沢尻エリカが中学生の子持ちを演じる『母になる』(日本テレビ系)の第3話。平均視聴率は前回から1.4ポイント減の9.3%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)でした。 初回に登場した若い頃の結衣(沢尻)は、毛先を巻いたり、ワンピースを着たりとおしゃれな感じでしたが、一人息子が誘拐されたショックからか、はたまたただ困窮しているのか、ダサファッションへガラリ。放送中の藤原竜也主演ドラマ『リバース』(TBS系)の主人公と、ダサファッション対決をしてほしいくらいです。といわけで、あらすじを振り返ります。「イープロダクション」HPより
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小池栄子が主役を“喰っちゃった”!? 日本テレビ『母になる』で沢尻エリカがピンチ!
沢尻エリカが中学生の子持ちを演じる『母になる』(日本テレビ系)の第3話。平均視聴率は前回から1.4ポイント減の9.3%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)でした。 初回に登場した若い頃の結衣(沢尻)は、毛先を巻いたり、ワンピースを着たりとおしゃれな感じでしたが、一人息子が誘拐されたショックからか、はたまたただ困窮しているのか、ダサファッションへガラリ。放送中の藤原竜也主演ドラマ『リバース』(TBS系)の主人公と、ダサファッション対決をしてほしいくらいです。といわけで、あらすじを振り返ります。「イープロダクション」HPより
風吹ジュンのものわかりの良さ!
広(関西ジャニーズJr.・道枝駿佑)と暮らすために復縁することにした結衣と陽一(藤木直人)。陽一の母・里恵(風吹ジュン)は、「部屋数が多いから」と、実家の戸建てで3人で暮らすことを提案。自分は陽一のマンションに移り住んで、1人暮らしをするといいます。 あら。広がいなくなった後、他人の子を誘拐しそうになるほど取り乱していた里恵ですが、自分は同居しないのですね。間取りは3DKに見えますが、寝室が足りないなら居間で寝ればいいのに。それとも、結衣たちに気をつかったのでしょうか? どちらにせよ、ものわかりのいいおばあちゃん! またこの日、広を呼んで13歳の誕生日を祝う結衣たち。欲しがっていたスマホをプレゼントすると、早速、育ての親である麻子(小池栄子)に隠れて電話するようになります。麻子と話せてうれしそうな広の表情が、寂しさを誘いますね……。 親子で暮らし始めてからも、結衣が作った料理の写真などをいちいち麻子に送る広。そんな麻子の登場シーンは、なぜかネットカフェ。なぜか、ここに住んでるっぽいです。 そんな謎多き麻子ですが、突然、結衣の家を訪ね、9年前に広を見つけたときのことを語り始めます。麻子いわく、アパートの隣の空き家で震えていた広を、“虐待されている”と思い込み、救ったつもりになって勝手に育てていたんだそうです。 結衣に謝罪し、自分を訴えても構わないと告げながらも、「でもあのとき、私が助けなければあの子は死んでいました」と付け加える麻子。それでも事を荒立てたくない結衣は、「助けていただいてありがとうございました」と頭を下げます。 と、そのとき、広が帰宅。鉢合わせた麻子は、「(広とは)もう二度と会わない」と言い残し、足早に帰っていきます。 部屋に戻った広は、ノートに「行かないで」と何度も書き殴った後、家を飛び出して麻子の後姿を追いかけダッシュ。しかし、麻子は「本当のお母さんのとこいきな。ママはもう、会いたくない」と冷たく言い放ち、立ち去ります。小池栄子の“顔力”がやっぱすごい!
今回から小池が本格的に登場。いや~、改めて言うことでもないですが、やはり小池の演技はいいですね~。グラドル時代には“癒し系”ならぬ“威圧系”と呼ばれた小池ですが、セリフがなくても“顔力”だけで視聴者の涙を誘います。 特に最近は、女性からの支持が上昇中の小池ですが、ネット上でも「完全に主役を喰ってる」「沢尻より演技うまい」「沢尻より自然」と話題に。確かに、これまで沢尻がいくら泣いてもつられなかった筆者も、小池の登場シーンでは2度も泣いてしまいました。 とはいえ、妊娠中から3歳まで過ごした結衣と、3歳から7年間暮らした麻子のどちらに感情移入するかは、視聴者によって違うようです。筆者は、小池の演技力に押され、すっかり麻子に感情移入してしまいましたが、視聴者の中には麻子を「頭のおかしい女」として嫌悪感を抱いている人も少なくない様子。 また、小池も出演する映画『八日目の蝉』(2011年)と比較する視聴者も目立ちますが、『母になる』は『八日目の蝉』と違って育ての親が直接誘拐していない分、視聴者の感情は揺さぶられっぱなし。案の定、ネット上では「麻子は悪人か否か?」「生みの親か? 育ての親か?」といった議論が繰り広げられ、ドラマ制作サイドの思惑通りといったところでしょう。 そういえば、道枝くんの“棒演技”問題ですが、個人的には子役のわざとらしい演技よりも、よっぽどリアルな中学生に見えます。もし、『3年B組金八先生』シリーズ(TBS系)が続いていたら、ジャニーズが道枝くんをメインに押し込んだんでしょうね。 そんなこんなで、小池にいろいろ持ってかれた感のある第3話。次回は麻子の過去がひとつ明らかになりそうですよ! (文=どらまっ子TAMOちゃん)視聴率下落! ゲス不倫劇『あなたのことはそれほど』注目の東出昌大“サイコパス”っぷり
今週も火曜夜のホラー(?)不倫劇のお時間がやってまいりました。TBS系『あなたのことはそれほど』25日放送の第2話の視聴率は9.0%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と下落。東出昌大の不気味な笑みの影響か否か、気になるところです。 さて、同ドラマを簡単に説明すると、既婚者同士のゲス不倫劇。“2番目に好きな人”と結婚した、主人公の渡辺美都(波瑠)は、ある日かつて好きだった有島光軌(鈴木伸之)と偶然再会したことで、不倫に走ってしまいます。さらに、このドラマの“ゲス不倫”なポイントと言えば、その有島に妊娠中の妻・有島麗華(仲里依紗)がいること、そして美都の夫・渡辺涼太(東出昌大)が不倫を察知している点です。 それでは、2話を振り返っていきましょう。前回は、美都と涼太の出会いから結婚、そして美都と光軌の再会と、関係を持つまでが矢継ぎ早に展開していきました。 2話の冒頭から美都の頭の中は、光軌のことで頭がいっぱい。涼太が腕をふるった手料理もそっちのけで、光軌とのメッセージのやり取りに気を取られています。そんな妻の変化に涼太が気がつかないわけがありません。夜な夜な美都のスマホを逐一チェックし、「仕事が近くだったので」と美都の母・三好悦子(麻生祐未)がママを務めるバーに姿を現し、幼いころの美都について、あれやこれや聞き出します。これは、美都との会話の矛盾を洗い出すための作業で、その姿はまるでサイコパスのよう。「みっちゃんは嘘が下手だから。素直な子なんですよ」と悦子に、にこにことした顔を見せる涼太ですが、薄気味悪く見えて仕方ありません。 そんなこともつゆ知らず、うまく隠し通せていると信じて疑わない美都は、再び光軌とデートをし、あっという間にラブホでバチコンと一発。前回、美都の中にあった「いけないことをしている」という後ろめたさは、とっくに消え失せたようです。光軌への想いを胸に秘めていた高校生当時に戻ったかのように、やれ小顔ローラーを当ててみたり、いつもより服装に気を使ってみたりと色めき立ちます。 親友の飯田香子(大政絢)は、“ゲス不倫”を美都から告白され激怒。「涼太さんがかわいそうじゃない!」と真っ当な意見に、「でも、ずっと会いたかったんだよ? こんなに人の多い東京で再会できたんだよ」と返すくらいですから、美都の頭の中では光軌と結婚する自分がありありと見えていたのかも。 一方の光軌の妻、麗華が初登場。美都がいた高校から光軌が転校した先で出会った同級生のようです。麗華は、どこかネガティブで、「子どもは光軌に似てほしい。麗華って名前を付けられて、ブスだったんじゃ……」と言います。対する光軌は、街なかで同級生に声かけられるなど、クラスの人気者。夫婦間であまりにも性格が違うこと、またそのために気を遣わなければならないことがストレスとなり、光軌を不倫に走らせたのでしょうか。 美都と光軌は、不倫温泉旅行へ。涼太が大阪へ出張に、麗華が出産のための里帰りで東京を離れることをいいことに高そうな旅館で2人だけの時間を満喫。まるで使い古されたAVのような筋書きですが、ここでついに、互いが既婚者であることが発覚します。ちょうど、子どもが生まれた光軌は帰ることになり、不倫解消か? と思いきやそうはいきません。美都は「有島くんに無茶なこと言わないから。安心して」と、光軌にすがりつくのでした。 というのが、今回のお話。不倫がテーマのドラマなので、不倫する2人の動機が明瞭でなければいけません。そのポイントが美都と光軌の妻・麗華の対照的なキャラクターにあるのだと思います。ネガティブで後ろ向きな性格の麗華ですが、「運命は自分の手でどうにかなる」と発言しています。対する美都は、明るく溌剌とした性格ですが、運命の恋に憧れるタイプ。互いのパートナーが持ってないものを、美都と光軌は持っている格好になっています。 さて、涼太は、今度どのような行動に出るのでしょうか。会社の同僚で独身の小田原真吾(山崎育三郎)との雑談の中で「別れたいと思わないの?」と聞かれても、「嫌なところはあるかな……。嘘が吐けないから。素直なんだよ」と言うのみ。前回と今回で涼太は嫉妬深く、執念深い人物として描かれているので、この台詞に含みを感じますし、これから先の展開が恐ろしいものになるのかと、勘ぐってしまいます。 (文=どらまっ子HAYAちゃん)TBS系『あなたのことはそれほど』番組サイトより
主役は嵐・相葉雅紀ではなく「推理」そのもの……フジテレビ月9『貴族探偵』の楽しみ方
嵐・相葉雅紀が、「貴族探偵」を自称しながら自分で推理しないヘンテコ人間を演じているフジテレビ系月9『貴族探偵』の第2話が、24日に放送されました。 前回、第1話のレビュー(記事参照)で必要以上に絶賛してしまい、「『ジャニーズ』だとか『月9』だとか『フジテレビ』だとか、そういう単語だけで敬遠している方がいるなら、1話だけでいいから見てみてほしいと願うのです。」とまで書いてしまったので、正直ちょっと不安だったのです。つまんなかったらどうしましょうか、と。 で、結論としては、まったくの杞憂でした。推理劇としての『貴族探偵』は、間違いなく面白いです。ガチャついた演出が鼻につくという向きもあるでしょうが、あんなの飾りですし。相葉ちゃんが「貴族らしくない」といわれても、実際、日本人の貴族とか見たことないですし。あくまで推理を主役と捉えて楽しんでまいりたいと思います。 今回、貴族探偵と女探偵(武井咲)が挑むのは、富士山麓の別荘で大物小説家が殺害されたという事件。いかにも古臭いというか、新鮮味のない舞台設定ですが、探偵たちがその場に居合わせる偶然が毎度訪れるのも含め、古典的な推理劇を踏襲していると思えば肯定的に受け止めることができます。 原作の時点で『貴族探偵』という物語は、なるべくそういう前提条件を簡素化して、「もうそこは飲み込んでください」というスタンスを打ち出しています。「その分、謎解きはガッツリやりますんで」という、推理作家の強い意志を感じる作りです。 第1話の放送を終えてのプロデューサーインタビューが「マイナビニュース」さんに掲載されていましたが、いわく原作者・麻耶雄嵩さんとの約束事は「謎解きの部分は忠実に演出してほしい」ということだけだったそうです。ここまで、その麻耶さんの要望は、実に忠実に叶えられていると感じます。 とはいえ、ドラマ版『貴族探偵』が、原作の事件推理をそのまま再現しているかというと、そうではありません。第1話でも改変が見られましたし、今回の事件は、そもそも原作では「女探偵」が登場しないので、見せ場となった貴族探偵と女探偵の“推理合戦”は、フジテレビ側の完全な創作となります。 もともとの原作に女探偵という人物を差し込むだけでも大きな工事になりそうなものですが、さらにその女探偵が間違った推理をしなければならないし、女探偵の推理にもそれなりの説得力を生まなければならない。そして、説得力のある女探偵の推理を、貴族探偵が根底からひっくり返さなければならない。ただ映像として再現するよりも、ずっと難しい改変作業が行われているわけです。 これは、原作に何かを足したり引いたりということではありません。もともと当代きっての推理作家が脳汁を噴出させながら組み上げた精緻な事件設計を一度解体し、その本質を変容させないまま再構築するという作業にフジテレビが挑み、成功させているのです。今回の事件、原作ではドローンを使ったトリックは存在しませんし、殺された作家が「絶対に北枕で寝ない」というギミックは、原作よりも効果的に、人物の心情描写を補強する形で生かされています。 今回も見ていない人はFODで見てほしいので、事件のあらすじは記しませんが、もちろん、2017年に放送されるテレビドラマとして、手放しでホメられるところばかりではありません。推理が主役であるこのドラマは、視聴者にある程度の情報を「記憶する」ことを強要します。第1話は5人、第2話は4人、少なくとも、謎解きが始まるクライマックス前までに容疑者のプロフィールを理解していないと、謎解きが始まっても何が行われているのか把握することができません。本格ミステリーは“ながら見”に向かないんです。集中していないとクソつまらんのです。Twitterやらで実況する文字を打ち込んでいるうちに、伏線を見逃してしまうかもしれない。本来なら月9じゃなく、テレビ朝日系の木9あたりで地味にやったほうが、視聴者層には刺さるのかもしれない。 でも、だからこそ、この本格ミステリーを月9に持ち込んで、必死になって若者向けに、ポップにしようと頑張りながら、推理にもトコトン真面目に向き合っている『貴族探偵』というドラマを愛さずにはいられないのです。 これ、最後までうまくいったら偉業だと思うんですよ。ここ1年余り、わたしはここでずっと月9のレビューを書かせていただいています。毎週数千字、累計では数万字にわたって、主に「フジはもうダメだ」「視聴者をナメるのもいいかげんにしろ」「やる気がないならやめちまえ」という論調だったはずです。 その月9が、偉業を成し遂げようとしている。なんとも興奮してしまいますし、「あとでもう1回、今週の月9を見よう」とか「来週はあの事件を、月9がどんな解釈で描くのだろう」とか期待しちゃうなんて、ちょっと想像もしていなかった事態です。 ちなみに視聴率は前回から3.5ポイント下げて8.3%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)だそうです。うーん、せちがらいね! (文=どらまっ子AKIちゃん)フジテレビ系『貴族探偵』番組サイトより
亀梨和也の頭カラッポ系ドラマ『ボク、運命の人です。』、芸人だらけのキャスティングの意図とは?
KAT-TUN・亀梨和也主演のラブコメディ『ボク、運命の人です。』(日本テレビ系)の第2話。平均視聴率は2.4ポイントダウンの9.6%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と、少々寂しい結果となりました。 30年後に誠(亀梨)と晴子(木村文乃)の子どもが地球を救うことから、神様(山下智久)が2人をなんとかくっつけようとするオモシロ設定の同作。早速あらすじを振り返ってみましょう。
恋のライバルに満島真之介登場!
運命の後押しによって誠との偶然が重なり、露骨に気持ち悪がる晴子ですが、第2話では誠の恋敵となる定岡(満島真之介)が登場。定岡は、高校時代に同級生の晴子に告白し、「受験に集中したいから」とフラれたことがあるんだそうです。 晴子といえば、彼氏が付き合った途端ヒモになったり、実は既婚者だったりと、男運のない人生を歩んできたものの、なぜか男を見る目には自身満々。正直、「こんな難解な性格の女、関わりたくね~」と思っていましたが、第2話では高校時代にモテモテだったことが発覚しました。だから自己評価高いのか? 一方、神様から、“晴子を振り向かせるためには、努力してお金を手にせよ”とのアドバイスを受けた誠は、ウォーターサーバーの営業に精を出し、会社から報酬金10万円をゲット。 そんな中、新規顧客に晴子の父・大地(杉本哲太)が。2人はすぐに仲良くなりますが、それを知った晴子は、誠に対し「本当に偶然ですか?」「偶然だとしても、運命なんて言わないでください。単なる確率の話です」と敵意剥き出し。ストーカー疑惑をかけられた誠は「運命が僕らを後押ししてる」と説明しますが、晴子は「うぬぼれるのはやめてください!」と高飛車発言で一蹴します。 食い下がる誠は、2人が初めて会った5歳のとき、晴子が虹を指さし「あそこを最初にくぐった人と結婚するんだ」と言っていたこと、さらにそれ以来、虹を見るたびに全力疾走していたことを伝え、「いまだにちょっと信じてます」とメルヘン発言。これに晴子は、「1人で楽しんでればいいじゃないですか」と冷たくあしらいます。田辺誠一のブラック上司ぶりが酷い!
10万円を手にした誠は、晴子に誕生日プレゼントを買おうとしますが、上司の烏田(田辺)に押し切られ、みんなに焼き肉をおごるはめに。なんたるブラック企業! 焼き肉後、誠がお釣りの小銭を握り帰宅する道すがら、雨宿りする晴子とばったり。コンビニに走り、その小銭で傘を購入。晴子に傘を渡した瞬間、近くで「ハッピバースデイトゥーユ~はるお~♪」と歌う男たちの集団が。さらに、誠が傘を買ったコンビニの店名が「Rainbow」であることに気づいた晴子は、思わず噴き出し、笑顔を見せます。まさしく山下主演『プロポーズ大作戦』(フジテレビ系)っぽい展開(脚本家同じ)! あくる日、晴子の勤務先のビルの前で待ち伏せし、飲みに誘う定岡。神様いわく、ノーマルな状況でも誠の3倍モテる定岡に、この春、人生最大のモテ期が訪れているのだそうです。 てな感じで、第2話は終了しました。芸人だらけのキャスティング
内容はどーってことはありませんが、週末にボンヤリとテレビを眺めるには都合のいいドラマじゃないでしょうか。回を追うごとに誠を応援したくなりますし、今回、部屋の飾りつけをしながら誠の帰りを待っていた山P神様も愛らしいですし。 中には、未来の地球で2人の子どもが地球を救っているのに、なぜ過去を変える必要があるのか? という疑問のドツボにはまっている視聴者も少なくないようですが、そこは考えるだけ野暮というものでしょう。 同作のためにロングヘアから“ゆるふわボブ”にイメチェンした木村ですが、ネット上では「かわいい」「ヅラみたい」「なんか不自然」「髪質に合ってない」などと賛否両輪が巻き起こっているようです。 どちらにせよ、作品によって髪型をコロコロと変える木村さんの姿勢は好感が持てます。それに引き換え、亀梨の万年にわたる“亀梨感”たるや。演技では冴えない営業マンの感じがよく出ているだけに、それを殺してしまっているように見えて残念。キムタクを見習ってほしいです。肌黒すぎるけど。 また、ここ2~3年で“芸人枠”が急増したと言われるドラマ業界ですが、同作には主人公の近くに同期役のハライチ・澤部佑、同僚役のオテンキ・のり、主人公を慕う女社長役の阿佐ヶ谷姉妹・渡辺江里子と3人もの芸人をがっちり配置。さらに、田辺以外はブサメン系の男性俳優を取り揃え、亀梨がくっきり引き立つキャスティングになっています。 確かに、主人公を際立たせる効果が抜群の状態なのですが、ジャニヲタ以外の視聴者が少々うんざりするポイントでもあるかと。1時間ずーーーっと亀梨を見続けないといけない苦痛というか、なんちゅーか、本中華……。そのため、亀梨が唯一登場しない晴子家の夕食シーンが、ホッとさせてくれます。すごく短いけど。 なお、今クールは、桐谷美玲主演『人は見た目が100パーセント』(フジテレビ系)の3番手にブルゾンちえみが、藤原竜也主演『リバース』(TBS系)にバッファロー吾郎Aが出演しています。 そんな芸人満載の“頭空っぽ系ドラマ”の『ボク、運命の人です。』ですが、次回は再び2ケタに戻れるといいですね。 (文=どらまっ子TAMOちゃん)亀梨和也の頭カラッポ系ドラマ『ボク、運命の人です。』、芸人だらけのキャスティングの意図とは?
KAT-TUN・亀梨和也主演のラブコメディ『ボク、運命の人です。』(日本テレビ系)の第2話。平均視聴率は2.4ポイントダウンの9.6%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と、少々寂しい結果となりました。 30年後に誠(亀梨)と晴子(木村文乃)の子どもが地球を救うことから、神様(山下智久)が2人をなんとかくっつけようとするオモシロ設定の同作。早速あらすじを振り返ってみましょう。
恋のライバルに満島真之介登場!
運命の後押しによって誠との偶然が重なり、露骨に気持ち悪がる晴子ですが、第2話では誠の恋敵となる定岡(満島真之介)が登場。定岡は、高校時代に同級生の晴子に告白し、「受験に集中したいから」とフラれたことがあるんだそうです。 晴子といえば、彼氏が付き合った途端ヒモになったり、実は既婚者だったりと、男運のない人生を歩んできたものの、なぜか男を見る目には自身満々。正直、「こんな難解な性格の女、関わりたくね~」と思っていましたが、第2話では高校時代にモテモテだったことが発覚しました。だから自己評価高いのか? 一方、神様から、“晴子を振り向かせるためには、努力してお金を手にせよ”とのアドバイスを受けた誠は、ウォーターサーバーの営業に精を出し、会社から報酬金10万円をゲット。 そんな中、新規顧客に晴子の父・大地(杉本哲太)が。2人はすぐに仲良くなりますが、それを知った晴子は、誠に対し「本当に偶然ですか?」「偶然だとしても、運命なんて言わないでください。単なる確率の話です」と敵意剥き出し。ストーカー疑惑をかけられた誠は「運命が僕らを後押ししてる」と説明しますが、晴子は「うぬぼれるのはやめてください!」と高飛車発言で一蹴します。 食い下がる誠は、2人が初めて会った5歳のとき、晴子が虹を指さし「あそこを最初にくぐった人と結婚するんだ」と言っていたこと、さらにそれ以来、虹を見るたびに全力疾走していたことを伝え、「いまだにちょっと信じてます」とメルヘン発言。これに晴子は、「1人で楽しんでればいいじゃないですか」と冷たくあしらいます。田辺誠一のブラック上司ぶりが酷い!
10万円を手にした誠は、晴子に誕生日プレゼントを買おうとしますが、上司の烏田(田辺)に押し切られ、みんなに焼き肉をおごるはめに。なんたるブラック企業! 焼き肉後、誠がお釣りの小銭を握り帰宅する道すがら、雨宿りする晴子とばったり。コンビニに走り、その小銭で傘を購入。晴子に傘を渡した瞬間、近くで「ハッピバースデイトゥーユ~はるお~♪」と歌う男たちの集団が。さらに、誠が傘を買ったコンビニの店名が「Rainbow」であることに気づいた晴子は、思わず噴き出し、笑顔を見せます。まさしく山下主演『プロポーズ大作戦』(フジテレビ系)っぽい展開(脚本家同じ)! あくる日、晴子の勤務先のビルの前で待ち伏せし、飲みに誘う定岡。神様いわく、ノーマルな状況でも誠の3倍モテる定岡に、この春、人生最大のモテ期が訪れているのだそうです。 てな感じで、第2話は終了しました。芸人だらけのキャスティング
内容はどーってことはありませんが、週末にボンヤリとテレビを眺めるには都合のいいドラマじゃないでしょうか。回を追うごとに誠を応援したくなりますし、今回、部屋の飾りつけをしながら誠の帰りを待っていた山P神様も愛らしいですし。 中には、未来の地球で2人の子どもが地球を救っているのに、なぜ過去を変える必要があるのか? という疑問のドツボにはまっている視聴者も少なくないようですが、そこは考えるだけ野暮というものでしょう。 同作のためにロングヘアから“ゆるふわボブ”にイメチェンした木村ですが、ネット上では「かわいい」「ヅラみたい」「なんか不自然」「髪質に合ってない」などと賛否両輪が巻き起こっているようです。 どちらにせよ、作品によって髪型をコロコロと変える木村さんの姿勢は好感が持てます。それに引き換え、亀梨の万年にわたる“亀梨感”たるや。演技では冴えない営業マンの感じがよく出ているだけに、それを殺してしまっているように見えて残念。キムタクを見習ってほしいです。肌黒すぎるけど。 また、ここ2~3年で“芸人枠”が急増したと言われるドラマ業界ですが、同作には主人公の近くに同期役のハライチ・澤部佑、同僚役のオテンキ・のり、主人公を慕う女社長役の阿佐ヶ谷姉妹・渡辺江里子と3人もの芸人をがっちり配置。さらに、田辺以外はブサメン系の男性俳優を取り揃え、亀梨がくっきり引き立つキャスティングになっています。 確かに、主人公を際立たせる効果が抜群の状態なのですが、ジャニヲタ以外の視聴者が少々うんざりするポイントでもあるかと。1時間ずーーーっと亀梨を見続けないといけない苦痛というか、なんちゅーか、本中華……。そのため、亀梨が唯一登場しない晴子家の夕食シーンが、ホッとさせてくれます。すごく短いけど。 なお、今クールは、桐谷美玲主演『人は見た目が100パーセント』(フジテレビ系)の3番手にブルゾンちえみが、藤原竜也主演『リバース』(TBS系)にバッファロー吾郎Aが出演しています。 そんな芸人満載の“頭空っぽ系ドラマ”の『ボク、運命の人です。』ですが、次回は再び2ケタに戻れるといいですね。 (文=どらまっ子TAMOちゃん)11.2%スタート『フランケンシュタインの恋』圧倒的な「かわいさ」の綾野剛が“和製ジョニー・デップ”に見えてくる
とかく怪物は美少女と出会うべきだし、その美少女は病弱であるべきだし、怪物は心優しくて純粋なのに、その意に反して人間を傷つけてしまう存在であるべきだと思うんです。それはもう、こうした物語を描く上での定石、しきたり、ルールといえるものでしょう。 怪物は美少女に、「僕が怖くないのか?」と聞かなければいけないし、美少女は「怖くないわ、だって……」と答えなければいけない。この「だって……」の後に続く理由づけさえ決まっていれば、おのずとドラマは走り出すことになります。 地味ながら真面目な作品作りで一定の評価を得てきた日本テレビ系「日曜ドラマ」枠、今期の『フランケンシュタインの恋』は、そうした定石を一歩一歩、丁寧に踏みながらスタートしました。第1話の視聴率は11.2%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と、まずは及第点といえるでしょう。 120年前に、医学博士である父・深志研太郎によって生み出されたという人造人間を演じるのは、現在の日本映画・ドラマ界では山田孝之と並んで“当代一のカメレオン俳優”と評される綾野剛。背も高いし、脱いだらバッキバキの身体でしたし、ドンズバなキャスティングだと思います。 病弱な美少女・津軽継実(つがるつぐみ)には、二階堂ふみ。キノコをこよなく愛する女子大生で、薬が切れると頭が痛くなって死にそうになっちゃう病気の持ち主です。 継実の先輩男子・稲庭聖哉には柳楽優弥が配され、二階堂ふみと熱愛が報じられたこともある新井浩文をはじめ、光石研、柄本明、そして、もはや「元AKB」の肩書ナシでもバンバン仕事が取れるようになった川栄李奈といった実力派俳優たちが脇を固めます。脚本に向田邦子賞をはじめ数々の受賞歴を誇る大森寿美男を迎えたことも含めて、日テレドラマ班、実に手堅い仕事です。とりあえず第1話を終えて、ダメなドラマになる要素は見当たりませんでした。 30分延長版となった第1話は、2つのパートに分かれています。まずは、怪物が美少女と出会い、その美少女に連れられて山を降りるまで。 怪物には、悲しい過去がありました。120年前、ひとりの少女に触れたことで、その少女を殺してしまったのです。怪物の手が白く光ると、なんらかの白い菌がまきちらされ、それを浴びた人間は激しいアレルギー症状に陥ってしまうようです。 そして120年後、その少女とそっくりな女の子が山に現れたのでした。 継実が怪物の棲む山に入ったきっかけは、なかなかハードでした。研究熱心で人見知りしない性格の継実は、平気で男だらけの飲み会に顔を出します。しかしこの日の飲み会の相手だった3人組の男たちは、最初から継実の身体が目的だったようです。酔い潰され、車で山にさらわれる継実。レイプされてポイのパターンです。 しかし、継実を乗せた車の前に、突如怪物が姿を現します。車はそのまま怪物をはねてしまいます。すわ、殺しちゃったか、とうろたえる男子たち。その隙をついて道なき道を逃げ出そうとする継実でしたが、頭も痛いし、逃げ切ることができません。さっきまでうろたえていた男子たちも、継実が逃げだしたことに気付くと、事故被害者のことも忘れて追いかけてきます。 ところが、その男たちの前に事故被害者が空から降ってきました。立ちはだかる被害者=怪物。1人が木の棒で殴りかかりますが、怪物は白い菌をまきちらして男3人を倒してしまいました。 怪物は、気を失った継実を近くのバス停に放置して姿を消します。しかしその場に、とっても珍しい「アカナリカミタケ」というキノコを落としていったため、継実の興味を大いに引くことになります。 シンデレラが残したガラスの靴を探しに街へ降りてきた王子様のように、継実はアカナリカミタケの生息地を求めて再び山に入ります。すると、物陰から怪物が現れるのでした。 怪物は、継実に問いかけます。 「どうして、ここにいるんですか」 「死ななかったんですか、120年前……」 しかし怪物は、継実があのとき殺してしまった少女ではないことに気付くと、「僕は、人間じゃないんです。ここであったことは、忘れてください」と言い残して、その場を去っていきます。 継実は、怪物の棲家まで付いて来ちゃいました。風車で電気を作っていると思しき、サイバーパンク風のオシャレな山小屋です。その内部は、非常に幻想的に撮られています。部屋の中央に地下に通じる螺旋階段があって、その地下室で怪物は、父によって生み出されたのでした。 「私は科学者だから、知らないことを知りたい」 「知りたいことを知らないまま死ぬのは嫌です」 脳に大きな病気を抱える継実のまっすぐな眼差しが、怪物の心を溶かしていきます。というか、二階堂ふみがいちいちかわいいので、さしもの怪物も気を許してしまうのでしょう。ホントに、いちいちかわいいんです。なんてかわいいんでしょう。 怪物は父の死後(地下室で白骨死体になってた)、拾ってきたラジオで人間界のことを学んできたといいます。お気に入りは、午後3時から始まる、ラジオレポーター天草純平(新井浩文)の説教くさいお悩み相談番組。一緒にテーマソングを歌えるくらい好きなようです。一緒にテーマソングを歌う怪物・綾野剛がまた、いちいちかわいい。その後、怪物は継実と一緒に山を降りることになりますが、初めて自転車に乗ってヨロヨロする怪物、両脚を広げて一気に坂を駆け下りる怪物、アーケード商店街で見るものすべてにキラキラ感を覚える怪物が、いちいちかわいい。悲劇的な設定を与えられた綾野剛と二階堂ふみが、いちいちかわいい。そういうドラマです。綾野剛が『シザーハンズ』のジョニー・デップに見えてきます。 後半は、街に降りた怪物が生活の場を得るまで。怪物は、継実の先輩・聖哉の実家である「稲庭工務店」に身を寄せることになります。継実は、怪物に父親の深志研太郎から取った「深志研」という名前を与えます。稲庭工務店の棟梁で聖哉の父親でもある恵治郎によれば、「ケン」という名前の最高峰は高倉健の「健さん」であり、研究の「研さん」は「ケンさんの中でも、いちばん位の低いケンさん」なのだとか。いわずもがな、棟梁を演じているのは光石研です。このあたりから、ドラマは一気にコメディタッチに振れていきます。 工務店で働き始めてからも、怪物のお気に入りは、3時のラジオ。今日も天草は独特の説教くささを発揮しながら「自分が誰だかわからない、仕事をしていてもデートをしていても、自分じゃないような気がする」という相談者に「わからないと思うことが大事なんだと思う。自分の考え方次第で変えられる。自分を面白がればいいと思う」と説きます。DJ仲間にも不評な天草コーナーですが、怪物にはなぜかストレートに届くようです。怪物は継実に、名前を付けてくれたことに感謝しながら「名前以外の自分もわかることができるでしょうか」「変えてゆけるでしょうか」と問いかけます。「いけますよ」と継実。ホントにかわいい。怪物は深志研という人間として、生きていくことにしたようです。 しかしその後、聖哉が継実をバックハグしているのを見てしまうと、両手にモワモワと白い胞子が……。たまたま居合わせた継実の姉・晴果(田島ゆみか)をその手で触ってしまい、晴果がぶっ倒れたところで、次回へ。 先に『シザーハンズ』を例に出しましたが、『フランケンシュタインの恋』というドラマの設定や展開そのものに、目新しさはまったくありません。ただし、綾野剛と二階堂ふみの圧倒的な存在感、圧倒的なかわいさが全編を支配しているので、見ていてとっても楽しいです。シナリオも細かく見ればいろいろ文句もつきそうですが、ここまでかわいい2人を前にすると、あえてツッコミを入れる気にもなりません。 今期は全体的に出来のいい作品が多いクールになっていますが、また毎週楽しみになる作品がスタートしたことを、素直に喜んでおきたいと思いますし、綾野剛にとっては“当たり役”になると思います。まあ、綾野剛に関していえば『日本で一番悪い奴ら』も『怒り』も『新宿スワン』も『コウノドリ』も“当たり役”だと思ったので、単に私が好きな役者さんだというだけなんですけれども。 (文=どらまっ子AKIちゃん)日本テレビ系『フランケンシュタインの恋』番組サイトより
『SRサイタマノラッパー~マイクの細道~』第3話 ノスタルジーとの決別、新将軍としての旅立ち!
本州最北端の町・青森県大間で再会を果たしたIKKU(駒木根隆介)、TOM(水澤紳吾)、そしてMIGHTY(奥野瑛太)の3人は、伝説のラップグループ「SHO-GUNG」を再結成することに。第3話となる今回は、大間を後にして3人が“生ぬるい青春”リセットの旅へといよいよ出発。“将軍”だけに黄門さま、助さん、格さんのようなラップでの世直し旅になるのか。まぁ、3人ともうっかり八兵衛みたいな三枚目キャラだから絶対そうはならないだろうけど。 オープニングはIKKUとTOMがお世話になったスナックのひとり娘・トーコ(山本舞香)とトーコにしつこく言いよってきたメガネ中年・マキノ(杉村蝉之介)とのベッドシーン。「ふつつかものですが、末永くよろしくお願いします」とパジャマ姿で三つ指を付くトーコ。「初夜だな」と鼻の下を伸ばすマキノ。薄暗い和室に並べて敷かれた布団が妙にエロい。 地元資産家の凄技を見せてやろうと言わんばかりにマキノがアタッシュケースを開くと、中からは極太バイブにローション、さらには手錠……と大人のための快楽グッズがぞくぞく。ドラえもんならぬエロえもんである。トーコの白く細い手首に手錠を掛けながら「やっと、わいの嫁さんだな」とむっつりほくそえむマキノ。 「いや~ッ!!」と目が醒めるトーコ。フロイトだったらどんな心理分析するのか、ちょっと気になる生々しいトーコの性夢だが、前回のTOMが見た美人嫁トリーシャ(コトウロレナ)に棄てられる夢に続いての夢はじまり。渥美清主演のロードムービー『男はつらいよ』シリーズも、初期~中期は寅さんが旅先で見る夢はじまりが多かったことを思い出させる。デコトラに乗って、東北道を縦断していくこれからの展開は、菅原文太主演のロードムービー『トラック野郎』シリーズも彷彿させるし。今回の『マイクの細道』は実は『SRサイタマノラッパー』劇場版三部作の成功でメジャーシーンというネクストステージに立った入江悠監督自身が、日本映画史に残る過去の人気シリーズを再発見していく旅なのかもしれない。 前回、夜の大間崎で「SHO-GUNG」を再結成することに同意したMIGHTY。漁港にある倉庫で、IKKU、TOMと酒を飲み交わしている。再結成で盛り上がり、そのまま朝まで飲み明かしたらしい。東京でも栃木でも自分の居場所を見つけることができなかったMIGHTYは、「こうやって、SHO-GUNGとしてまた集まれて……。なんか、ありがとー」と素直に喜ぶ。埼玉のブロッコリー畑で育ったMIGHTYは刑務所暮らしを経験したものの、心の根っこの部分はひどく純真だったりする。でも、純真がゆえに不条理な状況に遭遇すると暴力沙汰を巻き起こしてしまう。そのことを理解してくれる旧友たちとの再会が、MIGHTYは本当にうれしそうだ。 男の友情は永遠であることを確かめ合う3人。まるで横山光輝の大河コミック『三国志』の「桃園の誓い」のような名シーンである。だが、そんな名シーンにミソを付けてしまう男がIKKU。体型の割に虚弱体質なIKKUは酔っぱらって、倉庫脇に駐車してあったトラックに思わずゲロをぶちまける。大間に来てからマグロ料理ばかり食べていたから、さぞマグロ臭いゲロだろう。マグロのブツ切りトロロがしばらく食べられそうもない。 劇映画における嘔吐シーンは非常に重要だ。ロードムービーの名作『スタンド・バイ・ミー』(86)に実話もの『アポロ13』(95)でもゲロシーンが強烈な印象を残している。IKKUが吐いたゲロも、『マイクの細道』を大きく動かすきっかけとなる。IKKUがゲロを浴びせたトラックは、案の定、IKKUと相性が最悪のデブドライバー・カブラギ(猿川皆時)のデコトラだった。 あわててTOMがバケツで水を掛け、MIGHTYが雑巾で拭き取ろうとするが、なぜかペイントがはげ落ちてしまう。水性絵の具で描いたデコトラなのか? お風呂で流れ落ちる刺青みたいなものか? それはともかく、情けない状態になったデコトラを見て、カブラギは大激怒。「このペイントは男の勲章だ。トラック野郎の命だ」と怒り狂うカブラギは、IKKUたちを港に正座させて本名を名乗らせる。IKKU=加賀谷郁美、TOM=本間友弥、MIGHTY=松本樹。本名が明かされると、魔法が解けたカボチャの馬車のように、3人はますますヘタレに見えてくる。 カブラギから「ペイントの修理代、120万円」を請求されたIKKUたちはお金を持たないため、トラックの荷物の搬入を手伝わされるはめに。再結成した「SHO-GUNG」としての初コラボがトラックの荷物運びとはトホホすぎる。当然1回の搬入だけでは120万円に足りるはずもなく、カブラギのトラックに乗って岩手県での荷物おろしも手伝うことになる。全然かっこよくないけど、IKKUたちにはぴったりの旅立ちの仕方だろう。 午後3時に港を出発することになった一行。大間で世話になった人にあいさつしてくると町へ戻るMIGHTY。7年間離れていた間にMIGHTYとの間に少し溝があることを感じていたIKKUだが、付き合いの長いTOMとはリラックスして即興ラップでやりとりができる。 TOM「SHO-GUNGには新しい曲が必要、おニューなトラックでライブかましたいな♪」 IKKU「イェイェ~、チャンスとマイクは自分の手でつかむ。でもトラックだけはDJに頼む~♪」 大間郵便局前を歩きながら明らかになるのは、新生「SHO-GUNG」の問題点。3人には劇場版『SRサイタマノラッパー』(09)で披露した「教育 金融 ブランニュー」という名曲があるが、クラブチッタでライブをやるには1曲だけでは間が持たない。できれば、その後の「SHO-GUNG」の歴史を感じさせる新しい曲がほしい。とはいっても、お世話になったTKDこと伝説のタケダ先輩は7年前に亡くなってしまった。新しい曲は誰に頼むか? TOMが創るのか? せっかく下北半島まで来ているんだから、恐山でイタコにタケダ先輩を呼び出してもらえばいいのに。天国からのライムは一体どんな味だろうか? そうこうしているうちに、午後3時となりカブラギ号が出発することに。MIGHTYは『SR1』の頃に着ていた懐かしいジャケットに着替えての旅立ちだ。まぁ、マグロのロゴが入った上着のままだとロックフィッシュバンド「漁港」の二番煎じになってしまうしな。だが、ここで気になるのは『SRサイタマノラッパー ロードサイドの逃亡者』(12)でMIGHTYと同棲していた彼女・一美(斉藤めぐみ)の存在。東京で問題を起こしたMIGHTYと一緒に栃木へと流れ、刑務所を訪ねたこともある一美だが、大間にはいないらしい。福島の実家で、MIGHTYが迎えに来るのを今もずっと待っているのか。高倉健さん主演作『幸せの黄色いハンカチ』(77)みたいな展開が待っているのか。福島編が今からすごく気になる。 MIGHTYだけトラックの助手席に座り、IKKUとTOMは荷台へと閉じ込められるはめに。ふて腐れるIKKUだが、この最弱ダメダメコンビの唯一の長所はドン底にいる自分らの状況をラップよって相対化させることができるという点だ。社会から抑圧された黒人文化からジャズ、ソウル、ヒップホップが生まれ、日本の労働歌として民謡が育まれていったように、トラックの荷台で揺られるIKKUの口から自然と歌詞がこぼれ落ちていく。 IKKU「どこにあるんだ、俺たちのフリーダム。MIGHTYの野郎、助手席でズリぃーなぁ。寒いの上等、狭いの上等。SHO-GUNGの旅は三人旅~、ラップの道は曲がり道~♪」 ラップの即興性とみちのく旅情を感じさせる浪曲・演歌調の節回しをリミックスさせたメロディを口ずさむIKKU。何となくだが、新生「SHO-GUNG」の目指す方向性がぼんやりと見えてくる。そしてトラックの荷台には、メガネ中年・マキノとの結婚を嫌うトーコが密航者として潜んでいた。荷物の隙間から、つぶらな瞳をきょろつかせるトーコ。フランク・ヘネンロッター監督のカルト映画『バスケットケース』(82)のベリアル兄ちゃんみたいで超キュートだ。 クラブチッタでのライブ開催まで、2週間足らず。それまでに新生「SHO-GUNG」の新曲はできるのか。TOMの嫁トリーシャは埼玉でTOMの帰りをちゃんと待っているのか。MIGHTYの元カノ・一美の再登場はあるのか。そして、かねてより童貞の疑いが噂されているIKKUは晴れて童貞ラッパーから卒業することができるのか(ちなみに『男はつらいよ』の寅さんも素人童貞らしい)。それぞれの課題を抱え、甦った「SHO-GUNG」は遥か川崎クラブチッタを目指す。SFアニメ『宇宙戦艦ヤマト』のエンディングみたいでちょっとかっこいい。SHO-GUNGよ急げ、自分たちと埼玉の未来を懸けて。運命のライブまで残り13日! (文=長野辰次)テレビ東京系『SRサイタマノラッパー~マイクの細道~』番組サイトより
『SRサイタマノラッパー~マイクの細道~』第3話 ノスタルジーとの決別、新将軍としての旅立ち!
本州最北端の町・青森県大間で再会を果たしたIKKU(駒木根隆介)、TOM(水澤紳吾)、そしてMIGHTY(奥野瑛太)の3人は、伝説のラップグループ「SHO-GUNG」を再結成することに。第3話となる今回は、大間を後にして3人が“生ぬるい青春”リセットの旅へといよいよ出発。“将軍”だけに黄門さま、助さん、格さんのようなラップでの世直し旅になるのか。まぁ、3人ともうっかり八兵衛みたいな三枚目キャラだから絶対そうはならないだろうけど。 オープニングはIKKUとTOMがお世話になったスナックのひとり娘・トーコ(山本舞香)とトーコにしつこく言いよってきたメガネ中年・マキノ(杉村蝉之介)とのベッドシーン。「ふつつかものですが、末永くよろしくお願いします」とパジャマ姿で三つ指を付くトーコ。「初夜だな」と鼻の下を伸ばすマキノ。薄暗い和室に並べて敷かれた布団が妙にエロい。 地元資産家の凄技を見せてやろうと言わんばかりにマキノがアタッシュケースを開くと、中からは極太バイブにローション、さらには手錠……と大人のための快楽グッズがぞくぞく。ドラえもんならぬエロえもんである。トーコの白く細い手首に手錠を掛けながら「やっと、わいの嫁さんだな」とむっつりほくそえむマキノ。 「いや~ッ!!」と目が醒めるトーコ。フロイトだったらどんな心理分析するのか、ちょっと気になる生々しいトーコの性夢だが、前回のTOMが見た美人嫁トリーシャ(コトウロレナ)に棄てられる夢に続いての夢はじまり。渥美清主演のロードムービー『男はつらいよ』シリーズも、初期~中期は寅さんが旅先で見る夢はじまりが多かったことを思い出させる。デコトラに乗って、東北道を縦断していくこれからの展開は、菅原文太主演のロードムービー『トラック野郎』シリーズも彷彿させるし。今回の『マイクの細道』は実は『SRサイタマノラッパー』劇場版三部作の成功でメジャーシーンというネクストステージに立った入江悠監督自身が、日本映画史に残る過去の人気シリーズを再発見していく旅なのかもしれない。 前回、夜の大間崎で「SHO-GUNG」を再結成することに同意したMIGHTY。漁港にある倉庫で、IKKU、TOMと酒を飲み交わしている。再結成で盛り上がり、そのまま朝まで飲み明かしたらしい。東京でも栃木でも自分の居場所を見つけることができなかったMIGHTYは、「こうやって、SHO-GUNGとしてまた集まれて……。なんか、ありがとー」と素直に喜ぶ。埼玉のブロッコリー畑で育ったMIGHTYは刑務所暮らしを経験したものの、心の根っこの部分はひどく純真だったりする。でも、純真がゆえに不条理な状況に遭遇すると暴力沙汰を巻き起こしてしまう。そのことを理解してくれる旧友たちとの再会が、MIGHTYは本当にうれしそうだ。 男の友情は永遠であることを確かめ合う3人。まるで横山光輝の大河コミック『三国志』の「桃園の誓い」のような名シーンである。だが、そんな名シーンにミソを付けてしまう男がIKKU。体型の割に虚弱体質なIKKUは酔っぱらって、倉庫脇に駐車してあったトラックに思わずゲロをぶちまける。大間に来てからマグロ料理ばかり食べていたから、さぞマグロ臭いゲロだろう。マグロのブツ切りトロロがしばらく食べられそうもない。 劇映画における嘔吐シーンは非常に重要だ。ロードムービーの名作『スタンド・バイ・ミー』(86)に実話もの『アポロ13』(95)でもゲロシーンが強烈な印象を残している。IKKUが吐いたゲロも、『マイクの細道』を大きく動かすきっかけとなる。IKKUがゲロを浴びせたトラックは、案の定、IKKUと相性が最悪のデブドライバー・カブラギ(猿川皆時)のデコトラだった。 あわててTOMがバケツで水を掛け、MIGHTYが雑巾で拭き取ろうとするが、なぜかペイントがはげ落ちてしまう。水性絵の具で描いたデコトラなのか? お風呂で流れ落ちる刺青みたいなものか? それはともかく、情けない状態になったデコトラを見て、カブラギは大激怒。「このペイントは男の勲章だ。トラック野郎の命だ」と怒り狂うカブラギは、IKKUたちを港に正座させて本命を名乗らせる。IKKU=加賀谷郁美、TOM=本間友弥、MIGHTY=松本樹。本名が明かされると、魔法が解けたカボチャの馬車のように、3人はますますヘタレに見えてくる。 カブラギから「ペイントの修理代、120万円」を請求されたIKKUたちはお金を持たないため、トラックの荷物の搬入を手伝わされるはめに。再結成した「SHO-GUNG」としての初コラボがトラックの荷物運びとはトホホすぎる。当然1回の搬入だけでは120万円に足りるはずもなく、カブラギのトラックに乗って岩手県での荷物おろしも手伝うことになる。全然かっこよくないけど、IKKUたちにはぴったりの旅立ちの仕方だろう。 午後3時に港を出発することになった一行。大間で世話になった人にあいさつしてくると町へ戻るMIGHTY。7年間離れていた間にMIGHTYとの間に少し溝があることを感じていたIKKUだが、付き合いの長いTOMとはリラックスして即興ラップでやりとりができる。 TOM「SHO-GUNGには新しい曲が必要、おニューなトラックでライブかましたいな♪」 IKKU「イェイェ~、チャンスとマイクは自分の手でつかむ。でもトラックだけはDJに頼む~♪」 大間郵便局前を歩きながら明らかになるのは、新生「SHO-GUNG」の問題点。3人には劇場版『SRサイタマノラッパー』(09)で披露した「教育 金融 ブランニュー」という名曲があるが、クラブチッタでライブをやるには1曲だけでは間が持たない。できれば、その後の「SHO-GUNG」の歴史を感じさせる新しい曲がほしい。とはいっても、お世話になったTKDこと伝説のタケダ先輩は7年前に亡くなってしまった。新しい曲は誰に頼むか? TOMが創るのか? せっかく下北半島まで来ているんだから、恐山でイタコにタケダ先輩を呼び出してもらえばいいのに。天国からのライムは一体どんな味だろうか? そうこうしているうちに、午後3時となりカブラギ号が出発することに。MIGHTYは『SR1』の頃に着ていた懐かしいジャケットに着替えての旅立ちだ。まぁ、マグロのロゴが入った上着のままだとロックフィッシュバンド「漁港」の二番煎じになってしまうしな。だが、ここで気になるのは『SRサイタマノラッパー ロードサイドの逃亡者』(12)でMIGHTYと同棲していた彼女・一美(斉藤めぐみ)の存在。東京で問題を起こしたMIGHTYと一緒に栃木へと流れ、刑務所を訪ねたこともある一美だが、大間にはいないらしい。福島の実家で、MIGHTYが迎えに来るのを今もずっと待っているのか。高倉健さん主演作『幸せの黄色いハンカチ』(77)みたいな展開が待っているのか。福島編が今からすごく気になる。 MIGHTYだけトラックの助手席に座り、IKKUとTOMは荷台へと閉じ込められるはめに。ふて腐れるIKKUだが、この最弱ダメダメコンビの唯一の長所はドン底にいる自分らの状況をラップよって相対化させることができるという点だ。社会から抑圧された黒人文化からジャズ、ソウル、ヒップホップが生まれ、日本の労働歌として民謡が育まれていったように、トラックの荷台で揺られるIKKUの口から自然と歌詞がこぼれ落ちていく。 IKKU「どこにあるんだ、俺たちのフリーダム。MIGHTYの野郎、助手席でズリぃーなぁ。寒いの上等、狭いの上等。SHO-GUNGの旅は三人旅~、ラップの道は曲がり道~♪」 ラップの即興性とみちのく旅情を感じさせる浪曲・演歌調の節回しをリミックスさせたメロディを口ずさむIKKU。何となくだが、新生「SHO-GUNG」の目指す方向性がぼんやりと見えてくる。そしてトラックの荷台には、メガネ中年・マキノとの結婚を嫌うトーコが密航者として潜んでいた。荷物の隙間から、つぶらな瞳をきょろつかせるトーコ。フランク・ヘネンロッター監督のカルト映画『バスケットケース』(82)のベリアル兄ちゃんみたいで超キュートだ。 クラブチッタでのライブ開催まで、2週間足らず。それまでに新生「SHO-GUNG」の新曲はできるのか。TOMの嫁トリーシャは埼玉でTOMの帰りをちゃんと待っているのか。MIGHTYの元カノ・一美の再登場はあるのか。そして、かねてより童貞の疑いが噂されているIKKUは晴れて童貞ラッパーから卒業することができるのか(ちなみに『男はつらいよ』の寅さんも素人童貞らしい)。それぞれの課題を抱え、甦った「SHO-GUNG」は遥か川崎クラブチッタを目指す。SFアニメ『宇宙戦艦ヤマト』のエンディングみたいでちょっとかっこいい。SHO-GUNGよ急げ、自分たちと埼玉の未来を懸けて。運命のライブまで残り13日! (文=長野辰次)テレビ東京系『SRサイタマノラッパー~マイクの細道~』番組サイトより
主役・長谷川博己を差し置いて、香川照之の顔芸祭り開催!『小さな巨人』第1話レビュー
2013年に放送され、全話平均視聴率28.7%(関東地区、ビデオリサーチ調べ/以下同)という大ヒットを記録したTBS系連続ドラマ『半沢直樹』。それと同じ『日曜劇場』枠、キャスト・スタッフの顔ぶれが似通っていることから“警察版・半沢直樹”と称されるなど、新ドラマ『小さな巨人』には放送前から注目が集まっていました。 その第1話が16日に放送されたのですが、初回平均視聴率は13.7%と、『半沢直樹』の初回平均視聴率19.4%に遠く及ばなかったどころか、前クールに放送された木村拓哉主演の『A LIFE~愛しき人~』の初回平均視聴率14.2%にも届きませんでした。 ドラマは、警視庁捜査一課強行班1係長の香坂真一郎(長谷川博己)が街中をスーツ姿で疾駆するシーンから始まります。その映像に「われわれ警察官は国民の安全を守る。しかし、その警察官を守る法律は存在しない。警察組織において自分を守るものは自分しかいない」というナレーションがかぶせられ、オープニングシーンが終了。 画面暗転して、「3週間前」というテロップの後、香坂の顔のドアップが映し出されます。『半沢直樹』を彷彿とさせるショット。カメラを睨みつけるようにして今回のドラマのキャッチフレーズ「敵は味方のフリをする」という台詞を吐き、次第にカメラが引いていくと、その視線の先には現捜査一課長・小野田義信(香川照之)の姿があります。捜査進捗を報告しているシーンなのですが、ここでの会話で、理論派の香坂と直感派の小野田の相対関係がうっすらと提示されます。 ノンキャリアの中では異例のスピード出世を果たしている香坂ですが、その陰には前捜査一課長で現・芝警察署署長の三笠洋平(春風亭昇太)の協力があるんですね。小野田に報告していた事件を無事に解決した後、香坂は三笠と料亭で祝勝会を開くのですが、そのウワサを聞きつけた小野田が登場。香坂と同じく理論派の三笠と、捜査一課長としては異色ともいえる高卒、現場からの叩き上げという小野田は水と油の関係で、香坂はその2人の板挟み状態。小野田は香坂と三笠に日本酒をお酌して去って行きます。 会食を終えて1人になった香坂は、中小企業の社長・中田隆一(加藤晴彦)を飲酒運転の疑いで取り調べすることになるのですが、このときに隆一の車を傷つけてしまいます。このことが、翌朝ネットニュースで「宴会帰りの刑事、行き過ぎた捜査で車を破損」と報じられてしまい、監査にかけられることに。そして昨夜、香坂が日本酒を口にしていたという証言を小野田がしたことが決め手となり、香坂は芝警察署に左遷させられることになってしまうのですが、出世コースまっしぐらのエリートがそんなことで左遷になってしまうのでしょうか。なんだか強引な展開に疑問が湧いてしまいます。 とにもかくにも、所轄勤務になった香坂。異動して早々、日本有数のIT企業ゴーンバンク社の社長・中田和正(桂文枝)が誘拐され、身代金5億円を要求されるという事件が起こります。なんとか手柄を立てて出世コースに戻りたい香坂は事件解決に乗り出そうとするのですが、小野田の右腕である捜査一課長付運転担当の山田春彦(岡田将生)に「所轄は後方支援。現場は本庁に任せてください」と釘を刺され、待機を命じられてしまいます。 しかし、所轄管内で起こった事件を見過ごすわけにはいかないと、香坂は芝警察署所属の刑事・渡部久志(安田顕)らの協力を得て、捜査一課とは別行動で独自の捜査を開始します。そして捜査線上に浮かび上がった犯人は、監視カメラの画像システムの新規開発データをゴーンバンク社に奪われ、死に追いやられた風見京子(富永沙織)の父親・康夫(長江英和)でした。康夫は身代金が目的ではなく、娘の死の真相を知るために中田和正を誘拐した、というわけです。 その情報を、香坂の見張り役として同行していた山田が小野田に伝えたために、所轄の手柄は捜査一課に横取りされる形になってしまいます。しかも小野田はゴーンバンク社の不正を隠すために、単なる身代金を目的とした誘拐事件として決着させようとします。それをとがめる香坂に対して小野田は、翌日に行われる管理職昇任試験を受けるように促し、「解答用紙に名前だけ書け。それだけで合格だ」と口約束します。つまり、捜査一課に戻してやるから隠蔽には目をつぶれ、という悪魔のささやきなんですね。 これ、香坂が試験を受けている内に風見康夫を強制逮捕してしまおうという計略で、小野田には自分のポジションを脅かす香坂を本庁に戻す気などありません。しかし、小野田からの提案を真に受けた香坂は、出世を取るか正義を取るかで真剣に悩みます。 翌朝、香坂は、市川実日子が演じる妻の美沙(映画『シンゴジラ』を参考にキャスティングしたのでしょうか?)に相談したり、試験会場に向かう最中には、前日に渡部から吐き捨てられた、「敵が味方のフリをする。やっぱりあんたは向こう(本庁)の人間だったんだ」という言葉を思い出して心苦しくなります。しかしその一方で、所轄の刑事だった父・敦史(木場勝己)が果たせなかった、捜査一課長になるという夢を追いたいという気持ちも捨て難く、板挟みになってしまいます。何しろ今回の試験をパスすれば、香坂は警視に昇進し、その上は警視正、つまり捜査一課長のポジションが待っているのですから。 気持ちが揺れ動く中、香坂は渡部からの電話で捜査一課が風見康夫の潜伏先に強行突入しようとしていることを伝えられ、小野田に騙されたことを知ります。慌てて捜査本部へと駆けつけ、強制逮捕ではなく犯人の自首を促すように談判するのですが、小野田は取り合わず。結局、ゴーンバンク社の不正は隠蔽されることになってしまいました。 捜査を終えて意気揚々と引き上げる小野田に向かって香坂が、「私は所轄刑事として、捜査一課のあなたと戦ってみせる」と宣戦布告したところで第1話は終了となるのですが、このラストシーンも含め全編を通して、「歌舞伎の大見得か!」とツッコミたくなるほど、香川照之の濃い目の顔芸が炸裂しまくっています。 その一方で、長谷川博己の演技は薄味。『半沢直樹』では、主演の堺雅人が「やられたらやり返す、倍返しだ!」という決め台詞で不正を犯す銀行の上司たちをバッタバッタと切りつける姿が世のサラリーマンたちのカタルシスとなり大ヒットとなったのですが、長谷川には堺のような迫力が感じられません。 またベストセラー作家・池井戸潤の原作という骨子が失われたオリジナル脚本による“半沢もどき”には、ストーリー展開に粗が目立ち過ぎて、この先グダグダになってしまうのではないかという不安は拭えません。次回予告のテロップには、「所轄VS捜査一課 さらに戦いがエスカレート」と出ていたのですが、大ヒットシリーズ『踊る大捜査線』(フジテレビ系)で手垢が付いた流れになっていくのではないかという懸念もあります。 また、安田顕が演じる刑事役は、14年に放送されたドラマ『隠蔽捜査』(TBS系)で安田自身が演じた刑事役と「カブる」という指摘もあるようですね。好評だったドラマをごった煮にして、うまく調理しきれていないといったところでしょうか。 とはいえ、まだドラマはスタートしたばかり。小野田を捜査一課長に引き上げたのは香坂の父・敦史なのですが、その敦史を小野田が裏切ったというような含みがチラホラと出ていただけに、今後この辺りがどう展開していくのか気になるところではあります。 (文=大羽鴨乃)TBS系『小さな巨人』番組サイトより





