韓国随一のリゾート地として知られる済州島。済州島は、「泥棒とホームレス」がおらず、「大門」がなくても暮らせる平和な島という意味で、「三無の島」との愛称でも親しまれていた。ただ、そのような島に、変化が訪れようとしている。近年、中国人ら外国人による犯罪が急増。治安が悪化し始めているのだ。住民たちは「済州島が恐ろしいところになってしまった」と、不安を訴えている。 9月17日、済州市内のカトリック教会では、祈祷中の女性(61)が、中国人の男(51)に刃物で襲われ、死亡するという事件が発生した。この男は現場から逃走したが、約7時間後、警察に逮捕された。 なぜ、男は女性を襲ったのか? その理由は、思わず耳を疑いたくなるような、意味不明なものだった。 「教会に行くと、女性がひとりで祈りを捧げていた。昔、自分から逃げて行った前妻2人の姿がその女性と重なり、カッとなって犯行に及んだ」 同9日には、飲食店で、女性店主及び韓国人客が、中国人観光客8人に集団暴行を受ける事件も発生していた(参照記事)。中国人観光客たちは、飲食店によそで買った酒を持ち込み、酒盛りを始めようとしたのだが、それを制止した店主と居合わせた客に暴行を振るったというのだ。済州市内では現在、似たような事件が後を絶たない。 済州地方警察庁によると、済州地域の外国人犯罪者数は、2011年には121人だったが、15年には393人と、3倍以上に増えているという。今年は、7月の段階ですでにその数が347人となっており、増加傾向は著しい。 済州地域で外国人による犯罪が急増した背景としては、無査証(ビザなし)入国制度の施行がある。無査証で入国した外国人は、11年の15万3,662人から、15年には62万9,724人と、4倍以上に増加した。なお、今年事件を起こした外国人犯罪者347人のうち、約69%に当たる240人が中国人となっている。済州島を訪問する外国人観光客の大半、85%が中国人という統計もある。 済州島の住民からは「教会で殺人が起こるなんて……」「済州島が安心して暮らせない場所になりつつある」「外国人の入国制度を見直すべき」などと、困惑や怒りが噴出している。 (文=河鐘基)中国人観光客の被害に遭う、済州島の飲食店(世界日報より)
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中国農村で約5年間、木に縛りつけられた8歳女児「両親は障害者で、祖父母が仕方なく……」
急速な経済成長に取り残された中国の農村で、そこに生きる人々の過酷な現状を物語るニュースが報じられた。河南省洛陽市の農村部で、木につながれて生活している女児がいるというのだ。 「新民網」によると、8歳になる彼女は約5年間にわたり、四六時中、縄に縛られたままの状態なのだ。もちろん食事を取るときも、就寝時も、だ。 彼女を縛りつけているのは、彼女と同居している祖父母だ。一見したところ、どこにでもいそうな8歳女児
祖父の話によれば、彼女は2歳になったころ、高熱を出して病院に運ばれたが、入院後、意識が戻った彼女は、粗暴な性格になっていたという。 彼女の両親は共に障害者で、生まれたときから祖父母が面倒を見ていた。 しかし、女児は成長するにつれ、高齢の祖父母の手に負いきれなくなってしまった。彼らが目を離すと、相手が自分より小さな子どもであろうが、大人であろうが、手を出すようになってしまったため、仕方なく彼女を木に縛りつけることに決めたのだ。縄が食い込む、か細い女児。痛々しい
祖父母は、彼女の粗暴な性格が収まり、学校に行くことのできる日が来るのを願っているが、現時点で彼女は医療サービスやメンタルケアを受けているわけではなく、粗暴な性格の原因がなんなのかも定かではない。 このニュースに対し、中国のネット民たちはさまざまな反応を見せているが、「政府は何をしているんだ!?」「孫を縛りつける苦しみはいかほどか」などと多くは同情的で、祖父母を責める声はほとんど見られない。 ちなみに、この報道をきっかけに地元政府が動き、彼女には救済の手が差し伸べられることになったという。 しかし、本サイトでも以前、中国の農村でADHDの息子を手を焼いた父親が、自宅に設けた檻に泣く泣く閉じ込めているという話をお伝えした通り(参照記事)、同様の境遇の子どもたちは中国に大勢いるとみられる。 中国農村部での、社会保障の拡充が急がれる。
チャットアプリ「自動友だち登録」のワナ……プライベートで楽しんだエロ動画発覚で、韓国公務員がピンチ!
最近、韓国では、公務員やそれに準じる職業に就く者による下半身のトラブルが相次いでいる。 9月7日、元・通学バス運転手に、懲役6カ月執行猶予2年、社会奉仕活動120時間の判決が下された。 事件は昨年5月に起きた。小学校の通学バス運転手だった男は、当時11歳だった女子児童に対しわいせつな発言を繰り返し、挙げ句の果てには自身の携帯電話に保存されているエロ動画を見せた疑いで、児童福祉法違反で逮捕されたのだ。 年端もいかない少女へのセクハラに、ネット民は「純真な子どもの心を汚すなんて、信じられない」「もっとエスカレートしていたら、強姦事件が起きていたかもしれない」と、怒りをあらわにしている。さらに「動画を1人で楽しんでいたところ、女子児童が後部座席から勝手にのぞいただけ」という元運転手の言い訳には、「ゲスすぎる」といった侮蔑の意見も相次いだ。 また同21日には、全羅南道霊光(チョルラナムド・ヨングァン)郡庁に所属する公務員によるトホホな事件が起きた。この公務員男性がプライベートで楽しんでいた海外エロ動画が、業務上で担当した住民によって、公にされてしまったのだ。 その発覚方法も情けない。男性はカカオトークの自身のプロフィール画面に海外のエロ動画を貼り付けていたのだが、男性の名刺を受け取って連絡先に登録していた住民の友だちに自動追加されてしまった。それだけならよかったのだが、この住民は偶然にも動画をクリック。すると、大音量で男女の性行為が再生されてしまったのだ。 住民は「周辺に人がいなかったからよかったが、危うく大恥をかくところだった」と、男性の失態を非難。男性は事実関係を認めて動画を削除しているが、郡庁では男性の懲戒手続きの審議にまで発展しているという。また、仮にクビを免れたとしても、“エロ動画公務員”の汚名は、簡単には消えないだろう。 立場ある人間による性の不祥事は、まだまだある。女子児童の体を触りながら、わいせつな発言を行ったとして逮捕された小学校の野球コーチ、女性職員に対してスリーサイズを問い詰めたり、お尻や太ももを触るセクハラを行ったソウル地下鉄工事属幹部など、今月だけでも枚挙にいとまがない。 もう少し、モラルを持った行動をしてほしいものだ……。イメージ画像(Thinkstockより)
チャットアプリ「自動友だち登録」のワナ……プライベートで楽しんだエロ動画発覚で、韓国公務員がピンチ!
最近、韓国では、公務員やそれに準じる職業に就く者による下半身のトラブルが相次いでいる。 9月7日、元・通学バス運転手に、懲役6カ月執行猶予2年、社会奉仕活動120時間の判決が下された。 事件は昨年5月に起きた。小学校の通学バス運転手だった男は、当時11歳だった女子児童に対しわいせつな発言を繰り返し、挙げ句の果てには自身の携帯電話に保存されているエロ動画を見せた疑いで、児童福祉法違反で逮捕されたのだ。 年端もいかない少女へのセクハラに、ネット民は「純真な子どもの心を汚すなんて、信じられない」「もっとエスカレートしていたら、強姦事件が起きていたかもしれない」と、怒りをあらわにしている。さらに「動画を1人で楽しんでいたところ、女子児童が後部座席から勝手にのぞいただけ」という元運転手の言い訳には、「ゲスすぎる」といった侮蔑の意見も相次いだ。 また同21日には、全羅南道霊光(チョルラナムド・ヨングァン)郡庁に所属する公務員によるトホホな事件が起きた。この公務員男性がプライベートで楽しんでいた海外エロ動画が、業務上で担当した住民によって、公にされてしまったのだ。 その発覚方法も情けない。男性はカカオトークの自身のプロフィール画面に海外のエロ動画を貼り付けていたのだが、男性の名刺を受け取って連絡先に登録していた住民の友だちに自動追加されてしまった。それだけならよかったのだが、この住民は偶然にも動画をクリック。すると、大音量で男女の性行為が再生されてしまったのだ。 住民は「周辺に人がいなかったからよかったが、危うく大恥をかくところだった」と、男性の失態を非難。男性は事実関係を認めて動画を削除しているが、郡庁では男性の懲戒手続きの審議にまで発展しているという。また、仮にクビを免れたとしても、“エロ動画公務員”の汚名は、簡単には消えないだろう。 立場ある人間による性の不祥事は、まだまだある。女子児童の体を触りながら、わいせつな発言を行ったとして逮捕された小学校の野球コーチ、女性職員に対してスリーサイズを問い詰めたり、お尻や太ももを触るセクハラを行ったソウル地下鉄工事属幹部など、今月だけでも枚挙にいとまがない。 もう少し、モラルを持った行動をしてほしいものだ……。イメージ画像(Thinkstockより)
死に追い込まれる女性も……中国農村で横行する、姑による壮絶な“嫁イビリ”
日本でもおなじみの嫁姑問題だが、中国では想像を絶する“嫁イビリ”が横行している。 山東省に住む楊さんは、夫の浮気に悩まされていた。浮気をやめさせるため、姑に相談したが、姑は浮気を肯定するかのように、『浮気の何が悪いのだ?』と言い放ったという。そうこうしているうちに、浮気相手が妊娠。すると姑は、彼女を自宅に招き、家族として一緒に住まわせてしまった。うつろな表情でカメラを見つめる楊さん。完全に生気を失っている
楊さんはその後、ショックのあまり服毒自殺未遂を起こし、後遺症から寝たきりの体となってしまう。しかし、夫や姑は楊さんにろくな食事も与えず放置し、楊さんの体重は20kgにまで激減してしまったという 。 この残酷物語を伝えた「青年網」(9月19日付)は、骨と皮だけにやせ細った楊さんの姿を掲載。その衝撃的な画像が話題となり、中国版Twitter「微博」では、 「まさに男尊女卑の極みだ。もし妻が浮気したら、半殺しにするくせに。この夫と姑に毒を飲ませて、同じように放置したらいい」 「このバカ夫と姑は逮捕されないのか? 殺人未遂だろ。警察も早く妻を保護しに行けよ!」 「やっぱりこういう事件が起こるのって、農村なんだよね。教育を受けてない世代は、やることが鬼畜だ」 などといった反応が相次いでいる。 今年1月には湖南省で、なかなか子どもを授からない嫁に不満を募らせた姑が嫁に暴行を働き、自殺に追い込むというショッキングな事件が発生している。また2月には浙江省寧波市で、34歳の女性が姑に殺害される事件も発生。姑は警察の調べに対し、溺愛していた1人息子が結婚したことで嫉妬に狂い、殺し屋を雇って嫁を刺殺したと供述している。 このように度を超えた嫁イビリが頻発する背景について、中国事情に詳しいフリーライターの吉井透氏はこう話す。 「特に農村部の貧困層では、一度嫁いだ女性は実家に出戻ることが許されない。ほかに行き場がないのをいいことに、嫁イビリをエスカレートさせる姑が多い。一昔前なら、10年ちょっと我慢すれば姑は年齢的に弱っていたのが、最近は健康水準や平均寿命が向上しており、嫁の苦悩を引き伸ばす結果となっている」 長寿社会も、いいことばかりではないようだ……。 (文=青山大樹)元気だったころの楊さんの様子。なかなかの美人だったことも、姑から憎まれた一因か?
“サービス精神ゼロ”な中国の接客業界に新風? 「逆チップ制」レストランが登場
中国のレストランのサービスというと、以前は店員の態度も褒められたものではなかった。たとえ向こうのミスであっても決して謝ることなく、平気で会計をごまかしたりといったことが普通だった。しかし、経済が発展して人々の生活が豊かになってくるにつれ、そのサービスに関しても、客から厳しい目を向けられるようになってきている。 そんな中、決して大都市とはいえない浙江省沿岸部の台州市に、珍しいサービスを行うレストランが登場した。 この店では、おそろいの制服を着た店員の二の腕部分に、ビニールケースに入った20元札(約300円)がぶら下がっている。これは何かというと、もしレストランの客が店員のサービスに不満を感じた場合、この20元札を取ってしまってもいいシステムになっているのだ。 レストランのオーナーは、これまでも店のサービス向上には注意を払ってきたが、それでも客からのクレームを受けることがあったという。そこで昨年、バラエティ番組で見たゲームをヒントにこのシステムを思いつき、26人いる店員の腕に20元札を取り付けたのだそう。お札を取られた店員には、処分が科される。 導入から1年がたつが、誰一人としてお札を取られた店員はいないのだそう。それどころか、以前に比べて店に来る客が増えたという。 このニュースが伝えられると、ネット民たちはすぐさま反応した。 「20元じゃ、少なすぎて誰も取らないよ」 「なんで100元札(約1,500円)にしないんだ。100元札なら、今すぐ行く!」 「こんな少ない金を取ったんじゃ、かえって恥ずかしい。2,000元(約3万円)にして試してみようじゃないか」 「実はお札を取られた店員は、すぐさま自分で補填してたんじゃないのか?」 いずれにしても、この逆チップともいえる制度、中国のサービス業に革命をもたらすかもしれない!? (文=佐久間賢三)取ってみたら偽札だった……なんていうこともありそうだが
「差別を言い訳にしたら“負け”」在日コリアン3世・ベンチャー企業代表(男性・34)の場合
先頃、「在日特権を許さない市民の会」(以下、在特会)の桜井誠元会長が、都知事選に出馬。11万4,171票を獲得しました。その得票数については、社会的にさまざまな反応があります。「恐ろしいヘイトスピーチを繰り返す人々に、そんなに票が集まったのか」、また「都民全体で見た時、やはりほんの一部の支持にとどまった」など、意見・分析も多種多様です。 「在日コリアンの若者は、現在の日本社会をどう見ているのか」 都知事選の前後から、そんな質問を、よく受けるようになりました。質問の主は皆、日本の方々です。ヘイトスピーチなど、いわゆる差別的攻撃の標的となっている当事者たちが、現在の日本社会にどんな思いをはせているのか? また、在日コリアンの若者は、日本でどのように日々を過ごしているのか? その率直な意見や、リアルな生活を聞きたいというのです。 ただこれまで、そのような質問に対し、明確な答えを返すことはできませんでした。一言で“在日コリアン”といっても、人によって国籍も、生活環境も、意見も違います。家族をはじめとするコミュニティーの影響もそれぞれ異なるし、生きていく上でのモチベーションも千差万別です。もちろん、好きな異性のタイプも違うし、リア充もいれば、孤独を愛し趣味に走る“オタク”もいます。年齢や世代によって、いくらか似たような認識や共通点はあるだろうけれども、決してひとくくりに語れるものではありません。戦前、戦後、そして日本の植民地時代を前後して海を渡ってきた在日コリアンの歴史は、すでに100年以上が経過したともいわれており、その“それぞれ”は広がるばかりです。 「在日コリアンは○○だ。日本社会については○○だと思っている」 おそらくその空白部分を埋められる人は、当の在日コリアンの中でも皆無かもしれません。僕自身、まるで在日コリアンを代表するかのように語るのは、「なんだか気が引ける」というのが正直なところでした。それを明確に、また遠慮なしに語る人がいるとすれば、よほど全体像が見えている神様みたいな人か、もしくは“世間知らずの無知な人”だと思います。 それでも、書き手として「何かすべきかもしれない」と考えてきました。何よりも、日本の方々が「知りたい」と問いかけてくれることは、とても恵まれた機会だからです。そしてもうひとつ、個人的な問題意識もありました。 ここ数年、世界各国では移民排斥の機運が高まっています。高い“人権意識”を持つと豪語する欧州・米国など、先進国でも、その動きは例外ではなくなってきています。グローバル化の動きとはまったく正反対の現象が起きていて、衝突や差別、排他的な雰囲気が世界各国を覆っています。おそらく、そのような世界の在り方は、日本社会と在日コリアンの関係性にも間違いなく影響しているはずです。 そしてイスラム国の若者の実情――。中東、また欧州各国で銃を手に取り、自爆テロを繰り返す若者たちには、移民2世や3世も多く含まれているという話があります。共通点というほどのものではないかもしれませんが、僕自身も日本で生まれ育った在日コリアン3世です。日本と欧州に暮らす“異邦人”には、歴史的・社会的に、どのような環境の差があったのか? そして、日本では想像もつかない凄惨な環境に身を投じる若者が、後を絶たない理由は一体何なのか? 雑誌の取材などを通じていろいろな話を聞きかじるうちに、そのような問いが頭から離れなくなりました。決して、社会正義をうたいたいわけではありません。日本で暮らす外国人として、純粋に興味を抱くようになったのです。 もしかすると、自分の周囲の人間の話を聞くことで、何かしらのヒントを得ることができるかもしれない。そういう思いが、日ごとに強まっていきました。 おそらく、これから先も、在日コリアンについて「何かを語る」ことは難しいかもしれません。それでも、その声を聞くことはできると思います。どれくらいの期間・回数が許されるかわかりませんが、できる限り多くの在日コリアンの若者の声を残していきたいと思います。 *** ■「自分に同情するな。自分に同情するのは下劣な人間のやることだ」 「日本社会に差別があるかどうか問われれば、ひどく差別されていると感じる人もいるだろうし、差別なんてされたことがないという人もいるでしょう。ただ、個人的には、差別を言い訳にした瞬間に“負け”だと考えるようにしています」 東京都内の焼鳥店で、2杯目の生ビールを飲み干したチェ氏(仮名)は、そう切り出した。チェ氏は今年34歳の、在日コリアン3世。なお、34歳という年齢は、日本の行政が若者と定義する最後の年代だ(一昔前まで、若者の定義は24歳までというものが多かったが、最近では40歳までを若者と定義する場合もある)。 チェ氏は、小学校から民族系の学校に通っていた。そのため、友人や知人も在日コリアンがほとんど。20代前半まで、日本社会との接点は、まったくと言っていいほどなかった。卒業後、右も左もわからない日本社会にいきなり投げ出されたチェ氏は、しばらくまともな職にも就けず、フリーター生活を続ける日々を送る。転機が訪れたのは、20代半ばを過ぎた頃だった。なんとか採用が決まった広告関連の企業で、脇目も振らず仕事に没頭。日本社会で人脈を増やすために、休日も取ることなく働き続けた。そんな数年間を過ごした後、30代を迎えた頃にはビジネスで独立を果たし、現在はベンチャー企業の代表として充実した日々を送っている。「相手も自分も一緒に向上できる仕事をする」「人を泣かせる仕事はしない」それが、チェ氏の仕事の哲学だ。 「20代の頃は、誰にも頼れずフラフラと生きていました。一時期、歌舞伎町でホストをやっていたこともあるんです。ホストって、羽振りいい世界に見えるでしょう? でも、あんなのは一部だけ。ほとんどがどうにもならなくて、薄給や罰金でヒーヒー言ってる。当時、生活しながら強く感じたのは、日本にも“持っている人”と“持っていない人”がいるということ。格差っていうんですかね。貧しくなると『男は路上に、女は(水商売の)待機室に行く』というのが僕のしょうもない持論なんですが、実際に目にした日本の若者たちの風景は、まさにそれでした」 未来が不透明な若者が、酒や疑似恋愛に溺れて刹那的に生きる。時には、安い金で体を売ったり、人をだましたり、犯罪にも手を染める。バカ騒ぎをして楽しそうに見えても、満たされない虚しさを抱える人々の一群。チェ氏が20代の頃に見た風景は、そんな日本社会の一面だった。 チェ氏自身、ホストやアルバイトばかりしていた頃は、経済的に苦しかったという。帰りの電車賃すらなく、駅で一夜を明かすことも珍しくなかったし、東京郊外の住まいまで、数時間かけて歩いて帰った日もあったという。そんな生活の中、格差や日本という環境、そして自分の人生について深く考えるようになる。お金も自信もなかったけれど、考える時間だけはたくさんありましたから――。そう、当時を振り返る。 「いま、そしてこれからの日本では、日本人でも在日コリアンでもあまり差がない。スタートラインはそれほど変わらない。そう思うようになりました。結局、持っているか、そうでないか。日本人の若者にだって、在日コリアンより苦労している人は多くいます。それに、在日同士だってお金がなくなれば離れていく。そんな現実の前では、日本社会にある差別という言葉は、あまり現実味がないような気がしていました」 ■在特会が主張するような“特権”なんてない ただ最近は、嫌でも耳に入ってくるニュースのせいで、差別という言葉についても、深く考えざるを得なくなったという。4杯目のビールが狭いテーブルに運ばれてきたときには、話題は在特会やヘイトスピーチに及んだ。 「僕は韓国とか朝鮮、それに在日コリアンを嫌いな層というのは、日本からは絶対にいなくならないと思います。それは、差別ではなくて自然なこと。どこの国にだって、そういう人はいますから。僕だって嫌いな人はいる。そういう人たちが、まったく発言できない社会だとしたら、それは民主主義ですらないと思います。ただ、在特会やヘイトスピーチは水準が低いし、やり方を間違ってきた」 チェ氏は、日本で生活していると在日コリアンであることに多々不便を感じるが、在特会が主張するような“特権”は、感じたことも、使ったこともないという。実際、経営者としてのチェ氏は、客観的に見ても、世界的に見て起業が少ないとされる日本社会で、同世代の平均的な日本の若者より多くの税金を納めている。 「百歩譲って、もし在日特権なるものがあるならば、在特会はそれを証明して、政治家になって、日本の国民の支持のもと、法律を作ってなくせばいい。でも、彼らはそういうことはしないし、できない。裏を返せば、『自分たちは日本人なのに差別されている』ということを叫び続けて、間違った努力しかしていないんです」 在日コリアンに“特権”がないにもかかわらず、在特会などに関わる人々が『差別されている』と感じ続けることは、自分たち自身の成長を阻害する“鎖”にしかならない。チェ氏がそういった意見を持つようになった背景には、くしくも、幼少期、また青年期の一部を過ごした在日コリアンコミュニティーでの生活がある。 「M・ナイト・シャマランの『ヴィレッジ』っていう映画を知っていますか? 映画の舞台は、外の世界と隔離された小さな村。村の大人たちは、外の世界との境にある森に怪物が出るといって、子どもたちを牧歌的な村に閉じ込め続けます。結局、森の怪物たちは村の大人だった。大人たちは、外の社会で差別を受けた人たちなのですが、その経験から、よかれと思って子どもたちを隔離していたのです。僕はあの映画を見た時に、自分がいた在日コリアンのコミュニティーと重なる部分が多いなと感じました」 映画の中で重要なのは「子どもたちは、生きるために外に出る必要があるということ」とチェ氏。ビールグラスの水滴を指でなぞりながら、話を続ける。 「僕らのおじいさん、おばあさんなど在日1世の時代、またある時期までは、確かに差別があったのかもしれない。しかし、それが現在もまったく同じかといえば、そうではないと思います。時代や人間は変わりますから。もし仮にまだ日本に差別があるとしても、それは自分の頭や体で経験すべき。そういう実態と離れた場所で『差別されている意識』だけが膨らむと、人間は歪んでしまうと思います。現に在日コリアンの中には、日本社会と接点がないのに『差別されている』と言ったり、拒絶反応を示す人もいます。説得力が、まったくないですよね。そういう人たちには、日本の友人もいません。結局、自分たちの中でだけ通じる理屈をつくって、内側に閉じこもっているんです。立場は違いますが、在特会にも同じような空気を感じる。なんて言ったかな……、そうそう、“自己植民地化”ってやつです」 チェ氏は、自信もお金も、頼れる人もいなかった20代の頃に読んだ村上春樹氏の小説『ノルウェイの森』の一文を、今でも反芻するという。 <自分に同情するな。自分に同情するのは下劣な人間のやることだ――> 本当に差別があるかどうかは、自分の外に飛び出さなければわからない。そして、そこで自分にとって不都合があるならば、戦って勝ち取るべきだ。「差別されている」という意識は、自分を甘やかして殻に閉じ込めてしまう甘い罠にもなる。それが、彼が「差別を言い訳にしたら“負け”」と話す理由だ。 「僕は、在日1世を尊敬しています。それは、差別されていたからではなくて、差別に負けなかったから。言い換えれば、前向きに戦って生きてきたということです。日本の若者だって生きにくい時代、じゃあ、僕はどう生きるか。これからの日本では、差別を言い訳にしないで生きていく方がかっこいい。そうやって前向きに生きている在日コリアンの若者は、意外に少なくないと思いますよ。もちろん、そういう日本の若者もたくさんいるはずです」 (取材・文・写真=河鐘基)
ホルマリン漬けの死体が忽然と消えた? 韓国“ハンセン病の島”の残酷な歴史
韓国・全羅南道(チョルラナムド)にある島・小鹿島(ソロット)。小鹿のような形をしていることから、そう名付けられた島には、1990年代中盤まで、思わず目を覆いたくなるような残酷な歴史の痕跡が残っていたという。韓国のテレビ局・SBSは、島民などに聞き込み取材を敢行。その惨劇の全貌が明らかになった。 現在、小鹿島の中央には車では近づくことができない「制限区域」があるのだが、その区域内に、木々に囲まれた、赤いレンガ造りの施設がひっそりと佇んでいる。施設内部には、手術台といくつかの棚、またボロボロになった担架が残っている。一見、廃病院のようにも見えるが、島民によれば、この施設は実際に「人間を解剖するために使われていた」という。同施設をめぐっては、島に古くから住む島民たちから、次のような証言も飛び出している。 「ホルマリン漬けにされた人の臓器が、棚いっぱいに並んでいた」 「生首が置いてあった」 「髪の生えた胎児の死体が、10体以上瓶に詰められ、放置されていた」 「(島の)村で誰かが死ぬと、そこに死体が運ばれていった」 「死体は、大きな釜でゆでられることもあった」 なお、島民の証言には共通点がある。それら人間の死体や臓器の入った瓶が、「20年ほど前に忽然と姿を消した」というのだ。どこの国にもある、都市伝説かと思いきや、そうではない。なんと、このウワサの証拠を握る男性が現れたのである。男性は過去にその赤レンガの施設に忍び込み、内部の様子をカメラに収めていた。 「小さい頃からその施設の存在を知っていましたが、大人になって事の重大さに気づき、写真に残そうと考えました。撮影後、瓶を開けて、(慰霊のために)胎児の死体をなでました。私には、それくらいしか、彼らにしてあげられることがなかったので……」(男性) 男性の証言によると、14の瓶の中には、胎児が積み重なるように詰め込まれたものもあったという。「何かの研究目的だったとしても、もっとしっかりと保存するはず。それなのに、無造作に突っ込むような形で保存されていました」(同)。 その後の調べで、この施設の設立理由が明らかになった。施設は、ハンセン病患者の手術を行ったり、死後には、その死体を解剖・研究する目的で使用されていたという。そもそも、小鹿島自体が、ハンセン病患者を隔離するための島だったのだ。 戦前、朝鮮半島が日本の植民地だった時代、朝鮮を統治するために朝鮮総督府という官庁が設置された。当時、朝鮮総督府は、ハンセン病が遺伝するという間違った事実を根拠に、ハンセン病患者の出産を禁止。患者に強制堕胎(女性)や断種手術(=不妊手術、男性)を行った。その後、ハンセン病が遺伝するということに科学的根拠がないとされたにもかかわらず、韓国政府の管理の下、同様の迫害が続けられていたという。 この島にいたハンセン病患者からは、「妊娠が発覚した後、注射を打たれ、死産した」「強制的に断種手術された」などという証言も得られている。 島民たちが見た数々のおぞましい光景は、迫害されたハンセン病患者たち、またその子どもたちの成れの果てだったということになる。なお、小鹿島だけでも、強制堕胎は1980年代の後半まで、断種手術は1992年まで続けられたという証言が残っている。 「瓶に入っていた胎児の死体は、ハンセン病患者たちに対して、“出産など考えるな”という警告だった」(1960年代に小鹿島で医療補助員として働いた男性の証言) それでも、監視の目をかいくぐり、ハンセン病患者の親の元に生まれた子どもたちがいた。当然、彼らは差別の中で生きていかなければならなかった。多くの子どもたちが、「ハンセン病2世」という烙印を押され、親と隔離され、海外に養子縁組されていったという。 韓国には、小鹿島以外にも全国6カ所にあった国立病院で、同様の迫害が行われたという資料が残っているという。また、手術に関わった医療関係者たちは「強制堕胎と断種手術は保健社会部(当時)、つまり政府の方針だった」とも明かしている。 2011年には、500名のハンセン病患者が、韓国政府に対して集団訴訟を起こした。しかし、政府側は「強制性を否定して、控訴を繰り返している状況」(SBSの番組)だそうだ。つい20年前まで繰り返されていた悲劇が白日の下にさらされ、被害者たちの名誉や尊厳が回復されることを祈るばかりだ。 (文=河鐘基)イメージ画像(足成より)
柳条湖事件記念日に中国人富豪が日本で“テロ”の呼びかけ ネット上では「ガス爆破させたら英雄」との声も
9月17日に発生した米・ニューヨーク市中心部での爆発事件では、アフガニスタン出身の男が容疑者として逮捕され、テロとの関連性について調べが進められている。この事件の前後には、ニュージャージー州でも爆発事件が発生。さらに、ミネソタ州のショッピングモールでは刃物を使用した襲撃事件も起きており、“911”から15年が経過したばかりのアメリカが、再び同時多発テロの脅威にさらされている。 同じ頃、日本に対しても“テロ”の呼びかけが行われていた。 9月18日、中国で不動産ビジネスを手がける富豪、郭斌(グオ・ビン)氏が、中国版Twitter「微博」で、「日本のホテルで、復讐のために、水を出しっぱなしにしてやったことがある」と犯行声明を発表。この日は、満州事変のきっかけとなった柳条湖事件から85年の節目で、それに合わせての投稿とみられる。さらに郭氏は「すっきりした。でもこの程度ではダメなんだ。みなさんも頑張って!」と、テロ行為への追従を呼びかけているのだ。 郭氏は投稿から1日足らずでこの書き込みを削除したが、それまでの間にネット上で大きな反響を呼んだ。 大多数は「ショボすぎる」「地球資源の無駄遣い」「キ◯ガイ」と、郭氏に批判的な反応だが、一部では「ホテルの部屋で、ガスを出しっぱなしにして爆発させたら英雄」「烈士求む!」などと、さらに過激なテロ行為を煽る声もある。 また、郭氏の妻で、シドニーから北京まで五輪に連続出場し、金メダルを量産した中国卓球元代表の王楠(ワン・ナン)氏も賛同の声を上げている。王氏は、中国超級リーグで福原愛とダブルスを組んだこともある。さらに、夫との結婚式では、福原が花嫁である王氏の介添え役を務めたほどであり、そんな彼女の夫への賛同は、いかにも中国人らしい。 しかし、日本とも関係の深い夫婦による日本への復讐を呼びかける書き込みは、中国人の心の内にくすぶる、複雑な反日感情の発露といえるのかもしれない。日本でのテロ行為を告白し、さらなる行動を呼びかけた郭斌氏(右)と、それに賛同の声を上げた王楠氏。
約10年にわたり、賃金未払い&障害者手当てを着服! 韓国社会にはびこる「障害者の奴隷化」
今年1月、障害や病気を患って居場所を失った10人の労働者をタコ部屋に監禁し、昼夜を問わない過酷な労働を強いた事業者が韓国警察に摘発された。この事件は、「障害者の奴隷化」として大きな注目を集めたが、最近になって、より悪質な事件が明らかになった。 9月12日、忠清北道清州(チュンチョンプクト・チョンジュ)の警察署は、3級知的障害者であるキムさん(42)を虐待したとして、60代の夫婦を逮捕した。 2006年、夫婦は近所に暮らすキムさんの父親(後に、がんで死去)から「息子の面倒を見てほしい」と頼まれ、自身が経営するタイヤ修理店にキムさんを従業員として迎え入れた。こうしてキムさんは、自宅から7キロほど離れた職場にある2坪ほどのコンテナに暮らし始め、パンク修理などの業務を担当するようになった。他界した父親からすれば、息子の就職に胸をなで下ろしたことだろう。しかし、キムさんの労働環境は、父親の想像を絶する、劣悪なものだった。 なんと夫婦は、06~16年までの約10年にわたって、キムさんにまともな賃金を与えず、毎月40万ウォン(約4万円)振り込まれるキムさんの障害者手当を着服。総額4,800万ウォン(約480万円)を生活費や遊興費に費やした。 さらに夫婦は、キムさんが「ウソをついて働かない」という理由で、「人間製造機」「ウソつき精神棒」とマジックで殴り書きした棒やツルハシ、鉄パイプなどで頻繁に暴力を振るっていたのだ。 今年8月4日、長年にわたって繰り広げられた理不尽な暴行は、近隣住民の通報によって、ようやく明るみになった。警察の取り調べに対して、夫婦は「殴ったことはあるが、棒などを使ったことはない」と事実を否認。警察は、暴行罪に加え、賃金未払い、障害者手当の横領など、さらなる余罪についても捜査している。 最近の韓国では、障害者を標的にした悪質な事件が多発していることもあり、ネット民の間では「社会的弱者に配慮しない我が国! 永遠の後進国だ」「この国は、上から下まで腐りきってしまった」などと、怒りの声が多く上がっている。 こうした問題が広くメディアに取り上げられることで、類似事件が少しでも減ることを祈るばかりだ。イメージ画像(Thinkstockより)











