日曜劇場『IQ246~華麗なる事件簿~』(TBS系)は第8話。SMAPの稲垣吾郎メンバーがゲスト出演したこともあって、視聴率は前回の10.0%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)から0.3ポイントアップの10.3%となりました。稲垣メンバーの持っている数字が0.3ということでしょうか。来年以降、メンバーじゃなくなる吾郎ちゃんは大丈夫なんでしょうか。 さて、泣く子も黙る“ドラマのTBS”が、「IQ246の天才・法門寺沙羅駆が難事件を膨大な知識と鮮やかな推理で解決する本格ミステリー」であり、「大人も楽しめる上質のミステリー」として放送している『IQ246』ですが、その評判は総じて「脚本がヒドイ」というもののようです。実際ここまで、謎解きや知能戦については「本格」「上質」とは、とても言えないような穴だらけのトリックをゴクゴクと飲まされて、このレビューでも、さんざん悲鳴を上げてまいりました。 で、今回。今までとの大きな違いは、主人公・沙羅駆(織田裕二)が殺人事件の濡れ衣を着せられて捕まってしまったこと。これにより、倒叙ではなく純然たる“犯人探し”のミステリー形式になりました。 この、沙羅駆が捕まるくだりも、令状もなしに急に法門寺邸に刑事が踏み込んできて任意同行を求め、いつの間にか拘置所で寝泊まりしているという恐るべき“いい加減さ”で描かれますが、もういいです。奏子(土屋太鳳)のパソコンがハッキングされて捜査報告書が流出したときに、画面に「holmonji_report.exeは、悪意あるユーザーにより攻撃されています」とか、ものすごいバカ文面が出ちゃってるけど(.exeって!)、いいんです。今回はそういうことを書きたいわけではなく。 結論から言って、今回の『IQ246』は、おもしろかったんです。もちろん、急に事件が魅力的になったわけではないし、その推理はあいかわらず、偶然と後出しと強引な飛躍に頼っただけの、お粗末なものでした。 それでも、身柄を拘束された沙羅駆の指示を受けながら捜査に奔走する奏子と執事・賢正(ディーン・フジオカ)の関係性に重きを置いた今回は、とっても見やすかったし、楽しかったんです。 要するに、得手不得手の問題なんですよね。3人体制で臨んだ今回の『IQ246』脚本家陣は、確かに「気持ちよく事件を解決させる」というロジカルな快感に、あまり力を注ぐタイプではなかった。その反面、沙羅駆と奏子の断絶とか、賢正の忠誠心とか、そういう浪花節的な人物描写は丁寧に積み重ねてきてたんですね。今回、沙羅駆が奏子を認める段になって初めて気付くんです。「ああー、わりと丁寧に積み重ねてきてたな」と。気付いて、ちょっと感動して、気持ちよくなる。今回のラスト、初めて奏子の名前を呼んだ沙羅駆を、なんだか好きになる。土屋太鳳のプリケツも愛らしく思えてくる。 実に、悩ましい作品だと思いますよ。細かいトリックの穴に目をつぶろうと思ったら、前回の「沙羅駆は殺人が起こることを全部知っていて放置していた問題」のような許しがたい大穴を開けてきますし、今回も「マリアTは森本(中谷美紀)でした!」と断言したはずのドラマが、平気な顔して「マリアT(メールの送り主)は他にいる!」とか言ってくるんだもん。見ている側が、ドラマから「いいから飲み込めよ」と強要される矛盾や手落ちの容量がデカすぎて、気を抜くとイライラしてきちゃう。でも、織田裕二もディーンも太鳳ちゃんも、回を追うごとにどんどん魅力的になってくる。 身もフタもないこと言っちゃえば、人物配置設定もろもろこのままで「シーズン2」やってほしいなと思うんです。事件をね、もっと洋邦の諸先輩作品からのモロパクでもいいから、それなりに時間をかけて練ったものを作ってもらいたいと思う。そしたら、もしかしたら劇場版が作られるような名ドラマになるかもしれないと思う。 あと2話ですかね。こんなにアンバランスなドラマってあんまり見たことないですけど、もう推理の完成度については、完全にあきらめました。奇矯な人物たちの心温まる群像劇としての『IQ246』に期待したいと思います。 (文=どらまっ子AKIちゃん)TBS系『IQ246~華麗なる事件簿~』番組サイトより
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月9史上最低視聴率ドラマ『カインとアベル』が“挽回”するために必要なこととは
このところ、弟・優くん(山田涼介)への嫉妬に悶える兄・隆一(桐谷健太)の「のたうち顔」だけが見どころとなっていたフジテレビ月9『カインとアベル』は第7話。そんな見どころだけで視聴率を稼げるわけもなく、数字は前週から0.2ポイント下げて8.8%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)となりました。月9史上最低視聴率ドラマになることが濃厚となっております。 今回はそんな隆一の「ギギギ成分」が少な目だったので、フツーにストーリーを振り返ってみたいと思います。 アメリカの有名ホテルチェーン「ドレイモンド」と新規リゾートを共同開発するプロジェクトのリーダーを任されることになった高田総合地所の次男坊・優くんは、今日も元気にお仕事中。ドレイモンドのボス・スティーブンを建設候補地に呼んで、社運を賭けた交渉を一手に引き受けることになりました。 聞けば、このホテル予定地は東京から2時間の好立地。43ヘクタールの土地に27室のスイートを構え、全室に天然温泉かけ流しの露天風呂を備えるそうです。集客の目算は年間20万人とか。単純に、20万人を集客するとなると1日548人の計算となり、その人数を27室に振り分けると約20人。仮に年間客室稼働率を100%としても(ありえない)、スイート1室に毎日20人ずつが宿泊することになります。修学旅行かな? しかも、まだ舗装道路も通じていない未開の断崖にですよ……。 でも、そんな無茶な計画も、優くんなら、優くんなら……きっとなんとかしてくれる! そう思わせるだけのカリスマ性というか、ファンタジー性をイヤというほど見せつけてくるのが、このドラマです。 今回の交渉の要点は2つ。 まず、この土地で共同開発をやるのかどうかをスティーブンに納得させること。それと、ドレイモンドの取り分を総売り上げの20%に抑えることでした。「総売り上げの20%」って、なんだかモノポリーみたいに簡素な契約内容ですが、お互いが了承すれば、まあいいんでしょう。 交渉内容は、ホテルのブランディングから支配人はじめスタッフの派遣、デザインなどを含め、すべてドレイモンドが担うということになっていましたが、優くんは予定地にベッドを置いてスティーブンに「ここに寝ころべ」と指示。さらに「風が通るから壁は作らない、全部ガラスで、障子みたいに開け閉めできるようにする」と、前夜に考えたオリジナルの設計案を披露します。すると、スティーブンが感動。場所については、さくっとOKもらえました。 続いて、取り分の交渉です。この日に先んじて、優くんは父・貴行社長(高嶋政伸)から交渉のテクニックを教えてもらっていました。いわく「相手は30%って言ってくるから、こっちは最初に15%って言って、そしたら相手は20%まで下げてくるから、そこで手を打って」と。そんなにうまくいくかいな、と思っていましたが、またも優くんの神通力が発揮されます。 社長の言うとおり「30%」を要求したスティーブンでしたが、優くんが「15%」と返すと、自動的に「25%……」と言い出しました。さらに優くんが睨みをきかせると、「20%……」と、ものの十数秒で妥結ラインに到達。全盛期の天才棋士・羽生善治は“羽生睨み”をきかせるだけで相手のミスを誘ったといいますが、“優睨み”はそれ以上の効力を発揮するようです。何しろ、自動的に下がるんですから。 しかし優くん、ここで社長からの言いつけを無視し「15%、ノーモア!」宣言。交渉は決裂しましたが、後にスティーブンが高田の本社を訪れ「やっぱり15%でいいよ」と、もはや驚きませんけど、なんだか見ていて恥ずかしくなるような展開でした。 ちなみに優くんが「15%」を譲らなかったのは、「チームのみんなが汗をかいて頑張ってくれたから」。頑張ってプレゼン映像を作ったり、開発許可を取ったり、資料を完璧に作ったりしたから、「報われるべき」だと思ったんだそうです。「トータルで考えて、それ以上渡す必要はない」とか「5%の差が高田の未来を作っていく」とか、急にトータルで考え始めた優くん。つい前日まで、ホテル近辺にヘリポートがあるかどうかも知らなくて梓さん(倉科カナ)にフォローされてた人とは思えません。 と、いつも通り、山田涼介に対してだけ甘々な『カインとアベル』でしたが、今回は山田くんのアップショットが多く、その美しい顔面だけで画面が「もつ」シーンも多々あったんですよね。ラストショット、役員に抜擢された優くんが隆一に無視され、何か覚悟を決めたようなおっかない顔をしていたシーンなど、なかなか迫力と説得力のあるカットだったと思います。 さて、ドラマも中盤を過ぎ、優くんのステータスは上がるところまで上がりきりました。ようやく、ジェットコースターの頂点にたどりついたといったところでしょう。ここまでジリジリジリジリとクソ甘いダラダラ展開で上昇させた優くんを、このドラマはどこまで、どう落とすのか。どう汚すのか。そして原典の『カインとアベル』になぞらえるなら、どう殺すのか。ジャニーズアイドルを相手に、フジテレビ月9は、どこまでやれるのか。 今後、制作側が試されるのはストーリーの展開力や演出のケレン味といった表面的なところでなく、胆力のようなものなのかもしれません。まだまだ、挽回もあると思いますよ。 (文=どらまっ子AKIちゃん)フジテレビ系『カインとアベル』番組サイトより
月9史上最低視聴率ドラマ『カインとアベル』が“挽回”するために必要なこととは
このところ、弟・優くん(山田涼介)への嫉妬に悶える兄・隆一(桐谷健太)の「のたうち顔」だけが見どころとなっていたフジテレビ月9『カインとアベル』は第7話。そんな見どころだけで視聴率を稼げるわけもなく、数字は前週から0.2ポイント下げて8.8%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)となりました。月9史上最低視聴率ドラマになることが濃厚となっております。 今回はそんな隆一の「ギギギ成分」が少な目だったので、フツーにストーリーを振り返ってみたいと思います。 アメリカの有名ホテルチェーン「ドレイモンド」と新規リゾートを共同開発するプロジェクトのリーダーを任されることになった高田総合地所の次男坊・優くんは、今日も元気にお仕事中。ドレイモンドのボス・スティーブンを建設候補地に呼んで、社運を賭けた交渉を一手に引き受けることになりました。 聞けば、このホテル予定地は東京から2時間の好立地。43ヘクタールの土地に27室のスイートを構え、全室に天然温泉かけ流しの露天風呂を備えるそうです。集客の目算は年間20万人とか。単純に、20万人を集客するとなると1日548人の計算となり、その人数を27室に振り分けると約20人。仮に年間客室稼働率を100%としても(ありえない)、スイート1室に毎日20人ずつが宿泊することになります。修学旅行かな? しかも、まだ舗装道路も通じていない未開の断崖にですよ……。 でも、そんな無茶な計画も、優くんなら、優くんなら……きっとなんとかしてくれる! そう思わせるだけのカリスマ性というか、ファンタジー性をイヤというほど見せつけてくるのが、このドラマです。 今回の交渉の要点は2つ。 まず、この土地で共同開発をやるのかどうかをスティーブンに納得させること。それと、ドレイモンドの取り分を総売り上げの20%に抑えることでした。「総売り上げの20%」って、なんだかモノポリーみたいに簡素な契約内容ですが、お互いが了承すれば、まあいいんでしょう。 交渉内容は、ホテルのブランディングから支配人はじめスタッフの派遣、デザインなどを含め、すべてドレイモンドが担うということになっていましたが、優くんは予定地にベッドを置いてスティーブンに「ここに寝ころべ」と指示。さらに「風が通るから壁は作らない、全部ガラスで、障子みたいに開け閉めできるようにする」と、前夜に考えたオリジナルの設計案を披露します。すると、スティーブンが感動。場所については、さくっとOKもらえました。 続いて、取り分の交渉です。この日に先んじて、優くんは父・貴行社長(高嶋政伸)から交渉のテクニックを教えてもらっていました。いわく「相手は30%って言ってくるから、こっちは最初に15%って言って、そしたら相手は20%まで下げてくるから、そこで手を打って」と。そんなにうまくいくかいな、と思っていましたが、またも優くんの神通力が発揮されます。 社長の言うとおり「30%」を要求したスティーブンでしたが、優くんが「15%」と返すと、自動的に「25%……」と言い出しました。さらに優くんが睨みをきかせると、「20%……」と、ものの十数秒で妥結ラインに到達。全盛期の天才棋士・羽生善治は“羽生睨み”をきかせるだけで相手のミスを誘ったといいますが、“優睨み”はそれ以上の効力を発揮するようです。何しろ、自動的に下がるんですから。 しかし優くん、ここで社長からの言いつけを無視し「15%、ノーモア!」宣言。交渉は決裂しましたが、後にスティーブンが高田の本社を訪れ「やっぱり15%でいいよ」と、もはや驚きませんけど、なんだか見ていて恥ずかしくなるような展開でした。 ちなみに優くんが「15%」を譲らなかったのは、「チームのみんなが汗をかいて頑張ってくれたから」。頑張ってプレゼン映像を作ったり、開発許可を取ったり、資料を完璧に作ったりしたから、「報われるべき」だと思ったんだそうです。「トータルで考えて、それ以上渡す必要はない」とか「5%の差が高田の未来を作っていく」とか、急にトータルで考え始めた優くん。つい前日まで、ホテル近辺にヘリポートがあるかどうかも知らなくて梓さん(倉科カナ)にフォローされてた人とは思えません。 と、いつも通り、山田涼介に対してだけ甘々な『カインとアベル』でしたが、今回は山田くんのアップショットが多く、その美しい顔面だけで画面が「もつ」シーンも多々あったんですよね。ラストショット、役員に抜擢された優くんが隆一に無視され、何か覚悟を決めたようなおっかない顔をしていたシーンなど、なかなか迫力と説得力のあるカットだったと思います。 さて、ドラマも中盤を過ぎ、優くんのステータスは上がるところまで上がりきりました。ようやく、ジェットコースターの頂点にたどりついたといったところでしょう。ここまでジリジリジリジリとクソ甘いダラダラ展開で上昇させた優くんを、このドラマはどこまで、どう落とすのか。どう汚すのか。そして原典の『カインとアベル』になぞらえるなら、どう殺すのか。ジャニーズアイドルを相手に、フジテレビ月9は、どこまでやれるのか。 今後、制作側が試されるのはストーリーの展開力や演出のケレン味といった表面的なところでなく、胆力のようなものなのかもしれません。まだまだ、挽回もあると思いますよ。 (文=どらまっ子AKIちゃん)フジテレビ系『カインとアベル』番組サイトより
本当に“醜悪至極”なのは誰だ? 楽しさを失った『IQ246~華麗なる事件簿~』を見続けるのが、もうキツイ
日曜劇場『IQ246~華麗なる事件簿~』(TBS系)は、佳境となる第7話を迎えました。視聴率も10.0%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と、依然2ケタキープ。それなりに好調のように見えますが、このまま追いかけるのが「そろそろキツイ」というのが正直なところです。 まず、ここにきて主役である法門寺沙羅駆(織田裕二)のキャラ芝居が、だいぶおとなしくなってしまいました。思えばこのドラマが発表された際、あまりに素っ頓狂なしゃべり方だった織田裕二に「『相棒』の水谷豊のパクリじゃねーか!」などと盛り上がったのが懐かしいです。もうね、完全にフツーですよ。フツーの織田裕二。顔が黒いだけ。ここまで織田裕二が完全におかしかったので、細かいカット割やしつこく挟み込まれる小ネタが緩和されていましたが、今回、そのうるささがすごく目立ちました。 また、当初からさんざん引っ張ってきた“すべての事件の黒幕”マリア・Tが、死体マニアの監察医・森本(中谷美紀)であることが明らかになりましたが、この種明かしが実に中途半端。毎回「森本かも」「森本っぽくね?」「森本なんじゃないの?」と、ほのめかして、ほのめかして、そのままなんのヒネリもなく「森本でしたー」って言われても、ねえ。そりゃそうでしょうよとしか言えないよね。 肝心の事件についても今回は、いつにも増してアレでした。ストーカーからの脅迫状に悩むベテラン女優が、若いだけが取り柄のバカ大根女優に男と役を奪われて殺すわけですが、実はベテラン女優にはストーカーなどおらず、自分で自分に脅迫状を送っていたことが明らかになり、しかし本当にストーカーがいたので解決できたという、そういう事件です。ちょっと何を言ってるかわからないと思いますが、実際にそういう脚本だったので、これはもう仕方がない。 マリア・TのIQは300だそうです。沙羅駆はタイトル通りIQ246です。そういう、誰の想像も及ばないような知的な戦いが行われているようには、どうしても見えないんですよね。ドラマ開始以降、一事件、一推理たりとも、そう感じさせないんです。レイザーラモンHGの腰振りが速すぎてゆっくり見えるみたいに、高度すぎてバカ事件に見えてるんですかね。 ちなみにマリア・Tは犯罪コンサルタントで、全身整形して森本に成りすましていたんだそうです。「本当の森本」というのが他にいるのか、あるいはマリア・Tが最初から「森本」という人物を偽装して警察に入り込んだのか、そのへんはよくわかりません。ともあれ、沙羅駆は森本がマリア・Tであることは気づいていたそうです。証拠がないから言い出さなかったんだって。これ、大問題ですよ。この「沙羅駆は森本が黒幕だと知っていた」という事実を持ち出したことは、このドラマにとって致命的な瑕疵だと思います。 ここまで、ドラマの中で起こった事件はすべてマリア・Tの差し金によるものでした。マリア・Tが犯人に接触しなければ、誰ひとり死ぬことはなかった。つまり沙羅駆は、すべての殺人事件を事前に止めることができる立場にいながら、見過ごしてきていたわけです。で、人が死んだらノコノコ現場に出て行って「ヒマ潰しだ」とか言って捜査ごっこをしていたと。最悪です。完全に人格が(というか、ドラマの設定が)破たんしてる。 実際、前回のラストでマリア・Tに毒ガスを吸わされた沙羅駆は、死にませんでした。その毒ガスが、森本が解剖室で生成していた新種のウイルスであることを知っていて、すでにワクチンを開発・摂取済だったんだそうです。自分が殺されることを予知し、自分の命を守る準備だけは着々と進めていた。でも他人が殺されたら「ヒマ潰し」なんだって。この男、醜悪至極ですよ。 このドラマを、ここまでなんとか持たせていたのは、なんとなくの「楽しさ」だったように思うんですよね。実際、土屋太鳳と織田裕二の軽妙な会話も、ディーン・フジオカの鮮やかすぎる格闘技も、今回だって見てる分には楽しかった。 次回以降も、上記のようないろんなことをさらっと流しながら推理ごっこが続いていくことでしょう。また、人も死ぬみたいです。いったいそれを、どんな顔で眺めればいいというのでしょうね。あーあ。 (文=どらまっ子AKIちゃん)TBS系『IQ246~華麗なる事件簿~』番組サイトより
桐谷健太の「ギギギ顔」は素敵だけど……フジテレビ月9『カインとアベル』視聴率上昇の怪現象
今週も隆一(桐谷健太)の「ギギギ顔」が冴えに冴えたフジテレビ月9『カインとアベル』第6話。視聴率は9.0%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)と、前回の7.6%から急伸しました。これも、フジテレビが絶賛実施中の「フジ3連ドラ ヒロインフェスティバル!」なるリレー企画で『Chef~三ツ星の給食~』から川口春奈がカメオ出演したことによる相乗効果でしょうか。それとも、実際ドラマがおもしろくなってきたんでしょうか。 前回から、弟の優くん(Hey!Say!JUMP・山田涼介)と婚約者の梓(倉科カナ)が、どことなくイイ感じであることに業を煮やし続ける隆一。梓に「今すぐ結婚して! そして仕事辞めろ!」と迫るなど、だいぶ不安定になってきました。 隆一の、ものすごく怖い(そして長い)顔で寿退社を迫られた梓は、仕事大好きなので意気消沈。残業中の優くんをわざわざ訪ね、しくしくと泣きながら抱きついたりします。 明らかに梓と兄・隆一の間に「何かがあった」ことを察した優くんでしたが、家に帰ると、隆一はなぜかゴキゲンです。優くんに「結婚はいいもんだぞー」「お前は、いい人いないのか?」などと強がります。さらに家族で囲んだ翌朝の食卓でも、優くんに聞こえよがしに披露宴の主賓の話をしたり、「男は仕事も家庭も大切に」と説教したりと、「もう梓と結婚するから! 仲良くしないで!」というアピールに必死。 しかし、父で社長の貴行(高嶋政伸)が、優くんと一緒に仕事の相談をしながら出社してしまうと、拳を握りしめて今回一発目の「ギギギ……」な顔面を見せてくれました。「恋も仕事も完璧」な人物として登場した第1話の面影は、まるでありません。恋も仕事も、優くんに大嫉妬中です。 会社では、いきいきと楽しそうに打ち合わせをしている優くんと梓を見かけて、廊下で「ギギギ」。その晩、改めて梓に「仕事を辞めて家庭に入れ」と迫るも、「それは私のことを縛っておきたいってこと?」と言い返され、「それじゃいけないか」とか言いながら「ギギギ」。 社長室に呼び出されると、先に貴行社長と優くんが仕事の話をしていたのを見た瞬間、もう「ギギギ」。それでも副社長としての仕事をこなさなければいけませんが、優くんと梓の仕事ぶりについて「いいコンビなんですよ、あの2人」という報告を受ければ、それ以上、話を聞いていられないくらい苦虫を全力で噛みつぶしながら「ギギギ」。優くんが作った資料のクレジットに「矢作梓」の名前を見つければ「ギギギ」。貴行の「優は見どころがある」という発言を思い出して「ギギギ」。ついには、まだ夕方で業務時間中にもかかわらず梓の携帯を鳴らすと、出ないことにブチ切れて「うわぁー!」と叫んじゃいました。もう大変です。 一方、そのころ。 優くんはあいかわらず絶好調です。リゾート開発事業のプロジェクトリーダーとして大活躍しつつ、梓の「本当は仕事を辞めたくない」という気持ちを察しながら、美しい顔で切なげにダーツなど投げてみたりしています。新しくホテルのコンセプトを考えてみれば大絶賛。共同事業を手掛けることになるアメリカのホテル会社との事前交渉でも、Skypeでは相手が日本語でしゃべってくれるわ、日本語の資料を読み込んでくれるわ、とことん優しい世界が繰り広げられました。 阪神・藤浪晋太郎投手にクリソツな同期の女子・ひかり(山崎紘菜)は無条件に好き好きビームを出してくれるし、ホテル開発予定地に2人で前乗りした兄の婚約者・梓までもが「もしあたしと優くんが付き合ったとしたら……」なんて言い出しちゃう。「あ! 何言ってんだろ私」だって。そんで見つめ合っちゃって、優くんも「俺、梓さんのこともっと知りたいです」とか言いながらキスしそうになってしなかったり、丘から見渡す海面に沈んでいく夕陽が美しかったり、梓のバッグでは携帯電話が隆一からの着信でバイブしてたり……「うわぁー!」って、なりますよ、そりゃ。 このドラマの優くんの人生って、どう見ても、やっぱり、違和感がすごいんです。あらゆる価値観、あらゆる行動、あらゆる言動を周囲が歓迎し、丁重に扱ってくれている。まるで、みんながみんなこの「優くんにだけ都合のいい世界」を壊さない努力をしているように見える。優くんが建築家に「安く設計して!」といえば、そうしてくれるし、投資家に「100億円ちょーだい!」といえば、100億円くれる世界。これ、ちょっと引いて見れば、優くんひとりがピエロ扱いされて立ち回っているような雰囲気がビンビン漂ってるんですよね。 なんでそんな雰囲気になるかといえば、優くんが特別な価値観を提示したり、特別な技法や行動でもって物事を推進しているわけではないからです。ごく一般的な、普通の家で生まれた普通の男子並みの柔軟な思考をもっていて、それでいて自由で善良な23歳の若者らしい判断基準しか持っていないんです。よくも悪くも、頭の中が平凡なんです。 そういう平凡な若者を、いかにも特別な能力者であるかのように描くために、彼を囲む世界を、少し古臭くて、少し時代錯誤で、少し変な人物と設定で満たしている。まんま、映画『トゥルーマン・ショー』(1998)が物語の中でやったのと同じことが行われてる。この構造って、山田涼介にとっても、すごく損だと思うんですよね。わたしは次回以降も、桐谷さんの「ギギギ顔」だけ見られれば満足なんですが……。 (文=どらまっ子AKIちゃん)フジテレビ系『カインとアベル』番組サイトより
織田裕二のヘンテコリン芝居がトーンダウンしてきたTBS『IQ246』は、どう楽しむべきなのか
回を追うごとに、織田裕二のヘンテコリン芝居がトーンダウンしてきて残念な日曜劇場『IQ246~華麗なる事件簿~』(TBS系)。第6話の視聴率は10.4%(ビデオリサーチ調べ/関東地区)と、あいかわらず安定しています。 さて、このドラマはどうやら「おもしろそうでおもしろくない少しおもしろい」作品のようです。タイトルとか雰囲気とか、すごくおもしろそうな推理劇に見えて、その推理や事件の謎そのものが全然おもしろくない。でも、織田裕二の芝居や、すべての事件の黒幕である「M」こと「マリアT」の配置とか、少しおもしろい。結果、そこそこクセになる感じです。 今回は6億円の宝くじをめぐるお話でした。事件は、またしてもガバガバです。 まず、宝くじを当てた鈴木さん(今野浩喜)という善良な市民が、証券会社の社員・亮次くん(和田聰宏)に待ち伏せされて、橋の下で殴り殺されます。亮次くんは鈴木さんのポケットから宝くじを奪い、死体は放置。警察は、聞き込みの結果、鈴木さんが「善良な市民」であり「殺される理由がない」ことから、通り魔事件として捜査を進めているそうです。 「殺される理由がないのに殺された」ことに興味を持った沙羅駆(織田裕二)が鈴木さんの家を訪れると、亮次くんから受け取ったとみられる株式投資についての資料や、1つ50万円もするフィギュアがゴロゴロ。全部で300万円くらいの買い物をしたようです。なのに、貯金通帳には3万円くらいしか残ってない。宝くじは換金前なのに、なぜ鈴木さんにそんな買い物ができたのかは謎ですが、そこを追及すると話が進まないのでスルーしておきます。とにかく、警察はこの部屋の“金満ぶり”には気付かなかったようです。 6億円の当たりくじを手に入れた亮次さんは、借金に追われています。妻の葵(MEGUMI)とは別居中で、離婚協議についてもお金でモメていて、今日も大ゲンカ。そのケンカ中に、葵はチラッと亮次さんのテーブルの上に宝くじがあることを見つけました。 実は葵は、亮次さんの兄で貧乏画家の壮一(平岳大)と不倫していました。葵から「亮次が宝くじ持ってるよ」と知らされたっぽい壮一は、家賃も払えず困窮中。部屋でひとしきり荒れていると、例によって「マリアT」から「完全犯罪の方法、教えます。」メールが届きました。なぜ葵がチラッと見ただけでその宝くじを高額当選くじだと見抜いたかは謎ですが、そこも追及すると話が進まないのでスルーしておきます。 後日、壮一は、高級ワインと高級キャビアで昼下がりを謳歌している亮次さんを訪ねると、「金を貸してくれ」と土下座。むげに断られると激昂し、あらかじめ用意していた何かの薬品をハンカチに染み込ませて亮次さんに吸わせ、気を失った亮次さんを階段から突き落として殺害します。 計画的に殺しにきたのに、なぜわざわざ屈辱的な土下座をしたのか。亮次さんが階下にいたらどんな殺し方をするつもりだったのか。もろもろ謎ですが、もう追及しようという気にもなりません。沙羅駆を捜査に介入させるためには警察の誤解が必要で、そのためには事故死を装わなければならないという、そういうドラマの都合です。大きな心で許しましょう。 沙羅駆は案の定、ささっと謎を解きました。壮一も葵も次々に解決のヒントを出してきますし、同じ脚本家の栗本志津香さんが担当した第4話と同様に後出しの設定もどんどん出てきますので、真面目に推理を追いかけていると頭が痛くなってくるばかりです。 今回のクライマックスは、なんといっても初めて沙羅駆にピンチが訪れるシーンでした。 「マリアT」にそそのかされて沙羅駆を殺すことにした壮一と葵。誰もいない工事中のデパートのような場所に沙羅駆を呼び出すと、壮一がバールのようなもので沙羅駆の後頭部を一撃! ばったりと倒れ込んで動かなくなる沙羅駆! 壮一は「マリアT」から受け取った時限装置みたいなものをセットして逃走! しかし、待ち伏せしていた賢正(ディーン・フジオカ)の華麗なジークンドーによって取り押さえられた! 沙羅駆は、ハットの中に鉄板を仕込んでいたから無事! 時限装置を処理しようとする沙羅駆! 「マリアT」が遠隔操作で装置から何かを噴射! 「目が~! 目が~!」と苦しみながら賢正たちを逃がし、建物を封鎖するように命じる沙羅駆! そこに現れたのは、ガスマスクをした「マリアT」! その正体は、沙羅駆に心酔する観察医・森本(中谷美紀)が厚化粧で……。 「美しいわ、やはり死こそ孤高の美……」 死体マニアの森本が、すべての事件を起こしていたようです。そして、建物を封鎖するほどのガス的な何かをモロに浴びてしまった沙羅駆は……と、なんか盛り上がった風に書きましたが、壮一がバールのようなもので頭を殴るのではなく首などの急所を狙ってきたら沙羅駆は死んでいたのか。沙羅駆は、あの時限装置をどう処理するつもりだったのか。そして、なぜここまで沙羅駆の命の危機を演出しておいて、その直後に沙羅駆がピンピンしている次回予告を流してしまうのか! 言いたいことは山ほどありますが、スキだらけの謎解き脚本は、逆にいえば多少の辻褄を無視してでも出力の高いシーンを並べたいという意図でもあるわけで、その分、この作品は目に楽しい場面がたくさん出てきます。今回も、絵の才能に自信を持てなかった画家が弟を殺害する前日にベネチアのコンテストに入選していたことが明らかになって泣き崩れるシーンから始まるクライマックスまでのシークエンスは見応えありましたし、単純に、『下町ロケット』であれだけ仲良しだった迫田(今野)が江原(和田)に殺されるっていうキャスティングだけでも、楽しいですよ。それでいいじゃん、もう! という気持ちで、次回以降も楽しみにしたいと思いますよ。 (文=どらまっ子AKIちゃん)日曜劇場『IQ246~華麗なる事件簿~』TBSテレビより
織田裕二のヘンテコリン芝居がトーンダウンしてきたTBS『IQ246』は、どう楽しむべきなのか
回を追うごとに、織田裕二のヘンテコリン芝居がトーンダウンしてきて残念な日曜劇場『IQ246~華麗なる事件簿~』(TBS系)。第6話の視聴率は10.4%(ビデオリサーチ調べ/関東地区)と、あいかわらず安定しています。 さて、このドラマはどうやら「おもしろそうでおもしろくない少しおもしろい」作品のようです。タイトルとか雰囲気とか、すごくおもしろそうな推理劇に見えて、その推理や事件の謎そのものが全然おもしろくない。でも、織田裕二の芝居や、すべての事件の黒幕である「M」こと「マリアT」の配置とか、少しおもしろい。結果、そこそこクセになる感じです。 今回は6億円の宝くじをめぐるお話でした。事件は、またしてもガバガバです。 まず、宝くじを当てた鈴木さん(今野浩喜)という善良な市民が、証券会社の社員・亮次くん(和田聰宏)に待ち伏せされて、橋の下で殴り殺されます。亮次くんは鈴木さんのポケットから宝くじを奪い、死体は放置。警察は、聞き込みの結果、鈴木さんが「善良な市民」であり「殺される理由がない」ことから、通り魔事件として捜査を進めているそうです。 「殺される理由がないのに殺された」ことに興味を持った沙羅駆(織田裕二)が鈴木さんの家を訪れると、亮次くんから受け取ったとみられる株式投資についての資料や、1つ50万円もするフィギュアがゴロゴロ。全部で300万円くらいの買い物をしたようです。なのに、貯金通帳には3万円くらいしか残ってない。宝くじは換金前なのに、なぜ鈴木さんにそんな買い物ができたのかは謎ですが、そこを追及すると話が進まないのでスルーしておきます。とにかく、警察はこの部屋の“金満ぶり”には気付かなかったようです。 6億円の当たりくじを手に入れた亮次さんは、借金に追われています。妻の葵(MEGUMI)とは別居中で、離婚協議についてもお金でモメていて、今日も大ゲンカ。そのケンカ中に、葵はチラッと亮次さんのテーブルの上に宝くじがあることを見つけました。 実は葵は、亮次さんの兄で貧乏画家の壮一(平岳大)と不倫していました。葵から「亮次が宝くじ持ってるよ」と知らされたっぽい壮一は、家賃も払えず困窮中。部屋でひとしきり荒れていると、例によって「マリアT」から「完全犯罪の方法、教えます。」メールが届きました。なぜ葵がチラッと見ただけでその宝くじを高額当選くじだと見抜いたかは謎ですが、そこも追及すると話が進まないのでスルーしておきます。 後日、壮一は、高級ワインと高級キャビアで昼下がりを謳歌している亮次さんを訪ねると、「金を貸してくれ」と土下座。むげに断られると激昂し、あらかじめ用意していた何かの薬品をハンカチに染み込ませて亮次さんに吸わせ、気を失った亮次さんを階段から突き落として殺害します。 計画的に殺しにきたのに、なぜわざわざ屈辱的な土下座をしたのか。亮次さんが階下にいたらどんな殺し方をするつもりだったのか。もろもろ謎ですが、もう追及しようという気にもなりません。沙羅駆を捜査に介入させるためには警察の誤解が必要で、そのためには事故死を装わなければならないという、そういうドラマの都合です。大きな心で許しましょう。 沙羅駆は案の定、ささっと謎を解きました。壮一も葵も次々に解決のヒントを出してきますし、同じ脚本家の栗本志津香さんが担当した第4話と同様に後出しの設定もどんどん出てきますので、真面目に推理を追いかけていると頭が痛くなってくるばかりです。 今回のクライマックスは、なんといっても初めて沙羅駆にピンチが訪れるシーンでした。 「マリアT」にそそのかされて沙羅駆を殺すことにした壮一と葵。誰もいない工事中のデパートのような場所に沙羅駆を呼び出すと、壮一がバールのようなもので沙羅駆の後頭部を一撃! ばったりと倒れ込んで動かなくなる沙羅駆! 壮一は「マリアT」から受け取った時限装置みたいなものをセットして逃走! しかし、待ち伏せしていた賢正(ディーン・フジオカ)の華麗なジークンドーによって取り押さえられた! 沙羅駆は、ハットの中に鉄板を仕込んでいたから無事! 時限装置を処理しようとする沙羅駆! 「マリアT」が遠隔操作で装置から何かを噴射! 「目が~! 目が~!」と苦しみながら賢正たちを逃がし、建物を封鎖するように命じる沙羅駆! そこに現れたのは、ガスマスクをした「マリアT」! その正体は、沙羅駆に心酔する観察医・森本(中谷美紀)が厚化粧で……。 「美しいわ、やはり死こそ孤高の美……」 死体マニアの森本が、すべての事件を起こしていたようです。そして、建物を封鎖するほどのガス的な何かをモロに浴びてしまった沙羅駆は……と、なんか盛り上がった風に書きましたが、壮一がバールのようなもので頭を殴るのではなく首などの急所を狙ってきたら沙羅駆は死んでいたのか。沙羅駆は、あの時限装置をどう処理するつもりだったのか。そして、なぜここまで沙羅駆の命の危機を演出しておいて、その直後に沙羅駆がピンピンしている次回予告を流してしまうのか! 言いたいことは山ほどありますが、スキだらけの謎解き脚本は、逆にいえば多少の辻褄を無視してでも出力の高いシーンを並べたいという意図でもあるわけで、その分、この作品は目に楽しい場面がたくさん出てきます。今回も、絵の才能に自信を持てなかった画家が弟を殺害する前日にベネチアのコンテストに入選していたことが明らかになって泣き崩れるシーンから始まるクライマックスまでのシークエンスは見応えありましたし、単純に、『下町ロケット』であれだけ仲良しだった迫田(今野)が江原(和田)に殺されるっていうキャスティングだけでも、楽しいですよ。それでいいじゃん、もう! という気持ちで、次回以降も楽しみにしたいと思いますよ。 (文=どらまっ子AKIちゃん)日曜劇場『IQ246~華麗なる事件簿~』TBSテレビより
桐谷健太の惨めっぷりが加速するフジ月9『カインとアベル』 山田涼介の存在感が、もう……
どんどん惨めになっていく桐谷健太を愛でるためのドラマになってきたフジテレビ月9『カインとアベル』は第5話。視聴率は7.6%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と、前回より0.6ポイントアップ! とはいえ、月9史上最低ペースはキープしております。 日本有数のデベロッパー「高田総合地所」を経営するのは、主人公・優くん(山田涼介)のお父さん・貴行(高嶋政伸)、桐谷演じる優くんの兄貴・隆一は副社長です。 前回、副社長であり海外事業のプロジェクト責任者でもある隆一は、急に必要になった100億円の融資を受ける目処が立てられず、葉山の別荘に遁走。その間、優くんが怪しい投資家・クロサワ(竹中直人)から融資を取り付けると、「俺を助けたつもりか!」と激高し、優くんのアイドルフェイスを殴りつけたりしました。実に惨めです。 そんな隆一の悲しみを知ってか知らずか、今回、父・貴行は新たなプロジェクトのリーダーに優くんを指名します。アメリカの「ドレイモンドホテルズ」と一緒に行う日本国内でのリゾート開発の仕事で、会社のこの先10年を左右するビッグプロジェクトだそうです。 社長が優くんを指名した理由は、言うまでもなく100億円の融資を取り付けたこと。しかし、このことは高田家の人間以外は知りませんし、表向きは隆一がこの融資を確保したことになっています。つまり、役員会の方々にとって優くんのリーダー就任は「ヒラだけど社長の息子だから」でしかないわけですが、社長の発表にみなさん拍手喝采。「大抜擢ですなー」「楽しみですなー」と、ものすごいイエスマンぶりを発揮します。 おそらく、視聴者全員が「この会社、大丈夫なのかよ!」とツッコんだかと思われます。社員1,000人いるそうですけど……。 画面の中にも、ひとりだけ「大丈夫なのかよ!」とツッコんだ人間がいました。そう、隆一です。隆一は、会議から颯爽と出ていく社長を追いかけ、「社長の判断が間違いとは思いませんが、失敗が許されない」「もし優を試してみたいということでしたら、私が面倒を見ます」と、すごく常識的な進言をしますが、社長は「このプロジェクトは優に任せる!」と一刀両断。声がでかい! 隆一はしょんぼりするしかありません。 一方、優くんはウキウキです。茶髪も真っ黒に染め直し、リーダー特権でお気に入りの美人先輩で兄貴の彼女でもある梓(倉科カナ)をチームに引き入れ、リゾート雑誌をたくさん買い込み、夜な夜なGoogleで「リゾート」と画像検索したようなパソコンの画面に見入ったりしています。 まったく信頼していなかった弟・優くんがメキメキと出世していく中、兄の隆一は焦ります。とりあえず優くんと仲良しの梓と早く結婚しちゃおうとばかり、2人で教会を下見に。教会のステンドグラスには、旧約聖書の「カインとアベル」が描かれていました。神父さんが、この絵について説明します。 「旧約聖書に出てくる兄弟です」 「彼らはアダムとイブの息子たちで、神の愛をめぐって仲違いし、ついには悲しい運命をたどるのです」 その絵を眺めながら優くんとの関係を考えているうちにテンションが上がってきた隆一、改めて「俺たち、幸せになろう」と梓にプロポーズすると「今すぐ仕事を辞めてほしい」「できるだけ早く、家庭に入ってほしい」と告げます。 優くんに見初められてリゾート開発チームに入ったばかりの梓は戸惑いますが、隆一はさらに「俺から父さんに言って外してもらうから」とゴリ押し。そのうえ、「優にはやれない」「優にはリーダーの資質がない」とダメ押しします。 これに怒った梓は「ずいぶん決めつけた言い方なのね」と言い返し、「それにバンコクの件だって優くんがいたから!」と、わりと言っちゃいけないことを言っちゃいました。 もう取り返しがつきません。隆一の惨めが止まりません。 「梓……ホントはどっちなんだ……教えてくれ……君がこのプロジェクトにこだわるのは、家庭に入りたくないからなのか? それとも優と一緒にいたいからなのか? 俺との結婚より優と一緒に働きたいというのか!?」 うう~たまらん! エリートの嫉妬が爆発しておる! そもそもこのドラマでは「高田家の結婚」は単なる結婚ではなくビジネスであり、そこらへんの娘さんとホレタハレタで結婚しちゃダメなのよという価値観を提示しながら、なぜかヒラで普通の家の出の梓さんだけは認められちゃってるという矛盾点があったわけですが、結婚後に仕事を辞めるかどうかすら話し合ってなかったんですね。準備不足にもほどがある。そら惨めにもなりますよ、隆一さん! さらに惨めなことに、梓はこのあと会社でGoogle画像検索している優くんのところに行って、泣きながら抱きついたりしちゃいます。仕事でも追い抜かれ、婚約者も奪われることになりそうな隆一さん。次回予告では「あー!」とか言ってました。楽しみ! その一方で、もはや山田涼介は本格的にどうでもよくなってきました。この人の演じるキャラクターは失敗しないし、挫折しないし、どうあれ救われる人のようです。天真爛漫で屈託がなく、性格もすごくいい。こうなってくると、もう誰でもいいんですよね。適当な大きさのマグロか何かに化粧してそこらへんに転がしといても、あんまりドラマの心象に影響ないでしょう。まあ数字はさらに下がるでしょうけど……。 (文=どらまっ子AKIちゃん)フジテレビ系『カインとアベル』番組サイトより
“暗黒”織田裕二の顔面が不気味すぎ! TBS『IQ246~華麗なる事件簿~』視聴率10.1%は過去最低でも……
織田裕二のこだわりが詰まったキャラ芝居が、かわいかったりウザかったりな日曜劇場『IQ246~華麗なる事件簿~』(TBS系)は第5話を迎えました。このドラマ、脚本家は3人体制だと発表されていまして、1~3話の泉澤陽子さんの回ではトリックの謎が謎として成立してない感で不安を煽り、4話の栗本志津香さん回では、いよいよフォーマットだったはずの倒叙推理(『古畑任三郎』とか『刑事コロンボ』とかのアレ)にもブレが出始めてさらに不安を煽られていたわけですが、木村涼子さんの初登板となった今回は比較的キレイな倒叙が見られて面白かったです。まるで『古畑』みたいでした。 視聴率は10.1%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と2ケタキープながらも、第3話と並んで過去最低。ここから、なんとか盛り返してほしいところです。 今回のゲストは、AR(拡張現実)を駆使する現代アートコンビ「バナナ&チョコ」の2人です。バナナことバンちゃんこと番田(矢本悠馬)は、天才肌のアーティスト。駄菓子をこよなく愛し、「アートは商売やプロパガンダの道具じゃない」と言い切る純粋な青年です。一方、チョコさんこと千代能光一(成宮寛貴)は、どちらかといえばスポークスマン&経営者的な役割。人前に出たがらないバンちゃんとは対照的に、雑誌の取材を受けまくり、東京五輪開会式の演出を「チョコ&バナナ」で手掛けようと画策しています。 そんなチョコさんの謀略とは裏腹に、この国の規制の多さに嫌気が差している天才・バンちゃんは、NYのアーティスト・ALANさんと組んで全米進出を目論んでいる様子。それはチョコさんにとっても会社にとっても「バンちゃんに捨てられる」ことを意味するわけで、とても許せることではありません。 そんなわけで、チョコさんが部屋で一人「ふざけんな!」と怒りをぶちまけていると、例のメールが届きます。 「完全犯罪の方法、教えます。」 差出人は、いつものように「13」を名乗る人物。この時点でチョコさんがバンちゃんに殺意を抱いているようにはまったく思えませんが、とりあえずそれは置いておきましょう。『IQ246』を初回から追いかけている視聴者にとっては、これくらいの「アレ?」「え?」「ハァ?」は、もう慣れっこですので。 殺害現場となったのは、「チョコ&バナナ」個展のオープニングセレモニー。沙羅駆(織田裕二)、賢正(ディーン・フジオカ)、奏子(土屋太鳳)も参加しています。参加者の全員がAR用のヘッドセットを装着しており、星新一の『午後の恐竜』みたいに実際にはそこにいない恐竜がガオー!と現れたり、『AKIRA』の倉庫のシーンみたいに地面が崩れたりする映像が「まるで本当にそうみたい」に映し出されます。 そんな3人を含む参加者の目の前で、バンちゃんが高さ5メートルくらいの白壁の上から転落死してしまいました。チョコさんの説明によれば、バンちゃんが立っていた白壁にはARで摩天楼を映し出し、高層ビルの上にバンちゃんがいるという演出だったそうです。 今回の「完全犯罪の方法」は、なかなかに周到だったように思います。バンちゃんはエビにアレルギーがあり、蜂を異常に恐れる人物でした。セレモニーの直前、チョコさんはバンちゃんの駄菓子箱に包装をすり替えたエビせんべいを混入させ、バンちゃんにアナフィラキシーショックを起こさせます。バンちゃんが緩和剤を打つことも計算済み。さらに、パラメトリック・スピーカーという非常に指向性の強い特殊なスピーカーを使って、ブンブンブンと蜂が飛ぶ音をバンちゃんだけに聞こえるように流して強いストレスを与えます。そうすることで、一度緩和剤によって収まったアナフィラキシーが再び起こるのだそうです。そんなこんなで、バンちゃんは転落して死んでしまったのでした。 あれ? こうやって手順を書き出してみると、あんまり周到な感じがしません。バンちゃんが気まぐれでエビせんべいを食べなかったら? あるいは、食べてすぐ、あの壁の上に登る前にショックを起こしてしまっていたら? 命綱を外さず、ロープに捕まったまま壁をゆっくり降りようとしてスピーカーの指向から外れたら? そもそも、あれくらいの高さなら、死なない可能性もけっこうあるのでは? ……まあ、冷静になってみれば、今まで通り“偶然任せ”の計画ではあるんですが、実際に見ているときは、そうでもなかったんですよね。ARとか、パラメトリック・スピーカーとか、この種の推理劇で今まであんまり見たことのないガジェットが登場したことで、なんとなく面白く見えちゃった。なんとなく面白く見えちゃったドラマは、たぶん「面白いドラマ」だと言っていいと思うんです。どらまっ子的には。 ほかにも、面白く見えた要素はいろいろありました。賢正が沙羅駆のマネをして推理に挑んでみたり、家に置いていかれてプクーッとホッペを膨らませてすねてみたりと、ディーン・フジオカ様が異様にチャーミングでしたし、いつもなら囲碁の駒をビシッと盤に叩きつけて謎解きに向かう沙羅駆が、一度「謎が解けない」という顔を見せるのも新鮮でした。そして、推理の決め手になったのが奏子の「幽霊の仕業では?」という戯言なのも、その奏子と沙羅駆のカフェでのやり取りで見せた“暗黒”織田裕二の顔面が異様に不気味だったのも、ようやくバディっぽい2人の関係性に意味が出てきたように見えました。 そして何より「アイディアは悪くなかったですよ」と沙羅駆に言われたチョコさんが「僕のアイディアじゃない、13と名乗るメールが……」と白状したことで、「あ”あ”あ”あ”あ”ー!」と感情をあらわにする沙羅駆も、「13」とのなんらかの因縁を示唆していて期待大です。 で、ラストには「13」から沙羅駆に直接メールが届きます。 「完全犯罪の方法、教えます。」 クール後半、がぜん面白くなるような気がしないでもありませんよ! まだあんまり信用してないけど! (文=どらまっ子AKIちゃん)TBS系『IQ246~華麗なる事件簿~』番組サイトより
“暗黒”織田裕二の顔面が不気味すぎ! TBS『IQ246~華麗なる事件簿~』視聴率10.1%は過去最低でも……
織田裕二のこだわりが詰まったキャラ芝居が、かわいかったりウザかったりな日曜劇場『IQ246~華麗なる事件簿~』(TBS系)は第5話を迎えました。このドラマ、脚本家は3人体制だと発表されていまして、1~3話の泉澤陽子さんの回ではトリックの謎が謎として成立してない感で不安を煽り、4話の栗本志津香さん回では、いよいよフォーマットだったはずの倒叙推理(『古畑任三郎』とか『刑事コロンボ』とかのアレ)にもブレが出始めてさらに不安を煽られていたわけですが、木村涼子さんの初登板となった今回は比較的キレイな倒叙が見られて面白かったです。まるで『古畑』みたいでした。 視聴率は10.1%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と2ケタキープながらも、第3話と並んで過去最低。ここから、なんとか盛り返してほしいところです。 今回のゲストは、AR(拡張現実)を駆使する現代アートコンビ「バナナ&チョコ」の2人です。バナナことバンちゃんこと番田(矢本悠馬)は、天才肌のアーティスト。駄菓子をこよなく愛し、「アートは商売やプロパガンダの道具じゃない」と言い切る純粋な青年です。一方、チョコさんこと千代能光一(成宮寛貴)は、どちらかといえばスポークスマン&経営者的な役割。人前に出たがらないバンちゃんとは対照的に、雑誌の取材を受けまくり、東京五輪開会式の演出を「チョコ&バナナ」で手掛けようと画策しています。 そんなチョコさんの謀略とは裏腹に、この国の規制の多さに嫌気が差している天才・バンちゃんは、NYのアーティスト・ALANさんと組んで全米進出を目論んでいる様子。それはチョコさんにとっても会社にとっても「バンちゃんに捨てられる」ことを意味するわけで、とても許せることではありません。 そんなわけで、チョコさんが部屋で一人「ふざけんな!」と怒りをぶちまけていると、例のメールが届きます。 「完全犯罪の方法、教えます。」 差出人は、いつものように「13」を名乗る人物。この時点でチョコさんがバンちゃんに殺意を抱いているようにはまったく思えませんが、とりあえずそれは置いておきましょう。『IQ246』を初回から追いかけている視聴者にとっては、これくらいの「アレ?」「え?」「ハァ?」は、もう慣れっこですので。 殺害現場となったのは、「チョコ&バナナ」個展のオープニングセレモニー。沙羅駆(織田裕二)、賢正(ディーン・フジオカ)、奏子(土屋太鳳)も参加しています。参加者の全員がAR用のヘッドセットを装着しており、星新一の『午後の恐竜』みたいに実際にはそこにいない恐竜がガオー!と現れたり、『AKIRA』の倉庫のシーンみたいに地面が崩れたりする映像が「まるで本当にそうみたい」に映し出されます。 そんな3人を含む参加者の目の前で、バンちゃんが高さ5メートルくらいの白壁の上から転落死してしまいました。チョコさんの説明によれば、バンちゃんが立っていた白壁にはARで摩天楼を映し出し、高層ビルの上にバンちゃんがいるという演出だったそうです。 今回の「完全犯罪の方法」は、なかなかに周到だったように思います。バンちゃんはエビにアレルギーがあり、蜂を異常に恐れる人物でした。セレモニーの直前、チョコさんはバンちゃんの駄菓子箱に包装をすり替えたエビせんべいを混入させ、バンちゃんにアナフィラキシーショックを起こさせます。バンちゃんが緩和剤を打つことも計算済み。さらに、パラメトリック・スピーカーという非常に指向性の強い特殊なスピーカーを使って、ブンブンブンと蜂が飛ぶ音をバンちゃんだけに聞こえるように流して強いストレスを与えます。そうすることで、一度緩和剤によって収まったアナフィラキシーが再び起こるのだそうです。そんなこんなで、バンちゃんは転落して死んでしまったのでした。 あれ? こうやって手順を書き出してみると、あんまり周到な感じがしません。バンちゃんが気まぐれでエビせんべいを食べなかったら? あるいは、食べてすぐ、あの壁の上に登る前にショックを起こしてしまっていたら? 命綱を外さず、ロープに捕まったまま壁をゆっくり降りようとしてスピーカーの指向から外れたら? そもそも、あれくらいの高さなら、死なない可能性もけっこうあるのでは? ……まあ、冷静になってみれば、今まで通り“偶然任せ”の計画ではあるんですが、実際に見ているときは、そうでもなかったんですよね。ARとか、パラメトリック・スピーカーとか、この種の推理劇で今まであんまり見たことのないガジェットが登場したことで、なんとなく面白く見えちゃった。なんとなく面白く見えちゃったドラマは、たぶん「面白いドラマ」だと言っていいと思うんです。どらまっ子的には。 ほかにも、面白く見えた要素はいろいろありました。賢正が沙羅駆のマネをして推理に挑んでみたり、家に置いていかれてプクーッとホッペを膨らませてすねてみたりと、ディーン・フジオカ様が異様にチャーミングでしたし、いつもなら囲碁の駒をビシッと盤に叩きつけて謎解きに向かう沙羅駆が、一度「謎が解けない」という顔を見せるのも新鮮でした。そして、推理の決め手になったのが奏子の「幽霊の仕業では?」という戯言なのも、その奏子と沙羅駆のカフェでのやり取りで見せた“暗黒”織田裕二の顔面が異様に不気味だったのも、ようやくバディっぽい2人の関係性に意味が出てきたように見えました。 そして何より「アイディアは悪くなかったですよ」と沙羅駆に言われたチョコさんが「僕のアイディアじゃない、13と名乗るメールが……」と白状したことで、「あ”あ”あ”あ”あ”ー!」と感情をあらわにする沙羅駆も、「13」とのなんらかの因縁を示唆していて期待大です。 で、ラストには「13」から沙羅駆に直接メールが届きます。 「完全犯罪の方法、教えます。」 クール後半、がぜん面白くなるような気がしないでもありませんよ! まだあんまり信用してないけど! (文=どらまっ子AKIちゃん)TBS系『IQ246~華麗なる事件簿~』番組サイトより





