お初にお目にかかります。ラジオっ子の菅谷直弘といいます。普段は、カカロニというお笑いコンビで活動している世に大勢いる若手芸人の1人です。 このたび、日刊サイゾーにてラジオ番組で特に面白かった回、いわゆる神回について書かせていただくことになりました。 パーソナリティーを務める憧れの先輩に無礼にならないよう、また愛のない単なる書き起こしだなんて思われないよう尊敬とラジオ愛を総動員して書かせていただきます。 第1回は、僕がここ数年で最もドはまりしたラジオ番組『アルコ&ピースのオールナイトニッポンZERO』、13年7月25日放送の企画「夏歌アーティストの乱」について書きたいと思います。 『アルコ&ピースのオールナイトニッポン』は、お笑いコンビ・アルコ&ピース(酒井健太、平子祐希)がパーソナリティーを担当するラジオ番組で3度の特番放送ののち、2部の位置付けといえるZERO枠を経て、14年4月4日からオールナイトニッポン1部の枠に昇格。現在でもファンの多いカルト的人気を誇った伝説の番組です。 この番組の特徴は、放送開始からエンディングまでの時間すべて使って、リスナーを巻き込んだミニコントを展開していくことです。この説明だけではうまく伝わらないですかね? 本来こういった“番組独自のノリ”は、毎週放送しているうちに徐々に形成されていくもので、その流れが生まれた回を紹介すれば説明も簡単なのですが、特番時代からすでに「俺たちは中東から狙われている」とか言っていて、もう説明のしようがありません。聞いたことのない方は、基本度の過ぎた悪ノリが軸のラジオだと思ってください。 そんな番組に、この日、番組史上に残るキラーコンテンツが生まれました。それが「アーティストの乱」です。「春歌アーティストの乱」「夏歌アーティストの乱」など、年4回季節が変わるごとに、アーティスト同士による戦いが幕を開け、結果的に最終回でも放送された番組きっての悪ノリ企画です。 今回扱う「夏歌アーティストの乱」は、夏を彩る流行歌を歌うアーティストで誰がケンカ最強なのかを神奈川全域で戦をして決めている最中だから、リスナーから合戦の様子や途中経過を番組に送ってもらうという内容でした。 企画の説明をした平子さんに、酒井さんは「よくわかんないんですけど」と疑問を投げかけ、平子さんも「俺もよくわかんない」と言っていました。当時、熱心に放送を聞き続けていたきた僕ですら「全然、意味わからねぇ」と思ったほど。 酒井さんの言うところの「信長の野望みたいなこと?」っていうのが、一番わかりやすいんですかね? 誰もよくわかってないまま放送はスタートします。 こんな意味不明なテーマにもかかわらず、番組にはたくさんのメールが送られてきました。 ORENGE RANGEの屍の山に、湘南乃風・RED RICEが立っているという目撃情報をはじめ、HYがZeebraを倒したとか、湘南乃風・HAN-KUNがRIP SLYMEにやられた、はたまた、海老名からツイッターを駆使した情報操作で手を汚さず戦ういきものがかり、など。 番組が中盤に差し掛かると、湘南乃風がさらに大暴れ。Zeebraが倒されたことでエミネムがアメリカから来日するが、いきものがかりのサイバー攻撃で入国できないとか、いきものがかりがガラケーだったばかりに、携帯の料金が24億円請求されるなど、もはやカオスです。 このあたりで、アルコ&ピースの2人は我に返り「今日初めて聞いた人どう思うんだろ?」と憂えるのですが、そもそもこの番組が初めてのリスナーに優しかったことなど一切ないので、例外なくこの後も番組は暴走し続けます。 終盤になっても、血で血を洗う戦いは全く終わりに向かう兆しがなく、風呂敷だけが広がり続けていきます。 これちゃんとオチつくのか、と誰もが思った番組終了直前、法螺貝の音が鳴り響き、平子さんから「夏歌アーティスト最強が決定しました」との宣言がありました。 あるリスナーから送られてきたメール「今、森山直太朗が現れて、“夏の終わり”を宣言しました!」が紹介され、森山直太朗の「夏の終わり」が流れるという、鮮やかな着地を遂げるのです。 悪ノリし、筋を無視したメールをリスナーが送りまくった末、わけわからないところに着地をすることが多いこの番組において、指折りに気持ちのいい結末でした。 その後、オールナイトニッポンの枠の放送は15年3月に終了。15年4月からは、古巣のオールナイトニッポンZERO枠に戻り、今年3月に終了しました。最終回の放送内容は、もちろん「春歌アーティストの乱」。僕たち売れない芸人の間でも語り草になるほど、番組終了を惜しむ声がやみません。 さて、アルコ&ピースの2人は現在、テレビを中心に活躍しています。平子さんは、意識高い系のキャラでプチブレーク。ラジオで披露していた酒井さんのヤバさをテレビで見られるように願いつつ、そして、あの2人とまたいつか“悪ノリ”できることを信じて、何卒! (文=菅谷直弘[カカロニ])ニッポン放送『アルコ&ピースのオールナイトニッポンZERO』番組サイトより
「12841」カテゴリーアーカイブ
悪ノリがすぎる! アルコ&ピースのオールナイトニッポン、伝説の「アーティストの乱」ってナンだ!?
お初にお目にかかります。ラジオっ子の菅谷直弘といいます。普段は、カカロニというお笑いコンビで活動している世に大勢いる若手芸人の1人です。 このたび、日刊サイゾーにてラジオ番組で特に面白かった回、いわゆる神回について書かせていただくことになりました。 パーソナリティーを務める憧れの先輩に無礼にならないよう、また愛のない単なる書き起こしだなんて思われないよう尊敬とラジオ愛を総動員して書かせていただきます。 第1回は、僕がここ数年で最もドはまりしたラジオ番組『アルコ&ピースのオールナイトニッポンZERO』、13年7月25日放送の企画「夏歌アーティストの乱」について書きたいと思います。 『アルコ&ピースのオールナイトニッポン』は、お笑いコンビ・アルコ&ピース(酒井健太、平子祐希)がパーソナリティーを担当するラジオ番組で3度の特番放送ののち、2部の位置付けといえるZERO枠を経て、14年4月4日からオールナイトニッポン1部の枠に昇格。現在でもファンの多いカルト的人気を誇った伝説の番組です。 この番組の特徴は、放送開始からエンディングまでの時間すべて使って、リスナーを巻き込んだミニコントを展開していくことです。この説明だけではうまく伝わらないですかね? 本来こういった“番組独自のノリ”は、毎週放送しているうちに徐々に形成されていくもので、その流れが生まれた回を紹介すれば説明も簡単なのですが、特番時代からすでに「俺たちは中東から狙われている」とか言っていて、もう説明のしようがありません。聞いたことのない方は、基本度の過ぎた悪ノリが軸のラジオだと思ってください。 そんな番組に、この日、番組史上に残るキラーコンテンツが生まれました。それが「アーティストの乱」です。「春歌アーティストの乱」「夏歌アーティストの乱」など、年4回季節が変わるごとに、アーティスト同士による戦いが幕を開け、結果的に最終回でも放送された番組きっての悪ノリ企画です。 今回扱う「夏歌アーティストの乱」は、夏を彩る流行歌を歌うアーティストで誰がケンカ最強なのかを神奈川全域で戦をして決めている最中だから、リスナーから合戦の様子や途中経過を番組に送ってもらうという内容でした。 企画の説明をした平子さんに、酒井さんは「よくわかんないんですけど」と疑問を投げかけ、平子さんも「俺もよくわかんない」と言っていました。当時、熱心に放送を聞き続けていたきた僕ですら「全然、意味わからねぇ」と思ったほど。 酒井さんの言うところの「信長の野望みたいなこと?」っていうのが、一番わかりやすいんですかね? 誰もよくわかってないまま放送はスタートします。 こんな意味不明なテーマにもかかわらず、番組にはたくさんのメールが送られてきました。 ORENGE RANGEの屍の山に、湘南乃風・RED RICEが立っているという目撃情報をはじめ、HYがZeebraを倒したとか、湘南乃風・HAN-KUNがRIP SLYMEにやられた、はたまた、海老名からツイッターを駆使した情報操作で手を汚さず戦ういきものがかり、など。 番組が中盤に差し掛かると、湘南乃風がさらに大暴れ。Zeebraが倒されたことでエミネムがアメリカから来日するが、いきものがかりのサイバー攻撃で入国できないとか、いきものがかりがガラケーだったばかりに、携帯の料金が24億円請求されるなど、もはやカオスです。 このあたりで、アルコ&ピースの2人は我に返り「今日初めて聞いた人どう思うんだろ?」と憂えるのですが、そもそもこの番組が初めてのリスナーに優しかったことなど一切ないので、例外なくこの後も番組は暴走し続けます。 終盤になっても、血で血を洗う戦いは全く終わりに向かう兆しがなく、風呂敷だけが広がり続けていきます。 これちゃんとオチつくのか、と誰もが思った番組終了直前、法螺貝の音が鳴り響き、平子さんから「夏歌アーティスト最強が決定しました」との宣言がありました。 あるリスナーから送られてきたメール「今、森山直太朗が現れて、“夏の終わり”を宣言しました!」が紹介され、森山直太朗の「夏の終わり」が流れるという、鮮やかな着地を遂げるのです。 悪ノリし、筋を無視したメールをリスナーが送りまくった末、わけわからないところに着地をすることが多いこの番組において、指折りに気持ちのいい結末でした。 その後、オールナイトニッポンの枠の放送は15年3月に終了。15年4月からは、古巣のオールナイトニッポンZERO枠に戻り、今年3月に終了しました。最終回の放送内容は、もちろん「春歌アーティストの乱」。僕たち売れない芸人の間でも語り草になるほど、番組終了を惜しむ声がやみません。 さて、アルコ&ピースの2人は現在、テレビを中心に活躍しています。平子さんは、意識高い系のキャラでプチブレーク。ラジオで披露していた酒井さんのヤバさをテレビで見られるように願いつつ、そして、あの2人とまたいつか“悪ノリ”できることを信じて、何卒! (文=菅谷直弘[カカロニ])ニッポン放送『アルコ&ピースのオールナイトニッポンZERO』番組サイトより
