『日本アカデミー賞』も『レコ大』化の“出来レース”! 二宮和也が出た時点で大賞は決まっていた!?

nino0308
「もはやレコ大と並ぶ、2大デキレースといっても過言ではありませんね」  そう語るのは映画関係者だ。今月4日、都内で『第39回日本アカデミー賞』授賞式が開かれ、嵐の二宮和也が吉永小百合と共演した『母と暮せば』(山田洋次監督)で最優秀主演男優賞を受賞した。  同賞は昨年も同じジャニーズ事務所所属のV6・岡田准一が『永遠の0』で受賞しており、ジャニーズタレントによる2年連続最優秀主演男優賞受賞の快挙となった。  二宮は「嵐のメンバーも、見て喜んでくれていると思います。ジャニーさんはじめ、これまで迷惑をかけてきた人たちにも少しは恩返しができたと思います。今日はいい酒が飲めそうです」とコメント。会場にいた母親役の吉永小百合は受賞の瞬間、自分のことのように大喜びしていたという。  これに前出の映画関係者は「かねてから日本アカデミー賞は東宝や松竹といった大手映画会社の持ち回りと揶揄され、デキレースと言われてきた。そもそもジャニーズ事務所は長年、賞レースは選ばれても辞退するのは慣例になっていたが、ここ数年は『もらえるのならもらおう』という態勢にシフト。岡田さんや二宮さんは役者として売り出していますからね。裏を返せば、二宮さんが辞退しなかった時点で、最優秀主演男優賞は“当確”だった」と話す。  年末の『日本レコード大賞』の選考過程でも、アカデミー賞同様の光景が毎年繰り広げられているという。音楽関係者の証言。 「いつも『嵐が当日来てくれるなら、大賞をあげてもいい』という議論になります。最終的に出演は叶わないのですが、ギリギリまでTBSとジャニーズ事務所がやりとりしていますよ。本来、大賞は楽曲や1年の功績をもとに選出されるべきなのですが、ジャニーズに関しては『出てくれたら大賞あげるよ』というレベルにまでハードルが下げられています」  確かにジャニーズタレントはファンも多く、華がある。授賞式を中継するテレビ局にとっても、ジャニーズが出るのと出ないのとでは、大きな違いだ。  かといって、過剰なまでの特別扱いはいかがなものか。デキレース説が強まれば強まるほど、大賞の価値は低下していく。日本映画がこれ以上衰退しないことを祈るばかりだ。

吉永小百合『ふしぎな岬の物語』日本アカデミー賞主催者の“ゴリ押し”実らず無冠の裏事情

yoshinaga0304.jpg
 2月27日に都内で行われた、『第38回日本アカデミー賞』授賞式で、V6の岡田准一が主演・助演の2部門で最優秀賞を獲得。男性として同部門のW受賞は史上初の快挙となり、また、所属するジャニーズ事務所の長い歴史の中でも初受賞となった。  また、岡田が主演した『永遠の0』は作品、監督、編集など8部門で最優秀賞を受賞し、圧勝した。 「『永遠の0』は、おととし12月公開。日本アカデミー賞の受賞対象作品の公開期間は前々年12月初から前年11月末までの1年間に東京都内で公開された映画で、同作は最初から賞狙いで公開時期が設定された。授賞式前には北野武監督が、日本アカデミー賞について『大手映画会社の“持ち回り”』と批判し、アカデミーサイドは猛反発したが、同作は東宝の配給。どの部門も、最優秀賞候補となる優秀賞を受賞した作品はほとんど大手映画会社が占めており、相変わらず北野監督の発言に反論できない状況」(映画会社関係者)  『永遠の0』は主要13部門のうち11部門で優秀賞を受賞。そのうち8部門で最優秀賞を受賞したが、同作を上回る13部門で優秀賞を受賞していたのが、吉永小百合が主演し、初プロデュースを務めた『ふしぎな岬の物語』だった。 「内容は、これまでの小百合作品の中でも最もデキが悪く、ネット上のレビューなどではことごとく酷評されたが、なぜか、興行収入はヒットの目安となる10億円を突破。まさに不思議な事態になった。東映作品がここ数年何かしら受賞している『モントリオール世界映画祭』で審査員特別賞グランプリと、エキュメニカル審査員賞を受賞したが、その後、国内の映画賞ではことごとく無冠に終わっていた。日本アカデミー賞協会の岡田裕介会長は『ふしぎ~』を配給した東映の会長も務めるだけに、なんとしても日本アカデミー賞で賞を取らせたかったのでは」(映画ライター)  日本アカデミー賞では、同作の主演ではない阿部寛が優秀主演男優賞を、ほかのどの映画賞でもお呼びがかからなかった笑福亭鶴瓶が優秀助演男優賞、竹内結子が優秀助演女優賞をそれぞれ受賞。極めつきは、5作品・5人が優秀賞を受賞する各部門において、小百合が受賞した優秀主演女優賞のみ6人が受賞という不可解な選考となったが、結局だれも最優秀は獲得できず、無冠に終わってしまった。 「今年は無冠に終わったものの、小百合は今年12月公開の山田洋次監督作品で松竹120周年記念映画の『母と暮せば』に主演。嵐の二宮和也と親子役で初共演するなど話題性も高いだけに、受賞対象作品の上映期間を大手各社でうまく“調整”して、次回かその次の日本アカデミー賞では各賞を総ナメにしそう」(同)  次回作が絡む賞レースでは、小百合の礼賛記事が各メディアに躍ることになりそうだ。

北野武が痛烈批判した『日本アカデミー賞』会長の弁明に、映画界から“失笑”「投票権は2万円」

tonomanzai150116.jpg
 第38回日本アカデミー賞優秀賞発表会見で、事務局側から異例の弁明があった。昨年の東京国際映画祭で、北野武監督から「日本アカデミー賞最優秀賞は大抵、大手3~4社の持ち回り」と批判されたことに対し、東映会長でもある日本アカデミー協会・岡田裕介会長が開口一番「3,900人いる会員による投票で、マスコミ、批評家、ファンは入っていないが、映画人が公明正大に選んでいて一番クリーン。これほど厳正で公明正大な賞はない」と反論した。  アカデミー賞の出来レース説はファンの間でもささやかれるものだが、この反論には失笑する映画ライターもいた。 「投票者は映画業界の関係者で、むしろ評論家やファンが選ぶより“真っ黒”でしょう。配給会社の関係者や映画館の従業員などに会員の申込書が配られ、希望者が年間2万円ほどの会費を払って投票権を得るんですが、わざわざ金を払ってまで入る人は少ないです。私の知人は、その2万円を会社に支給され、特定作品の投票を頼まれたなんて話をしていたので、多少なりとも組織票はあると思います」  前回の授賞式の前、北野監督は受賞者を事前に言い当てている。「次は松竹の番」と言った通り、松竹からは『舟を編む』『東京家族』の2作品が優秀作品賞に選ばれ、前者は最優秀作品賞など6冠を獲得した。  過去10年の最優秀作の製作会社を見てみると、第29回が東宝、第30回がシネカノン、第31~32回が松竹、第33~34回が東宝、第35回が松竹、第36回がショウゲート、第37回が松竹となる。  連続して同じ社の作品が受賞していたりもして、このデータだけを見れば“持ち回り”には見えないが、大手の松竹と東宝の受賞数が圧倒的に多いのは見て取れる。前出の映画ライターによると「きちんと順番ってことはないでしょうが、大手から選ばれるのが慣例になっている」という。 「昨年は『そして父になる』が興行成績もよく、観客からも推す声が多かったのですが、06年にヘラクレス上場廃止になったギャガの配給とあって、ノミネートされても“最優秀”にはならない。『これが松竹作品だったら、間違いなく最優秀なのに』と見る人が多かったのが事実」(同)  同作はカンヌ国際映画祭では上映後、約10分間のスタンディングオベーションが起こり、審査員賞を受賞。興行収益30億円を突破した。これに比べ、受賞作の『舟を編む』は、興行収益が約8億円だった。  今年は優秀作品賞が、『永遠の0』『蜩の記』(東宝)、『紙の月』『小さいおうち』(松竹)、『ふしぎな岬の物語』(東映)となり、女優・吉永小百合が主演と共同プロデューサーを務めた『ふしぎな岬の物語』が最多13部門で受賞。最優秀賞作は2月27日の授賞式で決定する予定だ。 「“今年は○○が獲るらしい”という会社名が先に聞こえるのが通例で、今年は東映だといわれていますが、さすがにこの騒動で下馬評通りの票集めをするのかどうか。いずれにせよ、岡田会長はマスコミや批評家が入っていないことを公正だと言っていましたが、本当にきちんと選びたいなら、会費を払った人だけでなく、広く投票させればいいんです。もっとも、映画賞についてはほかでも、日本ブルーリボン賞は芸能事務所とどっぷりのスポーツ紙の映画記者が選んでいたり、どこも偏っているのが現状。これを一般投票にしたら、ジャニーズやAKB48出演の映画がトップに来そうですしね」(同)  食品の世界では金を払えば受賞できるモンドセレクションを日本企業がやたらとありがたがる傾向があったり、「権威に弱い日本人」といわれる。映画賞がもてはやされるのも、そういった風潮のせいかもしれない。 (文=ジャーナリスト・片岡亮)