参院選“注目”当選者、渡邉美樹と山本太郎に公選法違反の疑惑浮上…投票勧誘めぐり

 サイゾーのニュースサイト「Business Journal」の中から、ユーザーの反響の大きかった記事をピックアップしてお届けします。
DVD『社長 渡邉美樹』(ポニーキャニオン)
 大方の予想通り、自民党の大勝に終わった7月21日投開票の参議院議員選挙。ねじれ国会の解消、決められる政治、その反面の強引な国会運営や“右傾化”への懸念など、この1カ月で定着した論点で選挙結果が振り返られているなかで、インターネットを中心にふたりの新人議員が注目を集めている。ワタミグループの創業者で自民党公認の渡邉美樹氏(比例区)と、脱原発を旗印にした元俳優・山本太郎氏(東京選挙区)だ。  渡邉氏については、出馬表明時から「自民党はブラック企業の社長を公認するのか」と批判が集中。6月28日には自民党本部前で公認撤回のデモ活動が実施された。2008年にワタミで起こった社員過労死事件の被害者・森美菜さんの両親が、自民党議員に要望書を手渡そうとするも門前払いを受けそうになるなど、自民党の対応にも注目が集まっていた。  6月22日付の日刊ゲンダイ記事にコメントを寄せた政治ジャーナリストの角谷浩一氏は、ワタミが従業員に配布する理念集に書かれた「365日24時間死ぬまで働け」のフレーズを受けつつ、次のように“厳しい現実”を指摘している。 「民間人である選挙中は、世間のブラック企業批判にも“立て板に水”でいられましたが、これからは国会の場に引きずり出されます。渡邉氏が議員バッジをつけている限り、本人も自民党も野党の攻撃と質問にさらされるでしょう。街中で目撃されようものなら、『もう帰るんですか?』なんて言われかねません。針のムシロになるのではないか」 つづきを読む

渡邊ワタミ元会長、参院選投票日直前に全社員へ選挙協力要請?自民党内からも異論噴出

 サイゾーのニュースサイト「Business Journal」の中から、ユーザーの反響の大きかった記事をピックアップしてお届けします。 ■「Business Journal」人気記事(一部抜粋) セブン、独り勝ちの秘密と懸念材料とは?カギはPB、銀行、カフェ… 日本国債暴落で大儲け狙う世界の投資家たち…アベノミクスで高まる、財政破綻懸念の声 減速する中国経済が抱える3つの爆弾 当局は報道規制、アベノミクスの懸念材料に… ■特にオススメ記事はこちら! 渡邊ワタミ元会長、参院選投票日直前に全社員へ選挙協力要請?自民党内からも異論噴出 - Business Journal(7月24日)
DVD『社長 渡邉美樹』(ポニーキャニオン)
 7月24日発売の「週刊文春」(文藝春秋/8月1日号)と「週刊新潮」(新潮社/同)がそろって、7月21日に投開票された参議院議員選挙で苦戦を強いられたワタミ前会長の渡邉美樹氏の選挙戦について報じている。  今回の参院選は、昨年12月の衆院選での圧勝劇や、株価上昇なども招いたアベノミクスの勢いそのままに自民党が現行制度で過去最多の65議席を獲得した。しかし、総務省によると投票率は選挙区選、比例選ともに52.61%と、過去3番目の低さだったという。そんな中、当落をめぐって注目されていたのが、一部で“ミスターブラック”との異名をとる渡邉氏である。  これまで渡邊氏が会長を務めていたワタミをめぐっては、文春が批判キャンペーンを組むなど、そのブラック度について世間を賑わせていた。文春の6月13日号では、ワタミ全社員に渡される「理念集」の中で「365日24時間働け」などと書かれていることや、かつて渡邊氏が勤務中の休憩時間について「12時間のうち、飯を食える店長は2流だと思っている」などと発言したことなどを報じている。また、6月20日号ではワタミのグループ会社「ワタミの介護」が運営する施設で事件や事故が続出していること、さらに6月27日号では渡邊氏が理事長を務める郁文館夢学園の「ブラックすぎる学校経営」と、3週連続でワタミ批判を展開した。  こうした逆風が吹き荒れる中、渡邊氏は今年5月31日自民党本部で会見を開き、参院選に自民党公認で出馬することを表明。さらに同日、自身のホームページ上で「『ブラック企業』と呼ばれることについて」(http://www.watanabemiki.net/journal/post-475.html)と題し、ワタミの離職率、年収、時間外労働、メンタルヘルス不調のために欠勤・休業している社員の割合を厚労省が発表している宿泊・飲食サービス業の数値と比較し、「一部の情報だけを持って、一方的にワタミグループをブラック企業と呼ぶことは、到底、受け入れられません」と反論した。  これに対し、ワタミの社員だった娘が過労のため自殺し、労災認定された両親が、渡邊氏の立候補取り消しを求め自民党本部を訪れたり、同党の平沢勝栄衆議院議員が6月28日深夜に放送された『朝まで生テレビ!』(テレビ朝日系)で、渡邊氏の公認をめぐって「(公認)をやめたほうがいいということですね」という質問に「ということですね」「私個人の考えですけど、ぜひそういう形に持ってきたいな、と」と発言するなどの一幕もあった。  こうした自民党内でのゴタゴタについて、本日発売の新潮では自民党のベテラン代議士が「渡邊さんの擁立は、自民党の参院に相談なしで決められた。そのため、参院の幹部は、カンカンに怒っていますよ」と語ったという。また安倍総理を支え評価の高い菅義偉官房長官が渡邊氏を選挙に引っ張り出したことで、菅氏の失点になるかもしれないともいう。  また、同じく本日発売の文春の記事によると、世間のブラック企業批判で当選が危ういと思ったのか、「17日の朝、渡邊氏からワタミの全従業員に『元会長の緊急メッセージ』というビデオレターが、社内メールで配信」されたという。ビデオレターでは、渡邊氏が「携帯電話全部にね、ちょっと『ねーねー頼むよ』という形で話をしてくれたら嬉しいなと思います」と、社員に選挙協力を要請したとも受け取れる内容だったという。  こうしたワタミ社員の協力があったかどうかはわからないが、結局、渡邊氏は自民党が獲得した比例18議席の16位で当選した。  なんとか当選した渡邊氏が「私は1年生。『1年生は何でもやります』というのが私の会社でも正しい回答だ」と語ると、ネット上では「じゃあ、24時間365日働け」「これは過労死するまで働くってことだよな」「とりあえずブラック企業根絶をやってもらおうか」など厳しい言葉が飛んだと、7月23日配信の日刊ゲンダイ記事(http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130723-00000011-nkgendai-ent)が報じている。  参議院議員になった渡邊氏が、ワタミで行ったような徹底した人件費削減で国会議員の定数も減らしてくれるのか。はたまた、理事長を務める郁文館夢学園で教師の携帯電話番号を生徒に教え「365日24時間電話していい」という斬新な方式を国会議員と有権者にも適用し、国会議員全員の携帯電話番号を有権者に教えるのか。さらに、国会の場でブラック企業批判に今後どう答えるのか。さまざまな意味でその言動と手腕に注目が集まる。 (文=本多カツヒロ) ■おすすめ記事 セブン、独り勝ちの秘密と懸念材料とは?カギはPB、銀行、カフェ… 日本国債暴落で大儲け狙う世界の投資家たち…アベノミクスで高まる、財政破綻懸念の声 減速する中国経済が抱える3つの爆弾 当局は報道規制、アベノミクスの懸念材料に… 防衛大卒、なぜ大手企業採用担当者たちから大人気? 自衛官任官拒否への賛否両論 AKB篠田激白、卒業直前の心境と「潰すつもり」スピーチの真相、卒業に福岡選んだ理由

ワタミ過労死元社員遺族の渡邉元会長公認撤回要求、自民党は門前払い…党内で異論噴出

 サイゾーのニュースサイト「Business Journal」の中から、ユーザーの反響の大きかった記事をピックアップしてお届けします。 ■「Business Journal」人気記事(一部抜粋) 映画館の強すぎる冷房、言えば下げてくれる?設定基準は?TOHOシネさんに聞いてみた “非”国営NHKの受信料は完全に合憲でも、なぜ強制徴収は国民の理解を得られない? AKB篠田激白、卒業直前の心境と「潰すつもり」スピーチの真相、卒業に福岡選んだ理由 ■特にオススメ記事はこちら! ワタミ過労死元社員遺族の渡邉元会長公認撤回要求、自民党は門前払い…党内で異論噴出 - Business Journal(7月22日)
自民党本部前でのデモの様子
 自民党の公認を得て、昨日7月21日投開票の参議院議員選挙で当選したワタミ株式会社元会長の渡邉美樹氏。しかし、立候補を発表した5月以降、ネットを中心に渡邉氏に対する反発の声が噴出。6月28日には、渡邉氏の公認撤回を求めるデモ活動が、永田町の自民党前で実施された。  このデモに参加したのが、ワタミによって過労死に追い込まれた同社元社員・森美菜さんの両親である森豪さんと祐子さん夫妻。渡邉氏の公認取り消しを求めた要望書を自民党の国会議員に直接手渡そうと試みた。  ワタミがブラック企業と呼ばれる原因となった、2008年の社員過労死事件。被害者となった森美菜さんは、入社2カ月で月間140時間以上の残業や強制的なボランティアなどで過労状態に陥り、同年6月、自宅近くのマンションから飛び降り自殺を図った。しかし、遺族に対して同社側からの明確な謝罪の言葉はなく、渡邉氏はTwitter上で「労務管理できていなかったとの認識は、ありません」とコメント。被害者遺族からの面会要求にも答えないまま現在に至っている。  森夫妻がタクシーで到着すると、彼らを自民党敷地内に通すまいと、施設管理の責任者を名乗る男性をはじめ、警察官らが道をふさぎ、集まったマスコミ陣とともにもみ合いの状態に。「選挙の責任者を呼んでください」と言う遺族側に対し、自民党側からの「できません」という押し問答が続き、豪さんは一時相手の胸ぐらをつかむまでに感情を高ぶらせた。  このデモに当たって、森夫妻は石破茂幹事長へ提出するための要望書を用意してきた。「自民党は、若者を死ぬまで働かせ、殺す社会をつくりたいのですか? お答えください」と題されたこの要望書の中で森夫妻は、次のように抗議し、自民党に対して「渡邉氏の公認撤回」「ブラック企業対策、過労死防止対策への取り組み」を要求している。  「法律違反を重ねて利益追求をした経営者に、若者を死ぬまで働かせ、使い捨てにして利益をあげた経営者に、国会議員になる資格があるのでしょうか?」   「自民党は、渡邉会長がやった経営のように、法律を無視し、若者を死ぬまで働かせ、使い捨てにし、過労死に追いつめる社会をつくるつもりなのでしょうか」   「娘は雨の中で死んでいったんです。せめて、こんな外じゃなくて、(建物の)中で受け止めてくれませんか?」 と、声を詰まらせながら語った豪さんの言葉が届いたのか、交渉の末、森夫妻と代理人のみが、自民党敷地内に入ることが許された。しかし、国会議員などのしかるべき立場の人間との面会はかなわず、引き続き施設の管理担当者と話し合った上、10分ほどで退出。門の中には入れたものの、その実態は「門前払い」と表現して差し支えない。  遺族側は、自民党に対し事前に面会を求める連絡をしながらも、「連絡する」と言われたきり、返答はなかった。遺族らの行動が強行軍であったことは否めないものの、はたして過労死被害者遺族に対して自民党の採った一連の対応は適切なものといえるだろうか? 「ワタミ本社に行った時となんら変わりなく、落胆しています」と祐子さんは肩を落とした。  その後、民主党を訪れ、細野豪志幹事長との会談を行った森夫妻。細野氏を前に「ひとりひとりの命を大切にする社会、過労死のない社会の実現に向けて、尽力されますように、ここに要望いたします」と締めくくられる要望書を読み上げた。わずか20分あまりの会談だったものの、遺族の言葉に細野氏は耳を傾け「社会に対する問題提起として受け止めたいと思います」と要望書を受け取った。  もちろん、民主党がこの会談に応じた背景には「自民党とは異なり、労働問題に力を入れる」というイメージアップにつなぐ思惑も含まれているだろう。渡邉氏が出馬した11年の東京都知事選挙で、都議会民主党は渡邉氏を支援した。美菜さんの死が正式に過労死と認定されたのは選挙後の12年。都知事選当時は過労死と認定されていなかったとはいえ、過去の事実について細野氏からのコメントはなかった。  渡邉氏公認については、6月29日放送の『朝まで生テレビ!』(テレビ朝日系)に出演した自民党・平沢勝栄議員は、「個人的な意見」と前置きしながらも「公認をやめさせたい」と発言。安倍首相直々に立候補の要請を受けた渡邉氏だが、党内でもその擁立に対しての意見は割れていたようだ。党内の意見が割れたまま、渡邉氏の当選が確定した。 (文=萩原雄太) ■おすすめ記事 映画館の強すぎる冷房、言えば下げてくれる?設定基準は?TOHOシネさんに聞いてみた “非”国営NHKの受信料は完全に合憲でも、なぜ強制徴収は国民の理解を得られない? AKB篠田激白、卒業直前の心境と「潰すつもり」スピーチの真相、卒業に福岡選んだ理由 ドコモ、ツートップ戦略不発で高まるiPhone販売観測…崩れるメーカーとの信頼関係 電車の冷房、車両や日により違うのはなぜ?どうやって調整?東急電鉄さんに聞いてみた

「周囲から同情の目で見られるようになった」ワタミの“ブラック報道”で、現場社員が嘆きの声

watamiblack0719.jpg
『きみはなぜ働くか。』(日本経済新聞出版社)
 いまや“ブラック企業”の名前が定着してしまった飲食チェーンの「ワタミ」。ネット上では悪評が次から次へと噴出し、作家や弁護士、大学教授が主催する「ブラック企業大賞2012」では、あの東京電力を抑え1位を獲得するほどだ。  とりわけ、ワタミバッシングの急先鋒といえば「週刊文春」(文藝春秋)。6月13日号では「自民党参院候補 ワタミ渡邉美樹会長は“Mr.ブラック企業”これだけの根拠」と題し、同社のブラック度を追及。記事によれば、ワタミグループでは全社員に「理念集」という冊子が渡され、その中には「365日24時間働け」「できないと言わない」などの言葉が掲載され、勤務時間については「『成し遂げる』ことが『仕事の終わり』であり『所定時間働く』ことが『仕事の終わり』ではない」と記されているという。  同誌では元社員の「勤務時間は夕方から明け方まで12時間以上なのに、休憩は取れても30分」という証言も掲載している。  これに、渡邉氏は6月6日のTwitterで「本日の一部週刊誌記事は、明確に事実と異なる点があり弁護士を通じて対応いたします。尚、今後も事実に基づかない記事掲載等には、毅然とした対応をして参る所存です」と提訴も辞さない姿勢を見せているが、世間の持つブラックイメージは簡単に消えるものではないだろう。  事実、ワタミバッシング後の会社環境について、30代の現役社員は次のように話す。 「現場のアルバイトなんかは『また書かれてるよ~』と自虐的に話していますが、上層部はピリピリムード。報道をきっかけに、退職者も増えています」  都内の和民で働く30代男性も嘆く。 「お客さんから『おまえも大変だな。こんな会社に勤めてて』や『早く辞めたほうがいいぞ~』と小バカにされたように言われます。怒りを通り越して、情けなくなってきますよ。妻子がいるので、簡単に辞めることもできないし。かと思えば、親族や友人から『おまえ、大丈夫か』と心配されるし……。肉体面より精神的にきついです」  参院選への影響を気にしてか、6月末に同社の会長職を辞任した渡邉氏だが、週刊誌に反論する前に、現場の声に耳を傾けてはどうか。

ワタミ“ブラック”批判を洞察する…「社会貢献もどき」に走る人たちが学ぶべきこと

 サイゾーのニュースサイト「Business Journal」の中から、ユーザーの反響の大きかった記事をピックアップしてお届けします。 ■「Business Journal」人気記事(一部抜粋) 森下悠里整形告白に、岡村隆史「顔見た時から怖いと思ってた。注射でもあかんと思う」 特定大学へ1000億ばらまきに異論噴出…大学迷走の背景に潜む、旧態依然な経営の実態 カジノ合法化、参院選後に加速の観測強まる…幅広い業態で経済波及効果の期待高まる ■特にオススメ記事はこちら! ワタミ“ブラック”批判を洞察する…「社会貢献もどき」に走る人たちが学ぶべきこと - Business Journal(7月12日)
DVD『社長 渡邉美樹』(ポニーキャニオン)
 今回は「ブラック・ユーモア」を一つ。  「ソーシャル・ビジネス」の拡充を提唱する渡邉美樹氏が創業したワタミのグループ企業であるワタミフードサービスが、去る6月27日、「第2回ブラック企業大賞2013」で1位を受賞した。選ばれた理由は次のサイトに記載の通り。  http://blackcorpaward.blogspot.jp/  それにしても、渡邉氏が参議院選挙立候補を前にワタミの経営から一切手を引いたのは意味深である。 ●ソーシャル・ビジネスに自己実現を夢見る若者たち  まさに、この笑えぬ笑い話は、現代の世相を反映している。  社会貢献を最大目的とする「ソーシャル・ビジネス」は、近年、若者たちに大変注目されている。資質があるかないかは別として、若者たちは「社会貢献」という言葉や概念が非常に好きである。「経済成長」を実感したことがない彼らは、「人生の最大目的は金儲けではなく社会に貢献することだ」「社会に良いことをしている人として認めてもらいたい」という思いが強い。前者が社会心理学者のアブラハム・マズローがいう自己実現欲求であり、後者が承認欲求に当たる。  そもそも、会社をつくるだけでなく、着実に成長させた、起業家ならぬ「企業家」と呼ばれる人たちは、事業を成功させることで自己実現したのだが、「ソーシャル・ビジネス」という言葉が好きな人は、社会に貢献するという行動自体で自己実現を感じているようだ。  このようなニーズをとらえてか、東京には社会起業大学なるものまでが存在する。「理事長」「学長」を名乗る人が表立って活動し、ホームページなどでは「社会起業家を育成するビジネススクール」を標榜している。  大学関係者だけでなく、社会人対象の大学院に少しでも関心のある人であれば、「ビジネススクール」と聞けば、「経営(学)大学院」を運営している「大学院大学」だと思うだろう。近年、大学院設立の規制が緩和され、株式会社型の大学院も誕生した。社会起業大学は、文部科学省が認可した大学や専門学校でないどころか、株式会社大学院でもない。実質的には、人材紹介ベンチャーのリソウル株式会社が運営しているセミナー事業である。  したがって、社会起業大学では「大学卒」や「大学院卒」の学位は取得できない。それにも関わらず、入学金や授業料は私立大学並みである。「大学」という名前がついているので、勘違いして入学してしまった人がいるのではないかと心配になるが、中を覗いてみると、本当に社会に役立ちたいという純粋な心を持つ若者たちがまじめに勉強している。  同大学は、2010年から「ソーシャルビジネスグランプリ」なる大々的なビジネスプラン発表イベントを東京都内の会場で年2回実施。今夏も「ソーシャルビジネスグランプリ2013夏」が8月4日に開催される。創業3年以上、同3年未満、社内起業などを対象に3部門の賞を決定し、審査員と一般観覧者が各部門の大賞を決定するイベントである。エン・ジャパン株式会社が特別協賛しており、最大1000万円の出資交渉権を提供している。  アカデミズムの世界では、「大学を名乗りソーシャル・ビジネス・ブームに便乗し、著名人を担ぎ出して、知名度を高めようとしている胡散臭い存在」と見ている向きも少なくない。「文部科学省も気にしている」といった声も聞く。筆者は同大学の学長に、このような見方があると指摘したことがあったが、まったく気にしていないようであり、「大学」という名称を使い続ける考えだ。  ただ、「著名人を担ぎ出している」と思われる時、気をつけなくてはならないのは、その著名人がどのようなブランドかという点である。  なんと、同大学は渡邉氏を招き「これからのソーシャル・ビジネスを語ろう!渡邉美樹 夢寺子屋 in社会起業大学」なる講演を依頼した。それだけではなく、ビジネスプランを提示した起業家の卵へのアドバイス役も頼んでいる。その様子が、夜の報道番組『ワールドビジネスサテライト』(テレビ東京系)で放送された。渡邉氏の指導を受けていた受講生は、教祖様の声をいただいたかの如く真剣そのものであった。渡邉氏の隣には社会起業大学の学長が座っていた。  この番組が放送された頃は、渡邉氏がテレビにもよく顔を出し「ベンチャーの旗手」「一代で外食チェーンを築き上げたやり手」というイメージが持続していた頃である。同大学もメディアでよく取り上げられる渡邉氏の、このイメージを活用しようとしていたのではないだろうか。  しかし、「事業を通して社会に貢献しよう」と訴えていた教祖様が、今や「ブラック企業」の権化として吊るし上げられているのだから皮肉な話だ。 ●素顔の渡邉氏は  筆者は渡邉氏にインタビューしたことがある。渡邉氏をモデルにした小説『青年社長』(角川文庫)を書いた作家・高杉良氏からも長時間、渡邉氏について話を聞いた。実は、この小説を書くに当たり、高杉氏は渡邉氏から日記を入手した。それだけに、渡邊氏の心の奥深くまで入り込めたのだろう。高杉氏の話を聞いた後に渡邉氏に会った。インタビューといっても、渡邉氏はほぼ一方的に話していた。その姿に触れ、「並外れた頑張り屋」であり、企業家に必須とされる「アニマル・スピリット」が溢れる人物であると痛感したものだ。  「外食チェーンステーキハンバーグ&サラダバー けん」などを運営するエムグラントフードサービス社長、井戸実氏 がツイッターで、ワタミへの“ブラック批判”に怒りをぶちまけ、話題になっている。 アニマル・スピリットを体現した人ゆえのアニマル・スピリット応援歌を送ったのだろう。同じ外食チェーンの大先輩であるだけに、筆が走ったのかもしれない。  筆者は、これまで対話してきた多くの著名な創業者から、同じような「溢れんばかりの情熱」を感じた。そのような情熱は「自分の理解」と「他者(従業員など)の理解」が一致したとき良い効果を発揮する。しかし、「私がやってこられたから、君にもできるはずだ」と考えたとき、実力、価値観の違う人は拒絶反応を起こす。本当の名経営者は、この点をよく理解し、行動していた。  筆者も、大学生を教えていると「この国はどうなっていくのだろうか」と心配になることが少なくない。今こそ、日本人は金太郎さんではないが「優しくて力持ち」にならなくてはならない。優しくはなってきているが、力に欠けているような気がしてならない。現在の渡邉氏には数々の問題点はあるが、氏の強調している「必死に働け論」が理解できないわけではない。そう言うと、ブラック企業を擁護しているように聞こえるかもしれないが、決してそうではない。より深く考えたい人、時間のある人には、以下の論を読んでもらいたい。 ●これからの日本に求められる人材と教育  2010年、日本はGDP(国内総生産)で中国に抜かれ世界3位になったが、いよいよ「本当に幸せな国」を目指す時代を迎えたのではないだろうか。それを実現できる企業こそ、真に価値ある組織といえよう。  「武士は食わねど高楊枝」の精神だけでは、日本、いや、世界を動かすような「愛ある経営」の実践は不可能だ。愛の実践には、しっかりとした志、計画性、そして行動力が求められる。その意味で、「社会貢献」という偽善とも思える甘い囁きで、若者を空虚な夢物語に巻き込もうとする現代的風潮は、罪深い行為といえよう。  ホスピタリティ教育の観点からも、大学(中学校・高校)では、社会貢献は絵空事ではないことを学生たちに知らしめるべきである。自らの食いぶちを見つけることもせず、「ボランティアもどき」に走る人間を大量生産する「夢物語教育」よりも、現実の厳しさを教える実学教育こそ、ホスピタリティ実践の基礎を築くのではないだろうか。これこそ「愛の鞭」と呼べよう。  「愛」という言葉からは、静的なニュアンスを感じるかもしれないが、前述の事例からも明らかなように、愛をベースにしたホスピタリティの実践には動的な「アニマル・スピリット」が必須である。だからこそ、今の日本人には「アベノミクスなどに頼らない」というほどの心意気が求められる。  戦後、焦土と化した日本から、ソニーや本田技研工業(ホンダ)といった「焼け跡派ベンチャー」が急成長しグローバル企業になった現実は、アメリカの経営学者の目には「経営史の奇跡」と映った。それがきっかけとなり、「日本的経営」の研究が始まる。米経営学者ジェイムズ・アベグレンはその成果をまとめ『日本の経営』(日本経済新聞社)として上梓した。  東日本大震災で見せた日本人の「絆」は外国の人びとに感動を与えた。それは、日本人として嬉しいことだが、お褒めの言葉に甘んじていていいのだろうか。「第二の敗戦」と言われた東日本大震災。「これで日本人も変わる」と期待した識者も少なくなかった。確かに、エネルギー問題を深刻に再考するなど、変わった部分もあるが、「創造」の意識が高まり、行動に移したとはいえない。相変わらず、諸先輩がつくった遺産にぶら下がり食っていこうとする意識に、大きな変化は見られない。そのシステムが錆びつき、「食いぶち」が少なくなってきているという厳しい現実を前にしても、誰かがなんとかしてくれると思っている節がある。今こそ、「焼け跡派ベンチャー」だけでなく、戦前に丁稚奉公から身を起こした大企業の創業者に学ぶべきではないか。  「草食系」という言葉がすっかり定着してしまったが、現在、求められているのは、決して「言われたことだけを的確にこなせるだけの人」ではない。新事業を創造できる「創職系」である。それは単に「起業家」だけを意味しているのではない。サラリーマンであっても社内に新事業を起こせる「社内企業家」、それをきっかけにグループ企業の社長に転じる人、小商いからスタートする「商売人」、さらには、就職活動に取り組もうとしている(取り組んでいる)大学生でも、「入社したら、私はこんな事業を始めたい」と自ら編み出した斬新なビジネスプランを、面接時に堂々とプレゼンできる人などを指している。  「草食系」をもじった「創職系」は駄洒落のようだが、是非とも、この言葉と概念を世の中に定着させたいものだ。筆者が考案したこの言葉が定着したときこそ、「日本人は変わった」と外国から再び注目されるようになるのではないか。ただし、利潤・時価総額の最大化のみを狙った人員削減、過度(無駄)な労働強化、部下を教育する余裕すら失う成果主義、低賃金雇用を狙った植民地型グローバル経営などに走ってはならない。一人ひとりの価値観、信念、自我を尊重しない環境では、創造性、相互信頼、共愛の関係は生まれない。「愛」を忘れた「創職系」が台頭すれば、再び「エコノミック・アニマル」の再来と揶揄されることだろう。日本企業が新事業を創造し「愛」を最大目的とする経営を展開すれば、「新日本的経営」として、外国から再び注目されるだけでなく、既存の「日本的経営」とは違った視点から尊敬の眼差しで見られるようになるだろう。  かつての大阪商人を表す言葉として「浪速のど根性」が使われた。非常に古典的な概念だが、今の日本人には何よりも「根性」が必要だ。実は「根性」にも愛が求められる。大学生と接している私は、頼りない若者を見ていると渡邉氏の言わんとするところが分からないわけではない。だが、単純な「根性論」が通じないという世論・現実も計算に入れ、発言・行動しないと、バッシングの嵐が吹き荒れる。  「ソーシャル・ビジネス」と「ブラック企業」という相反する概念が、同時に流行する今の世の中で、より深く考えれば「ベストな解」が求められそうだ。私は現在、それを研究しているところだ。 (文=長田貴仁/経営学者・ジャーナリスト) ■おすすめ記事 森下悠里整形告白に、岡村隆史「顔見た時から怖いと思ってた。注射でもあかんと思う」 特定大学へ1000億ばらまきに異論噴出…大学迷走の背景に潜む、旧態依然な経営の実態 カジノ合法化、参院選後に加速の観測強まる…幅広い業態で経済波及効果の期待高まる スマホの動画SNS、新サービス続出で広がりの予感…TwitterやFBに投稿も 広がる便利なスマホのワイヤレス充電、先行ドコモに強敵出現?早くも競争激化の予感

ワタミにユニクロまで!! 不況下で伸びている企業はキケン!?“黒い会社”を生み出す日本型雇用の限界

――月刊サイゾーがウェブで読める「サイゾーpremium」から、今ホットな話題に関する記事をご紹介!  08年に女性社員が労働自殺を図り、以降ブラック企業のイメージが拭えないワタミ。その前会長である渡邉美樹氏が、7月21日に投開票が行われる参議院議員選挙に自民党公認で立候補するも、党内外で公認取り消しを求める気運が高まっており注目を集めています。「365日24時間死ぬまで働け」の名文句(?)を生み出しながらも、「ワタミはブラック企業じゃない!」とも宣う渡邉氏ですがはてさて。サイゾーでは過去に「ブラック企業」についても徹底研究しています。ワタミだけじゃない、日本企業に蔓延するブラック体質を生み出すその原因とは? ■今回のピックアップ記事 『ワタミにユニクロまで!! 不況下で伸びている企業はキケン!? “黒い会社”を生み出す日本型雇用の限界』(2012年5月号「崩壊する超優良企業」特集内より) ──過酷な労働や違法性の高い事業などを行う、いわゆる「ブラック企業」は、これまでも幾度となくネットや週刊誌などで注目を集めてきたが、こうした企業がなくなる気配はない。なぜ、現在の日本において「ブラック企業」は生まれ続けるのか? 識者の言や経営者たちの名言から、その背景を読み解いていこう。
1206_blak_illust.jpg
(絵/河合寛)
【ブラック企業の特徴1】 ■社長の権力が絶大 独裁者的な社長に権力が集中し、過酷な労働環境を従業員に強いているブラック企業も多い。社長のカリスマ性が社員をリードしているうちはいいが、スキルアップや将来の生活を保障せず、ただ使い捨てるためだけに強権を振るう経営者もいるため、十分に見極める必要がある。特にベンチャー企業の経営者には、このタイプが多いかも。 【ブラック企業の特徴2】 ■不況下でも成長を続ける 長引く不況で、高度成長期のように日本社会全体が右肩上がりで成長することは難しくなってきた。もちろん、そんな中でも業績を伸ばし続ける企業もあるが、その裏で従業員にしわ寄せがいっていることも多い。低賃金で長時間の労働を社員に押し付けて、不況下で利益を保っている企業もあるのだ。 【ブラック企業の特徴3】 ■夢ややりがいを売りに ブラック企業は、過酷な労働に耐え得る人材を育成するため、過剰に「夢」や「やりがい」を社員に押し付ける傾向がある。社員の人格を否定するような新人研修がテレビ番組で放送され問題になった「餃子の王将」など、どう考えてもブラックだと判断せざるを得ない社員教育を行っている企業も多い。若者の「夢」を食い物にする悪徳企業には要注意! 【ブラック企業の特徴4】 ■よくわからない横文字職業 求人広告でよく見かける、耳に聞こえのいい横文字職業。しかし、ブラック企業アナリストの新田龍氏によると、実態はだいぶ異なる。「オフィスIT化のコンサルティング営業」はコピー機の販売、「アミューズメントスタッフ」はパチンコの店員、「ハウスメンテナンスアドバイザー」はシロアリ駆除の訪問営業などなど。イメージに騙されてはいけない。 ──もはや一般的となった「ブラック企業」という言葉が、昨今再び世間を賑わせつつある。今年2月、ワタミフードサービスに勤務していた女性新入社員の自殺は、月100時間を超す残業が大きな要因だったとして、労災認定された。これに対して、同社の創業者・渡邉美樹氏が「労災認定の件、大変残念です。(中略)労務管理できていなかったとの認識は、ありません」とツイッターで発言し、波紋が広がったことも記憶に新しい。  現在の就職市場においては「やっとの思いで入社した企業が、過酷な長時労働を強いるブラック企業だった」といったことも頻繁に起こっている。厚生労働省の調査によると、今年2月1日現在の大卒内定率は80・5%で前年度比3・1%の増。しかし、調査を開始した96年以来、3番目に低い水準で、企業に有利な超買い手市場であることには変わりない。そんな中、「内定をもらえるなら、どんな企業にだって入社したい」と考える学生も多いのだろう。しかし、こうした切実な思いを逆手に取って、手ぐすねを引いて待っているブラック企業があまた存在するのだ。  本誌でも追求したが、08年頃には、セブン-イレブン・ジャパンや日本マクドナルドにおいても、実際には、役職にふさわしい権限などを与えていないのにもかかわらず、「管理職」に任命することによって、残業代などを削減する、いわゆる「名ばかり管理職」が横行していたことが問題となった。このように、人気就職先に名前が挙がるような有名企業でも、”黒い”体質を持っているケースがあると、ブラック企業アナリストの新田龍氏は言う。 「学生に人気が高いJTBはとにかく売り上げのノルマが厳しいことで有名。窓口での売り上げだけではなく、自社の商品券の販売ノルマもあって、さばき切れなかった場合は自分で購入することもざらです。これは、『自爆営業』と呼ばれ、金券ショップにこれらの商品券がたくさん置いてあるのは、社員が購入した分を売り払っているからだという噂もあります」(新田氏)  さらに、ある専門家からは、こんな意見も聞かれた。「ユニクロはグローバル企業をうたい、一般的な企業イメージは良いのですが、実際には過酷な長時間労働などで知られ、『ブラック企業』だとする声も多いです。しかし、こうした報道に対して、同社は出版差し止め要求や名誉毀損での数億円単位の民事訴訟を起こすといった前例があるため、マスコミもあまり実情を報じないのが現状なのです」。事実だとすれば、恐ろしい話である。  このように大企業といえども、ブラック企業といえるような企業も多数存在している。では、そもそもブラック企業とは、どのような企業なのだろうか? 今号特集内「経済小説家座談会」において、評論家の佐高信氏は「企業なんてそれそのもの、全部がブラック」だと掲げていたが、一般的なイメージとしては、「サービス残業などの労働基準法違反や、パワハラ、セクハラが横行している違法な会社」【「ブラック企業と法のキケンな関係」参照】といったものだろう。そのほか、ネットワークビジネス【「”原則違法”なマルチ商法の落とし穴」参照】やねずみ講、高額商品を無理やり契約させるキャッチ商法など、違法性の高い事業を行っている業者もブラック企業といわれている。そういった企業は、インターネット上で「ブラック企業ランキング」としてまとめられ、就職活動生の多くが目を通しているが、それでも入社してしまう学生が跡を絶たないのは、前記の通りである。  しかし、一口にブラックと言っても、人によって受け取り方はさまざま。とらえ方によっては些細な問題でも、「ブラック」と判断できてしまうことも確かだ。社会人経験のない新卒採用の社会人が安易にブラック企業のレッテルを貼ってしまうことへの批判も当然あり、いたずらに、「ブラック企業への不安」を煽るだけでは、現状を打開することはできない。そこで、ブラック企業の定義を改めて問い直し、なぜ現在の日本でにわかに問題となっているのかを、識者の話から検証していこう。 ■違法なだけではなく社員を捨て駒扱い  まずは、ブラック企業とはどのように定義されるのか? 前出の新田氏は「経営者に労働基準法を筆頭とした法律を守ろうとする意識がなく、自分たちの私利私欲のために、社員、取引先、顧客をないがしろにしている会社」をブラック企業とする。 「特に、社員に過剰な自己成長を煽る経営者には要注意です。社員の成長の基準は経営者自身が勝手に決めることができるため、ハードワークを行うことが『成長』の条件だと、都合のいいように定義されてしまうことにつながるからです。また、社員の自主性をうたう経営者にも気をつけたほうがいいでしょう。社員自身に高いノルマを設定するように誘導し、それを『自主的』だと胸を張っている勘違いな経営者もいます」(新田氏)  さらに、若者の労働問題などに取り組むNPO法人「POSSE」代表の今野晴貴氏は、ブラック企業をこう定義する。 「サービス残業や過労死といったものは、『ブラック企業』という言葉が出てくる以前から、日本社会で問題になっていました。しかし、その代わりに生涯を通じて生活の面倒を見るという企業が多かったことも事実です。一方、現在のブラック企業には、まったくそんな心づもりはなく、使えなくなったら容赦なく社員を切り捨てようとする。つまり、労働者が『働き続けられる環境があるかどうか』で判断したほうが、現在のブラック企業の定義を考える上で有効です」  すなわち、「労働基準法違反」や「違法な行為を行なっている」という観点だけでは、ブラック企業を見分けることができないという。今野氏はこう続ける。 「90年頃のバブル崩壊までは、過酷な労働をしなければいけないのは若い時期だけで、年齢を重ねるごとに過酷さはだんだんと緩和され、給料も上がっていくという認識が労使間で共有されていました。いわゆる日本型雇用といわれる終身雇用や年功序列といった制度がその典型です。その代わり、社員は企業の命令を絶対的に遵守するという、ある種の『契約』があったわけです。つまり、賃金が支払われないサービス残業など、違法なことを我慢する代わりに、得るものも大きかったといえます。しかし、そうした日本型雇用を維持できたのは、70年代以降も続いた日本の右肩上がりの経済成長があったからこそ。バブル崩壊以降は低成長時代に突入し、企業が社員の生活を守る力がなくなっているのにもかかわらず、企業の強い命令権だけが残ってしまっている状態です。そのため、ブラック企業が現在、社会的な問題になってきているのです」  社員を育て、生活を守っていくつもりのない企業にとって、社員はまさに捨て駒。人件費の安い若い時期に猛烈に働かせ、ある程度の年齢になったら切り捨てるという手法も横行しているという。それに加え、ブラック企業は社員のスキルを伸ばそうとせず、OJT(企業内教育)が皆無に等しいことも特徴として挙げられる。結果、「転職しても、ほかの会社でやっていけるのか」と社員が不安を募らせ、退職を妨げることになってしまう、と今野氏は語る。 ■ブラック企業を生み出す日本社会の構造的欠陥  このように労働者が圧倒的弱者となってしまう背景には、日本の社会制度の不備が指摘される。 「もともと日本では、手厚い企業福祉を前提として社会設計がなされていた側面があります。住宅手当や家族手当など、本来では国家が税金を通じた再配分で保障する部分を、企業福祉が代替していました。しかし、長引く不況で企業は手厚い福利厚生を維持できなくなってしまったことから、労働者には相当きつい社会になっていると言えます」(同)  今野氏いわく、現状を打開するためには「高福祉、低命令、低処遇」の社会を目指すしかないという。要点をまとめると、「国が社会福祉を充実させ、企業の命令権を法規制で弱める。その代わり、労働者は給料などの処遇を低い水準で我慢するという方策を取る」という主張だ。 「社会福祉をしっかりやれば、中小企業は関連の仕事が増え、国内産業を育てることができます。そして、子どもを育てられるような状態ができ、少子化にも歯止めがかかって内需の拡大が期待できます。つまり、高所得で海外旅行に行きまくるなどといった生活は我慢しましょうということです」(同)  経済成長に関する考えの是非はこの場では置いておくが、現在の社会構造がブラック企業を生んでいる以上、日本社会を法制度などから改革していく必要があるということは間違いないだろう。もちろん、個々の企業が法律を遵守し、社員のワークライフバランスを考えることを前提としての話ではある。その上で、これまで見てきたように、ブラック企業が生まれる背景として、個々の企業の問題だけにとどまらず、日本社会全体の問題が存在することを忘れてはならない。  また、こうした社会構造に欠陥がある中で成長している企業は、売り上げを伸ばすために「無理」をしている可能性があると、前出の新田氏は指摘する。その「無理」が、社員にとっては「ブラック」になっているとも考えられる。 「オフィスから椅子を全廃したキヤノン電子など、現在、『革新的経営』ともてはやされている企業などは、裏で従業員にしわ寄せがいっていることも多い。カリスマ的経営者がメディアで発言し、称賛を得ているケースをよく見かけますが、とどのつまりそういった企業は、経営者にとっての『優良企業』であることが大半です」(新田氏)  すべての企業とまでは言わないが、このご時世で企業を成長させていくためには、低賃金で長時間働く従業員がいるにこしたことはない、というのが経営者としての本音ではないだろうか。もしそのような考えを経営者が持っているのなら、世間や従業員に対し、さまざまな詭弁を弄して、自身や企業に都合がいい「革新的経営」の正当性を保ち続ける必要がある。そこで、次ページからは、企業経営者たちの著書やインタビューを参考に、彼らが発した名言に潜む、企業の「ブラックさ」を検証していきたい。 (文/宮崎智之) 「サイゾーpremium」では他にもブラック企業をぶった斬る記事が満載です!】企業乗っ取りも当たり前!? ブラック企業アナリスト・新田龍氏が選ぶ“社会的”ブラックな有名企業「死ぬまで働け!」「勝てば官軍」「弱い兵士は守らない」 経営者の名言で見るブラック企業キャリアコンサルタントが匿名で語る 転職のプロが選ぶ「”働きたくない”会社はココだ!」
1lineimg.jpg
「サイゾーpremium」とは?
雑誌「サイゾー」のほぼ全記事が、
月額525円読み放題! (バックナンバー含む)

ワタミの渡邊元会長、ブラック企業との報道に対し「間違ったこと。正義は勝つ!」と完全否定

 サイゾーのニュースサイト「Business Journal」の中から、ユーザーの反響の大きかった記事をピックアップしてお届けします。 ■「Business Journal」人気記事(一部抜粋) 安藤美姫、「一人の女性としての決断により、4月に赤ちゃんを出産。今シーズンで引退」と告白 AKB大島優子、総選挙当日について「脱ぎたかった。衣装の下に勝負水着仕込んでた」 香取慎吾「羨ましい有名人は木村拓哉。自分はバラエティ必死」、木村「ギクシャク…」 ■特にオススメ記事はこちら! ワタミの渡邊元会長、ブラック企業との報道に対し「間違ったこと。正義は勝つ!」と完全否定 - Business Journal(6月29日)
post_2681.jpg
 2011年、都知事選に出馬し、100万票を獲得するも落選という結果に終わってしまったワタミ株式会社・渡邉美樹会長。あれから2年……、今回は同じ失敗はしないという決意の現れか、今回は自民党の公認を得て参院選への出馬を表明している。  そんな渡邊氏の講演会「経営力で強い日本を取り戻す」が6月25日、大手町・日経ホールで開催。これに参加した男性から、この講演会の様子を聞いた。  「地球上で一番たくさんの“ ありがとう” を集める」の社是にかけてか、いきものががりの『ありがとう』が流れる場内。会場にはおよそ600人が詰めかけ、渡邊氏の話に熱心に耳を傾ける。「経営力で日本を取り戻す。」をスローガンに「TPP賛成」や「規制緩和」「法人税を半額に」などの持論を展開。特に、JAビルのすぐお隣というロケーションを意識してか、「農協はなくなったほうがいい」と渡邊氏の舌鋒も鋭い。  最近では、週刊文春を筆頭に「24時間365日働け」「営業12時間の内にメシを食える店長は二流だ」という哲学や、介護事業で事故を起こしてしまった被害者遺族に対しての「1億欲しいのか」というコメントなどが報道され、ブラック企業の経営者としてバッシングを受けている渡邊氏。この向かい風を意識しつつも「国政に出ると週刊誌からも叩かれる。都知事選の時はこんなに叩かれなかったのに」とリップサービスで会場を沸かせた。  さらに、バッシング騒動について「どうしようもないな、というのが正直なところ。間違ったことを書かれたとしても、事実でなければみんな必ずわかる」と、一連の報道が“間違ったこと”という見解を強調。「有り体な言葉ですけど『正義は勝つ』と思っています。心は揺れていません」と強気の姿勢をアピールしたという。  また、自民党の石破茂幹事長から「なぜ自民党なんですか?」と質問された渡邊氏。都知事選ではみんなの党から擁立という話が取り沙汰された。「規制緩和」という政治信条に照らしあわせれば、みんなの党や日本維新の会といった政党も選択肢に含まれるはず。「実際に、維新からもお話がありました」と出馬要請を受けたことを明らかにする渡邊氏。しかし「今回の選挙では自民党が勝たなきゃならない。安定した政権の中で国民を正しい方向に導かなければならないんです」と熱弁を振るった。  この討論会の中で行われたパネルディスカッションの司会を務めた実業家の早川周作氏は、「圧倒的な票数で当選していただき、党内での発言力を高めてほしい」とアピール。陣営としては、すでに当選の“先”を見据えているようだ。だが、最近では、公職選挙法違反の可能性も指摘されており、まだまだ油断は許されない(『共産地方議員「ワタミの手紙」に公選法違反可能性指摘』<アメーバニュース/6月23日/http://yukan-news.ameba.jp/20130623-296/>)。はたして、自民党議員として国政に進出することができるのか? それとも、新たなブラック報道によって、再び落選の憂き目に遭うのか……。  参院選の投票日まで、あと1カ月を切った。 (文=編集部) ■おすすめ記事 安藤美姫、「一人の女性としての決断により、4月に赤ちゃんを出産。今シーズンで引退」と告白 AKB大島優子、総選挙当日について「脱ぎたかった。衣装の下に勝負水着仕込んでた」 香取慎吾「羨ましい有名人は木村拓哉。自分はバラエティ必死」、木村「ギクシャク…」 TBS『音楽の日』、疑問満載の13時間超…ヘタな歌手たちの中途半端な口パク? 「惨殺事件の部屋は“鉄のにおい”がした」叩き上げ刑事が語る小説よりもリアルな現場

ワタミの渡邊元会長、ブラック企業との報道に対し「間違ったこと。正義は勝つ!」と完全否定

 サイゾーのニュースサイト「Business Journal」の中から、ユーザーの反響の大きかった記事をピックアップしてお届けします。 ■「Business Journal」人気記事(一部抜粋) 安藤美姫、「一人の女性としての決断により、4月に赤ちゃんを出産。今シーズンで引退」と告白 AKB大島優子、総選挙当日について「脱ぎたかった。衣装の下に勝負水着仕込んでた」 香取慎吾「羨ましい有名人は木村拓哉。自分はバラエティ必死」、木村「ギクシャク…」 ■特にオススメ記事はこちら! ワタミの渡邊元会長、ブラック企業との報道に対し「間違ったこと。正義は勝つ!」と完全否定 - Business Journal(6月29日)
post_2681.jpg
 2011年、都知事選に出馬し、100万票を獲得するも落選という結果に終わってしまったワタミ株式会社・渡邉美樹会長。あれから2年……、今回は同じ失敗はしないという決意の現れか、今回は自民党の公認を得て参院選への出馬を表明している。  そんな渡邊氏の講演会「経営力で強い日本を取り戻す」が6月25日、大手町・日経ホールで開催。これに参加した男性から、この講演会の様子を聞いた。  「地球上で一番たくさんの“ ありがとう” を集める」の社是にかけてか、いきものががりの『ありがとう』が流れる場内。会場にはおよそ600人が詰めかけ、渡邊氏の話に熱心に耳を傾ける。「経営力で日本を取り戻す。」をスローガンに「TPP賛成」や「規制緩和」「法人税を半額に」などの持論を展開。特に、JAビルのすぐお隣というロケーションを意識してか、「農協はなくなったほうがいい」と渡邊氏の舌鋒も鋭い。  最近では、週刊文春を筆頭に「24時間365日働け」「営業12時間の内にメシを食える店長は二流だ」という哲学や、介護事業で事故を起こしてしまった被害者遺族に対しての「1億欲しいのか」というコメントなどが報道され、ブラック企業の経営者としてバッシングを受けている渡邊氏。この向かい風を意識しつつも「国政に出ると週刊誌からも叩かれる。都知事選の時はこんなに叩かれなかったのに」とリップサービスで会場を沸かせた。  さらに、バッシング騒動について「どうしようもないな、というのが正直なところ。間違ったことを書かれたとしても、事実でなければみんな必ずわかる」と、一連の報道が“間違ったこと”という見解を強調。「有り体な言葉ですけど『正義は勝つ』と思っています。心は揺れていません」と強気の姿勢をアピールしたという。  また、自民党の石破茂幹事長から「なぜ自民党なんですか?」と質問された渡邊氏。都知事選ではみんなの党から擁立という話が取り沙汰された。「規制緩和」という政治信条に照らしあわせれば、みんなの党や日本維新の会といった政党も選択肢に含まれるはず。「実際に、維新からもお話がありました」と出馬要請を受けたことを明らかにする渡邊氏。しかし「今回の選挙では自民党が勝たなきゃならない。安定した政権の中で国民を正しい方向に導かなければならないんです」と熱弁を振るった。  この討論会の中で行われたパネルディスカッションの司会を務めた実業家の早川周作氏は、「圧倒的な票数で当選していただき、党内での発言力を高めてほしい」とアピール。陣営としては、すでに当選の“先”を見据えているようだ。だが、最近では、公職選挙法違反の可能性も指摘されており、まだまだ油断は許されない(『共産地方議員「ワタミの手紙」に公選法違反可能性指摘』<アメーバニュース/6月23日/http://yukan-news.ameba.jp/20130623-296/>)。はたして、自民党議員として国政に進出することができるのか? それとも、新たなブラック報道によって、再び落選の憂き目に遭うのか……。  参院選の投票日まで、あと1カ月を切った。 (文=編集部) ■おすすめ記事 安藤美姫、「一人の女性としての決断により、4月に赤ちゃんを出産。今シーズンで引退」と告白 AKB大島優子、総選挙当日について「脱ぎたかった。衣装の下に勝負水着仕込んでた」 香取慎吾「羨ましい有名人は木村拓哉。自分はバラエティ必死」、木村「ギクシャク…」 TBS『音楽の日』、疑問満載の13時間超…ヘタな歌手たちの中途半端な口パク? 「惨殺事件の部屋は“鉄のにおい”がした」叩き上げ刑事が語る小説よりもリアルな現場

「警告文送付」またブラック企業報道のユニクロ、ワタミと、超ホワイト企業はなまるうどん

 サイゾーのニュースサイト「Business Journal」の中から、ユーザーの反響の大きかった記事をピックアップしてお届けします。 ■「Business Journal」人気記事(一部抜粋) 中国、日本の新幹線技術を国際特許出願…なぜ川崎重工は技術を流出させたのか テレ朝の“マズい”グッズ売り場の売上拡大策を考える 商品陳列、顧客の視線… 岡村隆史、父親へ逮捕状のローラを心配「キャラがキャラだけに、もう舌出せない」 ■特にオススメ記事はこちら! 「警告文送付」またブラック企業報道のユニクロ、ワタミと、超ホワイト企業はなまるうどん - Business Journal(6月25日)
post_2385.jpg
(「はなまるうどんHP」より)
 長時間労働やパワハラなどによって、労働者をうつ病や過労死に追い込むブラック企業。近年、このブラック企業に対する批判の目が強まっている。 ・糸井重里「ブラック企業が生まれる理由」 糸井さんと、これからの働き方を考えてみた(下) ー 東洋経済オンライン(6月14日)  先日、パルコミュージアムで「はたらきたい展。」を開催したほぼ日刊イトイ新聞・糸井重里が、仕事観についての哲学を語る中で、ブラック企業についても言及している。 「ブラックになるのは、やっぱり稼ぎ方がまだ見えてないから」と糸井。デザイン事務所を例に「どうやって稼ぐかをわかって、仕事の配分を上手にしていけば、あんなにブラックにする必要はない」「社長もそこで働く人も、両方が気の毒」と語る。楽しく働くためには、社長がしっかりと商売を回さなければならないという。  本やグッズなどの販売で利益をあげているほぼ日。相場よりも高い価格設定ながら「お客さんがおカネを払いたくてしょうがないものをつく」るというスタンスで商品を開発。それを支えるのが糸井の「ものを買う人が、『もっと安ければ買うのに』っていうときって、たとえ安くても買わないですよ」という考え方だ。  うーん、ほぼ日で働きたい……。 ・ユニクロ『ブラック企業』著者に「警告」 「違法な論評など2度となされませんよう…」 ー J-CASTニュース(6月11日)  そんなほぼ日からも著書を出していながらも、ブラック企業の悪名を轟かせているのが、ファーストリテイリング社の柳井正氏。  このファーストリテイリング社が、ブラック企業の構造を解き明かした『ブラック企業 日本を食いつぶす怪物』(文春新書)の著者・今野春貴氏に対して「警告文」を送っていたことが明らかになっている。  「超大手の衣料品販売業で、グローバル企業を標榜しているX社」の社員に取材しながら、自著を記した今野氏。しかし、3月27日に今野氏のもとにファーストリテイリング社から送付された文書には「X社がユニクロを指すことは明らか」「通告人会社らに対する虚偽の事実の適示や違法な論評などを二度となされませんよう警告申し上げます」と記されていた。  この警告文を受け、出版社ではなく著者を狙い撃ちする姿勢に憤る今野氏。朝日新聞や他の週刊誌ではファーストリテイリング社の実名を上げ報道しているにもかかわらず、「X社」と名前を伏せた今野氏に対して「脅し」ともとれる行動に出るファーストリテイリング社の狙いはいったい何なのだろうか……? ・渡辺美樹理事長の学校法人 生徒に反省文100枚書かせるなどして退学者続出 ー 週刊文春WEB(6月19日)  6月に入り、毎週ワタミのブラック企業ぶりを暴いている週刊文春。社内文書に記載された「365日24時間死ぬまで働け」の文字、介護事業で事故を起こしてしまった被害者遺族に対して渡邉美樹会長の「1億欲しいのか」というコメント、ワタミが運営する郁文館夢学園の「問題を起こした生徒に対しては、400字詰め原稿用紙100枚の反省文」「2年間で100人弱の教員のうち30人が退職」という事実など、常識では考えられないワタミの内幕を暴いている。  渡邊会長は今夏の参院選に自民党比例区から出馬予定。いったい、彼が国政に進出すれば、日本にはどんな未来が待っているのだろうか……。 ・『はなまるうどん』がホワイト企業すぎる件 「面接官のほうから面接に来てくれる場合アリ」「他のうどん店を紹介」など ー ロケットニュース24(6月10日)  だが、「チェーン店なんてブラックばかり……」と絶望していたら大間違いのようだ。ロケットニュースの記事によれば、讃岐うどんチェーン「はなまるうどん」は超“ホワイト”企業だという。 「家族一緒に転勤可能」「完全週休二日制」のみならず「事情により面接官が自ら応募者の元まで面接に出向いてくれる」と他の外食チェーンではありえないほどの好待遇なのだ。  消費者としても、せっかくならば、従業員が馬車馬のごとく働かされるブラックではなく、社員が笑顔で働くホワイトな飲食店でお金を使いたいところ。「ホワイト企業」の報道が、店舗の売り上げアップに繋がることで、ブラック企業が駆逐されることを期待したい。 (文=萩原雄太/かもめマシーン) ■おすすめ記事 中国、日本の新幹線技術を国際特許出願…なぜ川崎重工は技術を流出させたのか テレ朝の“マズい”グッズ売り場の売上拡大策を考える 商品陳列、顧客の視線… 岡村隆史、父親へ逮捕状のローラを心配「キャラがキャラだけに、もう舌出せない」 フジHD株主総会大荒れ…テレビ視聴率3位転落や業績低迷に、経営責任を問う声相次ぐ パズドラ、ヒットの秘密…岐路に立つガチャ頼みのグリーとDeNA〜ゲームの転換点か

「1億円欲しいのか」報道のワタミ会長、著作でブラック企業肯定論を展開?

 サイゾーのニュースサイト「Business Journal」の中から、ユーザーの反響の大きかった記事をピックアップしてお届けします。 ■「Business Journal」人気記事(一部抜粋) 本田圭佑、レーシック手術失敗に代わる新たな病気の疑惑浮上…W杯出場への影響は? AKB指原、テレビで初のセンターに立つも、笑顔になれず…自ら「画(え)が地味」 AKB卒業の篠田、秋元Pへ1年前から相談…「自分のやりたいものと変わってきた」 ■特にオススメ記事はこちら! 「1億円欲しいのか」報道のワタミ会長、著作でブラック企業肯定論を展開? - Business Journal(6月13日)
post_2314.jpg
きみはなぜ働くか。―渡邉美樹が贈る88の言葉』(日経新聞社)
  ワタミ株式会社(以下、ワタミ)をめぐる6月13日発売の「週刊文春」(文藝春秋/6月20日号)の記事が話題となっている(http://shukan.bunshun.jp/articles/-/2807)。文春の報道によれば、ワタミが運営する老人ホーム「レストヴィラ元住吉」に入居し、不適切な介護によって死亡した男性の遺族に対して、同社の渡邉美樹会長は「1億欲しいのか」と言い放ったとのこと。  このような告発が後を絶たないワタミだが、同社が”ブラック企業"としての地位を不動にした、2008年の過労死事件から5年。この事件がいまだ遺族との和解に至っていないにも関わらず、渡邉会長が東京都知事選に続き、今夏の参院選に出馬の意向を表明していることから、反発の声が相次いでいる。  この渡邊会長が06年に出版した著書『きみはなぜ働くか 渡邉美樹が贈る88の言葉』(日本経済新聞社)を、今あらためて紐解いてみると、白いカバーには不釣合いの黒光りした言葉のオンパレードとなっている。佐川急便のトラックドライバーから出発し、一代で売上高1577億円(平成25年3月期)の優良企業を築き上げた渡邊氏。しかし、売り上げの黒字化の裏で、12年には「ブラック企業大賞2012」にノミネートされるという偉業を成し遂げてみせた。  ここでは彼の語る哲学をじっくりと見聞してみよう。  毎月ワタミ全店舗に送られるビデオレターをもとにして構成された本書。「夢を追う人は人生を後悔しない」「どんなときも『敬天愛人』の心をもって」といった人生訓から「想像力があれば、シゴトはすべてうまくいく」「プロのシゴトに『裏ワザ』はない」といった仕事論まで、渡邊氏が培ってきた考えが余すことなく詰め込まれている。  まず、渡邊氏の座右の銘となっている「夢」について。「きみたちに今夢がないのは、親の責任である。親に夢がないから、子どもにも夢がないのだ」と独自の理論を展開し、「夢なくして何が人生か!」と啖呵を切る。彼の人生において、「夢を追い求めなければならない」という思考は一貫している。  では、ほかの面ではどうだろうか? あいさつをすること、敬語を使うこと、約束を守ることなどを例に挙げ「今、人間が人間として生きる上での常識が、少し欠如しているような気がする」と昨今の世相を嘆く渡邊氏。しかし、彼の「常識」の中には「長時間労働は法律違反」という文字が欠落しているように感じるのは気のせいか。  また、仕事論では、朝顔が花を咲かせるために夜の冷気と闇を必要とすることになぞらえ「勉強がつらい、シゴトがつらいと思っている人がいるかもしれない。しかし、きみにとってそれは必要な冷たい空気であり、必要な闇ではないだろうか」と説く渡邊氏。解釈次第では、まるでワタミ=闇=ブラックであることを肯定しているかのような印象を読者に与える。その闇を抜け出せぬまま精神を傷つけた元社員たちの存在を、彼はどのように考えているのだろうか?   さらに、週刊文春でも報じられた「365日、24時間、死ぬまで働け!」というメッセージも本書には採録されている。「言葉のとおりそうしろというのではない。そんな気持ちで、働いてほしいということだ」と慌ててフォローを入れるが、実際に社員が過労死を遂げた現在となっては、悪い冗談にもならない。過労死事件が発生して以降も、この言葉が取り消されずに、ワタミ社内文書に掲載され続けているというから怒りを通り越して呆れるばかりだ。  「この本を手にとったみなさんが、それぞれの夢に向かい、キラキラと輝くような一生を送られることを願っています」というあとがきで締めくくられる本書。奴隷のように長時間働かされ、満足に寝ることもできない環境で、ワタミ社員たちは、どうやったら「キラキラと輝く一生を送」ることができるのだろうか。そもそも、本書のタイトルである「きみはなぜ働くか」という問いに対して、渡邊氏は「ワタミのためです!」と回答することを望んでいるのかもしれないが……。  参院選の出馬会見において、渡邊氏は「若い方々が元気よく夢を語れる社会にならなければならない」と語った。ブラック企業の経営者が国政に進出し、日本を"ブラック国家"に……そんな黒歴史になることだけは、絶対に勘弁してほしい。 (文=萩原雄太/かもめマシーン) ■おすすめ記事 本田圭佑、レーシック手術失敗に代わる新たな病気の疑惑浮上…W杯出場への影響は? AKB指原、テレビで初のセンターに立つも、笑顔になれず…自ら「画(え)が地味」 AKB卒業の篠田、秋元Pへ1年前から相談…「自分のやりたいものと変わってきた」 介護大手ニチイ学館に訴訟、一方的なケアプラン変更&解約で要介護者を見放しか 山岸舞彩騒動は氷山の一角?テレビ各局セクハラ事情…人気アナ、フリー転身の一因か