まるで“枕営業”!? Hey!Say!JUMP・山田涼介『カインとアベル』繰り返される超展開

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フジテレビ系『カインとアベル』番組サイトより
 Hey!Say!JUMP・山田涼介主演のフジテレビ月9『カインとアベル』第4話、視聴率は7.0%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)。前回より0.1ポイントアップですが、依然低調です。  このドラマ、各マスコミでは当初のリリース通り「兄へのコンプレックスと父に認められたいという思いを持った主人公の高田優が、家族や仕事、そして恋する人とのせめぎ合い、葛藤を通じ、本当に大切なものをつかもうとする姿を描く」と紹介されていますが、実際にはまったく逆の展開となっています。山田演じる優くんが、あらゆる問題を“神がかり的”な能力で解決し、マジメに生きてきた兄・隆一(桐谷健太)は弟への嫉妬に狂い、ぶっ壊れていくお話となっているのです。  優くんが勤める高田総合地所は、国内屈指のデベロッパー。父・貴行(高嶋政伸)が社長、兄・隆一は副社長です。  前回まで、優くんはそんな大企業の仕掛けるアウトレットモールのプロジェクトチームで大活躍。有名レストランの誘致、大物建築家への設計依頼、地元自然保護団体との交渉といった無理難題を成功させ、たったひとりで事業を軌道に乗せてしまいました。なぜ優くんがそんなに仕事ができるのかといえば、仕事相手の偉い人たちが、優くんに簡単に籠絡されてしまうからです。優くんがどれだけ失礼な立ち居振る舞いをしても、「おまえ、気に入った!」となってしまうのです。  なぜそんなことになってしまうのか。  たぶん、優くんのつぶらな瞳から人間の目には見えない「籠絡ビーム」みたいなものが出ているんでしょう。もしくは、アレですね。あのー、昔、別に美人でもないし仕切りもできない女性タレントが島田紳助の横でベタベタしながらアシスタントやってたことあったじゃないですか。あーゆう、アレでしょう。枕営業でしょう。顔カワイイし、フェラが超うまいんでしょう。と悪態をついてしまいたくなるくらい、何もかもがうまくいくんだなー。  今回も、そんな優くんの超籠絡パワーが炸裂です。  兄・隆一は、バンコクでの海外事業継続に必要となった100億円の融資を受ける目処が立たず、失踪してしまいます。それを知った優くん、なんと自分で100億円を用立てることを決意するのでした。  そんなとき、都合よく現れたのが謎の投資家クロサワ(竹中直人)でした。父の姉・桃子(南果歩)の婚約者として登場したクロサワは、どう見ても詐欺師のような人物。こうして都合のいい人が都合よく現れるのも、このドラマの特徴となっています。  初対面の場で、優くんはクロサワにいきなり「100億円、用立ててくれませんか?」と申し出ます。クロサワは「ふふっ」と怪しい笑みを浮かべると、「わかった、いいだろう」と投資に応じます。いつも、優くんの仕事はだいたいこんな感じです。  その後、クロサワは隆一の失踪先を訪ね、100億円の融資を確約。隆一は有頂天で会社に戻ってきます。「奇跡を呼び寄せた!」「1人でやってのけた!」「やっぱり俺は持ってる!」と自信を深めた隆一ですが、裏で優くんが手を引いていたことを知りません。それを恋人の梓(倉科カナ)に伝えられると、怒髪天。家に帰って「助けたつもりか……」とか言いながら優くんを殴り飛ばしましたとさ。  かように、山田涼介だけがオイシイ展開となっているわけですが、これ「輝いている山田涼介」を見せるための脚本というより「堕ちていく桐谷健太」をより残酷に、残酷に傷つけるための展開になってきている気がするんですね。で、激しく浮き沈みする桐谷健太が、これまた実に軽薄な人物として描かれていて、「ざまあみろ」的な快感に満ちた演出になっているんです。  この作品、4話までの平均が8%を割り込んでいまして、4月期の“史上最低月9”『ラヴソング』が記録した全話平均8.5%を下回る可能性が高くなってきました。  正直、ビジネスシーンを描いた“お仕事ドラマ”としては見るべきものはありません。真面目に追いかけるには、あまりにファンタジーすぎる。ネット上には真面目に追いかけている方々による「仕事をナメんな!」というご意見が散見されますが、まさにその通りだと思います。  今後、『カインとアベル』を見続けていく視聴者は、キラキラと恋に仕事に駆け回る山田涼介を眺めたい熱心なファンか、桐谷健太がギッタギタに打ちのめされて悶えまくる様子を楽しみたい悪趣味なごく少数か、その2種類しかいないように思うんです。  この2種類の方々には、けっこう深く刺さる作品になっていると思います。実際、わたしも後者的な視点で次回を楽しみに待つひとりです。でも、そんな視聴者、この国に何パーセントいるんでしょうね……。 (文=どらまっ子AKIちゃん)

「禁じ手」か「新境地」か……いきなりフォーマット放棄でミステリー化した『IQ246』はどうなる!?

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TBS系『IQ246~華麗なる事件簿~』番組サイトより
 織田裕二のヘンテコリンなキャラにもすっかり慣れてきたTBS日曜劇場『IQ246~華麗なる事件簿~』は第4話。視聴率は11.7%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と、やや持ち直しました。  IQ246の天才・法門寺沙羅駆(織田裕二)が今回挑む謎は、美人ピアニスト・由里(国仲涼子)による愛人の医者殺しです。  高名な外科医である土門(金田明夫)は、医者を辞めてニューヨークに移住し、愛する女性と再婚してのんびり暮らすことを由里に告げます。  由里は、土門から「今までの分だ」と、けっこうな額の札束を押し付けられますが、当然、納得がいきません。真っ赤な外車で去っていく土門。由里が、なんかちょっとお腹のあたりをさすりながら「納得いかねえわ~」という顔をしていると、例によって「M」から「完全犯罪の方法、教えます。」のメールが届きます。  今回は、その後の人物の動きを見ながら「M」のメールの内容を推測してみます。ちなみに由里は、プロのクラシック奏者でありつつ、音大の先生でもあるようです。殺害現場は高層マンション50階のペントハウスでした。 ・19時になったら、講堂のステージで生徒たちに順番にピアノを弾かせ、自分はモニター室から指示を出せ。 ・最初の一人が弾き始めたら、あとは生徒はみんな緊張してモニター室のことなんか気にしないから、抜け出して土門のマンションへ行け。 ・マンションの防犯カメラは前日の映像と切り替えておく。オートロックの暗証番号は「90211691」だ。部屋に行ってピンポンを押せ(素手でよい)。 ・話があると言って中に入れてもらえ。で、なんかそのへんにあるもので殴れ。 ・死ななかったらナイフで刺せ。 ・殺したら、部屋を荒らして物取りの犯行に見せろ。死体の脇に本を転がして眼鏡をかけさせれば警察は「読書中に襲われた」と思うだろう。あと財布と時計くらい持ち出してね。 ・最後の生徒が弾き終わる20時までに、講堂のモニター室に戻ってね。 ・以上。  ほかにも何かあったかもしれないけど、画面から読めるのはこれくらいの感じでした。こんなの、まったく完全犯罪の計画ではありません。アリバイの成立要件も満たしてないし、前回同様、殺害方法がおおざっぱすぎる。失敗して土門に取り押さえる可能性をまったく考慮してない。  ここまでで、今回も簡単に謎が解けちゃうのかなーと思いましたが、ちょっと違う展開になりました。  土門が、由里に完全にアリバイのある20時まで生きていたことが明らかになったのです。土門は20時に部下に電話し、自分が殺される様子を実況中継していたのでした。  というわけで、「天空の密室殺人」が完成しました。『IQ246』で初めて、視聴者に犯人が伝えられないまま沙羅駆の謎解きパートに入ることになります。  視聴者として、これを展開のバリエーションと取るか、ドラマのフォーマット破りと取るか、『IQ246』は新境地を切り拓いたのか、あるいは禁じ手に落ちたのか、悩ましいところですが、せっかくだから楽しみたいので「新しい展開きた!」「どうなる!?」と心を奮い立たせることにします。  すると、後出しの情報がジャンジャン出てきます。  土門の致命傷は、一度目は浅く、二度目は深く押し込むように、同じところを“二度刺し”されていたものでした。さらに土門は脳腫瘍で、余命半年ほどでした。そして土門と由里は愛人関係ではなく医者と患者であり、さらに実の父娘でした。土門は由里の母親を冷遇し、出世のために理事長の娘と結婚。由里のことも認知していなかったそうです。  由里はそんな父を憎んでいました。母の死に際に「せめてお見舞いに」と土門を訪ねた由里ですが、もみあいになって土門に突き飛ばされ、左手の人差し指を負傷していました。土門は責任を持って治療をしていましたが、外科的な処置をすべて施しても後遺症で指は動かなくなっていました。  土門のマンションの暗証番号「90211691」は、逆にすると「19611209」で、これは由里の母親の誕生日だそうです。  で、娘に刺された土門は、いったん息を吹き返したものの(「M」の計画は、また失敗してる)救急車を呼ばずに部下に電話して声を聞かせながら、背中に刺さったままのナイフに体重をかけて自殺をしていたのでした。娘を殺人犯にしたくないという親心だそうです。  さて、ここまで後出しにされるなら、そりゃ読めるわけないですよ。3話目まではサスペンス劇だった『IQ246』が、4話目でミステリー劇になりました。そうならそうと先に伝えてくれれば、もうちょっと気持ちよく楽しめたかもしれないんですが、サスペンスだと思って見ている側からすれば、まるで「視聴者に謎を読ませない」ことだけを目的として作られたようなお話に見えちゃいます。これが、けっこう不快でした。父娘の愛憎劇そのものは見応えのある雰囲気だっただけに、肩透かしを食らって、振り返ったら肩パンされたような、そんな気分です。  次回から、どうするんでしょう。4話目でフォーマットにブレが生じたことが、なんとか、どうにか、良い方向に転がることを祈りたいです。沙羅駆、執事・賢正(ディーン・フジオカ)、刑事・奏子(土屋太鳳)、観察医・森本(中谷美紀)のキャラクターはいい感じで落ち着いてきたので、できれば楽しく見たいのです。お願いしますよ、TBSさん! (文=どらまっ子AKIちゃん)

聴率急落でも……フジ月9・山田涼介の『カインとアベル』が“正しいアイドルドラマ”になってきた!

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フジテレビ系『カインとアベル』番組サイトより
 Hey!Say!JUMP・山田涼介主演のフジテレビ月9『カインとアベル』は第3話。視聴率は6.9%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)と、前回の8.6%から急落です。6.9%という数字は、4月期『ラヴソング』の6・7話で記録した6.8%に次ぐ低さだそうで。  まぁ、ハロウィンもあったし、視聴者層が渋谷に繰り出していたパリピのみなさんとかぶってたのかな。ちょっとTwitterで反響など検索してみたところ、「録画に失敗した!」という嘆きがポツポツと見つかりました。  さてさて、内容に入る前に、まずは謝らなければなりません。今回、『カインとアベル』が面白いということに気づきました。わたし、完全にドラマを読み違えていました。  公式ホームページにある設定や1話、2話を見たところで、このドラマは『カインとアベル』と言いつつ、ジェームズ・ディーン主演の映画『エデンの東』(1955年)がベースなのだろうなと思っていたんです。完璧超人なのは兄貴の副社長・隆一(桐谷健太)で、嫉妬に狂うのは弟の優くん(山田涼介)だと思ってた。だから前回までの、「兄貴に嫉妬しつつ、なんでも完璧にこなしちゃう優くん」に「それじゃ成立しないだろー」「優くんがこんなに仕事できちゃったら、嫉妬してる設定そのものが破たんするだろー」と思ってたんです。  このドラマ、正しく『カインとアベル』だったんですね。「完璧な弟に対して、嫉妬に狂う兄」というドラマだったんです。兄貴の彼女を弟が奪うという設定とか、もともと『エデンの東』という仮題で企画が進んでいたことも耳に入っていたので、偏見を持って見ていました。挙げ句、そんな誤解のもとに山田涼介のキャリアそのものに対しても、ちょっと言い過ぎなことを言ってしまいました。本当にごめんなさい。  今回、優くんこそが“神に祝福されし仔”であることが、ことさら明確に描かれました。  なんの苦労もなく就職し、なんの実力も示さないまま社運を賭けたアウトレットモールのプロジェクトチームに抜擢された優くんでしたが、第1話の有名レストラン誘致、第2話の大物建築家への設計依頼という難題を神がかり的なラッキー展開で成功させ、すっかり部長・団(木下ほうか)にも気に入られたようです。団は、あらゆる重要な仕事を優くんと梓(倉科カナ)に任せます。梓がここに加わる理由はよくわかりませんが、“神に祝福されし仔に選ばれしマリア”ですので、特に深い理由はないのでしょう。おっぱいが大きくて美人だし、別に文句ないです。  で、今回は、ゼネコンの選定です。チームは競争入札で優秀な点数を叩き出した港区の巨大ゼネコンに依頼したいところでしたが、地元では「白河湖の環境を守ろうの会」という自然保護団体が反対運動をしており、建設を認める条件は「環境がよくわかっている地元の建設会社を使うこと」。ところが、この団体が実は建設会社の回し者で、ドラマ終盤には優くんたちが“本物”と呼ぶ「白河湖の環境を守る会」がいきなり登場し、ニセモノのリーダーが「バレた! やばいやばいやばい! 撤収!」と逃げていく様が描かれました。  このすべての解決を担ったのが、優くんその人。しかも、大して知恵を搾るわけでもなく、成り行きのスーパーラッキーと持ち前の“人たらし”ぶりだけで、だいたいまわりの大人たちが勝手に解決に舵を切ってくれる、まさに“神の仔”展開。スーパースターって、アイドルって、こういう存在なのだろうなと思わせます。そりゃ真面目にコツコツ生きてきた兄貴は嫉妬するしかありませんですよ。このへんは前回、批判的に書いた展開そのまんまなんですが、一度この『カインとアベル』が「輝け! われらがアイドルドラマ!!」なんだと飲み込んでしまえば、けっこう心地よく眺めることができました。  一方、悲惨なのは兄貴の副社長です。バンコクで進めている都市開発は、いつの間にか地元のゼネコンが破たん寸前に陥り、100億円の追加融資が必要に。懇意にしている銀行の頭取にアポを取り付け、土下座せんばかりにお願いしますが、あっさり断られてしまいます。どうやら夜も眠れないみたいで、精神的にも肉体的にも、もうボロボロです。  そんな折、優くんがチーム内で「頑張ってる」「戦力になってる」という報告を受け、嫉妬の感情が爆発! 行方をくらましてしまうのでした。  というわけで、このドラマは山田涼介のキラッキラに輝く振る舞いをまぶしく見守りながら、桐谷健太がいかにズタボロに壊れていくかを楽しむという、けっこう残酷なお話になっていくようです。残酷なお話、嫌いじゃないんですよねー。  ちなみに聖書の『カインとアベル』では、兄貴が弟をブッ殺しちゃいますので。どこまでやるのかな、月9で! (文=どらまっ子AKIちゃん)

聴率急落でも……フジ月9・山田涼介の『カインとアベル』が“正しいアイドルドラマ”になってきた!

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フジテレビ系『カインとアベル』番組サイトより
 Hey!Say!JUMP・山田涼介主演のフジテレビ月9『カインとアベル』は第3話。視聴率は6.9%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)と、前回の8.6%から急落です。6.9%という数字は、4月期『ラヴソング』の6・7話で記録した6.8%に次ぐ低さだそうで。  まぁ、ハロウィンもあったし、視聴者層が渋谷に繰り出していたパリピのみなさんとかぶってたのかな。ちょっとTwitterで反響など検索してみたところ、「録画に失敗した!」という嘆きがポツポツと見つかりました。  さてさて、内容に入る前に、まずは謝らなければなりません。今回、『カインとアベル』が面白いということに気づきました。わたし、完全にドラマを読み違えていました。  公式ホームページにある設定や1話、2話を見たところで、このドラマは『カインとアベル』と言いつつ、ジェームズ・ディーン主演の映画『エデンの東』(1955年)がベースなのだろうなと思っていたんです。完璧超人なのは兄貴の副社長・隆一(桐谷健太)で、嫉妬に狂うのは弟の優くん(山田涼介)だと思ってた。だから前回までの、「兄貴に嫉妬しつつ、なんでも完璧にこなしちゃう優くん」に「それじゃ成立しないだろー」「優くんがこんなに仕事できちゃったら、嫉妬してる設定そのものが破たんするだろー」と思ってたんです。  このドラマ、正しく『カインとアベル』だったんですね。「完璧な弟に対して、嫉妬に狂う兄」というドラマだったんです。兄貴の彼女を弟が奪うという設定とか、もともと『エデンの東』という仮題で企画が進んでいたことも耳に入っていたので、偏見を持って見ていました。挙げ句、そんな誤解のもとに山田涼介のキャリアそのものに対しても、ちょっと言い過ぎなことを言ってしまいました。本当にごめんなさい。  今回、優くんこそが“神に祝福されし仔”であることが、ことさら明確に描かれました。  なんの苦労もなく就職し、なんの実力も示さないまま社運を賭けたアウトレットモールのプロジェクトチームに抜擢された優くんでしたが、第1話の有名レストラン誘致、第2話の大物建築家への設計依頼という難題を神がかり的なラッキー展開で成功させ、すっかり部長・団(木下ほうか)にも気に入られたようです。団は、あらゆる重要な仕事を優くんと梓(倉科カナ)に任せます。梓がここに加わる理由はよくわかりませんが、“神に祝福されし仔に選ばれしマリア”ですので、特に深い理由はないのでしょう。おっぱいが大きくて美人だし、別に文句ないです。  で、今回は、ゼネコンの選定です。チームは競争入札で優秀な点数を叩き出した港区の巨大ゼネコンに依頼したいところでしたが、地元では「白河湖の環境を守ろうの会」という自然保護団体が反対運動をしており、建設を認める条件は「環境がよくわかっている地元の建設会社を使うこと」。ところが、この団体が実は建設会社の回し者で、ドラマ終盤には優くんたちが“本物”と呼ぶ「白河湖の環境を守る会」がいきなり登場し、ニセモノのリーダーが「バレた! やばいやばいやばい! 撤収!」と逃げていく様が描かれました。  このすべての解決を担ったのが、優くんその人。しかも、大して知恵を搾るわけでもなく、成り行きのスーパーラッキーと持ち前の“人たらし”ぶりだけで、だいたいまわりの大人たちが勝手に解決に舵を切ってくれる、まさに“神の仔”展開。スーパースターって、アイドルって、こういう存在なのだろうなと思わせます。そりゃ真面目にコツコツ生きてきた兄貴は嫉妬するしかありませんですよ。このへんは前回、批判的に書いた展開そのまんまなんですが、一度この『カインとアベル』が「輝け! われらがアイドルドラマ!!」なんだと飲み込んでしまえば、けっこう心地よく眺めることができました。  一方、悲惨なのは兄貴の副社長です。バンコクで進めている都市開発は、いつの間にか地元のゼネコンが破たん寸前に陥り、100億円の追加融資が必要に。懇意にしている銀行の頭取にアポを取り付け、土下座せんばかりにお願いしますが、あっさり断られてしまいます。どうやら夜も眠れないみたいで、精神的にも肉体的にも、もうボロボロです。  そんな折、優くんがチーム内で「頑張ってる」「戦力になってる」という報告を受け、嫉妬の感情が爆発! 行方をくらましてしまうのでした。  というわけで、このドラマは山田涼介のキラッキラに輝く振る舞いをまぶしく見守りながら、桐谷健太がいかにズタボロに壊れていくかを楽しむという、けっこう残酷なお話になっていくようです。残酷なお話、嫌いじゃないんですよねー。  ちなみに聖書の『カインとアベル』では、兄貴が弟をブッ殺しちゃいますので。どこまでやるのかな、月9で! (文=どらまっ子AKIちゃん)

そのトリック、茶番なり──! 視聴率急落の『IQ246』謎解き“ショボすぎ”問題が再発で……

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TBS系『IQ246~華麗なる事件簿~』番組サイトより
 TBS系の日曜劇場『IQ246~華麗なる事件簿~』第3話は視聴率10.1%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)。第1話の13.1%、2話の12.4%から下げ続けています。  前回、主人公の沙羅駆(織田裕二)が“ヒマつぶし”で事件捜査に介入していることでストーリーが転がり、にわかにこの作品なりの個性が見え始めていた同作。その調子で「がっかりさせないでほしい!」と書きましたが、結論から言って超がっかりしました。  このドラマの長所と短所はすでに明白で、長所は織田裕二のヘンテコリンさ(あえて長所と言います)とディーン・フジオカのクールなキャラの対比。それに加えて、なんとなく硬派に見える演出や画面の重々しさ、あとは沙羅駆が「逮捕を目的としない」ことによって見せる謎解きの“自由さ”にあると思われました。逮捕が目的じゃないからこそ、追い詰められた犯人側にも「捕まりたくない」以外の心の動きを見せることが期待できたんです。  で、短所はもう「謎」のチープさ。その茶番ぶり。犯人も、それを裏で動かしている「M」なる存在も、まったく頭が切れない。「完全犯罪の方法、教えます。」という謎メールで犯人をそそのかす「M」ですが、ここまで完全犯罪が成立しそうな気配はまるでなく、天才・沙羅駆がわざわざ出てこなくても解決できちゃいそうな事件ばかりが描かれています。全然、難事件じゃないのね。簡単なの。  で、その短所が大いに現れたのが第3話でした。  今回のゲスト殺人者は、法門寺家の執事・賢正(ディーン・フジオカ)と高校時代に仲良しだったというセレブ主婦・滝乃川美晴(観月ありさ)。不動産会社を経営する夫・隆文(高木渉)に浮気されてブチ切れている美晴の元に、「M」から件のメールが届きます。  美晴は「M」の指示に従い、下村(岡田浩暉)という男に金を渡して夫殺しを依頼します。下村は町工場の経営者で、抵当に入っていた工場と土地を隆文に取られて困窮中。状況から見て、世界中でもっとも隆文を殺しそうなバックグラウンドを備えた人物ですが、美晴はなぜか「強盗の仕業に見せかければ、足はつかないはずよ」と下村に告げ、裏口のカギを渡します。  その晩、下村は美晴に言われた通り裏口から侵入し、隆文をグサー! すると下村の後ろから花瓶を振り上げた美晴が現れて、下村の後頭部にガシャーン! 隆文と下村は、ほぼ即死。美晴は割れた花瓶の取っ手を隆文の死体に握らせて、お互いが殺し合ったように偽装工作します。  今回の殺人者による工作は、たったこれだけです。  取っ手の指紋を採れば、隆文が花瓶を振り上げて下村に叩きつけることができないのは明らかだし、下村の後頭部の打痕を調べれば、下村が後方から殴られたことは明らかでしょう。天才・法門寺沙羅駆、今回は出る幕ナシです。警察が全部やるよ、これくらい。  と思ったら、警察は全然調べません。犯罪の再現すら試みないし、未解決なのに現場の保全もしない。美晴さん、すぐお部屋の掃除しちゃう。  で、なんやかんや、まどろっこしいことがあって、最終的に沙羅駆が「この犯罪、醜悪至極なり!」とキメキメで事件解決するわけですが、この殺人計画って捜査が難航するかどうか以前に、成功率が「低すぎ至極」なんですよね。下村は人を刺すのは当然初めてだろうし、美晴だって花瓶で人間の頭をカチ割るのは初めてでしょう。たぶん、そんな簡単じゃないと思うんですよ。失敗する可能性のほうが高いと思う。この2つの殺人が同時に成功しちゃったこと自体が不自然だし、逆にいえば「M」の計画がそれだけ杜撰だってことです。  いや、わかってるんですよ。今回このドラマがやりたかったのは謎解きじゃなくて、ディーン・フジオカ様の過去の恋愛模様や、ディーン・フジオカ様の私服姿、ディーン・フジオカ様の鮮やかな格闘、それにディーン・フジオカ様の男前な忠誠心などなど、ディーン・フジオカ無双な回にしたかったんだってことはわかってる。予告から、そういう回だってことはわかってた。実際、ディーン様はカッコよかった。  でもそれは、『IQ246』というドラマのIQを下げてまでやることだったのかな、という疑問があるんです。『age36~華麗なる執事~』というドラマなら、なんの文句もないんですけど。見ないですけど。 「これ、私が解くに値する事件か?」  沙羅駆さんにとっての不幸は、まだその能力を全開にしなければ解けないほどの本物の難事件に出会っていないことでしょう。次回以降、黒幕「M」と脚本陣の奮起に期待したいところです。 (文=どらまっ子AKIちゃん)

やっぱり視聴率ダウン! 何もかもが“ぬるま湯”すぎる『カインとアベル』の不健全さ

abel1018
フジテレビ系『カインとアベル』番組サイトより
 Hey!Say!JUMP・山田涼介主演のフジテレビ月9『カインとアベル』の第2話。視聴率は8.6%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)と、初回から0.2ポイントダウンです。このままいくと今年4月期の『ラヴソング』が記録した月9全話史上最低の8.4%を更新するかもしれません。  父親の貴行(高嶋政伸)が社長、兄の隆一(桐谷健太)が副社長を務める大手デベロッパーで働く優くん(山田涼介)は、同社が社運を賭けたアウトレットモール建設のプロジェクトチームに参画中。もちろん、実力ではなく兄貴のゴリ押しでチーム入りしたわけですが、前回、有名レストランの招致合戦で、シェフの驚異的な人の良さによって大手柄を上げ、今度はチームの“最優先事項”であるモールの設計を担当することに。社内の設計担当・長谷川さん(小林隆)と、チームの先輩美女・梓(倉科カナ)を連れ立って、大物建築家・神谷仁(竜雷太)のもとを訪れることになりました。  この神谷、実はデベロッパーの会長で優くんの祖父でもある宗一郎(平幹二朗)と旧知の仲。自分の担当者の中に優くんがいることを事前に知ると、宗一郎にわざわざ「俺はいつものやり方でやらせてもらうが、かまわんな」とエクスキューズを入れてきます。宗一郎は「この仕事が終わったら、高田優の印象を教えてくれ」と回答。好々爺2人、孫っ子がかわいくて仕方ないという感じです。  そんなこんなで、事務所に来た3人に対し「わかってると思うが、私は私のやり方でやる」と言い放ち、「トスカーナの石材(すごく高い)を輸入して積め!」と主張する神谷。優くんたちの提案は一切聞き入れてもらえません。  神谷が頑固な建築家だということは有名だそうで、対応を間違って激怒を買い、設計を降りられたゼネコンやデベロッパーはたくさんいるのだそうです。そういう人に依頼するわけですから、ある程度交渉が難航することは予想されているわけですが、チームの部長・団(木下ほうか)は「交渉がうまくできない」という理由で長谷川さんをチームから外してしまいます。最初から優秀なネゴシエイターを参加させればいいのに、と思うし、そもそも社運を賭けたプロジェクトの最優先事項なんだから副社長兄貴が出て行けばいいのに、とも思うけど、兄貴は担当しているバンコクの仕事がトラブってたり、父親に国会議員の娘とのお見合いをセッティングされたりで、それどころじゃないみたい。  長谷川さんが外れ、いよいよ優くんと梓の2人で神谷との交渉にあたることになりました。茶髪の新入社員とギャルパイセンだけで、たぶん現実でいうと丹下健三とか槇文彦とか、そういうクラスの建築家とやり合うことになったわけです。無謀です。  交渉の場で、優くんはつい「神谷先生の名前が必要なんです」と言ってしまいます。設計じゃなく、名前が必要なんだと。はい、当然、神谷先生激怒です。追い返されてしまいます。今まで神谷と折り合わなかったゼネコンやデベロッパーにも、ここまでバカなことを言う担当者はいなかったはずです。  しかし、神谷はその後、驚異的な人の良さを発揮。優くんが神谷の設計した建築の前にたたずんでいると、「そんなに建築に興味があったのか?」と話しかけてきてくれます。興味も何も、優くんは一夜漬けで少し勉強しただけです。それでも優くんが「これが本物だということはわかります!(キリッ)」と褒めたたえると、神谷お爺ちゃん大喜び。「芸術を現すartの語源は……」と、うれしそうに語り出し、再び優くんと梓のために時間を作ってくれることになりました。  優くんはその席で、チームをクビになった長谷川さんが起こしたコストカット版のデザインスケッチを提示。これまた、建築家をものすごくバカにした行動ですが、さらに「トスカーナの石を積めと言われたところに、ガラスを使った」「神谷デザインといえばガラスでしょ」「これでコストを抑えることができます」とまくしたて、挙句の果てにすごいことを言います。 「でも、世界観は神谷仁そのものかと!」  ちょっと建築の雑誌とか薄っぺらい参考書とか読んだだけのクソ坊主に「自分の建築における世界観」をビシッと決めつけられた大物建築家・神谷仁(たぶん現実でいえば丹下健三とか槇文彦とかそういうクラス)でしたが、あろうことかニッコリ。なんと、この仕事を受けてくれることになりました。長谷川さんのスケッチを元に進めるんだそうです。なんということでしょう。  その後、優くんは正式に神谷先生の担当者に任命されました。よっぽど気に入られたようです。そして、長谷川さんは群馬支社に飛ばされることになりました。  あのね、優くんのやることなすこと、すべてうまくいくんですね。金持ちの家に生まれて、就職できなくても兄貴がゴリ押しで日本最大級のデベロッパーに入社させてくれて、主要プロジェクトのチームに参加させてくれて、どんな頑固者も自分の言うとおりに動いてくれる。そんなわけないのに、そうなってくれる。勘違い甚だしい発言の数々も、周りの大人たちが「うんうん、いいよいいよ」と優しく聞いてくれる。優くん本人だけが苦しんだり悩んだりしてるような顔をしているけど、はたから見たらなんの苦労もしてない、身分不相応な立場で、ぬるま湯の中で甘やかされているようにしか見えない。  これ、このドラマそのものにも言えることなんですよね。  どんな不祥事があっても、事務所とテレビ局の関係性の兼ね合いだけで月9の主役をやらせてもらって、自分だけが輝けるナイスなイメージの脚本を与えてもらって、すこぶる達者な脇役の先輩俳優をたくさん揃えてもらって、身分不相応な立場で、ぬるま湯の中で甘やかされているようにしか見えない。山田涼介が。  この居心地の悪さ、ストーリー的にも制作行政的にも、何か不健全なことが着々と行われている感じ、そういうの視聴者にはきっと伝わると思うんですよ。  脇役やゲストはホントにいい役者さんばかりなので、今後も薄目を開けて見続けようと思います。あと、ホントにいい役者さんばかりといえば、宗一郎役の平幹二朗さんが亡くなったそうです。すこぶる元気で、うっとうしいくらいパワフルなお爺ちゃん役だっただけに、とても悲しい報せでした。ご冥福をお祈りします。 (文=どらまっ子AKIちゃん)

突飛な織田裕二が好きになってきた……? “ヒマつぶし”だからおもしろい『IQ246』の可能性

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TBS系『IQ246~華麗なる事件簿~』番組サイトより
 織田裕二が完全にアレな感じの日曜劇場『IQ246~華麗なる事件簿~』(TBS系)は第2回。視聴率は12.4%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)と、初回の13.1%から0.7ポイント下げたものの、堅調に推移しています。  貴族の末裔でIQ246を誇る法門寺沙羅駆(織田裕二)は、今日もヒマをもてあまして蕎麦打ちなどに挑戦しています。  そんな折、世間では不可解な事件が発生中。過去に児童を虐待したり殺害したりして逮捕されたものの、証拠不十分で釈放された人物ばかりが何人も続けて服毒自殺を遂げます。それぞれ、現場となった自室は完全な密室状態。謎が謎を呼ぶ連続自殺事件は、人気マンガ『キルリスト』(『デスノート』みたいなもの)になぞらえ、ワイドショーでも報じられるなど、日本中を巻き込んだ大騒動になっています。法で裁けない悪人の名前をそのリストに書くと、悪魔が自殺に追い込むのだそうです。  すでに自殺者は9人。『キルリスト』のWEBサイトには犠牲者の名前と経歴が記されています。  事件に興味を持った沙羅駆は、その犠牲者の中から3人だけに共通点を見出し、殺人事件だと断定。その見立て通り、この3人から検出された毒物の薬物指紋が一致。完全に同じ毒物によって死んでいることが明らかになり、沙羅駆はさらに、事件に深入りしていきます。 『キルリスト』のサイトでは、次にリストに名前を書かれるべき人物を決める“人気投票”が行われていました。そして、1位になったのは権藤十三という男。10年前、小学生を殺害して逮捕されたものの、釈放された過去のある人物です。  沙羅駆が権藤の家を訪れると、すでに警察が集まっていました。現場となった部屋は、またも密室。そして権藤の体内からも、同じ薬物指紋の毒薬が見つかりました。  この4人を自殺に見せかけて殺したのは、塾講師の前川公平(佐藤隆太)でした。偶然、塾の生徒が権藤に誘拐されそうになったところに遭遇した前川は、なんとかその生徒を助けたものの、権藤を取り逃がしてしまいます。そして、過去にこの権藤に殺された小学生というのが、前川の妹だったのです。  妹の仇に偶然遭遇し、怒りに震える前川のもとに、前回同様「13」からメールが届いていました。「13」はアルファベットの13文字目のことだと前回、沙羅駆が言っていたので、本稿では「M」と呼ぶことにします。 「完全犯罪の方法教えます」  どうやら「M」は、日本中のあらゆるWEBカメラをハッキングし、「完全犯罪」を起こしたそうな人物を見つけてはこのメールを送っているようです。怖い人。  というわけで、このドラマのだいたいの流れが見えてきました。殺人の動機のある人間を「M」が操り、殺人を起こさせる。それを沙羅駆が解決するというパターンのようです。つまり、沙羅駆と「M」の知恵比べですね。「M」は、やっぱりホームズでいうところのモーリアティなんでしょうね。  今回の謎は、前川がどうやって4人を密室の中で殺したか、でした。これは意外に簡単なトリックというか、単に前川が警官の制服を着て部屋を訪れたために、犠牲者たちが疑いもせずカギを開けていたという、かなりショボイ謎解きとなりました。現場マンションの管理人も、防犯カメラでも、このニセ警官が前川であることがわからなかったんだそうです。その理由は、警官の制服を着てたから。  これ、管理人おばちゃんの顔面記憶能力や防犯カメラの性能によっては、バレちゃってたってことなんですね。沙羅駆の謎解き能力以前に、「M」の“完全犯罪”計画がイマイチ頭が悪い感じなんです。前回も書きましたが、どうにも謎解きそのものが『IQ246』っぽくない。『IQ80』くらいでも、力を合わせて捜査すればなんとかなりそうな事件が続きます。  ただ、今回はここからがおもしろかった。沙羅駆は、前川がどうやって密室に侵入したか、までは簡単に解きましたが、どうやって毒薬を飲ませたのかはわかりません。  前川の部屋で、沙羅駆と前川が対峙します。沙羅駆は前川を口車に乗せ、部屋から毒物のビンを発見することに成功。2本のビンが、殺害された妹の写真の後ろに隠されていました。このビンを警察に持ち込めば、4人の犠牲者から検出されたのと同じ薬物指紋が出ることになります。  沙羅駆は、「どうやって飲ませたか教えてくれたら、警察に突き出さない」と取り引きを持ち掛けます。しょせんヒマつぶしなので、沙羅駆にとっては謎を解くことだけが重要で、前川が逮捕されようがされまいが、どちらでもいいことなのでした。  前川は犠牲者たちにナイフを突きつけ「片方は無毒」「どちらかを選べ」「選ばなかった方を、自分が同時に飲む」と告げていたのでした。つまり、毎回、前川自身が命を賭けていたということです。いわく、「最後の一線を自分の力が及ばないところにゆだねることで、自分もまた許されている。正しいことをしてるんだと信じられるんです」と、沙羅駆に語ります。  すると沙羅駆は、「おもしろい、ぜひ私とも勝負していただきたいですねえ」と、例の人を食ったような水谷豊口調で迫ります。 「真実を闇に葬るか白日の下にさらすのか、この勝負で決めましょうか」  2人は場所を波止場の倉庫に移し、向き合います。頭がよすぎてヒマなので、生きることに執着がないという沙羅駆。あっさり片方を選んで、あっさり飲んじゃいます。  沙羅駆は、前川が運命に身を投じているのではなく、目線や表情で相手に毒を飲ませるよう誘導していたことを喝破します。だから、どちらが毒かすぐにわかったのです。 「あなたは正義のつもりでも、殺しの最中に昂揚したんじゃありませんか?」  あとは、それでも毒を飲もうとした前川を執事・賢正(ディーン・フジオカ)が男前にやっつけて一件落着。前川、号泣です。  今回、沙羅駆が“ヒマつぶし”で捜査に介入し「犯人の逮捕を目的としない」という設定が、簡単な謎解きのあとにドラマを展開させました。この第2話で『IQ246』という作品の個性が一気に花開いた感じです。織田裕二の変な演技も、すっかり慣れたというか、むしろ好きになってきました。  また、和藤奏子が本家ワトソンくんばりに間違った推理を連発し、その都度、沙羅駆がバカにしながら訂正していく繰り返しのシーンも見やすかったです。  次回以降、「M」の殺人計画の完成度にこそ不安は残るものの、とっても楽しみな作品になりました。週に1本でも2本でも、楽しみに待てる連ドラがあると人生が豊かになった気がしますね。どうか、がっかりさせないでほしい! また来週! (文=どらまっ子AKIちゃん)

8.8%ショック! 月9初回史上最低視聴率の『カインとアベル』ピンとこない企画の正体とは

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フジテレビ系『カインとアベル』番組サイトより
 連ドラ秋クール、連敗続きの「フジテレビ月9」も満を持してスタートです。タイトルは『カインとアベル』。うーん、ピンときません。聖書を原案にした兄弟のお話だそうですが、ピンとこないですよねえ。あのジェームズ・ディーンの名作映画『エデンの東』(1955年)も、この「カインとアベル」を下敷きにしているそうです。といわれても、ピンとこない。  主演は、今をときめくHey!Say!JUMP・山田涼介くん。こちらも正直、ピンとこない。ピンとこないものだからググってみたところ「乱交」「妊娠」「CM打ち切り」という文字が目に飛び込んできて、ようやくピンときました。例の東スポのアレのあの子ですね。  それにしても、どうしてこんなにピンとこない企画になったんだろうと、不思議に思うんです。山田涼介が主演ということは、明らかにティーン女子向けだと思うんですけど、今どきのティーン女子は、たぶんあんまり聖書とか読んでないし、『エデンの東』も見てないでしょう。ジェームズ・ディーンなんて知らないでしょう。  それでもせめて、タイトルをまんま『エデンの東』にしとけば、「山田涼介が和製ジェームズ・ディーンに!」と告知を打てたところでしょうが、これは比較されるのをジャニーズが嫌がったのかな。いずれにしろ、ピンとこないまま始まった『カインとアベル』は、初回視聴率8.8%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)。月9の初回としては過去最低となりました。やっぱり日本中がピンときてなかったんだと思います。  そんなピンとこない『カインとアベル』で、山田くんは日本を代表するデベロッパー「高田総合地所」社長の次男坊・優くんを演じます。優くんの兄で副社長の隆一には桐谷健太、父で社長の貴行には高嶋政伸が配されています。この父と兄の配役……なんか、ピンとくる!  優くんは、デキる兄貴にコンプレックスを持っている男の子。父の会社でマジメに働いていますが、営業成績はあんまりよくないようです。ところが、兄・隆一副社長の粋な計らい(?)で、新規事業のプロジェクトチームに抜擢されました。明らかなコネ採用ですが、周囲からあんまり反感を買わなかったところを見ると、ジュニアのわりに性格はいいみたいです。  チームは、白樺湖に新しくできるアウトレットモールを受注するためのコンペに出場することになります。目玉はグルメコーナー。いかに有名なレストランを誘致することができるかで勝負が決まるようです。  ほかのメンバーが次々と有名店から仮契約を取ってくる中、優くんと、彼とイイ感じになってる先輩女子・梓(倉科カナ)だけが、自分の担当の店を落とすことができません。といっても、優くんはただ営業力が弱いだけの感じで描かれますが、梓は自らチームに提案した長野・松本の蕎麦の名店に「うちは家族だけでやってるから」「裏山の湧き水がないと、この味が出ないから」と理にかなった事情でお断りされていました。  優くんが担当するピザ屋は、優くんに対して「金の問題じゃない」と言いきっていました。副社長兄貴は「支度金を積め」と提案しますが、ピザ屋の言い分を鵜呑みにした優くんは「あの人は職人だから金じゃ落ちない」と主張。しかし、何度目かの訪問でピザ屋に「支度金をがっぽり持ってくるとかしろよ」と身もフタもない本音をぶつけられてしまいます。  後日、優くんは50万円の支度金を用意してピザ屋を訪れますが、「なめてんのか、二度と来るな」と、なしのつぶて。ショックを受けた優くんは「ピザの味、なんか変わったような気がする」「3年前に中目黒の一号店で食べたときと、何か違う」と捨て台詞を吐き、プロジェクトチームを降りることにしました。  深夜、荷物をまとめている優くんでしたが、梓に「それが弟くんのやり方なの?」「私なら絶対あきらめない」とハッパをかけられ、すぐ翻意。ピザ屋を最初に訪問したとき「図面じゃわかりにくい」と言われたときから考えていたという、モールのジオラマ作りに取り掛かります。  徹夜で、イチャイチャイチャイチャしながらジオラマを作る優くんと梓。「この仕事に人生を賭けてる」と大見得を切った梓は、午前1時30分くらいになると寝てしまいます。で、ひとしきりその寝顔を愛でていた優くんも、すぐ寝ちゃいます。2人とも20代なのに、あんまりタフじゃないみたい。  で、なんだかんだでコンペには勝利。梓は蕎麦屋と、優くんもピザ屋と仮契約を結ぶことができました。  梓は実は副社長兄貴の彼女でしたが、予告などによると今後、優くんが奪うことになるようです。  父・貴行社長は基本的に優くんの仕事ぶりを認めていないようですが、「セオリーなんか、まるで無視」なやり方に、将来性を感じている様子です。  優くんのピザ屋との契約が難航したのは、兄弟間の関係とかは全く関係なく、ただビジネスの進め方が未熟だっただけですし、逆転契約に持ち込めたのは優くんの性根の良さが出た結果でした。  つまり、優くんはあんまり兄貴にコンプレックスを感じる必要がないように見えるんですよね。  原案の聖書の『カインとアベル』は、兄が嫉妬に狂って弟を殺す話でした。このドラマ『カインとアベル』は、弟が兄から彼女を奪う展開になりそうですし、やはりどちらかというと主人公キャルが兄アロンに反感を抱き、アロンの恋人アブラを略奪しようとする『エデンの東』がベースになっているように思えます。  しかし、往年の名評論家・淀川長治をして「あれだけ悲劇的な詩情を匂わせる役者はいない」と評されるほど、美しい顔面に万感の悲しみを湛えていたジェームズ・ディーンほど、山田くんが悲しそうじゃないんですね。イラついてる感じがしない。どちらかというと、恋に仕事に一生懸命で、世間知らずの能天気な坊ちゃんに見える。  そういう坊ちゃんが、『エデンの東』のキャルみたいにマジメで優秀な兄貴を追い詰めて狂わせていく展開になるとすると、なんか「イケメンによる先輩イジメ」みたいな雰囲気になりはしないかと、そういう心配はあります。  あと、全体的に暗いしテンポがないので、視聴率がどんどん下がる心配もあります。がんばってください。 (文=どらまっ子AKIちゃん)

8.8%ショック! 月9初回史上最低視聴率の『カインとアベル』ピンとこない企画の正体とは

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フジテレビ系『カインとアベル』番組サイトより
 連ドラ秋クール、連敗続きの「フジテレビ月9」も満を持してスタートです。タイトルは『カインとアベル』。うーん、ピンときません。聖書を原案にした兄弟のお話だそうですが、ピンとこないですよねえ。あのジェームズ・ディーンの名作映画『エデンの東』(1955年)も、この「カインとアベル」を下敷きにしているそうです。といわれても、ピンとこない。  主演は、今をときめくHey!Say!JUMP・山田涼介くん。こちらも正直、ピンとこない。ピンとこないものだからググってみたところ「乱交」「妊娠」「CM打ち切り」という文字が目に飛び込んできて、ようやくピンときました。例の東スポのアレのあの子ですね。  それにしても、どうしてこんなにピンとこない企画になったんだろうと、不思議に思うんです。山田涼介が主演ということは、明らかにティーン女子向けだと思うんですけど、今どきのティーン女子は、たぶんあんまり聖書とか読んでないし、『エデンの東』も見てないでしょう。ジェームズ・ディーンなんて知らないでしょう。  それでもせめて、タイトルをまんま『エデンの東』にしとけば、「山田涼介が和製ジェームズ・ディーンに!」と告知を打てたところでしょうが、これは比較されるのをジャニーズが嫌がったのかな。いずれにしろ、ピンとこないまま始まった『カインとアベル』は、初回視聴率8.8%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)。月9の初回としては過去最低となりました。やっぱり日本中がピンときてなかったんだと思います。  そんなピンとこない『カインとアベル』で、山田くんは日本を代表するデベロッパー「高田総合地所」社長の次男坊・優くんを演じます。優くんの兄で副社長の隆一には桐谷健太、父で社長の貴行には高嶋政伸が配されています。この父と兄の配役……なんか、ピンとくる!  優くんは、デキる兄貴にコンプレックスを持っている男の子。父の会社でマジメに働いていますが、営業成績はあんまりよくないようです。ところが、兄・隆一副社長の粋な計らい(?)で、新規事業のプロジェクトチームに抜擢されました。明らかなコネ採用ですが、周囲からあんまり反感を買わなかったところを見ると、ジュニアのわりに性格はいいみたいです。  チームは、白樺湖に新しくできるアウトレットモールを受注するためのコンペに出場することになります。目玉はグルメコーナー。いかに有名なレストランを誘致することができるかで勝負が決まるようです。  ほかのメンバーが次々と有名店から仮契約を取ってくる中、優くんと、彼とイイ感じになってる先輩女子・梓(倉科カナ)だけが、自分の担当の店を落とすことができません。といっても、優くんはただ営業力が弱いだけの感じで描かれますが、梓は自らチームに提案した長野・松本の蕎麦の名店に「うちは家族だけでやってるから」「裏山の湧き水がないと、この味が出ないから」と理にかなった事情でお断りされていました。  優くんが担当するピザ屋は、優くんに対して「金の問題じゃない」と言いきっていました。副社長兄貴は「支度金を積め」と提案しますが、ピザ屋の言い分を鵜呑みにした優くんは「あの人は職人だから金じゃ落ちない」と主張。しかし、何度目かの訪問でピザ屋に「支度金をがっぽり持ってくるとかしろよ」と身もフタもない本音をぶつけられてしまいます。  後日、優くんは50万円の支度金を用意してピザ屋を訪れますが、「なめてんのか、二度と来るな」と、なしのつぶて。ショックを受けた優くんは「ピザの味、なんか変わったような気がする」「3年前に中目黒の一号店で食べたときと、何か違う」と捨て台詞を吐き、プロジェクトチームを降りることにしました。  深夜、荷物をまとめている優くんでしたが、梓に「それが弟くんのやり方なの?」「私なら絶対あきらめない」とハッパをかけられ、すぐ翻意。ピザ屋を最初に訪問したとき「図面じゃわかりにくい」と言われたときから考えていたという、モールのジオラマ作りに取り掛かります。  徹夜で、イチャイチャイチャイチャしながらジオラマを作る優くんと梓。「この仕事に人生を賭けてる」と大見得を切った梓は、午前1時30分くらいになると寝てしまいます。で、ひとしきりその寝顔を愛でていた優くんも、すぐ寝ちゃいます。2人とも20代なのに、あんまりタフじゃないみたい。  で、なんだかんだでコンペには勝利。梓は蕎麦屋と、優くんもピザ屋と仮契約を結ぶことができました。  梓は実は副社長兄貴の彼女でしたが、予告などによると今後、優くんが奪うことになるようです。  父・貴行社長は基本的に優くんの仕事ぶりを認めていないようですが、「セオリーなんか、まるで無視」なやり方に、将来性を感じている様子です。  優くんのピザ屋との契約が難航したのは、兄弟間の関係とかは全く関係なく、ただビジネスの進め方が未熟だっただけですし、逆転契約に持ち込めたのは優くんの性根の良さが出た結果でした。  つまり、優くんはあんまり兄貴にコンプレックスを感じる必要がないように見えるんですよね。  原案の聖書の『カインとアベル』は、兄が嫉妬に狂って弟を殺す話でした。このドラマ『カインとアベル』は、弟が兄から彼女を奪う展開になりそうですし、やはりどちらかというと主人公キャルが兄アロンに反感を抱き、アロンの恋人アブラを略奪しようとする『エデンの東』がベースになっているように思えます。  しかし、往年の名評論家・淀川長治をして「あれだけ悲劇的な詩情を匂わせる役者はいない」と評されるほど、美しい顔面に万感の悲しみを湛えていたジェームズ・ディーンほど、山田くんが悲しそうじゃないんですね。イラついてる感じがしない。どちらかというと、恋に仕事に一生懸命で、世間知らずの能天気な坊ちゃんに見える。  そういう坊ちゃんが、『エデンの東』のキャルみたいにマジメで優秀な兄貴を追い詰めて狂わせていく展開になるとすると、なんか「イケメンによる先輩イジメ」みたいな雰囲気になりはしないかと、そういう心配はあります。  あと、全体的に暗いしテンポがないので、視聴率がどんどん下がる心配もあります。がんばってください。 (文=どらまっ子AKIちゃん)

織田裕二の奇怪なキャラはとりあえず置いといて……『IQ246』推理劇としての“爽快感のなさ”

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日曜劇場『IQ246~華麗なる事件簿~』(TBS)より
 予告編公開のころから、よくも悪くも「なんだこの織田裕二は!?」と話題を呼んでいた日曜劇場『IQ246~華麗なる事件簿~』(TBS系)がスタートしました。初回視聴率は13.1%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と好発進です。  織田さん演じる主人公の名前は法門寺沙羅駆(ほうもんじ・しゃらく)、シャラク・ホーモンジ、シャーロック・ホームズですね。相棒の土屋太鳳さんが和藤奏子(わとう・そうこ)、つまりワトソンくんですから、このドラマが目指すところは非常にわかりやすいです。事件があって、犯人は視聴者に提示されていて、頭の切れる主人公が謎を解いて犯人を追いつめる。そういう話です。オープニング映像も、どことなく同じホームズリスペクト作品『古畑任三郎』(フジテレビ系)っぽい感じ。  第1話のゲスト犯罪者に石黒賢を持ってきたところをみても、ターゲットは『振り返れば奴がいる』(フジテレビ系/1993年)を知っている世代くらいなのかもしれません。このへんも、なんだか三谷幸喜にド正面から挑戦状を叩きつけているようで、志の高さを感じます(『古畑』『振り返れば』の脚本は共に三谷幸喜)。途中、「振り返っても奴はいない!」というパロディセリフも出てきます。  それにしてもまず目に付くのは、織田裕二の奇怪なキャラクターです。セレブどころか「貴族の末裔」という設定なのに、日焼けサロンに行きすぎたのか顔面は真っ黒しわくちゃですし、『相棒』の水谷豊みたいなしゃべり方もすごく変です。ですが、これは慣れもあると思うので、とりあえず置いておきます。  さらに、警視庁捜査一課の刑事である奏子が“お目付け役”として「余計なことをしないように」見張っているという設定も、そのくせ沙羅駆が事件現場にズカズカ侵入してくる矛盾も、そもそも「なんでコイツのまわりでいつも殺人事件が起こるの?」問題も、とりあえず置いておきましょう。  この手のドラマは、端的に言って“謎解き”の面白さが勝負だと思うんです。なので、謎解きさえ面白ければ、だいたいのことは許せちゃう。  今回の事件のとっかかりは、沙羅駆さんの旧知の奥さまの家から、雇われの寿司職人が消えたこと。聞けば、この桜庭という家の奥さんは人使いが荒いのだそう。状況的に見て、どうやら寿司職人の夜逃げっぽい感じでしたが、沙羅駆はこれを殺人事件と喝破。ひとつひとつ事実を積み上げて断定していく様子は、もちろん既視感こそありますが、やはり推理ドラマ的な喜びに満ちていて楽しいです。ついでにお手伝いさんと秘書の不倫関係まで暴いてしまうあたりも、沙羅駆の“天才”ゆえの心づかいのなさが表れていて好印象。キャラクターに好き嫌いはあると思うけど、キャラクターを描こうという意図はしっかり感じられます。  で、その桜庭の夫が経営する服飾業者のCMを担当するクリエイティブディレクターが、今回の本丸でした。早乙女(石黒賢)はCM業界でブイブイいわせているスタークリエイターでしたが、実はそのアイディアのほとんどは部下の女性によるもの。その部下とは不倫関係だったこともあり、いろいろこじれて「全部、私の作品だったことを暴露する」と宣言され、殺害を決意します。  早乙女が部下殺しに至ったのは、“誰か”による「完全犯罪の方法、教えます」というメールがきっかけでした。  このメールにたぶん書いてあったのでしょう、早乙女は部下の首を絞めて殺すと、その腕時計を進めたり、協力者に事務所に侵入させたりしてアリバイ工作をします。  この協力者、実は桜庭家に出入りしている花屋さんで、寿司職人を殺害した張本人でした。早乙女は、花屋さんが寿司職人を殺したことを知っていて、その秘密を守る条件として部下殺しに協力させたんですね。最終的に早乙女は、この花屋さんも殺すことにします。  早乙女が花屋さんを殺害しようとしていることを察した沙羅駆は、奏子に花屋さんの身替りを命じ、おとり捜査に。殺しにきたところを確保! なのかと思ったら、奏子さん普通に首を絞められて倒れます。沙羅駆はその一部始終を、本物の花屋さんと一緒に隠しカメラでモニタリングしていたのでした。おとりの捜査員が実際に首を絞められて倒れるドラマなんて、初めて見ましたよ。奏子さん無事でしたけど、怒ってました。  とはいえ、映像で証拠を押さえたので、あとは沙羅駆さんのひとり舞台。ズバババっと早乙女を追い詰め、「この犯罪、醜悪至極なり!」の決め台詞で一件落着となりました。  先に、謎解きが面白ければだいたい許せちゃうと書きましたが、第1話を見た限りでは、あんまり許せちゃわなかったというのが正直なところ。まず、先に触れた奏子の首絞めのくだりが“天才の計略”っぽくない。『IQ246』というからには、私たちの想像の遥か上をいく天才っぷりを見せてほしいところで、思考についてのハードルは激高ですので、突っ込みどころはできる限り潰してほしいところ。  それと、アリバイ工作の前提としての花屋の寿司職人殺しについて、動機も殺害の手際もさらっとしか説明されないので、本丸・早乙女が“有能な殺人者”に見えないんですよね。「完全犯罪の方法、教えます」のメールに、どこまで緻密な殺害計画が記されていたのか、よくわからない。今回、沙羅駆が事件を解決できたのは謎を解いたというより、早乙女の立ち振る舞いが杜撰だったことのほうが大きな原因に見える。ゆえに、主人公が頭脳で事件を解決したという爽快感に乏しい。  そして何より、犯人に魅力がないんです。 『古畑』が、あそこまでヒットしたのって、たぶんそういうところなんだろうなと思うんですよね。木村拓哉が観覧車を爆破しようとした動機、沢口靖子が部屋の扉を締め切らなかった理由などなど、単に事件のトリックを解くだけでなく、犯人の行動にいちいちパーソナルな裏付けを付与して、殺人に至るまでの人生を浮き彫りにしようとする意図があったと思うんです。 『IQ246』の沙羅駆の決め台詞が、今後も「この犯罪、醜悪至極なり!」だとすると、犯人はみんな醜悪なだけの人間ということになるので、あんまりこのへんは期待できないかな。謎をこねる、という作業をドラマの真っ芯に置くとなると、それこそ世界中でオマージュ作品が作られてきているわけで、ハードルの高さは尋常じゃないですが……。  とはいえ、おそらく今後も事件の裏で手を引いていきそうな「M」なるメール主の存在も示唆されました。「M」が本家『ホームズ』のモリアーティ教授にあたる人物だとすれば、そして死体マニアの観察医・森本(中谷美紀)が「M」だったら……と、けっこう楽しみな要素は提示されていましたよ。というわけで、また次回! (文=どらまっ子AKIちゃん)