「12歳の花嫁」は誘拐された少女だった!? 中国農村で急増するベトナム人少女花嫁

vietnam1021.jpg
中国のネットに掲載されている、ベトナム人女性との結婚を斡旋する業者の広告
 これまで本サイトでも何度か報じてきた通り、中国の農村部ではいまだに男尊女卑の文化が根強く残っており、その弊害として、一部地域では極端な嫁不足に直面している。そんな中、香港メディア「東網」(10月10日付)は、非人道的な手段で婚姻関係を結び、子どもを産ませようとした、ある男の事件について報じた。  記事によると10月4日、江蘇省にある病院に、小学生くらいの少女が中年男性に付き添われ、妊娠検査にやってきたという。病院側は、この少女が妊娠12週を迎えており、その上、中国語がほとんど話せなかったことなどを不審に思い、すぐに警察へ通報。その後、警察が2人を取り調べた結果、驚愕の事実が判明したのだ。  少女はなんとまだ12歳で、ベトナム国籍。同国内で誘拐された後、中国の嫁不足に悩む地域の人身売買ブローカーに引き渡されたことがわかったのだ。事件の約半年前、男はこの少女をブローカーから3万元(約50万円)で買い取り、自分の妻として迎え入れたという。  今回の一件に対して、中国版Twitter「微博」には、多くのユーザーからコメントが寄せられている。 「これまで農村のヤツらは、女の子を身ごもった女性に、中絶を強要してきた。結果、嫁不足になって、外国の少女にまで手を出すなんて……。地獄に落ちればいいのに」 「ただの誘拐事件じゃない。人身売買、強姦、監禁、児童買春と、いろいろな犯罪が組み合わさっている」 「バカ男のせいで、ベトナム人の対中感情が、また悪くなる。この女の子には、国同士で相談して賠償してあげてほしい」  中国の農村部で急激に増加する外国人花嫁について、香港在住のジャーナリストは次のように話す。
vietnam021021.jpg
保護された、12歳のベトナム人少女。病院には20歳と告げ、妊娠検査を受けさせられていたという
「中国南部の農村部では、10年以上前から、嫁不足を解消するため、ベトナム人女性を花嫁として迎え入れています。ベトナム人女性と合法的に結婚する場合、仲介業者への支払いなどで5万元(約80万円)はかかるといわれていますが、貧しい農村部では費用を安く抑えようと、3万元程度で済む、非合法なブローカーに仲介を頼むケースも多々あるようです。近年、中越関係の悪化や、ベトナム人花嫁に対する悪待遇のウワサが広まったこともあり、嫁ぎにくるベトナム人女性が激減しています。そこで考えられたのが、誘拐です。低年齢であるほど抵抗されずに誘拐できるので、10~15歳くらいの少女がターゲットにされる。放っておくと、中越間の新たな“火種”になるでしょう」  今年8月、ベトナムで人身売買を行っていた組織が摘発され、主犯格の女に死刑判決が下った。10代で突然誘拐され、無理やり子どもを産まされるという地獄のような苦しみを味わったベトナム人少女にとって、たとえ犯人が死刑となっても、その傷が癒えることはないだろう。 (文=青山大樹)

処女は200万円! 男余りの中国農村に嫁いだベトナム人妻たちが、集団失踪

vietnam001.jpg
ベトナム人妻の仲介業者のHPに掲載された写真。こんな美女が嫁いでくれるのか
 昨年、中国では女性より男性が約3,000万人も多いという過剰な「男余り社会」となったことが明らかになった。中国ではいまや、結婚適齢期を迎えた男性のうち10%前後は、生涯結婚できないとまでいわれている。特に中国農村部での嫁不足は深刻で、ここ数年は東南アジアなどの国々から、外国人女性を嫁として迎え入れることで嫁不足を補おうとしている。  その一方で、大量失踪事件も後を絶たない。「中国青年網」(3月4日付)によると、福建省南安市内にある天山村では2月26日、この村に住む男性たちの元へ嫁いだベトナム人妻17名が突然失踪する事件が起こったという。  この村で、失踪妻と半年近く結婚生活を送っていたという男性(28)によると、外国人妻をあっせんしてくれるという業者に6万元(約100万円)を支払い、半年前にベトナム人女性と結婚したのだという。結婚後、ベトナム人妻は家事だけでなく傘の生産工場でパートとして働き、家計を助けていたという。  男性も男性の家族も、このベトナム人妻の働きぶりにすっかり感心していた。ところが先月、このベトナム人妻が「飲み物を買いに行く」と告げ外出すると、二度と男性の元に帰ってくることはなかったのだ。この村では、ほかのベトナム人妻も同じ日に家に置いてあった金銭とともに失踪しており、最初から金銭を盗むための結婚だったのではないかとみられている。中には、結婚してわずか3日という短期間で失踪した者もいた。この村の男性たちにベトナム人妻をあっせんした業者とは、現在も電話が通じないという。
vietnam003.jpg
ネットで公開されている、ベトナム人妻の紹介手数料。中卒で容姿端麗の場合、最高で63万円とある
 中国版Twitter「微博」では、多発する外国人妻の失踪について「閉鎖的で男尊女卑の場所に女が嫁ぐわけがない。人を金で買うようなことをしたから自業自得」「農村では、男の子を産まないと女の責任にされて離婚させられるからな。中国の歪んだ男女人口比率は農村部が原因だ」などなど、中国の社会構造に原因があるという意見が多かった。    実際、ベトナム人妻の失踪事件は、中国の農村部を中心に多発している。2015年も福建省竜岩市内の農村に住む男性が、8万元(約135万円)で仲介業者からベトナム人妻を手配してもらったが、わずか10日でこの妻は姿を消している。中国の社会情勢に詳しい北京市在住の日本人大学講師は、次のように分析する。 「中国人はベトナム人女性に対して『優しく賢明で純粋』というイメージを持っているため、外国人妻として人気となっています。ところが、ベトナム人女性のほうは中国の農村部の極端な男尊女卑社会に嫌気が差し、結婚生活が続かない。そんなベトナム人女性と仲介業者が結託し、中国各地で結婚詐欺を行っているのです。仲介業者はベトナム人女性の年齢や学歴、容姿などでランク分けをして、紹介手数料を決めています。価格帯は8,000~10万元(約14~170万円)と大きく差があります。中でも、若い処女は人気のようです」  今回失踪したベトナム人女性のうち、約半数が妊娠をしていたこともわかっている。一体その子どもたちは、今後どのような運命をたどるのだろうか (文・写真=青山大樹)