TOKYO MX“個人情報流出”で犯罪被害の可能性……「出演者の情報もなんらかの形で?」

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「TOKYO MX」公式ホームページより
 TOKYO MX(東京メトロポリタンテレビジョン)が、「ホームページへの不正アクセスによる個人情報流出」を発表した。被害の対象は、2010年から今年10月3日までの期間に、主に番組へのコメント用フォームなどから投稿した視聴者の氏名、もしくはニックネームとメールアドレスなどが流出した可能性があるという。情報には住所、電話番号、クレジットカードなどは含まれてはいないが、今後は、この流出による二次被害も心配される。 「こうした情報の流出では、個人情報のリストを犯罪に悪用する連中もいる」  そう話すのは、ネットセキュリティ事業を手掛ける都内のIT事業者A氏。 「以前、出会い系サイトの利用者の情報が漏洩したときは、その後に利用者のところに架空請求のメールがバラまかれ、支払う義務のない人々が勘違いして支払ってしまう被害がありました。MXの視聴者リストであれば、何か番組に関連するウソの話を持ち出して騙すような手口が考えられます。こういうのは詐欺グループが自分たちの手を汚さず、学生などを使って“ブラックバイト”としてやらせるケースもあるので、犯罪が確認できても摘発に時間がかかることもあって厄介です」(同)  流出した情報の悪用には、MXも不安を募らせており、被害者と思われる人々には「弊社から電話・郵便・メール等で、銀行口座や、クレジットカード情報、暗証番号、マイナンバーなどをお伺いすることは絶対にありませんので、ご注意戴けるようお願い申し上げます」(原文ママ)という連絡がメールで送られている。  被害者数は氏名を含むものが約1,270件、メールアドレスだけのものが、最大で約37万件だというから甚大だ。メールアドレスが流出した可能性のある対象番組はかなり多く、『5時に夢中!』、『モーニングCROSS』、『バラいろダンディ』などの人気番組ほか、『西部邁ゼミナール』、『アート・ステージ』、『U・LA・LA@7』、『田村淳の訊きたい放題』など20以上の番組で、すでに終了した番組も多数含まれる。MXは対象者にはメール連絡しているほか、コールセンターでも対応を受け付けている。  ただ、ある番組出演者のタレントは「自分のところにも、その被害対応メールが来ている。過去、番組宛にメールを送ったことはないので、出演者の情報もなんらかの形で漏れた可能性はあるのでは」と話している。  また、流出番組リストに含まれていないとされる『ニュース女子』の視聴者からも「沖縄の米軍基地反対運動について問題になったとき、抗議のメールを送ったことが唯一の接点だったのに、対象者に向けた連絡が届いた」という声が出ている。  このあたり、もしも局の方で把握できていない被害があったとするなら、不安が拡大しそうだが、そのあたりをMXの関係者に話を聞いたところ「現在、調査中の部分がありますのですぐに回答はできない」とのことだった。発表されている被害状況が今後、更新されることもあり得そうだ。 (文=李銀珠)

TOKYO MX“個人情報流出”で犯罪被害の可能性……「出演者の情報もなんらかの形で?」

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「TOKYO MX」公式ホームページより
 TOKYO MX(東京メトロポリタンテレビジョン)が、「ホームページへの不正アクセスによる個人情報流出」を発表した。被害の対象は、2010年から今年10月3日までの期間に、主に番組へのコメント用フォームなどから投稿した視聴者の氏名、もしくはニックネームとメールアドレスなどが流出した可能性があるという。情報には住所、電話番号、クレジットカードなどは含まれてはいないが、今後は、この流出による二次被害も心配される。 「こうした情報の流出では、個人情報のリストを犯罪に悪用する連中もいる」  そう話すのは、ネットセキュリティ事業を手掛ける都内のIT事業者A氏。 「以前、出会い系サイトの利用者の情報が漏洩したときは、その後に利用者のところに架空請求のメールがバラまかれ、支払う義務のない人々が勘違いして支払ってしまう被害がありました。MXの視聴者リストであれば、何か番組に関連するウソの話を持ち出して騙すような手口が考えられます。こういうのは詐欺グループが自分たちの手を汚さず、学生などを使って“ブラックバイト”としてやらせるケースもあるので、犯罪が確認できても摘発に時間がかかることもあって厄介です」(同)  流出した情報の悪用には、MXも不安を募らせており、被害者と思われる人々には「弊社から電話・郵便・メール等で、銀行口座や、クレジットカード情報、暗証番号、マイナンバーなどをお伺いすることは絶対にありませんので、ご注意戴けるようお願い申し上げます」(原文ママ)という連絡がメールで送られている。  被害者数は氏名を含むものが約1,270件、メールアドレスだけのものが、最大で約37万件だというから甚大だ。メールアドレスが流出した可能性のある対象番組はかなり多く、『5時に夢中!』、『モーニングCROSS』、『バラいろダンディ』などの人気番組ほか、『西部邁ゼミナール』、『アート・ステージ』、『U・LA・LA@7』、『田村淳の訊きたい放題』など20以上の番組で、すでに終了した番組も多数含まれる。MXは対象者にはメール連絡しているほか、コールセンターでも対応を受け付けている。  ただ、ある番組出演者のタレントは「自分のところにも、その被害対応メールが来ている。過去、番組宛にメールを送ったことはないので、出演者の情報もなんらかの形で漏れた可能性はあるのでは」と話している。  また、流出番組リストに含まれていないとされる『ニュース女子』の視聴者からも「沖縄の米軍基地反対運動について問題になったとき、抗議のメールを送ったことが唯一の接点だったのに、対象者に向けた連絡が届いた」という声が出ている。  このあたり、もしも局の方で把握できていない被害があったとするなら、不安が拡大しそうだが、そのあたりをMXの関係者に話を聞いたところ「現在、調査中の部分がありますのですぐに回答はできない」とのことだった。発表されている被害状況が今後、更新されることもあり得そうだ。 (文=李銀珠)

日本年金機構の個人情報125万件“ダダ漏れ”で芸能界激震!? テレビ局に届いた「一覧表」の存在

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『日本年金機構』より
 5月28日に判明した日本年金機構の個人情報「ダダ漏れ」問題が、芸能界にも飛び火している。6月16日の夜、ある報道番組のもとに、芸能人数十名の本名と住所、生年月日、基礎年金番号を記した一覧表が、匿名で送りつけられたのだ。 「一覧が印刷されたもので、文章などは付いていなかった。わかる範囲で見たところでは、芸能人の住所はおおむね一致。ただ、細かい内容まで確かなものかもわからないし、これだけで犯罪性があるとまで言い切れないところで、現時点では怪文書の類として警察に届けたりする動きにはない」と、文書を見たテレビプロデューサー。  それでも気になるこの文書、一覧にはところどころにペンで赤丸が付けられており、生年月日の部分に丸が記されているところは「タレントの発表年齢と違う部分」だという。 「基礎年金番号に丸が記されているところもあるけど、これは意味不明」とプロデューサー。  現時点ではこの一覧が先に流出した年金情報の一部なのかは不明だ。ただ、日本年金機構は6月1日、サイバー攻撃により主に沖縄、和歌山、東京の約125万件の年金情報が流出したと発表したばかりで、タイミング的には、ここからの抜粋が疑われる。  流出事件は職員の端末に届いた外部からのウイルスメールによる不正アクセスで、名前や住所、生年月日、基礎年金番号といった個人情報が流出。まさに送られてきた一覧と合致する項目だ。  これについて、ネットに流れる情報を集めるリサーチ業者の社員からは「流出した年金情報が、すでに名簿のようになって裏取引され始めている」という話が聞かれる。 「我々は日ごろ、ネットに流出した個人情報などを回収して、あらゆる情報問題の収拾に努めているんですが、同時に名簿屋などデータ転売に出回っているものも追跡しています。今回の流出では、一部がバラ売りされている可能性が高いことが確認できたんです」  この業者は「その芸能人情報の文書については見てもいないので、なんとも言えない」としながらも、「数十万、数百万という個人情報の流出の場合、過去の例だと芸能人だけを抜粋したり、会社役員など資産のありそうな人物だけを抜粋したり、種類別にしたものが転売される」という。 「流出した年金情報は一時、中国のサイト上にファイルとして置かれていて、現在は消されてしまってますが、そのひとつは人気女優S・Kの本名と生年月日を組み合わせたファイル名だったことがわかっています」と業者。  流出による被害は本人になりすました上、勝手に住所変更などをされ、詐欺事件につながる危険性があるが、芸能人の場合、住所がバレただけでもリスクが大きく、もし年金の未納でもあればバッシングの対象になりかねない。125万件もあれば、例えば大所帯アイドルグループのメンバーが含まれていてもおかしくはない数のため、ネット上でもそのファイルを手に入れようとする“ITハンター”がいたりもする。  現在、この問題は「日本年金機構不正アクセス事案検証委員会」が立ち上がり、再発防止に動いているが、リサーチ業者は「今の日本のデータ管理はいかにもお役所仕事的で、天下り先や癒着業者に丸投げしてるのがほとんど。それを今から一括で強化するのは、そのあたりの仕組みにもメスを入れることになるので、難しいのでは」と話す。 「芸能人情報に関しては過去、情報が流出しても、被害を公にするとネット中でデータ探しが始まるので、余計な拡大を防ぐために被害を黙っているケースも少なくない」(同)  番組に届いた謎の流出データの正体はわからないが、いずれにせよ情報流出のダメージは一般人より有名人の方がはるかに大きそうだ。 (文=ハイセーヤスダ)

人を不快にさせるだけ……? もてはやされる「ビッグデータ」のヤバさ

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JR東日本公式サイトより
 6月末、JR東日本のICカード・Suicaの情報(ビッグデータ)が販売されるも、個人情報が売買されることへの非難が集中し、販売中止に至った事件。騒動の原因については、姉妹サイトのビジネスジャーナルでも、すでに報じている(記事参照)。  これまでにない強力なマーケティングツールとして期待だけが独り歩きしているビッグデータ。そもそも、現状ではどのような使い方をされているのか?  ビッグデータは、住所・氏名・性別・電話番号などがわかる個人情報とは異なる。Suicaを例に挙げれば、改札を通過した駅の名前や日時や、Suicaで買い物した店、本人の性別や年齢は把握することはできるが、個々人の名前や住所まではひも付けされていない。  つまり、ぼんやりとはわかるが、個人までを特定することはできないのだ。にもかかわらず、ビッグデータの利用は「新たなビジネスチャンス」として期待される半面で「個人情報が漏れるのではないか」というネガティブな気持ちを多くの人に抱かせている。  その理由は、なんといってもビッグデータを利用して消費者に提供されるサービスが、なんとなく気持ち悪いからにほかならない。  問題になったJR東日本では、すでにビッグデータを利用して顧客のニーズに合致した商品を開発したり、サービスの「改善」を行っている。例えば、駅構内で見かける最新型のタッチパネル式の自販機で飲み物を買おうとすると、おすすめ商品が表示されるのを見たことはないだろうか。この自販機、センサーによって自動的に購入者の年齢層と性別を判断、それに気温や時間帯なども計算して、おすすめの商品を表示するというもの。これを導入したのがJR東日本の駅構内の自販機を扱うJR東日本ウォータービジネスだ。同社が、このサービスをリリースするにあたって利用したのが、ビッグデータなのだ。  ビッグデータを利用して、客によって提供するサービスを変える。そのサービスに熱心なのが、コンビニエンスストアだ。コンビニでは、ビッグデータを解析して、特定の年齢層の客には特定の商品のクーポンを渡す。売れ筋ではないが、特定の客層にはリピートされているので、仕入れを継続するなどの使い方をしているのである。  要はビッグデータの利用とは、従来では時間も人手もかかる市場調査を、データを使って簡略かつ正確に行っているものと考えてよい。しかし、客の側に立てば「自分がどこかでした買い物の記録を勝手に利用されている」という気分は拭えない。「これがオススメですよ」と自販機が表示したり、見知らぬ店員にクーポンを渡されても、うれしくなるよりは「なんで俺のこと知ってるんだよ」と思う人も多いはずだ。膨大なデータを解析して、顧客のニーズに合ったものをとはいっても、実態は最大公約数のものを提供しているにすぎない。要は、余計なお世話なのである。ビッグデータを利用して、その日の株式市場の動向予測を提供しているサービスなどが象徴的だが、あくまで「おそらく、こうですよね? こうなりますよ」と曖昧な答えを示しているにすぎないのだ。  結局、ビッグデータがもてはやされる背景は、誰もが自分や前の世代から受け継がれてきたカンや経験に基づく判断を避けようとしていることがある。ありていにいえば、誰もが「データの裏付け」を言い訳にして責任を取りたくないということだろう。  ビッグデータを利用すれば、便利なこともあるかもしれない。でも、行き着く先は斬新なアイデアが皆無の猿真似合戦なんじゃないだろうか。 (文=昼間たかし)