話題の音楽サービスは二極化? 「iTunes Match」VS「Spotify」日本戦がついに開幕か

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Apple公式サイトより
 アップルのiCloudを利用した音楽サービス「iTunes Match」の日本語版が、5月2日にスタートした。米国では3年前からあるサービスで、日本での利用料金は年間3,980円となる。 「iTunes Match」の特長は、ユーザーが持っている楽曲をiCloudで預かってくれる点。ネットにつながっていれば、PCやスマホなどすべての端末で音楽を楽しめるようになる。従来でも、PCに音楽を取り込み、個別の端末と同期すれば可能だったが、その手間がなくなるのだ。加えてユニークなのが、ユーザーがCDから取り込んだ音楽まで対象になる点。これまでレンタルCDなどを利用してiTunesに取り込んだ楽曲も、iCloudにアップロードできるのだ。とはいえ、ここまでなら他のクラウドサービスだけでも実現できるかもしれない。「iTunes Match」で注目を集めているのが、取り込んだ楽曲のマッチング機能。ユーザーの曲を解析し、iTunes Storeで扱っている曲と同じ場合はアップロードしなくて済むのだ。iTunes Storeの音楽ファイルはAAC形式でビットレートは256kbps。以前はもっと音質の悪いMP3で、低ビットレートで取り込んでいた人が多いはず。つまり、CDから取り込んだ曲が、手間をかけずに高音質になるというわけだ。  iTunesで音楽を楽しんでいる人にとって、手持ちの音楽がすべての端末で手軽に利用できるようになり、音質もアップするのであれば、月当たり332円というコストは安いと感じるはず。楽曲を同期することなく、さまざまな端末で音楽ライブラリを再生できるのも楽しい。Apple TVも対応しているので、リビングのBGM再生もはかどることだろう。ストリーミング再生が可能になるので、iPhoneやiPodの容量を圧迫しなくなるのもうれしいところ。あらかじめiCloudからダウンロードしておけば、従来通りオフラインでの再生も可能だ。  ただ注意したいのは、CDから取り込んだ楽曲は2万5,000曲までしか対応しない点。長年音楽を楽しんでいるユーザーだと、オーバーすることもあるだろう。そんな時は、ALACやWAVといったロスレスで取り込んだ楽曲や、256Kbps以上のビットレートの楽曲をライブラリから外す手がある。これらのファイルはiCloudにアップロードされる際には256kbpsのAACファイルになるので音質が下がるためだ。とはいえ、お気に入りの曲であれば、別扱いは面倒。あまり聴かないアルバムを外して、2万5,000曲以下にするといいだろう。
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 これまであまりCDから音楽を取り込んでいないなら、「iTunes Match」はそれほど魅力的に感じられないかもしれない。そこで注目されているのが「Spotify」だ。2008年にスタートしたスウェーデン初の音楽聴き放題サービスで、ユーザー数は2,400万人、有料会員も600万人以上と人気を集めている。楽曲は洋楽を中心に2,000万曲以上を網羅しており、現在55カ国で展開している。著作権処理が面倒な日本では例のごとく遅れているが、それでもそろそろスタートしそう。「Spotify」(https://www.spotify.com/int/why-not-available/)のホームページではメールの登録が可能で、サービス開始を連絡してもらえるようになっている。  無料アカウントでは、数曲再生するたびに広告が流される。有料アカウントは広告なしで、月額はPC向けが4.99ドル(約500円)、PC/モバイル向けが9.99ドル(約1,000円)となる。膨大な音楽ライブラリから好きな音楽を好きなだけ聴けて、月額約1,000円というのは魅力的。無料でもそこそこ楽しめるので、若いユーザー層を多く獲得している。  日本でも低価格で提供し、「LINE」や「Facebook」といったソーシャルメディアに絡めて展開すればブレークする可能性は高い。Spotifyによると「今年に入ってから100万人の新規ユーザーを獲得し、iTunesの売上を超えるのは時間の問題」という。近いうちに、ダウンロード販売と「iTunes Match」でユーザーのライブラリを充実させるAppleと、ライトユーザーや音楽にお金を払わなくなった人たちを取り込む定額の聴き放題サービスの日本戦が始まる。どちらを選ぶかは、自分の音楽ライフのスタイルに合わせて決めよう。 (文=柳谷智宣)

あなたのケータイ代、高すぎない? 注目を集める「LCCスマホ」とは

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「ビックカメラ.com」より
 普段使っているスマホに、毎月いくら支払っているだろうか? 電話をあまり使わなくても6,000~7,000円、端末料金が加算されている場合は、8,000円を超える人もいるだろう。大手キャリアだとそれほど価格差はないが、今注目を集めているのがLCCだ。  LCCとはローコストキャリアの略で、格安で端末や通信回線を提供する事業者のこと。例えば、イオンは8,000台限定で格安スマホを発売。端末料金とデータ通信、音声通信の基本コストを全部合わせて月額2,980円となっている。ビックカメラは1,000台限定で、込み込み月額2,830円と格安だ。  大手キャリアの半額以下という価格を出せる理由はいくつかある。まずは、端末の調達コストが安いのだ。イオンは「Google Nexus 4」を採用している。Googleのリファレンス端末だが、発売は2012年11月。1年半前に登場した端末なのだ。Android OSこそ4.4に対応しているが、1~2世代古いことは確か。ビックカメラは「FleaPhone CP-F03a」。あまりなじみのない、COVIAというメーカーのシンプルな端末だ。  次に、通信機能に制限がある。MVNOと呼ばれる回線を利用しており、接続速度など大手キャリアとは大きく異なるのだ。イオンのスマホは「b-mobile SIM」を搭載し、データ通信速度は200kbpsと遅い。ビックカメラは14.4Mbpsだが、通信量は月に1GBまで。容量を超えると200kbpsに制限される。  4GやLTEをうたうサービスは、最大通信速度が75Mbpsと速い。一部の地域ではさらに高速通信が可能だ。それと比べると、200kbpsは段違いに遅い。動画のストリーミング再生は絶望的だし、アプリのダウンロードはもちろん、大きな画像の表示もつらいかもしれない。とはいえ、ウェブの閲覧やメールの送受信はできるし、LINEやソーシャルゲームのような通信量が少ないアプリなら問題なく利用できる。  ほかには、ドコモやソフトバンクなどのキャリアメールが使えなくなり、留守番電話やキャッチホンなどの機能が利用できないこともある。端末によるのだが、今のところはおサイフケータイも利用できない。  これらのデメリットを納得できるなら、月額コストを大きく抑えられるLCCはオススメ。2台目需要だったり、ウェブの閲覧やメールの送受信といったライトユースであれば問題なし。MNP(番号ポータビリティ)による高額キャッシュバックがなくなった今、LCCの存在感が増している。大手キャリアからLCCへのMNPも可能だ。  今後は、関西電力系の通信会社であるケイ・オプティコムやヨドバシカメラもLCCへの参入を予定している。この夏は、スマホ市場が大きく揺れそうだ。 (文=柳谷智宣)