとしてキャラが確立するとは思ってなかったですね。「試合に勝ちたい」「いい体を作りたい」って頑張っていたら、いつの間にかこうなっちゃったという感じ。
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筋肉担当! 元気! やる気! 才木玲佳です!
■スクワット500回くらい、笑顔でできます! ――試合をやってみて、どうでしたか? れいたん 試合はね~……チョー緊張したんですよ。後楽園ホールでやったんですけど、初めての試合だし、独特の雰囲気もあって、ゴングが鳴った瞬間に頭が真っ白になっちゃって。練習でやってたことも全然出せなくて、2分間ただひっちゃかめっちゃかって感じでしたね。 ――殴られて痛かったり、怖かったりということは? れいたん 全然感じなかったですね。試合中って、アドレナリンが出てますから。でも結局負けちゃって、メッチャ悔しかった……チョー泣きましたよ! その次の日は目が腫れちゃって、友達と予定があったのにキャンセルしたくらい。 ――ちなみに、アイドル活動で、うまく踊れなかったとかで泣いたことは……? れいたん ない(笑)。アハハハハ! うーん、ないな! ――それから、格闘技にさらに本格的に取り組むため「プロレス総合学院」に入学したんですよね。 れいたん そうです、去年の10月に。 ――アイドルがプロレスの学校に入るって……事務所から止められなかったんですか? れいたん 結構、話し合いはしましたね。アイドルだし、ケガをしちゃいけないし、仕事との兼ね合いもあるし。月曜から金曜まで、毎晩通う学校なんで、それを半年間もやっていけるのか? って。でも、最終的には「そこまでやりたいのなら、背中を押してやる」って言ってもらえて。 ――じゃあ事務所的にも、筋肉キャラがメンバーにいてもいいやってことになったんですかね? れいたん 私はやると言いだしたらやっちゃうから、しょうがないと思ってもらえたんじゃないですかね。 ――プロレス総合学院には、どれくらい生徒さんがいるんですか? れいたん 入った時には男の子が10人、女の子が3人いたんですけど、途中でついてこれなくなって減っていき、卒業試験を合格できたのは4人でした。男2人、女2人。 ――その内のひとりに残れたんですか、スゴイ! 学校では、どんな授業をやるんですか? れいたん 最初は延々と、基礎体力をつけるためにスクワット300回とか、腹筋100回とか、受け身の取り方とか……。 ――スクワット300回って、素人がいきなりできないでしょ? れいたん みんなゼエゼエハアハア言ってましたね。でも、私は平気でできましたよ! ――ええーっ!? れいたん 日常生活で、スクワット100回くらいはやってるんですよ。 ――なんで? れいたん お風呂上がりに、ドライヤーをしながらスクワットを。 ――なんで!? れいたん 鍛えるため(笑)。キックの試合に出ようと思ってから、それを始めたんですけど、私、スクワットが得意らしくて、100回とか500回とか笑顔でできるんですよ。 ――学生時代に運動部をやっていたとかは? れいたん 全然。中学高校はずっと帰宅部で、運動もほとんどやってなかったですね。家でゲームやったり、友達と買い食いしておしゃべりしたり……そういう学生生活でした。 ――そんな学生時代を送ってきたのに、ちょっと鍛えだしたらこんなに筋肉がついて、運動能力を発揮したって……。運動部に入ってたら、オリンピックくらい行けたんじゃないですか? れいたん 確かに~。2020年に出られたかもしれない! ――プロレス総合学院を卒業して、ほかの生徒さんたちはプロレスラーになるんだと思いますが、れいたんはどうするんですか? れいたん 私も、月1回くらいのペースでは試合をしていきたいと思っています! 学校は卒業しましたけど、今も月に何回かはプロレスの練習に行ってますよ。 ――普通のアイドルは、ダンスレッスンだけでも大変って聞きますけど、それに加えてプロレスの練習が……。 れいたん 今日だって、午前中にダンスの練習をしてて、このインタビューがあって、その後、プロレスですから。
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実は慶応義塾大学卒なんです
■目指すはインテリ筋肉アイドル ――筋肉がついて、格闘技の試合にも出るようになって、ファンの人たちの反応はどうだったんですか? それまでは、普通のアイドルとして応援してたわけですよね。 れいたん うーん、ファンの人たちからは、困惑しているという声もあって……。「れいたん、どこに向かっているの?」とか「かわいかったれいたんが、どんどんムキムキになっていく……」とか。 ――(笑)。リアルな意見ですね。 れいたん そういう声もある一方、「ムキムキの筋肉と笑顔のギャップが最高だね」って応援してくれる方もいます。差し入れも、それまでは甘いお菓子とかだったのが、プロテインとかアミノ酸とかになって(笑)。 ――筋肉がついてからファンになったという人もいますよね? れいたん 『有吉反省会』に出てからは増えましたね。Twitterのフォロワーが一気に1万人くらい増えたし。複雑なのが、アイドルだから自撮りを載せるじゃないですか、でも顔の自撮りよりも、筋肉を載せたほうが圧倒的に「いいね」が多いんですよ。 ――顔よりも筋肉を求められてると! れいたん 私も筋肉を見せたいし、うれしいんだけど、アイドルだから顔も好きになってほしい……。 ――今後は、筋肉とアイドルの2本立てでやっていくという感じですかね? れいたん アイドルしつつ、プロレスもしつつ……。でも、慶應義塾大学を出ているんで、インテリキャラも出していけたらなって思っています。 ――要素が多すぎて、よくわからなくなってますよ! れいたん インテリ筋肉アイドルですね(笑)。……あっ、アクション女優とかもやりたい! 刑事役で犯人をヤーッて捕まえたりとか。「マッスルミュージカル」みたいなものにも出てみたいですね。 ――なんでもやれることはやりたいと。一番出たい番組はなんですか? れいたん うーん……この番組というより、全テレビ局のクイズ番組制覇かな。 ――そこは筋肉関係ないんだ!
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ファンのみなさま、差し入れはヴァセリンでお願いします!(筋肉をきれいに見せるために塗ってるそうです)
(取材・文=北村ヂン) ●れいたんオフィシャルブログhttp://ameblo.jp/saikireika0519/

金型屋兼プロレスラーで、“最強プレゼンター”!? 「スーパー・ササダンゴ・マシン」って?

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撮影=河野英喜
 人気プロレス団体、DDTプロレスリング(以下、DDT)で、パワーポイントを駆使してプレゼンを披露する異色のマスクマン、スーパー・ササダンゴ・マシン。『アフロの変』(フジテレビ系)、『水曜日のダウンタウン』(TBS系)などのバラエティ番組にも出演し、話題を集めているが、本業は家業である新潟の金型工場・坂井精機株式会社の専務取締役だ。  そんな謎に包まれたこのスーパー・ササダンゴ・マシンがこのたび、なぜか『スーパー・ササダンゴ・マシンによるコミュ障サラリーマンのためのプレゼン講座』(ポニーキャニオン)なるDVDをリリースした。一体どんな人物で、何が目的なのか――。その実像に迫る。 ――バラエティ番組などへの露出も増えて、認知度が上がった一方で「スーパー・ササダンゴ・マシンって何者?」という疑問を持つ人も多いと思います。金型工場とプロレスラーと芸能活動、どれが本業なんでしょうか? スーパー・ササダンゴ・マシン(以下、ササダンゴ) 今は金型工場がメインですよ。プロレス活動や芸能活動でもらったギャラは、すべて坂井精機株式会社の口座に入るようになっていますから。完全にビジネスマンです。資本主義の豚です。 ――すべては、金儲けのためにやっていると。 ササダンゴ それと、承認欲求を満たしたい、自己実現をしたいから、マスクをかぶってプロレスや芸能活動をしているようなもんです。 ――今は松竹芸能に所属していますけど、なぜ松竹に? ササダンゴ 今のマネジャーに「我々と一緒に手を組みましょう、一緒に儲けましょう」と声をかけられまして。「一緒に面白いことをしましょう」はいろいろと言われますけど、ストレートに「手を組んで儲けましょう」と言われたのは初めてだったので、「ここだ!」と。 ――そっちのほうが、ビジネスマンとしてはわかりやすいですね。今回リリースしたDVD『スーパー・ササダンゴ・マシンによるコミュ障サラリーマンのためのプレゼン講座』は、どんなきっかけで制作することになったんですか? ササダンゴ 『アフロの変』のプロデューサーに、私がDDTでやっている「煽りプレゼン」(編注:プロレス会場でササダンゴが客に向けて、相手とどのような試合を行うかをパワーポイントを使ってプレゼンする定番パフォーマンス)を、別の方法で形にしたいと言われまして。 ――DVDでは老舗プロレス雑誌「週刊プロレス」(ベースボール・マガジン社)編集部への自分自身のプレゼン、ケンタッキーフライドチキン(日本KFCホールディングス株式会社、以下KFC)への新商品の、焼肉店でどのように注文を組み立てるかという「孤独の焼肉」プレゼンの3本立てになっていますが、KFCがこの企画を受けてくれたのが、失礼ながら意外でしたね。 ササダンゴ そうなんですよ! あのKFCさんが! 企画段階で、上場企業にもプレゼンしようということになっていまして。まぁ、ぶっちゃけ、私くらいになると大企業のトップにも知り合いがいるわけですよ(本当に)。でも、それは「使っちゃダメ!」というルールを設けられまして。それやっちゃうと、実際にプレゼンするときの緊張感がなくなっちゃいますから。それで、スタッフが100社以上の企業、具体名は出せませんが、KFCクラスの有名企業なんですけど、そこにオファーを出しまして、唯一OKしてくれたのがKFCさんなんですよ。 ――KFCに新たなメニューをプレゼンしていましたが(詳細、結果はDVDをご覧ください)、やはりプロレス会場で行うものと違いますよね。 ササダンゴ ちゃんとした偉い人も出席してくれましたからね。プロレス会場とは、真逆ですよ。プロレスは客層がわかっていて、そこに合わせて雰囲気を作っていくんですけど、今回は偉い人もいて、しっかりしたプレゼンの現場に私が放り込まれ、果たしてどうなるか!? という内容ですからね。 ――DVD内でのプレゼンの内容も、実際に見るとわかりやすいというか、親しみやすい感じで、すごく好感が持てました。 ササダンゴ 構成がどうだとか、こういうテクニックを使って効果的に魅せるとか、そういった技術的な話はしていないですからね。そこは、マイクロソフトとかアップルの仕事だと思うんで、私はただ実験して検証してるといった感じです。
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――そういったアプローチの仕方が、逆に現役のサラリーマンには新鮮に映るんじゃないかと思います。本業でも、プレゼンしたりする機会は多いんですか? ササダンゴ 本業では一切やっていません! ――え!? ササダンゴ 金型産業は基本的に受注生産ですし、もともと仕事で得意げにプレゼンしてる奴が大嫌いですから。 ――え!? ササダンゴ ドラマとか見てても、プレゼンする奴ってだいたい嫌な奴じゃないですか。老舗旅館を買収しに来た外資企業の奴で、最終的には東京から帰ってきた若女将にやっつけられたり。 ――まぁ、ドラマとかのイメージだと、そうかもしれませんね。 ササダンゴ プレゼンする奴は悪役なんですよ。でも、それがプロレスラーだったら、成立するじゃないですか。 ――なるほど。では、実際にちゃんとしたプレゼンをしてみて、いかがでしたか? ササダンゴ 手応えしかないですね。 ――ちょろいもんだと! ササダンゴ 感覚的な話になりますけど、プレゼンって魔法、黒魔術みたいなもんで、人の心を簡単に魅了してしまうんですね。だから私くらいのレベルになると、安易に使っちゃいけないなと。ここぞというときに使うべきだということを実感しました。 ――では、いずれ本業で発揮するときが来るということですね? ササダンゴ いや、やりません。やっちゃうと忙しくなっちゃうから! ――忙しいのは、喜ばしいことじゃないんですか? 芸能活動も、あまり忙しくしたくないんですか? ササダンゴ はい、あまりやりたくありません。 マネジャー いや、やりますよ!? やりますからね!? ササダンゴ ……。はい。やっぱりやります。 ――(笑)。芸能活動でいえば、『NHK高校講座』の「社会と情報」(4月28日放送スタート、全20回)でプレゼンターを務めますよね。 ササダンゴ 今の高校って、“社会と情報”という授業もあってですね。現代の高校生は生まれたときからインターネットやSNSがあって、「どうやったら炎上しないか」や「ネット上の画像を二次使用するときのルールとエチケット」なんかも教えているんですよ。そのカリキュラムに「プレゼンテーションの仕方」も入っていて、今は“プロレスラーもプレゼンができる時代”ということで声をかけられたみたいです。 ――2008年に刊行した著書『八百長★野郎』(エンターブレイン)の中で、ミスター高橋さん(編注:元新日本プロレスのレフェリー。2001年にプロレスの舞台裏を語った著書『流血の魔術 最強の演技 すべてのプロレスはショーである』(講談社)で物議を醸した)と対談してて、その中で「今の高校生はプロレスをまったく見たことがない」という話をしていましたよね。今の高校生もプロレスは見ないのかなと思ってしまうんですけど、感触としてどうですか? ササダンゴ どうなんでしょうかね。でも、私は高校生にプロレスを見てほしいとは思ってないですから。 ――え!? そうなんですか!? ササダンゴ うちの団体(DDT)でも、小学校~高校の間にプロレスしか見ていないような奴、飯伏幸太はじめみんな頭おかしいですから。人としてどうかしてるんで、若いうちは見ちゃダメだと思います。映画やライブやテレビ番組を見て、部活、恋愛をちゃんとするべきですよ。
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――意外ですね。プロレスラーの方は「若い人たちにも見てほしい」と、口をそろえて言いますけど……。 ササダンゴ 高校生にプロレスを見せようとしている大人たちは、全員悪魔ですよ! 真面目に「若年層を取り込もう」と言っている奴は、たいていクズ野郎です。 ――僕も子どもの頃からプロレスを見ているので、いささかショックです。 ササダンゴ あなたもクズですよ! 若年層を取り込もうとするな! 金のある奴をしっかり押さえろ! ということですよ。プロレスファンに若い女の子が増えていると言いますが、では「30~40代男性が、金を払って見てくれているか?」というのが私のテーマです。その世代が金を払って見たいものをちゃんと作れていますか? と。若い女の子に人気なのもいいですが、その世代のおじさんたちが楽しめるものを、私はちゃんと作りたいんです。 ――ちなみに僕もそうですが、この「日刊サイゾー」の読者層っていうのが、ちょうどその世代、30~40代男性なんですよ。 ササダンゴ 女の子にキャーキャー言われているプロレスラーは、かっこいいですよ。でもね、男として、彼女や女友達に「プロレス面白いから一緒に見に行こうよ。かっこいいんだよ」って誘われても嫌でしょう? 女の子が騒いでいるのを見て楽しんでくれるおじさんファンもいるけど、それはそれで変態の部類でしょう。 ――ま、言わんとしていることは、なんとなくわかります……。今の30~40代って、もともとプロレスが好きで、でも今はプロレスから離れてしまった人も多いんですけど、そういったファンが戻ってきていると思いますか? ササダンゴ 思わないです。みんなアイドルに行って、戻ってこないですよ。プロレスや総合格闘技を見ていた人は、ハロプロやAKBに行き、マッスル(編注:DDT内で行われていたエンタテインメント性の高いプロレス興行)を見ていた人は、BiS(2014年に解散)とか過激なほうに行って、そこを卒業したら今度は、生ハムと焼うどんに行ってますよ。DDTのスタッフたちですら「生ハムと焼うどん、いいよね!」って言ってますから。 ――そのアイドルに奪われたファンを取り戻すには、どうすればいいですかね? ササダンゴ もう戻ってこないですよ。戻ってこないくていい! いま私が考えているのは、そういったファンから、アイドルそのものを奪うしかないということです。アイドルの貞操を奪うしかない! 復讐ですよ! 共存共栄はないですから! ――……。ちょっと過激になってきたので話題を変えます。ずばり、今後の展望は? ササダンゴ 当然、ありますよ。 ――お! なんですか? ササダンゴ 2020年の東京オリンピックに、照準を合わせています。 ――突然、壮大になりましたね。 ササダンゴ 開会式や競技のすべてに、演出で総合格闘技でやっているような“煽りVTR”が導入されるんじゃないかとにらんでいるんですよ。それとプレゼンをセットにして、世界に発信すればいいんじゃないかと。 ――実現したら盛り上がりますね。 ササダンゴ あとは、開会前と開会後にスポーツニュースに呼んでもらえるように、仕掛けていきたいですね。フジテレビの『すぽると!』あたりが……。 ――『すぽると!』は終わりましたよ……。 ササダンゴ ……。じゃあ『Going! Sports&News』(日本テレビ系)で……。 ――では、そういった番組にも、ぜひプレゼンを。期待しています! (取材・文=高橋ダイスケ) ●DVD『スーパー・ササダンゴ・マシンによるコミュ障サラリーマンのためのプレゼン講座』 発売元:フジテレビジョン 販売元:ポニーキャニオン 価格:3,240円 好評発売中 ●マッスル坂井Twitter @abulasumasi

“元アウトローのカリスマ”瓜田純士がクマのぬいぐるみに夢中! クマ声で「幸セダナ~」って……

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 先々月から肉体改造を始めた“元アウトローのカリスマ”こと瓜田純士(36)だが、トレーニング中に体を傷めたらしく、ここ数週間は自宅で療養する日々が続いているという。心配した記者が見舞いに訪れたところ、瓜田の部屋には、ギター、ダンベル、プロテインなどの男臭いアイテムが並んではいたものの、それらはホコリをかぶった状態。「最近はディズニー映画と、この子に夢中ですね。よ~しよし♡」と言いながら瓜田が抱きしめたのは、大きなクマのぬいぐるみだった。怪我をしてファンタジーの世界に癒しを求めているのか、それとも最初からそういう人なのか……? 日本を代表するコワモテ男のメルヘンチックな一面に迫る!
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――最近、お怪我をされたそうですね。 瓜田 自宅でダンベルフライをやってる最中に、肋間筋損傷ってのになっちゃいました。 ――ダンベルフライとは? 瓜田 大胸筋を鍛えるためのトレーニングです。ダンベルを両手に持った状態で台の上に仰向けになり、腕を開閉しながら上げ下げする運動。負荷をかけすぎて、背中がアイタタタ……となって、嫁からは休むよう注意されたんですが……。一刻も早く「ペ」になりたくて、嫁の目を盗んで続けていたら、症状がさらに悪化してしまい、結果的に寝込むことになりました。 ――夏までにペ・ヨンジュンのような筋肉美を作るという計画でしたよね(記事参照)。 瓜田 いい感じで「ペ」に近付きつつあったんですよ。2カ月でウエストは15cm、体重は10kgも減って、大胸筋は100cmオーバー。さぁこれからってときに怪我をしてしまい、残念です。とりあえず、あと10日ほど大人しくしてから、トレーニングを再開しようと思ってます。ハックション!……アイタタタ。僕、花粉症なんですけど、くしゃみをするだけで背中が痛い。こないだTSUTAYAにDVDを借りに行ったときも、あの狭い通路で人と背中がちょっとぶつかっただけで激痛が走り、その場でうずくまってしまいましたからね。
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――TSUTAYA ではどんなDVDを借りたんですか? 瓜田 僕クラスになると、映画もディズニーしか見ないですよ。最近感動したのは『塔の上のラプンツェル』です。 ――瓜田さんがディズニー映画を好むとは意外です。 瓜田 食わず嫌いでしたね。嫁にすすめられて見てるうちに、その良さがわかってきた。クオリティーの高さにビックリですよ。なぁ? クマちゃん(と言って巨大なクマのぬいぐるみを抱き寄せる)
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――それは何ですか? 瓜田 「それ」じゃなくて「彼」と呼んでください。 ――ということは、オスなんですか? 瓜田 (クマの背後に隠れ、クマの声色を作りながら)ソウダヨ。僕ハ、オスダヨ。 ――一緒に寝たりもしているんですか? 瓜田 (引き続きクマを演じながら)寝ル場所ハ別ダヨ。僕ハコノ家ノVIPダカラ、一番イイ場所デ寝テルヨ。僕ハコノ家ニ来レテ幸セダナ~。オマエニモコノ幸セヲ分ケテヤリタイヨ。 ――いつから彼は、瓜田家にいるんですか? 瓜田 最近ですね。もともとは嫁が欲しがって、僕は嫌がってたんですよ。大きいし、邪魔だと。でもいつまでもスマホの画面を見つめながら「欲しい」「欲しい」言ってる嫁が可愛く思えてきて。マリファナを欲しいと言ってるわけじゃないから、じゃあいいよってことで買ってあげました。ただし、嫁が一番欲しがってた2m超え(235cm)の子はさすがにデカすぎるから、ハーフサイズ(135cm)の子にしてもらいましたけどね。
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――そのクマは瓜田家にとって、どういう存在ですか? 瓜田 クマ? うん? なんの話ですか? ああ、この大きなセガレの話ですか。長男ですよ。2人の愛の結晶ですよ。 ――瓜田さん、大丈夫ですか? 瓜田 基本、好きなんですよ。こういうの(笑)。小さい頃も大事にしてたんですよ、クマのぬいぐるみを。僕、甘えん坊なんで。当時は非公開でしたけど、家ではクマのぬいぐるみとたわむれて、一歩表に出たら「てめえコラ! 何見てんだオラ!」とケンカに明け暮れて、家に帰ったら「ただいま」と言ってクマを抱きしめる。そんな毎日でした。 ――そんなの初耳です。 瓜田 小学校に上がってからも、ぬいぐるみが大好きで。ある年、花園神社の酉の市に行きまして。酉の市つったら、他校のヤツらとケンカして名を売るチャンス。僕も思い切りオラつきながら夜店でゲームして遊んでました。そしたら一等と特賞だったかな、でっかいゴマちゃんとバルタン星人のぬいぐるみが当たったんですが、怪しいテキ屋のあんちゃんに騙されて、当たり券を握り潰されちゃった。だから僕、その捨てられた当たり券を拾って「当たった」「当たった」としつこくアピールしてたら、テキ屋のあんちゃんに「うるせえ! 向こう行ってろ!」と怒鳴られたんですが、騒ぎを聞いたのか貫目の上の人が出てきて、そのあんちゃんが怒られて、結局ぬいぐるみをゲットしましたからね。 ――すごい執念ですね。 瓜田 でも、他校の不良っぽいヤツらが僕を見てるわけです。「あれ、瓜田じゃねえか?」とか言いながら。だから僕、でっかいゴマちゃんとバルタン星人をわざと地面にズルズルと引きずりながら歩いて、「どけよオラ! 道あけろ!」とか言いながら花園神社を出た。で、家に帰ってから「ごめんね~」と謝りながら濡れタオルでぬいぐるみの汚れを拭いてあげました(笑)。
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瓜田家のワンコーナー。「嫁に似てる」という理由でギズモのぬいぐるみも飾られている。
――ところで、部屋の中にセグウェイが2台ありますね。 瓜田 これも嫁が欲しがったから買いました。僕としては印税が入ったら、前から欲しかったハミルトンの腕時計を買うつもりでいたんですけど、自分のだけ買うのは許されないから、「嫁とペアウォッチで」という線で話を進めようとしたんです。が、ミリタリー調のデザインだからか、嫁はまったく関心を示さず、「そんなの要らへん。セグウェイが欲しい」と言われまして……。ハミルトンの夢が遠のいてしまい、僕、しばらく落ち込んでたんですよ。そしたら先日、嫁からサプライズでこんなものをいただきました!(と言って白い紙切れを机の上に置く)
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――なんですか、これは? 瓜田 よく見てください、文字盤が書いてあるでしょう(笑)。嫁が「目を閉じて」と言うから閉じたら、腕にこれを巻いてくれて、「はい、ハミルトン」って言うんです。形も一応、似せてある(笑)。可愛くないですか? その瞬間から僕はもう、腕時計なんてどうでもよくなっちゃって。ハミルトン以外で何か形に残るもの、ってことで、セグウェイをペアで買うことにしました。 ――ダイエットのために歩く、と言っていませんでしたっけ? 瓜田 え? 「歩く」ってなんですか? ひょっとしてまだ歩いてるんですか? いまだに歩いてる人のことを、悪いけど僕は軽蔑してますよ。とっくに次のステージに来てるんで。 ――セグウェイでの移動は快適ですか? 瓜田 はい、と言いたいけど、まだ言えない。僕、こういうの苦手なほうなんで、まだまだおっかなびっくりですよ。2~3cmの段差が怖いんです。いっぺん交差点でスッ転んで1回転して背中を強打したこともあるので、結構ビビリながらノロノロ運転しています。
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――もっと慣れる必要がありそうですね。 瓜田 公園とかで練習できればベストですが、そこまで運んで行くのも重い。だから乗って行くしかないんですが、走行中は光るんで、特に夜間は街中に出ると目立ちすぎて恥ずかしいんですよ。嫁は目立ちたがり屋だからいいけど、僕は恥ずかしがり屋なんで……。こないだの晩も、大通りの横断歩道をセグウェイに乗って2人で渡ろうとしたら、紀元前みたいなビッグスクーターに乗って信号待ちしてたガキどもが、湘南乃風を爆音でガンガン流しながら「お、セグウェイだ。カッケー! 俺も欲しい!」なんて大声で言うわけです。万が一、スクーターのヘッドライトに照らされて僕だとバレたら面倒臭いことになりそうな連中だったんで、慌てて下を向いて顔を隠しましたよ。本当は急いで走り去りたかったけど、スピードを出すとスッ転びそうで怖いから、うつむいたままノロノロ運転で逃げました(笑)。 * * *  コワモテなルックスとは裏腹に、意外とメルヘンチックで、平和主義なところがある瓜田。だが、「最近の僕は、ちょっと仏になりすぎている。『どうも、どうも』と頭を下げるのにも慣れたけど、本当はどこか納得いっていない部分もある」と、笑いながらではあるがフラストレーションが溜まっていることを打ち明けた。そして、「ペコペコしてばかりいると自分を卑下しちゃうんで、『こんな俺でも数年後には何々がある』とかっていう大きな目標が欲しいですね。そういう目標さえあれば、頭を下げることにも耐えられる」と真顔で語った。  ペ・ヨンジュンレベルに体を鍛え上げることが最終目標ではないという。「鍛えた体は飾りじゃない、っていうことを証明できる場に立ちたい」とのこと。それが何なのか? についての具体的な言及は避けたが、「アウトローはやめても男はやめていない」が口癖の瓜田である。クマのぬいぐるみを愛でていた彼が、ある日突然、凶暴なクマそのものに化ける可能性もあるので、まだまだ油断は禁物だ。 (取材・文=岡林敬太)
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※日刊サイゾーでは2016年より、ほぼ月イチペースで瓜田純士の最新情報をお届けしています。来月もお楽しみに。 ※先月の記事で告知したSHOWROOM『瓜田大礼拝』は、瓜田家のWi-Fi環境などの都合により現在は配信をストップ。次回の配信は未定だそうです。

「アイドルはこうだっていうのが……よくわからないです」“東京最強アイドル”BELLRING少女ハートが考えるステージと観客の幸せな関係

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BELLRING少女ハート(右から甘楽、柳沢あやの、カイ、仮眠玲菜、朝倉みずほ)
 アイドルブームといわれて久しいが、星の数ほど存在するアイドルの中で自らを“東京最強アイドル”と呼ぶ5人組アイドル、BELLRING少女ハート。かつて、“学芸会以下”と揶揄されたそのステージはしだいに熱気を帯び、人が人を呼び、ついには「ワンマン3部作」を敢行するまでとなった。  今回は、1月のZEPP TOKYOワンマンライブ『Q』に続いて、4月30日に開催を控えるTOKYO DOME CITY HALLワンマンライブ『B』について聞いてみた。  途中、メンバーから質問が飛び出すなど話は思わぬ方向へ……! 舵取り不可能な彼女たちに、インタビュアーもタジタジ!?
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甘楽
――BELLRING少女ハート(以下、ベルハー)は、大きな会場でライブを行っていますが、ワンマンとなるとモチベーションは変わりますか? 甘楽(かんら) あの、私はチラシ配りとかしたんですよ、チケット売るために。あーちゃん(柳沢あやの)と一緒に路上ライブをしたりだとか。それで、いつものファンの方ではなくて、チケットを売るための活動で出会って会場に来てくれたお客さんが結構いらっしゃったので、来てくれてありがとうって気持ちがありました、いつものライブより。 ――なるほど。 甘楽 だけど、私はあの……この『BEYOND』というアルバムがあるんですけど、こちら(とアルバム『BEYOND』を取り出す)! こんなに曲があるんです! 16曲も! この曲が『Q』で初披露になったんですね。で、それを覚えることに甘楽はもう手一杯で。自分の魅力を100%出せなかったんですよ! 柳沢あやの(以下、柳沢) (手が)震えてるよ。 甘楽 そう、満足いかなくって! だから、あの、『B』では絶対に勝ちます! ――『Q』は未消化というか、やりきってないっていう気持ちなんですか? 柳沢 甘楽が言ったように、いつものワンマンライブとかでやってきたよりも、自分たちで行動したんです。甘楽とはチラシ配りとかしたし、私はれーれ(仮眠玲奈)といろんなお店に行って、流し(飲食店などで一曲歌わせてもらうこと)とか、そういうのをしたんですけど、やっぱり正直埋まらなかったし、それが今の自分たちの力だなって。 ――『Q』のときは、記念にバンジージャンプをやりましたよね。『B』では、こういったことをやりたい、こういうのをやらされるんじゃないかっていうのはありますか? 甘楽 何をやらされるかは全然わからないです。……これ言って大丈夫ですか? 私、虹をつくりたいです! ――虹をつくる? 甘楽 私はライブ中に毒霧をするんですよ。毒霧ってわかりますか? ペットボトルでぶーって。あれで、虹をつくりたいです。私の吹いた霧で、虹がぱあーってなるライブをしたいです。
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柳沢あやの
■「ステージにあがると、私は短気になります。すぐ怒る(笑)」熱狂する観客とステージ ――わかったような、わからないような……。ところで、ベルハーというと、ファンの方の熱すぎる応援というイメージがありますが、それはステージ上から見えているんですか? 朝倉みずほ(以下、朝倉) 見えてます。私はイヤです。うん。危ないし、なんか……ライブ後にチェキを撮りにきてくれた人に「今日もやられた」って言われるときがあって。私に文句じゃないですけど、情報をくれるんですよ。「人の肘がお腹に当たった」とか言われるから、危ないしイヤだなって思う。 ――それはメンバーさんで考えが分かれているんですか? カイ 私は、自由にやってくれたらと思います。 甘楽 私もそうですね、自由派。お客さんが好きなように楽しんでくれたらって思う。でも、暴れてるのが目に入らないくらいステージに集中していただけたらって、そんなステージにしたいです。特になんとも思わなくて。リフト(観客が観客を肩車すること)で、かなり近くまで来るんですけど、「あ、はい(真顔)」って感じで。私は私のライブをって感じです。 ――根本的な質問ですけど、ベルハーにとってライブってなんですか? 朝倉 ライブは自分が一番思っていることを言えるし、顔に出してもいいし態度に出してもいいから、一番自分を出せる場所。怒ってるとか、つまんないとか楽しいとか面白いとか。 仮眠玲菜(以下、仮眠) ライブは、生き甲斐です。うん、生き甲斐。 カイ えっと、ライブは生活。生活習慣……じゃなくて、生活の一部。だから、あまりやらないと「ああ~ライブしてないな~」ってなります。 柳沢 ライブは、ラブのキャッチボールです。私、結構お客さんのこと好きなんですよ。私のお客さんが「好きだ!」って、すごい表現してくれて。なので、それでいつも力もらって私も元気が出て、それでお客さんも喜んでくれてっていうその掛け合いが楽しいです。 甘楽 私がいただいた歌割りとか振りとかをこなして楽しんで、こう、バッてやったらお客さんも「わっ」てなってくれて、みんなで高まるのが最高のライブだと思います。 ――自分をそのまま出せる場所? 朝倉 はい。 ――アイドルの時の自分と普段の自分は違いますか? 朝倉 ステージにあがると、私は短気になります。すぐ怒る(笑)。 ――普段は短気じゃない? 朝倉 あー、どうなんでしょう。お母さんに対しては短気じゃないんですけど、お兄ちゃんには短気です。「飲み物買ってきて」って言われただけで、「なんで?」って怒る。うふふ。お母さんだったら、「いいよ、行ってくる」って感じだけど、お兄ちゃんには「なんで? なんで?」って。 柳沢 私も違います。普段は、ヘラヘラしてるんですけど、ライブになると……なんだろう……なんて言うんですかね……。 甘楽 女王様になります! 柳沢 私、女王様!? なんで女王様? 甘楽 一緒にやってて、女王っぽいなって思うんですよ。カッ! って感じ。髪の毛とかブンブン振り回して、こう……手もバキバキッみたいな感じで。……とにかくすごいのがいるんですよ、ステージ上に。
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朝倉みずほ
■「アイドルはこうだっていうのが……よくわからないです」活動4年目に入ったベルハー ――アイドルをやっていくうえで、大切にしているものってありますか? 朝倉 アイドルやってますって実感がない。私は、“私が自分でライブしてます”って感じです。「アイドルのみずほです」って感じではないから、アイドルはこうだっていうのが……よくわからないです。 甘楽 私もアイドルっていう感じは、あまりないです。 柳沢 私、朝起きたらTwitterに「おはあーやん」って書くんですけど、それを書くときはアイドルの気持ちになります。だって、普通言わないじゃないですか。 朝倉 あのう……質問していいですか? ――え? 朝倉 ……えっと、朝起きて最初に飲むものは? ――朝起きてから飲むもの? えっと……烏龍茶を。烏龍茶飲まないですか? 朝倉 烏龍茶飲んだことないです。 甘楽 えー! 朝倉 あるのかな? お茶飲まない。朝は、いつもジュースとか。だから、水も飲まないし、あんまり。飲んでみます。 ――質問に戻りますけど……。 田中(BELLRING少女ハート・ディレクター) じゃあ、付き合うとしたら誰ですか? メンバーの中で。付き合うとしたら。
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カイ
――……付き合うとしたらですか? ……カイちゃん。 田中 カイちゃん! どんなところが!? カイ いぇいいぇい。 朝倉 一緒にいたいですか!? ――一緒に……いるのはキツいんじゃないですか(笑)。 全員 あはは! 甘楽 付き合えるとなったらどうします!? 今日から。このインタビューのあとに付き合えるとなったら!? ――そりゃ、ありがたいなって手を合わせますけど……。 朝倉 付き合ったら、カイちゃんどこ連れて行くんですか? カイ 確かに。 朝倉 カイちゃん、どこ行きたい? カイ いやあ~……、はい……。
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仮眠玲菜
■「巨乳派も貧乳派も、やっぱBだなって思わせて、最高の『B』にします」 ――……って、いいんですよそんなことは(笑)。目標にしている「コーチェラ・フェスティバル」(1999年から続くアメリカ・カルフォルニアの大規模野外音楽フェスティバル)に出るときは、何歳になっていると思いますか? 朝倉 83歳。 ――83歳!? 朝倉 ……ウソです、ごめんなさい(笑)。 甘楽 20歳。今18歳で、2年後です。今18で日本をガーって攻めて、19で世界をガっと攻めるっていう。ガっと攻める。ガッと。 ――あんまりピンときてない感じですが……。 朝倉 田中さんが言ってるだけで、コーチェラって……アメリカのフェスですか? ――そもそも、コーチェラ・フェスティバルって知ってます? 朝倉 コーチェラ! ……コーチェラは最近「かき氷食べたい」って言ってました。 ――コーチェラが人になっちゃった! 最後に、『B』に向けて意気込みを。 朝倉 『B』は、『Q』で怒られたこともあるからまた同じようなことで怒られないようにしたい。怒られるんだったら、違う内容で怒られたい。……怒られたくないけど(笑)。楽しみたいです、自分が。 仮眠 『B』はリベンジで、ZEPP TOKYO『Q』でまだまだ物足りないというか、まだやれるなって思ったので、『B』はチャンスがあるので、もっとリベンジしてもっといいライブをします。 カイ ん~。 柳沢 『B』は、みんなでいいものにしたいです。ファンも人もそうですけど、基本的にはステージをみて、感動してもらいたいです。 甘楽 今、CカップなんですけどBまで落として、Bカップで『B』を迎えたいです。やっぱBだなって。巨乳派も貧乳派も、やっぱBだなって思わせて、最高の『B』にします。 (取材・文=編集部/撮影=尾藤能暢) ●べるりんしょうじょはーと 通称“ベルハー”。2012年4月に活動スタート。黒いセーラー服に羽をまとい、60年代サイケデリック・ロックからグランジ・ロック、エレクトロニカなど幅広い音楽性を誇るアイドル・ユニット。ゆるく激しいパフォーマンスが唯一無二の世界観を作り、多くのファンの支持を得る。ステージで大暴れする問題児という印象が強いが、16年1月2日『3部作ワンマン第1弾・Q』ZEPP TOKYOでは、壮大な演出でエンターテインメントとしての可能性を示すことに成功した。続く4月30日『3部作ワンマン第2弾・B』TOKYO DOME CITY HALLに期待が寄せられる。 BELLRING少女ハートオフィシャルサイト http://bellringgirlsheart.com/?aid=335

「アイドルはこうだっていうのが……よくわからないです」“東京最強アイドル”BELLRING少女ハートが考えるステージと観客の幸せな関係

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BELLRING少女ハート(右から甘楽、柳沢あやの、カイ、仮眠玲菜、朝倉みずほ)
 アイドルブームといわれて久しいが、星の数ほど存在するアイドルの中で自らを“東京最強アイドル”と呼ぶ5人組アイドル、BELLRING少女ハート。かつて、“学芸会以下”と揶揄されたそのステージはしだいに熱気を帯び、人が人を呼び、ついには「ワンマン3部作」を敢行するまでとなった。  今回は、1月のZEPP TOKYOワンマンライブ『Q』に続いて、4月30日に開催を控えるTOKYO DOME CITY HALLワンマンライブ『B』について聞いてみた。  途中、メンバーから質問が飛び出すなど話は思わぬ方向へ……! 舵取り不可能な彼女たちに、インタビュアーもタジタジ!?
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甘楽
――BELLRING少女ハート(以下、ベルハー)は、大きな会場でライブを行っていますが、ワンマンとなるとモチベーションは変わりますか? 甘楽(かんら) あの、私はチラシ配りとかしたんですよ、チケット売るために。あーちゃん(柳沢あやの)と一緒に路上ライブをしたりだとか。それで、いつものファンの方ではなくて、チケットを売るための活動で出会って会場に来てくれたお客さんが結構いらっしゃったので、来てくれてありがとうって気持ちがありました、いつものライブより。 ――なるほど。 甘楽 だけど、私はあの……この『BEYOND』というアルバムがあるんですけど、こちら(とアルバム『BEYOND』を取り出す)! こんなに曲があるんです! 16曲も! この曲が『Q』で初披露になったんですね。で、それを覚えることに甘楽はもう手一杯で。自分の魅力を100%出せなかったんですよ! 柳沢あやの(以下、柳沢) (手が)震えてるよ。 甘楽 そう、満足いかなくって! だから、あの、『B』では絶対に勝ちます! ――『Q』は未消化というか、やりきってないっていう気持ちなんですか? 柳沢 甘楽が言ったように、いつものワンマンライブとかでやってきたよりも、自分たちで行動したんです。甘楽とはチラシ配りとかしたし、私はれーれ(仮眠玲奈)といろんなお店に行って、流し(飲食店などで一曲歌わせてもらうこと)とか、そういうのをしたんですけど、やっぱり正直埋まらなかったし、それが今の自分たちの力だなって。 ――『Q』のときは、記念にバンジージャンプをやりましたよね。『B』では、こういったことをやりたい、こういうのをやらされるんじゃないかっていうのはありますか? 甘楽 何をやらされるかは全然わからないです。……これ言って大丈夫ですか? 私、虹をつくりたいです! ――虹をつくる? 甘楽 私はライブ中に毒霧をするんですよ。毒霧ってわかりますか? ペットボトルでぶーって。あれで、虹をつくりたいです。私の吹いた霧で、虹がぱあーってなるライブをしたいです。
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柳沢あやの
■「ステージにあがると、私は短気になります。すぐ怒る(笑)」熱狂する観客とステージ ――わかったような、わからないような……。ところで、ベルハーというと、ファンの方の熱すぎる応援というイメージがありますが、それはステージ上から見えているんですか? 朝倉みずほ(以下、朝倉) 見えてます。私はイヤです。うん。危ないし、なんか……ライブ後にチェキを撮りにきてくれた人に「今日もやられた」って言われるときがあって。私に文句じゃないですけど、情報をくれるんですよ。「人の肘がお腹に当たった」とか言われるから、危ないしイヤだなって思う。 ――それはメンバーさんで考えが分かれているんですか? カイ 私は、自由にやってくれたらと思います。 甘楽 私もそうですね、自由派。お客さんが好きなように楽しんでくれたらって思う。でも、暴れてるのが目に入らないくらいステージに集中していただけたらって、そんなステージにしたいです。特になんとも思わなくて。リフト(観客が観客を肩車すること)で、かなり近くまで来るんですけど、「あ、はい(真顔)」って感じで。私は私のライブをって感じです。 ――根本的な質問ですけど、ベルハーにとってライブってなんですか? 朝倉 ライブは自分が一番思っていることを言えるし、顔に出してもいいし態度に出してもいいから、一番自分を出せる場所。怒ってるとか、つまんないとか楽しいとか面白いとか。 仮眠玲菜(以下、仮眠) ライブは、生き甲斐です。うん、生き甲斐。 カイ えっと、ライブは生活。生活習慣……じゃなくて、生活の一部。だから、あまりやらないと「ああ~ライブしてないな~」ってなります。 柳沢 ライブは、ラブのキャッチボールです。私、結構お客さんのこと好きなんですよ。私のお客さんが「好きだ!」って、すごい表現してくれて。なので、それでいつも力もらって私も元気が出て、それでお客さんも喜んでくれてっていうその掛け合いが楽しいです。 甘楽 私がいただいた歌割りとか振りとかをこなして楽しんで、こう、バッてやったらお客さんも「わっ」てなってくれて、みんなで高まるのが最高のライブだと思います。 ――自分をそのまま出せる場所? 朝倉 はい。 ――アイドルの時の自分と普段の自分は違いますか? 朝倉 ステージにあがると、私は短気になります。すぐ怒る(笑)。 ――普段は短気じゃない? 朝倉 あー、どうなんでしょう。お母さんに対しては短気じゃないんですけど、お兄ちゃんには短気です。「飲み物買ってきて」って言われただけで、「なんで?」って怒る。うふふ。お母さんだったら、「いいよ、行ってくる」って感じだけど、お兄ちゃんには「なんで? なんで?」って。 柳沢 私も違います。普段は、ヘラヘラしてるんですけど、ライブになると……なんだろう……なんて言うんですかね……。 甘楽 女王様になります! 柳沢 私、女王様!? なんで女王様? 甘楽 一緒にやってて、女王っぽいなって思うんですよ。カッ! って感じ。髪の毛とかブンブン振り回して、こう……手もバキバキッみたいな感じで。……とにかくすごいのがいるんですよ、ステージ上に。
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朝倉みずほ
■「アイドルはこうだっていうのが……よくわからないです」活動4年目に入ったベルハー ――アイドルをやっていくうえで、大切にしているものってありますか? 朝倉 アイドルやってますって実感がない。私は、“私が自分でライブしてます”って感じです。「アイドルのみずほです」って感じではないから、アイドルはこうだっていうのが……よくわからないです。 甘楽 私もアイドルっていう感じは、あまりないです。 柳沢 私、朝起きたらTwitterに「おはあーやん」って書くんですけど、それを書くときはアイドルの気持ちになります。だって、普通言わないじゃないですか。 朝倉 あのう……質問していいですか? ――え? 朝倉 ……えっと、朝起きて最初に飲むものは? ――朝起きてから飲むもの? えっと……烏龍茶を。烏龍茶飲まないですか? 朝倉 烏龍茶飲んだことないです。 甘楽 えー! 朝倉 あるのかな? お茶飲まない。朝は、いつもジュースとか。だから、水も飲まないし、あんまり。飲んでみます。 ――質問に戻りますけど……。 田中(BELLRING少女ハート・ディレクター) じゃあ、付き合うとしたら誰ですか? メンバーの中で。付き合うとしたら。
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カイ
――……付き合うとしたらですか? ……カイちゃん。 田中 カイちゃん! どんなところが!? カイ いぇいいぇい。 朝倉 一緒にいたいですか!? ――一緒に……いるのはキツいんじゃないですか(笑)。 全員 あはは! 甘楽 付き合えるとなったらどうします!? 今日から。このインタビューのあとに付き合えるとなったら!? ――そりゃ、ありがたいなって手を合わせますけど……。 朝倉 付き合ったら、カイちゃんどこ連れて行くんですか? カイ 確かに。 朝倉 カイちゃん、どこ行きたい? カイ いやあ~……、はい……。
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仮眠玲菜
■「巨乳派も貧乳派も、やっぱBだなって思わせて、最高の『B』にします」 ――……って、いいんですよそんなことは(笑)。目標にしている「コーチェラ・フェスティバル」(1999年から続くアメリカ・カルフォルニアの大規模野外音楽フェスティバル)に出るときは、何歳になっていると思いますか? 朝倉 83歳。 ――83歳!? 朝倉 ……ウソです、ごめんなさい(笑)。 甘楽 20歳。今18歳で、2年後です。今18で日本をガーって攻めて、19で世界をガっと攻めるっていう。ガっと攻める。ガッと。 ――あんまりピンときてない感じですが……。 朝倉 田中さんが言ってるだけで、コーチェラって……アメリカのフェスですか? ――そもそも、コーチェラ・フェスティバルって知ってます? 朝倉 コーチェラ! ……コーチェラは最近「かき氷食べたい」って言ってました。 ――コーチェラが人になっちゃった! 最後に、『B』に向けて意気込みを。 朝倉 『B』は、『Q』で怒られたこともあるからまた同じようなことで怒られないようにしたい。怒られるんだったら、違う内容で怒られたい。……怒られたくないけど(笑)。楽しみたいです、自分が。 仮眠 『B』はリベンジで、ZEPP TOKYO『Q』でまだまだ物足りないというか、まだやれるなって思ったので、『B』はチャンスがあるので、もっとリベンジしてもっといいライブをします。 カイ ん~。 柳沢 『B』は、みんなでいいものにしたいです。ファンも人もそうですけど、基本的にはステージをみて、感動してもらいたいです。 甘楽 今、CカップなんですけどBまで落として、Bカップで『B』を迎えたいです。やっぱBだなって。巨乳派も貧乳派も、やっぱBだなって思わせて、最高の『B』にします。 (取材・文=編集部/撮影=尾藤能暢) ●べるりんしょうじょはーと 通称“ベルハー”。2012年4月に活動スタート。黒いセーラー服に羽をまとい、60年代サイケデリック・ロックからグランジ・ロック、エレクトロニカなど幅広い音楽性を誇るアイドル・ユニット。ゆるく激しいパフォーマンスが唯一無二の世界観を作り、多くのファンの支持を得る。ステージで大暴れする問題児という印象が強いが、16年1月2日『3部作ワンマン第1弾・Q』ZEPP TOKYOでは、壮大な演出でエンターテインメントとしての可能性を示すことに成功した。続く4月30日『3部作ワンマン第2弾・B』TOKYO DOME CITY HALLに期待が寄せられる。 BELLRING少女ハートオフィシャルサイト http://bellringgirlsheart.com/?aid=335

注目度急上昇中の男女コンビ 相席スタートが目指す「究極の下ネタ」とは?

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撮影=後藤秀二
“ちょうどいいブス”として注目を集めている山崎ケイと山添寛の男女コンビ、相席スタート。男女の絶妙な距離感と下ネタを織り込んだコントでじわじわ人気を集め、メディアへの露出も増加中だ。5月5日に東京・下北沢の「北沢タウンホール」で単独ライブを行う彼らは、いま最も注目すべきお笑いコンビといってもいいだろう。そんな彼らを、日刊サイゾーが直撃! ――便宜上、山崎さんのことを“ちょうどいいブス”と呼びますけど、そこはご了承くださいね? 山崎ケイ(以下、山崎) はっきり言ってもらっていいですよ。今さら傷ついたりしないですから!(笑) ――では、ご自身で“ちょうどいいブス”を自覚し始めたのは、いつ頃からですか? 山崎 芸人になる前は自分でブスとは思ってなくて、普通だと思っていたんですけど……。先輩芸人から「お前、自分のことブスじゃないって顔してるけど、ブスだからな」と言われるようになって。それでも、納得いかなかったんですよ。でも、あるとき、また別の先輩に「お前、ちょうどいいブスだな」って言われて、周りも、「わかる! わかる!」と。ブス呼ばわりされるのは嫌だったけど、“ちょうどいい”というところは受け入れられるな~と思いまして。 山添寛(以下、山添) ちょうどいいって、褒め言葉ですからね。僕も、ケイさんは、まさにそうやと思います(笑)。 山崎 それで、この“ちょうどいい”は、どういうニュアンスなのかなと思って、ネットで検索したら、「Yahoo!知恵袋」で同じような質問している人がいて、ベストアンサーになっていたのが「酔ったらイケるってことだと思います」というコメントだったんです。そこはネタでも使っていますけど、本当は続きがあって「でも、次の日に後悔するレベルだと思います」って(笑)。 ――山崎さんには、30代女性特有のエロさがありますよね。 山崎 年々、説得力が増してきてるみたいです。熟女の色気が出てきたのかと(笑)。 ――メディアへの露出が増えると、たいてい芸人さんはキレイになりますよね。そうすると、ちょうどいいブス感がなくなってしまうのではないかと心配です。 山崎 私、パーツはどれもよくないんですよ。パーツ単体で見るとかわいいって人、いるじゃないですか。でも。私はどれもよくなくて、奇跡的なバランスでできてる顔だと思うんですよ。痩せたところでパーツがよくないんで、どうやってもちょうどいいブスを保てると思っています(笑)。 ――なるほど。それに関しては、肯定も否定もしないようにしますが……。ネタ作りなどで、山添さんから男性目線でアドバイスすることってありますか? 山添 ないですね。ケイさんって男性の目線も持っていたりして、本当にびっくりすることが多いんですよね。 山崎 というよりも、山添は何も深い考えがないんですよ……。何につけても「そう言われたら、あぁ確かにそうですね~」みたいな感じで、恋愛も特に駆け引きしないで、なんとなくやるタイプ。見た目は一応悪くなくて、まぁシュッとしてるだけなんですけど。それなりに楽しい恋愛生活を送ってきたから、そういうことする必要もなかったわけですよ。私は「こう言ったら、こう思われる」「こう言われたら、こう返そう」とか、そういうことをずっと考えて生き抜いてきたんで、タイプがまったく違うんです。そもそも私が好きになるタイプの男と違うんで、参考にならないです(笑)。 山添 翳のある人が好きですもんね。
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――まさに、ネタにある“キラキラ組”と“ザ・シャドー”のまんまですね(笑)。ちなみに、実はといってはなんですが、山崎さんは早稲田の文学部卒じゃないですか。インテリ芸人としての道もあると思うんですけど、ご自身ではどう考えていますか? 山崎 実はあんまり頭良くなくて、受験勉強がよくできるだけだったので……。クイズ番組に出させてもらったときも、全然答えられなくて。だから、インテリを売りにせずに、早稲田卒という知的なイメージだけを、そっと出しておきたいです(笑)。バカで下ネタやってると下品になるけど、早稲田が乗っかると、知的なエロスになるというか……。 山添 なるほど。“女教師”みたいな感じですかね? 山崎 全然違う! ほら、山添はいつもこんな感じで軽いんですよ。 ――(笑)。山崎さんは学生時代に太宰治を読んで、ずいぶん影響を受けたそうですが、山添さんは何か文学作品に影響を受けたりしました? 山崎 そんなものあるわけないじゃないですか! 絶対にマンガですよ(笑)。 山添 『世紀末リーダー伝たけし!』(ジャンプ・コミックス)ですかね。 ――やはり(笑)。 山添 ほんまにシンプルに『ダウンタウンのごっつええ感じ』(フジテレビ系)を真似して兄弟を笑わせるのが楽しくて、芸人を志すようになって、気づいたらお笑いやってたって感じですね。 ――では、山崎さんがお笑いを始めようと思ったきっかけは? 山崎 私、高校時代、暗かったんですけど、クラスの底辺の男子たちが、罰ゲームで“私に「握手して」って声をかける”というのをやっていまして。自分ではそんなに暗いと思ってなかったんですけど「底辺から見ても、私は罰ゲームのネタになるような底辺なのか!」と思ったら、面白くなっちゃって(笑)。そこからむくむく明るくなって、早稲田に入ってから演劇をやりたいと思って、入った演劇サークルがお笑い寄りだったので、お笑いを意識し始めました。 山添 僕、そのころは友達とドッヂボールしてましたねー。 山崎 ほんと、山添のこういうところに腹立ちますよ(笑)。
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――ところで、『M-1グランプリ2015』の準決勝まで進んで、賞レースもあと一歩というところでした。「今年こそ!」という思いは、やはりありますか? 山添 男女コンビで優勝した例がないんで、(優勝を)狙いたいですよ! 山崎 賞レースで優勝すると、ネタにも説得力が出ますよね。優勝したら、全部面白く聞こえる(笑)。最近、大久保(佳代子)さんとポジションが似ているって言われるんですけど、大久保さんとの一番の違いは、相方が男で、コンビでネタをしている点なんですよ。だから、ネタで評価されたいと思いますね、やっぱり。 ――メイプル超合金をはじめ、最近は男女コンビが注目されていますよね。 山添 僕は、メイプル超合金さんを男女だとは思ってないですけど(笑)。モンスターコンビですよ。一番男女コンビっぽいのは、僕らだと思っています。 山崎 ただ、パワーとかインパクトがないんですよね。 ――お2人とも、見た目は芸人っぽくないですもんね。まさに男女のステレオタイプというか。 山添 喫茶店の隣の席の男女が、面白い話してるような感じですかね。 山崎 爆発的な笑いではなくて、クスクスするようなネタなんで……。見終わったお客さんが、帰りに「結構、面白かったね」みたいな。 ――賞レースで優勝を狙うには、インパクトもそうですが、ネタ自体が下ネタ満載で、家族そろって笑えるというものではないですが。賞レースには、厳しいところがあるかもしれないですね。 山添 そうなんですよ! まさに今、頭抱えてるのがそこで(苦笑)。 山崎 下ネタじゃないと、面白いと思わなくて……。そうじゃないネタを作っても、やっぱり下ネタを入れたくなってしまいます(笑)。 山添 ほかの男女コンビと違うところは、男女の駆け引きを出したり、組み込んだりしているところやと思うんですよ。 山崎 下ネタを許容範囲で攻めるか、なくすかで悩みますね。でも、日本エレキテル連合の「ダメよ、ダメダメ~」だってド下ネタですけど、子どもにもはやったじゃないですか、わからないから。わからない人には下ネタだと気づかれない。そこを目指したいですね。わかったら、とんでもない下ネタだったという(笑)。 ――志村けんさんのネタなんかも、そういうの多いですもんね。 山添 最近、ネタを作るときも、直接的な言い回しは避けてるんですよ。このネタやったら、こっちの言い回しのほうがいい、みたいなやりとりを何時間もやってますよ。 山崎 わからなければいいんですよ! ――賞レースのネタは悩みそうですが、5月5日の単独ライブは、一転、一番得意とするところで笑わせる構成になりそうですね。 山添 下ネタを少なめにしようって最初に打ち合わせしていたんですが、実際にネタ案を出してみたら、オール下ネタで(笑)。ケイさんなんか、自分で「下ネタなしにしようね」と言っておきながら、すぐに「これ、下ネタだけど……」ってネタを見せてくるんですよ(苦笑)。 山崎 それ以外は、なかなか出てこないですね……! ――では、その下ネタ満載になりそうな単独ライブの見どころは? 山添 5回目の単独ライブになるんですけど、いつもと違うことあるかな……? 山崎 映像を使って、テレビ的ではないネタもやりますよ。 ――テレビ的ではないというと? 山添 初回では“AV女優の処女作のインタビュー風”の映像を、ケイさんで作ったんですよ。 山崎 ほんわかした照明の部屋で「緊張してます……」とか、公園で花を触ってみたりとか(笑)。 ――単独ライブならではの下ネタもあるんですね(笑)。 山崎 そう! 単独だからできるというか、単独は下ネタこそ笑えるといいますか。 山添 お客さん同士、そこでわかり合って友達になったとか、あるといいですね。 山崎 成功率の高い合コンみたいになったらいいね。「相席スタートの単独ライブに来てる男女はイケるらしい」って。酔ってなくても(笑)。 (取材・文=高橋ダイスケ) 相席スタート ≪単独ライブ3公演≫ 5月5日(木・祝)北沢タウンホール (1)相席スタート単独ライブ「ソトの気分」 (2)相席ナイトクラブ (3)相席スタート山添ライブ「浮気 番外編~浮気がバレて修羅場になりそうです~」 http://news.yoshimoto.co.jp/2016/03/entry45662.php

注目度急上昇中の男女コンビ 相席スタートが目指す「究極の下ネタ」とは?

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撮影=後藤秀二
“ちょうどいいブス”として注目を集めている山崎ケイと山添寛の男女コンビ、相席スタート。男女の絶妙な距離感と下ネタを織り込んだコントでじわじわ人気を集め、メディアへの露出も増加中だ。5月5日に東京・下北沢の「北沢タウンホール」で単独ライブを行う彼らは、いま最も注目すべきお笑いコンビといってもいいだろう。そんな彼らを、日刊サイゾーが直撃! ――便宜上、山崎さんのことを“ちょうどいいブス”と呼びますけど、そこはご了承くださいね? 山崎ケイ(以下、山崎) はっきり言ってもらっていいですよ。今さら傷ついたりしないですから!(笑) ――では、ご自身で“ちょうどいいブス”を自覚し始めたのは、いつ頃からですか? 山崎 芸人になる前は自分でブスとは思ってなくて、普通だと思っていたんですけど……。先輩芸人から「お前、自分のことブスじゃないって顔してるけど、ブスだからな」と言われるようになって。それでも、納得いかなかったんですよ。でも、あるとき、また別の先輩に「お前、ちょうどいいブスだな」って言われて、周りも、「わかる! わかる!」と。ブス呼ばわりされるのは嫌だったけど、“ちょうどいい”というところは受け入れられるな~と思いまして。 山添寛(以下、山添) ちょうどいいって、褒め言葉ですからね。僕も、ケイさんは、まさにそうやと思います(笑)。 山崎 それで、この“ちょうどいい”は、どういうニュアンスなのかなと思って、ネットで検索したら、「Yahoo!知恵袋」で同じような質問している人がいて、ベストアンサーになっていたのが「酔ったらイケるってことだと思います」というコメントだったんです。そこはネタでも使っていますけど、本当は続きがあって「でも、次の日に後悔するレベルだと思います」って(笑)。 ――山崎さんには、30代女性特有のエロさがありますよね。 山崎 年々、説得力が増してきてるみたいです。熟女の色気が出てきたのかと(笑)。 ――メディアへの露出が増えると、たいてい芸人さんはキレイになりますよね。そうすると、ちょうどいいブス感がなくなってしまうのではないかと心配です。 山崎 私、パーツはどれもよくないんですよ。パーツ単体で見るとかわいいって人、いるじゃないですか。でも。私はどれもよくなくて、奇跡的なバランスでできてる顔だと思うんですよ。痩せたところでパーツがよくないんで、どうやってもちょうどいいブスを保てると思っています(笑)。 ――なるほど。それに関しては、肯定も否定もしないようにしますが……。ネタ作りなどで、山添さんから男性目線でアドバイスすることってありますか? 山添 ないですね。ケイさんって男性の目線も持っていたりして、本当にびっくりすることが多いんですよね。 山崎 というよりも、山添は何も深い考えがないんですよ……。何につけても「そう言われたら、あぁ確かにそうですね~」みたいな感じで、恋愛も特に駆け引きしないで、なんとなくやるタイプ。見た目は一応悪くなくて、まぁシュッとしてるだけなんですけど。それなりに楽しい恋愛生活を送ってきたから、そういうことする必要もなかったわけですよ。私は「こう言ったら、こう思われる」「こう言われたら、こう返そう」とか、そういうことをずっと考えて生き抜いてきたんで、タイプがまったく違うんです。そもそも私が好きになるタイプの男と違うんで、参考にならないです(笑)。 山添 翳のある人が好きですもんね。
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――まさに、ネタにある“キラキラ組”と“ザ・シャドー”のまんまですね(笑)。ちなみに、実はといってはなんですが、山崎さんは早稲田の文学部卒じゃないですか。インテリ芸人としての道もあると思うんですけど、ご自身ではどう考えていますか? 山崎 実はあんまり頭良くなくて、受験勉強がよくできるだけだったので……。クイズ番組に出させてもらったときも、全然答えられなくて。だから、インテリを売りにせずに、早稲田卒という知的なイメージだけを、そっと出しておきたいです(笑)。バカで下ネタやってると下品になるけど、早稲田が乗っかると、知的なエロスになるというか……。 山添 なるほど。“女教師”みたいな感じですかね? 山崎 全然違う! ほら、山添はいつもこんな感じで軽いんですよ。 ――(笑)。山崎さんは学生時代に太宰治を読んで、ずいぶん影響を受けたそうですが、山添さんは何か文学作品に影響を受けたりしました? 山崎 そんなものあるわけないじゃないですか! 絶対にマンガですよ(笑)。 山添 『世紀末リーダー伝たけし!』(ジャンプ・コミックス)ですかね。 ――やはり(笑)。 山添 ほんまにシンプルに『ダウンタウンのごっつええ感じ』(フジテレビ系)を真似して兄弟を笑わせるのが楽しくて、芸人を志すようになって、気づいたらお笑いやってたって感じですね。 ――では、山崎さんがお笑いを始めようと思ったきっかけは? 山崎 私、高校時代、暗かったんですけど、クラスの底辺の男子たちが、罰ゲームで“私に「握手して」って声をかける”というのをやっていまして。自分ではそんなに暗いと思ってなかったんですけど「底辺から見ても、私は罰ゲームのネタになるような底辺なのか!」と思ったら、面白くなっちゃって(笑)。そこからむくむく明るくなって、早稲田に入ってから演劇をやりたいと思って、入った演劇サークルがお笑い寄りだったので、お笑いを意識し始めました。 山添 僕、そのころは友達とドッヂボールしてましたねー。 山崎 ほんと、山添のこういうところに腹立ちますよ(笑)。
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――ところで、『M-1グランプリ2015』の準決勝まで進んで、賞レースもあと一歩というところでした。「今年こそ!」という思いは、やはりありますか? 山添 男女コンビで優勝した例がないんで、(優勝を)狙いたいですよ! 山崎 賞レースで優勝すると、ネタにも説得力が出ますよね。優勝したら、全部面白く聞こえる(笑)。最近、大久保(佳代子)さんとポジションが似ているって言われるんですけど、大久保さんとの一番の違いは、相方が男で、コンビでネタをしている点なんですよ。だから、ネタで評価されたいと思いますね、やっぱり。 ――メイプル超合金をはじめ、最近は男女コンビが注目されていますよね。 山添 僕は、メイプル超合金さんを男女だとは思ってないですけど(笑)。モンスターコンビですよ。一番男女コンビっぽいのは、僕らだと思っています。 山崎 ただ、パワーとかインパクトがないんですよね。 ――お2人とも、見た目は芸人っぽくないですもんね。まさに男女のステレオタイプというか。 山添 喫茶店の隣の席の男女が、面白い話してるような感じですかね。 山崎 爆発的な笑いではなくて、クスクスするようなネタなんで……。見終わったお客さんが、帰りに「結構、面白かったね」みたいな。 ――賞レースで優勝を狙うには、インパクトもそうですが、ネタ自体が下ネタ満載で、家族そろって笑えるというものではないですが。賞レースには、厳しいところがあるかもしれないですね。 山添 そうなんですよ! まさに今、頭抱えてるのがそこで(苦笑)。 山崎 下ネタじゃないと、面白いと思わなくて……。そうじゃないネタを作っても、やっぱり下ネタを入れたくなってしまいます(笑)。 山添 ほかの男女コンビと違うところは、男女の駆け引きを出したり、組み込んだりしているところやと思うんですよ。 山崎 下ネタを許容範囲で攻めるか、なくすかで悩みますね。でも、日本エレキテル連合の「ダメよ、ダメダメ~」だってド下ネタですけど、子どもにもはやったじゃないですか、わからないから。わからない人には下ネタだと気づかれない。そこを目指したいですね。わかったら、とんでもない下ネタだったという(笑)。 ――志村けんさんのネタなんかも、そういうの多いですもんね。 山添 最近、ネタを作るときも、直接的な言い回しは避けてるんですよ。このネタやったら、こっちの言い回しのほうがいい、みたいなやりとりを何時間もやってますよ。 山崎 わからなければいいんですよ! ――賞レースのネタは悩みそうですが、5月5日の単独ライブは、一転、一番得意とするところで笑わせる構成になりそうですね。 山添 下ネタを少なめにしようって最初に打ち合わせしていたんですが、実際にネタ案を出してみたら、オール下ネタで(笑)。ケイさんなんか、自分で「下ネタなしにしようね」と言っておきながら、すぐに「これ、下ネタだけど……」ってネタを見せてくるんですよ(苦笑)。 山崎 それ以外は、なかなか出てこないですね……! ――では、その下ネタ満載になりそうな単独ライブの見どころは? 山添 5回目の単独ライブになるんですけど、いつもと違うことあるかな……? 山崎 映像を使って、テレビ的ではないネタもやりますよ。 ――テレビ的ではないというと? 山添 初回では“AV女優の処女作のインタビュー風”の映像を、ケイさんで作ったんですよ。 山崎 ほんわかした照明の部屋で「緊張してます……」とか、公園で花を触ってみたりとか(笑)。 ――単独ライブならではの下ネタもあるんですね(笑)。 山崎 そう! 単独だからできるというか、単独は下ネタこそ笑えるといいますか。 山添 お客さん同士、そこでわかり合って友達になったとか、あるといいですね。 山崎 成功率の高い合コンみたいになったらいいね。「相席スタートの単独ライブに来てる男女はイケるらしい」って。酔ってなくても(笑)。 (取材・文=高橋ダイスケ) 相席スタート ≪単独ライブ3公演≫ 5月5日(木・祝)北沢タウンホール (1)相席スタート単独ライブ「ソトの気分」 (2)相席ナイトクラブ (3)相席スタート山添ライブ「浮気 番外編~浮気がバレて修羅場になりそうです~」 http://news.yoshimoto.co.jp/2016/03/entry45662.php

日本経済の停滞が“危険なJKビジネス”を横行させた!? 衝撃の一冊『女子高生ビジネスの内幕』

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『女子高生ビジネスの内幕』(宝島社)
 たびたびニュースに取り上げられる「JKビジネス」。相次ぐ摘発にもかかわらず、東京の繁華街では客を引く制服姿の女たちの姿が絶えることはない。とりわけ、秋葉原はそうしたビジネスの中心地として、幾たびもメディアに取り上げられている。  メディアを通じて取り上げられる「JKビジネス」は、いわば売春の温床。昨年10月には来日した国連人権理事会の特別報告者・ブーア=ブキッキオ氏が「日本の女子学生の13%が援助交際をしている」と発言し、大きな論争を巻き起こした。  しかし、何度メディアに取り上げられようとも、どういう人々が働き、利用しているのかという疑問は消えない。報道の大半は、最初からなんらかの結論ありきによって成り立っていて、余計に人々が実態を知ることを困難ならしめているのだ。  井川楊枝『女子高生ビジネスの内幕』(宝島社)は、そうした「JKビジネス」に対する素朴な疑問にことごとく応えてくれる本格的なルポルタージュだ。  当初、出版社の書誌情報に記された「知られざるJKビジネスの内幕をルポ」という言葉から感じたのは、覗き見趣味的にただれた世界を描いているのではないかというものだった。けれども井川氏はそこで働く女性たち、経営者、客にまで徹底的な取材を行った果てに「JK」に価値が見いだされる現代日本の赤裸々な姿をあぶり出していくのだ。  この一冊を上梓するまでに至る取材は、2012年から4年あまりにも及ぶという。取材当日は、かつて井川氏とさまざまな映像作品で現場を共にした仕事仲間であり、拙著『コミックばかり読まないで』(イースト・プレス)の解説にて、私と井川氏の見えざる絆を鋭く考察した増田俊樹氏。また、私のアシスタントとして取材先に同行したマスコミ業界就職活動中の女子大生・内藤さんも女性の視点からインタビューに参戦。それぞれの視点から寡黙な著者の問題提起をえぐり出してみた。(文=ルポライター・昼間たかし/取材=増田俊樹) ■JKビジネスとAKB48の関係性 ──丹念に取材されていますね。取材費はかなり使われたのでは? 井川楊枝(以下、井川) 2012年にたまたま秋葉原でビラ配りをする女子高生と出会って、それから興味を持ち、実話誌やらお宝系の雑誌、エロ系の雑誌とかに企画を出したら、軒並み企画が通ったんですよね。たぶん今まで20万円近くは払ってきたと思うんですけど、ほとんど編集部に経費を出してもらっているから、自分の懐はあんまり痛んでいません(笑)。それだけ「JK」というキーワードを入れると、雑誌の反響があったということなんでしょう。 ──井川さんと私(増田)が、たびたび仕事で組んだグラビア系の雑誌や映像は、セクシー系がメインでした。JKなんか当時は全然注目されていなかったですよね。 井川 ええ。05年から09年ぐらいでしたっけ。ちょうど着エロブームの頃で、私たちはどちらかというと、そういうセクシー系の子たちと仕事で関わる機会が多かったんですよね。でもいつの間にかAKB旋風が巻き起こって、セクシー系グラドルが下火になった。今は、さまざまな地域でAKB48を模倣したご当地アイドル、萌え絵を使った町興しをやってて、エロより萌えになっちゃっていますよね。 ──つまり、AKBのデビュー以降、時代がJKに変わったんですかね? 井川 そうですね。詳しい流れをいうと、まず02年くらいからメイド喫茶が誕生し始めたんですね。05年に「萌え」が流行語大賞を受賞。そんな萌えブームの上に、AKB48が誕生してメディアを席巻、そこにJKビジネスが生まれたわけで、全部つながっているんですよ。10年ぐらいからアイドル戦国時代っていわれるぐらい有象無象のアイドルが生まれましたけど、JKビジネスはそんなアイドルの成長曲線と一致しています。表の世界がアイドルなら、裏の世界がJKビジネスなわけです。メディアはJKビジネスばかり批判してるけど、両方の根っこにあるのは同じものですよ。 ──そう言えば、井川さん、AKBみたいなアイドルをプロデュースしてませんでした? 井川 はい。これもJKビジネスを取材していくうちに、どうやら「今の世の中はJKだ!」ということがわかってきて、15年に、若い子らを集め、そのまんま学生服みたいな衣装を着たユニットを作ってみたんです。でも、私自身が全然、地下アイドルも好きじゃないし、若すぎる女の子と話すのは苦手だしっていうので、うまくいかなかったですね。両者は似通ってるけど、アイドルビジネスはJKビジネスよりも大変だし、儲からないこともわかりました(笑)。 ──でもなんで、セクシーよりもAKBになっちゃったんでしょう? 井川 それだけ、今の男たちが草食化していて、リアルで重たいものを受け入れられなくなってるんじゃないでしょうか。90年代半ば以降も、JKの援交ブームがあったけど、そのときのJKってリアルな女の子だったと思うんですよ。当時はアムラーとかコギャルが流行ってましたよね。でも、今のJKビジネスの女の子たちって、「萌え」っていうパッケージに包まれてて、メイドさんのような2.5次元的な存在で、ある種の男の理想を具現化したようなものとして売られているんです。大人の女を相手にするのは疲れるけど、アニメのヒロインみたいな無垢な感じの子を相手にするのは癒される。別にこれはオタクだけに限った話じゃなくて、全国の刑務所でもAKB総選挙の話題で盛り上がっているらしいから、日本全国、総「萌え」化ですよ。 ──そうリアルにおっしゃる井川さんはロリコンなんでしょうか? 井川 いえいえ(笑)。ただ、ここはよく勘違いされている方が多いんで言っておきますと、医学的に言えば、小児愛好家は13歳以下の少女に性欲を覚える人たちのことなんです。日本では女性の婚姻年齢が16歳からとなっていますし、JK店に通う客が医学的に問題のある人たちかというと、必ずしもそうではない。性的にノーマルな人だって、ひょっとしたらJKに惚れることだってあるかもしれない。でも、日本の法律は18歳未満が児童と定められていることもあり、社会的・法的な観点からいえば、JKとは一線を越えた関係を結んじゃいけないんです。取材していて驚いたのは、そういう法的なリスクを考えず、JKと一線越えようという客が多かったことですよね。それだけ日本が病んでいるという証拠だと思いますよ。 ■JKビジネスで働く女の子、そして集まる客たち ──まず、JKビジネスで働いている女性の大半は本当にJKなんですか? 井川 13年のリフレ摘発やお散歩補導まではリアルなJKでしたね。でもそれ以降は規制が進んで、今は18歳未満は、JKリフレやお散歩などの仕事に就いてはいけないと定められています。それに、たとえ18歳以上であっても、高校に通っていたらダメ。だから、JKリフレやJKお散歩で働く女の子たちは、18歳以上の高校に通っていない女の子たちです。秋葉原には今もたくさんJKリフレ店がありますけど、そこで働く女の子たちはリアルJKではありません。言ってみれば、メイドみたいなJKコスプレですよ。 ──じゃあ、もうJKはいない? 井川 いえ。今はその法を潜り抜けるように、都内ですと、JKカフェやJK占い、JKコミュ(=コミュニケーションの略)のような店が流行っていて、そこでは18歳未満のリアルなJKがたくさん働いています。これらの店はリフレのような肉体的接触がなくて、お話だけという体ですね。その形態の店だったら、まだ法には触れないので。ただ、池袋や新宿辺りにある悪質なJKコミュなどの場合、トークスペースをカーテンで仕切って外から見えないようにしており、その中で裏オプ(裏オプション)が蔓延しています。女の子に取材したら「手コキ1万、フェラ2万、本番3万で、一日20万稼ぐ。店の大半の子が手を染めている」って言ってましたね。 ──そこで働いている女の子はどういう子たちなんですか? 井川 見た目は黒髪で清楚で、さらに言えばセミロングの前髪パッツンみたいな、今のアイドルと同じような感じが主流なんですけど、だいたい社会的にはドロップアウトしていますね。高校を中退していたり、高校に通っていても通信高校だったり。あとは、親がシングルだったり、家庭が崩壊している子が多い印象は受けました。今、日本は一人親家庭の貧困率が50%を越えていて、世界最悪の水準になっています。JKビジネスに女の子が絶えず集まってくるのは、そういう社会的背景が大いに関係していると思われます。 ──貧困がJKビジネスへの引き金になっていると。 井川 ただ結局、ジャニーズのライブに月何十万も使ったり、バンドの追っかけなんかやっていたり、ホストクラブも18歳未満では行けないはずなんですけど、知り合いの保険証を借りて入店して、お気に入りのホストにつぎ込んでしまったりとか、散財している子が多かった。やっぱり、学校にもろくに行っていないから、将来の職業選択の幅も狭まっちゃうでしょ? それで教師になるとか商社に勤めるとかいうごく普通の将来の夢が見つけられず、せっかく稼いだ金を無意味に使うんですよ。ごくまれに目的意識の高い子もいて、専門学校に行きたいからとのことで、その学費とかを貯めている子もいましたけど。 ──ちなみに、オタク女子率は高いんですか? 井川 多いですね。JKビジネスの大半は萌え系のサイトで募集をかけているから、萌えとか二次元の世界にハマっている子が、そういうところにたどり着いて、よく応募するようですね。客の男とはオタク話で盛り上がったりするみたいです。 ──客層の傾向は? 井川 年齢は30代から40代ですね。夜になると賑わいが増すので、会社帰りのサラリーマンの利用が多いんですけど、歌舞伎町や六本木のキャバクラとかで遊んでいる客層よりは、おおむねお金を持っていないです。仕事はプログラマーとかSEとかのIT系が多い印象です。そこそこ稼いでいても寂しさを抱えていて、一般社会では満たされていない男性が多いと思いますね。 ──お客さんには、どうやって取材したんですか? 井川 店の前を張って、初めての客を装い、「ここの店入ろうと思うんですけど、どんな感じでした? お勧めの子は?」とか聞いて、一緒に喫茶店に入ったりして話を聞いたりしました。取材って伝えるとものすごく嫌がられたので、身分を隠しつつ(苦笑)。 ──取材後に情報を得るなり、継続した本人取材なんかは続けているんですか? 井川 女の子に対しても客に対しても、ほとんど身分を明かさない潜入取材を試みているんです。なので、そこで知り合った取材対象者とは連絡先を交換することは、ほとんどありません。ですが、今回の書籍を書く上で何人かには身分を明かして取材していて、その人たちとは連絡を取り合っているから、今でも常に新しい情報は入ってきていますね。この店は過激に突っ走っているとか、これはヤバいなあとか。『女子高生の裏社会』(光文社新書)の著者・仁藤夢乃さんは、性的被害に遭っている女の子たちと助けようと社会運動もされている方ですけど、私は女の子を保護したり、警察に通報したり、店に注意を促したりなんてことはしません。ただのルポライターなんで、SNSで情報発信したり、雑誌に書くまでが仕事と割り切っています。私の情報を参考にしていただいた上で、JKビジネス関係者なりが対応したり、警察なりNPO団体なりが動いてくれればいいですよね。 ──JKビジネスの動向は刻一刻と変化していますが、その報道についてどう思われますか? 井川 とんちんかんな報道が多いですよね。今でも秋葉原がJKビジネスのメッカみたいな感じで報道されることは多いんですけど、先に言ったように今の秋葉原の大半は、18歳以上のJKコスプレです。東京オリンピックが間近に迫っているのに、都内随一の観光スポットである秋葉原にJK店が乱立していたら見栄えが悪いということなんでしょうけど、実態としては、秋葉原よりも問題なのが新宿や池袋のJKコミュ、それに池袋の某お散歩店。そこは裏オプが蔓延しているので。秋葉原にもアンダー(18歳未満)が働くJKカフェはあるけど、そこはせいぜいお茶を飲んだりオセロをするぐらいですからね。JKビジネスが騒がれたことで、ただの秋葉原のメイドすらも白い目で見られるようになっていて、ちょっとかわいそうだなあと思ったりもしますよ。 ──本書は日本経済の停滞が、危険なJKビジネスを横行させてしまったという井川さんからの問題提起ですよね? 井川 そうですね。今の日本の閉塞感もあって、働く少女、買う客、経営者と、三者三様に、この日の当たらない世界に寄り集まってきています。JKビジネスの経営者は若い人が多いんですけど、まともに働いても給料も上がらないし、企業に搾取されるだけ。そんな冴えない人生を歩むぐらいなら、JKビジネスで一発当てよう。仮にパクられても労働基準法違反で30万程度の罰金で済む……って考えて、経営者は何度パクられても店を立ち上げるんですよ。取材していて経営者の名前を聞いてみたら「この店って、あのパクられた店長の店だったんだ」ってことは、よくあります。今、JKビジネス界隈には、慶応とか早稲田とかの高学歴の経営者グループがあって、そこがかなりイケイケで、法スレスレで突っ走ったりもしているんですよ。本来だったらそれだけの大学出てたら、大手企業に就職しようって考えるでしょ? でも、今はそういう道に夢が持てなくなっているんでしょうね。実は、私自身も早稲田大学を卒業した後、コンピュータ会社に就職してSEになったんですけど、過酷な仕事に音を上げて、こんな人生は嫌だって思い、ホストクラブ関連やアダルトビデオ、着エロ系グラビアとか、ダークな仕事をやってきたんです。だから、経営者の気持ちもすごくよくわかるというか、ひょっとしたら自分も彼らと同じことやっていたかもしれないと思っちゃうんです。貧困が蔓延している今、JKビジネスは決して私らと隔たれた世界にあるわけじゃなくて、すぐ間近に横たわっているんですよ。自分の娘が小遣い稼ぎに働いちゃうかもしれないし、友人が満たされない思いを抱えつつ客で通っているかもしれないし、ある日、自分がそういう店を立ち上げることになるかもしれないんです。これは日本社会全体の問題なんですよ。

加工食品の黄金則“至福点”は誰を幸せにする? 消費者を砂糖中毒にする大企業の裏の顔を暴く!

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『あまくない砂糖の話』の監督&主演を務めたデイモン・ガモー。日本を代表するスイーツである羊羹をひと口齧ってみたが……。
 ニコチン、アルコール、ドラッグ……。人間は様々なものに依存してしまいがちだ。いや、自分は合法的かつ健康的なものしか摂取していないから大丈夫と思っている人でも、普段の食事から依存性の強いものを口にしていると知ったら驚くのではないだろうか。精製された白砂糖は血糖値を急上昇させ、内臓に負担を掛け、また依存性が強いことは以前より一部で指摘されてきたが、このことが大々的に取り上げられることは少なかった。オーストラリアで2015年に大ヒットした『あまくない砂糖の話』は砂糖をめぐる秘密をおおやけにしたドキュメンタリー映画。豪州で俳優として活躍するデイモン・ガモーが自分の身体をモルモット代わりにして、豪州人の平均的な1日の摂取量であるスプーン40杯分の砂糖を2カ月間にわたって取り続けるとどうなるのかをカメラで記録している。  ここまで聞くと、モーガン・スパーロックがマクドナルドのメニューを1カ月間ひたすら食べ続けた『スーパーサイズ・ミー』(04)のパクりじゃないかと思うが、『スーパーサイズ・ミー』が明らかに体に悪そうなジャンクフードを食べていたのに対し、『あまくない砂糖の話』では低脂肪ヨーグルトやシリアル食品といった食品会社がヘルシーだと謳っているものを摂りながら体を害していく様子が映し出されているのがミソ。また、豪州の先住民であるアボリジニの集落は砂糖を知らない自給自足の健康的な生活を長年送っていたが、1970年代以降はコカコーラをはじめとする砂糖文化にどっぷり浸かり、多くの人が肥満体となり、健康に不安を抱える事態となったことをレポート。また、“肥満先進国”米国にも渡り、貧困層の若者たちは幼少期から哺乳瓶でマウンテンデューを飲み続け、歯がボロボロになっている惨状も伝える。来日した監督兼主演俳優であるデイモン・ガモーに製作内情を語ってもらった。
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恋人の妊娠がきっかけで、デイモン・ガモーは食の安全性について考えるようになった。1日にスプーン40杯分の砂糖を2カ月間摂り続ける。
──ガモーさんは俳優として豪州の人気ドラマ『ウェントワース女子刑務所』にも出演していますよね。ネット配信で第1シーズンを観ていたら、ガモーさんの大胆なベッドシーンがあって思わず魅入ってしまいました。 デイモン・ガモー ええっ、日本でもやってるの? 知らなかった。ハハハ、『ウェントワース女子刑務所』はね、頑張ったよ! これまで僕は俳優としてテレビや映画で12年間仕事をしてきたんだけど、以前から作る側に回りたいと思っていたんだ。初めての長編作品となった『あまくない砂糖の話』が高く評価されたので、これからは監督業をメインでやっていくつもりだよ。 ──口の悪い人から「俳優業に見切りをつけて、監督に転身を図った」「モーガン・スパーロックの二番煎じじゃないか」みたいな中傷はありませんでした? ガモー 俳優がこういう企画をやると、言われがちだよね。そんな声も多少はあったかな。でも、それは気にならなかった。今回の企画は僕が恋人と出会ったことで健康について考えるようになり、また彼女の出産を控えて、ひとりの父親としてもっと食べ物や社会のことを知っておこうと思ったからなんだ。それで自分が体験したことを、より多くの人にも伝えたいと思った。ちゃんと伝えたいことがあったから、自分への中傷は気にならなかった。取材に集中することができたんだ。『スーパーサイズ・ミー』に似ているという件だけど、映画って少なからず過去の作品と似てしまうのは仕方ないと思うよ。あちらはジャンクフード、こちらは砂糖について。取り上げているものが違うから気にならなかったし、豪州でも意外なほどそのことに関しては指摘されなかったね。
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──アボリジニの集落は砂糖を大量に使った加工食品によって壊滅の危機にさらされ、米国ケンタッキー州の貧困層の子どもたちはミルク代わりにマウンテンデューを与えられて依存症状態になっているなどの衝撃的な事実が紹介されています。中でもいちばん印象に残ったのは、食品業界で使われている“至福点(bliss point)”という専門用語です。加工食品は甘味料をどんどん入れ、甘くすればするだけ売れ上げが伸びる。そのギリギリまで甘くした限界値のことを至福点と呼んでいる。消費者の健康を考えず、商品の売り上げだけを企業は追求している。至福点とは消費者ではなく、企業を幸せにする数値なんですね。 ガモー YES! 食品業界は言い訳として、「選んでいるのは消費者である」という抗弁を用意しているんだ。企業側は強制しているのではなく、消費者が自分で選んで購入しているのだと。でも、至福点という業界用語やその実態は一般的には知られていない。企業側はどうすれば消費者たちが自社の食品にハマるかを、科学者たちを雇って緻密な研究を重ねている。このことを企業側はオープンにしていない。消費者が甘いジュースや甘い食べ物を大量摂取してしまうことを、企業側は消費者に責任転嫁していると言っていいんじゃないかな。 ──至福点とは人間の欲望を掻き立てる数値。お菓子やジュース以外にも利用されているわけですね。 ガモー もちろんその通り。スープ、ソース、パン、ヨーグルト、シリアル……。いろんな食べ物や飲み物に至福点は使われている。フィラデルフィアの研究所で行なわれていた至福点の実験に立ち会ったけれど、そこでは低脂肪ヨーグルトのテストが行なわれていたんだ。子どもたちがたくさん集められ、少しずつ甘さを変えたヨーグルトを試食させられていたよ。子どもたちがいちばん美味しい、また食べたいと感じる甘さが至福点なんだ。そうやってヨーグルトの甘さは決められている。本当にものすごく細かい味覚実験が行なわれているんだ。 ──テレビや映画はバイオレンスシーンや官能シーンを盛り込むことで視聴率や観客動員アップに結びつけていますが、これも広い意味での至福点だと言えませんか。 ガモー 科学者に聞いたんだけど、実際にセックスで感じる脳の喜びは、砂糖を摂取したことで脳内に分泌されるものと同じようなものらしいよ。セックスやバイオレンスがもたらす興奮は、砂糖を摂ることで感じる喜びと似たようなものだっていうことだね。現代社会は瞬間的にハイになれるものがもてはやされる傾向にあるわけさ。至福点という言葉は、資本主義社会を象徴しているものだと僕は思う。資本主義は利益さえ上げられれば、どんな犠牲を払ってもいいというのが基本概念。株主たちにその利益を還元するためのシステムとなっている。商品を売るために、あらゆる食品に糖分を入れることが正当化されている。でも、そのシステムは大きな欠陥も抱えている。今回、コーラ会社に勤めている社員たちも取材したけれど、彼らはとても温厚で人当たりがいい。ただし、彼らは自分たちが売ったコーラや清涼飲料水の影響で、豪州の先住民の集落を潰しかけていること、自国の若者たちの歯を虫歯だらけにしていることまでは気にはしていないんだ。 ■低脂肪ヨーグルト、シリアル食品を食べても健康にはならない
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「砂糖の摂り過ぎで、気分が沈み、何度も実験をやめようと思った」と2カ月間にわたる人体実験を振り返るガモー。普段は陽気なオージーです。
──ガモーさんは健康的な食品を毎日食べ続けることで、どんどん不健康になっていく。肥満体になり、脂肪肝になり、気分が沈み、嘔吐感に襲われる。まるで超ブラックなコメディを観ているかのようでしたが、途中で撮影を続けるのがイヤになりませんでした? ガモー 2~3回、もう止めようと思ったよ(笑)。特に米国に渡ってからの後半は気分も悪く、すっかりお腹がブヨブヨになってしまい、もしかしたら彼女の出産に立ち会えないんじゃないかという不安感にずっと悩まさていたんだ。プロデューサーも僕がひとりで監督と出演も兼ねていて、全部できるのか心配していたよ。豪州に帰りたい、彼女のもとに早く戻りたいと思ったけど、でも作品としては、僕がどんどん太って不機嫌になっていくほうが盛り上がるわけだよね(笑)。砂糖が体にどんな影響をもたらすのかよく分かるはず。健康は一時的に害したけれど、映画としてはその分面白くなったんじゃないかな。 ──日本では1999年に出版された『買ってはいけない』(金曜日)という本が食品添加物を含んだ食品名などをリスト化して大ベストセラーになったのですが、そのすぐ後に『「買ってはいけない」は買ってはいけない』(夏目出版)という批判本が発売されました。この手の主張にはアンチが現われがちですが、『あまくない砂糖の話』は食品業界から圧力が掛かったりはしませんでした? ガモー 『「買ってはいけない」は買ってはいけない』ってウケるね(笑)。豪州は砂糖輸出量が世界第3位で、それだけ製糖業界はとても力を持っているんだ。今回の映画の公開にあたって、5人の弁護士と相談したよ。彼らの答えは一致していた。企業側はこの映画については何も触れてこないはずだと。もし、映画の上映に対して圧力を掛けるようなことをすれば、今はSNSが発達しているからそのことが広まって逆に印象を悪くすることになる。だから大丈夫だと。実際、弁護士たちが予見したように企業側からのクレームはまったくなかった。これが15年前だったら、まだインターネットがそれほど普及していなかったから違ったかもしれないね。インターネットで調べれば、加工食品に含まれている成分を知ることもできる。ある意味、消費者側にとってはいい時代になっているとも言える。人と違った発言をすると叩かれたり、炎上したりする可能性もあるけど、大企業がよくないことをしていたり、環境問題に関しては、きちんとした事例を挙げながら自分の考えを発言できるようでいたいよね。
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低脂肪ヨーグルト、シリアル、スムージーなど健康にいいはずのものを食べていたが、短期間で体重が増加し、糖尿病の恐れがあると診断される。
──今日は日本の代表的なスイーツとして羊羹を用意したのですが、よかったら試食してみません? ガモー OK! うん、美味しいよ。思ったより全然甘くないね。このくらいの甘さだと豪州の子どもたちには物足りなく感じるかもね。 ──日本では仕事や勉強を終えた後に、がんばった自分へのご褒美としてスイーツやスナック菓子を平らげる人が少なくありません。そんな習慣をどう感じますか? ガモー ダメだとは思わないよ。この映画のテーマでもあるわけだけど、砂糖がまったくダメだとは言ってなく、1日の糖分摂取量を考えようというのが僕からのメッセージなんだ。自分へのご褒美としてスイーツを食べるのは全然かまわないけれど、それが朝からチョコレートを齧って、昼にアイスクリームを舐めて、夜もケーキを食べていたら、それは1日の適量を遥かに越えてしまう。そんな無謀な生活を続けると大変なことになるよということ。だから、砂糖に関する正しい情報を知って、自分にとっての正しい選択をしてほしいということなんだ。 ──体のメカニズムと社会のメカニズムの両方を知ることが大事だと。 ガモー まったくその通り! 砂糖は煙草とよく似ていると思う。今では煙草についての情報は一般化し、パッケージにも警告文が表示されるようになったけど、砂糖にはそんな表示はされていないし、食品業界から資金援助を受けた科学者が食品業界に都合のいい研究発表をしたりもする。何が正しいのかをきちんと見極められる目を養うことが大切だよね。教育にも関わってくる問題でもあると思うよ (取材・文=長野辰次/撮影=後藤秀二)
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『あまくない砂糖の話』 監督・脚本/デイモン・ガモー 出演/デイモン・ガモー、スティーヴン・フライ、イザベル・ルーカス 配給/アンプラグド 3月19日(土)より渋谷シアター・イメージフォーラムほか全国順次公開 (c)2014Madman Production Company Pty Ltd,Old Mates Production,Screen Australia ALL RIGHTS RESERVED http://amakunai-sugar.com ●デイモン・ガモー 1976年オーストラリア生まれ。俳優として『パトリック 戦慄病棟』(13)など様々な作品に出演。日本でもHuluで配信中の豪州の人気ドラマ『ウェントワース女子刑務所』では看守長・エリカの婚約者役を演じた。監督として短編映画『One…』(10)、『Animal Beatbox』(11)があり、初めての長編映画『あまくない砂糖の話』(14)は豪州のドキュメンタリー史上最高のヒット作に。

自称“不遜”な小説家・天童荒太が描いた、震災5年目の「サバイバーズ・ギルト」

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 東日本大震災から5年。被災地からは続々と「復興」のニュースが届き、その安心感も手伝って、震災被害に思いを寄せる時間は格段に少なくなってきている。  直木賞作家・天童荒太の新作『ムーンナイト・ダイバー』は、そんな私たちに冷や水をぶっかける力作だった。描かれるのは、震災から4年半が過ぎた原発周辺地域。立ち入りが制限され、復興から取り残された町で行方不明になったままの方々の家族のために、主人公は月明かりだけを頼りに危険な海に潜って、遺品を拾い上げてくる。  あの震災を生き残ってしまった者の苦悩、いわゆる「サバイバーズ・ギルト」に苦しむ登場人物たちの姿は、あの日見た被災地のニュース映像を、自ら体験した大きな揺れとともに、まざまざと思い出させてくれた。  まだ、たった5年だった。深く自省しながら、ページを繰った。 ──深く自省しながら読み始めたのですが、そういう意識がすぐに吹っ飛んでしまったんです。どんどん読み進めてしまって、すごく面白い本を読んでいるという幸福感に包まれてしまい……。 天童 それは何よりです。願っていることなので(笑)。 ──幸福な読書体験だったのですが、読み終わった後に、少しだけ「私は震災を面白がってしまった」という罪悪感が湧いてきたんです。震災でつらい思いをした方がいる、まだまだいるということに思いを馳せようとして、思いを馳せながらも、時間を忘れて楽しんでいる自分がいた。そこに戸惑いを感じたんですね。 天童 それは自分が書くときにも生じるんですよ。『永遠の仔』で虐待された子を書くとき、あるいは『悼む人』で忘れられた人の死を書くときもそうですけれど、自分の中で昂揚感がなければ、表現として書くことができないですから。そうして昂揚していくときに「昂揚していいのか?」という罪悪感は、否定すべきものではないのではないか、と思っています。その罪悪感は、愛情の薄い人間だったり、「そんなことどうでもいいよ」と思っている人間だったら感じないものだから、肯定すべきものなのではないかと。それは人間の美質なんだろうと思います。大事なものだと思いながら表現しますし、届けるっていうのはありますね。 ──誠実さの裏返しとしての罪悪感。 天童 そう思っていましたし、物語の中の罪悪感、サバイバーズ・ギルトを書くときの基本路線はそれでしたね。生き残った側が、生き残ったことを幸せに思えない。「なんで俺が生きているのか」と。そのことを周囲は「おまえのせいじゃないんだから、そんなふうに考えるな」とか「くよくよせずに、そんなこと忘れて精一杯生きていけよ」って言い方をすると思うんですけれど、それは彼の持っている愛の豊かさを否定することになったり、大事に思う心を「忘れろ」と言っているに等しい。だから、言われた方はもっと苦しくなるし、「そんなことできない」と、もっと自分を責めてしまう。そういうことを、この世界はずっとしてきたんじゃないかと思ったんです。むしろ、そう思えることが愛の豊かさだし、忘れる必要もないし、そう思うことは大事なことだという社会に変わった方が、すごくいいんじゃないかっていう思いが根っこにあったんですね。
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■作家自身の震災体験と、「小説は不遜だ」という思い ──この作品の出発点となった2011年3月11日の東日本大震災を、どういう状況で迎えたのでしょうか。 天童 都内の自宅で、そのときは仕事はしていなかったですね。くつろいでいる時間帯でした。これだけの大きな揺れは経験したことがなかったので、とっさに思ったのは「これが東京の震源地ならいいんだけどな」ということでした。他が震源地だったら、その震源地はひどいことになっているだろうと。で、テレビをつけると、震源地は東北だった。これはもう尋常じゃないことが生じているだろうということを感じたのが、いちばん最初でしたね。 ──その報道を見ているときも、小説家としての職業意識は働くものですか? 天童 最初はやっぱり職業人としてではなく、属性のない一個の人間として驚愕の目で見ていました。小説家としてそこでできる仕事は、まずないので。ただ、2日3日たって、死者が1,500人、1,600人、もっと増えそうだとカウンティングが始まってきたときに……阪神淡路大震災の翌日に、自分の父親が亡くなっているんですね。これは病気で亡くなったので震災とは関係ないけれど、テレビでは「おまえの母ちゃんダメだったんだ」「えー!」みたいなことをずっと追いかけているし、地元の地方紙のお悔み欄に父親の名前を探したら、震災と関係なく大勢の方が亡くなっていて、子どももいて。人の死は死に方で扱いが変わるっていう現実を、肌感覚で感じたんです。その後、2001年の9.11があって、人の死がカウンティングされていくことの限界と、家族にとっては1万人分の1ではなく「オール」であるということのギャップに、我々はどう向き合っていけるんだろう。あるいは、向き合うことを忘れている世界は、人間にとって本来の幸せなのかと。3.11でも、カウンティングで災害の大きさが測られていくときに、またこのことが繰り返されていくのか、この世界は何も変わっていないということが、すごく重く堪えるようになってきた。そのときに、小説家として意識し始めたのかな。 ──その後、2011年の6月に、被災者にインタビューをするテレビの取材で陸前高田と大船渡に入っています。 天童 小説家として被災地に行くのは間違っている、という気がしていたので、葛藤はありましたね。そのときは『悼む人』を書いた人間としてどう思うかという取材依頼をいただいて、自分が媒介としての役割を果たせると思って、ようやく行けました。何かを表現するために行くっていうのは違うと思っていたんですが、小説家という人種は困ったもので、行くとそういう気持ちが絶対に芽生えるんです。単純にボランティアで行っても、それを何かに生かしてしまおうとするのではないか、という。 ──そのときの様子が『静人日記』の文庫版に収録されていますが、この文章は「一万五千、七千、という波底にもぐり、一つ一つのいのちの相貌を拾い上げられる本物の想像力がほしい」という一文で締めくくられています。これは「いつか小説を書くぞ」という決意表明だったのでしょうか? 天童 小説として書くことは、まったく考えていませんでした。現実を現実として表現するのは、小説として不遜であるという気持ちが強くあるんです。はっきり言えば小説はウソを通して真実を表現することなので、ああいう大きな災害は、ウソではなく現実を通して真実を伝えるべきだろうと。であれば、報道であったりノンフィクション、ドキュメンタリストの仕事なので、自分の仕事ではないという気持ちが強かったんですね。 ──書くにいたったきっかけというのは? 天童 あの震災が起きたときには、それまで経済優先だったがゆえに備えを低く見たり、怠ってきた部分があったのではないか? といった反省が起きたり、改めて人と人がつながり合うこと、絆が大事なのではないかという空気が生まれたにもかかわらず、1年2年たつうちにどんどん忘れられて……3.11以前にも増して、経済優先で格差を肯定している、あるいはそれによって孤立化が生まれ、モラルが中枢まで崩れていってしまうという現状がありました。それは根底に、我々が被災者を忘れようとしているがゆえに、自分たちの無意識のうちにも「利益を上げないと忘れられていくのではないか?」「悲しいことを背負ったら置き去りにされるのではないか?」という強迫観念を植え付けられているような気がしたんです。もう一度、悲しい思いをした人たち、つらい立場の人たちと向き合うことによって、我々の本来の美しさとか、豊かな在り方みたいなものを求めうるのではないかと。これは可能性であり、事実ではない。可能性を表現するのが小説の仕事ですから、自分の仕事がここにあると思ったんです。 ──それを実感した瞬間というか、奮い立った何かというのはあるのでしょうか。 天童 奮い立った何かはないですね。いろいろなものの総合的な感覚だったし、時代の流れだったし。そこで小説としての特性とか、小説にできることというのを考えたときに、今から2年前ですね、立ち入り禁止の町に海から入ることを思い立った。小説は人の目に見えないもの、カメラで写せないものを見せられるのが特性なので、立ち入ることができない海の底を見せるというのを思いついたときに、「それなら表現できる」「小説にできる」という小説家としての昂揚が生じたわけです。それがきっかけになっています。
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■原発が見える海に、手をつけて「約束」してきた ──執筆を前に赴いた浪江町の港への取材は「復興できない場所」を見に行くという意図だったのでしょうか? 天童 最初はそんなことを考えて行ったわけではなく、主人公たちが海に潜るために出航する港を見つけに行こうという取材でした。実際に現地名は出さないことを決めていましたが、生活者が主人公なので、生活者としての生活に即した現場をしっかり見てこようという気持ちが強くあったんですね。そこで浪江町の請戸という港に入ったのですが、取材に行った去年の4月というのは、もう4年目なんです。当時の報道は「復興しています」「被災現場は更地になって、きれいになって、高台に街ができ始めています」「失われた店はこんなふうに復興していて、元のようではないけれど、みんな元気で頑張っています」という笑顔があふれるシーンばかりだったので、その場所のイメージがなかったんです。行ってみたら、11年6月に陸前高田に入った時とほぼ変わらない風景だった。土台だけを残して失われた街の情景がずーっと続いているのを見たとき、大きなショックを受けましたね。何も、あのときから変わっていない。我々が見てきた「復興しています」という報道はなんだったんだという、そのギャップに茫然としてしまった。意図して行ったわけではなく、行ってみて、ショックを受けて、これをちゃんと心に入れて書くべきだと、そのときに感じたんです。 ──作中では原発を「光のエリア」とだけ呼んで、放射能にも一切言及していません。ただそこは「立ち入り禁止である」ということだけに留めたのは? 天童 ひとつは、小説であるのに、現実と混同されて整合性をひとつひとつ見られていくと、フィクションとしての真実性が届かなくなるということ。それと、さまざまな問題にさらされている人たちを傷つけたくないという気持ちですね。取材に行ったときに、不遜なことをしている気持ちがすごくあったので、原子力発電所が見えて、もしかしたら汚染されているかもしれない海に、実際に手をつけて「書かせていただきます」と、約束をしたんです。それがどう読まれるかというのは、もう委ねるしかない。委ねるしかないがゆえに、全力を尽くさなければならない。この表現に対しては、自分の今持っている技術と、ここまで培ってきたキャリアをすべて注ぎ込んで、一片の悔いもないところまで作り込まざるを得なかった。委ねるということに、甘えは許されないとは思っていました。 ■「言葉が言葉を呼んで、もっと潜れる──!」 ──登場人物たちのセリフや行動には、実際に取材で聞いた言葉も入っているのでしょうか。 天童 僕、基本的に決めているんです。小説を書くために人の話は聞かない。テレビカメラを通してその方の言葉を伝えたりする仕事で聞くことはありましたが、自分が小説を書くときには、もう聞かない。お話を一度二度聞いただけでその人のことをわかったと思うのは間違いだし、どれだけ深く付き合っても、本音の部分なんてなかなか話さないと思うんです。それを取材して、聞いて、語ったから、この町の人はこんなふうに思っていると書いたら、それはとんだ間違いになる。それに、小説で人間を描くとき、よい部分もあれば、悪の部分、醜い部分も書かなければ、その人間を本当に描いたことにならない。話を聞いておいてそういう部分を書いたら、その人が嫌な気分になると思うんです。だから、話は聞かない。聞かない代わりに、リサーチをしっかりして、自分がそこにいたらどんな思いをするんだろう、自分だったらどうするんだ、っていうのはとことん突き詰めて、追い込みますね。 ──読んでいてすごくスピード感を感じましたが、書くスピード感はいかがでしたか? 天童 スピードはすごく速くて、ありえないくらいでしたね。最初は短編でという話だったので、物語がストレートにどーんと1本あるだけなのもあって、書き始めたらどんどん言葉が言葉を呼んで、このくらいの浅さ潜るつもりが、もっと潜れるという感じで。海の底に潜ることがメタファーになって、人間の心に潜ることに直結していくのが、書きながらわかったんです。これは自分の、あるいは人間の心の奥底に潜っていく、主人公や自分自身の心の奥底に潜って、無意識層に当たれば、それは多くの人々が持っている無意識層と重なるはずだと。その人類の無意識層にどこまで潜っていけるか、という感覚に変わっていったんですね。物語ラインは1本で、より深く潜っていく。より深く潜るためには、一回上がってきて息継ぎをしていると、距離感が取れなくなると思ったんです。だからもうそのまま、一気に潜っていき続けたのでスピード感があったし、この作品においては、レトリックをできるだけ省いて、いかに強くて深いところまで潜れる言葉を選択できるかというのを、自分に対して課していました。 ──主人公は危険なダイビングをするようになって、肉を欲するようになった、女の人の体を強く欲するようになったということが象徴的に描かれていますが、それは潜りきった奥底にあったのがそれだったということでしょうか? 天童 いや、あれは自分が取材に行って、何もない街を歩いて、どんどん歩いて、どこまで行っても死の匂いがするわけです。自分自身が『悼む人』を書いた人間なので、その死がどんどんどんどん体に入ってくるんですよね。そうして死が蓄積していって、いわきの大都会に戻ってきたときに、いちばん最初に思ったのが「肉を食いたい!」だったんですよ。なんで肉を食いたいのかなと思ったら、自分が死の世界にずーっと行ってきて、戻ってきて、その生命体として、細胞として、生きることを渇望している感じがしたんです。年齢的なこともあるから性的なものはそんなにないけれど、主人公は自分よりもっと死に近い場所に行くし、若いし、さらに本能的に生の活動が強くなるんじゃないかなと。人間にはいろいろな理屈があるけれど、まず生き物だから、死に近づいたら生きることに餓えるのではないかと。命を取り込みたいとか、肉体への渇望も強まるのではないかというのが、自然に出てきましたね。 ──では、それはキャラクターに潜り込んで探り当てたというよりは、最初に感じたこと。 天童 そうですね。それをフィードバックした感じです。
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■小説が社会に果たす役割と、作家・天童荒太の役割とは ──『永遠の仔』では、書いた後にぶっ倒れてしまったという話を聞きました。今回はどうでしたか? 天童 あのときは虐待された子の感情を生きたので、疲れたのは疲れたんですが、本当にぶっ倒れたのは、読者からものすごい数の手紙をいただいたときなんです。実際に自分が虐待されてきた方々から、精神科医やカウンセラーにも話さないような体験を書いた分厚い手紙がどんどん送られてきて、その体験が全部自分の中に入ってきた。それで、耐え切れなくなって倒れたという感じですね。いわゆる二次トラウマのような。今回はまだ倒れるということはないです。やっぱり慣れもあるし、『悼む人』なんかも仕事上で続けてきたので、リカバリーの仕方もわかりますし。 ──小説というメディアは、社会の中でどんな役割を果たすべきだと考えていますか? 天童 「べき」とまでは考えないですね。 ──では、ご自分の小説がどんな役割を果たしてくれたらなぁ、という思いを込めて書いてらっしゃいますか? 天童 小説は可能性を表現できるメディア、ある種の奇跡を見せられるメディアなので、報道とは違う、時事性とは違うものを拾い上げて、それを使ってどう人々に気づきをもたらすことができるか、人間や社会における深みにどれだけ潜っていって、人々の幸せや、本当の幸いとはなんなのかということに、どれだけ向き合って伝えられるかということは考えていますね。今回、いただいた感想の中に「被災地や被災者に対して感じていた後ろめたさを、きちんと消化する形で書いてくれて、自分としても救われました」というのがあって、そういう役割もあるんだなぁ、とは思いましたね。多くの人が実は被災地や被災者に対して、サバイバーズ・ギルトというほどではないにしろ、後ろめたさや罪悪感を持っているのではないか、そこに対しての訴えかけが届いたというのは、それはひとつ小説としての役割を果たし得たかな、というのはありますね。 ──将来的に、また震災をテーマに小説を書くことはあるのでしょうか。 天童 どうだろう、今回も震災はシンボル化してしか書けなかったし、そのことが自分の小説としての意味合いだと思っているので……。考えてみると僕は、忘れられた傷とか、忘れられていく死者とか、今回だったら忘れられていく場所だったり、そういうことを表現して届ける人であって、そういう作家は日本にそんなにいないな、という。自分はそういう場所に立てているという「恵まれ」があると思うんです。『永遠の仔』以降、そういう場所に恵まれている。それは読者に置いてもらったので、多くの悲しみやつらさを抱えている人が、「自分と同じようなことを考えている、語っている表現者はいないのか」「この世界には、明るいことばっかり書く作家しかいないのか」と考えたときに「1人はいるよ」っていう作家であれればいいなと思っているんですよ。「いや、1人はいるよ」という作家で。『永遠の仔』で、自分が倒れるほどの手紙をいただいて、そこから復帰してくるときに、こんな手紙をもらえる作家は世界でも自分だけだろうと。だったら、その世界でたったひとりの作家になれればいいじゃないかと。これで生きていこうと決めたんです。 ──先ほどから何度も「小説家は不遜だから」とおっしゃっていますが、その意識は『永遠の仔』以降に感じるようになったのでしょうか? 天童 より強く感じるようになったのは『永遠の仔』以降ですが、昔からあったんですよ。あのね、米が作れない、食料が作れないっていうのは、いちばんダメだなという。本来は、お米を作ってくれる人とか、食料を作ってくれる人が人間にとっていちばん価値があるし、大事だろうと思っているので、物語を作ってお金をいただくというのは……これは小説を書くより前、16歳で映画監督になりたいと思ったあたりから、「うわぁ、これは不遜な、申し訳ない仕事だよね」という意識は、すごくあります。ぜんぜん拭えないです。 ──あのー、自分でも、こういうことを聞いちゃうのか、という感じなのですが……。 天童 はい? ──小説家になって、よかったですか? 天童 聞いちゃったなー。 ──出てきちゃいました。 天童 いや、すっごく、よかったです。映画をやりたかったのは本当だし、自分のすべてをそっちに向けて生きていた時代もあるんですが、今、小説の世界に立っているときに、小説で書けること、表現できることって、すごく豊かだと思っているんです。例えば病気になると、なんか気持ち悪い、なんだろうこれは、というときがあるじゃないですか。そんなときに、これはこういう病気ですよと言われると、ホッとする。そういう病気だってわかったことで、それに対して何かができる。そういう言葉付け、名付けって大事だと思っていて、それに似ているんですね。言葉にならない思いだとか、なんでこんなふうに自分を責めてしまうのか、どうしてこんなに悲しいのかっていうことに対して、それはこういうことなのではないか、誰もが持っている「生きたい」という気持ちや、「生きていてもいい」という肯定感を求めるからこそ起きているのではないか。罪悪感やサバイバーズ・ギルトを抱えていても人は幸せになれるし、なっていいのではないかという、言葉付け、名付けをすることができるのは、たぶん小説だけなんです。小説は物語によって伝えるので、深層心理の感情に届く、感情に届いたものは長く続くんです。人間を根底から変化させていく力を持っている。それに携わっていることが意識できたときに、本当に小説家にならせていただいてよかったなと、心から思いますね。 (取材・文=編集部/撮影=尾藤能暢) ●てんどう・あらた 1960年、愛媛県生まれ。86年「白の家族」で野性時代新人文学賞を受賞、93年『孤独の歌声』が日本推理サスペンス大賞優秀作となる。96年『家族狩り』で山本周五郎賞、2000年に『永遠の仔』で日本推理作家協会賞、09年に『悼む人』で直木賞受賞。13年に『歓喜の仔』で毎日出版文化賞を受賞。ほか著作に『あふれた愛』、『包帯クラブ』、画文集『あなたが想う本』(舟越桂と共著)、対談集『少年とアフリカ』(坂本龍一と共著)、荒井良二画の絵本『どーしたどーした』がある。近著に新書『だから人間は滅びない』。