今月、ドラマから誕生した「倍返し」「じぇじぇじぇ」が流行語大賞を受賞し、あらためて“ドラマの影響力”を感じさせられた2013年。読者の皆さんは今年、いくつドラマを見ましたか? 今月、続々と最終回を迎えた秋ドラマを、ランキング形式で振り返ります。 ■トップは“あま超え”の『ごちそうさん』! まず、平均視聴率のトップ10は以下の通り(視聴率はビデオリサーチ調べ、関東地区)。 1位『ごちそうさん』(NHK、第11週までの週間最高視聴率から算出)23.8% 2位『ドクターX~外科医・大門未知子~』(テレビ朝日系)23.0% 3位『リーガルハイ』(フジテレビ系)18.4% 4位『相棒 season12』(テレビ朝日系、12月11日放送分まで)16.7% 5位『八重の桜』(NHK、10月放送分以降)14.3% 6位『安堂ロイド~A.I.know LOVE?~』(TBS系)12.8% 7位『科捜研の女』(テレビ朝日系)12.7% 8位『ミス・パイロット』(フジテレビ系)11.7% 9位『独身貴族』(フジテレビ系)11.4% 同率9位『海の上の診療所』(フジテレビ系)11.4% トップは、杏主演のNHK連続テレビ小説『ごちそうさん』。放送前は、NHKが「毎回、おいしそうなごちそうが登場します」という部分ばかりを宣伝していたためか、「地味すぎる」「コケそう」という声が多かったものの、フタを開けてみれば人間ドラマとして評価され、視聴率は『あまちゃん』超え。それまでプレッシャーを感じていた杏も、関係者の前で涙を浮かべ「よかった」と安堵したとか。 そんな中、NHKの金満体質も露呈。このところ「ダイオウイカ」や、『あまちゃん』関連グッズがバカ売れしたこともあり、NHKエンタープライズなどの子会社は、『ごちそうさん』の版権ビジネスで儲けようとしているそうだ。一部報道によれば、いくら利益が出ても、NHK本体に還元せずに子会社で山分け。「受信料ギリギリで成り立っている」という姿勢は崩さないようにしているという。どうも腑に落ちない話だ……。 2位は、人気シリーズの第2シーズンとなる米倉涼子主演の医療ドラマ『ドクターX』。『相棒』と並ぶ人気シリーズの誕生に、テレ朝の上層部は歓喜しているとか。第3シーズンの放送もそう遠くはなさそうだ。 ■「ひねくれすぎ!?」堺雅人の性格に注目! 3位は、堺雅人と新垣結衣の弁護士コンビが活躍する法廷ドラマ『リーガルハイ』。堺主演で、最終回平均視聴率42.2%を叩き出したお化け番組『半沢直樹』(TBS系)の直後とあって、注目を集めた。 セリフ量の多い役柄が続いた堺は、今月18日に出演した『とくダネ!』(フジテレビ系)で「こんなにしゃべった年はない。修行僧のように毎日毎日、お経を覚えて唱えるみたいな。もらったセリフを右から左に言うっていう……」と苦笑いを浮かべ、「来年は、なるべくしゃべりたくない」と本音を吐露。しいては、「もらったものを誰かに渡すための1年だったから、僕のところには何も残ってない」「無味乾燥なやりがいのない1年だった」と話したため、視聴者から「(今年4月に)菅野美穂と結婚したじゃねーか!」「性格ひねくれすぎ!」と、総ツッコミが飛んだ。 そんな堺の右腕役を演じた新垣は、同ドラマの宣伝のために出演したバラエティ番組で、かねてから熱愛が報じられていた関ジャニ∞・錦戸亮と生共演。ジャニヲタから「地獄絵図だ!」などと悲鳴が上がった。ちなみにその後、2人は「ポッキーの日」(11月11日)の前日に破局したと報じられた。 4位は、水谷豊の相棒が成宮寛貴に変わって2作目となる『相棒 season12』。根強いファンが多く、初回から平均視聴率19.7%と大健闘。元旦には、2時間半スペシャルが放送される。 5位は、今月15日の最終回が平均視聴率16.6%を記録した大河ドラマ『八重の桜』。今年は、同局の『あまちゃん』に話題をさらわれ、最後まで地味な印象であった。視聴者からは、「マジメに作っているところが、好感持てる」「新島八重という女性を知ることができて良かった」などという声が上がっており、丁寧な作り込みが高評価を得ているようだ。 ■キムタクの連ドラ記録をストップさせた『安堂ロイド』 6位は、『半沢直樹』の後番組として話題をかっさらっていたSMAP・木村拓哉主演『安堂ロイド』。「引き出しから、未来のアンドロイドがやってくる」という、ドラえもんもびっくりの設定に、放送前から物議を醸した。 初回こそ平均視聴率19.2%と好スタートを切ったが、第4話で早くも2ケタぎりぎりまで下降。その後も大きな回復はなく、木村主演ドラマで17年間16作品にわたり続いた“視聴率20%達成連続記録”は、ここでストップしてしまった。 一部報道によれば、『安堂ロイド』の制作費は、6,000万円。木村のほか、柴咲コウ、大島優子、桐谷美玲といった豪華出演者のギャラや、CG制作費がかさんだとみられており、これは同局の『夫のカノジョ』や『クロコーチ』の2,500万円と比べても破格。SF大作でゴールデンタイムに新風を吹き込んだものの、マニアックすぎるストーリーに多くの視聴者が脱落してしまったようだ。 一方、大コケしたドラマといえば、川口春奈主演『夫のカノジョ』と、財前直見と沢村一樹が夫婦を演じた『家族の裏事情』(フジテレビ系)だろう。 『夫のカノジョ』は、オダギリジョー主演で途中打ち切りとなった『家族のうた』(フジテレビ系)を下回る全話平均3.9%を記録。これは、今世紀以降に放送されたプライム帯(テレビ東京を除く)の連ドラで、最低だとか。 初回から振るわなかったところをみると、どうやら視聴者は「OLと専業主婦の心が入れ替わる」という地味すぎる設定に、興味を引かれなかったようだ。 『家族の裏事情』も、夜8時台にしては見事なコケぶりではあるが、うまく『夫のカノジョ』の影に隠れたため、不名誉な話題に上る機会は少なかった。 全話平均20%超えは、『ごちそうさん』と『ドクターX』の2作品となった秋ドラマ。1月からは、嵐・松本潤主演の月9『失恋ショコラティエ』(フジテレビ系)や、坂口憲二主演の人気医療シリーズ『医龍4~Team Medical Dragon~』(同)、芦田愛菜主演『明日、ママがいない』(日本テレビ系)などがスタート。はたして、絶好調の『ごちそうさん』に歩み寄る作品は誕生するだろうか? (文=林タモツ)NHK『ごちそうさん』番組サイトより
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『半沢直樹』『リーガルハイ』……今年の顔・堺雅人の役づくりがヤバい!
いよいよ本日、最終回を迎える堺雅人主演のドラマ『リーガルハイ』(フジテレビ系)。大ヒット作『半沢直樹』(TBS系)には視聴率では及ばないが、作品評価は上々。特に主人公・古美門研介がヘリクツで真実を突く物語の面白さは「堺の演技力あってこそ」と、ネット上でも評判を呼んでいる。 脚本を担当する古沢良太は、インタビューで「(古美門は)とにかくネチネチした嫌味なキャラクターにしようと思いました」と語っているが、それを魅力的に仕上げたのは、なんといっても堺の早口演技。ドラマ史上最速かと思われるスピードで長ゼリフを繰り出す堺だが、そのことによって脚本も変化し、前シリーズ後半には古沢が書くセリフ量も増加。いかに堺の演技が脚本に影響を与えたかがよくわかるエピソードだ。 そもそも、堺の役づくりは“偏執狂”と呼んでもいいほどのものがある。著書『文・堺雅人』(文藝春秋)によれば、あるとき“手術”という言葉の言いにくさに腹立ち、「どこのどいつが“手術”なんてコトバを考案したのかと文献上の初出をしらべた」といい、ついには『三国志』までさかのぼった。そして「ヒミコの時代からつかわれているコトバにいまさら文句はいえず、いかりの矛先はあっさりうしなわれてしまった」そう。 また、『文・堺雅人2 すこやかな日々』(同)によると、ドラマ『大奥』(TBS系)で僧侶・有功を演じたときには、お経を2つ覚えただけでなく、仏教音楽である声明の歴史を調べ、その“混沌とした和声”の魅力を発見。ここから「(有功は)主旋律ではなく、だれかにあわせて歌をうたっているような人物ではないだろうか」という役のヒントを得たようだ。 さらに、映画『クライマーズ・ハイ』で新聞記者の役を演じた際には、“新聞記者は肉好きが多い”と聞いて肉食にしたという堺。しかし、それは単に特徴を真似ただけではないらしい。というのも、新聞記者の「はしりまわったり、どなりあったり」という“男の子らしさ”が自分に欠けていると感じ、肉食にすることでその効果を期待したのだ。これには「役づくりの方法として根本的にまちがっているような気がしてならない」と自らツッコミを入れているが、結果としては、この役で堺は日本アカデミー賞やブルーリボン賞をはじめ、数々の映画賞で助演男優賞に選ばれている。 しかも、こうした役への並々ならぬ執念は、初めて演技をした幼稚園での演目『みつばちハッチ』から発揮されていた。「カベムシ」という役を与えられた堺は、さっそく図鑑でカベムシを調査。しかしカベムシは図鑑になく、「実在しない虫はどうにもイメージがつきにくい」と先生に相談したほど。しかも、先生からあっさりとクモ役への変更を命じられた堺は、「カベムシしかやれません」と宣言。結局、架空のカベムシは「クモの陰謀に加担することになった、ナゾのくろい虫」として登場することで落ち着いたという。 こうした歴史を経て、今年、一大ブレークを果たした堺。早くも来年には『半沢直樹』の続編があるのではないかとウワサされているが、半沢とも古美門とも違う、新たなキャラクターも見てみたいものだ。
この国では、世間さまに嫌われたら有罪――『リーガルハイ』の宣戦布告
「テレビはつまらない」という妄信を一刀両断! テレビウォッチャー・てれびのスキマが、今見るべき本当に面白いテレビ番組をご紹介。 「やられてなくてもやり返す! だれかれ構わず八つ当たりだッ!」 いきなり『半沢直樹』(TBS系)のラストショットと同じ表情で始まった『リーガルハイ』(フジテレビ系)の第2シリーズは、前作と同様に「お・も・て・な・し」をもじったり、ゲストの松平健の「無礼千万!」というセリフに『暴れん坊将軍』(テレビ朝日系)のBGMを乗せたりと、だれかれ構わずパロディの刃を振り回している。 勝つためには手段を選ばない弁護士・古美門(堺雅人)と、“正義”を貫こうとして事あるごとに対立するパートナーの黛(新垣結衣)を描いた『リーガルハイ』は、2012年4月に第1シリーズが放送され、今年4月のスペシャル版を経て、10月に新シリーズとして復活した。 「正義は少年ジャンプの中にしかないと思え!」などとエキセントリックな言動で古美門を演じるのは、半沢直樹役が記憶に新しい堺雅人。それまで静かで繊細な役が多かった堺から『半沢直樹』よりも先に、その過剰な演技を引き出したのは『リーガルハイ』だった。堺なら、どんなに過剰でエキセントリックに演じても、品が保たれることが、すでに前作で証明されていたのだ。 古美門から「朝ドラのヒロインか!」と罵倒される黛。彼女は今作でも「今どき朝ドラの主人公でも、もっと成長するぞ。これほど変わらないのは、キミと磯野家ぐらいのものだ」と揶揄されるが、黛はもちろん古美門を含め、このドラマの主要人物は基本的に成長しない。思えば「ヒロインが成長しない」ということが特徴だった『あまちゃん』(NHK)をも先取りしていたのだ。 これまで『リーガルハイ』では、離婚訴訟から日照権裁判、いじめ問題までさまざまな訴訟に対し、古美門は勝ち続けてきた。だが、今シリーズでは、いきなり敗戦を味わうことになる。 それが、保険金目当てで次々と交際相手を殺した連続保険金殺人容疑の「毒婦」安藤貴和(小雪)裁判だ。証拠も揃っている上、圧倒的な世論で「死刑」回避は困難な状況で、古美門は証拠の信用性の低さを突き、彼女を無罪に導こうとする。形勢は逆転したかに見えたが、安藤が突然自供を始めてしまったため敗訴。古美門は上告して、この敗戦をチャラにしようと決意する。今作では、ほかのさまざまな訴訟と並行して、この事件の裁判が連続ものとして描かれていくようだ。 安藤裁判の途中、古美門は「安藤貴和が犯した罪が仮にあるとするならば、ただひとつ」だと言い放った。 「それは世間に嫌われたことです。この国では世間さまに嫌われたら有罪なんです!」 この対世間、対世論は、今作の大きなテーマのひとつなのかもしれない。第2話では若くして会社を創設し、一流会社を次々と買収、“時代が生んだ天才”と謳われもてはやされた果てに、インサイダー取引で実刑を受け出所した鮎川光(佐藤隆太)が、自分を誹謗中傷したマスコミらを訴えると息巻く。それを知った古美門は、珍しく自ら鮎川に売り込みに行く。 「この国の報道のあり方は問題です。表現の自由などという戯言を盾に言いっぱなしで責任をとらず、いいときは持ち上げ、落ちるときは一斉に叩く。有名人を叩けば庶民が喜ぶと思っているんです。有名人もまた、ひとりの庶民であるはずなのに。マスコミだけではありません。いまや誰もかれもが批評家気取り。一般人だから何を言っても許されると思っている」 明らかに、どこかで聞いたことのあるような経歴の鮎川に対し、古美門はさらに続ける。 「フィクションの名のもとに、明らかにあなたをモデルにした人物を登場させ、笑いものにしているクソドラマやヘボ小説が山ほどある。どいつもこいつも、根こそぎ訴えようじゃありませんか!」 しかし、鮎川は古美門の弁護を拒否。自分自身で戦う本人訴訟を彼は選んだのだ。 そして古美門は自分が訴えようと提案したばかりの、パロディ漫画を描いて訴えられた「フィクション」側の弁護士として鮎川と対峙する。古美門にとって、世間が考えるような善悪は無関係。依頼人の善こそがすべてだ。 今作では新しく羽生(岡田将生)という「人たらし」の弁護士が新レギュラーとして加わった。彼は「お互いが譲り合って、みんながHappyになれる落としどころ」を探り、「双方がWin-Winになる道を見つけるために裁判がある」という考えの男だ。戦って傷を負うことを嫌い、「戦わない」ことを選ぼうとする。 古美門の正義は「金」である、と本人も高らかに宣言している。けれど、そうではないのかもしれない。古美門にとっての本当の正義とは、「戦うこと」それ自体ではないだろうか。 前作でも彼は、訴訟を取り下げようとした原告団の住民たちに「これがこの国のなれ合いという文化の根深さだ」と吐き捨て、「誇りある生き方を取り戻したいのなら、見たくない現実を見なければならない。深い傷を負う覚悟で、前に進まなければならない。戦うということは、そういうことだ!」と大演説で鼓舞していた。 戦うことでしか、何も生まれない。目の前の問題を見て見ぬふりをして先送りにしては、何も解決しない。それは今、「フィクション」を作ることに対する作り手としての心構えと心意気とが重なっているように見える。 鮎川と怒涛の攻防を繰り広げた古美門は、したたり落ちる汗も気にせず「もっとやろう」と不敵に笑った。 「勝つか負けるか、最後まで徹底的に戦うぞ!」 それは古美門の、いや『リーガルハイ』の世間に対する宣戦布告かのようだ。 (文=てれびのスキマ <http://d.hatena.ne.jp/LittleBoy/>) ◆「テレビ裏ガイド」過去記事はこちらから『リーガルハイ』-フジテレビ
“視聴率12%女優”新垣結衣 『半沢』人気便乗でファン離れを食い止められるか!?
初回平均視聴率21.2%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)で好スタートを切った堺雅人主演の連続ドラマ『リーガルハイ』(フジテレビ系)。ヒロイン役を演じる新垣結衣の“イメージ回復”に、注目が集まっている。 同作は、無敗の敏腕弁護士・古美門研介(堺)と、正義感の強い若手弁護士・黛真知子(新垣)のコンビが、対立しながら何がなんでも勝訴を目指す物語。昨年4月に第1期が放送されると、「間違いなく今期ナンバーワン!!」「毎回爆笑! このコンビは最高です」などと熱いファンが続出。だが、全話平均視聴率12.5%と伸び悩み、評判と数字が比例しない結果となった。 第2期の初回では、恋愛問題が発覚したアイドルに“騙された”と訴えるファンらを弁護。ハチャメチャな論理でアイドルを追い詰めた。また、殺害未遂容疑の安藤貴和(小雪)の弁護を担当するも、法廷で思わぬ展開が待ち受けていた……。 第1期の初回視聴率12.2%と比べ、9ポイントも数字を伸ばした第2期。堺主演で、最終回42.2%を叩き出した『半沢直樹』(TBS系)の好影響が及んでいることは言わずもがなだが、今の堺人気は視聴率低迷にあえぐフジテレビの救世主であると同時に、新垣にとっても思いがけぬ賜物となりそうだ。 ここ数年の新垣といえば、2011年の『全開ガール』(フジテレビ系)以降、主演を務めた連ドラがことごとく全話平均視聴率12%台を記録。そのため、新垣のことを「12%女優」と呼ぶテレビ関係者もいるという。 また、今年3月には、“チャラ男”で有名な関ジャニ∞の錦戸亮との“通い愛”がフライデーされ、ファン離れが進んでいる。 「清純派で売っていたガッキーの初スキャンダル相手が“夜遊び番長”こと錦戸さんだったことは当時、男性ファンに大きな衝撃を与え、『騙された』『裏切られた』という感情を抱かせてしまった。そのせいもあって、最近は新垣さんの茶髪や濃いメイクに難くせを付けては、『錦戸と付き合ってから魅力が半減した』『あの時の輝きは、もうない』などと叩かれることが増えている。そんな状況を打破するためには、新たなイメージを植え付けるようなヒット作に出演するのが手っ取り早い。『リーガルハイ』が、いつまでも清純派を引きずっている新垣さんの脱皮作になればいいですね」(芸能記者) 堺人気に便乗し、女優として一皮剥けることはできるだろうか?


