8月18日、JR四国が「路線維持が近い将来困難になる」として、沿線自治体に路線維持のための支援を求めたことが注目を集めている。これは、この日初めて開催された四国の鉄道網維持のための有識者懇談会の席上で明らかにされたものだ。 国鉄分割民営化がなされた1987年からすでに30年を迎えて、JR各社の明暗は分かれている。2017年3月の決算を見ると、JR東日本・JR東海・JR西日本は好調だ。JR九州も新幹線の効果によって、今年初めて黒字に転換。JR貨物も鉄道輸送の増加を追い風に黒字となっている。 対して、発足以来、困難な経営を強いられているのが、JR北海道とJR四国である。この2社が困難な経営を強いられている理由は、屋台骨となる路線のないことだ。 JR北海道では、16年1月に全線区の収支状況を初めて公表。これにより、大都市圏である札幌周辺の路線の赤字運営も明らかになり、維持困難な路線の廃止縮小へと議論が進んでいる。JR四国でも今後、各路線の収支を公表する予定だ。 ただ、JR北海道には、今後利用者が増える可能性のある北海道新幹線延伸計画がある。 ところが、JR四国にはそういうものはない。唯一、収益の上がっている瀬戸大橋線だけで、残りのすべてを支えなくてはならないのだ。しかも、その額は非常に小さなものだ。JR東海の場合、東海道新幹線の収益によって、ほかの路線を維持するどころか、リニア新幹線を自社で始めるほどの企業体力を持っている。ほかの本州2社も、企業の屋台骨となるドル箱路線は明確だ。 しかし、瀬戸大橋線だけではそうはならない。岡山駅~高松駅間を走る快速マリンライナーは通勤・通学の足として定着。岡山駅着の新幹線終列車と接続するなど、極めて便利な人々の足になっている。しかし、明石海峡大橋開通後、四国は関西圏と直結。大阪や神戸へと向かう高速バスに客足を奪われているのだ。 国土交通省四国運輸局が5月に発表した推計では、人口減少によって2040年にはJR四国の利用者数は最大で4割減少するという試算も行っている。 本州とも、北海道とも、九州とも違う、独特なローカル感が味となっている四国の鉄道網。旅行者がどれほどの足しになるかはわからないが、一度は乗ってみてもよいかもしれない。 (文=昼間たかし)JR四国公式サイトより
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「今、流行っているという……」堀江由衣も出演の“乙女ゲーム風”岡山県広報アニメ『きび男子』制作意図とは?
岡山県始まったな!! 岡山県が8月25日から公開しているアニメPR動画『きび男子(だんご)』が、注目を集めている。 このアニメPR動画は、岡山県の晴之国学園に転校してきた女子高生・ももをヒロインに、イケメン男子たちがさまざまな県の広報を語りかけていくという「乙女ゲー」スタイル。冒頭、転校してきたヒロイン・ももが、初日に同級生の生徒会長・犬飼と出会うところから始まり、定番の展開で物語は進んでいく。 防災をテーマにした今回の動画では、生徒会役員の猿彦や神鳥も登場し、次々と身近な防災の知識を教えてくれる。そのキャラクターを演じる声優も、堀江由衣・梶裕貴・村瀬歩という豪華な仕様だ。 スタイルは完全に「乙女ゲー」なのに、話しているのは防災の広報。かつ、人気声優が出演というシュールなテイストに、再生回数は右肩上がりとなっている。 おまけに、背景に描かれる晴之国学園の門は、県下の名門・岡山県立岡山朝日高校と、聖地巡礼を狙ったかのような要素も含まれている。 いったい、どういう経緯でこんな動画が生まれたのか。 昨年度まで、岡山県ではデフォルメキャラを用いたアニメPR動画『みんなのおかやま犬』を展開していた。 「これは、誰でも見てくれるテイストで人気を集めました。しかし、若い世代との意見交換では、高校生・大学生には届いていないのではないかという意見も出ました。そこで今年は、これまで伸びていなかった層にターゲットを絞って動画を制作することにしたのです」(県公聴広報課) ただし予算は限られている。その範囲でできることを制作会社とディスカッションした結果「今、流行っていると聞いている乙女ゲーム」の形で制作することが決定。ターゲットとする世代に影響力のある声優として3人を選んだのだという。 その最初のテーマに選ばれたのが「防災」。実のところ、岡山県は全国トップクラスで災害の少ない地域である。にもかかわらず「防災」をテーマに選んだのはなぜか。 「地震も、大きくて震度4程度で、(岡山では)災害はあまり起こりません。だからこそ、何かが起きたときの備え……3日分は備蓄を用意しておくことを知っていただくことが必要と考えたんです」(同) そうして制作されたアニメだが、県担当者が「これは外せない」としたのが、実際の風景を用いることだった。 「やはり啓発したい世代に関係があるものを動画の中に取り入れる必要があると思ったのです。そうなると、学園モノですから、実際の学校ということになります。そこで、教育委員会と撮影可能な学校を相談して、岡山朝日高校を使わせてもらうことになりました」(同) 公開からすでに話題沸騰の動画。ただ、今年は9月に公開する第2話で終了なのだとか。 「アニメ以外に3つ制作予定があるのです。さすがに初年度から5本ともアニメにする勇気はなくて……」(同) 反響次第では、来年度にはさらにパワーアップした動画も登場しそう。まずは、9月公開予定の第2話が楽しみである。 なお、昨年まで展開していた『みんなのおかやま犬』には伊原木隆太県知事自らがキャラになって出演していたが、今回は「若い世代にはピンとこないので」出演はないとのことである。 (文=昼間たかし)岡山県政PR動画公式サイトより
問題は認識されるも、事態は何も変わらず……「2020年東京ビッグサイト問題」の行方
結局、事態はなにも動いていない。 2020年の東京オリンピック・パラリンピックで、東京ビッグサイト(東京国際展示場)の利用が大幅に制限されることに対して、多くの利用者が反発している問題。すでに大手メディアが報じることも増え、問題解決について発言する政治家も出てくるようになったが、いまだになんら具体的な動きは見られていない。 今年4月、東京ビッグサイトでは企業向けの説明会を実施。ここでは、当初よりも幾分か計画を「改善」。青海に設けられる仮設展示場が利用できる期間を5カ月間延長するほか、西展示棟と南展示棟の利用不可期間が2カ月短縮された。だが、20年7月~9月は全施設利用不可という状況は変わっていない。 これは、オリンピック・パラリンピック開催期間中に、近隣でイベントを開催するとセキュリティなどに支障を来すとされているためである。 これが東京ビッグサイト側の現段階での最終回答となっている。すでに国際的なイベントとして五輪のスケジュールが決定されている以上、これ以上の変更も、代替施設の検討も困難というわけだ。 今年6月には、実際に利用制限によって損害を受ける展示会関係者「展示会産業で働く人々の生活と雇用を守る会」によるデモが開催された。また、MANGA議連会長の古屋圭司衆議院議員(自民)は、問題解決に向けて積極的に発言しているが、事態は遅々として動いていない。また、コミックマーケット準備会の市川孝一共同代表は「可能な限りビッグサイトを前提としてやりたいと思っている」としているものの、推移を見守っている状況である。 つまり、現状で問題を解決するためには、東京ビッグサイトを利用する事業者による強い働きかけと、それに呼応して政治家が政治力を用いてなんらかの方法で打開策を提案することだけ。とはいえ、それは困難なことである。 実際、6月のデモを見ても、中心となったのは会場の設営などを行う一部の業者のみ。実際に会場を利用している企業や事業者の参加は、ほとんど見られなかった。 これまでの取材の中から見えてくるのは、この温度差。各種イベントの主催者側は「なるようにしかならない」「規模を縮小して代替会場を使用するのも仕方がない」という考えが主流。対して、一度、イベントが中止にでもなれば大損害を被る事業者は、なんらかの打開策を求めている。 この温度差が不協和音になり、社会全体の問題、あるいは政治問題へとステージが上がる前で足踏みをしているわけだ。 もはや、東京ビッグサイトがおいそれと予定を変更することはあり得ず、ただ混乱だけが激化していくことになるだろう。 もう、なんらかの事情で五輪の開催が返上されるくらいしか、事態の解決はあり得なそうに見える。 (文=昼間たかし)
問題は認識されるも、事態は何も変わらず……「2020年東京ビッグサイト問題」の行方
結局、事態はなにも動いていない。 2020年の東京オリンピック・パラリンピックで、東京ビッグサイト(東京国際展示場)の利用が大幅に制限されることに対して、多くの利用者が反発している問題。すでに大手メディアが報じることも増え、問題解決について発言する政治家も出てくるようになったが、いまだになんら具体的な動きは見られていない。 今年4月、東京ビッグサイトでは企業向けの説明会を実施。ここでは、当初よりも幾分か計画を「改善」。青海に設けられる仮設展示場が利用できる期間を5カ月間延長するほか、西展示棟と南展示棟の利用不可期間が2カ月短縮された。だが、20年7月~9月は全施設利用不可という状況は変わっていない。 これは、オリンピック・パラリンピック開催期間中に、近隣でイベントを開催するとセキュリティなどに支障を来すとされているためである。 これが東京ビッグサイト側の現段階での最終回答となっている。すでに国際的なイベントとして五輪のスケジュールが決定されている以上、これ以上の変更も、代替施設の検討も困難というわけだ。 今年6月には、実際に利用制限によって損害を受ける展示会関係者「展示会産業で働く人々の生活と雇用を守る会」によるデモが開催された。また、MANGA議連会長の古屋圭司衆議院議員(自民)は、問題解決に向けて積極的に発言しているが、事態は遅々として動いていない。また、コミックマーケット準備会の市川孝一共同代表は「可能な限りビッグサイトを前提としてやりたいと思っている」としているものの、推移を見守っている状況である。 つまり、現状で問題を解決するためには、東京ビッグサイトを利用する事業者による強い働きかけと、それに呼応して政治家が政治力を用いてなんらかの方法で打開策を提案することだけ。とはいえ、それは困難なことである。 実際、6月のデモを見ても、中心となったのは会場の設営などを行う一部の業者のみ。実際に会場を利用している企業や事業者の参加は、ほとんど見られなかった。 これまでの取材の中から見えてくるのは、この温度差。各種イベントの主催者側は「なるようにしかならない」「規模を縮小して代替会場を使用するのも仕方がない」という考えが主流。対して、一度、イベントが中止にでもなれば大損害を被る事業者は、なんらかの打開策を求めている。 この温度差が不協和音になり、社会全体の問題、あるいは政治問題へとステージが上がる前で足踏みをしているわけだ。 もはや、東京ビッグサイトがおいそれと予定を変更することはあり得ず、ただ混乱だけが激化していくことになるだろう。 もう、なんらかの事情で五輪の開催が返上されるくらいしか、事態の解決はあり得なそうに見える。 (文=昼間たかし)
「回転体に触れると、大けがをする」ことを教えてくれる装置の開発会社に聞いた!
工場をはじめ、さまざまな場所で見かける、モーターなどの動力で回転するベルト。そこに手が触れると、どんなことになってしまうのか? 「完全に停止していない回転体に触れると、大けがをする」 そんなことを教えてくれる装置が話題となっている。一般のTwitterユーザーなども紹介しているこの装置は「Vベルト巻き込まれ安全体感装置」というもの。 これを開発・製造している、愛知県豊川市の企業・アジアクリエイト株式会社がYouTubeで公開している動画では、ちょっとした油断が大きな事故につながってしまうことが一目瞭然。稼働中の回転ベルトに触れた割り箸が、一瞬ではじけ飛んでしまうのである。これが人間の指だったら、間違いなく大けがである。 Twitterでは「ちなみにこの装置、今まで数千人体験して割り箸生還率ゼロという悪魔的設計」「本当に逃げられない」などと、実際に体験したことのある人たちも感想を寄せている。中には、実際に安易に回転中のベルトに触れてしまい、指を持っていかれた人を見たという証言も。「回転体には絶対に手を出さない」という“注意”を体感で教えてくれている。 YouTubeでは、ほかに「滑り・転倒安全体感装置」「溶剤爆発安全体感装置」など、工場などで油断から起こる事故を想定した装置が、いくつも紹介されている。同社の公式サイトには、そうした装置のラインナップも多数。 いったい、どうしてこんなにも多くの危険を体感できる装置を開発するに至ったのか? 担当者に話を聞いた。 「弊社の本業である<生産設備設計・製作>にてお世話になっているユーザー様からの依頼で開発を始めた経緯があります。我々エンジニアリング会社は、どうしてもお客様の年間設備計画によって業務量が左右されてしまいます。そのため<こちらから売り込める商材>が欲しかったところに、本装置の開発依頼がきました。そこでお客様にお伺いを立てたところ、了承をいただけたため、販売を始めました」 あくまで本業とは別の形で始まったようだが、これは多くの事業者にとっても必要なものだったのだろう。現在同社では「安全体感研修センター」という施設も運営。ここは作業場と変わらない、「本物の危険」を擬似体感して学ぶことができる施設だそう。もちろん、動画でアップされているような装置も体験できる。 ちなみに、個人でも体験できないのか尋ねてみたところ、 「基本的には法人様向けの施設ではありますが、一般の方々でも所定の手続きをしていただければ受講は可能です」 とのこと。同社の所在する豊川市といえば、日本三大稲荷のひとつとされる豊川稲荷でも知られる土地。参拝と共に訪れて見るのもよいかも。 (文=昼間たかし) ■アジアクリエイト株式会社公式サイト http://asia-create.jp/ ■安全体感装置動画 https://www.youtube.com/channel/UCgNUvK9lQxfPwjjrA4nvRwwアジアクリエイト株式会社公式サイトより
テクノロジーの勝利! 23区で急速に普及する「自転車シェアリング」は、なぜ盗まれない?
なるほど、テクノロジーの勝利だ……。 最近、都内の一部地域で、よく見かけるようになった赤い自転車。現在、23区では千代田区・港区・中央区・文京区・新宿区・江東区が参加している「自転車シェアリング(レンタサイクル)」である。会員登録すれば、サイクルポート(専用駐車場)に設置された自転車を自由に利用できるサービスだ。 とりわけ、ビジネス街などでは盛んに使われているようで、ひと際目立つ赤色の自転車にまたがるサラリーマンの姿をよく見かける。 環境に優しい乗り物ということもあってか、自治体が運営する自転車シェアリングは全国で増加中だ。何しろ、電車の便が悪いところに、ちょっとした移動をするならタクシーに乗るよりも格段に安い。上記の「自転車シェアリング」の場合、1回の利用料金は最初の30分が150円となっている。東京という街は、電車で移動しようとすると、遠回りになってしまって面倒という地域も多いもの。都営バスの料金210円(ICカードだと206円)よりも若干安く乗れるあたりメリットは多そうだ。 地方都市では東京に先行して自治体の実施するレンタサイクルが普及しているところも多い。たとえば、香川県の高松市がそう。この街の場合、ターミナル駅であるJR高松駅と繁華街が若干離れていることもあってか、朝、駅前で自転車を借りて会社に向かい、帰りに返すという使い方をしている人も多い。こちらの場合、利用料金が24時間以内200円と、かなり激安。また、放置自転車を再利用してるために費用も抑えられているというのもポイントである。 環境に優しい乗り物として、全国どころか世界規模で普及しつつあるレンタサイクル。そこで、ちょっと疑問なのが盗難の危険。そして、地形の問題である。 日本よりもレンタサイクルが普及している中国では、民間業者も数多く参入しているが、中には次々と自転車が盗まれて廃業する業者も。それに、坂が多い地域で、自転車をこぐのはかなり厳しいはず。都内の「自転車シェアリング」実施6区の中でも文京区と新宿区、それに港区もけっこう坂が多いハズだ。 昨年10月から事業を開始した新宿区に、そうした疑問を尋ねてみたところ、こんな答えが。 「すべて電動自転車にしているため、坂を苦にしているという声は聞いていません。むしろ、坂で苦労しなくて便利という声もあります。またGPS機能もついていますから、盗難されたという話もありません。返却する場所がわからなくて放置されたという程度です」(新宿区の担当者) 都内6区の「自転車シェアリング」の場合だと基本的にクレジットカード認証が必須。それに加えてGPS機能もあるため、うっかりさんはいても、不届き者はいないということのようだ。 おまけに、坂をも苦にしない電動アシストがついてるとは……テクノロジーの勝利ではあるまいか。ちなみに気になるバッテリーの充電だが、担当者が定期的にポートを訪れ、フル充電済のバッテリーを交換しているというから安心だ。 ただ普及に向けては、まだまだ課題が残っている。とりわけ普及のネックになっているのが、ポートの設置だ。新宿区の場合、区内100カ所を目標としているが現在は37カ所。そのうち3分の1は民間の土地を借用したものだ。 すでに、公共施設で設置可能な場所には、だいたい設置しているそうで、今後は設置に適した民間の土地を借りてポートを増やしていく方針だとか。 「現在、6区のどこで借りても、6区のどこのポートにでも返却できるようになっているという利点がありますので、どんどん活用して欲しいと思っています」(前述、担当者) 徐々に存在感を増しつつある便利で安いレンタサイクル。多くの場所で24時間対応だから、終電を逃してしまったときには、使ってみるといいかも。ただし、自転車でも飲酒運転は道路交通法違反になるので念のため。 (文=昼間たかし)東京・自転車シェアリング広域実験 ホームページより
トイレまで破壊する迷惑な輩も……全国各地で絶えない“マナーの悪い観光客”たち
観光客が押し寄せる沖縄の人気観光スポットが、マナーの悪さから立入禁止となり、注目を集めている。 問題の場所は、沖縄県本部町備瀬の「備瀬のワルミ」。数年前から、そそり立つ岩壁の割れ目から見える海の美しさが話題になっていたスポットだ。ここが、子宝に恵まれるなどの「パワースポット」として取り上げられるようになったことで観光客が殺到。多数のレンタカーが路上駐車されたり、ゴミが捨てられたりと、地元住民は迷惑を被っていた。 もちろん、そうした心ない観光客はごく一部。だが、そうした人々の存在によって、多くの人が見たいものを見られなくなるという事態は、今までも数多く起こってきた。 最もよく知られるのは、都心部にあり、気軽に訪れることのできる観光スポットとして人気の築地市場。ここでは2008年以降、観光客の増加により、市場の業務に支障を来す事態が発生。一時は見学禁止を行うなどの措置も取られた。 だが、これはまだ「観光したい」という意欲があるからマシなほう。 15年5月に無期限閉鎖となったのが、栃木県の塩原温泉にある「不動の湯」だ。ここは露天の共同浴場として知られていたのだが、訪れる人々の目的が観光や温泉を楽しむとは違う方向に進化。女性客を待ち構える不届きな人々どころか「風紀を乱す行為に及びビデオ撮影など」まで行われていたのだとか(下野新聞15年5月29日付)。 長野県上田市では、「稲倉の棚田」が農林水産省の「日本の棚田百選」に選ばれたことをきっかけに、10台ほどの駐車場を備えた観光スポットとして整備したものの、予想以上に観光客が殺到。路上駐車はまだしも、撮影スポットを求めて、あぜに入る観光客も増加。中には「崩れたあぜに掛けたシートが撮影の邪魔になるとして、外すよう求めた人もいた」とか(信濃毎日新聞17年7月1日付)。 田んぼのあぜに勝手に入ると農家に怒られるというのは常識かと思っていたのだが、どうも世の中にはそうでない人のほうが多かったのか。 また、北陸新幹線の開通で観光客が増加した石川県金沢市では、歓楽街の片町でコンビニのトイレを酔っ払った客が汚す、便座を壊されるなどの被害が相次ぎ、今年6月からは夜間のトイレ使用を禁止しているという。北国新聞17年6月28日付では「2015年3月の北陸新幹線開業以降、トラブルが増えたとして、『観光客は旅行気分で気が大きくなる人が多いのだろう」とあきらめ顔だ。観光客が問題を起こした場合、当事者が県外に戻っていることが多く、弁償などの事後対応も長引くという」と、コンビニ関係者の声を紹介している。 いまや、インターネットを通じて情報は次々と広がる時代。さまざまな話題の観光スポットを訪れたくなる機会も多いもの。とはいえ、あくまで観光客は観光客。カネを落とすのだから何をしてもよいと思ったら、大間違いである。 (文=昼間たかし)※イメージ画像
トイレまで破壊する迷惑な輩も……全国各地で絶えない“マナーの悪い観光客”たち
観光客が押し寄せる沖縄の人気観光スポットが、マナーの悪さから立入禁止となり、注目を集めている。 問題の場所は、沖縄県本部町備瀬の「備瀬のワルミ」。数年前から、そそり立つ岩壁の割れ目から見える海の美しさが話題になっていたスポットだ。ここが、子宝に恵まれるなどの「パワースポット」として取り上げられるようになったことで観光客が殺到。多数のレンタカーが路上駐車されたり、ゴミが捨てられたりと、地元住民は迷惑を被っていた。 もちろん、そうした心ない観光客はごく一部。だが、そうした人々の存在によって、多くの人が見たいものを見られなくなるという事態は、今までも数多く起こってきた。 最もよく知られるのは、都心部にあり、気軽に訪れることのできる観光スポットとして人気の築地市場。ここでは2008年以降、観光客の増加により、市場の業務に支障を来す事態が発生。一時は見学禁止を行うなどの措置も取られた。 だが、これはまだ「観光したい」という意欲があるからマシなほう。 15年5月に無期限閉鎖となったのが、栃木県の塩原温泉にある「不動の湯」だ。ここは露天の共同浴場として知られていたのだが、訪れる人々の目的が観光や温泉を楽しむとは違う方向に進化。女性客を待ち構える不届きな人々どころか「風紀を乱す行為に及びビデオ撮影など」まで行われていたのだとか(下野新聞15年5月29日付)。 長野県上田市では、「稲倉の棚田」が農林水産省の「日本の棚田百選」に選ばれたことをきっかけに、10台ほどの駐車場を備えた観光スポットとして整備したものの、予想以上に観光客が殺到。路上駐車はまだしも、撮影スポットを求めて、あぜに入る観光客も増加。中には「崩れたあぜに掛けたシートが撮影の邪魔になるとして、外すよう求めた人もいた」とか(信濃毎日新聞17年7月1日付)。 田んぼのあぜに勝手に入ると農家に怒られるというのは常識かと思っていたのだが、どうも世の中にはそうでない人のほうが多かったのか。 また、北陸新幹線の開通で観光客が増加した石川県金沢市では、歓楽街の片町でコンビニのトイレを酔っ払った客が汚す、便座を壊されるなどの被害が相次ぎ、今年6月からは夜間のトイレ使用を禁止しているという。北国新聞17年6月28日付では「2015年3月の北陸新幹線開業以降、トラブルが増えたとして、『観光客は旅行気分で気が大きくなる人が多いのだろう」とあきらめ顔だ。観光客が問題を起こした場合、当事者が県外に戻っていることが多く、弁償などの事後対応も長引くという」と、コンビニ関係者の声を紹介している。 いまや、インターネットを通じて情報は次々と広がる時代。さまざまな話題の観光スポットを訪れたくなる機会も多いもの。とはいえ、あくまで観光客は観光客。カネを落とすのだから何をしてもよいと思ったら、大間違いである。 (文=昼間たかし)※イメージ画像
なんで、こんなんしまっていたのだろう……いつの間にか資料棚が歴史の宝庫になっていた話
なんで、こんなモノを後生大事にしまっていたのだろう……。 取材して書くことを生業にしていると、どんどんと資料がたまっていくもの。だから普段からため込まないように気をつけてはおります。作家・吉村昭は作品を書き終えると、次に必要としている人のために資料を放出していたそうです。 ところが筆者の場合、ちょっと事情が違う。 「これもいつか役に立つかもしれない……」そう考えれば捨てるに捨てられず、しまいこんでしまうのであります。 けれども、そろそろ整理をする時がきたのではないか。そう思って資料棚をいじくっていると、グッとくるやら、自分にあきれるやら。そんな資料の数々を紹介してみたいと思います。 ということで、資料棚のファイルケースをはじから順に空けてみたのですが、出るわ出るわ。とりわけ、児童ポルノ法やら東京都青少年健全育成条例の資料は、ダブりもいっぱい。そして、もう必要ないだろうモノがあふれかえっています。 例えば表現規制反対派からは「規制派の御用学者」のごときレッテルで非難され続けた首都大学東京の前田雅英先生が、各種の議会などで提出した意見書の類いは、山のように……。
八王子の山の中まで、お話をお伺いしにいった際、お土産のとらやの羊羹を「これは、受け取れません」と、固辞されたのが印象的でした。ま、持って帰るのも面倒くさいので、最後は受け取ってもらいましたけど。 児童ポルノ法関連では、2009年の改定騒動の際に、自民党の葉梨康弘衆議院議員が資料として配った自作のイラスト集が。「ジャニーズも乳首が映っていれば児童ポルノ」「自白は証拠の王様」「冤罪なんて起こらない」というぶっ飛んだ発言の数々も、今となっては懐かしいものです。最近は登場も少なくなった前田先生。大学教授としての面倒見のよさには定評があった
そんな資料と共に発掘されるのは、よくわからないグッズの数々。未開封の青林工藝舎創立十周年記念グッズとか、つくば万博の「絵入りはがき」。これらの催しに行った記憶がまったくないのですが、なんで私はこれを持っているのだろう……。独特のイラストセンスで世間を騒がせた葉梨議員。現在は、ようやく議員として復活
なんだかわからないグッズの山は尽きないもので、幸福実現党がコミケ会場前で配布していた、さとうふみやのイラスト入りのうちわが10枚も。まったく必要ないので、これは処分ということで……。つくばエクスプレスもない時代に。よくもまあ、こんな遠いところまで見物にいったものだ
さらに、何かわからぬポスターを開けば、アニメ雑誌「ニュータイプ」(KADOKAWA)の付録だった『星方武侠アウトロースター』のメルフィナのポスターが。いや、私はまだ伊東先生が続きを書いてくれると信じてずっと待ってますよ……。なんで、10枚も持っていたのだろう。そうだ、配布しているお姉ちゃんが可愛かったんだ
でも、これなんかまだマシなほう。t.A.T.u.のアニメ化告知チラシをまじまじと眺めて、結局この企画はなんだったのかと、あらめて首をかしげるしかありません。さらに一時、秋葉原を騒がせた沢本あすかの告知チラシには、諸行無常を感じるばかり。今はどうしているのかと検索したら、フツーにブログで活動が告知されていて、さらに驚きであります。いやね、絶対にまだ伊東先生は続きを書いてくれる。そう思って保存していたのだと思う
いや~このアニメつくって欲しかったな。たしかグッズもあったはずだが販売されたんだっけ……?
その秋葉原といえば、いまや語る人も少なくなった「秋葉原解放デモ」の資料も。昔は自分の書いた記事をちゃんと切り抜いて保存していたことを思い出しました。いろいろあった出来事ですが、首謀者の皆さんもそれぞれに出世されて何よりです。この人、まだ活動してるんだ。すごいな。あの頃の秋葉原は今よりも楽しかった
とまあ、多少は棚のスペースを空けることができるかと思って始めた作業。いざとなると、どれも捨てる勇気は起きません。あと50年も保管しておけば歴史的価値が出るかも知れない。かくて、ほぼすべては処分することなく、そっと棚に戻されたのでありました。 (文=昼間たかし) ※次ページで、もう少し紹介します。しつこく、こんなものを保存してるのはなぜだろう。まあみんな議員になったし市役所職員になったり出世したしね
雑誌の切り抜きは保存していたのだけど、元の画像データが入った外付けHDDが見当たらず。勿体ないことをした……
事件になったことも話題だが、これで興奮するということに世界の広さを感じる
これを見るとVRってスゴイスピードで進化しているのだと、改めて知ることができる
これ大きなプロジェクトだったような気もするけど、どうなったんだっけ?
そろそろ松重ゴローちゃんの大失敗も見たかったなあ……『孤独のグルメ Season6』を総括する
ああ、ついに深夜の飯テロも終わってしまったか……。 『孤独のグルメ Season6』(テレビ東京系)は、6月30日深夜の「東京都品川区五反田の揚げトウモロコシと牛ご飯」を最後に、今シーズンの放送を終えた。 ついに第6期に突入したドラマ版『孤独のグルメ』であるが、相も変わらず好評であった。第1話では大阪を舞台に、お好み焼きはご飯のおかずであることを知らしめた。 続く第2話では、定番の豚バラ生姜焼き定食を投入。第3話では趣向を変えて、谷村美月が演じる、なんかメンヘラっぽい不安定すぎる店員に目が離せないという、新手のスタイルで物語を紡いだ。さらに、第5話では回転寿司。第9話ではゴローちゃんの過去の恋を描いたり……。 とにかく、制作陣はさまざまなアイデアを投入して物語を濃厚なものにしようと企図していた。 限られた時間とテンプレートの中で試みられたドラマの工夫。その意図は、明らかに視聴者に飽きられることの恐怖であろう。 確かに松重豊演じるゴローちゃんの演技はうまいし、セリフやらダジャレやらは技巧の塊である。でも、ネットでは絶賛される一方で、実際に『孤独のグルメ』フリークに会うと、また別の感想が。大抵の人が毎週番組を楽しみに見ているというものの、「ちょっと、飽きたな……」と口にする人の多いこと。 誰もが口をそろえるドラマ版の問題点は、ゴローちゃんが失敗しないことである。 原作厨というわけではないが、やはり原作との決定的な違いはここである。以前は、アームロックを登場させたり、微妙に原作要素も注ぎ込んでくる制作陣であるが、ドラマゆえにできないことがある。 それは、ゴローちゃんが失敗することだ。 原作において重要な要素は、ゴローちゃんが単に食べて満足するだけではない哀愁である。 原作第1話では、いきなり豚汁とぶた肉いためがかぶったことを後悔。第2話では回転寿司で食べすぎて後悔。第6話では、新幹線でジェットボックスシュウマイの匂いをまき散らして後悔。やたらと後悔することが多い。別に食べたものがマズいわけではない。ゴローちゃんの選択のミス。そこに、人生の何かを感じさせる谷口ジローの作画が冴えるのである。 もともと、仕事を依頼された時には戸惑ったという谷口であるが、作画を谷口に依頼した「PANjA」編集部は冴えていた。原作におけるゴローちゃんの帯びている哀愁は、谷口が関川夏央と組んだ『事件屋稼業』のそれと同等。自由の代わりに孤独を背負った中年男の哀愁こそが本題なのである。 松重ゴローの演技を見るに、その原作における世界観を徹底的に理解していることがわかる。やたらと見ているほうを不安にさせた谷村演じる店員も、原作第10話に出てきた元ヒッピーがやってる自然食の店の女性店員的な危うさを目指しているフシがある。 でも、リアルに存在する店舗を使っている以上、決して注文したメニューが運ばれてきた途端に後悔するなんてシーンは描けない。その制約が、次第に物語展開の幅を狭くしているような気がしないでもない。 松重ゴローの食べっぷりは驚嘆である。よくもまあ、胃袋にあれだけの量を詰め込めるなあと思う放送回も何度もあった。けれども、一度くらい「ああ、やりすぎた……」と、食べすぎを後悔するシーンくらいあってもよいんじゃなかろうか。それをファンは期待しているのだ。 そして、もうひとつ。時代の趨勢ゆえだろうが、松重ゴローは煙草を吸わない。さまざま意見はあるだろうが、ハードボイルドな人生に煙草は欠かせないものとも思うのだ。 いずれにしても、今後とも試行錯誤を重ねて続いていってほしい『孤独のグルメ』。次のクールを期待して待っているぞ。 (文=昼間たかし)テレビ東京系『孤独のグルメ Season6』番組サイトより


















