二極化する世界への違和感──『FAKE』森達也が“ゴーストライター”佐村河内守を撮ったワケ

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撮影=後藤秀二
 オウム真理教の信者を追ったドキュメンタリー映画『A』『A2』の森達也監督にとって15年ぶりとなる単独監督作『FAKE』が、6月4日から渋谷・ユーロスペースほか全国で順次公開される。  今回は、あのゴーストライター騒動でおなじみの、元“現代のベートーベン”佐村河内守を追ったドキュメンタリー映画。  騒動の大きさとともに、あまりにもうさんくさすぎるルックスのせいで「ミスター・ペテン師」として日本中に知られることとなった佐村河内氏を、森監督がどう料理するのか!? いろんな疑惑を暴いてくれるんじゃないか? ……と、公開前から期待が高まりまくっている『FAKE』だが、森監督のカメラに切り取られた佐村河内氏は、ワイドショーなどで繰り返し紹介されていた「ペテン師」キャラクターとはまた違った面を見せており、映画を見た人は良くも悪くも、佐村河内氏をちょっと好きになってしまうことだろう。  とにかく、何がフェイクで何がフェイクじゃないのか? そもそも、これは本当にドキュメンタリー映画なのか!? ……など、余計なことまで深読みしまくって、いろいろと語りたくなってしまう映画『FAKE』が、今年最大の話題作となるのは間違いなさそうだ。  ……というわけで、公開を記念して森達也監督に『FAKE』について話を訊いてきたのだが、訊けば訊くほど、ズブズブとフェイクな沼にハマっていくような感覚も……。とりあえずみんな、映画を見て、自分で判断してくれ! ■「フォトジェニックだな」と思ったから ――まずは、『A』『A2』『311』ときて、なぜいきなり佐村河内さんだったのかというのを聞きたいのですが。  彼に会ったから。 ――それだけですか?  はい。 ――もうちょっと何かあるのでは?  ……そもそも、彼のことを知りませんでした。新垣(隆)さんの記者会見に端を発して例の騒動になったときも、「へえ、こんな人がいたのか」くらいの感じです。それからしばらく過ぎて、2014年の8月頃に、知り合いの編集者から「佐村河内さんの本を書きませんか?」って依頼が来たのだけど、最初は断りました。忙しかったし、あまり興味もなかったし。 ――あのゴーストライター騒動自体には、興味がなかった?  はい。でも、その編集者が、とても熱心に誘ってくれたんですね。「メディアの報道とはまったく別な面が見られるから、一度会ってみてほしい」と。それで、話のタネになるかな……くらいのレベルで、佐村河内さんの家に行った。2時間くらい話してから、「あなたを映画に撮りたい」と言いました。 ――そのとき編集者は?  隣の椅子で呆然としていました。申し訳ないことをしちゃった。 ――本を書いてほしいと頼んでいたのに……! 会う前は興味のなかった佐村河内さんを、急に撮りたいと思ったのはなぜですか?  彼が話す内容自体よりも、「フォトジェニックだな」って思ったんです。佐村河内さんだけじゃなくて奥さんもいて、猫もいて、ベランダに出たら、すぐそこに電車が走ってて……そういった、いろんな要素がね。これは活字じゃなくて、映像向きだなと思ったんです。 ――佐村河内さんは、すぐにオッケーしてくれたんですか?  その場では、即答してくれなかったですね。奥さんも嫌がった。でも、奥さんが撮れないんじゃ、成立しないと思っていた。 ――まあ、奥さんからしたら、撮られるメリットはないでしょうからね。  マイナスですよ。佐村河内さんはほとんど部屋から外に出ないけど、奥さんは買い物や銀行に行ったりする。この映画で顔を出したことによって、もしかしたら買い物にも行けなくなるかもしれないですから。 ――奥さんがオッケーした決め手は、なんだったんでしょうか?  明確に許可はもらっていないです。なし崩しです。映画の冒頭で、テーブルの上にカメラを置いて「たぶんここは使わないから」とか言い訳をしながら撮影しているカットがありますけど、あの時点では、奥さんの撮影はダメだったんです。その後、なし崩し的にオッケーにしちゃったんです。
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■当たり前だけど、全部グラデーションなんです ――やっぱりみんな気になるのは「耳は聞こえるのかどうか」「作曲しているのかどうか」という点だと思いますけど、森さん自身はこの疑惑に対して、どういったスタンスで撮影をしていこうと思っていたんでしょうか?  うーん、事実なんて僕にはわからないですから。それまでいろんな報道を見てきて「ずいぶんウソをついている人なんだな」と思っていたけど、実際に会って話を聞いたら「そうではない」と彼は言う。それで、映画の中にも出てくるいろんな資料を見せられたりして……。それ自体には強い興味を惹かれなかったんですが、一生懸命それを説明している彼と、手話通訳する奥さんと、向こうにいる猫と……その状況が面白かったんです。  まあ、いずれにしても、「どっちが正しい、どっちが間違っている」と決めつけるメディアや社会に対して、違和感があったことは確かです。佐村河内騒動が起こるちょっと前に、食品偽装問題ってあったでしょ? 大正エビと思って食べていたら、別のエビだったからけしからんとみんなは怒っていた。でも、おいしければどっちでもいいじゃんと思うんだけどね。STAP細胞騒動もほぼ同じ時期です。それから朝日新聞の従軍慰安婦報道騒動。あの時は産経、読売……とほぼ全メディアが、「国賊」とか「反日」などの語彙を使いながら朝日を罵倒しました。でも「吉田証言」を根拠にした記事を出したのは、ほかのメディアも同様です。確かに朝日は回数が少し多かったかもしれないけれど、それを理由になぜここまで無邪気に叩けるのか、僕にはさっぱりわからない。  これら全部に共通していることは、真実か虚偽か、正義か悪か、極端に二分化されているということです。それがとても気持ち悪くて。現実ってそんな単純なことじゃないはずなのに、なんでこんなに二極化が進行しているんだろうっていう気持ちがあったんですね。  もしかしたら、彼を撮ることで、そういうことに対しての違う視点みたいなものを提示できるんじゃないか……という、直感みたいなものがあったのかもしれないですね。……まあ、半分は後付けの理屈だけど。 ――ネット時代になって価値観が多様化したかと思いきや、「叩いていいぞ」っていう人が出てきたらみんなで一斉に叩きまくって、擁護する人間は許さない……みたいな傾向は強くなっていますよね。  葉っぱを絵に描こうと思った時に、緑色の絵の具をそのまま使う人はまずいないでしょ? そこに茶色を足したり、黄色を足したりするじゃないですか。それがリアルであって、世界なんです。でも今のメディアは、わかりづらいとの理由で、情報を四捨五入して簡略化してしまう。その帰結として、世界が原色になる。雪は白だし空は青。つまり世界が矮小化される。ならば、それこそがフェイクです。しかも扁平。どんどん世界がつまらなくなって、息苦しくなっているなと感じています。別に、みんなが「黒だ」と言っていることを「白だ」と言うつもりはないけれど、「もっと間にいろんな色があるんだよ」とは言いたいですね。 ――聞こえる、聞こえないの間に、いろんな要素があるということを言いたかったと?  佐村河内さんの症状は、「感音性難聴」です。聞こえる音と聞こえない音があるらしい。たとえば、こういう音(机をコンコン叩く)は聞こえるんですね。彼は「曲がって聞こえる」と言っていますが。体調によっても、聞こえる日と聞こえない日があったり。それに彼は口話ができるから、相手の口の動きで、言っていることが読み取れたりもする。でも、初対面の相手だとほとんど読み取れない。……だから、全部グラデーションなんです。さまざまな色があるんです。当たり前のことだけど、1か0かじゃない。  でも、メディア的には「聞こえるか聞こえないか」になってしまう。それまでは「全聾の天才作曲家」と呼ばれ、騒動後は「聞こえているのに聞こえてないフリをしていたペテン師」です。間の領域が見事にない。 ――そういう症状について、映画の中では、あまり細かく解説はしていないですよね? 解説があったほうが、わかりやすいかなとも思うのですが。  もちろん、わかりづらいよりはわかりやすいほうがいいけれど、わかりやすさを求めるベクトルは、四捨五入や単純化と同義です。慎重さは必要です。  実際に存在するものしか撮れないからこそ、ドキュメンタリーにおいてはメタファーが重要だと僕は思っています。つまり暗喩。何かを撮りながら、違う何かを想起させる。その意味で、この映画では、聴覚障害は重要な要素ではあるけれど、メタファーの材料でもあるわけです。それを正確に理解することへの優先順位は、必ずしも高くはない。  最初に撮影を依頼したとき、同時に「あなたの名誉を回復する気は全然ない。自分の映画のために、あなたを利用したい」と僕は言いました。彼も、それは納得してくれました。そもそも感覚は、他人には絶対に共有できない。僕が見る黒色は、誰かにとってピンク色かもしれない。正解は誰にもわからない。どこまで行ってもグレーゾーン。そこを白黒ハッキリさせるということが、この映画のテーマじゃないので。 ――森さんの表現のために佐村河内さんを利用するということですが、映画の中で、いろいろと演出をしているじゃないですか。「アレをやってください」「コレをやってください」って。ドキュメンタリーを撮るにあたって、撮影者の作為が入ってくるのはアリだと思いますか?  全然アリというか、それが当たり前です。辞書で「ドキュメンタリー」って引くと、演出や脚色の一切ない客観的な……どうのこうのって書かれていますけど、ならばそれは監視カメラの映像です。映画は作品ですから、僕の作為や視点は当然反映されます。  ドキュメンタリーの演出は、化学の実験に似ていると思います。ここにフラスコがある、そこに被写体を入れます、それを火であぶったり冷却したり振ったり、場合によっては、僕がカメラを持ってフラスコの中に入っていったりもする。その過程とか相互関係を描くのがドキュメンタリーだと思っています。そもそもカメラが撮れるのは、カメラによって変容した事実です。人は誰だって演技します。だから、こっちから仕掛けるのは当たり前のことです。客観的にカメラを回しても、作品になるわけがない。というか、主観がなければ、編集はワンカットもできないし、カメラもフレームを決めることはできません。 ――だからこそ、森さんから「アレをやってください」と提案しているところまで含めて映画の中に入れているんですね。  だって相互関係だから、僕の座標軸も示さなくちゃいけない。『A』も『A2』も、全部その座標軸を出しているはずです。でも、テレビのつまらないドキュメンタリーって、作為や主観を隠して、カメラをないものとしてしまう。そのほうが客観的に見えるから。でも、客観的な映像などありえない。 ――新垣さんが浮かれたテレビ番組に出ているのを佐村河内夫妻が見ているシーンなんかも、森さんからの提案なんでしょうか? 佐村河内さんからしたら、あまり見たくない番組だと思いますが。  意図的に見せようとしたわけじゃないですが、あの頃は、ほぼ毎日のように新垣さんがテレビに出ていたんで、撮影している中でテレビをつけると、相当な確率で新垣さんが出てくるんです。確かに佐村河内さんは「あまり見たくない」とは言っていましたけど、「見ましょうよ」くらいの提案はしましたね。 ――佐村河内さんが出演を断ったバラエティ番組に、代わりに新垣さんが出ていじられまくっているのを、暗い部屋の中で佐村河内夫妻が見ているのは、いろいろと印象的なシーンでした。  映画の中ではフジテレビのバラエティ番組がたまたま俎上に載っていますけど、メディアに関わっている人だったら、あの人たちと自分との違いなど口にできないはずです。僕だってあの立場なら、きっとああいうことをやりますよ。本人に悪意はなくても、表現は絶対に誰かを傷つけるんです。テレビの場合は、忙しすぎてルーティーンになっちゃってますから、そればっかり考えていたら前に進めなくなるというのはわかりますけど、たまには自分たちが人を傷つけているんだっていうことを意識したほうがいいと思います。  僕がテレビをやっていた時代の先輩たちは、そういう意識があったと思う。「どうせオレたちはハイエナだ」とか「人の不幸を飯の種にしているんだ」などと。つまり、後ろめたさです。メディアに携わるのなら、この意識だけは持ち続けたほうがいい。でも、今はテレビ局が超優良企業になってしまい、その意識がとても淡くなってしまった。後ろめたさをなくしたら、報道は正義になってしまう。それは絶対に違います。 ――あのバラエティ番組のほかに、報道番組からの出演オファーがあって、そっちには佐村河内さんが出演したらしいですね?  その番組では彼のインタビューを、僕から見ても、とても公正に紹介しました。ところが、その番組は、まったく話題にならなかった。誰かを叩いたり、ちゃかしたりする番組は話題になるのに、真摯に彼の言葉を紹介した番組だと全然話題にならない。 ――そうなると、視聴率を追い求めるテレビ番組では、そういう言葉を紹介できなくなっちゃいますよね。  つまり市場原理です。メディアは社会の合わせ鏡として機能する。よく「マスゴミ」などと嘲笑する人がいるけれど、それは自分たちをゴミと言っているに等しいんです。
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■佐村河内さんはチェックしていません ――映画の中で、森さんが佐村河内夫妻に向かって何度も「僕のことを信じていますか?」と言っていますが、あれはやはり信頼関係を築かないと、この映画は撮れないと思ったからですか?  うーん……。信頼関係ってよくみんな言うけど、信頼関係なんてなくてもドキュメンタリーは撮れるんです。だって、『ゆきゆきて、神軍』の原一男さんと奥崎謙三に信頼関係があるかっていったら…… ――ないでしょうね(笑)。  それでも、あんなにスリリングなドキュメンタリーが成立する。みんな「被写体との信頼関係が前提」とか言うけど、僕は全然そう考えてないですね。 ――じゃあ、なぜ「信じていますか」と、しつこく言ったんでしょうか?  誘導や挑発かもしれないし、手練手管かもしれないし、でもどこかで本音かもしれない……。自分でもわからないですよ。さらに、その場面を映画の中で使っているということにも、何か意味があるのかもしれない。編集には、必ず意味はありますから。説明できるかどうかは別にして。 ――映画の着地点はどこにしようと考えながら撮影していたんですか?  撮り始めた頃は、全然想像つかなかったですね。多くのドラマだったら「ラストはこうしよう」と決めてから撮りだしますけど、ドキュメンタリーですから。まったく手探りで始めています。 ――ある時点から、佐村河内夫妻のラブストーリーを撮ろうという意図を感じたんですが。  うん、そういえばそうだ。ラブストーリーが撮りたかったんだと思いますよ、最初から。 ――本当ですか?  北村さんの誘導かもしれない。 ――(笑)。ラスト近くに、森さんはいなくて、夫妻がお互いに撮影をし合っているという、いいシーンがありましたけど、あれはカメラを預けて撮ってもらったんですか?  カメラを預けたんじゃなくて、2人が自主的にスマホで撮っていたんです。あの時期、もうどうにもこの映画を終わらせられそうになくて、僕は行き詰まっていた。だから、しばらく会いに行かなかったんです。でも、僕が行かない間に彼は、ある行動を起こしていた。何度か「来てください」っていう連絡は来てたんだけど、行く気がしなくて、ほったらかしにしていたんです。  それで、しばらくぶりに行ったら、随分進行しちゃってて。その間の映像がないのはマズイなと思っていたら、奥さんがスマホで撮っていたというんで、それを使わせてもらったんです。 ――そこで、落としどころが見つかったなというのはありましたか?  そうですね。ひとつの終わりにはなるかもな、って感じはしましたね。 ――ところでこの映画、佐村河内さんは内容のチェックをしているんですか?  今の段階では、厳格にはしていません。音が聞こえないんだから、見てもわからないでしょ? まあ、簡易なテロップをつけたものは見てもらいましたけど。ただ撮影中から、「映画は監督のものなので、自分は何も言いません」とは言っていました。その覚悟はしてくれていたと思います。
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(c)2016「Fake」製作委員会
■僕の手のひらの上で勝手にやってね ――「誰にも言わないでください、衝撃のラスト12分間」というキャッチコピーがつけられているので、よっぽどのことがあるのかと試写会で身構えてしまったんですが、僕個人としては、別に言ってもいいんじゃないかなと思ったんですが……。  編集が終わって、宣伝についての打ち合わせの段階で、「ホラーかサスペンス映画で、こういうフレーズがあったよね」ということでつけただけのキャッチコピーなんです……。どうせ(試写を見た)誰かが言っちゃうだろうと思っていたけれど、今のところは誰も言ってないですね。まあ約束うんぬんのレベルではなくて、知らずに見たほうがいいかなと自制してくれたような気がします。それは、とてもありがたいです。 ――『FAKE』というタイトルも相まって、サブカル界隈の著名人たちがいろいろと深読みをしていますが、このタイトルには、どういう意味があるんでしょうか?  深い意味はないです。最近、誰かに言われて気づいたのだけど、僕の映画って今回だけでなく、『A』『A2』『311』と、全部アルファベットと数字しか使ってない。意識のどこかで「意味を出したくない」というのがあるんだと思います。普通、タイトルって、映画全体の意味を凝縮させるわけでしょ? でも「凝縮しちゃダメだろ」と常々思っていて。本来もっと多面的なのに、なんで凝縮しちゃうんだと。今のメディアに対する違和感と同じですね。だから本当はタイトルなしが一番いいんですけど、さすがにタイトルがないと興行できないから、とりあえず『FAKE』と。それも相まってなのか、多くの人が深読みしすぎて、「あそこがフェイクじゃないか」「外国人記者がフェイクだ」「奥さんがニセモノなんじゃないか」とか、いろいろ言われていますけれど……。 ――町山智浩さんが『オーソン・ウェルズのフェイク』との関連性を指摘していましたが、そんなことは……?  その映画、見たことないです。 ――ああー! みんな考えすぎですね。  チラシに「視点や解釈は無数です」と書きましたけど、ちゃんと作品で誘導しているつもりですから、本気で自由に解釈してほしいと思って書いているわけじゃないです。「自由に解釈してもいいけど、僕の手のひらの上で勝手にやってね」というレベルです。まあ深読みする人がいたら、それはそれでいいかなとも思いますが。映像って、そういうものですから。最初に活字じゃなく、映像にしようと思ったのは。そういう想像を広げる余白がいっぱいある素材だなって思ったからです。 ――それでは、次に撮りたいと思っている題材は?  ……これもよく聞かれるけど、今は何も考えられないですね。さっきも言ったように、表現は必ず人を傷つけます。『A2』から15年間も新作を撮れなかった理由のひとつは、『A』と『A2』でたくさんの人を傷つけたという自覚があるからです。HPがほぼゼロになってしまった。今もまた、新作を撮り終えてほぼゼロになっちゃってるんで、ある程度時間がたって、また人を傷つける覚悟ができたら、次の題材を考える余裕が出てくるんだと思います。 (取材・文=北村ヂン) ●『FAKE』 監督・撮影:森達也 主演:佐村河内守 プロデューサー:橋本佳子 撮影:山崎裕 編集:鈴尾啓太 制作:ドキュメンタリージャパン 製作:「Fake」製作委員会 配給:東風  6月4日(土)よりユーロスペースにてロードショー、ほか全国順次公開 <http://www.fakemovie.jp/●同時公開『A2』完全版 森達也監督15年ぶりの新作『FAKE』公開に合わせ、2002年の劇場公開時カットされた幻のシーンを加えた完全版を、ユーロスペースにて上映。 6/18(土)~24(金)21:00 7/9(土)~15(金)21:00

「日清カップヌードル」CM放送中止騒動で日清社員たちも“迷走”! 前代未聞の囲み取材対応も

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『小林幸子全曲集2015』(日本コロムビア)
 わずか10日足らずで放送中止となり、物議を醸している「日清カップヌードル」のテレビCM。著名人たちもテレビやSNSなどでさまざまな意見を表明するなど、各界を巻き込んだ騒動となっているが、この影響をモロに受けた日清食品の社員たちが混乱している様子が垣間見えるイベントがあったという。  同CMは3月30日から放送された「OBAKA’s UNIVERSITY」シリーズ第1弾で、ビートたけしが学長を務める架空の大学にて、矢口真里、小林幸子、新垣隆といった、過去に世間を騒がせた有名人が登場し、それをイジるという内容。この中で、矢口は「危機管理の権威」として心理学部の准教授役で登場したのだが、「二兎を追うものは、一兎をも得ず」と、自身の不倫騒動をネタにしたセリフを発したことで、日清食品へ「不倫を擁護しているのではないか」と批判が殺到。同社は公式サイトで「皆様に、ご不快な思いを感じさせる表現がありましたことを、深くお詫び申し上げます」と謝罪し、4月8日にシリーズ第1弾の放送を中止する事態にまで発展した。  そんな渦中の同社が、11日に新商品「『カップヌードル リッチ』バカリッチな発表会」を開催。イベントの舞台裏では、こんな“迷走”があったという。 「CM放送中止後初で、しかもCMに出演していた小林幸子も出席するとあって、会場には多くの報道陣が詰めかけました。そこで、同社関係者から壇上で一言でもCM中止について説明があるのかと思われましたが、司会が商品説明や小林とゲストのビートきよしを呼び込むのみで、何事もなかったかのようにスタート。ただ、ステージ上の台本がかなり変わってしまったのか、商品にコラーゲン1000mgを配合としているというところを、小林が『コラーゲン100mg』と発言しても誰も訂正しなかったりと、グダグダ感はありましたね。また、CMとは関係のない新商品の発売ということを印象付けたかったのか、このイベントに小林が起用された理由についても、きちっとした説明はありませんでした」(ワイドショー関係者)  なお、本イベントの案内状が来た際には小林による囲み取材も予定されていたそうだが、後日、囲み取材がなくなったという通達も届いていたのだとか。しかも、イベント終了後の現場は妙な雰囲気だったといい……。 「終了後、特になんのアナウンスもなかったため、テレビ局のスタッフやほかの記者たちはほとんど引き上げたのですが、後に活字媒体向けに、同社の広報部長が急きょ囲み取材を開いたというんです。そこで、それに参加したという記者によると、最初は1人ずつ記者が呼ばれ質問をするという、あまり聞いたことのない形式から始まったそうです。ただ、途中から同社側がこのままでは時間がかかると判断したのか、スポーツ紙各社の数人がグループで、ほかWEB記者の数人で1グループにと、分ける形になったらしいです。しかし、別の関係者から、囲み取材のときはスポーツ紙各社から代表インタビュアーを1人決めて質問してほしいという相談を受けたそうで、この前代未聞の流れに“それはどうなのか?”と、困惑した記者も出たため、結局、普通の囲み取材の形式に戻ったそうですよ」(同)  どうやら、同社も慣れない対応に四苦八苦していたよう。今後、CMの制作は継続するというが、果たしてどんなものが仕上がってくるのだろうか……。

勘違いぶりが原因!? 新CM中止で再び窮地の矢口真里「最近、事務所が調子に乗っていた……」

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 元モーニング娘。の矢口真里が、再び露出減少の危機に直面しそうだ。起用されたカップヌードル(日清食品)のテレビCMに批判が殺到し、スピード打ち切りとなってしまったのだ。  問題のCMは先月30日から放送され、ビートたけし、新垣隆氏らも出演。「OBAKA’s UNIVERSITY」というシリーズの第1弾で、学長を務めるたけしの「バカになる、それは自分をさらけ出すことだ」というセリフのあと、矢口や新垣氏が教授として登壇する。  矢口は「危機管理の権威」といわれる心理学部の准教授役で「二兎を追うものは一兎をも得ず」と発言。これは3年前に大問題となった自宅不倫騒動を揶揄したものだが、放送直後から日清食品には視聴者から「不倫をネタにするな」「見ていて不快だ」などの批判が殺到した。  代理店関係者は「かなりの数の抗議があった。同CMにはゴーストライター騒動の新垣氏も出演しているが、彼への意見はごくわずかで、大半が矢口さんに対するものだった」と明かす。  このところ「ゲス不倫」が話題となっているが、矢口の場合は「夫のいぬ間に別の男を連れ込む」という極めてゲス度の高い内容。CMを見て、改めてそのことを思い出した人も多いだろう。 「ようやく仕事も軌道に乗ってきた矢先に今回のトラブルですからね。『やっぱり矢口を起用するのは危険』と思われても仕方がありません。彼女の今後のタレント活動にも影響を及ぼすでしょう」(芸能プロ関係者)  一方で、業界では「最近調子に乗っていた報いだ」という声も飛び出している。 「本人というより所属事務所。スキャンダル後は低姿勢だったのに、最近はどこか偉そうでしたからね。高額なギャラを吹っかけられた人もいます。今回のCMにしても、事務所の担当者がGOサインを出したのが、そもそもの勘違い。批判が集まることは予測できたはず」(テレビ関係者)  今回のCM起用で矢口サイドは数千万円のギャラを手にしたが、トータルで見たら失ったモノの方が大きいようだ。

“断れない作曲家”新垣隆が振り返る「あの騒動」と、バラエティ番組に出まくるワケ

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撮影=河野英喜
 小保方晴子、号泣議員……と、メチャクチャ濃いお騒がせキャラクターが登場しまくっていた2014年。その中で、唯一の勝ち組ともいえるのが作曲家の新垣隆だ。  耳が聞こえない作曲家ということで、「現代のベートーベン」なんて呼ばれていたあやしいおっさん・佐村河内守のゴーストライターを長年やっていたということを告白した結果、佐村河内さんのほうはすっかりメディアから消えてしまったのに対し、新垣さんはなぜか人気者となってしまい、バラエティ番組などに引っぱりだこという不思議な状況となっている。  そんな新垣さんが、ゴーストライター事件をはじめとした、自分の人生を振り返った著書『音楽という<真実>』(小学館)を上梓した。「真面目そうではあるけど、だいぶ変わってる人だな~……」とは思っていたのだが、この本を読んでみたら、それ以上に意外な一面も。  「ゴーストライター」として有名になった彼は、果たしてどんな人生を送ってきたのか、そして、佐村河内さんって実際どんな人なの!? ■YMOとの出会い   ――例の記者会見や、その後の活動を見ていて、音楽一筋で世間知らずな人が、うさんくさいおじさんに騙されちゃったのかな? ……と思っていたんですが、今回の本を読んでも、やはり子どもの頃から音楽ばっかりで、浮き世離れしているなという印象を受けました。漫画なんかは、読んでいなかったんですか? 「兄が4つ上だったものですから、兄が買ってきた漫画は読んでいましたよ。『ドカベン』や、中村雅俊さん主演でドラマ化もされていた『ゆうひが丘の総理大臣』なんかが好きでした。ただ、ある時期からは、ほとんど漫画も読まなくなってしまいましたね」 ――アイドルなどにも興味を持たず? 「そうですね。子どもの頃はテレビっ子だったものですから、アニメの再放送やドラマの再放送、野球中継なんかはよく見ていたんですけど。『巨人の星』『タイガーマスク』『はいからさんが通る』なんかが好きでした。ただ、夜9時くらいには寝てしまう子でしたね。中学校までは学校が家から近かったですし、帰宅部だったので帰ったらすぐにテレビをつけて……みたいな生活を送っていたんですが、高校になると学校も遠くなり、オーケストラ部に入って練習に打ち込んでいたので、テレビはほとんど見なくなりました」 ――高校からは音楽一直線という感じなんですね。いわゆる、クラシック以外の音楽というのは聴いていなかったんですか? 「子どもの頃は、両親が持っていたカーペンターズのレコードをかけてもらうのが好きでした」 ――初めて自分で買ったレコードは? 「レコードは、なかなか買えなかったんですよ。だから5本で1,000円くらいの、どこのメーカーかわからないようなカセットテープを買ってきて、ラジオから録音して聴いていましたね。初めて自分で買ったレコードは、小学校5~6年くらいの時、シンセサイザーで有名な冨田勲さんの『展覧会の絵』です。それから、やはり兄の影響でYMOとかも聴くようになりました」 ――バンドブーム直撃世代だと思いますけど、バンドなんかはやらなかったんでしょうか? 「自分ではやらなかったですね、周りにそういう仲間がいなかったんで。それにYMOを聴くようになってから、いわゆる歌謡曲などを突然見放すようになってしまいましたね(笑)。それまではあらゆる音楽を浴びているという感じだったんですが、中学校2年生くらいから、パッタリ流行歌というようなものを聴かなくなっちゃったんですよね。さらに、高校に入ってほとんどテレビを見なくなっちゃったんで……」 ――それくらい、YMOとの出会いは大きかったと。 「特に坂本龍一さんですね。クラシック畑から出てきて、現代音楽を通過してきた人だったので、すごく格好いいなと。その影響もあり、音楽のみならずアートや現代美術にも興味を持つようになって、そういうのが格好いいな、と思っていました」
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■自由に作るよりも、指示や制限があったほうが…… ――その頃から、将来は作曲家になりたいと思っていたんですか? 「具体的に展望を持っていたかどうかはわからないですけど、作曲家になりたいというのは、子どもの頃からずっと思っていました」 ――現代音楽の作曲家になるためには、どういうルートを経るのが普通なんでしょう? 「作曲家で食べていく、ましてや現代音楽でというのは、ほとんど不可能なんですよね。それだけをなりわいにして、というのは無理。だから普通は、別に音楽関係の仕事をしながら、仲間とイベントをしたりコンサートを開いたりするという……つまりはアマチュア……趣味の世界なんですよ」 ――新垣さんも、同じような感じで活動を? 「ずっとピアノを習っていたので、演奏の仕事というのはあったんですね。そういうアルバイトをしながら、趣味レベルで、って自分では芸術活動と思ってるんですけど(笑)、やっていました」 ――本には、大学の非常勤講師としての給料も書かれていましたが、こんなに安いのか(年100万円程度)って驚きました。当然、それだけで生活するのは難しいですよね? 「そうですね。演奏のアルバイトをしたり、たまにアレンジャーや、コマーシャル用の作曲仕事なんかも入ってきていましたが」 ――そういう請け負いでの作曲仕事と、自分の作品を作曲するのは違うという認識なんでしょうか? 「私は現代音楽、現代美術に憧れてきましたので、そういうアートとしての音楽をやりたいという思いがある一方で、コマーシャルの音楽や映画音楽というのにも興味はありました。80年代の坂本龍一さんや、私の作曲の先生である中川俊郎先生なんかは、コマーシャル音楽なんだけれども、アートとして成り立っている曲をよく作っていて、そういう仕事をしたいなと思っていました。それに、相手とのやりとりでできていくので、請け負い仕事のほうがうまくいくということも多かったんですよね」 ――自由に自分で作るよりも、指示だったり、制限があったほうが? 「『これこれこうやってよ』と人から言われて引き出される曲というのはありますね」 ■人間としては凡庸な、普通の人でした ――コマーシャル音楽などは、わりと誰が作ったのかわからない、匿名性の高い音楽だと思いますが、佐村河内さんの案件も当初はそういう感覚で引き受けたものなんでしょうか? 「そうですね。映像に音をはめていくということに興味があったものですから、やりたいなと思っていた矢先……悪魔の声が聞こえてきたんですよ(笑)」 ――最初は、いつものような請け負い仕事が来たという認識だったんですよね? 「まあそうですね。……かなり変な人でしたけど」 ――最初から、あんなルックスだったんですか? 「最初からです、全然変わらないです。ちょうどその頃、ビジュアル系という……聖飢魔IIみたいな、そういう人たちがクローズアップされてきた時期だったんですが、デーモン小暮(現・閣下)さんとか、そういう感じの風貌だったんですよ」 ――デーモンさん!? 白塗りしていたんですか? 「化粧はしていなかったですけど、ロングヘアーで、黒い服を着て。いかにもという格好をしていました。ビジュアル系自体があやしいとは決して思わないですけど、佐村河内さんはあやしかったです」
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――あやしさを感じたら断るという手もあったと思いますけど、仕事としては魅力的な話だったんですか? 「彼が映画音楽を作ることになっているという話自体は、本当だったんですね。だから、映画音楽を手伝ってみたかったということもあり……。結果的に、大部分を私が作曲して仕上げたわけですけど、それを佐村河内さんがすごく喜んでくれて『あくまでも自分の名義ということにしてくれ』と。その時は、特に自分の名前を出す必要性も感じなかったので、『いいですよ』と要請に従ってしまったわけです。思えば、それが問題の原点ですよね」 ――その時のギャラに関しても、うやむやになっているらしいですね。 「『いくらでやってくれ』という話はなかったので……。クラシックの世界でもそういう風潮はあるんですけど、ビジネスとして契約するというよりも口約束で。それまでのアレンジやコマーシャル音楽でも、それでうまくいっていたので、金額に口を出したことはなかったんですよ」 ――まあ、ノーギャラでも名前が出るんだったら、次につながるからいいか……という考え方もあると思いますが、名前も出ない、ギャラも出ないじゃ、やる意味ないんじゃないですか? 「それに関しては、彼がすごく情熱的に、その映画音楽に取り組んでいたというのもありますね。『秋桜』という映画だったんですが、非常に燃えていました。あの時はたぶん、彼の持ち出しでオーケストラにギャラを払っていたはずです。それと、作曲の名義は佐村河内 さんにしたわけですが、演奏のほうで私の名前をクレジットしてくれたんですよね。まあ、寄せ集めの学生オーケストラだったんですけど『新垣チェンバー・オーケストラ』と名づけてくれて(笑)、CDにもクレジットされています」 ――クレジットされたことがうれしかったから、ということですか? 「別にうれしくはなかったですね。どちらでもよかったです」 ――その後のギャラは18年間で700万円程度ということで、あまり高くはないと思うんですが、作業量には見合っていたんですか? 「彼のリクエストは、たとえば30分の曲とか、オーケストラの曲だとか、規模が大きかったので、時間はかなりかかっていましたね」 ――仕事としては、ワリに合ってなかった? 「安いといえば安いですけれども……。それでも、ある程度まとまったお金をもらって生計が助かっていたという認識はあります」 ――佐村河内さんって、ものすごく極悪人でサギ師みたいな言われ方をしていますが、作曲もできない、楽譜も書けないで、あれだけ仕事を取ってくるというのは、プロデュース能力だけはすごかったんじゃないかと思っているんですが。 「まあ、すごいといえばすごいんだろうな……という感じです。人間としては凡庸な、普通の人でしたね。普通の人なのだけれども、ちょっと度が過ぎてしまうタイプですよね。自分がのし上がるためになんでもしてしまうという、ちょっと困ったところがあるんです」 ――もともと佐村河内さんって役者志望だったり、「第二の矢沢永吉」という触れ込みでレコードを作ったり、いろいろやってきた人なんですよね。 「そういうチャンスはいろいろとあったと思うんですけど、ことごとく失敗してきているんですよね。まあ、役者としては、なかなかいい味を出していましたけど。80年代にチョイ役でテレビドラマに出ていたんですが、川崎麻世さんにぶっ飛ばされる姿はなかなかよかったですよ(笑)」 ――そのまま役者でいけばよかったのに、という感じですか? 「まあ、ある意味、役者をしてたわけですね。『作曲家だ』っていうキャラクターを演じていたんですから」
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■誰も知らないなら…… ――ゴーストライター事件に関して、新垣さんが佐村河内さんに騙され、心酔して従っていたのかなというイメージを持っていたんですが、お話を聞いていると、わりと冷静に見て距離を保っていたんですね。それでも「やめる」という判断はできなかったんですか? 「最初の数年間は、ところどころで『何を考えているんだ?』というようなことはあったにせよ、大きな問題はなかったんですよ。その時は映画音楽やゲーム音楽をやっていたので、作曲者の名義がなんであれ、そのプロジェクトのスタッフの一員としてコンテンツをちゃんと作ることができればいいなと思っていたんですね。しかし、ゲーム音楽である程度の成功を収めて、彼はそれを元にして世界に打って出ようというような野望を抱いたんですよ。そのためにいろんなことをやっていたみたいですけど、ことごとくうまくいかなくって、私は『そのまま失敗し続けてくれ』と思っていたんですが……」 ――うやむやに終わっていけばいいなと? 「最終的に彼が誰にも相手にされなくなって、もうゴーストライターをやらなくていいという状況になればいいなと思っていました」 ――しかし佐村河内さんが「耳が聞こえない」というギミックを利用して世間から注目されてしまうわけですね。 「そういうことを言って注目を集めるまでは、誰も彼のことを知らなかったわけですよ。もちろん、それでも世間を騙していることには違いなかったんですが、誰も知らないから『存在していない』わけです」 ――そこで「耳の聞こえない作曲家」という顔をして、世間に出てきちゃうと、ちょっと違うんじゃないかと。 「今『HIROSHIMA』と呼ばれている曲は、彼が失敗し続けていた時期に、おそらく演奏されることはないだろうという前提で作った曲で、案の定そのプロジェクトはポシャッて、お蔵入りになっていたんです。しかし、そういったことで注目を集めた結果、実際に演奏されることになってしまったんです。まさかと思っていたことが起こってしまったという。……これは参ったなと」 ――「耳が聞こえない」というギミックがあったとはいえ、『HIROSHIMA』は大きな評価を受けたわけですが、そこに喜びというのはなかったんですか? 「あの曲は『お蔵入りになってよかったな』と思っていた半面、『せっかく作ったんだから、演奏されたら、そんなに悪いもんじゃないと思うけどな』とも思っていたんですね。もちろん、世間を欺いてまで演奏されてはいけないとはわかっていましたけど。それが作ってから5~6年たって、うっかり蘇って実際に演奏されて、評価を得てしまった。オーケストラの方々がとてもいい演奏をしてくださって、そのこと自体はもちろんすごくうれしいことだったんですけど、作曲家としてやってはいけないという気持ちは強かったです」
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■この本は、ライターの先生がうまくまとめてくださったものです ――すべての仕事がなくなってしまう覚悟でゴーストライターをやっていたことを告白した結果、逆に今、仕事が増えているんじゃないかと思いますが、音楽の仕事はともかくとして、バラエティ番組に出る必要はないんじゃないですか? 「まあ、あれだけ世間を騒がせてしまってですね、すごく顔を知られるようになって、いろいろな番組から依頼が来たんですね。そんなことは自分にとって今までにないことですから、断ればいいという話ではあるんですけど……迷うところではあったんですけど、断らないということを選んだわけです」 ――佐村河内さんの件といい、断るのが苦手なんですか? 「(笑)。そうですね。そういう部分もあるんですけど……。日常生活で無理なことを言われたら『できないことはできない』と断れますけどね。私はあくまで音楽家であって、音楽の仕事はプロとしてやる自信があるわけです。バラエティは音楽でもなんでもないんですけど、拡大解釈をすると、あれもステージなわけですね。ステージに立つというのは音楽家の仕事のひとつともいえるんじゃないかと……。あとは、世間を騒がしたお詫びをさせてもらう機会を頂いたら、なるべくきちんとお話ししたいという気持ちもありました」 ――それにしても、ダウンタウンの番組(日本テレビ系『ダウンタウンのガキの使いや あらへんで!!大晦日年越しSP』)に出てクワガタに鼻を挟まれ血を流すみたいなのは、音楽と全然関係ないじゃないですか。 「全然関係ないですね(笑)。私は、長い間テレビを見ていないという生活を続けていたもので……DVDなんかは見るんですけど、テレビは映らないんですね。自宅にいても、曲を描いているか、本を読んでいるか、寝っ転がっているかという毎日なんで。だから、ここ10年くらいのテレビの状況が、まったくわからないんですよ。あの番組は、年末の人気番組だということはお聞きしていたので『はい、わかりました』と引き受けたんですが、何をやらされるかはわかっていなかったですね」 ――音楽の仕事も、記者会見以前と比べたらすごくたくさん来ていると思いますけど、おそらくああいったことがなく、地道に音楽活動をやっていたら、こういう状況にはなっていませんよね? そこはラッキーだったと思いますか? 「そうですね……。ああいうことを公表して、もう二度と音楽の仕事はできないんじゃないかと思ってたんですが、多くの方が支えてくださったおかげで、少しずつ再スタートすることができて、その点においてはラッキーだったとは思いますね。ただ、地道な活動というのも、自分にとっては幸福なものだったんですよ。楽しく、気楽にやっていたんです」 ――今のように脚光を浴びている状況は、うれしいわけではない? 「うれしくないとは言いませんが、そこを目指していたわけではないですからね。逆にこういうことになって、前の状況に戻れなくなってしまったわけですよ。もちろん、すごく恵まれた状況ではあるので、チャンスであり、どう生かしていけるのかというのは考えています」 ――このゴーストライター事件のせいで、僕のような文章を書くライターは少々迷惑を被ったんですが、今回の本も新垣さん本人が書かれているわけではないですよね? 「そうですね。私がインタビューに答えていくという形で、ライターの先生がうまくまとめてくださったものです」 ――そのライターさんの名前もちゃんとクレジットされていますし、出版の世界では普通の仕事なわけなんですが、世間ではこういうのも「ゴーストライターだ」と思われてしまったフシがあるので、最後に新垣さんから説明していただければ……。 「もちろん、文芸作品などを本人以外が書いていたということになると別だと思いますが、ひとりの音楽家が、世間を騒がしてしまった事件のあらましを関心のある方々に伝える……という今回のような本を、私が語ってライターさんにまとめていただくというのは、なんら問題のない作業だと思います。こんなことをわざわざ説明しなければならないという状況になっていること自体が、申し訳ないことなんですけどね(笑)」 (取材・文=北村ヂン)

トップは『花燃ゆ』、民放15%超なし、AKB48ドラマ『マジすか学園4』が意外な結果……冬ドラマ初回総まとめ

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NHK『花燃ゆ』公式サイトより
 今月スタートした連ドラの初回ラッシュも、ひと段落。第1話の視聴率をランキング形式で振り返ります。

トップは大河史上最低の『花燃ゆ』!

 初回の平均視聴率のトップ10は以下の通り(ビデオリサーチ調べ、関東地区)。 1位『花燃ゆ』(NHK/日曜20時~)16.7% 2位『デート ~恋とはどんなものかしら~』(フジテレビ系/月曜21時~)14.8% 3位『DOCTORS3 最強の名医』(テレビ朝日系/木曜21時~)14.6% 4位『〇〇妻』(日本テレビ系/水曜22時~)14.4% 5位『銭の戦争』(フジテレビ系/火曜22時~)14.1% 6位『ウロボロス この愛こそ、正義。』(TBS系/金曜22時~)11.5% 7位『問題のあるレストラン』(フジテレビ系/木曜22時~)11.3% 8位『流星ワゴン』(TBS系/日曜21時~)11.1% 9位『ゴーストライター』(フジテレビ系/火曜21時~)10.5% 10位『警部補・杉山真太郎 吉祥寺署事件ファイル』(TBS系/月曜20時~)9.8%  今クールは、全体的に視聴率が低め。15%を超えるのは井上真央主演のNHK大河ドラマ『花燃ゆ』のみで、民放はゼロ。14%台が4作品あり、上位も団子状態となっている。  そんな中、トップに輝いた『花燃ゆ』だが、この数字は大河史上、最低レベル。豪華キャストと釣り合わない数字に、同局も頭を抱えているという。  主人公は、吉田松陰の末妹で、後に久坂玄瑞の妻となる杉文。第3話の放送が終わった現時点で、脚本に対する評判は「期待はずれ」「歴史軽視の恋愛ドラマ」と散々。女性が主役の大河では、2008年に宮崎あおいが主演を務めた『篤姫』や、06年の仲間由紀恵主演『功名が辻』が、全話平均20%超えのヒットを記録している。『篤姫』も、『花燃ゆ』同様にホームドラマ色を強めた作風だが、今回は歴史的にマイナーすぎる主人公が仇か?  2位は、“恋愛力ゼロ”の男女を描いた恋愛コメディ『デート』。主演は“月9”初主演となる杏、共演に長谷川博己、国仲涼子ら。『鈴木先生』(テレビ東京系)や『リーガル・ハイ』(フジテレビ系)など、数々の名作を生み出した古沢良太氏によるオリジナル脚本であるため、ドラマファンからの視線も熱い。  視聴者の感想をネット上でうかがうと、「今まで見たことのない、新しいラブコメ」「テンポがよくて、爽快」「久々に時間を忘れて見入ってしまった」「杏と長谷川の、全力の演技はお見事」と、賛辞が圧倒的。『ごちそうさん』(NHK)以降、主演作がヒット続きの杏だけに、数字も期待できそうだ。

『ゴーストライター』新垣隆氏が家賃告白

 4位の柴咲コウ主演『○○妻』は、『家政婦のミタ』(日本テレビ系)の遊川和彦氏が脚本を手掛けるホームドラマ。主人公は、籍を入れない“契約婚”にこだわりながら、完ぺきに夫をサポートする謎の女性。家族からのどんな要望にも、表情を変えず「分かった」と応える様は、『家政婦のミタ』で松嶋菜々子が演じた主人公を彷彿とさせる。  初回放送後の評判は決して悪くはないが、「『ミタ』の二番煎じでがっかり」「二匹目のドジョウを狙っているのが見え見え」といった声も多く、今後、いかにこの作品らしさを見せられるかがキモとなりそうだ。  5位のSMAP・草なぎ剛主演『銭の戦争』は、07年に韓国で放送された同名連続ドラマのリメイク。エリート証券マンから一転、すべてを失った主人公が、這い上がっていく姿を描く。共演に、元AKB48の大島優子、木村文乃、渡部篤郎ほか。  2時間スペシャルと大きく出た初回では、韓国ドラマ特有の過激描写も目立ち、苦情が殺到。特に、主人公が道端で、吐きたての吐しゃ物を手ですくって飲もうとするシーンでは、あまりのリアルさに「もらいゲロしそう」「今、ご飯食べてるのに」「気色悪いから、チャンネル替える」と、視聴者から悲鳴が……。その影響もあってか、第2話では11.9%まで落ち込んでしまった。  9位は、中谷美紀演じる天才小説家が、ゴーストライターによる執筆に手を染めていく『ゴーストライター』。ゴーストライター役の水川あさみのほか、田中哲司、菜々緒らが出演。  “佐村河内守騒動”に便乗した同作に対し、放送前には「ミーハーなフジらしい」と揶揄も飛び交ったが、放送が始まってみると好評。「脚本が秀逸」「中谷の演技が素晴らしい」と、早くもファンをつけている。  また、公式サイトには毎週、佐村河内氏のゴーストライターであった新垣隆氏が動画で登場。趣旨説明には「作曲家・新垣隆さんが『ゴーストライター』の感想を語ります!」とあるが、実際は新垣氏自身の話題がほとんど。「わたくしは、家賃5万円の団地に住んでおります」「(エゴサーチを)多少はしております」と、ドラマとはあまり関係のない動画となっている。

AKB48出演『マジすか学園4』に日テレがウハウハ

 ランク外には、9.4%の玉木宏主演『残念な夫。』(フジテレビ系/水曜22時~)や、9.0%の広瀬すず主演『学校のカイダン』(日本テレビ系/土曜21時~)、7.9%の堀北真希主演『まっしろ』(TBS系/火曜22時~)などがあるが、特に苦戦を強いられているのが、田中麗奈主演『美しき罠 ~残花繚乱~』(同/木曜21時~)。まるで昼ドラのようなドロドロ系愛憎劇だが、昼ドラ同様にツッコミどころ満載。ネット上では、「コントみたいで面白い」「古臭さがグッとくる」と盛り上がりを見せたが、数字的には寂しい結果となった。  一方、19日深夜にスタートしたAKB48のヤンキードラマ『マジすか学園4』(日本テレビ系)は、深夜帯では万々歳といえる5.2%を獲得。これを受け、秋元康氏は自身の755に「(プロデューサーが)すぐに『マジすか5』をやりたいと言うが、スケジュールがなあ」と投稿。AKB48のメンバーも、喜びのコメントを続々と投稿している。  同シリーズは、これまでテレビ東京の41分枠で放送されていたが、今作から日本テレビの30分枠へ移動。さらに、ネット局が関東ローカルに縮小されたため、秋元氏も「今のAKBの力ではこれが限界」と弱音を吐いていた。  また、日本テレビが行っている動画配信サービス「Hulu」で毎週、テレビよりも先に配信。ローカル化したことが功を奏したのか、加入者が予想以上に伸びたという。スポンサーが取りづらい深夜ドラマは、「先行で有料配信する」というのが、今後のスタンダードになるかもしれない。  大ヒット作が不在の今クール。民放で頭1つ抜けるのは、視聴率女王・杏主演の『デート』か、はたまた安定感抜群の『DOCTORS3』か? 勝負はまだ、始まったばかりだ。

「絶対に許さない!」“偽ベートーベン”佐村河内守氏が、このタイミングでインタビューに応じたワケ

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 全聾(ろう)であると偽り、世間を騒がせた佐村河内守氏が21日放送の『今年のニュース決定版!2014』(フジテレビ系)のインタビューに答えた。  同氏がメディアの取材に応じるのは、3月の記者会見以来9カ月ぶり。取材は今月19日に同氏の自宅で、妻が手話通訳を務める形で行われた。佐村河内氏はトレードマークだった長髪とヒゲ姿に戻っていたが、目元はサングラスではなく、黒いセルフレームのメガネ姿。近況について「(会見以後)この家から外出したのは、3~4回くらい」と、引きこもりであることを明かした上で「本当は自分の曲が共作だったことで、裏切った方々に謝罪を続けていて、8割方すべて謝罪の生活だった」と告白した。  一方で全聾ではないにせよ、自身が聴覚障害者であることを強調し「音は聞こえるが、耳の中で音がゆがんでしまう。手話通訳が必要」と話した。  ゴーストライターを務めた新垣隆氏についても言及。「利害は一致していました。彼は名前を出してほしくなくて、お金はもらいたい作りたい。私はお金を払う、彼はそのお金で満足する」と“共犯”であるとし、自伝本『交響曲第一番』(講談社)についても「彼はそこ(本の執筆)まで加担しているんですよ、本当は……」と、新垣氏の協力があったことをほのめかした。  このタイミングで佐村河内氏が登場した理由について、同氏を知る人物は「“いい人”扱いされる新垣氏に対する嫉妬がある。佐村河内氏は騒動で地位も名誉も失い、コンサート企画会社から損害賠償も請求されている。片や新垣氏は音楽活動だけでなく、モデル業にも挑戦するなど仕事が急増中。佐村河内氏は『絶対に許せない!』と怒り心頭だったそうです」と話す。  インタビューに淡々と答えていた佐村河内氏が、新垣氏に対してはやんわり悪評を混ぜているのもそのためだ。 「その矢先に、騒動の最中から良好な関係を続けていたフジテレビから取材オファーが来た。独占取材させる代わりに、新垣氏のこともきちんと放送してほしいと要求したそうです」(テレビ関係者)  年明けにも、佐村河内VS新垣のバトルが再燃しそうだ。

すっかりタレント気取りの“ゴーストライター”新垣隆氏に困惑する人々

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フジテレビ『どぅんつくぱ~音楽の時間~』より
 “偽ベートーベン”佐村河内守氏のゴーストライターとして話題となった作曲家の新垣隆氏が、9日放送のフジテレビ系『ノンストップ!』にVTR出演。今年1年を振り返り「本当の解決かどうかは別として、ひとつピリオドを打ったことになりました」と述べた。  続けて「『災い転じて福となる』という1年だった」と回想し、来年の目標を「婚活」と定めた。  事実、騒動が収束してから新垣氏は“1人バブル状態”。野外ライブにゲスト出演し、「女性セブン」(小学館)ではモデルデビューも果たし、フジテレビ系『どぅんつくぱ』には準レギュラーとして出演するなど、順調に活躍の場を広げている。  今年の収入については「(去年の)1.8倍くらいはいったと思います」。そんな新垣氏に対して微妙な反応を見せているのが、新垣氏と共に一連の疑惑を世間に提示したノンフィクションライターの神山典士氏だという。  出版関係者は「タレント並みに露出の増える新垣氏に、困惑しているそうです。新垣氏は仕事の頼みを断れない性格で、オファーがあったものにはすべて応えてしまう。本来、新垣氏は、佐村河内氏と共に世間を欺いてきた共犯者。それが、いまやスポットライトを浴びる立場になってしまったのですから、『それはちょっと違う』という思いがあるのではないでしょうか」と話す。  今月発売となる神山氏著『ペテン師と天才 佐村河内事件の全貌』(文藝春秋)のプロモーションには新垣氏も参加予定というが、すっかりタレントとなってしまっているだけに、事件の深刻さ薄れてしまった印象だ。

騒動から5カ月……“佐村河内ゴースト騒動”の新垣隆氏にオファー続々「ガッキーブーム来る!?」

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堕ちた“現代のベートーベン”「佐村河内守事件」全真相【文春e-Books】 [Kindle版](文藝春秋)
 “全聾の作曲家”こと佐村河内守氏のゴーストライターだと名乗り、一躍時の人となった作曲家の新垣隆氏が、発売中の「女性自身」(光文社)に登場。「仕事量も収入も、1.5倍くらいになりました」と現状を語った。  以前は桐朋学園大学の非常勤講師だった新垣氏だが、騒動を受けて退職。その後は、世間の声から逃げるように姿をくらましていた。 「彼はもともと、現代音楽の分野では知る人ぞ知る作曲家でしたが、騒動をきっかけに再評価を受け、ゲームメーカーをはじめ、あらゆる業界からオファーが殺到。無理のない範囲で仕事を受けているようです。また、6月には『ノンストップ!』(フジテレビ系)でピアノを生演奏。司会の設楽統との会話の端々から漏れる人のよさに、視聴者から『いい人すぎる』『おちゃめ』という声が相次ぎました」(芸能記者)  新垣氏は記者の直撃取材に対し、「過去は消えるわけではないですし、問題が解決したわけでもありません」と罪の意識を吐露した上で、「音楽に戻れたというのは、収入が増えたこととは比べ物にならないぐらいうれしい」と、音楽家としての喜びを語っている。また騒動後、佐村河内氏との連絡はすべて代理人を通しているといい、直接的なやり取りは「一切ない」とした。 「新垣氏は、今月28日に北海道で自作曲を解説する会を開催。また、8月19日には、同じく北海道のコンサートホールで演奏会も開かれる。さらに今月19日に生放送される『にこにこ23時間テレビ』(ニコニコ生放送)では、『週刊文春』編集部から依頼を受けたという交響曲『HARIKOMI』を初披露するとか。依然として雲隠れしている佐村河内氏とは対照的に、新垣氏は表舞台に立つ機会が増えている。ニコ生の評判次第では、“新垣フィーバー”が巻き起こる可能性もありそうです」(同)  会見時の悲壮感とは打って変わって、恵まれた現状を笑顔で語った新垣氏。“ガッキーブーム”は訪れるだろうか?