さて、今回も朝まで空腹に耐える準備をしながらチャンネルを合わせる『孤独のグルメ Season6』(テレビ東京系)。もう、飯テロの絨毯爆撃に朝まで耐えるのは止めました。最初から、番組を観ると腹が減るという前提で準備をしておくことにします。 とりわけ、深夜にもかかわらず油ギトギトの料理はオススメ。皆さんも、豚バラ肉なんかをフライパンで焼く準備とか、しておきましょう……。 さて、今回、ゴローちゃんこと井之頭五郎(松重豊)がやってきたのは、東京都は東大和市。東京都の水源地として重要な多摩湖を有する街。戦前は、日立航空機の工場があり、戦争遺跡もあることで、その手のファンには知られた街ではありますが、都民でも用がなければ立ち寄ることはない街でしょう。 そんな街の駅に降り立ったゴローちゃん。花束を手に向かったは、手塚理美の営むカーテン店さん。手塚が足を骨折したので、お見舞いでの訪問だそう。 「仕事で国分寺まで来たから電話したら~」 というゴローちゃんですが、国分寺から東大和に行こうとしたら、西武国分寺線か多摩湖線か、どちらにしても、ちょい面倒くさいルート。それでも、顔を出そうとするマメさが、商売の秘訣といったところでしょうか。 しかし、2人の関係。かなり気安い友人といった雰囲気。過去にどのようなことがあったのでしょうか……。 手塚に結婚しないのかと聞かれたりするゴローちゃん。出かけようとした中3になる手塚の息子の成長ぶりに驚き、手塚に「あのとき、ゴローさんに告白しておけばな」とか言われて、自分の人生をいろいろと考えてしまいます。 でも、ガラにもないことを考えれば腹が減るもの。そして、迷い込むのは住宅地。 「方向を誤ったか……店がない」 今回も住宅地へと迷い込むゴローちゃん。ええ、東大和市って街道沿い以外はガチで住宅ばかりの街なんですよね……。 もはや店を見つけるのを断念し、青梅街道を駅へと戻ろうとするゴローちゃん。 「焼肉でも食いたい気分になってるぞ……」 そんなゴローちゃんの目の前に現れたのは……。 「うそ、焼肉。食いたいという気分になった矢先に出会えるとは、おまけにいい暖簾を垂らしているじゃあないか」 さあ、今回の焼肉店は、まさにこの番組にお似合いの店構え。炭火がどーのとか、ナンタラカンタラの熟成肉とか、オシャレはキーワードとは無縁。昔ながらの、ガスで焼く街場の焼肉店なのであります。 「一人なんですけど……」 「こちらのお席にどうぞ」 案内された4人掛けのテーブルを一人で使って。さあ来るか。「溶鉱炉」か「うぉおおん」か! さて、そんな店に貼られているのは、こんな一文。 「看板娘『みゆ』がいましたらぜひ! なんでも聞いてください」 「タン塩看板娘の大好物です。命をかけるほどおいしいです」 今回、看板娘を演じるのは白石聖ですが、リアルのほうもかわいいと、ネットでは現在進行形で評判になっております。 さて、ホルモンかカルビかと悩むゴローちゃん。いきなり「イベリコ豚って手もあるか……」。 いきなりイベリコ豚とか、今回のゴローちゃんは、空腹で相当混乱している様子。 それでもメニューだけでなく、貼られたオススメの張り紙にも目を通すゴローちゃん。 「命をかけるほどおいしいです……日本語おかしいだろ」 とはいうものの、タン塩推しに乗っかってしまうゴローちゃん。さらに、別のお客の様子を見ながら選択肢は増えていきます。 「よし、第一弾いくか……」 さあ、何からいくかと思ったゴローちゃん。 「あの、カイノミってなんですか?」 これも張り紙でのオススメ品。白石演じる店員は「油がサッパリしていて……」など、丁寧に教えてくれるのです。 まずは、上タン塩とカイノミのタレ。そして、アゴ=豚のアゴをタレ。ついでにサニーレタスとサンチュセットも投入です。飲み物は当然、ウーロン茶から。 さあ、運ばれてきた肉をゴローちゃんは、どう並べていくのか。 「タン塩はタレで焼き網が汚れる前に焼くのが鉄則だ」 「少し焼きすぎかなくらいがおいしい……ホント」 「ここは、おつまみキャベツで飢えをしのごう」 なるほど、原作で神回といえる焼肉。ゴローちゃんの名ゼリフも止まりません。 「んん、ほんとだ。少し焼きすぎかなくらい、正解。肉は焼くほどに固くなるもんだと思い込んでいた」 タン塩への感動で早くも、食のリミッターは振り切れてしまったか。まだ残りのタン塩があるというのに、豚のアゴも焼き始めてしまいます。 「さて、アゴだ。おお、こういう感じ。いや、いいよ、しょっぱうまい。ちょっカリカリとして、こちらのアゴも使わせる……」 続いて野菜を巻き始めれば、もう止まりません。 青唐辛子とにんにくを乗せて……。 「おお、これは青唐にんにく、ズルイ」 キムチも一緒に巻けば……。 「おお、これもナイス。薬味がいろいろあるから自由自在だ」 「ここで、よく焼きタン塩。ウエルダンならぬウエルタン」 至福の焼肉に、ついにこんな言葉も。 「命は賭けられんが、仕事の1つや2つ、すっぽかして来てもいいほどうまいよ、みゆちゃん」 感動はしても、まだグルメは始まったばかり。カイノミを焼き網に置き、ゴローちゃんは腕まくりして、本気の食モードへ。 「くぅ~、何このフワフワ。このタレいい。つけ込み方も絶にして妙。これは早くライスも頼まなきゃ肉に対して申し訳ない」 ライスは中に抑えて、韓国のりを追加したゴローちゃん。まだ、理性は働いているということか。 「ううむ、うまい。史上最強のタッグが、オレの口の中で大暴れしている。これはカルビとかロースとは別次元のうまさだ」 誰もが知っている焼肉に白いご飯という最強の組み合わせ。この飯テロは、ほぼ地球破壊爆弾が落ちたようなものですよ、はい。 さらにカイノミも野菜巻きにして、違う食感で食らい尽くすゴローちゃん。 「ほうら、素晴らしいにんにくパンチ。タレの味に磨きをかけるがごとし!!!!」 そして、さらに広がる無限の胃袋。 「野菜も米も潤沢に残ってる。追加肉いこう……となれば、あれだ」 注文したのはザブトンのタレ。その間も、カイノミを焼き、韓国のりを手で摘まむゴローちゃん。 「ここは最果て、東大和の焼肉店か……」 なぜか黄昏れるゴローちゃん。最果てとか、東大和市民に失礼。今じゃ、モノレールもあるというのにぃ!! かくて、やってきたのは、巨大で四角いザブトン。 「おお、さすが特選カルビ。食べ応えも超高級ザブトンだ。どんどんガバガバ食べたくなる、ドンガバチョな肉だ……」 「味付け肉はタレをつけるというステップがスキップされていて楽だ。最近の飛行機の搭乗手続きみたいというか……」 さて、やはり焼肉回ということなのでしょうか。今回は、ゴローちゃんのかっこむシーンがけっこう長めな印象。 「今日のオレ、大金星だ。胃袋の国技館では、今、歓喜のザブトンが舞っている」 もはや、歓喜の名言は止まることなく、視聴者を深夜にもかかわらず焼肉店へと誘う破壊力で攻めてくるのでした。 かくて満足したゴローちゃん「今日は、よく眠れそうだぞ……」と、店を後にするのでありました。 さすが焼肉回ならではの、神がかったセリフ回しと食いっぷりで魅せてくれたゴローちゃん。何はともあれ、高そうな背広でも構わず焼肉店に入ってしまう剛胆さを、見習いたいものだと思いました。 (文=昼間たかし)テレビ東京系『孤独のグルメ Season6』番組サイトより
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橋本環奈ちゃんと結婚したくなる! 嵐・相葉雅紀主演『貴族探偵』推理マニア向け作品を映像化した意味
嵐・相葉雅紀主演の月9『貴族探偵』(フジテレビ系)は、第3話も安定の面白さでした。いやー、面白いです。見ててよかった『貴族探偵』。 実は、昨年春あたりから毎クール月9のレビューを書くようになって、今年の春は『貴族探偵』だよ、ということで、初めて麻耶雄嵩さんの作品を読んだんです。 で、白状してしまえば、原作である『貴族探偵』および『貴族探偵対女探偵』(ともに集英社文庫)という小説は、あんまり好みじゃなかった。事件の謎と解決がすごく練られていることは伝わってきたし、何度か読み直して「うへー、そういうことかい!」と思わず虚空を見上げてしまうこともありましたが、とにかく作品に無駄がないんです。事件→推理→解決、それしかない。人物の背景や物語が、極限まで削ぎ落とされている。 例えば、第3話の出典元となった『貴族探偵』収録の「トリッチ・トラッチ・ポルカ」の書き出しを以下に引用してみます。 * * * 事件の概要はこうである。 三月四日の日曜日の午前九時、東北地方の小都市・猪飼市の郊外にある廃倉庫から三十歳前後と思われる女性の死体が発見された。 * * * いきなりこれです。そしてこの後、延々と事件の概要、現在の捜査状況、容疑者のアリバイについてなどが説明されます。必要な情報しかありません。 これは明らかに「大地を震わす和太鼓の律動に、甲高く鋭い笛の音が重なり響いていた。」(『火花』又吉直樹/文藝春秋)といった書き出しの文学作品とは、一線を画す小説です。 麻耶さんは「太鼓と笛の音が確認された。」なんです。 そこからは、人物の顔や風景、匂いや痛みといったものが、まったく感じられない。登場人物全員が謎解きを構築するためだけに配置されて、結果、場面に出てくる誰のことも愛せない。文学というより、「謎解きの快感」だけに特化した、マニア向けの快楽装置といった風情です。 もちろん、そのどちらが価値があるとかないとか、そういう評価軸の話ではありません。商品の性質として、私たちのような一般人向けに開いていないということです。 そういう『貴族探偵』を1話からずっと絶賛しているのは、私が原作を読んで「足りない」と感じていたものが、ドラマではありありと画面に現れているからです。精巧な骨格標本が、血肉をまとってイキイキと疾走し始めた。その興奮にヤラれてしまっているんです。楽しくてしょうがないし、これを作ってるヤツはすげえな! と思ってしまう。魔法使いかよ、と。ドラマの面白さというより、テレビの中ですごいことが行われている感じに圧倒されているんです。もうけっこう慣れてきたけど、2話目まではホントに興奮しっぱなしでした。 第3話のレビューですが、例によって、今回も未見の方はFODでもTVerでもいいから見てほしいので、あらすじは記しません。女子高生の橋本環奈ちゃんと結婚したくなる話です。ずっと環奈ちゃんを幸せにしたいと思える話です。原作では、環奈ちゃんが演じた垂水遥という人物と結婚したくはならなかったもんなー。これがドラマの力よなー。 と、そんな風に、事件関係者や警察に血肉が与えられた一方で、相変わらず標本のままなのが相葉ちゃん演じる貴族探偵なんですね。人格がないし、情熱もないし、意欲もない。相葉ちゃんが“棒”だからキャスティングされたのか、相葉ちゃんが“棒”であろうと努力しているのかは判然としませんが、ここに原作とドラマの美しいシンクロを見るんです。 探偵って、変に目的意識とか倫理観とか、人間味みたいなものが備わってないほうがいいんじゃない? そういうことを、この作品は言おうとしているのではないかと。 今回、象徴的な場面がありました。貴族探偵の使用人によって事件が解決に導かれた後、食い下がる刑事を、貴族探偵がこう突き放します。 「君の疑問などどうでもいい、使用人は真実を述べたまでだ」 つまり、誰のどんな“思い”も、真実の探求とは関係がない。真実に辿りつくために存在しているのが探偵であり、真実に辿りつくためには、人間らしくある必要はない。 逆にいえば、そこまで何もかもを捨て去らないと、解けない謎があると。相葉ちゃんが貴族を貴族らしく「演じない」ことで、貴族探偵という存在が見事に漂白されている。その彼がいつも真実を突き止めることで、作品が主張する「探偵とは何か」が明確になっている、という構図です。 そして、ここがキモなんですが、その「探偵が存在を漂白しなければ解けない謎」を構築しているのも、また『貴族探偵』という作品なんですよねえ。 麻耶さんの側から見れば、「オレの作った謎は、今まで世間に登場したどんな情熱的な探偵にも解けない」「オレの謎は、探偵が自らの存在を漂白し、真実だけに向き合わなければ解けない超難解な謎なのだ」という宣言なわけです。 そこまで言っちゃえば、謎そのものをマジのガチで作り込むしかないですよね。ちゃんとした人がガチのマジで作り込んでるものって、だいたい面白いに決まってるんですよ。はい、次回も普通に楽しみです。 ちなみに視聴率は、2話目より少し戻して9.1%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と、また1ケタ。いろいろ言われるでしょうけれど、まあ「視聴率三冠王」を盛んに喧伝して「視聴率の高いテレビが価値があるテレビ、あとは価値がない」というイメージを振りまいたのは、ほかでもない過去のフジテレビですからね。いたしかたなし。 (文=どらまっ子AKIちゃん)フジテレビ系『貴族探偵』番組サイトより
橋本環奈ちゃんと結婚したくなる! 嵐・相葉雅紀主演『貴族探偵』推理マニア向け作品を映像化した意味
嵐・相葉雅紀主演の月9『貴族探偵』(フジテレビ系)は、第3話も安定の面白さでした。いやー、面白いです。見ててよかった『貴族探偵』。 実は、昨年春あたりから毎クール月9のレビューを書くようになって、今年の春は『貴族探偵』だよ、ということで、初めて麻耶雄嵩さんの作品を読んだんです。 で、白状してしまえば、原作である『貴族探偵』および『貴族探偵対女探偵』(ともに集英社文庫)という小説は、あんまり好みじゃなかった。事件の謎と解決がすごく練られていることは伝わってきたし、何度か読み直して「うへー、そういうことかい!」と思わず虚空を見上げてしまうこともありましたが、とにかく作品に無駄がないんです。事件→推理→解決、それしかない。人物の背景や物語が、極限まで削ぎ落とされている。 例えば、第3話の出典元となった『貴族探偵』収録の「トリッチ・トラッチ・ポルカ」の書き出しを以下に引用してみます。 * * * 事件の概要はこうである。 三月四日の日曜日の午前九時、東北地方の小都市・猪飼市の郊外にある廃倉庫から三十歳前後と思われる女性の死体が発見された。 * * * いきなりこれです。そしてこの後、延々と事件の概要、現在の捜査状況、容疑者のアリバイについてなどが説明されます。必要な情報しかありません。 これは明らかに「大地を震わす和太鼓の律動に、甲高く鋭い笛の音が重なり響いていた。」(『火花』又吉直樹/文藝春秋)といった書き出しの文学作品とは、一線を画す小説です。 麻耶さんは「太鼓と笛の音が確認された。」なんです。 そこからは、人物の顔や風景、匂いや痛みといったものが、まったく感じられない。登場人物全員が謎解きを構築するためだけに配置されて、結果、場面に出てくる誰のことも愛せない。文学というより、「謎解きの快感」だけに特化した、マニア向けの快楽装置といった風情です。 もちろん、そのどちらが価値があるとかないとか、そういう評価軸の話ではありません。商品の性質として、私たちのような一般人向けに開いていないということです。 そういう『貴族探偵』を1話からずっと絶賛しているのは、私が原作を読んで「足りない」と感じていたものが、ドラマではありありと画面に現れているからです。精巧な骨格標本が、血肉をまとってイキイキと疾走し始めた。その興奮にヤラれてしまっているんです。楽しくてしょうがないし、これを作ってるヤツはすげえな! と思ってしまう。魔法使いかよ、と。ドラマの面白さというより、テレビの中ですごいことが行われている感じに圧倒されているんです。もうけっこう慣れてきたけど、2話目まではホントに興奮しっぱなしでした。 第3話のレビューですが、例によって、今回も未見の方はFODでもTVerでもいいから見てほしいので、あらすじは記しません。女子高生の橋本環奈ちゃんと結婚したくなる話です。ずっと環奈ちゃんを幸せにしたいと思える話です。原作では、環奈ちゃんが演じた垂水遥という人物と結婚したくはならなかったもんなー。これがドラマの力よなー。 と、そんな風に、事件関係者や警察に血肉が与えられた一方で、相変わらず標本のままなのが相葉ちゃん演じる貴族探偵なんですね。人格がないし、情熱もないし、意欲もない。相葉ちゃんが“棒”だからキャスティングされたのか、相葉ちゃんが“棒”であろうと努力しているのかは判然としませんが、ここに原作とドラマの美しいシンクロを見るんです。 探偵って、変に目的意識とか倫理観とか、人間味みたいなものが備わってないほうがいいんじゃない? そういうことを、この作品は言おうとしているのではないかと。 今回、象徴的な場面がありました。貴族探偵の使用人によって事件が解決に導かれた後、食い下がる刑事を、貴族探偵がこう突き放します。 「君の疑問などどうでもいい、使用人は真実を述べたまでだ」 つまり、誰のどんな“思い”も、真実の探求とは関係がない。真実に辿りつくために存在しているのが探偵であり、真実に辿りつくためには、人間らしくある必要はない。 逆にいえば、そこまで何もかもを捨て去らないと、解けない謎があると。相葉ちゃんが貴族を貴族らしく「演じない」ことで、貴族探偵という存在が見事に漂白されている。その彼がいつも真実を突き止めることで、作品が主張する「探偵とは何か」が明確になっている、という構図です。 そして、ここがキモなんですが、その「探偵が存在を漂白しなければ解けない謎」を構築しているのも、また『貴族探偵』という作品なんですよねえ。 麻耶さんの側から見れば、「オレの作った謎は、今まで世間に登場したどんな情熱的な探偵にも解けない」「オレの謎は、探偵が自らの存在を漂白し、真実だけに向き合わなければ解けない超難解な謎なのだ」という宣言なわけです。 そこまで言っちゃえば、謎そのものをマジのガチで作り込むしかないですよね。ちゃんとした人がガチのマジで作り込んでるものって、だいたい面白いに決まってるんですよ。はい、次回も普通に楽しみです。 ちなみに視聴率は、2話目より少し戻して9.1%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と、また1ケタ。いろいろ言われるでしょうけれど、まあ「視聴率三冠王」を盛んに喧伝して「視聴率の高いテレビが価値があるテレビ、あとは価値がない」というイメージを振りまいたのは、ほかでもない過去のフジテレビですからね。いたしかたなし。 (文=どらまっ子AKIちゃん)フジテレビ系『貴族探偵』番組サイトより
KAT-TUN・亀梨和也の放尿シーンに驚愕! 日テレ『ボク、運命の人です。』から満島真之介が消える!?
KAT-TUN・亀梨和也の出世作と名高いほのぼの系コメディドラマ『ボク、運命の人です。』(日本テレビ系)の第3話。平均視聴率は前回より0.4ポイントダウンの9.6%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)。現時点での期間平均では、嵐・相葉雅紀主演の月9『貴族探偵』(フジテレビ系)をわずかに上回っています。 前回は、恋敵である定岡(満島真之介)の登場でピンチに陥った誠(亀梨)ですが、“運命の相手”晴子(木村文乃)と結婚できるのでしょうか? 早速、あらすじを振り返ります。
ジャニーズの放尿!
定岡、晴子、三恵(菜々緒)と飲み会を開くことになった誠。しかし、定岡が気が利く性格のため、誠のドン臭さが際立つ結果に。三恵も、「性格」「収入」「ユーモア」「見た目」「価値観」「頼りがい」の6項目において「どれも突出していないが、全てが平均以上」である定岡を、晴子に猛プッシュするようになってしまいました。 晴子にダメ男ぶりを見せつけてしまった誠ですが、神様(山下智久)からクラシックの名曲100曲の曲名と作者を覚えよ、との指令が。その日以来、街中にかかるクラシックに耳を傾けるように。すると、「天国と地獄」が聞こえた後に客から契約のキャンセルを言い渡されたり、晴子の自宅を訪れるチャンスが巡ってきた際に「凱旋行進曲」が聞こえてきたりと、曲名が運命とシンクロしていることに気づく誠。運命のサインが日常に溢れているなんて、なんてスピリチュアル好きが喜びそうなドラマなんでしょう。 その後、誠が会社の飲み会中にトイレで排尿していると、隣の小便器に別の飲み会で訪れていた定岡が登場。定岡は誠に対し、「明日、晴子にプロポーズしようと思っててさ」と報告します。 この時、「病気なんじゃ?」と疑うほど長時間にわたり放尿していた誠ですが、ジャニタレの排尿シーンって珍しいですよね。どうやら亀梨のトイレシーンは初めてらしく、ネット上のジャニヲタもザワついていました。ぱっと思い浮かぶのは、『人間・失格~たとえばぼくが死んだら』(TBS系)で、KinKi Kids・堂本剛演じる中学生が、掃除道具入れに閉じ込められて失禁した場面くらいでしょうか(古い)。そういえば、『人間・失格』の堂本の役名も“誠”でしたね。運命感じます。だんだん面白くなってきた!
翌日、誠は、定岡が晴子にプロポーズしている場面を遠目から目撃。土手で体育座りをして落ち込んでいると、「あかい」と「いとう」という名の小学生が現れ、3人で野球の試合をすることに。 そこへ偶然通りかかった晴子から、「プロポーズを断った」と聞かされた誠は、自分の携帯電話を伝えなきゃとオロオロ。ふと小学生と対戦中のスコアボードに目をやると、偶然、自分の携帯番号になっていることに気づきます。 その夜、スコアボードの前で誠に電話する晴子。どこからともなく流れてきたドビュッシーの「月の光」に耳を傾けながら満月を見上げます。 誠と距離を縮めた晴子ですが、帰宅後、両親(杉本哲太、石野真子)に向かって「私、結婚できないかもしれない」と意味深発言……。晴子の闇を匂わせつつ、第3話は終了です。 ドラマの終盤まで誠と定岡の対決が続くのかと思いきや、定岡があっさりフラれてしまいびっくり。このまま満島の登場シーンは激減してしまうのでしょうか……? 一方、いつもツンケンしている晴子ですが、何かしらの闇を抱えている様子。愛嬌ゼロの高飛車なセリフの数々に「こんな女、実際いたら関わりたくね~」と一向に感情移入できなかったのですが、この性格に理由があるのだとしたら、好きになれる可能性が出てきました。 また、ネット上では、神様の正体についてあらゆる臆測が浮上している様子。声が多いのは、誠と晴子の息子説。当たっていれば、「亀梨と山Pが親子だなんて!」とジャニヲタが大喜びしそうな仕掛けですね。 何はともあれ、回を追うにつれ世界観に厚みが増してきた『ボク運』。亀梨の“オドオド演技”にも磨きがかかり、あとは晴子の性格が理解でたらかなりハマッちゃいそうな予感です。 (文=どらまっ子TAMOちゃん)KAT-TUN・亀梨和也の放尿シーンに驚愕! 日テレ『ボク、運命の人です。』から満島真之介が消える!?
KAT-TUN・亀梨和也の出世作と名高いほのぼの系コメディドラマ『ボク、運命の人です。』(日本テレビ系)の第3話。平均視聴率は前回より0.4ポイントダウンの9.6%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)。現時点での期間平均では、嵐・相葉雅紀主演の月9『貴族探偵』(フジテレビ系)をわずかに上回っています。 前回は、恋敵である定岡(満島真之介)の登場でピンチに陥った誠(亀梨)ですが、“運命の相手”晴子(木村文乃)と結婚できるのでしょうか? 早速、あらすじを振り返ります。
ジャニーズの放尿!
定岡、晴子、三恵(菜々緒)と飲み会を開くことになった誠。しかし、定岡が気が利く性格のため、誠のドン臭さが際立つ結果に。三恵も、「性格」「収入」「ユーモア」「見た目」「価値観」「頼りがい」の6項目において「どれも突出していないが、全てが平均以上」である定岡を、晴子に猛プッシュするようになってしまいました。 晴子にダメ男ぶりを見せつけてしまった誠ですが、神様(山下智久)からクラシックの名曲100曲の曲名と作者を覚えよ、との指令が。その日以来、街中にかかるクラシックに耳を傾けるように。すると、「天国と地獄」が聞こえた後に客から契約のキャンセルを言い渡されたり、晴子の自宅を訪れるチャンスが巡ってきた際に「凱旋行進曲」が聞こえてきたりと、曲名が運命とシンクロしていることに気づく誠。運命のサインが日常に溢れているなんて、なんてスピリチュアル好きが喜びそうなドラマなんでしょう。 その後、誠が会社の飲み会中にトイレで排尿していると、隣の小便器に別の飲み会で訪れていた定岡が登場。定岡は誠に対し、「明日、晴子にプロポーズしようと思っててさ」と報告します。 この時、「病気なんじゃ?」と疑うほど長時間にわたり放尿していた誠ですが、ジャニタレの排尿シーンって珍しいですよね。どうやら亀梨のトイレシーンは初めてらしく、ネット上のジャニヲタもザワついていました。ぱっと思い浮かぶのは、『人間・失格~たとえばぼくが死んだら』(TBS系)で、KinKi Kids・堂本剛演じる中学生が、掃除道具入れに閉じ込められて失禁した場面くらいでしょうか(古い)。そういえば、『人間・失格』の堂本の役名も“誠”でしたね。運命感じます。だんだん面白くなってきた!
翌日、誠は、定岡が晴子にプロポーズしている場面を遠目から目撃。土手で体育座りをして落ち込んでいると、「あかい」と「いとう」という名の小学生が現れ、3人で野球の試合をすることに。 そこへ偶然通りかかった晴子から、「プロポーズを断った」と聞かされた誠は、自分の携帯電話を伝えなきゃとオロオロ。ふと小学生と対戦中のスコアボードに目をやると、偶然、自分の携帯番号になっていることに気づきます。 その夜、スコアボードの前で誠に電話する晴子。どこからともなく流れてきたドビュッシーの「月の光」に耳を傾けながら満月を見上げます。 誠と距離を縮めた晴子ですが、帰宅後、両親(杉本哲太、石野真子)に向かって「私、結婚できないかもしれない」と意味深発言……。晴子の闇を匂わせつつ、第3話は終了です。 ドラマの終盤まで誠と定岡の対決が続くのかと思いきや、定岡があっさりフラれてしまいびっくり。このまま満島の登場シーンは激減してしまうのでしょうか……? 一方、いつもツンケンしている晴子ですが、何かしらの闇を抱えている様子。愛嬌ゼロの高飛車なセリフの数々に「こんな女、実際いたら関わりたくね~」と一向に感情移入できなかったのですが、この性格に理由があるのだとしたら、好きになれる可能性が出てきました。 また、ネット上では、神様の正体についてあらゆる臆測が浮上している様子。声が多いのは、誠と晴子の息子説。当たっていれば、「亀梨と山Pが親子だなんて!」とジャニヲタが大喜びしそうな仕掛けですね。 何はともあれ、回を追うにつれ世界観に厚みが増してきた『ボク運』。亀梨の“オドオド演技”にも磨きがかかり、あとは晴子の性格が理解でたらかなりハマッちゃいそうな予感です。 (文=どらまっ子TAMOちゃん)視聴率急落の綾野剛『フランケンシュタインの恋』SF設定の説明と引き換えに失われた“かわいらしさ”
古典小説『フランケンシュタイン』を下敷きに、日本テレビ系「日曜ドラマ」枠で放送されている『フランケンシュタインの恋』も第2話。視聴率は7.3%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)と、初回の11.2%から4ポイント近く下がりました。初回の評判はよかったように感じましたが、そうでもなかったんですかね。わたしも綾野剛と二階堂ふみのあまりのかわいらしさに悶絶しながら眺めたものですが。 第2話、2人のかわいらしさはほとんど発揮されませんでした。前回のラストで「深志研」と名付けられた綾野怪物が、二階堂演じる継実のお姉ちゃんを、その“毒手”で触ってしまい、お姉ちゃんは倒れてしまいました。この毒手攻撃はこれまで、やられた相手が必ず死ぬ「必殺技」として登場していますので、お姉ちゃんも死ぬことになりそうです。早くも、かわいらしさを発揮している場合ではなくなってしまいました。 継実は、怪物がお姉ちゃんを倒した場面を見ていません。だけど、怪物は自分がしでかしてしまったことを理解しています。「見てたんですか?」と継実に問われ、「死んだんですか?」と無神経な返事。さらに「死にます、人間は死にます」とダメ押ししてきます。こういう類の、人間と怪物の噛み合わないやり取りが、初回ではポップ&キュートな色付けになって大変魅力的に見えたものですが、人の生死がかかわると、さすがにね。イヤな気分になりますわね。 で、一度イヤな気分になっちゃうと、「かわいらしさ」だけで押し切られた第1話では気にならなかったツッコミどころが、どんどん気になってきます。 お姉ちゃんは何か、重度なアレルギー反応が出て、やっぱり命も危険な状態だそうです。医者も手の施しようがないとか。怪物に触られたホッペには、白いキノコ状のデキモノが浮いています。命にかかわるほどの感染症なのだとしたら、むしろ目とか耳とか口とか、そういう穴からキノコが生えだしてきそうなものですが、症状は皮膚にしか出ないようです。 このとき病院に駆けつけてきた継実のお婆ちゃん(木野花)から、ある事実が伝えられました。お婆ちゃんのお婆ちゃんの妹も、同じ症状で亡くなったそうです。120年前、怪物がたびたび回想している場面ですね。このとき死んだ娘さんも二階堂ふみが演じていますので、怪物が継実の言うことを聞いて山から下りた動機づけについて、後々語られることになるのでしょう。 その怪物さんですが、お姉ちゃんを倒したあとは山小屋に帰り、自分を作り出した父・研太郎(斎藤工)との会話を思い出していました。 ここで、研太郎が亡くなった息子を怪物にして生きながらえさせた理由らしきものが語られます。 「人間じゃなくても生きられるんだ」 「いいか、人間だけが生命の在り方だと思ったら大間違いだ」 「おまえは、植物だ。考える植物だ」 「考えるという、つらい機能を残してしまったことは、謝る」 「すまん、だけどお前は、生きてる」 うーん、正直、ピンとこない。 『フランケンシュタインの恋』をSFとして見たとき、ここのロジックって作品を支えるだけの説得力が必要になってくると思うんですけど、全然ピンとこない。 研太郎はなぜ、死んだ息子を蘇らせたのか。それはまぁ「愛ゆえ」ということでいいんでしょうけど、自分が死んだあとも怪物が生き残ることは当然わかって作っているわけで、だとすると、以下のようなモチベーションだということになるんです。 「オレが死ぬまではお前と暮らしたいから生き返らせたよ。でもオレが死んでからのことは知らん。知らんけど、まあ人間じゃないし、植物として生きたらいいんじゃない? なんかごめん」 けっこうひどいなーと思うし、死者を蘇らせるほどのマッドサイエンティストとしてのスケール感に乏しいんです。なんかこの人、ちょっと浅はかなんじゃない? と思ってしまう。 本家のフランケンシュタイン博士なんか、「理想の人間を作りたい!」の一本槍で徹底的に狂っていたし、材料となる人間はそこらへんの墓に埋まってる死体ですからね。それを何人分も掘り起こして接合して怪物を作ったわけですからね。純度高く狂っているからこそ、信用できるんです。あげく、「この怪物、気持ち悪い!」つって、置いて逃げちゃうわけですから。 ここで怪物の出生が曖昧に説明されたことで、「そもそも怪物ってなんなの?」という疑問符を抱えたまま物語を追いかけることになりました。すると、今度は大学教授・鶴丸(柄本明)のほうから、またまた核心に迫るようなアプローチがあります。 鶴丸は、継実のお姉ちゃんを助けるために、あるキノコから抽出したエキスを用意しました。それが「特効薬」になって、お姉ちゃんは回復し、ホッペの白キノコも乾いて取れてしまいました。 鶴丸教授によって「宿主」だとか「常在菌」だとかいう専門用語を用いて説明されたところでは、怪物は「新種のキノコそのもの」なのだそうです。 怪物の父・研太郎の先の言い草を思い返してみれば、彼は「新種のキノコ」を作ろうと意図して作ったということです。あるいは、それが唯一、死者を蘇らせる方法だったのかもしれませんが、「なんかわかんないけど超かわゆい怪物」にさまざまな理屈が貼り付けられたことで、ちょっと存在そのものがボヤけてしまったような気がします。結果、芝居だけに感情移入していれば楽しめた前回に比べて、格段に共感できなくなってしまっている。 もうひとつ、共感しづらくなった要因が「怪物、ラジオを鵜呑みにしすぎ」問題です。 山小屋に帰った怪物でしたが、お気に入りのラジオで「おやつの男」こと天草純平(新井浩文)が語る「謝るってことは、許してもらうことを前提ではなく、罰を受けることを前提とするものだと思う」という言葉にいたく感激し、継実から「罰を受ける」ために再び街へ降りてきます。 この話も、ピンと来ないんです。「許してもらうためでなく、罰を受ける前提で謝る」という話そのものがピンとこない。私たち視聴者もピンときてないし、天草の番組のDJ十勝(山内圭哉)もピンと来てない。怪物以外、誰にも刺さってないメッセージによって物語が転がっていくので、怪物の実存がますます曖昧になっていくんです。出生の秘密もモヤってるし、現在の行動原理もモヤってる。特殊能力や身体特性もモヤってる。ドラマが怪物を説明したことで、私は怪物を愛せなくなってしまったように感じるんです。 怪物を愛せなくなってしまうと、このドラマ全編に漂う強烈な悲劇性は、ただ怪物と継実ちゃんを痛めつけるだけの残酷な仕打ちに見えてきます。今回のクライマックスで、怪物が継実ちゃんに謝りながら「罰を与えてください」と言い、継実ちゃんが「私に触れてください、私は死を恐れていません」と返す非常にシリアスなシーンがあります。このシーンは、よく意味がわからないけど、なんだかとっても2人とも悲しそうでした。そして、そもそも私はラジオの説教が腑に落ちていないので「しらねーよ」と思いました。もちろん、全然泣けませんでした。 最後に、継実ちゃんにホの字な先輩男子・聖哉(柳楽優弥)が怪物を慰めるように語りかけます。 「誰かと一緒に生きることは、もう人間の罰みたいなもんですから」 日曜の夜になんてことを言うんだ、明日からまた会社行かなきゃいかんのだぞ……と思いました。そんなことを考えていると、前回は「ワオ! ロマンチック!」と感じたRADWINPSのエンディングテーマも「なんだよ、ビリー・ジョエルのパクリじゃねえかよ。しかもピアノマンって、あの記憶喪失のアレと掛けてんのかよ、あざといんだよ」と、鼻についてくるのだから、視聴者というのは勝手なものですな。 (文=どらまっ子AKIちゃん)日本テレビ系『フランケンシュタインの恋』番組サイトより
『SRサイタマノラッパー~マイクの細道~』第4話 トーコの名言「夢にしがみつくと息苦しいんだよ」
あめゆじゅとてちてけんじゃ、あめゆじゅとてちてけんじゃ。37歳の若さで亡くなった宮沢賢治が『永訣の朝』に記した魂のリリックだ。『銀河鉄道の夜』『注文の多い料理店』など傑作童話や数々の詩を残した宮沢賢治だが、生涯を独身で通したため素人童貞だったと言われている。「SHO-GUNG」の不動のオリジナルメンバーであるIKKU(駒木根隆介)もまた、以前より童貞疑惑が囁かれている。唯我独尊の道を歩んだグレートな詩人・宮沢賢治の波長とシンクロしたのか、IKKUをはじめとする「SHO-GUNG」一行は宮沢賢治が“イーハトーボ”と呼んだ岩手県へと突入する第4話。深夜ドラマらしくお色気シーンとオカルト色もうっすら漂うカオティックな回となっている。 滝に打たれていた裸のIKKUが「あっ、見えた!」と叫ぶオープニング。前回、TOM(水澤紳吾)と共に新しい「SHO-GUNG」には新しい曲が必要だと確かめ合ったIKKU。新曲の構想が思い浮かんだのか。意気揚々とビキニ姿のセクシー美女たちを従え、泡風呂へトドのように飛び込んでいく。美女たちにせがまれて「俺の生ラップは高ぇぞ~」と言いながらも、目尻を下げて「マイクでつかんだどん詰まりの夢とビッグなマネー、そしてビッグな胸ぇ♪」と隣りの美女のおっぱいをタップする。 もちろん、第2話、第3話から続く夢はじまりなのだが、IKKUの見る夢はテレ東の深夜ドラマ枠ということもあって、どこかしょぼい。IKKU本人はアメリカンドリームを手に入れたギャングスタ・ラッパーばりの酒池肉林シーンのつもりだろうが、どうもエロ雑誌やパチンコ雑誌の巻末によく掲載されていた「パワーストーンのお陰で僕にも彼女ができました! 宝くじが当たりました!」と冴えない男が札束風呂に入っている怪しい広告にしか見えない。 IKKUは高校時代に同級生だった小暮千夏(みひろ)と仲が良かったが、高校を中退した千夏が東京に上京してAV女優になってしまい、同世代の女性とSEXに関しては複雑な感情を抱いている。IKKUがクラブチッタでライブデビューを果たす前に、童貞から卒業して大人の男になれるかどうかも『マイクの細道』の裏テーマとして追っていきたい。 IKKUの童貞臭ただよう夢が終わり、本編の始まり。カブラギが運転するトラックは岩手県に入ったものの、雪山で突然止まってしまう。故障原因が分からず、ブチ切れたカブラギがTOMやMIGHTY(奥野瑛太)たちをしばいていると、大間の実家を飛び出して、トラックの荷台に隠れていたトーコ(山本舞香)が姿を現わす。ここ岩手県遠野にて『マイクの細道』の道中を共にするメインキャストが一堂に揃った。 雪山で言い争っていても仕方ないので、「SHO-GUNG」一行は助けを求めて人里を目指すことに。そこで見えてきたのは悪代官によって手篭めにされる村娘、ではなく借金取りの取り立てに喘ぐ地元のどぶろく屋の娘・雪(中村静香)だった。IKKUたちは助けに走り出すこともなく、騒ぎが落ち着いてから店で一服させてもらうことに。ケンカには異様に弱いIKKUとTOMらしい冷静な判断である。 雪がぽっちゃりした色白美人だったことからカブラギは舞い上がってしまい、『トラック野郎』のくせに何故か『男はつらいよ』の寅さんのように仁義を切り出す。そんなカブラギのトンチンカンぶりを、「うふふ」と笑顔で受け止める雪。東北人の人のよさを感じさせる。 雪のおじいちゃんを演じているのは樋浦勉。岡本喜八監督や今村昌平監督の映画によく出ていたベテラン俳優で、最近は北野武監督の『龍三と七人の子分たち』(15)でステッキを振り回して暴れ回っていた。その樋浦勉さん演じる半分ボケかかったおじいちゃんによると、カブラギのトラックが止まったのは、カッパさまの祟りであり、それはMIGHTYが近くの小川で立ちションをしたからだという。ここ、遠野は民俗学者・柳田國男の『遠野物語』でも知られる妖怪伝承が数多く言い伝えられる土地だった。 お店が暇なので、雪の案内で「SHO-GUNG」たち一行は遠野のカッパ出没スポットを歩いて回ることに。『SRサイタマノラッパー』が急に白石晃士監督の低予算ホラーシリーズ『戦慄怪奇ファイル コワすぎ!』の世界へと変調していく。TOMこと水澤紳吾がゲスト主演した『戦慄怪奇ファイル 超コワすぎ! FILE02 暗黒綺譚!蛇女の怪』は超名作なので、未見の人はぜひGW中にレンタルしてみてほしい。 カッパ淵に到着したものの、特に不審な様子はなし。次に一行が向かったのは「めがね橋」。JR釜石線が「めがね橋」を渡る風光明媚な場所だ。雪いわく「ここを走る列車を見て、宮沢賢治は『銀河鉄道の夜』を書いたらしいです」とのこと。この景観が不朽の名作『銀河鉄道の夜』を生み、さらに『銀河鉄道の夜』に感銘した松本零士がSFアニメの金字塔『銀河鉄道999』を描くことになる。遠野は民俗学の故郷であるだけでなく、男のロマンを掻き立てるパワースポットなのかもしれない。 と、ここで視聴者へのサービスカットが!! 観光地めぐりに興味なさそうなトーコのスカートが突風に煽られ、中の赤い下着がチラッと見える。入江悠監督は『SR』三部作で硬派なイメージがあるが、同じテレビ東京系で2013年にオンエアされた連ドラ版『みんな!エスパーだよ!』では園子温監督と共に盛大にパンチラ祭りを開催していた人でもあった。深夜ドラマらしい、サービスカットは大歓迎である。 雪の家で夕食をごちそうになった上に泊めてもらうという、IKKUたちは徹底的に人の好意に甘える達人でもある。カッパ騒動に終始した遠野の夜も更け、みんなが寝静まった後、ひとりバスタブの湯につかる雪。 「あ~、気持ぢい~。お風呂がいぢばん幸せよ~」 東北弁でひとりごちる雪の無防備さが堪らない。Fカップの美乳グラビアアイドルとして人気を博した中村静香の生唾ボディが、テレ東の深夜ドラマで花開く。さすが、初代ドロリッチガールにして、『ゴッドタン』(テレビ東京系)の「飲み姿かわいいグランプリ」王者だけあって、男の目線を釘づけにして離さない。 そんな雪の入浴姿を、修学旅行中の中学生のように窓の隙き間から必死で覗き見するカブラギと元おっぱいパブ店員であるTOM。『水戸黄門』(TBS系)のお銀(由美かおる)の入浴シーンのように、できれば今後もゲスト女優の入浴シーンはお約束としてお願いしたい。ベタかもしれないが、過去の国民的大ヒットシリーズから鉄板要素を吸収していくことも、入江悠監督にとっての旅の目的だろうから。 カブラギとTOMがデコトラ以上に下半身をギンギンにさせている一方、庭先ではもうひとつのドラマが進行していた。寝付けなかったのかトーコが夜空に浮かぶ月を眺めていると、カッパさまの呪いでチンコが痛くて、やはり寝付けずにいたMIGHTYが何やら話し掛けている。「SHO-GUNG」の中ではいちばんイケメンではあるMIGHTYは大間で観光ガイドとして過ごしていた間に、トーコと何か関係があったのか? 思わせぶりな月夜のシーンである。 メガネ中年・マキノ(村杉蝉之介)との結婚を嫌って、実家から家出してきたトーコ。そんなトーコに「何か心配事があるなら……」と優しさを見せるMIGHTY。夕食前には自主的にラップの練習を始めるなど、劇場版第1作『SRサイタマノラッパー』(09)の脳みそ空っぽだった頃とは別人のようではないか。 だが、MIGHTYから気遣われたことが、トーコは気に喰わない。 トーコ「いい年齢して、ラップなんて恥ずかしいんだよ。しがみつくものがねぇから、ラップにしがみついてるだけでしょ? そーゆーヤツがいると、しがみつくものがねぇヤツは苦しくなるんだよ、しがみつくものが見つかってねぇヤツを追い詰めるんだよ! 頼むから『負けました。夢諦めました』って、酒呑んで、愚痴って、泣いててよ、ずっと。マジでラップとか息苦しいんだよッ」 夢を追いかけている人間が近くにいると、夢を持たない人間や棄てた人間はうっとおしくて仕方ない。北野武監督が青春時代の終焉を描いた『キッズ・リターン』(96)では新人王を目指してボクシングの特訓に励むシンジ(安藤政信)を、ロートルボクサー(モロ師岡)が酒や煙草を教えて、ぬるま湯地獄へと引きづり込んでいった。夢が眩しければ眩しいほど、周囲の人間や本人まで傷つけてしまう。大事な夢と才能は、日本刀のようにきちんとサヤに収めておきたい。 逆ギレしたトーコに対して、MIGHTYが返す言葉がまた身に沁みる。 MIGHTY「おめーがやりてぇことは、おめーが見つけるしかねぇんだよ」 以前のMIGHTYならトーコに対して逆ギレ返しをしていたところだが、すぐには素直になれないトーコの蹴りをMIGHTYは股間でがっちり受け止めてみせる。当然ながらMIGHTYは悶絶することになるが、彼が充分に大人に成長したことを感じさせるひと幕だった。 『SRサイタマノラッパー』の劇場公開から8年。IKKU役の駒木根隆介は大ヒット映画『愛の渦』(14)でメインキャストのひとりを演じ、TOMこと水澤紳吾はメジャーやインディーズを問わずに活躍し、秋葉原無差別殺傷事件を題材にした主演作『ぼっちゃん』(13)では素晴しい名演技を披露している。MIGHTYこと奥野瑛太はメジャー大作『3月のライオン』で主演の神木隆之介と将棋盤を挟んで熱いバトルを演じてみせた。6月に犯罪サスペンス『22年目の告白 私が殺人犯です』の公開が控えている入江悠監督だけでなく、「SHO-GUNG」を演じる3人の俳優たちもそれぞれ自分の生きる道を懸命に模索しているところだ。新生「SHO-GUNG」のライブステージがより楽しみに思えて仕方ない。 (文=長野辰次)テレビ東京系『SRサイタマノラッパー~マイクの細道~』番組サイトより
岡田将生と加藤晴彦の小憎たらしい演技がいい感じのスパイスに? ドラマ『小さな巨人』第2話レビュー
長谷川博己が主演を務める連続テレビドラマ『小さな巨人』(TBS系)の第2話が23日に放送され、平均視聴率13.0%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)を記録。前回の平均視聴率13.7%から微減する結果となってしまいました。 まずは前回のおさらいを少し。ノンキャリアの中では異例のスピード出世を果たしていた警視庁捜査一課強行班1係長の香坂真一郎(長谷川博己)は、酒に酔った帰り、電子部品会社ナカタエレクトロニクスの社長・中田隆一(加藤晴彦)を飲酒運転の疑いで呼び止めた際、隆一の車を傷つけてしまいます。 それが“行き過ぎた捜査”とみなされてしまい、香坂は芝警察署に左遷させられることに。そして異動早々、隆一の父親で日本を代表するIT企業ゴーンバンク社の社長・中田和正(桂文枝)の誘拐事件が発生。香坂は、ソリの合わない捜査一課長・小野田義信(香川照之)から、事件に首を突っ込まないように釘を刺されるのですが、その命令を無視して、所轄の刑事・渡部久志(安田顕)らと独自の捜査を開始します。 その結果、捜査線上には数日前に自殺した、隆一の恋人・風見京子(富永沙織)の父・康夫(長江英和)の名前が浮上しました。康夫は、京子が開発した監視カメラの画像システムの新規開発データをゴーンバンク社が奪い、自殺に見せかけて京子を殺したのではないかと疑い、和正を誘拐して真相を突き止めようとしたのです。 そのことを小野田に伝え、康夫に自首させるよう申し出た香坂ですが、小野田はゴーンバンク社の不正を隠蔽するために、ただの誘拐事件として処理することに。そして強制逮捕に踏み込み、康夫は逮捕される直前に服毒自殺を試みて意識不明の重体となり、「所轄 VS 捜査一課」という構図ができたところで、第1話は終了しました。 さて、ここから第2話がスタート。風見京子の死の真相が気になる香坂は、渡部を巻き込んで捜査を再開することに。そして、京子が飛び降り自殺をしたナカタエレクトロニクスの防犯管理担当の池沢菜穂(吉田羊)に会い、事件当日の監視カメラの映像を確認したのですが、屋上へと向かうエレベーターに乗るのは京子ただ1人。おまけに出退勤記録にも京子の名前しかなく、自殺説が強まる結果となってしまいます。 それでも諦めきれない香坂は、小野田に命じられてお目付け役として付きまと捜査一課長付運転担当の山田春彦(岡田将生)に頭を下げ、捜査二課に捜査依頼してくれないかと頼みます。内閣官房副長官をしている山田の父親の鶴の一声で捜査二課を動かし、企業犯罪の疑いでナカタエレクトロニクスに捜査のメスを入れようというのです。 その結果、池沢が、海外での心臓移植が必要な一人息子の手術費用と引き換えに、京子から開発データを盗むよう、隆一から依頼されていたことが発覚。また、京子が自殺した日の監視カメラの映像や出退勤記録を改ざんしていたことも明らかになります。しかし、京子の殺害に関しては否定。事件当日、もう1人いたことを示唆するのですが、ここで隆一と会社の顧問弁護士が現われてしまったため、真相究明とはならず。 後日、香坂は池沢を逮捕しようとするものの、第1話と同じく捜査一課に手柄を横取りされてしまうことに。しかも、ナカタエレクトロニクスに息子の手術費用を捻出してもらうのと引き換えに、罪をかぶるかたちで池沢は京子殺しを自供。再びゴーンバンク社の不正問題は暗中に帰することになってしまいました。 これを「所轄の失態」として、香坂を詰った山田は、わざわざ父親に頭を下げ、捜査二課を動かしたのは、出世のためだったと告白。捜査一課長になるため、トップになるためには手段を選ばないと豪語する山田と、そのやり方を軽蔑し、あくまでも正攻法で出世することを誓う香坂がバチバチとライバル心をぶつけ合うところで第2話は終了しました。 前回の放送から少し気になるのは、山田がストーカーのように、常に香坂に付きまとっている点。小野田からお目付け役を任されている体ではありますが、通常業務はないのでしょうか。それとも、捜査一課は人手が余っている部署なのでしょうか。ただ、隆一を演じる加藤晴彦同様、山田を演じる岡田将生の小憎たらしい演技は、ドラマ内でいい感じのスパイスになってきています。 また、今回の放送では、ゴーンバンク社の系列会社に警察幹部OBが天下りしているという情報もチラッと出されていたため、香坂はこれから、想像以上に巨大な闇と対峙していかなければならない予感も。 さて、そんなわけで第2話は視聴率が微減という結果になってしまったのですが、第3話の予告では、山田が香坂に向かって、「敵は味方のフリをする。我々の最大の敵はあの人だったんだ」と意味深な発言をするシーンもあり、新たな展開となるか、視聴率回復となるか、楽しみなところです。 (文=大羽鴨乃)TBS系『小さな巨人』番組サイトより
岡田将生と加藤晴彦の小憎たらしい演技がいい感じのスパイスに? ドラマ『小さな巨人』第2話レビュー
長谷川博己が主演を務める連続テレビドラマ『小さな巨人』(TBS系)の第2話が23日に放送され、平均視聴率13.0%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)を記録。前回の平均視聴率13.7%から微減する結果となってしまいました。 まずは前回のおさらいを少し。ノンキャリアの中では異例のスピード出世を果たしていた警視庁捜査一課強行班1係長の香坂真一郎(長谷川博己)は、酒に酔った帰り、電子部品会社ナカタエレクトロニクスの社長・中田隆一(加藤晴彦)を飲酒運転の疑いで呼び止めた際、隆一の車を傷つけてしまいます。 それが“行き過ぎた捜査”とみなされてしまい、香坂は芝警察署に左遷させられることに。そして異動早々、隆一の父親で日本を代表するIT企業ゴーンバンク社の社長・中田和正(桂文枝)の誘拐事件が発生。香坂は、ソリの合わない捜査一課長・小野田義信(香川照之)から、事件に首を突っ込まないように釘を刺されるのですが、その命令を無視して、所轄の刑事・渡部久志(安田顕)らと独自の捜査を開始します。 その結果、捜査線上には数日前に自殺した、隆一の恋人・風見京子(富永沙織)の父・康夫(長江英和)の名前が浮上しました。康夫は、京子が開発した監視カメラの画像システムの新規開発データをゴーンバンク社が奪い、自殺に見せかけて京子を殺したのではないかと疑い、和正を誘拐して真相を突き止めようとしたのです。 そのことを小野田に伝え、康夫に自首させるよう申し出た香坂ですが、小野田はゴーンバンク社の不正を隠蔽するために、ただの誘拐事件として処理することに。そして強制逮捕に踏み込み、康夫は逮捕される直前に服毒自殺を試みて意識不明の重体となり、「所轄 VS 捜査一課」という構図ができたところで、第1話は終了しました。 さて、ここから第2話がスタート。風見京子の死の真相が気になる香坂は、渡部を巻き込んで捜査を再開することに。そして、京子が飛び降り自殺をしたナカタエレクトロニクスの防犯管理担当の池沢菜穂(吉田羊)に会い、事件当日の監視カメラの映像を確認したのですが、屋上へと向かうエレベーターに乗るのは京子ただ1人。おまけに出退勤記録にも京子の名前しかなく、自殺説が強まる結果となってしまいます。 それでも諦めきれない香坂は、小野田に命じられてお目付け役として付きまと捜査一課長付運転担当の山田春彦(岡田将生)に頭を下げ、捜査二課に捜査依頼してくれないかと頼みます。内閣官房副長官をしている山田の父親の鶴の一声で捜査二課を動かし、企業犯罪の疑いでナカタエレクトロニクスに捜査のメスを入れようというのです。 その結果、池沢が、海外での心臓移植が必要な一人息子の手術費用と引き換えに、京子から開発データを盗むよう、隆一から依頼されていたことが発覚。また、京子が自殺した日の監視カメラの映像や出退勤記録を改ざんしていたことも明らかになります。しかし、京子の殺害に関しては否定。事件当日、もう1人いたことを示唆するのですが、ここで隆一と会社の顧問弁護士が現われてしまったため、真相究明とはならず。 後日、香坂は池沢を逮捕しようとするものの、第1話と同じく捜査一課に手柄を横取りされてしまうことに。しかも、ナカタエレクトロニクスに息子の手術費用を捻出してもらうのと引き換えに、罪をかぶるかたちで池沢は京子殺しを自供。再びゴーンバンク社の不正問題は暗中に帰することになってしまいました。 これを「所轄の失態」として、香坂を詰った山田は、わざわざ父親に頭を下げ、捜査二課を動かしたのは、出世のためだったと告白。捜査一課長になるため、トップになるためには手段を選ばないと豪語する山田と、そのやり方を軽蔑し、あくまでも正攻法で出世することを誓う香坂がバチバチとライバル心をぶつけ合うところで第2話は終了しました。 前回の放送から少し気になるのは、山田がストーカーのように、常に香坂に付きまとっている点。小野田からお目付け役を任されている体ではありますが、通常業務はないのでしょうか。それとも、捜査一課は人手が余っている部署なのでしょうか。ただ、隆一を演じる加藤晴彦同様、山田を演じる岡田将生の小憎たらしい演技は、ドラマ内でいい感じのスパイスになってきています。 また、今回の放送では、ゴーンバンク社の系列会社に警察幹部OBが天下りしているという情報もチラッと出されていたため、香坂はこれから、想像以上に巨大な闇と対峙していかなければならない予感も。 さて、そんなわけで第2話は視聴率が微減という結果になってしまったのですが、第3話の予告では、山田が香坂に向かって、「敵は味方のフリをする。我々の最大の敵はあの人だったんだ」と意味深な発言をするシーンもあり、新たな展開となるか、視聴率回復となるか、楽しみなところです。 (文=大羽鴨乃)TBS系『小さな巨人』番組サイトより
『孤独のグルメ Season6』第3話 谷村美月の店員がたまらない! 今回は「スープカレー」1食で満足でした
いよいよ第3話となりました、深夜の飯テロ最終兵器『孤独のグルメ Season6』(テレビ東京系)。たとえ食欲を呼び覚まされて我慢ができずに、夜食を食べた後に後悔をすることになったとしても……見ないで後悔するよりはマシ。食に対するゴローちゃんこと井之頭五郎(松重豊)の情熱に共鳴することができるのならば、体重の1キロや2キロはどうってことないではありませんか。 かくて、今回ゴローちゃんがやってきたのは、目黒区。権之助坂を歩き、到着したのはプリンセスガーデンホテル。ロケに借りたお礼も込めてか、画面いっぱいにホテル名が。 昔の番組では、タイアップということで、登場人物がやってきた施設名を連呼したりするものも多かったのですが、今どきこんな番組も珍しい。あと、国際情勢の裏舞台に詳しい人は「ゴローちゃんも、いろいろと手広いなあ……」と、さまざまな想像力が膨らみます。いやいや、きっと制作者にそんな意図はありません。 新たなクライアントなのか、気合を入れてやってきたゴローちゃん。今回の取引相手であるホテルの担当者は、山崎樹範。吉井怜と結婚してシアワセなはずですが、画面の中の山崎は、けっこう厳しい顔。それものはず、ゴローちゃんの提案が期待外れだったそうで、リテイクを要求してくるのです。 相当、ゴローちゃんに期待していたのでしょうか。えらく熱いダメ出しの一幕。無難な提案をしてしまった自分に、ゴローちゃんも反省することしきり。 いやいや、ホテル全館をリニューアルするための提案。うまくいけば、相当な利益になるのは、想像に難くありません。ゴローちゃんが苦渋の表情になるのも当たり前……。それにしても、仕事に疲れた週末の夜に、こんな仕事の苦悩を思い出させるシーンを挿入するのはいったい? いや、きっと、これは爆発に向けての「溜め」のシーン。『ドラゴンヘッド』なら、トンネルの中。『進撃の巨人』なら、訓練兵団のあたりです。 あまりの悔しさにボーッと歩いていたゴローちゃんですが、やはり空腹には気づきます。そして、今日も始まる、忘れることのできない言葉の応酬。 「空きっ腹でいい仕事ができるはずない。よし、店を探そう」 どういうことか、目黒の住宅街に迷い込んでしまったゴローちゃん。そこで見つけるのは「薬膳スープカレー Shania(シャナイア)」。目黒というには随分と離れた、恵比寿ガーデンプレイス近くの住宅街にひっそりとたたずむお店。ゴローちゃんのみならず、視聴者もびっくりするような立地。しかも、番組公式サイトによれば、4月30日から1カ月ほどリニューアルのため休業予定。番組で放映されるということは、当然行列ができて儲けが待っているというのに、休業。何か信頼が置ける店ではありませんか! 裏路地の一軒家を改造したと思しき、店の外観。ひさしの上には赤い猫のぬいぐるみ。 ありますよね。このタイプの、店主が奇人で料理以外にもエンタテインメントを提供している系のワクワクさせてくれる店。店の人がキャラ立ちしている店というのは「料理の値段だけで、こんなに楽しませてもらっていいのかな」と素敵な気分になること請け合いです。 「スープカレーか……最後に食べたのいつだっけ。ま、今の俺には薬が必要だ」 そう「薬膳」の文字を見つめて入店するゴローちゃん。店内は若いカップルや女性客で、そこそこ。 さあ、とメニューを開いたゴローちゃんは、まず驚き。優しい手書きのメニューは手順がいっぱい。スープのベースや具材、辛さにライスの種類などを順番に選ぶようになっています。 「全部生薬入り、生薬ってなんだっけ」 ひとつひとつ吟味していくゴローちゃん。 「辛さね。辛いのは好きだが、初めての店では辛さの基準がわからない。かといって中辛というのも弱腰、臆病者、事なかれ主義だ」 「……最後はライス、見えた!」 パンッとメニューを閉じつつ、早口で注文をするゴローちゃん。しかし、そこに予想外の出来事が。 「スープカレーは、20分ほどお時間をいただきますが」 そう答える店員は、谷村美月。谷村美月が店員だったら、一日中だって待っちゃうよ! と、筆者は思うのですが、ゴローちゃんの空腹は店員が誰であろうと関係ありません。 「えっ、20分っ!」 ほとんど素の驚きを見せるゴローちゃん。 「この空きっ腹に20分のお預けはキツイ」 メニュー変更かと思いきや、来た。サイドメニューで小腹を満たしながら待つ作戦です。 ここで、店員・谷村「辛さはどうしますか」と、返すのですが、店はさほど混んでないのに「いっぱいいっぱい」感のある雰囲気を醸し出してます。なんというか、少々精神不安定そうな演技。どういうキャラ作りの結果なんでしょう。もしや「俺はカレーの神だーーーっ!」系のカレーじゃないよね? 「あ、チキンカレーとザンギ。鶏がダブってしまった。焦って取り乱してしまった」 一人でボケて、一人で鼻で笑うゴローちゃん。ようやく見渡す店の中は、あちらもこちらも猫の絵や雑貨でいっぱい。 「店主はかなりの猫モノとみた」 心を落ち着かせて待とうとするゴローちゃんですが、後ろでは食事を楽しむカップルや、別の客に運ばれてくる料理。どんな料理が運ばれてくるのかと待ち構えてくると、やってきたのは、ザンギ。 「空腹がマイナスまで落ち込んだ腹を、このザンギでとりあえずゼロ地点にまで戻す」 今回はひたすらに空腹だったゴローちゃん。とにかく、腹を慰めようと食べ続けます。 「おかずにもおやつにもなりそうな、マルチなザンギだ。こういう男に俺はなりたい」 そうしてついに、やってきましたスープカレー。 なんとも具材が多くて……。しかも食欲を刺激しまくる彩り。そんなものを深夜の画面に映すなんて……(今回は放送直後に録画で観たのですが、筆者はここでコンビニに走りました)。 まず一口目はスープから。 「あーーーーーーーー、これは、うまいっ!」 空腹+うまさのなせる技か、今回のゴローちゃんは、いつにも増して徹底的に演技で表現をしようとしているのです。 「このライスひたし食い、たまんない」 「ピーマンがまたいい、合う」 「いろいろ入ってるから、カレーと名乗りつつも、ちゃんこというかブイヤベースというか鍋的な楽しさもある。しかも、お薬でもあるという」 止まるところなく、ひたすらに口に運び続けるゴローちゃん。ザンギで空腹を慰めたからでしょうか。今日は、まだ落ち着いて食べているような気がします。 「カレーっちゃカレーだが、いわゆるカレーとは別物だ。でもうまい」 そして、後半。ついに上着を脱いで本格的な態勢に入ったゴローちゃん。底に沈んでいる大根に驚きます。カレーに大根。カレー味のおでん。これは、ぜひ自宅でも試してみたいものです。しかも、エリンギとかカブとか、けっこう面白い具材も入っているとは。うまいのは間違いありません。 しかし、この一食で止まらないのがゴローちゃん。 「よし、後半戦はちょっと攻めてみるか」 「あの、トッピングって途中で追加できますか」 「大丈夫ですよ」 「じゃ、温玉をお願いします」 うん、ゴローちゃんもスゴいけど、谷村のなんか精神的に不安定そうな演技もたまりません。いったい、なんなんだ……。 かくて残り三分の一ほどのカレーに投入される温泉卵。徹底的かき混ぜて、まろやかな味をさらに楽しみます。 「おっと、スープの旨さにライスが遅れを取っている」 そう、やはりグッチャグチャにかき混ぜてこそ、カレーは美味いのです。 「よぉし……」 かくて、来ましたあの音楽。 「まさに、今日の俺が出会うべき料理を、俺は食べることができた……」 止まることなく食べ続けるゴローちゃん。 「ああ、うまかった大満足」 と、今日は、このいっぱいでお終い……にはならない。 「あのすみません、メニュー見せてもらえますか?」 目をつけたのはバニラアイスでした。 「こういう店にはおいしいスイーツがあると思ったんだよな」 八角の入った独特のバニラアイスに感動するゴローちゃん。食べすぎることもなく、満足して食を終えたのであります。 今回は、抑えめの演技を繰り出してきたゴローちゃん。谷村演じる店員が、絶妙な奇人感を出していたのが、店にうまくマッチしていたと思います。メシそのものだけでなく、なんだかわからないけど、ただならぬゲストの存在感で、おなかがいっぱいになった第3話でした。 (文=昼間たかし)テレビ東京系『孤独のグルメ Season6』番組サイトより






