
菅直人
「あれじゃただの反原発活動家だよ……」
民進党として初の国政選挙となる参議院選挙に向けた中で、「獅子身中の虫」として党の心配ごととなっているのが元首相、菅直人氏。党関係者には、菅氏の言動に頭を痛めている者がいるようだ。
6月20日、反原発団体「たんぽぽ舎」が主催する講演に登場した菅氏は、東京電力福島第一原発事故で、「選挙が始まりますが、民進党にもいろいろな議員がいます。原発に本気で反対している人かどうか、しっかりと見極めていただきたい。政党名を書けばいいと思っている人がいると思いますが、本気で原発に反対している人を個人名で入れることが重要なのです」と、党ではなく反原発の候補のみを推すよう頭を下げた。
そもそも、この講演タイトルは「菅直人首相は、浜岡原発を止めた!安倍晋三首相は、いつ川内原発を止めるの?」というもの。反原発派から、首相時代に浜岡原発を止めた点が評価され、会合などに引っ張りだこになっていることに気を良くし、最近はすっかり極端な反原発にシフト。しかし、これは党の方針と合致するものではなく、党関係者を困らせているわけだ。
ちょうどこの時期、東京電力の広瀬直己社長が「メルトダウンの公表が遅れたのは、炉心溶融という言葉を使わないよう社内に指示していた」という社内の一連の隠蔽工作を認め謝罪したが、これについて菅氏はその一部について「でたらめです」と第3者委員会の調査結果も否定。「海水注入を止めろといったのは、私ではなく武黒一郎フェロー(当時の東電副社長)です」などと話した。
さらには、身内である民進党の議員で、電力系会社の労連から推薦を受けている同僚を暗に批判。これを聞いていた党関係者は「党にとって喉に刺さった小骨のようだ」とあきれていた。
「個人的な考えがあるのはいいんですが、一丸となって動くときに身勝手なイデオロギーでかき回されても迷惑なだけ。民進党は2030年までに原発をストップさせる政策を出してはいますが、菅さんはその細かい骨子をすべて吹っ飛ばして身内まで批判しちゃうんですから、立場を忘れた個人の人気取り。こんな無責任な人がいるのはホント、マイナスですよ」(同)
こうした菅氏の言動について民進党に聞いてみると、やはり党側からは「個人的な見解で党と無関係です」と突き放した答えが返ってきた。ある民進党議員も非公式ながら「原発より前に菅直人の暴走を止めないといけない」とまで言っている。
(文=和田修二)