生ビールサーバーから子ども用プールまで! サービス満点「大阪の銭湯」をめぐる

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 東京から大阪へ引っ越して1年近くになるが、生活してみてたびたび感じるのが過剰といえるほどの銭湯のサービスの良さである。  ふらっと入ってみると、やたらお風呂の種類が多い。電気風呂にうたせ湯、ジェット風呂に薬草風呂。露天風呂がある銭湯も少なくない。どこも、それほど広いとはいえないスペースを効率的に使いながら、工夫してたくさんのお風呂を用意している感じだ。  また、休憩スペースに飲み物や食べ物が充実している銭湯も多く見かける。生ビールサーバーを置いている銭湯はザラにあるし、おつまみや軽食などが販売されていて、ほとんど居酒屋のようになっているところもある。  それらがみな「スーパー銭湯」ではなく、あくまで通常の銭湯料金で堪能できるのだ。今回は、そんな大阪のサービス満点銭湯を代表するような浴場を3カ所めぐってみた。  最初にやってきたのは、大阪市生野区にある「ニュー清滝温泉」。ちなみに大阪では通常の銭湯の屋号に「温泉」が付くことが多い。JR環状線の桃谷駅から徒歩10分ほどでたどり着いた。  看板によれば、電気風呂、超音波風呂、露天風呂など11のお風呂があるようだ。特別に許可をいただき、浴場内を見せていただく。男湯に入ると、向かって右手にカランが並び、左側には各種のお風呂が。
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 気泡風呂、椅子風呂、寝風呂などが並ぶ。  奥へ進むと左手にサウナ、正面の水風呂には滝が流れている。右の「マイナスイオン」と書いてあるのはラドン温泉のようなもので、高濃度のマイナスイオンをたっぷり浴びることができるそうである。
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 一番人気は露天風呂。
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 またがずに入れる本格的な造りも、人気の秘密だとか。  ニュー清滝温泉は、30年前に改築して以来、このスタイルで営業を続けているとのこと。お湯はすべて電気で沸かしており、30年前にその設備を導入するためには数千万という工事費がかかったそうである。銭湯にサウナが併設されている場合、サウナのみ別料金がかかるところが多いが、ここはなんと無料。ご主人にその理由を尋ねると「この辺りでは、サウナが無料のところが多いんでね」というシンプルなお答え。  風呂数の多さに、インターネット上ではよく間違って「スーパー銭湯」にくくられることもあるほどの充実ぶりだが、「特にサービスしているというわけでなく、お客さんに喜ばれる形にしようと思って……」と、謙虚に語る。30年前、生野区には95軒もの銭湯があったが、今は半減しているそう。この規模の銭湯も、この辺りでは珍しいものになりつつあるようだ。キレイなお花が飾られている清潔で明るい雰囲気のロビーなど、隅々に気遣いが感じられる素晴らしい銭湯だった。
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 次に訪れたのは、大阪市旭区の「神徳温泉」。  活気あふれる千林大宮商店街にある大きな建物だ。こちらも許可をいただき、浴場内を取材させていただいた。正面のガラスから日射しが差し込む、広々とした空間である。
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 左手には超音波風呂や薬湯。
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 正面には露天風呂があり、
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 その脇には鯉の泳ぐ水槽も。
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 ほかにも、薬草風呂やエステバスなるお風呂がある上、脱衣所には「乾燥室」という部屋があり、ここに入ればバスタオルを使わずとも温風で体を乾かすことができるという。神徳温泉が掲げる「21世紀の公衆浴場」というキャッチフレーズも納得の充実具合である。  創業60年余りになるという神徳温泉、平成14年に改築を行い、今の形になったとか。広いロビースペース脇にはカウンターがあり、生ビールやうどん・そばまで販売されている。
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 最後に向かったのは、大阪市城東区の「白玉温泉」。JR京橋駅からも徒歩10数分の距離だ。  一階の下駄箱スペースで靴を脱いで二階へ上がると受付がある。特別に許可をいただき、お客さんにお断りした上で浴場を見せてもらった。
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 各種のお風呂が配置され、突き当たりにドーンと露天風呂と水風呂がある。  なんといってもすごいのは、子ども専用プールがあること。
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「子どもは湯船で騒ぐでしょ。『やめろ』ゆうても子どもは騒ぎたいものです。だったら、子ども専用の場所を造ってしまおう」という発想で造られたものらしく、水中メガネをつけて泳ぎまくる元気な子どもたちの姿が見られる。  テレビを見ながら入れる露天風呂や、パワフルなジェットが気持ちいいエステバス。
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 水風呂ならぬ氷風呂は、20~30分おきにパイプから氷が落下してくるというすごい仕組みだ。
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 ロビースペースにはソファやテーブル席が多数用意されていて、売店には生ビールやおつまみも豊富に取りそろう。
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 平成元年に今の形に改築されたという白玉温泉のご主人いわく、「老若男女、誰でもくつろげる場所にしたいんです」とのこと。朝6時から午前2時まで、元旦も含めて年中無休でオープンし続けるのも、「白玉温泉ならいつでも入れると思ってもらえる場所にしたい」という思いからだという。  つい先日には建物の隣に「しらたま鍼灸整骨院」をオープンさせ、体の具合がちょっと悪い時に整体とお風呂を気軽にセットで利用できる環境を作った。今後は「湯治」が行える施設を目指し、改良をしていく予定だそうだ。そのあくなきサービス精神に頭が下がる。  大阪の銭湯のサービス精神、感じていただけただろうか! どこの銭湯でも工事費やメンテナンス費が相当額だとおっしゃっていた。それらが大人440円という銭湯料金で利用できるというのは心底ありがたいではないか。では、今日も風呂上がりの生ビールを飲みに行こうかな! (文=スズキナオ http://roujin.pico2culture.jp/●「ニュー清滝温泉」 所在地:大阪市生野区勝山北5-14-18 営業時間:午後2:00~午前2:30 土日祝 午前6:00~午前2:30 ●「神徳温泉」 <http://www.shintoku-onsen.jp/> 所在地:大阪市旭区大宮3-6-19 営業時間:午前6:30~午前2:00 ●「ユートピア白玉温泉」 所在地:大阪市城東区蒲生2-7-36 営業時間:午前6:00~午前2:00

大阪に点在する中華料理「ちゅー」の謎を追う

 大阪の町をウロウロしていたら、こんなお店を見つけた。
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 「中華料理 ちゅー」。安直だけど、なんとも愛らしい店名。インパクトもある。これはなんとも大阪らしい! と、思わず写真を撮った。  家に帰って検索してみて驚いた。「ちゅー」というお店が、大阪府内に数多く存在するのである……。その数、10店舗以上。ネットの情報を深掘りしてみるも、チェーン店でもないようだし、かといって同時多発的に「ちゅー」という店名があちこちでオープンするというのも変な話。  とにかく、まずは実際にお店に食べに行ってみることにした。  やってきたのは、筆者が偶然通りがかって外観を写真に収めた大阪市城東区今福西にある「中華料理 ちゅー」。大阪市営地下鉄の「蒲生四丁目」という駅からほど近い、閑静な住宅街にポツンと存在する。
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 早速入店。メニューを見ると350円の「中華そば」をはじめ、全体的に大変リーズナブル。定食類も安かったが、500円の「味噌ラーメン」を食べることに。ほどなくして運ばれてきたのがこちら。
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 どんぶりの上部に踊る「ちゆー」の文字がかわいすぎる! クリーミーな味噌がストレート麺によく絡み、シャキッとしたもやしがたっぷり。いわゆる普通の中華料理屋的なおいしさではあるが、心が落ち着く感じだ。    店内も絵に描いたような大衆中華屋さんという感じで、L字のカウンター10席ほどとテーブルが3つ。仕事のお昼休みに定食を食べにくるお客さんでにぎわっている。  お店の人に聞いてみると、こちらは創業41年になるそう。「ちゅー」が点在する謎について聞いてみると、「チェーン店じゃないんですよ。のれん分けですねぇ。出身がみんな同じで、富山なんです」という。なるほど、グッと謎に近づいた気がする。  このお店からそれほど遠くないところに別の「ちゅー」があると知り、そちらへも足を延ばしてみた。
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 場所は大阪市城東区関目。京阪電鉄の「関目駅」が最寄りだ。入店すると、店の雰囲気もガラッと違う。こちらのお店はどちらかというと、本格中華料理店然とした凝った内装。広めの店内に4人掛けのテーブルが6つと、もう少し大きい6人掛けテーブルが3つ置かれている。  メニューにも細かい違いがある。「中華そば」の価格はこちらのお店は450円と、100円高い。さっき「味噌ラーメン」を食べたばっかりなので、ここはおとなしく「中華そば」をいただこう。  これぞラーメン! といった見た目である。
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 内装もメニューも違うが、どんぶりの「ちゆー」は共通している。このどんぶり、欲しくなってきた。  一見シンプルなラーメンだが、ダシの風味が濃厚なスープが後を引き、麺はコシがあってうまい。チャーシューもジューシーでおいしいし、かなりハイクオリティな1杯だ。ふと店内を見渡すと、壁に富山の世界遺産「五箇山」のポスターがいくつも貼ってある。ここでも、さらに核心に近づいた。富山に秘密がある!  気持ちがハイになってきたついでに、さらにもう一店舗別の「ちゅー」を訪ねてみた。  こちらはJR「放出駅」近く。
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 「醤油ラーメン」は、さらに50円アップの500円。どんなものか気になるところだが、立て続けにラーメンを2杯食べてきたのでおなかがいっぱいだ。260円の餃子とビールをいただくことに。  運ばれてきた餃子の皿には、もちろん「ちゆー」。
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 この「ちゆー」を発見する瞬間がたまらない。小ぶりながらパリッとした皮とプリッとした食感の中身に、絶妙な焼き加減を感じた。  気さくなお店の人に「ちゅー」の謎について尋ねると「うちはちゃんとしたチェーンとは違うから……」とのこと。「昔はたくさんお店があったんですか?」と聞くと、「そうですね……」と言葉を濁した。なんだか、触れてはいけない何かがありそうな雰囲気だった。  帰宅後あらためて調べてみると、鍵を握る富山にも「ちゅー」が存在することがわかった。富山県富山市月岡町にある「中華料理ちゅー」に電話で話を聞いてみることに。  忙しい中、店主が聞かせてくれたところによると、 ・富山の出身者が岡山で中華料理店を始めたのが「ちゅー」の起源。その後、縁故関係を持つ人たちがのれん分けの形で金沢と大阪にお店を出していった ・ちなみに金沢のお店はカタカナの「チュー」で、大阪はひらがなの「ちゅー」という違いがある ・のれん分けといっても、登録料などは一切ない。それぞれが独立したお店のため、メニューや価格もそれぞれ  とのこと。店主も以前は大阪にお店を出していたそうだが、40年前には大阪に30店舗近い「ちゅー」が存在したという。しかし、高齢を理由にお店を閉める方が多く、現在は数が減ってしまっているそうだ。  こうして「ちゅー」の謎がかなり明らかになった。筆者はにわか「ちゅーファン」だが、長い年月を耐え抜いて現存している各地の「ちゅー」を急いで食べ歩こうと決意した次第である。 (文=スズキナオ http://roujin.pico2culture.jp/

看板業者に聞く「大阪名物の巨大立体看板、金かかってるランキング」

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 大阪・道頓堀の記念写真スポットというと、どこが思い浮かぶだろうか?  グリコの看板とか、食いだおれ人形とか……お店の看板的なものばっかりじゃないだろうか。  大阪は、看板がやたらと注目を集める街なのである。「もっと! もっと!」と注目を集めたいがあまり、平面を飛び出したのが立体看板。  軒先から異様にせり出したその姿は、初めて目にする人に強烈なインパクトを与えることと思う。  先日、白昼の道頓堀をぼーっと歩いていた筆者。空を覆う看板の迫力にクラッときつつ「この看板、一体いくらぐらいかけて作られてるんだろう」という疑問が湧いてきた。  そういったことは、プロに相談するに限る! と思ってダメ元でお願いしてみたところ、大阪の代表的な立体看板をはじめ、全国各地の看板や立体物の製作を手掛ける「ポップ工芸」代表取締役・中村雅英さんにご協力いただけることになった。「ポップ工芸」の制作物には、新世界の「キン肉マン像」や、奈良の「せんとくん像」など有名プロジェクトも数多く、多彩で細かな表現とインパクトを合わせもった耐久性の高い作品を世に生み出している。  このたび中村さんには、道頓堀の立体看板の各作品についての解説をしていただいた。ランキングの基準にした推定額は、おおよその相場について伺った上で筆者が概算した、文字通り「推定」の金額。実際の価格は中間の業者さんがどれだけ入るか等で大きく変わってくるので、あくまで参考額として見ていただけたら幸いです。 第5位「大阪王将の餃子」(推定:120万円)
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「これはウチがやりました。観光客が足を止めて写真を撮っていく、人気の看板です。ウチは業界の中でもかなりリーズナブルなほうですから、相場だと200~300万円ぐらいになるかもしれないですね。平米数×20万円というのが、おおよその相場と考えるといいかもしれません。これは2m×5mぐらいの大きさです」 第4位「づぼらやのフグ」(推定:150万円)
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「これはテント地の看板なので、2~3年に1回は張り替えをする必要があるんですよ。看板によっては、メンテナンスの手間が大変なものがあります」 第3位「金龍ラーメンの龍」(推定:400万円)
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「これもウチがやっています。造形は細かいですが、実は、動物とか生き物はまだ簡単なんです。例えば、ボウリングのピンの形のほうが難しい。すべて人の手で造形していっているので、完全に左右対称にしなきゃいけないものは難しいんです」 第2位「ドンキ・ホーテのドンペンくんとえべっさん」(推定:1,000万円)
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「これはウチが主にやっているFRPという素材ではなく、“ウレタン吹き付け”でやっていますね。あまり飛び出させず、壁にくっつけるタイプだからできる手法です。大きさ的には、結構な金額になるんじゃないでしょうか」 第1位「かに道楽のカニ」(推定:2,000万円)
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「(このカニは手足が自動で動く仕掛けになっているが)動くものは、メンテナンスがとにかく大変なんです。作った会社が責任をもってメンテナンスする必要があるので、全国を対象に製作している弊社では物理的にも難しくて、こういった動きのあるものは今はやっていないですね。サイズも大きいし、相当お金がかかっていると思いますよ」  ちなみに、「元禄寿司」のニョキッと寿司を握る手が飛び出している看板
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 も「ポップ工芸」によるもので、依頼主は当初寿司のお皿をたくさん壁に並べようと思っていたらしい。しかし、「それではインパクトが弱い。道頓堀ならこれぐらいやらないと」と中村さんが提案してこの形になったのだという。この看板もまた、人気の記念写真スポットになっている。  中村さんいわく、「ビルの上の看板でも1,000万円ぐらいします。つまり、特に立体看板だから高いわけではないんです。どこまで飛び出していいかは地方によって規制があるのですが、立体看板は、平面の看板と同等かそれより低いコストでより強いインパクトを与えることができます」とのこと。細かい造形や彩色が可能な“FRP”にこだわる「ポップ工芸」は、業界内でも破格の低価格で製作を請け負っているので、自分の店舗に注目を集めたい方はぜひご相談を! (文=スズキナオ http://roujin.pico2culture.jp/<取材協力> 「株式会社 ポップ工芸」 <http://www.zoukeikanban.com/> 住所:大阪府八尾市高安町南6-2

30~80円なんてザラ!? 大阪「激安自販機」で一番安く売られている飲料はアレだった!

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 東京から大阪に引っ越してみると、飲み物の自動販売機の価格が軒並み安くて驚いた。  我が家の近所では100円の自販機が主流で、120円以上の正規価格の販売機を探すほうが困難なほどである。何から何まで安い大阪だが、自販機価格も例外ではない。  今回は大阪市内をめぐって、激安ドリンクの実態について調査してみた。  まず避けて通れないのが、「またおいでや」というキャッチフレーズが印象的な、冒頭の自販機だ。この自販機、大阪では駅周辺などにポツポツと設置してあり、そのどれも大抵30~80円ほどでドリンクを買うことができる。  「FIRE」「UCC」「WONDA」など、ちゃんとした、メーカーの缶コーヒーが60円や70円で、
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 50円のコーヒー、「三ツ矢サイダー」も。
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 この「おいしさ倍返し!」といったような、誰に向けているのか分からないハイテンションなギャグも、「またおいでや」自販機の特徴である。  取材時にふらっと見つけたこの自販機だが、30円で485gという容量のペットボトル飲料が売られていた。
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 伊藤園の「やわらかフローズンレモン」だ。早速購入して飲んでみたが、暑い日の水分補給によさそうな、おいしいレモンウォーターであった。消費期限が取材日の20日後ぐらいで、その短さが激安価格のネックになっているようだ。とはいえ、買ってすぐ飲む分には、当然なんの問題もない。  次に別のエリアで見つけたのは、「おいなはれ」と書かれた自販機。
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 先ほど30円で購入したのと同じドリンクが同じ価格で売られていたり、商品のラインアップもほぼ同じで、どうも大元は同じ業者だと思われる。 「トロピカーナ」の炭酸飲料や「スコール」のペットボトル入りが50円で売られていて魅力的だが、ここはやはり20円の「伊藤園 野菜スープ ミネストローネ」を!
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 安すぎる……。早速飲んでみると、ちょっとぬるめかなという気はしたが、普通においしい。消費期限は3カ月も先で、まあこれから暖かくなるから季節外れの商品ではあるのだろうが、「何も20円じゃなくても!」と思いつつ、ありがたくいただいた。  20円のドリンクを飲んでぼーっとしていたら、カップルが近くを通った。男性のほうが自販機を見て「ちょっと! これ50円とかあるで! すごない?」と声を上げたが、女性は冷めた口調で「こんなん、西成行ったらいくらでもあんで」と返答していて、さすが大阪だと思った。  さあ、30円、20円ときたら、10円ドリンクを目指すしかない!  というわけでやってきたのがJR環状線・野田駅近くにある「大阪市中央卸売市場」前。こちらは「またおいでや」自販機の最安バージョンが置かれていることで有名なのだ。  これが、その10円自販機。
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 2台置かれていて、どちらも缶のサンプル見本などはなく、「何がでるかお楽しみ!!」とだけ書いてある。おそるおそる10円を入れてボタンを押してみると
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 伊藤園の「レモングラスティー」が出てきた。消費期限は4月7日。取材日の5日後だ。かなり近いが、まあどうせ今飲むし!
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 試しに隣の10円販売機で購入してみると、アサヒ飲料の「クールブレイク」が。こちらもレモンウォーター系のドリンクだ。こういうジャンルの飲み物、大量に売れ残っているのか? ちなみに、左右の自販機ともさらに1本ずつ購入してみたが、それぞれ同じ飲料が出てきた。中身はそれぞれ一種類の様子。4本のペットボトルを購入して40円。これはすごい。
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 私が自販機の前に佇んでいる間、自転車に乗った高校生が買いに来て「あ!この前のと中身違う!」と笑って去って行ったり、中年男性2人が連れ立ってやってきて「これ、おごります」といって10円で恩を着せて行ったりした。近所の名物スポットになっているようだ。  自販機の前にはドリンクの在庫を積んだワゴンカーが停まっており、作業をしている人がいたので声をかけてみると、10円自販機の中身は割と頻繁に変わるらしい。時期をおいて、また来てみよう。  賞味期限間近や、季節外れの見切り商品だからこその激安価格。どうせ廃棄するなら、わずかな額でも元を取ろうとする、大阪人の商売根性を見た気がした! (文=スズキナオ http://roujin.pico2culture.jp/

「思春期男子あるある」を徹底検証! 土手にエロ本は落ちているのか

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 「土手にエロ本が落ちていた」という話をよく見聞きする。雨に濡れて、それがまた乾いてベコベコになったのを学生時代に見つけて狂喜したというような。先日読んだ星野源の対談集でも、みうらじゅんとの会話にそのような話があった。つまり「思春期男子あるある」みたいなものなのである。  数年前、土手に落ちてたエロ本を忠実にミニチュアサイズで再現した人がいて、話題になったこともあった(http://p.twipple.jp/bf25r)  さて、そんな「土手のエロ本」なのだが、私は実際に遭遇した記憶がない。いや、ぼんやりそんなことがあったような気もするのだが、それが自分の体験なのか、よくある話として後から刷り込まれたものなのか判然としないのだ。  幸い、家からそれほど遠くない距離に淀川の土手がある。行って確かめるしかないだろう。取材日は雨上がりのよく晴れた日で、まさに「土手のエロ本」採集には最適な天候であった。  さて、土手に来たはいいものの、パッと見渡した限り、おじさんが寝てるだけである。  というか、ゴミがほとんど落ちてない。とりあえず、ただ歩くしかない。  このような景色の中を歩き続ける。
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 土手を歩いていて気づいたことだが、ゴミはどこにでも落ちているわけではなく、ある箇所に集中して落ちている。集団心理として、誰かがゴミを捨てたところに便乗して捨てていくのかもしれない。  ここでまず結論から言わせていただくと、昼間から日暮れまで5時間近くトボトボと歩いたが、エロ本は落ちてなかった……。足を棒にして歩いた結果、見つかったゴミたちを、「エロ度」の高い順にランキング形式で発表していきたい! 第5位 カップ麺の後入れスープ
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 これは心配である。落とし主の昼ごはんは散々な味になったことだろう。不憫でならない。 第4位 ぬいぐるみ3点
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 左からポケモン、トラッキー、キティ。この並びに阪神タイガースのマスコット・トラッキーが混じっているところが、大阪らしさかもしれない。 第3位 エレキギター
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 これはもう全然惜しくない。ミュージシャンへの夢を捨てることになった誰かが、衝動的に投げ捨てたのだろうか。周りの景色に妙になじんでいた。 第2位 コンドームの空き箱
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 惜しい……。エロの方向性が違った。こういった箱は、ほかでも複数見かけた。土手はそのようにも利用されているのだろうか。< 第1位 「男が好き!」と書いてある新聞
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 惜しい……。もう少しでエロ本だったが、スポーツ新聞の精力剤の広告である。 と、いうわけで、今回調査した限り、土手のエロ本は簡単には見つからないことがわかった。2000年代後半から成人向け雑誌を発行していた出版社が相次いで倒産するなど、エロコンテンツの市場が書籍からPC、スマートフォンへと移行していく時代の流れが影響しているのかもしれない。ゴミの不法投棄は絶対ダメだけど、なんだか不思議と寂しいぜ!  ちなみに夕暮れ間近、遠くのほうにエロ本らしきものが見え、草むらをかき分けかき分けようやくたどり着いたら、「ユーキャン」の資格講座のパンフレットだった時は脱力した。「土手をウロウロしてないで資格でも取れ!」と、神様に言われたように感じたものである。 (文=スズキナオ http://roujin.pico2culture.jp/

「食べ物は炙るとうまくなる説」を徹底検証! スナック菓子18種を炙って食べてみた

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一番うまい“炙りスナック”はどれだ!?
 スルメは炙って食べたほうがおいしい――。異論はないだろう。  なぜ炙るとおいしくなるのか。表面が強い火力で熱されることによって、香ばしさが増すからだ。焦げる寸前のあの風味。っていうか、焦げた部分もまた抜群にうまい。この絶妙な「ちょっと焦げたぐらいのおいしさ」こそ、炙りの神髄だと思う。  スルメを台所のガスコンロの火で炙りながら酒を飲む。そうやって家の中で立ち飲みをするのが、私のスタイルである。人に見せられたものではないが、幸せな時間だ。  さて、炙りというと、「炙りサーモン」「炙りまぐろ」「炙り〆鯖」などなど……まず魚介類が思い浮かぶ。あとは、ガスバーナーで表面に焼き色をつけるスイーツなどだろうか。例えば「スナック菓子」を炙ったらどうなんだろうか? と唐突に思った。  思った以上、やるしかない。スーパーでスナック菓子の代表格を片っ端から買ってきた。全18種類。ランダムに、目についたところから炙っていこう! どこの家庭にでもあるような、普通のガスコンロの火で炙っていきます。  試してみたのは、下記の18種! 「うまい棒 チーズ味」(やおきん) 「うまい棒 めんたい味」(やおきん) 「かっぱえびせん」(カルビー) 「ベビースタードデカイラーメン チキン」(おやつカンパニー) 「とんがりコーン あっさり塩」(ハウス食品) 「スティックカラムーチョ ホットチリ味」(コイケヤ) 「ポテロング」(森永製菓) 「ドリトス メキシカン・タコス味」(ジャパンフリトレー) 「サッポロポテト バーべQあじ」(カルビー) 「サッポロポテト つぶつぶベジタブル」(カルビー) 「ポテトチップス のりしお」(カルビー) 「チップスター うすしお味」(ナビスコ) 「ピザポテト」(カルビー) 「カール チーズあじ」(明治) 「プリッツ サラダ」(グリコ) 「キャベツ太郎」(やおきん) 「チートス チーズあじ」(ジャパンフリトレー) 「ポテトチップスギザギザ 味わいしお味」(カルビー)  ちなみに、「うまい棒チーズ味」を炙ってみるとこんな感じ。
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 では、おいしかった順にベスト5を発表していきたい! 第1位
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これはうまい!
「ピザポテト」 これは、買う時から期待していた。なんといってもピザである! 焦げ目のついた香ばしい風味との相性は約束されている。食べてみると……。うまくて笑う。というか、もう本物のピザを食べてるとしか思えない。表面のチーズが熱で少し溶けたさまも、完全にピザ。これはいい! 文句なしの優勝。ジワジワとチーズが溶ける音を楽しみつつ、じっくりと炙りたい。 第2位 「ドリトス メキシカン・タコス味」 まず、普通に袋を開けた時から、炙り感のある香りが広がる。当然、実際に炙った際の相性も抜群で、もはやこれは“料理の域”。なんの料理かは不明だが……。うまい!炙ることによって、そのまま食べた時には気づかない甘みが引き出される。つまり炙りによる味の相乗効果が発揮されてる感覚なのだ。ドリトスシリーズは、どれを炙ってもおいしそうな気がする。 第3位 「スティックカラムーチョ ホットチリ味」 なぜだか分からないが、焼肉を食べてるような口の中だ。辛みとほんのりした苦みが違和感なく合う。カラムーチョの辛みって結構強烈な印象だが、それがまろやかになるような気が。ただ、スティックタイプは、とにかく炙りにくすぎる! 炙り用の太くて長いやつを出してほしい。 第4位 「ベビースタードデカイラーメン チキン」 炙りやすさを考えて「ドデカイラーメン」タイプを選んだ。ほのかな苦みが全体の味わいに深みを与える感じだ。普通に食べるより、酒のつまみ向きになる気がする。後を引く味! 今さらだが、こういったお菓子を温かい状態で食べるのが、なんだか面白い。 第5位 「キャベツ太郎」 あまり期待してなかったが、これはいい! もともとこのお菓子自体に炙りのフレーバーというか、焼き物っぽい味付けがしてあるからだろうか。まったく違和感がない。違和感がないまま、少しおいしくなった感じ。  6位以下は、「うまい棒 チーズ味」「チートス チーズあじ」「うまい棒 めんたい味」「カール チーズあじ」「プリッツ サラダ」……と続く。総じて、味付けは濃ければ濃いほど炙りに合い、うす味は避けておいたほうが無難だということがわかった。  みなさんも炙りすぎに注意しながら、ぜひいろいろなお菓子で試してみてほしい!

B’z、ももクロ、関ジャニ……一番モメてるウィキペディアはどれだ!?【邦楽アーティスト編】

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 インターネット時代の百科事典といえば、誰もがお世話になっているウィキペディアである。  このウィキペディア、例えば「さだまさし」のページでいえば、普段目にするのはこちらのメインページ(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%95%E3%81%A0%E3%81%BE%E3%81%95%E3%81%97)だと思う。それとは別に、ウィキペディアの各ページに「ノート」というサブページが存在するのをご存じだろうか?  ウィキペディアは、誰もが自由に編集できる集合知的な百科事典。この「ノート」は、各ページを編集する人のための議論の場なのである。例えば「さだまさし」の「ノート」(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8E%E3%83%BC%E3%83%88:%E3%81%95%E3%81%A0%E3%81%BE%E3%81%95%E3%81%97)を見てみると、かなりのボリュームで文字が並ぶ。これらはすべて、ウィキペディアをより良くするために、各編集者が対話した記録なのである。ピックアップしてみると、  「修正依頼」という項目には、こんな記載がある。 ―さだまさし研究会(さだ研) ―私設のファンクラブに過ぎない団体の動向についてこれほど詳細な記述が必要なのでしょうか? 「さだ研」に関する過剰に詳細な記述……。確かに、ある程度簡潔にすべきなのかもしれないが、逆にちょっと読んでみたくなる。  また「分割提案」という項目では、 ―「倉本聰との関係 「北の国から」のエピソード」の節を、最初と最後の段落を残してそれ以外を「北の国から~遥かなる大地より~」に分割することを提案します。理由は以下の通りです。(以下略)  素人目からすると、前者と後者の違いがもうなんだか分からない……。が、こうした細かなやりとりを経て、徐々に充実したページが作られていくわけだ。つまり、この「ノート」は、どれだけそのウィキペディア項目が愛されているかのバロメーターともいえるのではないだろうか?  前置きが長くなったが、今回、複数の邦楽アーティストを対象に、「ノート」ページでどれだけ議論が行われているかを調査してみた。これによってアツいファンに強く愛されているミュージシャンが浮かび上がってくるはず。調査対象には、オリコンの「好きなアーティストランキング2014」(http://www.oricon.co.jp/special/1499/)にランクインしたミュージシャンや、紅白歌合戦・レコード大賞出場者、邦楽史の各年代の重要アーティストなど、およそ100組をチョイスした。  調査の方法は至って簡単。「ノート」ページの文字数を徹底的にカウント! 字数の多いほうが勝ちである。各ページに共通するデフォルトの文字は除外して10の位は切り捨て、まあおおよその文字数と思っていただければ幸いである。 上位ベスト10はこちら! 第1位 B'z 10万0,000字  第2位 ももいろクローバーZ 6万0,900字  第3位 Perfume 42,100字  第4位 和田アキ子 3万1,400字  第5位 関ジャニ∞ 2万7,600字  第6位 嵐 2万6,400字 第7位 HKT48 2万0,100字 第8位 Sexy Zone 2万0,000字 第9位 モーニング娘。 1万8,800字 第10位 松田聖子 1万7,500字  並み居るアイドル勢を押しのけて、見事第1位に輝いたのがB'z。圧倒的な文字数である。さだノートの10倍以上! 最初の調査では、「お、案外3万字ぐらいかー」と思ったのだが、なんとよく見ると、ノートに「過去ログ」があった……。B'zノートの話題の中心は、「洋楽のパクリ」か否かという例のやつである。これに関しては、B'z愛を持つ人たちの話し合いではなく、B'zにいちゃもんをつけたい人とファンとの論争という感じなので、もう断然終わりがないのである。でもまあ、それも含めて、時代に関係なく話題を生み続けるモンスターユニットだなーと、あらためて思う。  第2位のももクロは、「ファンの有名人」の記載の範囲をどこまでにするか、というキリのなさそうな議論が大部分を占めている。ただ、他のミュージシャンのノートがどちらかというと編集者同士の意地の張り合いになって、文字数がぐんぐん増えていく印象があるのに比べて、ももクロに関しては、建設的といか、議論が一つずつ片付いていっている印象を受けた。つくづく、ファンがアツく語りたくなる魅力を持ったアーティストなんだなと思う。  第3位のPerfumeも、「ファンであることを公言した著名人」の出典などについて長い話し合いが進められている様子だ。“もし、内村光良を記載すべきだという客観的な特筆性があり、それが多くの支持を得られたなら、もちろん、私も喜んで彼の掲載を望みます。しかしながら、現時点では内村光良に関して、まだ「ダンスを披露した」という言及以上のものがされていないので”などなど、真面目な議論に唐突に現れる名前がなんだか面白い。  第4位のゴッド姉ちゃんこと和田アキ子に関しては、歌手とテレビタレントとしての両面があるので、ほかのミュージシャンとは少し事情が違う。この膨大なノートの大半を占めるのは「沢尻エリカの言動に関する和田の発言」をめぐってのやりとりである。全体を読み通すことはかなり困難。「笑福亭鶴瓶が和田アキ子に酒の席に付き合わされ、一晩で胃炎で倒れた」という一文が目に飛び込んできた。  第5位の関ジャニ∞は、かつてグループに所属していた旧メンバーへの言及部分もなかなかのボリュームなのだが、とにかく「レギュラー番組」の表記方法をめぐるやりとりの濃厚さがすごすぎる! スクロールしても切れ目のない議論にクラッとくる。 ***  いかがだったろうか? 個人的には、フィッシュマンズやくるりなど、筆者のサブカル欲を刺激していろいろ語りたくさせるミュージシャンのWikiノートが意外と穏やかだったのは印象的であった。  私が調べ落としている激モメWikiが存在しているかもしれないので、ぜひ探してみてほしい。雨の休日なんか、これを読んで過ごすのもいいかもしれない。疲れそうだけど……。 (文=スズキナオ http://roujin.pico2culture.jp/

「あっ、ヤバイ……」月極め駐車場への無断駐車が見つかった場合の“妥当な”罰金額とは?

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「無断駐車を発見した場合には罰金として、金壱万円を申し受けます」  こんな看板、車に乗る人なら、一度は目にしたことがあるのではないだろうか? 月極めの駐車場などに、契約車以外の車が無断駐車することに対しての警告看板である。  私は普段、車を運転することがまったくないのだが、それでもこの手の看板があると気になってチェックしてしまう。なぜなら、罰金の金額が場所によって違うのだ。  法律上、駐車場の所有者であっても罰金を定めることはできないそうで、実際に無断駐車をしたとしても、その際の損害賠償額については近隣の駐車料金や何時間駐車したかによって判断されるという。大抵「〇万円」のような、高額になることはないそうである。  とはいえ、無断駐車が犯罪行為であることは当然である。そのような行為に対する駐車場管理者の怒りが、この看板には表れているのだ。罰金の金額の大きさは、その怒りのバロメーターといえるかもしれない。  早速、家の近所(大阪市内)の駐車場を見て回った。罰金看板は、歩道からも見えるもののみをチェックし、駐車場内には立ち入らずに調査を行った。  普段車に乗らないせいか、どういった場所に駐車場が分布しているのか感覚がつかめず、ずいぶん町をウロウロした。結果、24件の罰金看板の収集に成功した。収集した罰金額は6つに分かれたので、割合の多かった順、つまりポピュラーな罰金額順に発表したい。  では、いきます!  第1位は、
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 罰金3万円。全体の25%を占め、最も多かったのがこの金額だった。ある程度の迫力を持たせつつ、それほど大げさでもないぐらいの、リアルな罰金額に思える。コインパーキングに止めさえすれば、せいぜい数千円で済んだのに3万円、後悔してもしきれないはず。  同率で第1位だったのが、
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 罰金額=1カ月分の駐車料金というタイプ。こちらもかなりの数に遭遇した。  ただ、なにせ「1カ月分」なので、実際の額には幅がある。調査エリア近辺の1カ月の駐車料金の相場を調べてみると、おおよそ2~3万円程度だったので、そのぐらいの金額を指すものだということになる。違反者がこの看板を見たとしたら「罰金1カ月分……っていくらだ!?」と、底知れぬ恐怖を感じそうである。  続いて第3位は、  
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 罰金5万円。こちらが全体の20%を占めた。ちなみに「放置・駐停車に関する反則行為」で警視庁が定めている反則金(http://www.keishicho.metro.tokyo.jp/kotu/noufu/hansoku.htm)が最大で2万7,000円となっているので、倍近いわけである。攻めの金額だ。  そして第4位は、
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 罰金1万円。発見率は全体の17%。4件見つかった。かなり常識的な(という言い方も変だが)金額に思える。無断駐車をされた側に立てば、そりゃあ迷惑料として1万円ぐらいはもらわないと! と、根拠はないけど思う。  お次は第5位、
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 罰金10万円だ! 今回収集したデータ中2件、全体の8%という結果だった。「絶対、ただでは済まさん!」といった迫力のある金額である。10万円あったら、海外旅行ができる! やめよう、無断駐車。  さて、これが最後。第6位は、
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 罰金5,000円。今回の調査では1件だけ見つかったレア金額。1日の最大駐車料金が3,000円ほどのコインパーキングがあることを考えると、罰金額にしては安すぎるような気がする。控えめな罰金看板といえよう。なんだか愛おしく思えてきた。    ……というわけで、大阪市内の罰金額の妥当なラインは3万円、という使い道のまったく分からない知識が手に入った。これを東京やその他のエリアで調査したらどんな違いが出るのか、また勝手に試してみたい。  それにしても、これだけこういった看板があるということは、無断駐車がそれだけ横行しているということである……。最後にあらためて言っておきたい。無断駐車・違法駐車は絶対にやめよう!  (文=スズキナオ http://roujin.pico2culture.jp/

ヒトは、缶入り飲料をどれぐらい飲み残しているのか? 

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 飲み終えたジュースの缶を台所でゆすごうとしたら、思った以上に中身が残っていて驚いたことがある。全部飲んだ気でいたのに、もったいない……。  もしかして、自分は普段から結構な量を飲み残しているんじゃないだろうか。ふと恐ろしくなり、調査に乗り出した。  缶入り飲料を飲んだ際に、残りの水分量を計測するのだ。あの計測する容器、なんて言うんだっけ。ビーカー、フラスコ……ピペット、プレパラート……? 理科の授業を真面目に受けていなかったことを、こんな形で後悔した。  インターネットの力を借り、1ミリリットル単位の目盛りがついた「メスシリンダー」を購入。値段がピンキリで、メスシリンダーの世界の奥深さに目がくらんだ。いま一番売れているメスシリンダーがどれなのか調べてみる、のは、またの機会に譲るとして、購入した計測器を使って早速調べてみた。  まずは、私自身が飲んだ発泡酒で検証。自慢じゃないが私はドケチである。お酒も好きなので、一滴も飲み残したくないと思っている。が、飲み終えた缶を逆さにして残量を調べてみると、8.2ミリリットルも飲み残していた。8.2ミリリットル……、小さじ一杯が5ミリリットルだ。幕の内弁当などについているしょうゆの内容量も、5ミリリットルが平均。ちくわ天をおいしく食べるのに十分すぎる、あのしょうゆよりもはるかに多い飲み残しである。無念。  この結果に衝撃を受け、人に会えば缶コーヒーやお茶をおごり、飲み終えたところでおもむろに計測を始めるという行為を繰り返した。「飲み残し刑事」といった気分だ。計測の対象は缶入り飲料ならなんでも、だが、ボトル缶は対象とせず、プルタブを引き上げて飲む「ステイ・オン・タブ」と呼ばれる缶の飲料とした。 A子さん(缶チューハイ):残量 4ミリリットル B男さん(発泡酒):残量 5.8ミリリットル C子さん(ほうじ茶):残量 2ミリリットル D男さん(CCレモン):残量 4.5ミリリットル  ……といった感じでトータル20回ほどの計測を行った結果、一人当たり平均して3.59ミリリットルを飲み残していることがわかった。缶の残量のすべてがメスシリンダーに移せたわけではないので、正確な量はもう少し増えると思われる。私の発泡酒の飲み残しは平均を大きく超えており、今回計測した中でも最大の飲み残し量だった。ショックを隠せない。  飲み残しを計測した相手のリアクションの多くは、「いや、全部飲んだよ! 残ってないと思うよ」からの「お、結構残ってるんだね」という流れで、やっていて非常に楽しかった。街頭で抜き打ち的にヒゲを剃り、「ほらこんなに剃り残しがありますよ」と見せる、昔テレビでよく見かけた電動ヒゲ剃りのCMのようだ。  今回、最も飲み残しが少なかったのは私の妹で、缶ビールでの計測の結果、残量は0.2ミリリットルだった。なんでこんなに飲み残しが少ないのかをたずねると、「私は一回飲み終わったと思っても、飲み残しがあることを知ってるから」だという。飲み残しに対してこんなに意識的な人間が、まさか肉親の中にいるとは思わなかった。  また、ミルクティーを飲んで残量0.6ミリリットルだった知人は、「絶対飲み残さないようにいつも気を付けている」という。コツは唇を突き出し、液体をつたわせるようにして飲み終えることだそう。その知人の父親は、缶ビールを飲み残さぬよう、最後に必ず飲みながらトントンとジャンプするそうだ。親子そろっての努力に頭が下がる。  つまり、日常的に意識をして飲み残さないようにしている人と、私のようにぼーっと生きている人とで差が出るようなのだ。  ちなみに、ペットボトルの飲料でも数回試してみたが、こちらはほとんど計測不可能なぐらい飲み残しが少なかった。これはペットボトルが透明なため、残量が一目でわかること、形状が漏斗状になっていることなどが要因だろう。  今回は調べることができなかったが、家で飲むときと外出先で飲むときの違いや、飲料の種類によっての違いなど、研究の余地はまだまだある。プラスチック製のメスシリンダーは数百円で手に入るので、お暇な方はぜひ私と一緒に「飲み残し刑事」になってみてほしい! (文=スズキナオ http://roujin.pico2culture.jp/

東京 vs 大阪! 造幣局の博物館は東西どっちが楽しい!?

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 家の近所に造幣局がある。大阪市北区・造幣局本局だ。東京に住んでいた頃の住まいは豊島区池袋付近で、こちらにも造幣局の東京支局があった。と、冒頭から個人的な話ですみません。  とにかく、家の近くにいつも造幣局があることに何かの縁を感じた。お金にはまったく縁がないが。造幣局には「造幣博物館」が併設されていて、造幣の仕組みがわかるようになっている。そこで、ふと思いついた。東京と大阪、とかく比較されがちな二つの都市を「造幣局の博物館」というミクロな視点からバトルさせてみてはどうだろうか!  というわけで、まずは大阪にある造幣局本局へ。  近代国家としての貨幣制度を確立させるため、1871年にこの大阪市北区に建設された日本初の造幣局。なぜ東京ではなく大阪だったのか、という点については、当時江戸の治安が悪かったこと、大阪遷都論があったこと、などの諸説があり、どれが正解ということは分かっていないらしい。  博物館への入場は無料。入口で名前を書けば簡単に入ることができる。敷地に入ると、さすが本局だけあって、とにかく歴史の深さを感じる。明治4年に実際に使われていたガス燈がポンと立っていたり、明治9年に工場に取り付けられたという時計が動いていたり。  施設内では貨幣が製造されていく工程が解説されており、500円玉がジャンジャンできていく映像がモニターに映っていたりする。銀色に輝く大量の500円玉……欲しい。
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 フロアをさらに進むと、貨幣が詰まった運送用の袋を担げる体験コーナーが。100円玉が4,000枚入った袋が19キロ! 40万円の重みをじっとかみしめた。大判小判を入れるための「千両箱」を持ち上げることができたり、金塊・銀塊を触ることもできる。その金塊の時価は7,464万円と表示されている。とりあえず、無言で撫でまわすしかない。
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 取材時は平日の昼間だったのだが、ちょうど小学校高学年と思われる集団が見学に来ていた。みんな大はしゃぎで、硬貨の詰まった袋持ち上げまくりの金塊触りまくりである。  大阪の造幣博物館には、豊臣秀吉の時代の「天正菱大判」「天正長大判」という貴重な貨幣が展示されている。それを見ている小学生に向かって、博物館の係員が「1億円の価値がある」と説明している。「えっ!」と驚く小学生。係員が「こっちの『竹流金』『菊桐金錠』は値段がつかないほど価値があるんやで」と付け加えると、「100億円でも売らへん?」「売らへん!」「1,000億円でも?」「売らへん!」という掛け合いが。その後、小学生が展示ケースの前で「これがうちに飾ってあったらいいのになぁ」と、ぼーっとした様子でつぶやいていて面白かった。  また、別の場所に小学生の人だかりができていると思ったら阪神タイガースの記念硬貨セットだったりと、小学生ウォッチが楽しい点でも大阪の造幣博物館はお勧め。  博物館から出て、入場門のほうへ戻る途中に「ミントショップ」があり、記念硬貨のセットなどを販売している。造幣局らしいお土産では、硬貨デザインをあしらった円形の「造幣せんべい」や「天正菱大判」型のポストカードなどがお勧めだ。
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 大阪・造幣局本局の歴史の重みを味わったところで、今度は東京豊島区東池袋にある造幣局東京支局へ。パッと見からして、大阪本局との規模の違いを感じる。この場所に支局が出来たのは1939年。歴史的にも70年近くの差がある。圧倒的に不利だ。  このまま負けてしまうのか、東京支局よ……!  入場手続きを済ませて館内へ。すると、あ! 受付のお姉さんがクリアファイルをくれました。中には、造幣局の歴史や業務が解説されたパンフレットが入っている。
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 この「キラキラ☆コインズ」というキャラ、大阪本局でもチラホラ見かけて気になっていたのだが、東京支局ではちゃんと名前やそれぞれの設定が紹介されていた。キャラのパネルと記念撮影できるコーナーもある。  東京支局では「プルーフ」という、貨幣の表面を鏡のように磨く加工を主に行っているため、展示内容もその「プルーフ」に関するものがメインだ。貴重な小判などの展示もあるが、東京支局にしかない、というものはないようだ。硬貨の詰まった袋を担げるコーナーや、金塊・銀塊に触れるコーナーがあるのは本局同様。触れる金塊の価格は7,728万円と表示されていた。大阪より264万円高い。金にものを言わせたな東京!……無言で撫でまわしました。  この日は、ちょうどご高齢の団体客が見学に来ていて、博物館の係員が綾小路きみまろばりの軽妙トークでみんなを笑わせていた。千両箱を持ち上げられるコーナーでは「とにかく無理しないでください! 腰をやってしまいますので!」という警告も。大阪の小学生と対象的なノリだ。  フロアの一角には「コインくん」というマシーンが鎮座しており、ここに自分の持っている小銭を入れると、その摩耗度をチェックしてくれる。診断結果はプリントアウトされて持ち帰ることができ、得した気分。東京支局の展示はこういう細やかな気遣いを随所に感じる。
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 博物館を出てミントショップに立ち寄る。店員が「プルーフ」貨幣の美しさについて親切に説明してくれた。隣の売店では「造幣せんべい」を売っているのだが、入るなり「ご試食どうぞ!」と勧められる。しかも、2枚入り100円から販売しているので、用途に合わせた買い方ができてありがたい。  さて、造幣局博物館 大阪本局vs東京支局の熱い戦いに判定を下すときが来た! 歴史の重み:大阪本局(なんせ本局なので) 展示内容:大阪本局(ここでしか見られない展示品が多数あるので) 気前の良さ:東京支局(クリアファイルをくれたので) ゆるキャラ度PR:東京支局(キラキラ☆コインズが活躍していたので) お土産の満足度:東京支局(品ぞろえは本局のほうがよいが、せんべいを試食させてくれたので)  というわけで、せんべい試食の恩で東京支局が辛くも勝利!  もちろん勝手な判断ですが! 大阪本局は春の「桜の通り抜け」なども有名で、その季節なら圧倒的な勝利だったかも。  どちらにせよ、普段知ることができない造幣の仕組みについて無料で勉強できるのは素晴らしい。予約すれば工場見学もできるし。ちなみに東京支局は、平成28年末には埼玉県に移転が決定しているとのことなので早めに今の姿を見ておこう! (文=スズキナオ http://roujin.pico2culture.jp/