目指すは「あいちゃん104歳」!? 父性を刺激されまくる話題の最年少アイドル・あいちゃん7さいに突撃!

目指すは「あいちゃん104歳」!? 父性を刺激されまくる話題の最年少アイドル・あいちゃん7さいに突撃!の画像1
撮影=荻窪番長
「最年少アイドル」というキャッチフレーズでテレビ番組にも取り上げられるなど、色んな意味で話題となっている「あいちゃん6さい」。  初めて存在を知ったときには「アイドル業界も行くとこまで行ったな……」と思ったものだが、実際にライブを見てみると「幼稚園児に群がるロリコン集団」というよりは、姪っ子の学芸会を見守るおじさんたちといった雰囲気で、アットホームな空気が流れている現場だった。  そんな「あいちゃん」が今年小学校に入学し、7月には誕生日も迎えて「あいちゃん7さい」に進化した!? ……ということで、「日刊サイゾー」最年少インタビュー(たぶん)を敢行しました! ***
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8月5日、池袋ルイードK3で開催された「太陽さんさん!夏祭りスペシャル」にて。
■将来の夢は……「ペットショップ」!? ――4歳からアイドルをやってるんだよね? その前から歌ったり踊ったりするのが好きだったの? あいちゃん うん、好きだったよ。「さんぽ」(『となりのトトロ』のテーマ曲)とか。 ――他に好きな歌は? あいちゃん アニメの歌は好き! 『アイカツ!』とか『プリパラ』!(ともにテレビ東京系) ――ああ、アイドルのアニメを観て、アイドルになりたいって思ったのかな。はじめてやったライブは覚えてる? あいちゃん ウクレレ! 大隈秀徳(あいちゃん6さいのプロデューサー) ウクレレを演奏しながら「カエルの歌」と「さんぽ」を歌ってたよね。 ――緊張しなかった? あいちゃん わすれちゃった。 ――今、歌っている歌はあいちゃんが決めてるの? 大隈 あ、ボクです。 ――難しい曲が増えているけど、歌詞を覚えるのは大変じゃない? あいちゃん 大変! 「メランコリック」とか。メランコリックって……メロンジュース? ――7歳で「メランコリック」なんて言葉知らないよね(笑)。これから、自分で曲を作ったりしたいと思う? あいちゃん あんまり思わない。
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ハイタッチをしようとファンに駆け寄るあいちゃん。ファンサービスも忘れません!
――お父さんやお母さんより年上のお客さんもいると思うけど、そういうおじさんたちと話すのは大丈夫? あいちゃん 大丈夫! 仲良くできる! ――アイドルはずっと続けていきたいと思ってるの? あいちゃん うん。 ――じゃあ、将来の夢は? あいちゃん ペットショップ! ――あ、そうなんだ(笑)。 あいちゃん ケーキ屋さんも! 動物とお料理が好きなんで、だからそういうお店。 ――得意な料理は? あいちゃん オムライス! ――これからアイドルとしてテレビに出たり、ドラマに出たりとかも興味あるのかな? あいちゃん 演技? やりたい! テレビにも出たい! ――それじゃ最後に、お客さんへのメッセージを。 あいちゃん いつも応援してくれてありがとう!
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ライブ後の物販では、チェキを撮ったりサインを書いたり、ファンのみなさんと楽しそうに交流していました
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■目標は「あいちゃん104歳」  さすがに、あいちゃんに話を聞くだけだと細かい情報を聞き出せなかったので、プロデューサーの大隈秀徳と、あいちゃんママ26さい(!)にも話を聞きました。 ――もともと、あいちゃんは大隈さんの教室へ、レッスンに来ていたんですよね。 大隈 もともとの話で言うと、あいちゃんママが12歳の頃からボクの生徒だったんですよ。それで14歳の時に「12.ヒトエ」というガールズバンドでメジャーデビューして。まあ、そのバンドはあまり売れなくて解散しちゃうんですが。それから19歳であいちゃんを産んで、「この子が大きくなったら何かやらせようね」っていう話はしていたので、3歳の時に「そろそろ楽器をやらせてみようか」ということで、ギターは大きくてまだムリなのでウクレレを始めたんです。
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――その頃はアイドルというより、アーティスト的な方向性で考えていたんですか? 大隈 特にどっちと決めていたわけではないですね。その頃、ボクが小学生アイドルバンドをプロデュースしていたので、そういうアイドルのライブに行くことも多かったんです。その子たちは小学5年生だったから、最年少かなと思っていたら、共演するアイドルの子たちに小学校1年生の子がいて。アイドルが低年齢化しているんですよね。だったらもう、あいちゃんを出しちゃってもいいのかなって。その頃、ちょうど誕生日がきて4歳になったので「あいちゃん4さい」としてライブに初出演したんです。 ――名前に年齢を入れたというのは、そこが売りになると思ったからですか? 大隈 それはまったく考えてなかったですね。ボク的には修行じゃないけど、舞台慣れさせようくらいの気持ちだったので。でも、いざステージに出てみたら“4歳”っていうことがすごい騒がれて。最初はみんな「あいちゃん4さい」なんてふざけた名前だなと思ってたみたいなんだけど。 ――大人がネタとしてそういう芸名をつけてるんじゃないかと。 大隈 そうしたら、本物の4歳が出てきて衝撃を受けたみたいですね。「ガチの4歳出てきた」ってTwitterで騒がれていましたよ。
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――ライブでは最初からちゃんと歌えていたんですか? 大隈 そうですね、意外と度胸があるんですよ。普通、4歳の子ってなかなかママから離れられないと思うので、お客さんがいっぱい待っているステージに出ていくなんてできるのかなって思っていたら、堂々と出ていって「こんにちは、あいちゃん4さいです」ってあいさつして。この調子で成長していけば、10年経っても14歳だからスゴイぞと思いました。 ――14歳で芸歴10年ですからねー! 大隈 だから、長期計画で育てていこうと思っていたんですけど、思いのほか人気が出ちゃって。でも、普通のアイドルの年齢になるまでに色んな楽器をやらせて、踊りとかも本格的に踊れるようになってもらいたいんですけどね。 ――芸名は、たとえば20歳になっても「あいちゃん20さい」でいくんですか? 大隈 とりあえずはこの路線で行こうと。「あいちゃん○さい」というのがブランドみたいになってるんで。あいちゃんが104歳になって「芸歴100年のあいちゃん104さいです」って言うのが夢ですね。ボクは生きていないでしょうけど(笑)。 ――プロデューサーとしてのこれからの目標は? 大隈 先のことを考えないで始めちゃったんで、まだ「こういう風にやっていこう」とは考えていないですね。 ――初期は「幼稚園で歌ってるんだろうな」という感じの童謡が多かったですけど、最近はボカロ曲や「ももいろクローバーZ」の曲など、難しい曲が増えていますよね。 大隈 そうですね、さすがに小学1年生になって童謡もないだろうと思って。本当はオリジナル曲をやりたいんですけど、経済的な問題で……。今は1曲、ボクが作った「ハイパーランドセル」という曲を歌っていますが、本当は著名な作曲家さんに頼みたいんですけどね。 ――クラウドファンディングで支援者を募ったら、みんな親戚のおじさん気分でお金を出してくれるんじゃないですかね。 大隈 そういうこともやりたいんですけど、ボクがネットに弱くって……そういうことに詳しいスタッフが来てくれるといいんですけど。
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アンコールではピアニカの演奏も
――あいちゃんママは過去に芸能活動をされていましたが、娘にもやらせるというのは、芸能活動はいい思い出だったということでしょうか? あいちゃんママ いや、辛い思い出がいっぱいありますよ。でも、もともとの性格が「人と会話ができない」「人と目を合わせるのも苦手」「人前に出るのも大嫌い」……そんな感じだったので、自分を変えるためには辛い思いをするのなんて当たり前じゃないですか。いろんなことを努力してやってきたからこそ、自分が変われたって思っているんで。 ――確かに、お話をしていて、すごくコミュニケーション能力高そうだなと。 あいちゃんママ だから、娘にもそういう経験をしてもらいたいんですよね。おかげで、レッスンを休んだこともないし、仕事がいっぱい入っていても「疲れた」の一言も言ったことがないんで。そういう姿を見ているから、ウチの子は絶対大丈夫だなと。 ――そういう経験をしていれば、将来的にアイドルにならなくても意味があると。 あいちゃんママ うん。何事にも一生懸命がんばることができれば、意味がありますよね。 ***  7歳にして芸歴3年という「あいちゃん7さい」。このくらいの年齢だと、ちょっと目を離したスキにメチャクチャ成長しちゃうので、今すぐ会いに行くしかないぞ!? (取材・文=北村ヂン)
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■あいちゃん7さい 2014年10月よりライブ活動を開始。「アキバ・アイドルフェスティバル」にて最年少アイドルとしてライブデビューを果たし、イベント初のアンコールが起きて話題となる。 ライブ活動以外にもテレビやラジオ番組、舞台に出演するほか、モデルとしても活躍中。 http://rainbowmusic-production.com/ai_profile.html Twitter @aichan20100725

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撮影=荻窪番長
「最年少アイドル」というキャッチフレーズでテレビ番組にも取り上げられるなど、色んな意味で話題となっている「あいちゃん6さい」。  初めて存在を知ったときには「アイドル業界も行くとこまで行ったな……」と思ったものだが、実際にライブを見てみると「幼稚園児に群がるロリコン集団」というよりは、姪っ子の学芸会を見守るおじさんたちといった雰囲気で、アットホームな空気が流れている現場だった。  そんな「あいちゃん」が今年小学校に入学し、7月には誕生日も迎えて「あいちゃん7さい」に進化した!? ……ということで、「日刊サイゾー」最年少インタビュー(たぶん)を敢行しました! ***
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8月5日、池袋ルイードK3で開催された「太陽さんさん!夏祭りスペシャル」にて。
■将来の夢は……「ペットショップ」!? ――4歳からアイドルをやってるんだよね? その前から歌ったり踊ったりするのが好きだったの? あいちゃん うん、好きだったよ。「さんぽ」(『となりのトトロ』のテーマ曲)とか。 ――他に好きな歌は? あいちゃん アニメの歌は好き! 『アイカツ!』とか『プリパラ』!(ともにテレビ東京系) ――ああ、アイドルのアニメを観て、アイドルになりたいって思ったのかな。はじめてやったライブは覚えてる? あいちゃん ウクレレ! 大隈秀徳(あいちゃん6さいのプロデューサー) ウクレレを演奏しながら「カエルの歌」と「さんぽ」を歌ってたよね。 ――緊張しなかった? あいちゃん わすれちゃった。 ――今、歌っている歌はあいちゃんが決めてるの? 大隈 あ、ボクです。 ――難しい曲が増えているけど、歌詞を覚えるのは大変じゃない? あいちゃん 大変! 「メランコリック」とか。メランコリックって……メロンジュース? ――7歳で「メランコリック」なんて言葉知らないよね(笑)。これから、自分で曲を作ったりしたいと思う? あいちゃん あんまり思わない。
目指すは「あいちゃん104歳」!? 父性を刺激されまくる話題の最年少アイドル・あいちゃん7さいに突撃!の画像3
ハイタッチをしようとファンに駆け寄るあいちゃん。ファンサービスも忘れません!
――お父さんやお母さんより年上のお客さんもいると思うけど、そういうおじさんたちと話すのは大丈夫? あいちゃん 大丈夫! 仲良くできる! ――アイドルはずっと続けていきたいと思ってるの? あいちゃん うん。 ――じゃあ、将来の夢は? あいちゃん ペットショップ! ――あ、そうなんだ(笑)。 あいちゃん ケーキ屋さんも! 動物とお料理が好きなんで、だからそういうお店。 ――得意な料理は? あいちゃん オムライス! ――これからアイドルとしてテレビに出たり、ドラマに出たりとかも興味あるのかな? あいちゃん 演技? やりたい! テレビにも出たい! ――それじゃ最後に、お客さんへのメッセージを。 あいちゃん いつも応援してくれてありがとう!
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ライブ後の物販では、チェキを撮ったりサインを書いたり、ファンのみなさんと楽しそうに交流していました
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■目標は「あいちゃん104歳」  さすがに、あいちゃんに話を聞くだけだと細かい情報を聞き出せなかったので、プロデューサーの大隈秀徳と、あいちゃんママ26さい(!)にも話を聞きました。 ――もともと、あいちゃんは大隈さんの教室へ、レッスンに来ていたんですよね。 大隈 もともとの話で言うと、あいちゃんママが12歳の頃からボクの生徒だったんですよ。それで14歳の時に「12.ヒトエ」というガールズバンドでメジャーデビューして。まあ、そのバンドはあまり売れなくて解散しちゃうんですが。それから19歳であいちゃんを産んで、「この子が大きくなったら何かやらせようね」っていう話はしていたので、3歳の時に「そろそろ楽器をやらせてみようか」ということで、ギターは大きくてまだムリなのでウクレレを始めたんです。
目指すは「あいちゃん104歳」!? 父性を刺激されまくる話題の最年少アイドル・あいちゃん7さいに突撃!の画像6
――その頃はアイドルというより、アーティスト的な方向性で考えていたんですか? 大隈 特にどっちと決めていたわけではないですね。その頃、ボクが小学生アイドルバンドをプロデュースしていたので、そういうアイドルのライブに行くことも多かったんです。その子たちは小学5年生だったから、最年少かなと思っていたら、共演するアイドルの子たちに小学校1年生の子がいて。アイドルが低年齢化しているんですよね。だったらもう、あいちゃんを出しちゃってもいいのかなって。その頃、ちょうど誕生日がきて4歳になったので「あいちゃん4さい」としてライブに初出演したんです。 ――名前に年齢を入れたというのは、そこが売りになると思ったからですか? 大隈 それはまったく考えてなかったですね。ボク的には修行じゃないけど、舞台慣れさせようくらいの気持ちだったので。でも、いざステージに出てみたら“4歳”っていうことがすごい騒がれて。最初はみんな「あいちゃん4さい」なんてふざけた名前だなと思ってたみたいなんだけど。 ――大人がネタとしてそういう芸名をつけてるんじゃないかと。 大隈 そうしたら、本物の4歳が出てきて衝撃を受けたみたいですね。「ガチの4歳出てきた」ってTwitterで騒がれていましたよ。
目指すは「あいちゃん104歳」!? 父性を刺激されまくる話題の最年少アイドル・あいちゃん7さいに突撃!の画像7
――ライブでは最初からちゃんと歌えていたんですか? 大隈 そうですね、意外と度胸があるんですよ。普通、4歳の子ってなかなかママから離れられないと思うので、お客さんがいっぱい待っているステージに出ていくなんてできるのかなって思っていたら、堂々と出ていって「こんにちは、あいちゃん4さいです」ってあいさつして。この調子で成長していけば、10年経っても14歳だからスゴイぞと思いました。 ――14歳で芸歴10年ですからねー! 大隈 だから、長期計画で育てていこうと思っていたんですけど、思いのほか人気が出ちゃって。でも、普通のアイドルの年齢になるまでに色んな楽器をやらせて、踊りとかも本格的に踊れるようになってもらいたいんですけどね。 ――芸名は、たとえば20歳になっても「あいちゃん20さい」でいくんですか? 大隈 とりあえずはこの路線で行こうと。「あいちゃん○さい」というのがブランドみたいになってるんで。あいちゃんが104歳になって「芸歴100年のあいちゃん104さいです」って言うのが夢ですね。ボクは生きていないでしょうけど(笑)。 ――プロデューサーとしてのこれからの目標は? 大隈 先のことを考えないで始めちゃったんで、まだ「こういう風にやっていこう」とは考えていないですね。 ――初期は「幼稚園で歌ってるんだろうな」という感じの童謡が多かったですけど、最近はボカロ曲や「ももいろクローバーZ」の曲など、難しい曲が増えていますよね。 大隈 そうですね、さすがに小学1年生になって童謡もないだろうと思って。本当はオリジナル曲をやりたいんですけど、経済的な問題で……。今は1曲、ボクが作った「ハイパーランドセル」という曲を歌っていますが、本当は著名な作曲家さんに頼みたいんですけどね。 ――クラウドファンディングで支援者を募ったら、みんな親戚のおじさん気分でお金を出してくれるんじゃないですかね。 大隈 そういうこともやりたいんですけど、ボクがネットに弱くって……そういうことに詳しいスタッフが来てくれるといいんですけど。
目指すは「あいちゃん104歳」!? 父性を刺激されまくる話題の最年少アイドル・あいちゃん7さいに突撃!の画像8
アンコールではピアニカの演奏も
――あいちゃんママは過去に芸能活動をされていましたが、娘にもやらせるというのは、芸能活動はいい思い出だったということでしょうか? あいちゃんママ いや、辛い思い出がいっぱいありますよ。でも、もともとの性格が「人と会話ができない」「人と目を合わせるのも苦手」「人前に出るのも大嫌い」……そんな感じだったので、自分を変えるためには辛い思いをするのなんて当たり前じゃないですか。いろんなことを努力してやってきたからこそ、自分が変われたって思っているんで。 ――確かに、お話をしていて、すごくコミュニケーション能力高そうだなと。 あいちゃんママ だから、娘にもそういう経験をしてもらいたいんですよね。おかげで、レッスンを休んだこともないし、仕事がいっぱい入っていても「疲れた」の一言も言ったことがないんで。そういう姿を見ているから、ウチの子は絶対大丈夫だなと。 ――そういう経験をしていれば、将来的にアイドルにならなくても意味があると。 あいちゃんママ うん。何事にも一生懸命がんばることができれば、意味がありますよね。 ***  7歳にして芸歴3年という「あいちゃん7さい」。このくらいの年齢だと、ちょっと目を離したスキにメチャクチャ成長しちゃうので、今すぐ会いに行くしかないぞ!? (取材・文=北村ヂン)
目指すは「あいちゃん104歳」!? 父性を刺激されまくる話題の最年少アイドル・あいちゃん7さいに突撃!の画像9
■あいちゃん7さい 2014年10月よりライブ活動を開始。「アキバ・アイドルフェスティバル」にて最年少アイドルとしてライブデビューを果たし、イベント初のアンコールが起きて話題となる。 ライブ活動以外にもテレビやラジオ番組、舞台に出演するほか、モデルとしても活躍中。 http://rainbowmusic-production.com/ai_profile.html Twitter @aichan20100725

美少女たちの心は“闇”だらけ!? 「ミスiD 2017」受賞者が本音ぶっちゃける!

やっぱりみんな闇を抱えてる!? 「ミスiD 2017」受賞者が本音ぶっちゃける!の画像1
撮影=尾藤能暢
 8月19日(土)~9月1日(金)にキネカ大森で開催される毎年恒例の「夏のホラー秘宝まつり2017」で、梅沢壮一監督の映画『血を吸う粘土』が上映される。  ドラマ『妖怪人間ベム』や映画『桐島、部活やめるってよ』などなど、数々の作品で特殊造型&特殊メイクを手がけてきた梅沢監督だけに、悪魔の粘土「カカメ」がみんなに取り憑いていって……という、造型&メイクにこだわりまくったこの作品。  主演は「ミスiD 2017」グランプリの武田杏香。さらに「ミスiD 2017」を受賞した杉本桃花、藤田恵名、牧原ゆゆが出演する。 ……ということで「ミスiD」の4人に、『血を吸う粘土』&「ミスiD」への思いを語ってもらった。 ■頭ぶっ飛んでるな、この人(監督)
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武田杏香
――今回の『血を吸う粘土』は「夏のホラー秘宝祭り2017」というイベントの一環として作られた映画ですけど、みなさんホラー映画は大丈夫なんですか? 武田 キライです! 昔、怖い話を聞かされて、しばらくお風呂にもひとりで入れなくなったくらいなんで……。 藤田 私も怖いのは本当にダメで……。台本を読んで「どういうこと?」って思いました(笑)。すごいことがいっぱい書いてあるんですよ。やっぱり監督さんが特殊造型出身の方だから、そういうところにはすごくこだわっていて……。「頭ぶっ飛んでるな、この人」と。 杉本 私は大丈夫です。好きでもないですけど、ホラー映画は日本のも海外のも見ていて『saw』みたいなグロいのも平気なんで、台本を読んで「楽しそうだな」って思いました(笑)。
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牧原ゆゆ
――牧原さんは、ホラー映画大好きなんですよね? 牧原 毎日見ています! 本当にホラー映画が好きで、この作品は襲われるだけじゃなくて、自分が怪物に取り憑かれて他人を襲えるというのが楽しみでしたね。いつも見ながら「私だったら、こう演じたいな」なんて考えていたので、今回はサイコパスっぽい感じで演じました。 ――撮影もハードそうでしたけど、大変だったことは? 武田 特殊メイクをして焼かれるシーンがあるんですけど、焼かれる気持ちってわからないじゃないですか。 ――……まあ、そうですね。 武田 監督から「とりあえず苦しんでください」って言われたんで、自分の中で一番低い声を出してうめいたんですけど、なかなかカットかからなくて大変でした。 杉本 私は自分に近い性格の役だったので、演技自体はやりやすかったんですけど、最後まで残って叫んでいるキャラクターだったんで、それが苦しくて……。酸欠になって頭クラクラになっちゃいましたよ。 藤田 撮影に入る前まで髪が明るかったんですけど、「役柄が10代だから、黒くしてくれ」って言われて。せっかくブリーチしてたのに、黒く染めたんですよ……。それがつらかったですね。 ――そこ!? ハムスターを口に入れられたり、いろいろやらされてましたけど。 藤田 もちろん本物のハムスターじゃないですけど、ゴムなのか粘土なのかよくわからない素材のものを口の中に入れられるとは……。「ウソだろー!?」って思ってました(笑)。まあ、普段から「NGなしです」って言ってる手前、「イヤです」とも言えないですから。 牧原 私は男の子の顔についた血をなめるシーンがあったんですけど、人の顔をなめたことがなかったから、どうなめたらいいかわからなくって。それが難しかったです。
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藤田恵名
■「ミスiD」を受けるような子たちは、何かしら闇を抱えていそう ――みなさんの共通点として、「ミスiD」というのがあります。アイドルオーディションとしてはかなり特殊なオーディションだと思いますが、なんで受けようと思ったんですか? 武田 オーディションを受ける1年くらい前に、実行委員長の小林司さんにイベントで呼んでいただいたことがあったので「ミスiD」の存在は知ってたんですが、コネとかがまったくないオーディションだと聞いていたので受けてみたいと思ったんですね。私、オーディションでちゃんと受かったことがないという意識があって、そういうコネがない場所で自分がどう評価されるのか知りたかったんです。 杉本 私はオーディションを受けたのが人生初めてだったんですが、なんで受けたのかって聞かれると……。当時、高校2年生で、将来の話とかで親や先生たちとぶつかることが多くて、「大人は、こんなに話が通じないのか」と悩んでいたんです。そんな時、「ミスiD」の募集要項を読んだら、「なんでもありで、かわいくなくても、スタイルがよくなくてもOKな、固定概念のないオーディションだ」って書いてあったんです。「ここなら自分の中身をちゃんと見てもらえるのかな」と思って応募しました。結果的に、ひねくれている審査員のみなさんをはじめとして、自分のことを理解してくれる人たちと出会えて、いい居場所ができたなと思いました。 ――オーディションの動画では、かなり挙動不審でしたけど、今日はだいぶ普通にしゃべれていますね。 杉本 最近まで本当に家から出られなくて……。こういう仕事をしようと決めてから、「頑張らなくちゃ」って、Twitterとかを頻繁に書くようにしているんですが、まだリハビリの真っ最中です。 ――藤田さんは、「ミスiD」にかなり思い入れがあったようですが。 藤田 「ミスiD」に携わっている、カルチャーに精通した人たちに自分の存在を届けたいって思ったんですよね。昔から女の子の集団って苦手で、いじめられて転校した経験もあるんですけど、「ミスiD」を受けるような子たちは何かしら闇を抱えていそうだから、この人たちの中だったらやっていけるんじゃないかなって。だから「ミスiD獲って、一花咲かせるぞ」とかじゃなくて、「ミスiD」という仲間に入りたかったんです。 牧原 私は以前、AKB48のオーディションを受けてメンバーに選ばれたんですけど、直後に元カレが私との写真を流出させて炎上してしまって、メンバーになれなくて……。その後、別のアイドルグループにも入ったんですけど、体が弱くてそこでやっていくのもキツイということになり、いったん夢をあきらめたんです。その結果、すごくネガティブな情報だけがネットに残ってしまい、挑戦したことがすべてマイナスになってしまったんですね。こんなことなら最初からこの世界に入らなければよかったって思っていたんですけど、「ミスiD」はそんなふうに失敗しても頑張っている姿を見てもらえるオーディションだと感じたので、そこに賭けてみようかなと思いました。 ――オーディションでは自分の病気のことなど、思い切ったカミングアウトもしていましたね。 牧原 そうです。自分にあるものは、いいものも悪いものも全部告白して……。すごく勇気がいったんですけど、その結果、周りの人たちが応援してくれたり、同じような境遇にある人が共感してくれたり。私が失敗してきたことも無駄じゃなかったな、と思えました。
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杉本桃花
■オーディション中、審査員全員、敵にしか見えなかった ――「ミスiD」界隈には変わった大人がたくさんいると思いますが、その人たちの印象は? 杉本 ホント、みなさんクセしかないですよね。Twitterを見ててもわかるじゃないですか、大森靖子ちゃんとか……。でも、こういう変な人たちだからこそ、モデルや女優に求められる外見的なものとか、そういうのは関係なく審査してくれるだろうなって感じました。過去に受賞した人たちも、そんな固定概念をぶっ壊してきた人だからこそ魅力的だと思えるし、可能性を感じますね。 藤田 私も、もともとは王道な歌手しか聴いてこなかったんですけど、今はサブカルな審査員のみなさんに影響されて、みうらじゅんさんやリリー・フランキーさんみたいになりたいと思っています。 ――だいぶ変な影響受けましたね! 藤田 正直、自分でもどこに行きたいのかわからないんですけど。私の新しい扉を開いてくれるサブカルな人たちは、すごく素敵で……。仕事相手としてはどうなの? って思うところもあるけど、大好きです。 ――武田さんは、サブカルとは縁のなさそうな世界で活動してきた人ですが、どうでしたか? 武田 私は、サブカルはキライですから。なんかジメジメしているイメージ。だからといって、私がキラキラしているというわけではないんですけど、オーディション中も審査員全員、敵にしか見えなかったですね。でも、だからこそ、「信頼できる人たちだな」って思いました。私は、芸能界芸能界しているのが苦手だったので。 ――「ミスiD」を受賞して最初の仕事が今回の映画でしたが、今後はどんな活動をしていきたいですか? 武田 今回の映画のようなお芝居もいいですけど、基本的には音楽を中心に活動していきたいなと思って準備中です。普段、童顔なので幼く見られがちなんですが、性格的にはそんなことは全然ないので。そういう、自分の内面を含めた部分を生かして活動していきたいなと思っています。 杉本 こういう人になりたいというのは今のところなくて、ふんわりしているんですけど、演技をやってみたら楽しかったし、芸能に携わることは今後もやっていきたいですね。 藤田 ずっと音楽をやってきたので、引き続きやっていきたいです。わりと何を言われても断れなくって、ラップをやってみたり、パチスロや麻雀の仕事をやってみたり……。でも、ここまできたら、求められることは自分なりになんでもやっていきたいなと思っています。そして、いつかはコラムとかを書いてみたいです。 ――ああ、やっぱり目標は、みうらさんとリリーさんなんですね。 牧原 私はこの4月に「永遠少女症候群ゆゆ」というソロアイドルとして活動を始めたばっかりで、ソロでやっていくのは本当に難しいなと思っている最中なんです。いろいろと悩んでいることも多いですが、やっぱり芸能は続けていきたいなと思っているんで、頑張りたいです! (取材・文=北村ヂン) ●『夏のホラー秘宝まつり2017』 開催概要 期間:8月19日(土)~9月1日(金) 場所:キネカ大森 料金:新作1500 円、旧作1100 円 公式サイト http://horror-hiho.com Twitter @horror_hiho 提供:キングレコード 配給・宣伝:ブラウニー

「佐藤秀峰さんには頭が上らない……」『やれたかも委員会』吉田貴司の屈辱の日々と、ウェブ漫画家としての生きる道

「佐藤秀峰さんには頭が上らない……」『やれたかも委員会』吉田貴司の屈辱の日々と、ウェブ漫画家としての生きる道の画像1
(c)吉田貴司
 最近ではウェブ上での展開を中心にしている漫画も増えてきたが、その中でも異彩を放つ作風で話題となっているのが『やれたかも委員会』だ。  あの時、もう一歩踏み出していたら、あの娘とやれたんじゃ……。  そんな甘酸っぱ~い思い出を『やれたかも委員会』が「やれた」のか「やれたとは言えない」のか判定するというこの作品は、新作が公開されるたびに「いや、やれただろう!」「ねーよ!」などのザ・不毛な議論がネット上でヒートアップし、作品外での盛り上がりも見せている。  有料サイトで連載され、それをまとめた第1巻が双葉社より6月28日に発売。さらに2巻に向けての制作費を募るクラウドファンディングもスタートと、紙の雑誌で連載して原稿料をもらうという形ではない、ネット発のヒット作となった『やれたかも委員会』。  ネット時代の漫画家は、どうやって生き抜くべきなのか!? そしてネット漫画で本当に食えるの? ……などなど、作者の吉田貴司氏に聞いた。

■「ハンバーグはおいしかったけど、それでいいんですか?」

――まず、どんな漫画を読んで育つと、こういう作風になるのかを聞きたいんですが。 吉田貴司氏(以下、吉田) 小学校の時に初めて買った漫画が『ドラゴンボール』です。それから『幽☆遊☆白書』『3×3EYES』などを読んできて……。19歳でフリーターになり、その期間にすごく漫画を読んでいましたね。星里もちるさんのラブコメとか、福本伸行さんの『カイジ』とか、だんだんと青年漫画を読むようになって。だから、自分で漫画を描く時も青年誌っぽい作品になりました。 ――投稿を始めたのも、その頃? 吉田 21歳で持ち込みを始めました。大阪出身なんで、夜行バスで東京まで出て出版社を回ったんですけど、どこに行っても全然ダメでしたね。そのまま、22歳になっても一向に漫画家になれなくて。彼女にも「漫画あきらめたほうがいいよ」なんて言われて、ハンバーグ屋さんに就職したんです。そしたら福岡県の店に転勤になって、タコ部屋……もとい社員寮で暮らしながら、朝から晩まで働いていました。 ――社員寮じゃ、漫画を描くのは難しいですよね。 吉田 描けなかったですね。フリーター時代に親友が2人いたんですよ。ひとりは音楽やってて、もうひとりが漫画描いてて。誰かの家に行って、この間読んだ本がああだこうだって話をするような仲間だったんです。僕が就職して、九州に行ってしばらくした頃に2人が店に来て、うれしくてハンバーグをごちそうしたんですけど、アンケートに「ハンバーグおいしかったです。でも、吉田くんはそれで本当にいいんですか?」って書いてあって。 ――青春ですね! クリエイター志向の3人だったのに、それでいいのかよと。 吉田 それを伝えに九州まで来てくれたというのに感動したのかなんなのか、その後いろいろ悩んだ末に仕事は辞めることにしました。それで、大阪に戻ってまたバイトをしながら漫画を描いていたんですが、「ビッグコミックスピリッツ」(小学館)で初めて「これ面白いね」って言ってもらえたんですよ。その漫画で努力賞1万円をもらって、うれしくって東京に出てきました。 ――え、1万円もらっただけで!? 吉田 編集者も「何しに来たの?」って言ってましたね(笑)。それから日雇いバイトとかやりながらネームを描いたら「増刊に載っけてあげる」ということになってトントン拍子にデビューできて、このまま行けるのかなーと思ってたら……なんともならなかったですね。その頃、担当から「佐藤秀峰さんがスタッフ募集しているけど、行く?」って言われて、作画スタッフになりました。 ――絵柄も何も、全然違うじゃないですか! 吉田 佐藤さんが僕のデビュー作を読んで「すごい面白かった」と言ってくれたらしくて。佐藤さんにはそれから10年以上たった今でも、お世話になりっぱなしですね。絵柄も何も違いますがなんとか雇ってもらえて、ご飯が食べれました。もちろん、仕事は厳しい面もありましたが。 ――佐藤さんのところで、何を描いてたんですか? 吉田 紙コップとか(笑)。お察しの通り、僕は絵がヘタなんで、なんにも描けないんです。佐藤さんのところって、雇用期間が3年間なんですよ。3年たってダメだったら、漫画家の道をどうするか考えなさいという方針で。でも、僕は1年、2年たってもうまくならないし、下にうまいスタッフがドンドン入ってくるし。絵は毎日リテイクの繰り返しだし、2年半たった頃が地獄でしたね。 ――その頃、自分の漫画は描いていたんですか? 吉田 スタッフに入った当初は佐藤さんの原稿を目の当たりにして、自信喪失してしまいました。「こりゃもう何を描いても仕方ないな」と。みんな陥るらしいですけどね。でも、作画スタッフの仕事がまったくうまくいかないので、逃避のために自分の作品を描きたくなるんですよ。それで描いたものを「モーニング」(講談社)に送ったら、ちばてつや賞の準入選をもらえて。その後、『フィンランド・サガ(性)』という作品で連載させてもらえることになりました。 ――おお、初連載ですね。それで、佐藤さんのところから独立できたんですか? 吉田 しばらくは兼業で描いてたんですけど、2年10カ月目くらいで辞めさせていただきました。月刊連載で20ページ、20万円もらえたので、1人で描いてる分には食べていけたので。でも、それも3巻くらいで終わっちゃって。すぐに次が始まると思って余裕かましてたら全然ネームが通らないし、ほかのところに持っていっても、賞には入っても連載できないみたいな、3年ぐらいそんな生活でしたね。
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■作画家・編集者とモメて泥沼の展開に

――そんな時期に『やれたかも委員会』も描いていたんですよね。 吉田 そうなんですよ。第1話は2013年に描いています。くすぶっている時期に読み切りをたくさん描いていて、その中の1つでした。『やれたかも委員会』は「ビッグコミックスペリオール」(小学館)で奨励賞をもらったんですが、連載にはならなかったですね。あの形式だと、どうしてもオチがワンパターンになっちゃうと言われて……。 それから別の作品を描き始めて、15年に「これは面白いぞ」というものができたんですね。その『シェアバディ』という作品で連載をやれることになったんです。……絵がダメだから、原作者として。 ――それまでの期間って、何をやって食べていたんですか? 吉田 『フィンランド・サガ(性)』が終わってからは工場で働いていたんですけど、その工場も1年くらいで潰れちゃって。困り果てて、佐藤さんのところに行ったら「ウェブの仕事だったらあるけど、やる?」って言っていただけて。でも、1年くらいたった頃に『シェアバディ』の連載が決まったんで辞めました。 ――勝手ですねー! 吉田田 本当に申し訳ないです。でも初の週刊連載だし、ここは勝負かけようと思ってしまいまして。……その『シェアバディ』も、半年で打ち切られるんですけどね。作画家・編集者とモメるという泥沼の展開になっちゃいまして。 僕は話をじっくり考えたかったんで、持ち込む前に100ページ、連載が始まるまでに200ページ描きためていたんですよ。ところが、始まったら「人気がドベだから話を変えろ」っていうことになって。それまでは絶賛してたくせに。でも、先まで決まってるし、変えられないですよ。別案を作っても、元のクオリティーを下回るのがわかってますから。そしたら、作画家・編集者とで勝手に話を変えちゃったんです。 ――え、そんなことあるんですか! 吉田 そうなんですよ。原作者の僕が知らないキャラを出されても、困るじゃないですか! だから、最後の3巻は読んでもいないですね。……思い出したら、泣きたくなってきました。 それで連載が終わって、また佐藤さんのところに頭を下げに行って……。 ――ええーっ! 吉田 辞めて半年で戻っちゃって(笑)。頭が上がりませんよ、もう。
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■『やれたかも委員会』が話題になってザマア!

――再び佐藤さんのところで働きつつ、自分の作品も描いていた? 吉田 描いてはいたんですけど、『シェアバディ』の泥沼で心が折れ、もう編集者と何かをするのがイヤになっちゃって。だったら、ネットで描いて自分で電子書籍を出せばいいんじゃないかなと思うようになりました。 ――ネットでの展開というのは、佐藤さんの影響も大きいんじゃないですか? 吉田 そうですね。佐藤さんのところで電子書籍の仕事を担当してたので、電子書籍のストアのことや契約の仕方など、見て勉強させていただきました。それで、自分でネット展開するに当たって、どうすればいいかなと考えて、まあ考えてもわからないので、とりあえずTwitterに1ページ漫画を毎日上げるというノルマを課しました。それが16年の2月くらいのことです。 ――それ、お金にはならないですよね? 吉田 ならないですね。とりあえずいろいろと発信して、フォロワーを増やそうとしました。それから同人誌とか作って、500人くらいに売れるようになれば、別にいいかな……と思ってました。でも、最初はフォロワー700人くらいしかいなかったし、知り合いばっかりだったんで、作品を載せてもぜんぜん反応ないんですよ。毎日スベリ倒しで、心がバキバキに折れました。 ――それでも、編集者と一緒にやるよりはマシだと? 吉田 そうですね。 ――Twitterで初めて反応があったのは、いつ頃ですか? 吉田 『やれたかも委員会』がバズッたのが16年の9月なんですけど、それまでほとんど無反応でしたね。女の子がおじさんの気持ちを言う、みたいな漫画が1000RTいったくらいで。それから、9月に1万RTいったネタがあり、そのタイミングで過去の『やれたかも委員会』をネットの有名人の方が見つけてくれて、おかげでものすごく拡散しましたね。  13年にはブログとnoteに上げていたんですけど、それまではまったく無反応でしたから。16年4月に続編として『やれたかも委員会2』を描いて、noteで100円で販売したんですけど、それも4個しか売れず。 ――400円……。 吉田 振り込み手数料を引かれるから、振り込まれもしないんですよ。 ――でも、Twitterに漫画を上げ続けていたことによって、やっと『やれたかも委員会』に日の目が当たったと。 吉田 はい、「1」が20万PVいって、「2」も300個くらい売れて。「なるほどー、バズると、こういうことになるのか」と。そのタイミングでいろんな版元さんから「連載しませんか?」「書籍化しませんか?」って声をかけていただきました。ただ、連載をして原稿料をもらえるというのは魅力的だったんですが、やっぱり……電子書籍の権利を自分で持ちたかったんですね。それを要求したら、どこも通らなかったです。 ――佐藤秀峰さんレベルが要求したら通るけど……。 吉田 まあ、普通に考えて紙書籍のみで「原稿料が回収できるくらい利益になる」と思われないと、その条件はのんでもらえませんよね。打ち合わせで電子書籍の権利の話を出すと、みんな顔色変わるんですよ。「吉田さんと、そんな話はしたくなかった」と。 ――連載の話がナシになっても、電子書籍の権利は押さえたかった? 吉田 やっぱり、収入面についてももちろんそうですが、いろんな側面から電子書籍の権利を持つのは重要だと思います。実は、『フィンランド・サガ(性)』は佐藤さんの会社経由で電子書籍化してるんですよ。その時は電子書籍のことが出版契約書に盛り込まれていなかったので、自分で権利を持ってたんですね。一度、佐藤さんの漫画がセールでバーンと売れたことがあったんですが、僕の漫画もついでに売れて、100万円くらい収入がありました。その経験があったので、これを他人に渡しちゃう手はないなと。 ――とはいえ、noteの有料課金では、3万円くらいしか入っていないわけじゃないですか。原稿料のほうがよかったんじゃないですか? 吉田 いろんな人がその目先にとらわれて、契約に縛られたり、打ち切られたりしているのを見ているんですよ。権利を自分で持って継続して販売していけば、そのうち原稿料分はペイできるのではないかと思います。最初は苦しいけど、試してみる価値は十分あります。 ――ああー。お金以上に、出版社の都合で打ち切られたりしたくないと。 吉田 そうですね。絶対にあっちの都合で変えられたくないというのもあります。でも単行本って、あくまで出版社の商品なので、例えば「セリフを勝手に変えないで」って言っても、向こうの商品だから変える権利があるという理屈は残念ながら通ります。「じゃあ電子は自分でやりますよ。口出さないでください」となります。「スピリッツ」の担当者の時に散々な目に遭いましたからね。私は復讐鬼と化しています。 ――『やれたかも委員会』が話題になって、ザマアみたいな気持ちも……。 吉田 そりゃ、普通にあります。それからは、noteで自主的に連載する形を続けて、非独占だったらほかのサイトに転載してもらっても構わない、というスタンスでやっています。有料サイトのcakesさんからも話が来たんですが、あそこはPV数によってお金がもらえるんですよ。だからnoteで1話200円で販売しつつ、遅れてcakesで1週間限定で無料展開するというやり方にしたら、それが当たりましたね。noteだと、僕のことを好きな人が課金して読んでくれるだけだったけど、cakesで無料公開にすると話題になって、続きを読みたい人がnoteで課金してくれるという流れを作れたんです。 ――お金的には、どのくらいもらえるもんですか? 吉田 cakesとnote合わせて、月に12万円くらいですね。BuzzFeedさんなどのニュースサイトに取り上げられた時には、noteだけで10万とか15万とかいきました。 ――ああ、結構いいですね! まだ、佐藤さんのところの仕事も続けているんですか? 吉田 本当に申し訳ないのですが、先月末に辞めさせていただきました。 もちろんこのまま簡単にうまくいくとは思っていませんが、『やれたかも委員会』の書籍も出るし、クラウドファンディングも始まるし。忙しくなって、仕事がおざなりになっちゃうと申し訳ないと思ったので。
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■『やれたかも委員会』は純愛!?

――『やれたかも委員会』の中身の話もしたいんですが、この漫画のフォーマットって、ツッコミのある『BOYS BE...』ですよね。 吉田 確かに。僕は『BOYS BE...』あんまり読んでないんですけど、そういう青春! 純愛!みたいなものをガッツリやりたいのに、照れ隠しでこういう形式で描いているのかも知れませんね。先日対談させていただいた小説家の保坂和志さんに「今、純愛をそのまま描くとバカだと思われるから、みんな避けるんだけど、この形だと読者も純愛を照れずに読めるよね」って言っていただいて、確かにそうかもなーって思いました。 ――いろんな「やれたかも」な体験談が出てきますけど、吉田さん自身が一番好きな体験談はどれですか? 吉田 うーん、2話目の、ママさんバレーをやっている主婦ですかね……ああいう、女性からグイグイ来るタイプに弱いですね。自分からどう迫ったらいいのかわからない、っていうのもありますが。 ――「あの時、自分から行ってればやれたのに……」みたいな後悔が、たくさんある? 吉田 20代の頃はデートが終わって家に帰ってから「何やってんだろー」って、延々と蛍光灯眺めるみたいな、そんなのばっかりでしたよ。いまだに全然女性との距離の取り方がわからないところはあります。例えば、仕事で知り合った女性とプライベートで食事に行く……なんてことになったら、どうしたらいいのかわからないですもん。ファミレスだとあまりにも味気ないですし、ガッツリ間接照明みたいなところだと「口説く気か?」と警戒されて変な空気になるじゃないですか……。普通にご飯を食べたい時は、どこに行くのが正解なんですか!? ――「やれるかも」という期待が100%なければ、喫茶店でいいですもんね。 吉田 僕は、普通にご飯を食べられればいいと思ってるんです。でも、もしも女性側がアリだったとしたら、それはそれで話が変わってくるというか……。別の問題が出てきますよね? もしかして、最低なこと言ってる気がしてきましたが……すみません。 ――最新作では、初めて女性の体験談が出てきますが、そこでいきなり判定がゆるくなっている気がするんですが? 吉田 ゆるくなってますか? そうですか。特に自分では、そういう気持ちはなかったですが。女性が男性の体験談に対して「やれた」判定を出すことって、正直なかなかないと思うんですよ。女性のほうから「あの時やれたよ」って軽々しく言っちゃう作品なんか描いたら、性犯罪を助長しそうだし……。 ――そんなこと心配しているんですか! 吉田 でも、作品を通して、女性の性欲についても無視はしたくないわけです。僕は男なので、しょせん男都合の漫画しか描けないんですが、ギリギリまで女性の気持ちを考慮できたら面白いんじゃないかと思って描いています。  もちろん、女性の体験談でも「やれたとはいえない」ケースも出てくると思います。女性からアピールしたとしても、男側がダメってケースがあるじゃないですか。特に10代男子って「付き合わないと、やっちゃいけない」とか考えてたりするんで。 ――童貞相手だと、なかなか難しいですよね。 吉田 若い頃は「自分の中ルール」みたいなのが、やはり多い傾向がありますからね。 ――今後の展開ですが、自分の好きなことを描いて、読みたい人が課金してくれればいいというスタイルを続けていくんでしょうか? 吉田 そういう方向に行きたいとは思っています。「吉田さんの漫画だったら買います」という人が1000人くらいいてくれたら、ちょいちょい貯蓄しながらやっていけば大丈夫かなと思うんですよ。とりあえず、今年いっぱいは、書籍の印税も入るし、電子印税も入るし、グッズを作ったりスタンプを作ったりもしようと思ってるんで、食べていけるかなと。『やれたかも委員会』の単行本は年内にもう1冊くらい出したいんですけど、それと同時に新企画も立ち上げて、noteで動かしていこうと考えています。 (取材・文=北村ヂン)
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パンクすぎ! 伝説のハガキ職人の挫折の日々と、妄信し続けた“才能”の終着点とは――

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著者のツチヤタカユキ氏。
「1日2000本のボケを考える」というノルマを自分に課すというクレイジーな生活を送り、『着信御礼!ケータイ大喜利』(NHK総合)でレジェンドの称号を獲得。  その後も、『オールナイトニッポン』(ニッポン放送)、『伊集院光 深夜の馬鹿力』(TBSラジオ)など、数々のラジオ番組や雑誌の投稿コーナーで常連となっていたハガキ職人・ツチヤタカユキ。  やがて、常連だったラジオ番組の芸人に誘われ、構成作家見習いとして上京。しかし「人間関係不得意」ということで、その道もあきらめ、地元に帰ってしまったことなどが番組で語られていたが、最近ではめっきりそんな話も出なくなって、ツチヤの行方を気にしていたリスナーも多いのではないだろうか。  そんなツチヤタカユキが突然、自伝的私小説『笑いのカイブツ』(文藝春秋)を上梓した。  投稿していたネタからはうかがい知れなかった、私生活を破滅させてまで「笑い」に突き進む自らの姿を描いた衝撃的な一冊だ。  シド・ヴィシャスやカート・コバーンのように若くして死にたいと思い、笑い以外のすべてをかなぐり捨ててきたヤバイ人が、まともにインタビューなんて受けるわけないと、ビクビクしながら取材場所に向かったのだが……。

■シド・ヴィシャスみたいに、21歳で死のうと思っていた

――どんなキチガイが来るのかと思ってたんですが、意外とまともそうですね。 ツチヤ 27歳でお笑いをやめて、そこで一回死んだと思って生きてるんで……。それまでは本当にヤバかったですよ。トンガリまくってて、こういう取材が来ても、あの頃だったら何もしゃべらんと、にらみつけてたと思います。 ――(そんな取材相手イヤだ……。)宣伝のためのインタビューなんか、やってられるかと。 ツチヤ 今は価値観が変わって、この本が売れることで関わったみんなが幸せになるなら、インタビューでもなんでも受けたろう、という気持ちです。 ――(よかった……!)お笑いにハマる前は、どんな人だったんですか? ツチヤ 漫画オタクでしたね。それからネトゲ廃人になって、メシ食う時にもコントローラー握ったままで、そのまま寝たりとか。 ――ああ、なんにでものめり込んじゃうタイプなんですね。お笑いにハマッたきっかけは? ツチヤ 中学生の頃、関西で『吉本超合金』(テレビ大阪)とか、ヤバイ深夜番組がいっぱいあったんですよ。それ見てハマりましたね。『M-1』が始まった頃だったし、お笑いブームが来てるぞと。 ――だったら、普通は芸人になろうと思うじゃないですか。 ツチヤ とにかく「ネタを作りたい!」という衝動が先行していたんですね。芸人って食レポとか、情報番組のMCとかもやらされるじゃないですか。僕はネタだけを作りたかったんですよ。芸人なっても、ネタだけでメシ食えないんじゃ意味ないなと。 ――その衝動が『ケータイ大喜利』に向かったんですかね。レジェンドになった先は、どうなろうと思っていたんですか? ツチヤ ゴールは見えてなかったですね。漠然と、コント番組のネタを書いたりしたいなとは思ってましたけど、どうやったらそうなれるかもわからなかったし。とにかくネタを作り続けて、衝動が尽きたらそこでおしまい。シド・ヴィシャスみたいに、21歳で死のうと思ってました。格好いいじゃないですか、死んで「伝説」って言われたら。 ――シド・ヴィシャスは死ぬまでに、世界的に有名になっていたから伝説になれたんですよ! ツチヤ 21までに、売れている予定だったんですよね。このスピード感でネタを作ってたら、当然クドカンさんレベルにはなるだろうと。……アホだったんですよ、衝動で何も考えんと、ネタだけ作っていたんです。 ――面白いネタさえ作っていれば、誰かが見つけてくれるんじゃないかと? ツチヤ 「打席にさえ立たせてくれたら、絶対にホームラン打ったる!」と思ってましたね。
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『笑いのカイブツ』(文藝春秋)

■オレ以外全員死ね!

――それから吉本の劇場に入り込むわけですが、そこでは「打席」に立てなかった? ツチヤ 劇場で作家としてネタを書かせてもらうためには、上に気に入られなきゃならなかったんですよね。「なんでオレにネタを作らさへんねん!」とか「お前らが使こうてる作家より、オレのほうが面白いのに!」なんてことばっかり思ってました。業界の仕組みもなんにもわかってなかったんです。 ――そこで周りと同じように媚びようとは思わなかった? ツチヤ ダサいじゃないですか。そんなことやるより、ハガキ職人になったら全部打席だから。 ――ああ、そっちにシフトするんですね。でも、ハガキ職人って、仕事ではないですよね? ツチヤ 仕事とか関係ないんですよ。自分の笑いを世に出せたらいい。「おもんない先輩作家がエライさんの肩を揉んで仕事取ってる間に、こっちはハガキ職人やって全部の打席で打ちまくって抜いたらぁ!」と思ってました。 ――ラジオは好きだったんですか? ツチヤ ハガキ職人になるまで、ほぼ聴いたことなかったですね。ラジオって、フリートークがメインじゃないですか。当時は作り込んだものが好きだったんで、フリートーク聴いてる時間があったら、コントのDVDを見まくろう、映画を見て吸収しようって思ってましたね。ハガキ職人やってる頃も、ハガキコーナーしか聴いてなかったですもん。 ――それじゃ、楽しんでラジオを聴けないでしょう? ツチヤ 完全に、表現の場所としか考えてなかったです。「こういうネタが採用されんのや」とか、ずっと分析しながら聴いてました。 ――ほかのハガキ職人のネタも分析したり? ツチヤ いや、「オレ以外全員死ね」と。全員事故って死んで、オレだけのネタで番組を埋めたいと思ってましたから。

■頭おかしいんか、オレ以外全員!?

――常連だったラジオ番組の芸人さんに誘われて、東京で構成作家の見習いを始めるわけですが、普通に考えたら華々しいサクセスロードですよね。どうして続けていけなかったんですか? ツチヤ 作家の仕事をやるのにも人間関係っていうのが重要で、単純に仕事がまったくなかったんですよ。「これだけ毎日ネタを作って、100%努力しているのに認められないなんて、頭おかしいんか、オレ以外全員!?」と思ってました。 ――「もしかしたら、自分に才能がないのかも」というふうには思わなかったんですか? ツチヤ 現実問題として仕事が来ないということは、ビジネスとしてお笑いをやる才能がないんだなとは思いましたけどね。 ――でも、「面白さの才能」で負けていると思わない? ツチヤ 面白さで負けたと思ったことはないですね。当時は天才で、松本(人志)さんよりオレのほうがおもろいと思ってたんで! ――おお……。そう考えている人って、どんなスタンスでテレビのお笑い番組を見るんですか? ツチヤ 審査。 ――審査! ツチヤ 「なんや、このネタ。アドリブでやってるレベルやんけ」「金返せ、殺すぞ!」とか……そんなことをテレビに向かって言っていました。 ――そこまで自分に才能があると思いつつも構成作家をやめ、地元に帰ったわけですけど、バイト生活に戻るくらいなら、構成作家としてガマンして下積みしたほうがよくないですか? ツチヤ バイトのイヤさと、構成作家としての人間関係のイヤさは同じような感じでしたからね。どうせバイト中にもネタを書いてましたし、同じことですよ。 ――同じイヤだったら、構成作家をやっていたほうが、ネタも書きやすい環境じゃないですか。 ツチヤ バイト中にも普通にネタ書けてたんで、バイトの時間が無駄だっていう感覚もなかったですね。「クビにするならクビにしろ、オレは働かんと書いたらー!」と思ってました。 ――「バイト中にあえてそこんなことやってるオレ、格好いい」みたいな感覚もあった? ツチヤ 「特別だろオレは? お前ら凡人とは違う!」って、逆境にいることに酔ってましたね。岡本太郎さんが好きなんで、オレはあのイズムを継承しているなと。岡本太郎だって、虐げられてきた時代があったはずなんですよ。今のオレは、その時代の岡本太郎だと。
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■ダサくても、ジョン・ライドンのように生き残ったほうがいい

――やがて、それだけこだわってきた「ネタを書くこと」もやめてしまいます。 ツチヤ 地元に帰ってからもネタを書き続け、細々とお笑いの仕事を続けていたんですが、27歳で完全に心が折れたんですよ。そこで「お笑いにしがみつくのはやめて、もう死のう」と思ったんです。 ――どうして、その時に死ななかったんですか? ツチヤ ブログを始めて、これを書いてから死のうと思ったんです。遺書みたいなもんですよね。ここまでやってもダメだった。オレは負け犬だ。最後、負けをさらして死んでやる……という気持ちですね。  ブログにここまで書いたら、もうお笑いはできないでしょう。ここまで暗い生活を送ってきたヤツのネタなんて、笑えないですもん。そうやって、二度とお笑いができないようにしたかった。そうやって断ち切らないと、一生お笑いにしがみついてしまうんで。  そう考えた時に、いろんな価値観が全部ひっくり返ったんです。それまでずっとシド・ヴィシャスが好きで、バンドメンバーのジョン・ライドン(ジョニー・ロットン)はダサいと思ってたんですよ。あんな生き永らえてデブなって……。でも、一回死んだ気になってみたら「格好悪いほうが格好いい」「ダサくても、ジョン・ライドンのように生き残ったほうがいい」って。 ――結果的に、そういう覚悟で書いたブログが、今回の本につながったわけですよね。 ツチヤ 最初の1カ月は読者もひとりとかしかいなかったんですけど、2カ月くらいした頃、急に「書籍化しませんか?」みたいなメールが何通も来て。同時期にcakesからも「連載しませんか?」って……でも、そんなのイタズラだと思ったんですよ。ただ、cakesだけは「ウソつくにしても、こんな誰も知らない無名の社名を出すかな?」と思って。 Cakes担当編集 ひどい(笑)。その時期に、出版界隈でツチヤさんのブログが軽くバズッたんですよね。僕も、Facebookで誰かが「ヤバイ」って書いてるのを見かけてメールしたんです。 ――それでcakesでの連載も決まったと。 ツチヤ いきなり書籍化するよりも、連載だったら日銭が入るんで……。タイミングもよかったですね。これ(ブログ)が全然認められてなかったら、本当に死んでたと思います。その連載が1年続く間に、またいろいろと書籍化の話が来て、今回の出版となりました。 ――ここまで自意識が強い人が、帯で「伝説のハガキ職人」とか書かれちゃうのって、イヤじゃなかったですか? ツチヤ イヤでしたね! このタイトルもイヤでしたもん。「自分で『笑いのカイブツ』言うてんで、メチャ痛いやんけ」って。でも今は、一周回って、かっこ悪いのがかっこいいと思えるようになりました。その上で、世間の評価なんてどうでもいいし、どう思われてもいいと考えられるようになりました。

■そのへんの小説家が書くような文章はいらん

――本のターゲットはどんな人? ツチヤ 27歳の頃の僕ですね。 ――心の中に「カイブツ」を抱えている人ということですね。そういう人たちを、この本で安心させたい? ツチヤ 安心……そうですね。僕が27歳の時にこういう本が読みたかった、こういう本があったら救われただろうというものを書きました。 ――当時は「自分みたいなヤツは、ほかにいないんじゃないか」と思っていた? ツチヤ 一般人にはいないと思っていました。かつてはいっぱいいたのかもしれないけど……岡本太郎とかゴッホとか。 ――そこと同列……! お笑いネタは膨大な数を書いてきましたけど、小説を書くに当たって、苦労はなかったですか? ツチヤ それまでお笑いに向けていた熱量を、小説にぶつけるという意味では同じでしたね。ノートやチラシの裏にバーッと書いたのをスマホで清書して。最初4万字書いたら、そこから4,000字だけ選抜してほかは捨てる――。ハガキ職人の頃に投稿するネタを選抜していたように、文章も選抜していきましたね。 ――急に話が飛んだり、説明が足りないんじゃないかなという部分があるのは、つまらない部分を削ったからなんですね。 ツチヤ 僕なら、ダラダラした説明があった時点で捨てますから、そんな本。常に「面白い」を与え続けないといけない。全ページ面白くしたかったですね。そのへんの小説家が書くような文章はいらんと。そいつらより絶対にすごいもん書いたるっていう気持ちはありました。 ――小説でも、上から目線になるんだ……。 ツチヤ 小説家なんて全員おもんないなと思ったからこそ、これを書いたわけなんで。 ――今後は、小説家として活動していくんですか? ツチヤ なんのこだわりもなく、依頼が来たヤツ全部やろうと思ってます。一回、死んだと思って生きてるんで。それで失敗して、バカにするならしたらいい。「AV出ろ」って言われたらイヤですけど。 ――それ、オファーするほうがどうかしてますけどね。今はバイトもしてない? ツチヤ 印税前借りしてるんで。それがなくなって食えなくなったら、「いつ死んでもいいやって。それは常に思ってますね。 ――それはまだ思ってるんだ……。 *** 『笑いのカイブツ』が出版されて以降、執筆の仕事だけでなく、お笑いの仕事依頼も次々舞い込んでいるというツチヤ。  一度はお笑いをあきらめたツチヤが、ここからスゴイ笑いを生み出してくれるのか、それともやっぱり「人間関係不得意」だからドロップアウトしてしまうのか?  停滞しているテレビの「お笑い」をぶっ壊してくれそうな存在であるツチヤの活動を、楽しみに見守りたい。 (取材・文=北村ヂン)

「お前ら許さんぞ!」“性の喜びおじさん”、YouTuberと若者にモノ申す!!

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「性の喜びを知りやがって、許さんぞ!」 「自分たちばっかし、俺にもさせろよ!」 ……などと電車の中で叫びまくる動画がネットにアップされ、一躍人気者(?)となった「性の喜びおじさん」。
YouTube「JAPAN NEWS」より
 確かに、見ていると目が離せなくなってしまう衝(笑)撃的な内容なのだが、わざと撮影させてネットで話題になろうとしたのか? 本当にヤバイ人を盗撮したものなのか? いろいろと謎が多い動画でもあるのだ。  そんな性の喜びおじさんが、サイゾー編集部のある渋谷にやたら出没しているというウワサを聞きつけたので、編集部・K女史に「性の喜びおじさんを見かけたら、取材オファーしておいて!」と頼んだら、本当にオファー成功!  サイゾー編集部にやってきた性の喜びおじさんは、いきなりメチャクチャ酒臭い状態……。  不安いっぱい、気になることいっぱいのまま、突撃取材スタート!
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■TSUTAYAの前で「I want to make love」って声をかけている

――まず聞きたいんですけど、例のネットに上がっている動画って、誰かに撮ってもらったものなんですか? それとも盗撮? おじさん 盗撮だよ、許さんぞ! 撮られていることも知らなかったし、動画自体、この間のテレビ(BSスカパー!『BAZOOKA!!!』)に出たときに初めて見せてもらったもん。あれヤバイな、ガッハッハ! ――ヤバイですよ(笑)。わざとやっていたんじゃないとしたら、電車の中で、なぜあんなことを? おじさん 酒を飲んで独り言をブツブツ言ってるのを、撮られちゃったんだろうな。全然記憶にないけどさぁ~。23年間決まった恋人がいないと、いろいろと鬱憤がたまって、ああいう言葉が出きちゃうわけだよ。 ――独り言にしては、声がデカすぎますけどね。外が明るかったですけど、飲んだ帰りの朝とか? おじさん さすがに朝まで飲まないよ、ヤバイいじゃん。俺は昼間しか飲まないんだから! ――昼間のほうがヤバイですよ! あの動画が話題になって、外ですごく声をかけられるようになったんじゃないですか? おじさん でも、声かけられるだけだもん、写真撮っておしまい。要するに、珍獣見てるようなもんでしょ? 迷惑とまでいかないけど、面倒くさいだけだよね。 ――「センター街でよく見かける」って目撃情報があったから、わざわざ声をかけられようと繁華街に行ってるのかと思ってたんですけど。 おじさん それ以前から、渋谷にはしょっちゅう来てるよ。学生時代に渋谷で遊んでたから、安心できるんだよね。それに今、仕事もしてないからヒマじゃん? ――渋谷で何してるんですか? おじさん TSUTAYAの前に立って、声かけてる。「I want to make love」とか「I want to feel extasy」「long long ago no make love」(いずれも、おじさんなりの英語)とかね。 ――……なぜ英語で? おじさん 日本語でそんなこと言ってたらヤバイじゃん! だから、あの動画では日本語で偉そうなこと言ってるから恥ずかしいんだよ! ――どっちもどっちだけどなぁ……。
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■連絡先を聞きたくて、20数万円の洋服を買ってあげた

――長年、彼女がいないということですけど、好みの女性はどんなタイプなんですか? 例えば、芸能人でいうと……。 おじさん 芸能人はなぁ……最近は女優さんでも、卓越した人って少ないよね。グラドルだったらいるんだけど。篠崎愛ちゃんね。ポッチャリしてて、顔はロリでさぁ。体つきがいやらしいよね。 ――巨乳好きなんですか? おじさん まあ、グラマラスなほうが好きですね。今の子は、みんなスレンダーでしょ? 別にダメなわけじゃないけど、ポッチャリ体形のほうがそそりますよね。だから、ビヨンセとかマライヤ・キャリーとか。……マライヤの体って、いやらしいよね! ――マライヤをそんな目で見ている人、初めて会いましたよ! でもおじさん、顔の彫りが深いし、若い頃はモテてたようにも見えますけどね。 おじさん いや、全然。高校時代は女性と付き合ったことないもん。文学少年で、休み時間も文庫本読んでるような、おとなしいタイプだったから。今はずうずうしいおっさんになっちゃったけどさぁ、ワッハッハ! 俺って、好きになりすぎてヤバイ系なんだよ。自分から好きにならないとダメなんだけど、好きになるとヤバイ! ――どうなるんですか? おじさん 緊張して話せなくなる。だから、脈絡なく、いきなり「愛してるんだ」とか言っちゃって、「何この人」って顔されてたよ。今でこそ、こんなにベラベラしゃべれるけどさ、学生時代これくらいしゃべれたらねー……。友達とは話せたけど、女性には弱かったね。 ――今はメチャクチャしゃべれてますけど、それでも、彼女は作れませんか? おじさん 2年くらい前だけど……声をかけた女性とデートしたら、だまされたんだよ。20数万取られちゃった。例のごとくTSUTAYA前で声かけて、ソフトクリーム店さんに行ったり、食事したりしてさぁ。 ――これはもうヤレるんじゃないかと! おじさん いや、いきなりヤルなんて……連絡先だけでも交換できれば、って思ってたのよ。 ――あ、そこはピュアなんですね。 おじさん それから、神南のあたりにファッションの路面店があるでしょ? そこに行ったら、女性が試着を始めたんだよ。もちろん自分から「買ってくれ」とは言わんわけよ、試着をして「これいいよねー」とか言うだけで。……そういう作戦じゃん。俺もその時は、オヤジの遺産でもらった株を売ったりとかして金持ってたからさ、つい口をすべらして「買ってあげるから、名前と連絡先教えて」って言っちゃったわけよ。そしたら5着か6着で、20数万円して! ……仕方なく払いましたよ。 ――思い切りましたねー。結局、連絡先は聞けたんですか? おじさん 聞けた。それで「これから恵比寿に行く」って言うから駅で別れて、後で電話かけてみたら……出ないの。 ――あー……。やっぱりおじさん、純情ですよね。普通、そんなの引っかからないですよ。 おじさん 警察にも相談したんだけど、「これは詐欺的ではあるけれど、詐欺にはなりませんね。相手の連絡先を聞きたいがために、買ってあげただけでしょ?」って言われたんですよ。ずっと恋愛してないんで、そういう駆け引きみたいなものがわからないんだよね。俺が、おとなしめで従順な女性よりは、ちょっとわがままな、小悪魔的な女性が好きっていうのもあって、痛い目に遭うのかもしれないけど。それは俺の性分だから仕方ないよね。
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■だんまりスケベのほうがヤバイ! 俺は正直に言う!

――そういう経験がたまりにたまって、電車の中での「性の喜びを知りやがって、許さんぞ! 自分たちばっかり……」とか叫んじゃったんですかね? おじさん たまってるよ、鬱憤も性欲も! そりゃそうだよ。風俗は恋愛じゃないでしょ? 彼女がいないから、しょうがなく行っとるんだから。できれば風俗なんて行きたくないよ、恋人がいれば。  今の若い子たちってさ、どういうことでそういう関係になるのかワケわからんね。この間、テレビで「セックスの相手には困らない」みたいなことを言ってるヤツがいたけどさ。俺の世代にも、そういうのはいたけど、それは完全にワンナイトラブ的なことだったんだよ。でも、今の若いヤツはもっとカジュアルに、友達ともセックスしたりしてるんでしょ? どういうことですか!? ――俺に怒られても困りますよ! おじさん そういう気持ちがたまってるから、ああいうこと言っちゃうわけですよ。世に言うだんまりスケベ――本当はスケベなのに、ひた隠しにしているような人間じゃないんだ俺は。正直に言うわけだ! ――言うにしても、声が大きすぎますよ! おじさん 言うことによって解消できるんだよ、少しは。だんまりスケベのほうがヤバイでしょ? まあ、真の意味で相思相愛の恋愛をしたことがないのが、コンプレックスなんだろうな。車だって、女性を乗せたことがないもん。 ――今回わかったのは、おじさんが求めているのは「ヤリたい」じゃなくて「彼女が欲しい、結婚したい」という、結構ピュアな方向性だったということですね。 おじさん ヤリたいはヤリたいですけど、それ以上に恋愛したいんですよ。でも、仕事とかスポーツって、自分が努力すればある程度、成果出るけど、恋愛は相手があることだから難しいよね。
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■基本的に、言ってることは正論!

――ネットに上げられている写真なんかを見ると、かわいい子とも一緒に写真撮ってるじゃないですか。そこから恋愛には発展しない? おじさん いや、かわいいとかそういうことじゃなくてさ、ある程度話してみないとわからないでしょ、内面は。恋愛するって、そういうことだから。 ――まっとうな意見! それじゃ、この間の『BAZOOKA!!!』で「このおじさん、面白いからコーナー持たせよう」みたいなことを言われていましたけど、タレント的な活動には興味ないんですか? ちょうど仕事もしていないし、モテそうじゃないですか。 おじさん 興味なくはないけどさぁ……。テレビというのは、要するに使い捨てでしょ? 日本エレキテル連合とか、もう見ないじゃん。ギター侍も、本人が残念になっちゃってるしさ。ピコ太郎もすぐ消えるでしょ? エド・はるみなんてさぁ……小池百合子の政治塾に行ってるんだよ。選挙出たいの? ふざけなさんな! 「グー! グー!」言ってるだけのおばさんが。 ――ホント、言うことが基本的に正論ですよね。 おじさん 俺なんかもYouTubeで火がついて、若い子から「おじさんはいいですね、有名になって」なんて言われるけど、うれしくもなんともないもんな。有名になれればなんでもいいっていう考えはおかしい。だから、おでんをつんつんしたり、ドローン飛ばしたりするヤツがいるんだよ。スポーツなり仕事なりをやり続けて、それで有名になるんだったらいいよ。でも、そういう裏付けもなく、ただ有名になったって意味ないでしょ? ――ザ・正論! でも、おじさんも頼まれたらテレビに出たり取材受けたりはしちゃうという……出たがりなのか、出たがりじゃないのかが、よく分からないですよ。 おじさん それはね、会話に飢えてるんだよ。女にも飢えてるけど、会話にも飢えてるんだよ! だから、この間もニコニコ動画をやっているっていうヤツに「話を聞かせてください」って声かけられて一緒にカラオケに行ったんだけど、それを隠し撮りしてネットに上げられてたんだよ。許さんぞ! ――おじさんよりも、それを隠し撮りして勝手にネットにアップしてるヤツのほうがまずいですよね。 ***  取材スタート時は、メチャクチャ酒臭くて少々ヤバイ状態だったおじさんだが、取材が進むにつれ(3時間しゃべりっぱなし!)酔いも覚めたのか、すんごくまっとうなことばっかり言うように。  たぶん、酔っぱらってさえなければ、すごく真面目でいい人なんだろうなぁ~……。もう、酒飲んで電車乗らないほうがいいよ!  そして盗撮はダメ、絶対!
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(取材・文・イラスト=北村ヂン) 『突撃取材野郎!』過去記事はこちらから

ハロプロ愛が爆発しすぎてヲタに嫌われちゃった“紙芝居おじさん”は、やっぱりヤバかった

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ビジュアル的にはキチガイ感もないし、マイルドな雰囲気ですが、話しだすと本当にヤバかった「おに山田」
 アイドル好きで、紙芝居屋で、画伯でホームレスという謎の男・おに山田が、ゴールデン街で「現代エロ画展」なるアヤシイ展覧会を開催しているという。  情報量がいろいろと多すぎてワケがわからないが、どうにも気になってしまう人だ。  ちょいとブログを読んでみたら(ホームレスなのに、ブログやってるんだ!)ハロプロ愛が爆発しまくった結果、少々キチガイ感がにじみ出ちゃっている文章が書き殴られていたし……。  本格的にヤバイ人だったらイヤだけど、思い切って「現代エロ画展」最終日に会いに行ったところ、予想外に人当たりはいい。……でも、ある意味では、予想以上にヤバイ人だったよ! ■どっちの意味でも、子どもが好き! ――おに山田さん。そもそも、いったい何者なんだ!? という感じなんですが、肩書としては……? 山田 ハロプロをもっと盛り上げるため、ライブ会場の前で紙芝居をやっているおじさんです。……売名目的でもありますけど。ハロプロも売れて自分も有名になって、一挙両得じゃないですか。 ――はあ……。ハロプロでいうと、どのあたりが好きなんですか? 山田 今はJuice=Juiceとか、カントリー・ガールズですね。℃-uteとかモーニング娘。'16に関しては、だいぶ冷めてきました。やっぱり、メンバーが年を取ってくると、どうしても興味が薄れてくるというのはありますね。 ――ああー……。何歳くらいがストライクゾーンなんですか? 山田 14歳が一番好きな年齢です! 18~19歳までは、ギリ大丈夫ですけど。 ――そこでギリギリかー。ちなみに、山田さんは何歳なんですか? 山田 43歳になりました。ハロプロ研修生43期生です! ……こういうことを言うから、ハロヲタの人たちに嫌われるんですけど。 ――絵は、いつ頃から描いているんですか? 山田 絵はずっと描いてましたね。ボク、絵本を描きたくて、1999年に奈良から東京に出てきて持ち込みをしていたんですけど、まったく相手にされなくて……。 ――こんな感じの絵柄で!? 山田 そうですね。タッチは、あんまり変わってないです。だから、持ち込みしても嫌がられ、「向いてないんじゃない?」とか言われ続けて……。ごくたま~に、気に入ってくれる編集者さんもいるんですど、その人が企画会議にかけてくれても全然ダメで。 ――絵本というよりは、いわゆる「ガロ」「アックス」系の漫画のほうが向いていると思いますけど、絵本にこだわりが? 山田 その頃は「絵本しかない!」って、思い込んでましたね。「ダメだ」とか言われると、悔しいじゃないですか。それで、しつこく行ってたというか……やめ時を失いましたね。 ――何か好きな絵本に影響を受けたとか? 山田 絵本は好きですけど、特にこの作者っていうのはないですね。やっぱり子どもが好きなんで……どっちの意味でも。 ――どっちの意味でも! 山田 子どもと、すごく話が合うんですよ……14歳くらいまでの子と。絵本を描けば、子どもを相手にできるというのがいいなって。 ――今までの話を聞いていると、自分の子どもは絶対に相手をさせたくないですね。 山田 そうそう、そこがジレンマでした。そういう意味もあるけど、そういう意味じゃない部分もあるから難しいんですよね。男女かかわらず、子どもは好きなんですけどね……。でも、絵本を描いて子どもに読ませても、全然ウケなくて。 ――このテイストじゃあ、なかなか子どもの心に響かなそうですよね。
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山田さんの描く絵は、こんな感じ
■最終的には、ハロプロと同じ舞台に立ちたい ――絵本から紙芝居に行ったきっかけは? 山田 絵本をいくら描いても出版してもらえないんで。だったら、紙芝居も似たようなもんじゃないですか。子どもの前ですぐにやれるし。それで紙芝居を作って、道や公園でやり始めたんですけど、なぜかすぐに止められちゃうんですよ。 ――うーん……まあ、止めますよね。 山田 仕方ないので、当時住んでいたところの商店街に頼みに行ったら「下北沢一番街商店街」のガレージのところが空いているっていうんで、しばらくそこでやらせてもらっていました。そうしたら結構、子ども連れの親子が見てくれるようになって……。だったら大人も楽しめる紙芝居にしようと思って、下ネタの紙芝居を始めたんですけど。 ――なんでそこで下ネタに行っちゃうの!? 山田 それなら大人も楽しめるから、子連れじゃない人や、若い人たちが見てくれるじゃないですか。 ――でも、子連れはいなくなりますよね? 山田 まあ、いなくなりましたね。でも、幸いに、商店街の人たちは面白がってくれたんですよね。それで調子に乗っちゃって、「ここじゃなくても、やれるんじゃないか?」と考えて、ハロプロのライブの開場前に、紙芝居をやるようになったんです。みんなヒマしてますからね。 ――ああ、ここで「売名」という気持ちが出てくるわけですね。 山田 ボクも有名になるし、ハロプロも売れるしで、最高じゃないかと思ったんですけどね。結果、どっちもパッとしてないですけど。ある意味、有名ヲタにはなれましたけどね。……嫌われてますけど。 ――ハロプロヲタの人たちは、どんな反応だったんですか? 山田 最初にやった時はものすごく怖がられて、Twitterでエゴサしたら「会場前にキチガイがいた!」とか書かれていましたね。そのうち、キチガイではないということをわかってもらえて、みんな集まってくれるようになり……。まあ、集まってくる人たちもキチガイじみてましたけど。 ――それが、どうして嫌われてしまったんですか? 山田 ちょっと有名になったと思って、調子に乗っちゃったんですよね。Twitterに運営に対しての不平不満を書いたり。決定的だったのは、宮本佳林ちゃん(Juice=Juice)のスクール水着の写真がプリントされたTシャツを作って、握手会に参加したことが……。 ――なんでそんなことを!? 山田 本人に見せたら、面白がってくれるかと思って。そしたら、佳林ちゃんは大丈夫だったんですけど、隣にいた高木紗友希さんに「気持ち悪くない?」とか言われて、握手を拒否されちゃって。それを狼(ハロプロ@2ちゃんねる掲示板)に書かれちゃったんです。思いの外「なんてことをするんだ!」みたいなことになってしまいましたね。 ――そういうTシャツを見せて、アイドルから認知されたいという気持ちもあったんですか? 山田 それはないんですよ、本当に。紙芝居で有名になって、最終的にはハロプロと同じ舞台に立ちたいと思っているんで、それまでにファンとして認知されてもうれしくないです。Tシャツに関しては、本当に遊び心で「こんなのを作ったんだよ」という気持ちだったんですけど、それをきっかけにヲタクたちから嫌われてしまいましたね。
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一見、いい絵っぽく見えるんだけど、よく見るとヤバイ。ある意味、天才!
■これからは、アプガの現場で頑張ります!? ――さて、今回の「現代エロ画展」という展覧会は、どうしてやることになったんですか? 山田 今年5月に「現代アイドル画展」というのをやって、その時はみんなが絵をバンバン買ってくれたので、“これはいけるぞ”という感じがあったんですね。 ――結構、いい収入になった? 山田 はい、ちゃんと熊本地震にも募金しましたし。ただ、今回の「現代エロ画展」のほうは……今日が最終日なんですけど、今のところ赤字ですね。というか、一日で巻き返せるとも思いませんし。 ――「現代アイドル画展」では、そのアイドルのファンたちが買ってくれたというのも、あるんじゃないですか? 山田 そうですね。「あの子を描いています」とは明確には言ってないんですけど、まあ、それらしくは描いているので、ファンの方が買ってくれていましたね。それに、ハロプロのライブで知り合ったヲタの人たちが、わりと来てくれたんですよ。でも今回は、ハロプロ関係の知り合いは、まだ1人だけですね……。 ――やっぱり、スクール水着Tシャツ事件が尾を引いて……? 山田 それはないと思いたいですけど……それかもしれませんね。あとは、研修生のヲタの人たちとTwitterでケンカしたりもあったんで、それもあるかも。 ――山田さん、もうTwitterやめたほうがいいですよ! 最近は、ハロプロ現場で紙芝居はやってるんですか? 山田 やってるんですけど、冷たくはなってますよね、反応が。誰も集まってこないし、Twitterで話題にもならないし。 ――それだけ、根が深い問題だったんですね。ほかの現場にくら替えしたりとかは考えてないんですか? 山田 うん、だから最近アップアップガールズ(仮)に行ってます。アプガの前ではまだ紙芝居はやってないんですけど、そのうちやるつもりです。 ――じゃあ、アプガの現場で、温かく迎えてもらえたらいいですね。 山田 だといいんですけど……すぐもめちゃうんで……。 ――紙芝居自体の評判はよかったんですから、たぶん紙芝居以外の部分がすごく悪いんだと思いますよ。 山田 ……性格かな? だとしたら、最悪ですね。 ――まあ、今後はアプガの現場で頑張っていこうと。 山田 別にハロプロでもやりますけどね。 ――ファンに嫌われても、ハロプロ愛は揺るがない? 山田 なんか、腹が立つじゃないですか! 負けた感じになるのがイヤなんで。あっちは気にしてもないと思いますけど。
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最後に「せっかくだから」と紙芝居を披露してくれたんですが、マンツーマンで紙芝居を見るのは正直、キツかったっす!
■まずは、住むところを探さないと…… ――じゃあ最後に、ハロプロと同じ舞台に立つために、計画しているこれからのビジョンを教えてもらいたいんですけど。 山田 やることはいっぱいありますよ。まず、今ホームレスですからね。会社の事務所の一角に住み着いているんで、住むところを探すところから始めないと。 ――長い道のりだな~……。 山田 何かすごい賞を獲ったら、一気に行けるかなとも思ってるんですけどね。賞を獲って、権威を手に入れたいです! ――権威を手に入れて、自分を嫌ったヲタたちを見下したいとか? 山田 そうですね。いいですね、それ! ――それで調子に乗って転落する姿が目に浮かびますよ!
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(取材・文・イラスト=北村ヂン) ◆『突撃取材野郎』過去記事はこちらから◆

荒ぶる漢たちのリアル! 現役土建屋社長と石丸元章が立ち上げた「土木建築マガジン」編集部に潜入

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ここが編集部のハズなんだけど……
 作家の石丸元章が、「BLUE'S MAGAZINE(ブルーズマガジン)」なるフリーペーパーを作っているらしい。テーマはなんと「土木建築系総合カルチャーマガジン」。ど……土木建築!? 石丸さんって、ドラッグ小説とか書いてる人じゃなかったっけ? それがどうして、土木建築のフリーペーパーを!  ……というわけで今回は、「ブルーズマガジン」の制作現場である感電社の編集部に突撃した……のだが、もらった住所にたどり着いても、年代物のアパートが建っているだけで、フリーペーパーの編集部がありそうな雰囲気はゼロ。
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あ、本当にここなんだ
 まさか、このアパートの中が会社なんてことは……あった! しかも「いろいろなものをこじらせたひとり暮らしの男子大学生の部屋」感あふれる、どーかした内装の部屋が編集部。「ザ・秘密基地」といった感じのこの部屋から生み出されている「ブルーズマガジン」について、主筆の石丸元章と、編集長の雨森諭司に話を訊いた。 ■土建は都市的で荒ぶる男たちの世界だ ――この感電社は「ブルーズマガジン」を作るために、現役土建会社社長の柳知進さんと石丸さんたちが立ち上げた会社なんですよね? 石丸 そうです。今日は柳も同席する予定だったんですけど、現場でトラブルがあったということで、そっちに行ってしまって。でも、今日みたいなものすごく暑い日に、現場で汗を流して働いているやつらがいる。そこで感じた心情をダイレクトに出せる雑誌を作りたいということで、僕のTwitterにメッセージをくれたんです。土建の現場で見たり感じたりしていること、起きている物語……そういうものが雑誌にもテレビにも、どこにも出てこないので、思うところがあったみたいですね。 ――石丸さんが土建フリーペーパーを作っていると聞いて意外でした。それまで、土建関係に興味は? 石丸 全然なかった。ダンプとトラックの違いも、シャベルとスコップの違いもわからなかったですもん。でも土建はね、荒ぶる男たちの世界じゃないですか。そして彼らは、極めて都市的な文化を持った人たちなんですよね。そこには興味を引かれました。土建の現場って、実は青山とか渋谷とか、都市の風景の中に溶け込んでいますから。 ――ああー、確かに工事が多く行われているのは、田舎じゃなくて都会ですよね。 石丸 だから、都市で暮らして、都市で稼いで、都市で遊んで……っていう人たちが働いている。そういう意味で、この雑誌のことを「土木建築系総合カルチャーマガジン」と呼んでいます。 ――土建でバイトをして稼いだ金で、演劇やバンドを頑張っているという若者も多そうですよね。 石丸 やっぱり、稼ぎって大事ですから。ただ、今は「本当は演劇やバンドをやりたいけど、我慢の期間として土建をやっているんだ」という人は意外と少ないんですよ。表現活動は表現活動としてやるけど、職人としても誇りを持ってやっているという人が多い。イースタンユースのドラムの田森篤哉さんは庭屋さんなんですが、「本当にこの仕事をやっていてよかった」と言っていますからね。「すごくクリエイティブだし、たくさん稼げる」と。イースタンの吉野(寿)さんと出会ったことと同じくらい、今の仕事に出会ったことは大きいと考えているようです。
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「BLUE'S MAGAZINE」主筆の石丸元章氏と、編集長の雨森諭司氏
■迫力のある表現より、危機管理や安全管理が重要 ――土建という未知の世界に触れて、一番興味を引かれたのは、どういうポイントですか? 石丸 やっぱり現場ですね。土建の現場って、写真や映像で見ると、うるさくて汚くて危なくて……っていうイメージじゃないですか? でも、自分で足を踏み入れてみると、必ずしもそうじゃない部分も見えてくるんですよ。解体の現場なんて、これから命を失っていく建物の大きさとか荘厳さとか、すごく心を打つものがありますよ。これは、表現の領域で人に伝えるべきだと思いました。 雨森 そういう現場を、石丸さんはすごく文学的に表現するんですよ。「さながら戦場のような……」みたいに。実際に、その現場はすごかったんですけど、職人さんにチェックしてもらったら「戦場のような」はやめてくれと。 石丸 「ウチは安全第一なんだ」って(笑)。 ――現場の迫力を伝えるための文章だけど、現場の人からすると、その表現はダメなんですね。 雨森 現場の人にとっては、迫力のある表現より、危機管理や安全管理が重要ですから。「そこに赤字入るんだ!?」って新鮮でしたね。もちろん、職人さんたちも同じように現場で「すごい!」とか「キレイ!」と感じることはあるみたいですけど、それを人に伝えることはしないんですよね。「ブルーズマガジン」では、そういう部分に光を当てたいという気持ちもあります。 石丸 雨森くんはね、現場と編集部をつなぐ役というか、職人さんたちと一番ぶつかる役だから大変だと思うよ。 雨森 すごくしっかりした人たちなんで、ちょっとした言葉遣いや、少し時間に遅れただけで怒られますから。礼節関係や冠婚葬祭、記念行事とかを、ものすごい大事にするんですよ。 ――ライターなんかやってると、年賀状とか気にしないですからね。 雨森 ですよね。一番そこを怒られるんですよ。あいさつ、コーヒーの出し方、差し入れのタイミング……そういうことをキッチリやれるようになると、「わかってるな、お前」ということで、やっとフレンドリーに話ができるようになるんです。 石丸 この人の役割はデカイですよ。現場の人たちに取材のオッケーをもらうのって、すごく難しいから。
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ザ・秘密基地感あふれる編集部。トレーニング器具は「いつでも現場で働けるように」とのこと
――ある意味、雑誌に出ても得はないですからね。仕事の発注が増えるわけでもないし。 雨森 そういう状態だったのが、ようやく「ウチをぜひ取材してください」と声をかけてもらえるようになったのがうれしいですね。自分たちの仕事が雑誌の取材対象になるなんて思ってもいなかったのに、「ブルーズマガジン」を読んだら、自分たちと同じような業種が取り上げられている。じゃあ、ウチも取材してもらおうと思ってくれているようです。 石丸 見本誌を持っていくと、職人さんたちがすっごく喜んでくれるんだよね。自分たちの方法論が間違ってなかったんだ、職人さんたちの心に触れるようなものが作れて、本当によかったなって思います。 ――少し前から、町工場など「ものづくり」の現場が注目されるようになりましたけど、土建の現場も注目されるようになってほしいですよね。 石丸 『プロジェクトX~挑戦者たち~』(NHK)みたいな大きなプロジェクトは注目されるけど、穴掘ったり、コンクリートの型枠を組んだりする職人さんが注目されるような時代は、まだまだ来てないでしょ。プロの開削師が手掘りで掘った穴って、すっごくキレイで感動しますけどね。板前の切った刺し身のように、穴の角度がバシッと決まってて。でも、その穴って必ず埋められちゃう。 雨森 夜、穴を掘って作業して、朝までに埋めて、次の日の夜、また掘り返してから作業という繰り返しなんです。 ――それでも、キレイに掘る必然性がある? 石丸 あるんですよ。ああいう工事って、掘ったところ、埋めたところ、作業したところ……っていう過程を一つ一つ写真に収めて、役所の人が確認するんですよ。よくボードを持って写真を撮ってるでしょ? 地面の中で水道管換えたかどうかなんて、わからないじゃないですか。でも、役所の人がつきっきりで監視しているわけにもいかないから、写真を見て確認するわけです。写真がお金になるんですよ。 ――写真で見せる用の、キレイな穴なんですね。 石丸 あとは、職人のプライドもあるでしょうね。
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  ■実際に現場で働きながら写真を撮るカメラマン ――この時代、フリーペーパーで発行し続けるというのは大変そうですけど、戦略はあったんですか? 石丸 書籍にするとか、ムック本にするとか、いろいろな方法があったと思うんですけど、なんでフリーペーパーにしたのかというと、GoogleでもTwitterでも、ネットって全部フリーサービスじゃないですか。フリーメディアには、新しい可能性があると思ったんですよね。だから「フリーでやる」という前提で、編集部をどこに構えるのか、何人で作るのか、流通をどうするのかというのを決めていきました。 ――採算ラインから逆算して成り立つ家賃の場所、人件費でやろうと。 石丸 とはいえ、なかなか大変ね。Twitter社も赤字なくらいだから。それでも応援してくれる人たちがいるから、やれていますけど。   雨森 ウチで撮ってもらっている、カメラマンの菊池(茂夫)さんによく言われるんですよ。菊池さんはコレを始めてから、実際に現場で働きながら撮影もしたりしていてるんで、本当にリアルなものを撮るっていう部分に貪欲なんですよね。だから「お前も、いつ現場に入るの?」ってよく言われています。 ――菊池さんはライブやバンド写真で有名な方だから、やはり現場でのライブ感覚を重視してるんですね。 石丸 菊池さんは現場に入って働いている人の目線で写真を撮り、自分は書き手の立場で現場に入る人でいたいと思います。シャベルを持たないほうがわかることも、あると思いますよ。
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■最新号は新企画満載!   ――「ブルーズマガジン」の今後の展望を聞きたいんですが、どんな企画をやっていこうと思っていますか? 石丸 これまでは、自分たちもまだまだ土建について知らないことが多いので、現場にあるものを取材していたんですが、最新号の7号特集は「未来土木」ということで、ようやく未来を語れるようになりました。月面のプラントとかね。 ――いきなり月! 土建に対する理解が深まったからこそ、未来に行けたと。 石丸 もちろん、まだまだわかってない部分も多いんだけど、土建の未来に対して想像力が働くようになったということですね。ほかにも、7号は新企画満載なんで、楽しみにしてほしいですね。「飯場」ってあるでしょ? 住み込みで働く。昔は汚いプレハブで、カバンひとつでやって来て「今日から働かせてください」みたいなところだったけど、今はちゃんとした寮のようになってるんですよ。まあ、三畳一間だけど。   「TATTOO BURST」(コアマガジン)の編集長だった川崎美穂さんと自分が、そこに行って一泊する「飯場探訪記」という企画をやっています。食堂で一緒に酒飲んで一緒に風呂に入って……これは面白いですよ(笑)。飯場には高齢の人も多いんですけど「女の人とお風呂に入ったのは20年ぶりだ」って拝んでたもんね。 雨森 北村さんも行きましょうよ! ――それは行きたいですねー。働くのはムリですけど……。東京オリンピックが控えていて建築ラッシュなんていわれていますが、土建業界に活気は感じますか? 石丸 よく聞くのは「人手が欲しい」ということですね。それだけ仕事が多いってことなんでしょうね。まあ、東京オリンピックをピークに一段落するんだとは思いますが、アスファルトにしてもなんでも、東京って新陳代謝がすごいじゃないですか。都会においては、土木建築っていうのは、これからもある一定の活況というのは続いていくと思います。 雨森 逆に被災地に取材に行ったときは、復興特需で盛り上がっているのかと思ったら、全然違いましたね。 石丸 地方だと、一回造っちゃったら、何十年も建て替えることなんてないから。 雨森 復興特需の中で稼げるだけ稼いだら、その先、仕事が減っちゃうんですよね。 ――最後に、「ブルーズマガジン」を、どんな人に読んでもらいたいですか? 石丸 土建をやっている人たちももちろんそうなんですけど、まったく別の仕事をしていて、現場のことをひとつも考えたことのない人にも読んでもらいたいですね。マニュアルに縛られたアルバイトとかをやっていて、生きているという実感を持てない人たちに土建の世界を知ってもらいたい。今、「生きている実感がない」とか言って、IS(イスラム国)にいきなり行っちゃったりするわけじゃないですか。そうやって極端な方向に行っちゃう若者がいるけど、そりゃ冷暖房の効いたところでマニュアル仕事をやってたら、生きている実感なんてないよ。    土木建築の世界って非常に厳しいし、人付き合いも難しい。でも、激しい仕事であるからこそ、生きている実感の塊だから。そういう若者に「こういう世界はどう?」って見せたいという気持ちもあります。「ブルーズマガジン」を読むと、風景が変わって見えてくると思うんですよ。何も考えずに水道水を飲んでいたら「塩素の入った水だ」くらいにしか思わないけど、水道を造っている人の話を読むと、水道に味がする気がするじゃないですか。同じように道路だってビルだって、周りのものすべてを実は人間が造っているんだなって思うと、感動しますよ。 ――高速道路を走っていると「これを造った人がいるのかー」って、気が遠くなりますよね。 石丸 予算の消化で造ってるんじゃないんです、ちゃんと人間が心を込めて造ってるんです! それを「ブルーズマガジン」を通して感じてほしいです。都市って、無機質なつまらないところじゃないんです。
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(取材・文・イラスト=北村ヂン) ●株式会社感電社ホームページ(ブルーズマガジン発行元) http://kandensha.com/ ・お取り寄せが可能です(有料)。ホームページからお問い合わせください。 ・配布店はホームページをご確認ください。

荒ぶる漢たちのリアル! 現役土建屋社長と石丸元章が立ち上げた「土木建築マガジン」編集部に潜入

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ここが編集部のハズなんだけど……
 作家の石丸元章が、「BLUE'S MAGAZINE(ブルーズマガジン)」なるフリーペーパーを作っているらしい。テーマはなんと「土木建築系総合カルチャーマガジン」。ど……土木建築!? 石丸さんって、ドラッグ小説とか書いてる人じゃなかったっけ? それがどうして、土木建築のフリーペーパーを!  ……というわけで今回は、「ブルーズマガジン」の制作現場である感電社の編集部に突撃した……のだが、もらった住所にたどり着いても、年代物のアパートが建っているだけで、フリーペーパーの編集部がありそうな雰囲気はゼロ。
blues03
あ、本当にここなんだ
 まさか、このアパートの中が会社なんてことは……あった! しかも「いろいろなものをこじらせたひとり暮らしの男子大学生の部屋」感あふれる、どーかした内装の部屋が編集部。「ザ・秘密基地」といった感じのこの部屋から生み出されている「ブルーズマガジン」について、主筆の石丸元章と、編集長の雨森諭司に話を訊いた。 ■土建は都市的で荒ぶる男たちの世界だ ――この感電社は「ブルーズマガジン」を作るために、現役土建会社社長の柳知進さんと石丸さんたちが立ち上げた会社なんですよね? 石丸 そうです。今日は柳も同席する予定だったんですけど、現場でトラブルがあったということで、そっちに行ってしまって。でも、今日みたいなものすごく暑い日に、現場で汗を流して働いているやつらがいる。そこで感じた心情をダイレクトに出せる雑誌を作りたいということで、僕のTwitterにメッセージをくれたんです。土建の現場で見たり感じたりしていること、起きている物語……そういうものが雑誌にもテレビにも、どこにも出てこないので、思うところがあったみたいですね。 ――石丸さんが土建フリーペーパーを作っていると聞いて意外でした。それまで、土建関係に興味は? 石丸 全然なかった。ダンプとトラックの違いも、シャベルとスコップの違いもわからなかったですもん。でも土建はね、荒ぶる男たちの世界じゃないですか。そして彼らは、極めて都市的な文化を持った人たちなんですよね。そこには興味を引かれました。土建の現場って、実は青山とか渋谷とか、都市の風景の中に溶け込んでいますから。 ――ああー、確かに工事が多く行われているのは、田舎じゃなくて都会ですよね。 石丸 だから、都市で暮らして、都市で稼いで、都市で遊んで……っていう人たちが働いている。そういう意味で、この雑誌のことを「土木建築系総合カルチャーマガジン」と呼んでいます。 ――土建でバイトをして稼いだ金で、演劇やバンドを頑張っているという若者も多そうですよね。 石丸 やっぱり、稼ぎって大事ですから。ただ、今は「本当は演劇やバンドをやりたいけど、我慢の期間として土建をやっているんだ」という人は意外と少ないんですよ。表現活動は表現活動としてやるけど、職人としても誇りを持ってやっているという人が多い。イースタンユースのドラムの田森篤哉さんは庭屋さんなんですが、「本当にこの仕事をやっていてよかった」と言っていますからね。「すごくクリエイティブだし、たくさん稼げる」と。イースタンの吉野(寿)さんと出会ったことと同じくらい、今の仕事に出会ったことは大きいと考えているようです。
blues01
「BLUE'S MAGAZINE」主筆の石丸元章氏と、編集長の雨森諭司氏
■迫力のある表現より、危機管理や安全管理が重要 ――土建という未知の世界に触れて、一番興味を引かれたのは、どういうポイントですか? 石丸 やっぱり現場ですね。土建の現場って、写真や映像で見ると、うるさくて汚くて危なくて……っていうイメージじゃないですか? でも、自分で足を踏み入れてみると、必ずしもそうじゃない部分も見えてくるんですよ。解体の現場なんて、これから命を失っていく建物の大きさとか荘厳さとか、すごく心を打つものがありますよ。これは、表現の領域で人に伝えるべきだと思いました。 雨森 そういう現場を、石丸さんはすごく文学的に表現するんですよ。「さながら戦場のような……」みたいに。実際に、その現場はすごかったんですけど、職人さんにチェックしてもらったら「戦場のような」はやめてくれと。 石丸 「ウチは安全第一なんだ」って(笑)。 ――現場の迫力を伝えるための文章だけど、現場の人からすると、その表現はダメなんですね。 雨森 現場の人にとっては、迫力のある表現より、危機管理や安全管理が重要ですから。「そこに赤字入るんだ!?」って新鮮でしたね。もちろん、職人さんたちも同じように現場で「すごい!」とか「キレイ!」と感じることはあるみたいですけど、それを人に伝えることはしないんですよね。「ブルーズマガジン」では、そういう部分に光を当てたいという気持ちもあります。 石丸 雨森くんはね、現場と編集部をつなぐ役というか、職人さんたちと一番ぶつかる役だから大変だと思うよ。 雨森 すごくしっかりした人たちなんで、ちょっとした言葉遣いや、少し時間に遅れただけで怒られますから。礼節関係や冠婚葬祭、記念行事とかを、ものすごい大事にするんですよ。 ――ライターなんかやってると、年賀状とか気にしないですからね。 雨森 ですよね。一番そこを怒られるんですよ。あいさつ、コーヒーの出し方、差し入れのタイミング……そういうことをキッチリやれるようになると、「わかってるな、お前」ということで、やっとフレンドリーに話ができるようになるんです。 石丸 この人の役割はデカイですよ。現場の人たちに取材のオッケーをもらうのって、すごく難しいから。
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ザ・秘密基地感あふれる編集部。トレーニング器具は「いつでも現場で働けるように」とのこと
――ある意味、雑誌に出ても得はないですからね。仕事の発注が増えるわけでもないし。 雨森 そういう状態だったのが、ようやく「ウチをぜひ取材してください」と声をかけてもらえるようになったのがうれしいですね。自分たちの仕事が雑誌の取材対象になるなんて思ってもいなかったのに、「ブルーズマガジン」を読んだら、自分たちと同じような業種が取り上げられている。じゃあ、ウチも取材してもらおうと思ってくれているようです。 石丸 見本誌を持っていくと、職人さんたちがすっごく喜んでくれるんだよね。自分たちの方法論が間違ってなかったんだ、職人さんたちの心に触れるようなものが作れて、本当によかったなって思います。 ――少し前から、町工場など「ものづくり」の現場が注目されるようになりましたけど、土建の現場も注目されるようになってほしいですよね。 石丸 『プロジェクトX~挑戦者たち~』(NHK)みたいな大きなプロジェクトは注目されるけど、穴掘ったり、コンクリートの型枠を組んだりする職人さんが注目されるような時代は、まだまだ来てないでしょ。プロの開削師が手掘りで掘った穴って、すっごくキレイで感動しますけどね。板前の切った刺し身のように、穴の角度がバシッと決まってて。でも、その穴って必ず埋められちゃう。 雨森 夜、穴を掘って作業して、朝までに埋めて、次の日の夜、また掘り返してから作業という繰り返しなんです。 ――それでも、キレイに掘る必然性がある? 石丸 あるんですよ。ああいう工事って、掘ったところ、埋めたところ、作業したところ……っていう過程を一つ一つ写真に収めて、役所の人が確認するんですよ。よくボードを持って写真を撮ってるでしょ? 地面の中で水道管換えたかどうかなんて、わからないじゃないですか。でも、役所の人がつきっきりで監視しているわけにもいかないから、写真を見て確認するわけです。写真がお金になるんですよ。 ――写真で見せる用の、キレイな穴なんですね。 石丸 あとは、職人のプライドもあるでしょうね。
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  ■実際に現場で働きながら写真を撮るカメラマン ――この時代、フリーペーパーで発行し続けるというのは大変そうですけど、戦略はあったんですか? 石丸 書籍にするとか、ムック本にするとか、いろいろな方法があったと思うんですけど、なんでフリーペーパーにしたのかというと、GoogleでもTwitterでも、ネットって全部フリーサービスじゃないですか。フリーメディアには、新しい可能性があると思ったんですよね。だから「フリーでやる」という前提で、編集部をどこに構えるのか、何人で作るのか、流通をどうするのかというのを決めていきました。 ――採算ラインから逆算して成り立つ家賃の場所、人件費でやろうと。 石丸 とはいえ、なかなか大変ね。Twitter社も赤字なくらいだから。それでも応援してくれる人たちがいるから、やれていますけど。   雨森 ウチで撮ってもらっている、カメラマンの菊池(茂夫)さんによく言われるんですよ。菊池さんはコレを始めてから、実際に現場で働きながら撮影もしたりしていてるんで、本当にリアルなものを撮るっていう部分に貪欲なんですよね。だから「お前も、いつ現場に入るの?」ってよく言われています。 ――菊池さんはライブやバンド写真で有名な方だから、やはり現場でのライブ感覚を重視してるんですね。 石丸 菊池さんは現場に入って働いている人の目線で写真を撮り、自分は書き手の立場で現場に入る人でいたいと思います。シャベルを持たないほうがわかることも、あると思いますよ。
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■最新号は新企画満載!   ――「ブルーズマガジン」の今後の展望を聞きたいんですが、どんな企画をやっていこうと思っていますか? 石丸 これまでは、自分たちもまだまだ土建について知らないことが多いので、現場にあるものを取材していたんですが、最新号の7号特集は「未来土木」ということで、ようやく未来を語れるようになりました。月面のプラントとかね。 ――いきなり月! 土建に対する理解が深まったからこそ、未来に行けたと。 石丸 もちろん、まだまだわかってない部分も多いんだけど、土建の未来に対して想像力が働くようになったということですね。ほかにも、7号は新企画満載なんで、楽しみにしてほしいですね。「飯場」ってあるでしょ? 住み込みで働く。昔は汚いプレハブで、カバンひとつでやって来て「今日から働かせてください」みたいなところだったけど、今はちゃんとした寮のようになってるんですよ。まあ、三畳一間だけど。   「TATTOO BURST」(コアマガジン)の編集長だった川崎美穂さんと自分が、そこに行って一泊する「飯場探訪記」という企画をやっています。食堂で一緒に酒飲んで一緒に風呂に入って……これは面白いですよ(笑)。飯場には高齢の人も多いんですけど「女の人とお風呂に入ったのは20年ぶりだ」って拝んでたもんね。 雨森 北村さんも行きましょうよ! ――それは行きたいですねー。働くのはムリですけど……。東京オリンピックが控えていて建築ラッシュなんていわれていますが、土建業界に活気は感じますか? 石丸 よく聞くのは「人手が欲しい」ということですね。それだけ仕事が多いってことなんでしょうね。まあ、東京オリンピックをピークに一段落するんだとは思いますが、アスファルトにしてもなんでも、東京って新陳代謝がすごいじゃないですか。都会においては、土木建築っていうのは、これからもある一定の活況というのは続いていくと思います。 雨森 逆に被災地に取材に行ったときは、復興特需で盛り上がっているのかと思ったら、全然違いましたね。 石丸 地方だと、一回造っちゃったら、何十年も建て替えることなんてないから。 雨森 復興特需の中で稼げるだけ稼いだら、その先、仕事が減っちゃうんですよね。 ――最後に、「ブルーズマガジン」を、どんな人に読んでもらいたいですか? 石丸 土建をやっている人たちももちろんそうなんですけど、まったく別の仕事をしていて、現場のことをひとつも考えたことのない人にも読んでもらいたいですね。マニュアルに縛られたアルバイトとかをやっていて、生きているという実感を持てない人たちに土建の世界を知ってもらいたい。今、「生きている実感がない」とか言って、IS(イスラム国)にいきなり行っちゃったりするわけじゃないですか。そうやって極端な方向に行っちゃう若者がいるけど、そりゃ冷暖房の効いたところでマニュアル仕事をやってたら、生きている実感なんてないよ。    土木建築の世界って非常に厳しいし、人付き合いも難しい。でも、激しい仕事であるからこそ、生きている実感の塊だから。そういう若者に「こういう世界はどう?」って見せたいという気持ちもあります。「ブルーズマガジン」を読むと、風景が変わって見えてくると思うんですよ。何も考えずに水道水を飲んでいたら「塩素の入った水だ」くらいにしか思わないけど、水道を造っている人の話を読むと、水道に味がする気がするじゃないですか。同じように道路だってビルだって、周りのものすべてを実は人間が造っているんだなって思うと、感動しますよ。 ――高速道路を走っていると「これを造った人がいるのかー」って、気が遠くなりますよね。 石丸 予算の消化で造ってるんじゃないんです、ちゃんと人間が心を込めて造ってるんです! それを「ブルーズマガジン」を通して感じてほしいです。都市って、無機質なつまらないところじゃないんです。
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(取材・文・イラスト=北村ヂン) ●株式会社感電社ホームページ(ブルーズマガジン発行元) http://kandensha.com/ ・お取り寄せが可能です(有料)。ホームページからお問い合わせください。 ・配布店はホームページをご確認ください。

偏差値78の売れっ子AV男優・森林原人 8,000人超とヤッてたどり着いた「セックスの本質」とは?

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 偏差値78の超進学校を卒業しながら、なぜかAVの道へと進み、今までに8,000人以上の女性とセックスをしてきた、売れっ子AV男優・森林原人(もりばやし・げんじん)。  仕事でそれだけセックスをしていれば、さすがにプライベートでセックスする気なんてなくなるだろう……と思いきや、彼女やセフレともガンガンヤリまくっているという。彼女はともかく、セフレまで作るなんて、なんという性獣っぷり!    そんな森林原人が、初の書き下ろしエッセイ『偏差値78のAV男優が考える セックス幸福論』(講談社)を上梓した。  心からセックスを愛し、セックスをしまくってもいる男の考える「セックス幸福論」とは、どんなものなのか!? ■社交ダンスサークルに絶望してAV男優に ――今回の本、要は「いろいろあるけど、セックス最高!」という内容だと思いますけど、あまり原人さんのプライベートなセックスについては書かれていなかったので、まず童貞喪失について教えてください。 森林原人(以下、原人) 童貞喪失は高1です。中学から筑駒(中学受験の最難関校)という男子校に入ったせいで、女の人との接点がなくなっちゃって、唯一のチャンスが文化祭に来た女子だったんです。それで、文化祭に来た桜蔭学園(超難関女子校)の中3の子と仲良くなって、なんとかペッティングまではできたんですけど、門限にうるさい家で、ダメになっちゃって……。しばらくして、その子の友達から連絡が来たんですよ。「○○から聞いたんだけど、キミってエロいんだって?」って。会ったこともないのに! ――女子校の情報網って、スゴイですね。 原人 怪しいなとは思ったのですが、「私、Fカップなんだ」って言うんですよ。おまけに「早稲田の大学生と半同棲している」とも。これはめちゃくちゃエロい女だぞと。もう童貞喪失のチャンスだと思って、高1と中3で渋谷・道玄坂のバーに行きましたね。でも、酒飲んだら一杯で真っ赤になっちゃうし、話も進展しないしヤバイなーって……。それから宮益坂のカラオケボックスに行って「ここしかない!」と、ガッと抱きついてFカップを激モミしました! ――展開が急! 原人 さらに股間を触ったんですけど、AVじゃモザイクがかかっていたから、クリトリスと穴を探しても全然わからないんですよ。でも、わからないなりに必死でまさぐっていたら「じらさないで」って(笑)。 ――すごい高等テクニックだと勘違いされたんですね。 原人 それで、あっちから「もう我慢できない、ホテル行こ」と言われ、円山町のホテルに行ったんですけど、童貞だからコンドームの着け方もわからないんですよ。焦れば焦れるほど、チンポはしぼんできちゃうし……。    結局、女の子から「表裏逆なんじゃない?」と指摘されて、フニャフニャになってるチンコの上にゴムを着けて。もちろんスカスカですよ。そんな状態なのになんとかねじ込み、先っちょだけが辛うじて引っかかってるだけなんですけど、AVの見よう見まねで腰を振りました。そしたら全然気持ちよくないんですよね……。当然っちゃ、当然なんですが、童貞だったからよくわからなくて、仕方ないからイッたフリをして「今までで最高のセックスだったよ」と腕枕しながら言ってみました。その後、連絡が取れなくなっちゃったんで、童貞だってバレてたんでしょうね。まあ、それでボクの中では童貞を捨てたってことになりました。 ――え、それで童貞喪失オッケーなんですか? 原人 いま思うと童貞喪失できてないですけどね、射精してないんだから。それからお年玉を持って、横浜・黄金町のちょんの間に行きました。さすがに最初から風俗っていうのはイヤだったけど、もう素人の子で童貞喪失したんだから、ということで。黄金町ではキレイなお姉さんは1万円、おばちゃんは8,000円、さらに奥に6,000円でいいよというデブのババアがいて……6,000円でいこうと! そこで本当の意味での童貞を捨てましたね。それからはもう、黄金町に通いまくり! 家庭教師のバイトした金でちょんの間に行って、お気に入りのタイ人に「いつか結婚しよう」みたいな話までしていましたから。 ――高校生の時ですよね!? 相手は何歳だったんですか? 原人 33歳くらいですかね。いま思えば故郷に旦那や子どもがいたんでしょうけど、当時のボクは、それが愛なんだって思ってたんですよ。そんなことやってるから当然、大学受験にも失敗して、一浪して専修大学文学部心理学科に入りました。  大学では社交ダンスサークルに入ったんですけど、なぜかボクだけパートナーを組んでもらえず、ひとりで鏡に向かって練習していて……。みんながキャッキャしている中、先輩から「ほら~、彼も仲間に入れてあげなよ、かわいそうじゃん」みたいなことを言われて、いたたまれなくなっちゃったんですね。「もう、こんなところにはいられない!」と。そんな時、エロ本に男優募集が載ってたんで、ヤケクソで応募したんです。そこからずっとAV男優一本ですね。 ――社交ダンスサークルがきっかけで、AV男優に!
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■不倫のほうが真実の愛! ――セックスをヤリたくて仕方がなかった人生から、ヤリまくりのAV男優になれて大満足という感じですか? 原人 うーん……確かに性欲が満たされるのはうれしかったんですけど、だんだんとそこに心のスキマができて、彼女が欲しくなってくるんですよ。 ――AVの現場でセックスするだけじゃなくて、愛情が欲しくなっちゃう? 原人 なっちゃう、なっちゃう! ――女優さんも、現場でセックスしたからって、本気になられても困るでしょう。 原人 はい。ハメ撮りの時、女優さんの耳元で「本気で好きになっちゃいそうだよ」ってささやいたら、「あの男優、なんだか勘違いしていて気持ち悪いです」ってNG食らったりしました。そういう失敗もありつつ、セックスしたからって通じ合えたわけじゃないとか、いい意味でセックスに失望できた。それと、AV現場でのセックスだけじゃなく、プライベートのセックスもそれなりにあったからこそ、幅広くセックスを知れたのかなと思いますね。  AVでのセックスって、見せるための「プレイ」ですから。プライベートな、密室での1対1のセックス、同棲して「子どもができてもいいね」みたいな話をしながらの中出しセックス、ケンカをした後の仲直りセックス……そういったものとは全然違いますね。 ――本の中では、愛情と性欲を分けて考えたほうがいいと書かれていましたけど、やっぱり愛情があるセックスのほうがいい? 原人 まあ、愛情と性欲が合致しているセックスが理想だとは思います。でも、それがセックスの唯一のあり方だとは考えないほうがいいということですね。愛情と性欲が切り離されたセックスも、それはそれでアリと考えれば楽になれるし、結婚とセックスも切り離して考えられるようになる。そっちのほうが自然じゃないですか。 ――セックスする相手は、恋人や結婚相手に限定しなくてもいいんじゃないかと。 原人 そうそう! AV女優さんって、彼氏とか旦那さんに内緒で来てる人がすごく多いんですよ。……たまに旦那さん公認、彼氏がスカウトマンっていうような人もいますけど。基本的には、本命の彼氏なり、旦那さんなりがいるのに、内緒で来ている。そういう人たちがなんでAVに出るのかというと、お金もありますけど、最近の人はほとんど性欲からなんですよね。 ――そうなんですか!? 確かに、今はAVに出たところで、そんなに儲かるイメージもないですが。 原人 儲かる人は儲かりますけど、パンツを脱げば誰でも仕事があるっていう時代じゃないですからね。「ヤリたい」っていうモチベーションがないと、続けられない仕事だと思います。そういう女性たちが、ボクたち男優と絡んで「今までで一番気持ちよかった!」とか言ってくれるんですよ。本命の彼氏が別にいるのに! だから、愛がなくても気持ちよくはなれるんですよね。それに、外でセックスしてくることで、愛する相手に全部を求めなくて済むようになり、優しくできるみたいなこともあるし。1対1の関係で性欲を満たし続けるのは、至難の業ですよ。 「愛がなくちゃダメ」とか「好みのタイプじゃないと感じない」みたいな要素を引っぺがしていくと、セックスの核が見えてくるんです。その結果、ボクがたどり着いたセックスの本質とは「孤独の克服」ですね。 ――それは、承認欲求みたいなものですか? 原人 うーん……ちょっと違いますね。承認欲求っていうのは、どちらかというと思考とか理性の動きなんですよ。孤独の克服は、もっと本能的なところです。よく「生まれてくるのもひとり、死んでいくのもひとり」って言いますけど、赤ちゃんは、お母さんから生まれた時点で孤独になるんです。その孤独を、親に抱きしめられることによって克服する。もうちょっと大きくなったら、家族に囲まれたり、友達を作って克服する。セックスってそれと同じことで、孤独の克服をするために、肉体を通して2人が深くつながる行為なんだと思うんですよね。 ――愛情とか結婚とか関係なく、もっと本能的にセックスを考えたほうがいいと。 原人 本能的に興奮して、そこに感情からくる欲情が混ざるのが理想ですね。いま言われているような、セックスは愛の行為だとか、証しだとか、そういった常識を一回取っ払ったほうが、セックスをもっと楽しめると思います! 愛がなくても気持ちよくなれるし、愛があっても気持ちよくなれないこともある。 ――じゃあ、ベッキーやファンキー加藤も、オッケーということになりますよね? 原人 ボクから言わせたら、不倫のほうがよっぽど真実の愛の可能性が高いですよ! 結婚っていうのは、社会的制度に縛られているだけですからね。不倫は、そういう制度を飛び越えてでもくっつきたいという純粋な愛の場合もありますし、デキ婚のほうが純粋な愛の順序として正しいんですよ。不倫は、ロミオとジュリエットの愛に近いですよ。家柄に縛られて、結ばれてはいけない禁断の関係。今の人たちだって、自由に恋愛しているようで、社会が決めたなんらかのルールや価値観に縛られてる。 ――計画的に避妊したり、結婚したから子ども作ろうというのは不純だと。 原人 不純とまでは言いませんし、もちろん、子どもを作る気もないのに避妊しないのは無責任だと思いますけどね。後悔したり、どちらか一方でも傷ついたりするセックスはよくないので、99%欲望に突き動かされたとしても、1%の理性でコンドームはしたほうがいいとは思います。
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■最近のヤリマンは、ポジティブにセックスを楽しんでいる 原人 人間の三大欲求って食欲、睡眠欲、性欲なんですよ。趣味・特技で「食べ歩き(=食欲)」「どこでも寝れる(=睡眠欲)」とか書いている人がいますけど、これって「セックス好き(=性欲)」って言ってるようなもんじゃないですか。「大食い選手権」なんて、「ヤリマン選手権」ですよ! それなのに、どうして性欲だけが後ろめたいことになっちゃっているのか!?  性欲だけが唯一自分ひとりで完結できない欲求だから、というのはあります。相手の自由を奪う可能性もあるし、暴力性も含んでくるから、社会的に性欲は制限しなくちゃいけないと考えられてしまう。でも、もっとシンプルに、性欲を本能的な欲求として考えたほうがいいと思うんですよね。もっと性についてオープンに話せる場があったほうがいいし、もっと女性の性欲もオープンになってほしい。……まあ、そうなると、男の肩身は狭くなりますけどね。今までは、一方的に男の性欲を押しつけていればよかったんだから。 ――男のセックスやチンコを評論する女性が出てきていますからね。 原人 性にオープンな女性が出てきたことで「ヤレる女が増えた!」と思いきや、男が評論される側になってしまったんです。でも、それも含めて楽しまないと。男にも女にも拒否権があるし、積極的になってもいい。そういうセックスがいいですよね。「あの男イカせてくれないんだよね」なんて女性がいますけど、実はそれって男の理屈にハマッてるだけなんですよね。イケるように、自分からどんどん働きかければいいんです。 ――そういう、性に積極的な女性が増えている実感はありますか? 原人 ありますね。ヤリマンの歴史をたどるとわかるんですけど、20世紀のヤリマンは、男に利用されるヤリマンだったんです。「アイツ、いつでもヤレるから」みたいな利用のされ方をしていた。それが21世紀に入って、承認欲求のためのヤリマンになってくる。「私はヤリマン」みたいな雰囲気を出すと、男からはチヤホヤしてもらえるから。    そして最近のヤリマンは、ホントにポジティブにセックスを楽しんでいるんですよ。「セックスって楽しいじゃん!」「誰とでもヤレばいいじゃん!」って。その代わり「アイツはヘタだから、もうやらない」みたいなことも言われてしまうんです。 ――草食系男子と呼ばれている、あまりセックスをしない若者って、その変化についていけていないのかもしれませんね。 原人 セックスをすることによって傷ついたり、リスクを負うことを、極端に怖がっている人はいますよね。確かに病気や妊娠のリスク、自分が傷ついてしまうこともあるかもしれない。でもそれ以上に、セックスをすることによって、いいことも多いんですよ。  ボクなんか、人生の挫折をたくさん味わってきて、それこそネットとかでしょっちゅう「アイツ死ね」とか「クソ原人め」とか書かれて落ち込んだりもするんですけど、あらゆる世の中のイヤなこと全部が、セックス一発で克服できたりするんです! それがセックスの持つパワーですね。特に、幸せなセックスで得られる「全肯定感」で、落ち込んでても、将来への不安でいっぱいになっていても、いいセックス一発することによって、全部受け入れてもらえたと思え、吹っ切れるんです。もちろん一時のことですが、その感覚って、ほかではなかなか味わえないですよ。  極端な話、戦争している国のトップがセックスすれば、すぐに仲良くなれますよ! ベネトンが、そんな意図があるんじゃないかって広告出していたけど、それくらいの全肯定感があるし、理屈じゃない部分で納得できるんです。仲直りセックスって、そういうことですよね。 ――問題がまったく解決してなくても、セックスしたらごまかされちゃいますもんね。 原人 今の子たちって情報が多すぎて、セックスをしてなくてもわかったような気になっていると思うんですよね。こんなもんだろ、とか、こんな面倒くさいことがあるらしいぜって。でも、知ってるのと経験しているのは、全然違いますから。「食べログ」をどんなに見ても、実際に食べてみなければ、どれほどおいしい料理なのか、もしかしたらマズいけど自分は好きな味なのか、わからないですもん。だから、風俗でも彼女でもいいので、どんどんセックスしてみてほしいです!
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■愛している人がほかの男とセックスしたら……燃えちゃう! ――原人さんは、セックス経験は豊富ですけど、結婚はまだですよね。もし結婚することになったら、どんな結婚生活を送ると思いますか? 原人 もしボクが結婚するなら、男優を続けていようがいまいが関係なく、ボクもほかの人とセックスするし、奥さんにも「してきていいよ」って言いますね。 ――それが自然な結婚の形だと? 原人 結婚自体が社会制度だから、“自然な結婚”って言葉自体が意味をなしていないんですが。ボクは現行の結婚なんて、制度自体無理があると思っています。理想は不動産の賃貸みたいに2年更新制。けど、現実問題として今の日本で子どもを育てていくには、制度に乗っかっていたほうがいい。だから結婚した上で、お互い自由にセックスを楽しむという関係性がいいんじゃないですかね。ほかの人とセックスしてもいいけど、子どもは作ってこないでね、病気は持ってこないでね、って。そして、ほかの家庭には迷惑かけないから、うちはうちで、好きなスタイルでやらしてほしいと。 ――自分の愛する人がほかの男とセックスすることに関して、嫉妬とかは感じない? 原人 ……燃えちゃう! ――ああー(笑)。 原人 セックスしたからって、心まで持っていかれるわけじゃないですからね、男も女も。セックスは、たかがセックス。ただの行為ですよ。その上で、されどセックスだとも知っています。それに、いい女っていうのは、誰とセックスしても気持ちよくなれる女なんですよ。相手を選んで気持ちよくなる女なんて、ただのワガママ! それなら、誰とやってもマグロな女のほうがいいです。これ、モテないブ男の恨みつらみもこもってますが。  一徹というイケメンAV男優がいたんですけど、一徹と3Pするといつも女の子が一徹ばっかり見てるんですね。キスも必ず一徹と先にやる。「ボクともして~」って迫っても、すぐに一徹に戻っちゃう。最初はそういうのがイヤだったんですけど、今は「寝取り」みたいな楽しみ方ができるようになりましたね。「本当は一徹がいいんでしょ? でも、いま入っているチンポはボクので、それでキミは声を出している……。それを一徹に見られているよ~」って。 ――その境地にまで達するのは、なかなか難しそうです! (取材・文=北村ヂン)