フジテレビの“起爆剤”にならず! あまりにも“はやる要素”がなさすぎたBリーグの惨状……

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フジテレビ番組サイトより
 22日にフジテレビ系列で生中継された、男子バスケットボールの新プロリーグ「Bリーグ」の開幕戦「A東京vs琉球」の平均視聴率が5.3%(ビデオリサーチ調べ、関東地区、以下同)だった。  開幕前、NBLとbjリーグの2リーグを統一し、Bリーグを作り上げた川淵三郎エグゼクティブアドバイザーは、メディアの取材に対し、開幕戦の視聴率について「初日の視聴率はとにかく2ケタほしいよ。15%だな。スタートが一番大事なんだ」と話していたが、フタを開けて見ると、最も視聴率が期待できるプライムタイムの放送としては大惨敗。同時間帯では、18年間続いた長寿番組『いきなり!黄金伝説』(テレビ朝日系)の最終回スペシャルが14.9%で有終の美を飾った。 「もともと、フジテレビはBS局でbjリーグの中継に力を入れていた流れで、歴史的な開幕戦を放送することになった。慢性化した視聴率の低迷を一向に打開できないフジだけに、幹部としてはなんとか“起爆剤”的なコンテンツになることを期待。生中継の番組MCにジョン・カビラとカトパンこと加藤綾子アナを投入。応援キャラクターにバスケ経験者の広瀬アリス・すず姉妹を起用して番宣させ、試合前にはE-girlsの藤井萩花・夏恋の姉妹ユニット・ShuuKaRenが、公式テーマソング『Take-A-Shot! feat. PKCZ(R)』を、史上初の全面床面LEDコートでショーアップされた光のパフォーマンスの中で披露したが、結局、E-girlsの所属事務所・LDHに近々CDデビューするShuuKaRenの売り出しにうまく使われただけで、視聴率アップにはまったくつながらなかった」(広告代理店関係者)  ちなみに、93年5月15日に開幕した国内初のプロサッカーリーグ・Jリーグの開幕戦「ヴェルディ川崎 vs 横浜マリノス」はNHKで生中継され、それまでのサッカー中継史上最高視聴率となる32.4%を記録。以後、現在までしっかりと人気が根付き、かつてはアジア予選突破もままならなかったサッカー日本代表は、すっかりW杯の常連国となった。  Jリーグと比べ、Bリーグはあまりにも盛り上がりに欠けてしまったかたちだが、理由はどこにあるのだろうか? 「Jリーグの開幕当時のほうが、全体的にテレビの視聴率が高かったので、同じ土俵で視聴率を比べるわけにはいかないが、一般的にBリーグの知名度がまったくと言っていいほど浸透していなかったのは明らか。Jリーグ開幕時、日本人ではカズやラモスら、すでに日本代表の主力としてある程度、知名度があった選手がそろっており、それに加え、開幕に合わせジーコ、リネカー、リトバルスキーらW杯で活躍したレジェンドプレーヤーを続々と日本に連れてきた。それに比べ、Bリーグは国内を1リーグに統一しないと五輪に出場できなくなったため、いわば応急措置的に統一された新リーグ。NBLは実業団が母体のチーム中心だったが、ろくにテレビ中継もなく選手の知名度はほぼ皆無。一方、bjリーグは演出こそ本場アメリカのNBAに近い感じだったが、主力選手はNBAのレベルに達しない黒人選手たちが中心。おまけに、バスケの男子代表は76年のモントリオール以降、五輪から遠ざかり、Bリーグ開幕前で絶大なPRになるはずだったリオ五輪も予選落ち。まったく日本ではやる要素が見当たらない」(スポーツ紙のベテラン記者)  お笑いコンビ・おぎやはぎの小木博明はパーソナリティーを務めるラジオ番組で、Bリーグについて「はやらない」とバッサリ。Bリーグの関係者と選手には、小木の予想を裏切る結果を目指し、奮起してほしいものだが……。

プロバスケット「Bリーグ」開幕戦で“お祭り騒ぎ”! フジテレビに、バスケへの愛はあったのか?

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フジテレビ公式サイトより
 分裂していた2リーグを統一し、「B.LEAGUE」(Bリーグ)をつくった川淵三郎初代チェアマンは試合前、「15%を狙う」と宣言していた。しかし、結果は5.3%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)。「歴史的開幕」とうたい、フジテレビがゴールデンで勝負をかけたプロバスケットボール・Bリーグ開幕戦の視聴率だ。  この数字は、いちバスケファンとして、いささかショックだった。NHK BSでも同時中継、さらにソフトバンクが運営する「スポナビライブ」でも無料配信されていたとはいえ、さすがにもう少し数字が取れると思っていた。  だが、フジテレビのショックたるや、もっとすさまじいのではないだろうか? この2週間、さまざまな番組を横断して、バスケPR企画を実施。深夜帯では特別番組まで放送して、「プロバスケ開幕」を訴えていたからだ。  まず、8日(木)の『VS嵐』にバスケ日本代表が出演。11日(日)深夜には開幕戦のスペシャルブースターを務める3名を起用した『広瀬アリス・すず・中村雅俊のバスケ愛 一生に一度の歴史的開幕戦』なる特番を放送。17日(土)は早朝から『新・週刊フジテレビ批評』に、Bリーグの大河正明チェアマンが出演。昼には『広瀬アリス&すずの「バスケ、キテるね!」』。18日(日)は初代チェアマン・川淵三郎デー。『ワイドナショー』『劇的スイッチ!』『スポーツLIFE HERO'S』へ、立て続けに出演。18日から21日の深夜帯には、4夜連続で『Bリーグ 元バスケ部美女トークドキュメンタリー』という名のガールズトーク。  19日(月)には『ネプリーグ』と『SMAP×SMAP』で、またまた広瀬姉妹。また、深夜帯には『スポーツジャングル』で、大河チェアマンと五十嵐圭選手が出演。そして、19日から21日にはキスマイ・藤ヶ谷太輔、山本美月、元AKBの川栄李奈らを起用した3夜連続スペシャルドラマ『バスケも恋も、していたい』を放送した。  これ以外にも、『めざましテレビ』『とくダネ!』『ユアタイム』といったニュース・情報番組に、広瀬姉妹や選手たちがコーナー出演。恐らく、ほかにもあったはずだ。  さすがにこれは、節操がなさすぎやしないだろうか? むしろ、視聴者の見る気がうせやしないか、かえって心配になってしまったほどだ。    気になったのは、その「量」だけではない。「質」の部分で、どうにもバスケへの愛情や情熱を感じられる企画が少なかったからだ(もちろん、愛ある企画もあったが、おざなりに「バスケ扱えばいいんでしょ」といったものも少なからずあった)。  たとえば、ハリセンボン近藤春菜、おのののから4名がガールズトークを繰り広げるという『Bリーグ 元バスケ部美女トークドキュメンタリー』。進行は完全に春菜頼みで企画にひねりはなく、最後にはなぜか寸劇が始まる始末。一体、誰に何を訴求したいのかわからなかった。  理念のない番組は、ただの時間泥棒でしかない。結果、番宣にもならなかったのは明らかだ。  開幕中継にも、納得がいかないことは多かった。広瀬姉妹がコートサイドに並び、何度もカメラに抜かれる姿は、どこか往年のK-1中継を見ているようだった。そして、番組MCはジョン・カビラ。“なんだ、サッカーでも始まるのか?”と思った視聴者もいたのではないか(そして、それが狙いだったのではないか)。  サッカーにはないエンタテインメントの魅力を発揮すべく、レーザー光線を駆使した華やかな会場演出や、世界初の全面LEDコートなど、新しい見せ方を創意工夫したBリーグ。ならば、それを伝える側も、従来のスポーツ中継の二番煎じではないもの、バスケットとしての新しい文脈をつくるべきだ。    もし、既存のコンテンツ、それこそ、サッカー番組から学ぶべきことがあるとすれば、セルジオ越後的な辛口批評だったのではないだろうか。  お世辞にも、試合は素晴らしいプレーが多かったとはいえない。パスミスが目立ち、トラベリングも多く、勝利チームにもかかわらず、フリースロー成功率は50%を切っていた。  まだ開幕したばかりとはいえ、プロリーグを標榜するのならば、もっと質の高いプレーを目指してほしい。そのとき、それを伝える側に求められるのは、愛ある批評だ。未来を見据えた論考だ。それがなければ、選手のプレーの質も、リーグの質も向上は望めない。放送のあり方ひとつで、リーグのレベルアップにもつながることを忘れないでほしい。  ……と、ここまで書いて、今後フジテレビでのBリーグ中継予定はなく、NHKとスポナビライブが中心になると気づいた。一回こっきりの放送だとしたら、そりゃ未来を見据えた番組づくりを望むほうが酷なのかもしれない。 (文=オグマナオト)