貯金を使い果たした“元アウトローのカリスマ”瓜田純士が激白!「ビル清掃のバイトがしたい」

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 瓜田一族に新たな構成員が加わった!――新宿を拠点に活動中の “元アウトローのカリスマ”こと瓜田純士(36)が11日、愛知から大型新人を緊急招聘。「若くてイケメンでフレンドリー」とウワサされる新メンバーの加入により、一族の結束はさらに強固なものとなりそうだ。なお、新戦力獲得のために貯金を使い果たした瓜田は今後、アルバイトを始める予定だという。 * * *  週末の新宿駅・東口改札付近は、若者や家族連れで大にぎわい。だが、そんな中、顔面や二の腕にタトゥーをあしらった瓜田が現れると、モーゼの十戒のように道が開けた。ヤクザをやめて10年たつが、その威圧感はいまだに健在といったところか。
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 多くの通行人の視線を浴びながら改札前にたどり着いた瓜田は、サングラス越しに駅構内をにらみ、こう語った。 「今日は愛知から新しいファミリーが来るので、出迎えに来ました。彼の名前は『セブン』。ウチの嫁は『七代目』と呼んでますけどね」  愛知、ファミリー、七代目……。何やら不穏なワードが並んだが、次の瞬間、あたりはホンワカした空気に包まれた。 「おぉ、来たかセブン。カワイイなぁ。よ〜し、よし♡」  愛知のブリーダーから、生後2カ月のサバンナキャット「セブン」を手渡しで受け取った瓜田は、サングラスを外して相好を崩した。
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――なぜ急に、猫を飼おうと思ったのでしょう? 瓜田純士(以下:純士) 嫁が随分前から「ペットを飼いたい」と言ってたんですが、僕はずっと反対してたんですよ。「生き物は中途半端な覚悟じゃ、飼えない。やめておこう」って。 ――以前、ノブナガという飼い猫が行方不明になったこともありますからね。 純士 はい。その一件もあって、もう動物は一生飼うまいと心に決めてたんですが、数日前、夫婦で他愛ない会話をしてるうちに、僕のほうが突然、屈強な動物に興味津々になっちゃいまして。今の自分が筋トレで強くなったので、「似たような相棒が欲しいな。ドーベルマンなんかいいかもね」と語り始めたんです。でも、あんなに大きな犬を我が家で飼うことはできないから、「いつか一発当てて大きな屋敷に住めるようになったら飼おうね」という夢物語で話を終わらせようとしたら、ペットショップでの勤務経験もある嫁が、空気を入れてきた(煽動してきた)んですよ。 ――どのような空気を? 純士 「ドーベルマンはちっちゃいほうやで。グレートデンっていう、もっとでっかいのもおるんやで。まぁでも、純士はドーベルマンが関の山やな」と言って僕を煽るんです。調べてみたら、グレートデンは確かにでかい。海外のセレブが飼うような犬です。「こりゃ、大きすぎて無理だ。死ぬまでにミラクルが起きて、牧場でも持てるようになったら飼うことを考えよう」と僕がしょんぼりしかけたら、嫁がここぞとばかりに自分の欲しいものをアピールしておこうと思ったのか、「猫の世界にもこんなんおるんやで」と言って、強そうな猫の画像をスマホで見せ始めたんですよ。 ――それが、サバンナキャットだったんですか? 純士 最初はサーバルキャットという、世界一大きくてスタイル抜群なヒョウ柄の猫の画像を見せてきました。でも、それは数百万円もするほど高価だし、日本で飼うのは非常に難しいって話になり、次の候補としてサーバルキャットとイエネコを掛け合わせたサバンナキャットの販売情報を画像とともにいくつか見せてきた。その中で値段の折り合いがついて、なおかつ僕が一目惚れしたのが、この「セブン」でした。性別はオスです。
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――セブンという名前の由来は? 純士 サバンナキャットには、F1からF7あたりまで種類があるんです。F1は第一世代で、原種のサバンナキャット。F2は第二世代で、F1とイエネコを交配させた亜種。F3は第三世代で、F2の子ども……といった具合に、数字が大きくなるほど野生の血が薄くなり値段も安くなる。ウチの子はF7なので「セブン」、第七世代なので嫁いわく「七代目」というわけです。 ――猛獣の血を引くサバンナキャット。その性格は? 純士 案外、人懐っこいらしいですよ。F7ともなると見た目はほとんどイエネコじゃねえか! という声もありますけど、この端正なマスクが僕にそっくりだなって思います。 ――F7とはいえ、サバンナキャットは普通の猫と比べて、かなり高価ですよね? 純士 夫婦の老後のために蓄えてた貯金の、ほぼすべてをはたいて買いました。 ――奥様はそれを許可したんですか? 瓜田麗子(以下:麗子) 煽ったのは私とはいえ、純士が本気なんで、焦りましたよ。そんなに高い買い物をされたら明日からの生活が大変なので、ブリーダーに連絡を取る前に、もっと安い金額で買える他の猫の画像をたくさん見せたりして、なんとか純士の気を逸らそうと努めましたが、無駄でした。この人は思い込んだら一筋なんで。 ――ということは、瓜田家の財布のヒモは旦那様が握ってるんですか? 麗子 あ、はい。 純士 いや、彼女です! 「あ、はい」って、どの口が言ってんだと、いま殺意が芽生えましたよ(笑)。普段コンビニでサンドウィッチを買うのも嫁の許可が必要で、何かを無断で買おうもんなら「それ、いくらしたん?」とあとあとしつこく尋問されるから、僕は基本、いつもお金は嫁に全部預けて、何かある度に相談して、ちょっとずつお小遣いをもらってるんですよ。関西人の嫁は、バリバリのドケチなんで。 麗子 エヘヘヘヘ。 純士 今回、セブンを買うときだって、ブリーダーとの交渉はすべて嫁に任せたんですが、まぁそのやりとりが実に巧妙で、かなりの金額を値切ってましたからね。ウチの嫁は、カネがかかることをとにかくイヤがる。贅沢しない人なんですよ。 ――それだけお金にシビアな奥様が今回、猫の購入にOKを出した理由は? 麗子 私が猫好きっていうのもありますけど、猫を飼うことによって、純士がさらに丸くなって優しくなってくれるなら、という期待も大いにありますね。猫がいたら、家で暴れることもなくなるだろうと(笑)。 純士 いや、嫁が本当に心配してるのはそんなことじゃなく、今日以降、僕の愛情がすべてセブンに向かうことを心配してるんですよ。 ――その逆もあるんじゃないですか? 奥様が猫ばかりをかわいがるようになり、旦那様がすねるという展開も。 麗子 そうや! そうや! 純士、ザマーミロ!(笑) 純士 ……そうなったら家に火ぃ着けますよ。
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――何はともあれ、これからセブンくんとの長い付き合いが始まりますね。いまインターネットで調べたところ、サバンナキャットの平均寿命は17~20歳とのことです。 純士 なんですか、それ? ウチの子に寿命とかないですよ。絶対ないです。認めないです。フォーエバーです。不死鳥ならぬ、不死猫です。 ――長生きすればするほど、飼育費用もかかりますが。 純士 作家業の印税収入だけだと不安なので、実は最近、セブンのエサ代のためにアルバイトを探し始めたんですよ。 ――それはビックリ! どんな職種をお探しで? 純士 タウンワークやバイトルを見て、掃除のバイトを探してます。何社か問い合わせてみましたが、まだ面接までこぎ着けられないですね。書類審査をパスして電話で担当者としゃべるところまではいっても、「顔にタトゥーが入ってます」と言うと、断られてしまいます。 ――問答無用でアウトという感じですか? 純士 「私個人がタトゥーをOKしたとしても、取引先やお客さんからクレームが入れば、最悪の場合、取引中止になる。だから申し訳がないが雇えない」というような断り文句が多いですね。
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――なぜ、掃除のバイトにこだわるのでしょう? 純士 夜間のビル掃除とかだと人と会わずに済むし、掃除という作業を通じて、「心の垢を洗い落とす」という精神修行にもつながるんじゃないかと。高層ビルの窓拭きって、何か資格が要るんですかね? ――資格は要らなかったと思います。 麗子 でも、窓拭きするのは日中やから、ビルの中にいる人がビックリすんで! 純士 顔面タトゥーの男が窓にへばりついてたら、やっぱ驚かれるか……。 ――いっそのこと顔面タトゥーと、そのキャラクターを売り物にできるアルバイト、たとえば飲み屋さんの日替わり店長などをやってみてはいかがでしょう? 純士 目立つこと自体は嫌いじゃないですけど、働いてる最中だけは人の視線を意識したくない。「あの店に瓜田がいるらしいぜ」と冷やかしで見に来る連中がいるかもしれないと思うと、仕事に集中できないような気がします。ほかに何か、僕にもできそうなバイトってないですかね?
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――出会い系サイトのサクラなどは、いかがでしょう? PC入力のみで対面接客はないですから、服装も髪形も自由な職場が多いはず。 純士 出会い系のサクラは、実はいっぺんだけやったことがあるんですよ。といっても、実働1日でしたが(笑)。 ――そのときの話を聞かせてください。 純士 懲役から戻ってきたばかりの頃の昔話ですが、のちに瓜田一族に入るAという男がいまして。このAが、まだ僕と知り合ってもいない段階から、mixiで瓜田純士のコミュニティーみたいなのを勝手に立ち上げてたんですよ。それを知った僕が、「てめえ何モンだ、この野郎!」と追い込んだら、「渋谷の出会い系の会社でバイトしてます」と言うから、「俺にもそこでバイトをさせてくれ」と紹介を頼んだのがきっかけですね。 ――すごいきっかけですね。 純士 で、出勤したら、あっという間にその会社の上層部に僕のウワサが広まったんですよ。「すげえガラの悪いのが来たけど、あれ、Aの知り合いなのか?」「あの人は新宿の伝説的な不良で」とかなんとか。で、社の上層部がAに対して、こう言ったんです。「実はウチの会社はいま、ある組織に因縁をつけられて数千万円タカられそうになってる。脅してきた人間と数日後に会うんだが、あのいかついタトゥーのお兄さんは我々の力になってくれないかな?」と。 ――トラブルシューターとして、瓜田さんを活用しようと思ったんでしょうか? 純士 話し合いの場に、僕を用心棒として連れて行こうと思ったんでしょうね。ああいう出会い系とかの会社にいる連中は、昨日までコンビニでバイトしてたような兄ちゃんが多くて、不良と揉めたときのノウハウを知らないんですよ。で、さっそく翌日、出会い系の社長室に行って話を聞いたら、バンドマンみたいなルックスの上層部の連中が「場合によっては報酬も支払うので、助けてほしい」と泣きついてきた。「警察に行けば?」と言っても、後ろ暗いことがあるのか口ごもっちゃう。だからとりあえず僕は、脅してる奴の名刺を見せろと言いました。で、名刺を見たらなんと、その名前に見覚えがあった。瓜田一族のBという男の父親と同姓同名だったんですよ。 ――さすが、引きが強いですね。 純士 でも、そこではあえて知らないフリをして、「ちょっと時間をくれ」と言って、ビルの外に出てBに確認の電話をかけたら、ビンゴでした。「それ、ウチの親父だよ」と言うんです。僕はBに「今回だけはお前の器量で親父を止めてくれ」とお願いして、恐喝をストップさせました。値打ちをつけるために、出会い系の上層部には「知り合いの親父だった」とは言わず、「相手を調べ上げて、力で押さえつけた」という形で報告しましたけどね。 ――すごい話ですね。 純士 話はここでは終わりません。数千万円の損失を防いでやったのに、その出会い系の連中は、礼だけ言ってタダでやりすごそうとしやがった。だから僕は「ちょっと待て」とカマシを入れて、「俺が今後も出勤し続けたら社内の空気が悪くなるだろうから、今日限りでバイトをやめてやる。でもその代わり、週3日勤務した計算で毎月15万円を1年間振り込め。謝礼金じゃなくて給料として」ということで話をまとめたんですよ。実質1日ちょっとの勤務で、180万円の稼ぎになりました。
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――瓜田さんがいい人なのか悪い人なのか、よくわからなくなってきました。 純士 まぁ、すべては昔話ですよ。そういう過去を洗い流すためにも、掃除のバイトをやりたいんです。タトゥーだけを理由に断られるのは、ちょっと悔しい。どうにか面接までこぎ着けて会って話せば、更生してることも、真面目に働きたいっていう気持ちも、相手に伝わると思うんですが……。 ――もしかして、タトゥーを入れたことを後悔してますか? 純士 してないです。一時的に「バイトの間だけ消えないかなぁ」と思うことはあっても、自分で刻んできたものに関しては自分のトレードマークですから、後悔はないです。ある新宿好きの先輩が以前、こう言ってくれました。「純士のタトゥーは、歌舞伎町の毒々しさとか、ゴールデン街の古びたドアとかポストとか、新宿二丁目のクソみたいな場所とか、大久保の怪しい路地裏とか、路上に吐かれたゲロとか、落書きだらけのガード下とか、そういったものすべての象徴だ。そういう街で育ったんだなってことが、タトゥーとして表現されている」と。うまいこと言ってくれるな、と思いました。タトゥーは、僕の履歴書なんですよ。 * * *  そうした考えに理解を示し、タトゥーを受け入れてくれる職場は果たしてあるのか? 瓜田のバイト探しは今日も続く。 (取材・文=岡林敬太)
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※日刊サイゾーでは2016年より、ほぼ月イチペースで瓜田純士の最新情報をお届けしています。

『貞子vs伽椰子』白石晃士監督が語る最凶演出術!「一線を越えた光景を僕自身が見たいんです」

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これからの日本映画を面白くする男・白石晃士監督が『貞子vs伽椰子』でメジャーシーンに登場!
 Jホラーの名を世界に轟かせた2大最凶キャラクター、『リング』シリーズの貞子と『呪怨』シリーズの伽椰子が競演する『貞子vs伽椰子』。このタイトルが角川映画から発表された際、あまりのキワモノ感に笑ってしまった人は少なくない。だが、この企画を映画化するのが白石晃士監督だと分かった瞬間、期待度はマイナスからプラスの限界へとグ~ンと針を振り切ってしまった。白石監督こそ、近年の日本映画界でもっともメジャーシーンへの進出が期待されていた逸材。インディペンデント映画の傑作『オカルト』(09)、オリジナルビデオ『戦慄怪奇ファイル コワすぎ!』シリーズ(12~)など新次元のホラー作品を次々と放ち、今もっとも勢いのある気鋭の監督なのだ。  白石監督にとって初メジャー作品となる『貞子vs伽椰子』は、ここ数年は尻すぼみ気味だった『リング』シリーズと『呪怨』シリーズの本来の怖さを取り戻した上で、2大キャラを激突させるという先が読めない破天荒さ、そして白石監督ならではのエンターテイメント性が前面に出ている期待を裏切らない面白さ! 念願のメジャーデビューを果たした白石監督に人気2大キャラを巧みに操った作劇術について語ってもらった。
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霊媒師コンビの経蔵(安藤政信)と珠緒(菊地麻衣)が現われ、事態は予測がつかない方向へと転がっていく。
──『貞子vs伽椰子』、サイコーに怖くて面白かったです。本作のオファーが来たときの率直な感想を教えてください。 白石 企画を聞いた瞬間、もう興奮しました。「えっ、本当ですか?」と。思わず椅子から立ち上がる勢いで、大きな声が出てしまった(笑)。ホラー好きな人間にとって、こんなに楽しみな企画はありません。それにこれは僕向きの企画だなと思いました。すでに存在するキャラクターたちを戦わせるという構図を娯楽作品としてお客さんに見せるというもの。多分、今の日本でいちばん僕に向いている企画じゃないですか(笑)。 ──『コワすぎ!』シリーズの一挙上映がニコ生で大人気を集めるなど、白石監督が新しいホラーファンを開拓してきたことが認められた格好ですね。 白石 そうですね、『コワすぎ!』シリーズの成功は大きいと思います。あのシリーズを始める前までは、僕がどういう傾向の作品を撮っている人間なのか分かりにくかったんでしょうね。有名な都市伝説を新しく料理し直した『コワすぎ!』シリーズが評価されたことで、僕のやろうとしている傾向を何となくですけど理解してくれる人が増えて、それが今回のオファーに繋がったんだと思います。今回のプロデューサー陣の中にも僕の作品を観てくれていた人がけっこういて、プロデューサー陣の満場一致で僕が選ばれたと聞いています。素晴しいプロデューサー陣です(笑)。 ──初めてのメジャー作品ですが、白石監督らしく思いっきり振り切った作品に仕上げていますね。 白石 今回はお祭り企画なんですが、もちろんお祭りらしく盛り上げ、でも長年ファンから愛され続けているキャラクターたちを扱うわけですから、マジメに作らなくちゃいけない。異なる人気シリーズのキャラクターを対決させて、楽しければそれでいいじゃんで済ませるのは違うなと思ったんです。そこは僕もプロデューサー陣も合致していました。なので、普段どおりにやれたのが良かったですね。 ──最初に『貞子vs伽椰子』の簡単なプロットだけ渡されたと聞いています。 白石 僕が参加する前に、企画段階で別の方が書いたプロットがあったんです。貞子と伽椰子が対決するという設定は同じなんですが、僕が入ってからどう展開していくかを考えて、プロットを書き直していきました。それからプロデューサーたちと話し合いながら、固めていった感じですね。脚本づくりする上でのポイントは、2大キャラクターの良さをどう抽出して、バランスよく配置するかでした。僕はこの手のバランスを取る作業が好き。王道的な、みんながいいと思うようなバランス感覚ではなく、「えぇ、そう来るの?」みたいな少し崩したバランスの取り方が僕は好きなんです(笑)。 ──白石監督ならではの、王道とは異なる“裏王道”的なストーリーになったわけですね。 白石 ハハハ、自分ではすごく王道的なものを作ったつもりなんですけどね。でも、そんなふうに観ていただいても全然かまいません(笑)。 ──物語の前半は、まず貞子由来の“呪いのビデオ”が登場。女子大生の有里(山本美月)と夏美(佐津川愛美)が、夏美の両親の結婚披露宴のビデオテープをDVDにダビングしようとすると、紛れ込んでいた呪いのビデオを再生してしまう。80~90年代に青春時代を過ごした世代にとっては、喜びも憎しみもVHSテープに記録されているという郷愁をそそる幕開けですね。 白石 VHSテープは絶対に出そうと決めていました。僕自身もVHSテープには思い入れがあるので、VHSテープやVHSデッキという存在があったんだよということを映画の中に記録しておきたいという気持ちがありました。でも、それ以上にあったのが、本作は若者向けの作品だという意識でした。若い世代はあまりVHSテープやVHSデッキに触れたことがないと思うんです。あったとしても幼い頃に親が観ていたのを一緒に何となく観ていたとか、そのくらいの曖昧な記憶しかない若者が多いんじゃないですか。それでDVDで育った若い世代にとって、何となく不思議で不可解なものとして出そうと。ビデオテープって、ミステリアスであり、でもリアリティーのあるものとして感じてもらえると考えたんです。 ──白石監督は、かつて中村義洋監督や松江哲明監督も下積み時代に経験した『ほんとにあった呪いのビデオ!』シリーズに参加していましたよね。そういった監督のバックグランドも感じさせます。 白石 そうですね。作品って単体で成立しているわけではなく、作った人間のそれまでの仕事ぶりだとか、人生の積み重ねから生み出されたもののほうが深みが出ると思うんです。マジメに作品を作っていると、過去の要素は当然のように入ってきますし、そうなることで作品としても強度を増すんじゃないでしょうか。
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白石晃士監督はフェイクドキュメンタリーの第一人者でもあるが、今回は劇映画でも充分に面白い作品を撮ることを実証してみせた。
■白石流“呪いのビデオ”の作り方  常にベストの作品を提供することが、フリーランスで働く人間にとっての最高の営業活動である。白石監督の仕事ぶりは、そんな映像職人としての哲学を感じさせる。オリジナル作品へのリスペクト愛にも溢れている『貞子vs伽椰子』だが、中田秀夫監督の『リング』(98)で描かれた戦慄の“呪いのビデオ”を今回どのような形で受け継いだのだろうか。 ──中田監督の『リング』に登場する“呪いのビデオ”は文字や火山の噴火などをモンタージュした不気味な映像に強烈なインパクトがありました。新しい呪いのビデオを生み出すのは大変な作業だったのでは? 白石 『リング』の呪いのビデオに匹敵する映像を作らなくちゃいけないと考えると、それはすごいプレッシャーでしたね。脚本段階では自分で「不気味なモンタージュ」と抽象的な書き方しかしていなかったんです。具体的にどんな映像にするかは悩みました。元々の『リング』の呪いのビデオには原作小説から続く謎解きのヒントが詰まっていて、その謎を解き明かしていくという面白さもあったと思うんです。鈴木光司さんが練りに練って小説を執筆し、Jホラーの立役者である高橋洋さんがさらに練った脚本に仕上げ、それを中田秀夫監督が映像的にますます精度の高いものへと仕上げた。はっきり言って、オファーを受けてからのあまり時間のない状況で、それを上回る映像を新たに練り上げることは勝算がないと判断したんです(苦笑)。そのことに気づいたときはすでに準備段階に入っていたので、どうしようか悩んだ末にモンタージュ映像にすることはやめました。固定したフィックス映像にすることで、違うベクトルにすることにしたんです。それなら僕なりのやり方でやれるわけです。 ──インディペンデント時代に培った、できないものはできないという割り切りの良さが活かされたようですね。 白石 えぇ。でも、VHSの不気味さは継承したい。あまり時間がない中での作業だったんですが、そのとき名古屋のシネマスコーレという映画館で僕の作品を1週間連続で上映するというイベントがあったので、僕も名古屋に行っていたんです。シネマスコーレの副支配人・坪井さんは趣味でVHSのソフトを7000本くらい所蔵していて、そのソフトを置くためにアパートを一室借りているんですね。イベント期間中はそのアパートで僕は寝泊まりしていて、7000本のVHSソフトに囲まれながら名古屋で購入したVHSデッキを並べて“呪いのビデオ”のダビング作業をずっとやっていたんです。テープにいろんな傷を付けたり、デッキとデッキを電波受信で繋いで、その間に僕の手を挟んだりすることでノイズを入れたりして、不気味なテープを作り上げたんです。多分、アパートの一室に並んでいた7000本のVHSのエネルギーも、あの映像の中には入っていると思います(笑)。 ──作業風景を想像すると、かなり怖いです。さて貞子と伽椰子の魅力を最大限に引き出す本作のオリジナルキャラクターである霊媒師の常盤経蔵(安藤政信)&珠緒(菊地麻衣)が中盤から登場。『コワすぎ!』シリーズの暴力ディレクター工藤(大迫茂生)とアシスタントの市川(久保山智夏)を思わせる強烈コンビですね。 白石 強い霊力を持った男性霊能者が登場することは僕が入る前の最初のプロットからあったんです。それを僕なりにアレンジしたキャラクターにしています。『カルト』(13)という僕の作品にNEO(三浦涼介)という霊能者を登場させたんですが、経蔵とNEOは似ているかもしれません。鋭い霊感の持ち主である珠緒は、プロデューサーの「貞子、伽椰子、俊雄とは別に、アイコンになるような新しい女の子のキャラクターがほしい」という要望から生まれたものです。経蔵も珠緒もすごく口が悪い。呪いに巻き込まれる有里や鈴花(玉城ティナ)たちだけの物語だとシリアス一辺倒なストーリーになってしまうので、この口の悪いコンビを投入することで従来のJホラーとは違うグルーヴ感やテンションの高さが出るんじゃないかと考えたんです。
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タイトルに偽りなし! クライマックスには貞子と伽椰子が激突するシーンが待っている。勝ち残るのは一体……!?
■地下水脈で繋がる白石ユニバース!  後半はいよいよ伽椰子と俊雄が待っている最凶の事故物件である“呪いの家”が舞台。今回は白石監督が得意とする“POVスタイル”での撮影ではないが、呪いの家に入ってからは観客はもうスクリーンから一瞬も目が離せなくなってしまう。かつてない怒濤のクライマックスシーンに言葉を失ってしまうはずだ。 ──学校でいじめに遭っている小学生の男の子が呪いの家だと知っていながら逃げ込むシーンが切ない。子どもにとっては呪いよりもいじめのほうが恐ろしい。娯楽ホラーの中に社会問題を何気に盛り込んでありますね。 白石 子どもの暴力性を描くのは、以前のホラー映画では当たり前のようにあったんですが、最近はちょっとやりづらくなってきてますね。若い観客に観てほしいという気持ちから、彼らが関心を持つように年齢の近い子どもたちのエピソードを呪いの家の導入に使っています。多分、実際にはもっと酷いことが起きていると思うんですけどね。まぁ、呪いの家の紹介の仕方としてはグッドエピソードかなと(笑)。 ──白石監督は子どもにも容赦ない。 白石 いやいや。僕というよりも、『呪怨』のキャラクターたちが容赦ないんです。僕は単にキャラクターに従って演出しただけです。なので、僕は責任を取れません(笑)。 ──『戦慄怪奇ファイル コワすぎ!史上最恐の劇場版』(14)や『戦慄怪奇ファイル コワすぎ!最終章』(15)は3.11後、政府は重大な情報を隠蔽しているんじゃないかという市民の不安感が作品の背景となっていましたが、今回も社会的要素を盛り込むことは意識したんですか? 白石 確かに『コワすぎ!』シリーズは福島原発事故が起きたことで“呪い物質”が拡散してしまったという社会的要素を裏ネタとして盛り込んでいました。実際に原発事故によって社会心理的な意味での“呪い物質”が広まったと僕は考えているんです。多くの人の心理に影響を与えたという意味では、実質的な呪いの要素があったと思うんです。そこはちょっと根っこに置きながら、でも娯楽作品として作り上げたら、ああいうシリーズになったんです。今回は元々あったキャラクターをどうすれば最大限に生かすことができるかというのが一番のテーマだったので、社会的な要素はあまり意識していません。まぁ、裏ネタとしてあるとすれば、僕の作品はだいたい「クトゥルー神話」的な要素を匂わせることが多いんですね。今回もうっすらですが、クトゥルー的なものを感じさせるシーンがあるかもしれません。 ──あぁ、貞子が這いずり出てきた井戸はどんな地下世界に通じているんだろうという底知れない不気味さがありますね。白石監督のファンが観ると、『コワすぎ!』シリーズや『カルト』など過去作を彷彿させる部分もあってより楽しめます。他の白石作品と本作は地下水脈的に繋がっている? 白石 まぁ、通底する部分はあると思います。もしかしたら本作は『コワすぎ!』のパラレルワールドで起きたことなのかもしれないし、『カルト』のNEOがパラレルワールドでは経蔵になっているのかもしれませんね。僕という一人の人間を媒介にして作品を作っているので、どうしても似た要素は出てきます。そこは観た方たちに自由に楽しんでもらえればいいなと思っているんです。 ──メジャー作品を初体験したわけですが、メジャーとインディペンデントのそれぞれの面白さって何でしょう? 白石 メジャー作品の良さは、お金がたくさんもらえるということですね(笑)。インディペンデント作品を監督した場合は、製作期間中は何とか生活できるくらいのお金をもらえるんですが、手元には残らないんです(苦笑)。ただし、インディペンデントの場合は、直前まで粘ることができる。そこがメジャーとインディペンデントの製作上の違いかもしれないですね。予算の掛かる大きな作品だと事前にいろいろと準備しておくことが多くて、急な変更が難しいんです。でも、予算が小さい作品だとフットワーク軽く、直前ギリギリまで内容を吟味することができる。そういう点はインディペンデントの良さですよね。ギャラが少ない分、監督の自由度も高いですし。『コワすぎ!』もお金にはならないけど、ほぼ自由に作ることができています。それで『コワすぎ!』が僕の名刺代わりになって、今回の仕事に結びついた。予算の大きな作品で息詰まったら、予算の低い作品に戻って、自分のやりたいことをやって、そこでまた評価されて、再び大きな作品に取り組むというやり方もあるかもしれませんね。 ──白石監督は『コワすぎ!』シリーズもそうですが、他にも『グロテスク』(09)や『オカルト』、それに韓国ロケ作品『ある優しき殺人者の記録』(14)など振り切った作品を次々と放ってきました。振り切った演出こそ、白石作品の醍醐味と言えそうですね。 白石 『貞子vs伽椰子』も実はもっと振り切ったラストも考えていたんです(笑)。振り切った演出ということですが、僕の場合は企画内容や登場キャラクターたちを突き詰めていき、最終的には僕自身が「えっ、そんなことになるの?」と驚くような作品にしたいんです。自分の想像を上回るクライマックスを、自分自身が待っているんです。一線を越えたいという気持ちが強い。それは何も倫理的な意味で一線を越えるということではなく、作品の壁を壊したいということなんです。作品の壁を壊して、その先にある新しい景色を自分自身が見てみたいし、お客さんにも新鮮な体験をしてほしいんです。どのくらい、それがお客さんに届いているかは作品によって異なると思いますけど、その意識だけは常に念頭に置いて仕事に取り組んでいます。年内にもう一本、メジャー系の作品を撮る予定なので、楽しみにしていてください。 (取材・文=長野辰次/撮影=名鹿祥史)
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『貞子vs伽椰子』 脚本・監督/白石晃士 出演/山本美月、玉城ティナ、佐津川愛美、田中美里、甲本雅裕、安藤政信 配給/KADOKAWA 6月18日(土)より全国ロードショー (c)2016「貞子vs伽椰子」製作委員会 http://sadakovskayako.jp ●しらいし・こうじ 1973年福岡県生まれ。97年に製作した自主映画『暴力人間』がひろしま映像展98で企画脚本賞・撮影賞を受賞。中村義洋監督、松江哲明監督らを輩出した『ほんとにあった!呪いのビデオ』シリーズを経て、『呪霊THE MOVIE 黒呪霊』(04)で劇場監督デビュー。『口裂女』(07)や『テケテケ』(09)など都市伝説を題材にしたホラー作品を手掛ける一方、ドキュメンタリー映画『タカダワタル的ゼロ』(08)も発表している。『グロテスク』(09)はスプラッター描写の過激さから海外では発売禁止に。低予算を逆手にとったフェイクドキュメンタリー作品に『オカルト』(09)、『シロメ』(10)、『超・悪人』(11)などがある。2012年から始まったオリジナルビデオシリーズ『戦慄怪奇ファイル コワすぎ!』で大ブレイク。2015年からは新シリーズ『戦慄怪奇ファイル 超コワすぎ!』でますます冴えた作劇&演出ぶりを披露している。キム・コッピが主演した『ある優しき殺人者の記録』(14)はノーカット風の長回しで撮られたフェイクドキュメンタリーとして白石監督作品の集大成的な面白さが味わえる。撮り下ろし短編作品『白石晃士の世界征服宣言』が付録DVDとして収録されている『フェイクドキュメンタリーの教科書』(誠文堂新光社)が今年1月に出版され、好評発売中。

ブレークできない原因はコレだった!? バイク川崎バイクが抱える“心の闇”に肉薄!

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撮影=尾藤能暢
「バイクだけにブンブン」赤のラグランTシャツに、サングラス、バンダナを巻いたスタイル、なんでも「BKB」に略すネタで突如バラエティの世界に舞い降りたモーターサイクル天使、バイク川崎バイク。毎年、ブレークする、ブレークすると言われ続けているBKBに、2016年こそは(もう6月だけど)……の意気込みを聞く。意外や意外、BKBのブレークスルーは自己○○にあった!? バイク川崎バイク(以下、BKB) 以前サイゾーさんに、僕の記事書いてもらったんですけど。 ――……なんですか、悪口でしたか? BKB 僕が「R-1」の決勝に行ったときかなぁ。決勝の前日にBerryz工房と一緒に番組やって、そのことが記事になってた。「BKBが決勝で負けたのは、ももちのせい」みたいなタイトルで(参照記事)。 ――ありました、ありました。 BKB 「Berryz工房がBKBにハマらず、全部ももちに持っていかれた」と。ほんまそうやなと思いながら読んでいたんですけど、ふと違和感があって。「その後、川崎が」とか「川崎が○○を話しても」とか、僕のことずっと「川崎」って書くんですよ。「サイゾーさんは僕のことを『川崎』って書く」とは、舞台でネタにさせてもらいました。 ――失礼いたしました。今回は、どの表記でいきましょうか? あえての「川崎」にします? BKB 誰かわからんくなるので、BKBでお願いします(笑)。 ――BKBさん初の全国ツアー、しかも10周年記念ということで、まずはそのお話からお聞かせいただきたいです。 BKB これちょっとややこしいんですけど、“BKBになってから 10年”なんですよ。芸歴自体はもっと長くて、非常にグレーな 10周年記念。一応ピンになってからということで。 ――しかし、10年は長いですよね BKB 長いようで短いと申しましょうか。月並みですが、あっという間でした。「街の帽子屋さん」というコンビを 2~3年組んでいたんですけど、相方(帽子屋お松)に「一人でやりたい」と言われて解消。帽子屋さん時代、僕はネタを書かなかったので、「う~ん」ってなりましたよ。 ――それでも一人でやり続けようと思ったのは? BKB やめたくなかったんですよね。まだ若かったんで、26ぐらいかな。無理やったら(芸人になる前にやっていた美容師に)戻ればエエか、くらいのモチベーションで。 ――手に職は強い。 BKB あとは、周りの芸人が「川崎も、なんやかんや味あるし」みたいなことを言ってくれて。いま思えば無責任なねぇ(笑)。あの頃は戸惑いしかなかった。あらためて相方ってすごかったんやなって。僕ももちろんネタを書いたことがなかったわけじゃないんですけど、いきなりピンのネタは難しくて……。 ――自分と向き合わなきゃいけない……。 BKB 自分を客観視する方法が、わからなかったんですよ。それで何を思ったか、1発目にやったネタが、妖怪。 ――どんな妖怪なんですか? BKB 妖怪「ひょうすべ」。人を笑い殺す九州の妖怪です。1発目がそれやったんで、みんな「……頑張ってんな」と思ってくれたらしいですが(笑)。 ――ひょうすべで、BKBさんのピン芸人としての路線が固まったと。 BKB 漠然とね、インパクトのある格好や見た目じゃないとアカンやろなと。(レイザーラモン)RGさんとか、すごいじゃないですか。いろんなキャラ、面白い見た目、物まねとかどんどん作り出していって、なおかつ自然に演じてる。僕はそんなタイプじゃなかったんで、気質的に。派手なことを思いつく人間じゃないんですよ。
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■「ブレーク間近」芸人から一転、ついに何も言われなくなった ――普段のBKBさんは、どんな感じなんですか? BKB 明るくはないかもしれない……。でもピン芸人って、そういう人多いですよ。もう中学生さんとか、巻き添えにさせる形になりますけど(笑)、明るくない。 ――BKBさんのTwitterやインスタグラムを拝見すると、普段の私服めちゃめちゃオシャレですよね。だけど、ウィキペディアには「センスがないから、美容師をやめようと思った」と。 BKB 美容師の免許は、勉強すれば取れるじゃないですか。美容院で3年働いて、シャンプーとか毛染めとか、一通りのことはできるんです。だけど、いざお客さんがフリーでついて「私に似合う髪形を」と言われると、わけわからんくなっちゃって。美容理論というものが。美容師って、美容を好きな人じゃないと絶対続かない。変な話、給料は安い、労働時間は長い。その上で、休日の講習会に自分から参加する人もいる。自分に、その情熱はなかったんですよ。 ――なるほど。 BKB でも、そのおかげで、大阪時代は芸人の髪は切りまくってましたけどね。それで仲良くなった人もたくさんいる。飲みに行くのと同じくらいの時間、一緒にいられるんで。「明日なんの仕事なんですか?」とか、ほんまの美容師みたいですけど(笑)。銀シャリの橋本直さんも、それで親友くらい仲良くなって。あと、なんばグランド花月の支配人さんの髪の毛も切ってました。 ――偉い人押さえてますね(笑)。 BKB それで「単独やるか?」って言ってもらえた(笑)。いやいや、ウソですけど。 ――でも、これだけたくさん芸人さんがいらっしゃると、ただ「面白い」だけでは生き残れないというか、人付き合いや運も大切になってきますよね。 BKB あると思いますよ、流れとか。日ごろの行いとかもあるんかなと。あんまり文句ばっかり言ってたら、アカンよな、とか。言霊ですよ。 ――言霊(笑)。 BKB スリムクラブの真栄田(賢)さんがずっとこんなこと言ってくるんですよ。宇宙がどうとか、引き寄せの法則とか、人は鏡とか。 ――今回BKBさんをインタビューさせてもらいたいなと思ったのも、BKBさんはずっと「ブレーク間近」と言われ続けてらっしゃるじゃないですか。でも、こう……。 BKB (笑)。2012年の年末の「次来るぞ」が1発目でしたね。13年に入って、今年来る芸人の6位になって。14年は「R-1」の決勝に行って、15年も辛うじて「女子高生に軽くブーム」みたいな枠に入った。そして16年、ついに何も言われなくなりました。 ――ブレークしたからではなく……。 BKB してない。ブレークしそう芸人の中では、だいぶ上位だったのに。ブレークしそうでしなかった芸人という枠があるならば、絶対にノミネートされる人間だと思います。 ――「ブレークしちゃうと終わっちゃう」みたいな考え方もありますよね。 BKB しすぎるとね、一発屋というね……でも、いいんですよ。もともと一発屋になりたくて、この芸風始めたんで。本来、それでよかったんですよ。ブレークして、このキャラを成仏させられれば。だから正直、考えていた流れではないんですよね。流行語ノミネートもされたかったのに。知ってる人は知ってる。だけど、知らない人はまったく知らない。そんな中途半端な存在です。 ――その立ち位置も、なかなかじゃないですか。 BKB 先輩にもそう言われます。「ええとこおると思うで」と。売れているわけじゃないけど、仕事がゼロというわけでもない。
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■素の「川崎」も見せたい ――ご本人的には、どのあたりがブレークに足りないところだと思っていますか? BKB おそらく、BKB以外を見せれてないんですよ。ラジオとか呼んでもらったときに、これも手前みそですけど、「こんなしゃべれるんですね」って言われることが多い。「正直、ずっとテンションの人だと思っていた」と。それは自分で作り出したイメージだからいいんですけど、ただ人間味みたいなものを出せてないんやろな……とも思います。 ――人間味かぁ。 BKB そもそもサングラスかけちゃってますしね、これも失敗したなと思っていますよ。ネタ中、たまに外して小笑い取りますけど。 ――外して人前に出るのは、不安になりますか? BKB 恥ずかしいですね。サングラスが良くも悪くもガードしてくれるんで。スベってもウケても。「うらやましいな、サングラス」って言われることもあります。でも、僕からしたら表情を見せられる機会が減ってて、街歩いててもほとんど指さされないですし。ブレークするには、テレビが何を求めているのか、瞬時に察して対応しなきゃいけないんですけど、難しいですよ。BKBを求めているのか、それとも素の川崎を求めているのか。常に頭の中に2つあって混乱するんです。その 0コンマの遅れが、結果スベりにつながる。 ――永野さんのブレークをご覧になって、いかがですか? BKB 永野さんって、ギャガーのようでギャガーじゃない。長い芸歴の中で鬱屈した思いを、ストレートに思いついた順番にババババってしゃべってるイメージがある。決して「善人」キャラではなく。 ――BKBさんも、どちらかといえばそちら方面……? BKB 「幸せみんなハッピー」って、言ってますけどね(笑)。このまま芸歴いったら……いい人ぶってますけど、根の根ではね……そういう気質ですから。 ――BKBさんは、最終的にどんな芸人になりたいとお考えですか? BKB そうですね……欲を言えば狩野英孝さんなんですけど、たぶん無理なんですよ。あの人マジなんで。僕はコントが好きなんで、できればそっち方面でいきたいです。 ――バカリズムさんのような? BKB バカリさんとか、劇団(ひとり)さんみたいなことはできないですけど、好きですね……DVDも全部持ってます。 ――BKBとの両立は? BKB BKBはBKBであって、うまく使い分けられればいいと思うんですよ。盛り上げるときはBKBで。今後はサイゾーさんに書いてもらったように「川崎」の面も出せたらいいですよね。僕、『内村プロデュース』(テレビ朝日系)がすごく好きで、内Pで初めて(さまぁ~ず)三村(マサカズ)さんを知ったんです。むちゃくちゃ腹抱えて笑った。そういう入りをしたもんですから、バナナマンさん、東京03さん、バカリさん…… ■鏡は先に笑わない ――東京の香りのする芸人さんたちに憧れると。 BKB ないものねだりなんでしょうけど。今年の「R-1」はBKBを封印してコントで挑戦したんですね。ピンスポに白いドア1枚、シルクハットかぶって正装した僕がドアから出てくる。「おっと部屋を間違えました、失礼」から入るという。 ――すごい。 BKB ほぼ小林賢太郎さん(笑)。それこそ周りからは「何してんの?」って言われましたけど。BKB1本で頑張るっていう考えもあるんでしょうけど、でも同期のアキナは昔から「BKBのコント好きやで」「続けてたら、いつか懐刀になるから」と言ってくれていた。今度の全国ツアーではコントもあり、もちろんBKBもありで、やろうと思ってます。観た人から「元気でたよ」って言ってもらえるようなライブにしたいですね。 ――すごくポジティブにまとめていただいたのに、すみません……BKBさんとお話ししていると、うっすらした“闇”を感じてしまうのは、なぜでしょうか……? BKB  闇……確かに自己啓発とか好きですし。「鏡は先に笑わない」っていう言葉知ってます? ――知らないです。 BKB 自分が笑わないと、鏡の中の自分も笑わない。それは、人生においても一番意識しなきゃいけないことなんですよ。なぜなら、人は「鏡」なんで。いい言葉だ。 ――BKBさんは、自己啓発キャラもいいと思います。 BKB 一時、BKBでスベったあと名言でフォローするっていう流れは、やってましたよ。「限界ちゃうねん、壁やねん」とか。自分が限界だと思っていることも、単なる壁であり、いつか乗り越えられる。好きなんですよ、名言が。名言があれば、いつでも口角上げること意識できますしね。 ――あまり普段口角上げること、意識してないかもしれない。 BKB え? 意識しないで自然に笑えるんですか? ――自然に笑えないんですか? BKB そう、そうっすね……。でもファンの人、見てても思うんですよ。子どもでもほんと、ある一部の子どもは、すごく喜んでくれる。「部活つらかったけど、BKB見たら頑張ろうと思いました」とか言われたこともあるし。 ――ファンの方にも、若干の闇が。 BKB 普通に「面白い~」じゃなくて、一個なんか悩みとかが乗っかってる(笑)。確かに「バイクだけにブンブン」ってお客さん全員でやったりすると、宗教じみてるときありますね。 ――BKBさんには、その素質があるのかもしれない……。 BKB バイク教祖バイク。 (取材・文=西澤千央) ●バイク単独バイク「10周年全国ツーリング」(全5都市) 7月2日(土)大阪・ABCホール (前売り完売御礼! 当日券若干あり) 7月18日(月・祝)宮城・仙台福祉プラザふれあいホール 7月30日(土)広島・よしもと紙屋町劇場 8月5日(金)福岡・イムズホール 8月19日(金)東京・ルミネtheよしもと <http://news.yoshimoto.co.jp/2016/04/entry47769.php

ブレークできない原因はコレだった!? バイク川崎バイクが抱える“心の闇”に肉薄!

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撮影=尾藤能暢
「バイクだけにブンブン」赤のラグランTシャツに、サングラス、バンダナを巻いたスタイル、なんでも「BKB」に略すネタで突如バラエティの世界に舞い降りたモーターサイクル天使、バイク川崎バイク。毎年、ブレークする、ブレークすると言われ続けているBKBに、2016年こそは(もう6月だけど)……の意気込みを聞く。意外や意外、BKBのブレークスルーは自己○○にあった!? バイク川崎バイク(以下、BKB) 以前サイゾーさんに、僕の記事書いてもらったんですけど。 ――……なんですか、悪口でしたか? BKB 僕が「R-1」の決勝に行ったときかなぁ。決勝の前日にBerryz工房と一緒に番組やって、そのことが記事になってた。「BKBが決勝で負けたのは、ももちのせい」みたいなタイトルで(参照記事)。 ――ありました、ありました。 BKB 「Berryz工房がBKBにハマらず、全部ももちに持っていかれた」と。ほんまそうやなと思いながら読んでいたんですけど、ふと違和感があって。「その後、川崎が」とか「川崎が○○を話しても」とか、僕のことずっと「川崎」って書くんですよ。「サイゾーさんは僕のことを『川崎』って書く」とは、舞台でネタにさせてもらいました。 ――失礼いたしました。今回は、どの表記でいきましょうか? あえての「川崎」にします? BKB 誰かわからんくなるので、BKBでお願いします(笑)。 ――BKBさん初の全国ツアー、しかも10周年記念ということで、まずはそのお話からお聞かせいただきたいです。 BKB これちょっとややこしいんですけど、“BKBになってから 10年”なんですよ。芸歴自体はもっと長くて、非常にグレーな 10周年記念。一応ピンになってからということで。 ――しかし、10年は長いですよね BKB 長いようで短いと申しましょうか。月並みですが、あっという間でした。「街の帽子屋さん」というコンビを 2~3年組んでいたんですけど、相方(帽子屋お松)に「一人でやりたい」と言われて解消。帽子屋さん時代、僕はネタを書かなかったので、「う~ん」ってなりましたよ。 ――それでも一人でやり続けようと思ったのは? BKB やめたくなかったんですよね。まだ若かったんで、26ぐらいかな。無理やったら(芸人になる前にやっていた美容師に)戻ればエエか、くらいのモチベーションで。 ――手に職は強い。 BKB あとは、周りの芸人が「川崎も、なんやかんや味あるし」みたいなことを言ってくれて。いま思えば無責任なねぇ(笑)。あの頃は戸惑いしかなかった。あらためて相方ってすごかったんやなって。僕ももちろんネタを書いたことがなかったわけじゃないんですけど、いきなりピンのネタは難しくて……。 ――自分と向き合わなきゃいけない……。 BKB 自分を客観視する方法が、わからなかったんですよ。それで何を思ったか、1発目にやったネタが、妖怪。 ――どんな妖怪なんですか? BKB 妖怪「ひょうすべ」。人を笑い殺す九州の妖怪です。1発目がそれやったんで、みんな「……頑張ってんな」と思ってくれたらしいですが(笑)。 ――ひょうすべで、BKBさんのピン芸人としての路線が固まったと。 BKB 漠然とね、インパクトのある格好や見た目じゃないとアカンやろなと。(レイザーラモン)RGさんとか、すごいじゃないですか。いろんなキャラ、面白い見た目、物まねとかどんどん作り出していって、なおかつ自然に演じてる。僕はそんなタイプじゃなかったんで、気質的に。派手なことを思いつく人間じゃないんですよ。
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■「ブレーク間近」芸人から一転、ついに何も言われなくなった ――普段のBKBさんは、どんな感じなんですか? BKB 明るくはないかもしれない……。でもピン芸人って、そういう人多いですよ。もう中学生さんとか、巻き添えにさせる形になりますけど(笑)、明るくない。 ――BKBさんのTwitterやインスタグラムを拝見すると、普段の私服めちゃめちゃオシャレですよね。だけど、ウィキペディアには「センスがないから、美容師をやめようと思った」と。 BKB 美容師の免許は、勉強すれば取れるじゃないですか。美容院で3年働いて、シャンプーとか毛染めとか、一通りのことはできるんです。だけど、いざお客さんがフリーでついて「私に似合う髪形を」と言われると、わけわからんくなっちゃって。美容理論というものが。美容師って、美容を好きな人じゃないと絶対続かない。変な話、給料は安い、労働時間は長い。その上で、休日の講習会に自分から参加する人もいる。自分に、その情熱はなかったんですよ。 ――なるほど。 BKB でも、そのおかげで、大阪時代は芸人の髪は切りまくってましたけどね。それで仲良くなった人もたくさんいる。飲みに行くのと同じくらいの時間、一緒にいられるんで。「明日なんの仕事なんですか?」とか、ほんまの美容師みたいですけど(笑)。銀シャリの橋本直さんも、それで親友くらい仲良くなって。あと、なんばグランド花月の支配人さんの髪の毛も切ってました。 ――偉い人押さえてますね(笑)。 BKB それで「単独やるか?」って言ってもらえた(笑)。いやいや、ウソですけど。 ――でも、これだけたくさん芸人さんがいらっしゃると、ただ「面白い」だけでは生き残れないというか、人付き合いや運も大切になってきますよね。 BKB あると思いますよ、流れとか。日ごろの行いとかもあるんかなと。あんまり文句ばっかり言ってたら、アカンよな、とか。言霊ですよ。 ――言霊(笑)。 BKB スリムクラブの真栄田(賢)さんがずっとこんなこと言ってくるんですよ。宇宙がどうとか、引き寄せの法則とか、人は鏡とか。 ――今回BKBさんをインタビューさせてもらいたいなと思ったのも、BKBさんはずっと「ブレーク間近」と言われ続けてらっしゃるじゃないですか。でも、こう……。 BKB (笑)。2012年の年末の「次来るぞ」が1発目でしたね。13年に入って、今年来る芸人の6位になって。14年は「R-1」の決勝に行って、15年も辛うじて「女子高生に軽くブーム」みたいな枠に入った。そして16年、ついに何も言われなくなりました。 ――ブレークしたからではなく……。 BKB してない。ブレークしそう芸人の中では、だいぶ上位だったのに。ブレークしそうでしなかった芸人という枠があるならば、絶対にノミネートされる人間だと思います。 ――「ブレークしちゃうと終わっちゃう」みたいな考え方もありますよね。 BKB しすぎるとね、一発屋というね……でも、いいんですよ。もともと一発屋になりたくて、この芸風始めたんで。本来、それでよかったんですよ。ブレークして、このキャラを成仏させられれば。だから正直、考えていた流れではないんですよね。流行語ノミネートもされたかったのに。知ってる人は知ってる。だけど、知らない人はまったく知らない。そんな中途半端な存在です。 ――その立ち位置も、なかなかじゃないですか。 BKB 先輩にもそう言われます。「ええとこおると思うで」と。売れているわけじゃないけど、仕事がゼロというわけでもない。
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■素の「川崎」も見せたい ――ご本人的には、どのあたりがブレークに足りないところだと思っていますか? BKB おそらく、BKB以外を見せれてないんですよ。ラジオとか呼んでもらったときに、これも手前みそですけど、「こんなしゃべれるんですね」って言われることが多い。「正直、ずっとテンションの人だと思っていた」と。それは自分で作り出したイメージだからいいんですけど、ただ人間味みたいなものを出せてないんやろな……とも思います。 ――人間味かぁ。 BKB そもそもサングラスかけちゃってますしね、これも失敗したなと思っていますよ。ネタ中、たまに外して小笑い取りますけど。 ――外して人前に出るのは、不安になりますか? BKB 恥ずかしいですね。サングラスが良くも悪くもガードしてくれるんで。スベってもウケても。「うらやましいな、サングラス」って言われることもあります。でも、僕からしたら表情を見せられる機会が減ってて、街歩いててもほとんど指さされないですし。ブレークするには、テレビが何を求めているのか、瞬時に察して対応しなきゃいけないんですけど、難しいですよ。BKBを求めているのか、それとも素の川崎を求めているのか。常に頭の中に2つあって混乱するんです。その 0コンマの遅れが、結果スベりにつながる。 ――永野さんのブレークをご覧になって、いかがですか? BKB 永野さんって、ギャガーのようでギャガーじゃない。長い芸歴の中で鬱屈した思いを、ストレートに思いついた順番にババババってしゃべってるイメージがある。決して「善人」キャラではなく。 ――BKBさんも、どちらかといえばそちら方面……? BKB 「幸せみんなハッピー」って、言ってますけどね(笑)。このまま芸歴いったら……いい人ぶってますけど、根の根ではね……そういう気質ですから。 ――BKBさんは、最終的にどんな芸人になりたいとお考えですか? BKB そうですね……欲を言えば狩野英孝さんなんですけど、たぶん無理なんですよ。あの人マジなんで。僕はコントが好きなんで、できればそっち方面でいきたいです。 ――バカリズムさんのような? BKB バカリさんとか、劇団(ひとり)さんみたいなことはできないですけど、好きですね……DVDも全部持ってます。 ――BKBとの両立は? BKB BKBはBKBであって、うまく使い分けられればいいと思うんですよ。盛り上げるときはBKBで。今後はサイゾーさんに書いてもらったように「川崎」の面も出せたらいいですよね。僕、『内村プロデュース』(テレビ朝日系)がすごく好きで、内Pで初めて(さまぁ~ず)三村(マサカズ)さんを知ったんです。むちゃくちゃ腹抱えて笑った。そういう入りをしたもんですから、バナナマンさん、東京03さん、バカリさん…… ■鏡は先に笑わない ――東京の香りのする芸人さんたちに憧れると。 BKB ないものねだりなんでしょうけど。今年の「R-1」はBKBを封印してコントで挑戦したんですね。ピンスポに白いドア1枚、シルクハットかぶって正装した僕がドアから出てくる。「おっと部屋を間違えました、失礼」から入るという。 ――すごい。 BKB ほぼ小林賢太郎さん(笑)。それこそ周りからは「何してんの?」って言われましたけど。BKB1本で頑張るっていう考えもあるんでしょうけど、でも同期のアキナは昔から「BKBのコント好きやで」「続けてたら、いつか懐刀になるから」と言ってくれていた。今度の全国ツアーではコントもあり、もちろんBKBもありで、やろうと思ってます。観た人から「元気でたよ」って言ってもらえるようなライブにしたいですね。 ――すごくポジティブにまとめていただいたのに、すみません……BKBさんとお話ししていると、うっすらした“闇”を感じてしまうのは、なぜでしょうか……? BKB  闇……確かに自己啓発とか好きですし。「鏡は先に笑わない」っていう言葉知ってます? ――知らないです。 BKB 自分が笑わないと、鏡の中の自分も笑わない。それは、人生においても一番意識しなきゃいけないことなんですよ。なぜなら、人は「鏡」なんで。いい言葉だ。 ――BKBさんは、自己啓発キャラもいいと思います。 BKB 一時、BKBでスベったあと名言でフォローするっていう流れは、やってましたよ。「限界ちゃうねん、壁やねん」とか。自分が限界だと思っていることも、単なる壁であり、いつか乗り越えられる。好きなんですよ、名言が。名言があれば、いつでも口角上げること意識できますしね。 ――あまり普段口角上げること、意識してないかもしれない。 BKB え? 意識しないで自然に笑えるんですか? ――自然に笑えないんですか? BKB そう、そうっすね……。でもファンの人、見てても思うんですよ。子どもでもほんと、ある一部の子どもは、すごく喜んでくれる。「部活つらかったけど、BKB見たら頑張ろうと思いました」とか言われたこともあるし。 ――ファンの方にも、若干の闇が。 BKB 普通に「面白い~」じゃなくて、一個なんか悩みとかが乗っかってる(笑)。確かに「バイクだけにブンブン」ってお客さん全員でやったりすると、宗教じみてるときありますね。 ――BKBさんには、その素質があるのかもしれない……。 BKB バイク教祖バイク。 (取材・文=西澤千央) ●バイク単独バイク「10周年全国ツーリング」(全5都市) 7月2日(土)大阪・ABCホール (前売り完売御礼! 当日券若干あり) 7月18日(月・祝)宮城・仙台福祉プラザふれあいホール 7月30日(土)広島・よしもと紙屋町劇場 8月5日(金)福岡・イムズホール 8月19日(金)東京・ルミネtheよしもと <http://news.yoshimoto.co.jp/2016/04/entry47769.php

二極化する世界への違和感──『FAKE』森達也が“ゴーストライター”佐村河内守を撮ったワケ

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撮影=後藤秀二
 オウム真理教の信者を追ったドキュメンタリー映画『A』『A2』の森達也監督にとって15年ぶりとなる単独監督作『FAKE』が、6月4日から渋谷・ユーロスペースほか全国で順次公開される。  今回は、あのゴーストライター騒動でおなじみの、元“現代のベートーベン”佐村河内守を追ったドキュメンタリー映画。  騒動の大きさとともに、あまりにもうさんくさすぎるルックスのせいで「ミスター・ペテン師」として日本中に知られることとなった佐村河内氏を、森監督がどう料理するのか!? いろんな疑惑を暴いてくれるんじゃないか? ……と、公開前から期待が高まりまくっている『FAKE』だが、森監督のカメラに切り取られた佐村河内氏は、ワイドショーなどで繰り返し紹介されていた「ペテン師」キャラクターとはまた違った面を見せており、映画を見た人は良くも悪くも、佐村河内氏をちょっと好きになってしまうことだろう。  とにかく、何がフェイクで何がフェイクじゃないのか? そもそも、これは本当にドキュメンタリー映画なのか!? ……など、余計なことまで深読みしまくって、いろいろと語りたくなってしまう映画『FAKE』が、今年最大の話題作となるのは間違いなさそうだ。  ……というわけで、公開を記念して森達也監督に『FAKE』について話を訊いてきたのだが、訊けば訊くほど、ズブズブとフェイクな沼にハマっていくような感覚も……。とりあえずみんな、映画を見て、自分で判断してくれ! ■「フォトジェニックだな」と思ったから ――まずは、『A』『A2』『311』ときて、なぜいきなり佐村河内さんだったのかというのを聞きたいのですが。  彼に会ったから。 ――それだけですか?  はい。 ――もうちょっと何かあるのでは?  ……そもそも、彼のことを知りませんでした。新垣(隆)さんの記者会見に端を発して例の騒動になったときも、「へえ、こんな人がいたのか」くらいの感じです。それからしばらく過ぎて、2014年の8月頃に、知り合いの編集者から「佐村河内さんの本を書きませんか?」って依頼が来たのだけど、最初は断りました。忙しかったし、あまり興味もなかったし。 ――あのゴーストライター騒動自体には、興味がなかった?  はい。でも、その編集者が、とても熱心に誘ってくれたんですね。「メディアの報道とはまったく別な面が見られるから、一度会ってみてほしい」と。それで、話のタネになるかな……くらいのレベルで、佐村河内さんの家に行った。2時間くらい話してから、「あなたを映画に撮りたい」と言いました。 ――そのとき編集者は?  隣の椅子で呆然としていました。申し訳ないことをしちゃった。 ――本を書いてほしいと頼んでいたのに……! 会う前は興味のなかった佐村河内さんを、急に撮りたいと思ったのはなぜですか?  彼が話す内容自体よりも、「フォトジェニックだな」って思ったんです。佐村河内さんだけじゃなくて奥さんもいて、猫もいて、ベランダに出たら、すぐそこに電車が走ってて……そういった、いろんな要素がね。これは活字じゃなくて、映像向きだなと思ったんです。 ――佐村河内さんは、すぐにオッケーしてくれたんですか?  その場では、即答してくれなかったですね。奥さんも嫌がった。でも、奥さんが撮れないんじゃ、成立しないと思っていた。 ――まあ、奥さんからしたら、撮られるメリットはないでしょうからね。  マイナスですよ。佐村河内さんはほとんど部屋から外に出ないけど、奥さんは買い物や銀行に行ったりする。この映画で顔を出したことによって、もしかしたら買い物にも行けなくなるかもしれないですから。 ――奥さんがオッケーした決め手は、なんだったんでしょうか?  明確に許可はもらっていないです。なし崩しです。映画の冒頭で、テーブルの上にカメラを置いて「たぶんここは使わないから」とか言い訳をしながら撮影しているカットがありますけど、あの時点では、奥さんの撮影はダメだったんです。その後、なし崩し的にオッケーにしちゃったんです。
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■当たり前だけど、全部グラデーションなんです ――やっぱりみんな気になるのは「耳は聞こえるのかどうか」「作曲しているのかどうか」という点だと思いますけど、森さん自身はこの疑惑に対して、どういったスタンスで撮影をしていこうと思っていたんでしょうか?  うーん、事実なんて僕にはわからないですから。それまでいろんな報道を見てきて「ずいぶんウソをついている人なんだな」と思っていたけど、実際に会って話を聞いたら「そうではない」と彼は言う。それで、映画の中にも出てくるいろんな資料を見せられたりして……。それ自体には強い興味を惹かれなかったんですが、一生懸命それを説明している彼と、手話通訳する奥さんと、向こうにいる猫と……その状況が面白かったんです。  まあ、いずれにしても、「どっちが正しい、どっちが間違っている」と決めつけるメディアや社会に対して、違和感があったことは確かです。佐村河内騒動が起こるちょっと前に、食品偽装問題ってあったでしょ? 大正エビと思って食べていたら、別のエビだったからけしからんとみんなは怒っていた。でも、おいしければどっちでもいいじゃんと思うんだけどね。STAP細胞騒動もほぼ同じ時期です。それから朝日新聞の従軍慰安婦報道騒動。あの時は産経、読売……とほぼ全メディアが、「国賊」とか「反日」などの語彙を使いながら朝日を罵倒しました。でも「吉田証言」を根拠にした記事を出したのは、ほかのメディアも同様です。確かに朝日は回数が少し多かったかもしれないけれど、それを理由になぜここまで無邪気に叩けるのか、僕にはさっぱりわからない。  これら全部に共通していることは、真実か虚偽か、正義か悪か、極端に二分化されているということです。それがとても気持ち悪くて。現実ってそんな単純なことじゃないはずなのに、なんでこんなに二極化が進行しているんだろうっていう気持ちがあったんですね。  もしかしたら、彼を撮ることで、そういうことに対しての違う視点みたいなものを提示できるんじゃないか……という、直感みたいなものがあったのかもしれないですね。……まあ、半分は後付けの理屈だけど。 ――ネット時代になって価値観が多様化したかと思いきや、「叩いていいぞ」っていう人が出てきたらみんなで一斉に叩きまくって、擁護する人間は許さない……みたいな傾向は強くなっていますよね。  葉っぱを絵に描こうと思った時に、緑色の絵の具をそのまま使う人はまずいないでしょ? そこに茶色を足したり、黄色を足したりするじゃないですか。それがリアルであって、世界なんです。でも今のメディアは、わかりづらいとの理由で、情報を四捨五入して簡略化してしまう。その帰結として、世界が原色になる。雪は白だし空は青。つまり世界が矮小化される。ならば、それこそがフェイクです。しかも扁平。どんどん世界がつまらなくなって、息苦しくなっているなと感じています。別に、みんなが「黒だ」と言っていることを「白だ」と言うつもりはないけれど、「もっと間にいろんな色があるんだよ」とは言いたいですね。 ――聞こえる、聞こえないの間に、いろんな要素があるということを言いたかったと?  佐村河内さんの症状は、「感音性難聴」です。聞こえる音と聞こえない音があるらしい。たとえば、こういう音(机をコンコン叩く)は聞こえるんですね。彼は「曲がって聞こえる」と言っていますが。体調によっても、聞こえる日と聞こえない日があったり。それに彼は口話ができるから、相手の口の動きで、言っていることが読み取れたりもする。でも、初対面の相手だとほとんど読み取れない。……だから、全部グラデーションなんです。さまざまな色があるんです。当たり前のことだけど、1か0かじゃない。  でも、メディア的には「聞こえるか聞こえないか」になってしまう。それまでは「全聾の天才作曲家」と呼ばれ、騒動後は「聞こえているのに聞こえてないフリをしていたペテン師」です。間の領域が見事にない。 ――そういう症状について、映画の中では、あまり細かく解説はしていないですよね? 解説があったほうが、わかりやすいかなとも思うのですが。  もちろん、わかりづらいよりはわかりやすいほうがいいけれど、わかりやすさを求めるベクトルは、四捨五入や単純化と同義です。慎重さは必要です。  実際に存在するものしか撮れないからこそ、ドキュメンタリーにおいてはメタファーが重要だと僕は思っています。つまり暗喩。何かを撮りながら、違う何かを想起させる。その意味で、この映画では、聴覚障害は重要な要素ではあるけれど、メタファーの材料でもあるわけです。それを正確に理解することへの優先順位は、必ずしも高くはない。  最初に撮影を依頼したとき、同時に「あなたの名誉を回復する気は全然ない。自分の映画のために、あなたを利用したい」と僕は言いました。彼も、それは納得してくれました。そもそも感覚は、他人には絶対に共有できない。僕が見る黒色は、誰かにとってピンク色かもしれない。正解は誰にもわからない。どこまで行ってもグレーゾーン。そこを白黒ハッキリさせるということが、この映画のテーマじゃないので。 ――森さんの表現のために佐村河内さんを利用するということですが、映画の中で、いろいろと演出をしているじゃないですか。「アレをやってください」「コレをやってください」って。ドキュメンタリーを撮るにあたって、撮影者の作為が入ってくるのはアリだと思いますか?  全然アリというか、それが当たり前です。辞書で「ドキュメンタリー」って引くと、演出や脚色の一切ない客観的な……どうのこうのって書かれていますけど、ならばそれは監視カメラの映像です。映画は作品ですから、僕の作為や視点は当然反映されます。  ドキュメンタリーの演出は、化学の実験に似ていると思います。ここにフラスコがある、そこに被写体を入れます、それを火であぶったり冷却したり振ったり、場合によっては、僕がカメラを持ってフラスコの中に入っていったりもする。その過程とか相互関係を描くのがドキュメンタリーだと思っています。そもそもカメラが撮れるのは、カメラによって変容した事実です。人は誰だって演技します。だから、こっちから仕掛けるのは当たり前のことです。客観的にカメラを回しても、作品になるわけがない。というか、主観がなければ、編集はワンカットもできないし、カメラもフレームを決めることはできません。 ――だからこそ、森さんから「アレをやってください」と提案しているところまで含めて映画の中に入れているんですね。  だって相互関係だから、僕の座標軸も示さなくちゃいけない。『A』も『A2』も、全部その座標軸を出しているはずです。でも、テレビのつまらないドキュメンタリーって、作為や主観を隠して、カメラをないものとしてしまう。そのほうが客観的に見えるから。でも、客観的な映像などありえない。 ――新垣さんが浮かれたテレビ番組に出ているのを佐村河内夫妻が見ているシーンなんかも、森さんからの提案なんでしょうか? 佐村河内さんからしたら、あまり見たくない番組だと思いますが。  意図的に見せようとしたわけじゃないですが、あの頃は、ほぼ毎日のように新垣さんがテレビに出ていたんで、撮影している中でテレビをつけると、相当な確率で新垣さんが出てくるんです。確かに佐村河内さんは「あまり見たくない」とは言っていましたけど、「見ましょうよ」くらいの提案はしましたね。 ――佐村河内さんが出演を断ったバラエティ番組に、代わりに新垣さんが出ていじられまくっているのを、暗い部屋の中で佐村河内夫妻が見ているのは、いろいろと印象的なシーンでした。  映画の中ではフジテレビのバラエティ番組がたまたま俎上に載っていますけど、メディアに関わっている人だったら、あの人たちと自分との違いなど口にできないはずです。僕だってあの立場なら、きっとああいうことをやりますよ。本人に悪意はなくても、表現は絶対に誰かを傷つけるんです。テレビの場合は、忙しすぎてルーティーンになっちゃってますから、そればっかり考えていたら前に進めなくなるというのはわかりますけど、たまには自分たちが人を傷つけているんだっていうことを意識したほうがいいと思います。  僕がテレビをやっていた時代の先輩たちは、そういう意識があったと思う。「どうせオレたちはハイエナだ」とか「人の不幸を飯の種にしているんだ」などと。つまり、後ろめたさです。メディアに携わるのなら、この意識だけは持ち続けたほうがいい。でも、今はテレビ局が超優良企業になってしまい、その意識がとても淡くなってしまった。後ろめたさをなくしたら、報道は正義になってしまう。それは絶対に違います。 ――あのバラエティ番組のほかに、報道番組からの出演オファーがあって、そっちには佐村河内さんが出演したらしいですね?  その番組では彼のインタビューを、僕から見ても、とても公正に紹介しました。ところが、その番組は、まったく話題にならなかった。誰かを叩いたり、ちゃかしたりする番組は話題になるのに、真摯に彼の言葉を紹介した番組だと全然話題にならない。 ――そうなると、視聴率を追い求めるテレビ番組では、そういう言葉を紹介できなくなっちゃいますよね。  つまり市場原理です。メディアは社会の合わせ鏡として機能する。よく「マスゴミ」などと嘲笑する人がいるけれど、それは自分たちをゴミと言っているに等しいんです。
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■佐村河内さんはチェックしていません ――映画の中で、森さんが佐村河内夫妻に向かって何度も「僕のことを信じていますか?」と言っていますが、あれはやはり信頼関係を築かないと、この映画は撮れないと思ったからですか?  うーん……。信頼関係ってよくみんな言うけど、信頼関係なんてなくてもドキュメンタリーは撮れるんです。だって、『ゆきゆきて、神軍』の原一男さんと奥崎謙三に信頼関係があるかっていったら…… ――ないでしょうね(笑)。  それでも、あんなにスリリングなドキュメンタリーが成立する。みんな「被写体との信頼関係が前提」とか言うけど、僕は全然そう考えてないですね。 ――じゃあ、なぜ「信じていますか」と、しつこく言ったんでしょうか?  誘導や挑発かもしれないし、手練手管かもしれないし、でもどこかで本音かもしれない……。自分でもわからないですよ。さらに、その場面を映画の中で使っているということにも、何か意味があるのかもしれない。編集には、必ず意味はありますから。説明できるかどうかは別にして。 ――映画の着地点はどこにしようと考えながら撮影していたんですか?  撮り始めた頃は、全然想像つかなかったですね。多くのドラマだったら「ラストはこうしよう」と決めてから撮りだしますけど、ドキュメンタリーですから。まったく手探りで始めています。 ――ある時点から、佐村河内夫妻のラブストーリーを撮ろうという意図を感じたんですが。  うん、そういえばそうだ。ラブストーリーが撮りたかったんだと思いますよ、最初から。 ――本当ですか?  北村さんの誘導かもしれない。 ――(笑)。ラスト近くに、森さんはいなくて、夫妻がお互いに撮影をし合っているという、いいシーンがありましたけど、あれはカメラを預けて撮ってもらったんですか?  カメラを預けたんじゃなくて、2人が自主的にスマホで撮っていたんです。あの時期、もうどうにもこの映画を終わらせられそうになくて、僕は行き詰まっていた。だから、しばらく会いに行かなかったんです。でも、僕が行かない間に彼は、ある行動を起こしていた。何度か「来てください」っていう連絡は来てたんだけど、行く気がしなくて、ほったらかしにしていたんです。  それで、しばらくぶりに行ったら、随分進行しちゃってて。その間の映像がないのはマズイなと思っていたら、奥さんがスマホで撮っていたというんで、それを使わせてもらったんです。 ――そこで、落としどころが見つかったなというのはありましたか?  そうですね。ひとつの終わりにはなるかもな、って感じはしましたね。 ――ところでこの映画、佐村河内さんは内容のチェックをしているんですか?  今の段階では、厳格にはしていません。音が聞こえないんだから、見てもわからないでしょ? まあ、簡易なテロップをつけたものは見てもらいましたけど。ただ撮影中から、「映画は監督のものなので、自分は何も言いません」とは言っていました。その覚悟はしてくれていたと思います。
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(c)2016「Fake」製作委員会
■僕の手のひらの上で勝手にやってね ――「誰にも言わないでください、衝撃のラスト12分間」というキャッチコピーがつけられているので、よっぽどのことがあるのかと試写会で身構えてしまったんですが、僕個人としては、別に言ってもいいんじゃないかなと思ったんですが……。  編集が終わって、宣伝についての打ち合わせの段階で、「ホラーかサスペンス映画で、こういうフレーズがあったよね」ということでつけただけのキャッチコピーなんです……。どうせ(試写を見た)誰かが言っちゃうだろうと思っていたけれど、今のところは誰も言ってないですね。まあ約束うんぬんのレベルではなくて、知らずに見たほうがいいかなと自制してくれたような気がします。それは、とてもありがたいです。 ――『FAKE』というタイトルも相まって、サブカル界隈の著名人たちがいろいろと深読みをしていますが、このタイトルには、どういう意味があるんでしょうか?  深い意味はないです。最近、誰かに言われて気づいたのだけど、僕の映画って今回だけでなく、『A』『A2』『311』と、全部アルファベットと数字しか使ってない。意識のどこかで「意味を出したくない」というのがあるんだと思います。普通、タイトルって、映画全体の意味を凝縮させるわけでしょ? でも「凝縮しちゃダメだろ」と常々思っていて。本来もっと多面的なのに、なんで凝縮しちゃうんだと。今のメディアに対する違和感と同じですね。だから本当はタイトルなしが一番いいんですけど、さすがにタイトルがないと興行できないから、とりあえず『FAKE』と。それも相まってなのか、多くの人が深読みしすぎて、「あそこがフェイクじゃないか」「外国人記者がフェイクだ」「奥さんがニセモノなんじゃないか」とか、いろいろ言われていますけれど……。 ――町山智浩さんが『オーソン・ウェルズのフェイク』との関連性を指摘していましたが、そんなことは……?  その映画、見たことないです。 ――ああー! みんな考えすぎですね。  チラシに「視点や解釈は無数です」と書きましたけど、ちゃんと作品で誘導しているつもりですから、本気で自由に解釈してほしいと思って書いているわけじゃないです。「自由に解釈してもいいけど、僕の手のひらの上で勝手にやってね」というレベルです。まあ深読みする人がいたら、それはそれでいいかなとも思いますが。映像って、そういうものですから。最初に活字じゃなく、映像にしようと思ったのは。そういう想像を広げる余白がいっぱいある素材だなって思ったからです。 ――それでは、次に撮りたいと思っている題材は?  ……これもよく聞かれるけど、今は何も考えられないですね。さっきも言ったように、表現は必ず人を傷つけます。『A2』から15年間も新作を撮れなかった理由のひとつは、『A』と『A2』でたくさんの人を傷つけたという自覚があるからです。HPがほぼゼロになってしまった。今もまた、新作を撮り終えてほぼゼロになっちゃってるんで、ある程度時間がたって、また人を傷つける覚悟ができたら、次の題材を考える余裕が出てくるんだと思います。 (取材・文=北村ヂン) ●『FAKE』 監督・撮影:森達也 主演:佐村河内守 プロデューサー:橋本佳子 撮影:山崎裕 編集:鈴尾啓太 制作:ドキュメンタリージャパン 製作:「Fake」製作委員会 配給:東風  6月4日(土)よりユーロスペースにてロードショー、ほか全国順次公開 <http://www.fakemovie.jp/●同時公開『A2』完全版 森達也監督15年ぶりの新作『FAKE』公開に合わせ、2002年の劇場公開時カットされた幻のシーンを加えた完全版を、ユーロスペースにて上映。 6/18(土)~24(金)21:00 7/9(土)~15(金)21:00

男優さんの手マンテクにびっくり! 美少女AVメーカー「宇宙企画」からデビューの最上架純に注目

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 美少女ものAVの老舗メーカー「宇宙企画」の35周年を記念した逸材発掘プロジェクト第2弾として、KMPの新人発掘コンテンツ「面接ちゃん」で大人気だったウワサの美少女・最上架純がデビューする。タイトルは『純真』(6月24日発売)。現在19歳で経験人数はまだ3人という最上の初々しい魅力がぎっしりと詰まった1本だ。プライベートではアブノーマルなことは一切したことがなかったという最上。デビューを目前に、現在の心境やデビュー作の見所について話を聞いてきた。 ──いよいよデビュー作が発売。どんな作品になっているのですか? 最上架純(以下最上) タイトルが『純真』。ピュアな恥じらいのある感じの作品になっていると思います。 ──撮影の時は、ずいぶん緊張していたと聞いたのですが。 最上 芸能活動も何もしたことがないし、カメラを向けられるのも初めてで……。でも、周囲の方がすごく優しくしてくれたので結構頑張れましたよ。終わってみると楽しかったです。最後はテンション上がって帰りました。なんかうれしい気持ちになっていて(笑)、達成感があったんです。次も頑張ろうかなって。 ──そもそもデビューのきっかけは何だったのですか? 最上 自分から応募したんです。最近急に、こういうAVの世界に興味がわいてきて。 ──昔の彼氏も関係していると聞いたのですが。 最上 そうなんです。わたしはある時期まで全くAVを見たことがなかったんですけど、ある時、付き合っていた彼に好きなAV女優さんがいるのを知って、見せてもらったんです。その女優さんがすごく可愛くて! AVってこんな可愛い人がいるんだって興味を持ち始めたのがきっかけなんです。もともと昔からアイドルに憧れがあったし、わたし自身も可愛い女の子が好きだったので、AV女優さんってアイドルみたいだなって。しばらくしてネットで調べてみたら可愛い人がたくさん出てきて。もっと調べたら、わたしも応募もできるってわかったんです(笑)。撮影の日が決まった後は、楽しみのほうが多かったです。どういう感じなんだろうって。出ることがマイナスだとかは、全然思わなかったです。
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──プライベートでは経験人数がまだ3人と聞きました。いきなりAVの世界だと刺激が強かったのでは。 最上 もともとそんなにエッチに興味があるほうでもなかったんです。でも最近、急に性感帯が増えてきたりして、いろんなことしてみたいって思いはじめた矢先だったんです。コスプレとか3Pにもひそかに興味があったし(笑)、これまで付き合った彼もあんまりアブノーマルな人がいなかったので、エッチのときも毎回普通な感じ。そんなに体位を変えることもなかったので、あんまり満足できていませんでした。イッた経験も2回くらい。でもそれも彼氏が持っていた電マでイカされたという感じで(笑)。 ──出演を機に、プライベートで交際する人のタイプも変わっていきそうですね。 最上 でも、正直、プライベートではあんまりアブノーマルなことはやりたくないかな。AVだったら割り切ってできるって考えてAVの世界に飛び込んだんです。 ──今回初めてプロの男優さんと絡んでみてどうでしたか? 最上 全然よかったです。昔は愛がないとダメとか考えていたんですけど、最近はそういうふうに思わなくなったというか、気持ちいいほうがいいなって思っていたので。たぶん、愛がなくてはダメって考えていたら、男優さんとはできないですよね。わたし、変わりましたね。いろいろ、本当に……。 ──撮影では何が一番刺激的でしたか? 最上 潮吹きですね(笑)。初めての経験だったんですけど、プライベートでも、2回くらい、エッチの時におしっこが出そうになってトイレに行った経験はあって、今思えばそれだったのかなって。プライベートじゃこんなこと絶対できないけど、撮影なので気持ちも開放的になっていて、思い切りという感じでした。結構量が出たのでびっくりしました。あと、最初の絡みはやっぱりすごく衝撃でした。男優さんってやっぱりすごいんだなって。特に手マンが上手いです。ツボをわかっているなって。撮影が進むにつれて、わたしもどんどん気持ちが開放されて、知らない間に積極的になっていったんですけど、あれこれ頑張っていたら最後は筋肉痛になってしまいました(笑)。 ──プライベートのことも教えてください。学生時代はどんな子だったんですか? 最上 勉強が好きなタイプではなかったですね。いつも学校が終わったら友達とかと遊びに出かけていました。見た目はけっこう派手なタイプだったかもしれないですけど、遊んでいる内容とかは今思うとまじめだったなって。中学のときもバドミントン部だったんですけど、部活はあんまりまじめにやっていなかったです。出歩いてばかりだったけど、門限が厳しかったので(夕方の)6時には家に帰っていました。化粧を覚えたのが中2くらいだったかな。お洒落に興味を持って、可愛くしたいってそればかり考えていましたね。
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──容姿もいいし、学生時代は結構モテたんじゃないですか? 最上 モテたかもしれないですね(笑)。高校一年くらいのときとか、一番モテた時期だったか。 ──どういう人が寄ってきました? 最上 結構、幅広かったです。学校ではギャルの子とかが周りにそんなにいない環境だったので目立っちゃっていたんです。アドレスとかたくさん聞かれたんですけど、その頃は興味がなかったので全部断っていました。付き合った人もいたけど、わたしのほうから好きっていう感じの人はいなかったです。制服デートとかに憧れていたのでちょっと付き合ってみようかなって。そういう感じでした。 ──初体験は17歳。 最上 そうですね。すごく興味があったので、最初の彼氏とつき合って3カ月くらいでしました。 ──経験人数は3人とのことですけど、いろいろ言い寄ってこられる中、少ない数字に聞こえます。 最上 彼氏以外の人とはほとんど経験はないんです。今回のAVが初めてかも。クラブとかに行ったりするタイプでもなかったので。あんまり弾けた経験も持っていないです。レズってわけではないんですけど、可愛い子が好きで、男の子より本音はアイドルさんとかのほうが好きだった(笑)。 ──付き合うときは自分から好きな人にアタックするという感じですか? 最上 いやいや(笑)。わたし、絶対自分からは言えない性格なんです。恥ずかしくて。何回かすごく片思いをした経験がありますけど、自分の思いが強いときはむしろ成功しないんです。わたしなりに頑張っても、なかなかうまくいかなくて。なんだか、へんなプライドがあって、好きな人の前で恥をかきたくないって、諦めちゃうタイプなんです。完全にいけるっていう確信がないといけないんです。いける子がうらやましかったです。絶対そういうほうが幸せじゃないですか。未だに理想の彼氏とは出会っていないですよ。
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──どういうタイプが好きなんですか? 最上 どうだろう。まじめな人がいいです。ちょっと悪そうな人も好きです。三代目(三代目 J Soul Brothers from EXILE TRIBE)の今市(隆二)さんとか(笑)、好きなんです。笑った顔が可愛い。ライブとかも行ったりしているんです。GENERATIONS( GENERATIONS from EXILE TRIBE)も好きですね。 ──こうして見ていると板野友美さんにちょっと似ていますね。 最上 言われます。髪型によっていろいろ言われるんです。ショートだと麻里子様(篠田麻里子)とか(笑)。 ──自分の体のパーツではどんなところが好きですか? 最上 お尻です。いろんな人に褒められたので、うれしくて。お尻の肌も綺麗って言われて。おっぱいはずっとコンプレックス。今でもDくらいになりたいって願望を抱いています。昔付き合った彼氏には、これくらいのサイズがいいって励ましてもらったこともありますけど(笑)。 ──性感帯は? 最上 耳とか鎖骨とか。おっぱいも弱くなってきています。前戯がすごく大切。それで気分が変わったりもするんです。 ──やってみたい体位というか、好きな体位ってあるんですか? 最上 好きな体位は実は正常位です。行為の派手さより、入る角度だと思っているんです。立ちバックも好きです。撮影でやる上ではあんまりハードすぎるのは不安もあるんですけど、慣れてきたらもっといろいろできるかなって思っています。
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──フェラチオとか、自分から責めるエッチはどうですか? 最上 基本はされるほうが好きなんです。ちょっとMなのかも(笑)。フェラチオはプライベートで一度だけ相手をイカしたことがあるんです。でもすごく疲れました。その人は好きな人だったので頑張ったんです。撮影ではジュボジュボ音を立ててフェラチオするのがすごく難しかったです。最後までできなかったんです。それが悔しくて。次は絶対できるようになっていたいです。 ──デビューを終え、今後はどんな感じで活動していきたいですか? 最上 プライベートでは絶対できないことにチャレンジしてみたいです。あと、イベントなんかにも出れるということでそういう部分も楽しみです。外の活動も頑張りたいです。 ──女優業はこれからもずっと続けたい? 最上 長くやりたいです。CAとか定番のコスプレもどんどんやってみたい。アニメだと『進撃の巨人』が好きなので、調査兵団の格好でやってみたい! やる気だけはあるので、いろんなことを楽しんでやっていきたいです。みなさん、応援よろしくお願いいたします! (取材・文=名鹿祥史) ●最上架純公式サイト http://www.km-produce.com/mogami_kasumi/

少年A、ネオむぎ茶、加藤智大、片山祐輔……「キレる17歳」と呼ばれた世代の“その後”

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著者の佐藤喬氏
 神戸連続児童殺傷事件(1997年)を起こした「少年A」や、西鉄バスジャック事件(2000年)の「ネオむぎ茶」、そして、土浦連続殺傷事件(08年)の金川真大、秋葉原事件(08年)の加藤智大。日本の犯罪史上に深く刻み込まれたこれらの事件の犯人たちは、1982~83年にかけて生まれた同世代だ。思春期には「キレる14歳」「キレる17歳」と言われ、社会から「不気味な若者」というまなざしを向けられてきたこの世代。そんな世代の特徴を、時代的な背景から浮き彫りにしたのが、83年生まれの佐藤喬氏による著作『1982 名前のない世代』(宝島社)だ。  思春期の頃には、当時の大人たちから多くの言葉が投げかけられ、さまざまな分析を施されてきたにもかかわらず、彼らには「ロスジェネ」や「ゆとり」といった世代を代表する名前が存在しない。いったい、82~86年にかけて生まれたこの「名前のない世代」とは、どのような存在なのだろうか? 「大人になれない」「オタク」「共感」といったキーワードから、この世代の特徴が浮かび上がってきた。 ――佐藤さんと同じく83年生まれの同世代として、本書はとても興味深い内容でした。まず、この本を書いたきっかけから教えてください。 佐藤 僕の世代の上にはロスジェネ、下にはゆとり世代がいる。彼らについての本はたくさん書かれているのに、この世代についての本がないのはなぜだろうと不思議に思っていたことが発端でした。特に昨年、元少年Aの名義で『絶歌』(太田出版)が出版されてからは誰かが書くのではないかと思っていたのですが、やはり書かれない。本書を執筆していてわかったのは、書かないのではなく、書きたくないということ。この世代は、世代論を避けてきたのかもしれません。 ――10代の頃に「キレる14歳」「キレる17歳」と言われ、メディアではさんざん世代の特徴について語られてきました。同じ世代を生きてきた人間として、「書きたくない」という気持ちはとてもよく理解できます。 佐藤 僕も正直言って、世代論は嫌いですし、子どもの頃も、大人たちに対しては「勝手なことを言いやがって」という気持ちがありました。もちろん、僕らの世代を批判するような論調のものには反抗したくなる一方、好意的な論調も気持ち悪かったんです。神戸連続殺傷事件のとき、少年Aの犯行声明文について「文学的」などという意見を述べていた大人たちもいたのですが、僕は「いや、単なる中二病だろう」と思っていた。もちろん、当時は中二病という言葉も生まれていませんが。 ――この世代には、言葉にしにくい「気分」のようなものが流れていると思います。本書でも言及されている少年Aや、秋葉原事件の加藤智大、西鉄バスジャック事件のネオ麦茶などの犯罪者は、あくまでも特殊例です。けれども、同世代としては、彼らに対してある種の共感も覚えます。 佐藤 今までの世代論は、無理やり共通項を見つけて語るか、特殊な個人に代表させて語ってきました。でも、この「気分」を形にするためには、どちらも不適切だったんです。だから、無理やり形に当てはめるのではなく、ぼんやりとしたものを浮かび上がらせながら共通項を探していきました。同じ30数年間を過ごしてきたのだから、時代を示していくことで、世代の輪郭が浮かび上がってくるのではないかと考えたんです。 ――この世代が過ごしてきた時代とは、どういうものでしょうか? 佐藤 思春期の入り口には阪神大震災が発生、オウムが「地下鉄サリン事件」(95年)を起こし、神戸連続児童殺傷事件(97年)がありました。翌年には、13歳の少年がバタフライナイフで教師を刺殺した栃木女性教師刺殺事件が起こります。その一方で、インターネットが普及し始め、世界が変わるかもしれないという希望が生まれた。有権者となる00年代には小泉純一郎が総理大臣になり、新自由主義的雰囲気の熱を経てから、しかし格差社会の時代に突入していく。加藤智大が事件を起こしたのは、社会人として仕事に慣れてきた08年です。そして、われわれが20代後半を迎えると、東日本大震災(11年)が発生しました。切れ目切れ目で、重要な事件が発生しているんです。そしてこの後、2020年には東京五輪が控えている。 ■オタク文化の全盛期 ――オタク文化が前面に出てきた時代であったことも、この世代の特徴として挙げられます。その背景には、多くの人間が「14歳」の当事者として『新世紀エヴァンゲリオン』(95年)を見てきたことも関係しそうですね。 佐藤 この世代にとって、秋葉原はひとつのキーワードかもしれません。加藤智大も金川真大も、事件前後には「メイド喫茶」に行っています。00年代になると、オタクたちが、表舞台に登場していくんです。97年に僕が初めて秋葉原に行った時には、マクドナルドと牛丼サンボくらいしか食べるところがなかったのに、どんどんと店も増えていった。同時期に東浩紀の『動物化するポストモダン』(講談社現代新書、01年)や、大塚英志の著作などが話題となり、オタクや「オタク的なもの」が社会で存在感を持った。 ――そして、そんなオタクの地位向上は、現在のクールジャパンへとつながっていきます。 佐藤 ただ、『エヴァ』をはじめ、『ドラゴンボール』や『ファイナルファンタジー』など、この世代の代表的なコンテンツが「終わりそこねている」んです。卒業できず、次に進めていない。大人になりきれていないから、終わりそこねて「こじらせている」面はあるでしょう。 ――ある意味では、終わらないことを強いられた。 佐藤 そういったコンテンツを作ったのは、僕らの上の世代です。ネットも2ちゃんも。僕らの世代は与えられた世界の中で右往左往するばかりで、当事者になり損ねたんです。 ――そんなわれわれの世代と、下の世代とは様子が違うのでしょうか? 佐藤 次の世代というと、SEALDsが特徴的です。いろいろな意味で、彼らの登場は衝撃的でした。僕が20代前半のころは、やはり同世代の『電車男』にあるようにオシャレに四苦八苦していたのに、彼らは自然体な上に、センスがいい。その衝撃は、僕らの世代でないとわからないかもしれません。古谷経衡さんが書いていますが、SEALDsは政治の問題ではなく、文化運動として驚異的なんです。 ――彼らの活動の中には、政治運動としてのメッセージだけでなく、洗練されたカルチャーとしての側面もありますね。 佐藤 また、そんな彼らの活動に対して、上の世代が積極的に語りかけようとします。知識人と学生とが政治やカルチャーを通じてつながる中、僕らの世代はその間で「名前のない世代」として孤立している気がするんです。 ■共感の時代 ――ほかの世代とつながれない一方、ブログやTwitterでは自分語りを好むのも、世代的な特徴かもしれません。 佐藤 同世代の人が書いた本書のレビューに散見されるのが、著者である僕のエピソードが書かれていないということ。この本のような批評やノンフィクションには著者が出てこないのは当たり前なのに、本には自分語りがあるものだという前提があるんです。この世代には、自分語りでこそコミュニケーションが成立すると思い込んでいる人が多いかもしれません。 ――どんどんとクラスタが細分化され、同時に、狭いクラスタ内では過剰に「共感」がもてはやされるようになったのも00年代でした。どことなく、「共感」を媒介にしないと他者とつながれないという気分も抱えています。 佐藤 いわば「共感依存症」ですが、狭いクラスタの中で行われる共感は気分でしかないので、あっという間に敵対性へと反転して「炎上」を誘発します。そうすると、クラスタの中にいることができず、追い出されてしまう。だから、いつかクラスタを追い出されてしまうかもしれないという恐怖がある。その典型が加藤智大ですね。 ――彼は、ネット上の掲示板の中でなりすましの被害に遭ったことから、事件を引き起こしたと語っています。 佐藤 加藤が、共感を求めていたから犯罪に走ったと言っているわけではありません。ただ、彼は常に追放されるのを恐れながらも共感を求めて掲示板に出入りし、結局追い出された。もしも、彼が共感に価値を認めていなければ、違う行動を取ったかもしれません。 ――その意味では、共感ではない、自分語りではない、別のコミュニケーションの方法を生み出すことは、世代的な課題かもしれませんね。 佐藤 だから、この本を読んだ読者には共感をしてほしくない。共感ではなく、違和感や驚きを受け取って、納得してほしいと思います。この本は俗流世代論には否定的ですが、世代論を否定しているわけではありません。時代がある以上、世代があるのは事実です。ただ、表現しにくいというだけ。でも、棚卸しをしないと、結局、出発できない。だから、同世代に対しては「いったん整理して、卒業しませんか?」という思いも込めています。 (取材・文=萩原雄太[かもめマシーン])

ヘビメタ風衣装に奇妙なメイクで、珍奇な歌を熱唱! 謎のおじさん・ジャガーさんを直撃

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今日もキマってます!
 1980~90年代にかけて、千葉テレビやテレビ埼玉、テレビ神奈川で放送されていた自主制作番組『ハロー・ジャガー』の、あまりにもアバンギャルドな内容に、一部の好き者たちの間でカルト的な人気を誇っていたジャガーさんだが、最近『月曜から夜ふかし』(日本テレビ系)に登場して、再ブレークを果たしているらしい。  こんな、明らかにデンジャラスなおじさんが普通にテレビに出ているのもヤバイし、それが子どもからお年寄りにまで人気を得ているというのは世も末! 大丈夫か、日本!?  ジャガーさんのビジュアルや歌は見たことがあっても、実際問題どんな人なのか知らない人も多いと思うので、千葉県の本八幡にあるジャガー基地(?)に潜入して、ジャガーさんの正体に迫った。 ■ルーツはボブ・ディランやビートルズ!? ――ジャガーさんが一般に認知されたのは、千葉テレビで『ハロー・ジャガー』が放送されてからだと思いますが、その前は何をやっていたんですか? ジャガーさん ずっとバンドをやっていましたよ。バンド活動をしてて、インディーズで自主制作盤のレコードを出して、それを売るためにテレ東やテレビ神奈川、千葉テレビ、テレビ埼玉とかで、テレビCMを流したんです。 ――CMって、相当お金がかかりますよね? ジャガーさん かかりますよ! だったら、千葉テレビで番組を作ったほうが安いっていう話になって、1985年から番組(『ハロー・ジャガー』)に切り替えたんです。 ――番組枠を買い取るのも、それはそれで高そうですけどね。 ジャガーさん でも、スポットCMだと15秒。番組だったら、5分流せますから。 ――もちろん、そんなにバンドが儲かっていたわけじゃないですよね? ジャガーさん 本業が儲かってたんですね。昔は洋服直しからレストラン、美容室、看板製作とか、いろいろやってましたから。でも、今はもう全然ダメよ。 ――すごい実業家じゃないですか! ここも持ちビルですもんね。親から引き継いだ会社だったりするんですか? ジャガーさん いやいや、ひとりで。 ――一代でそれだけ儲かったんですね、スゴイ! 本業で儲かった分、バンド活動につぎ込もうという感じで? ジャガーさん バンドにお金をつぎ込んでましたねぇ~。もちろん、商売にも投資してましたけど。 ――バンドが売れたら、相乗効果で商売もさらに繁盛するんじゃないかみたいな思惑も? ジャガーさん いや、バンドと本業は別ですよね。 ――若い頃聴いていた音楽は、どのあたりなんですか? ジャガーさん ビートルズとか、ボブ・ディランとか、プレスリーとか……そういうのですね。 ――王道! ビートルズやボブ・ディランとは、まったく関係ない衣装じゃないですか。 ジャガーさん うーん、関係ないですね(笑)。自分の意思そのままですから、他人のマネをしたわけじゃないし。 ――着たい服を着たらこうなった、ということですね。ジャガーさんの「ジャガー」は、ミック・ジャガーから……というわけじゃないんですか? ジャガーさん 違います。 ――あ、そうなんですか? ジャガーさん まあ、ミック・ジャガーが好きだったから、ジャガーにしようかっていうのはあったんですけど……。 ――じゃあ、ミック・ジャガーのジャガーじゃないですか! ジャガーさん でも、もともとはジャガー星のジャガーですから。 ――ああ、そういう設定ありましたね。 ジャガーさん ジャガー星から来たんです!(このへんから設定を思い出したジャガーさん)
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12面マルチモニターを自由自在に操る、ジャガーさん。
■子どもの頃っていうのはない、最初からジャガー ――バンドを始めた当初から、ジャガー星から来たという設定だったんですか? ジャガーさん そうです。 ――じゃあ、バンドメンバーもジャガー星から来た? ジャガーさん バンドメンバーはジャガー星じゃないです。国内です。 ――国内で結成したと。ジャガーさんの出身は足立区北千住って聞いたんですけど、その辺りで? ジャガーさん (笑)。いや、ジャガー星です! ――なんでそこで笑っちゃうんですか(笑)。じゃあ、どうしてジャガー星から本八幡に来たんですか? ジャガーさん えーっと……昔、よくみうらじゅんに説明してたんだけど……。 ――ブハハハハ! 設定忘れちゃダメですよ! ジャガーさん あ、そうだ。ジャガー号という宇宙船に乗ってきました。千葉県の鋸山の頂上に着陸したわけであります。それが千葉県に来たきっかけでありますね。 ――子ども時代は、ジャガー星で過ごしたんですか? ジャガーさん 子どもの頃っていうのはないです。人間とは違います。最初からジャガーになってるんです。 ――ご結婚は? ジャガーさん そういうのはありません。 ――地球の女性には興味がない? ジャガーさん ありません(笑)。 ――好きな女性のタイプは? ジャガーさん ありません(笑)。ウフフフ……。 ――そういう話は、ちょっと恥ずかしいと。性欲とかはないんですか? ジャガーさん ウフウフフフ……ありません(笑)。一切ないですね、そういうことは。
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ジャガーマネキンまで!
■千葉のもおいしいけど、新潟の魚もおいしい ――ジャガー星から来て、バンドを組んで、テレビ番組を始めて……。知り合いからの反応ってありましたか? ジャガーさん 知り合いからの反応はないけどね。番組を始めたら、一般のファンからファンレターが来たりとか、ライブのお客さんが増えたりとか。すごかったですよ。 ――まあ、すさまじいインパクトの番組でしたもんね。あれは、全部自分で撮影して編集してたんですか? ジャガーさん そうですね。スタジオを作って、機材も買って。 ――大変ですよね。本業だけでも忙しそうなのに、さらにバンドをやって番組まで自分で作って。 ジャガーさん 自分の時間がない感じですね。バンド練習して録音して番組を作って……本当に大変でした。 ――しかも、放送枠を買い取って自主制作している番組だから、ギャラが出るわけじゃないですもんね。 ジャガーさん それもあって、全部やめちゃったんですよ、20年前くらいに。番組もやめて、バンドも解散して。そういう時期もありました。 ――それからは、どんな生活を? ジャガーさん ジャガーは、本当に一般の民間人みたいな生活をしていました。やんなっちゃったんだよね、あん時。レコード会社からCDを出したけどギャラもくれなかった。そういうこともあって、イヤになっちゃったの。テレビ番組の視聴率もパッとしなかったし、ライブにもお客さんがあんまり来ないし……。 ――活動を再開したのは、いつ頃からなんですか? ジャガーさん 活動は……10年前からですね。10年くらい休んで、10年前に「ファイト!ファイト!ちば」っていう曲を出して。 ――そこでかなり曲調が変わりましたよね。もはや、ロックでもなんでもないという。 ジャガーさん あれは、千葉テレビのキャンペーンに合わせて作ったから。 ――あ、千葉テレビからオファーがあって作った曲だったんですか? ジャガーさん 曲のオファーがあったわけじゃないんだけど、千葉テレビが「ファイト!ファイト!ちば」っていうキャンペーンをやるから、番組に出てくれって言われて。 ――やっぱり千葉テレビといえば、ジャガーさんだと。 ジャガーさん どうなんだろうな? 千葉に住んでる芸能人……マイク眞木とか何人かに声をかけてたみたいだけど。でも、カメラの前でしゃべってもつまんないから、じゃあ曲作ろうかって「ファイト!ファイト!ちば」を作ったの。そしたらすごく話題になって、ブレークしたんですね。それからボチボチ活動を再開したんです。 ――復帰してからのお客さんの反応は、どうでしたか? ジャガーさん うん、違いますね。 ――どう違いました? ジャガーさん そうだなー、基本的には一緒ですけどね。 ――どっちですか!? ジャガーさん でもちょっと違うのかな~? 前は、若い人がやたらと多かったよね。今は中年から子どもから、いろんな人が来てるから。 ――若い頃に『ハロー・ジャガー』を見ていた人も多いでしょうね。最近はチーバくんと絡んだりして、千葉県のローカルスターとしても定着していますけど。 ジャガーさん あー、あれは船橋ロフトが勝手に呼んだんだよね。なんかアレ、ぬいぐるみを貸してくれるから簡単に呼べるらしいよ。中身も、ロフトでよく使う人がいるからって。 ――それ、言っちゃっていいんですか!? ジャガーさん (笑)。ダメなの? ――曲を作るくらいだから、千葉県への思い入れは強いんですよね? ジャガーさん そうですね。今年は千葉テレビが45周年ということで「スマイルwithYOU」というキャンペーンをやるんですけど、それに合わせて、また千葉県の曲を作っていますから。 ――でも、千葉県出身じゃなくて、足立区北千住出身ですよね? ジャガーさん (笑)。ジャガー星! ――まあ、千葉県に長く住んでますからね。どの辺がオススメですか? ジャガーさん 全部いいですよ、全部いい。山もいいし、海もいいし。木更津に行けば、氣志團の翔くんがいるし……。 ――いるわけじゃないでしょ!? ジャガーさん 館山も富津も鴨川も白浜も勝浦も銚子も……海がいいですね。 ――ジャガーさん、魚が好きらしいですからね。どんな料理が好きなんですか? ジャガーさん お刺身。カツオが一番好きですね。この前、日テレのロケで越後湯沢に行ったんだけど、おいしいね、あっちの魚。 ――千葉の魚は、どうなったんですか! ジャガーさん 千葉のもおいしいけど(笑)。新潟の魚も、すっごいおいしかった。
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スマホケースやTシャツなど、ライセンス契約依頼がどしどし来ているそう。
■どんどん芸能界に、ジャガーが氾濫するんじゃないですか? ――そして、最近では千葉県出身のマツコ・デラックスさんの番組(『月曜から夜ふかし』)に出演してブレークしていますが、やはり反響はすごかったですか? ジャガーさん すごかったですね。去年の11月くらいからちらほら出るようになったんだけど、それからスゴイ! イベントやっても、すごい来る! レコード買った人にジャガーが握手したり、写真を撮ったりっていうイベントをやったんですけど、ららぽーと(TOKYO-BAY)の広場に1,000人くらい来ましたよ! 無料でしたけどね。ほかにもジャガーがカレーを作るイベントがあったり、ショッピングモールでトークショーがあったり……全国各地で、いろいろイベントがありますね。 ――この調子で海外に進出しよう、みたいなのは? ジャガーさん 海外には興味がないですね。食事が違うし、大変ですよ。 ――ジャガー星から千葉に来てるじゃないですか! ジャガーさん 普段、外食もしないし、外出もしないですからね。 ――いつもここにいるんですか? ジャガーさん 秘密の場所が、また別にあるんですよ。そこで曲を作ったりしています。 ――『月曜から夜ふかし』で披露した新曲「お母さん」にしてもそうですが、最近、曲調も歌詞もマイルドになっているような気がするんですが、何か心境の変化があったんですか? ジャガーさん 心境の変化じゃないよ、頭に思い浮かんだから。 ――昔は「バカヤロー!」みたいな歌詞だったじゃないですか。 ジャガーさん あの頃は機嫌が悪かったの。 ――機嫌の問題なんですか!? 「お母さん」は病気のお母さんに捧げるような歌詞でしたが、本当にお母さんがご病気に? ジャガーさん そういう設定になっています。 ――(笑)。設定で病気にしちゃダメですよ! ジャガーさん それは……空想のお母さんです。 ――せっかくこれだけブレークしたんだし、これから挑戦したいことはありますか? ジャガーさん いやー、あとは同じですね。CDを作って番組やって。ニューアルバムはあと2カ月くらいで出せるんじゃないかな? 自主制作だから、締め切りとかも別にないんですよね。 ――アルバムのテーマは? ジャガーさん 『お母さん』っていうタイトルにしようと思ってます。 ――曲のジャンルとしては、なんなんですか? ジャガーさん うーん……スローバラード……? でも、ジャガーのアルバムは、基本的に「ロック」というジャンルに入っています。iTunes Storeでも「ロック」に入っていますから。 ――アルバムが出たら、ライブもやって? ジャガーさん いや、やらない。 ――あ、ライブはやらない(笑)。 ジャガーさん バンドを解散しちゃったから、ライブはやらない。 ――カラオケでいいじゃないですか。 ジャガーさん ああ、そういうのはやりますよ。呼ばれたら、そこに行ってひとりで歌うのはやりたいですね。バンドはリハーサルやらなくちゃいけないし、ひとりが一番いいですよ。あとは、本とかジャガーグッズとかキーホルダーとか、オファーがいろいろ来てますから。決まれば、どんどん芸能界にジャガーが氾濫するんじゃないですか? ――あ、出版の話もあるんですね。どんな本になる予定なんですか? ジャガーさん フォトエッセイみたいなの? ――フォトエッセイ!? ……楽しみにしています。 (取材・文・写真=北村ヂン) 公式HP<http://jaguar.o.oo7.jp/> 公式ブログ<http://ameblo.jp/jaguar-official/> Twitter<https://twitter.com/jaguardes?lang=ja

“元アウトローのカリスマ”瓜田純士がチンコのデカさを見抜いた!「ゲス川谷は強烈」「舛添都知事は神の領域」

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 千里眼を持つ“元アウトローのカリスマ”こと瓜田純士が、川谷絵音と舛添要一の“男の器”を品定め。「2人とも“大きいモノ”を持ってるくせに、やることが小さい」と、ダメ出しをした。 ――ベッキーが久々にテレビ出演し、涙を流しながら反省の弁を述べました。 瓜田 その番組、見てないんですよ。なぜかというと、ベッキーには興味がないからです。世間の注目度は高いみたいですが、もし彼女がブスだったら、こんな騒ぎにはなってないでしょうね。かわいいし、清純キャラで売ってたから、日本中のモテない婦女子たちの逆鱗に触れただけのこと。「ほれ見たことか」と優越感に浸りたいから、みんなで寄ってたかって叩いてますけど、僕からすれば、ベッキーは本当にどうでもいい。むしろ気になるのは、川谷くんのほうですね。 ――川谷くんの何が気になりますか? 瓜田 「ゲスの極み乙女。」というバンド名のくせに、やってることがいい子ちゃんすぎる点に物足りなさを感じます。 ――そうですかね? 瓜田 ええ、全然物足りない。一連の騒動のさなか、ライブの会場入りするときにマスコミに向かって頭を下げてましたけど、ゲスの極みを名乗るなら、テレビカメラに向かってギターを投げつけるぐらいのことをやらないと。最近も、世間から突っ込まれないように奥さんと離婚して、ブログで謝罪までしてましたけど、それではただの常識人じゃないですか。反省も離婚もせず、嫁の稼ぎで飲み歩き、嫁をブン殴りつつはらませて、おまけにベッキーもはらませてこそ、ゲスの極み。そこまでやれば、当代きってのカリスマロッカーになれるのに。 ――なるほど。 瓜田 そのへんの街にいるホストのほうが全然ゲス。川谷くんはゲスを極めてないのが残念です。ただし彼、いいモノを持ってるとは思いますけどね。 ――と、申しますと? 瓜田 ああいう痩せてて、のっぺりした顔の優男って、絶対にチンコがデカいんですよ。清純なベッキーみたいなタイプがいきなりあんな強烈な物件を知ってしまったら、そりゃ涙も流しますよ。体が覚えてますから。LINEの文面が残ってたのが問題だとか言われてますけど、もっと大きな問題は、体に残った痕跡ですよ。相当なナニを使ってメロメロにしてるはずだから、ベッキーは被害者といえるかもしれません。ついでに言うと、舛添都知事。あれは「神の領域」といえるでしょう。 ――舛添都知事の何が神なんですか? 瓜田 チンコのデカさですよ。よく銭湯で、椅子に座ると先端が床にくっつきそうなジジイがいるじゃないですか。あれってたいてい、舛添系の顔なんですよ。 ――舛添系の顔とは? 瓜田 男性ホルモンが多すぎるがゆえ、前頭部がハゲてて、地黒で、こめかみに血管が浮き立ってて、目つきがギョロリ。そういう顔の人間は、ほぼ例外なく巨根なんです。子どもの頃から銭湯が好きで、膨大な本数を見てきた僕が言うんだから間違いない。精査するまでもないです。 ――言われてみれば確かに、そういう傾向にあるかもしれませんね。
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豊富な戦闘経験と銭湯経験で千里眼を身につけた瓜田。「その人の顔を見ただけで、ケンカの強さとチンコの大きさがわかる」とのことだ。
瓜田 ただ舛添は、チンコがデカいくせに「面白くない」のが問題なんですよ。ビッグマネーが動く東京五輪を仕切るんだから、優しくて誠実なだけの人間じゃ都知事は務まらないと思うし、ズルさやしたたかさがあったほうが政治家向きだとは思うけど、舛添は面白くないから支持できないですね。 ――瓜田さんの求める「面白さ」とは? 瓜田 前回の猪瀬都知事は5,000万円をカバンに詰め込めなかったというオチがついて、ちょっと笑えたじゃないですか。でも、舛添のやってることは笑えない。政治資金を私的に流用したっていうけど、ファーストクラスだの湯河原だの家族旅行だのって、たかが知れてるっていうか、話がみみっちくて面白くないじゃないですか。それじゃあ、誰からも支持されないですよ。せっかくデカマラのハゲなんだから、バイアグラやスカルプDに公費を使って、ファイザー社やアンファー社に白紙の領収書を要求するぐらいのことをやらないと。そういう雄々しい、ちょっと笑ってしまうようなことに公費をつぎ込んでいたとなれば、世の男性たちのシンボルになれるというか、「強くて頼りになる」という意味で一定の支持を得られると思うんですよ。 ――悪人であることに、変わりはないですけどね。 瓜田 政治家が悪いのなんて当たり前。粗を探せば誰でも出ますよ。だからこそ、下半身の笑える話が欲しかったです。「舛添都知事、夜も現役続行」「昼の政治は問題ありだが、夜の性治は問題なし」とかいうニュースが相次ぐキャラだったら、世間も笑って許してくれたかもしれない。公費でスナックに通い詰めて、「夜のIOCメンバーにならないか?」と言ってホステスを口説いてたことがバレたりとかね。そういう淫らでくだらないことに政治資金を使ったほうが面白いし、政治家としても箔がつくんじゃないでしょうか。でも舛添には、そういう豪気やちゃめっ気が皆無。ただの貧乏くさい奴だってことが、一連の報道でバレちゃいました。 ――川谷くんと舛添都知事。渦中の2人には、意外な共通点がありましたね。 瓜田 はい。2人とも大きいモノを持ってるくせに、やることが小さい。宝の持ち腐れ、ってやつですね。 * * *  なお、かく言う瓜田自身のサイズは勃起時で17.5㎝。「この大きさに恥じない行動を常日頃から心がけている」と胸を張った。 (取材・文=岡林敬太)
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※日刊サイゾーでは2016年より、ほぼ月イチペースで瓜田純士の最新情報をお届けしています。

「ダイエットのつもりが、プロレスデビュー!?」“歩くコラ画像”こと筋肉アイドル・才木玲佳の、負けず嫌いすぎる日常

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撮影= 長谷英史
『有吉反省会』(日本テレビ系)や、「週刊プレイボーイ」(集英社)のグラビアで話題の筋肉アイドル・才木玲佳を知っているだろうか?  武藤敬司が旗揚げしたプロレス団体・WRESTLE-1を応援する公式サポーターとして結成された「Cheer(ハートマーク)1」のメンバーで、ロリ系の笑顔がかわいいアイドルでありながら、信じられないほどムキムキな筋肉の持ち主。  その、顔と体のあまりのギャップに「歩くコラ画像」なんて呼ばれ、マニアックな男子たちの心をわしづかみにしているのだ。  さらに、筋肉を鍛えるだけでは飽き足らず、最近ではプロレスデビューまで果たしてしまったという彼女。  アイドルなのに、どうしてここまで筋肉を鍛えてしまったのか? 果たして、どこに向かっているのか……? れいたんこと才木玲佳を直撃した! ■アイドルなのに、筋肉ついちゃってヤバくな~い? ――今はこんな感じで“筋肉アイドル”なんて呼ばれていますけど、もともとは普通のアイドルだったんですよね? れいたん そうです。就職活動をしようかどうしようか迷っている時に「格闘技を応援する」という、Cheer(ハートマーク)1のコンセプトに惹かれてオーディションに応募して、普通にアイドルしてました。 ――応援するだけで、格闘技をやるアイドルではないですよね? れいたん ないですね(笑)。ほかのメンバーを見ていただければわかるように、普通のアイドルユニットなんで。私だけちょっと異常……みたいな(笑)。 ――普通のアイドルだったのが、なぜこうなっちゃったのかというのが問題なんですが……。 れいたん まずはダイエット目的で、K-1のジムに通い始めたんですよ。ボクササイズとかがはやっていたんで、ちょっと人と違うことをしたいなと思ってキックボクシングを。そしたら、性格的に負けず嫌いなので、試合にも出てみたいな~と思うようになって。 ――そこが唐突なんですよ! ダイエットするのと格闘技の試合に出るのって、全然違いますよね!? れいたん いやぁ~、実際にやってみて、ミットを強く殴ったり蹴ったりしてると、血が騒いでくるんですよ! それで、試合に出たいと思って本格的なウエイトトレーニングを始めたら、ドンドン(筋肉が)大きくなってきて。 ――ウエイトトレーニングを始める前に、事務所へ相談したりはしなかったんですか? れいたん しなかった、勝手にやった(笑)。 ――じゃあ、事務所やほかのメンバーからしたら、れいたんが急に筋肉質になったぞと。 れいたん おへそを出すような衣装も多いんで、みるみる腹筋が割れてきちゃって! 「アイドルなのに、こんなに筋肉ついちゃってヤバくな~い?」って思ってました(笑)。 ――その頃の宣材写真は、マネジャーさんが修整していたらしいですね。 れいたん 今では筋肉を容認されてますけど、当時はメッチャ細く修整されてたんですよ。私、知らなかったですもん、修整されてたの。「メッチャいい筋肉撮れた~!」とか思ってたら、それがなかったかのように修整されてたらしくって! ――そりゃ、事務所的にはそうしますよ。アイドルですもん。 れいたん まあ私自身も、こんなに筋肉アイドルとしてキャラが確立するとは思ってなかったですね。「試合に勝ちたい」「いい体を作りたい」って頑張っていたら、いつの間にかこうなっちゃったという感じ。
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筋肉担当! 元気! やる気! 才木玲佳です!
■スクワット500回くらい、笑顔でできます! ――試合をやってみて、どうでしたか? れいたん 試合はね~……チョー緊張したんですよ。後楽園ホールでやったんですけど、初めての試合だし、独特の雰囲気もあって、ゴングが鳴った瞬間に頭が真っ白になっちゃって。練習でやってたことも全然出せなくて、2分間ただひっちゃかめっちゃかって感じでしたね。 ――殴られて痛かったり、怖かったりということは? れいたん 全然感じなかったですね。試合中って、アドレナリンが出てますから。でも結局負けちゃって、メッチャ悔しかった……チョー泣きましたよ! その次の日は目が腫れちゃって、友達と予定があったのにキャンセルしたくらい。 ――ちなみに、アイドル活動で、うまく踊れなかったとかで泣いたことは……? れいたん ない(笑)。アハハハハ! うーん、ないな! ――それから、格闘技にさらに本格的に取り組むため「プロレス総合学院」に入学したんですよね。 れいたん そうです、去年の10月に。 ――アイドルがプロレスの学校に入るって……事務所から止められなかったんですか? れいたん 結構、話し合いはしましたね。アイドルだし、ケガをしちゃいけないし、仕事との兼ね合いもあるし。月曜から金曜まで、毎晩通う学校なんで、それを半年間もやっていけるのか? って。でも、最終的には「そこまでやりたいのなら、背中を押してやる」って言ってもらえて。 ――じゃあ事務所的にも、筋肉キャラがメンバーにいてもいいやってことになったんですかね? れいたん 私はやると言いだしたらやっちゃうから、しょうがないと思ってもらえたんじゃないですかね。 ――プロレス総合学院には、どれくらい生徒さんがいるんですか? れいたん 入った時には男の子が10人、女の子が3人いたんですけど、途中でついてこれなくなって減っていき、卒業試験を合格できたのは4人でした。男2人、女2人。 ――その内のひとりに残れたんですか、スゴイ! 学校では、どんな授業をやるんですか? れいたん 最初は延々と、基礎体力をつけるためにスクワット300回とか、腹筋100回とか、受け身の取り方とか……。 ――スクワット300回って、素人がいきなりできないでしょ? れいたん みんなゼエゼエハアハア言ってましたね。でも、私は平気でできましたよ! ――ええーっ!? れいたん 日常生活で、スクワット100回くらいはやってるんですよ。 ――なんで? れいたん お風呂上がりに、ドライヤーをしながらスクワットを。 ――なんで!? れいたん 鍛えるため(笑)。キックの試合に出ようと思ってから、それを始めたんですけど、私、スクワットが得意らしくて、100回とか500回とか笑顔でできるんですよ。 ――学生時代に運動部をやっていたとかは? れいたん 全然。中学高校はずっと帰宅部で、運動もほとんどやってなかったですね。家でゲームやったり、友達と買い食いしておしゃべりしたり……そういう学生生活でした。 ――そんな学生時代を送ってきたのに、ちょっと鍛えだしたらこんなに筋肉がついて、運動能力を発揮したって……。運動部に入ってたら、オリンピックくらい行けたんじゃないですか? れいたん 確かに~。2020年に出られたかもしれない! ――プロレス総合学院を卒業して、ほかの生徒さんたちはプロレスラーになるんだと思いますが、れいたんはどうするんですか? れいたん 私も、月1回くらいのペースでは試合をしていきたいと思っています! 学校は卒業しましたけど、今も月に何回かはプロレスの練習に行ってますよ。 ――普通のアイドルは、ダンスレッスンだけでも大変って聞きますけど、それに加えてプロレスの練習が……。 れいたん 今日だって、午前中にダンスの練習をしてて、このインタビューがあって、その後、プロレスですから。
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実は慶応義塾大学卒なんです
■目指すはインテリ筋肉アイドル ――筋肉がついて、格闘技の試合にも出るようになって、ファンの人たちの反応はどうだったんですか? それまでは、普通のアイドルとして応援してたわけですよね。 れいたん うーん、ファンの人たちからは、困惑しているという声もあって……。「れいたん、どこに向かっているの?」とか「かわいかったれいたんが、どんどんムキムキになっていく……」とか。 ――(笑)。リアルな意見ですね。 れいたん そういう声もある一方、「ムキムキの筋肉と笑顔のギャップが最高だね」って応援してくれる方もいます。差し入れも、それまでは甘いお菓子とかだったのが、プロテインとかアミノ酸とかになって(笑)。 ――筋肉がついてからファンになったという人もいますよね? れいたん 『有吉反省会』に出てからは増えましたね。Twitterのフォロワーが一気に1万人くらい増えたし。複雑なのが、アイドルだから自撮りを載せるじゃないですか、でも顔の自撮りよりも、筋肉を載せたほうが圧倒的に「いいね」が多いんですよ。 ――顔よりも筋肉を求められてると! れいたん 私も筋肉を見せたいし、うれしいんだけど、アイドルだから顔も好きになってほしい……。 ――今後は、筋肉とアイドルの2本立てでやっていくという感じですかね? れいたん アイドルしつつ、プロレスもしつつ……。でも、慶應義塾大学を出ているんで、インテリキャラも出していけたらなって思っています。 ――要素が多すぎて、よくわからなくなってますよ! れいたん インテリ筋肉アイドルですね(笑)。……あっ、アクション女優とかもやりたい! 刑事役で犯人をヤーッて捕まえたりとか。「マッスルミュージカル」みたいなものにも出てみたいですね。 ――なんでもやれることはやりたいと。一番出たい番組はなんですか? れいたん うーん……この番組というより、全テレビ局のクイズ番組制覇かな。 ――そこは筋肉関係ないんだ!
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ファンのみなさま、差し入れはヴァセリンでお願いします!(筋肉をきれいに見せるために塗ってるそうです)
(取材・文=北村ヂン) ●れいたんオフィシャルブログhttp://ameblo.jp/saikireika0519/