中国から、またショッキングなニュースが飛び込んできた。広東省広州市に住む夫婦の間に生まれた新生児に、眼球がなかったというのだ。夫婦はわが子誕生の喜びをかみしめたのも束の間、泣き崩れて悲しみに明け暮れているという。 この新生児が生まれたのは、9月20日。ほかの新生児同様、出産直後は大声で泣き、両手両足をバタバタと動かしたという。生後は母乳を飲み、排便も正常で、すくすく育っていたという。しかし、まったく目を開けることがなかったため、心配した祖母がまぶたを手で開けてみたところ、眼球がなく、空洞になっていたというのだ。無眼球症と診断された新生児。一見しただけでは、異常は見当たらないが……
診察の結果、新生児は「無眼球症」だったことが判明。先天性のもので、遺伝子の突然変異によって起きるといわれている疾患だ。ある研究結果によれば、10万人に3人の割合で起き、アメリカでは年間約780人の新生児が、この疾患を抱えて誕生するという(英語版ウィキペディア「Anophthalmia」より)。出生前に判明することは少なく、今回の新生児も、妊婦健診や超音波検査の結果はすべて正常だった。 無眼球症の原因として指摘されているのは、妊娠中における風疹やトキソプラズマ、インフルエンザの感染、母体のビタミン欠乏症、X線被ばく、溶剤乱用、サリドマイドの服用など。だが、原因を正確に究明することは難しいという。 中国では、近隣諸国に比べて、先天性異常を持った新生児の出生率が高い。これは、急速な経済成長で、大気や水質汚染が進んだ結果だといわれている。 「2012年に中国衛生部が発表したデータでは、先天性異常を持った新生児の割合は1.53%で、1996年の0.87%から激増しています。これはかなり少なく見積もった結果で、欧米の研究者の間では『実際は2%近くまでいくのではないか』といわれています。中国人医師によると、環境汚染と生活スタイルの変化によるストレスで、中国人の卵子や精子の質が低下していることが最大の原因だそうです。また昨年、国家衛生与計画生育委員会が発表したデータによると、各地で設置が進む『赤ちゃんポスト』に預けられる新生児は年間10万人。そのうち、99%が先天性異常を持った子どもだそうです」(北京市に住む日本人大学講師) 十数年に及ぶ経済成長によって生じた、さまざまな弊害や歪みの是正に力を入れる習近平政権だが、先天性異常を持った新生児の減少に、歯止めをかけることはできるか――。 (取材・文=棟方笙子)まぶたを開いてみると、確かにに眼球がないように見える











