至高のゼイタク? 馬主もゲッソリ? 3億円越え「超高額競走馬たち」の成績が悲惨すぎて笑えない……

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競馬(有馬記念)
 11月8日、京都競馬場は、この日デビューする2頭のサラブレッドに注目が集まっていた。「5億円対決」といわれたこのレースは、2013年の当歳セレクトセールで2億4,150万円で落札されたサトノダイヤモンドと、同じく13年のセレクトセールで2億5,200万円で落札されたロイカバードが対決することになったからだ。  結果は「安い方」のサトノダイヤモンドが圧勝、武豊騎手が騎乗したロイカバードは2着に完敗となった。ちなみに3着馬ダノンアローダも同セールにて4,410万円で落札された馬であり、上位3頭の総落札額は5億3760万円という、なんとも豪華な一戦となったのだ。  どんな世界でも「富豪」の金銭感覚はケタ外れだ。都心の一等地や高級マンションが買える大金を、怪我や病気のリスクがあるサラブレッドにつぎ込むことなど、庶民からすれば想像の及ばないレベルの話だろう。  ただ、高額馬のすべてが期待通りの成績を残しているかといわれれば、実態は大きく異なっているのが現実である。日本を代表する競走馬のセリ「セレクトセール」の現状を見れば、その“現実”がよく理解できるだろう。 「セレクトセール」は、国内外の富裕層が毎年数億円の「爆買い」をしていく日本最大のサラブレッドセール。15年も15頭のミリオンホース(落札額1億円以上・税抜)が誕生したが、過去の実績を振り返った際、とんでもないことに気付く。  04年から現3歳馬世代の13年までの10年間において、1億円以上で落札された馬は合計85頭。2億円以上は14頭、3億円以上3頭、4億円以上1頭、最高額はなんと6億円だ。そして、この中から3億円以上で落札された5頭の成績を見ると……。 ■6億円(ディナシー) 06年セレクトセールでグローブエクワインマネージメント(有) が落札 父キングカメハメハ 母トゥザヴィクトリー →未出走で引退・獲得賞金0円 ■4億9,000万円(ザサンデーフサイチ) 04年セレクトセールで関口房朗氏が落札 父ダンスインザダーク 母エアグルーヴ →41戦3勝で引退・獲得賞金7,196万円 ■3億6,000万円(ラストグルーヴ) 11年セレクトセールでグローブエクワインマネージメント(有) が落札 父ディープインパクト 母エアグルーヴ →1戦1勝で引退・獲得賞金600万円 ■3億円(ブルーアヴェニューの2006) 06年セレクトセールでダーレー・ジャパン(株) が落札 父フレンチデピュティ 母ブルーアヴェニュー →海外1戦0勝で引退・獲得賞金ほぼ0円? ■3億円(アドマイヤハーレ) 07年セレクトセールで近藤利一氏が落札 父クロフネ 母マイケイティーズ →2戦1勝で引退・獲得賞金690万円  以上のようにすべての馬が競走馬として成功せず、1位の6億円馬に至っては、デビューすらできずに引退となっているのだ。  かの有名なディープインパクトは7000万円で落札、海外も含め最高獲得賞金額を記録するテイエムオペラオーは1000万円で落札されていることを考えれば、高額馬が走らない要因は馬を見る人間の眼、つまり選ぶ側に相馬眼がないのが主な原因のようだ。  海外に目を向ければ、史上初の日米ダービーオーナーとして歴史に名を刻み、以前は『ジャンクスポーツ』(フジテレビ系)にも出演していた関口房朗氏が、約8億8000万円という超高額馬を落札。ミスターセキグチの名前でアメリカデビューを果たしたものの、怪我もあって4戦2勝で引退、その後種牡馬として1億円で引き取られたと聞く。維持管理費を含めれば7億円を超える赤字だったことはいうまでもない。  その関口氏は、その後馬主として破産し競走馬を売却、表舞台から姿を消してしまった。さらに今年、美容脱毛サロンでお馴染みのミュゼが経営破綻し、セレクトセールの常連でもあった同社代表の高橋仁氏は、所有馬を売却する事態に発展している。 「5億円対決」に沸いた競馬界。その裏で大成せず引退していく競走馬達。多くの馬主が夢を見て高額馬を落札しているようだが、いつ第二第三の破綻馬主が出てもおかしくない。

「秋元康、和田アキ子は負け組」!? 北島三郎G1制覇に見る、“芸能人馬主”の現実が悲しすぎる……

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馬主はつらいよ
 演歌の大御所・北島三郎の愛馬、キタサンブラックが25日、第76回菊花賞(G1)を優勝。馬主歴47年(初出走時)のベテランがついにG1オーナーの座についた。賞金はなんと1億1200万円である。  北島氏は京都競馬場での優勝馬主インタビューで、公言していた「まつり」の菊花賞優勝バージョンを熱唱し、その模様は各局のスポーツニュースやスポーツ紙に掲載された。  北島氏は、これまで170頭以上の競走馬を所有。その総費用は8億円とも10億円ともいわれているが、やはり歌謡界の“ドン”はスケールが違う。  実際に芸能人やスポーツ選手など、多くの著名人がJRA(日本中央競馬会)の馬主となっているが、年間7000頭近いサラブレッドが生産され、2000名ほどの馬主がいる中で、年間24しかないG1レースを勝つことは並大抵のことではない。北島氏ですら、47年目にしてやっとG1を勝ったのだから、その大変さがわかるというものだ。  しかし、北島氏のように馬主になってある程度成功することは極めてまれであり、多くの著名人は馬主として結果を残せず、撤退しているのが現状だ。  例えば、芸能界の大物・和田アキ子は、本名の飯塚現子名義で馬主登録。これまで30頭以上の競走馬を所有してきた。馬名はソウルマン、ソウルマックス、スターオブブルースなど歌手にちなんだものが多い。これまでかかった費用は馬代金・預託料合わせて5億円以上と思われるが、賞金による回収はその半額以下。重賞を勝って注目されるような活躍馬は、全く現れなかった。  AKB48などのプロデューサーでお馴染みの秋元康氏も、これまで6頭を所有したが、ゴールドディスクという3勝馬以外の5頭は、すべて未勝利。さっさと見限って撤退した模様である。  中には、元メジャーリーガーの佐々木主浩氏のように、馬主歴6年で重賞勝利、7年目にヴィルシーナでG1レースヴィクトリアマイル優勝。演歌歌手の前川清所有のコイウタも同G1レースで勝利といった、強運を持ち合わせた著名人もいるが、これはまれな例。実際に浅田次郎、大橋巨泉、志村けん、陣内孝則、鳥羽一郎、萩本欽一、やしきたかじんなど多くの著名人が、馬主として挫折を味わっている。  北島氏が馬主になってG1レースを勝つのに費やした47年は、馬主としての成功が容易ではないことを表している。  ただ、芸能人ではないが、株式会社図研の社長である金子真人氏(金子真人ホールディングス含)のように、ディープインパクト(G1・7勝)、キングカメハメハ(G1・2勝)、クロフネ(G1・2勝)、カネヒキリ(G1・7勝/地方含)、アパパネ(G1・5勝)など、名だたるG1ホースを多数所有してきた人もいる。なにかコツでもあるのか、ぜひ聞いてみたいものだ。