「代表戦も八百長だろ」アギーレ解任の裏にあった“億単位”スポンサーへのクレーム騒動

JavierAguirre0206.jpg  やっぱりレッドカードだった。八百長疑惑が浮上していたサッカー日本代表のハビエル・アギーレ監督が解任された。疑惑が持ち上がってから、協会内部では密かに後任探しをする一方で、一部の役員が「就任から数カ月で解任となったら任命責任を問われてしまう」と自らの責任回避で続投を決めていた。  しかし、協会が契約するスポンサー企業には、サッカーファンからのクレームが相次ぎ、広告代理店のサッカー担当も「これが解任を後押しした」と話した。 「公式サプライヤーのアディダスなど、億単位の契約を結ぶスポンサーはいずれも大企業で、このまま続けさせて法的に有罪となったら、任命責任では済まされない騒動になります。さらにまずいのは、この話を追及すると、マフィアに金を流した裏社会とのつながりが出てくる可能性があることです。日本では暴力団がらみの話は絶対アウトで、海外マフィアでもこれは同じ。もし続投させれば、日本がらみの試合までマフィアの賭博に絡んだ八百長疑惑にまみれることも考えられました」(同)  実際、スポンサーに寄せられたクレームの中には「アギーレ監督が、日本代表の試合でも八百長をやっている」という強烈なものもあったという。 「飲食関係のあるスポンサー企業には“マフィアに八百長疑惑を証言されたらマズい。監督は現在も彼らの言いなりで、(1月の)UAE戦に敗北したのも八百長だ”という内容のクレームがあったんです。ケガの影響が懸念されていた森重真人を出場させ、調子を落としている香川真司を執拗に使い続けたのはおかしいという内容で、実際にある賭けサイトでは、この試合のオッズはUAE勝利に16.5倍という高配当がついていて、マフィアが大儲けしたのではないかと書かれてました。実際にどうだったかより、こういう疑いが、負けるたびに浮上してしまうのは最悪でした」(前出・代理店担当者)  4年前、大相撲では八百長問題で場所が中止になり、多数の力士が処分を受けた結果、人気がガタ落ちしたことがある。このときも懸賞金を提供していたスポンサー企業が大揺れ、撤退したところもあった。  サッカー界を揺るがす前代未聞の八百長騒動には協会側のショックも大きく「次はクリーンな監督を選べるのか」と聞いてみたが、担当者が「努力します」と弱々しく答えるだけだった。  3月中旬にも新監督が生まれる見通しだというが、それより早くアギーレ氏が出廷して事情聴取を受ける八百長裁判の方も注目が続きそうだ。 (文=ハイセーヤスダ)

サッカー日本代表スタメンにスポンサーの影? 協会技術委員長「サブの方が強い」発言の波紋

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テレビ朝日『やべっちF.C.』
 延長戦の末に韓国を下し、地元オーストラリアが劇的な初優勝で幕を閉じた「サッカーAFCアジアカップ2015」。日本は惜しくもベスト8でUAEに敗れ、大会を後にした。その結果を受け、テレビ朝日系列番組『やべっちF.C.』が「日本代表、緊急討論会SP」という討論企画を放送。日本サッカー協会技術委員長の霜田正浩氏が、元日本代表FW中山雅史氏と解説者の松木安太郎氏の質問に答えた。その中の霜田氏のある発言が、今、ファンの間で波紋を呼んでいるという。 「中山さんの『サブの小林悠がすごいキレていた』という発言に対し、霜田さんは『サブの方が強いです』『サブの方がずっと良い』『ひょっとしたらサブの方がアギーレの信頼も厚かったかもしれない』と力強く断言したんです。この発言の真意はわかりませんが、スタメン組を固定して戦ったアギーレジャパンだけに、ファンの間では疑問の声が上がっていますね」(スポーツライター)  日本代表は、過密日程による疲労で明らかにスタメン組はベストコンディションではなかったし、その上、ケガ人も続出して、ギリギリの状態で戦っていたことは間違いないだろう。さらには、番組内で中山氏が発言した通り、サブ組の柴崎岳は短い時間でゴールという結果も残し、結果も出している。では、なぜサブ組を使わずに、スタメン組を固定したのであろうか? 「サブ組を使わなかった理由について、霜田さんは『負けたら終わりだったから、代えられなかった』と、歯切れの悪いコメントを残しています。これにはファンからも『だったら強い“サブ組”を出せ!』『サブ組の方が若く、将来性もある!』と怒りの声。さらには『これは、“スタメン固定のスポンサー契約”を暗に示す、霜田さんからのSOSだったんじゃないか?』という声も関係者の間では上がっています』(同)  霜田氏の発言が、スポンサーの介入に対してのSOSだったのか、ただ単にベスト8敗退の言い訳にすぎなかったのか、その真意はわからない。しかし、どちらにせよ、暗いニュースばかりが蔓延する日本サッカー界、アギーレの後任探しや、今後の展望について、日本サッカー協会には賢明な判断を願いたいところだ。 (文=沢野奈津夫)

解任ムードから一転……アギーレ続投を明言したJFA会長の“不確かな”判断能力

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 PK戦の末、UAEに敗戦を喫し、1996年大会以来となるAFCアジアカップ準々決勝での敗退となったサッカー日本代表。その数日前には、日本サッカー協会(JFA)の大仁邦弥会長が、ハビエル・アギーレ監督の八百長疑惑に関し、進退問題に含みを持たせた会見を行っていた。そのため、アギーレ監督の続投は、アジアカップベスト4以上が最低条件だと報じられていた。  だが、敗退直後、大仁会長は報道陣の「続投ですか?」という問いに、「そうです。十分やってくれている」と答えたというから驚きだ。もちろん、「八百長疑惑=解任」という図式はない。では、なぜ進退問題に含みを持たせた会見を行ったのか? サッカー関係者に話を聞くと、「大仁さんらしい。監督の良し悪しを、そこまで分かっていませんから」という返答が返ってきた。  というのも、大仁会長には、苦い過去があるからだ。95年当時、日本代表は加茂周監督が率いていたが、加藤久強化委員長は「加茂さんでは、フランスW杯には出場できない。95年にヴェルディ川崎を優勝させたネルシーニョ監督(11年にも柏レイソルを優勝に導く)に交代すべき」とレポートをまとめ、解任に動いた。  しかし、これをJFA上層部は受け入れず、強化委員たちは辞任。代わりに強化委員長に就任したのが、大仁会長である。  迎えた翌96年のアジアカップ。加茂監督率いる日本代表は、いいところなく準々決勝にて敗退したが、加茂監督は解任されず。結果、フランスW杯アジア予選では大苦戦し、予選まっ最中に加茂監督を更迭するという混乱が起きた。その中心にいたのが大仁会長で、サッカー関係者たちは、裏で大仁会長を「決断力のない人物」と酷評する。 「今回、大仁さんがブレたのは、視聴率だと思いますよ。当初は不人気だったアギーレ監督ですが、UAE戦の視聴率は20%超え。瞬間最高視聴率は35%だったそうじゃないですか。さらに、選手たちもアギーレ監督についていっている。そんな中で、大仁さんがアギーレ監督を切れるワケがない」(同)  今回は視聴率に救われたアギーレ監督だが、試合で結果を出せなければ、いつ解任されてもおかしくない状況であることは変わらない。くれぐれもJFAには、フランスW杯の二の舞いを踏まないでほしいものだ。 (文=TV Journal編集部)

「八百長さえしていなければ……!」アギーレの確かな手腕に、複雑な心境のJFA関係者たち

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 今月9日にオーストラリアで開幕した「AFCアジアカップ2015」。日本は、初戦のパレスチナを4対0と圧倒し、第2戦のイラクも1対0と相変わらずの決定力不足を見せるも、危なげなく退けた。“八百長疑惑”という暗雲が立ち込めるこのアギーレジャパンの好調ぶりが、サッカー協会関係者とファンの間に複雑なジレンマを生んでいるという。 「例の八百長疑惑の告発が受理され、アジアカップ後のアギーレ解任は濃厚とみられています。もし、解任せずに裁判が進み、W杯直前に有罪が確定してしまったら、目も当てられませんから。しかし、アギーレジャパンは好調ぶりを見せつけている。ザック時代には見られなかったエキサイティングなパススピード、ピンチを早めに摘む守備の連動性、最後方からもゲームを作れる森重真人や吉田麻也の展開力と、この時期の内容としては今までにないくらいの完成度ですね」(スポーツライター)  確かに、前大会の「アジアカップ2011」は、ザッケローニが優勝を勝ち取り、おおいに盛り上がった。だがそれは、不可解な判定によるGK川島永嗣の退場、毎試合生まれる新しいヒーロー、そしてオーストラリアとの決勝戦で見せた李忠成のスーパーボレーと、ドラマティックなゲームを見せただけで、内容や完成度がそれほど高かったわけでもない。 「それだけに、この八百長疑惑は本当にもったいないですね。先日のイラク戦も1得点に終わったものの、内容はほぼ完璧。後半攻められていた時間帯の、今野泰幸と清武弘嗣を投入し、相手の攻撃を鎮める場面には『采配もうまいんかい!』『ちょっとアギーレ好きになってきたぞ!』『こんなに安心して見られるアジアカップは初めてだ!』と、ファンの中でも悲しい賛辞が飛び交っていました。協会関係者内では『アギーレが無罪になることに賭けて、続投するか?』なんて声も聞こえているみたいです」(スポーツライター)  今大会のアジアカップの日本代表の出来には、イギリス人記者やブラジル人記者からもかなりの高評価を受けており、世界の評価も上々だ。果たして、解任濃厚のこの劣勢を“実力”という一点のみでアギーレは回避することができるのであろうか? 20日のヨルダン戦も目が離せない。 (文=沢野奈津夫)

「アギーレ・スキャンダル」をあざ笑う韓国サッカー界 “自殺者3人”八百長事件を忘れたのか

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 八百長に加担した疑いでスペイン検察から告訴されたサッカー日本代表のハビエル・アギーレ監督のスキャンダルは、「危機のアギーレ、八百長で告発される!」(サッカー専門サイト「SPORTAL KOREA」)、「告発されたアギーレ、更迭の危機」(ネットニュース「OSEN」)など、韓国でも詳細に報じられている。  スポーツ新聞の最大発行部数を誇る「スポーツ朝鮮」は、「アギーレ・スキャンダルで日本サッカーの地位も墜落の危機」という大見出しとともに、「問題が長期化されればアギーレ監督だけではなく、日本代表のイメージにも良くない。親善試合のマッチメイクに苦労し、日本サッカー協会のスポンサー企業から契約撤回される懸念もあるだろう」と、日本サッカー界の今後のことまで心配してくれているほどだ。それどころか、ケーブルテレビ局「チャンネルA」のスポーツニュースでは、詳細を伝えるキャスターがどこか“してやったり”といった表情をにじませながら、「日本はアギーレのせいで文字通り、メンプン状態のようです」と付け加えていた。メンプンとは「メンタル崩壊」の略語で、立ち直れないようなパニック状態に陥ってしまったことを指す。まさに今回のアギーレ八百長スキャンダルは日本にとっても「寝耳に水」といったところだが、韓国のネット掲示板には、まるで鬼の首を取ったかのような書き込みが並んでいる。 「アギーレ監督は自ら辞任すべきだし、起用を決めた責任者も退任すべき」 「韓国で同じようなことが起きたら、メディアやファンは黙っていない。即解任だ。日本のメディアやファンは様子をうかがいすぎだ」 「安倍総理が決断し、民間団体である日本サッカー協会に注意勧告すべきだ」 「日本は声明を出し、アジアカップ出場を自粛してはどうか」 「日本はアジアのサッカー先進国を自称するなら、八百長を許さない良心を示すべきだ!」  確かに八百長は許されず、断固とした処置が必要だが、韓国に指摘されたくないという気もする。というのも、韓国では2011年にKリーグで八百長事件が発覚。それもチェ・ソングッ(元柏)やキム・ドンヒョン(元大分)など代表経験者を含む59人の選手が起訴され、現役選手1人、元選手1人、元監督1人が自殺する一大スキャンダルが起きているのだ。国内プロリーグに八百長が蔓延していた韓国が、「八百長は許されない」と正義を振りかざしても説得力に欠けるし、「アジアカップを自粛しろ」と強要される筋合いもないだろう。  とはいえ、韓国が指摘する通り、アギーレ監督のスキャンダルで日本サッカー界が大きく揺れているのは事実。JFAはアギーレ体制でアジアカップに挑むことを決めているが、事態は流動的だ。韓国の掲示板には「アジアカップは更迭のための理由作り」と皮肉るコメントもあった。アギーレ・スキャンダルをあざ笑う韓国に、一泡吹かせたいところだが……。

ザック、ぺケルマン、ストイコビッチ……サッカー日本代表・アギーレ監督の“後任探し”が始まった!

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 サッカーの八百長疑惑でスペイン当局から告発されている日本代表チームのハビエル・アギーレ監督の後任者探しが、水面下で始まっているという。 「日本サッカー協会(JFA)の関係者が八百長問題に関して情報を収集していて、解任の際にドタバタにならないよう候補者選びを進めているとのこと。早く動かないと、足元を見られて金銭面での折り合いがつかないので、表向きは“解任はない”としながらも、間違いなく進めていますよ」(サッカー関係者)  日本代表監督が八百長告発されるという前代未聞の事態……18日のJFA定例理事会では、大仁邦弥会長が理事に謝罪したが、来年1月に開幕するアジアカップ豪州大会でもアギーレ監督を続投させる方針を伝えた。だが、これは後任探しのための時間稼ぎなのかもしれない。  アギーレ監督は2011年、当時指揮していたサラゴサがレバンテと対戦する前、大金を受け取ってレバンテ買収に使われたとされる。スペイン検察庁反汚職課が告発、これを裁判所が受理すれば、アギーレを含む41人が証人として喚問され、嫌疑があれば起訴されると伝えられている。  日本代表の監督としてアギーレを招聘したのは原博実専務理事で、当人は周囲に「(告発が)受理される可能性はあるとみている」と話しており、自身の責任問題に発展する覚悟もうかがえる。いずれにせよ、監督本人がいくら無罪を訴えても、起訴されればイメージダウンは大きく、解任は避けられない。  後任候補については、一部ではオズワルド・オリベイラ、マルセロ・ビエルサ、ホセ・ペケルマンらの名前が早くも挙がっているが、フリーである人物に限られることから、前監督のアルベルト・ザッケローニや、元名古屋グランパスのドラガン・ストイコビッチが浮上中だ。 「大穴では本田圭佑と一緒にやっていた元ACミランのクラレンス・セードルフという線も。前シーズンは8位に終わり、チャンピオンズリーグはおろかヨーロッパリーグの出場権も獲得できなかった人物ですが、これは前監督マッシミリアーノ・アッレグリが無策で、チーム内の士気を落としていた悪影響もあった。セードルフが目指すサッカーそのものは、機能的で理論がしっかりしていて、本田も『小学生にでもわかる戦術』と評しました。中央よりもサイドを組み立てる攻撃方法は、日本に合っている」(同)  日本代表の展開するサッカーはサイドからの起点で得点を生むパターンが多く、その点では確かに合致する。 「当然、潔白な人であることは絶対条件ですが、監督探しにもうひとつ付帯条件をつけるとすれば、低迷気味の本田と香川真司を復調させることができるような人材。ただ、条件面もあって贅沢なことは言えないでしょうけどね。急な不在となった場合は、アンダー21の手倉森(誠)さんが務めると話す人もいましたし」(同)  JFA関係者にこのあたりをズバリ聞いてみたが「申し訳ないね。まだコメントできる状態ではないんだよ」と、なんらかの動きを示唆したような言い方で回避。八百長疑惑に関しては、すでに協会の対応が遅いことも批判の対象となっており、いやでも新監督探しが迫られている。関係者からは「八百長監督を見抜けなかった汚名の挽回には、有能な新監督を連れてくること」という声も聞かれているが、果たして……。 (文=ハイセーヤスダ)

宿命のライバルゆえ? 何かと比較される日韓サッカー代表監督の憂鬱

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 サッカー日本代表を率いるハビエル・アギーレ監督の評判が、韓国でも芳しくない。ネットニュース「NEWSis」も「日本、アジアカップを2カ月前にしてアギーレ体制が騒がしい」と報じている。その根拠となっているのが、9月の就任以降のAマッチ戦績が6戦3勝1分2敗と振るわないことや、新戦力の発掘が少なくザッケローニ前監督時代から代わり映えしないことなど、日本でも報じられているアギーレ体制への不満だ。さらに、アギーレ監督がスペイン時代に関与したとされる八百長疑惑や、母国メキシコのサッカー殿堂入りが決まったアギーレ監督が式典参加のために日本代表合宿から離脱したことなども詳細に伝えながら、「本当に名将か?」(サッカー専門誌「月刊ベストイレブン」)と指摘するメディアもあるほどだ。  もっとも、そんな韓国も数カ月前まではアギーレ監督を招聘した日本をうらやましがっていた。日本同様にブラジルW杯でグループリーグ敗退した韓国は、現役時代から“国民的英雄”だったホン・ミョンボ監督が辞任。復活を期して外国人監督起用に舵を切るが、2010年南アフリカW杯でオランダ代表を準優勝に導いたベルト・ファン・マルワイク氏とは条件面で折り合わず白紙となり、イタリア人で元ユベントスの監督だったチロ・フェラーラ氏とも合意できず。新監督がなかなか決まらなかった。  そんな韓国とは対照的に、ブラジルW杯後に早々とアギーレ監督招聘を決めた日本に対し、メディアやファンたちも「韓国とは対照的な日本の迅速で確実な投資は、いつもうらやましく映る。これがアジアのサッカー先進国と後進国の違いだ」と嘆いていたほど。韓国は紆余曲折の末に、70~80年代にドイツ代表で活躍したウリ・シュティーリケ監督と契約を交わしたが、メキシコ代表を2度のW杯16強に導き、スペインリーグでも実績を残したアギーレ監督と比較するとネームバリューは低く、近年は中東カタールで活動していたことから“峠を過ぎた監督”と落胆するファンも多かった。  ところが、このシュティーリケ監督が思いのほか好人物。結果を恐れず敵地に出向いて、イランやヨルダンなどとも強化試合を実施。就任した10月以降の Aマッチ戦績は2勝2敗ながら、新しい戦術を試したり、新戦力発掘のためにKリーグも視察。大学リーグまで足を運ぶ熱心さが、高評価を得ている。「シュティーリケとアギーレ、監督に対する韓日の温度差が克明」(サッカーメディア「SPORTAL KOREA」)と、2人を比較する記事まで出回っている。  もっともサッカーの世界において、日韓の代表監督が比較されるのは今回が初めてではない。宿命のライバル関係にある両国ゆえに、代表監督は常に比較されるだけではなく、その対戦結果が進退問題にも関わってきた。2002年ワールドカップでは、日本代表を率いたフランス人監督のフィリップ・トルシエと韓国代表を率いたオランダ人のフース・ヒディンクも、戦術、采配、年俸といったピッチの中はもちろん、家族、趣味、プライベートなどピッチ外の私生活まで比較されたほどである。  そんな因縁に基づくと、アギーレとシュティーリケは双方がお互いを意識していなくとも、それぞれ日本と韓国という国を率いることになった以上、比較される宿命からは逃れられない。まさに、メキシコ人とドイツ人による日韓サッカー代理戦争。2人からしてみれば面倒で迷惑な話だろうが、来年1月のアジアカップでは日韓直接対決もありうるだけに、両国サッカーファンたちは2人の外国人監督の動向に今後も注目せずにはいられないだろう。ちなみに在任期間が最も短い日本代表の外国人監督は、94年5月から同年10月まで率いたブラジル人のロベルト・ファルカン。アギーレ監督同様、大きな期待を集めて日本代表監督に就任したが、アジア大会で韓国代表に敗れて5カ月で更迭された。アギーレ監督がファルカンの二の舞いを演じてしまうことだけは、避けてもらいたいところだが……。

【日本代表】ファルカン以来の早期解任か!? 勝っても窮地のアギーレ監督「ザックの遺産を使った?」

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JFA公式サイトより
 アジアの強豪であるオーストラリアを2-1で下したサッカー日本代表。前半こそ、オーストラリアのフィジカルに屈したものの、ハビエル・アギーレ監督がすぐにフォーメーションをドイスボランチ(ダブルボランチ)に変更し、失点するのを防ぐ。さらに後半開始前には、リズムを握るために今野泰幸を投入し、オーストラリアペースを弱める。仕上げは乾貴士の投入だ。幅と深さを使った攻撃を機能させ、記者席にいるオーストラリアメディアが「GKのファインセーブがなければ大量失点だった」とこぼしたくらい、オーストラリアを圧倒した。    だが、アギーレ監督へのメディアの評価は依然厳しい。  先日のホンジュラス戦後に「ザッケローニの遺産を使ったね。今日の試合で一番喜んでいるのはザッケローニなんじゃない?」(セルジオ越後氏)という皮肉が多く聞こえたが、オーストラリア戦を終えて、その声はより強まった。  というのも、オーストラリア戦では、ザッケローニ監督と同じ4-2-3-1というフォーメーションにしてからリズムをつかんだため、武田修宏氏は「結論から言うと、ザッケローニ監督時代のチームよりも確実に弱くなっている」(東スポWeb)と指摘。記者席からも、そういった声は聞こえてくる。  実際に、現場にいるサッカーコーチの目には、どのように映っているのか? 「ザッケローニ監督は、選手たちの声に引っ張られて、途中から『自分たちがボールを持っている』前提でチーム作りを進めました。一方のアギーレ監督は、『相手がボールを持っている』前提でチームを作っています。同じように見えて、両者のアプローチはまるで違う。『中盤でボールを奪ってからの縦パス』は、ものすごく増えています」  現場のコーチたちいわく「日本代表は、世界と同じ潮流で進んでいる」とのことだが、大手メディアや解説陣はアギーレ監督の手腕に懐疑的である。となると、思い出されるのは1994年に日本代表監督に就任し、多くの若手を試している間に解任されてしまったパウロ・ロベルト・ファルカン監督の例だ。アギーレ監督への評価は、その時を思い起こさせるくらいに低い。  そんな世論を察知し、「勝ちに行く」と選手たちを鼓舞した2試合で、勝利をつかんだアギーレ監督。「この6試合で計画通りに進んでいる」と自信を見せたが、残念ながら世論はそうは思っていない。その半面、オーストラリア代表のアンジェ・ポステコグルー監督が「このチームで経験した試合としては、最も苦しい試合」「ここ2試合の対戦では、(日本代表は)多くのJリーグの選手にチャンスを与えながらも結果を出している」と評価しているのは、なんとも皮肉である。 (文=週刊審判批評編集部)

アギーレJAPANがオーバー30の長谷部、遠藤を招集した本当の狙い

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 先日行われたキリンチャレンジカップ2014で、ホンジュラスを6-0で粉砕した日本代表。つい数日前には、スポニチアネックスに「アギーレ監督事情聴取も」という題名で「日本サッカー協会(JFA)首脳がアギーレ監督の手腕に疑問を持ち始めた」と報じられたが、この勝利でアギーレ監督の首はつながったといえるのだろうか?  というよりも、関係者の間では「そもそも、なぜJFAがアギーレ監督に疑問を持ち始めたのか分からない」という声のほうが多いようだ。  スポニチアネックスによると、JFAは「アギーレ監督は『選手を育てながら勝つのが仕事』と豪語していたが、遠藤保仁(34)などを招集。さらに、JFA内にはアギーレ監督が採用する4-3-3システムが日本に適しているのかという声も上がり始めた」とレポートしている。 「『選手を育てながら勝つ』という言葉の裏には、チームを持続的に成長させていくという意味もあります。たとえば、一般的にサッカー選手は、30歳を超えたらそこまで成長は望めない。32歳を過ぎれば、下降線をたどります。一方で、18〜24歳くらいの選手たちには伸びしろがある半面、波もある。30代の選手と20代前半の選手をチームに組み込むことで、安定と成長をチームにもたらす。多くの強豪チームが、このようなメンバーをそろえます。アギーレ監督は、JFAやメディアからの『結果を見せてほしい』というリクエストに応えるために、遠藤や長谷部誠など30代の選手を招集したのでしょう」(若手のサッカーコーチ)  アギーレ監督からすれば、ブラジル大会のメンバーを招集すれば楽に勝てるのは当然で、「(遠藤と長谷部がいれば)中盤が自信を持ってプレーできる」とも分析している。これまで遠藤や長谷部を招集しなかったのは、安定した彼らの力を使うのではなく、世界と交わる機会のないJリーグの選手たちに国際舞台を経験させ、この水準でどれだけできるのか試したのだろう。結果、ほとんどの選手が脱落したが、一方で武藤嘉紀のようなスター候補生も生まれている。招集された若手たちは「遠藤さんや長谷部さんは、ここまでできるのか」と舌を巻いていたくらいで、「もっとやらなければ」という気運も上がっていた。効果はてきめんである。 「4-3-3がどうこうという話も、ナンセンスに思えます。ブラジル大会前に、識者たちは、『世界で勝つためにはアンカーを置いて、4-1-4-1にすべき』と指摘していましたが、アギーレ監督の4-3-3には、アンカーがいる。前の3枚の両サイドは守備にも戻ってくるので、4-1-4-1のような形でも守れる。ホンジュラス戦後に、アギーレ監督が『相手陣内で仕掛けることもできるし、引いて待ってから攻撃を仕掛けることもできる。チームには両方のオプションを与えている』と語っていますが、まさにその通りではないでしょうか」(同)  就任以降、何かと批判を受けているアギーレ監督。メディア受けもあまりよくないが、若手のサッカーコーチたちいわく「今後が楽しみです」とのこと。ただし、現状を考えると、次戦のオーストラリア戦に敗れると、また解任騒動となりそうだ。アギーレ監督には厳しい空気だが、これが本来の代表監督へのプレッシャーでもある。 (文=週刊審判批評編集部)

【サッカー日本代表】ジャマイカ戦勝利もメディアは手厳しい反応……アギーレ批判の裏にJFAの権力争い?

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JFA公式サイトより
 先日行われた「キリンチャレンジカップ2014」でジャマイカ代表に勝利したにもかかわらず、試合後の記者会見では「日本代表は常に決定力不足だったが、解決する具体策はあるのか?」とプレスから手厳しい質問を受け、新聞にも「コンセプト見えないアギーレ 今後も同様なら処遇考えるべき」などと書かれるなど、メディア側からどこか否定的な雰囲気が漂うアギーレジャパン。歴代の日本代表監督を見ても、就任して半年もたたないうちにここまでバッシングを受けるのは異例の事態である。実際のところ、アギーレ監督の采配はいかがなものなのだろうか? 「アギーレ監督のサッカーは興味深いですよ。確かにジャマイカは低調なパフォーマンスでしたが、それでも身体能力は折り紙付き。そんな相手に対し、前線から激しくプレッシングをかけ、かつコンビネーションでの崩しもあった。高い位置でボールを奪って、速くゴールに向かうというのはサッカーの原理原則で、それをコンセプトにしている。現時点では、批判される要素は見当たりません」(フィジカルトレーナー)  では、なぜアギーレ監督は批判されるのか? あるメディア関係者は「日本サッカー協会(JFA)内の権力争いがあるのでは」といぶかしむ。 「JFAは、2016年の次回役員改選から、会長や理事を決めるために立候補者を募って選挙制を導入します。今までは密室の中で行われていたものが、オープンになるんです。そうなると、今までの権力闘争が無になる。前JFA会長の犬飼基昭氏が『(在任中)田嶋(幸三:現JFA副会長)の派閥に業務の邪魔をされた』と語っているように、JFAには派閥があり、正しいことよりも派閥の力学が優先される傾向がある。そんな中、アギーレ監督を招聘した原博実氏は無派閥。原氏は欧州とのコネクションも豊富で、アギーレ監督招聘後に技術委員長から専務理事に出世しました。そんな原氏を、JFA会長に推す声は多い」(同)  原氏が会長に就任すれば、JFA内に新しい風が吹き込むことは確実。だが、そうはさせじと“派閥側”が暗躍しているのではないか、と前述のメディア関係者は見る。 「アギーレ批判をしているのは、主にJFAの“派閥側”と蜜月の記者が多い気がします。アギーレ監督を追い落とすことで、原氏の失脚を画策しているのでは、と勘ぐってしまう」(同)  今夜のブラジル戦、アギーレジャパンには周囲の雑音を吹き飛ばすような快勝を期待したい。