主役・長谷川博己を差し置いて、香川照之の顔芸祭り開催!『小さな巨人』第1話レビュー

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TBS系『小さな巨人』番組サイトより
 2013年に放送され、全話平均視聴率28.7%(関東地区、ビデオリサーチ調べ/以下同)という大ヒットを記録したTBS系連続ドラマ『半沢直樹』。それと同じ『日曜劇場』枠、キャスト・スタッフの顔ぶれが似通っていることから“警察版・半沢直樹”と称されるなど、新ドラマ『小さな巨人』には放送前から注目が集まっていました。  その第1話が16日に放送されたのですが、初回平均視聴率は13.7%と、『半沢直樹』の初回平均視聴率19.4%に遠く及ばなかったどころか、前クールに放送された木村拓哉主演の『A LIFE~愛しき人~』の初回平均視聴率14.2%にも届きませんでした。  ドラマは、警視庁捜査一課強行班1係長の香坂真一郎(長谷川博己)が街中をスーツ姿で疾駆するシーンから始まります。その映像に「われわれ警察官は国民の安全を守る。しかし、その警察官を守る法律は存在しない。警察組織において自分を守るものは自分しかいない」というナレーションがかぶせられ、オープニングシーンが終了。  画面暗転して、「3週間前」というテロップの後、香坂の顔のドアップが映し出されます。『半沢直樹』を彷彿とさせるショット。カメラを睨みつけるようにして今回のドラマのキャッチフレーズ「敵は味方のフリをする」という台詞を吐き、次第にカメラが引いていくと、その視線の先には現捜査一課長・小野田義信(香川照之)の姿があります。捜査進捗を報告しているシーンなのですが、ここでの会話で、理論派の香坂と直感派の小野田の相対関係がうっすらと提示されます。  ノンキャリアの中では異例のスピード出世を果たしている香坂ですが、その陰には前捜査一課長で現・芝警察署署長の三笠洋平(春風亭昇太)の協力があるんですね。小野田に報告していた事件を無事に解決した後、香坂は三笠と料亭で祝勝会を開くのですが、そのウワサを聞きつけた小野田が登場。香坂と同じく理論派の三笠と、捜査一課長としては異色ともいえる高卒、現場からの叩き上げという小野田は水と油の関係で、香坂はその2人の板挟み状態。小野田は香坂と三笠に日本酒をお酌して去って行きます。  会食を終えて1人になった香坂は、中小企業の社長・中田隆一(加藤晴彦)を飲酒運転の疑いで取り調べすることになるのですが、このときに隆一の車を傷つけてしまいます。このことが、翌朝ネットニュースで「宴会帰りの刑事、行き過ぎた捜査で車を破損」と報じられてしまい、監査にかけられることに。そして昨夜、香坂が日本酒を口にしていたという証言を小野田がしたことが決め手となり、香坂は芝警察署に左遷させられることになってしまうのですが、出世コースまっしぐらのエリートがそんなことで左遷になってしまうのでしょうか。なんだか強引な展開に疑問が湧いてしまいます。  とにもかくにも、所轄勤務になった香坂。異動して早々、日本有数のIT企業ゴーンバンク社の社長・中田和正(桂文枝)が誘拐され、身代金5億円を要求されるという事件が起こります。なんとか手柄を立てて出世コースに戻りたい香坂は事件解決に乗り出そうとするのですが、小野田の右腕である捜査一課長付運転担当の山田春彦(岡田将生)に「所轄は後方支援。現場は本庁に任せてください」と釘を刺され、待機を命じられてしまいます。  しかし、所轄管内で起こった事件を見過ごすわけにはいかないと、香坂は芝警察署所属の刑事・渡部久志(安田顕)らの協力を得て、捜査一課とは別行動で独自の捜査を開始します。そして捜査線上に浮かび上がった犯人は、監視カメラの画像システムの新規開発データをゴーンバンク社に奪われ、死に追いやられた風見京子(富永沙織)の父親・康夫(長江英和)でした。康夫は身代金が目的ではなく、娘の死の真相を知るために中田和正を誘拐した、というわけです。  その情報を、香坂の見張り役として同行していた山田が小野田に伝えたために、所轄の手柄は捜査一課に横取りされる形になってしまいます。しかも小野田はゴーンバンク社の不正を隠すために、単なる身代金を目的とした誘拐事件として決着させようとします。それをとがめる香坂に対して小野田は、翌日に行われる管理職昇任試験を受けるように促し、「解答用紙に名前だけ書け。それだけで合格だ」と口約束します。つまり、捜査一課に戻してやるから隠蔽には目をつぶれ、という悪魔のささやきなんですね。  これ、香坂が試験を受けている内に風見康夫を強制逮捕してしまおうという計略で、小野田には自分のポジションを脅かす香坂を本庁に戻す気などありません。しかし、小野田からの提案を真に受けた香坂は、出世を取るか正義を取るかで真剣に悩みます。  翌朝、香坂は、市川実日子が演じる妻の美沙(映画『シンゴジラ』を参考にキャスティングしたのでしょうか?)に相談したり、試験会場に向かう最中には、前日に渡部から吐き捨てられた、「敵が味方のフリをする。やっぱりあんたは向こう(本庁)の人間だったんだ」という言葉を思い出して心苦しくなります。しかしその一方で、所轄の刑事だった父・敦史(木場勝己)が果たせなかった、捜査一課長になるという夢を追いたいという気持ちも捨て難く、板挟みになってしまいます。何しろ今回の試験をパスすれば、香坂は警視に昇進し、その上は警視正、つまり捜査一課長のポジションが待っているのですから。  気持ちが揺れ動く中、香坂は渡部からの電話で捜査一課が風見康夫の潜伏先に強行突入しようとしていることを伝えられ、小野田に騙されたことを知ります。慌てて捜査本部へと駆けつけ、強制逮捕ではなく犯人の自首を促すように談判するのですが、小野田は取り合わず。結局、ゴーンバンク社の不正は隠蔽されることになってしまいました。  捜査を終えて意気揚々と引き上げる小野田に向かって香坂が、「私は所轄刑事として、捜査一課のあなたと戦ってみせる」と宣戦布告したところで第1話は終了となるのですが、このラストシーンも含め全編を通して、「歌舞伎の大見得か!」とツッコミたくなるほど、香川照之の濃い目の顔芸が炸裂しまくっています。  その一方で、長谷川博己の演技は薄味。『半沢直樹』では、主演の堺雅人が「やられたらやり返す、倍返しだ!」という決め台詞で不正を犯す銀行の上司たちをバッタバッタと切りつける姿が世のサラリーマンたちのカタルシスとなり大ヒットとなったのですが、長谷川には堺のような迫力が感じられません。  またベストセラー作家・池井戸潤の原作という骨子が失われたオリジナル脚本による“半沢もどき”には、ストーリー展開に粗が目立ち過ぎて、この先グダグダになってしまうのではないかという不安は拭えません。次回予告のテロップには、「所轄VS捜査一課 さらに戦いがエスカレート」と出ていたのですが、大ヒットシリーズ『踊る大捜査線』(フジテレビ系)で手垢が付いた流れになっていくのではないかという懸念もあります。  また、安田顕が演じる刑事役は、14年に放送されたドラマ『隠蔽捜査』(TBS系)で安田自身が演じた刑事役と「カブる」という指摘もあるようですね。好評だったドラマをごった煮にして、うまく調理しきれていないといったところでしょうか。  とはいえ、まだドラマはスタートしたばかり。小野田を捜査一課長に引き上げたのは香坂の父・敦史なのですが、その敦史を小野田が裏切ったというような含みがチラホラと出ていただけに、今後この辺りがどう展開していくのか気になるところではあります。 (文=大羽鴨乃)

『孤独のグルメ Season6』第2話 「ご飯の劣勢は必至」豚バラ生姜焼き定食の恐るべき破壊力!

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テレビ東京系『孤独のグルメ Season6』番組サイトより
 金曜深夜にやってくる究極の飯テロ番組『孤独のグルメ Season6』(テレビ東京系)。朝まで空腹を耐えることできるのか、視聴者の胃袋を攻撃しまくる番組は早くも第2話。今回は、どんな夜明けと共に出かけたくなる店を投入してくるのか……。  では、第2話「東京新宿区 淀橋市場の豚バラ生姜焼定食」の世界をレビューしていきましょう。  さて、ゴローちゃんこと井之頭五郎(松重豊)がやってきたのは、新宿区大久保。前回は大阪の下町まで営業に出かけてたけど、今回もシブい街。個人で営む輸入雑貨商のゴローちゃん。今回は、カフェで始まる洋食器の展示会の什器一切を取り扱っている様子。けっこうな儲けなのではないでしょうか。  そんな将来性もある大口顧客が相手だからということでしょうか。朝も早くから、搬入だけでなく、あれこれとお手伝い。喫茶店主が、真中瞳……じゃなかった東風万智子ですから。まあ、美人は得ということか。  ひとまず仕事はやり終えて、時間はまさかの午前8時30分。「4時起きだったからな」と、やり遂げた感を語るゴローちゃん。え、喫茶店での会話で東風が「今日のイベントに間に合いそうです」と語っていたけど、ホント、ギリギリでの開店なのか……。大丈夫かな、この喫茶店。  ともあれ、そんな早朝から働いていれば、腹が減るのは当たり前。それも、ガッツリと減るに決まってます。 「モーニングのトーストじゃ物足りない。米、ごはん食べたい……」  一瞬「牛丼の店か……」と、簡単に済ませようと思ったゴローちゃん。でも、そんなゴローちゃんの目の前に現れたのは、新宿は淀橋市場。総武線の窓からも、ちょっと見えるアレです。  素直に「食堂はどこですか?」と聞けばよいのに、なぜか市場をウロウロと店を探して歩くゴローちゃん。見つけたのは市場内の食堂「伊勢屋」です。 「いかにも、市場の食堂……。この人たちも、今がまさに昼飯時」  ワクワクとはしながらも、パリっとスーツ姿で、少し座り心地の悪そうな感じもしているゴローちゃん。未知の世界といえる市場食堂は、すべてが珍しい様子。ちょっとしたことにも感動です。メニュー表のライスの増減の値段を見ただけで、こんなセリフ。 「50円引き……増しと引きがあるのか」  そして、この食堂はメニューの数もたくさん。定番メニューに日替わりメニュー。固定のものとは別に黒板にもズラりとメニューが。定食だけでなく副菜もいっぱい。  そんな「溜め」のシーンの連続によって、ゴローちゃんの胃袋は一気に拡大しているのでしょう。 「アジフライにも惹かれるけど、今は労働後の肉。プラス小鉢の連打だな」  かくて、最初の注文は、豚バラ生姜焼き定食、納豆と竹の子の土佐煮、明太子、トマトの酢漬け……。  でも、ここで、ご飯は丼に普通盛りで注文してしまうゴローちゃん。ダメだよ、ゴローちゃんが普通盛りで耐えきれるわけがないではありませんか!  それに、豚バラ生姜焼き定食は『孤独のグルメ』においては、忘れ得ぬメニュー。記念すべき原作第1話で、ゴローちゃんが豚汁とかぶったことを、ちょっと後悔しつつもモリモリ食べた、アレです。  こうなると視聴者視点では「さあ、くるぞ、くるぞ……」しかないではありませんか。  ここでまた、生姜焼きの出来上がっていくシーンを挿入するという、とんでもない飯テロ。制作陣は悪魔ですか……。  そうして、定食+小鉢の群れがやってきました。 「あららら……朝からすごいことになっちゃったな」  その一言と共に始まる、ゴローちゃんの名言劇場。 「おお、質実剛健。空腹にズバっと応えるパンチと香り」 「やっぱり、豚バラ生姜焼定食は定食界でも別格だな」 「この時期、タケノコの文字を見ると条件反射的に頼んじまう。四季のあるニッポン、旬のあるシアワセ……」 「味噌汁もいいじゃないか、ここ、ホントに誠実な店だ」 「この店の小鉢は、ちゃんと小鉢然とした量でうれしい」 「このサイズで、この破壊力。ご飯の劣勢は必至」  ここで、ゴローちゃん。豚バラの利点を生かして、メシの巻き食いを始めます。こんなことしたら、もうご飯が足りるはずもありません。 「付け合わせのキャベツも、この店では立派なごちそうだ」  そして、いよいよ手をつけたトマトの酢漬け。ああ、ここで酢の物を入れたら食欲がさらに増大するのは必至。 「最高だ……9時3分の食堂で生姜焼定食の充実」 「ううむ、うまい。生姜焼きのタレをつけたキャベツ。これは名も無きひとつの料理だ」  そして感動と共にやってくるのは、満腹ではなくコンティニュー。 「食べながら考えていたんだ。納豆を食うタイミング。大丈夫、この店にはあの手がある」  そして来た! ご飯のおかわり、茶碗の八分目。  ついに上着を脱いで、まくり食いに突入するゴローちゃん。納豆は、とにかくよくかき混ぜる派のようで、執拗に混ぜ続けるのです。 「白飯と相思相愛、地味だがしっかりと仕事する納豆は朝ご飯に欠かせない名脇役だ」  かくて、最後に1枚だけ残した豚バラを口に運ぶときに飛び出す一言……。 「街の食堂がなくなっている今どきに、こんな定食が食べられるシアワセ」  ああ、まさにその通り。筆者の近所も相次いで食堂が消滅。牛丼屋とオシャレカフェになってしまい、食生活は悪化の一途。きっと、多くのみなさんが同じ思いを抱いているでしょう。  誰か、志ある人が昔ながらの食堂を始めてくれないかなあ。そんな働く者に優しい世界の実現を夢想してしまう、第2話でした。 (文=昼間たかし)

沢尻エリカ『母になる』で大どんでん返し! ジャニーズ俳優の“衝撃の棒演技”はわざとだった!?

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 沢尻エリカが12歳の子持ちを演じる『母になる』(日本テレビ系)の第2話。平均視聴率は初回から0.1ポイント増の10.7%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)でした。  初回では、主人公の息子役を演じるジャニーズJr.・道枝駿佑による衝撃の“棒演技”が視聴者をザワつかせた同作ですが、今回はどんな塩梅でしょうか?

なんていい子なんでしょう

 前回、3歳で誘拐された息子・広(道枝)と9年ぶりに再会した結衣(沢尻)ですが、2人は最初から仲良さげな雰囲気に。児童養護施設で生活する広ですが、電話をかけてきた結衣から「どんなものが好き?」と聞かれると、「ツナサン」と答えます。  早速、スーパーでツナ缶を買い、ツナサンドを作る結衣。ツナサンドを頬張りながら、次に広に会える日を楽しみに待ちます。  あれ? 道枝くんのしゃべり方が前回より自然になってる? 何があったの? あれれ(真相はこの後、明らかに……)。  一方、児童福祉司の木野(Hey! Say! JUMP・中島裕翔)は、広が見つかったことを伝えるため、DNA鑑定の結果を持って父親の陽一(藤木直人)の元へ。元々大学の准教授でしたが、誘拐事件をきっかけに自宅に引きこもっているとか。なんだかドン引きするほどゲッソリとやつれています。藤木の役作りすごい!  その夜、養護施設を抜け出し、結衣のアパートを訪れる広。寝付く前には、「お母さん。お母さんだね! お母さんがいる。お母さ~ん。お母さん。お母さーん」と、あらゆるパターンでお母さんを連呼し始める広。ああ、なんていい子なんでしょう。結衣も超幸せそうです。

道枝くん、ごめん!

 しかし、翌朝、事件が発生。結衣がツナサンドを用意すると、広は「ツナサンって、ゲームのことだったんですけど」とがっかり。しかし、すぐさまサンドイッチを食べ始め、「おいしそう! いただきまーす! うま! おいしい本当に!」とべた褒めします。あれ? また棒読みスイッチが入った。この安定しないしゃべり方は何? でもいい子!  その後、結衣が広を養護施設に送り届けると、そこには陽一が。陽一と広が感動の再会を終えた後、おもむろに結衣に一通の手紙を差し出す木野。それは、広を7年間育てた門倉麻子(小池栄子)という女性が養護施設に預ける際に広に宛てたもの。  そこには、“お母さんと名乗る知らないおばさん”が現れたときの教えが綴られており、「一つ、ママはママじゃなくなるときがきます。一つ、その時はちゃんとご挨拶するのよ。お母さん、会いたかったって。できたら涙ぐんだりするのもいいかもしれない」「一つ、相手はいきなり抱きしめてくるかもしれない。嫌がらずにじっとしていること」「お母さん、お母さんって、甘えた感じで何度も言ってあげるといいと思います」「何を出されても、おいしいと言って食べなさい。こんなおいしいもの初めて食べたと言って喜びなさい」などなど……。  ひいいいい! 広に騙されてたあああ!  あの“完全なる棒演技”と“少し棒演技”の違いは、育ての親の申しつけを守っているシーンと、そうでないシーンの違いだったんですね! 道枝くんごめん! 前回のレビュー(こちら)で、「ジャニーズ俳優が衝撃の“棒演技”」なんてタイトルを付けて、世界中に配信しちまいました! 私、完全に騙されてました! 恥ずかしいほどに! 道枝くん、「衝撃の棒」とか言ってごめんなさい! ジャニー社長はじめ喜多川一族に土下座したいくらいです!

脚本のクセが強い!

 とはいえ、それを抜きにしても相変わらず抑揚のない道枝くんですが、声変わり真っ最中の男の子のしゃべり方としては、リアルにも思えてきました。中学生くらいの男の子って、なんだかみんな棒読み気味にしゃべってません? ほら、そう思うと、急に道枝くんが演技派に見えてきましたよ。ほらほら。  また、沢尻の“泣きの演技”が100点なのは当然ですが、藤木のヤツレ具合が妙にセクシー! 目は潤み、涙袋は垂れ下がり、頬はゲッソリ。毛先が遊んでいるからか、今一歩“イケメン俳優”の枠から抜け出せないでいる印象の藤木ですが、前クール『嘘の戦争』(フジテレビ系)での“疑り深い社長役”に続き、私の中での株はうなぎ上りです。  さらに、前回の「イトシイダヨ……」や、今回の「お母さん」の連呼など、同作は全体的に「なんだそれ(笑)」とツッコミたくなるクセの強いセリフが多い! でも、そんな嘘っぽさとリアルを行ったり来たりするムズ痒い感じがとっても楽しいです。その辺は、同じ脚本家が手掛けた『ホタルノヒカリ』シリーズ(日本テレビ)に通じるものがあります。  第2話で思わぬ大どんでん返しを見せた『母になる』。今後がさらに楽しみになってきました。 (文=どらまっ子TAMOちゃん)

昼顔より怖い!? “ゲス不倫”ドラマ『あなたのことはそれほど』に見るTBSの本気度

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TBS系『あなたのことはそれほど』番組サイトより
 18日放送の『あなたのことはそれほど』(TBS系)。初回の視聴率は11.1%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と快調な滑り出し。不倫という、ここ数年世間を騒がすワードに注目が集まった結果でしょうか。  主演の波瑠は、昨年の4月クールで嵐・大野智主演『世界一難しい恋』(日本テレビ系)でヒロインを好演。久々の恋愛ドラマへの登板です。一方で、刑事ドラマ『ON 異常犯罪捜査官・藤堂比奈子』(フジテレビ系)で変わり者の女性刑事を演じるなど、この1年で着実に力をつけたはず。さて、『あなたのことはそれほど』は、数字を残すことができるのでしょうか。  恋愛ドラマといっても、フジテレビ十八番のチープでスカスカのドラマとは違い、こちらは「不倫」を前面に押し出したスパイシーな仕上がり。波瑠のほか、イケメンと美女たちが、イケない恋愛に墜ちていくようです。  それでは、1話を振り返っていきましょう。主人公の渡辺(三好)美都(波瑠)は、眼科の医療事務で働く26歳。小学校からの腐れ縁の飯田香子(大政絢)と、婚活や合コンに勤しむ“今時の独身女性”です。  年収や学歴に固執する香子と対象的な結婚観を、美都は持っています。それは、一番好きな人と結婚すること。この2人の対比が、美都の性格やキャラクターを際立てる仕組みになっています。香子が現実的なのに対して、美都は夢見がちで未熟な感覚だと言っていいかもしれません。  香子がセッティングした合コンに付き合うものの、なんとも言えない感じの美都。しかし、彼女の思い描いていた“運命”が突如としてやってきます。  美都の職場にやってきたインテリア会社に勤める冴えないサラリーマン、渡辺涼太(東出昌大)。涼太の忘れていったスーツを美都が届けたことで、2人の仲は急接近。何度かデートを重ねたところで、涼太は美都に結婚を申し込みます。  晴れて2人は夫婦に。パッとしないし、イケメンでもない。でも、料理ができたり、家事ができたり妻への配慮を欠かさない……と、理想的で“優しすぎる”男性として描かれる涼太ですが、一方で日常生活で起きたことや感じたことを逐一連絡してくるなど、ちょっと重そうなタイプ。そんな涼太を「ポジティブすぎる人なんですよ」と、美都は受け流しますが、裏を返せば束縛の激しい性格が顔をのぞかせています。  そんな涼太との結婚生活を送る美都には、忘れられない人がいます。それは、初恋の人、有島光軌(鈴木伸之)。高校時代に優しくされたことが、ずっと美都の心を照らしていました。一度、心通わせたものの、どうしていいかわからず、有島を美都は拒絶。結果、それ以降言葉を交わすこともないまま、有島は転校してしまうのでした。  不倫ドラマのお決まりで、そんな初恋の人と東京で偶然再会。旦那の年収や地位などでマウンティングの取り合いが繰り広げられた女子会の帰り道、くたくたに疲れた美都は、ふらりと立ち寄ったグルメバーガーショップで有島と再会します。つまづき、倒れそうなところを腕をガシっとつかまれて、振り返ると眼前にはかつて好きだった人。美都の頭の中では、「これこそが運命!」の大合唱だったはず。  初恋の人とのロマンチックな時間にうっとりした様子の美都。さらに、当時を振り返り、互いに好きだったということが判明。美都も有島も互いがフラれたと勘違いしていたようです。そこに、なぜか都合よくラブホテルが建っているんだから、あとはラブホに入ってバチコンと一発かますだけ。  美都は、一番好きな人との恋愛に強い希望を持っています。男をとっかえひっかえだった母親・三好悦子(麻生祐未)を反面教師とし、一番好きな人と結婚することで、母親のようにはなるまいと、自身の運命から逃れるためです。  しかし、占い師の「二番目の男と結婚すると幸せになれる」という言葉が、呪詛のように作用し、“二番目の男”である涼太との結婚を選択したのでした。  そんな矢先に再会した“一番好きな人”。美都は、してはいけないことだと理解しつつも、有島と関係を持つ……というのが今回のお話。  不倫と銘打ったドラマなので、出会いから結婚、そして不倫までのテンポが、まあ早いこと。ですが、強引さや設定のほころびはなく、スムーズな印象でした。初回ということで、評価のことはさておき主演の波瑠、東出昌大以外にも、最近は主役級も演じる山崎育三郎などを配し、TBSの同ドラマへの期待を強く感じます。  このドラマ、パッと見ると柔らかな印象を受けますが、「フィール・ヤング」(祥伝社)で連載中の原作は「昼顔より怖い不倫」との触れ込み。今回で見せた普遍的な夫婦生活がどう崩れていくのでしょうか。 (文=どらまっ子HAYAちゃん)

嵐・相葉雅紀主演“本格ミステリー”月9『貴族探偵』11.8%スタート! フジテレビに希望はあるか

嵐・相葉雅紀主演本格ミステリー月9『貴族探偵』11.8%スタート! フジテレビに希望はあるかの画像1
フジテレビ系『貴族探偵』番組サイトより
 2015年冬クールの『5→9 ~私に恋したお坊さん~』を最後に、5クール連続で全話平均視聴率が1ケタに沈んでいるフジテレビ月9枠。今クールの『貴族探偵』が不調に終われば、いよいよ枠そのものの撤廃も視野に入ってくるといわれています。  そんな『貴族探偵』の初回視聴率は、11.8%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と、まずまずの結果。しかし、数字以上に好印象な作品となっていました。  物語は、正体不明の「貴族探偵」を名乗る男(相葉雅紀)が側近を引き連れて殺人現場に乗り込み、鮮やかに事件を解決していくというもの。ところが、肝心の貴族自身が推理をせず、執事や運転手、メイドたちが実際に事件を解決するというのが、本作の特色です。  原作は麻耶雄嵩という作家さんの『貴族探偵』(集英社)と、その続編となる『貴族探偵対女探偵』(同)。ドラマでは第1話から女探偵が登場していますので、人物配置は『──女探偵』を下敷きとしつつ、両書から事件を引用していくようです。  この『貴族探偵』シリーズという作品。「主人公の貴族が推理をしない」というところ以外は、ゴリゴリの本格ミステリーです。麻耶さんは一般的な知名度こそ低いものの、一部ミステリーファンからは熱烈な支持を受ける推理小説界のトリックスター的存在だそうです。  原作を一読してみたところ、ガチガチに事件の設計を固めて伏線をばらまき、読者の視点を思いのままにコントロールしながら解決に落とし込むこと「だけ」に特化した作品だと感じました。とにかく事件の概要説明と現場の状況、容疑者の配置や関係性を手抜かりなく説明して、その事件を論理的に解決する。一見、極めて精緻なミステリーに見えて、時おり強引な推理の踏み抜きが行われたりして(みんなが犯人だと思っていた人が、実はソックリさんだったとか)、不思議な味わいの小説でした。  そして、不思議な味わいといえば、やっぱり「貴族探偵」という人物そのものの奇怪さです。なぜいつも事件の現場にいるのか、なぜ警察の上のほうと通じていて現場の捜査員から追い出されたりしないのか、っていうか、そもそも「貴族」ってなんなのか、というあたりは一切説明されません。ただ、いるのです。そして、側近に事件を推理させるのです。自分は紅茶を飲んだり、事件の関係者の女性とディナーに行ったりするだけ。登場人物というより、マクガフィンとして扱われている感じといえばわかりやすいでしょうか。動的には機能していないけれど、それがないと物語が展開しないという存在です。とはいえ「貴族探偵」も人間ですので、この配置によって、人物描写のリアリティに「一般人」と「貴族一派」という2本の線が引かれることになっています。  その2本の線の描写が、ドラマになったときに、ことごとくうまくいっていると感じたんです。成功してるぞ、と。  相葉くんの演技は、いつにも増して、とことん“棒”です。しかし、貴族然とした衣装に身を包み、突拍子もない行動を繰り返す「貴族」ですので、その演技プランに生活者としてのリアリティは必要ありません。むしろ、相葉ちゃんがバカみたいな振る舞いをすればするほど、原作小説では人物像がボヤけていた「貴族探偵」の輪郭が、よりくっきり見えてくるという好循環が起こっています。執事・山本(松重豊)と運転手・佐藤(瀧藤賢一)の“無表情コンビ”は盤石ですし、メイド・田中を演じた中山美穂の浮世離れした存在感も、「貴族」の世界観をよく表しているように見えてきます。  普通、ここまで荒唐無稽なバカ貴族軍団を4人も登場させれば、ドラマそのものが散漫になりそうなものですが、容疑者や被害者、女探偵(武井咲)や鼻形警部補(生瀬勝久)との掛け合いが実にリズミカルに、テンポよく描かれることで飽きさせません。そして、もともとミステリーを構築するというジャンルでは「現役の日本チャンピオン」ともいえる麻耶さんによる事件設計なので、どれだけ演出面で弾けても根幹がブレないのです。原作の段階で、「謎を作る」「謎を解く」という作業そのものに、作家の魂が込められているからです。プロが作った原作をプロが料理している感じがして、たいへん気持ちがよかったです。  いや、1話だけでここまでベタボメするのもどうかと思うんですが、前作の『突然ウンコしました』みたいな作品があまりにひどい出来だったので、もうフジテレビの月9には真面目にドラマを作ろうとする人は誰もいないのかと絶望していたんです。今回、少しはいるよ、ということはわかった。面白いものを作ろうと思っている人が、少しはいた、ということがうれしかった。やっぱりなんだかんだ、フジテレビを見て育ってますし、フジテレビに愛着があるんですよ。  ドラマはまだFODで見られますので、事件のあらましについては、とりあえず今回は記しません。「ジャニーズ」だとか「月9」だとか「フジテレビ」だとか、そういう単語だけで敬遠している方がいるなら、1話だけでいいから見てみてほしいと願うのです。少なくとも、近年の連続ドラマでは見られなかった本格的な推理と、戯画的な演出による楽しさを併せ持った良作だと思います。  逆にいうと『貴族探偵』を、ちょっと数字が悪いからって『ラヴソング』みたいに壊しちゃうようだったら、もうフジテレビは救いようがないなと思います。はい。 (文=どらまっ子AKIちゃん)

亀梨和也『ボク、運命の人です。』お遊戯会レベルのEDダンスに一体なんの意味が……恋ダンスとは別物

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 KAT-TUN・亀梨和也主演のラブコメディ『ボク、運命の人です。』(日本テレビ系)が15日にスタート。初回平均視聴率は12.0%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)で、好発進となりました。  亀梨といえば、2006年放送の“月9”『サプリ』(フジテレビ系)以降、『たったひとつの恋』(日本テレビ系)、『ヤマトナデシコ七変化』(TBS系)、『セカンド・ラブ』(テレビ朝日系)といった恋愛モノをはじめ、数多くの連ドラで主演。ジャニーズきっての“主演俳優”です。  しかし、筆者は正直なところ、「亀梨の魅力って何?」と疑問に思い続けてきました。演技もそれなりにこなせて、きっといろいろ努力もしているだろうし、なんかヘンに真面目そうだし、少し残念なところを元KAT-TUNの田中聖にはバカにされてそうだったし、そういうとこも含めて世間の好感度は高いと思います。  ただ、突出したものがないというか、迫力に欠けるというか、プラスアルファが感じられず……。これまで主演作を見ても、「物足りない」「シーンが印象に残らない」「亀梨が主演か……」という感じでした。  というわけで、ここでのレビュー連載では、ドラマの魅力のみならず、俳優・亀梨和也の魅力に気付けたら、個人的にはこれ幸いです。では早速、初回のあらすじを振り返りましょう。

『プロポーズ大作戦』の焼き直し!?

 この4月、静岡から都内の営業所に異動してきたウォーターサーバーの営業マン・誠(亀梨)。人をすぐに信じるお人よしで、女性を見た目で判断しない誠ですが、なぜか恋愛相手に恵まれず、元カノは「ヘンな女」ばかり。しかも、いつも最後はフラれてしまうといいます。  夜、誠が帰宅すると、部屋に土足で上がる謎の男(山下智久)が。男は、「神だよ!」「GOD right here!」と“神”を自称。その神から、同じビル内の隣の会社に勤める晴子(木村文乃)の写真を見せられ、「はい、ここ大事。彼女が君の運命の人!」と告げられます。さらに、年内に晴子と結婚し、来年に子どもを産まないと、30年後に地球に隕石が直撃して人類が滅亡するとか。2人の子どもは科学者になって、隕石の軌道を外すのだそうです。  また、誠と晴子にはこれまで、運命の後押しによってあらゆる接点が。しかし、お互い一度も気付けなかったため、2人とも不幸な恋愛が続いていたんだそうです。  ここまで見て、『プロポーズ大作戦』(フジテレビ系)を彷彿をさせるなあ、と思っていたら、脚本家が同じ方でした。たしか『プロポーズ大作戦』は、山Pが天使の力で何度も過去をやり直し、長澤まさみと自分が結婚できるよう仕向ける話。時間軸的には逆転の発想とも言えますが、設定の使い回しというか、シリーズというか、ほとんど亀梨版『プロポーズ大作戦』と言っていいでしょう。これには、フジも内心「ムギギ……」となっているかもしれませんね。

晴子の性格が地味にヤバい!

 晴子とエレベーターで2人きりになった誠は、いきなり「驚かないで聞いてください。あなたは僕の運命の人なんです」と告げますが、不審者扱いする晴子。その夜も部屋にいた神は、今度会ったら、かつて大学受験で後ろの席だった晴子から借りたえんぴつを返すよう助言します。  次の日、出張先の山奥で晴子とばったり会った誠は、えんぴつを返却し、改めて「大変お待たせしました。僕があなたの運命の男です」と説明。しかし、晴子は「気持ち悪いです。ほんとうに、気持ちが悪いです」と一蹴します。  晴子って、地味にヤバい性格なんですよね……。運命に逆らってきたため、誠同様に男運は最悪。しかし、なぜか男を選ぶ力には自身満々。とんでもなく自己評価が高い女性なのでしょうか? 実際いたら、心配になる性格です。  すっかり自信をなくした誠は、美人局の元カノと行く予定だったクラシックコンサートへ。そこで、球児だった高校時代の思い出がフラッシュバックすると、そこには晴子らしき女性の姿が。高校時代にがっつり接点があったんじゃ……? と思わせて、初回は終了しました。

「ボク運ダンス」はお遊戯会レベルだった

 全く頭を使わずに見られるラブコメディとしては、人気が出そうです。晴子のサバサバ系女子ぶりも、ちょっとイタくていい感じですし、亀梨の上司役の田辺誠一の不思議ちゃんぶりや、女社長役の阿佐ヶ谷姉妹・渡辺江里子のデキる女風演技も、今後話題になりそう。山Pの神役も、『DEATH NOTE』のリューク的な愛されキャラで支持を集めそうです  で、問題の亀梨ですが、誠が素の亀梨に近いのか、主人公のオタオタ感が演技でうまく表現されていました。が、欲を言うと、ルックスの部分で役作りをしてもよかったのでは、と思います。  髪型を少しもっさりさせるとか、色気を消すために目張りを弱めにするとか、細眉を隠すとか……この役を引き立てる見た目って、もっと他にあったと思うんですよ。キムタクだって、TOKIO・長瀬智也だって、出演作によって髪型変えてますから、もう少しお化粧っけを薄めてほしかったです。  また、散々「恋ダンス」のパクリと言われているエンディングの「ボク運ダンス」ですが、ダンスはサビだけなうえ、顔のドアップも多いので、視聴者に振付を覚えさせようという意図は感じられません。  しかも、その振りは幼稚園のお遊戯会並みに簡単ですから、「踊ってみたい!」という欲は刺激されません。要は、「恋ダンス」に並ぶようなものではないです。  だとすると、なぜパクリと言われるリスクを負ってまで、わざわざ「ボク運ダンス」を入れたんでしょう? 謎すぎます……。今後、その答えが明かされることを信じ、最終回まで見届けたいと思います。 (文=どらまっ子TAMOちゃん)

『SRサイタマノラッパー~マイクの細道~』第2話 人生のリセットの仕方がどうにも分かりません!

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テレビ東京系『SRサイタマノラッパー マイクの細道』番組サイトより
 何ひとつままならない人生を過ごしてきた中で、ほんの一瞬だけ自由を味わい、大きな夢にちょっぴり近づけたような気がした幸せな時間があった。埼玉で生ぬるい青春を送ってきたIKKU、TOM、MIGHTYの3人にとって、その一瞬とは「SHO-GUNG」としてラップをやっているときだった。死ぬほどヘタクソだったけど、3人でラップの掛け合いをしているときだけは埼玉を離れ、東京やNYの一流クラブのステージに立ったような恍惚感を味わっていた。でもそんな夢は長くは続かない。現実世界に身の置きどころを懸命に求めようとする年下のMIGHTY。引っ込みがつかず、どこまでも我が道を進もうとするIKKU。生まれてくる子どものために、青春時代にくさびを打ちたいTOM。夢と現実との狭間でもがき続ける3人の再会ドラマとしてスタートした『SRサイタマノラッパー~マイクの細道~』の第2話。今回は長回しのラップシーンが複数回ある、見逃せない豪華編だ。  前回、3週間後に迫った川崎クラブチッタのライブイベントに「SHO-GUNG」として立つために、かつて仲間だったMIGHTY(奥野瑛太)を連れ戻そうと青森県大間町までやってきたIKKU(駒木根隆介)とTOM(水澤紳吾)。スナックでMIGHTYを見つけたまでは良かったが、MIGHTYの放ったみぞおちへのパンチ一発で簡単にKOされるTOM。目も当てられないほどの弱々しさがTOMという男のいちばんの魅力でもある。TOMの美人妻トリーシャ(コトウロレナ)がTOMのもとを去っていくシーンから第2話は始まる。 「ラッパーになれないTOMはTOMじゃない。一度くらいライブを見てみたかったよ。昔は好きだったよ~」とカタコトの日本語で別れの言葉を告げるトリーシャ。ハッと気がつくと、そこはスナックを営む咲子(安藤玉恵)とトーコ(山本舞香)母娘の自宅。TOMが見たただの夢だったのか、TOMのリアルな記憶なのか、今後の伏線になりそうな気になる1シーンだ。しかし、第1話ではTOMたちをカツアゲしていたトーコが、気を失ったTOMを介抱して自宅に泊めるとは。東北人は口数は少ないけど、けっこー気立てはよかったりする。トーコもそんな下北ギャル(下北半島ギャル)らしい。  大間崎の観光ガイドとして、おばちゃんたちを相手にマメマメしく働くMIGHTY 。実家でのほほんと暮らしているIKKUに比べ、確実に苦労人だ。そんなMIGHTYを口説くよりも、食欲が勝るIKKU。同じくテレビ東京系の深夜ドラマ『孤独のグルメ』の視聴者を取り込もうという狙いなのか、第1話の「二色丼」に続いてIKKUの食レポシーンが描かれる。マグロの“ノド”は一匹からひとつしか取れない貴重な部位。そんなレア肉を2本続けて喰うIKKU。所持金の残高を気にして、せっかくのマグロ料理を楽しめないTOM。そこへまた例のトラック運転手(皆川猿時)が現われ、「メシを食うときはサングラスぐらい外せ」と至極まっとうな正論で説教を垂れる。『孤独のグルメ』の主人公・井之頭五郎なら「モノを食べるときはね、誰にも邪魔されず、自由で何というか救われてなきゃダメなんだ」と助け舟を出すところだが、横にいるTOMはペコペコと頭を下げるばかり。でぶラッパー 負けるな一茶 ここにあり。『マイクの細道』ということで、つい一句詠んでしまいました。  気分直しに港で即興ラップに興じるIKKUとTOM。海沿いを歩く2人と並行してカメラがドリー移動する前半の決めシーンだ。 IKKU「埼玉から青森経由 すべての道はドリームに通じている 周回遅れからの集大成。グンググーンとまだ伸びたいぜ。ショーグン、ショーグン♪」  カモメが舞う本州最北端の岬で、津軽海峡に向かってコール&レスポンスを求めるIKKUとTOM。海のない埼玉育ちの2人にとって、今回のみちのく旅が特別な意味を持つことを感じさせる名シーンとなっている。  日が暮れてIKKUとTOMがトーコの自宅に戻ると、トーコと咲子は親子ゲンカの真っ最中。スナックの常連客・マキノ(杉村蝉之介)と結婚して、スナックを継ぐことを母親から一方的に決められているトーコだが、「あんなヤツと結婚するより風俗で働くほうがまし」と捨て台詞を吐く。二階堂ふみ似のちょい小生意気なトーコが勤める風俗店!! お店で働くことになったら、ぜひ店名を教えてほしい。  娘の抵抗に遭い、気が立っている咲子に頭を下げて「もう一晩泊めてください」と頼み込むIKKUとTOM。2人はどこまでも情けない。宿泊費代わりにIKKUたちはスナックのボーイを勤めることに。現在はガールズバーで、かつてはおっぱいパブで働いていたこともあるTOMは妙にボーイ姿が似合い、逆に物哀しさを感じさせる。マキノたちスナックの客に煽られて、店内でラップをやらせられるIKKUとTOM。魂のリリックを放つはずの2人のラップが、場末のスナックに出てくる薄い焼酎のお湯割りのようにうらぶれたものへと墜ちていく。「はたらけどはたらけど わが生活楽にならざり ぢっと手を見る」と詩を詠んだ石川啄木は青森県のお隣・岩手県の出身だ。ちなみに大間崎には石川啄木の歌碑がある。26歳という短い生涯を金欠と職探しで悩み続けた明治時代の有名詩人と平成時代を生きる無名ラッパーとの哀しみがテレビ画面でクロスする。  酔客たちを相手に醜態をさらすIKKUとTOMにいたたまれず、店内へと飛び込んできたのがMIGHTYだった。「なめんなラップを、なめんなヒップホップ」と2人をディスるMIGHTY。まともな会話を交わすことができずにいた3人だが、不思議なことにラップだと言葉が勝手に口から溢れ出してくる。東京で人気ヒップホップグループ「極悪鳥」のパシリを務め、栃木では裏ビジネスに従事し、さらには刑務所暮らしも経験しているMIGHTYは「いつだって余裕 いつだって行く 今日だって行く」とIKKUたちに対し上から目線のラップで圧倒するが、IKKUたちと掛け合っているうちに歌詞が「二巡目スタート 今日だっていく 今日いく きょういく……教育 金融 ブランニュー」と劇場版第1作『SRサイタマノラッパー』の公民館ライブで披露した「SHO-GUNG」の大ヒットナンバー「教育 金融 ブランニュー」へと繋がっていくではないか。  IKKUたちを残して東京へ行っても、裏社会の住人になっても、刑務所に入っても、MIGHTYの心の奥には3人でやった公民館ライブの記憶がずっと息づいていた。一瞬だけテレビ画面に映る、『SR1』の公民館ライブ。あの頃、怖いもの知らずの大バカものだった「SHO-GUNG」の若き日の姿に、こちらの涙腺も刺激されてしまう。  スナックから逃げ出し、夜の海岸へと走っていくMIGHTY。北国の小さな町で地に足を着けて働こうとしていたけれど、「SHO-GUNG」の一員としてTOMやIKKUたちと曲づくりに夢中になっていた日々が忘れられずにいた。そんなMIGHTYを追いかけるTOMとIKKU。暗い夜の海に向かって「お前ら本気でクラブチッタのステージに立つつもりか? 無理だよ無理。チャレンジ枠? そんな枠、この世にはねーよ」と呟くMIGHTY。10年間ラップをやっても芽が出なかったことはIKKUもTOMも充分自覚している。ここでIKKUがメタボ体型の全身の脂を絞り出すかのような悲痛な台詞を吐き出す。 IKKU「オレら、最後に何かカマせねぇとどうやってリセットしていいのか、これからの人生わかんねぇんだよ」  人生のリセットの仕方に手慣れた人なんてどこにもいないし、他人に教えてもらうものでもない。自分自身の手で身を持って体験するしかない。世界で通用するようにと10年前に命名されたグループ名「SHO-GUNG」だったが、その名前は国内はおろか埼玉県内にも轟くことはなかった。完璧なネーミング負けだった。それなら、せめて自分たちの手で「SHO-GUNG」に引導を渡すしかない。 MIGHTY「どうせ、もうなぁんもねぇんだぁ……。最後にやるか、SHO-GUNG再結成。締めくくりやってやるよ、あー!?」  それぞれの青春に墓標を建てるため、IKKU、TOM、そしてMIGHTYはクラブチッタのステージを目指すことになった。ドラマ2週目でこの熱さ、クライマックスは一体どれだけ盛り上がるのだろうか? (文=長野辰次)

『孤独のグルメ Season6』第1話 スカした東京人どもの胃袋の常識を変えてやる!? お好み焼きは、ごはんのおかず

『孤独のグルメ』第1話 スカした東京人どもの胃袋の常識を変えてやる!? お好み焼きは、ごはんのおかずの画像1
テレビ東京系『孤独のグルメ season6』番組サイトより
 今シーズンの放送を前に、作画の谷口ジロー先生が亡くなられました。いまや、谷口先生の代表作のひとつとなった『孤独のグルメ』。  でも、最初に依頼が来たときには「なぜ、私に……」と思ったそうです。実際、掲載誌の「月刊PANjA」(扶桑社)は、まったく売れずに休刊。その後、同社から単行本は出たものの、まさか21世紀になって、こんな人気を得るとは誰が予想できたでしょうか。  かくて、空前の飯テロによって、世間にさらなる「孤独のグルメ実践者」を増殖させているテレビ東京のドラマも、いよいよ第6シーズン。いったい、どんな哀愁とうまいメシが待っているのか。  お待ちかね、第1話のタイトルは…… 「大阪府 美章園のお好み焼き定食と平野の串かつ」 です。  今回の冒頭、ゴローちゃん(松重豊)がやってきたのは大阪。それも、梅田ではなく、ディープな通天閣のたもとです。原作において、大阪は鬼門。大阪の独特のノリについていくことができず、ひたすら孤独を感じながら、タコ焼きをモグモグと食べるしかないゴローちゃんを、皆さんもよく覚えていることでしょう。  しかし、それはすでに過去の出来事なのか。松重ゴローちゃんは、食い倒れの街に大いに期待を寄せています。  ですが、簡単にモグモグ満足させてくれないのが、このドラマ。声をかけてきた客引きのお兄さんの案内で、首尾よくメシにありつけるかと思いきや、携帯電話が。  メシを食べたいときに邪魔されてしまう。フラストレーションは募ります。とはいえ、そのへんでささっと立ち食いうどんでもすすったりしないのがゴローちゃん。もはや遺伝子レベルで、空腹こそが最高の調味料と理解しているのか?  突然、電話でアポの時間を変更してきたお客は、旧知の不動産屋。モデルルームに置く調度品のために、わざわざ、東京からゴローちゃんを招いたのです。 「大事な仕事やから、ゴローさんに頼んでるんやないんですか~」 という不動産屋の「こっちは、お好み焼きをおかずにメシを食いますわ~」の一言に、ゴローちゃんは「ムリムリ」と渋い顔。これ、なんてフラグなんでしょうか?  ともあれ、北海道生まれの彼を大阪人にしてしまう地域のパワーに感慨を覚えながら歩いていると、突然思い出すのは空腹。かくて、ゴローちゃんの店探しがスタートです。  そして、入るのはお好み焼き屋。決め手は、枯れたのれんに「風流美味」と書かれているところ……。  客が勝手に取るおしぼりが紅白なのも新鮮に見えるゴローちゃんは、さっそくの名言。 「初めて来たのに懐かしい。これは……本物の店だぞ」  王道の豚玉にしようかと考えたゴローちゃん。隣の席に運ばれてくるのは、豚玉の定食。いまだ、驚きは隠せませんが「こんな店に入れたんだから……」と、大阪人の味覚に果敢に挑戦します。それにしても「こんな店」と言ってしまうゴローちゃんの洗練された東京人らしさが面白いです。  そんなお好み焼き屋で、昼間っから飲んでいるのは、池乃めだか師匠ではありませんか!  ゴローちゃん、めだか師匠に「兄ちゃん、背え高いな~」と突っ込まれますが、「どっかから声がするけど、どこや~」とは返せません。  さて、運ばれてきた定食。「関東人には理解不能」と覚悟を決めながらも、なおも違和感を隠せないゴローちゃん。恐る恐る小手でマヨネーズを広げます。ここで今日2度目の名言。 「小手づかいで大事なのは、思い切りだ」  口に運べば、お好み焼きは美味。「これだけでいいじゃないか」と言いつつも、大阪スタイルを試すゴローちゃん。「意外にいいかも!」と、一口で気に入ります。「もしかすると、俺の身体の中には大阪人のDNAがある」んじゃないかと、うまいモノの前には一瞬で世界が変わるゴローちゃんです。  いよいよスイッチが入ったゴローちゃん。こうなると貪欲な胃袋は止まりません。続いては焼きそばに挑戦。まずはミックスとデラックスの違いを聞くところから。ミックスは、豚にイカとエビ。デラックスはそこに貝柱も入っているというわけです。そして怒濤の名言。 「このソースのにおい、なんと暴力的な。お好み焼きを食ってなかったら即死だ!」 「大阪ソースの催眠術か、また腹が減ってきたぞ」 「デラックスだ、遠慮なくデラックスにいこう」  半熟目玉焼きを麺に絡め取って狂喜するゴローちゃん。さんざん語っているのに「この店の焼きそばのおいしさは、俺のような一見の客に語れるものではない……」と。いくら語っても、食の前には謙虚なのが、ゴローちゃんと山岡士郎の大きな違いです。そして、まだ止まらない名言。 「きっと、東京に戻ってから、強烈に食べたくなるに違いない」  お好み焼き定食に焼きそばを食べながらも、まだ、終われないゴローちゃん。続いては、「たこねぎ」の小をしょうゆ味で挑みます。ソースとは違うしょうゆのおいしさに流れる音楽もノリノリ。半分は一味をぶっかけ「なるほど、こうなるか」と、さらにモグモグは続きます。 「ハマる人はハマるなあ、俺も今日から、この一味」  かくて、お好み焼きに始まる「炭水化物トライアスロン」を食い倒れずに完走した達成感を得るゴローちゃん。すっかり、大阪の食文化に胃袋を支配され尽くしたのであります。  さんざん食べて今日も終了かと思いきや「さて、もうひと仕事」と言いだすゴローちゃん。満腹かつ、ソースのにおいをコートに染みこませて商談に向かうのも平気なのが素敵です。  で、2軒目の商談は町場のパーマ屋さん。個人経営なのに、なんとクライアントの幅の広いことか。小商いでも、わざわざ出張してきてくれるフットワークの軽さが信用なのでしょうか。  商談を終えて「さあ東京に戻るか」とつぶやくゴローちゃん(日帰り?)。だが、その目に飛び込んで来たのは「串カツ、どて焼き」と書かれた屋台。「やり残していることがあった」と、当たり前のように足は動き出すのです。  そしてCM明けは、油のはじける音から。 「串カツのウスターソースは、大阪人の血液だ」  屋台なのに具材が多いという大阪ならではの光景に、もはやゴローちゃんの胃袋はブラックホールとなります。  ヒレ肉ならぬヘレ肉、ニラ巻き。紅生姜。紅生姜の揚げたのが、ソースに合うという新発見に、さらにゴローちゃんが加速するのは当然です。  そして、ここで挿入されるのが飲み物のセレクト。 「ここはウーロン茶じゃないな、油ものには炭酸だ」  飲み物は店ではなく傍の自販機で買ってくれという、屋台ならではのスタイル。サイダーを流し込めば、さらに新たなステージへ。どて焼きは、2本注文。入ってきた親子連れ……じゃなくて、元阪神の下柳剛に引きずられるように、コンニャクも。 「なんだか、初めて大阪の懐に潜り込めた気がする」 と、感動は無限の食欲へと続くのでありました……。  初回から炭水化物でトライアスロンと思いきや、まさかの延長戦まで完走した第1話。  ますます盛んな松重ゴローの胃袋は、深夜の飯テロどころか、核弾頭のごとく視聴者に攻め込んできます。21世紀になり、少しは知れ渡った感もありますが、まだまだ東京では、お好み焼きをおかずにご飯というのは、奇人扱いされているフシがありました。でも、このトライアスロンによって、「お好み焼きには、ご飯と味噌汁」は、もはや常識になるのではないでしょうか。  お好み焼きは、間違いなくご飯のおかずです。  毎朝毎晩、お経のように唱えて実践し、この常識を普及させてほしいものです。 (文=昼間たかし)

『孤独のグルメ Season6』第1話 スカした東京人どもの胃袋の常識を変えてやる!? お好み焼きは、ごはんのおかず

『孤独のグルメ』第1話 スカした東京人どもの胃袋の常識を変えてやる!? お好み焼きは、ごはんのおかずの画像1
テレビ東京系『孤独のグルメ season6』番組サイトより
 今シーズンの放送を前に、作画の谷口ジロー先生が亡くなられました。いまや、谷口先生の代表作のひとつとなった『孤独のグルメ』。  でも、最初に依頼が来たときには「なぜ、私に……」と思ったそうです。実際、掲載誌の「月刊PANjA」(扶桑社)は、まったく売れずに休刊。その後、同社から単行本は出たものの、まさか21世紀になって、こんな人気を得るとは誰が予想できたでしょうか。  かくて、空前の飯テロによって、世間にさらなる「孤独のグルメ実践者」を増殖させているテレビ東京のドラマも、いよいよ第6シーズン。いったい、どんな哀愁とうまいメシが待っているのか。  お待ちかね、第1話のタイトルは…… 「大阪府 美章園のお好み焼き定食と平野の串かつ」 です。  今回の冒頭、ゴローちゃん(松重豊)がやってきたのは大阪。それも、梅田ではなく、ディープな通天閣のたもとです。原作において、大阪は鬼門。大阪の独特のノリについていくことができず、ひたすら孤独を感じながら、タコ焼きをモグモグと食べるしかないゴローちゃんを、皆さんもよく覚えていることでしょう。  しかし、それはすでに過去の出来事なのか。松重ゴローちゃんは、食い倒れの街に大いに期待を寄せています。  ですが、簡単にモグモグ満足させてくれないのが、このドラマ。声をかけてきた客引きのお兄さんの案内で、首尾よくメシにありつけるかと思いきや、携帯電話が。  メシを食べたいときに邪魔されてしまう。フラストレーションは募ります。とはいえ、そのへんでささっと立ち食いうどんでもすすったりしないのがゴローちゃん。もはや遺伝子レベルで、空腹こそが最高の調味料と理解しているのか?  突然、電話でアポの時間を変更してきたお客は、旧知の不動産屋。モデルルームに置く調度品のために、わざわざ、東京からゴローちゃんを招いたのです。 「大事な仕事やから、ゴローさんに頼んでるんやないんですか~」 という不動産屋の「こっちは、お好み焼きをおかずにメシを食いますわ~」の一言に、ゴローちゃんは「ムリムリ」と渋い顔。これ、なんてフラグなんでしょうか?  ともあれ、北海道生まれの彼を大阪人にしてしまう地域のパワーに感慨を覚えながら歩いていると、突然思い出すのは空腹。かくて、ゴローちゃんの店探しがスタートです。  そして、入るのはお好み焼き屋。決め手は、枯れたのれんに「風流美味」と書かれているところ……。  客が勝手に取るおしぼりが紅白なのも新鮮に見えるゴローちゃんは、さっそくの名言。 「初めて来たのに懐かしい。これは……本物の店だぞ」  王道の豚玉にしようかと考えたゴローちゃん。隣の席に運ばれてくるのは、豚玉の定食。いまだ、驚きは隠せませんが「こんな店に入れたんだから……」と、大阪人の味覚に果敢に挑戦します。それにしても「こんな店」と言ってしまうゴローちゃんの洗練された東京人らしさが面白いです。  そんなお好み焼き屋で、昼間っから飲んでいるのは、池乃めだか師匠ではありませんか!  ゴローちゃん、めだか師匠に「兄ちゃん、背え高いな~」と突っ込まれますが、「どっかから声がするけど、どこや~」とは返せません。  さて、運ばれてきた定食。「関東人には理解不能」と覚悟を決めながらも、なおも違和感を隠せないゴローちゃん。恐る恐る小手でマヨネーズを広げます。ここで今日2度目の名言。 「小手づかいで大事なのは、思い切りだ」  口に運べば、お好み焼きは美味。「これだけでいいじゃないか」と言いつつも、大阪スタイルを試すゴローちゃん。「意外にいいかも!」と、一口で気に入ります。「もしかすると、俺の身体の中には大阪人のDNAがある」んじゃないかと、うまいモノの前には一瞬で世界が変わるゴローちゃんです。  いよいよスイッチが入ったゴローちゃん。こうなると貪欲な胃袋は止まりません。続いては焼きそばに挑戦。まずはミックスとデラックスの違いを聞くところから。ミックスは、豚にイカとエビ。デラックスはそこに貝柱も入っているというわけです。そして怒濤の名言。 「このソースのにおい、なんと暴力的な。お好み焼きを食ってなかったら即死だ!」 「大阪ソースの催眠術か、また腹が減ってきたぞ」 「デラックスだ、遠慮なくデラックスにいこう」  半熟目玉焼きを麺に絡め取って狂喜するゴローちゃん。さんざん語っているのに「この店の焼きそばのおいしさは、俺のような一見の客に語れるものではない……」と。いくら語っても、食の前には謙虚なのが、ゴローちゃんと山岡士郎の大きな違いです。そして、まだ止まらない名言。 「きっと、東京に戻ってから、強烈に食べたくなるに違いない」  お好み焼き定食に焼きそばを食べながらも、まだ、終われないゴローちゃん。続いては、「たこねぎ」の小をしょうゆ味で挑みます。ソースとは違うしょうゆのおいしさに流れる音楽もノリノリ。半分は一味をぶっかけ「なるほど、こうなるか」と、さらにモグモグは続きます。 「ハマる人はハマるなあ、俺も今日から、この一味」  かくて、お好み焼きに始まる「炭水化物トライアスロン」を食い倒れずに完走した達成感を得るゴローちゃん。すっかり、大阪の食文化に胃袋を支配され尽くしたのであります。  さんざん食べて今日も終了かと思いきや「さて、もうひと仕事」と言いだすゴローちゃん。満腹かつ、ソースのにおいをコートに染みこませて商談に向かうのも平気なのが素敵です。  で、2軒目の商談は町場のパーマ屋さん。個人経営なのに、なんとクライアントの幅の広いことか。小商いでも、わざわざ出張してきてくれるフットワークの軽さが信用なのでしょうか。  商談を終えて「さあ東京に戻るか」とつぶやくゴローちゃん(日帰り?)。だが、その目に飛び込んで来たのは「串カツ、どて焼き」と書かれた屋台。「やり残していることがあった」と、当たり前のように足は動き出すのです。  そしてCM明けは、油のはじける音から。 「串カツのウスターソースは、大阪人の血液だ」  屋台なのに具材が多いという大阪ならではの光景に、もはやゴローちゃんの胃袋はブラックホールとなります。  ヒレ肉ならぬヘレ肉、ニラ巻き。紅生姜。紅生姜の揚げたのが、ソースに合うという新発見に、さらにゴローちゃんが加速するのは当然です。  そして、ここで挿入されるのが飲み物のセレクト。 「ここはウーロン茶じゃないな、油ものには炭酸だ」  飲み物は店ではなく傍の自販機で買ってくれという、屋台ならではのスタイル。サイダーを流し込めば、さらに新たなステージへ。どて焼きは、2本注文。入ってきた親子連れ……じゃなくて、元阪神の下柳剛に引きずられるように、コンニャクも。 「なんだか、初めて大阪の懐に潜り込めた気がする」 と、感動は無限の食欲へと続くのでありました……。  初回から炭水化物でトライアスロンと思いきや、まさかの延長戦まで完走した第1話。  ますます盛んな松重ゴローの胃袋は、深夜の飯テロどころか、核弾頭のごとく視聴者に攻め込んできます。21世紀になり、少しは知れ渡った感もありますが、まだまだ東京では、お好み焼きをおかずにご飯というのは、奇人扱いされているフシがありました。でも、このトライアスロンによって、「お好み焼きには、ご飯と味噌汁」は、もはや常識になるのではないでしょうか。  お好み焼きは、間違いなくご飯のおかずです。  毎朝毎晩、お経のように唱えて実践し、この常識を普及させてほしいものです。 (文=昼間たかし)

「お前が死ねよ」時代に突入した沢尻エリカ主演『母になる』、ジャニーズ俳優が衝撃の“棒演技”

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「別に……」時代から「お前が死ねよ」時代へ華麗にジャンプアップした沢尻エリカ様主演の連続ドラマ『母になる』(日本テレビ系)の全話レビュー。12日に放送された第1話の10分拡大スペシャルは、平均視聴率10.6%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)。同枠前クールの『東京タラレバ娘』の初回が13.8%でしたから、少々寂しいスタートとなりました。  同作は、2年ぶりに連ドラ出演するエリカ様が話題ですが、メーンでHey! Say! JUMP・中島裕翔、ジャニーズJr.・道枝駿佑が出演する“ジャニーズドラマ”の側面もあります。中でも主人公の息子役を演じる14歳の道枝は、これがドラマ初出演。演技経験もほとんどなさそうです。かなり重要な役ですが、どんなフレッシュな演技を見せてくれるのか、ワクワクしますね! さっそく初回のあらすじをザッと振り返りましょう。

初回で19歳から34歳まで演じるエリカ様!

 2001年春、両親を亡くし、19歳で単身上京した結衣(沢尻)は、勤め先の書店に客として訪れた大学講師・陽一(藤木直人)に一目惚れ。ボールペンを渡して手が触れてドキッ! ZOKKONです。  交際に発展し、クリスマスを共に過ごす2人。包丁片手にホールケーキを切ろうとしている結衣は、足を滑らした陽一に後ろからぶつかられ、顔面からケーキにダイブ。あわや! 顔のすぐ横に包丁! 母になる前に血だらけにならなくてよかったです。結果、“顔面ケーキ”きっかけでチューする2人。コミカル!  この後、結衣の妊娠が発覚し、2人は“デキ婚”。男児・広(こう)を出産し、幸せな家庭を築きます。  3歳になった広(子役・吉武歓)は、寝る前に突然、結衣に向かって「そのひとのことをおもうとね、こころがぎゅーっとなってきゅーんとなって、なきそうになるのぉ、なんていうかしってるぅ? そういうきもち、なんていうかしってるぅ? ぼくしってるよぅ、いとしいっていうんだよぉ」「いとしいだよぉ、ぼくままのこと、いとしいだよぉ」と話し始めます。  うを! ここまで見事に棒読みの子役って、初めて見ました。わーわー! でも顔はかわいい。  しかし、この棒読み事件の翌日に悲劇が。幼稚園のお迎え時に結衣が一瞬目を離した隙に、広が忽然と姿を消してしまいました。誘拐したのは、陽一に恨みを持っていた教え子。犯人は陽一に電話で「お子さんをさらったのは僕です」と自白した直後、広の居場所を告げずに大学の屋上からダーイブ! エリカ様が「お前が死ねよ」って言ったからでしょうか。

棒読みのまま成長する広

 この日以来、笑顔が消える結衣と陽一。結衣は「うううううう、広に会いたい、ううう、ちゃんとご飯食べてるかなあ、ううう」と号泣。孫が消えて気を病んでしまった陽一の母親(風吹ジュン)も、他人の子に「ババとくる? おいで! おいで!」と迫って警察の厄介になるなど、もう地獄です。  そして、一気に17年春のシーンへ。何があったかわかりませんが、結衣はアパートで一人暮らし。中華料理店で働いていますが、なんか貧乏そうです。  そんな中、児童福祉司の愁平(中島)から結衣に電話が。結衣が養護施設に駆けつけると、AAA・西島隆弘似のイケメンが登場。最初は本当に広か半信半疑の結衣ですが、そのイケメンはとびっきりの棒読みで「いまこのへん、ぎゅってなって、きゅーんていうか、そういうかんじで……」との聞き覚えのあるフレーズを口にします。  うお! その棒読みは絶対に広だよ! 間違いないよ! 全視聴者がそう思ったであろう次の瞬間、「広……」「お母さん?」と抱き合う2人。親子が9年ぶりの再会を果たし、初回は終了しました。  フレッシュの度が過ぎる道枝くんですが、案の定、ネットでも「道枝の演技ヤベー!」と話題になっているようです。そういえば、ジャニーズ事務所はダンスや歌のレッスンはあっても「演技レッスンはない」と有名ジャニタレがテレビで言っているのを聞いたことがありますが、一説には「最近はジュニアのレッスンに演技を取り入れているらしい」との情報も。本当かなあ。なんにせよ、ジャニーズ事務所は今後、道枝くんをゴリ押していくんでしょうね。既に映画デビューも決まっているようですし。  ただ、道枝くんの棒ゼリフに「わざとでは?」「今後の伏線かも」との声も。確かに、広の空白の9年間はまだ何もわかってませんから、「演技ヤベー」と揶揄するには早すぎます。何かの呪いで、抑揚を封じられたのかもしれません。  そんなことより、沢尻の主演女優としての貫禄は、圧倒されるものがありますね。もちろん“泣きの演技”は天下一品ですし、いい女風のしゃべり方さえ気にならなければ、もらい泣き必至です!  というわけで、まだまだ序章にすぎない『母になる』。当サイトでは、最終回まで粛々とレビューさせていただきます! (文=どらまっ子TAMOちゃん)