なんだかんだ、バラエティ界では、なだらかな新陳代謝が図られている。昔と違い、潤沢な制作費をかけられないテレビ業界。ランクの上がり切った大御所ばかり起用すると、多大なギャランティが発生するため、若い芽の成長が強く望まれているのだ。 最近のキャスティング、特にMC陣の顔ぶれを見れば、それは明らか。有吉弘行やフットボールアワー・後藤輝基が重宝されている現在だが、彼らに続くのはオードリーの若林正恭や千鳥のノブといった新顔たちである。 しかし、さらにもっと新しいMC候補を見出したいテレビ界。その欲求に応えるかのように実施されたのは、10月11日放送『ナカイの窓』(日本テレビ系)で行われた「ゲストMCやらせてくださいSP」だ。同番組にて、中居正広の隣で進行する「ゲストMC」の座を射止めたい芸能人が集合し、誰が最も適任かを競う特別企画である。 この日登場した新たなゲストMC候補は、ゆいP(おかずクラブ)、昴生、亜生(ともにミキ)、滝沢カレン、阿諏訪泰義(うしろシティ)、梅澤廉(日本テレビアナウンサー)、吉村崇(平成ノブシコブシ)の7人。 この中で誰がMCに向いているか、日本テレビスタッフに一斉調査して導き出されたランキングが今回は発表された。その結果は以下だ。 7位:梅澤廉(4票) 「出演者からイジられやすく、いろんな人から楽しく話を引き出すことができそう」(番組AD) 5位:亜生(9票) 「顔が良い」(番組AP) 5位:昴生(9票) 「そろそろハマる時が来そう」(番組演出) 4位:阿諏訪泰義(11票) 「さわやかで女性人気も高い。料理上手で好感度も高い」(番組ディレクター) 3位:ゆいP(12票) 「女性のゲストMCはハリセンボン・春菜さんのイメージが強いので、新たな女性MCを見たいと期待を込めて」(番組ディレクター) 2位:吉村崇(16票) 「めちゃくちゃ面白いことを言うわけではないが、大きい声で面白そうな雰囲気を出している」(番組ディレクター) 1位:滝沢カレン(17票) 「実はツッコめる。本音で話せる。さらに適当にあしらえる。これは、実はすべてMC向き。言葉選びが独特なのはMCをやるのにプラスしかない」(番組演出) 「変な日本語だが、その発言は礼儀をわきまえた上であり、ロケ中も謙虚で丁寧な姿勢が好印象でした。回し役での変な日本語に新たな可能性を感じますし、編集上も残るのではないかと思います」(番組ディレクター) なんと、MCに最適だと選出されたのは滝沢カレンであった。 ■意外に悪くない仕切りを見せる滝沢カレン さっそく、この日の滝沢カレンはMCとしての実力を垣間見せている。 まず、調子が良い軽ボケを連発する芸人・田渕章裕(インディアンス)が登場。彼と対峙してどれだけ話を引き出すことができるか、番組側はMC候補らのために場を用意した。 このシチュエーションで、例えば梅澤アナはボロボロだった。スタジオに現れるや、田渕はまともに椅子に座ろうとしないし、「日本テレビアナウンサーの梅澤と申します」と、よくわからないボケを連発するし。結果、全く話を引き出せずじまいで持ち時間を終了させてしまう梅澤アナ。 一方、滝沢は見事だった。小ボケを連発する田渕を「はい、わかりましたー」「それはそうと……」といなし続け、唐突に「昨日の生き様を教えてください」と、変な日本語を用いて彼女なりにゲストを掘り起こそうとする姿勢。 確かによく見ると、滝沢のMC術は番組を脱線させていない。こまめにツッコミも入れている。結果として視聴者の印象に残るのはMCばかりだったものの、それを断罪するならば明石家さんまのMCだって成立してないことになる。 ■21世紀だからこそ成立する、「MC・滝沢カレン」 実は、すでに滝沢はMCを経験済みだ。10月3日に放送された特番『世界! ちょっといいですか?~色んな国で同じコト聞いてみた~』(フジテレビ系)は、異国の文化や国民性をテーマにしたクイズ番組。 この時、MC席に着いた滝沢は、芸人らのトークでガヤついた場に直面するも「はい、それでは切り替えましょう」と淡白にあしらい、惜しくも誤答する回答者に「そういう考えは通用しないと思います」とツッコミを入れ、正解が出ると「大正解です!」と言うつもりが「大喜びです!」と言い間違える、まるで新たなMC像を提示している。ステレオタイプとは真逆の“笑い”と“仕切り”は、新鮮な見どころだ。 かつて、演出家としてテレビ界の第一線にいたテリー伊藤は「たこ八郎をゴールデン番組の司会にしたい!」と息巻いていたものの、その思いが叶うことはなかった。 しかし、時代は変容する。お笑い芸人がお笑い以外の番組でMCを務めることはもはや珍しくなく、冒険的なキャスティングも当時よりは融通の利く現代だ。 この状況は、滝沢カレンにとって好機。突拍子もないキャスティングが許される今だからこそ、彼女は“21世紀の新MC”と呼ぶにふさわしい存在。 もし本当に、彼女が多くの番組にMCとして登場したならば、テレビ界は荒れる。芸能界のMC事情も、新たな境地へ進むこととなるだろう。そんな日を妄想しただけで、ワクワクしてくるじゃないか。 (文=寺西ジャジューカ)滝沢カレンのインスタグラム(@takizawakarenofficial)より
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ベッキー、ローラ凋落で新ハーフ女王へ! 滝沢カレン、大いなる可能性への期待
どうしてあのタレントは人気なのか? なぜ、あんなにテレビに出ているのか? その理由を、業界目線でズバッと斬る「ズバッと芸能人」。 滝沢カレンが快進撃を続けている。2017年上半期テレビ出演本数ランキングによると、133本で女性モデル・タレント・アイドル部門10位。2年前の『踊る!さんま御殿!!』(日本テレビ系)で「変な日本語をしゃべるハーフ」として注目を浴びて以降、着実にキャリアを積んでいる。当初は「そこまで賞味期限は長くない」と業界ではウワサされていたが、そんな予想をはるかに裏切る“長持ち”ぶりだ。その秘密は、どこにあるのだろうか? ■ハーフタレントの淘汰 前提として、一時期は乱立状態にあったハーフタレントが「整理」されてきたことがある。 “絶対女王”ベッキーはゲス不倫で失脚、SHELLYはママタレントとしてステップアップ、マギーも不倫スキャンダルでオファー減、ローラは父親の逮捕、さらには最近取り沙汰されている所属事務所社長との確執で露出減、その後輩であるダレノガレ明美は、「悪くはないが決め手がない」といった理由で爆発的なブレークに至っていない。 対抗馬は藤田ニコル、ホラン千秋の2人だが、藤田は純製の「おバカ」だし、ホランは「キャスター」と、そこまでの“かぶり”はない。 つまり、王道バラエティで“使える”ハーフタレントへのオファーは今、滝沢に一極集中しているのだ。 ■四字熟語、ナレーション、実況……変な日本語のアプローチが多彩 快進撃の第2の理由、それは「変な日本語」の“活用法”が独自の進化を遂げているということだ。 今年3月29日の『ザ!世界仰天ニュース』(日本テレビ系)に出た彼女は、共演者を四文字熟語で表現するという芸当を自ら始めた。 笑福亭鶴瓶を「快楽名人」、中居正広を「支配抜群」、関口メンディーを生涯踊子(おどりこ)」、尾上松也は歌舞伎俳優の中でバラエティに1人だけ出ていることから「単独行動」と表現。強烈な存在感を業界に改めて示し、すぐに消費されてしまうようなハーフタレントではないところを見せたのだ。 7月16日の『ニノさん』(同)でも、引きこもりがちでゲーム好きで知られる嵐・二宮和也を「趣味在宅」と評し、話題を呼んだ。 さらに、滝沢の「ヘンテコ」なワードセンスは、ニュースバラエティ『全力!脱力タイムズ』(フジテレビ系)で花開いた。ここでは毎回、絶品グルメのナレーションを担当しているのだが、スタッフはぶっつけ本番で彼女に原稿を読ませている。しかも、漢字にはルビなど振られていない。案の定、「常連」を「つねれん」、「老舗」を「ろうほ」、文豪を「ごうもん」、また「蜘蛛」をなぜか「ちょうちょ」などと読み間違う、奇跡の失態ぶりを続けている。 真骨頂は、調理の工程を、ナレーションやメモも一切なく実況している場面だ。穴子天丼を作るため、職人が穴子を包丁で手際よく切り裂くシーンでは、「あっという間に、血も涙もないかのように切り裂いていきます」。ゆでた稲庭うどんを水でしめているときは、「今まで嫌だったことをすべて水で洗い流し」などアドリブ解説している。 ■最近は「食レポ」「即興ソング」「朗読」も そんな滝沢に「食レポ」をやらせようと考えたのが、名古屋のローカル番組『本能Z』(CBCテレビ)だ。あるロケでは開口一番、「名古屋のみなさーん、何してますか? 滝沢カレンです」と始まり、取材先のパンケーキ店に入るや「いろんな人がいます」とレポート。さらに、紫芋のパンケーキを食べた途端、「ラーメンで例えるんだったら塩ラーメン」と評し、店主に「なんでこんなの作ろうと思ったんですか?」と、丁寧な口調でケンカを売るという高度な芸当を見せた。 ほかにも、『しゃべくり007』(日本テレビ系)では、「出演した今の気持ちを歌にして」と、くりぃむしちゅー有田哲平に振られ、即興でオリジナルソングを披露したり、4月からはEテレで『NHK高校講座 あらためましてベーシック国語』に出演し、名作を朗読している。 このように、ローラが切り開いた「おとぼけでかわいいハーフ」という同じ道を歩きつつも、四字熟語、ナレーション、実況、食レポ、即興ソング、朗読と、変な日本語をさまざまな切り口でアレンジ。さらに、スタッフやタレントからの「無理難題」にも堂々と応え、「いじられハーフ」という新たなポジションを獲得した滝沢カレン。今後の可能性に期待したい。 (文=都築雄一郎) ◆「ズバッと芸能人」過去記事はこちらから◆滝沢カレンインスタグラムより(@takizawakarenofficial)
ベッキー、ローラ凋落で新ハーフ女王へ! 滝沢カレン、大いなる可能性への期待
どうしてあのタレントは人気なのか? なぜ、あんなにテレビに出ているのか? その理由を、業界目線でズバッと斬る「ズバッと芸能人」。 滝沢カレンが快進撃を続けている。2017年上半期テレビ出演本数ランキングによると、133本で女性モデル・タレント・アイドル部門10位。2年前の『踊る!さんま御殿!!』(日本テレビ系)で「変な日本語をしゃべるハーフ」として注目を浴びて以降、着実にキャリアを積んでいる。当初は「そこまで賞味期限は長くない」と業界ではウワサされていたが、そんな予想をはるかに裏切る“長持ち”ぶりだ。その秘密は、どこにあるのだろうか? ■ハーフタレントの淘汰 前提として、一時期は乱立状態にあったハーフタレントが「整理」されてきたことがある。 “絶対女王”ベッキーはゲス不倫で失脚、SHELLYはママタレントとしてステップアップ、マギーも不倫スキャンダルでオファー減、ローラは父親の逮捕、さらには最近取り沙汰されている所属事務所社長との確執で露出減、その後輩であるダレノガレ明美は、「悪くはないが決め手がない」といった理由で爆発的なブレークに至っていない。 対抗馬は藤田ニコル、ホラン千秋の2人だが、藤田は純製の「おバカ」だし、ホランは「キャスター」と、そこまでの“かぶり”はない。 つまり、王道バラエティで“使える”ハーフタレントへのオファーは今、滝沢に一極集中しているのだ。 ■四字熟語、ナレーション、実況……変な日本語のアプローチが多彩 快進撃の第2の理由、それは「変な日本語」の“活用法”が独自の進化を遂げているということだ。 今年3月29日の『ザ!世界仰天ニュース』(日本テレビ系)に出た彼女は、共演者を四文字熟語で表現するという芸当を自ら始めた。 笑福亭鶴瓶を「快楽名人」、中居正広を「支配抜群」、関口メンディーを生涯踊子(おどりこ)」、尾上松也は歌舞伎俳優の中でバラエティに1人だけ出ていることから「単独行動」と表現。強烈な存在感を業界に改めて示し、すぐに消費されてしまうようなハーフタレントではないところを見せたのだ。 7月16日の『ニノさん』(同)でも、引きこもりがちでゲーム好きで知られる嵐・二宮和也を「趣味在宅」と評し、話題を呼んだ。 さらに、滝沢の「ヘンテコ」なワードセンスは、ニュースバラエティ『全力!脱力タイムズ』(フジテレビ系)で花開いた。ここでは毎回、絶品グルメのナレーションを担当しているのだが、スタッフはぶっつけ本番で彼女に原稿を読ませている。しかも、漢字にはルビなど振られていない。案の定、「常連」を「つねれん」、「老舗」を「ろうほ」、文豪を「ごうもん」、また「蜘蛛」をなぜか「ちょうちょ」などと読み間違う、奇跡の失態ぶりを続けている。 真骨頂は、調理の工程を、ナレーションやメモも一切なく実況している場面だ。穴子天丼を作るため、職人が穴子を包丁で手際よく切り裂くシーンでは、「あっという間に、血も涙もないかのように切り裂いていきます」。ゆでた稲庭うどんを水でしめているときは、「今まで嫌だったことをすべて水で洗い流し」などアドリブ解説している。 ■最近は「食レポ」「即興ソング」「朗読」も そんな滝沢に「食レポ」をやらせようと考えたのが、名古屋のローカル番組『本能Z』(CBCテレビ)だ。あるロケでは開口一番、「名古屋のみなさーん、何してますか? 滝沢カレンです」と始まり、取材先のパンケーキ店に入るや「いろんな人がいます」とレポート。さらに、紫芋のパンケーキを食べた途端、「ラーメンで例えるんだったら塩ラーメン」と評し、店主に「なんでこんなの作ろうと思ったんですか?」と、丁寧な口調でケンカを売るという高度な芸当を見せた。 ほかにも、『しゃべくり007』(日本テレビ系)では、「出演した今の気持ちを歌にして」と、くりぃむしちゅー有田哲平に振られ、即興でオリジナルソングを披露したり、4月からはEテレで『NHK高校講座 あらためましてベーシック国語』に出演し、名作を朗読している。 このように、ローラが切り開いた「おとぼけでかわいいハーフ」という同じ道を歩きつつも、四字熟語、ナレーション、実況、食レポ、即興ソング、朗読と、変な日本語をさまざまな切り口でアレンジ。さらに、スタッフやタレントからの「無理難題」にも堂々と応え、「いじられハーフ」という新たなポジションを獲得した滝沢カレン。今後の可能性に期待したい。 (文=都築雄一郎) ◆「ズバッと芸能人」過去記事はこちらから◆滝沢カレンインスタグラムより(@takizawakarenofficial)

