「日本人女性はみんなエロい!?」訪日中国人が痴漢行為に走るワケ

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イメージ画像 Photo By Yoshikazu TAKADA from Flickr.
 毎回、僕が気になっているニュースを紹介するこの企画。今回は、4月6日、中国の複数のメディアにて、「訪日している中国人観光客、計3人が痴漢行為で現行犯逮捕」という報道がなされたので、これについて書きたいと思います。  現在、円安の影響もあり、たくさんの中国人観光客が日本を訪れています。ですが、中国人のマナーは決していいとは言えず、花見ではゴミを散らかしたり、今回の痴漢事件のように、犯罪に手を染める人も出てきています。中国はメンツを大事にする国ですので、政府は、中国人が海外で評判を落とすことに対して怒りをあらわにします。今回、機関メディアがこの痴漢事件を大々的に報道したのも、「これ以上、中国の評判をおとしめるな!」と、国民に釘を刺すためでしょう。  さて、この3人の痴漢行為の詳細ですが、まず1人は、デパートのエスカレーターで女性のスカート内を盗撮。もう1人は、電車内で大胆にも女性のスカートをまくりました。そして最後の1人は、アダルトグッズショップで、女性のお尻を触ったとのことです。3人とも被害者にその場で通報され、現行犯で逮捕されました。  なぜ、彼らはこういった行為に及んだのでしょうか? 今回の件を報道した中国メディアの論調は、おおむね「一部の中国メディアが、日本が性に開放的な国と煽りすぎているため」というものでした。それはどういうことかと言いますと、 「日本にはAVやエロ漫画があふれ返っている。お祭りになると、女性たちはペニス型のご神体をうれしそうに触ったり、それにまたがったりする。日本人女性は、破廉恥で尻軽で、どこででもセックスする」  といった具合に、偏った報道が至るところでなされているのです。決して少なくない数の中国人が、こうした報道を聞き、それを信じてしまいます。なぜなら、中国人男性にとって、日本人女性のイメージは「AV女優」なのですから。 ■中国人は、みんな日本のAVで興奮している  エロが非合法な国である中国においては、自国産のAVがまったくないため、日本のAVが大人気です。みんなネット上でダウンロードして見ていますし、街中ではこっそりと日本のAVの海賊版が販売されています。AV女優ですと、とりわけ蒼井そらの人気が高く、中国版Twitter「微博」のフォロワー数は、なんと1,500万人にも達しています。  そんな日本のAVですが、中国で出回っているタイトルを見てみると、出演している女優は、大きく2つのタイプの女性に分類できるのではないでしょうか。ひとつは、自分から積極的に男優の服を脱がせ、その体の上にまたがっていくような淫乱タイプ。そして、もうひとつは、たとえ男が乱暴に迫ってきても、されるがままに受け入れてしまう大和撫子タイプ。  AVの中には、3~4人の男性に一気に迫られる理不尽なシチュエーションもありますが、それでも、AV女優たちは、けなげに全員の相手をします。  多くの中国人男性にとって、日本人女性を見る機会はAVぐらいしかありません。つまり、AVに登場する女性こそが、日本人女性なのだと勘違いしてしまうわけですね。そして、こういう勘違い男たちが、日本にやって来ると、こう考えてしまうのです。 「せっかく日本に来たんだから、性的好奇心旺盛な日本人女性と街中でエッチなことをしよう。日本人女性ならば拒まないはずだ……」  こうして、ムラムラとして痴漢行為に及ぶわけです。ですが、実際には、日本人女性はAV女優のように性に対して積極的な人ばかりではないですし、従順でもありません。そして、わいせつ犯たちは、過ちを犯してから初めて、日本の迷惑防止条例が中国以上に厳しいことに気付くのです(苦笑)。  今回の痴漢報道に対する中国のネット民の反応は、以下のようなものでした。 「AVと現実を区別しろ! バカ!」 「AVを見て日本人女性が抵抗しないと思っている奴ら、どんだけバカなんだ……」 「日本観光する前に、教育が必要だ! 予備知識がないと、中国人の恥を晒し放題になってしまう」 「抗日ドラマを見すぎて、日本人女性に復讐したくなったのか?」 「日本に行かないで、中国の自宅でオナニーしていなさい」 「性欲は風俗店で解決しろ!」  まあ、ネット民はおおむね、まともでしたね(笑)。
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●そん・こうぶん 中華人民共和国浙江省杭州市出身の31歳。中国の表現規制に反発するために執筆活動を続けるプロ漫画家。著書に、『中国のヤバい正体』『中国のもっとヤバい正体』(大洋図書)、『中国人による反中共論』(青林堂)がある。 <https://twitter.com/sun_koubun>

『進撃の巨人』『奇生獣』は完全アウト! 中国のネット上から締め出された“悪質”日本アニメとは――

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 初めまして。中国人漫画家の孫向文です。今回から日刊サイゾーで連載をさせていただくことになりました。毎回、僕が気になった中国のニュースを紹介していきたいと思っています。  4月1日、中国中央国家文化部が、そのサイト上で「“土豆網”をはじめとする、19の動画サイトにアップされている悪質なアニメを取り締まる」と発表しました。今回は、この件を取り上げたいと思います。  習近平政権になってから、エンタテインメントの規制が厳しくなっています。ゲームキャラのミニスカート着用禁止に始まり、ネット上のBLサイトも摘発され、テレビドラマにおいても胸の谷間が見える衣装のシーンがカットされました。そして、今回はネット上のアニメに至ったというわけです。    もともと、中国のアニメは、「子どもが見るもの」という認識から、暴力やエロには強い規制が敷かれていました。そのため、いま日本でも話題になっている『奇生獣』なんかは今後、絶対に中国で放送されることはないでしょう。  ですが、ネットに関しては、これまで野放しにされていました。ネットの動画サイトはPVを増やして広告収入を得るため、日本のありとあらゆる人気アニメをせっせと翻訳した上で公開していたのです。例えば、『進撃の巨人』などは、そのグロテスクな描写もあって中国の公共電波では放送されていないのですが、ネット上にアップされるや、その面白さが口コミで広がり、中国全土の青少年が熱狂しました。今回は、そこにもメスが入ったのです。今後、ネット上にアニメをアップする際は、事前に審査を受けなければいけないと定められたため、こうした日本の名作が中国人の目に触れることもなくなりそうです。 ■特に“悪質”だとやり玉に挙げられた3作品とは?  今回の規制に当たり、国家文化部のサイト上では、日本のアニメの3作品が名指しでやり玉に挙げられていたので、その作品をご紹介しましょう。  まずは、2014年7月から9月まで放映された『残響のテロル』。日本では、文化庁メディア芸術祭において審査委員会推薦作品にも選出されたほど質の高い作品なのですが、これの何が問題だったかというと、主人公がテロリストになるという設定でした。キャッチコピーは、「この世界に、引き金をひけ。」です。 「ISISが世界中を敵に回している中、このアニメの主人公はテロに走っている。世界中から非難されるべき!」 というのが中国共産党の弁。大気汚染や、減速する中国経済、ウイグル反乱や香港デモなど、さまざまな問題を抱えている中国ですが、現在、政府が最も恐れているのが、テロや暴動です。このアニメに感化されて、民衆たちが政府への反発心を抱かないかと恐れたのでしょう。  お次は、11年7月から9月にかけて放送された『BLOOD-C』。巫女である少女が化け物たちと戦うストーリーですが、そのタイトル通り、血しぶきの量が半端ではありません。オープニングのアニメからして『北斗の拳』の格闘シーン並みに血が飛び散ります。中国政府は「こういうアニメは、青少年に歪んだ審美眼を与えてしまう」と非難。でも、よくよく考えれば、抗日戦争のテレビドラマにおいては、中国兵が中国拳法を使って日本兵の体を真っ二つにするような描写もあります。実写である分、『BLOOD-C』よりも害は大きいようにも思えますが、それは問題とされていません。なんだか妙な話ですね。  そして最後は、10年7月から9月まで放映されたゾンビアクションアニメの『学園黙示録』。ゾンビ化した生徒たちと戦うという設定だけあって、これも残虐シーンが多いのですが、それ以上に問題とされたのは、パンチラや胸チラなどのセクシーショットでした。逃げ惑う女子生徒が転んだらパンチラ、服がはだけて胸チラ、戦闘シーンにおいても意味なくローアングルからのパンチラ……といった感じで、サービスショットが満載です。ミニスカすら禁止されている中国のアニメやゲームにおいては、天国のようなこの作品。もっとも、今の中国で最も性的に乱れているのは、間違いなく官僚たちです。不正官僚の9割が不倫していると発表されたことすらあります。要するに、「こういうアニメを見ていると、酒池肉林の道を歩む僕らみたいな共産党官僚になっちゃうからダメだよ」ということなんでしょうか。  こうして、ますます息苦しさを増す規制問題。日本のアニメは、子どもだけではなくて大人も楽しませてくれる質の高いエンタテインメントです。ストレスの発散場所を失った民衆は、より政府に対して不満を募らせていくのではないでしょうか。  ただこの問題、日本人からすれば、「そもそも規制の問題以前に、ネットにアップするなら、ちゃんと金を払え」という話ですよね。僕もそう思います(汗)。
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●そん・こうぶん 中華人民共和国浙江省杭州市出身の31歳。中国の表現規制に反発するために執筆活動を続けるプロ漫画家。著書に、『中国のヤバい正体』『中国のもっとヤバい正体』(大洋図書)、『中国人による反中共論』(青林堂)がある。 <https://twitter.com/sun_koubun>