お笑いコンビ・三四郎、多忙&『M-1』逃してメンタルやられる? 無気力イベントに周囲も心配

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『一九八三』(アニプレックス)
 バラエティ番組で活躍中の若手お笑いコンビ・三四郎。しかし、ここ最近、何やら様子がおかしいと関係者の間で話題になっているという。  ツッコミの小宮浩信(33)は現在、深夜番組『浅草ベビ9』(テレビ東京系)に出演中。ほかにも『アメトーーク!』(テレビ朝日系)や『水曜日のダウンタウン』(TBS系)など、人気バラエティ番組にひっぱりだこの大活躍ぶりだ。  相方の相田周二(34)も、コンビとしてテレビやラジオに出演するほか、ナレーションの仕事も増えている。  すべてが順調に進んでいるかのように見える三四郎だが、周囲には不穏な空気が漂っているという。 「バラエティ番組ではしっかり仕事をするんですが、取材や営業系のイベントなどでは、テンションが低いことも多いらしい。やる気がないのでは? と感じる関係者もいるようです」(芸能記者)  三四郎は昨年10月、単独ライブDVD『一九八三 ~進化~』(アニプレックス)を発売。その発売記念イベントでは、こんなことがあったという。 「スタッフは、イベントで漫才ネタを披露するようにお願いしていたのですが、本人たちが『ネタはやりたくない』と言って、トークに切り替えたというんです。しかし、結果的にはダダ滑りしてしまった。それでも、本人たちは悪びれる様子もなかったとか。テレビの現場ではしっかり仕事をしているのに、イベントでは無気力だったと失望するスタッフもいたようです」(同)  上り調子なはずの三四郎は、一体どうしてしまったのだろうか? お笑い事情に詳しい業界関係者は、2人のメンタルを心配する。 「もともと2人は、精神的に強いほうではなく、急に忙しくなったことで、精神的にも体力的にも追い込まれてしまったのでは? その一方で、漫才で結果を出そうと昨年の『M-1グランプリ』には、かなりの意気込みで挑んでいたんですよ。イベントでネタをやらなかったのも、『M-1』の予選の時期だったので、ネタを温存しておきたかったという気持ちがあったようです」(同)  2016年の『M-1グランプリ』において、三四郎は自己最高となる準決勝進出を果たすが、決勝には上がれず、敗者復活でも敗れてしまった。 「漫才で結果が出なかったことが、とにかくショックだったようで、ネタに対する苦手意識が芽生えてしまったみたいですね。そういったこともあって、イベントでは、テンションが低くなってしまうのかもしれません」(同)  漫才へのこだわりを捨てて、バラエティ番組一本で突き進めば、状況も良くなりそうなものだが……。果たして、三四郎はどこへいく?

安易なゴールデン進出より“B組魂”に徹した──『ヒムケン先生』が愛されたワケ

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 月曜深夜の『万年B組ヒムケン先生』(TBS系)が、3月27日にとうとう終了してしまった。 「イケてる人たち=A組」に対して、「どうもパッとしない人たち=B組」の個性豊かな人たちを、自身もB組と自負するバナナマン・日村勇紀と、バイきんぐ・小峠英二、三四郎・小宮浩信が「先生」となって寄り添い、応援する同番組。深夜ということもあり、視聴率は振るわず、番組内では自虐的に「女性視聴者ゼロ」と言っていたが、ネット上の一部の人たちには「いま一番面白い」と支持され、愛されてきた。  Twitterには「うわぁーヒムケン先生終わっちゃった ここ最近一番爆笑してた番組だったのにな」「終わってしまいましたねぇヒムケン先生・・・」「ヒムケン先生は最終回や!!!!!!ケブくんとその他大勢とはお別れだ!!!!!こんなにくだらないのに面白い番組なんでみなかったんだ!!!!!(原文ママ)」など、番組終了を惜しむ声が続出。  ここまで愛された理由について、自身も番組のファンだというテレビ業界関係者は語る。 「番組のベースは素人イジリですが、ツッコんだりエスカレートさせたりせず、優しく寄り添うというスタンスは独特。なぜこんなにも面白い素人を見つけてこられるのか、感心していました。ときにはギリギリアウトに見える人選があり、炎上することもありましたが、それを今のテレビでできるのはすごいですよ」  また、オープニングの映像が、登場するキャラやエピソードに沿って、加えられたり動いたり、毎回少しずつ変わっている工夫は実に愛情深く、こまやかだった。  最終回では、さらに過去の絵なども総集編的にちりばめられており、視聴者から感動の声が上がっていた。  番組終了の理由には、「視聴率」や「深夜枠からゴールデン・プライムへの昇格が見込めないこと」などがささやかれているが、あるテレビ誌記者は明かす。 「ゴールデン枠への昇格を考えるなら、できることはたくさんありますよね。番宣の俳優・女優・タレントなどを出すとか、もっとわかりやすく“ダメな人”を毎回趣向を変えて出すとか、ドラマチックで泣かせる展開を作るとか。さらには劇団員を仕込むとか、話題性狙いでどんどん過激にエスカレートさせていく番組は山ほどあります。でも『ヒムケン先生』は、そういった安直な道を選ばなかった。ときには途中から見る視聴者置いてけぼりで話が進み、大きな柱は、野球少年ケブくんと、デスバンドという2本立てだけ。特にデスバンドなんて展開が何もなく、雑談で終わっていく回が何度もありました。それが腹がよじれるほど面白いんですから、会議室で作られるバラエティのセオリーから大きく外れていますよね」  一人一人に寄り添い、無駄話にしか思えない話もじっくり時間をかけて聞き、深く掘り下げるスタンスの番組のため、動きはあまりなく、「あらすじ」では決して語ることができない『ヒムケン先生』。  しかし、そんな『ヒムケン先生』の本当の終わりは、番組が終了することではないと、同記者は熱く語る。 「B組なのにA組(ゴールデン進出など)になろうと無理をしたり、ただ延命ばかりを考えたりして、安直な視聴率稼ぎや話題性狙いに走り、それで肝心の“B組魂”を失ってしまっていたら、本当の意味で終わりでした」  確かに、注目されてお茶の間の人気番組になり、ゴールデンやプライムに進出したはいいが、「ゴールデン落ち」なんて言葉もあるように、深夜時代に比べて無難になったり、守りに入ったりして、つまらなくなる番組のいかに多いことか。  そうした「改悪」を選ばず、最後まで「先生」たち、プロデューサーをはじめとしたスタッフが一丸となって「B組」であり続けたことを、番組終了を迎えたいま、あらためてたたえたい。  そして、いつかまたひっそりと人知れず、深夜などに戻ってきてくれることを願うばかりだ。

ブルジョア漫才コンビ・三四郎の逆襲!「“庶民の星”小宮は幸せになっちゃいけない」

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左から小宮浩信、相田周二(撮影=尾藤能暢)
 欠けた前歯、驚異的に悪い滑舌、先輩にもひるまない不遜な態度……出川哲郎、狩野英孝に続く“マセキ幼稚園”の三男坊、三四郎・小宮浩信。彼のポンコツキャラは、いまやテレビで欠かせないものになっている。しかし、三四郎の真骨頂は、唯一無二のフリースタイル漫才。ポンコツキャラのブレークが、漫才師・三四郎にもたらしたものは、吉なのか凶なのか? そこには「売れる」ことと「面白い」ことの間で揺れ動く、現代的若手芸人の苦悩があった。 ――2年前になりますが、別の媒体で三四郎さんのインタビューをさせてもらったことがありまして。その時に、自分たちの漫才を「渡辺正行さんに『三四郎の漫才はどっちの方向に行きたいのかわからない』って言われるけど、どうしても、その時楽しい方向に行ってしまう」とお話しされていたのをすごく覚えています。 三四郎・小宮(以下、小宮) そんな天才みたいなこと言ってたんですか。(漫才には)ちゃんと台本もあったのに(笑)。 三四郎・相田(以下、相田) 生意気ですね(笑)。 小宮 確かに、天才っぽい感じにセルフプロデュースしている時期はありました。それで『ゴッドタン』(テレビ東京系)にも出させてもらいましたし。 相田 「漫才の練習はしない」とか。 ――天才プロデュースは、いつ頃から? 小宮 3年前くらいですかね。全然オーディションに受からなくて。それで「ほかの芸人さんには一目置かれるようなネタづくりをしよう」って。それが功を奏して「若手芸人が選ぶ天才芸人1位」に選ばれた。 相田 単なるラッキーですよね。 小宮 お客さんにウケるよりも、芸人さんにウケるネタにしようと。 相田 袖の芸人向けのね。 小宮 あと、バカっぽいように見せて、難しい言葉を使うとか。それをすると、お笑いに奥行きが出るので、天才っぽく見える。 ――いろいろ手法があるんですね(笑)。 小宮 でもね、結局売れたら「天才」と思われないんですよね。みんな得てして売れてない人を「天才」と言いたい。「なぜこの人は浮かばれないんだ」と言いたい。売れた人で天才と言われ続けているのって、ダウンタウンさんくらいじゃないですか。アンガールズさんだって売れる前は天才って言われてたし、ハリウッドザコシショウだって…… ――売れちゃうと…… 相田 達成した感があるんでしょうかね。 小宮 ファンの人たちは、“俺だけがわかる”とか、“私だけがわかる”というのを「天才」と呼びたがるので。 相田 アイドルとかも一緒なのかもしれない。メジャーに行っちゃうと離れる、みたいな。
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――お2人はどうなんですか? 売れることと天才と呼ばれることと、どちらに振れたい? 小宮 もともと天才と思われたいという願望だけで、売れたいという気持ちはなかったんですよ、不思議と。 相田 ゆくゆくは売れたいですけどね。天才の延長戦上に「売れる」があればいいですけど。 ――そもそも「売れる」の基準も難しいですね。 相田 僕らにとっては、賞レースで結果出すくらいしか思いつかなかった。 小宮 だから、こんな感じで、ちょっとずつテレビに出させてもらって……みたいなイメージはなかったですね。やっぱりM-1グランプリの決勝に行ってから……だと思っていました。 相田 明確なすべが、それしかない。優勝しないと、売れることはないと。 ――例えばメイプル超合金さんのように、それまでほとんどテレビでの露出はなくて、賞レースで突然ブレークするみたいな状況とは、現在の三四郎さんは違いますよね。テレビに出ている分、インパクトはどうしても薄くなってしまう。 小宮 そうですね。でも逆に言えば、メイプル超合金とかは、逆にインパクトないんだろうなと思いますよ。 ――逆に逆に? 小宮 逆にもっとキャラがあったら、賞レース関係なく、ひとつの番組で爆発的に結果残していただろうし。結局、フォーマットの中だからね、そんなに衝撃的ではなかった。 ――フォーマット、かっこいいですね。 相田 また天才に寄せてるよ(笑)。 ――それは、見た目の記号的なものですか? 小宮 そうですね。 ――そういう意味で、お2人は、そんなに派手派手しい見た目をされているわけでもない。 小宮 まぁ、歯が欠けてるくらいですね。 ――それも、地味といえば地味な事象……。 相田 確かに(笑)。 小宮 だから、それを続けなきゃと思いますよ。生き残るために。 相田 歯が欠けた状態をね。 小宮 僕が描いていたのは、漫才で、賞レースでブレークするっていうイメージ。今年のM-1もそれが目標なんですけど、実際そこから売れるかどうかっていうのはすごく難しいんですよ。かもめんたるさんとかキングオブコントで優勝してあんなに面白いのに、そこから生き残るというのは並大抵のことじゃない。だから、その先を見据えていないと。決勝行ったから……では、もはやなんにもならないのかもしれない。 相田 その後、テレビ局を一周するためのきっかけだよね。 小宮 だから、本当は徐々に徐々に……のほうがいいんですよ。
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――漫才のネタの方向性に、変化はありましたか? 相田 以前に比べて、少しわかりやすくなったんじゃないですか。 小宮 僕のキャラが浸透したので、感覚的に、何がお客さんにウケるのかはわかってきたかもしれない。今まであまり無理せずやってきたのが、かえってよかったのかも。どうしてもウケたい、みたいな前のめりの感じがなかったのが。 相田 ひとつに固執してなかったですからね。どっちがボケるとかツッコむとか。漫才にも、いろんなバリエーションがあったから。 ――そういうガツガツしていない部分というのは、やはりお育ちからくるものなんでしょうか?(※三四郎は成城学園の同級生) 小宮 僕らは、別に桁違いにお金持ちってわけじゃないんですよ。友達には、すごいのいましたけど。 相田 ぶっ飛んでますからね。お年玉で100万円もらったとか。もうよくわからない。 小宮 僕の席の左は某消費者金融会長の息子で、前が某ハンバーガーチェーンの会長の孫、右は伝説の女性歌手の子どもでした。 ――ハングリー精神が育ちづらい環境ではなかったですか? 小宮 そうですね。「売れたい」よりも「面白くなりたい」と思っていました。養成所時代、僕ら実家だったんですけど……周りから「あぁ、実家なんだ」みたいに言われるんですよ。実家のやつ=ハングリー精神ない、みたいに言われる。それは悔しかったですね。僕、小学校中学校とイジメられてまして。ある日ね、僕がクラスメイトにいきなり怒ったことがあったんですよ。「やめてくれよ!」って。そしたら、大爆笑されて。怒ってるのにですよ? でも、そのあたりから「コイツ面白いな」って仲間に入れてもらえるようになった。だから、僕の中で「面白くないと仲間はずれにされる」という恐怖心が人一倍強いんです。だから「頑張って面白く居続けたい」という欲は、誰よりもあったと思います。周りの子たちは、もっと軽い感覚で入ってたから。実際、そんなに面白いと思うヤツはいなかったよな。 相田 そうだね。高校の友達のほうが面白かった。 小宮 でも、最初「僕らが間違ってるのか」っていうくらい、何言ってもウケなかった。そして1人2人と辞めていき、最終的にはうしろシティの阿諏訪泰義くらいしか残ってなかったな。 相田 みんな、お笑いを「教わろう」として入ってくるんですよね。学校に入れば何かやってくれるだろうと、受け身の人が多かった気がする。 小宮 例えば「街にヘンな人がいたら、観察しなきゃダメだよ」って教えられる。それをノートにメモってる。そういうことじゃないでしょう(笑)。もう逆に面白いよ。その感覚の違いですね。お笑いって、努力でできる部分は本当に少ないですよ。感覚だけですもん。でも、学校としては何かやらせなきゃいけない。最後のほうは「カラオケ大会」とか、意味のわからない授業まであった。

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相田 「前へ出るための」とか言ってね。やってたな~。 小宮 結局、道しるべなんで、芸人になるための。授業料は高いですけど、いま思えばそれでよかったと思いますよ。あんまり安いと、士気が下がるというか。60万円払えば、それなりの覚悟を持った人が集まるじゃないですか。 ――いいですね。ブルジョワジーの考えですね。かける資本はしっかりかける(笑)。 小宮 そのへんはそうですね。否めませんね(笑)。 ――中学時代から小宮さんを見ている相田さんにとって、小宮さんのポンコツキャラがここまで社会に周知されたことは驚きですか? 相田 いや、基本、学生の頃からイジられキャラではあったので、自然な感じではありますね。 小宮 たぶん(ヒエラルキーが)自分より上の人って、面白くないんですよ。なんていうか、僕はのび太みたいな存在だと思うんです。例えば僕が女の人と仲良くなって、デートとかして、でも最終的にはこっぴどく振られるみたいな台本って、書きやすいじゃないですか。誰もが「小宮だったら、こうなるに違いない」って書けるようなキャラでありたい。メイプルのカズレーザーだったら「ここでカズレーザーが○○する」って台本に書きづらい。どう行動するかわからないから。でも、既存のキャラクターであれば。イジられて、罰ゲーム食らって、「……おい!」みたいに書きやすい。それが、僕的には一番面白いと思うので。 相田 「負け」が圧倒的に似合うんですよ、小宮は。 小宮 だって、浮かばれてる人がお笑いやったって面白くないじゃないですか。結局、下に見たいんですよ、人は。僕だってそうです。バカにできるほうが笑えますもん。 相田 この間、占いをしてもらったときに、小宮は「庶民の星」なんだと。幸せであっちゃいけない。庶民の中の幸せの象徴。 ――幸せになっちゃいけない(笑)。 相田 だから、「あんまりブランドものとか着ないほうがいい」って。「デニムシャツを着なさい」って。 小宮 それはありますね。普通にTwitterとかでも「さっきラーメン屋に小宮がいた。小宮のクセにナイキ履いてた。天狗だな」って。なんでナイキ履いたらいけないんだよ! 相田 本当にのび太なんですよね。のび太のクセに生意気だの世界(笑)。視聴者はジャイアンでありたいんです。 小宮 でも、ナイキくらい、いいじゃないですか! ヴィトンじゃないんだから。 ――では、コンビとしてはどうでしょう? 三四郎は、これからどういう漫才コンビでありたい? 小宮 そうですね。相田がジャイアンかといえばそうではないし、これから相田がどんな感じでキャラを出していくかにかかっているんじゃないですか? ――なるほど。 小宮 相田は、普通に見えて、普通じゃないところがあるんです。それって、テレビ的ではないんですけど。だんだんラジオとかで、相田のそういう異常なところは出てきてると思います。小学生の頃、ご飯のおかずがキャビアだったとか。 相田 この前、ふと思い出して言ったら、ものすごく非難されました(笑)。 小宮 寝るときはウォーターベッドとか。 相田 ちょっと家庭環境が特殊だったんですよ。 ――ご飯にキャビアのっけて食べる小学生……。 相田 当時は、どの家でもそうだと思ってた。週一で父親がとらふぐの刺し身を買ってくるとか。 小宮 逆に、小学生でとらふぐの味がわかるのかっていう。普通、とらふぐよりサーモン、ケーキでしょ。 相田 でも、ご飯にかけてたのは僕だけで、家族はチコリっていう野菜にのせて食べてました。 小宮 チコリなんて普通のご家庭にない! 紀ノ国屋にしかない! (取材・文=西澤千央) ●三四郎の2枚目となる撮り下ろし作品DVD発売決定! タイトル:『一九八三~進化~』 発売日:2016年10月26日(水) 価格:\3,000+税 品番:ANSB-55226 発売元:コンテンツリーグ 販売元:アニプレックス

芸人が選ぶ“天才”芸人・三四郎が漫才のオチに「ピー!」を入れるワケ

sanshiro0509_01.jpg  いま最も勢いに乗っている若手芸人・三四郎。『ゴッドタン』(テレビ東京系)では「若手芸人が選ぶ天才芸人1位」として紹介され、『爆笑レッドカーペット』(フジテレビ系)、『アメトーーク!』(テレビ朝日系)などにも出演。すぐに挙動不審になり、先輩芸人にも平気でかみつく小宮浩信の「生意気キャラ」も話題を呼んでいる。  そんな彼らが5月28日、初めての撮り下ろしDVD『一九八三』をリリースする。独特のテンポで予測不能のボケが飛び出す彼らの漫才は、同業者の間でも評価が高い。順調に波に乗りつつあるこの状況で、彼らは自分たちの現状をどう捉えているのか? ――DVDに収録されたネタは、どういう基準で選んだんですか? 小宮浩信(以下、小宮) いろいろな漫才を見ていただきたいので、タイプの違うやつをたくさん入れました。 ――DVDの中では、セリフに「ピー」音が入ってる箇所もいくつかありましたね。これだけピー音が入ってるお笑いDVDも珍しいですよね。 相田周二(以下、相田) 確かに、ピー多めですね(笑)。 ――ネタの途中で「ピー」がたくさん入るというのは、ご本人たちとしてはどう思われますか? 小宮  まあ、そこで「何を言ってるのかな?」っていうのを気にしていただいて、ライブに足を運んでくれたらいいなと思いますね。 相田  「ピー多すぎだろ」っていうのがボケになってるような感じもあるので、そこを楽しんでもらいたいですね。オチなのにピーが入ってるところとか、面白いですよね(笑)。 ――このDVDに収録されているネタの中で、特に好きなネタや印象に残るネタを教えていただけますか? 小宮  「桐島」とかは、あらためて見ても、笑えるか笑えないかすごく際どいラインかなと思いますね。これ、何やってるんだろう? って。やってる僕らもおかしいですけど、これで笑ってるお客さんもどうかしてると思いますね(笑)。 相田  僕は「DB」も好きなんですよね。僕らのネタってだいたい長くても6分くらいなんですけど、このネタは9分くらいやってる。アドリブみたいなところもありますし、遊びどころがいっぱいあるので、やってて楽しいですね。 sanshiro0509_02.jpg ――ネタは、どうやって作っているんですか? 小宮  まあ、プライベートでつらいことや嫌なことがあったりしたら、そのことを糧にして作るっていうことが多いですね。例えば「あるよ!」っていうネタはそうやって生まれました。決めつけてくる人って、たまにいるじゃないですか。そこから派生してネタになってるんです。 ――じゃあ、「リア充に劇薬ぶっかけたい」というフレーズが印象的な「リア充」というネタも、リア充に対する恨みから生まれたんですか? 小宮  まあ、そのときの衝動でネタ作ってるので。今は嫌いじゃないですけどね。今は三四郎もいい具合にノッてるんで。……異論はないですよね? 相田  やかましいわ!(笑) 小宮  3年前ぐらいは本当に売れてないし、ライブでもファンもいないし、みたいな感じの状況だったから、これができたっていうのもあるんです。あと、「リア充」っていう言葉自体も嫌だなって思って。すでにある言葉みたいな、ありものみたいに言われてるのが。 相田  「リア充」のネタは、結構好きな人が多いですね。 小宮  ライブで出待ちしてくれる人の中でも、顔面蒼白でアブなそうな人が「リア充のネタ大好きです!」って言ってきたり。「私も本当に劇薬ぶっかけたいと思ってるんですよ!」って(笑)。いや、ネタだからね、って。本当にぶっかけたいとは思ってないですから。 相田  怖いなあ(笑)。 ――漫才の中で小宮さんは「メンタル鬼弱だぞ」と言っていたりしますが、実際にメンタルは弱いんでしょうか? 小宮  まあ、そうですね。 ――最近、バラエティ番組では小宮さんは先輩芸人にもかみついていますけど、ああいうときにも実際は緊張していたりするんでしょうか? 小宮  いや、そりゃそうですよ。毎回ビクビクしてますよ。大丈夫かな? って。 相田  先輩方は、みんな優しい人たちだからね。 ――先輩にタメ口で突っかかったりするのは、どういう心理なんでしょうか? 小宮  まあ、やっちゃいけないことだというのはわかってますよ。でも、普通の感じで出ても面白くないから、逆を行ってるだけです。性格上、あまのじゃくっていうのもありますし。僕の周りにいるのも社会不適合者というか、普通のことができない人ばっかりですから。『アウト×デラックス』(フジテレビ系)のオーディションでも落ちるぐらい、「アウト」な人もいたりして。 相田  セーフだから落ちるんじゃないですよ? 『アウト×デラックス』でもアウトだから落ちるような人ですから(笑)。 ――例えば、どういう人ですか? 小宮  ウエストランドの井口(浩之)とかは、間を埋めなきゃいけないっていう使命感にとらわれてて、ずっとしゃべり続けてるんです。なんであんなにしゃべれるんだろう、って思いますね。 相田  あいつはみんなが静かにしているときに、誰も何も言ってないのに、急に独り言で「まあ、そうっすよね、そりゃあそうっすよね」ってしゃべり始めるんですよ(笑)。何に対して言ってるんだ、って。沈黙に耐えきれないんでしょうね。 sanshiro0509_03.jpg ――小宮さんは『ゴッドタン』に出たときには、先輩芸人の皆さんに「実は童貞じゃないの?」ってイジられたりしてましたね。 小宮  僕、自分からは「童貞」って言ってませんからね。周りの人が勝手に言ってるだけで。この間も街を歩いていたら、小学生に指さされて「あっ、童貞だ」って(笑)。お前が言うなよ、って思いましたね。どんな覚え方だよ。 相田  「童貞」の意味もわからないようなやつに(笑)。 ――じゃあ、童貞ではないんですね? 小宮  (キレ気味に)いや、童貞ではないでしょ。 相田  イライラしてるねえ。これはヤバいっすよ(笑)。 小宮  井口もキレてますからね、「あの人(小宮)は本当に童貞じゃないですよ! 僕のほうがモテないですよ!」って。 相田  なんで井口がキレてるんだよ(笑)。もういっそのこと、「小宮はヤリチン」って書いてもらおうか。 小宮  そうだな。「俺、本当はヤリチンだぞ」って。……余計、童貞っぽい! 相田  輪をかけて童貞っぽくなっちゃった(笑)。 ――小宮さんは、街で一般の人に気付かれたりすることもあるんでしょうか? 小宮  いや、そんなにないですけど。 相田  茶髪とメガネで「あっ!」ってなって、最終的に(欠けている)歯で判別する人が多いんですよ。 小宮  普段はマスクをしてるんですけど、歩いていると一般の人が「あっ、もしかして……?」っていう感じで近寄ってきて、「マスク取ってもらっていいですか?」って言われて。それでマスクを取ったら、「あっ……応援してます」って。 相田  前歯があったら、どうなってたんだろうね(笑)。 ――「生意気キャラ」扱いされることについて、ご自分ではどう思われますか? 小宮  まあ、漫才のときの芸風とそんなに離れてないので、やりやすいっていうのはありますね。やっぱり性格とか出したほうが面白いですから。 相田  それこそ「童貞」の漫才もありましたからね。「お前、童貞だろ」って言われてうろたえるっていう。 ――さて、DVDの話に戻ります。DVDのタイトル「一九八三」はどういう意味なんでしょうか? 小宮  やっぱり、漫才のネタも、今までの生まれ育ってきた環境や周りの人によって形成されているので、生まれた年の「1983年」から始まったっていう意味で、そうつけました。 ――DVDジャケットのデザインも、スタイリッシュで格好いい感じですね。 小宮  ウエストランドの『漫才商店街』のDVDジャケットを見て、うわっ、これはちゃんと本腰入れないとまずいな、って思ったんですよ(笑)。 相田  『漫才商店街』のジャケットには度肝を抜かれましたからね。あれには勝ちたかったです。 ――最後に、お二人の今年の目標は? 小宮  漫才をがんばっていきたいので、『THE MANZAI』とか『漫才新人大賞』で結果を残したいですね。 相田  今だったらたぶん、小宮のキャラを知っている人も去年より多いから、そこは有利に働くんじゃないかと思うんですよね。 小宮  僕のキャラって、嫌いな人は嫌いなんで。 ――うん。 小宮  いや、「うん」じゃないでしょ! 「そんなことないですよ」でしょ! (取材・文=お笑い評論家・ラリー遠田/撮影=名鹿祥史)