AKBガチオタ文化人4人衆が語り尽くした『AKB48白熱論争 延長戦』詳細レポート!

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 2012年11月21日、埼玉・SKIPシティ 彩の国ビジュアルプラザ 映像ミュージアムに企画展「メディア/アイドル ミュージアム」(http://mediaidol.net/)がオープンした。埼玉県が主催する同イベントは、2013年4月7日まで開催され、アイドル文化の歴史を、アイドルを扱った映像コンテンツの変遷の中にたどることで、映像表現やメディアの進化について読み解くことができる。  この企画展のオープンを記念して11月24日、トークイベント『AKB48白熱論争 延長戦』が行われた。出演者は、中森明夫(アイドル評論家)、小林よしのり(漫画家、思想家、社会評論家)、宇野常寛(評論家)、濱野智史(社会学者、批評家)の4人。司会は岡島紳士(アイドル専門ライター)。『AKB48白熱論争』(幻冬舎新書)で本気のAKBオタクっぷりを見せつけて話題となった4人の論客が、再び結集してAKBと日本社会を熱っぽくオタっぽく語った。  まずは濱野氏が「埼玉県はいいですね。AKBの至宝、すーちゃん(佐藤すみれ)を生んだだけでなく、ぱるる(島崎遥香)も生んでいる」と、今回の企画展を強引に自らの推しにかこつけて語ると、登壇したメンバーは完全にオタモードに。以下、全員がありとあらゆる話題をAKBに関連させながら語っていくというトークイベントへと発展した。集まった観客もアイドルファンが多いため、小難しい文化人のトークイベントと思ったら実はガチオタ4人衆でしたという展開に、まずは爆笑が巻き起こる。  ちなみに、12月5日発売の『前田敦子はキリストを超えた』(ちくま新書)がネットで話題の濱野氏は、2012年だけでAKB関連のCDを800枚買っているらしい。企画展のタイトルとなっている「メディア」についても、専門分野にもかかわらず「Google+は、あだ名のほうがAKBのメンバーに認知されやすいという話があり、あだ名でやっているみなさんはずるいなあと思う」と、オタ全開のジェラシーから話し始めてしまうほどの入れ込みっぷりだ。  だが、タイトルが大きく出すぎだとさまざまな意味で心配されている同書については「自分はネットメディアの専門家と言われていたが、最近はAKBの専門家みたいになっている。しかし読んでもらえば、その2つがきちんとつながっているのがわかる」と真剣に語る。これについては宇野氏も「読んだら、いま『釣りタイトルだ』とか『ネタ本だ』とか言ってる人は大恥をかくと思う。AKBという文化現象がなぜこんなに巨大になったのかということについて、本当にガチで正面突破した本」と太鼓判を押した。 saitama_idol.jpg  話題はいよいよここからが本番、本日のテーマである『AKB48白熱論争』へ移る。小林氏は同書の概要を「なぜAKBはこんなに巨大になったのか、なぜ一人で100枚も200枚も買うような現象になったのかをみんなで分析した」と説明。さらに「“いい年したおっさんがAKBにハマるのはロリコンではないのだ!”ということをわかってもらう効果があった」と、主張する。  この小林氏の熱い語りを受けて濱野氏は「自分も、もともとはAKBに対する小林さんのマジな語りを読んでハマッた。この本も我々のマジの熱に読者が感染してくれて話題になったんだと思う」と言う。中森氏は「小林さんがおかしくなったと言われていたが、最近は濱野さんが『前田敦子はキリストを超えた』で、もう完全におかしいとか炎上商法とも言われている。いまネットは濱野さんと、さかもと未明の話題で持ちきり」と茶化すが、小林氏は「(濱野氏が)本気で好きなのを知ってるから、何を書いても許すよ」と述べ、オタとして互いをたたえ合う形に。  中森氏も「AKBが宗教だといってもキリスト教とかそういうことじゃなくて『何を信じるのか』という話」だとして濱野氏の説を補足する。「今の政治を見たって、安倍晋三とか石原慎太郎とか猪瀬直樹とか橋下徹とか、もう何にも信じられない。たかみな(高橋みなみ)のほうが信じられる!」と、政治談義からオタ話へとシームレスに接続。これには宇野氏と小林氏も「今の日本でもっとも指導力のある人間って、高橋みなみですよ!」「たかみなはワシを裏切らない!」と賛同した。  また宇野氏は「僕は『PLANETS』という雑誌を作っているんですが、その最新号の表紙とインタビューを横山由依さんにお願いしたんです。本当にいい子で、これから僕はあらゆることの判断を『Aを選ぶ宇野とBを選ぶ宇野、どちらを、ゆいはんは尊敬してくれるか』を基準にしようと思う」と宣言して会場を笑わせる。しかし宇野氏は真剣に「これがAKBの本質だと思う。つまり劇場も握手会も実際に会うから、表情やニュアンスなど、短いテキストなんかよりも圧倒的な情報量がある。その結果、AKBへ“感染”することが引き起こされやすくなる」と語る。  中森氏はこの宇野氏の説に感心し、「握手会とかは“体験”だから、普通は“情報”じゃないと考える。しかし宇野さんが言うのは、その短い時間に情報が圧縮されてるということ。つまり“情報”と“体験”が対立項になっていない。そして会っている時に受ける情報のほうが従来のメディアより強い。それをAKBは実感できる」と説明する。
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 また濱野氏は握手会で生まれるAKBの宗教的な魅力について「最近、ぱるるに認知されたが、そうすると絶対に犯罪とかできない。信仰のモードとして『神様に見られているから悪いことをしない』という感じになる。『ぱるるは見ておられる』みたいな」と、言葉だけ聞くと何か危険な感じの発言だったため会場は爆笑。しかし濱野氏は「笑ってるけど、みんなそうだと思うんですよ! ネタでも何でもなく」と強調した。 また、その他ハードコアなオタ発言としては小林氏が「みおりん(市川美織)は妖精であって、地球上で生まれたかどうかも怪しい。みおりんによって人類が試されている。みおりんが見えなくなったら人類は滅ぶ。みおりんを推すのは我々人間ではなく、神が推している。競争させるなんてことをやっちゃいけない。だから世の中からイジメとかがなくならないんだ。みんなが、みおりんをちゃんと見なければダメなんだ」などと述べたほか、「中森氏は大島優子とゆきりん(柏木由紀)のことを褒めないよね」「いやゆきりんのことは褒めてるよ!」などという、AKBオタ同士による微笑ましい甘噛み合戦も見られた。  しかし今回のトークイベントは全体的にガチオタ話と政治、文化、日本社会についての話題が自在に行き来するものになっており、宇野氏はこれこそがAKBの魅力の一面だと指摘する。『AKB48白熱論争』に収録した座談会でも、4人は天下国家のことを語ろうとは思ってもいなかったそうだが、宇野氏によれば「総選挙で誰に何票投票したとか話しているうちに、いつの間にか社会やメディア、これからの日本文明にまで話がいってしまう。そこがAKBという現象のすごさ。それができたからこそ、今のAKBはこんなに長続きして、国内最大規模の文化運動になった」という。  また濱野氏は、政治よりAKBが注目される昨今について「国会の映像は昔のほうがはるかに面白かった。昔はガチ感のある最高のエンタテインメントが政治だった。でも今はそれがよくないとされ、もっと政策に注目しようとか言っているうちにAKBのほうが面白いということになってしまった」と指摘。田原総一朗氏などがAKBに興味を持つような状況になっているのも、そのせいではないかと語った。さらに中森氏が小泉政権が終わったのとAKB48が結成されたのは同じ05年だと語り、「その後7年間で総理大臣は次々替わったが、どれもまったく信用できない。そんな中で絶対的に信用できる高橋みなみが生まれた」として、再びAKBのリーダー格である高橋みなみを賞賛した。  最後に話題は再びミュージアムのテーマである「メディア」へと戻る。宇野氏はAKBと組んだクリエイターやメディア人は中途半端なことをやっても返り討ちに遭うと言う。「どれだけ面白いことをやっても、やっぱり握手会とか劇場で本人たちに会った方が強い。近接性を利用して人々をハマらせていく、こんな面白いAKBというシステムに対して既存メディアが中途半端な作品を作っても意味がないと思う。映画とかアニメとか作ってる人はビビらないといけない」と問題提起した。  また濱野氏は「例えば、もし今日ここにAKBのことを知らなかった人がいたとして、でも僕らのマジな話を聞いて何だか気になってしまうかもしれない。もしくは握手会に行ってしまう。AKBではそうやって、人間そのものがメディアというか、情報やマジを運ぶメッセンジャーになってしまっている。メンバーもファンもそうなっていて、それがすごく面白い」と持論を語る。これについては宇野氏も「今日僕ら4人を見て『なんでこいつらこんなふうになってしまったんだ』と思ったはず。しかしそこにAKBの魅力があるし魔力がある。気になった時点で、みなさんはAKBにハマる素質がある。きっかけはYouTubeの動画とかでいいので、ぜひ触れてくれたら」と述べた。  また中森氏は再び宇野氏の議論に立ち返り、「今のハイパーメディアの時代では、“会える”ことに対してメディアのほが情報量的に劣っていることをAKBは教えてくれた。実はAKBはアイドルの初期衝動というか、『会ったらかわいい』というところに戻らせている。そこに至るために高度な情報環境が揃わなくてはいけなかったのが面白い」と述べる。これを受けて濱野氏は「アイドルの弱いところは現場重視だから、現場に行かないと何も分からない。それは逆に言うと、歴史が蓄積しないということでもある。なかなか通史としての歴史が見通せない」と指摘しつつ「だから、今回のミュージアムみたいな形でそれが俯瞰できるのは有意義なこと」とした。  最後に小林氏がまとめとして「こういう時代だからこそ、AKBを見るとものすごく気が晴れる。AKBに罵詈雑言を言ってる人間たちですら、そのことに生き甲斐を感じるはず。その意味でも宗教」と述べ、改めて今の日本社会とAKBが切っても切れない関係である現状を振り返った。さらに「アイドルの時代がやってきたんだろうと思う。それは日本にとって幸なのか不幸なのかわからないけど、必要な宗教になっちゃったんだ」と総括。AKBのみならず、今回の企画展がテーマとして掲げた「アイドル」全体が担わされたものの大きさを指摘する形で、トークショーはお開きとなった。 (取材・文=さやわか)

「どう見ても確信犯!?」AKB48増田有華が示した“辞めたきゃ男と撮られればいい”という危うい指針

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『AKB48生写真アイドルとグアムで
恋したら【増田有華】』
 AKB48・増田有華とDA PUMP・ISSAの“自宅デート”の模様が29日発売の「週刊文春」(文藝春秋)で報じられた。記事によると今月7日、AKBの劇場公演を終えた増田がISSAの自宅マンションに直行、一夜を共にしたという。出入りする2人の写真も掲載されており、言い逃れできない内容。結果、増田は28日夜に自身のブログでこの一件を謝罪し、AKB脱退を発表した。  一方でISSAには昨年12月20日に婚約発表した女優の福本幸子がおり、一部では増田の“不倫”や“略奪”もウワサされたが、双方の所属事務所はこれを完全否定。ISSAの所属事務所によると、福本とは増田と撮られる前に婚約解消していたという。  増田も29日にあらためて自身のブログを更新し「ISSAさんはあくまでも、共演者の中の一人で私にとっては、お兄ちゃんのような存在で、恋愛感情は一切ありません」と否定した。だが、増田を知る人物の1人はこう反論する。 「2人がラブラブだったことはファン間では知られた話。舞台共演で急接近し、稽古が終われば堂々と食事に出掛けていた。そこにスタッフが同席するパターンもありましたが、2人きりで手をつないで歩く姿も目撃されていました」  あまりにも堂々とした2人のふるまいに、増田の“確信犯”を指摘する声も上がっている。 「実は、ずいぶん前から増田はAKBを辞めたがっていたんです。こないだの『じゃんけん大会』にも出ていないのは、そのため。活動意欲がなくなったというより『女優として独り立ちしたい』という気持ちのほうが勝っていた。今回の件も、どう見ても確信犯としか思えない」(同)  別の関係者も「恋愛禁止という鉄の掟に渋々従うメンバーが多い中、彼女だけは以前から『女なんだから恋愛くらいする。禁止される意味がわかんない!』と、こぼしていました。実際、ISSAさん以外の男性ともウワサになっていましたよ」と明かす。  そうした経緯から、今回のスキャンダルは、本人にとって「渡りに船」の部分もある。事実、29日に行われた劇場公演で増田はISSAとの件を詫びつつも「(AKBの活動を)辞退するというふうに言わせていただいたのですが、私自身、歌やお芝居やいろんなことをいろんな目線で学ばせていただいて、また新たにもっともっと勉強したいと思い、ちょうど卒業のことを考えていた時期でもありました」と心境を語った。  かわいそうなのはファンだ。「彼女と握手するために新曲○枚買った」という人も大勢いる中で、あっさりと男性スキャンダルで脱退されては気の毒としか言いようがない。「AKB辞めたきゃ、男と撮られればいい」。増田の一件が、悪しき慣習にならなければいいが……。

AKB48『リクエストアワー』への挑戦状 “知られざる神曲たち”ベスト20

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 “AKB48楽曲の総選挙”として、536曲ものAKB48関連楽曲(派生ユニット除く)からファンの投票によって人気楽曲上位100曲を4日間で披露するコンサート『リクエストアワーセットリストベスト100』。2008年から毎年1月後半に開催され、次回は13年1月24~27日に東京ドームシティで行われる。楽曲への投票は、シングル「UZA」封入の楽曲投票シリアルナンバーカードや、AKB48グループのモバイルサイトなどから可能で、11月30日午後3時まで受け付けている。  ファンの声が反映される年に一度のAKB48楽曲の祭典だが、上位に来る楽曲は主要メンバーの代表曲が毎年のようにランクインするのが定番となっている。その一方、AKB48のカップリング曲などには、わずか数回しかコンサートで披露されたことがない曲もあるのが実情だ。そんな状況に新風を吹き込むべく、評論家・本城零次がAKB48関連楽曲からシングルしか知らないような一般のファンには知名度が低い“知られざる神曲”ベスト20を独自にセレクト。独自の解説も交えつつ、紹介する。
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※AKB48“知られざる神曲”独自セレクトベスト20 1位 僕にできること/AKB48チームK アルバム『ここにいたこと』収録。「日本赤十字社・2011年赤十字運動月間CMソング」。  これぞ神曲。世界一ポップで優しいプロテストソング。「世界をひとつの家族にしようぜ!」というサビの歌詞が秀逸。外交政策、企業経営、対人関係、すべてのステークスホルダーとの正しい交渉術は「家族になること」。互いを家族だと思えば、傷つけ合うことなく補い合える。「争った国と微笑みの握手しようぜ!」「水も空気も借りてるだけ」という歌詞もいい。  とんねるずに「一番偉い人へ」を書いた秋元康氏だけに、AKB48にはプロテストソングが多くて、「愚かな戦争をニュースで見るより声が届くように私は歌おう」の歌詞が印象的な「誰かのために~What can I do for someone?」や、K6th公演の「夢の鐘」も反戦歌。「風は吹いている」を聞いた時に、曲調は違うけど、メッセージには、ボブ・ディランの「Blowin' in the Wind」を感じ、K3rd公演の「友よ」には岡林信康の「友よ」にも通じる世界観を見た。現在、劇場公演で「僕にできること」は歌われていないが、7月に全国ツアーの沖縄公演で歌っているのを見た時は、現地ならではの感動を覚えた。ぜひ海外公演でも歌ってほしい曲。 2位 ライダー/AKB48チームA AKB48チームA3rd「誰かのために」公演  AKB48活動初期、劇場の座席が並び順だった時代に常に1番に並んでいたファンがいた。その彼が劇場で倒れ、その数日後、亡くなってしまった。バイクが好きで「ライダー」と呼ばれていた彼へのレクイエムとして書かれたのがこの曲。その詳細は、『AKB48現象』と拙筆記事「AKB48黎明期を支えたファンの"夭逝" NMB48が歌い継ぐ「ライダー」誕生秘話」に詳しい。このユニット曲に参加していたメンバーは全員卒業してしまったが、NMB48が劇場公演で歌い継いでおり、今もA3rdリバイバル公演で披露。16ビートを全身で表現するような熱いパフォーマンスを見せている。「リクエストアワー」のランクインは08年と09年のみ。この曲の存在とその背景にあるエピソード、そして、応援する側、される側を超越した人間同士の絆と誠意について、より多くの人に知ってほしい……という純粋な気持ちです。 3位 なんでやねん、アイドル/NMB48   NMB48「オーマイガー!」劇場盤収録  NMB48のカップリング曲は趣向を凝らした曲が多いが、これはもう“問題作”。「ネエちゃん アイドルしてまっか?」で始まり、「アイドルも屁をこく」という歌詞まで出てくるぶっ飛んだ曲。木下春奈、門脇佳奈子の掛け合いはもうベテラン芸人の域ですよ。作曲・編曲は「野菜シスターズ」「チームB推し」の吉野貴雄氏と知って、納得がいった。 4位 パパは嫌い/SKE48紅組 SKE48「パレオはエメラルド」通常盤TYPE-B収録  10代少女の愛への枯渇、見守ってほしい気持ちと独りになりたい気持ちのアンバランスさを歌う。映画の予告編のようにドラマテイックなMVの「誰かのせいにはしない」、ゴシックな世界観の「なんで銀河は明るいのだろう」などのSKE48紅組と、「バズーカ砲発射!」などポップな曲が多い白組、それぞれ良曲揃い。 5位 ファンレター/AKB48チームK AKB48チームK5th公演
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 AKB48グループとはなんなのか? その根源がこの曲に集約されている。「あなたがいてくれたら」と並ぶ、メンバーとファンの人間的な交流の深さを描いたバラード。SKE48・須田亜香里はファンレターをまとめたノートを持ち歩き、大矢真那は「手紙は師匠」と語る。作曲も、クラシック出身のBOUNCEBACKだけに、ストリングスがせめぎあう珠玉のバラードだ。 6位 愛の数/SKE48チームKII SKE48「バンザイVenus」収録  SKE48チームKII初のオリジナル曲であり、偶然にも発売2日後に起きた東日本大震災へのエールとしても響いた人間愛に満ちた楽曲。当時、誰もが抱えていた孤独、寂寞、やりきれない気持ちをこの曲に救われたファンも多いはずだ。「アーティストは曲を選べない。曲がアーティストを選ぶ」という僕の持論があるが、結局のところ、人の心に届く曲は、作ろうと思って作れるものではない。曲は生き物で、いい曲ほど自分をより大切にしてくれる親のところを選んで生まれてくる。人間でも「親が子どもを育てるのではなく、子どもに親にしてもらう」と言われるように、曲がアーティストを育てる。そんなことを改めて、思わせてくれた曲。 7位 アンチ/AKB48チーム研究生 「Everyday、カチューシャ」劇場盤収録  AKB48のセンターに立つということは、自分以外のすべてのメンバーのファンをも納得させる存在でなければならない。「アンチが生まれてスターは育つ」と、期待しているがゆえのアンチの存在の大切さを歌う。人間関係でも愛の反対は無関心なので、ダメ出ししてくれる人は恩人だと考えたほうがいいのだろう。 8位 孤独のバレリーナ/SKE48チームKII SKE48チームKII3rdラムネの飲み方」公演  劇場公演のひとつの集大成。初めて生で見た時は、フォーメーションの美しさに感動した。プリマドンナの秦佐和子を軸に、16人がそれぞれ動き回りながらここまで見せるのは、相当な練習量とお互いの信頼関係がないとここまでの表現はできない。「ラムネの飲み方」公演は仕掛けが満載なので、見たことない人は絶対1度は生で見てほしい。 9位 愛の毛布/AKB48ひまわり組 AKB48ひまわり組2nd公演  「私たちにできることは手を繋ぐこと」と歌う、王道のカノンコードの心温まるバラード。公演ではメンバーがウェディングドレスで歌うという趣向も。Gロッソ公演以来、主要メンバーは歌っていないので、選抜メンバーで披露を。 10位 Pioneer/AKB48チームA チームA6th「目撃者」公演
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 「成功の前例」を伝えるために、観客が7人のころからのAKB48の歴史を描いたヘビーメタルナンバー。間奏では、エドワード・ヴァン・ヘイレンばりのライトハンド奏法も飛び出す。作曲・編曲は、野中“まさ”雄一氏。AKB48関連楽曲の編曲を120曲以上手掛け、作曲家としても「残念少女」「制服の芽」「思い出以上」「愛しさのアクセル」を手掛ける、AKB48サウンドに欠かせない人物だ。 11位 これからWonderland/AKB48 「Everyday、カチューシャ」収録  Earth Wind and Fireを彷彿させる、AKB48版ソウル・ディスコ。コンサートでも、西武ドームで1回しか披露されていないはず。作曲・編曲は井上ヨシマサ氏。「Everyday、カチューシャ」「RIVER」「大声ダイヤモンド」のヒットシングルから、「泣きながら微笑んで」「涙売りの少女」「花と散れ!」「命の使い道」「マンモス」「ドレミファ音痴」と、多彩な音楽性。秋元氏が最も自由に規制なく表現活動を行う場がAKB48で、その点に井上氏らが賛同し、縦横無尽のAKB48の音楽性が広がっている。 12位 1994年の雷鳴/AKB48チームサプライズ  チームサプライズの中でも、小嶋陽菜、篠田麻里子、高橋みなみ、板野友美、大島優子参加の豪華ユニット。校舎の中で雷鳴を聞きながら、高鳴り合う男女の「イタセクスアリス」を歌う。「イタセクスアリス」は森鴎外の著書「ヰタ・セクスアリス」(ラテン語で「性生活」の意)であり、1994年は渡辺麻友、島崎遥香ら次世代メンバーの生まれた年。その当時に起きた男女の「イタセクスアリス」によって、彼女たちの今があると解釈することもできそうだ。 13位 恋を語る詩人になれなくて…/SKE48チームS SKE48チームS3rd「制服の芽」公演  2009年10月からコートを着て踊り続けて、早3年。1曲目からクライマックスに達するダンスバトルは、今でもAKB48グループの貴重な財産。今年の「リクエストアワー」では、初日最後の76位にランクインし、AKB48ファンを騒然とさせるまでの白熱のパフォーマンスを見せた。念願の新劇場でのSKE48のパフォーマンスに期待。 14位 僕は待ってる/NMB48 NMB48「オーマイガー!」収録  さまざまなハプニングに揺れたNMB48を癒やしたバラード。どんな出来事も歌詞としてメンバーへのメッセージに昇華させるのが、プロデューサー手腕。「理不尽ボール」では兼任、再組閣についてエールを送った。 15位 ゼロサム太陽/AKB48チームK 「上からマリコ」Type-K収録  どキャッチーでありながら、哀愁を感じさせる俊龍氏作曲のナンバー。第4回総選挙でチームKのBGMとして流れたことでも有名。勝者の数だけ敗者もいる点は、ゼロサムのテーマと共通する。 16位 青春の稲妻/AKB48ひまわり組 ひまわり組2nd公演  制服で踊るヒップホップダンスというのがAKB48らしい。ソロダンスも必見。 17位 ゴンドラリフト/AKB48(アンダーガールズゆり組) 「風は吹いている」Type-B収録  窓拭きのアルバイトがゴンドラから見えた家族の温かさを歌ったバラード。「風は吹いている」以降のシングル収録曲にはライブで一度も披露されていない曲多し。 18位 最後の制服/AKB48 「桜の花びらたち2008」収録  「桜の花びらたち2008」収録の卒業ソング。当時は、前田敦子と小嶋陽菜がツートップだったことを示すように、二人がセンターで歌っている。 19位 やりたがり屋さん/SDN48 アンダーガールズ チームG SDN48「口説きながら麻布十番 duet with みの もんた」Type B収録  「アイヤイヤイ」の歌詞が艶かしい、SDN48の超クール&セクシーダンスナンバー。 20位 Innocence/SKE48チームS SKE48チームS2nd「手をつなぎながら」公演  「初めての夜」を歌った、16歳未満歌唱禁止の甘美な曲。イントロのサックスがその切なさを過剰なまでに煽る。HKT48では特別に15歳以上で解禁。歌うメンバーは変わっても、そこに息づく、精神は継承される。
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 アイドルソングから、人間の心情を深く掘り下げた楽曲まで、多種多様な楽曲を披露するAKB48グループ。ロック、R&B、ユーロビート、ラテン、ファンク、トランスなどさまざまな音楽に挑戦し、メンバーの表現力も磨いていっているのだ。次回の「リクエストアワー」を通じて、順位のみならず、各クリエイターが心血を注いで作り上げ、メンバーがパフォーマンスで表現するAKB48関連楽曲自体を改めて評価する機会となれば幸いだ。 (文=本城零次<http://ameblo.jp/iiwake-lazy/>)

AKB48楽曲の総選挙『リクエストアワー2013』大予想 「ヘビロテ」3連覇をあの曲がストップ!?

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 536曲ものAKB48関連楽曲(派生ユニット除く)からファンの投票によって、人気楽曲上位100曲を4日間で披露するコンサート『リクエストアワーセットリストベスト100』。2008年から毎年1月後半に開催され、次回は13年1月24~27日に東京ドームシティホールで開催される。その楽曲への投票は、シングル「UZA」封入の楽曲投票シリアルナンバーカードや、AKB48グループのモバイルサイトなどから可能で、11月30日午後3時まで受け付けている。  『リクエストアワー』は“楽曲の総選挙”であり、ファンの民意が反映される年に一度のAKB48楽曲の祭典。シングル曲が人気の傾向だが、主要メンバーの代表曲も上位に来るパターンが多く、“選抜総選挙の前哨戦”とも言える。実際前回は、指原莉乃参加のユニット「愛しきナターシャ」がユニット最高位の6位となり、総選挙で彼女が4位になる礎となった。また、このコンサートならではなのが、過去の楽曲もランクインすることから、普段の公演やコンサートでも見られない初代チーム編成での曲の披露もあり、さながらそれは7年の歴史のあるAKB48の同窓会のようでもある点だ。そんなAKB48ならではの“ファンが作るコンサート”の魅力と次回の予想を、評論家・本城零次氏に聞いた。 ――今度の『リクエストアワー』のポイントは? 本城 まずはなんと言っても、卒業した前田敦子が来るのか否か。ほかの曲は継承できても、彼女の卒業のために書かれた「夢の河」「思い出のほとんど」は、彼女がいないと成立しないので、そこは最大の焦点です。  過去の曲は、卒業生が来て一緒に歌うのが恒例でしたが、今年は「全員に出演依頼をしたのだが、スケジュールが合わない人が多すぎた」(1月16日、秋元康氏Google+)ということで、卒業生の出演はナシに。それが来年はどうなるのかポイント。やっぱりチームKの「支え」(メンバーの出会いを歌ったバラード)、「16人姉妹の歌」(チームK自己紹介ソング)は、初代チームKだけのものなので、せめて大堀恵、野呂佳代は出てほしいというのがファンの総意でしょう。その2人も参加し、3月のコンサートで全員卒業となったSDN48も、楽曲はノミネートされているので、昨年、卒業を惜しむファンの熱意で実現した“「孤独なランナー」3位”というミラクルがもう一度起こるのかにも注目。また、恒例の「てもでもの涙」「First love」を誰が歌うのかも気になるところですね。 ――「てもでもの涙」には、深いエピソードがあるようですね。 本城 過去5回の『リクエストアワー』で、唯一公演ユニット曲でベスト3に入ったのが、柏木由紀と佐伯美香(ひざのケガで09年卒業)の「てもでもの涙」。この楽曲の持つ切なさがそうさせるのか、ドラマティックな物語が紡がれています。09年は、ケガで佐伯はイスに座って、柏木と披露。10年も12位と高順位をキープするも、柏木と高城亜樹のペアで披露され、会場はなんともいえない雰囲気に。さらに、この年にはフレンチ・キスとしてこの曲をカバーし、今度はそのバージョンが初披露されるかも……と思いきや、11年は佐伯が、ケガを治して登場。佐伯は立って歌い、「(リクエストアワーで)初めて立って歌えた」と告白。この時、曲の間奏で一瞬だけ、柏木が佐伯の手を握るんですよ。そこで、もう大号泣(笑)。  そして、12年は卒業生が出ないということで誰が歌うのか注目される中、柏木と松井玲奈で披露。玲奈はこの曲の物語がわかっているので、プレッシャーを感じながら、誠実に曲と向き合ったことをブログに長文で綴っています。さらに、SKE48チームE公演では、金子栞と中村優花のペアが歌い、中村は今年2月に卒業。その中村と佐伯がこの曲が縁で、Twitterで交流するぐらい1曲を巡ってこんなに多くのドラマが生まれている稀有な曲。ほかにもコンサートでは大島優子と篠田麻里子、島崎遥香と大場美奈など、さまざまなペアで歌い継がれています。さて、来年は柏木と誰がこの曲を歌うのか? 再び玲奈なのか? チームEで柏木と同じくペアが卒業した金子なのか? あるいは柏木とチームが分かれてしまった渡辺麻友という可能性もあるかも。いずれにせよ、イントロだけで私が泣くのは確定です。 ――1曲だけでそれだけ語るのには、もうドン引きですよ(笑)。早く予想に行きましょう。 ※『リクエストアワーセットリストベスト100 2013』25位まで予想 1位 ファースト・ラビット 初登場 2位 ヘビーローテーション 12年1位 3位 奇跡は間に合わない 12年24位 4位 狼とプライド 12年45位 5位 思い出のほとんど 初登場 6位 走れ!ペンギン 初登場 7位 チームB推し 12年5位 8位 君のことが好きだから 12年12位 9位 Everyday、カチューシャ 12年2位 10位 泣きながら微笑んで 12年9位 11位 真夏のSounds good! 初登場 12位 夜風の仕業 12年10位 13位 上からマリコ 初登場 14位 抱きしめちゃいけない 12年8位 15位 Bird 12年13位 16位 枯葉のステーション 12年17位 17位 思い出以上 12年49位 18位 ギンガムチェック 初登場 19位 UZA 初登場 20位 くるくるぱー 12年14位 21位 愛しきナターシャ 12年6位 22位 孤独なランナー 12年3位 23位 ハート型ウイルス 12年15位 24位 フライングゲット 12年4位 25位 風は吹いている 12年7位 本城 予想1位は、「ファースト・ラビット」。ドキュメンタリー映画『DOCUMENTARY of AKB48 Show must go on 少女たちは傷つきながら、夢を見る』の主題歌で、一言で言えば“秋元康文学の真骨頂”。希望の象徴である洞穴に飛び込んだウサギが、傷つきながらも夢を追い求める姿をAKB48になぞらえた曲。秋元氏が「歌詞はAKB48の観察日記」と公言している通り、「初日」「支え」「Pioneer」「お待たせSet list」「僕は待ってる」に代表されるメンバー観察型自己言及ソングの頂点です。  AKB48の歌詞はメンバー、ファンが起こす“奇跡”の軌跡を、秋元氏が観察し、歌詞として提示。その言葉にメンバーが励まされ、支えられ、さらに成長していくという好循環が生まれている。私はこれを「共同幻想型歌詞」と呼んでいます。  危険を恐れず、夢に挑む“Pioneer”となった「ファースト・ラビット」は、卒業した前田敦子そのもの。曲ができたのが先ですが、その点には一種の必然すら感じてしまう。  一般的に、プロデューサーという肩書きの人は全部の事項を自分で決定したがるものだけど、秋元氏はそこをメンバー、ファン、そして時代の趨勢に委ねて、多少のハプニングも糧にして、“時代と合気道”しながら、作品に昇華させている。そこが、常に「最新のAKB48が最高のAKB48」でいられる理由。 ――歌詞についてはどう捉えてますか? 本城 「ファースト・ラビット」は、キュートな曲でありながら、Cメロで「誰も赤い血を流して生きてることを実感するんだ 命を無駄にするな」と生々しいまでの言葉が出てくるところが文学的です。ファンタジックな世界の中に突然、“赤い血”が放り込まれることで、曲がよりヴィヴィッドになる。“赤い血”が象徴するのは痛みであり、それは今という時代へのメッセージ。現代は言うなれば、“無痛・無縁社会”ですよ。  ネット通販、ICカードがあれば、人と会話せずともモノは買えるし、電車も乗れる。職業によっては、仕事もメールで済んじゃう。1週間ぐらいなら、他人としゃべらずに生活することもできるかもしれない。そんなことを思っていた時、風呂場でスッ転んで、指から血がじゃんじゃん出た。でも、その時、久々に実感したんですよ……「俺って、生きてるんだ……」って。改めて、「痛みこそが生の証明」だと思った。痛みのない人生は、生きてないのと同義だと。幻冬舎・見城徹社長も「朝起きて憂鬱なことが3個ないと不安」って話だし。痛みや憂鬱がある生活のほうが、それが解消されたときの充足感、カタルシスも大きい。「傷つくたびに大人になるよ」って歌詞も今、再組閣で切磋琢磨し、変化の過程にあるAKB48にシリアスに響くね。  サウンド的には、オルゴールの音色から始まって、クリーンなギターも胸にぐっと来る。超絶王道ポップスだけど、こういうメッセージありきのような曲でも、この“曲先(曲に歌詞を付ける。反対に、詞に曲を付けるのは、“詞先”)”で、曲に合わせて、歌詞付ける秋元さんってすごいと改めて思うね。ポピュラリティーと明確なメッセージのバランス感覚の面でもAKB48の楽曲の中でもベストの仕上がり。  ちなみに、テーマがラビットなのは、2011年がウサギ年で、その時のAKB48の観察日記だからとも思うし、「因幡の白兎」や、老人を救うために自ら火に飛び込んだ「月の兎」の伝承すらも感じる。現在、3代目チーム公演でも、チームA・Kが歌っていて、メンバー人気も高い曲。2年連続1位の「ヘビーローテーション」の3連覇をこの曲が食い止めると予想します。 ――2位が「ヘビロテ」で、3位は「奇跡は間に合わない」ですか?
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本城 「ヘビロテ」は“レペゼンAKB48(AKB48の代表)”なので、2位ぐらいに置いておいて、3位は宮澤佐江のユニット曲「奇跡は間に合わない」。改めて、AKB48において宮澤がもたらしてきた貢献っていうのは大きいなと思うわけです。キャッチフレーズである「陽気・無邪気・元気」そのままの優しさは、唯一無二の存在。チームKでも、強そうに見えて実は脆すぎるツインタワーの盟友・秋元才加を支え、人前では弱さを見せたがらない“心友”大島優子の味方をしてきたのも宮澤。柏木由紀には、彼女が公演デビュー前にチームKのツアーに出ることになって、その時にも手紙を送って励まし、それ以降、AKB歌劇団でペアを演じて、ファン公認のカップルになった。後輩にも優しくて、研究生の名前もすぐに覚えて、「仲間なんだよ」って居場所を作ってあげる人。もちろん、ファンにも優しくて、イケメンガールだから女の子のファンも多い。でも、時々優しすぎて誤解されて傷ついちゃう。そんな世界一性善説な人なんだろうね。彼女がSNH48に移籍する決断を下し、11月11日の西武ドームでの全国握手会で海外移籍する4人が最後にファンへの思いを語る時間があった。ほかの3人は言葉を選びながら話をする中、宮澤は覚悟が決まっているように「AKB48グループを世界で広めたい。一つ一つの壁を乗り越えて自信につなげて、進化してまたここに戻ってくる」って話すわけよ。古参のファンの人はわかると思うけど、宮澤って昔は公演でもカミカミだったの。そんな子がこんなにスラスラと熱いメッセージを語るんだと思って、泣けたね。  そんな彼女を応援するべく、「奇跡は間に合わない」は、今回の『リクエストアワー』でファンも上位にしようと「奇跡は間に合うプロジェクト」って画像を作って、拡散中。これは上位固いですね。 ――4位は卒業するSKE48・矢神久美と、木崎ゆりあの「狼とプライド」。 本城 4位はまさかの矢神久美卒業で「狼とプライド」。SKE48のファンは結束力があるので、10月開催の『SKE48リクエストアワー 2012』で「ごめんね、SUMMER」のカップリング曲である「羽豆岬」を1位にして、卒業する“メアリーダー”平田璃香子に最後のプレゼントをあげられる。その統率力はすごい。矢神はアニメ『AKB0048』、ドラマ『マジすか学園3』(テレビ東京系)とメディア露出も増え、SKE48も新劇場が12月9日オープンで「ここから」という時に卒業はもったいないけど、決意は固いでしょうから、最後にドカンと、AKB48のファンにも名をとどろかせてほしい。楽曲的にも「狼とプライド」は“送られ狼”を描いたスウィートな曲です。 ――5位はアルバム『1830m』収録の「思い出のほとんど」。
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本城 前田敦子と高橋みなみ“あつみな”の揺るぎない絆を描いた名バラード。友情、絆、縁、運命……どんな言葉を使っても、陳腐になるぐらい固く厚い信頼を寄せ合った同い年、同期の2人に贈られた珠玉の名曲。AKB48のシングル、チームAの曲のほとんどはこの2人の歌い出しで歌ってきたわけで、ハーモニーも安定。オケもシンプルでいながら、サビでせめぎあうストリングスの音も美しい。Bメロからサビの展開が卑怯すぎるぐらい泣ける。  そして最後に「あなたの顔や声が地図になる」で、涙腺の堤防完全決壊。音楽の教科書に載せていいレベル。あつみなだけの曲であり、捉え方によっては、長年連れ添った恋人同士がなんらかの事情で別れなければならなくなった時の曲にも聞こえる……という普遍的な曲でもある。  前田敦子関連曲で上位に1曲は来ると予想。シングル「永遠プレッシャー」収録の「Music Video Request 2012」で3位なのは、「桜の花びら~前田敦子 solo ver.~」だけど、迷った果てに、こっちかなと。結局ファンは、メンバー個人を応援しつつも、そのメンバーがどのメンバーと仲が良いのか、脳内で相関図を作るのが楽しいんですよ。このペアは仲がいいとか、非公式ユニットを作ってるのを見て、AKB48という箱庭を観察して、一喜一憂するのも醍醐味。大島優子と渡辺麻友の“お尻シスターズ”とか、北原里英と指原莉乃の“りのりえ”とか、SKE48の2次元同好会とか、NMB48のWINGとか、いっぱいあるわけですよ。で、中には梅田彩佳、大島優子、松原夏海、野呂佳代の“梅島夏代”の「エンドロール」のように、曲にまでなったりする。そのひとつの頂点が、この「思い出のほとんど」。東京ドームの2日目で歌われて、直後にたかみなのソロデビューが発表されたのも、この曲に新たな意味をもたらした。もう歌うことはないんじゃ? と思ったけど、毎年『リクエストアワー』で歌う曲であってほしい。 ――6位は「走れ!ペンギン」。
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本城 チームが消滅してしまったチーム4の曲。当初は昨年のじゃんけん選抜の曲だったが、篠田麻里子優勝で「上からマリコ」になり、こちらがチーム4に贈られた。ラブソングなんだけど、意中の彼の“センター”を目指すという設定で、まさにチーム4のために書かれた曲。「チーム4はこの16人だけです」の言葉を残してチームが消滅してしまった彼女たちのためにファンが投票しており、Twitterには「#ペンギンプロジェクト」のハッシュタグも作られている。イントロでセンターに呆然と立ち尽くす(という振りの)島崎遥香は、“ぽんこつ”そのもので、2コーラス目は「飛べよ! ペンギン」になるのもポイント。  作曲は、ZARD「負けないで」、WANDS「世界が終るまでは…」などで知られる、日本の作曲家別シングル売り上げ第3位の織田哲郎。実は、FIELD OF VIEWのキーボードだった安部潤が渡り廊下走り隊「ギュッ」「アッカンベー橋」を編曲をしていたり、最近では、PAMELAのギタリストだった小澤正澄がSKE48「アイシテラブル!」、AKB48・スペシャルガールズ「3つの涙」などを提供していたり、元ビーイングの人がAKB48に曲を書いているのも、個人的には興味深いところ。本当にAKB48は多ジャンルの作家さんが曲を書いているので、新曲が出るたびに作曲・編曲クレジットも要チェックです。 ――そのほか、今回の『リクエストアワー』の注目ポイントは? 本城 やっぱり、4日目はシングルと、人気メンバーのソロ曲でしょうね。総選挙の結果を反映したアンダーガールズ「なんてボヘミアン」、ネクストガールズ「ドレミファ音痴」、フューチャーガールズ「Show fight!」も上位に入りそう。ファンが積極的に投票を呼びかけているSKE48チームE「みつばちガール」、NMB48「三日月の背中」、HKT48唯一のノミネート曲「HKT48」も入るでしょうね。予定調和をぶち破るすごいサプライズだらけの展開を期待します。

「AKB48にうつつを抜かすおじいちゃん!?」田原総一朗にテレビ局が“おっかけ”自粛要請中!?

撮影=笹村泰夫
 政治評論家・田原総一朗氏のAKB48熱が止まらない。28日に発売されるAKB48のDVD『AKB48 in TOKYO DOME~1830mの夢~』のテレビCMに出演し、同じくAKB48ファンで知られる漫画家・小林よしのり氏らと「AKB48にとって、前田敦子とはなんだったのか」など2つのテーマで激論を交わしているのだが、撮影を終えた田原氏は「とにかく、撮影がどうのこうのはどうでもいい。面白かった」と上機嫌。これには高橋みなみも「ガチで論争してくださっていることに驚きましたし、とても光栄に思いました」と大喜びだった。  だが、田原氏の“本業”は政治ジャーナリスト。来月16日は総選挙と東京都知事選がダブルで行われ、新聞・テレビは完全に選挙モードに入っている。そんな中、第一人者の田原氏を「このままでは使いづらい」という声がささやかれているのだという。 「もちろん、選挙特番や事前番組となれば切り替えてやってくれることは分かっています。それでも、あそこまで活発にファンとしての活動をされてしまうと、やはり視聴者は“AKB48にうつつを抜かしているおじいちゃん”と見ますよ。今回の選挙に際しては、政治評論家の三宅久之さんが亡くなったこともあって、“重鎮”といえるのは田原さんだけなんです。なんとか、AKB48のおっかけを控えてほしいのですが……」(制作会社関係者)  また、政治記者の1人は「確かに田原さんはテレビで天皇制や右翼など、当時タブーとされていたことに切り込むなど、すごい人だとは思いますが、正直、今の永田町では完全に“お客さん”扱いです」と語る。田原氏も齢78。自宅マンション周辺では「夜な夜な寝巻き姿の田原さんが1人で“散歩”している姿も目撃されています」(週刊誌記者)という。  特にテレビ業界には多くの信奉者を持ち、“伝説のジャーナリスト”とも呼ばれる田原氏。今回の選挙もAKB48総選挙なみに盛り上げてほしいところだが……。

「高額ギャラをもらってるのに」AKB48大島優子の『悪の教典』批判騒動に、関係者の怒り収まらず

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河西智美に続き、どうなってんだAKB!
 AKB48の大島優子が18日、東京・TOHOシネマズ六本木ヒルズで行われた映画『悪の教典』の特別上映会に出席。上映後「私はこの映画が嫌いです。命が簡単に奪われていくたびに、涙が止まりませんでした。映画なんだからという方もいるかもしれませんが、わたしはダメでした」(原文ママ)と、同作品を痛烈に批判したことが大騒動となっている。    同作は貴志祐介のベストセラー小説を、伊藤英明主演で三池崇史監督が映画化したもので、生徒に慕われている人気教師(伊藤)が自己の目的のためにクラスの生徒全員を殺すという衝撃作。大島は上映会終了後、主演の伊藤とトークショーに臨む予定だったが、先に述べた理由から欠席した。  翌19日、大島優子はブログで取り乱したことについて「ニュースにもなったりと、お騒がせしました」と謝罪。それでも最後は「でも、私はあの映画が嫌いです。すいません」という言葉で結んだ。  ネット上では、結果的に映画の知名度が上がったことで「ヤラセ」や「宣伝」を指摘する声も上がっている。だが、現場に同席した記者の1人は「あれはヤラセではありません。映画の途中から大島さんは涙をこらえきれず、嗚咽を漏らしながら泣いていました。あれは演技ではないです」と断言。宣伝説が浮上した理由は、その後、映画会社の関係者がマスコミ各社に「この反応が本当かどうかは映画を見て、判断してほしい」というコメントを出したからという。  とはいえ、正直に感想を述べた大島を「よく言った」と褒めることはできない。映画関係者は「大島さんクラスなら、上映会のイベントだけで100万円以上のギャラが支払われている。要するに仕事。それなのに、公然と批判するなんてプロのやることではない」と憤る。  別の関係者は、業界全体がAKB48をもてはやしている現状に苦言を呈す。 「ひと昔前なら、彼女は干されていますよ。沢尻エリカが主演映画の舞台挨拶で不機嫌な態度を取り、その後、仕事がなくなったのと同じ。しかし、今の芸能界で独り勝ち状態のAKB48、それも人気NO.1の大島さんに対しては誰も文句は言えない」  今回の騒動で判明したのは、いまだAKB48の天下が続いていることだったようだ。

生まれ変わったAKB48が目指す新たな地平──再組閣・3代目チームA・K・B公演を徹底検証

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■“再組閣”に見る「戦略的人的資源管理」と「スーパーローテート」  “再組閣”として、3代目チーム体制が12年11月から始動したAKB48。新旧世代が切磋琢磨しあい、痛みを伴う革命を断行したAKB48の現状を評論家・本城零次が分析する。  2005年12月の活動開始から、およそ2年ごとにチームを入れ替え、新たな仲間と刺激しあうことで、メンバー各自の成長を促してきたAKB48。初代チームA・Kをシャッフルした07年7月~08年4月のひまわり組、09年に発表した“組閣”による10年からの2代目チーム体制での活動。さらに今回、チームを入れ替え、“再組閣”を行い、3代目となるチーム体制が12年11月から始動した。しかも今回は、4チーム制から3チームに移行することで、各チームが既定の16人から22~23人となり、事実上“ベンチ入り”するメンバーが出現。  チームの中でいつの間にか生まれていた役割分担をリセットし、新たな環境に身を投じることで進化の方向性を探るチームシャッフル。企業でも人事異動や人事交流を通して、戦略的人的資源管理を行うように、今回AKB48は、姉妹グループを越えて、さらに活発に血を入れ替えていこうという痛みを伴う改革路線に舵を切った。  多くの企業でも人事異動、配置転換は行われるが、それを行う理由のひとつには、別の部署でも周囲に溶け込み、成果を出す人材を発掘することで、その人材が珠であるか、石であるかを見定める作業でもあるといえるだろう。AKB48には、チームAが王道アイドル、チームKが体育会系、チームBがおもちゃ箱のようになんでもありの妹系アイドルのようなチームカラーがある。今回の再組閣を通して、3チームすべてを経験したメンバーも9人と多い。あたかもそれは、「それぞれのチームの色に染まりながら、自分だけの色を見つけろ!」というメッセージかのようだ。例えるなら、医療の世界で、研修医が「スーパーローテート」として各科で研修を行い、総合的な知識や技術を養う方式にも似た人事異動とも表現できるだろう。  3代目チームのウェイティング公演では、SKE48、NMB48、SDN48の楽曲も織り込むという新たな試みにも挑戦。楽曲は各キャプテンを中心にメンバー自らがセレクトして決定した。姉妹グループの曲を歌うということは、オリジナルと比較されるのは必然だ。 ■“篠田チームA”原点回帰!! 王道アイドル路線で見せる切磋琢磨 伊豆田莉奈、入山杏奈、岩田華怜、大島涼花、河西智美、川栄李奈、菊地あやか、小谷里歩(NMB48兼任)、小林茉里奈、佐藤すみれ、佐藤夏希、篠田麻里子(キャプテン)、高橋朱里、高橋みなみ(AKB48グループ総監督)、田野優花、中塚智実、仲俣汐里、仁藤萌乃、松井咲子、森川彩香、横山由依(NMB48兼任)、渡辺麻友
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 王道アイドル路線のチームAだが、「目撃者」公演は“アイドルの向こう側”を追求したアバンギャルドな楽曲に挑戦。高橋みなみを中心に仲間たちは一枚岩となり、中でも、AKB48の歴史を抱いた「Pioneer」を歌う前の高橋のMCは回を追うごとに凄みを増していった。指原莉乃の移籍、前田敦子の卒業も乗り越え、ついに大団円を迎えたのだった。  そうして新たに生まれ変わったチームAは、3チームでは最も平均年齢が若いチームとなり、原点回帰ともいえる王道アイドル路線の新体制となった。チームAならではなのが、ほぼ全員がキャッチフレーズを名乗ることにした点。高橋みなみ、横山由依が中心となって考案し、大島涼花は、かつて高橋が用いた「ちっちゃくたって、だいじょうヴイ!」を“継承”。その高橋は「燃える闘魂、燃える髪の毛、高橋みなみです」と自ら“チリみな事件(ショッピング中、キャンドルが紙袋に引火し、髪の毛がこげた騒動)”をキャッチフレーズに昇華させた。また、松井咲子は加入4年目にしてついに、「あなたのドレミを奏でたい」を名乗り、佐藤すみれは「チームAでは、“すーめろでぃ”じゃなくて、“すーエロでぃ”で行こうかな?」と、チームB時代の後半から目覚めつつあるオトナ路線を示唆するなど、彼女たちにも新たな変化が訪れているようだ。  一方、高橋から、横山由依と共に“2代目たかみな候補”に挙げられたこともある岩田華怜は「チームA、史上最高のチームなんじゃないの? と言われるぐらい、先輩に後れを取らないように、追い越す気持ちで頑張っていきたい」と怪気炎。「雨のピアニスト」で高橋のアンダー(代役)を担う田野優花と共に、先輩を追い越す気迫が感じられる2人だ。  一方、初日公演には出られず、2回目となる11月6日に出演したのが、伊豆田莉奈、小林茉里奈、森川彩香。10期生でAKB48合格から2年8カ月を経て、ついにチームの一員となった伊豆田は「みんなのステージを見ていた時に、自分が立ったらどうなるんだろう、なじめるのかな? と考えちゃったり、リハが緊張しちゃって振りをいっぱい間違えちゃいました。そのせいで本番前も緊張しちゃって、自己紹介まで声が震えたり……。でも先輩たちが優しくしてくれて、みんなが、大丈夫だよって言ってくれて。ファンのみなさんの笑顔があって、自分もいつもらしく笑顔でできました」と、ステージに立つことに緊張を覚えたことを告白。小林、森川もそれぞれ不安、悩みを抱えながら初日を迎えたことを吐露した。  彼女たちが感じた悔しさ、苦悩、それこそが今回の再組閣の趣旨であり、その気持ちをストレートに劇場の舞台の上で語り、向上を誓ったことは、彼女たちを進化させてくれるはずだ。  若いメンバーが多い分、まだまだ進化の余地がある印象のチームA。「立ち止まることの怖さ」に気づき、一度完成したルービックキューブに新たな色を付け、組み替えようとしている総監督・高橋みなみが、キャプテン・篠田麻里子とともに、若手をブラッシュアップし、切磋琢磨を見せてくれるはずだ。体調不良で公演に出られていない佐藤夏希の歌とMCの仕切りの能力はAKB48劇場には必要不可欠で、早期回復をひらに祈る。
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 セットリストは「重力シンパシー」「言い訳Maybe」というイントロの早弾きギターがナビゲートする疾走感あふれた王道キャッチーナンバーの2曲から始まり、全体的にシングルやコンサートの定番曲が並んだ。「制服が邪魔をする」では表情を一変させ、10代の心の揺れ、愛への飢餓感を表現。続く。「上からマリコ」は篠田麻里子不在時には「大声ダイヤモンド」になるという変則的な構成だ。ユニット曲は、ひまわり組以降5曲が定番だったがチームAのみ6曲を配したのもポイント。柏木由紀という“母”から親離れし、チームAのエースとなった渡辺麻友、「はじける笑顔でスマイルセンター」を狙う“ギャグエクササイズ”川栄李奈の年下組による「スカート、ひらり」「天使のしっぽ」「ガラスのI LOVE YOU」と、年上組による「純愛のクレッシェンド」「雨のピアニスト」「黒い天使」の黒系人気曲が並ぶ。  「雨のピアニスト」は高橋みなみ、ピアニスト・松井咲子、佐藤すみれで披露。高橋不在時には、かつて「愛しさのアクセル」を劇場で披露したこともある田野優花が参加。また、「黒い天使」は篠田麻里子、仁藤萌乃、菊地あやかが披露。ユニット内では仁藤萌乃がリーダーで、篠田不在時には入山杏奈がスライドでアンダーを担当。そのほかのアンダーも今後誰が担っていくのかも注目だ。後半の全体曲では、SDN48の「孤独なランナー」をチームAはフルアレンジで披露。SDN48の魂を受け継ぐためには、もう一段階ストイックさが足りないのが正直な印象だ。17曲目にはチームサプライズの12曲目となる「AKBフェスティバル」を披露。全国握手会イベント「AKB48祭り」について歌った歌詞で、「MIXを打てよ」「名前呼んだり握手して」という歌詞も登場する極上ポップチューン。「男も女もゲイも」という歌詞にA1st公演の「Dear my teacher」の「オトコ・オンナ・ゲイしかいないの」を思い出した人は立派なAKB48通だろう。シングルが多い分、ともすると、ファンも飽きるのが早い可能性もはらんでいる公演。どれだけ自分たちで、「今日はこの点に気をつけてやってみよう」など、それぞれの目的意識を持って公演に取り組めるかが、大きな課題となりそうだ。 ■“大島チームK”「未来は与えられるより自分で切り開こう」 秋元才加、阿部マリア、板野友美、内田眞由美、大島優子(キャプテン)、北原里英(SKE48兼任)、倉持明日香、小林香菜、佐藤亜美菜、島田晴香、鈴木紫帆里、近野莉菜、中田ちさと、仲谷明香、永尾まりや、藤田奈那、前田亜美、増田有華、松井珠理奈(SKE48兼任)、松原夏海、宮崎美穂、武藤十夢
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 2代目チームの先陣を切って「RESET」公演を開始したチームK。今回の3代目体制もチームKから幕を開けた。キャプテン・大島優子、秋元才加を中心に、仲谷明香、佐藤亜美菜、中田ちさと、内田眞由美ら公演に人一倍汗を流してきた骨太なメンバーと、阿部マリア、鈴木紫帆里、前田亜美ら高身長メンバーも多いのが特徴。また、小林香菜、松原夏海、倉持明日香、近野莉菜、増田有華と初代チームKのメンバーの復帰が多く、安定感は抜群だ。  MCでも、2代目チームKにもあった、メンバー一人が当日の公演を総括するコーナーも健在。初日は、秋元が大島に「エースがキャプテンをやるっていうのは、やはりよほどのプレッシャーなんだろうなと思った」「私がキャプテンの時に言われた『あなたは何もしなくていいよ。私たちが支えるから』という言葉を、また優子に返してあげられたらうれしい」とエールを贈った。その言葉に大島はさめざめと泣き出し、「AKB48の第2章、新しいチーム体制で、今日は出ていないメンバーもいますけれども、そのメンバーとも一緒に新しいチームKとして(ファンの)みなさんが絶対に楽しいと思える公演そして応援したくなるチームをお互いに切磋琢磨して作り上げていって、AKB48がもっとより良いグループになるように一人一人が頑張っていきたい」と初日に出られなかったメンバーの思いも背負いつつ、ファンに感謝と決意を語った。「ファンはパートナー」と語る大島がキャプテンとして、そして人間としてもさらに大きな経験を積んだ瞬間だった。
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 セットリストは、「青春ガールズ」「脳内パラダイス」(定番の「夏海がかわいい」のコールも復活)「最終ベルが鳴る」とK2nd、K3rd、K4thの歴代公演タイトル曲を3曲続け、4曲目で3代目チームKに書かれた「スクラップ&ビルド」に移行するという4曲だけでチームKの歴史を追う前半曲。「未来は与えられるより自分で切り開こう」と現状維持よりも、革新を是と説く最新ナンバーでチームKの気概の高さを表現する。  ユニットからはチームK以外の曲も登場。「嵐の夜には」では、阿部マリアが研究生時代に任されていたのと同じポジションで参加。阿部の長い手足を生かしたダンスと目ヂカラは、あらためてこの曲の世界観を増幅させてくれる。「あなたとクリスマスイブ」は、まさかの秋元才加、板野友美のデュエット。チームKの温かい絆に触れ、よく笑うようになった板野と、“ブキヨウマッスグ”な秋元が美しいハーモニーで聞かせるA1st公演の名バラード。両者の不在時には、佐藤亜美菜、永尾まりやというペアで披露。サプライズで、増田有華、宮崎美穂、内田眞由美らのボーカルでも聴いてみたい曲だ。  また、松井珠理奈の代表曲のひとつであるレゲエ調のダンスナンバー「Glory days」には大島優子、藤田奈那、中田ちさとが挑戦。オリジナルの珠理奈、桑原みずき、中西優香が圧倒的なだけに、比較される憂き目になるのだが、どれだけパフォーマンスを磨いていけるか注目だ。研究生時代にはサポーターでひざや背中をガッチリ固めながら公演に出ていた藤田、ファンへの恩返しを常に考えながら活動してきた中田、そして、大島の真摯さで、難関に挑む。  後半曲には、チームA、K、B、4の歴代曲に加え、メドレーでSDN48、SKE48、NMB48の曲にも挑戦。「孤独なランナー」はイントロのみだが、「絶滅黒髪少女」のアウトロでは三つ指を突いてお辞儀し、そこからまさに岩のように転がって、チームKのチームアンセムであるド本命ヘビーメタルナンバー「転がる石になれ」を熱唱。かつてチームKは、チームAと比較され、メンバーが泣き出す中、秋元才加が「やるしかない!」と立ち上がり、次第に結束していった。そんな彼女たちに贈られた曲のスピリットが3代目チームKにも受け継がれたのだった。アンコールオーラスでは、仲間、ファンとのかけがえのない出会いを歌った「草原の奇跡」を秋元才加の伸びやかな歌声で披露。全国ツアーでも緑のサイリウムで、各地の会場を“緑の草原”に変えてきたチームKならではの温かいバラードで締める全19曲となった。 ■“梅田チームB”個性豊かな仲間たちが挑む“超絶ポップ公演”始動 石田安奈(SKE48兼任)、石田晴香、市川美織、岩佐美咲、梅田彩佳(キャプテン)、大場美奈、大家志津香、柏木由紀、片山陽加、加藤玲奈、小嶋菜月、小嶋陽菜、小森美果、島崎遥香、竹内美宥、田名部生来、中村麻里子、名取稚菜、野中美郷、藤江れいな、峯岸みなみ、山内鈴蘭、渡辺美優紀(NMB48兼任)
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 2代目チーム体制を大会場で初めて披露した横浜アリーナで柏木由紀が「初めてやります!」の宣言で始めた「初日」を、千秋楽では「最後にやります!」の掛け声で始めるというアイドルの物語性の重要さを熟知した柏木ならではの絶妙な演出で大団円を迎えたチームB。  「おもちゃ箱をひっくり返したようなにぎやかさ」がテーマのチームBらしい個性豊かな面々がそろった三代目チームB。AKB48グループ3大握手会女王、“胸厚”メンバー、有線大賞新人賞演歌歌手、ニコニコ動画フリーク、旦那と嫁、BBA(ババア)、ド天然、次世代エース候補など個性的な芸達者がそろったチームだ。  秋元康氏から「劇場が埋まらなかった頃のがむしゃらさを後輩メンバーに伝えてほしい」と“劇場魂”継承を任された梅田彩佳は、5年間伸ばしてきた前髪を切る決意表明でキャプテンに意欲十分。同じく前髪を切り、ガーリーに変貌したのが、高速足さばきダンスが売りの石田安奈。SKE48チームK IIとの兼任となるが、チームBでも小悪魔さはそのままで、小嶋陽菜とのクリスマスパーティー開催の約束も取り付けた。同じ石田姓である石田晴香は、レッスン前にポジションをまめにノートに書くようになるなど、成長の片りんを見せた。  「呼び捨てファンタジー」後には、16人が並んで話すという異例のMCを披露。そこでは、メンバーの一人の魅力を発掘するトークを行い、石田晴香について、梅田彩佳は「超冷静で超いい子」、田名部生来は「ありのままを出せるところがロック!」と評した。  また、MCで新たなキャラを見せたのは岩佐美咲で、「“釣り”はじめました」「1万5,000人のお客さんに囲まれて私は幸せ」など、演歌のプロモーションで各地を回って培ったトーク力も披露。また、再組閣後初の生誕祭を行った渡辺美優紀は、「兼任が始まってから、一人でホテルに泊まることが多くて、すぐにママに会いたくなったり、寂しくなって、ホームシックになるんですけど、そのたびに皆さんからのコメントで、泣きやみます」と癒やし系の笑顔の裏に苦悩があったことを告白した。
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 セットリストは、梅田彩佳キャプテンの「チームB、『初日』行きます」の円陣から始まる「初日」。以下、新旧アイドルソングとNMB48「ナギイチ」や、歴代各チーム公演曲がバランス良く入った構成。ユニットでは「抱きしめられたら」に小嶋陽菜、藤江れいな、加藤玲奈が参加。AKB48有数のオトナセクシーR&Bチューンに挑むことで、姫キャラ・加藤にどんな変化が訪れるのか注目だ。「思い出以上」は、ダンスに定評のある峯岸みなみ、梅田彩佳、片山陽加が挑戦。「UZA」を担当したBeat Buddy Boi・akihic☆彡が新たに振り付けを行い、よりストリート感を増強したパフォーマンスを見せた。本編ラストは「夕陽を見ているか?」の前口上を島崎遥香が担当。エースオーラを次第にまといつつある彼女の成長こそが、今後のAKB48を左右するのだろう。アンコールにはB4th公演の「タンポポの決心」を披露。ダンスがあまりない分、表情の表現力が問われる曲だ。B4th公演は島崎、大場美奈ら9期生が最初に覚えたセットリストであり、今では劇場を去った仲間も多い。当時の心境を思い出しながら、大切に歌ってほしい曲だ。 ■総括~AKB48はまだまだ上にいける 視野を広げ、より汗を流せ! SKE48、NMB48、HKT48と共に「馴れ合いより刺激を」
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 ミリオンヒットを連発しながらも、ファンと握手会で対話を行い、毎日チームに分かれ劇場公演を行うAKB48。公演は、わずか250人というファン一人一人の顔がわかる会場で、何をすればファンが盛り上がるかを、研究生の頃から自らの肌で実地訓練するオン・ザ・ジョブ・トレーニングの場でもある。劇場もかつて、09年頃までは、毎回見に来る固定ファンに、同じ曲でも表情や表現の違いを見せ、飽きさせないということが課題だった。一方、ブレイク以降は、100倍近い当選倍率を潜り抜けて公演を見に来たファンに、AKB48の奥深さをさらに知ってもらうためのパフォーマンスが求められるようになった。  劇場公演は一種、舞台演劇に近く、「RESET」「目撃者」などの公演タイトルを軸に、16曲でひとつの世界観を構築しているものだった。だが今回は、新たなセットリストが完成するまでの初のウェイティング公演を開催。セットリストもメンバー自ら考案し、シングルが多いため、キャッチーで華やかな公演だ。ファンが盛り上がりやすい曲が多い公演だけに、今後メンバー側がそれに慣れてしまわずに、毎公演、目的意識を持ち、モチベーションを維持していくのも課題となるだろう。また、新たに22~23人体制となり、公演初日に舞台に立てないメンバーも生まれた。自分の居場所を奪われるような心痛の制度であり、今後も大規模コンサートやツアーでチームで曲を歌う際にも大きな影響を及ぼすだろう。だが、その痛みを向上のきっかけに変えてほしい。  姉妹グループの楽曲も歌うという異例の編成で、中でも、チームK、チームAのセットリストにSDN48「孤独なランナー」を入れた意味は大きい。熱心なファンに支えられ、2012年の「リクエストアワー」で3位に輝き、シリアスなメッセージが胸に突き刺さる楽曲だ。全員卒業となりながら最後まで一丸となり、劇場公演に励んだSDN48。さまざまな意見があるだろうが、彼女たちが劇場で汗と涙を流し、このAKB48劇場という“学び舎”を去っていったことは、より多くの人に知ってほしい事実だ。また、AKB48も研究生も含めれば70人以上のメンバーが、この場で汗を流し、夢を見ながら、それぞれの事情で、無念さ、悔しさ、つらさを覚えながら、劇場を去っていった。それがAKB48であり、ひいては芸能界という生存競争の場なのだ。彼女たちの気持ちを考えながら、「孤独なランナー」を歌い継げば、AKB48はまだまだ向上できるだろう。  SKE48、NMB48、HKT48という姉妹グループも着実に力をつけ、それぞれの魅力を放っている。今年は、“兼任”という制度も始まり、それぞれの良さを互いにインスパイアさせあう気風が生じた。HKT48の公演にSKE48のメンバーがゲスト参加し、NMB48研究生とSKE48研究生が対談するなど、互いに、刺激しあい、切磋琢磨している。芸能界に夢を持ち、生誕祭でその夢をファンの前で語り、その夢の実現のために、自分に今、何が必要かを考えて行動する。それこそが、AKB48がファンと続けてきたコミュニケーションの意味であり、それがファンへの恩返しなのだろう。 (文=本城零次)

「これも炎上商法!?」抜群の宣伝効果を生んだ『悪の教典』AKB48大島優子の「嫌いです」騒動

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さすが、いい子ちゃんキャラを演じて
いるだけあります。
 公開中の映画『悪の教典』の特別上映会が18日に都内で行われ、AKB48から38人が参加。中心メンバーの大島優子がその内容にショックを受けて途中退場し、「この映画が嫌いです」と発言したことが大きく伝えられている。 「この上映会は、AKB48側がメンバーに“勉強させたい”として申し入れたと報道されていますが、もちろん実際は東宝側のプロモーションの一環です」(映画ライター)   貴志祐介のベストセラー小説を原作とした『悪の教典』は、共感能力に欠けたサイコパスの教師がクラス中の生徒を惨殺するというストーリー。主人公の“ハスミン”こと蓮実教諭を演じた伊藤英明が淡々と殺戮に及ぶ演技も、映画のセールスポイントとなっている。 「それを暴力描写に定評のある三池崇史監督が映画化しているのだから、年端もいかない少女たちに見せれば、ある程度の拒否反応が出るのは織り込み済み。だいたい『この大量殺人映画、大好きです!』なんてAKB48が言うわけがない。『悪の教典』は先月30日にも女子高生限定の試写イベントを行っていますし、若い女の子に作品を見せてこうした“ドン引き”のリアクションを引き出す作戦なのでしょう。ショッキングなバイオレンス映画であることをPRしたい東宝サイドは、今回の騒動にもほくそ笑んでいるはずですよ」(同)  12年前には、東映の『バトル・ロワイアル』が国会で問題視され、話題を呼んで大ヒットにつながったこともあり、ネット上では今回の騒動そのものが「仕組まれた“炎上商法”なのでは?」と疑う声まで出ている。  10日に封切られた『悪の教典』は初週2位、20億円超えも視野に入る好スタートを切っているが、この騒動でさらに多くの観客が劇場を訪れることは間違いなさそうだ。

「ボロボロ状態……」NMB48の脱退ラッシュはAKB崩壊の序章となるのか

『NMB48 Team N 2nd Stage「青春ガールズ」』
 24日、AKB48の光宗薫が事実上の脱退を発表したが、それ以上に“ボロボロ”の状態なのが、大阪拠点のアイドルグループNMB48だ。  今年に入り、小鷹狩佑香、城恵理子、藤田留奈、太田里織菜、松田栞の5人の正規メンバーが次々と脱退を発表した。研究生を含めれば12人に上る。  今月18日に脱退宣言した松田の時は、ファンの間でも衝撃が走った。松田は「チームN」キャプテンの山本彩、AKB48の「チームB」と兼任する渡辺美優紀らと同じく、2010年10月の結成当初から在籍する1期生。昨年7月に発売したデビュー曲「絶滅黒髪少女」で選抜入りし、昨年9月に一時期謹慎する期間もあったが、復帰を決めるファン投票で過半数の賛成票を得て今年1月1日から活動を再開していた。  それだけファンの期待も大きかったが、松田は学業専念を理由に卒業を選択。公式ブログの本人コメントによると「少し前からこのままNMB48として活動を続けていく自信が持てなくて、学業を優先し、普通の女の子に戻った方がいいのかなと悩んでいました。中途半端な気持ちのまま活動させていただくのはメンバーにも応援してくださるファンの方にとっても迷惑だと思うし、それがパフォーマンスにも表れてしまうと思いました」という。  NMBのファン男性は「デビュー当時はよかったが、メンバーの男性スキャンダルにより、グループ人気は着実に下降線をたどっている。大阪は地下アイドル文化も根付いており、なかなか“一人勝ち”は難しい。メンバーの中でも『来年、再来年……と、どうなっているか不安』と口にする者が続出している」と明かす。それはNMBだけの問題ではない。元をたどれば、“本丸”のAKBの人気が“頭打ち”になったことが挙げられる。先月開催され、TBSで生中継された「じゃんけん大会」の視聴率は、まさかのひとケタを記録。 「AKBが実は数字を持っていないと、テレビマンの間でも話題になりつつある。数字を持っていなければ、頭を下げてまで起用する必要はない。CMクライアントも、見直しを検討するかもしれない。CDの売り上げも落ちてきている」(芸能プロ関係者)  AKBに詳しいアイドルライターの中には、来年の春までには人気・規模が半減すると断言する者もいる。前出のNMBファンは「“本丸”がグラついてきていることは、NMBメンバーもわかっている。脱退者はまだまだ増えますよ。すでにある人気メンバーの卒業が決まっているが、ファンに動揺が広がるため、発表を控えているそうです」と話す。次々起きる地殻変動は、やはり崩壊の前触れなのだろうか?

「フジは現場も編成もムチャクチャ!?」前田敦子『AKB自動車部』打ち切りの真相とは

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 元AKB48の前田敦子が6日、「お台場学園祭2012」で開催されたトヨタの特設ステージに登壇。現在、自動車教習所に通っており、仮免許に一発合格したこと、MTで受験に挑んでいることなどを明かしたが、そのイベント会場には不穏な空気が漂っていたという。 「一部マスコミやファンの間には、その異様な雰囲気は伝わっていたと思いますよ。前田の免許取得はそもそもフジテレビとトヨタの番組企画であり、このイベントもお台場のトヨタブースで行われたにもかかわらず、その番組名『AKB自動車部』がイベントから完全に消されているんですから」(芸能誌記者)  フジテレビ系列で深夜に放送されていた『AKB自動車部』は、前田が今年の成人式に「免許を取りたい」と抱負を語ったことをきっかけとして、4月にスタート。トヨタの一社提供で、「前田が免許を取得するまで密着するドキュメント」として放送されていたが、9月いっぱいで番組が終了していた。 「トヨタとしても、若い層に車の楽しさをアピールする絶好の機会として力を入れていた番組でした。ところが、9月29日に前週の予告を翻してダイジェストを流すと、『番組では、今後も彼女たちの免許取得への道のりを追い続け応援し続けます』というナレーションを残して突然、番組が終了してしまったんです」(同)  前田といえば、9月12日発売の「週刊文春」(文藝春秋)で合コンに参加して泥酔し、俳優の佐藤健にお姫様抱っこされ、パンツが丸見えになる醜態写真が掲載されてしまったが、番組の終了には少なからず同誌の報道が影響を与えていたようだ。 「トヨタの『4月から9月末で終了の予定だった』というコメントが報道されていますが、実際には泥酔報道に際して、急きょトヨタが番組から引くことを決定したようです。自動車メーカーは“飲酒”のイメージをもっとも嫌いますからね。だいたい、番組は予告通り流れない、突然終わって新番組も決まっていないという状況が“予定通り”だとしたら、フジテレビは現場も編成もムチャクチャだということを認めなければいけなくなりますよ(笑)」(同)  同誌の前田の記事を後追いしたのはネットメディアくらいだったが、『自動車部』の突然の終了も含め、“泥酔”スキャンダルの影響は少なくなさそうだ。