日刊サイゾーの読者層って、どんな人が多いのでしょうか? やっぱりサラリーマンが多いんでしょうか。それならば、話は早いです。人生の酸いも甘いも知っているサラリーマンなら誰しも、「コイツいつか殺(や)ってやる」なんて思ってしまうムカつくヤツが一人や二人、いるんじゃないかと思います。上司だとか取引先だとかね、あと生意気な後輩とかいけすかない同期とか、セクハラ扱いするOLとか……挙げればキリがないことでしょう。 そんな皆様のお役に立つのが「仕置人」。こんなご時世ですから、ムカつくヤツは仕置人に依頼してチャチャッと成敗してしまいたい……。というわけで、今回はイザという時のために覚えておきたい、お役立ち「仕置人マンガ」特集です。 そもそも「仕置人」ってなんだよ、という方も多いと思います。仕置人というのは文字通り「お仕置き」をする人たちのことで、時代劇ドラマの『必殺仕置人』に由来しています。仕置人も、金を払って依頼すればどんな相手も懲らしめてくれるタイプや、義憤にかられて法で裁けない悪をやっつけるタイプなどさまざまです。 では「仕置人マンガ」は、『ゴルゴ13』とか『シティーハンター』みたいなヒットマン、殺し屋マンガとはどう違うのかといえば、広義では同じジャンルといえるでしょう。ただし、仕置人のほうがもっと情緒的というか、敵の倒し方に美学があって、ヘンテコな技を使うのが特徴です。また昼間は料理人だったり、ソムリエだったり、アイドルだったりと、普通の職業に就いていることが多いため、タイトルが「夜の●●」とか「闇の●●」などとなりがちです。 ■『夜の料理人』(著:たがわ靖之/芳文社コミックス)
主人公は、新宿歌舞伎町でちょっと腕の立つ小料理屋を営む主人公の半次郎。しかし、その裏の稼業は、食えねえネタも料理する「夜の料理人」。法では裁けない小悪党共を、包丁一本で闇へ葬る仕置人なのです。決して、夜食を作る人ではありません。 お仕置きパターンはだいたい決まっており、小料理屋「半次郎」で常連客(たいていホステス)が、小悪党(たいていセクハラオヤジとかホスト)にひどい目に遭わされ困っていると愚痴っているシーンから始まります。半次郎がそれを聞いて激怒。「俺に任せな!」。そして、その夜「夜の料理人」に変身。小悪党を成敗してくれます。 ちなみに「夜の料理人」というだけあって、悪党を成敗するための技の数々に料理技法っぽい名前がついています。 「人間つぼ抜き」……悪党の口の中に長い棒を2本突き刺し、棒をグリッとひねることで内臓をグチャグチャにする、危険極まりない技。本来は魚の焼き物などで見た目を壊さずに内臓を抜き取る技ですが、その料理技法が悪党の成敗にも生きているというわけです。 「鯛の三枚おろし」……悪党の肩と腰と足の付け根の3カ所に空手チョップを食らわして関節を外し、文字通り三枚におろした状態で相手の身動きをとれなくする技。お魚同様、悪党の下ごしらえも完了だ! 「美女巻きずし」……色仕掛けで男をだまし自殺に追い込む極悪女は、ぬか漬けの状態にして、海苔巻きに仕上げます。巻いたまましばらく寝かせておくと、あら不思議! 自慢のナイスバディが漬物のようにシワシワに! もう悪事もできません。 クックパッドもビックリ! とんだシェフがいたものですね。 ■『シオン~闇のソムリエ~』(作:宮崎信二 画:内山まもる/ニチブンコミックス)
夜の料理人がいれば、闇のソムリエもいる……。ということで、お客様に「黒いワイン」を提供するソムリエのマンガが『シオン~闇のソムリエ~』です。 ソムリエの提供する黒いワインを飲めば、客の「黒い願い」がかなう――。そんなウワサがはびこる舞台は、これまた歌舞伎町です。どんだけ仕置人がいるんでしょうか、歌舞伎町という街は。依頼人から依頼を受けた闇のソムリエ「シオン」が、ソムリエナイフで悪党の喉笛をかっ切って暗殺。その血こそが、依頼人に提供する「黒いワイン」なのです。えらい物騒なワインですね。 注意したいのは依頼方法です。背後から近寄ってきた闇のソムリエ「シオン」に「ご注文は赤でございますか? 白でございますか? それともロゼで?」と聞かれたら、必ず「…黒(ノワール)を頼む」と答えなければなりません。 こんな茶番をこなして、ようやく依頼できるのです。しかし「シオン」が話し掛けている時に、決して後ろを振り向いてはいけません。振り向いた瞬間、必殺のソムリエナイフで喉笛をかっ切られます。すげー、めんどくさいルール。ちなみに、依頼料は1回100万円。破格ですね!(いろんな意味で) ■『闇のレオタード』(著:滝沢忍/ゴラク・コミックス)
仕置人業界は、意外と女性の比率が高いです。ウーマノミクスというやつでしょうか。新体操部の女子高生だって、お仕置きしちゃいます! 女子高生のお仕置きなら、むしろご褒美ではないのか? というMっ気の旺盛な読者もいるかもしれませんが、ナメてかかるとえらい目に遭いますよ。 主人公は、新体操部に所属する女子高生アリサ。夜は闇金融の社長とか、連続レイプ魔とか、悪徳商法の元締めとか、ボッタクリ風俗の店長などの、女の敵を懲らしめる女仕置人に変身します。変身後の格好はなんと、レオタードを着て額に星形のシールを貼っただけというシンプルなもの。普通に考えると素性がバレバレなようですが、そこはマンガなのでバレません。 武器は、先が矢尻のようなものでできていて殺傷能力バツグンの改造リボンや、素材が鋼鉄でできた改造こん棒です。いずれも、新体操部になくてはならないマストアイテムですよね。材質が普通じゃないですけど。 ちなみに、悪党を倒すときの決めゼリフは「この世から去世奈落(サヨナラ)しなっ!!」です。全然ご褒美じゃないですね。 ■『白衣のアマゾネス』(作:粕谷秀夫 画:いしわた周一/プレイコミックエクストラ)
仕置人マンガの場合、一人で果敢に悪に立ち向かうパターンが多いのですが、『白衣のアマゾネス』の場合は組織の力で悪を倒します。しかも、ただの組織じゃありません。屈強な女医と看護師たち……通称アマゾネス軍団です。 主人公は迦楼羅(かるら)クリニックの院長である女医、迦楼羅聖湖(かるらせいこ)。一度彼女の怒りに触れる悪党が見つかれば、夜には救急車に乗った屈強な白衣の看護師軍団が悪党のアジトに乗り込み、悪党をボッコボコに。ヤクザの組事務所も、一夜にして壊滅してしまいます。さらに、その後がすごい。 「あんたたちは私の病院に強制入院よ!!」 「治療費はあんたらの全財産! わかったわね!!」 ボコボコにされた悪党は、迦楼羅クリニックに強制入院の上、治療費として全財産が没収されるという、ものすごいビジネスモデルです(マッチポンプともいう)。このマンガを読むと、「白衣の天使」という言葉の概念が根本から覆されます。 ■『アイドルK』(作:工藤かずや 画:峰岸とおる/ぶんか社)
仕置人業界には、なんとアイドルもいます。昼間はテレビやラジオで引っ張りだこの人気女子高生アイドル鷲尾圭。しかし知られざる夜の顔は、法で裁けぬ悪を討つ謎の仕置人Kというこのマンガ。つまり、昼はアイカツ、夜はアイ殺(サツ)というわけなのです。ブラック企業顔負けのハードワークですね。 武器は、指ぬきグローブの中から飛び出す仕込み針。アクターズスクール仕込み(?)の素早い動きで一瞬にして悪党の額を貫き、絶命させます。握手会に行ったら刺されそうで怖いですね。 ちなみにKに依頼するには、「ボン・マリ」という喫茶店のマスターに、殺ってほしい相手とその事情を伝える必要があります。すると、鷲尾圭のマネジャー経由でアイドル仕置人Kが始動するというわけです。マネジャーまでグルっていうのもすごいですね。どんな事務所だよ。 *** というわけで、イザという時に依頼したい「仕置人マンガ」をご紹介してみましたが、いかがだったでしょうか? 劇画の世界では、仕置人設定のマンガは数え切れないほどたくさんあります。メジャーどころでは『ブラック・エンジェルズ』、このほかにも『“殺意”ドクター蘭丸』『女仕置人ゼブラ』『女お仕置き人M』などなど、探せばあなたのニーズにピッタリの仕置人がきっと見つかることでしょう! (文=「BLACK徒然草」管理人 じゃまおくん<http://ablackleaf.com/>)






















