元SMAP・草なぎ剛が、ショーンKよろしく「俺、ハーバード大卒なんだ」「俺、コンサル会社社長なんだ」とホラを吹きまくる連続ドラマ『嘘の戦争』(フジテレビ系、関西テレビ制作)の第2話。平均視聴率は、初回をわずかに上回る12.0%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録。評判も至極上々です。 SMAP解散後初主演とあって、木村拓哉主演の日曜劇場『A LIFE~愛しき人~』(TBS系)との視聴率対決が注目されていますが、『A LIFE』の初回は14.2%で今期ドラマの初回暫定首位。しかし、キムタク主演の日曜劇場は、『安堂ロイド~A.I. knows LOVE?~』で初回19.2%から、第4話にして10.3%まで暴落させた前科がありますから、まだまだ勝負の行方はわかりません。 ■犯人が集まってくるシステム? 初回では、自身の家族を惨殺した実行犯とタイで偶然出会い、日本に戻ってこてんぱんに懲らしめた浩一(草なぎ)ですが、第2話でもまたもや、30年前に嘘の証言をした六反田(飯田基祐)に偶然出会っちゃいました。毎回、こうやって犯人が集まってくるシステムなんでしょうか? なお、初回のラストシーンでニシナグループ会長・興三(市村正親)を庇ってナイフで一突きされた浩一ですが、内臓を損傷し、入院。浩一いわく、「内臓の位置はわかってる。刺される瞬間に致命傷は避けた」そうです。す、すごい。 一方、命を助けられた興三は、「あの男は何者だ? 会ったばかりの私を庇って刺されるとは、単なるバカか? よほどの魂胆があるのか……」と浩一に感謝するどころか、ドン引きしちゃってます。浩一の思惑が外れたってこと? でも、浩一はいつだって「詐欺師になりたきゃ賢くなれ。幅広い知識と教養だ」と自信満々だし……。ああ、どこまでが計算なのかわからない! こんなところも、同ドラマの魅力なのでしょう。 ■草なぎくんの感情が爆発! 「頼りない兄が連れてきたから」という一点だけで、初対面から浩一を疑いまくりの隆(藤木直人)ですが、今回も「楓とはどこで会った!」「君の事務所のビルを見てきた。随分と古いビルだな」「仁科家に、急に縁が繋がりすぎてないか」と入院中の浩一に詰め寄ります。でも、考えてみると、浩一は仁科家にまだ何もしてないんですよね。なんか、隆がギフハブに怯えるASKAに見えてきました。 早々に退院した浩一は、仁科家の顧問弁護士を務めている六反田への復讐を開始。ハルカ(水原希子)の潜入捜査により、六反田が詐欺集団と共謀して被害者から金を巻き上げていることを突き止め、逮捕に追い込みます。 さらに、六反田から奪った音声テープから、30年前、バカな大学生グループが起こした婦女暴行殺人事件が発端で家族が殺されたことを知った浩一は、あまりの不条理さに「あああああああ!」と感情が爆発。半狂乱で「くそ! くそ! くそ! くそ!」と壁を叩きます。いやあ、鬼気迫る演技ですな。 ■Sexy Zone・菊池風磨に違和感 浩一は、興三に近づくため、楓(山本美月)に急接近。「家族旅行中に事故に遭い、1人だけ助かった」などと嘘を並べると、楓は「こんなこと、私に話してくれるなんて!」といった様子で、たちまち目がトロ~ン。そんな楓に、浩一はすかさずキス! 25歳と42歳の結構な“年の差キス”ですが、草なぎくんなら問題ありませんね。 また、初回から「あいつらに地獄を見せてやる!」と決め台詞を放っていた浩一ですが、今回、「地獄」の定義を明言しました。いわく、「罪を告白させ、土下座させて、全てを奪う」だそうです。やっぱ、土下座は外せませんよね。 早くも30年前の事件の真相が判明した第2話。とにかくストーリのテンポが抜群で、見応え十分。漫画ちっくなキザなセリフも、キャストの高い演技力で違和感なく見られます。……が、詐欺師見習いのカズキを演じるSexy Zone・菊池風磨のシーンだけ、なんか笑っちゃうんですよね……。“元引きこもり”という設定ですが、おしゃれな不良にしか見えないし。ただ、草なぎくんのドラマにSexy Zoneのメンバーが出ているというのは、飯島三智マネジャーの残り香が感じられてなかなかオツなもの。というわけで、早く菊池の演技に慣れるよう、努めます。 (文=どらまっ子TAMOちゃん)
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草なぎ剛『嘘の戦争』視聴率上昇で、木村拓哉『A LIFE』超え!? 問題は「セクゾ・菊池風磨の演技」か
元SMAP・草なぎ剛が、ショーンKよろしく「俺、ハーバード大卒なんだ」「俺、コンサル会社社長なんだ」とホラを吹きまくる連続ドラマ『嘘の戦争』(フジテレビ系、関西テレビ制作)の第2話。平均視聴率は、初回をわずかに上回る12.0%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録。評判も至極上々です。 SMAP解散後初主演とあって、木村拓哉主演の日曜劇場『A LIFE~愛しき人~』(TBS系)との視聴率対決が注目されていますが、『A LIFE』の初回は14.2%で今期ドラマの初回暫定首位。しかし、キムタク主演の日曜劇場は、『安堂ロイド~A.I. knows LOVE?~』で初回19.2%から、第4話にして10.3%まで暴落させた前科がありますから、まだまだ勝負の行方はわかりません。 ■犯人が集まってくるシステム? 初回では、自身の家族を惨殺した実行犯とタイで偶然出会い、日本に戻ってこてんぱんに懲らしめた浩一(草なぎ)ですが、第2話でもまたもや、30年前に嘘の証言をした六反田(飯田基祐)に偶然出会っちゃいました。毎回、こうやって犯人が集まってくるシステムなんでしょうか? なお、初回のラストシーンでニシナグループ会長・興三(市村正親)を庇ってナイフで一突きされた浩一ですが、内臓を損傷し、入院。浩一いわく、「内臓の位置はわかってる。刺される瞬間に致命傷は避けた」そうです。す、すごい。 一方、命を助けられた興三は、「あの男は何者だ? 会ったばかりの私を庇って刺されるとは、単なるバカか? よほどの魂胆があるのか……」と浩一に感謝するどころか、ドン引きしちゃってます。浩一の思惑が外れたってこと? でも、浩一はいつだって「詐欺師になりたきゃ賢くなれ。幅広い知識と教養だ」と自信満々だし……。ああ、どこまでが計算なのかわからない! こんなところも、同ドラマの魅力なのでしょう。 ■草なぎくんの感情が爆発! 「頼りない兄が連れてきたから」という一点だけで、初対面から浩一を疑いまくりの隆(藤木直人)ですが、今回も「楓とはどこで会った!」「君の事務所のビルを見てきた。随分と古いビルだな」「仁科家に、急に縁が繋がりすぎてないか」と入院中の浩一に詰め寄ります。でも、考えてみると、浩一は仁科家にまだ何もしてないんですよね。なんか、隆がギフハブに怯えるASKAに見えてきました。 早々に退院した浩一は、仁科家の顧問弁護士を務めている六反田への復讐を開始。ハルカ(水原希子)の潜入捜査により、六反田が詐欺集団と共謀して被害者から金を巻き上げていることを突き止め、逮捕に追い込みます。 さらに、六反田から奪った音声テープから、30年前、バカな大学生グループが起こした婦女暴行殺人事件が発端で家族が殺されたことを知った浩一は、あまりの不条理さに「あああああああ!」と感情が爆発。半狂乱で「くそ! くそ! くそ! くそ!」と壁を叩きます。いやあ、鬼気迫る演技ですな。 ■Sexy Zone・菊池風磨に違和感 浩一は、興三に近づくため、楓(山本美月)に急接近。「家族旅行中に事故に遭い、1人だけ助かった」などと嘘を並べると、楓は「こんなこと、私に話してくれるなんて!」といった様子で、たちまち目がトロ~ン。そんな楓に、浩一はすかさずキス! 25歳と42歳の結構な“年の差キス”ですが、草なぎくんなら問題ありませんね。 また、初回から「あいつらに地獄を見せてやる!」と決め台詞を放っていた浩一ですが、今回、「地獄」の定義を明言しました。いわく、「罪を告白させ、土下座させて、全てを奪う」だそうです。やっぱ、土下座は外せませんよね。 早くも30年前の事件の真相が判明した第2話。とにかくストーリのテンポが抜群で、見応え十分。漫画ちっくなキザなセリフも、キャストの高い演技力で違和感なく見られます。……が、詐欺師見習いのカズキを演じるSexy Zone・菊池風磨のシーンだけ、なんか笑っちゃうんですよね……。“元引きこもり”という設定ですが、おしゃれな不良にしか見えないし。ただ、草なぎくんのドラマにSexy Zoneのメンバーが出ているというのは、飯島三智マネジャーの残り香が感じられてなかなかオツなもの。というわけで、早く菊池の演技に慣れるよう、努めます。 (文=どらまっ子TAMOちゃん)
14.2%スタートのTBS『A LIFE~愛しき人~』木村拓哉が見せた“意外すぎる成長”とは?
SMAP解散後、木村拓哉にとって初の俳優仕事となる日曜劇場『A LIFE~愛しき人~』(TBS系)も、満を持してスタート。初回視聴率は14.2%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と、それなりの注目度を示しました。 木村が扮するのは、メス一本で勝負する“職人外科医”沖田。10年前にシアトルに渡って外科手術の最前線を体験し、卓越した技術を身に付けた天才肌という役柄です。 そんな沖田が10年前まで勤めていたのが、東京にある壇上記念病院。熱い医師魂を抱く老院長・壇上虎之助(柄本明)と、ビジネスセンスに長けた副院長・壇上壮大(浅野忠信)が切り盛りする大病院です。ちなみに壮大は院長の娘婿(つまり逆玉の輿)で、娘の深冬(竹内結子)も小児科医として同病院に勤務しています。 物語は、その院長・虎之助が意識を失って倒れたことから始まります。病名は大動脈弁狭窄とみられ、外科部長・羽村(及川光博)の見立てでは、院長の年齢と心機能ではオペは難しく、かえって命の危険があるとのこと。「もって半年」という診断が下されます。 しかし虎之助は、「沖田先生に診てもらいたい」と言い出しました。「シアトルにいる沖田だ」と。実は、10年前に沖田を渡米させたのは虎之助自身でした。虎之助に恩を感じている沖田は、すぐさまビジネスクラスで機上の人に。ちなみにGoogleフライトさんによると、シアトル・成田便のビジネスは41万円とか。さすが天才外科医だけあって、稼ぎもいいようです。寝転がりながら悠々と帰国してきます。 茶色の革ジャケットで壇上記念病院に駆け付けた沖田。『HERO』の茶色ダウンと同じ色味なので既視感バリバリですが、この直後、木村拓哉に明らかな変化が見られます。 出迎えた壮大こと浅野忠信(179cm)と、ほとんど同じ身長……! せ、成長してる……! で、沖田は周囲の反対を押し切って難しい手術を決行し、一旦は成功するも、“不測の事態”で虎之助は意識不明に。周囲は「オペしなければもっと生きられた」「どうせダメだから実験的オペか」「もうそっとしといてやれ」などなど言いますが、沖田は再手術の方法を考え抜き、深冬の許可を得て再びメスを入れ、院長の命を救うことに成功しました。 このあたりの医療シーン、聞いたこともない専門用語がひたすらに羅列され、ほとんど説明されません。しかし、医療監修に順天堂大学医学部附属順天堂医院が入っていることもあり、なんとなくリアルに感じます。オペシーンが、まったくドラマチックに描かれることなく淡々とした演出なのも好印象です。 また、そうした淡々としたシーンの中で、オペナース・柴田(木村文乃)の有能ぶりがさりげなく描かれたかと思えば、その柴田が沖田の“バディ”として展開に深く関わってくるなど、人物紹介の手際も実にスムーズ。 さらに沖田が天才的技量を持った外科医であることも、大げさにならない程度に、かつスマートに描かれます。 たとえば最初の手術で、院長の出血量は50ccでした。再手術では100cc。その記録を見た若手医師・井川(松山ケンイチ)に「1ケタ間違えてる」と言わせることで、まさしくその技術が「ケタ外れ」であることが語られました。 また、手術のシーンで沖田が「ちょっと急ぎます」と言って器具を持ち替える動作があり、それを見た井川が「左手!?」と、思わず声を上げてしまうシーンもありました。きっと、普通の外科医は左手でその動きをできないし、しようともしないのでしょう。そういう説得力が、細かく細かく描かれていたということです。 第1話は、病院の愛娘で副院長の妻・深冬に脳腫瘍が見つかったところで終わりました。 夫の壮大は副院長であり、脳外科のエキスパートです。実は沖田とは幼なじみの関係であり、深冬は沖田の元カノ。さらに、沖田の渡米は、深冬と病院を手に入れようとした壮大の謀略によるものであることも明らかに。 その壮大が、沖田に「おまえが切るしかない」と言って、妻の手術を依頼します。沖田は「脳は子どもしか切ったことがないし、日本の(脳外科医の)トップは壮大だろ」と固辞しますが、「家族のオペはできないだろ。おまえしかいないんだよ、切れるよな?」と……。 第1話を見た限りでは、今クールの日曜劇場は、実に手堅く、高品質に仕上げてきたという印象です。比較的ぶっ飛んだキャラを演じることの多い印象の菜々緒や田中泯といった脇役陣も、ドラマが描こうとするリアリティの枠内にギリギリ収まっているし、何より竹内結子は、やっぱりすごく上手いと思う。 と、ここまで書いてきて、やっぱり違和感は木村拓哉ということになってしまうんですよねえ。背が伸びたことは別にいいんですが、画面の雰囲気が硬質で、キャストが豪華で、演出も巧みで、木村拓哉の能面芝居だけが、ドラマが描こうとするリアリティの枠からはみ出しているように見えてしまう。これはもう、どうしようもないことなんですが。 ともあれ、「絶対にコケられない」というTBSの気合はビシビシ感じましたし、単純にお話が面白いので楽しみに追いかけられると思います。主人公、できれば堤真一あたりで……と思ったけど、それだったらまんま映画『孤高のメス』(10)になっちゃいますね。 (文=どらまっ子AKIちゃん)TBS系『A LIFE~愛しき人~』番組サイトより
14.2%スタートのTBS『A LIFE~愛しき人~』木村拓哉が見せた“意外すぎる成長”とは?
SMAP解散後、木村拓哉にとって初の俳優仕事となる日曜劇場『A LIFE~愛しき人~』(TBS系)も、満を持してスタート。初回視聴率は14.2%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と、それなりの注目度を示しました。 木村が扮するのは、メス一本で勝負する“職人外科医”沖田。10年前にシアトルに渡って外科手術の最前線を体験し、卓越した技術を身に付けた天才肌という役柄です。 そんな沖田が10年前まで勤めていたのが、東京にある壇上記念病院。熱い医師魂を抱く老院長・壇上虎之助(柄本明)と、ビジネスセンスに長けた副院長・壇上壮大(浅野忠信)が切り盛りする大病院です。ちなみに壮大は院長の娘婿(つまり逆玉の輿)で、娘の深冬(竹内結子)も小児科医として同病院に勤務しています。 物語は、その院長・虎之助が意識を失って倒れたことから始まります。病名は大動脈弁狭窄とみられ、外科部長・羽村(及川光博)の見立てでは、院長の年齢と心機能ではオペは難しく、かえって命の危険があるとのこと。「もって半年」という診断が下されます。 しかし虎之助は、「沖田先生に診てもらいたい」と言い出しました。「シアトルにいる沖田だ」と。実は、10年前に沖田を渡米させたのは虎之助自身でした。虎之助に恩を感じている沖田は、すぐさまビジネスクラスで機上の人に。ちなみにGoogleフライトさんによると、シアトル・成田便のビジネスは41万円とか。さすが天才外科医だけあって、稼ぎもいいようです。寝転がりながら悠々と帰国してきます。 茶色の革ジャケットで壇上記念病院に駆け付けた沖田。『HERO』の茶色ダウンと同じ色味なので既視感バリバリですが、この直後、木村拓哉に明らかな変化が見られます。 出迎えた壮大こと浅野忠信(179cm)と、ほとんど同じ身長……! せ、成長してる……! で、沖田は周囲の反対を押し切って難しい手術を決行し、一旦は成功するも、“不測の事態”で虎之助は意識不明に。周囲は「オペしなければもっと生きられた」「どうせダメだから実験的オペか」「もうそっとしといてやれ」などなど言いますが、沖田は再手術の方法を考え抜き、深冬の許可を得て再びメスを入れ、院長の命を救うことに成功しました。 このあたりの医療シーン、聞いたこともない専門用語がひたすらに羅列され、ほとんど説明されません。しかし、医療監修に順天堂大学医学部附属順天堂医院が入っていることもあり、なんとなくリアルに感じます。オペシーンが、まったくドラマチックに描かれることなく淡々とした演出なのも好印象です。 また、そうした淡々としたシーンの中で、オペナース・柴田(木村文乃)の有能ぶりがさりげなく描かれたかと思えば、その柴田が沖田の“バディ”として展開に深く関わってくるなど、人物紹介の手際も実にスムーズ。 さらに沖田が天才的技量を持った外科医であることも、大げさにならない程度に、かつスマートに描かれます。 たとえば最初の手術で、院長の出血量は50ccでした。再手術では100cc。その記録を見た若手医師・井川(松山ケンイチ)に「1ケタ間違えてる」と言わせることで、まさしくその技術が「ケタ外れ」であることが語られました。 また、手術のシーンで沖田が「ちょっと急ぎます」と言って器具を持ち替える動作があり、それを見た井川が「左手!?」と、思わず声を上げてしまうシーンもありました。きっと、普通の外科医は左手でその動きをできないし、しようともしないのでしょう。そういう説得力が、細かく細かく描かれていたということです。 第1話は、病院の愛娘で副院長の妻・深冬に脳腫瘍が見つかったところで終わりました。 夫の壮大は副院長であり、脳外科のエキスパートです。実は沖田とは幼なじみの関係であり、深冬は沖田の元カノ。さらに、沖田の渡米は、深冬と病院を手に入れようとした壮大の謀略によるものであることも明らかに。 その壮大が、沖田に「おまえが切るしかない」と言って、妻の手術を依頼します。沖田は「脳は子どもしか切ったことがないし、日本の(脳外科医の)トップは壮大だろ」と固辞しますが、「家族のオペはできないだろ。おまえしかいないんだよ、切れるよな?」と……。 第1話を見た限りでは、今クールの日曜劇場は、実に手堅く、高品質に仕上げてきたという印象です。比較的ぶっ飛んだキャラを演じることの多い印象の菜々緒や田中泯といった脇役陣も、ドラマが描こうとするリアリティの枠内にギリギリ収まっているし、何より竹内結子は、やっぱりすごく上手いと思う。 と、ここまで書いてきて、やっぱり違和感は木村拓哉ということになってしまうんですよねえ。背が伸びたことは別にいいんですが、画面の雰囲気が硬質で、キャストが豪華で、演出も巧みで、木村拓哉の能面芝居だけが、ドラマが描こうとするリアリティの枠からはみ出しているように見えてしまう。これはもう、どうしようもないことなんですが。 ともあれ、「絶対にコケられない」というTBSの気合はビシビシ感じましたし、単純にお話が面白いので楽しみに追いかけられると思います。主人公、できれば堤真一あたりで……と思ったけど、それだったらまんま映画『孤高のメス』(10)になっちゃいますね。 (文=どらまっ子AKIちゃん)TBS系『A LIFE~愛しき人~』番組サイトより
まさかの高視聴率発進! テレビ朝日『就活家族~きっと、うまくいく~』を救うのは誰!?
今クールレビューするのは、12日放送開始のテレビ朝日系『就活家族~きっと、うまくいく~』。初回の視聴率は11.0%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と好発進。主演に三浦友和、その妻に黒木瞳を配し、『ルーズヴェルト・ゲーム』(TBS系)での熱演も記憶に新しい工藤阿須加を息子役に、そして娘役に前田敦子で理想の家族を描きます。 放送を見ていると、この手のホームドラマ(?)にありがちなさまざまなパターンを想起して、どんどんど暗い気持ちになってしまいますが、レビューしていきましょう。 大手企業・日本鉄鋼金属のエリート社員である富川洋輔(三浦)は、OLの栞(前田)、就活生の光(工藤)と妻で中学校教諭の水希(黒木)の4人家族の家長。会社に人生を捧げてきた、いわゆる“社畜”である洋輔は、人事部長で新入社員の採用を担当しています。そんななか、日本鉄鋼金属も不況の煽りを受けリストラを決行することに。洋輔は、採用担当として多くの就活生の人生を握る半面、長く一緒に働いた社内の仲間の人生をも左右することに。 しかし、洋輔に悪いことばかりではありません。リストラ勧告という憎まれ役を終えれば役員昇格というゴールが待っているのです。洋輔の役員昇格打診に家庭は明るくなります。いつもより豪勢な朝食を食べ、なんか高そうなジュースで乾杯までしちゃう富川一家。 そんななか、日本鉄鋼金属のライバル企業が業績を上げてきました。取引のあった銀行は、すべてライバル企業に付き、日本鉄鋼金属は資金の枯渇が目下の課題に。メインバンクだった大和銀行から切られると、首が回らなくなります。しかし、大和銀行の日本鉄鋼金属に対するイメージはよくないとのこと。 それは、洋輔がかつて「君のような人間はどんな会社も必要としない」と切り捨てた学生が大和銀行の頭取の息子だったからなんですね。事実を確認した洋輔は、あの手この手で自分が一度不採用にした加藤(柾木玲弥)を、引き込むためにまい進します。 しかし、当の加藤に日本鉄鋼金属に就職する気持ちは微塵もありません。それでも加藤を会社に連れて帰らなければならない洋輔は、言われるがまま土下座をさせられます。「私の目は節穴でした。私は人間のクズです」。続けて、「私の会社もクズの集まりです。ゴミ溜めです」と言わせようとした加藤に、洋輔は怒り「サラリーマンなめんなよ!」と啖呵を切るのでした。洋輔の会社と社員に対する愛情がうかがえます。 結局、洋輔は会社のピンチを救うことができませんでした。役員昇格の夢も露と消えたかと思えましたが、加藤は洋輔の真摯な向き合い方に心を打たれたそうです。社長から「大和銀行が、融資を受け入れてくれたよ」との報告が。 というのが、今回のお話。さて、第1話の時点で、この富川一家は多くの問題を抱えています。 息子の光は、就活がうまくいきません。一流大学を出てエリート社員の洋輔に対してコンプレックスを持っていて、たびたび衝突しています。母親の水希は、中学校の教諭でまさに“理想の先生”と“理想の母親”という感じ。ですが、そんな水希がホストクラブから出てくるところを光は目撃しています。後日、光は水希に確認すると「ホスト通いの子がいて、その子の面談のため」と言います。けど、ホスト通いの中学生って何者!? 娘の栞は、1話で明白なカットはありませんが職場でセクハラに遭ってそう。そんな悩みを上司で想いを寄せる真壁雄斗(渡辺大)に相談します。家から持ち出した法事用の30万を使って、真壁とデートする栞。栞は、ふてぶてしいキャラクターのようで、入った飲食店で堂々とキスをします。TBS系『毒島ゆり子のせきらら日記』で超恋愛体質の女性記者を好演してからというものの、前田敦子は“ヤリマン役”がすっかり板につきました。 洋輔は洋輔で、リストラ勧告という憎まれ役に任命された結果、社内から少しずつ居場所がなくなっていきそう。リストラ勧告を受けた後輩社員の川村優子(木村多江)に嵌められ、洋輔は「川村に関係を迫ったあげく、子どもを作らせた」というレッテルを貼られてしまいます。川村は、上司を利用してまででもリストラを避ける怖い女だったんですね。洋輔は、身の潔白を証明しないと会社から去る可能性も。ですが、人事部長としてリストラを断行しないといけません。2つに1つの選択を迫られているわけです。 洋輔の役員昇格の打診に浮かれた富川一家は、水希が長年の夢だったマイホーム購入を切り出し、洋輔も「家族のためなら」と承諾してしまいました。マイホーム購入のためのローンを通し、水希は晴れやかな表情を見せていましたが、この高額な借金が、じわりじわりと富川一家4人を苦しめることになるでしょう。 ポイントポイントで、暗い展開が見え隠れする『就活家族~きっと、うまくいく~』。持つ者持たざる者の関係である、父・洋輔と息子・光の2人や、日本鉄鋼金属の企業名に妙な反応をした栞が想いを寄せる真壁など、ドラマを不穏な空気が覆っています。 就活で落ち込む光に声をかけた「国原就活塾」の国原耕太(新井浩文)は、上から下まで真っ黒な、いかにもな出で立ち。3流大学生を超1流企業に送りこんだ実績のあるこの男が、父・洋輔も無職になりそうな富川一家を救うのか否かは、次回以降を待ちましょう。 (文=どらまっ子HAYAちゃん)テレビ朝日系『就活家族~きっと、うまくいく~』番組サイトより
まさかの高視聴率発進! テレビ朝日『就活家族~きっと、うまくいく~』を救うのは誰!?
今クールレビューするのは、12日放送開始のテレビ朝日系『就活家族~きっと、うまくいく~』。初回の視聴率は11.0%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と好発進。主演に三浦友和、その妻に黒木瞳を配し、『ルーズヴェルト・ゲーム』(TBS系)での熱演も記憶に新しい工藤阿須加を息子役に、そして娘役に前田敦子で理想の家族を描きます。 放送を見ていると、この手のホームドラマ(?)にありがちなさまざまなパターンを想起して、どんどんど暗い気持ちになってしまいますが、レビューしていきましょう。 大手企業・日本鉄鋼金属のエリート社員である富川洋輔(三浦)は、OLの栞(前田)、就活生の光(工藤)と妻で中学校教諭の水希(黒木)の4人家族の家長。会社に人生を捧げてきた、いわゆる“社畜”である洋輔は、人事部長で新入社員の採用を担当しています。そんななか、日本鉄鋼金属も不況の煽りを受けリストラを決行することに。洋輔は、採用担当として多くの就活生の人生を握る半面、長く一緒に働いた社内の仲間の人生をも左右することに。 しかし、洋輔に悪いことばかりではありません。リストラ勧告という憎まれ役を終えれば役員昇格というゴールが待っているのです。洋輔の役員昇格打診に家庭は明るくなります。いつもより豪勢な朝食を食べ、なんか高そうなジュースで乾杯までしちゃう富川一家。 そんななか、日本鉄鋼金属のライバル企業が業績を上げてきました。取引のあった銀行は、すべてライバル企業に付き、日本鉄鋼金属は資金の枯渇が目下の課題に。メインバンクだった大和銀行から切られると、首が回らなくなります。しかし、大和銀行の日本鉄鋼金属に対するイメージはよくないとのこと。 それは、洋輔がかつて「君のような人間はどんな会社も必要としない」と切り捨てた学生が大和銀行の頭取の息子だったからなんですね。事実を確認した洋輔は、あの手この手で自分が一度不採用にした加藤(柾木玲弥)を、引き込むためにまい進します。 しかし、当の加藤に日本鉄鋼金属に就職する気持ちは微塵もありません。それでも加藤を会社に連れて帰らなければならない洋輔は、言われるがまま土下座をさせられます。「私の目は節穴でした。私は人間のクズです」。続けて、「私の会社もクズの集まりです。ゴミ溜めです」と言わせようとした加藤に、洋輔は怒り「サラリーマンなめんなよ!」と啖呵を切るのでした。洋輔の会社と社員に対する愛情がうかがえます。 結局、洋輔は会社のピンチを救うことができませんでした。役員昇格の夢も露と消えたかと思えましたが、加藤は洋輔の真摯な向き合い方に心を打たれたそうです。社長から「大和銀行が、融資を受け入れてくれたよ」との報告が。 というのが、今回のお話。さて、第1話の時点で、この富川一家は多くの問題を抱えています。 息子の光は、就活がうまくいきません。一流大学を出てエリート社員の洋輔に対してコンプレックスを持っていて、たびたび衝突しています。母親の水希は、中学校の教諭でまさに“理想の先生”と“理想の母親”という感じ。ですが、そんな水希がホストクラブから出てくるところを光は目撃しています。後日、光は水希に確認すると「ホスト通いの子がいて、その子の面談のため」と言います。けど、ホスト通いの中学生って何者!? 娘の栞は、1話で明白なカットはありませんが職場でセクハラに遭ってそう。そんな悩みを上司で想いを寄せる真壁雄斗(渡辺大)に相談します。家から持ち出した法事用の30万を使って、真壁とデートする栞。栞は、ふてぶてしいキャラクターのようで、入った飲食店で堂々とキスをします。TBS系『毒島ゆり子のせきらら日記』で超恋愛体質の女性記者を好演してからというものの、前田敦子は“ヤリマン役”がすっかり板につきました。 洋輔は洋輔で、リストラ勧告という憎まれ役に任命された結果、社内から少しずつ居場所がなくなっていきそう。リストラ勧告を受けた後輩社員の川村優子(木村多江)に嵌められ、洋輔は「川村に関係を迫ったあげく、子どもを作らせた」というレッテルを貼られてしまいます。川村は、上司を利用してまででもリストラを避ける怖い女だったんですね。洋輔は、身の潔白を証明しないと会社から去る可能性も。ですが、人事部長としてリストラを断行しないといけません。2つに1つの選択を迫られているわけです。 洋輔の役員昇格の打診に浮かれた富川一家は、水希が長年の夢だったマイホーム購入を切り出し、洋輔も「家族のためなら」と承諾してしまいました。マイホーム購入のためのローンを通し、水希は晴れやかな表情を見せていましたが、この高額な借金が、じわりじわりと富川一家4人を苦しめることになるでしょう。 ポイントポイントで、暗い展開が見え隠れする『就活家族~きっと、うまくいく~』。持つ者持たざる者の関係である、父・洋輔と息子・光の2人や、日本鉄鋼金属の企業名に妙な反応をした栞が想いを寄せる真壁など、ドラマを不穏な空気が覆っています。 就活で落ち込む光に声をかけた「国原就活塾」の国原耕太(新井浩文)は、上から下まで真っ黒な、いかにもな出で立ち。3流大学生を超1流企業に送りこんだ実績のあるこの男が、父・洋輔も無職になりそうな富川一家を救うのか否かは、次回以降を待ちましょう。 (文=どらまっ子HAYAちゃん)テレビ朝日系『就活家族~きっと、うまくいく~』番組サイトより
月9史上ワースト更新『カインとアベル』で見せた“3つの山田涼介”の未来像
Hey!Say!JUMP・山田涼介主演のフジテレビ月9『カインとアベル』も最終回。視聴率は9.1%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)と過去最高を記録したものの、全話通算では8.2%。4月期『ラヴソング』を下回り、月9史上最低となりました。 ここまで低迷した原因は、山田涼介の一般層への知名度・人気のなさと『カインとアベル』という企画の「ピンとこなさ」でしょうね。開始直前に匿名で報じられた山田の“17歳少女妊娠騒動”も、ファン離れに拍車をかけたものと思われます。数字は初回から最終回まで、ほぼ一定といえる推移でしたので、完走率は高そうです。 それにしてもですよ。『ラヴソング』のときは大手マスコミ各社こぞって「最低」「最低だ」「最低だよ」と報じていましたが、今回はぜんぜんそういう書き方しないんですね。なんででしょうね。なんかフェアじゃないので、声を大にして言っておきましょう。 ジャニーズ事務所所属の山田涼介主演『カインとアベル』は、月9史上最低視聴率を更新しましたよー! で、最終回。 第1話では無能なペーペー平社員だった優くん(山田)でしたが、ミラクル出世で取締役にまで登りつめると、祖父の宗一郎会長(寺尾聰)、父・貴行社長(高嶋政伸)、兄・隆一副社長(桐谷健太)が「リスクが高すぎる」と判断して手をつけなかった「新宿第二地区」の開発プロジェクトを独断で進行。土地の接収をスムーズに行うために、代議士・大田原に賄賂を送った容疑で逮捕されちゃいました。 拘置所ではメシも食わず、兄貴が面会に来ても会わず、ただただ美しい顔面で壁の一点など見つめています。ぐったりしていて、妙にセクシーです。 結局、嫌疑不十分で不起訴となったASKA、じゃなくて優くんでしたが、表情は冴えないまま。拘置所に迎えに来てくれた兄嫁・梓(倉科カナ)のことも無視して、お気に入りのピザ屋へ。物憂げな表情でピザを貪ります。とりあえず食欲は戻ったみたいです。 腹を満たした優くんが家に帰ると、父・貴行が待っていました。貴行は「勝手なことを!」と優くんを怒鳴りつけると、ビンタ&ハグの高速コンボで優くんを泣かせます。優くんはそのまま部屋に戻り、深い眠りに。 2日後、目を覚ました優くんは、妙なことを言い出しました。 「取り調べで、俺と大田原にしかわからないことを聞かれました」 「そば屋や詳しい日時まで」 「大田原が情報を漏らしたみたいに」 優くんは贈賄で逮捕されているわけですから、当然収賄側の大田原も取り調べを受けているはずですが、どうやらこの口ぶりだと大田原に捜査の手は及んでいないようです。それをもって「大田原にハメられた」と言い出すわけです。 結果、その推察は当たっていました。大田原は高田(優くんたちの会社)に不祥事を起こさせて株価を下落させ、買収することを狙っているのでした。 その不祥事が自分に対する贈賄だったわけですが、賄賂をもらっておきながら取り調べも受けず、贈賄側だけを逮捕させるって、大田原はどういう手を使ったんでしょう。後学のために調べてみようと思いましたが、よくよく考えたら筆者の人生で賄賂をもらうような立場になることはまったくなさそうなので、やめておきます。 ともあれ、大田原の目論見通り、高田の株価は連日ストップ安。日に日に買収の危機は迫ってきますが、高田家は名案を思い付きました。自社株を買い占めてMBOし、上場廃止にすることで大田原からの敵対的買収に抵抗することにしたのです。資金は、貴行の姉・桃子(南果穂)を高田の役員に迎え入れることを条件に、その婚約者であるクソ怪しい投資家・クロサワ(竹中直人)に借りました。社長自ら、土下座です。 こうしてMBOの準備があっという間に整うと、優くんは再び大田原と初めて会ったそば屋に赴き、ゆず切りそばを食べている大田原に「MBOするから」と宣告。さらに「お礼はね、秘書のほうに」と賄賂を要求した大田原の電話の声の録音を聞かせて「私はあなたを陥れることもできるんですよ」と脅迫。優くんの顔がかわいいので誤魔化されてますが、ほとんどアウトレイジな展開です。ドス黒い。 一時は大田原と組んで高田を乗っ取ろうとしているんじゃないかという疑惑もあったクロサワですが、桃子が「100%信じる」と言ったり、梓がネットで調べたら「1億2千250万ドルを慈善施設に寄付した」という事実が発覚したりで、みなさん信じることにしたようです。大半の株はクロサワが取得していますし、形として高田はクロサワに乗っ取られた状態で、客観的に見るとかなり不安ですが、桃子とクロサワは結婚したし「家族だから」ということで、グイグイ押し出してきます。つい先日まで「家族だから」「兄弟だから」という理由で大モメにモメていたドラマで「家族だからモメません」という結論を押し付けてくるのはどうかと思いますし、「多額の寄付してるから善人」という判断基準にもモヤモヤしたものがありますが、まあ企業としての高田の行く末は筆者の心配することではありませんわな。 そんなわけで、高田は非上場の一族企業に。一度は優くんに会社を追い出された兄・隆一は営業本部長として復帰(本部長だった木下ほうかの行方は不明)。優くんは過去に仲良くなったアメリカのホテル企業・ドレイモンドで修行することになりました。あと、第1話から終始、画面の端っこで藤浪晋太郎フェイスを見切れさせていた同期OL・ひかり(山崎紘菜)と付き合うことになって、チューしてました。というハッピーエンド。大団円。 ■3つの山田涼介を楽しむドラマ 振り返ってみると『カインとアベル』は、大きく分けて3つの山田涼介を楽しむドラマだったんだと思います。 まず、1~7話の「キラキラ涼介」です。誰からも愛され、生き生きと仕事をしながら、何事にも一生懸命。平社員からプロジェクトリーダー、そして取締役にまで駆け上がっていくパートでは、存分にアイドルアイドルしたアイドル顔を振りまいていました。周りの大人たちも、全員優くんの味方です。 これ、見ていて正直すごくイライラしたんですが、4話あたりから桐谷健太が画面の中で筆者以上にイライラし出したので、気が収まりました。 取締役になった8・9話では、一転「悪涼介」が出てきました。権力に巻き取られ、出世欲にまみれて醜い言動を繰り返すパートです。たった2話で破滅まで一気に駆け抜けるわけですが、ここでがぜん、山田涼介の芝居に説得力が生まれたように思います。ながーい長い前フリだったんですね。 後半でこうしたダイナミックなキャラ転換を見せるためのキラキラパートだったとすれば、アイドルでもある山田涼介に、あえてアイドルらしい役柄を演じさせていたということになるわけで、つまりは制作陣から一人前の立派な俳優さんとして扱われていたんだということがわかりました。そして、アイドルらしい役柄を演じられる俳優さんはとても限られているので、山田涼介という人は貴重な存在なのだと思います。このへんは序盤で文句ばっか書いてホントに申し訳ないと思う。見くびってた。 最終話で破滅し、憔悴しきった姿にはもう、アイドルの面影はありませんでした。ただ、か弱く、美しい青年の姿でした。そこから回復して元気になり「一山乗り越えた優くん」という最終話後半だけはキャラ的な着地点を見失っていた感がありましたが、演技プラン的には、山田涼介にとって成功といっていいドラマだったと思います。仕事増えると思う。 まあ、数字的には月9史上ワーストですし明らかに失敗なんですが、それはまた別の話でね。 (文=どらまっ子AKIちゃん)フジテレビ系『カインとアベル』番組サイトより
月9史上ワースト更新『カインとアベル』で見せた“3つの山田涼介”の未来像
Hey!Say!JUMP・山田涼介主演のフジテレビ月9『カインとアベル』も最終回。視聴率は9.1%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)と過去最高を記録したものの、全話通算では8.2%。4月期『ラヴソング』を下回り、月9史上最低となりました。 ここまで低迷した原因は、山田涼介の一般層への知名度・人気のなさと『カインとアベル』という企画の「ピンとこなさ」でしょうね。開始直前に匿名で報じられた山田の“17歳少女妊娠騒動”も、ファン離れに拍車をかけたものと思われます。数字は初回から最終回まで、ほぼ一定といえる推移でしたので、完走率は高そうです。 それにしてもですよ。『ラヴソング』のときは大手マスコミ各社こぞって「最低」「最低だ」「最低だよ」と報じていましたが、今回はぜんぜんそういう書き方しないんですね。なんででしょうね。なんかフェアじゃないので、声を大にして言っておきましょう。 ジャニーズ事務所所属の山田涼介主演『カインとアベル』は、月9史上最低視聴率を更新しましたよー! で、最終回。 第1話では無能なペーペー平社員だった優くん(山田)でしたが、ミラクル出世で取締役にまで登りつめると、祖父の宗一郎会長(寺尾聰)、父・貴行社長(高嶋政伸)、兄・隆一副社長(桐谷健太)が「リスクが高すぎる」と判断して手をつけなかった「新宿第二地区」の開発プロジェクトを独断で進行。土地の接収をスムーズに行うために、代議士・大田原に賄賂を送った容疑で逮捕されちゃいました。 拘置所ではメシも食わず、兄貴が面会に来ても会わず、ただただ美しい顔面で壁の一点など見つめています。ぐったりしていて、妙にセクシーです。 結局、嫌疑不十分で不起訴となったASKA、じゃなくて優くんでしたが、表情は冴えないまま。拘置所に迎えに来てくれた兄嫁・梓(倉科カナ)のことも無視して、お気に入りのピザ屋へ。物憂げな表情でピザを貪ります。とりあえず食欲は戻ったみたいです。 腹を満たした優くんが家に帰ると、父・貴行が待っていました。貴行は「勝手なことを!」と優くんを怒鳴りつけると、ビンタ&ハグの高速コンボで優くんを泣かせます。優くんはそのまま部屋に戻り、深い眠りに。 2日後、目を覚ました優くんは、妙なことを言い出しました。 「取り調べで、俺と大田原にしかわからないことを聞かれました」 「そば屋や詳しい日時まで」 「大田原が情報を漏らしたみたいに」 優くんは贈賄で逮捕されているわけですから、当然収賄側の大田原も取り調べを受けているはずですが、どうやらこの口ぶりだと大田原に捜査の手は及んでいないようです。それをもって「大田原にハメられた」と言い出すわけです。 結果、その推察は当たっていました。大田原は高田(優くんたちの会社)に不祥事を起こさせて株価を下落させ、買収することを狙っているのでした。 その不祥事が自分に対する贈賄だったわけですが、賄賂をもらっておきながら取り調べも受けず、贈賄側だけを逮捕させるって、大田原はどういう手を使ったんでしょう。後学のために調べてみようと思いましたが、よくよく考えたら筆者の人生で賄賂をもらうような立場になることはまったくなさそうなので、やめておきます。 ともあれ、大田原の目論見通り、高田の株価は連日ストップ安。日に日に買収の危機は迫ってきますが、高田家は名案を思い付きました。自社株を買い占めてMBOし、上場廃止にすることで大田原からの敵対的買収に抵抗することにしたのです。資金は、貴行の姉・桃子(南果穂)を高田の役員に迎え入れることを条件に、その婚約者であるクソ怪しい投資家・クロサワ(竹中直人)に借りました。社長自ら、土下座です。 こうしてMBOの準備があっという間に整うと、優くんは再び大田原と初めて会ったそば屋に赴き、ゆず切りそばを食べている大田原に「MBOするから」と宣告。さらに「お礼はね、秘書のほうに」と賄賂を要求した大田原の電話の声の録音を聞かせて「私はあなたを陥れることもできるんですよ」と脅迫。優くんの顔がかわいいので誤魔化されてますが、ほとんどアウトレイジな展開です。ドス黒い。 一時は大田原と組んで高田を乗っ取ろうとしているんじゃないかという疑惑もあったクロサワですが、桃子が「100%信じる」と言ったり、梓がネットで調べたら「1億2千250万ドルを慈善施設に寄付した」という事実が発覚したりで、みなさん信じることにしたようです。大半の株はクロサワが取得していますし、形として高田はクロサワに乗っ取られた状態で、客観的に見るとかなり不安ですが、桃子とクロサワは結婚したし「家族だから」ということで、グイグイ押し出してきます。つい先日まで「家族だから」「兄弟だから」という理由で大モメにモメていたドラマで「家族だからモメません」という結論を押し付けてくるのはどうかと思いますし、「多額の寄付してるから善人」という判断基準にもモヤモヤしたものがありますが、まあ企業としての高田の行く末は筆者の心配することではありませんわな。 そんなわけで、高田は非上場の一族企業に。一度は優くんに会社を追い出された兄・隆一は営業本部長として復帰(本部長だった木下ほうかの行方は不明)。優くんは過去に仲良くなったアメリカのホテル企業・ドレイモンドで修行することになりました。あと、第1話から終始、画面の端っこで藤浪晋太郎フェイスを見切れさせていた同期OL・ひかり(山崎紘菜)と付き合うことになって、チューしてました。というハッピーエンド。大団円。 ■3つの山田涼介を楽しむドラマ 振り返ってみると『カインとアベル』は、大きく分けて3つの山田涼介を楽しむドラマだったんだと思います。 まず、1~7話の「キラキラ涼介」です。誰からも愛され、生き生きと仕事をしながら、何事にも一生懸命。平社員からプロジェクトリーダー、そして取締役にまで駆け上がっていくパートでは、存分にアイドルアイドルしたアイドル顔を振りまいていました。周りの大人たちも、全員優くんの味方です。 これ、見ていて正直すごくイライラしたんですが、4話あたりから桐谷健太が画面の中で筆者以上にイライラし出したので、気が収まりました。 取締役になった8・9話では、一転「悪涼介」が出てきました。権力に巻き取られ、出世欲にまみれて醜い言動を繰り返すパートです。たった2話で破滅まで一気に駆け抜けるわけですが、ここでがぜん、山田涼介の芝居に説得力が生まれたように思います。ながーい長い前フリだったんですね。 後半でこうしたダイナミックなキャラ転換を見せるためのキラキラパートだったとすれば、アイドルでもある山田涼介に、あえてアイドルらしい役柄を演じさせていたということになるわけで、つまりは制作陣から一人前の立派な俳優さんとして扱われていたんだということがわかりました。そして、アイドルらしい役柄を演じられる俳優さんはとても限られているので、山田涼介という人は貴重な存在なのだと思います。このへんは序盤で文句ばっか書いてホントに申し訳ないと思う。見くびってた。 最終話で破滅し、憔悴しきった姿にはもう、アイドルの面影はありませんでした。ただ、か弱く、美しい青年の姿でした。そこから回復して元気になり「一山乗り越えた優くん」という最終話後半だけはキャラ的な着地点を見失っていた感がありましたが、演技プラン的には、山田涼介にとって成功といっていいドラマだったと思います。仕事増えると思う。 まあ、数字的には月9史上ワーストですし明らかに失敗なんですが、それはまた別の話でね。 (文=どらまっ子AKIちゃん)フジテレビ系『カインとアベル』番組サイトより
やっぱり「犯人は岩田」だった菅野美穂『砂の塔』、“視聴者に丸投げ”荒すぎる結末に呆然
序盤から「犯人、岩田だろ」の大合唱だった菅野美穂主演『砂の塔~知りすぎた隣人~』(TBS系)も、ついに最終回。放送前、プロデューサーは「3年以上の年月をかけ、丹念にプロットを練り上げてきた」「ワンランク上のサスペンス」などとハードルを上げまくっていましたが、本格サスペンスどころか、回を追うたびにツッコミどころ満載の“おバカドラマ”と化しています。 ちなみに、16日放送分の平均視聴率は、自己最高の13.2%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)。そんな有終の美を飾った最終回を、早速振り返っていきましょう。 前回、タワマン内で「犯人を見た」と亜紀に電話で報告中、誰かに襲われ、姿を消した和樹(佐野勇斗)ですが、ほぼ同時に、最上階のボスママ・寛子(横山めぐみ)の息子・俊介も失踪。亜紀(菅野)と健一(ココリコ・田中直樹)は、警察に駆け込みますが、「お宅の息子さん、1回補導されてますよねえ。息子さんのいたずらでは?」と全く取り合ってもらえません。どんなバカ警官だよ! さらに、タワマンにいた航平(三代目 J Soul Brothers・岩田剛典)は、誘拐犯っぽい男を目撃して追いかけるも、腕をナイフで切られ負傷。ここで、半裸のサービスカットが登場。背中には、母親から虐待された傷痕が……。 その後、「ハーメルン事件」を追う荒又刑事(光石研)は、行き着いた山梨県の民家で、誘拐された子どもたちを発見。犯人は車で逃走し、間一髪で捕り逃しますが、後に東京で停車しているこの車を発見。後部座席には、航平の認知症の母親・礼子が乗っています。 一方、東京の警察にいた健一は、刑事が「犯人の車は、成田を頻繁に往復していた盗難車だ」と話しているのを聞き、寛子の夫・阿相(津田寛治)が愛人のために借りている別宅に突入。和樹を探すも、そこには行方不明中の俊介の姿が。人身売買の副業がバレて逮捕状が出ている阿相は、逃走資金の3,000万円を寛子からせしめるため、息子の誘拐事件を自作自演したそうです。 そんな夫の正体を知り、途方に暮れる寛子。自宅のクリスマスツリーを、カセットコンロめがけて、ドーンッ!! ロウソクの火がガスに引火して、最上階が大火事です。 タワマン住民が避難する中、弓子(松嶋菜々子)はなぜか、自宅の“監視ルーム”へ直行。50階をウロついていた亜紀も、脚立が倒れる音を聞き、「和樹ー!」と火の海の中でウロウロ。すると、亜紀に弓子から電話が。弓子は「和樹はそこの奥の部屋にいる。消防隊の到着を待っていたら、間に合わない! 急いで行って!」と促しますが、亜紀は立ち止まって「和樹が!? 奥に!? 和樹……、弓子さん、大丈夫です! 今度は私が、和樹を助けますから! 必ず助けます! 私、母親ですから!」とおしゃべりに夢中です。いやいや、早く行けよ。 やっと、和樹がいる部屋(ストックルーム?)へ向かう亜紀ですが、手足を縛られた和樹をズルズルとどこかへ移動させようとする航平にばったり。ここでも亜紀は、燃えさかる炎の中、「航平くん!? なんでここにいるの……? もしかして、犯人なの?」「なんで……、なんでそんなことしたの!?」「うそでしょ……、航平くん、毎日大変な思いをしてるお母さんを支えたいって言ってたよね」「本当はなんで誘拐なんてしたの!? 誰かを庇ってるの!?」と、のんびり。もちろん、和樹ほったらかしです。そうこうしているうちに、弓子の予想に反して消防隊が到着。最後は亜紀が助けるんじゃないんかいっ!! もう、ツッコミのいないコントみたいです。 航平は、「今すぐ逃げて! 捕まっても、全部俺が勝手にやったって言うんだよ! 母さん!」と母親に電話しながら逃走しますが、警察に取り押さえられ、あえなく御用に。どうやら、“子どもと遊ぶのが何より好きだった”という礼子が、1人目の被害者を誘拐。航平はすぐに返そうと思ったものの、母親にネグレクトされていた被害者が「帰りたくない」と言ったため、そのままに。2人目以降の犯行は全て航平によるもので、理由は母親が子どもが増えて元気になったことと、礼子から虐待を受けていた自分に「重なって見えたから」だそうです。 また、子どもと遊ぶのが好きなはずの礼子が、航平には虐待をしていたという矛盾について、荒又刑事は「歪んでいても、矛盾していても、それも愛だったんだなあ」とまとめちゃいましたが、ここまでの展開の大味っぷりを踏まえると、なんかいろいろ収拾つかなくなって、強引に片付けたようにしか……。それに、荒又刑事って、思い返すと「犯人は未成年の可能性が」とか「ママ友に紛れてる」とか、視聴者の疑いを航平からそらすために、脚本家の都合のいいことばっか言わされてたなあ……。まあ、そんなこんなで、タワマンが燃え、予想通り航平が犯人で、弓子がタワマンから引越し、亜紀ファミリーに平穏が訪れて、『砂の塔』は終了。 認知症の母親が、東京からどうやって山梨の山中まで誰にも見られずに子どもを連れて来られたのか? 航平はどのようにして、子どもたちの「ナイショのお友だち」になったのか? 航平は迷子になった千晶ちゃんを、なぜ山中に置き去りにしたのか? なぜ健一は、弓子のことを「あの女は、目的のためならなんでもするぞ!」などと悪く言うようになったのか? 亜紀の部屋が「事故物件」という設定はなんだったのか? 弓子は火事を見て、なぜ防犯カメラの監視を始めたのか? 頭には「?」だらけですが、もう終わったんです……。気にしても仕方ありません。温かい心で全てを受け入れましょう……。『砂の塔』は、もう終わったんです、ええ。 (文=どらまっ子TAMOちゃん)『AZZURRO(アズーロ)』(幻冬舎)
7.8%ショック! 最終回で視聴率急落の『IQ246~華麗なる事件簿~』に全力でツッコんでみた
IQ246の天才・法門寺沙羅駆(織田裕二)が難事件を次々に解決してきた日曜劇場『IQ246~華麗なる事件簿~』(TBS系)も、いよいよ最終回。すべての事件の黒幕だったIQ300の天才・マリアT(中谷美紀)との最終決戦が描かれました。天才vs天才の、ドラマ史上に残る高度な頭脳戦が描かれてほしいという期待は、実はもうあんまり持っていなかったけれど、それにしてもひどい出来だったと思います。本当にひどい脚本。醜悪至極なり! なり! 視聴率は7.8%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)と、過去最低だった前回の9.3%から、さらに1.5ポイントも下げました。どれだけの視聴者がこの最終決戦に興味を持たなかったかが、よくわかる数字です。そして、見てしまった視聴者の「見て損した」感も、察するに余りあります。 もう最後ですから、きっちりツッコんでいきましょう。 まず、沙羅駆には「射殺許可命令」が出ています。これについても、警視総監は出していないと言ったり、マリアTがハッキングして出したことになったり、はたまた御前様が出したことになったり、前提からしてブレブレです。今回、初めて見た人は「御前様」が誰なのかよくわからなかったと思いますが、第1話からじっくり見ていた私もよくわかりません。射殺の許可の命令を出せる立場のそういう人がいるみたいです。 機動隊のみなさんは従順ですので、許可命令が出れば従います。そんなこんなで沙羅駆と護衛係の奏子(土屋太鳳)、執事・賢正(ディーン・フジオカ)は包囲されてしまいます。 しかし、ここで賢正と沙羅駆はコートを交換し、機動隊は間違えて賢正を追いかけます。ある程度逃げたところでババッと正体を明かして身構えた賢正に、なぜか襲い掛かる機動隊。この時点で沙羅駆を取り逃がすことになりますが、それは別にいいみたいです。「撃て!」とか言って、賢正に向けて発砲したりしますが、素手の賢正による鮮やかな格闘術で、やりこめられてしまいました。いやいや、沙羅駆を追えよ。追えよ! あまりに無能至極な機動隊から、まんまと逃げおおせた沙羅駆と奏子がどこかに隠れていると(どこだよ)、賢正が車で迎えに来ました。すると、賢正の登場を待っていたかのように、物陰から狙撃隊が現れます。どうやら彼らは、待機の命令を受けているようです。理由はわかりません。そこにいたなら賢正が現れる前に沙羅駆の身柄を確保できそうなもんですが、しません。待機命令に従っています。 するとマリアTが警察無線に割り込み、「撃て」と命令。奏子が撃たれます。これも、シーンとしては、狙われたのが沙羅駆で、奏子は身を挺して守ったかのように描かれましたが、何分後かに「マリアTが沙羅駆を怒らせるために奏子を撃たせた」ということになりました。 弾丸は奏子の左胸に命中。ほぼ心臓です。すぐにでも死にそうですが、医学部出身の賢正は「止血をすれば大丈夫です」と断言。沙羅駆も、奏子を放置して機動隊に説教をするなど呑気なひと時を過ごします。狙撃隊は狙撃隊で、警官が撃たれた(自分たちで撃った)というのに微動だにせず、賢正が奏子を担いで去っていくのを眺めています。なぜなら「現状を維持しろ」という命令が出ているからです。もう、何を見せられているのかわからなくなってきます。 沙羅駆は、奏子を小さな町病院に連れて行きます。地元住人でごった返す待合室で、左胸を撃たれた警官が青白い顔をして診察を待っている風景が、実にシュールです。せめて救急病院に連れて行くことはできなかったのでしょうか。 ちなみにこの病院では、対応した人間が「事務の人間で医者でもない」という理由で診察を断られました。医者を呼べよ! 人が撃たれてんねんで! そのころマリアTは、ハッキングによって日本中の電力をコントロール下に置き、政府に「日本国民の個人情報データベースにアクセスするためのパスワード」を要求します。何に使うつもりだったのかは、最後まで明かされません。電力はハッキングできるのに、そっちをハッキングできない理由もわかりません。政府は3つのパスワードを渡しますが、沙羅駆が4つ目のパスワードを設定したために、マリアTは個人情報にアクセスできませんでした。つまり沙羅駆は、マリアTさえなしえなかった個人情報のハッキングに成功したわけです。もうね、脚本がどんどん沼にはまっていく感じがすごいです。分単位で継ぎ足ししながら撮ってるみたいな印象です。 沙羅駆は奏子を観察医・足利(矢野聖人)のところに連れて行って、応急処置を依頼しました。この足利という人物、マリアTこと森本の部下だったわけですが、森本がマリアTとなって職場から姿を消したことに、これまで一切のリアクションをしていません。気のいい上司が急にいなくなったのに、それについて何も言及しないんです。普通に仕事してるんです。怖いよ。 さて、マリアTは北鎌倉の法門寺家にいました。いよいよ直接対決です。碁盤を挟んで向き合い、毒薬を1つ混ぜた、いくつかのカプセルを広げました。互いに「相手に飲ませる1粒」を指定していくんだそうです。第2話で沙羅駆と犯人がやった対決と、ほぼ同じです。ここ大事なので、もう1回書きます。第2話で、沙羅駆と、犯人がやった対決と、ほぼ同じなんです。なんということでしょう。最終回の最後の対決が、天才と天才による最高の頭脳戦が、第2話と同じなんですよ。びっくりしますよ。 沙羅駆が毒を2つに増やすことを提案しました。理由はわかりません。 2人は薬を飲みながら、何かドラマを総決算するような理念らしきものを言い合いますが、何をしゃべってるのかよくわかりません。 法門寺家にはSAT(特殊部隊)が集まってきました。中に沙羅駆とマリアTがいることはわかっているのに、踏み込みません。理由はわかりません。 沙羅駆はマリアTに「人は一人では生きられない」とか言い出しました。金八先生オマージュでしょうか。 で、まあ、マリアTが毒を飲んで倒れます。 沙羅駆は「この方法なら、私を道連れにすることもできたはず」と言いますが、どうやれば道連れにすることができたのかわかりません。 要するに、何もわかりません。射殺許可命令は御前様によって解除されましたが、結局警察は一度も沙羅駆を撃ちませんでした。マリアTの無線割り込みで一度、誤った命令が流れて奏子が撃たれただけです。それなのに、身代わりになった賢正には、けっこう躊躇なく引き金を引いていました。怖いです。 案の定、マリアTは死んでいませんでした。倒れた直後に沙羅駆が賢正に胃洗浄を命じ、生き延びました。「生きる意味、生かす意味がわからんお前ではあるまい」と沙羅駆は言いますが、わたしはわかりませんでした。 まあでも、ここまではいいかなーと思っていたんです。いつもの『IQ246』だなーと。急ごしらえで辻褄が合わないことは、これまでも多々あったので、ほほえましかったんです。 最後の落とし前として、沙羅駆とマリアTの対決の結末くらいは、ちゃんと用意されてると思ってたし、それさえ納得できるものであれば、チャラにしようと思っていました。 沙羅駆は、生き残ったマリアTに、自ら開発したというネックレスをプレゼントします。このネックレスは、悪意や殺意のパルスを判断し、それに反応して「IQを下げる」マシーンだそうです。「犬並みにな」と、沙羅駆は自慢げです。 なんだそれ……。なんだそれ! 仮にも「知性」をウリにしてきた作品で、人為的に「IQを犬並みに下げる」機械を登場させるという、この反知性的で暴力的な創作行為。 「おまえが誰かを殺したいと思ったら、その瞬間にモノを考えられないくらい頭を殴る」 というのと、まったく同じですからね、これ。知性による暴力と人権侵害を肯定してしまったわけです。IQ246の天才人間には人を裁く特権があると、そう言い切っているわけです。それまで延々と「人は」「世界は」「仲間は」と並べてきた御託が、いかに欺瞞であったかを最後の最後に白状して、『IQ246』は幕を閉じました。そりゃ2人の会話が頭に入ってこないわけだわ。ひどいドラマだわ。ひどいわ。醜悪至極だわ。 織田裕二は終始、孤軍奮闘、面目躍如。ここまで中身のないセリフに顔面と声の圧を乗せて、魂を込めて演じていたと思います。本物のプロの俳優の姿を見ました。 そしてやっぱり、それでも続編が見たいと思うんですよね。ちゃんと作ったら、絶対おもしろいと思うんですよ、この作品の設定とキャストなら。ね。 (文=どらまっ子AKIちゃん)TBS系『IQ246~華麗なる事件簿~』番組サイトより




