
包丁を持った屋台店主と、こん棒を持った城管が対峙している様子(出典:鳳凰網)
住民と城管による武力衝突が頻発する中国で、城管が屋台店主をこん棒で袋叩きにする動画がネット上に公開され、波紋を広げている(
https://www.youtube.com/watch?v=WBg-1CsOSTU)。
城管とは、違法な屋台や露天商を取り締まる役人のこと。彼らは手荒いことでも知られ、屋台を車で轢いて破壊したり、女性露天商を集団で暴行するなど、市民から恐れられている。
動画が撮影されたのは、四川省宜賓市内の路上だ。
「鳳凰網」(6月2日付)によると、事の発端は無許可の屋台を取り締まるため路上に現れた城管が、屋台店主に対し、店の没収を言い渡したことだったという。この店主は商売道具である屋台を守るため、食材用包丁で城管を威嚇したところ、武力衝突へと発展。現場には応援のため、次々と城管局から職員が増派され、目撃者の証言では複数の城管がこん棒でこの店主を激しく殴りつけていたという。

こん棒で殴られ、倒れた店主
ネット上にアップされた動画には、城管が振り下ろしたこん棒を体に受け、地面に倒れ込む店主を、複数の城管が取り囲んでさらに袋叩きにする様子が捉えられている。
また、この動画の撮影者は、城官から動画を公開しないよう、脅されたという。

倒れた後も、複数の城管に殴る蹴るの暴行を加えられた
行きすぎたリンチのようにも見える今回の事件に、中国版Twitter「微博」にもネットユーザーから多くのコメントが寄せられている。
「これが、城管局がスローガンに掲げている《文明的な取り締まり》ってやつですか? 完全にストレス発散で殴ってるだろ」
「そんなに血気盛んな城管なら、釣魚島(尖閣諸島)にでも行って日本と戦ってこいよ」
などと、城管に批判的な内容がほとんどであるが、一方では、
「まあ、この屋台のおじさんも包丁で威嚇したんなら、どう対処されても文句は言えないだろ。そもそも無許可屋台は違法だし。俺は城管を支持する」
という声もある。
城管の市民への暴力が激化する理由について、広東省地方紙の社会部記者は話す。
「城管のほとんどは臨時職員で給与も安く、寄せ集めの人間で成り立っている。そのため、暴行事件を起こす職員も多い。今年4月には、雲南省昆明市で露天商の一団と城管10名が路上屋台をめぐりトラブルとなり、近くにいた13歳の男児が巻き込まれ、城管にこん棒で殴られる事件も発生している。また昨年12月には、江西省南昌市で城管のパトロール車が13歳の中学生をひき逃げし、城管が逮捕されている。運転していた城管は飲酒運転をしていたとみられている」
城管には「制服を着たチンピラ」というニックネームもあるが、実に言い得て妙である。
(文=広瀬賢)