オードリー若林が『ご本、出しときますね?』で引き出す、作家たちの素顔

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 小説家の生態とは、一体どのようなものなのだろうか?  普段なかなか接する機会が少ないため、よくわからない。それを解き明かしてくれるのが、オードリー・若林正恭が司会を務める『文筆系トークバラエティ ご本、出しときますね?』(BSジャパン)だ。  読書家で知られる若林は、私生活でも西加奈子や朝井リョウら小説家と交流があり、よく飲みにも行くという。話をすると、めちゃくちゃ面白い。内容も最先端なことばかり。そこで若林は、小説家を集めてトークする番組がやりたいと、『ゴッドタン』や『ウレロ』シリーズなどで知られるテレビ東京のプロデューサー・佐久間宣行に提案し、実現したのだ。  出演する小説家ゲストは、前述の西や朝井をはじめ、長嶋有、加藤千恵、村田沙耶香、平野啓一郎、山崎ナオコーラ、佐藤友哉、島本理生、藤沢周、羽田圭介、海猫沢めろん、白岩玄、中村航、中村文則、窪美澄、柴崎友香、角田光代といった面々。その多くが、テレビにはめったに出ない人たちだ。 「小説家」や「本」をテーマにすると、どうしても“堅い”番組になりがちだ。しかし、この番組は芸人である若林が聞き手のため、そうはならないで、常に笑いがあふれている。かといって、テレビバラエティにありがちな、わかりやすい笑いだけに走ったりもしない。それは、若林や作り手たちが小説家をリスペクトしているからだろう。  番組では、前半は視聴者や3人(ゲスト2人+若林)から募集したテーマを元にトーク、後半は「私のルール」と題して自分に課しているルールをそれぞれが語る、というのが基本構成。そして最後に、その日のトークに合わせたテーマで、オススメの本を紹介する。ここで重要なのは、若林は基本、聞き手ではあるが、絶妙なバランスで自分の話も挟むことだ。  例えば、売れない若手時代、アナーキーなことをやるのがカッコいいと思っていたが、そんな時代を脱したきっかけになった先輩芸人の一言だとか、もともと自分のモチベーションは「怒り」だが、最近それがなくなって戸惑っているなどという話をする。  すると、ゲストもどんどん話しやすくなっていく。ゲストは小説家だ。決して、トークに慣れているわけではない。「さあ、話して」と言われても、戸惑ってしまうだろう。けれど、若林が自らを積極的に開いていくことで、ゲストも饒舌になっていくのだ。  だから、小説家それぞれの魅力的なキャラクターがあらわになっていく。角田光代が実は「ボクシング歴16年」だという意外な話や、「『Qさま!!』(テレビ朝日系)のオファーめっちゃくる!」「(断っても)なかなかあきらめない」というような、西・朝井の裏話なども飛び出す。  中でもすごかったのは、先ごろも芥川賞候補に選出された村田沙耶香だ。小説家仲間から「クレイジー」と評される彼女は、ウワサ以上にクレイジーだった。 「私のルール」のコーナーで、彼女は「自分に湧き上がった感情、特に負の感情は頭の中で分析し、原形がなくなるまで研究して遊ぶ」というルールを発表した。  学生時代、女生徒たちに嫌われていたセクハラ教師がいたという。確かに、自分の体をぎゅうぎゅうと押し付けてきたりする。当然、嫌悪感が押し寄せてきた。だが、村田は、そこで「本当にこれは正しい嫌悪感なんだろうか?」と立ち止まった。周りのみんながその教師のことを嫌い、セクハラだと言っているから惑わされているだけではないか、と。そんなことを分析しているうちに、嫌悪感がいつの間にかなくなってしまったというのだ。  また、村田は作家だけで生活できるようになっても、週3ペースでコンビニのバイトを続けている。  そこで「ちょっと、こっちこっち」と客に呼ばれ、「なんでしょう?」と近寄ると突然、ギュッと抱きつかれた。事件である。  だが、村田は「気がつかないふりをしよう」と思った。気づいたら「セクハラっぽい雰囲気になっちゃうから」と。いや、「セクハラっぽい」というより、「強制わいせつ」である。さらに、おにぎりを陳列している際、別の客に急に足首をつかまれた。また気づかないふりをしていたら、ほかのお客さんが飛んできて「お前何やってるんだ!」と騒ぎになった。それを「セクハラみたいになっちゃった」とあっけらかんと言うのだ。まさにクレイジー。  よく小説は小説として独立して読みたいから、作家の人となりは知りたくないという人もいる。もちろん、それは読み手の態度のひとつだ。だが、作家の人となりを知ることで作品が立体的に見えたり、それを手にするきっかけになることは少なくない。事実、若林の下には「出版業界のために(なる番組を)ありがとう」という声が届くという。  だが、若林は出版業界のためにやっているわけではない。「俺が楽しくてやってる」と言うのだ。  聞き手が楽しんでいるから、自ずとしゃべる方も楽しくなる。すると、それを見ている視聴者も楽しい。 「俺、とてもじゃないけど、(テレビで)本音言ったら仕事全部なくなっちゃう」と、“本音”をさらけ出す若林に作家たちは共感して、素顔を見せてくれる。 「未知の世界を知ることのはものすごい喜び」と村田は語っているが、まさにこの番組はそんな未知の世界を教えてくれるのだ。  残念ながら、今週(6月24日)放送される回で第1シーズン最終回を迎えるが、まだまだ魅力的な作家が数多くいる。  若林のライフワークになってほしい番組だ。 (文=てれびのスキマ http://d.hatena.ne.jp/LittleBoy/「テレビ裏ガイド」過去記事はこちらから

『IPPON』で本人が太鼓判も……KinKi Kids・堂本剛“松本人志を丸パクリ”の黒歴史

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 人気芸人たちが大喜利で競う『IPPONグランプリ』(フジテレビ系)の第15回大会が6月11日に放送され、オードリーの若林正恭が優勝した。若林は2010年放送の第2回大会で決勝に進むも、バナナマンの設楽統に敗れており、悲願の初優勝となった。  番組には、観覧ゲストとしてKinKi Kidsの堂本剛が、ローラ、大地真央とともに出演。番組の途中では「写真で一言」コーナーにも挑戦し、笑いを誘う場面もあった。  過去をさかのぼれば、堂本は松本人志のキャラをパクっていた時代がある。 「時代でいうと、90年代の後半でしょうか。少しヒネた視点からのツッコミや、共演者への突き放したような態度など、当時の松本の姿をそのまま模倣していた時期がありましたね。その姿は、ナインティナインの深夜ラジオなどでネタにされていました」(放送作家)  当時、一般人の中にも松本の笑いの影響を受けた人間は無数にいた。十代後半の堂本が、若気の至りで松本に憧れるあまり、同じことをしてしまう気持ちはわからなくもない。 「当時は今よりも、ジャニーズタレントのバラエティ出演はありませんでした。『SMAP×SMAP』(フジテレビ系、以下同)が96年に始まり、同年にKinKi Kidsも音楽バラエティ番組『LOVE LOVE あいしてる』を始めます。ゲストミュージシャンとの笑いを交えたトークコーナーは『HEY!HEY!HEY! MUSIC CHAMP』のコンセプトに類似したものでした。その分、堂本と松本の振る舞いが比較されてしまったのでしょう。彼は現在『一人ごっつ』を彷彿とさせる一人大喜利イベントもやっていますし、好意的に見れば、松本人志フォロワーの一人といえるかもしれません」(同)  堂本剛は『IPPONグランプリ』においても、松本から「剛は(大喜利が)できるよ」と呼びかけられており、両者の関係は良好なようだ。今後は出場者として、芸人と肩を並べる姿も見られるかもしれない!? (文=平田宏利)

オードリー若林の強力後押しで、ベッキー『パイセンTV』復活の目は?「局内には慎重論も……」

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 不倫騒動の休業から復帰したベッキーだが、日曜の深夜番組『人生のパイセンTV』(フジテレビ系)への出演調整で揺れ動いている。関係者によると、当初は5月末に出演再開の話があったが、最悪の場合、このまま降板の可能性もあるというのだ。 「復帰を後押ししていたのが、ほかでもないMCのオードリー若林(正恭)さんだったんですよ。プロデューサーとも『こうやれば、批判を浴びずにうまくやれる』と、自ら案を出していたんです」(同)  しかし、多くのレギュラー番組があった中で、ベッキーが『中居正広の金曜日のスマイルたちへ』(TBS系)への出演のみ先行させてしまったことで、フジ側の態度は硬化。同局の亀山千広社長は27日、都内の定例会見でベッキーの復帰について「まだ何も決まっていません」と冷たく言い放った。不倫ゴシップで勝手に休業された挙げ句、根回しもなく他局に高い視聴率を持っていかれたのは、かなり面白くなさそうだった。  ただ、「若林のベッキー推しが功を奏す可能性は残っている」と関係者は言う。何しろ、若林はベッキーと親しい。ベッキーが休業中、ほかの芸人、宮川大輔や、ハリセンボン・近藤春菜らが謝罪の手紙を受け取った中で、若林だけは「僕には来てない」と語っていたが、これも関係者に言わせると「電話で話し込んでいる間柄だから、当たり前だ」という。  実際、若林は3月、番組で代役を務めた相方の春日俊彰よりも「ベッキーのほうがスタッフの評判もいい。早く帰ってきてほしい」と、マスコミの前で公言。一方で事前に「ベッキーの不倫に関する質問は一切受け付けない」としていたほどの念の入れようだった。4月になると、共演のウエンツ瑛士から、ベッキーをホメさせるような話を引き出すなどしていた。 「若林さんは、復帰した際のやりとり案を、ベッキー本人と相談し続けていたらしいですからね。ベッキー相手だと番組がやりやすいってのは本音らしく、年収200万円以下だがフェラーリに乗る男とか、変わった素人イジリする場合、芸人だけだとキツいツッコミに終始しそうなところ、ベッキーが明るいコメントでフォローしてくれるんです。ベッキーが戻りやすいようにするアイデアをいくつも提案しているので、その熱意はSMAP中居クンより上では」(同)  一部週刊誌では過去に「芸能界を揺るがす大物カップル」として、ベッキーと若林が恋人関係にあるという記事が掲載されたことがある。ベッキーは2008年、ある番組内で若林を「好みのタイプ」と話したこともあり、そういったウワサが出たようだ。もっとも「2人は、付き合ってはいません」とフジ関係者。 「ベッキーの元カレは、川谷絵音と付き合う前、別のミュージシャンだったことが業界内でも知られていますし、そのミュージシャンと若林は友人関係ですから」(同)  ベッキーの過去の恋愛もよく知っているほど近い間柄の若林の後押しとなれば、確かにこれが復帰の決め手となってもおかしくはない。 「でも、局内には、まだまだベッキーの起用に難色を示す人も多いのは確かです。いまウチは低視聴率で窮地に立たされていて、視聴者の心境を逆なでするようなことは避けたいという局員もいます。若林さん個人がよくても、番組としてはベッキーの強引な復帰で反感を持たれたくない。CMスポンサーとの兼ね合いもあり、慎重論が出ています。一番の問題は『金スマ』出演で、ウチがないがしろにされたことなのですけど……」(同)  一度は立ち消えになったといわれる『人生のパイセンTV』での復帰話。フジテレビ広報に聞いたところでは「個々の番組のキャスティング予定については、お答えできません」とのことだった。 (文=ハイセーヤスダ/NEWSIDER Tokyo)

オードリーがやらかした! 昼の情報番組『ヒルナンデス!』の向こう側

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 オードリーが、やってしまった。『ヒルナンデス!』(日本テレビ系)の終盤、スタジオでは視聴者プレゼント用に家具メーカーから提供された椅子が、オードリーの2人によって紹介されていた。その椅子は30年以上売れ続けているロングセラー商品で、おしゃれなデザインが人気。何より、630万回以上のテストをクリアした、耐久性に優れたアームチェアだという。  そこでオードリーは、果たして本当に壊れないか試してみることに。春日俊彰がその椅子に体重を預けるように飛び跳ね始めると、若林正恭も悪ノリ。全体重が椅子にかかるように春日の肩を押さえつけ、さらに負荷をかけた。春日が体を揺らすこと6~7回。「バキッ!」という大きな音とともに椅子が壊れ、春日が倒れ込んでしまったのだ。  スタジオには悲鳴上がる。カメラは慌てて司会の南原清隆らがいるほうに向けられるが、一同唖然。わずかな間の後、すかさず水卜麻美アナが頭を下げ、フォローした。 「大変申し訳ありません。使い方は正しく守ってください」  若林が青ざめながら「壊れましたぁ」と言うと、たまらず小島瑠璃子が身をくねらせて爆笑、南原はやや顔をひきつらせながら笑った。CMが明けてもスタジオは「やってしまった」という、ある種、異様な雰囲気。「謝ってくださいよ」と南原が春日に振ると、普段よりややかしこまった様子の春日が言う。 「普通あんな使い方しないですからね。バカヤロウですよ、わたしはね!」  そして、若林は「でも……よく見たら、壊れてなかったですよ」と、とぼけてみせた。メーカーのご厚意で提供されたものを壊してしまうという大失態。おそらくオードリーは大目玉を食らうことになっただろう。  だが、視聴者からすると、めったに見られない生放送ならではのハプニングに胸が躍る面白さだった。どこか、80~90年代にとんねるずなどのイケイケの芸人たちが、「やってはいけないこと」を無視して暴走し、胸をときめかせてくれたことを思い出した。  実は、オードリーがメチャクチャやっているのは、何も今回に限ったことではない。『ヒルナンデス!』水曜日の人気コーナー「ドケチ隊が行く!激安店ツアー」では、毎回ハチャメチャだ。特に若林の自由で悪ふざけあふれる進行は、目を見張るものがある。それに呼応して、春日もやりたい放題。ふざけまくりなのだ。このコーナーはそのタイトル通り、激安店に行き、ドケチなメンバー(=ドケチ隊)が、いかにお得な買い物ができるかを競うというもの。メンバーは春日のほか、松本明子や重盛さと美。そのほか、ゲストが加わるときもある。  そこで、オードリー同様、いや、それ以上にはじけているのが松本明子だ。松本といえば、やはり若林司会の『しくじり先生 俺みたいになるな!!』(テレビ朝日系)で「自己中で大問題ばかり起こしちゃった先生」として登壇し、「寮では全裸で生活していた」「よかれと思って、放送禁止用語を連呼した」「先輩の衣装をフリマで売った」「寝ている息子を密かに舐めた」などヤバいエピソードを語り、大きな話題になったばかり。だが、松本のヤバさは、すでにこのコーナーで早くから見せつけていた。  たとえば、「ドケチ」ゆえ、下着もギリギリまで買い替えないという松本は、若干破れても使うと言いだす。さすがにそんなわけないと若林らが疑うと、今日も破れたブラジャーだと言い、若林を奥に連れて行き、実際にそれを見せるのだ。若林は、あまりのことに身をくねらせて爆笑。その横に、さも当たり前のような表情で立つ松本。毎回のようにそんなわけのわからないノリの、全編コントのような展開が続くのだ。  恒例といえば、松本の「全力モノマネ」もすごい。毎回、「ドケチ隊」にモノマネを披露させ、合格なら試食などができるという流れがある。通常であれば、ここでオチ要員に使われるのは春日だ。だが、「ドケチ隊」では違う。意外と芸達者な重盛が割とちゃんとしたモノマネで「合格」すると、今度は春日。微妙なモノマネでスタジオが苦笑する中、ギリギリ「合格」。そして、最後に披露するのが松本だ。彼女はエド・はるみや永野、ですよ。、鳥居みゆき、天津木村といった抜群の人選の芸人たちのネタを全力で完全コピーするのだ。見たことがない人は、それがどれくらいのものかわからないかもしれないが、軽く見積もっても、その想像の倍以上の全力さだ。長きにわたってバラエティ界に生き続ける底力を見せつけるその全力さは、まさに圧巻。すごみすら感じさせる。だが、若林は食い気味に判定する。 「不合格!」  とにかく、このコーナーずっとハチャメチャだ。  いま、お笑い系の番組は、深夜を除けばほとんど見ることができない。特にお昼となれば、情報系番組ばかりだ。だからよく「お笑い芸人が本領発揮できる場所がない」などと言われる。だが、実はそんなこともないというのは、この「ドケチ隊」を見ればよくわかる。情報系番組は裏を返せば、しっかり情報さえ伝えれば、あとはある程度、自由が許されるもの。その制約の中で、いかに全力でふざけられるか。そこが芸人の腕の見せどころだ。冒頭のハプニングが単に「やらかした」というものではなく、心底笑えるのは、ルールの中で全力でふざけているからだ。    最初からノールールでやりたい放題では面白くない。そのルールを全力ゆえに思わず踏み出してしまったから面白い。情報番組の“向こう側”には、お笑い芸人にとっての金脈が眠っているのだ。 (文=てれびのスキマ <http://d.hatena.ne.jp/LittleBoy/>) 「テレビ裏ガイド」過去記事はこちらから

オードリーがやらかした! 昼の情報番組『ヒルナンデス!』の向こう側

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 オードリーが、やってしまった。『ヒルナンデス!』(日本テレビ系)の終盤、スタジオでは視聴者プレゼント用に家具メーカーから提供された椅子が、オードリーの2人によって紹介されていた。その椅子は30年以上売れ続けているロングセラー商品で、おしゃれなデザインが人気。何より、630万回以上のテストをクリアした、耐久性に優れたアームチェアだという。  そこでオードリーは、果たして本当に壊れないか試してみることに。春日俊彰がその椅子に体重を預けるように飛び跳ね始めると、若林正恭も悪ノリ。全体重が椅子にかかるように春日の肩を押さえつけ、さらに負荷をかけた。春日が体を揺らすこと6~7回。「バキッ!」という大きな音とともに椅子が壊れ、春日が倒れ込んでしまったのだ。  スタジオには悲鳴上がる。カメラは慌てて司会の南原清隆らがいるほうに向けられるが、一同唖然。わずかな間の後、すかさず水卜麻美アナが頭を下げ、フォローした。 「大変申し訳ありません。使い方は正しく守ってください」  若林が青ざめながら「壊れましたぁ」と言うと、たまらず小島瑠璃子が身をくねらせて爆笑、南原はやや顔をひきつらせながら笑った。CMが明けてもスタジオは「やってしまった」という、ある種、異様な雰囲気。「謝ってくださいよ」と南原が春日に振ると、普段よりややかしこまった様子の春日が言う。 「普通あんな使い方しないですからね。バカヤロウですよ、わたしはね!」  そして、若林は「でも……よく見たら、壊れてなかったですよ」と、とぼけてみせた。メーカーのご厚意で提供されたものを壊してしまうという大失態。おそらくオードリーは大目玉を食らうことになっただろう。  だが、視聴者からすると、めったに見られない生放送ならではのハプニングに胸が躍る面白さだった。どこか、80~90年代にとんねるずなどのイケイケの芸人たちが、「やってはいけないこと」を無視して暴走し、胸をときめかせてくれたことを思い出した。  実は、オードリーがメチャクチャやっているのは、何も今回に限ったことではない。『ヒルナンデス!』水曜日の人気コーナー「ドケチ隊が行く!激安店ツアー」では、毎回ハチャメチャだ。特に若林の自由で悪ふざけあふれる進行は、目を見張るものがある。それに呼応して、春日もやりたい放題。ふざけまくりなのだ。このコーナーはそのタイトル通り、激安店に行き、ドケチなメンバー(=ドケチ隊)が、いかにお得な買い物ができるかを競うというもの。メンバーは春日のほか、松本明子や重盛さと美。そのほか、ゲストが加わるときもある。  そこで、オードリー同様、いや、それ以上にはじけているのが松本明子だ。松本といえば、やはり若林司会の『しくじり先生 俺みたいになるな!!』(テレビ朝日系)で「自己中で大問題ばかり起こしちゃった先生」として登壇し、「寮では全裸で生活していた」「よかれと思って、放送禁止用語を連呼した」「先輩の衣装をフリマで売った」「寝ている息子を密かに舐めた」などヤバいエピソードを語り、大きな話題になったばかり。だが、松本のヤバさは、すでにこのコーナーで早くから見せつけていた。  たとえば、「ドケチ」ゆえ、下着もギリギリまで買い替えないという松本は、若干破れても使うと言いだす。さすがにそんなわけないと若林らが疑うと、今日も破れたブラジャーだと言い、若林を奥に連れて行き、実際にそれを見せるのだ。若林は、あまりのことに身をくねらせて爆笑。その横に、さも当たり前のような表情で立つ松本。毎回のようにそんなわけのわからないノリの、全編コントのような展開が続くのだ。  恒例といえば、松本の「全力モノマネ」もすごい。毎回、「ドケチ隊」にモノマネを披露させ、合格なら試食などができるという流れがある。通常であれば、ここでオチ要員に使われるのは春日だ。だが、「ドケチ隊」では違う。意外と芸達者な重盛が割とちゃんとしたモノマネで「合格」すると、今度は春日。微妙なモノマネでスタジオが苦笑する中、ギリギリ「合格」。そして、最後に披露するのが松本だ。彼女はエド・はるみや永野、ですよ。、鳥居みゆき、天津木村といった抜群の人選の芸人たちのネタを全力で完全コピーするのだ。見たことがない人は、それがどれくらいのものかわからないかもしれないが、軽く見積もっても、その想像の倍以上の全力さだ。長きにわたってバラエティ界に生き続ける底力を見せつけるその全力さは、まさに圧巻。すごみすら感じさせる。だが、若林は食い気味に判定する。 「不合格!」  とにかく、このコーナーずっとハチャメチャだ。  いま、お笑い系の番組は、深夜を除けばほとんど見ることができない。特にお昼となれば、情報系番組ばかりだ。だからよく「お笑い芸人が本領発揮できる場所がない」などと言われる。だが、実はそんなこともないというのは、この「ドケチ隊」を見ればよくわかる。情報系番組は裏を返せば、しっかり情報さえ伝えれば、あとはある程度、自由が許されるもの。その制約の中で、いかに全力でふざけられるか。そこが芸人の腕の見せどころだ。冒頭のハプニングが単に「やらかした」というものではなく、心底笑えるのは、ルールの中で全力でふざけているからだ。    最初からノールールでやりたい放題では面白くない。そのルールを全力ゆえに思わず踏み出してしまったから面白い。情報番組の“向こう側”には、お笑い芸人にとっての金脈が眠っているのだ。 (文=てれびのスキマ <http://d.hatena.ne.jp/LittleBoy/>) 「テレビ裏ガイド」過去記事はこちらから

「1人のバカが変えていく」『人生のパイセンTV』が壊す、窮屈で退屈でマンネリなテレビ

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『人生のパイセンTV』フジテレビ
「ついに若林さんが覚醒しました!」  オードリーの若林正恭が荒々しいラップを歌い終わると、ベッキーがそう叫んだ。会場には、割れんばかりの「若様」コールが鳴り響いた。  そこは「PAISEN FESTIVAL マジリスペクト 2016」と名付けられた“音楽フェス”の会場。『ヨルタモリ』(フジテレビ系)の後番組として、昨年10月からレギュラー放送を開始した『人生のパイセンTV』で行われたフェスである。番組の総合演出を務める「マイアミ・ケータ」こと萩原啓太の「夢だった」ということから、番組開始わずか3カ月で実現した。  だが、実はこのフェス、開催することを上層部に報告していなかったため、大目玉を食らったという。しかも、急いでセットを組んだため、大赤字。にもかかわらず、通常回、わずか24分のオンエア。バカだ。  この番組は、人から「バカ」だと言われても信念を貫き、人生を謳歌する大人たちを「パイセン」と呼び、リスペクトする番組だ。これまでも年商10億円を超える社長でありながら365日短パンをはき続けるパイセンだとか、EXILEに憧れすぎているリーマンパイセンだとか、万物をトンガらせるヒーローのパイセンだとか、市議会議員からタレントに転身しちゃったパイセンだとかを紹介し、番組内“スター”を発掘してきた。  番組の最大の特徴は、その紹介VTRが、とにかくチャラいことだ。画面いっぱいに広がるカラフルなテロップに、騒がしくまくし立てるナレーション、けたたましく響く効果音とBGM。チャラい人をチャラい人がチャラい演出で撮り、迫ってくるのだ。最初こそ、そのチャラさに拒否反応を起こしていても、見ているうちに楽しくなってクセになってしまう。そんな中毒性があるVTRだ。  その上で、番組MCの若林やベッキーからも「2部構成」とイジられるように、VTR後半は一転し、自分がチャラくなった理由や思いが静かに真面目に語られる。チャラさを笑っていたら、時にうっかり感動させられてしまったりさえする。VTRを見終わった後、なんだか味わったことのない、新しい心地よさがあるのだ。それは「バカ」をバカにしていないからだろう。  2015年の好不調を頭の中でグラフにした時に、このレギュラー番組が始まった10月からクイッと上向いたことを告白し、 「私、ホントにこの番組と出会えて幸せ!」 と、は思わず口にしたベッキー。2人は、このグラフのクイッと上向いた部分を“パイセン坂”と命名し、若林も少し照れながら同意して言う。 「俺も悔しいよ。俺もパイセン坂あんだよ。パイセン坂を上がることで、ほかの仕事も良くなるみたいな。たぶん、人生のピークだったと思う、2015年は」  かつて卑屈で、何に対してもナナメ目線だった若林が、この番組では心から楽しんでいる。 「ホントに俺、ずっと人生つまんなかったんだけど、めっちゃ楽しかったもん、2015。全部の仕事楽しくって!」  ベッキーに至っては、この番組の収録がある日に予定を聞かれ、「オフ」だと無意識に答えてしまったこともあるという。「仕事」だという感覚がなかったのだ。若林もまた、「高速に乗る時の(浮かれた)気持ちが、『パイセン』(の収録へ)行く時とゴルフ行く時は一緒」だと笑う。いい意味で「遊び場」感覚なのだ。  かつてフジテレビの名プロデューサー・横澤彪は『オレたちひょうきん族』を作る際、「スタジオは遊び場だ」と宣言した。それによってアドリブが飛び交い、本来NGになるようなハプニングを笑いに変え、躍動感あふれるイキイキとした番組になった。その精神こそ、“フジテレビ的”なものだ。弱冠29歳の萩原啓太にも、その血は確実に受け継がれている。マイアミ・ケータを名乗り、積極的に画面に登場するのも、その表れだろう。 「人はバカになれた時、人生が楽しくなる。バカになれた時、人生が豊かになる。バカになれた時、人生が切り開ける」  そう『パイセンTV』は言う。どんな苦難があってもすべてを吹き飛ばし、明日から全力で笑うためにバカになるのだ。こんなバカなテレビがあったっていい。 「1人のバカが変えていくんですね」  若林は、本当に実現した「パイセンフェス」を眺めて言った。「パイセンフェス」の最後は、この日のために作られた「三代目パイセンオールスターズ」が歌うオリジナル曲「P.A.I.S.E.N.」で締められた。その中で若林が「窮屈で退屈でマンネリな日々ぶち壊すパイセンTV♪」とラップを披露し、盛り上がりがピークに達した後、一番オイシイところで登場し、サビを歌い上げたのがマイアミ・ケータだった。 「テレビは、あなたの思い出作りの場所じゃないんですよ!」  若林は幸せそうにツッコんだ。 (文=てれびのスキマ <http://d.hatena.ne.jp/LittleBoy/>) 「テレビ裏ガイド」過去記事はこちらから

南キャン山里パニック! フジ『ミレニアムズ』の“卑屈疲れ”と“ナナメ”の夜明け

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『ミレニアムズ』フジテレビ
「これをやっちゃったらこの番組、コンセプト大丈夫?」  南海キャンディーズ山里亮太は、慌てふためいて叫んだ。  『ミレニアムズ』(フジテレビ系)の人気コーナー「カスママ」に訪れた、ゲストの柳原可奈子とのやりとりの一幕だ。  『ミレニアムズ』は2014年10月から始まった番組。オードリー、ウーマンラッシュアワー、ナイツ、流れ星、山里という、2000年デビューのお笑い界の精鋭たちを集めたユニット番組だ。  フジテレビのユニット番組といえば、『オレたちひょうきん族』までさかのぼる。以降、ダウンタウンやウッチャンナンチャンを輩出した『夢で逢えたら』、後の『めちゃ×2イケてるッ!』へとつながる『とぶくすり』、キングコング、ロバート、インパルス、ドランクドラゴンらの『はねるのトびら』、ピース、ハライチ、平成ノブシコブシなどの『ピカルの定理』と伝統は受け継がれてきた。『ミレニアムズ』も、この流れに続く番組だ。これらのほとんどは若手芸人の登竜門的番組だったが、『ミレニアムズ』のメンバーの多くは、すでに他番組などで実績のある、いわば“できあがった”芸人たち。だからこの番組では、これまで彼らが築き上げてきたキャラクターを生かしたコーナーが多い。それは『ミレニアムズ』の見やすさという長所でもあるが、既視感という短所もはらんでいる。  特に番組で強調されているのは、彼らの「卑屈」キャラだ。彼らは、上が詰まっているテレビ界の状況も相まって、“売れる”まで時間がかかっている。だから、妬み、嫉み、ひがみを募らせてきた。中でも、山里、オードリー若林正恭、ウーマンラッシュアワー村本大輔はその筆頭である。前述の山里がパニックを起こしたコーナーは、そんな3人がそれぞれ、にゃんちゅう(山里)、なべこ(若林)、オーサワ(村本)という番組ADの“3人娘”に扮し、行きつけのゲイバーを訪れるというコーナー。ホスト(ホステス)役のカスママに扮しているのは、「卑屈」とは対極にいるオードリー春日俊彰だ。  1月31日の放送で、カスママの店に訪れたゲストは柳原可奈子だった。柳原といえば、人間観察を通じたナナメ目線のコントを得意とする女芸人。いわば、山里たちと近いタイプと目される芸人だ。だが、柳原はカスママを前に正直な心境を吐露する。 「『柳原さん、もっとナナメの目線ください。もっと意地悪な目線ください』みたいな。……疲れちゃった(笑)」  「これは結構な爆弾だぞ!」「相撲取りがこれ以上太りたくないですって言ってるのと同じだよ」とおののく3人娘たち。すると、柳原は矛先を『ミレニアムズ』に急転換させる。 「あの番組のメンバーって、『卑屈』みたいな感じで言われてるじゃないですか。(略)そんな毎日毎日、卑屈なわけじゃないと思うんですよ。すごく、“あ、空が綺麗だな”って思う日もあると思うし、たくさんの人と楽しく飲みに行く日もきっとあると思うんですよ」  「そうそう」とうなずく若林、あたふたしたリアクションをとる山里、固まる村本。 「だけど、そういうふうに卑屈ばっかり求められて、絶対あいつら“卑屈疲れ”してると思うんですよ(笑)」  この柳原の発言に対し、春日は「アハハハハ!」と大笑い。そして3人娘は、三者三様のリアクションを見せる。山里は「ダメだよ、この船に乗ったら『ミレニアムズ』は終わるかもしれない。この船に乗っちゃダメ!」と大慌て。村本は「今、その船、涙で水没しそうになってる」と俯瞰してつぶやく。若林は「一回、船、ぶっ壊してみようよ」と不敵に笑う。  彼らが卑屈であることは間違いない。だが、番組としてパッケージにされたとき、「卑屈キャラ」という窮屈なものに変わってしまう。たとえば「ハロウィン」は、卑屈に生きる人にとっては格好の攻撃対象だ。だが、「ハロウィン仮装する人をイジっちゃうってことが、ナナメ側からしたら王道過ぎる」と若林が言うように、ハロウィンをことさら攻撃する人に違和感を抱くのもまたナナメ目線で生きる人にとっては必然だ。いまや若林は「卑屈キャラ」を演じる自分たちにも、ナナメの目線を向けてしまうのだろう。  だから、かたくなに「卑屈」キャラを守る山里に、若林は言う。 「まだそこなんだ?」 と。それに対し、山里は「本人先頭走ってると思ったら、周回遅れだったってこと?」とショックを受けつつも、「まだそこと戦っていきたい」と宣言する。  山里も若林も村本も、その卑屈さのレイヤーは当然さまざまだ。番組でパッケージされた「卑屈キャラ」というカテゴライズにそれぞれのナナメ目線で抗うことこそ、卑屈キャラの真骨頂であるはずだ。その“枠”からはみ出す部分にこそ、人間味が表れるのだ。 「ナナメの夜明けだ!」  若林は興奮気味にそう語った。「ついにこの時代が来たか」と。“できあがった”芸人たちのユニットだから、これまで“壊す”ことができなかった。だが、逆に言えば“できあがった”からこそ、“壊す”ことも可能なのだ。その時こそ、新しい何かが生まれるはずだ。  いよいよ『ミレニアムズ』が、真の意味でスタートラインに立ったのではないだろうか。 (文=てれびのスキマ <http://d.hatena.ne.jp/LittleBoy/>) 「テレビ裏ガイド」過去記事はこちらから 

今度はダレノガレ明美がオードリー若林に! 芸能界で売名“好き好き詐欺”が大流行の兆し

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ダレノガレ明美 公式サイトより
 モデルでタレントのダレノガレ明美が、12日放送のバラエティ番組『おーくぼんぼん』(TBS系)で、お笑いコンビ・オードリーの若林正恭への“求愛宣言”を行った。  同番組でMCの山里亮太が「(ダレノガレが若林に)いろいろな局で『ダーリン』って言って抱きついている」と明かすと、ダレノガレも「一番お気に入り」「本気で(付き合おうと)言ってくれれば、付き合えます」と、若林への好意を隠さなかった。  女性タレントからお笑い芸人への熱烈アプローチといえば、先頃交際に発展した坂口杏里とお笑いコンビ・バイきんぐの小峠英二のケースが記憶に新しいが、ダレノガレに関しては“単なる話題作り”との見方が強い。  ネット掲示板でも、「坂口某の2匹目のドジョウ」「小峠パターン、流行りか?」「また、芸人が知名度アップに利用されとるな」などと、ダレノガレの“売名行為”と見る書き込みが多い。 「坂口は小峠への求愛宣言で、飛躍的に露出が増えましたからね。イベントなどでの囲み取材でも、もっぱら小峠絡みの話題で、まるで持ちネタのようでした(笑)。これといった特徴のない二世タレントにすぎなかった坂口にとっては、ちょっとした“特需”だったといえます。ダレノガレも、坂口の例に倣ったのでしょう。というのも、“ハーフタレント枠”でのポジションも揺らいでいますからね。頂点にいるベッキーの域まで近づくのもままならず、最近では抜群のビジュアルを誇るマギーが台頭するなど、影が薄くなる一方。ぶっちゃけキャラも飽きられ、若林への求愛宣言で、キャラ変更と話題作りを図ろうとしているのでしょう。まあ、ここまで底が浅いと、効果は疑問ですが」(芸能ライター)  求愛された若林のほうはといえば、別の番組で困惑を隠せない様子だった。もちろん、坂口と小峠のように実際にカップルへ発展する可能性もないわけではないだろうが、テレビを通して“好き好き詐欺”という茶番を見せられる視聴者にとっては、たまったものではない。