
「君の名は希望」(SMR)
AKB48と乃木坂46の力関係が、今年はとうとう逆転するのかもしれない。
AKB48は2013年、板野友美、秋元才加、篠田麻里子といった主要メンバーが続々と卒業。ドラフト制度を導入するなどして、新体制への移行を図ってきた。紅白歌合戦では大島優子も卒業を発表。さらに2月24日には「AKBグループ大組閣祭り」を開催することも決まっており、いよいよ新生AKB48が本格的に始動するように見える。1月22日に発売された5枚目のアルバム『次の足跡』(キングレコード)も、タイトルからして次世代メンバーの躍進を期待させる。だが、その先行きは決して明るいものではないようだ。
「AKB48はここ1年くらい、ドラフトやら卒業やらでずっとバタバタしてきました。リアルなドキュメンタリー性を売りにしているグループなので、次々とサプライズを仕掛けるのは当然かもしれません。しかし、矢継ぎ早にいろいろと仕掛けすぎて、ほころびが出始めているのも事実です。たとえばドラフト制度は、新たなメンバーを発掘するとともに、チーム間のパワーバランスを調整する効果も期待されていたはず。ところが、ここに来て大組閣。これからチーム一丸となって頑張ろうというところに、水を差すようなやり方と言わざるを得ません。昨年の8月に東京ドームで発表された、各チームの新公演スケジュールがさっぱり実現されていないことからも、話題を集めるためだけに、行き当たりばったりな運営をしているように思えます。AKB48というシステムは、もう行き詰まりなのかもしれません」(芸能記者)
一方でAKB48の公式ライバルとされていた乃木坂46は、今になって勢いづいているという。
「乃木坂46には、総選挙やドラフトといったシステムはなく、運営がしっかりと舵を取り、グループとしての完成度を高めてきました。また、コンテンツもよくできていて、CDの付録となっている各メンバーのDVDは、それぞれ気鋭の映像作家が手がけるといった工夫が凝らされています。楽曲面での評価も高く、正統派アイドルポップスである『君の名は希望』は、普段アイドルソングを聴かないタイプの音楽ファンにも訴求しました。いわば、AKB48がドタバタを売りにするのに対し、乃木坂46はしっかりと作り込んだ作品を売りにしてきたのです。2014年初の新曲では、握手会で圧倒的な人気を誇ってきたメンバーの西野七瀬がセンターになることも決定しています。もしかしたらこのタイミングで、AKB48を越えようとしているのではないでしょうか」(同)
さらに、両グループのプロデューサーである秋元康自身も、乃木坂46はもともと、AKB48が立ち行かなくなったときのために育ててきた、と見る向きもある。
「乃木坂46は秋元康氏が総合プロデューサーとされていますが、実質的な運営は『乃木坂46運営委員会』が行っていて、これまであまり秋元氏が介入してくることはありませんでした。しかし、秋元氏の中で乃木坂46がどうでもよかったかというと、そうとも言えない部分があります。昨年2月に放送された『密着!秋元康2160時間 ~エンターテインメントは眠らない~』(NHK BSプレミアム)では、乃木坂46について『(AKB48を)抜くためには、あるいはそこに並ぶためには(ほかに)ないことをやらなきゃ無理じゃん。それを(周りは)見たいと思ってるわけだからさ』と、乃木坂46について熱心に語るシーンもありました。今になって考えてみれば、乃木坂46はAKB48が行き詰まったときのための代案的なグループだったのかもしれません。秋元氏が乃木坂46に本腰を入れ始めたら、いよいよ両グループの力関係は逆転しそうですね」(同)
結成当初は大げさに聞こえた「AKB48の公式ライバル」という肩書が、だんだんと現実味を帯びてきた乃木坂46。そのすべての展開を秋元康が予想していたとしたら、やはり名プロデューサーというべきか。
(文=岩倉直人)